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JP2002530051A - 血清フルクトース1,6−ビスホスファターゼを用いての肝細胞障害の診断方法 - Google Patents

血清フルクトース1,6−ビスホスファターゼを用いての肝細胞障害の診断方法

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JP2002530051A
JP2002530051A JP2000567736A JP2000567736A JP2002530051A JP 2002530051 A JP2002530051 A JP 2002530051A JP 2000567736 A JP2000567736 A JP 2000567736A JP 2000567736 A JP2000567736 A JP 2000567736A JP 2002530051 A JP2002530051 A JP 2002530051A
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fbpase
serum
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activity
kit
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JP2000567736A
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English (en)
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モロヴァート アリレザ
ケイ トルル アンドリュー
エー マグワイアー ジェラルド
Original Assignee
ケンブリッジ ライフ サイエンシズ パブリック リミテッド カンパニー
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Publication date
Application filed by ケンブリッジ ライフ サイエンシズ パブリック リミテッド カンパニー filed Critical ケンブリッジ ライフ サイエンシズ パブリック リミテッド カンパニー
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/34Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase
    • C12Q1/42Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving hydrolase involving phosphatase

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Abstract

(57)【要約】 この開示は、ヒト患者における肝細胞性疾患の診断方法に関し、この方法は、患者から血清試料を得て、試料をアッセイし試料中のFBPアーゼ量を測定し、これを同様の患者からの既試料中のFBPアーゼ量および/または健康体に求められるFBPアーゼ量を有する試料中のFBPアーゼ量と比較し、かつ比較に基づいて診断することを含み、かつこの方法を実施するためのキットに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、疾病の診断方法および特にヒト被験者における肝臓障害の診断方法
に関し、かつこの方法を実施するための試験キットに関する。
【0002】 背景技術 広く用いられている「肝臓機能」の通常の試験は、アスパルテート(AST)
およびアラニン(ALT)トランスアミナーゼ、アルカリホスファターゼ(AL
P)、γ−グルタミル トランスペプチダーゼ(GGT)、ビリルビン、アルブ
ミンおよび凝固因子の血清レベルの測定を含む。前記試験は、肝臓の疾病に対し
て特異的なものではなく、かつ酵素およびビリルビンの高められた血清レベル、
ならびにアルブミンおよび凝固因子の減少した濃度は、他の状況中でも生じうる
。この理由のために、試験結果パターンは、しばしは肝細胞障害、機能の損失ま
たは胆管閉塞の検出に使用される。たとえ肝臓障害の評価が難しいものであると
されていても、これは主に通常の肝臓機能試験の乏しい感度のためである。これ
は、急性肝細胞性障害、場合によっては例えばパラセタモール中毒に引き続いて
の血清トランスアミナーゼ増加の遅延によって例証される。
【0003】 従来の研究では、急性肝細胞性障害の極めて感度の高いマーカーであるグルタ
チオン S−トランスフェラーゼ(GST)が示されている。GSTは、被肝移
植者での急性同種間移植拒絶反応の検出に関して評価されている。前記患者のう
ち、同種間移植された器官の拒絶反応の危険性は、移植後2、3週目において特
に高く(Esquivel et al. 1985)、かつ早期診断は、同種間移植に対する免疫的
損傷を制限するであろう早期指標を満たすために必要不可欠である(Trull et a
l. 1994; Rees et al. 1995; Hughes et al. 1997)。GSTは、急性発作後の血清
中でのその速い増加のために、肝細胞性障害の評価において特別な価値を有する
。また、GSTは、生体内での短い半減期を有し、その結果、成功的な処置に呼
応してその血清濃度の急激な低下を生じ(Trull et al. 1994)、拒絶反応の発
作が解消されるやいなや、潜在的に有害な免疫抑制剤を退薬することができる。
しかしながら、患者の診断および管理における臨床的利点にもかかわらず、異な
るイソホーム(isoform)の存在、ならびに血清中の低い酵素活性から、GST
アッセイは免疫学的方法に基づくものであり、この場合、この方法はかなり時間
を浪費し、手間がかかり、かつ高価である。前記理由のために、GSTアッセイ
は、通常の臨床生化学において依然として適所が見出されていなかった。
【0004】 急性肝臓障害の検出での、GSTの高い感度および特異性を提供しうる酵素法
の探究において、グルコキナーゼ、グルタミンシンセターゼ、カルバモイルホス
フェートシンターゼおよびピルベートキナーゼを含む多くのシトソルおよびミト
コンドリア肝臓酵素を、予備試験において、急性肝細胞性障害を有する患者から
の血清試料を用いて分析した。前記試験では、診断的使用に適しているとみなす
ための十分な感度および血清からの著しい干渉の十分な回避が証明されなかった
【0005】 発明者によって試験されたもう一つの酵素は、フルクトース−1.6−ビスホ
スファターゼ(EC 3.1.3.11; FBPase)である。FBPアーゼは糖新生酵素であ
り、この場合、これは主に肝臓中で見出されるが、その一方でまた腎皮質、筋肉
および膵臓中でも少ないが生じる(Mizunuma & Tashima 1990; Saez et al. 199
6)。筋肉中では、その活性によって定められた酵素の濃度は、極めて低いこと
が報告されている(Mizumura & Tashima, 1986)。肝臓中の酵素の濃度および活
性の双方は、グルコースの恒常性を作用するホルモンに影響される。したがって
、インスリンは、ラット中でのFBPアーゼ遺伝子発現を減少させ(el Maghrab
