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JP2002531069A - タンパク質のカプサイシン/バニロイド受容体ファミリーの新規メンバー及びそれらの使用 - Google Patents

タンパク質のカプサイシン/バニロイド受容体ファミリーの新規メンバー及びそれらの使用

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JP2002531069A
JP2002531069A JP2000582560A JP2000582560A JP2002531069A JP 2002531069 A JP2002531069 A JP 2002531069A JP 2000582560 A JP2000582560 A JP 2000582560A JP 2000582560 A JP2000582560 A JP 2000582560A JP 2002531069 A JP2002531069 A JP 2002531069A
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JP
Japan
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hvr
rvr
nucleic acid
polypeptide
seq
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Application number
JP2000582560A
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Inventor
カーテイス,ロリ・エイ・ジエイ
Original Assignee
ミレニアム・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ミレニアム・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド filed Critical ミレニアム・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド
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    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カプサイシン/バニロイド受容体ファミリーの新規メンバーをコードするhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子と称する単離された核酸分子を提供する。本発明はまた、アンチセンス核酸分子、hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子を含有する組換え発現ベクター、該発現ベクターが導入されている宿主細胞並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子が導入されているかまたは破壊されている非ヒトトランスジェニック動物も提供する。本発明はなおさらに、単離されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、融合タンパク質、抗原性ペプチド並びに抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体を提供する。本発明の組成物を利用する診断方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 痛みは、感覚ニューロンの亜群の末梢終末が有毒な化学的、機械的または熱刺
激により活性化されると開始される。侵害受容器と呼ばれるこれらのニューロン
は、組織損傷に関する情報を脊髄及び脳における痛み処理中枢に伝達する(Fiel
ds, H.L. Pain, McGraw-Hill, New York, 1987)。侵害受容器は、一つには、カ
プサイシン、バニロイド(vanilloid)含有化合物、並びに多数の「辛い」及び
薬味のきいた食物の活性成分であるトウガラシの天然産物に対するそれらの感受
性を特徴とする。哺乳類において、カプサイシンへの侵害受容器終末の暴露は最
初にニューロンの興奮を導き、その結果、痛みの認知及び炎症メディエーターの
局所放出が起こる。長引く暴露では、侵害受容器終末はカプサイシン並びに他の
有毒な刺激に対して無反応になる(Szolcsanyi, J. Capsaicin in the Study of
Pain中(Wood, J.編集)1-26(Academic, London, 1993))。侵害受容器脱感受性
のこの後者の現象は、ウイルス性及び糖尿病性ニューロパシーから慢性関節リュ
ーマチまで多岐にわたる痛みを伴う疾患の処置における鎮痛剤としてのカプサイ
シンの表面的には矛盾した使用の根拠をなす(Campbell, E. Capsaicin and the
Study of Pain中(Wood, J.編集)255-272(Academic, London, 1993);Szallasi,
A. et al.(1996)Pain 68, 195-208)。有毒な刺激に対するこの減少した感受性
のいくらかは、侵害受容器の可逆的変化に起因する可能性があるが、応答の長期
間の喪失は、カプサイシンへの暴露後の侵害受容器の死またはその末梢終末の破
壊により説明することができる(Jancso, G. et al.(1977)Nature 270, 741-743
)。
【0002】 カプサイシン作用の細胞特異性及び激しい痛みの感覚を呼び起こすその能力に
より、カプサイシン作用の標的が痛みを伴う刺激の検出において重要な生理学的
役割を果たすという推論が導かれている。実際、カプサイシンは、生理学的刺激
または組織損傷中に産生される内因性リガンドの作用をまねることにより痛みの
認知を引き出す可能性がある(James, I. F., Kinkina, N. N. & Wood, J. N. C
apsaicin in the Study of Pain中(Wood, J.編集)83-104(Academic, London, 19
93))。
【0003】 最近、Caterina M. J. et al.は、ラット知覚神経節においてバニロイド受容
体(VR-1)をコードする機能性cDNAを特性化することによりこの現象を引き起こ
す分子的根拠を決定した(Caterina M. J. et al.(1997)Nature 389:816-824
)。VR-1は、最初にドロソフィラ(Drosophila)光伝達経路の成分として同定さ
れた(Montell et al.(1989)Neuron 2:1313-1323)一過性受容体電位(transien
t receptor potential)(TRP)チャンネルファミリーのメンバーに似ているバ
ニロイド依存性非選択的陽イオンチャンネルである。
【0004】 目次 A.発明の要約 -3- B.図面の簡単な説明 -8- C.発明の詳細な記述 -10- I.単離された核酸分子 -16- II.単離されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質並びに 抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体 -29- III.組換え発現ベクター及び宿主細胞 -42- IV.製薬学的組成物 -52- V.本発明の使用及び方法 -59- A.スクリーニングアッセイ -60- B.検出アッセイ -67- 1.染色体マッピング -67- 2.組織タイピング -70- 3.司法生物学における部分hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列の使用 -71- C.予測医学 -72- 1.診断アッセイ -73- 2.予後アッセイ -75- 3.臨床試験中の効果のモニタリング -81- D.処置の方法 -83- 1.予防的方法 -84- 2.治療的方法 -84- 3.薬理ゲノム学 -85- D.実施例 -88- 発明の要約 本発明は、少なくとも一つには、受容体のカプサイシン/バニロイドファミリ
ーの新規メンバーの発見に基づく。本明細書において記述するのは、本明細書に
おいてhVR-1と呼ばれる、ラットVR-1(rVR-1)のヒトオーソロガス並びに本明細
書においてVR-2、詳細にはヒトVR-2(hVR-2、欠失を含有する別形態(alternate
form)を包含する)及びラットVR-2(rVR-2)核酸及びタンパク質分子と呼ばれる
、受容体のVRファミリーの以前に未知の別のメンバーの単離である。本発明のhV
R-1、hVR-2及びrVR-2分子は、様々な細胞プロセス、例えば痛みに関与する細胞
プロセスを調節する調節因子を開発するための標的として有用である。従って、
一つの態様として、本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質及びそのフラ
グメントをコードする単離された核酸分子並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2をコー
ドする核酸の検出のためのプライマーまたはハイブリダイゼーションプローブと
して適当な核酸フラグメントを提供する。
【0005】 一つの態様として、本発明のhVR-1、hVR-2またはrVR-2核酸分子は、配列番号:
1、3、4、6、7、9、10もしくは12に示すヌクレオチド配列(例えばヌクレオチド
配列の全長に)またはその相補物に少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、
83%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、
96%、97%、98%、99%またはそれ以上同一である。
【0006】 別の態様として、単離された核酸分子は、配列番号:1、3、4、6、7、9、10も
しくは12に示すヌクレオチド配列またはその相補物を含む。別の態様として、核
酸分子は、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の少なくとも10、15、20ま
たはそれ以上の連続したヌクレオチドを含む。
【0007】 別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子は、配列番号:2、5、8また
は11のアミノ酸配列に十分に相同なアミノ酸配列を有するタンパク質をコードす
るヌクレオチド配列を含む。一つの態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分
子は、配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列の全長に少なくとも60%、65%
、70%、75%、80%、85%、87%、90%、95%、98%またはそれ以上同一である
アミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0008】 本発明の別の態様は、非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2タンパク質をコードする
核酸分子に対してhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子を特異的に検出する核酸分子
、好ましくはhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子を特徴とする。例えば、一つの態
様として、そのような核酸分子は、少なくとも100-150、150-200、200-250、250
-300、300-350、350-400、400-450、450-500、500-550、550-600、600-700、700
-800、800-900、900-1000、1088またはそれ以上のヌクレオチドの長さであり、
そして配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12に示すヌクレオチド配列を含ん
でなる核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。好ましい態
様として、核酸分子は少なくとも15個の(例えば連続した)ヌクレオチドの長さ
であり、そして配列番号:1のヌクレオチド1-17、3696-3863または3901-3909にス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズする。別の好ましい態様として、核酸
分子は配列番号:1のヌクレオチド1-17、3696-3863または3901-3909を含んでなる
。さらに別の好ましい態様として、核酸分子は配列番号:1のヌクレオチド1-17、
3696-3863または3901-3909からなる。好ましい態様として、核酸分子は少なくと
も15個の(例えば連続した)ヌクレオチドの長さであり、そして配列番号:4のヌ
クレオチド1944-2003にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。別の
好ましい態様として、核酸分子は配列番号:4ヌクレオチド1944-2003を含んでな
る。さらに別の好ましい態様として、核酸分子は配列番号:4ヌクレオチド1944-2
003からなる。
【0009】 別の態様として、核酸分子は配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を含ん
でなるポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体をコードし、ここで、該
核酸分子はストリンジェントな条件下で配列番号:1、3、4、6、7、9、10または1
2からなる核酸分子にハイブリダイズし、そしてhVR-1、hVR-2またはrVR-2と同じ
遺伝子座によりコードされる。
【0010】 本発明の別の態様は、配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を含んでなる
ポリペプチドの天然に存在するオーソロガスをコードする核酸分子を提供し、こ
こで、該核酸分子はストリンジェントな条件下で配列番号:1、3、4、6、7、9、1
0または12からなる核酸分子にハイブリダイズする。
【0011】 本発明の別の態様は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子、例えばhVR-1、hVR-2
及びrVR-2核酸分子のコーディング鎖にアンチセンスである単離された核酸分子
を提供する。
【0012】 hVR2(別形態)及びrVR2配列はこれらの遺伝子の全コーディング領域のフラグ
メントに相当するので、本発明の別の態様は完全な遺伝子配列を提供する。当業
者は、本明細書において開示する配列を用いてそのような分子を容易に単離する
ことができる。
【0013】 本発明の別の態様は、hVR-1、hVR-2またはrVR-2核酸分子を含んでなるベクタ
ーを提供する。ある態様として、ベクターは組換え発現ベクターである。別の態
様として、本発明は、本発明のベクターを含有する宿主細胞を提供する。さらに
別の態様として、本発明は、本発明の核酸分子を含有する宿主細胞を提供する。
本発明はまた、タンパク質が生産されるように、組換え発現ベクターを含有する
本発明の宿主細胞、例えば非ヒト哺乳類細胞のような哺乳類宿主細胞を適当な培
地中で培養することにより、タンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2及びrVR-2タ
ンパク質を製造する方法も提供する。
【0014】 本発明の別の態様は、単離されたまたは組換えのhVR-1、hVR-2及びrVR-2タン
パク質及びポリペプチドを特徴とする。一つの態様として、単離されたタンパク
質、好ましくはhVR-1、hVR-2またはrVR-2タンパク質は、少なくとも1個の膜貫通
ドメインを含む。別の態様として、単離されたタンパク質、好ましくはhVR-1、h
VR-2またはrVR-2タンパク質は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン及び少なくとも
1個のプロリンに富んだドメイン(proline rich domain)を含む。さらに別の態
様として、単離されたタンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2またはrVR-2タンパ
ク質は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン、少なくとも1個のプロリンに富んだド
メイン及び少なくとも1個のアンキリンリピートドメインを含む。さらに別の態
様として、タンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2またはrVR-2タンパク質は、少
なくとも1個の膜貫通ドメイン、少なくとも1個のプロリンに富んだドメイン及び
少なくとも1個のアンキリンリピートドメインを含み、そして配列番号:2、5、8
または11のアミノ酸配列に少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、
87%、90%、95%、98%またはそれ以上相同なアミノ酸配列を有する。別の態様
として、タンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2またはrVR-2タンパク質は、少な
くとも1個の膜貫通ドメイン、少なくとも1個のプロリンに富んだドメイン及び少
なくとも1個のアンキリンリピートドメインを含み、そして痛みの発生及び調節
において役割を果たす。さらに別の態様として、タンパク質、好ましくはhVR-1
、hVR-2またはrVR-2タンパク質は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン、少なくと
も1個のプロリンに富んだドメイン及び少なくとも1個のアンキリンリピートドメ
インを含み、そして配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12のヌクレオチド配
列を含んでなる核酸分子にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
ハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされる。
【0015】 別の態様として、本発明は、配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を有す
るタンパク質のフラグメントを特徴とし、ここで、該フラグメントは少なくとも
15、30、40、50、60、70、80、90または100個のアミノ酸(例えば連続したアミ
ノ酸)を含んでなる。
【0016】 別の態様として、本発明は、配列番号:1、3、4、6、7、9、10もしくは12のヌ
クレオチド配列またはその相補物に少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%
、83%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%
、96%、97%、98%、99%またはそれ以上相同なヌクレオチド配列からなる核酸
分子によりコードされる単離されたタンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2及びrV
R-2タンパク質を特徴とする。本発明はさらに、配列番号:1、3、4、6、7、9、10
もしくは12のヌクレオチド配列またはその相補物からなる核酸分子にストリンジ
ェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
からなる核酸分子によりコードされる単離されたタンパク質、好ましくはhVR-1
、hVR-2またはrVR-2タンパク質を特徴とする。
【0017】 本発明のタンパク質またはその一部、例えばその生物学的に活性の部分は、非
hVR-1、非hVR-2または非rVR-2ポリペプチド(例えば異種起源のアミノ酸配列)
に操作可能に連結して融合タンパク質を生成せしめることができる。本発明はさ
らに、本発明のタンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質に特
異的に結合するモノクローナルまたはポリクローナル抗体のような抗体を特徴と
する。さらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはその生物学的に活性の
部分は、場合により製薬学的に許容しうる担体を含んでもよい製薬学的組成物中
に導入することができる。
【0018】 別の態様として、本発明は、生物学的サンプルにおいてhVR-1、hVR-2及びrVR-
2核酸分子、タンパク質またはポリペプチドの存在が検出されるようにhVR-1、hV
R-2及びrVR-2核酸分子、タンパク質またはポリペプチドを検出することができる
作用因子と生物学的サンプルとを接触させることにより生物学的サンプルにおけ
るhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子、タンパク質またはポリペプチドの存在を検
出する方法を提供する。
【0019】 別の態様として、本発明は、生物学的サンプルにおいてhVR-1、hVR-2及びrVR-
2活性の存在が検出されるようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性の指標を検出するこ
とができる作用因子と生物学的サンプルとを接触させることにより生物学的サン
プルにおけるhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性の存在を検出する方法を提供する。
【0020】 別の態様として、本発明は、細胞におけるhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性が調節
されるようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する作用因子とhVR-1、hVR-2及
びrVR-2を発現することができる細胞とを接触させることを含んでなるhVR-1、hV
R-2及びrVR-2活性を調節する方法を提供する。一つの態様として、作用因子はhV
R-1、hVR-2及びrVR-2活性を阻害する。別の態様として、作用因子はhVR-1、hVR-
2及びrVR-2活性を刺激する。一つの態様として、作用因子は、hVR-1、hVR-2及び
rVR-2タンパク質に特異的に結合する抗体である。別の態様として、作用因子は
、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の転写またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAの翻
訳を調節することによりhVR-1、hVR-2及びrVR-2の発現を調節する。さらに別の
態様として、作用因子は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはhVR-1、hVR-2及び
rVR-2遺伝子のコーディング鎖にアンチセンスであるヌクレオチド配列を有する
核酸分子である。
【0021】 一つの態様として、本発明の方法は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュレーター
である作用因子を被験体に投与することにより異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2タ
ンパク質または核酸発現または活性を特徴とする疾患にかかっている被験体を処
置するために用いられる。一つの態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュレ
ーターは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質である。別の態様として、hVR-1、
hVR-2及びrVR-2モジュレーターは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子である。さ
らに別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュレーターは、ペプチド、ペ
プチド模倣物または他の小分子である。さらなる態様として、異常なhVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質または核酸発現を特徴とする疾患は痛み疾患、例えば痛
覚過敏である。
【0022】 本発明はまた、(i)hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質をコードする遺伝子
の異常な改変または突然変異;(ii)該遺伝子の誤った調節;並びに(iii)hVR
-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の異常な翻訳後修飾の少なくとも1つを特徴とす
る遺伝子変化の有無を同定するための診断アッセイも提供し、ここで、該遺伝子
の野生型形態は(本明細書において記述するような)hVR-1、hVR-2及びrVR-2活
性を有するタンパク質をコードする。
【0023】 別の態様として、本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を有するhVR-1、hVR-
2及びrVR-2タンパク質を含んでなる指標組成物を準備すること、指標組成物を試
験化合物と接触させること及び指標組成物におけるhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性
に対する試験化合物の影響を決定してhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の活性
を調節する化合物を同定することにより、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質に
結合するかまたはその活性を調節する化合物を同定する方法を提供する。
【0024】 本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な記述及び請求項から明らかである
【0025】 発明の詳細な記述 本発明は、少なくとも一つには、受容体のカプサイシン/バニロイドファミリ
ーの新規メンバーである核酸及びアミノ酸分子の発見に基づく。本明細書におい
て記述するのは、本明細書においてhVR-1と呼ばれる、ラットVR-1(rVR-1)のヒ
トオーソロガス並びに本明細書においてVR-2、詳細にはヒトVR-2(hVR-2)及び
ラットVR-2(rVR-2)核酸及びタンパク質分子と呼ばれる、受容体のVRファミリ
ーの以前に未知の別のメンバーの単離である。hVR-1、hVR-2及びrVR-2分子は、
既知のラットバニロイド受容体(VR-1)に対するそれらの配列類似性に基づいて
同定された。VR-1は、細胞内カルシウム貯蔵の枯渇に応答して細胞外カルシウム
の流入をもたらす一過性受容体電位(TRP)イオンチャンネルファミリー(Monte
ll et al.(1989)Neuron 2:1313-1323に記述されている)のメンバーに似ている
バニロイド依存性非選択的陽イオンチャンネルである。ラットVR-1 cDNAは、838
アミノ酸のタンパク質をコードする2514ヌクレオチドのオープンリーディングフ
レームを含有する。親水性分析により、ラットVR-1は6個の膜貫通ドメイン(主
にα-へリックスであると予測される)を膜貫通領域5と6の間のさらなる短い疎
水性範囲と共に含有することが示されている。アミノ末端の親水性セグメントは
、比較的プロリンに富んだ領域及びそれに続く3個のアンキリンリピートドメイ
ンを含有する。ラットVR-1は、知覚神経節内の小直径ニューロン(small diamet
er neuron)において発現される。本発明のhVR-1配列はrVR-1のヒトオーソロガ
スである。以下にさらに詳細に記述するように、ヒトVR-1は、結節性(nodose)、
三叉神経感覚ニューロン並びに全てではないがいくつかの小型脊髄神経節(DRG
)ニューロン及び少数の中型DRGニューロンにおいて発現される。
【0026】 本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子は、痛みシグナリング機構において役割
を果たす。本明細書において用いる場合、「痛みシグナリング機構」という用語
には、被験体、例えばヒトのような哺乳類における痛み、例えば有毒な化学的、
機械的または熱刺激により引き出される痛みの発生及び調節に関与する細胞機構
が包含される。哺乳類において、「侵害受容」と呼ばれるプロセスである、有毒
な化学的、機械的または熱刺激の初期検出は、主として、多様式(polymodal)
侵害受容器と呼ばれる特殊化した小直径一次求心性ニューロン(small diameter
primary afferent neurons)の末梢終末で起こる。これらの求心性ニューロン
は、この情報を中枢神経系に伝達し、痛みまたは不快の認知を喚起し、そして適
当な防御反射を開始する。これらの求心性ニューロン上に存在するカプサイシン
/バニロイド受容体、例えば本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子は、これらの
有毒な化学的、機械的または熱刺激を検出すること及びこの情報を膜脱分極事象
に変換することに関与する。従って、痛みシグナリング機構に関与することによ
りhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子は痛みを引き出すことを調節することができ、そ
して痛みを制御するための新規な診断標的及び治療因子を提供することができる
【0027】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2分子は、調節を失った、例えばアップレギュレーショ
ンされたまたはダウンレギュレーションされた痛み応答を特徴とする様々な疾患
、疾病または症状において痛みを制御するための新規な診断標的及び治療因子を
提供する。例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2分子は、一般に痛覚過敏(例えば、F
ields, H. L.(1987)Pain, New York:McGraw-Hillに記述されている)と呼ばれる
様々な形態の組織損傷、例えば炎症、感染及び虚血の間に引き出される過大な痛
み応答を制御するための新規な診断標的及び治療因子を提供する。さらに、hVR-
1、hVR-2及びrVR-2分子は、、筋骨格疾患(muscoloskeletal disorders)と関連
する痛み、例えば関節痛;歯痛;頭痛;手術と関連する痛みまたは神経障害性の
痛みを制御するための新規な診断標的及び治療因子を提供する。
【0028】 hVR-1遺伝子は、WI-5436(7.7cR)とWI-6584(18.9cR)の間のヒト第17染色体の領
域に位置し(実施例6)、これは重症筋無力症、スミス-マジェニス(Smith-Mage
nis)症候群、CORD5、錐体-杆体ジストロフィー及び乳癌と関連しているので、h
VR-1分子は、この染色体領域に関連するこれらの疾患または他の疾患を処置する
、診断するまたは予測するための新規な診断標的及び治療因子を提供することが
できる。同様に、hVR-2遺伝子は、AFMA043ZB5(23.3cR)とD17A721(29.3cR)の間の
ヒト第17染色体の領域に位置し(実施例6)、これは重症筋無力症、スミス-マジ
ェニス症候群、CORD5、錐体-杆体ジストロフィー、脈絡膜ジストロフィー、中心
性輪紋状及び網膜錐体ジストロフィーと関連しているので、hVR-2分子は、この
染色体領域に関連するこれらの疾患または他の疾患を処置する、診断するまたは
予測するための新規な診断標的及び治療因子を提供することができる。
【0029】 「ファミリー」という用語は、本発明のタンパク質及び核酸分子をさす場合、
共通の構造ドメインまたはモチーフを有する及び本明細書において定義するよう
な十分なアミノ酸またはヌクレオチド配列相同性を有する2つまたはそれ以上の
タンパク質または核酸分子を意味するものとする。そのようなファミリーメンバ
ーは、天然にまたは非天然に存在することができ、そして同じまたは異なる種の
いずれからであることができる。例えば、ファミリーはヒト起源の第一のタンパ
ク質並びにヒト起源の他の異なるタンパク質を含有することができ、あるいはま
た非ヒト起源の相同物を含有することができる。また、ファミリーのメンバーは
共通の機能特性を有してもよい。
【0030】 例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質のファミリーは、少なくとも1個、
好ましくは6個の「膜貫通ドメイン」を含んでなる。本明細書において用いる場
合、「膜貫通ドメイン」という用語には、細胞膜にまたがる約15アミノ酸残基の
長さのアミノ酸配列が包含される。より好ましくは、膜貫通ドメインは少なくと
も約20、25、30、35、40または45アミノ酸残基を含み、細胞膜にまたがる。膜貫
通ドメインは疎水性残基に富み、典型的にへリックス構造を有する。ある態様と
して、膜貫通ドメインの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%または
それ以上のアミノ酸残基は疎水性、例えばロイシン、イソロイシン、チロシンま
たはトリプトファンである。膜貫通ドメインは、例えば、Zagotta W. N. et al.
