JP2003013793A - 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム - Google Patents
内燃機関の失火検出方法及び失火検出システムInfo
- Publication number
- JP2003013793A JP2003013793A JP2001195825A JP2001195825A JP2003013793A JP 2003013793 A JP2003013793 A JP 2003013793A JP 2001195825 A JP2001195825 A JP 2001195825A JP 2001195825 A JP2001195825 A JP 2001195825A JP 2003013793 A JP2003013793 A JP 2003013793A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure measurement
- measurement time
- pressure
- value
- dead center
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 title claims abstract description 36
- 238000001514 detection method Methods 0.000 title description 3
- 238000009530 blood pressure measurement Methods 0.000 claims abstract description 98
- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 32
- 238000012937 correction Methods 0.000 claims abstract description 25
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims abstract description 23
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- RRLHMJHRFMHVNM-BQVXCWBNSA-N [(2s,3r,6r)-6-[5-[5-hydroxy-3-(4-hydroxyphenyl)-4-oxochromen-7-yl]oxypentoxy]-2-methyl-3,6-dihydro-2h-pyran-3-yl] acetate Chemical compound C1=C[C@@H](OC(C)=O)[C@H](C)O[C@H]1OCCCCCOC1=CC(O)=C2C(=O)C(C=3C=CC(O)=CC=3)=COC2=C1 RRLHMJHRFMHVNM-BQVXCWBNSA-N 0.000 description 5
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 5
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 230000006870 function Effects 0.000 description 4
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 3
- 238000004880 explosion Methods 0.000 description 3
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 3
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 3
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 3
- 230000004044 response Effects 0.000 description 3
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 3
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 2
- 101100524644 Toxoplasma gondii ROM4 gene Proteins 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 230000010354 integration Effects 0.000 description 1
- 230000005616 pyroelectricity Effects 0.000 description 1
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 230000001052 transient effect Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Testing Of Engines (AREA)
- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧座型圧力センサを用いることにより簡便か
つ安価に実施可能でき、かつ、高精度で再現性のよい失
火判定が可能な内燃機関の失火判定方法を提供する。 【解決手段】 スパークプラグの取付座に設けた圧力セ
ンサ(座型圧力センサ)により、該スパークプラグが取
り付けられている内燃機関の筒内圧を測定する。吸気弁
が閉じてからクランク角が上死点に達するまでの上死点
前期間内において第一圧力測定時刻を定め、その第一圧
力測定時刻における筒内圧の測定値をP1とし、クラン
ク角が前記上死点に到達してから排気弁が開くまでの上
死点後期間内において第二圧力測定時刻を定め、その第
二圧力測定時刻における前記筒内圧の測定値をP2とす
る。また、上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における筒内圧測
定値を補正圧力値P0とし、圧力測定値P1及びP2か
ら各々補正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’と
する。そして、それらP1’とP2’との比に基づいて
内燃機関の失火判定を行なう。
つ安価に実施可能でき、かつ、高精度で再現性のよい失
火判定が可能な内燃機関の失火判定方法を提供する。 【解決手段】 スパークプラグの取付座に設けた圧力セ
ンサ(座型圧力センサ)により、該スパークプラグが取
り付けられている内燃機関の筒内圧を測定する。吸気弁
が閉じてからクランク角が上死点に達するまでの上死点
前期間内において第一圧力測定時刻を定め、その第一圧
力測定時刻における筒内圧の測定値をP1とし、クラン
ク角が前記上死点に到達してから排気弁が開くまでの上
死点後期間内において第二圧力測定時刻を定め、その第
二圧力測定時刻における前記筒内圧の測定値をP2とす