i et al. 1991)、かつ培養された肝細胞中での酵素Kを増加させる(Ekdahl
& Ekman 1987)。グルカゴンは、酵素のVmaxを増加させ(Casteleijn et al
. 1986)、かつこのホルモンおよびアドレナリンの双方は、酵素K(Ekdahl &
Ekman 1987)上のインスリンの作用を排除する能力を有する。
【0006】 細胞下分別(subcellular fractionation)試験によって、細胞質中での細胞
下粒子構造と関連する肝細胞性FBPアーゼの大部分が明らかにされており、こ
の場合、これは、酵素が、古典的概念において可溶なものとしてみなされないこ
とが示唆されている(Saez et al. 1996)。
【0007】 肝臓中でわずかに静脈周囲優勢で、広範囲の分散を有するGSTとは異なり、
FBPアーゼは、主に、肝臓の門脈周囲領域に局在している(Kress & Katz 199
3; Saez et al. 1996)。静脈周囲領域および門脈周囲領域からの酵素放出パタ
ーンは、種々の型の肝臓障害で異なっていてもよい。例えば、ハロゲン化炭化水
素での低酸素症または中毒は、静脈周囲の肝性疾患を生じるのに対して、慢性活
動性肝炎またはアリルアルコール中毒の間の典型的な断片壊死は主に門脈領域に
局在する(Thurman et al. 1986)。また、急性同種間移植拒絶反応は、しばし
ば最初に門脈周囲領域において生じはじめてもよく、この場合、FBPアーゼは
より優勢である。
【0008】 肝臓障害中の血清FBPアーゼの変化に関する知識は極めて制限されている。
前記の先駆的研究において、カルドアおよびシャボーネ(Kaldor & Schiavone)
(1968)およびナースおよびゴッシュ(Nath & Gosh)(1967)は、血
清酵素活性を測定するための粗方法を使用した。数年の後に、ホン・リッヘンベ
ルグら(von Rechenberg et al.(1984b))は、試みにおいて、血清FB
Pアーゼ測定と一緒にASTおよびグルタメート デヒドロゲナーゼ測定を使用
することを提案し、慢性持続性肝炎(chronic persistent hepatitis)と慢性活
動性肝炎(chronic aggressive hepatitis)とを識別するための診断指標を導い
た。ホン・リッヘンベルグらは、指標が“健康な人々と炎症性肝臓障害を有する
患者との識別を提案しているのではなく、この課題はASTおよびALTによっ
て達成される”と強調している。ラットへの三塩化炭素の投与後の血清FBPア
ーゼ活性の増加は、モラータら(Morata et al.)(1990)によって記載さ
れており、その一方でジムネス−ジャチーヴァら(Jimenez-Jativa et al.)(
1992)は胆管結紮が血清酵素レベルを減少させることを報告している。
【0009】 発明の開示 第1に、本発明はヒト患者での肝細胞性障害の診断方法を提供し、この場合、
この方法は、患者から血清試料を得て;試料をアッセイし、試料中のFBPアー
ゼ量を測定し;試料中のFBPアーゼ量と同患者からの既試料および/または健
康体に求められるFBPアーゼ量を比較し;かつこの比較に基づいて診断を行う
ことを含む。
【0010】 本発明の方法は、慢性または急性の肝細胞性障害の診断に使用されてもよい。
本発明の方法よる診断に適しているであろう慢性肝細胞性障害を引き起こす状況
は、例えば、肝硬変、慢性活動性肝炎、閉塞性黄疸等を含む。急性肝細胞性障害
を引き起こす状況は、例えば急性ウイルス性肝炎、有害物質の摂取または投与(
特に医薬物質、例えばパラセタモールの有害な過剰投与)および肝移植の免疫拒
絶反応の発作を含む。
【0011】 当業者は、肝臓機能の通常試験および他の診断方法(例えば物理的試験)が、
臨床医によって、本発明の方法と組み合わせることで診断を達成するのに使用さ
れてもよいことを高く評価するであろう。さらに、当業者は、血清試料よりもむ
しろ患者からの血漿試料が、本発明の方法で、同等の効果で使用されてもよいこ
とを評価するであろうが、それというのも、血清は実施においてより一般的に使
用されているからである。したがって、本発明で使用される“血清”の用語は、
血漿に等しいとされる。
【0012】 試料中のFBPアーゼ量を測定するための種々の方法が使用されてもよい。例
えば、免疫学的試験(例えばELISA)はFBPアーゼ抗原量を測定するため
に使用されてもよい。しかしながら、より好ましくは生化学的方法が使用され(
すなわち、FBPアーゼの免疫学的特性よりもむしろ生化学的特性を信頼した方
法)、この場合、生化学的試験は、一般に免疫学的検定法よりも実施が迅速であ
り、かつ安価である。このような生化学的検定法は、試料中のFBPアーゼ酵素
活性量を測定することによって、FBPアーゼの量を測定することができる。
【0013】 本発明のアッセイ方法は、酵素結合型生化学的検定法(enzyme linked bioche
mical assay mothods)(すなわち、FBPアーゼの酵素特性が一連の結合反応
工程の一つとして使用される検定法)が好ましい。好ましくはアッセイ方法は、
アッセイ結果が吸光分光分析学的に読みとることができる程度のものである(例
えば、アッセイ中の反応は、着色生成物を製造し、および/または着色物質を使
い果たしてもよく、反応混合物中での色変化を生じる)。アッセイ法は、例えば
、アッセイ結果が特定の時点(通常はアッセイ反応が平衡状態に達した時点)に
おいて読みとられるエンドポインド検定法(end-point assay)である。しかし
ながら、より好ましくは、アッセイ法は、読みとりが幾つかの時点でおこなわれ
る速度論的検定法(kinetic assay)であってもよい。このような速度論的検定
法は、反応速度の測定を可能にし、かつエンドポイント検定法よりも臨床的な実
施においてより広く使用され、この場合、これはより感度が高く、かつ情報量が
多い。FBPアーゼ活性のための適した酵素結合型生化学的試験は従来技術で開
示されており(von Rechenberg et al, 1984)、かつさらに以下の例に記載され
ている。FBPアーゼ活性を測定するための他の生化学的検定法は当業者に明ら
かであろう。
【0014】 本発明の方法が、肝臓機能に関する通常の生化学的検定法(アラニン トラン
スアミナーゼ[ALT]の血清レベル、あるいはアスパルテート トランスアミ
ナーゼ[AST]活性に基づく)上で幾つかの利点を提供することが見出された
。特に、肝細胞性障害の後に、血清FBPアーゼ活性が血清ALT活性よりもよ
り急速に増加することが見出され、この場合、これは早期診断を可能にした。さ
らに、成功的な処置の後に、血清FBPアーゼレベルは血清ALTレベルよりも
急速に正常の状態に戻り、したがって、治療上の管理様式(regim)の進行は、
より接近して行われてもよい。さらに、血清FBPアーゼレベルは、血清ALT
よりも感度の高い、急性肝細胞性障害の指標であることが見出され、したがって
、増加したFBPアーゼレベルは、正常な血清ALTレベルが正常なままである
肝臓障害を有する幾らかの患者中で検出されてもよい。本発明の方法は、部分的
にFBPアーゼの生体内での短い血清半減期のおかげで、急性肝細胞性障害、例
えば肝臓移植患者の免疫拒絶反応の発作の診断および監視に特に適用可能である
【0015】 他の診断的特徴の有無は、診断を補助するであろうが、しかしながら一般には