(1996) Annual.. Rev. Neurosci. 19:235-63に記述されており、その内容は引用
することにより本明細書に組み込まれる。hVR-1(配列番号:2)のアミノ酸残基
434-455、480-495、(509-531;ラットVR-1に対する相同性に基づく)または514
-531、(543-569;ラットVR-1に対する相同性に基づく)または538-555、(577-
596;ラットVR-1に対する相同性に基づく)または580-599及び(656-683;ラッ
トVR-1に対する相同性に基づく)または658-682並びにhVR-2(配列番号:5)の
アミノ酸残基391-410、431-448、459-476、486-508、538-556及び621-645は、膜
貫通ドメインを含んでなる。
【0031】 別の態様として、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2は、タンパク質または対応
する核酸分子中の「プロリンに富んだドメイン」の存在に基づいて同定される。
本明細書において用いる場合、「プロリンに富んだドメイン」という用語には、
一般配列X-Pro-X-X-Pro-X(ここで、Xはいずれのアミノ酸であってもよい)を有
する約4-6アミノ酸残基の長さのアミノ酸配列が包含される。プロリンに富んだ
ドメインは、一般にへリックス構造中に位置し、疎水性相互作用によりSH3ドメ
インに結合する。SH3ドメインは、フォワード及びリバースの両方の向きのプロ
リンに富んだドメインを認識する。プロリンに富んだドメインは、例えば、Satt
ler M. et al.(1998)Leukemia 12:637-644に記述されており、その内容は引用す
ることにより本明細書に組み込まれる。
【0032】 別の態様として、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2は、タンパク質または対応
する核酸分子中の「アンキリンリピートドメイン」の存在に基づいて同定される
。本明細書において用いる場合、「アンキリンリピートドメイン」という用語に
は、約30-50アミノ酸残基のアミノ酸配列を有しそして少なくとも6のアンキリ
ンリピートドメイン(HMM)への配列の整列のビットスコアを有するタンパク質ド
メインが包含される。好ましくは、アンキリンリピートドメインは、少なくとも
約30-45、より好ましくは約30-40アミノ酸残基または約30-35アミノ酸を有し、
そして少なくとも3-10、より好ましくは10-30、より好ましくは30-50、さらによ
り好ましくは50-75、75-100、100-200またはそれ以上のアンキリンリピートドメ
イン(HMM)への配列の整列のビットスコアを有する。アンキリンリピートドメイ
ンHMMは、PFAM Accession PF00023が付与されている({ HYPERLINK "http://geno
me.wustl.edu/" ,http://genome.wustl.edu/}Pfam/.html)。アンキリンリピー
トは、タンパク質-タンパク質相互作用に関与し、例えばKetchum K. A. et al.(
1996)FEBS Letters 378:19-26に記述されており、その内容は引用することによ
り本明細書に組み込まれる。
【0033】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質中のアンキリンリピートドメインの存在を
同定し、目的のタンパク質が特定のプロフィールを有することを決定するために
、デフォールトパラメーターを用いてHMMのデータベース(例えばPfamデータベ
ース、リリース2.1)に対してタンパク質のアミノ酸配列を検索する(http://ww
w.sanger.ac.uk/Software/Pfam/HMM_search)。Pfamデータベースの記述は、Son
hammer et al.(1997) Proteins 28(3)405-420に見出すことができ、HMMの詳細な
記述は、例えば、Gribskov et al.(1990) Meth. Enzymol. 183:146-159; Gribsk
ov et al.(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:4355-4358; Krogh et al.(19
94) J. Mol. Biol. 235:1501-1531;及びStultz et al.(1993) Protein Sci. 2:3
05-314に見出すことができ、それらの内容は引用することにより本明細書に組み
込まれる。HMMデータベースに対して検索を実施し、配列番号:2(約残基201-233
、248-283及び333-361で)及び配列番号:5(約残基162-194、208-243及び293-32
8で)のアミノ酸配列における3個のアンキリンリピートドメインの同定がもた
らされた。検索の結果を図13及び15に記述する。
【0034】 本発明の単離されたタンパク質、好ましくはhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク
質は、配列番号:2、5、8もしくは11のアミノ酸配列に十分に同一であるアミノ酸
配列を有するかまたは配列番号:1、3、4、6、7、9、10もしくは12に十分に同一
であるヌクレオチド配列によりコードされる。本明細書において用いる場合、「
十分に同一である」という用語は、第一及び第二のアミノ酸またはヌクレオチド
配列が共通の構造ドメインもしくはモチーフ及び/または共通の機能活性を共有
するように第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列と同じまたは同等な(例えば
、同様の側鎖を有するアミノ酸残基)アミノ酸残基またはヌクレオチドの十分な
または最低限の数を含有する第一のアミノ酸またはヌクレオチド配列をさす。例
えば、共通の構造ドメインを共有し、ドメインのアミノ酸配列にわたって少なく
とも30%、40%または50%の同一性、好ましくは60%の同一性、より好ましくは
70-80%、さらにより好ましくは90-95%の同一性を有し、そして少なくとも1個
、好ましくは2個の構造ドメインまたはモチーフを含有するアミノ酸またはヌク
レオチド配列は、本明細書において十分に同一であると定義される。さらに、少
なくとも30%、40%または50%、好ましくは60%、より好ましくは70-80%また
は90-95%の同一性を共有し、そして共通の機能活性を共有するアミノ酸または
ヌクレオチド配列は、本明細書において十分に同一であると定義される。
【0035】 本明細書において互換的に用いる場合、「hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性」、「h
VR-1、hVR-2及びrVR-2の生物学的活性」または「hVR-1、hVR-2及びrVR-2の機能
活性」は、標準的な技術に従って、インビボまたはインビトロで測定した場合に
、hVR-1、hVR-2及びrVR-2応答細胞またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質基質
に対してhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、ポリペプチドまたは核酸分子によ
り及ぼされる活性をさす。一つの態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性は、h
VR-1、hVR-2及びrVR-2標的分子との会合のような直接的活性である。本明細書に
おいて用いる場合、「標的分子」または「結合相手」は、hVR-1、hVR-2及びrVR-
2によりもたらされる機能が得られるように、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
が事実上結合するかまたは相互作用する分子である。hVR-1、hVR-2及びrVR-2標
的分子は、非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2分子または本発明のhVR-1、hVR-2及びr
VR-2タンパク質もしくはポリペプチドであることができる。典型的態様として、
hVR-1、hVR-2及びrVR-2標的分子はhVR-1、hVR-2及びrVR-2リガンド、例えばカプ
サイシンである。あるいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性は、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2リガンドとhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質との相互作用によりもた
らされる細胞シグナリング活性のような間接的活性である。
【0036】 従って、本発明の別の態様は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を有する単離され
たhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質及びポリペプチドを特徴とする。本発明の
別のタンパク質は、少なくとも1個、好ましくは6個の膜貫通ドメイン並びに好
ましくはhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
である。本発明のさらに別のタンパク質は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン、
少なくとも1個のプロリンに富んだドメイン並びに好ましくはhVR-1、hVR-2及びr
VR-2活性を有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質である。本発明の別のタン
パク質は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン、少なくとも1個のプロリンに富ん
だドメイン、少なくとも1個のアンキリンリピートドメイン並びに好ましくはhVR
-1、hVR-2及びrVR-2活性を有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質である。本
発明のさらなるタンパク質は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン、少なくとも1
個のプロリンに富んだドメイン、少なくとも1個のアンキリンリピートドメイン
を有し、そして好ましくは配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12のヌクレオ
チド配列を含んでなる核酸分子にストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされ
る。
【0037】 全長hVR-1 cDNAのヌクレオチド配列及びhVR-1ポリペプチドの予測されるアミ
ノ酸配列を図1並びに配列番号:1及び2にそれぞれ示す。
【0038】 全長hVR-2 cDNAのヌクレオチド配列及びhVR-2ポリペプチドの予測されるアミ
ノ酸配列を図2並びに配列番号:4及び5にそれぞれ示す。
【0039】 部分hVR-2(別形態)cDNAのヌクレオチド配列及びhVR-2(別形態)ポリペプチ
ドの予測されるアミノ酸配列を図3並びに配列番号:7及び8にそれぞれ示す。
【0040】 部分rVR-2 cDNAのヌクレオチド配列及びrVR-2ポリペプチドの予測されるアミ
ノ酸配列を図4並びに配列番号:10及び11にそれぞれ示す。
【0041】 本発明の様々な態様を以下の小節においてさらに詳細に記述する:I.単離された核酸分子 本発明の一つの態様は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはその生物学
的に活性の部分をコードする単離された核酸分子並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2
をコードする核酸分子(例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNA)を同定するための
ハイブリダイゼーションプローブとしての使用のために十分な核酸フラグメント
並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子の増幅または突然変異のためのPCRプライ
マーとしての使用のためのフラグメントに関する。本明細書において用いる場合
、「核酸分子」という用語には、DNA分子(例えばcDNAまたはゲノムDNA)及びRN
A分子(例えばmRNA)並びにヌクレオチド類似体を用いて作製されたDNAまたはRN
Aの類似体が包含されるものとする。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であるこ
とができるが、好ましくは二本鎖DNAである。
【0042】 「単離された核酸分子」という用語には、核酸の生来の供給源において存在す
る他の核酸分子から分離されている核酸分子が包含される。例えば、ゲノムDNA
に関して、「単離された」という用語には、ゲノムDNAが生来会合している染色
体から分離されている核酸分子が包含される。好ましくは「単離された」核酸は
、該核酸が由来する生物体のゲノムDNAにおいて該核酸に生来隣接する配列(す
なわち、該核酸の5’及び3’末端に位置する配列)を含まない。例えば、様々
な態様として、単離されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子は、該核酸が由来す
る細胞のゲノムDNAにおいて該核酸分子に生来隣接する約5kb、4kb、3kb、2kb、1
kb、0.5kbまたは0.1kb未満のヌクレオチド配列を含有することができる。さらに
、cDNA分子のような「単離された」核酸分子は、組換え技術により製造する場合
には他の細胞材料もしくは培養培地を実質的に含まないことができ、または化学
的に合成する場合には化学的前駆体もしくは他の化学製品を実質的に含まないこ
とができる。
【0043】 本発明の核酸分子、例えば、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12のヌク
レオチド配列を有する核酸分子。hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子は、配列番号:
1、3、4、6、7、9、10または12の核酸配列の全部または一部をハイブリダイゼー
ションプローブとして用いて(例えば、Sambrook, J., Fritsh, E. F.及びMania
tis, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 第2版, Cold Spring Harbo
r Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N
Y, 1989 に記述されているような)標準的なハイブリダイゼーション及びクロー
ニング技術を使用して単離することができる。
【0044】 さらに、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の全部または一部を包含す
る核酸分子は、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の配列に基づいて設計
した合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
により単離することができる。
【0045】 本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技術に従ってcDNA、mRNAあるいはまたゲノ
ムDNAを鋳型としてそして適当なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅す
ることができる。このようにして増幅した核酸を適当なベクター中にクローン化
し、そしてDNA配列分析により特性化することができる。さらに、標準的な合成
技術により、例えば自動DNA合成機を用いて、hVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチ
ド配列に対応するオリゴヌクレオチドを調製することができる。
【0046】 一つの態様として、本発明の単離された核酸分子は、配列番号:1に示すヌクレ
オチド配列を含んでなる。配列番号:1の配列は、cDNAをコードする全長hVR-1に
対応する。
【0047】 別の態様として、本発明の単離された核酸分子は、配列番号:4に示すヌクレオ
チド配列を含んでなる。配列番号:4の配列は、cDNAをコードする全長hVR-2に対
応する。
【0048】 別の態様として、本発明の単離された核酸分子は、配列番号:7に示すヌクレオ
チド配列を含んでなる。配列番号:7の配列は、cDNAをコードするhVR-2(別形態
)のフラグメントに対応する。
【0049】 別の態様として、本発明の単離された核酸分子は、配列番号:10に示すヌクレ
オチド配列を含んでなる。配列番号:10の配列は、rVR-2 cDNAのフラグメントに
対応する。
【0050】 別の態様として、本発明の単離された核酸分子は、配列番号:1、3、4、6、7、
9、10もしくは12に示すヌクレオチド配列またはこれらのヌクレオチド配列のい
ずれかの一部の相補物である核酸分子を含んでなる。配列番号:1、3、4、6、7、
9、10または12に示すヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号:1
、3、4、6、7、9、10または12に示すヌクレオチド配列にそれがハイブリダイズ
し、それにより安定な二重鎖を形成することができるように、配列番号:1、3、4
、6、7、9、10または12に示すヌクレオチド配列に十分に相補的なものである。
【0051】 さらに別の好ましい態様として、本発明の単離された核酸分子は、配列番号:1
、3、4、6、7、9、10もしくは12に示すヌクレオチド配列の全長またはこれらの
ヌクレオチド配列のいずれかの一部に少なくとも約60%、65%、70%、75%、80
%、83%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95
%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上相同であるヌクレオチド配列を含ん
でなる。
【0052】 さらに、本発明の核酸分子は、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の核
酸配列の一部のみ、例えばプローブもしくはプライマーとして用いることができ
るフラグメントまたはhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の一部、例えばhVR-1、
hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学的に活性の部分をコードするフラグメントを
含んでなることができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子のクローニングから決
定されたヌクレオチド配列により、他のhVR-1、hVR-2及びrVR-2ファミリーメン
バー並びに他の種からのhVR-1、hVR-2及びrVR-2相同物の同定及び/またはクロ
ーニングにおける使用のために設計されるプローブ及びプライマーを作製するこ
とができる。該プローブ/プライマーは、典型的に、実質的に精製されたオリゴ
ヌクレオチドを含んでなる。該オリゴヌクレオチドは、典型的に、配列番号:1、
3、4、6、7、9、10もしくは12のセンス配列の、または配列番号:1、3、4、6、7
、9、10もしくは12のアンチセンス配列の、または配列番号:1、3、4、6、7、9、
10もしくは12の天然に存在する対立遺伝子変異体もしくは突然変異体の少なくと
も約12または15個、好ましくは約20または25個、より好ましくは約30、35、40、45
、50、55、60、65、75または100個の連続したヌクレオチドにストリンジェント
な条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含んでなる。典型的態
様として、本発明の核酸分子は、100-150、150-200、200-250、250-300、300-35
0、350-400、400-450、450-500、500-550、550-600、600-650、650-700、700-75
0、750-800、800-850、850-900、900-950、950-1000、1088またはそれ以上より
大きいヌクレオチドの長さでありそして配列番号:1、3、4、6、7、9、10または1
2の核酸分子にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダ
イズするヌクレオチド配列を含んでなる。
【0053】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチド配列に基づくプローブは、同じまたは相
同なタンパク質をコードする転写産物またはゲノム配列を検出するために用いる
ことができる。好ましい態様として、プローブはそれに結合した標識基をさらに
含んでなり、例えば、標識基は放射性同位元素、蛍光化合物、酵素または酵素補
因子であることができる。そのようなプローブは、被験体からの細胞のサンプル
においてhVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードする核酸のレベルを測定すること、例
えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAレベルを検出することまたはゲノムのhVR-1、h
VR-2及びrVR-2遺伝子が突然変異しているかもしくは欠失しているかどうかを決
定することによるような、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を誤発現する細胞
または組織を同定するための診断試験キットの一部として用いることができる。
【0054】 「hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学的に活性の部分」をコードする
核酸フラグメントは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2生物学的活性(hVR-1、hVR-2及びr
VR-2タンパク質の生物学的活性は本明細書において記述されている)を有するポ
リペプチドをコードする配列番号: 1、3、4、6、7、9、10または12のヌクレオチ
ド配列の部分を単離し、(例えばインビトロでの組換え発現により)hVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質の該コード部分を発現させ、そしてhVR-1、hVR-2及びrVR
-2タンパク質の該コード部分の活性を評価することにより調製することができる
【0055】 本発明はさらに、遺伝暗号の縮重のために配列番号: 1、3、4、6、7、9、10ま
たは12に示すヌクレオチド配列と異なり、従って、配列番号: 1、3、4、6、7、9
、10または12に示すヌクレオチド配列によりコードされるものと同じhVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質をコードする核酸分子を包含する。別の態様として、本
発明の単離された核酸分子は、配列番号:2、5、8または11に示すアミノ酸配列を
有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0056】 配列番号: 1、3、4、6、7、9、10または12に示すhVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌク
レオチド配列に加えて、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質のアミノ酸配列の変
化をもたらすDNA配列多型が集団(例えばヒト集団)内に存在する可能性がある
ことを当業者は認識する。hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子におけるそのような遺
伝子多型は、天然の対立遺伝子変異のために集団内の個体間に存在する可能性が
ある。本明細書において用いる場合、「遺伝子」及び「組換え遺伝子」という用
語は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、好ましくは哺乳類のhVR-1、hVR-2及
びrVR-2タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む核酸分子
をさし、さらに非コーディング調節配列及びイントロンを含むことができる。
【0057】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2の対立遺伝子変異体には、機能性および非機能性の両
方のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質が包含される。機能性対立遺伝子変異体
は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2リガンドに結合する能力及び/または痛みシグナリ
ング機構を調節する能力を維持するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の天然に
存在するアミノ酸配列変異体である。機能性対立遺伝子変異体は、典型的に、配
列番号:2、5、8もしくは11の1個もしくはそれ以上のアミノ酸の保存的置換のみ
またはタンパク質の重要でない領域中の重要でない残基の置換、欠失もしくは挿
入を含有する。
【0058】 非機能性対立遺伝子変異体は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2リガンドに結合する能
力及び/または痛みシグナリング機構を調節する能力をもたないhVR-1、hVR-2及
びrVR-2タンパク質の天然に存在するアミノ酸配列変異体である。非機能性対立
遺伝子変異体は、典型的に、配列番号:2、5、8もしくは11のアミノ酸配列の非保
存的置換、欠失もしくは挿入もしくは未熟末端切断(premature truncation)ま
たは重要な残基もしくは重要な領域における置換、挿入もしくは欠失を含有する
【0059】 本発明はさらに、hVR-2及びrVR-2タンパク質の非ヒトオーソロガスを提供する
。hVR-2及びrVR-2タンパク質のオーソロガスは、非ヒト及び非ラット生物体から
単離され且つhVR-2及びrVR-2タンパク質と同じhVR-2及びrVR-2リガンド結合及び
/または痛みシグナリング機構の調節能力を保有するタンパク質である。hVR-2
及びrVR-2タンパク質のオーソロガスは、配列番号:4、6、8または10に実質的に
相同なアミノ酸配列を含んでなると容易に同定することができる。
【0060】 さらに、他のhVR-1、hVR-2及びrVR-2ファミリーメンバーをコードし、従って
、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12のhVR-1、hVR-2及びrVR-2配列と異な
るヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内であるものとする。例
えば、別のhVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNAをhVR-1、hVR-2及びrVR-2のヌクレオチ
ド配列に基づいて同定することができる。さらに、異なる種からのVR-2タンパク
質をコードし、従って、配列番号: 4、6、8または10のhVR-2及びrVR-2配列と異
なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内であるものとする。
例えば、マウスhVR-2 cDNAをヒトVR-2(hVR-2)またはラットVR-2(rVR-2)のヌ
クレオチド配列に基づいて同定することができる。
【0061】 本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNAの天然の対立遺伝子変異体及び相同物に
相当する核酸分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標準
的なハイブリダイゼーション技術に従ってハイブリダイゼーションプローブとし
て本明細書に開示するcDNAまたはその一部を用いて本明細書に開示するhVR-1、h
VR-2及びrVR-2核酸に対するそれらの相同性に基づいて単離することができる。
さらに、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNAの天然の対立遺伝子変異体及び相
同物に相当する核酸分子は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 遺伝子と同じ染色体または
遺伝座へのマッピングにより単離することができる。
【0062】 従って、別の態様として、本発明の単離された核酸分子は少なくとも15、20、
25、30またはそれ以上のヌクレオチドの長さであり、そして配列番号:1、3、4、
6、7、9、10または12のヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子にストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする。別の態様として、核酸は少なくとも30、50
、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、
800、850、900または950ヌクレオチドの長さである。本明細書において用いる場
合、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」という用語は、相互に
少なくとも60%同一であるヌクレオチド配列が典型的に相互にハイブリダイズし
たままであるハイブリダイゼーション及び洗浄の条件を表すものとする。好まし
くは、該条件は、相互に少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さ
らにより好ましくは少なくとも約85%または90%同一である配列が典型的に相互
にハイブリダイズしたままであるようにである。そのようなストリンジェントな
条件は当業者に既知であり、そしてCurrent Protocols in Molecular Biology,
John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に見出すことができる。ストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件の好ましい限定しない例は、約45℃で
6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中でのハイブリダイゼーション及
びそれに続く50℃で、好ましくは55℃で、より好ましくは60℃で、さらにより好
ましくは65℃で0.2 X SSC、0.1% SDS中での1回またはそれ以上の洗浄である。
好ましくは、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の配列にストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズする本発明の単離された核酸分子は、天然に存在す
る核酸分子に相当する。本明細書において用いる場合、「天然に存在する」核酸
分子は、現実に存在する(例えば天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチド
配列を有するRNAまたはDNA分子をさす。
【0063】 集団中に存在する可能性があるhVR-1、hVR-2及びrVR-2配列の天然に存在する
対立遺伝子変異体に加えて、さらに、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12
のヌクレオチド配列中に突然変異により変異を導入し、それによりhVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質の機能性能を変えずに、コードされるhVR-1、hVR-2及びrVR
-2タンパク質のアミノ酸配列の変異をもたらすことができることを当業者は認識
する。例えば、「非必須」アミノ酸残基でアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド
置換を配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の配列において実施することが
できる。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的活性を変えずにhVR-1、hVR-2及び
rVR-2の野生型配列(例えば、配列番号:2、5、8または11の配列)から改変する
ことができる残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は生物学的活性のために
必要とされる。例えば、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質間で保存さ
れるアミノ酸残基は、特に容易に改変できないと予測される。さらに、本発明の
hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質とカプサイシン/バニロイド受容体ファミリ
ーの他のメンバー間で保存されるさらなるアミノ酸残基は、容易に改変できない
と思われる。
【0064】 従って、本発明の別の態様は、活性のために必須でないアミノ酸残基における
変異を含有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質をコードする核酸分子に関す
る。そのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質は、配列番号:2、5、8または1
1とアミノ酸配列が異なるが、それでもなお生物学的活性を保持する。一つの態
様として、単離された核酸分子は、配列番号:2、5、8または11に少なくとも約60
%、65%、70%、75%、80%、85%、87%、90%、95%、98%またはそれ以上相
同なアミノ酸配列を含んでなるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含ん
でなる。
【0065】 配列番号:2、5、8または11のタンパク質に相同なhVR-1、hVR-2及びrVR-2タン
パク質をコードする単離された核酸分子は、コードされるタンパク質中に1個ま
たはそれ以上のアミノ酸置換、付加または欠失が導入されるように、配列番号:1
、3、4、6、7、9、10または12のヌクレオチド配列中に1個またはそれ以上のヌ
クレオチド置換、付加または欠失を導入することにより作製することができる。
突然変異は、部位特異的突然変異誘発及びPCRによりもたらされる突然変異誘発
のような標準的な技術により、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12中に導
入することができる。好ましくは、保存的アミノ酸置換を1個またはそれ以上の
予測される非必須アミノ酸残基で実施する。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ
酸残基が同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるものである。同様の側鎖
を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。
これらのファミリーには、塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン
)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電していない極性側
鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシ
ン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分枝
側鎖(例えばトレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えばチロ
シン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が包
含される。従って、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質中の予測される非必須ア
ミノ酸残基は、好ましくは、同じ側鎖ファミリーからの別のアミノ酸残基で置換
される。あるいはまた、別の態様として、突然変異は、飽和突然変異誘発による
ように、hVR-1、hVR-2及びrVR-2コーディング配列の全部または一部に沿ってラ
ンダムに導入することができ、そして得られた突然変異体をhVR-1、hVR-2及びrV
R-2生物学的活性に関してスクリーニングして活性を保持する突然変異体を同定
することができる。配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12の突然変異誘発後
【0066】 ある態様として、突然変異体hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質は、(1)非h
VR-1、非hVR-2もしくは非rVR-2タンパク質分子、例えばカプサイシンのようなバ
ニロイド化合物と相互作用する能力;(2)細胞内カルシウム濃度を調節する能
力;(3)hVR-1、hVR-2及びrVR-2依存性シグナル伝達経路を活性化する能力;
または(4)痛みシグナリング機構を調節する能力に関してアッセイすることが
できる。
【0067】 上記のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質をコードする核酸分子に加えて、本
発明の別の態様は、それらにアンチセンスである単離された核酸分子に関する。
「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸に相補的な、
例えば二本鎖cDNA分子のコーディング鎖に相補的なまたはmRNA配列に相補的なヌ
クレオチド配列を含んでなる。従って、アンチセンス核酸は、センス核酸に水素
結合することができる。アンチセンス核酸は、全hVR-1、hVR-2及びrVR-2コーデ
ィング鎖にまたはその一部のみに相補的であることができる。一つの態様として
、アンチセンス核酸分子は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードするヌクレオチド
配列のコーディング鎖の「コーディング領域」にアンチセンスである。「コーデ
ィング領域」という用語は、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含んでなるヌク
レオチド配列の領域をさす(例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2のコーディング領
域)。別の態様として、アンチセンス核酸分子は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2をコ
ードするヌクレオチド配列のコーディング鎖の「非コーディング領域」にアンチ
センスである。「非コーディング領域」という用語は、アミノ酸に翻訳されない
コーディング領域に隣接する5’及び3’配列をさす(すなわち、5’及び3’非翻
訳領域とも呼ばれる)。
【0068】 本明細書に開示するhVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードするコーディング鎖配列
が与えられれば、ワトソン・クリック塩基対合の規則に従って本発明のアンチセ
ンス核酸を設計することができる。アンチセンス核酸分子は、hVR-1、hVR-2及び
rVR-2 mRNAの全コーディング領域に相補的であることができるが、より好ましく
はhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAのコーディングまたは非コーディング領域の一部
のみにアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオ
リゴヌクレオチドは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領
域に相補的であることができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、
約5、10、15、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチドの長さであることができる
。本発明のアンチセンス核酸は、当該技術分野において既知の方法を用いて化学
合成及び酵素連結反応を使用して構築することができる。例えば、アンチセンス
核酸(例えばアンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチ
ドまたは分子の生物学的安定性を増すようにもしくはアンチセンスとセンス核酸
間で形成される二重鎖の物理的安定性を増すように設計された様々に改変された
ヌクレオチドを用いて化学的に合成することができ、例えば、ホスホロチオエー
ト誘導体及びアクリジン置換されたヌクレオチドを用いることができる。アンチ
センス核酸を作製するために用いることができる改変されたヌクレオチドの例に
は、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラ
シル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒド
ロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5
-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシ
ルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1
-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニ
ン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5
-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D
-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキ
シウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢
酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン
、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラ
シル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、
5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル
、(acp3)w及び2,6-ジアミノプリンが包含される。あるいはまた、アンチセン
ス核酸は、核酸がアンチセンスの向きにサブクローン化されている発現ベクター
を用いて生物学的に製造することができる(すなわち、挿入した核酸から転写さ
れるRNAは、目的の標的核酸にアンチセンスの向きのものである、以下の小節に
おいてさらに記述する)。
【0069】 本発明のアンチセンス核酸分子は、典型的に、それらがhVR-1、hVR-2及びrVR-
2タンパク質をコードする細胞mRNA及び/またはゲノムDNAとハイブリダイズする
かまたは結合してそれにより例えば転写及び/または翻訳を阻害することにより
タンパク質の発現を阻害するように被験体に投与されるかまたはインサイチュー
で作製される。ハイブリダイゼーションは、安定な二重鎖を形成するための通常
のヌクレオチド相補性によるか、または例えばDNA二重鎖に結合するアンチセン
ス核酸分子の場合には、二重らせんの主溝における特異的相互作用によることが
できる。本発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例には、組織部位での直接
注入が包含される。あるいはまた、アンチセンス核酸分子を選択した細胞を標的
とするように改変し、次に全身的に投与することができる。例えば、全身投与の
ために、アンチセンス核酸分子は、例えば細胞表面受容体または抗原に結合する
ペプチドまたは抗体にアンチセンス核酸分子を連結することにより、選択した細
胞表面上に発現される受容体または抗原にそれらが特異的に結合するように改変
することができる。アンチセンス核酸分子はまた、本明細書に記述するベクター
