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JP2003008038A - 薄膜太陽電池とその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池とその製造方法

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Publication number
JP2003008038A
JP2003008038A JP2001194241A JP2001194241A JP2003008038A JP 2003008038 A JP2003008038 A JP 2003008038A JP 2001194241 A JP2001194241 A JP 2001194241A JP 2001194241 A JP2001194241 A JP 2001194241A JP 2003008038 A JP2003008038 A JP 2003008038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
interface
layer
type semiconductor
solar cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001194241A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Fujikake
伸二 藤掛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Corporate Research and Development Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Corporate Research and Development Ltd filed Critical Fuji Electric Corporate Research and Development Ltd
Priority to JP2001194241A priority Critical patent/JP2003008038A/ja
Publication of JP2003008038A publication Critical patent/JP2003008038A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/545Microcrystalline silicon PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造プロセスにおける熱拡散による界面特性
の劣化を抑制し、再現性が良くかつ変換効率が高い薄膜
太陽電池を提供する。 【解決手段】 少なくとも一つのpin接合のp型半導
体層7あるいはn型半導体層3が微結晶相を含む非晶質
シリコン系薄膜からなり、その微結晶相を含む非晶質半
導体層と非晶質シリコン系膜からなるi型半導体層4と
の接合界面において、バンドギャップがi型半導体層4
よりも広く、かつ、微結晶相を含む非晶質シリコン系膜
と同一導電型の不純物を低濃度添加した非晶質シリコン
系膜の界面半導体層を介在してなる薄膜太陽電池であっ
て、前記界面半導体層を少なくとも2層(5,6)と
し、前記i型半導体層との界面側の界面半導体層(i側
界面層)5の不純物添加量を、p型半導体層あるいはn
型半導体層との界面側の界面半導体層(非i側界面層)
6の不純物添加量より小としてなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非晶質シリコン
(a-Si)あるいは微結晶シリコン(μc-Si)を主材料と
した薄膜太陽電池、特にpin接合構造を複数積層して
なる薄膜太陽電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非単結晶膜を用いた光電変換装置、特に
シリコン系の非単結晶薄膜である非晶質シリコン(a-S
i)、および非晶質シリコンゲルマニウム(a-SiGe)等
の薄膜を、プラズマ放電によって形成した薄膜光電変換
装置は、単結晶シリコンデバイスと比較して、大面積
に、低温で、安価に作製できることから、電力用の大面