る。また、上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における筒内圧測
定値を補正圧力値P0とし、圧力測定値P1及びP2か
ら各々補正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’と
する。そして、それらP1’とP2’との比に基づいて
内燃機関の失火判定を行なう。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の失火判定
方法及びシステムに関する。
方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関における失火判定方法として
は、例えば、燃焼室に通じる圧力導孔をシリンダヘッド
に形成し、ここに隔壁型の圧力センサを配置して、燃焼
室内の圧力を直接的に測定する方法が考えられる。しか
しながら、圧力導孔をシリンダヘッドに形成するための
加工が必要であり、構造の複雑化と製造コストアップと
が避けがたい。他方、筒内圧をより簡便に測定する手段
として、例えば特開平6−290853号公報等には、
スパークプラグの取付座に設けた圧力センサ(以下、座
型圧力センサという)により筒内圧を測定する方法が開
示されている。
は、例えば、燃焼室に通じる圧力導孔をシリンダヘッド
に形成し、ここに隔壁型の圧力センサを配置して、燃焼
室内の圧力を直接的に測定する方法が考えられる。しか
しながら、圧力導孔をシリンダヘッドに形成するための
加工が必要であり、構造の複雑化と製造コストアップと
が避けがたい。他方、筒内圧をより簡便に測定する手段
として、例えば特開平6−290853号公報等には、
スパークプラグの取付座に設けた圧力センサ(以下、座
型圧力センサという)により筒内圧を測定する方法が開
示されている。
【0003】図3は、筒内圧センサにより測定した、燃
焼室内における1サイクル分の筒内圧測定プロファイル
を例示するものであり、実線は正常燃焼時のプロファイ
ルを、一点鎖線は失火時のプロファイルをそれぞれ示す
ものである。吸気弁が閉じると燃焼室内は密閉状態とな
り、ピストンの上昇により混合気が圧縮されて筒内圧が
上昇する。そして、上死点(TDC:Top Dead Cente
r)前のあるクランク角(点火時期)にてスパークプラ
グへの点火がなされる。この点火によって混合気への着
火が正常になされれば、混合気の爆発により筒内圧はさ
らに上昇する。その圧力増分により、ピストンがTDC
を過ぎて下降に転じた後も筒内圧の上昇がしばらく続
き、ピストンがある程度下降すれば減少に転ずる。従っ
て、筒内圧測定プロファイルは、ピーク位置がTDCに
対応するクランク角(αTDC)よりも高角側にシフトし
た非対称プロファイルとなる。他方、例えば着火が不調
に終わり失火した場合は、爆発による圧力増分がないの
で、燃焼室内体積が最小となるTDCにて圧力は最大と
なり、その後は上昇時とはちょうど逆の圧力変化をたど
りつつピストンが下降する。従って、筒内圧測定プロフ
ァイルはピーク位置がαTDCと一致した略対称なものが
得られる。このように、正常燃焼時と失火時とでは、筒
内圧測定プロファイルのピーク値に差が生ずるととも
に、プロファイルの対称性にも明らかな差が生ずる。
焼室内における1サイクル分の筒内圧測定プロファイル
を例示するものであり、実線は正常燃焼時のプロファイ
ルを、一点鎖線は失火時のプロファイルをそれぞれ示す
ものである。吸気弁が閉じると燃焼室内は密閉状態とな
り、ピストンの上昇により混合気が圧縮されて筒内圧が
上昇する。そして、上死点(TDC:Top Dead Cente
r)前のあるクランク角(点火時期)にてスパークプラ
グへの点火がなされる。この点火によって混合気への着
火が正常になされれば、混合気の爆発により筒内圧はさ
らに上昇する。その圧力増分により、ピストンがTDC
を過ぎて下降に転じた後も筒内圧の上昇がしばらく続
き、ピストンがある程度下降すれば減少に転ずる。従っ
て、筒内圧測定プロファイルは、ピーク位置がTDCに
対応するクランク角(αTDC)よりも高角側にシフトし
た非対称プロファイルとなる。他方、例えば着火が不調
に終わり失火した場合は、爆発による圧力増分がないの
で、燃焼室内体積が最小となるTDCにて圧力は最大と
なり、その後は上昇時とはちょうど逆の圧力変化をたど
りつつピストンが下降する。従って、筒内圧測定プロフ
ァイルはピーク位置がαTDCと一致した略対称なものが
得られる。このように、正常燃焼時と失火時とでは、筒
内圧測定プロファイルのピーク値に差が生ずるととも
に、プロファイルの対称性にも明らかな差が生ずる。
【0004】しかしながら、筒内圧ピーク値レベル一点
のみを用いた失火判定は、完全失火に至らない場合に失
火検出ができないなど誤差要因が多く、正確性に欠ける
難点がある。そこで、特開昭57−80538号、特開
昭61−23876号及び特開平1−172730号の
各公報には、上死点前期間内に定めた第一圧力測定時刻
での筒内圧測定値をP1とし、上死点後期間内に定めた
第二圧力測定時刻での筒内圧測定値をP2として、P1
とP2との比により失火判定を行なう方法が開示されて
いる。
のみを用いた失火判定は、完全失火に至らない場合に失
火検出ができないなど誤差要因が多く、正確性に欠ける
難点がある。そこで、特開昭57−80538号、特開
昭61−23876号及び特開平1−172730号の
各公報には、上死点前期間内に定めた第一圧力測定時刻
での筒内圧測定値をP1とし、上死点後期間内に定めた
第二圧力測定時刻での筒内圧測定値をP2として、P1
とP2との比により失火判定を行なう方法が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】座型圧力センサを用い
る方法は、センサを固定しているスパークプラグの締め
付け力が筒内圧を受けて緩むことを利用して、いわば間
接的に筒内圧を測定するものである。従って、圧力導孔
を介して隔壁型のセンサにより直接測定する方法と比較
すれば、スパークプラグの締め付け力や圧電素子性能の
バラツキなど、圧力測定値の変動要因が多数存在し、圧
力測定値の絶対値により正確な失火検出を行なうことは
事実上不可能に近い。
る方法は、センサを固定しているスパークプラグの締め
付け力が筒内圧を受けて緩むことを利用して、いわば間
接的に筒内圧を測定するものである。従って、圧力導孔
を介して隔壁型のセンサにより直接測定する方法と比較
すれば、スパークプラグの締め付け力や圧電素子性能の
バラツキなど、圧力測定値の変動要因が多数存在し、圧
力測定値の絶対値により正確な失火検出を行なうことは
事実上不可能に近い。
【0006】本発明の課題は、座型圧力センサを用いる
ことにより簡便かつ安価に実施可能であり、かつ、高精
度で再現性のよい失火判定が可能な内燃機関の失火判定
方法及びシステムを提供することにある。
ことにより簡便かつ安価に実施可能であり、かつ、高精
度で再現性のよい失火判定が可能な内燃機関の失火判定