を用いて細胞に送達することもできる。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を
得るために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIまたはpol IIIプロモーター
の制御下に置かれているベクター構築物が好ましい。
【0070】 さらに別の態様として、本発明のアンチセンス核酸分子はα-アノマー核酸分
子である。α-アノマー核酸分子は相補的RNAと特異的二本鎖ハイブリッドを形成
し、その場合、通常のβ-ユニットとは異なり、それらの鎖は相互に平行に伸び
る(Gaultier et al.(1987) Nucleic Acids. Res. 15:6625-6641)。アンチセン
ス核酸分子はまた、2’- o-メチルリボヌクレオチド(Inoue et al.(1987) Nucl
eic Acids Res. 15:6131-6148)またはキメラRNA-DNA類似体(Inoue et al.(1987
) FEBS Lett.215:327-330)を含んでなることもできる。
【0071】 さらに別の態様として、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。リボ
ザイムは、それらが相補的領域を有するmRNAのような一本鎖核酸を切断すること
ができるリボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNA分子である。従って、hVR-1、hV
R-2及びrVR-2 mRNA転写産物を触媒的に切断してそれによりhVR-1、hVR-2及びrVR
-2 mRNAの翻訳を阻害するためにリボザイム(例えばハンマーヘッド型リボザイ
ム(Haselhoff及びGerlach (1988) Nature 334:585-591に記述される))を用い
ることができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードする核酸に特異性を有するリ
ボザイムは、本明細書に開示するhVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNAのヌクレオチド配
列(すなわち、配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12)に基づいて設計する
ことができる。例えば、活性部位のヌクレオチド配列がhVR-1、hVR-2及びrVR-2
をコードするmRNAにおいて切断されるヌクレオチド配列に相補的であるテトラヒ
メナ(Tetrahymena)L-19 IVS RNAの誘導体を構築することができる。例えば、Cec
h et al. 米国特許第4,987,071号;及びCech et al. 米国特許第5,116,742号を参
照。あるいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAを用いてRNA分子のプールから
特異的リボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNAを選択することができる。例えば
、Bartel, D.及びSzostak, J. W. (1993) Sience 261:1411-1418を参照。
【0072】 あるいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子発現は、標的細胞におけるhVR-1
、hVR-2及びrVR-2遺伝子の転写を妨げる三重らせん構造を形成するようにhVR-1
、hVR-2及びrVR-2の調節領域(例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2プロモーター及び
/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的とすることにより阻
害することができる。一般に、Helene, C. (1991) Anticancer Drug Des. 6(6):
569-84; Helene, C. et al.(1992) Ann. N.Y. Acad. Sci. 660:27-36;及びMaher
, L. J. (1992) Bioassays 14(12):807-15を参照。
【0073】 さらに別の態様として、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子は、例えば
分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可溶性を改善するために塩基部分
、糖部分またはリン酸バックボーンで改変することができる。例えば、核酸分子
のデオキシリボースリン酸バックボーンを改変してペプチド核酸を作製すること
ができる(Hyrup B. et al.(1996) Bioorganic & Medicinal.. Chemistry 4(1):
5-23を参照)。本明細書において用いる場合、「ペプチド核酸」または「PNA」
という用語は、デオキシリボースリン酸バックボーンがプソイドペプチドバック
ボーンで置換され、4種の天然のヌクレオ塩基(nucleobase)のみが保持される
核酸模倣物、例えばDNA模倣物をさす。PNAの中性バックボーンは、低イオン強度
の条件下でDNA及びRNAへの特異的ハイブリダイゼーションを与えることが示され
ている。PNAオリゴマーの合成は、Hyrup B. et al.(1996)上記; Perry-O’Keefe
et al. Proc. Natl. Acad. Sci. 93:14670-675に記述されているような標準的
な固相ペプチド合成プロトコルを用いて実施することができる。
【0074】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子のPNAは、治療および診断用途に用いることが
できる。例えば、PNAは、例えば、転写もしくは翻訳停止を引き起こすかまたは
複製を阻害することにより、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンス
または抗原因子として用いることができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子のP
NAはまた、遺伝子中の単一塩基対突然変異の分析において(例えば、PNAにより
導かれるPCRクランプ固定(PNA-directed PCR clamping)による);他の酵素(
例えばS1ヌクレアーゼ(Hyrup B. (1996)上記)と組み合わせて用いる場合に「
人工制限酵素」として;またはDNAシークエンシングもしくはハイブリダイゼー
ションのためのプローブもしくはプライマーとして(Hyrup B. et al. (1996)上
記; Perry-O’ Keefe上記)用いることもできる。
【0075】 別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2のPNAは、(例えばそれらの安定性ま
たは細胞の取り込みを高めるために)、親油性もしくは他のヘルパー基をPNAに
結合することにより、PNA-DNAキメラの形成により、またはリポソームもしくは
当該技術分野において既知である薬物送達の他の技術の使用により改変すること
ができる。例えば、PNAとDNAの有益な特性を組み合わせることができるhVR-1、h
VR-2及びrVR-2核酸分子のPNA-DNAキメラを作製することができる。そのようなキ
メラは、DNA認識酵素(例えば、RNアーゼ H及びDNAポリメラーゼ)をDNA部分と
相互作用させ、一方、PNA部分は高い結合親和性及び特異性を与える。PNA-DNAキ
メラは、塩基スタッキング、ヌクレオ塩基間の結合の数及び向きに関して選択さ
れた適当な長さのリンカーを用いて連結することができる(Hyrup B. (1996)上
記)。PNA-DNAキメラの合成は、Hyrup B. (1996)上記及びFinn P. J. et al.(19
96) Nucleic Acids Res. 24(17):3357-63に記述されているように実施すること
ができる。例えば、標準的なホスホルアミダイトカップリング化学を用いてDNA
鎖を固体支持体上に合成することができ、そして改変されたヌクレオシド類似体
、例えば5’-(4-メトキシトリチル)アミノ-5’-デオキシ−チミジンホスホル
アミダイトをPNAとDNAの5’末端の間として用いることができる(Mag, M. et al
.(1989) Nucleic Acid Res. 17:5973-88)。次に、PNAモノマーを段階的に連結
して5’ PNAセグメント及び3’ DNAセグメントを有するキメラ分子を生成せしめ
る(Finn P. J. et al.(1996)上記)。あるいはまた、5’ DNAセグメント及び3
’ PNAセグメントを有するキメラ分子を合成することができる(Peterser, K. H
. et al.(1975) Bioorganic Med. Chem. Lett. 5:1119-11124)。
【0076】 別の態様として、オリゴヌクレオチドは(例えば、インビボで宿主細胞受容体
を標的とするための)ペプチドのような他の付加された基または細胞膜(例えば
、Letsinger et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:6553-6556; Lemai
tre et al.(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:648-652; PCT公開第WO88/09
810号を参照)もしくは血液-脳関門(例えばPCT公開第WO89/10134号を参照)を
横切る輸送を容易にする因子を含むことができる。さらに、オリゴヌクレオチド
は、ハイブリダイゼーションにより誘発される切断剤(例えば、Krol et al.(19
88) Bio-Techniques 6:958-976を参照)または挿入剤(例えば、Zon (1988) Pha
rm. Res. 5:539-549を参照)で改変することができる。この目的のために、オリ
ゴヌクレオチドを別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーションにより
誘発される架橋剤、輸送因子またはハイブリダイゼーションにより誘発される切
断剤)に結合させることができる。II.単離されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質並びに抗-hVR-1、抗-hVR-2及
び抗-rVR-2抗体 本発明の一つの態様は、単離されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質並びに
その生物学的に活性の部分並びに抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体を作製す
るための免疫原としての使用のために適当なポリペプチドフラグメントに関する
。一つの態様として、天然のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を標準的なタン
パク質精製技術を用いて適当な精製スキームにより細胞または組織源から単離す
ることができる。別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を組換えD
NA技術により製造する。組換え発現の代わりに、標準的なペプチド合成技術を用
いてhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはポリペプチドを化学的に合成する
ことができる。
【0077】 「単離された」または「精製された」タンパク質またはその生物学的に活性の
部分は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質が由来する細胞もしくは組織源から
の細胞材料もしくは他の混入タンパク質を実質的に含まず、または化学的に合成
する場合には化学的前駆体もしくは他の化学製品を実質的に含まない。「細胞材
料を実質的に含まない」という用語には、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質が
単離されるかまたは組換え的に製造される細胞の細胞成分から該タンパク質が分
離されているhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の調製物が包含される。一つの
態様として、「細胞材料を実質的に含まない」という用語には、(乾量により)
約30%未満の非hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質(本明細書において「混入タ
ンパク質」とも呼ばれる)、より好ましくは約20%未満の非hVR-1、hVR-2及びrV
R-2タンパク質、さらにより好ましくは約10%未満の非hVR-1、hVR-2及びrVR-2タ
ンパク質、そして最も好ましくは約5%未満の非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2タ
ンパク質を有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の調製物が包含される。hVR
-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはその生物学的に活性の部分を組換え的に製
造する場合、それは好ましくは培養培地も実質的に含まず、すなわち、培養培地
はタンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最
も好ましくは約5%未満に相当する。
【0078】 「化学的前駆体もしくは他の化学製品を実質的に含まない」という用語には、
hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の合成に含まれる化学的前駆体もしくは他の
化学製品から該タンパク質が分離されているhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
の調製物が包含される。一つの態様として、「化学的前駆体もしくは他の化学製
品を実質的に含まない」という用語には、(乾量により)約30%未満の化学的前
駆体もしくは非hVR-1、hVR-2及びrVR-2化学製品、より好ましくは約20%未満の
化学的前駆体もしくは非hVR-1、hVR-2及びrVR-2化学製品、さらにより好ましく
は約10%未満の化学的前駆体もしくは非hVR-1、hVR-2及びrVR-2化学製品、そし
て最も好ましくは約5%未満の化学的前駆体もしくは非hVR-1、hVR-2及びrVR-2
化学製品を有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の調製物が包含される。
【0079】 本明細書において用いる場合、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の「生物学
的に活性の部分」には、それぞれ、hVR-1、hVR-2及びrVR-2分子と非hVR-1、非hV
R-2及び非rVR-2分子間の相互作用に関与するhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子タンパ
ク質のフラグメントが包含される。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学
的に活性の部分には、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質のアミノ酸配列、例え
ば配列番号:2、5、8または11に示すアミノ酸配列に十分に相同なまたはそれに由
来するアミノ酸配列を含んでなるペプチドが包含され、それらは全長hVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質より少ないアミノ酸を含み、そしてhVR-1、hVR-2及びrVR
-2タンパク質の少なくとも1つの活性を示す。典型的には、生物学的に活性の部
分は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の少なくとも1つの活性、例えば、バ
ニロイド化合物、例えばカプサイシンのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2リガンド
の結合を有するドメインまたはモチーフを含んでなる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2
タンパク質の生物学的に活性の部分は、例えば10、20、30、40、50、60、70、80
、90、100、200またはそれ以上のアミノ酸の長さであるポリペプチドであること
ができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学的に活性の部分は、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2によりもたらされる活性、例えば痛みシグナリング機構を調節
する作用因子を開発するための標的として用いることができる。
【0080】 一つの態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学的に活性の部
分は、少なくとも1個の膜貫通ドメイン及び/または少なくとも1個のプロリンに
富んだドメイン及び/または少なくとも1個のアンキリンリピートドメインを含
んでなる。本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学的に活性の部分
は、上に同定した構造ドメインの少なくとも1つを含有することができると理解
されるべきである。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質のより好ましい生物学的
に活性の部分は、上に同定した構造ドメインの少なくとも2つを含有することが
できる。さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物学的に活性の部
分を組換え技術により作製し、天然のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の1つ
またはそれ以上の機能活性に関して評価することができる。
【0081】 ある態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質は、配列番号:2、5、8ま
たは11に示すアミノ酸配列を有する。別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2
タンパク質は、配列番号:2、5、8または11に実質的に相同であり、そして配列番
号:2、5、8または11のタンパク質の機能活性を保持するが、上記小節Iにおいて
詳細に記述したように、天然の対立遺伝子変異または突然変異誘発のためにアミ
ノ酸配列が異なる。従って、別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク
質は、配列番号:2、5、8または11に少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%
、85%、87%、90%、95%、98%またはそれ以上相同なアミノ酸配列を含んでな
るタンパク質である。
【0082】 2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の同一性%を決定するために、それ
らの配列を最適比較目的のために整列させる(例えば、最適整列のために第一及
び第二のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入することが
でき、そして比較目的のために非相同配列を無視することができる)。ある態様
として、比較目的のために整列させる照合配列の長さは、基準配列の長さの少な
くとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%。さらに
より好ましくは少なくとも60%、そしてさらにより好ましくは少なくとも70%、80
%または90%である(例えば、177アミノ酸残基を有する配列番号:2、5、8また
は11のhVR-1、hVR-2及びrVR-2アミノ酸配列に第二の配列を整列させる場合、少
なくとも80、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120、さらに
より好ましくは少なくとも140、さらにより好ましくは少なくとも150、160また
は170アミノ酸残基を整列させる)。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレ
オチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列中のある
位置が第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占
められる場合、これらの分子はその位置で同一である(本明細書において用いる
場合、アミノ酸または核酸「同一性」は、アミノ酸または核酸「相同性」と同じ
である)。2つの配列間の同一性%は、2つの配列の最適整列のために導入され
る必要があるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮して、それらの配列によ
り共有される同一位置の数の関数である。
【0083】 2つの配列間の配列の比較及び同一性%の決定は、数学的アルゴリズムを用い
て実施することができる。ある態様として、2つのアミノ酸配列間の同一性%をB
lossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか並びに16、14、12
、10、8、6または4のギャップ加重及び1、2、3、4、5または6の長さ加重を用い
て、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)中のGAPプロ
グラム中に組み込まれているNeedleman及びWunsch(J. Mol. Biol. (48):444-45
3(1970))アルゴリズムを使用して決定する。さらに別の態様として、2つのヌク
レオチド配列間の同一性%をNWSgapdna.CMPマトリックス並びに40、50、60、70
または80のギャップ加重及び1、2、3、4、5または6の長さ加重を用いて、GCGソ
フトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)中のGAPプログラムを
使用して決定する。別の態様として、2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列間
の同一性%をPAM120重み残基表、12のギャップ長ペナルティー及び4のギャップ
ペナルティーを用いて、ALIGNプログラム(バージョン2.0)中に組み込まれてい
るE. Meyers及びW. Miller(CABIOS, 4:11-17(1989))のアルゴリズムを使用し
て決定する。
【0084】 さらに、本発明の核酸及びタンパク質配列は、例えば他のファミリーメンバー
または関連配列を同定するために、公開データベースに対して検索を実施するた
めの「問い合わせ配列」として用いることができる。そのような検索は、Altsch
ul, et al.(1990) J. Mol. Biol. 215:403-10のNBLAST及びXBLASTプログラム(バ
ージョン2.0)を用いて実施することができる。本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2
核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るためにBLASTヌクレオチド検索をNBLAS
Tプログラム、スコア=100、ワード長=12で実施することができる。本発明のhV
R-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るためにBLASTタ
ンパク質検索をXBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で実施することが
できる。比較目的のためのギャップを調整した整列を得るために、Gapped BLAST
をAltschul et al.(1997) Nucleic Acids Res. 25(17):3389-3402に記述されて
いるように利用することができる。BLAST及びGapped BLASTプログラムを利用す
る場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォールトパ
ラメーターを用いることができる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov.を参照。
【0085】 本発明はまたhVR-1、hVR-2及びrVR-2キメラまたは融合タンパク質も提供する
。本明細書において用いる場合、hVR-1、hVR-2及びrVR-2「キメラタンパク質」
または「融合タンパク質」は、非hVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリペプチドに操作可
能に連結されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリペプチドを含んでなる。「hVR-1、hV
R-2及びrVR-2ポリペプチド」は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2に対応するアミノ酸配
列を有するポリペプチドをさし、一方、「非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2ポリペ
プチド」は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質に実質的に相同でないタンパク
質、例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質と異なりそして同じまたは異な
る生物体由来であるタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを
さす。hVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質内でhVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリペ
プチドは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の全部または一部に相当すること
ができる。ある態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質は、hVR-1、
hVR-2及びrVR-2タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性の部分を含んでな
る。別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質は、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質の少なくとも2つの生物学的に活性の部分を含んでなる。
融合タンパク質内で、「操作可能に連結された」という用語は、hVR-1、hVR-2及
びrVR-2ポリペプチドと非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2ポリペプチドが相互にイン
フレームに融合していることを示すものとする。非hVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリ
ペプチドは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリペプチドのN末端またはC末端に融合
させることができる。
【0086】 例えば、一つの態様として、融合タンパク質は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列
がGST配列のC末端に融合しているGST-hVR-1、GST-hVR-2及びGST-rVR-2融合タン
パク質である。そのような融合タンパク質は、組換えhVR-1、hVR-2及びrVR-2の
精製を容易にすることができる。
【0087】 別の態様として、融合タンパク質は、そのN末端に異種起源のシグナル配列を
含有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質である。ある種の宿主細胞(例えば
哺乳類宿主細胞)において、異種起源のシグナル配列の使用によりhVR-1、hVR-2
及びrVR-2の発現及び/または分泌を高めることができる。
【0088】 本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質を製薬学的組成物中に導入し
、インビボで被験体に投与することができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タン
パク質は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2基質の生物学的利用能に影響を及ぼすために
用いることができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質の使用は、例えば
、(i)hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質をコードする遺伝子の異常な改変ま
たは突然変異;(ii)hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の誤った調節;並びに(iii
)hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の異常な翻訳後修飾により引き起こされる
疾患の処置のために治療的に有用である可能性がある。
【0089】 さらに、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質は、被験体において
抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体を作製するために免疫原として、hVR-1、h
VR-2及びrVR-2リガンドを精製するため及びスクリーニングアッセイにおいてhVR
-1、hVR-2及びrVR-2基質とhVR-1、hVR-2及びrVR-2との相互作用を阻害する分子
を同定するために用いることができる。
【0090】 好ましくは、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2キメラまたは融合タンパク質は
、標準的な組換えDNA技術により製造される。例えば、異なるポリペプチド配列
をコードするDNAフラグメントを通常の技術に従って、例えば、連結のために平
滑末端化または付着末端化した末端、適切な末端を与えるための制限酵素消化、
適切なように付着末端の充填、望ましくない連結を避けるためのアルカリホスフ
ァターゼ処理及び酵素連結を用いることによりインフレームに一緒に連結する。
別の態様として、融合遺伝子は、自動DNA合成機を包含する通常の技術により合
成することができる。あるいはまた、2個の連続した遺伝子フラグメント間に相
補的突出部を生じるアンカープライマーを用いて遺伝子フラグメントのPCR増幅
を実施することができ、続いてそれらをアニーリングさせ、再増幅してキメラ遺
伝子配列を生成せしめることができる(例えば、Current Protocols in Molecul
ar Biology, eds. Ausubel et al., John Wiley & Sons: 1992を参照)。さら
に、すでに融合部分(例えばGSTポリペプチド)をコードする多数の発現ベクタ
ーが市販されている。融合部分がhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質にインフレ
ームに連結されるようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードする核酸をそのような
発現ベクター中にクローン化することができる。
【0091】 本発明はまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2アゴニスト(模倣物)またはhVR-1、hV
R-2及びrVR-2アンタゴニストのいずれかとして機能するhVR-1、hVR-2及びrVR-2
タンパク質の変異体にも関する。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の変異体は
、突然変異誘発、例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の別個の点突然変異
または末端欠失により作製することができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク
質のアゴニストは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の天然に存在する形態の
生物学的活性の実質的に同じものまたは一組を保持することができる。hVR-1、h
VR-2及びrVR-2タンパク質のアンタゴニストは、例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2
タンパク質のhVR-1、hVR-2及びrVR-2によりもたらされる活性を競合的に調節す
ることにより、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の天然に存在する形態の1つ
またはそれ以上の活性を阻害することができる。従って、限られた機能の変異体
での処置により特定の生物学的作用を引き出すことができる。一つの態様として
、タンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性の一組を有する変異体での被
験体の処置は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の天然に存在する形態での処
置に比べて被験体における副作用が少ない。
【0092】 一つの態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2アゴニスト(模倣物)またはhVR-1、
hVR-2及びrVR-2アンタゴニストのいずれかとして機能するhVR-1、hVR-2及びrVR-
2タンパク質の変異体は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質アゴニストまたはア
ンタゴニスト活性に関してhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の突然変異体、例
えば末端欠失突然変異体の組み合わせライブラリーをスクリーニングすることに
より同定することができる。一つの態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2変異体
の多様なライブラリーを核酸レベルでの組み合わせ突然変異誘発により作製し、
そしてそれは多様な遺伝子ライブラリーによりコードされる。hVR-1、hVR-2及び
rVR-2変異体の多様なライブラリーは、例えば、可能なhVR-1、hVR-2及びrVR-2配
列の縮重した一組が個々のポリペプチドとしてあるいはまたhVR-1、hVR-2及びrV
R-2配列の該組を中に含有する(例えばファージ展示のための)一組のより大き
い融合タンパク質として発現可能であるように、合成オリゴヌクレオチドの混合
物を遺伝子配列中に酵素的に連結することにより作製することができる。縮重し
たオリゴヌクレオチド配列から可能なhVR-1、hVR-2及びrVR-2変異体のライブラ
リーを作製するために用いることができる様々な方法がある。縮重した遺伝子配
列の化学合成を自動DNA合成機で実施し、次に合成遺伝子を適当な発現ベクター
中に連結することができる。遺伝子の縮重した一組の使用により、可能なhVR-1
、hVR-2及びrVR-2配列の適切な組をコードする配列の全てを1つの混合物中に準
備することができる。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該技術分野に
おいて既知である(例えばNarang, S. A. (1983) Tetrahedron 39:3;Itakura e
t al.(1984) Annu.Rev. Biochem.53:323;Itakura et al.(1984) Science 198:1
056;Ike et al.(1983) Nucleic Acids Res. 11:477を参照)。
【0093】 さらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の変異体のスクリーニング及びそ
の後の選択のためのhVR-1、hVR-2及びrVR-2フラグメントの多様な集団を作製す
るためにhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質コーディング配列のフラグメントの
ライブラリーを用いることができる。一つの態様として、コーディング配列フラ
グメントのライブラリーは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2コーディング配列の二本鎖P
CRフラグメントを分子当たり約1回だけニックが生じる条件下でヌクレアーゼで
処理し、二本鎖DNAを変性させ、DNAを再生して異なるニック生成物からのセンス
/アンチセンス対を含むことができる二本鎖DNAを形成し、再形成した二重鎖から
S1ヌクレアーゼでの処理により一本鎖部分を除去し、そして得られたフラグメン
トライブラリーを発現ベクター中に連結することにより作製することができる。
この方法により、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の様々な大きさのN末端フラ
グメント、C末端フラグメント及び内部フラグメントをコードする発現ライブラ
リーを得ることができる。
【0094】 点突然変異または末端欠失より作製された組み合わせライブラリーの遺伝子産
物をスクリーニングするため及び選択した特性を有する遺伝子産物に関してcDNA
ライブラリーをスクリーニングするためにいくつかの技術が当該技術分野におい
て既知である。そのような技術は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の組み合
わせ突然変異誘発により作製された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニング
のために適用できる。容易に高処理量分析ができる、大きな遺伝子ライブラリー
をスクリーニングするために最も一般に用いられる技術は、典型的に、遺伝子ラ
イブラリーを複製可能な発現ベクター中にクローニングすること、得られたベク
ターのライブラリーで適当な細胞を形質転換すること及び産物が検出された遺伝
子をコードするベクターの単離が適切な活性の検出により容易になる条件下で組
み合わせ遺伝子を発現させることを含む。ライブラリー中の機能性突然変異体の
頻度を高める新しい技術のレクルーシブアンサンブル(Recrusive ensemble)突
然変異誘発(REM)をhVR-1、hVR-2及びrVR-2変異体を同定するためのスクリーニ
ングアッセイと組み合わせて用いることができる(Arkin及びYourvan (1992) Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815;Delgrave et al.(1993) Protein En
gineering 6(3):327-331)。
【0095】 一つの態様として、多様なhVR-1、hVR-2及びrVR-2ライブラリーを分析するた
めに細胞に基づくアッセイを利用することができる。例えば、通常hVR-1、hVR-2
及びrVR-2に依存して特定のリガンドに応答する細胞系、例えばニューロン細胞
系中に発現ベクターのライブラリーをトランスフェクションすることができる。
次に、トランスフェクションした細胞をリガンドと接触させ、そして例えば細胞
内カルシウム濃度、ニューロン膜脱分極またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2により調
節される転写因子の活性を測定することにより、リガンドによるシグナリングに
対する突然変異体の発現の影響を検出することができる。次に、リガンドによる
シグナリングの阻害あるいはまた相乗作用に関して優る細胞からプラスミドDNA
を回収し、個々のクローンをさらに特性化することができる。
【0096】 単離されたhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはその一部もしくはフラグ
メントは、ポリクローナル及びモノクローナル抗体調製のための標準的技術を用
いてhVR-1、hVR-2及びrVR-2に結合する抗体を作製するための免疫原として用い
ることができる。全長hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を用いることができ、
あるいはまた、本発明は免疫原としての使用のためのhVR-1、hVR-2及びrVR-2の
抗原性ペプチドフラグメントを提供する。hVR-1、hVR-2及びrVR-2の抗原性ペプ
チドは、配列番号:2、5、8または11に示すアミノ酸配列の少なくとも8アミノ酸
残基を含んでなり、そしてペプチドに対して生じた抗体がhVR-1、hVR-2及びrVR-
2と特異的免疫複合体を形成するようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2のエピトープを包
含する。好ましくは、抗原性ペプチドは少なくとも10アミノ酸残基、より好まし
くは少なくとも15アミノ酸残基、さらにより好ましくは少なくとも20アミノ酸残
基、そして最も好ましくは少なくとも30アミノ酸残基を含んでなる。
【0097】 抗原性ペプチドにより包含されるエピトープは、タンパク質の表面上に位置す
るhVR-1、hVR-2及びrVR-2の領域、例えば親水性領域、並びに高い抗原性を有す
る領域である(例えば、図12及び14を参照)。
【0098】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2免疫原は、典型的に、適当な被験体(例えばウサギ、
ヤギ、マウスまたは他の哺乳類)を免疫原で免疫感作することにより抗体を調製
するために用いられる。適当な免疫原性調製物は、例えば、組換え的に発現させ
たhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または化学的に合成したhVR-1、hVR-2及びr
VR-2ポリペプチドを含有することができる。調製物はさらにフロイント完全もし
くは不完全アジュバントのようなアジュバントまたは同様な免疫刺激剤を含むこ
とができる。免疫原性hVR-1、hVR-2及びrVR-2調製物での適当な被験体の免疫感
作は、ポリクローナル抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体反応を誘導する。
【0099】 従って、本発明の別の態様は抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体に関する。
本明細書において用いる場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子及び
免疫グロブリン分子の免疫学的に活性の部分、すなわち、hVR-1、hVR-2及びrVR-
2のような抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含有する分
子をさす。免疫グロブリン分子の免疫学的に活性の部分の例には、抗体をペプシ
ンのような酵素で処理することにより作製することができるF(ab)及びF(ab')2
ラグメントが包含される。本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2に結合するポリク
ローナル及びモノクローナル抗体を提供する。本明細書において用いる場合、「
モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」という用語は、hVR-
1、hVR-2及びrVR-2の特定のエピトープと免疫反応することができる1種類のみ
の抗原結合部位を含有する抗体分子の集団をさす。従って、モノクローナル抗体
組成物は、典型的に、それが免疫反応する特定のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパ
ク質に単一の結合親和性を示す。
【0100】 ポリクローナル抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体は、適当な被験体をhVR-