積薄膜太陽電池等への適用において特に期待されてい
る。
【0003】しかしながら、このa-Siやa-SiGe太陽電池
は、単結晶Siや多結晶Si等のバルク結晶型太陽電池に比
べて変換効率が低く、さらには、固有の問題として光照
射によって変換効率が1〜3割程度低下する光劣化とい
う問題を抱えている。これらの問題を解決して高効率、
高信頼性を実現する方法として複数のpin型セルを積層
してマルチ接合化したもの、即ち、多層型薄膜太陽電池
が知られている。
【0004】これは、p,i,n型の半導体層から成る
光電変換層を、基板上に複数積層したもので、光入射側
に、相対的に光学的禁制帯幅(以下、光学的バンドギャ
ップともいう。)の大きい非晶質シリコンを用い、光入
射側から遠い光電変換層に、光学的バンドギャップの小
さい非晶質シリコンゲルマニウムを用いて、非晶質シリ
コンでは吸収され難い赤外線領域の光も効率よく吸収し
て、変換効率の向上を図るものである。さらに、一つの
半導体層の膜厚方向の原子組成比を変化させることによ
り、光学的バンドギャップをその層内で変化させるグレ
ーデッド構成の採用により、さらに変換効率の向上を図
る技術も知られている。
【0005】前記光劣化の問題や多層化による変換効率
の向上について、さらに以下に詳述する。前記光劣化は
i層中に発生する光誘起欠陥に起因する。i層の膜厚を
薄くすれば内部電界が強くなるために、効率低下を抑え
ることが可能であるが光吸収量が減って初期効率が低下
してしまう。そこで、i層の膜厚が薄いセルを複数個積
層すれば、1個のときよりも光吸収量を増加させること
ができ、高効率と高信頼性の両立を図ることが可能とな
る。さらに、a-SiGeや薄膜多結晶シリコン等のナローギ
ャップ(光学的バンドギャップの小さい)材料をi層に
用いたセルをボトムあるいはミドルセルとして組み合わ
せればa-Siセルでは用いることができなかった波長800n
m以上の赤外光も吸収することが可能となり、高効率化
が達成される。
【0006】マルチ接合型a-Si太陽電池の一例として、
pin接合を三段積層したa-Si/a-SiGe/a-SiGe構造のトリ
プル接合型の太陽電池が知られている。トップ、ミド
ル、ボトムセルのi層膜厚は、例えばそれぞれ70〜100n
m、60〜150nm、50〜120nmである。この場合、各セルの
電流マッチングをとるためには、各層の膜厚およびバン
ドギャップの制御が重要となる。トップ、ミドル、ボト
ムの各i層の光学ギャップはそれぞれ1.75〜1.8eV、1.5
〜1.6eV、1.35〜1.5eVである。
【0007】このトリプルセルの高効率化技術として、
微結晶シリコン(μc-Si)のp層への適用が考えられ
る。μc-Siは2つの相をもつため、厳密なバンドギャッ
プは定義できないが、波長300〜800nmの光に対する吸収
係数は通常p層に用いられるアモルファスシリコンカー
バイド(a-SiC)と同等以下である。そこで、p層に適
用した場合、光吸収ロスが小さく短絡電流(Jsc)を増
加させることができる。
【0008】本件発明者は、μc-Siのp層をミドルおよ
びボトムセルに適用する場合、微量のボロンを添加した
p/i界面層を挿入することが有効であることを見出し、
特願平11−346206号により提案した。この発明
の要旨は以下のとおりである。即ち、「非晶質薄膜から
なるp型半導体層、実質的に真性なi型半導体層、n型
半導体層を積層したpin接合を少なくとも一つ有する
非晶質薄膜太陽電池において、少なくともその一つの接
合のp型半導体層あるいはn型半導体層が微結晶相を含
む非晶質シリコン系膜(μc-Si系膜)からなり、その微
結晶相を含む半導体層と非晶質シリコン系膜(a-Si系
膜)からなるi型半導体層との接合界面において、バン
ドギャップがi型半導体層よりも広く、かつ、微結晶相
を含む非晶質シリコン系膜(μc-Si系膜)と同一導電型
の不純物を低濃度添加した非晶質シリコン系膜(a-Si系
膜)からなる界面半導体層が介在するものとする。」例
えばpin接合のp型半導体層が微結晶相を含むとき、
p型半導体層とi型半導体層との間に、低濃度のp型の
非晶質半導体層を挟むことにより、光照射後の効率(Ef
f)等を従来より向上させることができる。その理由
は、適量の不純物(B:ボロン)を加えたp/i界面層
を挟むと、p/i界面層に生じる内部電界が弱くなって
