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JP2002521524A - 酵素含有ポリマー - Google Patents

酵素含有ポリマー

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Publication number
JP2002521524A
JP2002521524A JP2000561300A JP2000561300A JP2002521524A JP 2002521524 A JP2002521524 A JP 2002521524A JP 2000561300 A JP2000561300 A JP 2000561300A JP 2000561300 A JP2000561300 A JP 2000561300A JP 2002521524 A JP2002521524 A JP 2002521524A
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JP
Japan
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group
enzyme
containing polymer
lipase
aromatic
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000561300A
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English (en)
Inventor
ストゥーマー,レイナー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
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Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2002521524A publication Critical patent/JP2002521524A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N11/00Carrier-bound or immobilised enzymes; Carrier-bound or immobilised microbial cells; Preparation thereof
    • C12N11/02Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier
    • C12N11/08Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier the carrier being a synthetic polymer
    • C12N11/089Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier the carrier being a synthetic polymer obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C12N11/093Polyurethanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N11/00Carrier-bound or immobilised enzymes; Carrier-bound or immobilised microbial cells; Preparation thereof
    • C12N11/02Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier
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    • C12N11/098Enzymes or microbial cells immobilised on or in an organic carrier the carrier being a synthetic polymer formed in the presence of the enzymes or microbial cells

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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、下記の構造要素1 【化1】 および、構造要素2 【化2】 〔式中、略語および記号は、次の意味を有する:Eは酵素を表し;X1、X2は、互いに独立して、酵素の官能基に由来する酸素、硫黄、またはNHを表し;Qは水素または下記の基 【化3】 を表し;A1、A2、A3、A4は、互いに独立して、酸素または硫黄を表し;pは、p=0のときA1、A2、A3、およびA4は酸素を表すという条件で、0または1であり;wは1〜4であり;qは1〜4であり;vは1〜100であり、R1は、2〜5回結合されている、任意に置換または官能化された炭化水素基を表し;R2は、2〜5回結合されている任意に置換または官能化された炭化水素基を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、C1〜C4-アルキル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表す。〕のうちの少なくとも1つを有する新規な酵素含有ポリマーに関する。本発明はまた、該酵素含有ポリマーの製造方法、化学反応における触媒としての該酵素含有ポリマーの使用、およびエナンチオマー混合物を分離するための該酵素含有ポリマーの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、下記の構造要素のうちの少なくとも1つを含んでなる新規な酵素含
有ポリマーに関する: 構造要素1
【化4】 構造要素2
【化5】 〔式中、略語および記号は、次の意味を有する。
【0002】 E:酵素。
【0003】 X1、X2:互いに独立して、酵素の官能基に由来する酸素、硫黄、またはNH。
【0004】 Q:水素または下記の基:
【化6】 A1、A2、A3、A4:互いに独立して、酸素または硫黄。
【0005】 p:pが0のときA1、A2、A3、A4は酸素であるという条件で、0または1。
【0006】 w:1〜4。
【0007】 q:1〜4。
【0008】 v:1〜100。
【0009】 R1:2〜5回結合されているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シク
ロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアリールエーテル基、ジア
リールチオエーテル基、またはジアリールアミン基であり、さらにその芳香族ま
たは非芳香族の環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基
、および/またはハロゲン基で置換可能である。
【0010】 R2:2〜5回結合されているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シク
ロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアルキルエーテル基、ジア
ルキルチオエーテル基、ジアリールエーテル基、ジアリールチオエーテル基、ジ
アリールアミン基、またはピペラジンジアルカンジイル基であり、さらにその芳
香族または非芳香族の環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアル
キル基、および/またはハロゲン基で置換可能である。