1、hVR-2及びrVR-2免疫原で免疫感作することにより上記のように調製すること
ができる。免疫感作した被験体における抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体力
価は、固定化したhVR-1、hVR-2及びrVR-2を用いる固相酵素免疫検定法(ELISA)
でのような、標準的技術により継時的にモニターすることができる。所望に応じ
て、hVR-1、hVR-2及びrVR-2に対して誘導された抗体分子を哺乳類から(例えば
血液から)単離し、そしてIgG画分を得るためのプロテインAクロマトグラフィ
ーのような周知の技術によりさらに精製することができる。免疫感作後の適当な
時期に、例えば抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体力価が最高である時に、抗
体産生細胞を被験体から得、そして最初にKohler及びMilstein (1975) Nature 2
56:495-497(Brown et al.(1981) J. Immumol. 127:539-46; Brown et al.(
1980)J. Biol. Chem. 255:4980-83;Yeh et al.(1976)Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 76:2927-31;及びYeh et al.(1982)Int. J. Cancer 29:269-75も参照
)により記述されたハイブリドーマ技術、より最近のヒトB細胞ハイブリドーマ
技術(Kozbor et al.(1983) Immumol Today 4:72)、EBV-ハイブリドーマ技術(
Cole et al.(1985), Monoclonal Antibodies and Cancer Threapy, Alan R. Lis
s, Inc., pp.77-96)またはトリオーマ技術のような標準的技術によりモノクロ
−ナル抗体を調製するために用いることができる。モノクローナル抗体ハイブリ
ドーマを作製するための技術は周知である(一般に、R. H. Kenneth, Monoclona
l Antibodies:A New Dimension In Biological Analysis中, Plenum Publishin
g Corp., New York, New York (1980); E. A. Lerner (1981) Yale J. Biol. M
ed., 54:387-402; M. L. Gefter et al.(1977)Somatic Cell Genet. 3:231-3
6を参照)。簡潔に言えば、上記のようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2免疫原で免疫感
作した哺乳類からのリンパ球(典型的には脾臓細胞)に不死細胞系(典型的には
骨髄腫)を融合させ、得られたハイブリドーマ細胞の培養上清をスクリーニング
してhVR-1、hVR-2及びrVR-2に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマを同定する。
【0101】 抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2モノクローナル抗体を作製する目的のために
、リンパ球と不死化細胞系を融合させるために用いられる多数の周知のプロトコ
ールのいずれかを適用することができる(例えば、G. Galfre et al.(1977) Nat
ure 266:550-52;Gefter et al. Somatic Cell Genet., 上記引用;Lerner, Yal
e J. Biol. Med., 上記引用;Kenneth, Monoclonal Antibodies, 上記引用を参
照)。さらに、同様に有用であると思われるそのような方法の多数の変形がある
ことを当業者は認識する。典型的には、リンパ球と同じ哺乳類種から不死細胞系
(例えば骨髄種細胞系)を得る。例えば、本発明の免疫原性調製物で免疫感作し
たマウスからのリンパ球を不死化したマウス細胞系と融合させることによりマウ
スハイブリドーマを作製することができる。不死細胞系は、ヒポキサンチン、ア
ミノプテリン及びチミジンを含有する培養培地(「HAT培地」)に感受性である
マウス骨髄種細胞系である。多数の骨髄種細胞系のいずれか、例えばP3-NS1/1-A
g4-1、P3-x63-Ag8.653またはSp2/O-Ag14骨髄種系を標準的な技術に従って融合
相手として用いることができる。これらの骨髄種系はATCCから入手可能である。
典型的には、ポリエチレングリコール(「PEG」)を用いてHAT-感受性マウス骨
髄種細胞をマウス脾臓細胞に融合させる。次に、融合していない及び非生産的に
融合した骨髄種細胞を殺すHAT培地を用いて(融合していない脾臓細胞は、トラ
ンスフォーメーションされていないので数日後に死ぬ)、融合から生じたハイブ
リドーマ細胞を選択する。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ細胞は、例えば標準的なELISAアッセイを用いて、hVR-1、hVR-2及びrVR-2に結
合する抗体に関してハイブリドーマ培養上清をスクリーニングすることにより検
出される。
【0102】 モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを作製する代わりに、組換え組
み合わせ免疫グロブリンライブラリー(例えば抗体ファージ展示ライブラリー)
をhVR-1、hVR-2及びrVR-2でスクリーニングし、それによりhVR-1、hVR-2及びrVR
-2に結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離することにより、モノ
クローナル抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体を同定し、単離することができ
る。ファージ展示ライブラリーを作製し、スクリーニングするためのキットは市
販されている(例えば、Pharmacia 組換えファージ抗体システム(Recombinant P
hage Antibody System)、カタログ番号27-9400-01;及びStratagene SurfZAP TM ファージ展示キット(Phage Display Kit)、カタログ番号240612)。さらに、
抗体展示ライブラリーを作製し、スクリーニングすることにおいて特に容易に使
用できる方法および試薬の例は、例えばLander et al. 米国特許第5,223,409号
;Kang et al. PCT国際公開第WO92/18619号;Dower et al. PCT国際公開第WO 91
/17271号;Winter et al. PCT国際公開第WO 92/20791号;Markland et al. PCT
国際公開第WO 92/15679号;Breitling et al. PCT国際公開第WO93/01288号;McC
afferty et al. PCT国際公開第WO92/01047号;Garrard et al. PCT国際公開第WO
92/09690号;Ladner et al. PCT国際公開第WO92/02809号;Fuchs et al.(1991)
Bio/Technology 9:1370-1372;Hay et al.(1992) Hum. Antibod. Hybridomas 3:
81-85;Huse et al.(1989) Science 246:1275-1281;Griffiths et al.(1993) E
MBO J 12:725-734;Hawkins et al.(1992) J. Mol. Biol. 226:889-896;Clarks
on et al.(1991) Nature 352:624-628;Gram et al.(1992) Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 89:3576-3580;Garrad et al.(1991) Bio/Technology 9:1373-1377;H
oogenboom et al.(1991) Nuc.Acid Res. 19:4133-4137;Barbas et al.(1991) P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7978-7982;及びMcCafferty et al. Nature (19
90) 348:552-554に見いだすことができる。
【0103】 さらに、標準的な組換えDNA技術を用いて作製することができる、ヒト及び非ヒ
ト部分の両方を含んでなる、キメラ及びヒト化モノクローナル抗体のような組換
え抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体は本発明の範囲内である。そのようなキ
メラ及びヒト化モノクローナル抗体は、当該技術分野において既知の組換えDNA
技術により、例えばRobinson et al. 国際出願第PCT/US86/02269号;Akira et a
l. 欧州特許出願184,187;Taniguchi, M., 欧州特許出願171,496;Morrison et
al. 欧州特許出願173,494;Neuberger et al. PCT国際公開第WO86/01533号;Cab
illy et al. 米国特許第4,816,567号;Cabilly et al. 欧州特許出願125,023;B
etter et al.(1988) Science 240:1041-1043;Liu et al.(1987)Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 84:3439-3443;Liu et al.(1987)J. Immumol. 139:3521-3526;Su
n et al.(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:214-218;Nishimura et al.(1
987) Canc.Res.47:999-1005;Wood et al.(1985) Nature 314:446-449;及びSha
w et al.(1988) J. Natl. Cancer Inst. 80:1533-1559);Morrison, S. L. (198
5) Science 229:1202-1207;Oi et al.(1986) BioTechniques 4:214;Winter 米
国特許第5,225,539号;Jones et al.(1986) Nature 321:552-525;Verhoeyan et
al.(1988) Science 239:1534;及びBeidler et al.(1998) J. Immumol. 141:40
53-4060に記述された方法を用いて作製することができる。
【0104】 抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体(例えばモノクローナル抗体)は、アフ
ィニティークロマトグラフィーまたは免疫沈降法のような標準的な技術によりhV
R-1、hVR-2及びrVR-2を単離するために用いることができる。抗-hVR-1、抗-hVR-
2及び抗-rVR-2抗体は、細胞からの天然のhVR-1、hVR-2及びrVR-2の精製及び宿主
細胞において発現された組換え的に製造したhVR-1、hVR-2及びrVR-2の精製を容
易にすることができる。さらに、抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体は、(例
えば細胞ライセートまたは細胞上清中の)hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を
検出してhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の発現の量及びパターンを評価する
ために用いることができる。抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体は、例えば、
与えられた処置計画の効能を決定するために、臨床試験方法の一部として組織に
おけるタンパク質レベルをモニターするために診断的に用いることができる。検
出可能な物質に抗体をカップリングすること(すなわち、物理的に連結すること
)により検出を容易にすることができる。検出可能な物質の例には、様々な酵素
、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質及び放射性物質が包含される
。適当な酵素の例には西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、
β-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが包含され;適当な補
欠分子族複合体の例にはストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチン
が包含され;適当な蛍光物質の例にはウンベリフェロン、フルオレセイン、フル
オレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフル
オレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが包含され;発光物質の
例にはルミノールが包含され;生物発光物質の例にはルシフェラーゼ、ルシフェ
リン及びエクオリンが包含され、そして適当な放射性物質の例には125I、131
35Sまたは3Hが包含される。III.組換え発現ベクター及び宿主細胞 本発明の別の態様は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質(またはその一部)
をコードする核酸を含有するベクター、好ましくは発現ベクターに関する。本明
細書において用いる場合、「ベクター」という用語は、それが連結されている別
の核酸を運ぶことができる核酸分子をさす。ベクターの一つのタイプは「プラス
ミド」であり、それはさらなるDNAセグメントを連結することができる環状の二
本鎖DNAループをさす。別のタイプのベクターはウイルスベクターであり、その
場合、さらなるDNAセグメントをウイルスゲノム中に連結することができる。あ
る種のベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自律複製することができる
(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム性哺乳類ベクタ
ー)。他のベクター(例えば非エピソーム性哺乳類ベクター)は宿主細胞中への
導入の際に宿主細胞のゲノム中に組込まれ、それにより宿主ゲノムと一緒に複製
される。さらに、ある種のベクターは、それらが操作可能に連結される遺伝子の
発現を導くことができる。そのようなベクターは、本明細書において「発現ベク
ター」と呼ばれる。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、プ
ラスミドの形態であることが多い。プラスミドは最も一般的に用いられるベクタ
ー形態であるので、本明細書において、「プラスミド」と「ベクター」を互換的
に用いることができる。しかしながら、本発明は、同等な機能を果たす、ウイル
スベクター(例えば、複製欠損性レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ随
伴ウイルス)のような他の形態の発現ベクターを包含するものとする。
【0105】 本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現のために適当な
形態の本発明の核酸を含んでなり、これは、組換え発現ベクターが、発現のため
に用いられる宿主細胞に基づいて選択される1つまたはそれ以上の調節配列を含
み、それが発現される核酸配列に操作可能に連結されることを意味する。組換え
発現ベクター内で、「操作可能に連結される」は、(例えば、インビトロ転写/
翻訳系においてまたはベクターが宿主細胞中に導入される場合には宿主細胞にお
いて)ヌクレオチド配列を発現できるように目的のヌクレオチド配列が調節配列
(1つまたは複数)に連結されることを意味するものとする。「調節配列」とい
う用語には、プロモーター、エンハンサー及び他の発現制御要素(例えばポリア
デニル化シグナル)が包含されるものとする。そのような調節配列は、例えば、
Goeddel; Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academi
c Press, San Diego, CA (1990)に記述されている。調節配列には、多くのタイ
プの宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を導くもの及びある種の宿
主細胞においてのみヌクレオチド配列の発現を導くもの(例えば組織特異的調節
配列)が包含される。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、
所望されるタンパク質の発現レベル等のような因子により決まり得ることを当業
者は認識する。本発明の発現ベクターを宿主細胞中に導入し、それにより本明細
書に記述するような核酸によりコードされる融合タンパク質またはペプチドを包
含するタンパク質またはペプチド(例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の突然変異体形態、融合タンパク質等)を
生産することができる。
【0106】 本発明の組換え発現ベクターを原核または真核細胞におけるhVR-1、hVR-2及び
rVR-2タンパク質の発現のために設計することができる。例えば、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質は、エシェリキア・コリ(E. coli)のような細菌細胞、昆虫
細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳類細胞に
おいて発現させることができる。適当な宿主細胞は、Goeddel, Gene Expression
Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1
990)にさらに説明されている。あるいはまた、組換え発現ベクターは、例えばT7
プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで転写し、翻訳
することができる。
【0107】 原核生物におけるタンパク質の発現は、たいてい、融合または非融合タンパク
質のいずれかの発現を導く構成的または誘導性プロモーターを含有するベクター
を用いてエシェリキア・コリにおいて実施される。融合ベクターは、その中にコ
ードされるタンパク質に、一般に組換えタンパク質のアミノ末端に多数のアミノ
酸を付加する。そのような融合ベクターは典型的に3つの目的を果たす:1)組
換えタンパク質の発現を増やす;2)組換えタンパク質の可溶性を高める;そし
て3)アフィニティー精製におけるリガンドとして働くことにより組換えタンパ
ク質の精製を促進する。融合発現ベクターでは、たいて、融合タンパク質の精製
後に融合部分から組換えタンパク質を分離できるように、タンパク質分解切断部
位が融合部分と組換えタンパク質との連結部に導入される。そのような酵素及び
それらのコグネイト認識配列には、第Xa因子、トロンビン及びエンテロキナーゼ
が包含される。典型的な融合発現ベクターには、標的組換えタンパク質にそれぞ
れグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質また
はプロテインAを融合させるpGEX(Pharmacia Biotech Inc.; Smith, D. B.及びJ
ohnson, K. S. (1988) Gene 67:31-40)、 pMAL(New England Biolabs, Beverly,
MA)及びpRIT5(Pharmacia, Piscataway, NJ)が包含される。
【0108】 精製された融合タンパク質はhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性アッセイ(例えば、
以下に詳細に記述する直接アッセイもしくは競合アッセイ)においてまたは例え
ばhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質に特異的な抗体を作製するために利用する
ことができる。ある態様として、本発明のレトロウイルス発現ベクターにおいて
発現されるhVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパク質を骨髄細胞に感染させるため
に利用することができ、続いてそれらを放射線照射した受容者に移植する。次に
、十分な時間(例えば6週)が経過した後に該受容者の病状を調べる。
【0109】 適当な誘導性の非融合エシェリキア・コリ発現ベクターの例には、pTrc(Amann
et al. (1988) Gene 69:301-315)及びpET 11d(Studier et al., Gene Express
ion Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Ca
lifornia (1990)60-89)が包含される。pTrcベクターからの標的遺伝子発現は、
ハイブリッドtrp-lac融合プロモーターからの宿主RNAポリメラーゼ転写により決
まる。pET 11dベクターからの標的遺伝子発現は、共発現されるウイルスRNAポリ
メラーセ゛(T7 gn1)によりもたらされるT7 gn10-lac融合プロモーターからの転写
により決まる。このウイルスポリメラーゼは、lacUV5プロモーターの転写制御下
のT7 gn1遺伝子を保有する内在プロファージから宿主株BL21(DE3)またはHMS174(
DE3)により供給される。
【0110】 エシェリキア・コリにおける組換えタンパク質発現を最大にする一つの方法は
、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれている宿主細
菌においてタンパク質を発現させることである(Gottesman, S., Gene Expressio
n Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Cali
fornia (1990)119-128)。別の方法は、各アミノ酸の個々のコドンがエシェリキ
ア・コリにおいて優先的に利用されるものであるように発現ベクター中に挿入さ
れる核酸の核酸配列を改変することである(Wada et al. (1992) Nucleic Acids
Res. 20:2111-2118)。本発明の核酸配列のそのような改変は、標準的なDNA合成
技術により実施することができる。
【0111】 別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2発現ベクターは酵母発現ベクターで
ある。酵母サッカロミセス・セレビシエ(S. cerivisae)における発現のためのベ
クターの例には、pYepSec1(Baldari et al.(1987) Embo J. 6:229-234)、 pMFa(K
urjan及びHerskowitz, (1982) Cell 30:933-943)、 pJRY88(Schultz et al.(1987
) Gene 54:113-123)、pYES2(Invitrogen Corporation, San Diego, CA)及びpicZ
(Invitrogen Corp, San Diego, CA)が包含される。
【0112】 あるいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質は、バキュロウイルス発現
ベクターを用いて昆虫細胞において発現させることができる。培養した昆虫細胞
(例えばSf9細胞)におけるタンパク質の発現のために利用できるバキュロウイ
ルスベクターには、pAcシリーズ(Smith et al.(1983) Mol. Cell Biol. 3:2156-
2165)及びpVLシリーズ(Lucklow及びSummers (1989) Virology 170:31-39)が包含
される。
【0113】 さらに別の態様として、本発明の核酸は、哺乳類発現ベクターを用いて哺乳類
細胞において発現される。哺乳類発現ベクターの例には、pCDM8(Seed, B. (1987
) Nature 329:840)及びpMT2PC(Kaufman et al.(1987) EMBO J.6:187-195)が包含
される。哺乳類細胞において用いる場合、発現ベクターの制御機能はたいていウ
イルスの調節要素により提供される。例えば、一般的に用いられるプロモーター
は、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス及びシミアンウイル
ス40に由来する。原核及び真核細胞の両方の他の適当な発現系については、Samb
rook, J., Fritsh, E. F.及びManiatis, T. Molecular Cloning: A Laboratory
Manual.., 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Labor
atory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989の16及び17章を参照。
【0114】 別の態様として、組換え哺乳類発現ベクターは、特定の細胞タイプにおいて優
先的に核酸の発現を導くことができる(例えば、核酸を発現させるために組織特
異的調節要素を用いる)。組織特異的調節要素は当該技術分野において既知であ
る。適当な組織特異的プロモーターの限定しない例には、アルブミンプロモータ
ー(肝臓特異的;Pinkert et al.(1987) Genes Dev. 1:268-277)、リンパ系特
異的プロモーター(Calame及びEaton (1988) Adv. Immunol. 43:235-275)、特に
T細胞受容体(Winoto及びBaltimore (1989) EMBO J. 8:729-733)及び免疫グロブ
リン(Banerji et al.(1983) Cell 33:729-740; Queen及びBaltimore (1983) Ce
ll 33:741-748)のプロモーター、ニューロン特異的プロモーター(例えばニュ
ーロフィラメントプロモーター;Byrne及びRuddle (1989) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 86:5473-5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlund et al.(1985) Scien
ce 230:912-916)並びに乳腺特異的プロモーター(例えば乳清プロモーター;米
国特許第4,873,316号及び欧州出願公開第264,166号)が包含される。発生的に調
節されるプロモーター、例えばマウスホックスプロモーター(Kessel及びGruss
(1990) Science 249:374-379)及びα-フェトプロテインプロモーター(Campes及
びTilghman (1989) Genes Dev. 3:537-546)もまた包含される。
【0115】 細胞系または微生物内の内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の発現特性は、
挿入した調節要素が内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子と操作可能に連結され
るように異種起源のDNA調節要素を安定な細胞系またはクローン化した微生物の
ゲノム中に挿入することにより改変することができる。例えば、細胞系または微
生物において通常発現される遺伝子産物の発現を促進することができる調節要素
を挿入することにより、通常「転写的にサイレント」である内在性hVR-1、hVR-2
及びrVR-2遺伝子、すなわち、その細胞系または微生物において通常発現されな
いかまたは非常に低いレベルでのみ発現されるhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子を
活性化することができる。あるいはまた、細胞タイプにわたって機能する無差別
の調節要素の挿入により、転写的にサイレントである内在性hVR-1、hVR-2及びrV
R-2遺伝子を活性化することができる。
【0116】 当業者に周知であり、そして例えばChappel, 米国特許第5,272,071号;1991年5
月16日に公開されたPCT公開第WO 91/06667号に記述されている標的(targeted)
相同的組換えのような技術を用いて、異種起源の調節要素をそれが内在性hVR-1
、hVR-2及びrVR-2遺伝子と操作可能に連結されるように安定な細胞系またはクロ
ーン化した微生物中に挿入することができる。
【0117】 本発明はさらに、発現ベクター中にアンチセンスの向きにクローン化された本
発明のDNA分子を含んでなる組換え発現ベクターを提供する。すなわち、DNA分子
は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAにアンチセンスであるRNA分子を(DNA分子の転
写により)発現できるように調節配列に操作可能に連結される。様々な細胞タイ
プにおいてアンチセンスRNA分子の連続発現を導く、アンチセンスの向きにクロ
ーン化された核酸に操作可能に連結された調節配列、例えばウイルスのプロモー
ター及び/もしくはエンハンサーを選択することができ、またはアンチセンスRN
Aの構成的、組織特異的もしくは細胞タイプ特異的発現を導く調節配列を選択す
ることができる。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミ
ドまたは弱毒ウイルスの形態であることができ、その場合、アンチセンス核酸は
高効率の調節領域の制御下で生産され、その活性は、ベクターが導入される細胞
タイプにより決定することができる。アンチセンス遺伝子を用いる遺伝子発現の
調節の説明については、Weintraub, H. et al., Antisense RNA as a molecular
tool for genetic analysis, Reviews-Trends in Genetics, Vol.1(1) 1986を
参照。
【0118】 本発明の別の態様は、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子、例えば、組
換え発現ベクター内のhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子または宿主細胞のゲノム
の特定の位置への相同的組換えが可能な配列を含有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2
核酸分子が導入される宿主細胞に関する。「宿主細胞」及び「組換え宿主細胞」
という用語は、本明細書において互換的に用いられる。そのような用語は特定の
該細胞だけでなく、そのような細胞の子孫または可能性がある子孫もさすと理解
される。突然変異または環境的影響のいずれかのために後の世代においてある種
の改変が起こる可能性があるので、そのような子孫は実際には親細胞と同一でな
い可能性があるが、本明細書において用いる場合それでもなおその用語の範囲内
に含まれる。
【0119】 宿主細胞はあらゆる原核または真核細胞であることができる。例えば、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質をエシェリキア・コリのような細菌細胞、昆虫細胞
、酵母または(チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)もしくはCOS細胞のような
)哺乳類細胞において発現させることができる。他の適当な宿主細胞は当業者に
既知である。
【0120】 ベクターDNAは、通常の形質転換またはトランスフェクション技術により原核
または真核細胞中に導入することができる。本明細書において用いる場合、「形
質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、リン酸カルシウムもしく
は塩化カルシウム共沈殿、DEAE-デキストランによるトランスフェクション、リ
ポフェクションまたは電気穿孔を包含する、宿主細胞中に外来核酸(例えばDNA
)を導入するための様々な当該技術分野で認められている技術をさすものとする
。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションするための適当な方法は、Sa
mbrook, et al.(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Sprin
g Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Ha
rbor, NY, 1989)及び他の実験マニュアルに見いだすことができる。
【0121】 哺乳類細胞の安定なトランスフェクションに関して、用いる発現ベクター及び
トランスフェクション技術により、細胞のほんの一部分のみがそれらのゲノム中
に外来DNAを組込む可能性があることが知られている。これらの組込み体を同定
し、選択するために、一般に、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)
をコードする遺伝子を目的の遺伝子と一緒に宿主細胞中に導入する。選択マーカ
ーには、G418、ハイグロマイシン及びメトトレキセートのような薬剤に対する耐
性を与えるものが包含される。選択マーカーをコードする核酸は、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質をコードするものと同じベクター上で宿主細胞中に導入す
ることができ、または別個のベクター上で導入することができる。導入した核酸
で安定にトランスフェクションされた細胞は、薬剤選択により同定することがで
きる(例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んでいる細胞は生存し、一方、他の
細胞は死ぬ)。
【0122】 培養した原核または真核宿主細胞のような本発明の宿主細胞は、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質を製造する(すなわち、発現させる)ために用いることが
できる。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を用いてhVR-1、hVR-2及び
rVR-2タンパク質を製造する方法を提供する。一つの態様として、該方法は、hVR
-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質が生産されるように適当な培地中で(hVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)本
発明の宿主細胞を培養することを含んでなる。別の態様として、該方法はさらに
、培地または宿主細胞からhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を単離することを
含んでなる。
【0123】 本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために用
いることもできる。例えば、一つの態様として、本発明の宿主細胞は、hVR-1、h
VR-2及びrVR-2をコードする配列が導入されている受精卵母細胞または胚性幹細
胞である。次に、そのような宿主細胞を用いて、外来hVR-1、hVR-2及びrVR-2配
列がゲノム中に導入されている非ヒトトランスジェニック動物または内在性hVR-
1、hVR-2及びrVR-2配列が改変されている相同的組換え動物を作製することがで
きる。そのような動物は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2の機能及び/または活性を研
究するため並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性のモジュレーターの同定及び/ま
たは評価のために有用である。本明細書において用いる場合、「トランスジェニ
ック動物」は、動物の1個またはそれ以上の細胞が導入遺伝子を含有する非ヒト
動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはラットまたはマウスのような齧歯類で
ある。トランスジェニック動物の他の例には、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウ
シ、ヤギ、ニワトリ、両生類等が包含される。導入遺伝子は、トランスジェニッ
ク動物が発生する細胞のゲノム中に組込まれ、成熟した動物のゲノム中にとどま
り、それによりトランスジェニック動物の1つまたはそれ以上の細胞タイプまた
は組織においてコード遺伝子産物の発現を導く外来DNAである。本明細書におい
て用いる場合、「相同的組み換え動物」は、動物の発生前に、内在性遺伝子と動
物の細胞、例えば動物の胚性細胞中に導入された外来DNA分子間の相同的組換え
により内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子が改変されている非ヒト動物、好ま
しくは哺乳類、より好ましくはマウスである。
【0124】 本発明のトランスジェニック動物は、例えば微量注入、レトロウイルス感染に
より、受精卵母細胞の雄性前核中にhVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードする核酸を
導入し、該卵母細胞を偽妊娠メス仮親動物において発生させることにより作製す
ることができる。配列番号:1、3、5、7または9のhVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNA
配列を導入遺伝子として非ヒト動物のゲノム中に導入することができる。あるい
はまた、マウスまたはラットhVR-2のようなhVR-2遺伝子の非ヒト相同物、例えば
rVR-2遺伝子を導入遺伝子として用いることができる。あるいはまた、カプサイ
シン/バニロイドファミリーの別のメンバーのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺
伝子相同物を配列番号:1、3、4、6、7、9、10または12のhVR-1、hVR-2及びrVR-
2 cDNA配列へのハイブリダイゼーションに基づいて単離し(上記小節Iにおいて
さらに記述する)、導入遺伝子として用いることができる。また、導入遺伝子の
発現の効率を上げるためにイントロン配列及びポリアデニル化シグナルを導入遺
伝子中に含むこともできる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の発現を特定の
細胞に向けるために組織特異的調節配列(1つまたは複数)をhVR-1、hVR-2及び
rVR-2導入遺伝子に操作可能に連結することができる。胚操作及び微量注入によ
りトランスジェニック動物、特にマウスのような動物を作製する方法は当該技術
分野において慣例的になってきており、例えば、両方ともLeder et al.による米
国特許第4,736,866号及び4,870,009号、Wagner et al.による米国特許第4,873,19
1号中並びにHogan, B., Manipulating the Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1986)に記述されている。同様
の方法を他のトランスジェニック動物の作製のために用いる。トランスジェニッ
ク創始動物は、そのゲノムにおけるhVR-1、hVR-2及びrVR-2導入遺伝子の存在並
びに/または動物の組織もしくは細胞におけるhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAの発
現に基づいて同定することができる。次に、トランスジェニック創始動物を用い
て導入遺伝子を保有するさらなる動物を育種することができる。さらに、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質をコードする導入遺伝子を保有するトランスジェニ
ック動物を他の導入遺伝子を保有する他のトランスジェニック動物に交配させる
ことができる。
【0125】 相同的組み換え動物を作製するために、欠失、付加または置換が導入されてお
りそれによりhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子を改変する、例えば機能的に破壊す
るhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の少なくとも一部を含有するベクターを調製す
る。VR-1またはVR-2遺伝子は、ヒト遺伝子(例えば、配列番号:1、3、5、4、
6、7または9のcDNA)であることができるが、より好ましくは、hVR-1及びhVR-
2遺伝子の非ヒト相同物である(例えば、配列番号:10もしくは12のcDNAまたは配
列番号:1、3、5、4、6、7もしくは9のヌクレオチド配列とのストリンジェ
ントなハイブリダイゼーションにより単離されたcDNA)。例えば、マウスVR-2遺
伝子を用いてマウスゲノム中の内在性VR-2遺伝子を改変するために適当な相同的
組換え核酸分子、例えばベクターを構築することができる。ある態様として、相
同的組換え核酸分子は、相同的組換えの際に、内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺
伝子が機能的に破壊されるように設計される(すなわち、もはや機能性タンパク
質をコードしない;「ノックアウト」ベクターとも呼ばれる)。あるいはまた、
相同的組換え核酸分子は、相同的組み換えの際に、内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-
2遺伝子が突然変異を受けるかそうでなければ改変されるが、それでもなお機能
性タンパク質をコードするように設計することができる(例えば、上流調節領域
を改変してそれにより内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の発現を改変す
ることができる)。相同的組換え核酸分子において、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺
伝子の改変部分には、相同的組換え核酸分子により保有される外来hVR-1、hVR-2
及びrVR-2遺伝子と細胞、例えば胚性幹細胞中の内在性hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺
伝子間で相同的組換えが起こるようにその5’及び3’末端でhVR-1、hVR-2及びrV
R-2遺伝子の付加的核酸配列が隣接する。隣接する付加的hVR-1、hVR-2及びrVR-2
核酸配列は、内在性遺伝子と相同的組換えができるために十分な長さのものであ
る。典型的には、(5’及び3’末端の両方で)数キロ塩基の隣接するDNAが相同
的組換え核酸分子中に含まれる(相同的組換えベクターの説明については、例え
ば、Thomas, K. R.及びCapecchi, M. R. (1987) Cell 51:503を参照)。相同的
組換え核酸分子を(例えば、電気穿孔により)細胞、例えば胚性幹細胞系中に導
入し、そして導入したhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子が内在性hVR-1、hVR-2及びr
VR-2遺伝子と相同的に組換えられている細胞を選択する(例えば、Li, E. et al
.(1992)Cell 69:915を参照)。次に、選択した細胞を動物(例えばマウス)の胚
盤胞中に注入して集合キメラを形成する(例えば、Bradley, A. Teratocarcinom
as and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach中, E. J. Robertson 編
集(IRL, Oxford, 1987) pp.113-152を参照)。次に、キメラ胚を適当な偽妊娠メ
ス仮親動物中に移植し、胚を出産させることができる。生殖細胞中に相同的に組
換えられたDNAを保有する子孫を用いて、導入遺伝子の生殖細胞系伝達により動
物の全ての細胞が相同的に組換えられたDNAを含有する動物を育種することがで
きる。相同的組換え核酸分子、例えばベクターまたは相同的組換え動物を構築す
る方法は、Bradley, A. (1991) Current Opinion in Biotechnology 2:823-829
並びにLe Mouellec et al.によるPCT国際公開WO第90/11354号; Smithies et al.