方法及びシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の内燃機関の失火判定方法
は、スパークプラグの取付座に設けた圧力センサの出力
により、該スパークプラグが取り付けられている内燃機
関の筒内圧に基づく筒内圧測定値を取得し、吸気弁が閉
じてからクランク角が上死点に達するまでの期間(上死
点前期間)内において第一圧力測定時刻を定め、その第
一圧力測定時刻における筒内圧測定値をP1とし、クラ
ンク角が上死点に到達してから排気弁が開くまでの期間
(上死点後期間)内において第二圧力測定時刻を定め、
その第二圧力測定時刻における筒内圧測定値をP2と
し、他方、上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における筒内圧測
定値を補正圧力値P0とし、圧力測定値P1及びP2か
ら各々補正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’と
して、それらP1’とP2’との比に基づいて内燃機関
の失火判定を行なうことを特徴とする。
題を解決するために、本発明の内燃機関の失火判定方法
は、スパークプラグの取付座に設けた圧力センサの出力
により、該スパークプラグが取り付けられている内燃機
関の筒内圧に基づく筒内圧測定値を取得し、吸気弁が閉
じてからクランク角が上死点に達するまでの期間(上死
点前期間)内において第一圧力測定時刻を定め、その第
一圧力測定時刻における筒内圧測定値をP1とし、クラ
ンク角が上死点に到達してから排気弁が開くまでの期間
(上死点後期間)内において第二圧力測定時刻を定め、
その第二圧力測定時刻における筒内圧測定値をP2と
し、他方、上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における筒内圧測
定値を補正圧力値P0とし、圧力測定値P1及びP2か
ら各々補正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’と
して、それらP1’とP2’との比に基づいて内燃機関
の失火判定を行なうことを特徴とする。
【0008】また、本発明の内燃機関の失火判定システ
ムは、スパークプラグが取り付けられている内燃機関の
筒内圧に基づく筒内圧測定値を取得するために、スパー
クプラグの取付座に設けた圧力センサと、吸気弁が閉じ
てからクランク角が上死点に達するまでの期間(上死点
前期間)内において第一圧力測定時刻を定め、その第一
圧力測定時刻における筒内圧測定値をP1とし、クラン
ク角が上死点に到達してから排気弁が開くまでの期間
(上死点後期間)内において第二圧力測定時刻を定め、
その第二圧力測定時刻における筒内圧測定値をP2と
し、他方、上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における筒内圧測
定値を補正圧力値P0とし、圧力測定値P1及びP2か
ら各々補正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’と
して、それらP1’とP2’との比に基づいて内燃機関
の失火判定を行なう判定ユニットとを有したことを特徴
とする。
ムは、スパークプラグが取り付けられている内燃機関の
筒内圧に基づく筒内圧測定値を取得するために、スパー
クプラグの取付座に設けた圧力センサと、吸気弁が閉じ
てからクランク角が上死点に達するまでの期間(上死点
前期間)内において第一圧力測定時刻を定め、その第一
圧力測定時刻における筒内圧測定値をP1とし、クラン
ク角が上死点に到達してから排気弁が開くまでの期間
(上死点後期間)内において第二圧力測定時刻を定め、
その第二圧力測定時刻における筒内圧測定値をP2と
し、他方、上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における筒内圧測
定値を補正圧力値P0とし、圧力測定値P1及びP2か
ら各々補正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’と
して、それらP1’とP2’との比に基づいて内燃機関
の失火判定を行なう判定ユニットとを有したことを特徴
とする。
【0009】なお、測定時刻は、タイマー計測により時
間tをパラメータとして測定してもよいし、クランク角
αを計測して該αの測定値を時刻測定値としてもいずれ
でもよい。
間tをパラメータとして測定してもよいし、クランク角
αを計測して該αの測定値を時刻測定値としてもいずれ
でもよい。
【0010】本発明の失火判定方法及びシステムにおい
ては、上死点前期間内において第一圧力測定時刻を定
め、その第一圧力測定時刻における筒内圧測定値をP1
とし、上死点後期間内において第二圧力測定時刻を定
め、その第二圧力測定時刻における筒内圧測定値をP2
とし、基本的には、それら圧力測定値P1及びP2に基
づいて、内燃機関の失火判定を行なうようにする。筒内
圧測定値が上記の要因により変動した場合、筒内圧測定
値の時間変化を示す筒内圧測定プロファイルは、図5
(a)及び(b)に示すように、そのピーク高さに変化
が生ずる。しかしながら、失火時と正常時との波形対称
性の相違はピーク高さが多少変わろうとも変化すること
がない。そこで、上死点前期間と上死点後期間とに圧力
測定時刻をそれぞれ定め、両者の筒内圧測定値P1とP
2との比を参照すれば、失火の有無を判定可能である。
ては、上死点前期間内において第一圧力測定時刻を定
め、その第一圧力測定時刻における筒内圧測定値をP1
とし、上死点後期間内において第二圧力測定時刻を定
め、その第二圧力測定時刻における筒内圧測定値をP2
とし、基本的には、それら圧力測定値P1及びP2に基
づいて、内燃機関の失火判定を行なうようにする。筒内
圧測定値が上記の要因により変動した場合、筒内圧測定
値の時間変化を示す筒内圧測定プロファイルは、図5
(a)及び(b)に示すように、そのピーク高さに変化
が生ずる。しかしながら、失火時と正常時との波形対称
性の相違はピーク高さが多少変わろうとも変化すること
がない。そこで、上死点前期間と上死点後期間とに圧力
測定時刻をそれぞれ定め、両者の筒内圧測定値P1とP
2との比を参照すれば、失火の有無を判定可能である。
【0011】しかしながら、座型圧力センサを用いた失
火判定では、既に説明した通り、スパークプラグによる
センサへの締め付け力や圧電素子性能のバラツキあるい
は焦電特性などにより、筒内圧測定値レベルに影響が及
びやすい。そこで本発明では、筒内圧測定値を基準値と
の比較により標準化する補正方法を見出したものであ
り、上記のような要因による筒内圧測定値レベルの変動
を抑制することができ、ひいてはより高精度の失火判定
が可能となる。燃料の点火・爆発による圧上昇の影響を
比較的受けににくい上死点前期間内に補正測定時刻を設
定し、補正測定時刻における筒内圧測定値を補正圧力値
P0とし、前記圧力測定値P1及びP2から各々前記補
正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’として、P
1’とP2’との比に基づいて前記失火判定を行なうよ