電圧ロスが小さくなり、その結果、拡散電位が増加して
Effが向上すると考えられる。
【0009】特に、微結晶シリコンが界面半導体層との
界面近傍から成長していることが重要である。微結晶相
を含む非晶質シリコン系膜(μc-Si系膜)の製膜条件に
よって、製膜の初期に薄い微結晶相を含まない遷移層が
形成されることがある。この層が存在すると、吸収係数
の増大や開放電圧(Voc)の低下といった悪影響を及ぼ
す。
【0010】i型半導体層が非晶質シリコンゲルマニウ
ム(a‐SiGe)であるとき、界面半導体層は非晶質シリ
コン(a‐Si)であって、その好適な膜中不純物量は、3
×1O 17〜8×1O19原子/cm3である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平11−34
6206号に記載された薄膜太陽電池においても、下記
のような問題があることが判明した。即ち、上述のよう
なp層とp/i界面層の組み合わせを、ミドルおよびボト
ムセルに適用してトリプルセルを作製した場合、得られ
る効率は単独のコンポーネントセルから見込まれる値よ
り低く、かつ、バラツキが大きいという問題があり、こ
の原因を詳細に調べたところ、ボトムセルの熱劣化によ
ることが判明した。
【0012】ボトムセルはミドルセル製膜時に200℃
程度の高温に比較的長時間さらされるので、結果とし
て、p/i界面のボロンがi層中に熱拡散して界面特性を
劣化させたものと考えられる。
【0013】この発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、本発明の課題は、製造プロセスにおける熱拡散に
よる界面特性の劣化を抑制し、再現性が良くかつ変換効
率が高い薄膜太陽電池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題を達成するた
め、この発明は、p型半導体層、実質的に真性なi型半
導体層、n型半導体層を積層したpin接合を少なくと
も一つ有する薄膜太陽電池において、少なくとも一つの
pin接合のp型半導体層あるいはn型半導体層が微結
晶相を含む非晶質シリコン系薄膜からなり、その微結晶
相を含む非晶質半導体層と非晶質シリコン系膜からなる
i型半導体層との接合界面において、バンドギャップが
i型半導体層よりも広く、かつ、微結晶相を含む非晶質
シリコン系膜と同一導電型の不純物を低濃度添加した非
晶質シリコン系膜の界面半導体層を介在してなる薄膜太
陽電池であって、前記界面半導体層を少なくとも2層と
し、前記i型半導体層との界面側の界面半導体層(i側
界面層)の不純物添加量を、p型半導体層あるいはn型
半導体層との界面側の界面半導体層(非i側界面層)の
不純物添加量より小としてなるものとする(請求項1の
発明)。
【0015】上記請求項1の発明の実施態様としては、
下記が好適である。即ち、前記請求項1に記載の薄膜太
陽電池において、pin接合を複数有する多層型薄膜太
陽電池の場合、前記2層の界面半導体層は、太陽電池の
反基板側のpin接合を除いた全てのpin接合におけ
る、p型半導体層とi型半導体層との界面に形成してな
るものとする(請求項2の発明)。
【0016】また、請求項2に記載の薄膜太陽電池にお
いて、前記2層の界面半導体層は、前記p型半導体層と
i型半導体層との界面に形成した界面半導体層(p/i
界面層)に加え、さらに、n型半導体層とi型半導体層
との界面に形成した界面半導体層(n/i界面層)を備
えるものとする(請求項3の発明)。
【0017】さらに、請求項1ないし3のいずれかに記
載の薄膜太陽電池において、前記i型半導体層は、アモ
ルファスシリコンゲルマニウム、微結晶シリコンあるい
は微結晶シリコンゲルマニウムのいずれかの層とする
(請求項4の発明)。
【0018】さらにまた、請求項1ないし4のいずれか
に記載の薄膜太陽電池において、前記pin接合におけ
る各半導体層の積層順序は、太陽電池の基板側からn,
i,pもしくはp,i,nとしてなるものとする(請求
項5の発明)。
【0019】即ち、上記発明によれば、p層あるいはn
層と、i層との間に挿入する界面半導体層(以下、単に
界面層ともいう。)の不純物添加量に分布をもたせ、i
層との界面側における不純物添加量をp層あるいはn層
との界面側よりも小さくする。