による WO第91/01140号; Zijlstra et al.による WO第92/0968号;及びBerns et
al.によるWO第93/04169号にさらに記述されている。
【0126】 別の態様として、導入遺伝子を調節発現できる選択系を含有するトランスジェ
ニック非ヒト動物を作製することができる。そのような系の一例は、バクテリオ
ファージP1のcre/loxP組換え酵素系である。cre/loxP組換え酵素系の説明につい
ては、例えば、Lakso et al.(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:6232-6236
を参照。組換え酵素系の別の例は、サッカロミセス・セレビシエのFLP組換え酵
素系である(O’Gorman et al.(1991) Science 251:1351-1555)。導入遺伝子の発
現を調節するためにcre/loxP組換え酵素系を用いる場合、Cre組換え酵素及び選
択したタンパク質の両方をコードする導入遺伝子を含有する動物が必要である。
そのような動物は、例えば、選択したタンパク質をコードする導入遺伝子を含有
するもの及び組換え酵素をコードする導入遺伝子を含有するものの2匹のトラン
スジェニック動物を交配させることによる、「二重」トランスジェニック動物の
構築により提供することができる。
【0127】 本明細書に記述する非ヒトトランスジェニック動物のクローンはまた、Wilmut
, I. et al. (1997) Nature 385:810-813並びにPCT国際公開WO第97/07668号及び
WO第97/07669号に記述されている方法に従って作製することもできる。簡潔に言
えば、トランスジェニック動物からの細胞、例えば体細胞を単離し、増殖周期を
出てG0期に入るように誘導することができる。次に、静止細胞を単離したもの
と同じ種の動物からの除核卵母細胞に、例えば電気パルスの使用により、静止細
胞を融合させることができる。次に、再構成した卵母細胞が桑実胚または胚盤胞
に発生するようにそれを培養し、次に偽妊娠メス仮親動物に移す。このメス仮親
動物から生まれた子孫は、細胞、例えば体細胞を単離した動物のクローンである
IV.製薬学的組成物 本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
のフラグメント並びに抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体(本明細書において
「活性化合物」とも呼ばれる)は、投与のために適当な製薬学的組成物中に導入
することができる。そのような組成物は、典型的に、該核酸分子、タンパク質ま
たは抗体及び製薬学的に許容しうる担体を含んでなる。本明細書において用いる
場合、「製薬学的に許容しうる担体」という用語には、製薬学的投与に適合する
いずれか及び全ての溶媒、分散媒質、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張
剤及び吸収遅延剤等が包含されるものとする。製薬学的に有効な物質のためのそ
のような媒質及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。あらゆる通
常の媒質または薬剤は、活性化合物と配合禁忌でない限り、組成物におけるそれ
らの使用が考えられる。補足的活性化合物もまた組成物中に導入することができ
る。
【0128】 本発明の製薬学的組成物は、その意図される投与経路に適合するように調合さ
れる。投与経路の例には、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、経口(例えば吸
入)、経皮(局所)、経粘膜及び直腸投与が包含される。非経口、皮内または皮
下用途のために用いる溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注
入用の水、食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プ
ロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌した希釈剤;ベンジルアル
コールまたはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナ
トリウムのような酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;酢
酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のようなバッファー及び塩化ナトリウムまたは
デキストロースのような張性の調整のための薬剤。pHは、塩酸または水酸化ナト
リウムのような酸または塩基で調整することができる。非経口製剤は、ガラスま
たはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または多用量バイアル中に封入
することができる。
【0129】 注入可能な用途のために適当な製薬学的組成物には、滅菌した水溶液(水溶性
の場合)または分散液及び滅菌した注入可能な溶液または分散液の必要に応じた
調製のための滅菌した粉末が包含される。静脈内投与のために、適当な担体には
生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF, Parsippany, NJ)またはリン酸緩衝
食塩水(PBS)が包含される。全ての場合において、組成物は無菌でなければな
らず、そして容易に注入できる程度に流動性であるべきである。それは製造及び
貯蔵の条件下で安定でなければならず、そして細菌及び真菌のような微生物の混
入作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリ
オール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリ
コール等)並びにこれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒質であるこ
とができる。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用に
より、分散液の場合には必要な粒度の維持により、そして界面活性剤の使用によ
り保つことができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例え
ば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール
等により行うことができる。多くの場合において、等張剤、例えば、糖、マンニ
トール、ソルビトールのようなポリアルコール、塩化ナトリウムを組成物中に含
むことが好ましい。注入可能な組成物の遷延吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例え
ばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含むことによりもた
らすことができる。
【0130】 滅菌した注入可能な溶液は、必要に応じて、上に挙げた成分のいずれかまたは
組み合わせと共に適当な溶媒中に必要な量の活性化合物(例えば、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質のフラグメントまたは抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗
体)を導入し、続いて濾過滅菌により調製することができる。一般に、分散液は
、基本分散媒質及び上に挙げたものからの必要な他の成分を含有する滅菌した賦
形剤中に活性化合物を導入することにより調製される。滅菌した注入可能な溶液
の調製のための滅菌した粉末の場合、調製方法は真空乾燥及び凍結乾燥であり、
それにより先に滅菌濾過した溶液からあらゆる付加的な要求される成分を加えた
有効成分の粉末が生じる。
【0131】 一般に、経口組成物は不活性希釈剤または可食性担体を含む。それらをゼラチ
ンカプセル中に封入するかまたは錠剤に圧縮することができる。経口治療投与の
目的のために、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤またはカプセル
剤の形態で使用することができる。経口組成物はまた、口内洗浄剤としての使用
のために液体担体を用いて調製することもでき、その場合、液体担体中の化合物
は経口的に投与され、さっと動かされ、そして吐き出されるかまたは飲み込まれ
る。製薬学的に適合した結合剤及び/または添加剤材料を組成物の一部として含
むことができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は以下の成分のいずれ
かまたは同様の性質の化合物を含有することができる:微晶質セルロース、トラ
ガカントゴムもしくはゼラチンのような結合剤;澱粉もしくはラクトースのよう
な賦形剤;アルギン酸、Primogelもしくはコーンスターチのような崩壊剤;ステ
アリン酸マグネシウムもしくはSterotesのような潤滑剤;コロイド二酸化ケイ素
のような減摩剤(glidant);ショ糖もしくはサッカリンのような甘味料;また
はペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香料のような香料。
【0132】 吸入による投与のために、組成物は適当な噴射剤、例えば二酸化炭素のような
気体を含有する加圧容器もしくはディスペンサー、または噴霧器からエアゾール
スプレーの形態で送達される。
【0133】 全身投与はまた経粘膜または経皮手段によってもよい。経粘膜または経皮投与
のために、透過する障壁に対して適当な浸透剤を製剤中に用いる。そのような浸
透剤は一般に当該技術分野において既知であり、例えば、経粘膜投与のためには
、溶剤、胆汁塩及びフシジン酸誘導体が包含される。経粘膜投与は、鼻スプレー
または座薬の使用により実施することができる。経皮投与のために、活性化合物
は、当該技術分野において一般に既知であるような軟膏、膏薬、ゲルまたはクリ
ームに調合される。
【0134】 化合物はまた、直腸送達のために座薬(例えば、ココアバター及び他のグリセ
リドのような通常の座薬基剤を有する)または停留浣腸の形態に調製することも
できる。
【0135】 一つの態様として、活性化合物は、移植及びマイクロカプセル化送達系を包含
する制御放出製剤のような、体からの迅速な除去から化合物を保護する担体を用
いて調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラー
ゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸のような生物分解性の生体適合性ポリマ
ーを用いることができる。そのような製剤の調製方法は当業者に明らかである。
それらの材料はまた、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals, Inc.からも
市販されている。(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞
を標的とするリポソームを包含する)リポソーム懸濁液もまた、製薬学的に許容
しうる担体として用いることができる。これらは、例えば米国特許第4,522,811
号に記述されているような、当業者に既知である方法により調製することができ
る。
【0136】 投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、単位剤形に経口または非経口組成
物を調合することが特に有益である。本明細書において用いる場合、単位剤形は
、処置する被験体のために単位投薬量として適当な物理的に分割された単位をさ
し;各単位は、必要な製薬学的担体と会合して適切な治療効果をもたらすように
計算された予め定められた量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形の仕様
は、活性化合物の独特な特性及び得られる特定の治療効果並びに個体の処置のた
めにそのような活性化合物を調合する当該技術分野に固有の制約により決定され
、そしてそれらに直接依存する。
【0137】 そのような化合物の毒性及び治療効能は、例えばLD50(集団の50%に致死的な
用量)及びED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための細
胞培養または実験動物における標準的な製薬学的方法により決定することができ
る。毒性と治療効果の用量比は治療指数であり、それは比率LD50 /ED50として表
すことができる。大きい治療指数を示す化合物が好ましい。有毒な副作用を示す
化合物を用いることができるが、感染していない細胞に対する潜在的損傷を最小
限に抑え、それにより副作用を減らすために、冒された組織の部位にそのような
化合物を向ける送達系を設計することに注意が払われるべきである。
【0138】 細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のた
めの投薬量の範囲を定めることに用いることができる。そのような化合物の投薬
量は、好ましくは、ほとんどまたは全く毒性なしにED50を含む循環濃度の範囲内
にある。投薬量は、用いる剤形及び利用する投与経路によりこの範囲内で変わる
可能性がある。本発明の方法に用いるあらゆる化合物に対して、治療的に有効な
用量を最初に細胞培養アッセイから概算することができる。細胞培養において決
定したようなIC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃
度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように動物モデルにおいて用量を定める
ことができる。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定す
るために用いることができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグ
ラフィーにより測定することができる。
【0139】 本明細書において定義する場合、タンパク質またはポリペプチドの治療的に有
効な量(すなわち、有効投薬量)は、約0.001~30mg/kg体重、好ましくは約0.01
~25mg/kg体重、より好ましくは約0.1~20mg/kg体重、さらにより好ましくは約1
~10mg/kg、2~9mg/kg、3~8mg/kg、4~7mg/kgまたは5~6mg/kg体重である。当
業者は、疾病または疾患の重さ、以前の処置、被験体の一般的な健康及び/また
は年齢並びに存在する他の疾病を包含するがこれらに限定されるものではないあ
る種の因子が被験体を効果的に処置するために必要とされる投薬量に影響を及ぼ
す可能性があることを認識する。さらに、タンパク質、ポリペプチドまたは抗体
の治療的に有効な量での被験体の処置は、単一の処置を含むことができ、または
好ましくは一連の処置を含むことができる。好ましい例として、被験体を約0.1~
20mg/kg体重の間の範囲の抗体、タンパク質またはポリペプチドで約1~10週の間
、好ましくは2~8週の間、より好ましくは約3~7週の間、さらにより好ましくは約
4、5または6週間、週に1回処置する。処置に使用する抗体、タンパク質またはポ
リペプチドの有効投薬量は、特定の処置の経過にわたって増加または減少する可
能性があることもまた認識される。投薬量の変更は、本明細書に記述するような
診断アッセイの結果に起因し、そしてそれらから明らかになる可能性がある。
【0140】 本発明は、発現または活性を調節する作用因子を包含する。作用因子は、例え
ば小分子であることができる。例えば、そのような小分子には、ペプチド、ペプ
チド模倣物、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド
類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、1モル当たり約10,000グラム未満
の分子量を有する有機もしくは無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物及び有
機金属化合物を包含する)、1モル当たり約5,000グラム未満の分子量を有する有
機もしくは無機化合物、1モル当たり約1,000グラム未満の分子量を有する有機も
しくは無機化合物、1モル当たり約500グラム未満の分子量を有する有機もしくは
無機化合物及び塩、エステル並びにそのような化合物の他の製薬学的に許容しう
る形態が包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0141】 小分子作用因子の適当な用量は、当該(ordinarily skilled)医師、獣医また
は研究者の認識の範囲内の多数の因子により決まることが理解される。小分子の
用量(1つまたは複数)は、例えば、処置する被験体またはサンプルの本質、大
きさ及び状態により、さらに、適用できる場合、組成物が投与される経路、及び
小分子が本発明の核酸またはポリペプチドに対して有することを専門家が望む作
用により変わる。
【0142】 典型的な用量には、被験体またはサンプルの重さのkg当たりmgまたはμg量の
小分子(例えば、約1μg/kg~約500mg/kg、約100μg/kg~約5mg/kgまたは約1μg/k
g~約50μg/kg)が包含される。さらに、小分子の適当な用量は、調節される発現
または活性に関する小分子の効能により決まることが理解される。そのような適
当な用量は、本明細書に記述するアッセイを用いて決定することができる。
【0143】 本発明のポリペプチドまたは核酸の発現または活性を調節するために1つまた
はそれ以上のこれらの小分子を動物(例えばヒト)に投与する場合、医師、獣医
または研究者は、例えば、最初は比較的低用量を処方し、続いて適当な応答が得
られるまで用量を増やすことができる。さらに、あらゆる特定の動物被験体の特
定の用量レベルは、用いる特定の化合物の活性、被験体の年齢、体重、一般的な
健康、性別及び飲食物、投与の期間、投与の経路、排出の速度、あらゆる薬物組
み合わせ並びに調節される発現または活性の程度を包含する様々な因子により決
まることが理解される。
【0144】 本発明の核酸分子をベクター中に挿入し、遺伝子治療ベクターとして用いるこ
とができる。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈注射、局所投与(米国特許第
5,328,470号を参照)によるかまたは定位固定注入(例えば、Chen et al.(1994)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3054-3057を参照)により被験体に送達するこ
とができる。遺伝子治療ベクターの製薬学的調製物は、許容しうる希釈剤中に遺
伝子治療ベクターを含むことができ、または遺伝子送達媒体が埋め込まれる徐放
性マトリックスを含んでなることができる。あるいはまた、完全な遺伝子送達ベ
クターを組換え細胞から完全に製造することができる場合(例えばレトロウイル
スベクター)、製薬学的調製物は遺伝子送達系を製造する1個またはそれ以上の
細胞を含むことができる。
【0145】 製薬学的組成物は、投与説明書と一緒に容器、パックまたはディスペンサー中
に入れることができる。V.本発明の使用及び方法 本明細書に記述する核酸分子、タンパク質、タンパク質相同物及び抗体は、1
つまたはそれ以上の以下の方法において用いることができる:a)スクリーニン
グアッセイ;b)予測医学(例えば、診断アッセイ、予後アッセイ、臨床試験の
モニタリング及び薬理遺伝学);及びc)処置の方法(例えば、治療的及び予防
的)。本明細書に記述するように、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
は1つまたはそれ以上の以下の活性を有し:(1)非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-
2タンパク質分子、例えばカプサイシンのようなバニロイド化合物と相互作用す
る;(2)細胞内カルシウム濃度を調節する;(3)hVR-1、hVR-2及びrVR-2依存
性シグナル伝達経路を活性化する;そして(4)痛みシグナリング機構を調節す
る、従って、例えば、(1)非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2タンパク質分子との
相互作用を調節するため;(2)細胞内カルシウム濃度を調節するため;(3)hV
R-1、hVR-2及びrVR-2依存性シグナル伝達経路を活性化するため;及び4)痛み
シグナリング機構を調節するために用いることができる。
【0146】 本発明の単離された核酸分子は、以下にさらに記述するように、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質を発現させるため(例えば、遺伝子治療用途において宿主
細胞中の組換え発現ベクターにより)、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNA(例えば生
物学的サンプル中)またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の遺伝子変化を検出
するため及びhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節するために用いることができる
。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質は、天然に存在するhVR-1、hVR-2及びrVR-2
基質をスクリーニングするため、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する薬物ま
たは化合物をスクリーニングするため並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
の不十分なもしくは過剰な生産またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2野生型タンパク質
と比較して減少したもしくは異常な活性を有するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパ
ク質形態の生産を特徴とする疾患(例えば痛み疾患)を処置するために用いるこ
とができる。さらに、本発明の抗-hVR-1、抗-hVR-2及び抗-rVR-2抗体は、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質を検出し、単離するため、hVR-1、hVR-2及びrVR-2
タンパク質の生物学的利用能を調節するため及びhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を
調節するために用いることができる。 A.スクリーニングアッセイ: 本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質に結合するか、例えばhVR-1、hV
R-2及びrVR-2発現もしくはhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性に対する刺激もしくは阻
害作用を有するかまたは例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2基質の発現もしくは活性
に対する刺激もしくは阻害作用を有するモジュレーター、すなわち、候補もしく
は試験化合物または作用因子(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、小分子また
は他の薬物)を同定する方法(本明細書において「スクリーニングアッセイ」と
も呼ばれる)を提供する。
【0147】 一つの態様として、本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質もしくはポ
リペプチドまたはその生物学的に活性の部分の基質である候補または試験化合物
をスクリーニングするためのアッセイを提供する。別の態様として、本発明は、
hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質もしくはポリペプチドまたはその生物学的に
活性の部分に結合するかまたはその活性を調節する候補または試験化合物をスク
リーニングするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、生物学的ラ
イブラリー;空間的にアドレサブルな(addressable)平行固相または溶液相ライ
ブラリー;解析を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブ
ラリー法;及びアフィニティークロマトグラフィー選択を用いる合成ライブラリ
ー法を包含する当該技術分野において既知の組み合わせライブラリー法における
多数の方法のいずれかを用いて得ることができる。生物学的ライブラリー法はペ
プチドライブラリーに限定され、一方、他の4つの方法は、化合物のペプチド、
非ペプチドオリゴマーまたは小分子ライブラリーに適用できる(Lam, K. S. (19
97) Anticancer Drug Des.12:145)。
【0148】 分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該技術分野において例えば:
DeWitt et al.(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:6909; Erb et al.(19
94) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11422; Zuckermann et al.(1994) J. Med.
Chem. 37:2678; Cho et al.(1993) Science 261:1303; Carrell et al.(1994)A
ngew. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2059; Carell et al. (1994) Angew. Chem. In
t. Ed. Engl. 33:2061;及びGallop et al.(1994) J. Med. Chem.37:1233に見い
だすことができる。
【0149】 化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten (1992) Biotechniques
13:412-421)、またはビーズ(Lam (1991) Nature 354:82-84)、チップ(Fodor (199
3) Nature 364:555-556)、細菌(Ladner USP 5,223,409)、胞子(Ladner USP ‘409)
、プラスミド(Cull et al.(1992)Proc Natl Acad Sci USA 89:1865-1869)上もし
くはファージ(Scott及びSmith (1990) Science 249:386-390);(Devlin (1990) S
cience 249:404-406);(Cwirla et al.(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. 87:6378-
6382);(Felici (1991) J. Mol. Biol. 222:301-310);(Ladner, 上記)上に与える
ことができる。
【0150】 一つの態様として、アッセイは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはそ
の生物学的に活性の部分を発現する細胞、例えばニューロン細胞を試験化合物と
接触させ、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する試験化合物の能力を決定する
細胞に基づくアッセイである。hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する試験化合
物の能力を決定することは、(例えばTominaga M. et al.(1998)Neuron 21:531-
543に記述されているような)例えば全細胞の内側が外(inside-out)及び外側
が外(outside-out)の配置におけるパッチ-クランプ記録により例えば細胞内カ
ルシウム濃度または膜脱分極をモニターすることによって測定することができる
。hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する試験化合物の能力を決定することは、
さらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2により調節される転写因子の活性をモニターす
ることより実施することができる。細胞は例えば哺乳類起源のもの、例えばニュ
ーロン細胞であることができる。
【0151】 基質へのhVR-1、hVR-2及びrVR-2結合を調節する試験化合物の能力またはhVR-1
、hVR-2及びrVR-2に結合する試験化合物の能力もまた決定することができる。基
質へのhVR-1、hVR-2及びrVR-2結合を調節する試験化合物の能力を決定すること
は、例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2へのhVR-1、hVR-2及びrVR-2基質の結合が複
合体中の標識したhVR-1、hVR-2及びrVR-2基質を検出することにより決定できる
ようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2基質を放射性同位元素または酵素標識と連結する
ことにより実施することができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2に結合する試験化合
物の能力を決定することは、例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2への化合物の結合
が複合体中の標識したhVR-1、hVR-2及びrVR-2化合物を検出することにより決定
できるように化合物を放射性同位元素または酵素標識と連結することにより実施
することができる。例えば、化合物(hVR-1、hVR-2及びrVR-2基質)を125I、35 S、14Cまたは3Hで直接的または間接的に標識することができ、該放射性同位
元素を放射線放射(radioemission)の直接計数によるかまたはシンチレーショ
ン計数により検出することができる。あるいはまた、試験化合物を例えば西洋ワ
サビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたはルシフェラーゼで酵素的
に標識することができ、生成物への適当な基質の転化の測定により該酵素標識を
検出することができる。
【0152】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2と相互作用する試験化合物の能力を反応物のいずれの
標識もなしに測定することもまた本発明の範囲内である。例えば、化合物または
hVR-1、hVR-2及びrVR-2のいずれの標識もなしにhVR-1、hVR-2及びrVR-2と化合物
との相互作用を検出するために微小生理学的計量装置(microphysiometer)を用
いることができる。McConnell, H. M. et al.(1992) Science 257:1906-1912。
本明細書において用いる場合、「微小生理学的計量装置」(例えばCytosensor)
は、細胞がその環境を酸性化する速度を光アドレサブル(light-addressable)
電位差センサー(LAPS)を用いて測定する分析装置である。この酸性化速度の変
化を化合物とhVR-1、hVR-2及びrVR-2間の相互作用の指標として用いることがで
きる。
【0153】 さらに別の態様として、本発明のアッセイは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパ
ク質またはその生物学的に活性の部分を試験化合物と接触させ、hVR-1、hVR-2及
びrVR-2タンパク質またはその生物学的に活性の部分に結合する試験化合物の能
力を決定する無細胞アッセイである。本発明のアッセイにおいて使用するhVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質の生物学的に活性の部分には、非hVR-1、非hVR-2及
び非rVR-2分子との相互作用に関与するフラグメント、例えば高い表面確率スコ
ア(surface probability scores)を有するフラグメントが包含される。hVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質への試験化合物の結合は、上記のように直接的また
は間接的のいずれかで決定することができる。ある態様として、アッセイは、hV
R-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはその生物学的に活性の部分をhVR-1、hVR-
2及びrVR-2に結合する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を生成せしめる
こと、該アッセイ混合物を試験化合物と接触させること並びにhVR-1、hVR-2及び
rVR-2タンパク質と相互作用する試験化合物の能力を決定することを含み、ここ
で、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質と相互作用する試験化合物の能力を決定
することは、既知の化合物と比較した場合にhVR-1、hVR-2及びrVR-2またはその
生物学的に活性の部分に優先的に結合する試験化合物の能力を決定することを含
んでなる。
【0154】 別の態様として、アッセイは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはその
生物学的に活性の部分を試験化合物と接触させ、そしてhVR-1、hVR-2及びrVR-2
タンパク質またはその生物学的に活性の部分の活性を調節する(刺激するまたは
阻害する)試験化合物の能力を決定する無細胞アッセイである。hVR-1、hVR-2及
びrVR-2タンパク質の活性を調節する試験化合物の能力を決定することは、例え
ば、直接結合を決定するための上記の方法のいずれかにより、hVR-1、hVR-2及び
rVR-2標的分子、例えばカプサイシンのようなバニロイド化合物に結合するhVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質の能力を決定することにより実施することができる
。hVR-1、hVR-2及びrVR-2標的分子に結合するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
の能力を決定することはまた、瞬時の生体分子相互作用分析(Biomolecular Int
eraction Analysis)(BIA)のような技術を用いて実施することもできる。Sjol
ander, S.及びUrbaniczky, C. (1991) Anal. Chem. 63:2338-2345並びにSzabo e
t al.(1995) Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699-705。本明細書において用いる
場合、「BIA」は、反応物のいずれも標識せずに瞬時に生体特異的相互作用を研
究するための技術である(例えばBIAcore)。表面プラズモン共鳴(SPR)の光学
現象の変化を生物学的分子間の瞬時の反応の指標として用いることができる。
【0155】 別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の活性を調節する試験化
合物の能力を決定することは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2標的分子の下流のエフェ
クターの活性をさらに調節するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の能力を決定
することにより実施することができる。例えば、前記のように、適当な標的に対
するエフェクター分子の活性を決定することができ、または適当な標的へのエフ
ェクターの結合を決定することができる。
【0156】 さらに別の態様として、無細胞アッセイは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク
質またはその生物学的に活性の部分をhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質に結合
する既知の化合物と接触させてアッセイ混合物を生成せしめること、該アッセイ
混合物を試験化合物と接触させること並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
と相互作用する試験化合物の能力を決定することを含み、ここで、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質と相互作用する試験化合物の能力を決定することは、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2標的分子に優先的に結合するかまたはその活性を調節するhVR-
1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の能力を決定することを含んでなる。
【0157】 本発明の無細胞アッセイは、単離されたタンパク質(例えば、hVR-1、hVR-2及
びrVR-2タンパク質またはその生物学的に活性の部分)の可溶性及び/または膜
結合形態の両方を容易に使用することができる。単離されたタンパク質の膜結合
形態を用いる無細胞アッセイの場合、単離されたタンパク質の膜結合形態が溶液
中に保たれるように可溶化剤を利用することが望ましい可能性がある。そのよう
な可溶化剤の例には、n-オクチルグルコシド、n-ドデシルグルコシド、n-ドデシ
ルマルトシド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、デカノイル-N-メチルグルカ
ミド、TritonR X-100、TritonR X-114、ThesitR 、イソトリデシポリ(エチレン
グリコールエーテル)n、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンミニオ]-1-
プロパンスルホネート(CHAPS)、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンミ
ニオ]-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホネート(CHAPSO)またはN-ドデシル=N,
N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネートのような非イオン性溶剤が包
含される。
【0158】 本発明の上記アッセイ方法の1つより多くの態様において、hVR-1、hVR-2及び
rVR-2とその標的分子の一方または両方の複合体形成していない形態から複合体
形成したものの分離を容易にするため並びにアッセイの自動化に対応するために
これらのタンパク質のいずれかを固定することが望ましい可能性がある。候補化
合物の存在下及び非存在下でのhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質への試験化合
物の結合または標的分子とhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質との相互作用は、
反応物を含有するために適当なあらゆる容器中で実施することができる。そのよ
うな容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管及びミクロ遠心管が包含