うにする。
火判定では、既に説明した通り、スパークプラグによる
センサへの締め付け力や圧電素子性能のバラツキあるい
は焦電特性などにより、筒内圧測定値レベルに影響が及
びやすい。そこで本発明では、筒内圧測定値を基準値と
の比較により標準化する補正方法を見出したものであ
り、上記のような要因による筒内圧測定値レベルの変動
を抑制することができ、ひいてはより高精度の失火判定
が可能となる。燃料の点火・爆発による圧上昇の影響を
比較的受けににくい上死点前期間内に補正測定時刻を設
定し、補正測定時刻における筒内圧測定値を補正圧力値
P0とし、前記圧力測定値P1及びP2から各々前記補
正圧力値P0を減じた値をP1’及びP2’として、P
1’とP2’との比に基づいて前記失火判定を行なうよ
うにする。
【0012】すなわち、筒内圧測定に使用する座型圧力
センサは、センサ素子が圧電性セラミックにて構成され
る。他方、多くの圧電性セラミックは温度上昇により焦
電性を示すので、これを用いた圧力センサ素子は、温度
変化によりセンサ出力のゼロ点がドリフトしやすい問題
がある。図7(a)は温度変化の少ない定常状態の筒内
圧測定プロファイルを、図7(b)は温度変化が急激な
過渡状態の筒内圧測定プロファイルをそれぞれ模式的に
示す。温度によるゼロ点ドリフトの影響は、温度変化が
問題にならない短期間であれば、筒内圧測定プロファイ
ルを測定全期間に渡って一律にシフトさせる形となる。
そこで、筒内圧測定値P1及びP2を、基準圧力の測定
値P0からの増分P1’及びP2’で表示することで上
記のゼロ点ドリフトの影響を軽減できる。
センサは、センサ素子が圧電性セラミックにて構成され
る。他方、多くの圧電性セラミックは温度上昇により焦
電性を示すので、これを用いた圧力センサ素子は、温度
変化によりセンサ出力のゼロ点がドリフトしやすい問題
がある。図7(a)は温度変化の少ない定常状態の筒内
圧測定プロファイルを、図7(b)は温度変化が急激な
過渡状態の筒内圧測定プロファイルをそれぞれ模式的に
示す。温度によるゼロ点ドリフトの影響は、温度変化が
問題にならない短期間であれば、筒内圧測定プロファイ
ルを測定全期間に渡って一律にシフトさせる形となる。
そこで、筒内圧測定値P1及びP2を、基準圧力の測定
値P0からの増分P1’及びP2’で表示することで上
記のゼロ点ドリフトの影響を軽減できる。
【0013】なお、補正測定時刻は、吸気弁が閉じた後
の時刻に設定することがより望ましい。吸気弁あるいは
排気弁の開閉時には、シリンダヘッドの歪の影響によ
り、図10中に丸で囲った部分にて示すように、座型圧
力センサの出力にもこれに対応した歪が生ずることがあ
る。しかしながら、筒内圧測定値を吸気弁が閉じた後に
取得するようにすれば、上記歪の影響を受けずとも済
む。
の時刻に設定することがより望ましい。吸気弁あるいは
排気弁の開閉時には、シリンダヘッドの歪の影響によ
り、図10中に丸で囲った部分にて示すように、座型圧
力センサの出力にもこれに対応した歪が生ずることがあ
る。しかしながら、筒内圧測定値を吸気弁が閉じた後に
取得するようにすれば、上記歪の影響を受けずとも済
む。
【0014】また、失火時の筒内圧測定プロファイルが
理想的には左右対称となることから、図5に示すよう
に、第一圧力測定時刻αJと第二圧力測定時刻αKと
は、上死点からのクランク角の隔たりが互いに等しくな
る時刻にそれぞれ設定することが、最も明快でわかりや
すい方法であるといえる。なぜなら、失火時のプロファ
イル(図中一点鎖線で示す)が完全に対称であれば、図
5等からも明らかなように、αJでの測定値P1とαK
での測定値P2とが等しくなるためである。この場合、
P1とP2とが厳密に等しければ(例えばP2/P1=
1)であれば失火、少しでも相違していれば(例えばP
2/P1>1)であれば正常と判定することも理論上は
可能である。しかしながら、現実問題としては、種々の
誤差要因(例えば後述するヒステリシスによる影響)に
より、失火時でもP1=P2にならず、例えばP2>P
1として測定されることがある。この場合、この誤差分
を考慮して、P2/P1の判定基準に多少のマージンを
設け、例えばP2/P1が1より大きいある下限値より
も小さくなった場合は、失火と判定するようにすること
が、誤判定を回避する上でより有効である。なお、いさ
さか奇をてらった方法ではあるが、上記判定基準のマー
ジンに相当する分だけ第一圧力測定時刻αJと第二圧力
測定時刻αKを上死点αTDCに関して非対称に設定し、
例えばP2/P1が1以下になったときは失火、1より
も大きければ正常と判定することもできる。このような
場合、αTDCからのαJ及びαKの各隔たりは厳密には
等しくならない。
理想的には左右対称となることから、図5に示すよう
に、第一圧力測定時刻αJと第二圧力測定時刻αKと
は、上死点からのクランク角の隔たりが互いに等しくな
る時刻にそれぞれ設定することが、最も明快でわかりや
すい方法であるといえる。なぜなら、失火時のプロファ
イル(図中一点鎖線で示す)が完全に対称であれば、図
5等からも明らかなように、αJでの測定値P1とαK
での測定値P2とが等しくなるためである。この場合、
P1とP2とが厳密に等しければ(例えばP2/P1=
1)であれば失火、少しでも相違していれば(例えばP
2/P1>1)であれば正常と判定することも理論上は
可能である。しかしながら、現実問題としては、種々の
誤差要因(例えば後述するヒステリシスによる影響)に
より、失火時でもP1=P2にならず、例えばP2>P
1として測定されることがある。この場合、この誤差分
を考慮して、P2/P1の判定基準に多少のマージンを
設け、例えばP2/P1が1より大きいある下限値より
も小さくなった場合は、失火と判定するようにすること
が、誤判定を回避する上でより有効である。なお、いさ
さか奇をてらった方法ではあるが、上記判定基準のマー
ジンに相当する分だけ第一圧力測定時刻αJと第二圧力
測定時刻αKを上死点αTDCに関して非対称に設定し、
例えばP2/P1が1以下になったときは失火、1より
も大きければ正常と判定することもできる。このような
場合、αTDCからのαJ及びαKの各隔たりは厳密には
等しくならない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図1は、座型圧力センサの取付形
態の一例を示すものである。すなわち、スパークプラグ
50は、主体金具51の先端部外周面に形成された取付
ねじ部52が形成されており、自動車用エンジンとして
構成された内燃機関のシリンダヘッドSHに対し、火花
放電ギャップgが燃焼室ER内に位置するように、プラ
グホールPHの底に形成されたねじ孔THに前記の取付
ねじ部52をねじ込む形で取り付けられている。また、
取付ねじ部52の基端部に隣接する形で主体金具51の
外周面には、鍔状の取付座部51fが突出形成されてい
る。他方、座型圧力センサ5は、圧電性セラミックから
なるリング状のセンサ素子10を有し、これがリング状
のガスケットGSとともに、取付座部51fとねじ孔T
Hの開口周縁部MPとの間に、軸線方向に一定のバイア