【0020】例えば、μc-Siのp層を適用したセルにお
いて、p層とi層との間に挿入する界面層を2層構造と
し、i層側の層をボロン無添加、p層側の層をボロン添
加とする。より好ましくは、前記請求項3の発明のよう
に、p層とi層との間以外にn層とi層との間にも2層
の界面層を設ける。i層側のボロン無添加層(i側界面
層)が熱拡散をブロックし、界面特性の劣化が抑えられ
る。
【0021】ここで、ボロン無添加層は厚みを2nm以
上とすれば十分な効果を発揮する。また、界面層のi層
側は、必ずしもボロン無添加でなくとも良く、主ガスに
対するドーピングガスの添加量を10ppm以下とすれ
ばよい。
【0022】即ち、本発明の薄膜太陽電池の製造方法と
しては、下記請求項6の発明が好適である。請求項1な
いし5のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製造方法にお
いて、前記i側界面層の不純物添加量は、主ガスに対す
るガス比で10ppm以下とし、その膜厚は2nm以上
とする(請求項6の発明)。
【0023】また、請求項6に記載の薄膜太陽電池の製
造方法において、前記多層型太陽電池の基板側のpin
接合形成後、当該pin接合の上に形成するpin接合
または透明電極層の形成温度は、150〜200℃とす
る(請求項7の発明)。多層型薄膜太陽電池において
は、基板上にpin接合を形成し、この接合層の上にさ
らに、複数のpin接合を形成する。この場合、後に詳
述するように、下側のpin接合層は、薄膜の材質や処
理方法に依存する温度(150〜200℃)に晒される
が、この場合、界面特性劣化を防止する上で、前記本発
明に係る薄膜太陽電池とその製造方法が好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の実施例について以下に
述べる。
【0025】(実施例1:シングルセルによる予備実験
結果)界面構造が異なるa-SiGeシングルセルを多数試作
し、セルの耐熱性および光劣化特性を評価する実験を行
った。
【0026】まず、ガラス基板を用い、比較的小面積の
太陽電池を試作した。基板サイズは81mm×55mm
であり、その上に面積1cm2のセルを4個作製した。
【0027】図1はセル構造の断面図であり、a-Si/a-S
iGe/a-SiGeトリプルセルのボトムセルを模擬した構造と
した。以下にその製造工程について述べる。まず、81
mm×55mmのガラス基板1の上に、スパッタリング
法により銀(Ag)からなる金属電極層2を製膜した。そ
の後プラズマCVD法によりa-Si系膜3〜7の製膜を行
った。
【0028】まず、基板温度200〜250℃で膜厚1
0〜20nmのa-Siのn層3を製膜し、次いで、モノシ
ラン(SiH4)およびゲルマン(GeH4)を主ガスとし、水
素(H2)を希釈ガスとして、膜厚80〜120nmのa-
Si0.6Ge0.4からなるi層4を製膜した。このときのi層
のバンドギャップは約1.4eVである。その後、基板温度
を180〜230℃としてSiH4を主ガス、H2を希釈ガ
ス、ジボラン(B2H6)をドーピングガスとして、2層構
造からなる第1p/i界面層(i側界面層)5および第2p/i
界面層(非i側界面層)6を製膜した。
【0029】本実施例における一連の試作では、2層構
造のp/i界面層のトータル膜厚を12nmに固定し、ま
た、第2界面層(非i側界面層)6のB2H6添加量を50
ppmに固定した。その後、基板温度を80〜90℃と
し、SiH4を主ガス、H2を希釈ガス、B2H6をドーピングガ
スとして、μc-Siからなる膜厚10〜20nmのp層7
を製膜した。このときの水素希釈度(H2/SiH4)は20
0倍とし、ドーピング量はB2H6/SiH4=0.5%とした。この
ときの膜中ボロン濃度は、約5×1020原子/cm 3であ
る。μc-Siのp層7製膜後、スパッタリング法により透
明電極層17として厚さ60〜80nmの酸化インジウ
ム錫(ITO)の層を形成した。
【0030】上記のように試作したセルを対象として、
加熱試験、次いで光照射試験を行い、各試験の前後でセ
ルの変換効率を測定した。実際のトリプルセルにおける
ボトムセルはミドルセル製膜時に、通常約40分間20
0℃の高温にさらされる。そこで、同等の熱履歴を実現
するために、オーブンを200℃に設定して40分間の