【0011】 R4およびR5:互いに独立して、水素、C1〜C4-アルキル基、アリール基、また
はアルキルアリール基。〕。
【0012】 本発明はまた、酵素含有ポリマーの製造および使用に関する。
【0013】 酵素含有ポリマーは、化学反応において酵素触媒として利用される。遊離酵素
と比較して、固定化酵素は、連続方式およびバッチ方式で反応を行った場合に安
定性および有効寿命が増大すること、ならびにバッチ式反応の場合に触媒活性の
ある種の回収が容易であることが特徴である。
【0014】 酵素を、その活性を保持したまま共有結合によってポリマー中に組み込むこと
は知られている。更に、ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリアミドを高分子担
体材料として使用することも知られている。米国特許第5,482,996号には、タン
パク質を含有するポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、およびポリエステルが
記載されている。この場合、タンパク質は、重合のタイプに適した末端官能基を
有する両親媒性スペーサー(ポリアルキレンオキシド)を付加することによって
、活性を保持したまま水性溶剤系から有機溶剤系に移動する。ここで、モノマー
はスペーサーの官能基と反応する。この方法は、適用範囲が極めて狭く、しかも
非常に複雑でコストもかかる。なぜなら、ポリマー中に酵素が直接組み込まれず
、両親媒性スペーサーユニットの付加を行う前に追加の工程が必要となるからで
ある。
【0015】 米国特許第3,672,955号には、ポリウレタン中に固定化された酵素の製造が開
示されている。この製造では、ポリエーテルユニットおよびポリエステルポリオ
ールユニットで架橋された両親媒性イソシアネートプレポリマーを最初に製造し
、これらを乳化して水非混和性溶剤中で水性酵素溶液と反応させる。水との接触
により、酵素の官能基と反応しなかったイソシアネートを不安定なカルバミン酸
基に変換し、次いでCO2の脱離を行って対応するアミンに分解する。生成したア
ミノ基は、依然として存在しているイソシアネート基と反応して架橋を形成し、
生成したCO2は、ポリマー塊を発泡形成させる。米国特許第4,342,834号において
も、重合を水性系中に移す類似のプレポリマー手法が用いられているが、反応を
完全に水溶液中で行うという点が米国特許第3,672,955号と異なっている。
【0016】 ポリアルキレンオキシドユニットで同様に架橋されている両親媒性プレポリマ
ーHypol(登録商標)(連結試薬の存在下でポリエーテルポリオールまたはポリ
エステルポリオールをポリイソシアネートと反応させることによって生成される
)ならびにPU−3(登録商標)(二つの末端TDIユニットにより飽和され、スペー
サーとしてポリエチレンオキシドユニットおよびポリプロピレンオキシドユニッ
トを含有しているプレポリマー)を、水溶液からいくつかの酵素を固定化するた
めに使用することが、科学論文中に記載されている。
【0017】 神経毒を分解するために、上述の両親媒性プレポリマーを用いて水溶液からホ
スホトリエステラーゼを固定化することが可能であった(K.E. Lejeuneら, Biot
echnology and Bioengineering 1997, 54, 105-114)。プレポリマーを用いて水
溶液から固定化されたリパーゼは、有機溶液中においてアルコールのアシル化(
S.F. Diasら, Biocatalysis 1991, 5, 21-34.)およびエナンチオ選択的アシル
化(S. Koshiroら, Journal of Biotechnology 1985, 2, 47-57)を行うために
使用された。
【0018】 これらの方法のいずれにおいても、重合(酵素の固定化)は、プレポリマーを
用いて水の存在下で行われる。これには、以下に示すようないくつかの欠点があ
る: ・両親媒性プレポリマーを別に調製しなくてはならない。
【0019】 ・従来技術の酵素含有ポリマーを用いた場合、得られる有効寿命が短い。
【0020】 ・活性のある酵素種の低い取込み密度(loading density)が達成されているに
すぎない。上記の研究において、ポリマー中への酵素の典型的な取込み率は、最
大で、全質量の1%である。空時収率(space-time yields;STY)が低いのはこの
ためである。
【0021】 本発明の目的は、上記の欠点を補うこと、ならびに単純化された方法によって
製造され、しかもより長い有効寿命および触媒活性のある酵素種のより高い取込
み密度のような最適化された性質を有する新規な酵素含有ポリマーを提供するこ
とである。
【0022】 本発明者らは、本明細書の冒頭に記載した本発明に係る酵素含有ポリマーによ
ってこれらの目的が達成されることを見いだした。
【0023】 酵素表面上に位置する官能基(アミノ、ヒドロキシル、メルカプト)を、少な
くとも二官能性の反応性基を有するモノマーと反応させ、続いて、少なくとも二
官能性のアミンを添加することによって、構造要素が生成される。
【0024】 酵素は、少なくとも単官能性、通常は多官能性のアミン、アルコール、および
/またはチオールであると考えられる。それらは、例えば、真菌、細菌(グラム
陽性もしくはグラム陰性)、酵母、または哺乳動物のような生物から取得可能で
あり、有機溶剤中で酵素活性を有する。
【0025】 具体例としては、ヒドロラーゼ(例えば、エステラーゼ、リパーゼ、アミダー
ゼ、プロテアーゼ、およびハロペルオキシダーゼ)、アミノトランスフェラーゼ
、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、
リアーゼ/ラッカーゼ、ベンゼンジオキシゲナーゼ、アスパルターゼ、デヒドロ
ゲナーゼ、フマラーゼ、デハロゲナーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、オキシゲ
ナーゼ、アミノペプチダーゼ、アミノアミダーゼ、アルキルアミノペプチダーゼ
、ならびにラセマーゼが挙げられる。
【0026】 好ましいものとしては、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Candida a
ntarctica、Candida cylindracea、Candida lipolytica、Candida utilis、Cand
ida rugosa、Mucor javanicum、Mucor miehei、Rhizomucor miehei、Rhizopus a
rrhizus、Rhizopus delemar、Rhizopus niveus、Penicillium acylase、Penicil
lium roqueforti、Thermus aquaticus、Thermus flavus、Thermus thermophilus
、Chromobacterium viscosum、Pseudomonas putida、Pseudomonas fluorescens
、Pseudomonas cepaciaに由来するリパーゼ;ブタ膵臓リパーゼ(PPL)および小
麦胚芽リパーゼ;Bacillus subtilis、Bacillus stearothermophilus、Bacillus
thermoglucosidasius、Candida lipolytica、Mucor miehei、ウマ肝臓、ブタ肝
臓、Saccharomyces cerevisiae、Thermoanaerobium brockii、Elektrophorus el
ectricusに由来するエステラーゼ;ズブチリシン、サーモリシン、ズブチリシン
Carlsberg、ナガーゼなどのプロテアーゼ、またはBacillus subtilis、Tritirac
hiurn alba、Aspergillus oryzae、アスペルギルス・エスピー(Aspergillus sp.