、それぞれが前記試料と比較してFBPアーゼの増加したレベルを示す患者から
の2つまたはそれ以上の血清試料を得ることが、肝細胞性障害の指標として挙げ
られてもよい。二者択一的に、例えば患者からの早期血清試料が入手不可能であ
る場合には、FBPアーゼアッセイの結果は、健康な被験者(例えば、年齢、性
別、人種等が合致する)に求められる血清FBPアーゼ量を提供する対照例と比
較されてもよく、この場合、前記対照例の値は、一般的に肝細胞性障害の指標と
して挙げられてもよい。発明者は、ヒトの健康体の血清FBPアーゼ活性レベル
の典型的な最大値が、以下に記載された試験条件下(例えば、pH7.5等)で
、典型的には約0.6IU/L(通常、0.58〜0.65IU/Lの範囲であ
る)であるとみなしているが、それにもかかわらず、当業者は、この値を指針と
してのみ役立つものであるいうのは、臨床医が、ヒトの健康体のFBPアーゼ活
性の血清レベルの典型的最大値としてみなすレベルを自由に決定することを認識
しているからであろう。特に、異なる試験条件下での検定の実施は、異なる結果
を生じ、したがって、異なる標準範囲が使用されてもよい。本開示によって、当
業者は異なるアッセイ条件のための適切な対照値を、通常の試験によって確かめ
ることが可能であろう。
【0016】 第二に、本発明はヒト患者での肝細胞性障害の診断のための診断試験キットを
提供し、この場合、このキットは患者からの血清試料中のFBPアーゼ量を測定
するための試薬を含み、その際、この試薬は好ましくは使用説明書と一緒に容器
中に包装されている。
【0017】 キットのアッセイ試薬および/または他の成分は、液体の形(例えば溶液中)
で、周囲温度またはそれ以下(例えば凍結されたもの)で提供されていてもよい
。より有利には、アッセイ試薬および/または他の試験キット成分は、使用前に
再懸濁するための凍結乾燥固体として提供されていてもよい。このような実施態
様において、凍結乾燥固体は、蒸留水かまたは適切な緩衝液(好ましい場合には
キットの一部分として供給されてもよい)中で再懸濁されてもよい。
【0018】 キットと一緒に提供された使用説明書では、典型的には、本発明の第1の部分
による方法が記載されている。また、このキットは一つまたはそれ以上の次の成
分:ポジティブコントロールおよび/またはネガティブコントロール;対照試料
:緩衝液;および品質保持剤を含んでいてもよい。典型的な品質保持剤は公知量
のFBPアーゼを含有する血清試料(または血漿試料)を含んでいてもよい。
【0019】 さらに幾つかの実施態様において、キットはFBPアーゼの特異的阻害剤を、
患者からの試料中での非特異的なホスファターゼ活性量を測定することができる
程度に含有する。試料中の非特異的ホスファターゼ活性量は、その後に、特異的
FBPアーゼ活性の結果を提供する程度に全酵素活性から引くことができる。キ
ット中に包含されるのに適したこのような特異的FBPアーゼ阻害剤の一つは、
アデノシン一リン酸(AMP)である。
【0020】 二者択一的な試みは、血清アルカリホスファターゼによって、試料中で非特異
的ホスファテート活性を抑制する物質(例えば、キット中に包含されるのに適し
たブロモテラミゾール、BTO)を使用することである。また、本発明の方法は
、FBPアーゼ阻害剤、例えばAMP、またはアルカリホスファターゼ阻害剤、
例えばBTOの使用を含んでいてもよい。通常、試料は、相当する阻害剤の存在
下または不在下で、試料中のFBPアーゼ特異的活性のための値が提供される程
度に同時に試験されてもよい。
【0021】 一つの実施態様において、キット中のアッセイ試薬は、通常はフルクトース1
,6−ビスリン酸を公知の濃度で含んでいてもよい。さらに、通常、キットは、
“結合(liked)”アッセイを実施するために、例えば従来技術から公知の型の
付加的な試薬を含むことができる。したがって、キットは試薬として:イソメラ
ーゼ(例えば、ホスホグルコース イソメラーゼ);グルコース 6−リン酸−
脱水素化酵素(G−6−PDH)およびNADPを含んでいてもよい。このよう
な結合型の検定において、FBPアーゼ活性は間接的に測定され、この場合、こ
れはNADPH生成の速度に比例しており、有利には、340nmでの吸光度の
測定によって吸光分光分析的に測定されてもよい。しかしながら、FBPアーゼ
活性を検定するための他の多くの方法は公知であり、かつしたがって他の相当す
る試薬を含む同等のキットは当業者には明らかであろう。例えば、二者択一的な
実施態様は、以下の結合反応式:
【0022】
【外1】
【0023】 (NADHの濃度は、吸光分光分析的に340nmで測定され、かつF−1,6
−ビスP、ATP、PFK、PEP、PK、NADHおよびLDHの濃度が最適
である場合には、これはFBPアーゼ活性に直接的に比例するものである。)に
したがって、酵素ホスホフルクトキナーゼ(PFK)、ピルベートキナーゼ(P
K)、ならびにラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)の使用を含んでいてもよ
い。
【0024】 発明者によって行われた予備試験は、特異的または非特異的亜鉛キレート剤、
例えば1,10−フェナントロリンまたはEDTAの使用によって血清から亜鉛
を除去し、FBPアーゼ血清活性を増加させることを示した。したがって、本発
明による診断キットは、キットのアッセイ試薬を含有する溶媒の一部分としてか
、あるいは試験試料に添加するための別個の成分として組み込まれている亜鉛キ
レート剤を含んでいてもよい。
【0025】 さらに本発明は、実施例および以下の付随する図によって説明されるであろう
【0026】 図1は、FBPアーゼアッセイ混合物の吸光度の速度論的変化を示すグラフ図
(時間、1秒で340nmでの吸光度)である。吸光値はアッセイ試薬が全量1
50μlで、種々のFBPアーゼ活性を有する4個の血清試料それぞれ20μl
と混合させた後20分間に亘って示されている。反応はAMPの不含下で37℃
で実施された。
【0027】 図2は、血清試料の4℃での保存時間の長さ(日数)に対する酵素活性(IU
/L)のグラフ図であり、新鮮なアッセイ試薬を用いて一つのアッセイ用回分中
でアッセイされた。
【0028】 図3は、時間(日数)に対するFBPアーゼ活性のグラフ図であり、この場合
、これはアッセイ実施前8日間まで4℃でアッセイ試薬を保存することによって
、アッセイ結果が影響されないことを示している。
【0029】 図4は、試料溶血%(相当するヘモグロビン濃度(gms/L)と一緒に)に
対するFBPアーゼ活性の実測値/予測値の割合(%)のグラフ図であり、溶血
の存在がFBPアーゼレベルの過大評価をまねくことが明かにされた。
【0030】 図5は、異なる患者群に関する血清FBPアーゼレベル(IU/L)の散布グ
ラフ図を示し、この場合、正常FBPアーゼレベルの上限は、水平な波線によっ
て示されている。
【0031】 図6は、被肝移植者の相当する血清酵素レベルの顕著な増加が示された場合の
、急性移植拒絶反応の発作の処置日(day0)に対する日数を示すチャート図
である。横線は95%の信頼レベルを示している。パネルA(低いパネル)に示
された結果は、GSTが測定された前記試料に関し、その一方でパネルBの結果
は試験されたすべての患者すべてにから導かれた。
【0032】 図7は、急性同種間移植拒絶反応の発作が起こる典型的な患者中の種々な酵素