加熱試験を行った。その後、1sun光照射下で200時
間の光照射試験を実施した。また、変換効率はボトムセ
ルを想定して赤色フィルター光下(カットオン波長65
0nm)で測定した。
【0031】図2に、ボロン無添加の第1p/i界面層(i
側界面層)とボロン添加(B2H6添加量50ppm)の第2p/i
界面層(非i側界面層)のトータル膜厚を12nmと
し、第1p/i界面層(i側界面層)の膜厚を変化させたと
きのセルの変換効率の測定結果を示す。各条件につき1
cm2セルとしては4個ずつ試作し、表中の変換効率の欄
にはその平均値を示した。なお、i側界面層の膜厚0n
mおよび12nmは、それぞれ、ボロン添加(B2H6添加
量50ppm)およびボロン無添加の単層構造の場合を示し
ている。
【0032】図2に示す結果から、i側界面層が0nm
のセルは、加熱試験後に2割以上効率が低下している
が、i側界面層の膜厚を2nm以上にすると、効率が殆
んど変化していないことが分かる。これは、i側界面層
(第1p/i界面層)が拡散ブロック層として働いたためと
考えられ、2nm以上の膜厚があれば十分に機能すると
みなすことができる。
【0033】図2において、光照射試験後に着目する
と、i側界面層が0nmのセルは加熱試験直後よりもむ
しろ効率が増加している。これは、光誘起欠陥によりp/
i界面近傍の電界プロファイルが変化したためと考えら
れる。一方、i側界面層が12nm(非i側界面層が0
nm)のセルの場合、劣化が大きくなっているが、ボロ
ン無添加の場合の前記特願平11−346206号に記
載した問題点に関わる現象として理解できる。結果的
に、変換効率の絶対値という点では1〜6nmのi側界
面層を挿入したセルが高くなっており、図2により、2
層化構造が有効であることが明らかである。
【0034】次に、図3は、i側界面層のボロン添加量
とセルの変換効率との関係を測定した結果を示す。i側
界面層と非i側界面層の膜厚をそれぞれ4nmおよび8
nmに固定し、i側界面層のボロン添加量を変化させ
た。加熱試験による特性低下はB2H6添加量10ppmで
現れ始め、25ppm以下で著しく大きくなっている。
光照射後の効率も考慮すると、i側界面層のB2H6添加量
は10ppm以下であることが望ましいといえる。
【0035】(実施例2:トリプルセルの実施例とその
実験結果)前述のシングルセルでの検討結果をもとに、
a-Si/a-SiGe/a-SiGe構造のトリプル型太陽電池を試作し
た。試作したセルの構造を図4に示す。基板1にはガラ
ス基板を用い、面積1cm2のセルを1枚の基板につき
4個ずつ作製した。ボトムセルの各層3〜7は実施例1
とほぼ同様であるので、詳細説明を省略する。ただし、
第1、第2p/iの界面層膜厚はそれぞれ4nm、8nmと
し、ボロン添加量はそれぞれ0ppm、50ppmとし
た。
【0036】ミドルセル各層もボトムセルとほぼ同様で
あるが、i層の組成はa-Si0.75Ge0. 25であり、バンドギ
ャップは1.5〜1.6eVと広くした。また、i層膜厚は10
0〜150nmであり、製膜時の基板温度は180〜2
30℃とし、ボトムセルのi層よりも若干低くした。n
層8は、μc-Si/a-SiOとした。ミドルセルはボトムセル
ほどの熱履歴は受けないが、p/i界面層の構造はボトム
セルと同様の二層構造とした。
【0037】次に、μc-Siの第2p層製膜後、トータ
ル膜厚を15〜20nmとしたμc-Si/a-SiO構造のトッ
プn層13を製膜した。その後、膜厚70〜100nm
のa-Siのトップi層14、a-SiOのトップp/i界面層15
とa-SiOのトップp層16を順次製膜し、最後に透明電
極17としてITOをスパッタリング法により形成し
た。
【0038】図4に示すトリプルセルにおける各形成層
に関し、基板温度(℃)と製膜時間(分)の一例を図5
に示す。図5に示すように、基板側のpin接合形成
後、当該pin接合の上に形成するpin接合または透
明電極層の形成温度は、150〜200℃であり、この
場合、界面層を前記2層構造とすることにより、熱劣化
のない良好なトリプルセルが製作できる。
【0039】上記のように製作したセルの評価を行なう
ため、比較実験用セルとして、ボトムおよびミドルp/i
界面層をそれぞれ単層構造(B2H650ppm添加)としたセ
ルを準備し、特性比較を行なった。図6は、トリプルセ