)に由来するプロテアーゼ;シュードモナス属(Pseudomonads)、アルカリゲネス
・エスピー(Alcaligenes sp.)、ミクロコッカス・エスピー(Micrococcus sp.)、
Pseudomonas oleovoransに由来するベンゼンジオキシゲナーゼ;Pseudomonas pu
tidaに由来するデハロゲナーゼ;Pseudomonas oleovorans、Corynebacterium eq
ui、Nocardia carallina、マイコバクテリア(Mycobacter)、キサントバクテリア
(Xanthobacter)に由来するオキシゲナーゼ;マイコバクテリウム属(Mycobacteri
um)に由来するアミノアミダーゼおよびアルキルアミノペプチダーゼ、Pseudomon
as putidaに由来するデヒドロゲナーゼ;ならびにAspergillus niger JCM 1925
、ブザリウム・エスピー(Fusarium sp.) MY-2、Rhodococcus rhodocrus J 1、K2
2、PA 34、およびNCIB 11216、Pseudomonas chlororaphis B 23、コリネバクテ
リウム属(Corynebacterium sp.) N-774に由来するニトリラーゼおよびニトリル
ヒドラターゼ、が挙げられる。
【0027】 ブルコールデリア・プランタリイ(Burkholderia plantarii)に由来するリパー
ゼは特に好ましい。二つの酵素が少なくとも二官能性のモノマーユニットによっ
て連結されている構造要素1は、最も単純な例である。X(X1またはX2)は、酵素
表面上の反応官能基(ヒドロキシル基、メルカプト基、またはアミノ基)を表す
。本発明によれば、Xは、酸素、硫黄、またはNHであってよい。
【0028】 p=1の場合、ウレタン(X=酸素、A=酸素)基、チオカルバミン酸O-エステル
(チオウレタン;X=酸素、A=硫黄)基、尿素(X=NH、A=酸素)基、チオ尿素
(X=NH、A=硫黄)基、チオカルバミン酸S-エステル(X=硫黄、A=酸素)基
、またはジチオカルバミン酸ジエステル(X=硫黄、A=硫黄)基を介して、少な
くとも二官能性かつ多くとも五官能性(wの最大値4)のイソシアネート(A=酸
素)(A1、A2、A3、もしくはA4)、イソチオシアネート(A=硫黄)、または混
合型イソシアネート/イソチオシアネート(A=酸素もしくは硫黄)に酵素が連結
した形態になる。
【0029】 p=0の場合、エステル(X=酸素)基、アミド(X=NH)基、またはチオールカ
ルボン酸エステル(X=硫黄)基を介して、少なくとも二官能性かつ多くとも五
官能性(wの最大値4)の活性エステルに酵素が連結した形態になる。
【0030】 R1は、官能基を有しかつ2〜5回結合している、アルカン基、アルケン基、シク
ロアルカン基、シクロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアリー
ルエーテル基、ジアリールチオエーテル基、またはジアリールアミン基を表す。
その芳香族または非芳香族の環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロヒル基、n-ブチル基、イソブチル基
、もしくはt-ブチル基、および/またはC1〜C4-ハロアルキル基、例えば、トリ
クロロメチル基、トリフルオロメチル基、もしくはトリフルオロエチル基、およ
び/またはハロゲン基、例えば、Cl、Br、I、もしくはFで置換可能である。好
ましいR1基は、ポリウレタン化学から周知の対応するポリイソシアネートまたは
イソチオシアネートモノマーの基礎となる塩基性有機部分である。特に好ましい
構造として、下記の特定の構造が挙げられる。連結点はダッシュで示されている
【0031】
【化7】 円内の文字Eによって示されている酵素は、種々の酵素分子であってもよいし
、同じ酵素分子上の異なる結合部位であってもよい。w>1の場合すなわち分枝状
多官能性モノマーが使用される特定の場合においては、酵素記号は、同じ酵素分
子上の種々の隣接した結合部位を表すことも可能である。
【0032】 構造要素2は、少なくとも二官能性のアミンを更に組み込むことを考慮したも
のである。少なくとも二官能性のモノマーと酵素との連結は、構造要素1の場合
と同様であり、それについては上述した。最も単純な場合(v=0)、二官能性ア
ミン(q=1)によって二つの少なくとも二官能性のモノマーが連結され、これら
のモノマーは、尿素(A1=酸素、p=1)基、チオ尿素(A=硫黄、p=1)基、ま
たはアミド(A=酸素、p=0)基を介して、末端で適切な官能基により酵素に結
合する。このユニット[少なくとも二官能性のモノマー−少なくとも二官能性の
アミン]をV回繰り返すことによって、ポリ尿素(A=酸素、p=1)、ポリチオ尿
素(A=硫黄、p=1)、またはポリアミド(A=酸素、p=0)の鎖(w=1;q=1)
もしくは架橋(w>1もしくはq>1またはwおよびq>1)を形成することが可能
である。Q=水素の場合、鎖はもう一つの酵素分子に連結されることなく末端を
形成する。
【0033】 R2は、アミノ基を有しかつ2〜5回結合している、アルカン基、アルケン基、シ
クロアルカン基、シクロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアル
キルエーテル基、ジアルキルチオエーテル基、ジアリールエーテル基、ジアリー
ルチオエーテル基、ジアリールアミン基、またはピペラジンジアルカンジイル基
である。その芳香族または非芳香族の環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C 1 〜C4-ハロアルキル基、および/またはハロゲン基によって置換可能であり、そ
れらの具体例は、上述のR1で述べた通りである。
【0034】 好ましい基は、ポリウレタンおよびポリアミド化学から周知の対応するポリア