される。一つの態様として、これらのタンパク質の一方または両方をマトリック
スに結合させるドメインを付加する融合タンパク質を提供することができる。例
えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ/hVR-1、hVR-2及びrVR-2融合タンパ
ク質またはグルタチオン-S-トランスフェラーゼ/標的融合タンパク質をグルタ
チオンセファロースビーズ(Sigma Chemical, St.Louis, MO)またはグルタチオン
誘導化マイクロタイタープレート上に吸着させることができ、次にそれらを試験
化合物または試験化合物と吸着していない標的タンパク質もしくはhVR-1、hVR-2
及びrVR-2タンパク質のいずれかと組み合わせ、そして複合体形成を導く条件下
で(例えば、塩及びpHに関して生理的条件で)混合物をインキュベートする。イ
ンキュベーション後に、あらゆる結合していない成分を除くためにビーズまたは
マイクロタイタープレートウェルを洗浄し、ビーズの場合にはマトリックスを固
定し、例えば上記のように直接的または間接的のいずれかで複合体を測定する。
あるいはまた、複合体をマトリックスから解離させ、標準的な技術を用いてhVR-
1、hVR-2及びrVR-2結合または活性のレベルを決定することができる。
【0159】 マトリックス上にタンパク質を固定する他の技術もまた、本発明のスクリーニ
ングアッセイにおいて用いることができる。例えば、ビオチンとストレプトアビ
ジンの結合を利用してhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはhVR-1、hVR-2及
びrVR-2標的分子のいずれかを固定することができる。ビオチニル化したhVR-1、
hVR-2及びrVR-2タンパク質または標的分子を当該技術分野において周知の技術(
例えば、ビオチニル化キット、Pierce Chemicals, Rockford, IL)を用いてビオ
チン-NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイミド)から調製し、ストレプトアビジンを被
覆した96穴プレート(Pierce Chemical)のウェル中に固定することができる。あ
るいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または標的分子と反応するが、h
VR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質のその標的分子への結合を妨げない抗体をプレ
ートのウェルに誘導化し、結合していない標的またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2タ
ンパク質を抗体結合によりウェル中に捕捉することができる。そのような複合体
を検出する方法には、GST固定化複合体について上に記述したものに加えて、hVR
-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または標的分子と反応する抗体を用いる複合体の
免疫検出並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または標的分子と関連する酵
素活性を検出することによる酵素結合検定法が包含される。
【0160】 別の態様として、細胞を候補化合物と接触させ、細胞におけるhVR-1、hVR-2及
びrVR-2 mRNAまたはタンパク質の発現を決定する方法においてhVR-1、hVR-2及び
rVR-2発現のモジュレーターを同定する。候補化合物の存在下でのhVR-1、hVR-2
及びrVR-2 mRNAまたはタンパク質の発現のレベルを候補化合物の非存在下でのhV
R-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはタンパク質の発現のレベルと比較する。次にこ
の比較に基づいて候補化合物をhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現のモジュレーターと
して同定することができる。例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはタンパ
ク質の発現が候補化合物の存在下でその非存在下でより多い(統計学的に有意に
多い)場合、該候補化合物はhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはタンパク質発現
の刺激物質として同定される。あるいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまた
はタンパク質の発現が候補化合物の存在下でその非存在下でより少ない(統計学
的に有意に少ない)場合、該候補化合物はhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはタ
ンパク質発現のインヒビターとして同定される。細胞におけるhVR-1、hVR-2及び
rVR-2 mRNAまたはタンパク質発現のレベルは、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまた
はタンパク質を検出するために本明細書に記述する方法により決定することがで
きる。
【0161】 本発明のさらに別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質は、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2に結合するかまたはそれと相互作用し(「hVR-1-結合タンパク
質」、「hVR-2-結合タンパク質」及び「rVR-2-結合タンパク質」または「hVR-1-
bp」、「hVR-2-bp」及び「rVR-2-bp」)、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性に関与す
る他のタンパク質を同定するために、2-ハイブリッドアッセイまたは3-ハイブリ
ッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号; Zervos et al.(1993) Cell 72
:223-232; Madura et al.(1993) J. Biol. Chem. 268: 12046-12054; Bartel et
al.(1993) Biotechniques 14:920-924; Iwabuchi et al.(1993) Oncogene 8:16
93-1696;及びBrent WO94/10300を参照)における「餌タンパク質」として用いる
ことができる。そのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2-結合タンパク質はまた、例え
ばhVR-1、hVR-2及びrVR-2によりもたらされるシグナリング経路、例えば痛みシ
グナリング経路の下流要素としてhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはhVR-1
、hVR-2及びrVR-2標的によるシグナルの伝播にも関与していると思われる。ある
いはまた、そのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2-結合タンパク質は、hVR-1、hVR-2
及びrVR-2インヒビターであると思われる。
【0162】 2-ハイブリッド系は、分離可能なDNA結合ドメイン及び活性化ドメインからな
る大部分の転写因子のモジュール性質に基づく。簡潔に言えば、該アッセイは2
種の異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物において、hVR-1、hVR-2及びrVR
-2タンパク質をコードする遺伝子を既知の転写因子(例えばGAL-4)のDNA結合ド
メインをコードする遺伝子に融合させる。もう一方の構築物において、同定され
ていないタンパク質(「餌食」または「サンプル」)をコードするDNA配列のラ
イブラリーからのDNA配列を既知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝
子に融合させる。「餌」及び「餌食」タンパク質がインビボで相互作用すること
ができ、hVR-1、hVR-2及びrVR-2依存的複合体を形成する場合、転写因子のDNA結
合ドメインと活性化ドメインは接近する。この接近により、転写因子に応答する
転写調節部位に操作可能に連結されているレポーター遺伝子(例えばLacZ)が転
写される。レポーター遺伝子の発現を検出することができ、機能的転写因子を含
有する細胞コロニーを単離して用いてhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質と相互
作用するタンパク質をコードするクローン化された遺伝子を得ることができる。
【0163】 本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な作用
因子に関する。従って、本明細書に記述するように同定される作用因子を適当な
動物モデルにおいてさらに使用することは本発明の範囲内である。例えば、本明
細書に記述するように同定される作用因子(例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2調節
因子、アンチセンスhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸分子、hVR-1、hVR-2及びrVR-2特
異的抗体またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2結合相手)は、そのような作用因子での
処置の効能、毒性または副作用を決定するために動物モデルにおいて用いること
ができる。あるいはまた、本明細書に記述するように同定される作用因子は、そ
のような作用因子の作用機構を決定するために動物モデルにおいて用いることが
できる。さらに、本発明は、本明細書に記述するような処置のための上記スクリ
ーニングアッセイにより同定される新規な作用因子の使用に関する。 B.検出アッセイ 本明細書において同定するcDNA配列の一部またはフラグメント(及び対応す
る完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多様に用いることができ
る。例えば、これらの配列は:(i)染色体上にそれらのそれぞれの遺伝子をマ
ッピングし;従って、遺伝病と関連する遺伝子領域の位置を突き止めるため;(
ii)微量の生物学的サンプルから個体を同定するため(組織タイピング);及び
(iii)生物学的サンプルの司法同定を助けるために用いることができる。これ
らの用途を以下の小節において記述する。
【0164】 1.染色体マッピング いったん遺伝子の配列(または配列の一部)が単離されると、この配列を用い
て染色体上の該遺伝子の位置をマッピングすることができる。この工程は染色体
マッピングと呼ばれる。従って、本明細書に記述するhVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌ
クレオチド配列の一部またはフラグメントは、染色体上にhVR-1、hVR-2及びrVR-
2遺伝子の位置をマッピングするために用いることができる。染色体へのhVR-1、
hVR-2及びrVR-2配列のマッピングは、疾病と関連する遺伝子とこれらの配列を相
関させることにおける重要な第一段階である。
【0165】 簡潔に言えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌク
レオチド配列からPCRプライマー(好ましくは15-25bpの長さ)を調製することに
より染色体にマッピングすることができる。ゲノムDNAにおいて1個より多くの
エキソンにまたがらず、従って増幅工程を複雑にしないプライマーを予測するた
めにhVR-1、hVR-2及びrVR-2配列のコンピューター分析を用いることができる。
次にこれらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細胞ハイブリッドの
PCRスクリーニングのために用いることができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列に
対応するヒト遺伝子を含有するハイブリッドのみが増幅フラグメントを生じる。
【0166】 体細胞ハイブリッドは、異なる哺乳類(例えば、ヒト及びマウス細胞)からの
体細胞を融合させることにより調製される。ヒト及びマウス細胞のハイブリッド
は、増殖して分裂するにつれて任意の順序でヒト染色体を徐々に喪失するが、マ
ウス染色体を保持する。マウス細胞は特定の酵素を欠くので増殖できないが、ヒ
ト細胞は増殖できる培地を用いることにより、必要な酵素をコードする遺伝子を
含有する1個のヒト染色体が保持される。様々な培地を用いることにより、ハイ
ブリッド細胞系のパネルを樹立することができる。パネル中の各細胞系は、単一
のヒト染色体または少数のヒト染色体のいずれかと完全な一組のマウス染色体を
含有し、特定のヒト染色体への個々の遺伝子の容易なマッピングを可能にする(D
’Eustachio P. et al.(1983) Science 220:919-924)。転座および欠失を有する
ヒト染色体を用いることによりヒト染色体のフラグメントのみを含有する体細胞
ハイブリッドを作製することもできる。
【0167】 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定の配列を定める
ための迅速な方法である。1台のサーマルサイクラーを用いて1日あたり3また
はそれ以上の配列を定めることができる。オリゴヌクレオチドプライマーを設計
するためにhVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチド配列を用いて、特定の染色体か
らのフラグメントのパネルで次位置決定(sublocalization)を実施することがで
きる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列をその染色体にマッピングするために同様に
用いることができる他のマッピング方法には、インサイチューハイブリダイゼー
ション(Fan, Y. et al.(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6223-27に記述さ
れる)、標識したフローソーティングした染色体での前スクリーニング及び染色
体特異的cDNAライブラリーへのハイブリダイゼーションによる前選択が包含され
る。
【0168】 さらに、1段階で正確な染色体位置を与えるために中期染色体散在物へのDNA
配列の蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)を用いることができ
る。染色体散在物は、紡錘体を壊すコルセミドのような化学製品により分裂が中
期に止められている細胞を用いて作製することができる。これらの染色体をトリ
プシンでしばらくの間処理し、次にギムザで染色することができる。明暗バンド
のパターンが各染色体上に現れ、その結果、染色体を個々に同定することができ
る。FISH技術は、500または600塩基程度の短いDNA配列で用いることができる。
しかしながら、1,000塩基より大きいクローンは、簡単な検出のために十分なシ
グナル強度で唯一の染色体位置に結合する可能性がより高い。好ましくは1,000
塩基、より好ましくは2,000塩基が合理的な時間量で良好な結果を得るために十
分である。この技術の総説については、Verma et al., Human Chromosomes: A M
anual of Basic Techniques(Pergamon Press, New York 1988)を参照。
【0169】 単一の染色体もしくはその染色体上の単一部位を示すために染色体マッピング
の試薬を個々に用いることができ、または複数の部位及び/もしくは複数の染色
体を示すために試薬のパネルを用いることができる。実際には、遺伝子の非コー
ディング領域に対応する試薬がマッピング目的のためである。コーディング配列
は遺伝子ファミリー内で保存されている可能性が高く、従って、染色体マッピン
グ中の交差ハイブリダイゼーションの機会を増やす。
【0170】 いったん配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の該配列の
物理的位置を遺伝子地図データと相関させることができる。(そのようなデータ
は、例えば、Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを通してオンラ
インで利用できる、V. McKusick、 Mendelian Inheritance in Manに見出される)
。次に、同じ染色体領域にマッピングされる遺伝子と疾病の関係を、例えばEgel
and, J. et al.(1987) Nature、325:783-787に記述されている連鎖分析(物理的
に隣接する遺伝子の共遺伝)により同定することができる。
【0171】 さらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子と関連する疾病に冒された個体と冒さ
れていない個体間のDNA配列の違いを決定することができる。突然変異が冒され
た個体のいくつかまたは全てにおいて認められるが、冒されていない個体におい
ては認められない場合、該突然変異は特定の疾病の原因因子であると思われる。
冒された個体と冒されていない個体との比較は、一般に、染色体散在物から明白
であるかまたはそのDNA配列に基づくPCRを用いて検出可能な欠失または転座のよ
うな、染色体中の構造変化をまず調べることを含む。最終的には、突然変異の存
在を確かめるため及び突然変異を多型と区別するために数個体からの遺伝子の完
全なシークエンシングを実施することができる。
【0172】 2.組織タイピング 本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2配列はまた、微量の生物学的サンプルから個
体を同定するために用いることもできる。例えば、米国陸軍は、その人員の同定
のために制限断片長多型(RFLP)の使用を考慮している。この技術では、個体の
ゲノムDNAを1種またはそれ以上の制限酵素で消化し、そしてサザンブロット上
でプローブで調べて同定のために独特なバンドを生成せしめる。この方法は、失
われるか、交換されるかまたは奪われる可能性があり、明白な同定を困難にする
「認識票(Dog Tags)」の現在の制約を欠点として持たない。本発明の配列は、
(米国特許5,272,057に記述されている)RFPLのさらなるDNAマーカーとして有用
である。
【0173】 さらに、本発明の配列は、個体のゲノムの選択した部分の実際の塩基ごとのDN
A配列を決定する別の技術を提供するために用いることができる。従って、本明
細書に記述するhVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチド配列を用いて該配列の5’
及び3’末端から2個のPCRプライマーを調製することができる。次に、これら
のプライマーを用いて個体のDNAを増幅し、続いてそれをシークエンスすること
ができる。
【0174】 このようにして調製した、個体からの対応するDNA配列のパネルは、各個体が
対立遺伝子の違いのためにそのようなDNA配列の独特な一組を持つので、独特な
個体の同定を提供することができる。本発明の配列は、個体及び組織からそのよ
うな同定配列を得るために用いることができる。本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-
2ヌクレオチド配列はヒトゲノムの一部を独特に表す。対立遺伝子変異はこれら
の配列のコーディング領域においてある程度に、そして非コーディング領域にお
いてより大きい程度に起こる。個々のヒト間の対立遺伝子変異は各500塩基当た
り約1回の頻度で起こると概算される。本明細書に記述する配列の各々は、ある
程度、個体からのDNAを同定目的のために比較することができる基準として用い
ることができる。非コーディング領域にはより多数の多型が存在するので、個体
を識別するためにより少ない配列が必要である。
【0175】 本明細書に記述するhVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチド配列からの一団の試
薬を個体の独特な同定データベースを作製するために用いる場合、それらの同じ
試薬を後でその個体からの組織を同定するために用いることができる。独特な同
定データベースを用いて、生存するかまたは死亡した個体の明白な同定を極めて
少量の組織サンプルから実施することができる。
【0176】 3.司法生物学における部分hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列の使用 DNAに基づく同定技術はまた、司法生物学において用いることもできる。司法
生物学は、例えば、犯罪の加害者を明白に同定するための手段として犯罪現場で
見い出された生物学的証拠の遺伝子タイピングを用いる科学分野である。そのよ
うな同定を行うために、PCR技術を用いて、犯罪現場で見い出された組織、例え
ば毛髪もしくは皮膚、または体液、例えば血液、唾液もしくは精液のような非常
に少量の生物学的サンプルから採取されるDNA配列を増幅することができる。次
に、増幅配列を基準と比較することができ、それにより生物学的サンプルの起源
を同定することができる。
【0177】 本発明の配列は、ヒトゲノム中の特定の遺伝子座を標的とするポリヌクレオチ
ド試薬、例えばPCRプライマーを提供するために用いることができ、これらは、
例えば、別の「同定マーカー」(すなわち、特定の個体に特有である別のDNA配
列)を提供することによりDNAに基づく司法同定の信頼性を高めることができる
。上記のように、実際の塩基配列情報は、制限酵素で生じたフラグメントにより
形成されるパターンの正確な代わりとして同定のために用いることができる。ポ
リヌクレオチド試薬の例には、hVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチド配列または
その一部、例えば、少なくとも20塩基、好ましくは少なくとも30塩基の長さを有
する配列番号:1、3、4、6、7、9、10または11に由来するフラグメントが包含さ
れる。
【0178】 さらに、本明細書に記述するhVR-1、hVR-2及びrVR-2ヌクレオチド配列は、特
定の組織、例えば脳組織を同定するために例えばインサイチューハイブリダイゼ
ーション技術において用いることができるポリヌクレオチド試薬、例えば標識し
たまたは標識可能なプローブを提供するために用いることができる。これは、司
法病理学者が未知の起源の組織を与えられる場合に非常に有用である可能性があ
る。そのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2プローブのパネルは、種及び/または器
官タイプにより組織を同定するために用いることができる。
【0179】 同様に、これらの試薬、例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2プライマーまたはプロ
ーブは、汚染に関して組織培養物をスクリーニングする(すなわち、培養物中の
細胞の異なるタイプの混合物の存在に関してスクリーニングする)ために用いる
ことができる。
【0180】 C.予測医学: 本発明はまた、予後(予測)目的のために診断アッセイ、予後アッセイ及び臨
床試験のモニタリングを用いてそれにより個体を予防的に処置する予測医学の分
野にも関する。従って、本発明の一つの態様は、生物学的サンプル(例えば、血
液、血清、細胞、組織)に関連して、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質及び/
または核酸発現並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を測定してそれによりある個
体が異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現もしくは活性と関連する疾病もしくは疾
患に悩まされているかどうか、または疾患を発症する危険にさらされているかど
うかを決定するための診断アッセイに関する。本発明はまた、ある個体がhVR-1
、hVR-2及びrVR-2タンパク質、核酸発現または活性と関連する疾患を発症する危
険にさらされているかどうかを決定するための予後(または予測)アッセイも提
供する。例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の突然変異を生物学的サンプ
ルにおいてアッセイすることができる。そのようなアッセイを予後または予測目
的のために用いてそれによりhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、核酸発現また
は活性を特徴とするかまたはそれと関連する疾患の発症前に個体を予防的に処置
することができる。
【0181】 本発明の別の態様は、臨床試験においてhVR-1、hVR-2及びrVR-2の発現または
活性に対する作用因子(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングすること
に関する。
【0182】 これら及び他の作用因子を以下の節においてさらに詳細に記述する。
【0183】 1.診断アッセイ 生物学的サンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または核酸の有無を
検出する典型的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得ること並びにhV
R-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または核酸の存在が該生物学的サンプルにおい
て検出されるようにhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質またはhVR-1、hVR-2及びr
VR-2タンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出すること
ができる化合物または作用因子と生物学的サンプルを接触させることを含む。hV
R-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはゲノムDNAを検出するための作用因子は、hVR-1
、hVR-2及びrVR-2 mRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズすることができる標識
した核酸プローブである。核酸プローブは、例えば、配列番号:1、3、4、6、7、
9、10もしくは12の核酸のような全長hVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸、または少なく
とも15、30、50、100、250もしくは500ヌクレオチドの長さで且つストリンジェ
ントな条件下でhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAもしくはゲノムDNAに特異的にハイ
ブリダイズするために十分なオリゴヌクレオチドのようなその一部であることが
できる。本発明の診断アッセイにおける使用のための他の適当なプローブは本明
細書に記述されている。
【0184】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質を検出するための作用因子は、hVR-1、hVR-
2及びrVR-2タンパク質に結合することができる抗体、好ましくは検出可能な標識
を有する抗体である。抗体はポリクローナル、またはより好ましくはモノクロー
ナルであることができる。完全な抗体またはそのフラグメント(例えば、Fabも
しくはF(ab’)2)を用いることができる。プローブまたは抗体に関して「標識し
た」という用語には、プローブまたは抗体に検出可能な物質をカップリングする
(すなわち、物理的に連結する)ことによるプローブまたは抗体の直接的標識、
並びに直接的に標識される別の試薬との反応性によるプローブまたは抗体の間接
的標識が包含されるものとする。間接的標識の例には、蛍光的に標識した二次抗
体を用いる一次抗体の検出及び蛍光的に標識したストレプトアビジンで検出する
ことができるようなビオチンでのDNAプローブの末端標識が包含される。「生物
学的サンプル」という用語には、被験体から単離された組織、細胞及び生物学的
液体並びに被験体内に存在する組織、細胞及び液体が包含されるものとする。す
なわち、本発明の検出方法は、インビトロ並びにインビボで生物学的サンプル中
のhVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNA、タンパク質またはゲノムDNAを検出するために
用いることができる。例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2 mRNAの検出のためのイン
ビトロ技術には、ノーザンハイブリダイゼーション及びインサイチューハイブリ
ダイゼーションが包含される。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の検出のため
のインビトロ技術には、固相酵素免疫検定法(ELISA)、ウェスタンブロット、
免疫沈降法及び免疫蛍光法が包含される。hVR-1、hVR-2及びrVR-2ゲノムDNAの検
出のためのインビトロ技術には、サザンハイブリダイゼーションが包含される。
さらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の検出のためのインビボ技術には、
標識した抗-hVR-1、hVR-2及びrVR-2抗体を被験体中に導入することが包含される
。例えば、抗体を放射性マーカーで標識することができ、被験体におけるその存
在及び位置を標準的な画像形成技術により検出することができる。
【0185】 一つの態様として、生物学的サンプルは試験被験体からのタンパク質分子を含
有する。 あるいはまた、生物学的サンプルは試験被験体からのmRNA分子または試験被験体
からのゲノムDNA分子を含有することができる。生物学的サンプルは被験体から
常法により単離された血清サンプルである。
【0186】 別の態様として、該方法はさらに、コントロール被験体からコントロールの生
物学的サンプルを得ること、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、mRNAまたはゲ
ノムDNAの存在が生物学的サンプルにおいて検出されるようにhVR-1、hVR-2及びr
VR-2タンパク質、mRNAまたはゲノムDNAを検出することができる化合物または作
用因子とコントロールサンプルとを接触させること並びに試験サンプル中のhVR-
1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在とコントロールサン
プル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在とを比
較することを含む。
【0187】 本発明はまた、生物学的サンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2の存在を検出す
るためのキットも包含する。例えば、キットは、生物学的サンプル中のhVR-1、h
VR-2及びrVR-2タンパク質またはmRNAを検出することができる標識した化合物ま
たは作用因子;サンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2の量を決定するための手段
;並びにサンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2の量を基準と比較するための手段
を含んでなることができる。該化合物または作用因子は、適当な容器中に包装す
ることができる。キットはさらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または核
酸を検出するためのキットの使用説明書を含んでなることができる。
【0188】 2.予後アッセイ 本明細書に記述する診断方法はさらに、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現ま
たは活性と関連する疾病または疾患にかかっているかまたは発症する危険にさら
されている被験体を同定するために利用することができる。本明細書において用
いる場合、「異常な」という用語には、野生型hVR-1、hVR-2及びrVR-2発現また
は活性から逸脱するhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または活性が包含される。異常
な発現または活性には、増加したまたは減少した発現または活性並びに発現の野
生型発生パターンまたは発現の細胞以下(subcellular)パターンに従わない発
現または活性が包含される。例えば、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または
活性には、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の突然変異によりhVR-1、hVR-2及びr
VR-2遺伝子が不十分に発現されるかまたは過剰に発現される場合並びにそのよう
な突然変異により非機能性hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または野生型のよ
うに機能しないタンパク質、例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2リガンドと相互作用
しないタンパク質もしくは非hVR-1、非hVR-2及び非rVR-2リガンドと相互作用す
るものがもたらされる状況が包含されるものとする。
【0189】 前記の診断アッセイまたは以下のアッセイのような本明細書に記述するアッセ
イは、痛み疾患のような、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質活性または核酸発
現における誤った調節と関連する疾患にかかっているかまたは発症する危険にさ
らされている被験体を同定するために利用することができる。あるいはまた、予
後アッセイは、痛み疾患のような、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質活性また
は核酸発現における誤った調節と関連する疾患にかかっているかまたは発症する
危険にさらされている被験体を同定するために利用することができる。従って、
本発明は、被験体から試験サンプルを得、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質ま
たは核酸(例えば、mRNAもしくはゲノムDNA)を検出する、異常なhVR-1、hVR-2
及びrVR-2発現または活性と関連する疾病または疾患を同定する方法を提供し、
その場合、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または核酸の存在は、異常なhVR-1
、hVR-2及びrVR-2発現または活性と関連する疾病または疾患にかかっているかま
たは発症する危険にさらされている被験体の診断に役立つ。本明細書において用
いる場合、「試験サンプル」は、目的の被験体から得られる生物学的サンプルを
さす。例えば、試験サンプルは生物学的液体(例えば血清)、細胞サンプルまた
は組織であることができる。
【0190】 さらに、本明細書に記述する予後アッセイは、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2
発現または活性と関連する疾病または疾患を処置するために作用因子(例えば、
アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、
小分子または他の薬物候補)を被験体に投与することができるかどうかを決定す
るために用いることができる。例えば、そのような方法は、痛み疾患に対して被
験体を作用因子で効果的に処置することができるかどうかを決定するために用い
ることができる。従って、本発明は、試験サンプルを得、hVR-1、hVR-2及びrVR-
2タンパク質または核酸発現または活性を検出する、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR
-2発現または活性と関連する疾患に対して被験体を作用因子で効果的に処置する
ことができるかどうかを決定する方法を提供する(例えば、その場合、hVR-1、h
VR-2及びrVR-2タンパク質または核酸発現または活性の量は、異常なhVR-1、hVR-
2及びrVR-2発現または活性と関連する疾患を処置するために作用因子を投与する
ことができる被験体の診断に役立つ)。
【0191】 本発明の方法はまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の遺伝子変化を検出し
、それにより変化した遺伝子を有する被験体が神経変性疾患のようなhVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質活性または核酸発現における誤った調節を特徴とする疾
患の危険にさらされているかどうかを決定するために用いることもできる。態様
として、該方法は、被験体からの細胞のサンプルにおいて、hVR-1、hVR-2及びrV
R-2タンパク質をコードする遺伝子の完全な状態に影響を及ぼす少なくとも1つ
の変化またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の誤った発現を特徴とする遺伝子変
化の有無を検出することを含む。例えば、そのような遺伝子変化は、1)hVR-1
、hVR-2及びrVR-2遺伝子からの1個またはそれ以上のヌクレオチドの欠失、2)
hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子への1個またはそれ以上のヌクレオチドの付加;
3)hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の1個またはそれ以上のヌクレオチドの置換
、4)hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の染色体再編成;5)hVR-1、hVR-2及びrVR
-2遺伝子のメッセンジャーRNA転写産物のレベルの変化、6)ゲノムDNAのメチル
化パターンのような、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の異常な修飾、7)hVR-1、
hVR-2及びrVR-2遺伝子のメッセンジャーRNA転写産物の非野生型スプライシング
パターンの存在、8)hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の非野生型レベル、9
)hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子の対立遺伝子喪失並びに10)hVR-1、hVR-2及
びrVR-2タンパク質の不適当な翻訳後修飾の少なくとも1つの存在を確かめるこ
とにより検出することができる。本明細書に記述するように、hVR-1、hVR-2及び
rVR-2遺伝子中の変化を検出するために用いることができる当該技術分野におい
て既知の多数のアッセイがある。生物学的サンプルは、被験者から常法により単
離された組織または血清サンプルである。
【0192】 ある態様として、変化の検出は、アンカーPCRまたはRACE PCRのようなポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば米国特許第4,683,195号及び第4,683,202号を参
照)、あるいはまた、ライゲーション連鎖反応(LCR)(例えばLandegran et al.