ルの特性評価結果を示し、(a)は、実施例に係る特性
を示し、(b)は、比較セルに係る特性を示す。試作し
たセル数は二種類の構造について8個ずつとした。図6
において、Vocは開放端電圧、Jscは短絡電流、FFは曲
線因子、Effは変換効率を示す。
【0040】図6(a),(b)から明らかなように、
本実施例による二層構造のp/i界面層を適用したセル
は、比較例に比べて平均変換効率が高く、かつ、バラツ
キが小さい。通常、セル特性の低下要因としてはリーク
が考えられるが、今回試作したセル全数について問題無
いレベルであることを確認している。従って、比較例の
効率が低いこととバラツキが大きいことは、明らかにボ
ロンの熱拡散による界面特性の劣化によると考えられ、
本実施例のセルにおいては、劣化現象が抑制されている
と考えられる。
【0041】さらに、本実施例のセル特性はトップ、ミ
ドル、ボトムセルをそれぞれシングルセルとして作製・
評価し、I−V特性を合成して得られる特性とほぼ一致
していることがわかった。従って本実施例によるトリプ
ルセルの熱の影響による特性低下は無視できると考えら
れる。
【0042】次に、本実施例によるセルの光安定性を確
認するために、メタルハライドランプを用いて1sunの
連続光照射試験を実施した。その結果を図7に示す。図
7はセル電流(縦軸)とセル電圧(横軸)との関係を示
すセル特性で、図7におけるAは初期特性を、Bは23
2時間連続光照射後の特性を示す。また、図7中の表
は、初期および光照射後の開放端電圧(Voc),短絡電
流(Jsc),曲線因子(FF),変換効率(Eff)を示す。
図7に示すとおり、光照射232時間後で11%という
高い安定化効率が得られ、本実施例の有効性が確認でき
た。
【0043】以上、本実施例ではp/i界面層に2層構造
を採用する例について述べたが、さらに、n/i界面にも
適用することにより、さらに熱劣化の抑制効果は向上す
る。また、i層材料としてはa-SiGeを例にとって説明し
たが、微結晶シリコンあるいは微結晶シリコンゲルマニ
ウムといったナローギャップ材料を用いることもでき
る。
【0044】図8は、2層の界面半導体層として、p型
半導体層とi型半導体層との界面に形成した界面半導体
層(p/i界面層)に加え、さらに、n型半導体層とi
型半導体層との界面に形成した界面半導体層(n/i界
面層)を備えるトリプルセルに関し、各層形成時の基板
温度(℃)と製膜時間(分)の一例を示す。
【0045】図8においては、図5の実施例に対して、
第1n/i層(非i側界面層),第2n/i層(i側界面層)
を、ボトムおよびミドルセルに追加しており、これらの
n/i界面層においても、i側界面層の不純物添加量
を、非i側界面層の不純物添加量より小としている。
【0046】
【発明の効果】上記のとおり、この発明によれば、p型
半導体層、実質的に真性なi型半導体層、n型半導体層
を積層したpin接合を少なくとも一つ有する薄膜太陽
電池において、少なくとも一つのpin接合のp型半導
体層あるいはn型半導体層が微結晶相を含む非晶質シリ
コン系薄膜からなり、その微結晶相を含む非晶質半導体
層と非晶質シリコン系膜からなるi型半導体層との接合
界面において、バンドギャップがi型半導体層よりも広
く、かつ、微結晶相を含む非晶質シリコン系膜と同一導
電型の不純物を低濃度添加した非晶質シリコン系膜の界
面半導体層を介在してなる薄膜太陽電池であって、前記
界面半導体層を少なくとも2層とし、前記i型半導体層
との界面側の界面半導体層(i側界面層)の不純物添加
量を、p型半導体層あるいはn型半導体層との界面側の
界面半導体層(非i側界面層)の不純物添加量より小と
し、また、前記i側界面層の不純物添加量は、主ガスに
対するガス比で10ppm以下とし、その膜厚は2nm
以上としたので、例えば、a-Si/a-SiGe/a-SiGeトリプル
セルのような、マルチジャンクションセルのミドルセル
およびボトムセルの、p/i界面層へのボロン添加量に適
切な分布を持たせることができ、製造プロセスにおける
界面の熱劣化を抑えることができる。これにより、再現
性良く変換効率が高い太陽電池を製造することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に関わるシングルセルの
断面構造図
【図2】第1の実施例に関わるi側界面層膜厚とセルの