ミンモノマーの基礎となる塩基性有機部分である。特に好ましい構造として、下
記の特定の構造が挙げられる。
【0035】
【化8】 第一級または第二級の少なくとも二官能性のアミンの組み込みにもよるが、R4 およびR5は、互いに独立して、水素またはC1〜C4-アルキル基(例えば、メチル
、エチル、プロピル、イソプロヒル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)、また
はアリール基もしくはアルキルアリール基(例えば、フェニルもしくはトリルの
ようなC1〜C4-置換フェニル)である。
【0036】 また、構造要素2に関して、円内の文字Eによって示されている酵素は、種々の
酵素分子であってもよいし、同じ酵素分子上の異なる結合部位であってもよいと
いう点を考慮する必要がある。
【0037】 高分子担体中の酵素の重量基準の含有率は、全質量を基準にして、好ましくは
0.01重量%〜50重量%、特に好ましくは1重量%〜10重量%である。実施例3に示され
るように、取込み率が1%未満(0.5%)の場合、酵素活性および有効寿命は低下す
る。これに対して、取込み率が1%より大きい(5%)場合、酵素活性および有効寿
命の低下は起こらない。取込み率が大きくなるほど、以下に記載の酵素触媒反応
において、高い空時収率(STY)を達成することができる。
【0038】 このほか、末端反応性官能基を有する架橋性有機化合物と酵素との有機溶液中
における直接的な反応によって、単純化された無水方法で本発明に係る酵素含有
ポリマーが特に有利に得られることを見いだした。これを行うには、第一工程に
おいて、有機溶剤中で、式Iで表される少なくとも二官能性のモノマーと酵素を
反応させること、 R1(X)s(Y)t I 〔式中、 R1は、2〜5回結合しているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シク
ロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアリールエーテル基、ジア
リールチオエーテル基、またはジアリールアミン基であり、さらにその芳香族ま
たは非芳香族の環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基
、またはハロゲン基で置換可能である。また s≧0、t≧0、かつ5≧s+t≧2という条件で、 Xは、イソシアネート(−NCO)官能基であり、かつ Yは、イソチオシアネート(−NCS)官能基であるか、または 5≧s+t≧2という条件で、 X=Yは、−COR3官能基(ここでR3は、該酵素のアミノ官能基、ヒドロキシル官
能基、またはメルカプト官能基と置換可能である脱離基である。)である。〕 ならびに第二工程において、少なくとも二官能性のアミンまたは少なくとも二官
能性のアミンの混合物を添加することが必要である。
【0039】 本発明に係る有機溶剤は、任意にハロゲン化されている脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素などの非プロトン性溶剤、およびエーテルである。好ましい有機溶剤
は、少なくとも二官能性のモノマーに対して不活性であり、少なくとも二官能性
のモノマーを溶解し、かつ酵素を変性しない溶剤である。特に好ましい有機溶剤
は、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、
ジエチルエーテルおよびメチルt-ブチルエーテル(MTBE)、ジオキサン、THF、
ならびにクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族化合物である。
【0040】 有機溶剤中に酵素を懸濁させて、第一工程において少なくとも二官能性のモノ
マーと反応させる。該モノマーは、少なくとも2個かつ5個以下、特に好ましくは
2個もしくは3個のイソシアネートおよび/またはイソチオシアネート、あるいは
少なくとも2個かつ最大で5個、特に好ましくは2個もしくは3個の式-COR3〔式中
、R3は、酵素のアミノ官能基、ヒドロキシル官能基、またはメルカプト官能基と
置換可能である脱離基である。〕で表される活性エステル基を官能基として有す
る。活性エステル基としては、従ってアシル供与体としては、例えば、塩化カル
ボニル、無水カルボン酸、カルボン酸エステル(具体的には、カルボン酸のN-ヒ
ドロキシスクシンイミドエステル)、フェノールエステル、およびペンタフルオ
ロフェノールエステルやトリクロロフェノールエステルのようなハロフェノール
エステルが挙げられる。従って、脱離基R3としては、例えば、ハライド(具体的
には、Cl-、Br-、I-)、カルボキシレート(具体的には、アセテートおよびプロ
ピオネート)、またはアルコラート(具体的には、N-スクシンイミドキシド)、
フェノラート、ハロフェノラート(具体的には、ペンタフルオロフェノラート、
トリクロロフェノラート)、あるいは1-ベンゾトリアゾールオキシドが挙げられ
る。酵素表面上の官能基(アミノ基、ヒドロキシル基、および/またはメルカプ
ト基)は、モノマーの末端イソシアネートおよび/またはイソチオシアネート官
能基と反応して、ウレタン結合、チオカルバミン酸O-エステル(チオウレタン)
結合、尿素結合、チオ尿素結合、チオカルバミン酸S-エステル結合、および/
またはジチオカルバミン酸ジエステル結合を形成する。これと同じように、多官
能性の活性エステルモノマーを使用すると、酵素表面上の官能基(アミノ基、ヒ
ドロキシル基、および/またはメルカプト基)と一緒になって、アミド結合(Je
rry March, Advanced Organic Chemistry, 1992, 4th edition, John Wiley & S
ons, New York, pp. 417-425)、エステル結合(Jerry March, Advanced Organi