ス圧力が付加された形で挟圧配置されている。なお、図
1はスパークプラグにセンサ素子が一体的に組み込まれ
た実施態様を示しているが、スパークプラグとは別体に
構成されたセンサ素子を、スパークプラグの取付時に、
その取付座部にはめ込んで装着するようにしてもよい。
面を用いて説明する。図1は、座型圧力センサの取付形
態の一例を示すものである。すなわち、スパークプラグ
50は、主体金具51の先端部外周面に形成された取付
ねじ部52が形成されており、自動車用エンジンとして
構成された内燃機関のシリンダヘッドSHに対し、火花
放電ギャップgが燃焼室ER内に位置するように、プラ
グホールPHの底に形成されたねじ孔THに前記の取付
ねじ部52をねじ込む形で取り付けられている。また、
取付ねじ部52の基端部に隣接する形で主体金具51の
外周面には、鍔状の取付座部51fが突出形成されてい
る。他方、座型圧力センサ5は、圧電性セラミックから
なるリング状のセンサ素子10を有し、これがリング状
のガスケットGSとともに、取付座部51fとねじ孔T
Hの開口周縁部MPとの間に、軸線方向に一定のバイア
ス圧力が付加された形で挟圧配置されている。なお、図
1はスパークプラグにセンサ素子が一体的に組み込まれ
た実施態様を示しているが、スパークプラグとは別体に
構成されたセンサ素子を、スパークプラグの取付時に、
その取付座部にはめ込んで装着するようにしてもよい。
【0016】燃焼室ER内の圧力、すなわち筒内圧の発
生によりスパークプラグ50は軸線方向の圧力を受け、
センサ素子10に付加されているバイアス圧力が変化す
る。これにより、センサ素子10における圧電的な電荷
の発生量が変化し、その変化信号が筒内圧測定情報とし
て、出力ケーブルCBを介して取り出される。
生によりスパークプラグ50は軸線方向の圧力を受け、
センサ素子10に付加されているバイアス圧力が変化す
る。これにより、センサ素子10における圧電的な電荷
の発生量が変化し、その変化信号が筒内圧測定情報とし
て、出力ケーブルCBを介して取り出される。
【0017】図2は、上記座型圧力センサ5を用いた本
発明の失火判定ユニットの一例を示すブロック図であ
る。失火判定ユニット1の主体はコンピュータにて構成
されたECU2であり、失火判定とともに、点火時期や
空燃比など、内燃機関の運転制御を一括して行なうもの
である。なお、以下に説明する失火判定機能を除けば、
ECU2の構成及び機能は周知のものであるから、該失
火判定機能に絞って説明を行なう。
発明の失火判定ユニットの一例を示すブロック図であ
る。失火判定ユニット1の主体はコンピュータにて構成
されたECU2であり、失火判定とともに、点火時期や
空燃比など、内燃機関の運転制御を一括して行なうもの
である。なお、以下に説明する失火判定機能を除けば、
ECU2の構成及び機能は周知のものであるから、該失
火判定機能に絞って説明を行なう。
【0018】ECU2は、CPU3、ROM4、RAM
5及び入出力インターフェース6がバス接続されたコン
ピュータとして構成されている。ROM4には、ECU
2の制御処理内容を記述した制御プログラムが記憶され
ており、その中に失火判定ルーチンも組み込まれてい
る。CPU3は、RAM5をワークメモリとして該制御
プログラムを実行することにより、ECU2の機能を実
現する。
5及び入出力インターフェース6がバス接続されたコン
ピュータとして構成されている。ROM4には、ECU
2の制御処理内容を記述した制御プログラムが記憶され
ており、その中に失火判定ルーチンも組み込まれてい
る。CPU3は、RAM5をワークメモリとして該制御
プログラムを実行することにより、ECU2の機能を実
現する。
【0019】入出力インターフェース6には、内燃機関
のクランク角を検出するためのクランク角センサ7が接
続されている。該クランク角センサ7は、例えばクラン
ク軸の回転角度を検出するパルスジェネレータであり、
シュミットトリガ8を介してそのパルス信号が入出力イ
ンターフェース6の所定のポートに入力される。また、
クランク角センサ7からの入力パルス間隔により、エン
ジンの回転数、ひいては1サイクルの長さをリアルタイ
ムでモニタ可能である。
のクランク角を検出するためのクランク角センサ7が接
続されている。該クランク角センサ7は、例えばクラン
ク軸の回転角度を検出するパルスジェネレータであり、
シュミットトリガ8を介してそのパルス信号が入出力イ
ンターフェース6の所定のポートに入力される。また、
クランク角センサ7からの入力パルス間隔により、エン
ジンの回転数、ひいては1サイクルの長さをリアルタイ
ムでモニタ可能である。
【0020】次に、圧力センサ素子10は、チャージア
ンプ回路11を介して入出力インターフェース6に接続
される。チャージアンプ回路11においては、オペアン
プ15の負入力端子に、圧力センサ素子10からの出力
ケーブルが接続され、正入力端子は接地されている(す
なわち、接地レベルを基準電圧とする反転増幅器を構成
している)。燃焼室内にて圧力が発生すると圧力センサ
素子10(図2)に電荷が発生する。これによりオペア
ンプ15に接続された負帰還コンデンサ13には、該電
荷とバランスする電荷が蓄積され、その端子電圧が、電
圧変換された電荷信号としてオペアンプ15の負入力端
子に入力される。従って、オペアンプ15は、この負帰
還コンデンサ13とともに、圧力センサ素子10にて発
生する電荷を、増幅された電圧信号として出力する電荷
電圧変換回路を構成することとなる。なお、負帰還コン
デンサ13と並列に挿入された抵抗12は、圧力センサ
素子10の発生電荷レベルが減少に転じたときに負帰還
コンデンサ13の放電を促し、ひいてはオペアンプ15
の出力飽和を防止する役割を果たす。また、圧力センサ
素子10からの信号線上に設けられた抵抗14は、オペ
アンプ15の端子保護用である。チャージアンプ回路1
1の出力は筒内圧測定値信号(筒内圧測定情報)として
A/D変換器17を介して入出力インターフェース6の
所定のポートに入力される。
ンプ回路11を介して入出力インターフェース6に接続
される。チャージアンプ回路11においては、オペアン
プ15の負入力端子に、圧力センサ素子10からの出力
ケーブルが接続され、正入力端子は接地されている(す
なわち、接地レベルを基準電圧とする反転増幅器を構成
している)。燃焼室内にて圧力が発生すると圧力センサ
素子10(図2)に電荷が発生する。これによりオペア
ンプ15に接続された負帰還コンデンサ13には、該電
荷とバランスする電荷が蓄積され、その端子電圧が、電
圧変換された電荷信号としてオペアンプ15の負入力端
子に入力される。従って、オペアンプ15は、この負帰
還コンデンサ13とともに、圧力センサ素子10にて発
生する電荷を、増幅された電圧信号として出力する電荷
電圧変換回路を構成することとなる。なお、負帰還コン
デンサ13と並列に挿入された抵抗12は、圧力センサ
素子10の発生電荷レベルが減少に転じたときに負帰還
コンデンサ13の放電を促し、ひいてはオペアンプ15
の出力飽和を防止する役割を果たす。また、圧力センサ
素子10からの信号線上に設けられた抵抗14は、オペ