(1988) Science 241:1077-1080;及びNakazawa et al.(1994)Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 91:360-364を参照)におけるプローブ/プライマーの使用を含み、それ
らの後者は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の点突然変異を検出するために特
に有用である可能性がある(Abravaya et al. (1995) Nucleic Acids Res. 23:6
75-682を参照)。この方法は、被験体から細胞のサンプルを集め、サンプルの細
胞から核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたは両方)を単離し、(存在する場合)hV
R-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子のハイブリダイゼーション及び増幅が起こるような
条件下でhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子に特異的にハイブリダイズする1個また
はそれ以上のプライマーと核酸サンプルとを接触させ、そして増幅産物の有無を
検出するか、または増幅産物の大きさを検出しそしてその長さをコントロールサ
ンプルと比較する工程を含むことができる。PCR及び/またはLCRは、本明細書に
記述する突然変異を検出するために用いる技術のいずれかと共に予備増幅工程と
して用いることが望ましい可能性があることが予想される。
【0193】 別の増幅方法には:自給(self sustained)配列複製(Guatelli, J. C. et al.,
1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874-1878)、転写増幅系(Kwoh, D. Y. e
t al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173-1177)、Q-βレプリカーゼ(
Lizardi,P. M. et al., 1988, Bio/Technology 6:1197)またはいずれかの他の核
酸増幅方法が包含され、続いて当業者に周知の技術を用いて増幅分子を検出する
。これらの検出スキームは、核酸分子が非常に少数で存在する場合にそのような
分子を検出するために特に有用である。
【0194】 別の態様として、サンプル細胞からのhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の突然
変異は、制限酵素切断パターンの変化により同定することができる。例えば、サ
ンプル及びコントロールDNAを単離し、(場合により)増幅し、1種またはそれ
以上の制限エンドヌクレアーゼで消化し、そしてフラグメント長の大きさをゲル
電気泳動により決定し、比較する。サンプルとコントロールDNA間のフラグメン
ト長の大きさの違いは、サンプルDNA中の突然変異を示す。さらに、リボザイム
切断部位の発生または喪失により特定の突然変異の存在について評点するために
配列特異的リボザイム(例えば米国特許第5,498,531号を参照)を用いることが
できる。
【0195】 別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2中の遺伝子突然変異は、数百または
数千のオリゴヌクレオチドプローブを含有する高密度アレーにサンプル及びコン
トロール核酸、例えばDNAまたはRNAをハイブリダイズさせることにより同定する
ことができる(Cronin, M. T. et al.(1996) Human Mutation 7:244-255; Kozal
, M. J. et al.(1996) Nature Medicine 2:753-759)。例えば、hVR-1、hVR-2及
びrVR-2中の遺伝子突然変異は、Cronin, M. T. et al. 上記に記述されているよ
うな光生成(light-generated)DNAプローブを含有する二次元アレーにおいて同定
することができる。簡潔に言えば、プローブの一次ハイブリダイゼーションアレ
ーを用いてサンプル及びコントロール中のDNAの長い距離にわたって走査し、連
続した重複するプローブの直線状アレーを作製することにより配列間の塩基変化
を同定することができる。この工程により点突然変異を同定することができる。
この工程の後に二次ハイブリダイゼーションアレーが続き、それは検出された全
ての変異体または突然変異に相補的なより小さい特殊化したプローブアレーを用
いることにより特定の突然変異を特性化することができる。各突然変異アレーは
、一方が野生型遺伝子に相補的でありそしてもう一方が突然変異体遺伝子に相補
的である平行プローブ組からなる。
【0196】 さらに別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子を直接シークエンスし
、サンプルhVR-1、hVR-2及びrVR-2の配列を対応する野生型(コントロール)配
列と比較することにより突然変異を検出するために当該技術分野において既知の
様々なシークエンシング反応のいずれかを用いることができる。シークエンシン
グ反応の例には、Maxam及びGilbert((1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:560
)またはSanger((1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463)により開発された
技術に基づくものが包含される。診断アッセイ((1995) Biotechniques 19:448
)を実施する場合、質量分析によるシークエンシング(例えば、PCT国際公開第W
O 94/16101号; Cohen et al.(1996) Adv. Chromatogr. 36:127-162;及びGriffin
et al.(1993) Appl. Biochem. Biotechnol. 38: 147-159を参照)を包含する様
々な自動シークエンシング法のいずれかを利用できることもまた予想される。
【0197】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の突然変異を検出する他の方法には、切断剤
からの保護を用いてRNA/RNAまたはRNA/DNAヘテロ二重鎖中のミスマッチ塩基を検
出する方法(Myers et al.(1985) Science 230:1242)が包含される。一般に、「ミ
スマッチ切断」の当該技術分野の技術は、野生型hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列を含
有する(標識した)RNAまたはDNAを組織サンプルから得られた潜在的突然変異体
RNAまたはDNAとハイブリダイズさせることにより形成されるヘテロ二重鎖を与え
ることにより開始する。コントロールとサンプル鎖間の塩基対ミスマッチのため
に存在するような二重鎖の一本鎖領域を切断する薬剤で二本鎖の二重鎖を処理す
る。ミスマッチ領域を酵素的に消化するために、例えば、RNA/DNA二重鎖をRNア
ーゼで処理することができ、そしてDNA/DNAハイブリッドをS1ヌクレアーゼで処
理することができる。別の態様として、ミスマッチ領域を消化するために、DNA/
DNAまたはRNA/DNA二重鎖をヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムで、そし
てピペリジンで処理することができる。ミスマッチ領域の消化後に、得られた材
料を次に変性ポリアクリルアミドゲル上で大きさにより分離して突然変異の部位
を決定する。例えば、Cotton et al.(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:43
97; Saleeba et al. (1992) Methods Enzymol. 217:286-295を参照。ある態様と
して、コントロールDNAまたはRNAを検出のために標識することができる。
【0198】 さらに別の態様として、ミスマッチ切断反応は、細胞のサンプルから得られた
hVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNA中の点突然変異の検出及びマッピングのための特定
の系において二本鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1つまたはそれ以上の
タンパク質(いわゆる、「DNAミスマッチ修復」酵素)を用いる。例えば、エシ
ェリキア・コリのmutY酵素はG/AミスマッチでAを切断し、そしてHeLa細胞から
のチミジンDNAグリコシラーゼはG/TミスマッチでTを切断する(Hsu et al.(199
4) Carcinogenesis 15:1657-1662)。典型的態様により、hVR-1、hVR-2及びrVR-
2配列、例えば野生型hVR-1、hVR-2及びrVR-2配列に基づくプローブを試験細胞(
1個またはそれ以上)からのcDNAまたは他のDNA産物にハイブリダイズさせる。
この二重鎖をDNAミスマッチ修復酵素で処理し、そしてもしあれば、切断生成物
を電気泳動プロトコル等から検出することができる。例えば米国特許第5,459,03
9号を参照。
【0199】 別の態様として、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子中の突然変異を同定するため
に電気泳動移動度の変化を用いる。例えば、突然変異体と野生型核酸間の電気泳
動移動度の違いを検出するために一本鎖構造多型(SSCP)を用いることができる
(Orita et al.(1989) Proc Natl. Acad. Sci USA:86:2766、 Cotton (1993) Mut
at. Res. 285:125-144;及びHayashi (1992) Genet. Anal. Tech. Appl. 9:73-79
も参照)。サンプル及びコントロールhVR-1、hVR-2及びrVR-2核酸の一本鎖DNAフ
ラグメントを変性させ、再生させる。一本鎖核酸の二次構造は配列により変わり
、その結果生じる電気泳動移動度の変化により単一塩基の変化さえ検出すること
ができる。DNAフラグメントを標識するかまたは標識したプローブで検出するこ
とができる。(DNAよりむしろ)RNAを用いることによりアッセイの感度を高める
ことができ、その場合、二次構造は配列の変化にさらに感受性である。ある態様
として、該方法は、電気泳動移動度の変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子
を分離するためにヘテロ二重鎖分析を利用する(Keen et al.(1991) Trends Gen
et 7:5)。
【0200】 さらに別の態様として、変性剤の勾配を含有するポリアクリルアミドゲル中で
の突然変異体または野生型フラグメントの移動を変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)
を用いてアッセイする(Myers et al.(1985) Nature 313:495)。DGGEを分析の
方法として用いる場合、例えば、PCRにより約40bpの高融解のGCに富んだDNAのGC
クランプを付加することにより、DNAを修飾してそれが完全には変性しないこと
を保証する。さらなる態様として、コントロール及びサンプルDNAの移動度の違
いを同定するために変性勾配の代わりに温度勾配を用いる(Rosenbaum及びReiss
ner (1987) Biophys Chem 265:12753)。
【0201】 点突然変異を検出するための他の技術の例には、選択的オリゴヌクレオチドハ
イブリダイゼーション、選択的増幅または選択的プライマー伸長が包含されるが
、これらに制限されるものではない。例えば、既知の突然変異が中央に置かれる
オリゴヌクレオチドプライマーを調製し、次に完全な一致がある場合にのみハイ
ブリダイゼーションが可能な条件下で標的DNAにハイブリダイズさせることがで
きる(Saiki et al.(1986) Nature 324:163); Saiki et al.(1989) Proc. Natl
Acad. Sci USA 86:6230)。そのような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを
ハイブリダイズする膜に結合させ、そして標識した標的DNAとハイブリダイズさ
せる場合、PCR増幅した標的DNAまたは多数の異なる突然変異にそれらのオリゴヌ
クレオチドをハイブリダイズさせる。
【0202】 あるいはまた、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術を本発明
と共に用いることができる。特異的増幅のためのプライマーとして用いるオリゴ
ヌクレオチドは、(増幅がディファレンシャルハイブリダイゼーションによるよ
うに)分子の中央に(Gibbs et al.(1989) Nucleic Acids Res.17:2437-2448)
または適当な条件下でミスマッチがポリメラーゼ伸長を妨げるかもしくは減らす
ことができる一方のプライマーの最も3’末端に(Prossner (1993) Tibtech 11
:238)目的の突然変異を保有することができる。さらに、切断に基づく検出をも
たらすために突然変異の領域中に新規な制限部位を導入することが望ましい可能
性がある(Gasparini et al.(1992) Mol. Cell Probes 6:1)。ある態様として
、増幅のためにTaqリガーゼを用いて増幅を実施することもできると予想される
(Barany (1991) Proc. Natl. Acad. Sci USA 88:189)。そのような場合、5’
配列の3’末端で完全な対合がある場合にのみ連結が起こり、増幅の有無を調べ
ることにより特定の部位での既知の突然変異の存在を検出することができる。
【0203】 本明細書に記述する方法は、例えば、本明細書に記述する少なくとも1つのプ
ローブ核酸または抗体試薬を含んでなる予め包装された診断キットを利用するこ
とにより実施することができ、これを例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子を伴
う疾病または疾患の症状または家族歴を示す患者を診断するために臨床環境にお
いて都合よく用いることができる。
【0204】 さらに、hVR-1、hVR-2及びrVR-2が発現されるあらゆる細胞タイプまたは組織
を本発明に記述する予後アッセイにおいて利用することができる。
【0205】 3.臨床試験中の効果のモニタリング hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の発現または活性に対する作用因子(例え
ば薬物)の影響のモニタリングは、基礎的な薬物スクリーニングにおいてだけで
なく、臨床試験においても適用することができる。例えば、hVR-1、hVR-2及びrV
R-2遺伝子発現、タンパク質レベルを増やすかまたはhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性
をアップレギュレーションする本明細書に記述するようなスクリーニングアッセ
イにより決定された作用因子の効果は、減少したhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子
発現、タンパク質レベルまたはダウンレギュレーションされたhVR-1、hVR-2及び
rVR-2活性を示す被験体の臨床試験においてモニターすることができる。あるい
はまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子発現、タンパク質レベルを減らすかまた
はhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性をダウンレギュレーションするスクリーニングア
ッセイにより決定された作用因子の効果は、増加したhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺
伝子発現、タンパク質レベルまたはアップレギュレーションされたhVR-1、hVR-2
及びrVR-2活性を示す被験体の臨床試験においてモニターすることができる。そ
のような臨床試験において、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子並びに好ましくは例
えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2関連疾患に関与している他の遺伝子の発現または活
性を特定の細胞の表現型の「表示」またはマーカーとして用いることができる。
【0206】 例えば、限定としてではなく、(例えば、本明細書に記述するようなスクリー
ニングアッセイにおいて同定される)hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する作
用因子(例えば、化合物、薬物または小分子)での処置により細胞において調節
される、hVR-1、hVR-2及びrVR-2を包含する遺伝子を同定することができる。従
って、例えば臨床試験において、hVR-1、hVR-2及びrVR-2関連疾患(例えば痛み
疾患)に対する作用因子の効果を調べるために、細胞を単離し、RNAを調製し、
そしてhVR-1、hVR-2及びrVR-2並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2関連疾患に関与する
他の遺伝子の発現のレベルに関してそれぞれ分析することができる。遺伝子発現
のレベル(すなわち、遺伝子発現パターン)は、本明細書に記述するように、ノ
ーザンブロット分析もしくはRT-PCRにより、あるいはまた本明細書に記述するよ
うな方法のいずれかで、生産されるタンパク質の量を測定することにより、また
はhVR-1、hVR-2及びrVR-2もしくは他の遺伝子の活性のレベルを測定することに
より定量することがでできる。このように、遺伝子発現バターンは、作用因子に
対する細胞の生理学的応答を示すマーカーとして用いることができる。従って、
この応答状態は、作用因子での個体の処置の前及び間の様々な時点で決定するこ
とができる。
【0207】 ある態様として、本発明は、(i)作用因子の投与前に被験体から投与前サン
プルを得;(ii)投与前サンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、mRNA
またはゲノムDNAの発現のレベルを検出し;(iii)被験体から1個またはそれ以
上の投与後サンプルを得;(iv)投与後サンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タ
ンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの発現または活性のレベルを検出し;(v)投
与前サンプル中のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの発
現または活性のレベルを投与後のサンプルまたは複数のサンプル中のhVR-1、hVR
-2及びrVR-2タンパク質、mRNAまたはゲノムDNAと比較し;そして(vi)相応して
被験体への作用因子の投与を変える工程を含む、作用因子(例えば、アゴニスト
、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子また
は本明細書に記述するスクリーニングアッセイにより同定される他の薬物候補)
での被験体の処置の効果をモニタリングする方法を提供する。例えば、作用因子
の増加した投与は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2の発現または活性を検出されたもの
より高いレベルまで上げるため、すなわち、作用因子の効果を上げるために望ま
しい可能性がある。あるいはまた、作用因子の減少した投与は、hVR-1、hVR-2及
びrVR-2の発現または活性を検出されたものより低いレベルまで下げるため、す
なわち、作用因子の効果を下げるために望ましい可能性がある。そのような態様
により、hVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または活性は、識別可能な表現型応答の非
存在下でさえ、作用因子の有効性の指標として用いることができる。
【0208】 C.処置の方法: 本発明は、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または活性と関連する疾患の危
険にさらされている(もしくはそれにかかりやすい)かまたは疾患にかかってい
る被験体を処置する予防的及び治療的方法の両方を提供する。処置の予防的及び
治療的方法の両方に関して、そのような処置は、薬理ゲノム学の分野から得られ
る知識に基づいて、特別にあつらえるかまたは改変することができる。本明細書
において用いる場合、「薬理ゲノム学」は、臨床開発における及び市場での薬物
への遺伝子シークエンシング、統計遺伝学及び遺伝子発現分析のようなゲノム学
技術の適用をさす。より詳細には、該用語は、患者の遺伝子がある薬物に対する
彼または彼女の応答をどのように決定するか(例えば、患者の「薬物応答表現型
」または「薬物応答遺伝子型」)の研究をさす。従って、本発明の別の態様は、
個体の薬物応答遺伝子型に従って本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子またはhVR
-1、hVR-2及びrVR-2モジュレーターのいずれかでのその個体の予防的または治療
的処置をあつらえる方法を提供する。薬理ゲノム学により、臨床家または医師は
、処置から最も利益を得るであろう患者に予防的または治療的処置を向け、そし
て薬物に関係する有毒な副作用を経験するであろう患者の処置を回避することが
できる。 1.予防的方法 一つの態様として、本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2またはhVR-1、hVR-2及
びrVR-2発現もしくは少なくとも一つのhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を調節する作
用因子を被験体に投与することにより、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現また
は活性と関連する疾病または症状を該被験体において予防する方法を提供する。
異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または活性により引き起こされるかまたはそ
れに起因する疾病の危険にさらされている被験体は、例えば、本明細書に記述す
るような診断または予後アッセイのいずれかまたは組み合わせにより同定するこ
とができる。予防的作用因子の投与は、疾病または疾患を予防するか、あるいは
またその進行を遅らせるように、hVR-1、hVR-2及びrVR-2異常性を特徴とする症
状の発現前であることができる。hVR-1、hVR-2及びrVR-2異常性のタイプにより
、例えば、hVR-1、hVR-2及びrVR-2、hVR-1、hVR-2及びrVR-2アゴニストまたはhV
R-1、hVR-2及びrVR-2アンタゴニスト作用因子を被験体を処置するために用いる
ことができる。適当な作用因子は、本明細書に記述するスクリーニングアッセイ
に基づいて決定することができる。 2.治療的方法 本発明の別の態様は、治療目的のためにhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または活
性を調節する方法に関する。従って、典型的態様として、本発明の調節方法は、
hVR-1、hVR-2及びrVR-2または細胞と関連するhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
活性の1つまたはそれ以上の活性を調節する作用因子と細胞を接触させることを
含む。hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質活性を調節する作用因子は、核酸もし
くはタンパク質、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の天然に存在する標的分子
(例えばhVR-1、hVR-2及びrVR-2基質)、hVR-1、hVR-2及びrVR-2抗体、hVR-1、h
VR-2及びrVR-2アゴニストもしくはアンタゴニスト、hVR-1、hVR-2及びrVR-2アゴ
ニストもしくはアンタゴニストのペプチド模倣物または他の小分子のような、本
明細書に記述するような作用因子であることができる。一つの態様として、作用
因子は1つまたはそれ以上のhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性を刺激する。そのよう
な刺激因子の例には、活性のあるhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質並びに細胞
中に導入されているhVR-1、hVR-2及びrVR-2をコードする核酸分子が包含される
。別の態様として、作用因子は1つまたはそれ以上のhVR-1、hVR-2及びrVR-2活
性を阻害する。そのような阻害因子の例には、アンチセンスhVR-1、hVR-2及びrV
R-2核酸分子、抗-hVR-1、hVR-2及びrVR-2抗体並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2イン
ヒビターが包含される。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、作用因子
と共に細胞を培養することにより)、あるいはまたインビボで(例えば、作用因
子を被験体に投与することにより)実施することができる。そのようなものとし
て、本発明は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または核酸分子の異常な発現
または活性を特徴とする疾病または疾患に悩まされている個体を処置する方法を
提供する。一つの態様として、該方法は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2発現または活
性を調節する(例えば、アップレギュレーションするまたはダウンレギュレーシ
ョンする)作用因子(例えば、本明細書に記述するスクリーニングアッセイによ
り同定される作用因子)または作用因子の組み合わせを投与することを含む。別
の態様として、該方法は、減少したまたは異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2発現ま
たは活性を補うための治療としてhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質または核酸
分子を投与することを含む。
【0209】 hVR-1、hVR-2及びrVR-2が異常にダウンレギュレーションされ、そして/また
は増加したhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性が有益な効果を有すると思われる状況で
は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性の刺激が望ましい。例えば、hVR-1、hVR-2及びr
VR-2がダウンレギュレーションされ、そして/または増加したhVR-1、hVR-2及び
rVR-2活性が有益な効果を有すると思われる状況では、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活
性の刺激が望ましい。同様に、hVR-1、hVR-2及びrVR-2が異常にアップレギュレ
ーションされ、そして/または減少したhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性が有益な効
果を有すると思われる状況では、hVR-1、hVR-2及びrVR-2活性の阻害が望ましい
【0210】 3.薬理ゲノム学 本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子並びに本明細書に記述するスクリーニン
グアッセイにより同定されるようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性(例えばhVR-1、
hVR-2及びrVR-2遺伝子発現)に対する刺激または阻害作用を有する作用因子また
はモジュレーターは、異常なhVR-1、hVR-2及びrVR-2活性と関連するhVR-1、hVR-
2及びrVR-2関連疾患(例えば痛み疾患)を(予防的にまたは治療的に)処置する
ために個体に投与することができる。そのような処置と共に、薬理ゲノム学(す
なわち、個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその個体の応答間の関
係の研究)を考慮することができる。治療薬の代謝の違いは、薬理学的に有効な
薬物の用量と血液濃度の関係を変えることにより激しい毒性または治療の失敗を
もたらす可能性がある。従って、医師または臨床家は、hVR-1、hVR-2及びrVR-2
分子またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュレーターを投与するかどうかを決定す
ること並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュレ
ーターでの処置の投薬量及び/または治療計画をあつらえることにおいて関連す
る薬理ゲノム学研究で得られた知識を適用することを考慮することができる。
【0211】 薬理ゲノム学は、患者における変わってしまった薬物素因及び異常な作用によ
る薬物に対する応答の臨床的に有意な遺伝的変動を扱う。例えば、Eichelbaum,
M. et al.(1996)Clin. Exp. Pharmacol. Physiol., 23(10-11):983-985及びLind
er, M. W. et al.(1997)Clin. Chem., 43(2):254-266を参照。一般に、2つのタ
イプの薬理遺伝学症状を区別することができる。薬物が体に対して作用する様式
を変える1個の単一因子として伝達される遺伝的症状(変わってしまった薬物作
用)または体が薬物に対して作用する様式を変える複数の単一因子として伝達さ
れる遺伝的症状(変わってしまった薬物代謝)。これらの薬理遺伝学症状は、稀
な遺伝子欠損または天然に存在する多型のいずれかとして起こる可能性がある。
例えば、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症(G6PD)は、主な臨床的合併症
が酸化剤薬物(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛剤、ニトロフラン)の摂取
及びソラマメの消費後の溶血である一般的な遺伝性酵素欠損症である。
【0212】 「ゲノムの範囲にわたる関連(genome-wide association)」として知られてい
る、薬物応答を予測する遺伝子を同定するための1つの薬理ゲノム学方法は、主
として、すでに既知の遺伝子関連マーカーからなるヒトゲノムの高解像度地図(
例えば、ヒトゲノム上の60,000〜100,000の多型または可変部位から成る「二対
立遺伝子」遺伝子マーカー地図、これらの各々は2個の変異体を有する)による
。そのような高解像度遺伝子地図を第II/III相薬物試験に参加している統計学的
に有意な数の患者の各々のゲノムの地図と比較して特定の認められる薬物応答ま
たは副作用と関連するマーカーを同定することができる。あるいはまた、そのよ
うな高解像度地図をヒトゲノム中の約1,000万の既知の単一ヌクレオチド多型(S
NP)の組み合わせから作製することができる。本明細書において用いる場合、「
SNP」は一続きのDNA中の単一ヌクレオチド塩基に存在する一般的な変化である。
例えば、SNPは、1000塩基のDNA毎に1回存在する可能性がある。SNPは疾病プロ
セスに関与する可能性があるが、しかしながら、大多数は疾病に関連していない
可能性がある。そのようなSNPの存在に基づく遺伝子地図を考えれば、個体をそ
れらの個々のゲノム中のSNPの特定のパターンにより遺伝子カテゴリーに分類す
ることができる。そのようにして、そのような遺伝的に類似した個体間で共通の
可能性がある形質を考慮に入れて、遺伝的に類似した個体の群に対して治療計画
をあつらえることができる。
【0213】 あるいはまた、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために「候補遺伝子法」
と呼ばれる方法を利用することができる。この方法では、薬物標的をコードする
遺伝子が既知である場合(例えば、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質
)、その遺伝子の全ての一般的変異体を集団においてかなり容易に同定すること
ができ、そして遺伝子のあるバージョンを別のものに対して有することが特定の
薬物応答と関連するかどうかを決定することができる。
【0214】 例示的態様として、薬物代謝酵素の活性は薬物作用の強さ及び期間の両方の主
要な決定要素である。薬物代謝酵素(例えば、N-アセチルトランスフェラーゼ2
(NAT2)並びにチトクロームP450酵素 CYP2D6及びCYP2C19)の遺伝子多型の発見
により、標準的で安全な用量の薬物を服用した後に患者が予想される薬物効果を
得ないかまたは過大な薬物応答及び激しい毒性を示すことがある理由に関して説
明が与えられている。これらの多型は集団において2つの表現型、多量代謝体(e
xtensive metabolizer)(EM)及び少量代謝体(poor metabolizer)(PM)で発現され
る。PMの罹患率は別個の集団間で異なる。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は
非常に多型であり、いくつかの突然変異がPMにおいて同定されており、それらは
全て機能性CYP2D6の欠如をもたらす。CYP2D6及びCYP2C19の少量代謝体は、標準
的な用量を与えられた場合に過大な薬物応答及び副作用を極めて頻繁に経験する
。代謝産物が有効な治療成分である場合、PMは、そのCYP2D6で形成される代謝産
物モルヒネによりもたらされるコデインの鎮痛効果に関して示されるように、い
かなる治療応答も示さない。他の極端な状態は、標準的な用量に反応しないいわ
ゆる超迅速代謝体である。最近、超迅速代謝の分子的根拠はCYP2D6遺伝子増幅の
ためであると同定されている。
【0215】 あるいはまた、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために「遺伝子発現概略
提示(profiling)」と呼ばれる方法を利用することができる。例えば、薬物(例
えば、本発明のhVR-1、hVR-2及びrVR-2分子またはhVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュ
レーター)を投与した動物の遺伝子発現は、毒性に関係する遺伝子経路が作動し
ているかどうかの指標を与えることができる。
【0216】 上記の薬理ゲノム学的方法の1つより多くから生じた情報は、個体の予防的ま
たは治療的処置のために適当な投薬量及び処置計画を決定するために用いること
ができる。この知識は、投薬または薬物選択に適用する場合、不都合な反応また
は治療の失敗を回避することができ、従って、hVR-1、hVR-2及びrVR-2分子また
は本明細書に記述する典型的スクリーニングアッセイのいずれかにより同定され
るモジュレーターのようなhVR-1、hVR-2及びrVR-2モジュレーターで被験者を処
置する場合に治療的または予防的効率を高めることができる。
【0217】 本発明は以下の実施例によりさらに例示され、それらは限定すると解釈される
べきではない。本願の全体にわたって引用される全ての参考文献、特許及び公開
特許出願の内容並びに図面及び配列表は、引用することにより本明細書に組み込
まれる。
【0218】 実施例 実施例1:hVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNAの同定及び特性化 本実施例において、hVR-1(クローンFchrb87a6)、hVR-2(クローンflh21e11
)、hVR-2別形態(クローンfrhob12c4)及びrVR-2(クローンflrxb147g11)をコ
ードする遺伝子の同定及び特性化を記述する。hVR-1、hVR-2及びrVR-2 cDNAの単離 本発明は、少なくとも一つには、本明細書においてそれぞれhVR-1、hVR-2及び
rVR-2と呼ばれる、カプサイシン/バニロイド受容体ファミリーの新規メンバー
をコードする2個のヒト遺伝子及び1個のラット遺伝子の発見に基づく。これら
のクローンは、既知のラットVR-1(受託番号AF029310)に対する配列相同性に基
づいて、ヒト心臓ライブラリー及びラット脊髄神経節(DRG)ライブラリーから
同定された。2個のヒトクローン及びラットクローンの配列を決定し、オープン
リーディングフレームを含有することが分かった。
【0219】 全長hVR-1 cDNAのヌクレオチド配列及びhVR-1ポリペプチドの予測されるアミ
ノ酸配列を図1並びに配列番号:1及び2にそれぞれ示す。
【0220】 全長hVR-2 cDNAのヌクレオチド配列及びhVR-2ポリペプチドの予測されるアミ
ノ酸配列を図2並びに配列番号:4及び5にそれぞれ示す。
【0221】 部分hVR-2(別形態)cDNAのヌクレオチド配列及びhVR-2(別形態)ポリペプチ
ドの予測されるアミノ酸配列を図3並びに配列番号:7及び8にそれぞれ示す。
【0222】 予測される全長ヒトVR-2タンパク質(別形態)のアミノ酸配列を図16及び配列
番号:20に示す。
【0223】 部分rVR-2 cDNAのヌクレオチド配列及びrVR-2ポリペプチドの予測されるアミ
ノ酸配列を図4並びに配列番号:10及び11にそれぞれ示す。hVR-1、hVR-2及びrVR-2分子の分析 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(Blosum 62マトリックス)並
びに12のギャップ加重及び4の長さ加重を用いてhVR-1タンパク質(配列番号:2)
をヒトVR-2タンパク質(配列番号:5)と整列させた。結果は、これら2つの配列
間で46.348%の同一性及び55.378%の類似性を示した(図5参照)。
【0224】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(nwsgapdnaマトリックス)並
びに50のギャップ加重及び3の長さ加重を用いてhVR-1ヌクレオチド配列(配列番
号:1)をヒトVR-2ヌクレオチド配列(配列番号:4)と整列させた。結果は、これ
ら2つの配列間で55.316%の同一性及び55.316%の類似性を示した(図6参照)
【0225】 CLUSTAL W(1.74)複数配列整列プログラムを用いて(図7)、そしてGCGソフト
ウェアパッケージ中のGAPプログラム(Blosum 62マトリックス)並びに12のギャ
ップ加重及び4の長さ加重を用いてhVR-2タンパク質(配列番号:5)をラットVR-2
タンパク質(配列番号:11)と整列させた。結果は、これら2つの配列間で79.16
7%の同一性及び81.703%の類似性を示した(図8参照)。
【0226】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(nwsgapdnaマトリックス)並
びに50のギャップ加重及び3の長さ加重を用いてhVR-1ヌクレオチド配列(配列番
号:1)をラットVR-1ヌクレオチド配列(受託番号:AF029310)と整列させた。結
果は、これら2つの配列間で82.125%の同一性及び82.125%の類似性を示した(
図9参照)。
【0227】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(Blosum 62マトリックス)並
びに12のギャップ加重及び4の長さ加重を用いてhVR-1タンパク質(配列番号:2)
をラットVR-1タンパク質(受託番号:AF029310)と整列させた。結果は、これら
2つの配列間で86.022%の同一性及び89.247%の類似性を示した(図10参照)。
【0228】 CLUSTAL W(1.74)複数配列整列プログラムを用いてhVR-2タンパク質(配列番号
:5)をヒトVR-2タンパク質(別形態)(配列番号:8)と整列させた(図11)。
【0229】 最後に、CLUSTAL W(1.74)複数配列整列プログラムを用いてhVR-2タンパク質(
配列番号:5)を予測される全長ヒトVR-2タンパク質(別形態)(配列番号:20)
と整列させた(図17)。
【0230】 HMMデータベースに対して検索を実施し、hVR-1(配列番号:2)のアミノ酸配列
において約残基201-233、248-283及び333-361で、そしてhVR-2(配列番号:5)の
アミノ酸配列において約残基162-194、208-243及び293-328で3個のアンキリンリ
ピートドメインの同定がもたらされた。検索の結果をそれぞれ図13及び15に記述
する。
【0231】 疎水親水プロットによりhVR-1及びhVR-2タンパク質における6個の膜貫通ドメ
インが同定された(それぞれ図12及び14を参照)。
【0232】 一連の検索により、hVR-1タンパク質は、バニロイド受容体サブタイプのProDo
m登録141801及びバニロイド受容体サブタイプのProDom登録145518にマッチする
ことが示された。
【0233】 さらに、Prositeデータベースに対して検索を実施し、配列番号:5のアミノ酸
配列中の4個のN-グリコシル化部位(約残基171-174、192-195、604-607及び749-
752で)、配列番号:5のアミノ酸配列中の3個のcGMP依存性プロテインキナーゼリ
ン酸化部位(約残基2−5、368-371及び499-502で)、配列番号:5のアミノ酸配列
中の一連のプロテインキナーゼC及びカゼインキナーゼIIリン酸化部位、配列番
号:5のアミノ酸配列中の2個のチロシンキナーゼリン酸化部位(約残基368-375
及び622-628で)並びに配列番号:5のアミノ酸配列中の2個のミリストイル化部
位(約残基169-174及び765-770で)の同定がもたらされた。hVR-1及びhVR-2 mRNAの組織分布 本実施例は、インサイチューハイブリダイゼーションにより決定した場合のhV
R-1及びhVR-2 mRNAの組織分布を記述する。
【0234】 インサイチュー分析のために、ヒト及びサルから得た脳領域及び全脳のような
組織を最初にドライアイス上で凍結させた。これらの組織の10μmの厚さの冠状
切片をDEPC処理した1Xリン酸緩衝食塩水中4%のホルムアルデヒドで10分間室温
で後固定し(postfix)、その後、DEPC 1Xリン酸緩衝食塩水中で2回、そして0.1
Mトリエタノールアミン-HCl(pH 8.0)中で1回すすいだ。0.25%無水酢酸-0.1M
トリエタノールアミン-HCl中で10分間インキュベーション後、切片をDEPC 2X SS
C(1X SSCは、0.015Mクエン酸ナトリウムを加えた0.15M NaClである)中ですす
いだ。次に、一連のエタノール洗浄により組織を脱水し、100%クロロホルム中
で5分間インキュベートし、次に、100%エタノール中で1分間、そして95%エタ
ノール中で1分間すすぎ、風乾させた。
【0235】 35Sで放射性標識した(5 X 107cpm/ml)cRNAプローブでハイブリダイゼーシ
ョンを実施した。600mM NaCl、10mM Tris(pH 7.5)、1mM EDTA、0.01%の剪断
したサケ精子DNA、0.01%酵母tRNA、0.05%酵母全RNAタイプX1、1Xデンハルト溶
液、50%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、100mMジチオトレイトール、0.1
%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び0.1%チオ硫酸ナトリウムを含有する溶液
の存在下でプローブを55℃で18時間インキュベートした。
【0236】 ハイブリダイゼーション後、スライドを2X SSCで洗浄した。次に、切片を37℃
でTNE(10mM Tris-HCl(pH 7.6)、500mM NaCl及び1mM EDTAを含有する溶液)中
で10分間、1ml当たり10μgのRNアーゼAを含むTNE中で30分間、そして最後にTNE
中で10分間順次インキュベートした。次に、スライドを室温で2X SSCですすぎ、
50℃で2X SSCで1時間洗浄し、55℃で0.2X SSCで1時間、そして60℃で0.2X SSCで
1時間洗浄した。次に、連続エタノール-0.3M酢酸ナトリウム濃縮により切片を迅
速に脱水し、その後で風乾させ、Kodak Biomax MR科学的画像形成フィルムに24
時間感光させ、続いて、NB-2写真感光乳剤中に浸し、4℃で7日間感光させ、そ
の後で現像し、対比染色した。
【0237】 このデータは、hVR-1分子がヒト脳でもサル脳でも発現されないことを示す。h
VR-1分子は、結節性、三叉神経感覚ニューロンにおいて発現されるが、交感神経
ニューロンでは発現されない。結節性感覚ニューロン及び三叉神経感覚ニューロ
ン内で、発現は異なる亜集団において見られた。さらに、hVR-1は、全てではな
いがいくつかの小型脊髄神経節(DRG)ニューロン及び少数の中型DRGニューロン
において発現される。hVR-1分子は、侵害受容ニューロンに存在する神経ペプチ
ドCGRP及びサブスタンスPとある程度共に発現される。
【0238】 このデータはさらに、VR-2分子がヒト及びサルの両方の脳において、主に皮質
ニューロンにおいて発現されることを示す。VR2分子はまた、他の脳領域、例え
ば、視床、線条、海馬、視床下部、中脳、髄質及び脳幹においても発現される。
さらに、VR-2分子は、サル心臓(心房)の副交感神経ニューロン、結節性感覚ニ
ューロン、三叉神経(TRG)感覚ニューロン、脊髄神経節感覚ニューロン、交感
神経ニューロン及び脊髄の運動ニューロンにおいて発現される。VR2分子は、TRG
及びDRGニューロンにおいて広範囲に発現され、大部分の小型及び中型ニューロ
ンにおいて、そして少数の大型ニューロンにおいても存在する。VR2は、VR-1の
ように、ある程度CGRP及びサブスタンスPと共に局在する。
【0239】 三叉神経感覚ニューロンは認められた痛み中枢であり、一方、交感神経ニュー
ロンは神経障害性の痛みに関与することが示されている。
【0240】 実施例2:細菌細胞における組換えhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の発現 本実施例では、hVR-1、hVR-2及びrVR-2をエシェリキア・コリにおいて組換え
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合ポリペプチドとして発現させ、
そしてこの融合ポリペプチドを単離し、特性化する。詳細には、hVR-1、hVR-2及
びrVR-2をGSTに融合させ、この融合ポリペプチドをエシェリキア・コリ、例えば
株PEB199において発現させる。PEB199におけるGST-hVR-1、GST-hVR-2及びGST-rV
R-2融合タンパク質の発現をIPTGで誘導する。誘導したPEB199株の粗細菌ライセ
ートから組換え融合ポリペプチドをグルタチオンビーズでのアフィニィティーク
ロマトグラフィーにより精製する。細菌ライセートから精製したポリペプチドの
ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析を用いて、得られた融合ポリペプチドの分
子量を決定する。
【0241】 実施例3:COS細胞における組換えhVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質の発現 COS細胞においてhVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子を発現させるために、Invitrog
en Corporation(San Diego、CA)からのpcDNA/Ampベクターを用いる。このベクタ
ーは、SV40複製起点、アンピシリン耐性遺伝子、エシェリキア・コリ複製起点、
CMVプロモーター及びそれに続くポリリンカー領域、並びにSV40イントロン及び
ポリアデニル化部位を含有する。全hVR-1、hVR-2及びrVR-2タンパク質をコード
するDNAフラグメント並びにフラグメントのその3’末端にインフレームに融合し
たHA標識(Wilson et al.(1984)Cell 37:767)またはFLAG標識をベクターのポリリ
ンカー領域中にクローン化し、それにより組換えタンパク質の発現をCMVプロモ
ーターの制御下に置く。
【0242】 プラスミドを構築するために、2個のプライマーを用いてPCRによりhVR-1、hVR
-2及びrVR-2DNA配列を増幅する。5’プライマーは目的の制限部位並びにそれに
続く約20ヌクレオチドの開始コドンから始まるhVR-1、hVR-2及びrVR-2コーディ
ング配列を含有し;3’末端配列は目的のもう一方の制限部位、翻訳終止コドン
、HA標識またはFLAG標識並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2コーディング配列の最後
の20ヌクレオチドに相補的な配列を含有する。PCR増幅フラグメント及びpcDNA/A
mpベクターを適当な制限酵素で消化し、CIAP酵素(New England Biolabs、Beverly
、MA)を用いてベクターを脱リン酸する。好ましくは、選択する2つの制限部位は
異なり、その結果、hVR-1、hVR-2及びrVR-2遺伝子は正しい向きに挿入される。
ライゲーション混合物をエシェリキア・コリ細胞(Stratagene Cloning Systems、
La Jolla、CAから入手できる株HB101、DH5α、SUREを用いることができる)中に形質
転換し、形質転換した培養物をアンピシリン培地プレート上で平板培養し、耐性コ
ロニーを選択する。形質転換体からプラスミドDNAを単離し、適切なフラグメン
トの存在に関して制限分析により調べる。
【0243】 続いて、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈殿法、DEAE-デキスト
ランによるトランスフェクション、リポフェクションまたは電気穿孔を用いてCO
S細胞をhVR-1、hVR-2及びrVR-2-pcDNA/AmpプラスミドDNAでトランスフェクショ
ンする。宿主細胞をトランスフェクションするための他の適当な方法は、Sambro
ok, J., Fritsh, E. F.及びManiatis, T., Molecular Cloning:A Laboratory Ma
nual. 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laborator
y Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に見い出すことができる。放射性標識
(NEN、Boston、MAから入手できる35S-メチオニンまたは35S-システインを用いる
ことができる)及びHA特異的モノクローナル抗体を用いる免疫沈降(Harlow, E.