c Chemistry, 1992, 4th edition, John Wiley & Sons, New York, pp. 392-398
)、および/またはチオールカルボン酸エステル結合(Houben-Weyl, Volume IX
, 4th edition, pp.753-756)を形成する。これらの結合タイプは、酵素表面上
のそれぞれの官能基の存在および数、ならびに使用するモノマーにもよるが、任
意の組み合わせで存在可能である。
【0041】 使用するジイソシアネート、ポリイソシアネート、ジイソチオシアネート、ポ
リイソチオシアネート、混合型ポリイソシアネート/イソチオシアネート、また
は二官能性〜五官能性の活性エステルモノマーは、アルカン、アルケン、アルキ
ン、シクロアルカン、シクロアルケン、アレーン、アルキルアレーン、アリール
アルカン、ジアリールエーテル、ジアリールチオエーテル、またはジアリールア
ミンの化合物であり、これらの化合物に含まれる芳香族または非芳香族の環式基
は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基、および/またはハロ
ゲン基で置換可能である。好ましい基は、ジイソシアネート、ポリイソシアネー
ト、ジイソチオシアネート、ポリイソチオシアネート、および混合型ポリイソシ
アネート/ポリイソチオシアネート、あるいはポリウレタン化学から周知であり
、先に記載したポリイソシアネートの場合と同じような塩基性部分を有し、かつ
イソシアネート基またはイソチオシアネート基の代わりに上記の活性エステル基
を官能基として有する多官能性カルボン酸またはカルボン酸エステル誘導体であ
る。特に好ましいモノマーは以下の通りである。
【0042】 1,4-ジイソシアナートブタン、 1,6-ジイソシアナートヘキサン、 1,8-ジイソシアナートオクタン、 1,12-ジイソシアナートドデカン、 1,5-ジイソシアナート-2-メチルペンタン、 1,3-ビス-イソシアナートメチルベンゼン、 トランス-1,4-ジイソシアナートシクロヘキサン、 1,5-ジイソシアナートナフタレン、 4,4'-メチレンジフェニルジイソシアネート、 1-(p-イソシアナートフェニル)-2-イソシアナート-2-メチルプロパン、 トリレン2,4-ジイソシアネート(4-メチル-m-フェニレンジイソシアネート)
、 トリレン2,5-ジイソシアネート、 トリレン 2,6-ジイソシアネート、 1,3-ジイソシアナートベンゼン、 1,4-ジイソシアナートベンゼン(p-フェニレンジイソシアネート)、 4,4'-オキシジフェニルジイソシアネート、 3,3'-ビストリル-4,4'-ジイソシアネート、 3,3'-ジメチル-4,4'-ジイソシアナートジフェニルメタン、 2,4-ジイソシアナート5-クロロトルエン、 イソホロンジイソシアネート および類似のポリイソチオシアネートまたは類似の混合型ポリイソチオシアネー
ト/イソシアネート。
【0043】 酵素含有ポリマーをフォームとして得ることが有利である場合(例えば、内部
表面積を増大させることが有利である場合)、モノマーの添加と同時に、物理的
発泡剤、例えば、炭化水素、特に、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロ
ピレン、ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはハロゲン化炭化水
素、特に、トリクロロフルオロメタン、クロロメタン、ジクロロジフルオロメタ
ン、ジクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、クロロエタン、ジクロ
ロテトラフルオロエタン、オクタフルオロシクロブタン、ヘキサフルオロプロパ
ン、1,1-ジフルオロ-2,2-ジクロロエタン、1,2-ジフルオロ-1,2-ジクロロエタン
、1,1-ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1-フルオロ-1
,2,2-トリクロロエタン、1-ブロモエタン、もしくは1,1,2-トリフルオロ-2-クロ
ロエタンを添加するか、あるいは反応時に、不活性ガス、例えば、窒素、アルゴ
ン、二酸化炭素、または空気を通風させることが可能である。
【0044】 反応温度は決定的な要因ではないが、その上限は、温度に対する特定の酵素の
感度によって決まる。好ましい温度範囲は−30℃〜60℃、特に好ましくは−10℃
〜10℃である。
【0045】 第二工程において、少なくとも二官能性のアミンまたは少なくとも二官能性の
アミンの混合物が添加される。工程1と工程2の間の時間は、好ましくは1秒以下
〜10分以下、特に30秒〜5分である。
【0046】 添加された少なくとも二官能性のアミンは、モノマーのそれまで未反応であっ
た官能基と反応して、架橋および/または鎖の伸長に寄与する。使用する少なく
とも二官能性のアミンは、第一級または第二級アミン、例えば、アルカン、アル
ケン、アルキン、シクロアルカン、シクロアルケン、アレーン、アルキルアレー
ン、アリールアルカン、ジアリールエーテル、ジアリールチオエーテル、ジアリ
ールアミン、ジアルキルアミン、またはピペラジンジアルカンのアミンであり、
これらのアミンに含まれる芳香族または非芳香族の環式基は、1〜4個のC1〜C4-
アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基、および/またはハロゲン基で置換可能で
ある。好ましい基は、ポリウレタンおよびポリアミドの化学から周知のアミンモ
ノマーである。