アンプ15の端子保護用である。チャージアンプ回路1
1の出力は筒内圧測定値信号(筒内圧測定情報)として
A/D変換器17を介して入出力インターフェース6の
所定のポートに入力される。
【0021】以下、失火判定処理の流れを、図4の説明
図と図6のフローチャートとを用いて説明する(この処
理にて使用する各変数のメモリは、図2のRAM5内に
図示のごとく形成されている)。まず、クランク角αの
信号は、図2において、クランク角センサ7が出力する
パルス信号として入力され、RAM5内のαカウンタに
加算される。このαカウンタの加算値が、現在のクラン
ク角を示すこととなる(ただし、クランク角センサ7を
アブソリュート形パルスジェネレータとすることも可能
であり、この場合は、αカウンタは不要となる)。そし
て、図6のS1では、初期化処理として、このαカウン
タをリセットし、RAM5内の各メモリをリセットす
る。リセット後は、ECU2によるサイクル開始ジョブ
の実行に合わせて、αカウンタの加算を開始する。
図と図6のフローチャートとを用いて説明する(この処
理にて使用する各変数のメモリは、図2のRAM5内に
図示のごとく形成されている)。まず、クランク角αの
信号は、図2において、クランク角センサ7が出力する
パルス信号として入力され、RAM5内のαカウンタに
加算される。このαカウンタの加算値が、現在のクラン
ク角を示すこととなる(ただし、クランク角センサ7を
アブソリュート形パルスジェネレータとすることも可能
であり、この場合は、αカウンタは不要となる)。そし
て、図6のS1では、初期化処理として、このαカウン
タをリセットし、RAM5内の各メモリをリセットす
る。リセット後は、ECU2によるサイクル開始ジョブ
の実行に合わせて、αカウンタの加算を開始する。
【0022】その後は、予め定められた筒内圧測定値P
のサンプリングタイミング(つまり、前記した第一圧力
測定時刻、第二圧力測定時刻及び補正測定時刻が到来す
るまで、αカウンタの加算を継続しつつ待機する。すな
わち、S3では筒内圧測定信号及びその積分値の入力ポ
ートの読み込みは待機状態とし、αカウンタをリードす
る。そして、S4では、そのαカウンタの示すクランク
角αが、吸気弁が閉じた後であって点火時期前の一定ク
ランク角度位置α1(補正測定時刻)に到達したか否か
を判断する。NoであればS3に戻って以下の処理を繰
り返し、YesであればS5以降の処理に進む。
のサンプリングタイミング(つまり、前記した第一圧力
測定時刻、第二圧力測定時刻及び補正測定時刻が到来す
るまで、αカウンタの加算を継続しつつ待機する。すな
わち、S3では筒内圧測定信号及びその積分値の入力ポ
ートの読み込みは待機状態とし、αカウンタをリードす
る。そして、S4では、そのαカウンタの示すクランク
角αが、吸気弁が閉じた後であって点火時期前の一定ク
ランク角度位置α1(補正測定時刻)に到達したか否か
を判断する。NoであればS3に戻って以下の処理を繰
り返し、YesであればS5以降の処理に進む。
【0023】S5では、補正測定時刻α1の到来に対応
して筒内圧測定値Pを読み込み、これを前記したP0の
値としてメモリにセットする。S6では再びサンプリン
グ待機となり、S7でαが第一圧力測定時刻αJに到達
した否かを判断する。NoであればS6に戻って以下の
処理を繰り返し、YesであればS8以降の処理に進
む。
して筒内圧測定値Pを読み込み、これを前記したP0の
値としてメモリにセットする。S6では再びサンプリン
グ待機となり、S7でαが第一圧力測定時刻αJに到達
した否かを判断する。NoであればS6に戻って以下の
処理を繰り返し、YesであればS8以降の処理に進
む。
【0024】S8では、第一圧力測定時刻αJ(ただ
し、αTDC−αJ=αK−αTDCとしている)の到来に対
応して筒内圧測定値Pを読み込み、これを前記したP1
の値としてメモリにセットする。S9では再びサンプリ
ング待機となり、S10でαが第二圧力測定時刻αKに
到達した否かを判断する。NoであればS9に戻って以
下の処理を繰り返し、YesであればS11以降の処理
に進む。
し、αTDC−αJ=αK−αTDCとしている)の到来に対
応して筒内圧測定値Pを読み込み、これを前記したP1
の値としてメモリにセットする。S9では再びサンプリ
ング待機となり、S10でαが第二圧力測定時刻αKに
到達した否かを判断する。NoであればS9に戻って以
下の処理を繰り返し、YesであればS11以降の処理
に進む。
【0025】S11では、第二圧力測定時刻αK(ただ
し、αTDC−αJ=αK−αTDCとしている)の到来に対
応して筒内圧測定値Pを読み込み、これを前記したP2
の値としてメモリにセットする。そして、S12に進
み、測定済みのP0を、P1及びP2の値から減じてP
1’及びP2’の値を算出する。さらに、S13では、
判定指数γの値をP2’/P1’として算出する。な
お、補正測定時刻α1は、ここでは上死点前90゜に設
定しているが、点火前であればこれに限られるものでは
ない。そして、S14は、このγの値を判定基準値(こ
こでは上限値)γcと比較し、γ<γcであれば失火と
判定する。図2のECU2は、入出力インターフェース
6の判定出力ポートから、所定の失火判定出力を行なう
(図6:S15)。なお、S16ではエンジン停止か否
かの判断を行い、否であればS1に戻って以降の処理を
繰り返す。
し、αTDC−αJ=αK−αTDCとしている)の到来に対
応して筒内圧測定値Pを読み込み、これを前記したP2
の値としてメモリにセットする。そして、S12に進
み、測定済みのP0を、P1及びP2の値から減じてP
1’及びP2’の値を算出する。さらに、S13では、
判定指数γの値をP2’/P1’として算出する。な
お、補正測定時刻α1は、ここでは上死点前90゜に設
定しているが、点火前であればこれに限られるものでは
ない。そして、S14は、このγの値を判定基準値(こ
こでは上限値)γcと比較し、γ<γcであれば失火と
判定する。図2のECU2は、入出力インターフェース
6の判定出力ポートから、所定の失火判定出力を行なう
(図6:S15)。なお、S16ではエンジン停止か否
かの判断を行い、否であればS1に戻って以降の処理を
繰り返す。
【0026】以下、本発明の効果を確認するために行な
った実験結果について説明する。まず、図1に示すのと
同じ仕様の座型圧力センサを10個用意し、これをスパ
ークプラグとともに4気筒、排気量2000ccのガソ
リンエンジンに取り付け、点火時期を上死点前(BTD
C)15゜として種々のエンジン回転数にて運転し、図
2の判定ユニットにより失火判定を行なった。なお、第
一圧力測定時刻(筒内圧測定値:P1)を上死点前50
゜、第二圧力測定時刻(筒内圧測定値:P2)を上死点
後50゜とし、補正測定時刻(筒内圧測定値:P0)を
上死点前90゜に設定している。そして、判定は、P2
/P1を用いたものと、P0を各々減ずる前述の補正を
行なったP2’/P1’を用いたものとの二通りにて行
なった。図8は、その結果を示すものであり、黒の菱型
のプロット点は正常燃焼と判定されたサイクルの圧力比