の時間(日数)に対しての血清レベル(正常範囲の上限“ULN”の倍数(mult
iple)として表された)のグラフ図である。
【0033】 図8は、入院患者中のパラセタモール過剰投与の後に、種々の酵素の時間(日
数)に対する血清レベル(正常範囲の上限“ULN”の倍数として表された)の
グラフ図である。
【0034】 例 例1:血清FBPアーゼ活性の特徴付け 1.1 血清FBPアーゼの測定 血清FBPアーゼ酵素アッセイおよびその評価のための化学製品および試薬の
すべてはシグマ ケミカル カンパニー(Sigma Chemical Company)(Poole, D
orset, England.)から購入した。血清FBPアーゼをホン・レッヘンベルグら
(von Rechenberg et al.)(1984a)の方法にしたがって酵素的に測定した。こ
れは、以下の反応による結合型速度論的酵素アッセイ技術(linked kinetic enz
yme assay technique)を使用した:
【0035】
【外2】
【0036】 基質、イソメラーゼ、G−6−PDHおよび酵素補助因子の適正濃度の存在下
で、FBPアーゼ活性は直接的にNADPH生成速度に比例し、この場合、これ
は340nm中での吸光度の増加によって測定された。血清酵素活性を37℃で
、10分間に亘って反応媒体の吸光度の変化速度を測定するためにプログラムし
た、モナーハ 自動化学分析装置(Monarch autoanalyser)(Instrumentation
Laboratories)を用いて測定した。最終的な反応混合物は、トリス 0.1mo
l/L、pH7.5(37℃)、フルクトース−1,6−ビスリン酸 0.62
5mmol/L、MgCl 10mmol/L、ホスホグルコース イソメラ
ーゼ 5000IU/L、NADP−Na 0.4mmol/L、グルコース−
6−リン酸脱水素化酵素 500IU/L、2−メルカプトエタノール 5.5
mmol/Lおよび30%Brij35 200μl/Lを含んでいた。
【0037】 測定は、アデノシン−5−一リン酸(AMP)の存在下および不在下で実施さ
れ、この場合、これは反応媒体中に最終濃度1.25mmol/L(pH7.5
に調整した)でのFBPアーゼの特異的なアロステリック阻害剤である。AMP
の使用は、非特異的ホスファターゼ活性の定量を可能にし、この場合、この値は
その後に全活性から引かれ、試料のFBPアーゼ活性を得た。モナーハ装置は全
量 150μL中で、試薬 75μL(基質およびAMPを除く)、基質 20
μL(AMPを含むかまたは含まないもの)および血清 20μLを混合させる
ことがプログラムされた。
【0038】 1.2 FBPアーゼアッセイの速度論 前記FBPアーゼアッセイプロトコールの使用によって、肝臓障害を有する多
くの患者からの血清試料を、それぞれの反応が開始された後に340nmで、2
0分間に亘って60秒間隔での吸光度の変化を評価するために使用した。FBP
アーゼ活性による吸光度の変化を評価するために、AMPをアッセイ試薬から除
去した。
【0039】 図1は、試料およびアッセイ試薬(AMPを除く)を混合した後に、20分間
に亘って、4個の血清試料の時間に対する吸光度の変化を示した。前記のものお
よび種々のFBPアーゼ活性を有する他の幾つかの試料から得られた同様の結果
は、酵素測定速度論中の誘導期を示していた。時間に対する吸光度の変化速度は
、最初の10分間の終わり頃に向かってより直線的になることが表された。第1
図に存在するデータの回帰分析は、最初の10分間後の吸光度の変化速度に関す
る標準的なエラーが、高い活性を有する試料に関しては0.15%、かつ他の3
個の試料に関してはそれぞれ0.06%であったことを示している。
【0040】 しかしながら、さらに前記データによれば、最初の10分の後に、時間に対す
る吸光度の変化速度の極めて少ない増加がみられた。したがって、5分間毎の吸
光度の変化速度が、血清FBPアーゼ活性を算定するために使用された場合には
、反応開始後10分から15分までの間(15.41±5.68;平均±S.E
.M.)で測定された活性と、15分から20分までの間(16.29±5.8
4;平均±S.E.M.)に測定された活性との間に顕著な相違が見出された(
n=15;P=0.0026)。
【0041】 これは、本発明中で使用された、10〜20分よりも遅い時間窓(time windo
w)での吸光度の読みとりが、FBPアーゼ酵素活性をより正確に測定すること
を指摘している。しかしながら、遅い時間窓に亘って得られた測定された酵素活
性の、精度における改善は極めて少ないことが記載され、かつこのような時間窓
は、高いFBPアーゼ活性を有する試料中での基質の消費によって、アッセイの
使用範囲が減少され、この場合、反応開始後10〜20分の吸光度の読みとりは
、試料中のFBPアーゼ活性の測定のための許容可能な歩み寄りであってもよい
。使用された条件下でこの時間窓を使用することによって、吸光度変化速度の直
線化は、100IU/Lまでの血清FBPアーゼ活性で保持されるが、しかしな
がら、感知しうる制限の範囲内での窓の選択は、重要ではない。
【0042】 1.3 pHの作用 測定されたFBPアーゼ活性上の水素イオン濃度の影響は、7.2〜7.8の
範囲の種々のpH値に調整された試薬の使用によって試験された。4患者からの
4個の血清試料を評価のために使用した。また、同様の試験をブロモテラミゾー
ル(BTO)の存在下で実施し、この場合、これはALPの阻害剤である。BT
Oをアッセイ媒体中で最終濃度125μmol/Lで使用した。
【0043】 要するに、発明者は、pHが7.2〜7.8単位の範囲pHを超えて増加する
につれて、FBPアーゼアッセイの測定された活性が増加することを見出した。
pHが増加するにつれて、測定された全活性および空活性(blank activity)の
双方が増加した(AMPの存在下)。
【0044】 FBPアーゼアッセイ中で最も多い非特異的ホスファターゼ活性は、血清中の
ALPによるものと考えられている(von Rechenberg et al., 1984a)。したが
って、pHの増加によって見出された、測定された活性の増加の少なくとも一部
分は、ALPの影響によるものであってもよく、この場合、これは高い最適pH
を有する。この理由のために、ALPの特異的阻害剤であるブロモテラミゾール
(BTO;オキサレート塩)は、125μmol/Lの最終濃度で使用され、F
BPアーゼ活性上のpHの影響を再評価する。この結果は少ないが、しかしなが
ら、pH増加を伴う測定されたFBPアーゼ活性の増加上で不完全な制限作用を
有するALP阻害を示した。
【0045】 測定された非特異的活性を制限する方法として、標準化されたpH値7.5が
選択され、従来の刊行物(Jimenez-jative et al. 1992)で使用されたものと同
様に、後の試験で血清FBPアーゼ活性を測定した。しかしながら、時間窓と同
様に、使用されたpH条件は、それが感知しうる制限の範囲内である限りは重要
ではない。しかしながら、当業者は、アッセイのための異なるpH条件の選択が
、本発明中に詳細に記載されたFBPアーゼの値とは全く異なる値を生じうるこ
とを認識するであろう。
【0046】 1.4 異なる血清濃度での直線化 酵素活性の再現は、100IU/Lに近いFBPアーゼを有する3個の血清試