【0047】 以下のモノマーが特に好ましい: ビス-3-アミノプロピル-1,4-ピペラジン、 ビス-3-アミノプロピルエーテル、 ビス-2-アミノエチルエーテル、 N-フェニルエチレンジアミン、 N,N'-ジエチルエチレンジアミン、 N,N'-ジエチルプロピレンジアミン、 N,N'-ジエチルブチレンジアミン、 N,N'-ジエチルヘキシレンジアミン、 イソホロンジアミン、 1,2-ジアミノシクロヘキサン(シスとトランス)、 1,2-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン(シスとトランス)、 1,8-ジアミノナフタレン、 式IIで表される脂肪族アミン(例えば、1,2-ジアミノブタン)、
【化9】 〔式中、x=0〜10、y=0〜10、z=0〜10、および0≦x+y+z≦10〕、 末端アミノ官能基を有する直鎖状C2〜C12-ジアミノアルカンを意味する1,n-ジ
アミノアルカン(n=2〜12;≒ x=0かつz=0かつy=0〜10)、例えば、 1,2-ジアミノエタン、 1,3-ジアミノプロパン、 1,4-ジアミノブタン、 1,5-ジアミノペンタン、 1,6-ジアミノヘキサン、 1,7-ジアミノヘプタン、 1,8-ジアミノオクタン、 1,9-ジアミノノナン、 1,10-ジアミノデカン、 1,11-ジアミノウンデカン、または 1,12-ジアミノドデカン、 ならびにそれぞれの場合について、N-モノアルキル化またはN-モノアリール化1,
n-ジアミノアルカン(n=2〜12)、 およびN-アルキル化、かつN'-アリール化、N,N'-ジアルキル化またはN,N'-ジア
リール化の1,n-ジアミノアルカン(n=2〜12)。
【0048】 少なくとも二官能性のモノマーおよび少なくとも二官能性のアミンの選択は、
酵素含有ポリマーの収率にほとんど影響を及ぼさない。従って、任意の好適な少
なくとも二官能性のモノマーおよび任意の好適な少なくとも二官能性のアミンな
らびに任意の好適な組み合わせを使用することが可能である。
【0049】 ポリマーおよび触媒の特に良好な性質、例えば、延長された有効寿命および増
大された変換率は、実施例2で明らかなように、第一工程における少なくとも二
官能性のモノマーと第二工程における少なくとも二官能性のアミンを好ましくは
下記の組み合わせで使用した場合に得ることができる: p-フェニレンジイソシアネートと1,n-ジアミノアルカン、 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートと1,n-ジアミノアルカン、 4,4'-メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)と1,n-ジアミノアルカン
、 p-フェニレンジイソシアネートとN-フェニルエチレンジアミン、 p-フェニレンジイソシアネートと1,6-ジアミノヘキサン、 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートとN,N'-ジエチル-エチレンジアミン
、または 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートと1,4-ジアミノブタン。
【0050】 酵素含有ポリマーは、流体系から固体を分離するための従来の方法によって、
例えば、生成した酵素含有ポリマーを濾別して乾燥させることによって、反応溶
液から単離される。粘着性ポリマーを生じる溶剤を使用する場合、流れるように
動く生成物を得るために、好ましくは、濾過前にメチルt-ブチルエーテル(MTBE
)を添加する。反応の開始時に物理的発泡剤を添加しないと、酵素含有ポリマー
はアモルファス固体として得られる。反応器の特定の実施形態にこの固体を適合
させるために、アモルファス固体を後続の処理、例えば、粉砕および圧縮の処理
に付すことができる。
【0051】 本発明に係る酵素含有ポリマーは、化学反応において触媒として使用される。
本発明に係る化学反応は、溶液中において酵素が固定化されていない遊離の状態
で触媒作用を呈しうる反応を意味する。具体例として下記の反応が挙げられる: アルコールのアシル化またはエナンチオ選択的アシル化、アミンおよびアミノ
エステルのアシル化またはエナンチオ選択的アシル化、エステルの加水分解また
はエナンチオ選択的加水分解、シアノヒドリンのアシル化またはエナンチオ選択
的アシル化、シアノヒドリンエステルの加水分解またいはエナンチオ選択的加水
分解、メソジオールの不斉化、加水分解によるメソジエステルの不斉化、エポキ
シ化、酸化、アルドール反応、アミドの加水分解、タンパク質の開裂および分解
、エステル交換反応、あるいはエポキシドの加水分解。
【0052】 本発明に係る酵素含有ポリマー、例えば、リパーゼ含有ポリマーの好ましい使
用は、アルコールのアシル化またはエナンチオ選択的アシル化を触媒することで
ある。この反応では、ブルコールデリア・プランタリイ(Burkholderia plantari
i)由来のリパーゼを含有しかつ少なくとも二官能性のモノマーと少なくとも二官
能性のアミンとの上記の好ましい組み合わせを使用することによって得られるポ
リマーを使用することが特に好ましい。
【0053】 基質の酵素触媒変換の方法には、酵素含有ポリマーの存在下で基質を反応させ
ることが含まれる。反応のタイプにより必要とされるものにもよるが、好ましく
は、他の試薬が添加される。この際、例えば、(実施例2のような)アシル化を
行う場合にはアシル化剤の添加が必要であるが、例えば、(実施例4のような)
加水分解を行う場合には他の試薬を添加する必要はない。本発明に係る基質は、
溶液中において固定化されていない遊離の酵素によって変換可能な、すなわち化
学的に改変可能な化学化合物を意味する。エナンチオ選択的変換の場合について
も同様に、立体異性体の混合物が基質であり、この混合物中の1種の立体異性体
だけが変換される。具体例としては、アルコール、アミン、アミノエステル、ア
ミド、エステル、チオエステル、チオール、シアノヒドリン、シアノヒドリンエ
ステル、メソジオール、アルケン、タンパク質、エポキシド、およびハロヒドリ
ンが挙げられる。上記方法は、液体基質の場合、好ましくは、溶剤を用いてまた
は用いずに溶液中で実施される。使用可能な溶剤は、水や有機溶剤のような液体