を、黒の正方形のプロット点は失火と判定されたサイク
ルの圧力比それぞれ示す。また、実線のエラーバーはP
2’/P1’を用いた場合の値のバラツキ範囲を、破線
のエラーバーはP2/P1を用いた場合の値のバラツキ
範囲をそれぞれ示し、プロット点は各平均値を示す。さ
らに、図9は、回転数毎の平均値に対するばらつき範囲
比率を、以上の2つの場合についてまとめたものであ
る。これによると、各回転数においてP2’/P1’を
用いた場合のほうがP2/P1を用いた場合よりもばら
つきが小さく、判定精度が良好となっていることがわか
る。
った実験結果について説明する。まず、図1に示すのと
同じ仕様の座型圧力センサを10個用意し、これをスパ
ークプラグとともに4気筒、排気量2000ccのガソ
リンエンジンに取り付け、点火時期を上死点前(BTD
C)15゜として種々のエンジン回転数にて運転し、図
2の判定ユニットにより失火判定を行なった。なお、第
一圧力測定時刻(筒内圧測定値:P1)を上死点前50
゜、第二圧力測定時刻(筒内圧測定値:P2)を上死点
後50゜とし、補正測定時刻(筒内圧測定値:P0)を
上死点前90゜に設定している。そして、判定は、P2
/P1を用いたものと、P0を各々減ずる前述の補正を
行なったP2’/P1’を用いたものとの二通りにて行
なった。図8は、その結果を示すものであり、黒の菱型
のプロット点は正常燃焼と判定されたサイクルの圧力比
を、黒の正方形のプロット点は失火と判定されたサイク
ルの圧力比それぞれ示す。また、実線のエラーバーはP
2’/P1’を用いた場合の値のバラツキ範囲を、破線
のエラーバーはP2/P1を用いた場合の値のバラツキ
範囲をそれぞれ示し、プロット点は各平均値を示す。さ
らに、図9は、回転数毎の平均値に対するばらつき範囲
比率を、以上の2つの場合についてまとめたものであ
る。これによると、各回転数においてP2’/P1’を
用いた場合のほうがP2/P1を用いた場合よりもばら
つきが小さく、判定精度が良好となっていることがわか
る。
【図1】座型圧力センサの取付形態の一例を示す縦断面
図。
図。
【図2】本発明の失火判定ユニットの、電気的構成の一
例を示すブロック図。
例を示すブロック図。
【図3】失火時と正常燃焼時との筒内圧測定プロファイ
ルを比較して示す図。
ルを比較して示す図。
【図4】図3の筒内圧測定プロファイルと圧力測定時刻
との関係を示す図。
との関係を示す図。
【図5】筒内圧測定値レベルが変動する様子を説明する
図。
図。
【図6】図2の失火判定ユニットにおける失火判定処理
の流れを示すフローチャート。
の流れを示すフローチャート。
【図7】筒内圧測定プロファイルに及ぼす温度ドリフト
の影響を説明する図。
の影響を説明する図。
【図8】本発明の効果を確認するために行なった実験結
果を示すグラフ。
果を示すグラフ。
【図9】補正によりセンサ個体間のバラツキの影響が軽
減される様子を説明するグラフ。
減される様子を説明するグラフ。
【図10】シリンダの歪により座型圧力センサの出力に
歪が生ずる様子を示す説明図。
歪が生ずる様子を示す説明図。
【符号の説明】
1 判定ユニット
5 座型圧力センサ
10 圧力センサ素子
50 スパークプラグ
51 主体金具
51f 取付座部
SH シリンダヘッド
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G01M 15/00 F02P 17/00 F
(72)発明者 岡崎 浩二
愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日
本特殊陶業株式会社内
(72)発明者 太田 篤治
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動
車株式会社内
Fターム(参考) 2G087 AA13 BB14 CC12 EE24 FF08
3G019 CD01 DB07 GA01 GA02 GA15
KA28 KD17
3G084 BA00 BA16 DA20 DA28 EA01
EA07 EA11 EB06 EC02 FA21
FA39
Claims (4)
- 【請求項1】 スパークプラグの取付座に設けた圧力セ
ンサの出力により、該スパークプラグが取り付けられて
いる内燃機関の筒内圧に基づく筒内圧測定値を取得し、 吸気弁が閉じてからクランク角が上死点に達するまでの
期間(以下、上死点前期間という)内において第一圧力
測定時刻を定め、その第一圧力測定時刻における前記筒
内圧測定値をP1とし、前記クランク角が前記上死点に
到達してから排気弁が開くまでの期間(以下、上死点後
期間という)内において第二圧力測定時刻を定め、その
第二圧力測定時刻における前記筒内圧測定値をP2と
し、 他方、前記上死点前期間内であって点火時期よりも前に
補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における前記筒内
圧測定値を補正圧力値P0とし、前記圧力測定値P1及
びP2から各々前記補正圧力値P0を減じた値をP1’
及びP2’として、 それらP1’とP2’との比に基づいて前記内燃機関の
失火判定を行なうことを特徴とする内燃機関の失火判定
方法。 - 【請求項2】 前記第一圧力測定時刻と前記第二圧力測
定時刻とを、前記上死点からのクランク角の隔たりが互
いに等しくなる時刻にそれぞれ設定する請求項1記載の
内燃機関の失火判定方法。 - 【請求項3】 前記補正測定時刻を、吸気弁が閉じた後
の時刻に設定する請求項1又は2に記載の内燃機関の失
火判定方法。 - 【請求項4】 スパークプラグが取り付けられている内
燃機関の筒内圧に基づく筒内圧測定値を取得するため
に、スパークプラグの取付座に設けた圧力センサと、 吸気弁が閉じてからクランク角が上死点に達するまでの
期間(以下、上死点前期間という)内において第一圧力
測定時刻を定め、その第一圧力測定時刻における前記筒
内圧測定値をP1とし、前記クランク角が前記上死点に
到達してから排気弁が開くまでの期間(以下、上死点後
期間という)内において第二圧力測定時刻を定め、その
第二圧力測定時刻における前記筒内圧測定値をP2と
し、他方、前記上死点前期間内であって点火時期よりも
前に補正測定時刻を設定し、補正測定時刻における前記
筒内圧測定値を補正圧力値P0とし、前記圧力測定値P
1及びP2から各々前記補正圧力値P0を減じた値をP
1’及びP2’として、それらP1’とP2’との比に
基づいて前記内燃機関の失火判定を行なう判定ユニット
とを有したことを特徴とする内燃機関の失火判定システ
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001195825A JP2003013793A (ja) | 2001-06-28 | 2001-06-28 | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001195825A JP2003013793A (ja) | 2001-06-28 | 2001-06-28 | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003013793A true JP2003013793A (ja) | 2003-01-15 |