料を使用し、かつ試料の種々の希釈での活性を再測定することによって測定され
た。血清試料は急性肝臓障害の患者からのものであり、かつリン酸緩衝生理食塩
水(PBS)(pH7.4)中であるか、あるいは肝臓疾患の生化学的な証拠の
ない患者からの血清中で連続的に希釈された。
【0047】 PBSでの試料の希釈は、血清での希釈のものと合致する結果を生じた。一般
に、100IU/Lよりも大きい活性を有する試料は、酵素活性中で、増加量を
より正確に評価するために希釈され(血清中のFBPアーゼの標準範囲参照)、
かつ、後の試料中で時間に対する活性の変化を直接的に評価することが可能であ
る。結果は、血清中の試料がそれぞれ4倍、16倍および64倍希釈された場合
には、それぞれ予測値の平均値112.3、100.6および99.1%の回復
を示した。試料がPBS中で同様に希釈される場合には、相当する値はそれぞれ
予測値の102.6%、83.7%および97.4%である。PBS中で試料を
希釈することで、一般に試料が血清中で希釈された場合に得られる結果よりも低
い結果が得られた。それにもかかわらず、これらの値は、アッセイが極めて高い
活性を有する試料の希釈が必要とされる場合に良好に実施されることを指摘して
いる。
【0048】 1.5 生体内での血清FBPアーゼの安定性 新鮮な6個の血清試料のアリコートを−20℃で保存した。1週間に亘って、
分離された試料のアリコートを異なる日数で溶解し、かつ4℃で保存した。この
期間の終了時に、9日間までの期間に亘って4℃に保存されたすべてのアリコー
トのFBPアーゼ活性を、要事調整された試薬を用いて一つの分析回分中で測定
した。
【0049】 結果は図2に示されている。保存の最初の日において、試料の酵素活性の顕著
な変化はみられなかった。しかしながら、1週間を超えると活性の減少がみられ
、この場合、これは開始時に測定された活性の平均26%であった。FBPアー
ゼ活性(平均±S.E.M.)は6試料に関して、0日目における百分率として、第1
日目で102±3.6%、第5日目で82.0±3.4%IU/Lであり、かつ
第9日目で60.3±6.5%であった。前記値は、4℃での試料の保存の後に
、血清FBPアーゼの経時的な連続的低下を示した。
【0050】 血清中のFBPアーゼの安定性上の温度圧力の影響は、高いFBPアーゼ活性
を有する血清試料の異なるアリコートを提供し、凍結および融解サイクルの回数
を増加させ(5回まで)、かつ一つの分析回分中のアリコートの酵素活性を測定
することによって試験された。この結果は以下の第1表に示されている。表は試
料の凍結/融解の後にFBPアーゼ活性の損失がないことを明らかにした。
【0051】
【表1】
【0052】 時間に対する凍結試料の血清FBPアーゼ安定性を評価するために、種々の酵
素活性を有する4個の血清標本はアリコートされ、かつ−20℃で保存された。
4ヶ月までの期間において、それぞれの試料のアリコートは融解され、かつ調整
以来凍結されていたアッセイ試薬の同回分を用いて、2、3日間隔でアッセイさ
れた。
【0053】 最初の2ヶ月間の保存に対して、試料の測定された活性は顕著に変化しないこ
とが見出された。しかしながら、120日間に亘って保存された試料の一つにお
いて、測定された活性の劇的な減少が、最初の2ヶ月間の後に示され、したがっ
て、第82日目から第120日目の間に得られた値は、第1日目から第67日目
の間に得られた値よりも顕著に低い(平均±S.E.M.値 それぞれ1.76
±0.04および2.24±0.10;P=0.0003)。
【0054】 1.6 4℃におけるアッセイ試薬の安定性 第1日目に満たない3試料のアリコートを−20℃で保存した。分離日が1週
間を超えた時に、それぞれの血清試料のアリコートの一つを融解し、かつそのF
BPアーゼ活性を4℃に保存されている試薬を用いて測定した。結果は図3に示
されている。要するに、アッセイ試薬を4℃で8日間まで保存した場合には、変
化が検出されなかった。
【0055】 1.7 分析的干渉 多くの試験は、基質による干渉の可能性に対してFBPアーゼアッセイの感度
を試験し、この場合、この基質は、臨床的な血清試料において一様にかまたは時
々存在することが予測されうる。
【0056】 ビリルビン 肝細胞性障害を有する患者がしばしば黄疸性の血清を有することから、血清F
BPアーゼ測定上のビリルビンの効果を試験した。種々のFBPアーゼ活性を有
する血清試料は、FBPアーゼ測定に取りかかる前に、876μmol/Lまで
の濃度(かつ、0.76IU/Lに満たないFBPアーゼ活性)でビリルビンを
含有するPBS(コントロール群)または血清を加えた。
【0057】 要するに、高いビリルビン濃度の存在はアッセイによって測定されるFBPア
ーゼレベル上で影響を及ぼさない。これは高いビリルビン含量を有する血清試料
の希釈によって確認され、この場合、この希釈系は、FBPアーゼに対して一定
の値を与えるものである。
【0058】 溶血 通常使用される多くの生化学的アッセイでの溶血の干渉は公知の現象(Brady
& O′Leary 1998; Donnelly 1998)であり、したがって、FBPアーゼ上での任
意の影響が試験された。
【0059】 EDTA含有管中に採取された血液試料(独立した通常の研究として肝臓障害
の生化学的証拠がみられない糖尿病患者からの得たもの)を、赤血球の溶血血液
調製に使用した。血液試料を3000gで10分間に亘って遠心分離し、上清を
デカントし、かつ細胞をPBS中に懸濁した。その後に懸濁液を再度遠心分離し
、かつ洗浄工程を5回に亘って繰り返した。最終的な遠心分離の後に、細胞を蒸
留水中に溶解し、この場合、これは、元試料の2倍量に調整するために添加した
。その後に赤血球溶解物で17,000gで10分間に亘って遠心分離し、かつ
上清を、FBPアーゼアッセイ中の溶血の干渉の評価のために使用した。
【0060】 赤血球溶解物をPBS中で希釈し、ヘモグロビン濃度2.0〜80g/Lの溶
液を生じた。これは、おおよそ赤血球1.0〜50%の溶血に相当する。赤血球
溶解物の希釈物を、種々の酵素活性を有する血清試料に1:3の比で添加した。
FBPアーゼ活性をこれら標本中で測定し、かつPBSを用いて同様の方法で希
釈された相当する血清試料中のものと比較した。結果は図4に示されている。
【0061】 赤血球溶解物(1IU/Lを下廻る活性)中での測定可能なFBPアーゼの著
量がみられないにもかかわらず、溶血は、測定された血清FBPアーゼ活性を増
加させ、この場合、これは赤血球成分からの干渉を示した。図4に存在するデー
タは、試料中の赤血球1%の溶解物に相当する溶血度を明らかにし、血清FBP
アーゼ活性の増加は約40%であった。臨床試料における溶血量は典型的には0
.5%未満であることが強調されるべきである。
【0062】 一個または複数個の干渉物の性質を評価するために、赤血球溶解物は3回に亘
って、それぞれ4℃で4時間に亘って、100倍量のPBSに対して透析された
。酵素アッセイ上の透析された溶血血液の影響をその後に試験した。別個の試験
において、赤血球溶解物を10分間に亘って56℃の恒温槽中に配置し、かつ熱
処理された溶解物の血清FBPアーゼ上の影響を評価した。前記試験の結果は、
一個または複数個の干渉物が透析膜によって保持され、かつそれが熱変性可能で
あることを示した。これらは、干渉物がおそらくはタンパク質および酵素に類似
するものであることを示唆した。