溶剤である。更に、水性/有機性二相混合物も使用可能である。使用される好ま
しい有機溶剤は、ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテ
ル(MTBE)、トルエン、またはヘプタンである。利用される好ましい水性/有機
性二相混合物は、任意の好適な比率の水/MTBE混合物である。溶液中で該方法を
実施する場合、基質の濃度は決定的な要因ではないが、溶液を基準にして好まし
くは0.5〜50重量%、特に好ましくは20〜30重量%である。該方法の実施温度も同
様に決定的な要因ではないが、その上限は、ポリマー中の酵素が温度に対して安
定であるように設定される。該方法は、好ましくは0℃〜60℃、特に好ましくは1
5℃〜40℃において実施される。
【0054】 上記方法は、連続方式またはバッチ方式で実施することができる。連続方式で
方法を実施する場合、液体移動相は、例えば、それ自体周知の方法で反応器中の
酵素含有ポリマー床を通過する。移動相は、基質(および試薬)の溶液であって
もよいし、溶剤なしの液体基質(および試薬)であってもよい。流速は決定的な
要因でないが、方法の技術的な側面、例えば、床の高さ、直径、および粒子サイ
ズ、ならびに反応器のデザインに依存する。酵素含有ポリマーの粒子サイズも同
様に、酵素活性に関して決定的な要因ではない。連続式方法に使用される反応器
は、好ましくは、不均一触媒反応(流体/固体反応)の連続式方法に用いられる
従来の反応器である(J. Hagen, Chemische Reaktionstechnik, VCE, Weinheim
1992, pp. 165-169)。具体的には、流動床反応器および固定床反応器、例えば
、管形反応器、塔式反応器、フルスペース(full space)反応器、急冷管反応器、
管束反応器、および平面床接触反応器が挙げられる。
【0055】 バッチ方式で上記方法を実施する場合、溶剤を用いてまたは用いずに反応器内
において、それ自体周知の方法で基質(および試薬)の溶液中または液体基質(
および試薬)中に酵素含有ポリマーを懸濁させ、この懸濁液を混合する。バッチ
式方法に使用される好ましい反応器は、振盪装置、混合装置、または攪拌装置に
よる不均一触媒反応(流体/固体反応)のバッチ式方法に用いられる従来の反応
器である。具体的には、攪拌容器およびそれをベースにして変更を加えた容器、
ならびに振盪装置を備えた反応容器が挙げられる。
【0056】 反応終了後(熱力学的平衡に達した後)、好ましくは、デカンテーションまた
は濾過および溶剤による洗浄を行って酵素含有ポリマーを単離し、更なる反応に
使用する。
【0057】 上記方法の好ましい実施形態において、ヒドロキシル基、アミノ基、またはメ
ルカプト基のようなアシル化されうる官能基を含有する基質、例えば、アルコー
ル、アミン、またはチオールは、触媒としての酵素含有ポリマーの存在下でアシ
ル化剤によってアシル化される。
【0058】 特に好ましい方法は、本発明に従ってブルコールデリア・プランタリイ(Burkh
olderia plantarii)由来のリパーゼを含有する触媒としてのポリマーの存在下で
アシル化剤を用いて行われるアルコールのアシル化またはエナンチオ選択的アシ
ル化の方法である(実施例2参照)。
【0059】 アルコールに関して事実上制約はない。従って、下記のような一価および多価
アルコールを使用することが可能である; 1-フェニルエタノール、 2-クロロ-1-フェニルエタノール、 2-クロロ-1-(m-クロロフェニル)-エタノール、 3-ペンチン-2-オール、 1-ブチン-3-オール、 2-ヒドロキシ-4-フェニル酪酸エステル、 a-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-エタノール、 1-(1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)-2-プロパノール、 トランス-2-メトキシシクロヘキサノール、または 2-メトキシ-2-フェニルエタノール。
【0060】 本発明に係るアシル化剤は、溶液中においてブルコールデリア・プランタリイ
(Burkholderia plantarii)由来のリパーゼのようなアシル化酵素の存在下でアシ
ル供与体として作用しうる有機化合物を意味する。具体例としては、下記の化合
物が挙げられる: 任意にCl、Br、I、Fのようなハロゲンで置換されている脂肪族、芳香脂肪族、
もしくは芳香族のカルボン酸(アシル化)、例えば、 C1〜C6-アルカンカルボン酸、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸
、または 芳香脂肪族もしくは芳香族のカルボン酸、具体的には、安息香酸、3-フェニル
プロピオン酸、あるいは 対応するカルボン酸エステル(エステル交換反応)、例えば、3-フェニルプロ
ピオン酸エステルまたはエチルアセテートのようなアルキルアセテート。
【0061】 アシル化剤として好ましいカルボン酸エステルは、下記の式IIIで表されるビ
ニルエステルである。
【0062】
【化10】 〔式中、 R5は、水素またはC1〜C4-アルキル基、好ましくはメチル基であり、 R6は、水素、任意にハロゲンで置換されているC1〜C18-アルキル、フェニル、
または(C1〜C3-)アルコキシ-(C1〜C4)-アルキルである。例えば、ビニルホルメ
ート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、またはビニルブチレート。〕
【0063】 更なるアシル化剤は、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、または芳香族の無水カル
ボン酸および混合型無水カルボン酸(アシル化)、例えば、無水酢酸、無水コハ
ク酸(SA)、無水酪酸、無水2-エチルヘキサン酸、または無水メチルコハク酸で