及びLane, D., Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laborat
ory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1988)によりhVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリ
ペプチドの発現を検出する。簡潔に言えば、細胞を35S-メチオニン(または35S-
システイン)で8時間標識する。次に培養培地を集め、溶剤(RIPAバッファー、1
50mM NaCl、 1% NP-40、 0.1% SDS、 0.5% DOC、 50mM Tris、 pH 7.5)を用いて
細胞を溶解する。細胞ライセート及び培養培地の両方をHA特異的モノクローナル
抗体で沈殿させる。次に、沈殿したポリペプチドをSDS-PAGEにより分析する。
【0244】 あるいはまた、hVR-1、hVR-2及びrVR-2コーディング配列を含有するDNAを適当
な制限部位を用いてpcDNA/Ampベクターのポリリンカー中に直接クローン化する
。得られたプラスミドを上記のようにCOS細胞中にトランスフェクションし、放
射性標識並びにhVR-1、hVR-2及びrVR-2特異的モノクローナル抗体を用いる免疫
沈降によりhVR-1、hVR-2及びrVR-2ポリペプチドの発現を検出する。
【0245】 実施例4:VR-2の電気生理学的研究 電気生理学的方法を用いてヒトVR2をHEK293細胞及びアフリカツメガエル(Xen
opus)卵母細胞の両方において機能的に特性化した。(Invitrogenにより購入し
たpcDNA3.1ベクター中の)VR2をHEK293細胞(ATCC)において一過性発現させ、
全細胞パッチ-クランプ法(Bertil Hille, Ionin Channels of excitable membr
anes, 1992; Hammill et al.(1981)Pluger Arch. 391:85-100に記述されている
)を用いて細胞のトランスフェクション後48時間で記録を実施した。これらの結
果は、熱刺激(>50℃)が急速な不活性化する内側への電流(1-2nA)を誘導す
ることを示す。VR2の熱誘起電流は強い脱感作を示し、VR1インヒビターカプサゼ
ピン(capsazepin)(10μM濃度で)により可逆的に妨げることができた。ラッ
トVR1と異なり、カプサイシン(1−10μM濃度で)、レジニフェラトキシン(res
iniferatoxin)(0.1-3μM濃度で)及び低いpH(5.0-6.0)は、VR2からいかなる
電流も誘導しない。HEK293細胞ホモジネートから単離した膜におけるヒトVR1及
びVR2の両方に対する[3H]-レジニフェラトキシン(NEN)の結合研究もまた、レ
ジニフェラトキシン(0.1-10nM濃度で)がVR2に特異的に結合せず、一方、ヒトV
R1に高い親和性で結合することを示す。
【0246】 卵母細胞研究のために、アフリカツメガエルβ-グロビンの5’-及び3’-UTRを
含有する卵母細胞発現ベクター中にヒトVR2をサブクローン化した(Chiara et a
l.(1999) Biochemistry 38(20)6689-6698)。Chiara et al.(上記)に記述され
ているようにインビトロ転写を実施し、次にcRNA(10-100ng)を卵母細胞中に注
入した。標準的な2電極電圧-クランプを用いてcRNA注入後48時間で卵母細胞にお
いてVR2機能を特性化した。HEK293研究からのデータと一致して、VR2は熱刺激(
48-50℃)によってのみ活性化することができるが、バニロイド受容体アゴニス
ト、カプサイシンまたはレジニフェラトキシンにより活性化することはできない
。バニロイド受容体アンタゴニストカプサゼピン(1-10μM濃度)は、VR2の熱応
答を可逆的に妨げる。
【0247】 実施例5:抗-hVR-2抗体の作製及び免疫染色によるhVR-2タンパク質位置確認 Ed Harlow及びDavid Lane(1988)「Antibodies;A Laboratory Manal」Cold Spr
ing harbor Laboratory Pressに記述されている技術を用いて、ヒトVR2アミノ酸
配列に由来する以下の3種のペプチドに対してウサギにおいてポリクローナル抗
血清を作製した。 抗体ペプチド1: AFHCKSPHRHRMVVLE (配列番号:13) 抗体ペプチド2: RPEAPTGPNATESVQPMEGQEDEGN (配列番号:14) 抗体ペプチド3: SVLEMENGYWWCRKKQRAG (配列番号:15) 続いて、ペプチド免疫原を用いて抗血清をアフィニティー精製した。
【0248】 これらのポリクローナル抗血清をサル及びラットの両方の脊髄神経節感覚ニュ
ーロンの免疫染色に関して試験した。ペプチド1及び3は、対応するペプチドと競
合する感覚ニューロンの亜集団の特異的染色を与えた。この発現パターンは、VR
-2リボプローブを用いて認められたものと非常に類似した。 実施例6:hVR-1及びhVR-2の染色体位置確認 hVR-1遺伝子を染色体に位置付けるために、hVR-1(クローンFchrb87a6)の配
列に基づいてプライマーを設計した(PCRによりヒトコントロール細胞系DNAから
177bpの産物を、そしてコントロールハムスター細胞系DNAから複数のわずかに大
きい産物を増幅する)。これらのプライマーを用いてGenebridge 4 Radiation H
ybrid Panel(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)から二重に93 DNAを増
幅した。
【0249】 PCRマッピング研究において使用したhVR-1プライマーは:フォワード-TAGGAGAC
CCCGTTGCCACG(配列番号:16)及びリバース-GATTCACTTGGGGACAGTGACG(配列番号
:17)であり、PCR反応を以下のように実施した:95℃で10分間、続いて94℃で40
秒間、55℃で40秒間、72℃で40秒間を35サイクル、そして72℃で5分間の増幅プ
ロフィールを用いて、5μlの鋳型DNA(10ng/μl)、1.5μlの10X Perkin Elmer
PCRバッファー、1.2μlのPharmacia dNTPミックス2.5mM、1.15μlのフォワード
プライマー6.6μM、1.15μlのリバースプライマー6.6μM、5μlのGibco/BRL Pla
tinum Taq .05U/μl(ホットスタート)。PCR産物を2%アガロースゲルで泳動し
、SYBR Gold(1X TBE中1:10,000希釈)で後染色し、Molecular Dynamics 595 Fluo
rimagerで走査した。
【0250】 以下のものは、93 Genebridge 4ハイブリッドDNAのベクターデータである。こ
れらは1-93の順である。「1」は陽性の結果であり、「-」は陰性の結果であり、
「?」は不確かな結果である。
【0251】
【化1】
【0252】 RH連鎖分析をMap Manager QTb28ソフトウェアパッケージを用いて実施した。
【0253】 hVR1は、ヒト第17染色体のp腕、Whitehead Institute構成マーカー(framewor
k marker)WI-6584の18.9cR3000テロメアに、そしてWhitehead構成マーカーWI-5
436の7.7cR3000動原体に位置することがわかった。連鎖のLODスコアは、WI-6584
では14.5、そしてWI-5436では19.3であった。この領域は、細胞遺伝学位置17p12
-13に対応する。この領域はマウス第11染色体にシンテニーである。
【0254】 hVR-2遺伝子を染色体に位置付けるために、ヒトVR-2(クローンFlh21e11)の5
’ UTR配列からプライマーを設計した(PCRによりヒトコントロール細胞系DNAか
ら166bpの産物を、そしてコントロールハムスター細胞系DNAから2本のはるかに
大きい弱いバンドを増幅する)。これらのプライマーを用いてGenebridge 4 Rad
iation Hybrid Panel(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)から二重に93
DNAを増幅した。
【0255】 PCRマッピング研究において使用したhVR-2プライマーは:フォワード-TTAAGCTC
CCGTTCTCACCG(配列番号:18)及びリバース-GCTGCGGGAGGAAGTGAAGC(配列番号:1
9)であり、PCR反応を以下のように実施した:95℃で10分間、続いて94℃で40秒
間、55℃で40秒間、72℃で40秒間を35サイクル、そして72℃で5分間の増幅プロ
フィールを用いて、5μlの鋳型DNA(10ng/μl)、1.5μlの10X Perkin Elmer PC
Rバッファー、1.2μlのPharmacia dNTPミックス2.5mM、1.15μlのフォワードプ
ライマー6.6μM、1.15μlのリバースプライマー6.6μM、5μlのGibco/BRL Plati
num Taq .05U/μl(ホットスタート)。PCR産物を2%アガロースゲルで泳動し、
SYBR Gold(1X TBE中1:10,000希釈)で後染色し、Molecular Dynamics 595 Fluori
magerで走査した。
【0256】 以下のものは、93 Genebridge 4ハイブリッドDNAのベクターデータである。こ
れらは1-93の順である。「1」は陽性の結果であり、「-」は陰性の結果であり、
「?」は不確かな結果である。
【0257】
【化2】
【0258】 RH連鎖分析をMap Manager QTb28ソフトウェアパッケージを用いて実施した。
【0259】 hVR2は、ヒト第17染色体のp腕、Whitehead Institute構成マーカーD17S721の2
9.3cR3000テロメアに、そしてWhitehead構成マーカーAFMA043ZB5の23.3cR3000
原体に位置することがわかった。連鎖のLODスコアは、D17S721では11.9、そして
AFMA043ZB5では13.6であった。この領域は、細胞遺伝学位置17p11-12に対応する
。この領域はマウス第11染色体にシンテニーである。同等物 当業者は、本明細書に記述する本発明の特定の態様の多数の同等物を認識する
かまたは慣例の実験のみを用いて確かめることができる。そのような同等物は、
以下の請求項により包含されるものとする。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトVR-1(hVR-1)の全長cDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌク
レオチド配列は、配列番号:1の核酸1〜3909に対応する。アミノ酸配列は、配列
番号:2のアミノ酸1〜839に対応する。ヒトVR-1(hVR-1)遺伝子の5’及び3’非
翻訳領域を含まないコーディング領域を配列番号:3に示す。
【図2】 ヒトVR-2(hVR-2)の全長cDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌク
レオチド配列は、配列番号:4の核酸1〜2809に対応する。アミノ酸配列は、配列
番号:5のアミノ酸1〜764に対応する。ヒトVR-2(hVR-2)遺伝子の5’及び3’非
翻訳領域を含まないコーディング領域を配列番号:6に示す。
【図3】 ヒトVR-2(hVR-2)の別形態の部分cDNA配列及び予測される部分アミノ酸配列
を示す。ヌクレオチド配列は、配列番号:7の核酸1〜1489に対応する。アミノ酸
配列は、配列番号:8のアミノ酸1〜436に対応する。ヒトVR-2(hVR-2)遺伝子の
別形態の5’及び3’非翻訳領域を含まないコーディング領域を配列番号:9に示す
【図4】 ラットVR-2(rVR-2)の部分cDNA配列及び予測される部分アミノ酸配列を示す
。ヌクレオチド配列は、配列番号:10の核酸1〜1794に対応する。アミノ酸配列は
、配列番号:11のアミノ酸1〜554に対応する。ラットVR-2(rVR-2)遺伝子の5’
及び3’非翻訳領域を含まないコーディング領域を配列番号:12に示す。
【図5】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(Blosum 62マトリックス)並
びに12のギャップ加重及び4の長さ加重を用いたヒトVR-2タンパク質(配列番号:
5)とhVR-1タンパク質(配列番号:2)との整列を示す。
【図6】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(nwsgapdnaマトリックス)並
びに50のギャップ加重及び3の長さ加重を用いたヒトVR-2ヌクレオチド配列(配
列番号:4)とhVR-1ヌクレオチド配列(配列番号:1)との整列を示す。
【図7】 CLUSTAL W(1.74)複数配列整列プログラムを用いたラットVR-2タンパク質(
配列番号:11)とhVR-2タンパク質(配列番号:5)との整列を示す。
【図8】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(Blosum 62マトリックス)並
びに12のギャップ加重及び4の長さ加重を用いたラットVR-2タンパク質(配列番
号:11)とhVR-2タンパク質(配列番号:5)との整列を示す。
【図9】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(nwsgapdnaマトリックス)並
びに50のギャップ加重及び3の長さ加重を用いたラットVR-1ヌクレオチド配列(
受託番号:AF029310)とhVR-1ヌクレオチド配列(配列番号:1)との整列を示す。
【図10】 GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラム(Blosum 62マトリックス)並
びに12のギャップ加重及び4の長さ加重を用いたラットVR-1タンパク質(受託番
号:AF029310)とhVR-1タンパク質(配列番号:2)との整列を示す。
【図11】 CLUSTAL W(1.74)複数配列整列プログラムを用いたヒトVR-2タンパク質(別
形態)(配列番号:8)とhVR-2タンパク質(配列番号:5)との整列を示す。
【図12】 hVR-1タンパク質の構造、疎水性及び抗原性分析を示す。
【図13】 HMMデータベースに対するhVR-1タンパク質のアミノ酸配列を用いた検索の結果
を示す。
【図14】 hVR-2タンパク質の構造、疎水性及び抗原性分析を示す。
【図15】 HMMデータベースに対するhVR-2タンパク質のアミノ酸配列を用いた検索の結果
を示す。
【図16】 ヒトVR-2タンパク質(別形態)(配列番号:20)の予測される全長アミノ酸配
列を示す。
【図17】 CLUSTAL W(1.74)複数配列整列プログラムを用いた予測される全長ヒトVR-2
タンパク質(別形態)(配列番号:20)とhVR-2タンパク質(配列番号:5)との整
列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 19/00 C12N 1/15 4C084 C12N 1/15 1/19 4H045 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 M 33/53 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A (31)優先権主張番号 09/258,633 (32)優先日 平成11年2月26日(1999.2.26) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/421,134 (32)優先日 平成11年10月19日(1999.10.19) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB14 BB24 BB50 FA20 FB02 FB03 4B024 AA01 AA15 BA61 BA63 CA04 DA02 DA03 EA04 FA02 GA14 HA01 HA14 HA15 4B063 QA01 QQ08 QQ42 QQ53 QR32 QR51 QR55 QS25 QS34 4B064 AG20 AG26 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA90Y AA93Y AB01 AC14 BA02 BA03 BA05 CA24 CA44 CA46 4C084 AA17 NA14 ZA081 ZA082 ZC022 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA40 CA40 DA50 DA75 EA21 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号:1、3、4、6、7、9、10もしくは12に示され
    るヌクレオチド配列またはその相補物を含んでなる核酸分子;及び (b)配列番号:1、3、4、6、7、9、10もしくは12に示されるヌクレオチド配列
    またはその相補物からなる核酸分子 よりなる群から選択される単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 (a)配列番号:2、5、8または11に示されるアミノ酸配列を
    含んでなるポリペプチド;及び (b)配列番号:2、5、8または11に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    よりなる群から選択されるポリペプチドをコードする単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号:2、5、8または11に示されるアミノ酸配列を含んで
    なるポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体をコードする単離された核
    酸分子。
  4. 【請求項4】 (a)配列番号:1、3、4、6、7、9、10もしくは12のヌクレ
    オチド配列またはその相補物に少なくとも83%同一であるヌクレオチド配列を含
    んでなる核酸分子; (b)配列番号:1、3、4、6、7、9、10もしくは12のヌクレオチド配列またはそ
    の相補物を含んでなる核酸の少なくとも20ヌクレオチドのフラグメントを含んで
    なる核酸分子; (c)配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列に少なくとも約87%同一である
    アミノ酸配列を含んでなるポリペプチドをコードする核酸分子;及び (d)配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドのフ
    ラグメントをコードする核酸分子(ここで、該フラグメントは、配列番号:2、5
    、8または11のアミノ酸配列の少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含むも
    のである)、 よりなる群から選択される単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4のいずれか一つの核酸分子及び異
    種起源のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核
    酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3または4のいずれか一つの核酸分子を含ん
    でなるベクター。
  7. 【請求項7】 発現ベクターである請求項6のベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7の発現ベクターでトランスフェクションした宿主細
    胞。
  9. 【請求項9】 請求項8の宿主細胞を適当な培養培地中で培養し、それによ
    りポリペプチドを発現させることを含んでなるポリペプチドを発現させる方法。
  10. 【請求項10】 a)配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を含んでな
    るポリペプチドのフラグメント(ここで、該フラグメントは、配列番号:2、5、8
    または11の少なくとも15個の連続したアミノ酸を含むものである); b)配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドの天然
    に存在する対立遺伝子変異体(ここで、該ポリペプチドは、ストリンジェントな
    条件下で配列番号: 1、3、4、6、7、9、10または12からなる核酸分子にハイブリ
    ダイズする核酸分子によりコードされるものである); c)配列番号: 1、3、4、6、7、9、10または12のヌクレオチド配列を含んでなる
    核酸に少なくとも83%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子により
    コードされるポリペプチド;及び d)配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列に少なくとも87%同一であるアミ
    ノ酸配列を含んでなるポリペプチド よりなる群から選択される単離されたポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号:2、5、8または11のアミノ酸配列を含んでなる請
    求項10の単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 異種起源のアミノ酸配列をさらに含んでなる請求項10の
    ポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項10のポリペプチドに選択的に結合する抗体。
  14. 【請求項14】 a)ポリペプチドに選択的に結合する化合物とサンプルと
    を接触させること;及び b)化合物がサンプル中のポリペプチドに結合するかどうかを決定し、それによ
    りサンプル中の請求項10のポリペプチドの存在を検出すること を含んでなるサンプル中の請求項10のポリペプチドの存在を検出する方法。
  15. 【請求項15】 ポリペプチドに結合する化合物が抗体である請求項14の
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項10のポリペプチドに選択的に結合する化合物及び
    使用説明書を含んでなるキット。
  17. 【請求項17】 a)核酸分子に選択的にハイブリダイズする核酸プローブ
    またはプライマーとサンプルとを接触させること;及び b)核酸プローブまたはプライマーがサンプル中の核酸分子に結合するかどうか
    を決定し、それによりサンプル中の請求項1、2、3または4のいずれか一つの
    核酸分子の存在を検出すること を含んでなるサンプル中の請求項1、2、3または4のいずれか一つの核酸分子
    の存在を検出する方法。
  18. 【請求項18】 サンプルがmRNA分子を含んでなり、そしてサンプルを核酸
    プローブと接触させる請求項17の方法。
  19. 【請求項19】 請求項1、2、3または4のいずれか一つの核酸分子に選
    択的にハイブリダイズする化合物及び使用説明書を含んでなるキット。
  20. 【請求項20】 a)ポリペプチドまたはポリペプチドを発現する細胞を試
    験化合物と接触させること;及び b)ポリペプチドが試験化合物に結合するかどうかを決定すること を含んでなる請求項10のポリペプチドに結合する化合物を同定する方法。
  21. 【請求項21】 ポリペプチドへの試験化合物の結合が、 a)試験化合物/ポリペプチド結合の直接検出による結合の検出; b)競合結合アッセイを用いる結合の検出;及び c)hVR-1、hVR-2またはrVR-2活性に関するアッセイを用いる結合の検出 よりなる群から選択される方法により検出される請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 ポリペプチドまたはポリペプチドを発現する細胞をポリペ
    プチドの活性を調節するために十分な濃度のポリペプチドに結合する化合物と接
    触させることを含んでなる請求項10のポリペプチドの活性を調節する方法。
  23. 【請求項23】 a)請求項10のポリペプチドを試験化合物と接触させる
    こと;及びb)ポリペプチドの活性に対する試験化合物の影響を決定し、それに
    よりポリペプチドの活性を調節する化合物を同定すること を含んでなる請求項10のポリペプチドの活性を調節する化合物を同定する方法
  24. 【請求項24】 被験体の処置が起こるように被験体にhVR-1またはhVR-2モ
    ジュレーターを投与することを含んでなる異常なhVR-1またはhVR-2タンパク質活
    性または核酸発現を特徴とする疾患にかかっている被験体を処置する方法。
  25. 【請求項25】 hVR-1またはhVR-2モジュレーターが小分子である請求項2
    4の方法。
  26. 【請求項26】 疾患が痛み疾患(pain disorder)である請求項24の方法
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