【0063】 赤血球が、高い濃度のG6PDHおよび中程度のレベルのホスホグルコース
イソメラーゼを含有するので、双方がFBPアーゼ酵素アッセイ中で使用され、
FBPアーゼ活性の測定に使用される反応割合上でのこれら2つの酵素の過剰量
の影響を評価した。しかしながら、アッセイ中で使用されたG6PDHまたはイ
ソメラーゼの濃度は制限されることがないことが見出され、この場合、これは前
記2個の酵素とは異なる赤血球干渉物源を示唆した。
【0064】 さらに、アデニン ヌクレオチド間のリン酸部分をトランスファーさせるアデ
ニレートキナーゼ(AK;myokinase; EC 2.7.4.3)の影響を試験した。血清に
添加された外因性AKは、FBPアーゼ活性の測定された速度(データーは示さ
れていない)を増加させた。しかしながら、測定速度の増加は、試験された10
kIU/Lまでの範囲のAK濃度中では飽和されなかった。P−ジ(アデ
ノシン−5’)5リン酸(Ap5A)、AKの競合的阻害剤がアッセイ混合物中
で、1μmol/L(AK活性98%を抑制する報告がされた;Lienhard et al
. 1973)および10μMの最終濃度で使用される場合には、測定された活性上の
AK作用の大きさの減少がないことが示された。しかしながら、高い濃度でのA
p5Aは、測定されたFBPアーゼ活性上での溶血作用を減少させたが、しかし
ながら、完全な干渉の根絶はされなかった(データは示されていない)。
【0065】 赤血球細胞がペントースリン酸経路の酵素中に富んでいることから、前記経路
の特別なNADPHの源として酵素の改善の可能性が試験された。これは最終濃
度0.43mmol/Lでピリドキサル−5−リン酸を使用することによるホス
ホグルコネート デヒドロゲナーゼの阻害によって実施された。この結果は赤血
球溶解物からの干渉が阻害剤の使用によって阻害されないことを示した。
【0066】 FBPアーゼアッセイ中で、溶血介在型干渉を防ぐのは難しいことが明らかn
される一方で、実施において、これは溶血された血清試料が0.5gms/L前
後の血清ヘモグロビン濃度(Sonntag, 1986)で容易に認識されるような深刻な
困難性が存在すべきではなく、したがって固有検定の指示および実施は、溶血に
よって引き起こされるFBPアーゼ活性の過大評価に関して保護されるべきであ
る。
【0067】 例2 標準範囲 血清FBPアーゼの臨床的評価における使用の実施標準範囲を確立するために
、健康な被験者からの試料を試験した。
【0068】 男女を含む、18歳から65歳までの94人の健康な血液提供者からの試料中
の血清FBPアーゼ活性の測定では、成人で0.03〜0.65IU/Lの範囲
が示された。値の頻繁なプロットはわずかな負のゆがみを有するデータの正規分
布を示した(正中値は0.28IU/Lであった)。傾斜のない(detrended)
正規P−Pプロット(累積確率が観察されたものに対する通常のものからの偏差
)は、データの変換が、標準範囲を確立するためのゆがみの補正において利点を
提供しないことを示している。このデータから、標準範囲0.03〜0.58I
U/Lが導かれた。酵素活性中での増加のみが臨床的意義を有し、かつ極めて低
い酵素活性でのアッセイのかなりの不正確性を考慮にいれると、実施目的におい
て、0.58IU/Lに満たない標準範囲が、後の試験での患者からの結果を評
価するために採用された。
【0069】 例3 FBPアーゼアッセイの特異性 血清FBPアーゼ活性上での慢性腎不全、ならびに心筋および骨格筋の損傷の
影響が試験された。さらに、血清酵素活性を、糖新生が作用する条件下で測定し
た。この条件は、管理の困難な真性糖尿病、および治療不能なアジソン病および
クッシング症候群を含んだ。
【0070】 慢性腎不全 FBPアーゼ活性を、慢性腎不全を患い、800〜1262μmol/Lの範
囲の血清クレアチン濃度を有するが、肝臓疾患の生化学的証拠はない22人の患
者からの血清試料中で測定した。結果は血清酵素アッセイのための標準範囲と比
較された。
【0071】 急性心筋梗塞(AMI) AMIを患う23人の患者からの血清試料をFBPアーゼ活性の測定のために
使用した。これら患者の選択のための診断基準は、250IU/Lを上廻る全血
清CK(クレアチン キナーゼ)活性(標準範囲は、男性の場合には24〜19
5IU/Lおよび女性の場合には24〜170IU/Lである)であり、全CK
の6%を上廻るCKMB(CKのMB同位体)画分および肝臓障害の生化学的な
確証のないことである。患者から一つ以上の試料が入手可能である場合には、最
も高いCK活性を有する試料を選択した。血清CKレベルは正中値444IU/
Lでの250〜3744IU/Lの範囲である。
【0072】 筋変性 血清FBPアーゼ上の急性骨格筋損傷の影響を、350IU/Lを上廻る血清
CK活性および0時間(no time)で、全CKの6%を上廻るCKMB画分を示
す20人の患者で試験した。CK値は、正中値560IU/Lでの350〜31
2,000IU/Lの範囲であった。
【0073】 糖尿病 血清FBPアーゼを、全ヘモグロビンAの10%を上廻る血液ヘモグロビン
1c画分を有する21人の糖尿病患者からの血液試料中で測定した。前記患者
の血液中の血漿グルコース濃度は、サンプリング時において10.9〜25.8
mmol/Lの範囲であった。前記患者は、通常の肝臓機能試験結果に基づく肝
臓疾患の生化学的確証を示さなかった。
【0074】 アジソン病 治療不可能なアジソン病を患う20人の患者からの血清試料は、FBPアーゼ
に関してアッセイされた。患者は、投与後30〜60分で、450nmol/L
に満たない、共同作用(synacthen)に応答する血清コルチゾールを有し、この
場合、この値は、基線(baseline)値と比較して200nmol/Lに満たない
増加分を有する。基線試料をFBPアーゼ測定に使用した。
【0075】 クッシング病 治療不可能なクッシング病またはクッシング症候群を患う13人の患者からの
血清試料は、FBPアーゼ活性に関してアッセイされる。すべての患者は、24
時間に亘って排尿なしのコルチゾール排泄270nmol以上を有し、かつ肝臓
障害の生化学的確証を示さなかった。前記試験結果は、以下の第2表に示され、
かつ図5に図示された。
【0076】
【表2】
【0077】 略語:n=それぞれの群における患者数;ULN=標準の上限(0.58IU/
L、確立された標準範囲に基づく);CRF=慢性腎不全;AMI=急性心筋梗
塞;DM=真性糖尿病。
【0078】 結果は、試験された119患者中112人が、標準範囲内の血清FBPアーゼ
値を有することを示した。アッセイの標準上限を上廻る血清FBPアーゼ活性を
有する7人の患者のうち、サンプリングの時点で、血清C反応性タンパク質濃度
200mg/Lを有する、全身性の炎症を有する慢性腎不全の患者一人および高
められた血清FBPアーゼを有するアジソン病患者は、さらに糖尿病であること
が見出された。高められたFBPアーゼ活性を有する他の患者のうち、該当する
臨床的または生化学的病歴は見出されなかった。血清FBPアーゼのための平均
値は種々の群で比較可能であった。しかしながら、慢性腎不全および糖尿病を有
する患者は、他の4群と比較して最も高い正中値を有していた(第3表)。
【0079】 例4 被肝移植者における肝細胞性障害検出のための、血清FBPアーゼとALTおよ
びGSTとの比較 同種移植器官の拒絶反応発作が確認されている25人の被肝移植者からの一連