変換効率との関係を示す図
【図3】第1の実施例に関わるi側界面層ボロン添加量
とセルの変換効率との関係を示す図
【図4】本発明の第2の実施例に関わるトリプルセルの
断面構造図
【図5】本発明のトリプルセルの各層形成時の基板温度
と製膜時間の一例を示す図
【図6】本発明のトリプルセルの特性評価結果に関し従
来セルと比較して示す図
【図7】本実施例によるトリプルセルの光照射試験前後
のI−V特性を示す図
【図8】本発明の異なるトリプルセルの各層形成時の基
板温度と製膜時間の一例を示す図
【符号の説明】
1:ガラス基板、2:金属電極層、3,8,13:n
層、4,9,14:i層、5,10:i側界面層、6,
11:非i側界面層、7,12,16:p層、15:p
/i層、17:透明電極層。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体層、実質的に真性なi型半導
    体層、n型半導体層を積層したpin接合を少なくとも
    一つ有する薄膜太陽電池において、少なくとも一つのp
    in接合のp型半導体層あるいはn型半導体層が微結晶
    相を含む非晶質シリコン系薄膜からなり、その微結晶相
    を含む非晶質半導体層と非晶質シリコン系膜からなるi
    型半導体層との接合界面において、バンドギャップがi
    型半導体層よりも広く、かつ、微結晶相を含む非晶質シ
    リコン系膜と同一導電型の不純物を低濃度添加した非晶
    質シリコン系膜の界面半導体層を介在してなる薄膜太陽
    電池であって、 前記界面半導体層を少なくとも2層とし、前記i型半導
    体層との界面側の界面半導体層(i側界面層)の不純物
    添加量を、p型半導体層あるいはn型半導体層との界面
    側の界面半導体層(非i側界面層)の不純物添加量より
    小としてなることを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、pin接合を複数有する多層型薄膜太陽電池の場
    合、前記2層の界面半導体層は、太陽電池の反基板側の
    pin接合を除いた全てのpin接合における、p型半
    導体層とi型半導体層との界面に形成してなることを特
    徴とする薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の薄膜太陽電池におい
    て、前記2層の界面半導体層は、前記p型半導体層とi
    型半導体層との界面に形成した界面半導体層(p/i界
    面層)に加え、さらに、n型半導体層とi型半導体層と
    の界面に形成した界面半導体層(n/i界面層)を備え
    ることを特徴とする薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の薄
    膜太陽電池において、前記i型半導体層は、アモルファ
    スシリコンゲルマニウム、微結晶シリコンあるいは微結
    晶シリコンゲルマニウムのいずれかの層とすることを特
    徴とする薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の薄
    膜太陽電池において、前記pin接合における各半導体
    層の積層順序は、太陽電池の基板側からn,i,pもし
    くはp,i,nとしてなることを特徴とする薄膜太陽電
    池。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の薄
    膜太陽電池の製造方法において、前記i側界面層の不純
    物添加量は、主ガスに対するドーピングガス比で10p
    pm以下とし、その膜厚は2nm以上とすることを特徴
    とする薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の薄膜太陽電池の製造方
    法において、前記多層型太陽電池の基板側のpin接合
    形成後、当該pin接合の上に形成するpin接合また
    は透明電極層の形成温度は、150〜200℃とするこ
    とを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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