Family
ID=19033741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001195825A Pending JP2003013793A (ja) | 2001-06-28 | 2001-06-28 | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003013793A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008537122A (ja) * | 2005-04-21 | 2008-09-11 | アー・ファウ・エル・リスト・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 内燃機関におけるシリンダ圧を測定するための測定システム |
JP2012031766A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | エンジンの失火検出装置及び方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05118244A (ja) * | 1991-10-25 | 1993-05-14 | Toyota Motor Corp | 内燃機関 |
JPH07293299A (ja) * | 1994-04-26 | 1995-11-07 | Nissan Motor Co Ltd | エンジンの空燃比制御装置 |
JP2002349337A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム |
-
2001
- 2001-06-28 JP JP2001195825A patent/JP2003013793A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05118244A (ja) * | 1991-10-25 | 1993-05-14 | Toyota Motor Corp | 内燃機関 |
JPH07293299A (ja) * | 1994-04-26 | 1995-11-07 | Nissan Motor Co Ltd | エンジンの空燃比制御装置 |
JP2002349337A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008537122A (ja) * | 2005-04-21 | 2008-09-11 | アー・ファウ・エル・リスト・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 内燃機関におけるシリンダ圧を測定するための測定システム |
JP2012031766A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | エンジンの失火検出装置及び方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7909018B2 (en) | Control for determining a firing timing of an internal-combustion engine | |
US6748922B2 (en) | Knock control apparatus for internal combustion engine | |
JPS639679A (ja) | 内燃機関の点火時期制御方法 | |
JP2623921B2 (ja) | 内燃機関の失火検出装置 | |
US5351528A (en) | Apparatus and method for detecting misfiring in an internal combustion engine | |
CN101321946B (zh) | 用于对内燃机的点火正时进行控制的设备和方法 | |
US7455047B2 (en) | Control unit for an internal combustion engine | |
US5226394A (en) | Misfire-detecting system for internal combustion engines | |
US6091244A (en) | Method and arrangement for detecting combustion misfires of a internal combustion engine | |
JP2003286932A (ja) | 内燃機関のノック制御装置 | |
JP2666232B2 (ja) | 内燃エンジンの燃焼状態検出装置 | |
US6776032B2 (en) | Misfire deciding method and misfire deciding system for internal combustion engines | |
US5349299A (en) | Fuel supply misfire-detecting system for internal combustion engines | |
US5327090A (en) | Misfire-detecting system for an internal combustion engine which detects a misfire due to the fuel supply system | |
WO1996024039A1 (en) | Misfire detection in a spark ignition engine | |
JP2556176B2 (ja) | 内燃機関の故障診断装置 | |
KR930008805B1 (ko) | 내연기관의 점화시기 제어장치 | |
JP2003013793A (ja) | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム | |
JP4302843B2 (ja) | 内燃機関制御方法 | |
JP4383693B2 (ja) | 内燃機関の失火検出方法及び失火検出システム | |
JP2002364450A (ja) | 圧電型センサを用いた圧力検出方法 | |
JP2006284533A (ja) | 筒内圧力センサの異常検知装置 | |
JP2983805B2 (ja) | 内燃機関の失火検出装置 | |
JP4798647B2 (ja) | 筒内圧力センサの異常検知装置 | |
KR19980057185A (ko) | 정규 분포를 이용한 노크 감지 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080425 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100602 |