の試料をFBPアーゼおよび他の肝臓機能試験のために使用した。また、GST
測定は13人の患者からの試料で実施された。拒絶反応発作は、生検によってか
、あるいは肝臓機能試験を劣化させることに基づく臨床的背景で、生検が禁忌で
ある場合には、増加されたプロトロンビン時間および好酸球数増加(Hughes et
al., 1998)によって診断された。
【0080】 試験された25患者のうちの20人は肝臓生検を受け、そのうちの15人は急
性肝細胞性拒絶反応のための特別な処置をうけ、この場合、これは通常はメチル
プレドニゾロン(methyprednisolone)1gを静脈内へ3日間投与する形であっ
た。25患者のうち5患者は、急性拒絶反応のための処置を受けたが、しかしな
がら、臨床的理由のために、治療前または治療後すぐの期間において生検はされ
なかった。処置された4患者の場合には、生検は一連の処置終了後のみに実施さ
れ、肝臓の生検が禁忌である場合、例えば血小板減少症の場合には制限された。
【0081】 拒絶反応発作に伴う血清FBPアーゼ、ALTまたはGSTの顕著な増加を定
義するために、簡便な診断基準が採用された。したがって、酵素の血清活性の著
しい増加の開始は、従来の2つの値の一つに対して血清活性中で少なくとも50
%の増加である場合に定義された。しかしながら、血清酵素レベルで従来的に連
続的な減少がみられた場合には、少なくとも25%の増加が考えられる(少なく
とも2日間において1日当たり少なくとも10%減少)。ピークは、著しい増加
の後に、少なくとも2日間に亘って酵素活性が後に減少した場合に、酵素の血清
活性中の最大値として記載される。
【0082】 血清FBPアーゼ、ALTおよびGSTの変化は、急性肝細胞拒絶反応および
発作に対する特異的な処理の開始時間に関して比較された。関連性は、生検によ
ってもたらされた拒絶反応または特別な処置の4日前から3日後の間に、血清酵
素が増加する場合に存在するものとみなされる。また、酵素レベル増加速度、互
いに関連する試験された酵素のピーク時間、および血清中の酵素の減少速度が試
験された。
【0083】 試験された急性肝細胞性拒絶反応の25例の発作のうち、15例のみにおいて
、血清ALT活性の著しい増加が示された。しかしながら、血清FBPアーゼ活
性は24例の拒絶反応の発作に関して増加することが見出された。さらに、血清
FBPアーゼが増加しない患者は、血清ALTの増加を示さなかった。血清GS
Tは、測定された13発作中の12例で増加した。ALTではなく血清FBPア
ーゼは、血清GSTの増加のない患者中で増加した。
【0084】 前記結果にしたがって、急性肝細胞性拒絶反応の検出に関する血清ALTの感
度は60%であった。FBPアーゼ96%およびGST92%で、前記酵素に基
づく試験の感度は、血清ALTに基づくものよりも著しく良好であった。ALT
と比較して、血清FBPアーゼは、急性拒絶反応発作に関してははやく、平均0
.8日(−1〜+3日の範囲;95%信頼間隔は0.4〜1.3日)で増加し始
め、かつそのピーク値はすぐに平均0.9日で達成された(−1〜+2日の範囲
;95%信頼間隔は0.2〜1.5日)。血清FBPアーゼとGSTレベルとの
比較は、血清GSTが2人の患者において、1〜3日はやく増加し始めることが
示された。しかしながら、他の2患者の場合において、血清GSTの増加は血清
FBPアーゼの増加よりも1日遅く生じた。血清中のGSTの顕著な増加を示し
た他の8患者のうち、血清FBPアーゼの増加開始は、GSTと同時に起こった
。血清FBPアーゼおよびGSTのピークは、同日に一人を除いたすべての患者
で達成され、残りの一人の血清GSTは血清FBPアーゼよりも2日先立ってピ
ークをむかえた。3つの測定された酵素の血清中の最も高いピークに関して関連
性はなかった。
【0085】 急性拒絶反応の特別な処置開始に関連して、3つの酵素の血清レベル中での顕
著な増加の開始は、図6で比較されている。試料GSTを測定した患者のうち、
血清FBPアーゼおよびGSTはそれぞれ血清ALTよりもはやく平均0.6お
よび0.7日で増加を開始した。この群の2患者は、拒絶反応発作に関して血清
ALTの任意の顕著な増加を示さなかった。7つの拒絶反応発作中で、血清AL
T活性中の増加はないが、しかしながらFBPアーゼ活性の顕著な増加がみられ
た。残りの患者において、血清FBPアーゼは血清ALTよりもはやく平均0.
9日間で増加した(95%C.I.=0.2〜1.6日)。
【0086】 図7は、急性同種間拒絶反応発作の間に、一人の典型的な患者におけるFBP
アーゼ、GSTおよびALTの血清レベルにおける変化を例証している。横軸は
、強めた免疫抑制による拒絶反応処置の継続時間を示している。FBPアーゼの
レベルは○記号、GSTは◇記号およびALTは□記号によって示されている。
【0087】 3つの血清酵素に対する増加および減少の正中速度および平均速度は、第3表
に示されている。ALTと比較して、血清FBPアーゼ活性は血清中で、拒絶反
応発作に対してすばやく増加し、かつ処置開始の後に急速に減少された。しかし
ながら、GSTと比較してFBPアーゼは、血清中でのより緩慢な増加平均速度
および減退正中速度を有していた。
【0088】 以下の第3表は、被肝移植患者における、急性同種間移植拒否反応の発作に対
する血清ALT、FBPアーゼおよびGSTの増加および減少速度の比較を示す
。増加および減少速度は日数に対する平均速度であり、かつ増加開始からピーク
まで、かつピークから最下点までまたはサンプリング期間の終了までものに関し
、いずれにせよ相当する血清の酵素に関してすぐに生じる。
【0089】
【表3】
【0090】 例5 パラセタモール過剰投与患者における血清FBPアーゼおよびALTの比較 パラセタモールを過剰に投与された全32患者が試験された。患者すべては、
投与後に採取された最初の血液試料中で0.1mmol/Lを上廻る血清パラセ
タモール濃度を有した。前記患者の入院期間は1日から13日間であった。FB
PアーゼおよびALTの血清活性の変化が比較され、かつデータはその存在なら
びに増加速度、血清酵素濃度、互いに関連する試験された酵素のピーク時間、お
よび血清中の酵素活性減少速度に関して分析した。血清酵素の増加開始は、前記
結果に対して50%を上廻る活性増加時として記載された。酵素の血清活性中の
最大値として定義されたピークは、著しい増加の後に、酵素活性が低下した後に
達成された。
【0091】 血清FBPアーゼおよびALTの測定は、2つの酵素中の少なくとも一つが、
一つ以上の試料が得られた23患者のうち14患者からの血清中での増加してい
ることが示された。これら14患者のうち一人で、血清ALTの増加がみられな
い5人の患者と比較して血清FBPアーゼの上昇がみられなかった。血清FBP
アーゼの増加速度は、血清ALTに関する一日当たり平均351%(正中値 1
88%)の平均増加速度と比較して、一日当たり平均4642%であった(正中
値 1167%)。
【0092】 一人の患者において、血清FBPアーゼのピークはALTのピークより一日は
やく達成された。もう一人の患者において、血清FBPアーゼのピークは、サン
プリング期間の終わり前2日に達成され、それにもかかわらず、試料が採取され
た期間において、血清ALTのピークのないものが観察された。血清FBPアー
ゼが減少される場合には、その平均減少速度は、血清ALTが一日当たり27.
0%の平均減少速度(正中値 28.1%)であることに対して、一日当たり5
4.4%の平均減少速度(正中値 54.5%)であった。
【0093】 1個以上の血清試料が得られた23人の患者において、血清FBPアーゼは、
一人の患者おいてのみ、前記標準範囲の上限を上廻って増加することはなく、こ
の場合、この患者の血清FBPアーゼおよびALTの双方は、最初の試料が採取
された場合には減少していた。しかしながら、血清ALT活性は、一連の試料が
採取された3患者からのすべての血清試料において正常であった。
【0094】 試験された32患者のうち9患者の場合には、一つの血清試料のみがそれぞれ
の患者から採取された。前記試料では血清FBPアーゼまたはALTの標準範囲
を上廻っての増加はみられなかった。
【0095】 一人の典型的な患者からのデータは図8に示されている。図は、入院1日目の
患者におけるパラセタモール過剰投与に付随するFBPアーゼ(×記号)および
ALT(○記号)の血清レベルの変化を示している。
【0096】 考察 本明細書中に記載されたデータは、血清FBPアーゼが肝細胞性障害のマーカ
ーとして有用であってもよく、かつ、肝細胞性障害の検出のためのGSTに近く
、かつALTまたはASTに関する通常のアッセイの感度を上廻る感度が提供さ
れていてもよい。酵素アッセイは容易にオートメーション化することが可能であ
り、この場合、これは通常および緊急の臨床的な生化学の現代的方法が要求され
る。血清FBPアーゼは4℃で、一日以下の試料で実施すべき既往分析に対して
十分に安定である。この時間の後に、血清中の酵素活性は著しく減少する。
【0097】 この研究から、また血清FBPアーゼは肝臓障害に対して高い特異性を有する
ことが明らかにされる。
【0098】 ALTと比較して、FBPアーゼの血清活性は、同種間移植された肝臓の拒絶反
応発作に関して平均約1日間速く増加することが見出された。すべてのしかしな
がら2患者において、血清FBPアーゼレベルの増加は、血清GSTの増加と同
時期に生じた(および2つの場合においてはよりはやく)。相違点は、血清条件
中の増加パターン中で観察され、ならびに3つの酵素の最も高いピークはこれら
の正常化された標準範囲に対して関係がないという事実は、肝臓中のこれらの酵
素の分散パターン、肝細胞性障害の部位および3つの酵素の放出速度の相違によ
るものであってよい。
【0099】 ALTと比較して血清FBPアーゼ中の減退は極めて急速である。血清中のF
BPアーゼの減少はGSTの減少と同時に生じ、この場合、双方の酵素の減少速
度は類似する。これらは、生体内における血清FBPアーゼの半減期が、ALT
の半減期よりも長いGST(Trull et al. 1994)のものにより近いことを示唆
する。肝臓障害の検出のために短い半減期を有する酵素の使用は、多くの潜在的
な利点を有する。血清酵素レベルの新たな安定状態はより速く達成される事実に
よって、血清酵素活性は、任意の場合においてより正確に肝臓障害の最近の発作
の有無を表す(Hughes et al. 1997)。重要なことは、このような発作後に血清
レベルがよりはやく正常化するので、任意の後の肝臓障害および特には小さい障
害を、短い半減期を有する酵素の測定が使用される場合により容易に検出するこ
とができる。
【0100】 パラセタモール過剰投与の患者の研究において、FBPアーゼは患者の多くにお
いて血清ALTアーゼと比較して増加がみられた。この増加された感度は、部分
的に血清FBPアーゼの増加速度がALTよりも早いことによってであってもよ
い。
【0101】
【外3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 FBPアーゼアッセイ混合物の吸光度の速度論的変化を示すグラフ図(1秒に
対して340nmでの吸光度)。
【図2】 血清試料の4℃での保存時間の長さ(日数)に対する酵素活性(IU/L)を
示すグラフ図。
【図3】 時間(日数)に対するFBPアーゼ活性のグラフ図。
【図4】 試料溶血%(ならびに相当するヘモグロビン濃度(gms/L))に対するF
BPアーゼ活性の実測値/予測値の割合(%)を示すグラフ図。
【図5】 異なる患者群に関する血清FBPアーゼレベル(IU/L)の分散グラフ図。
【図6】 急性移植拒絶反応の発作の処置日(day0)に対する、被肝移植者に相当す
る血清酵素レベルの顕著な増加が示された場合の日数を示すチャート図。
【図7】 急性同種間移植拒絶反応の発作が生じる典型的な患者中の種々な酵素の時間(
日数)に対しての血清レベル(正常範囲の上限“ULN”の倍数として表された
)のグラフ図。
【図8】 入院患者へのパラセタモール過剰投与後に、種々の酵素の時間(日数)に対す
る血清レベル(正常範囲の上限“ULN”の倍数として表された)のグラフ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェラルド エー マグワイアー イギリス国 ケンブリッジ グレイト シ ェルフォード ヒントン ウェイ 231 Fターム(参考) 4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ33 QR54 QR58 QS26 QS36 QX02

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト患者における肝細胞性障害の診断方法において、患者か
    ら血清試料得て、試料をアッセイして試料中のFBPアーゼ量を測定し、試料中
    のFBPアーゼの量と、同患者からの既試料中のFBPアーゼ量および/または
    健康体に求められるFBPアーゼ量とを比較し、かつこの比較に基づいて診断を
    行うことを特徴とする、肝細胞性障害の診断方法。
  2. 【請求項2】 試料中のFBPアーゼ量が、FBPアーゼ活性の生化学的測
    定によってアッセイされる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 FBPアーゼ活性が、酵素結合型生化学的検定によってアッ
    セイされる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 試料中のFBPアーゼ活性が、酵素結合型生化学的検定によ
    ってアッセイされ、かつ検定結果が吸光分光分析的に測定される、請求項1から
    3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 試料中のFBPアーゼ量が、健康な被験者に関して確立され
    ている標準範囲の上限を超える場合に、肝細胞性障害の診断がなされる、請求項
    1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 試料中のFBPアーゼ量が、同患者からの既試料中のFBP
    アーゼ量を超える場合に、肝細胞性障害の診断がなされる、請求項1から4まで
    のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 肝細胞性障害が急性の状況によって引き起こされる、請求項
    1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 被肝移植者における同種間移植拒絶反応の発作を診断するた
    めの、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 アッセイ試薬として、フルクトース−1,6−ビスリン酸、
    イソメラーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素化酵素およびNADPHの一つま
    たはそれ以上を使用する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 特異的FBPアーゼ阻害剤、および/または血清アルカリ
    ホスファターゼ阻害剤を使用する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 アデノシン一リン酸および/またはブロモテラミゾールを
    使用する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 特異的または非特異的亜鉛キレート剤、例えば1,10−
    フェナントロリンまたはEDTAを使用する、請求項1から11までのいずれか
    1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ヒト患者での肝細胞性障害を診断するための診断試験キッ
    トにおいて、このキットが、患者からの血清試料中のFBPアーゼ量を測定する
    ための試薬を含み、その際、試薬は容器中に一緒に包装されている、肝細胞性障
    害を診断するための診断試験キット。
  14. 【請求項14】 請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法による
    使用のための説明書を含む、請求項13に記載のキット。
  15. 【請求項15】 ポジティブコントロールおよび/またはネガティブコント
    ロール、対照試料、ホスファターゼ阻害剤、亜鉛キレート剤、緩衝液および品質
    保持材料の一つまたはそれ以上をさらに含む、請求項13または14に記載のキ
    ット。
  16. 【請求項16】 キットの試薬および/または他の成分が凍結乾燥固体とし
    て供給されている、請求項13、14または15のいずれか1項に記載のキット
  17. 【請求項17】 フルクトース−1,6−ビスリン酸を公知の濃度で含む、
    請求項13から16までのいずれか1項に記載のキット。
  18. 【請求項18】 イソメラーゼ;グルコース−6−リン酸脱水素化酵素およ
    びNADPHの一つまたはそれ以上をさらに含む、請求項13から17までのい
    ずれか1項に記載のキット。
  19. 【請求項19】 特異的FBPアーゼ阻害剤を含む、請求項13から18ま
    でのいずれか1項に記載のキット。
  20. 【請求項20】 アデノシン一リン酸を含む、請求項13から19までのい
    ずれか1項に記載のキット。
  21. 【請求項21】 血清アルカリホスファターゼ阻害剤を含む、請求項13か
    ら20までのいずれか1項に記載のキット。
  22. 【請求項22】 ブロモテラミゾールを含む、請求項13から22までのい
    ずれか1項に記載のキット。
  23. 【請求項23】 実質的に、請求項1から12までのいずれか1項に記載さ
    れた方法。
  24. 【請求項24】 実質的に、請求項13から22までのいずれか1項に記載
    された診断キット。
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