ある。
【0064】 上記方法は、好ましくは、溶液中でまたは液体基質の場合には溶剤なしで実施
される。この方法に使用される好ましい溶剤は有機溶剤である。使用される好ま
しい有機溶剤は、エーテル、芳香族または脂肪族炭化水素、例えば、ジオキサン
、THF、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、また
はヘプタンである。溶液中で該方法を実施する場合、基質濃度は決定的な要因で
はないが、溶液を基準にして好ましくは0.5〜50重量%、特に好ましくは20〜30重
量%である。無水コハク酸(SA)または溶解性の低い他の無水物をアシル化剤と
して使用する場合、SAを溶解するためにプロピレンカーボネートを混合すること
が可能であり、またそうすることが特に有利である。このことは連続式方法の場
合に特に重要である。
【0065】 上述のように、上記方法は連続方式またはバッチ方式で実施しうる。後者の特
に好ましい方法の実施形態では、すなわちバッチ方式の場合には(実施例2.a参
照)、アルコールおよびアシル化剤は上述したように、非プロトン性溶媒中に導
入されるかまたは溶剤なしで使用され、更に、ブルコールデリア・プランタリイ
(Burkholderia plantarii)由来のリパーゼを含有する本発明に係るポリマーが添
加される。反応中、懸濁液の混合を行う。触媒の添加量は決定的な要因ではない
が、遊離リパーゼに対応するポリマーアリコートの量は、典型的な実施形態にお
いて、好ましくは、基質として利用されるアルコールの約0.01〜5重量%である。
反応時間は、熱力学的平衡への到達状況に依存するものであるが、決定的な要因
にはならない。反応時間は、一般的には、6時間〜24時間である。反応終了後、
好ましくは、デカンテーションまたは濾過および非プロトン性溶剤による洗浄を
行うことによって、酵素含有ポリマーを単離し、さらなる反応で使用する。連続
式方法は、先に記載したように行われる。その一実施例が、実施例2.bに記載さ
れている。
【0066】 本発明に係るポリマーを用いて基質のエナンチオ選択的酵素触媒変換を行う方
法は、立体異性体を取り出すために、特に、基質中の立体異性体混合物からエナ
ンチオマーを取り出すために使用することができる。アルコールのエナンチオ選
択的アシル化の方法は、好ましくは、ラセミ体アルコールを分離するために使用
される。固定化リパーゼのエナンチオ選択的基質特異性とは、ラセミ体アルコー
ルの一方のエナンチオマーだけがアシル化され、もう一方のエナンチオマーはそ
のまま残留することを意味する。得られた生成物は、化学的、物理的、および機
械的分離方法を用いてそれ自体周知の手順で容易に分離することができる。具体
例としては、結晶化、沈殿、二相溶剤系における抽出、および蒸留のような熱分
離方法が挙げられる。
【0067】 リパーゼ含有ポリマーはまた、水の添加および好ましくは水/MTBEなどの二相
系の使用によりエステルの加水分解を触媒することができる。
【0068】 本発明に係る酵素含有ポリマーは、変換およびエナンチオ選択的変換を行うた
めの貴重な触媒である。この触媒は、遊離酵素と比較して、有効寿命が長いこと
および反応終了後の反応混合物からの単離が容易であることが特徴である。従来
技術と比較して、本発明に係る酵素含有ポリマーは下記のような利点を有する; ・ポリマーに活性のある酵素種を非常に大きな密度で取込ませることができる。
これを用いると、転換率および有効寿命を保持しつつ、酵素触媒反応においてよ
り高い空時収率(STY)が得られる ・ポリウレタン化学に基づくモノマーを使用することができるため、有機溶液か
らの酵素含有ポリマーの製造はより簡略化され、従って、より経済的である。両
親媒性プレポリマーの製造なしで済ますことが可能である ・酵素含有ポリマーをフォームとしてもアモルファス固体としても製造すること
ができるため、ポリマーの性質を柔軟に最適化することができ、従って、酵素の
活性も柔軟に最適化することができる ・本発明に係る酵素含有ポリマーは、従来技術のものよりも長い有効寿命を有す
る。
【0069】 下記の実施例により、本発明を具体的に説明する。
【0070】実施例1 具体例としてリパーゼ(Burkholderia plantarii)を有する酵素含有ポリマーの
製造 a)エチレンジアミンおよびMDI(4,4'-メチレンジフェニルジイソシアネート
)から作製されるポリウレタン中への、重合によるリパーゼの固定化(表1、lA
) リパーゼ(Burkholderia plantarii)500mgをトルエン100ml中に懸濁させ、
MDI 40mmolを添加した。0℃で1分間攪拌した後、エチレンジアミン40mmolを添加
した。この混合物を室温で15分間攪拌した。MTBE 200mlを添加し、続いて、吸引
濾過し、更に、固体の乾燥を行った。収率:淡黄色固体10.5g。
【0071】 b)〜x)この方法に準じて、横行に記されているジアミン(1〜6)および縦列
に記されている二官能性モノマー(A〜D)を用いて、下記の酵素含有ポリマーを
記載の収量で製造した。酵素含有ポリマーはいずれも淡黄色固体として得られた
【0072】
【表1】 実施例2 実施例1で調製したリパーゼ含有ポリマーの存在下で、アシル化剤としてビニ
ルプロピオネートを用いた、基質としてのラセミ体1-フェニルエタノールのエナ
ンチオ選択的アシル化および有効寿命の測定
【化11】 実施例2.a バッチ式方法 第一に、2LのMTBE中に1-フェニルエタノール500g(4.1mol)およびビニルプ
ロピオネート246g(2.46mol)を添加して原液を調製した。いずれの場合におい
ても、遊離リパーゼ10mgに対応するリパーゼ含有ポリマーのアリコートに、この
溶液を5ml添加した。室温で12時間振盪した後、リパーゼ含有ポリマーを濾別し
、GCによってアシル化対掌体の転換率およびエナンチオ選択率を測定した。その
結果を表2に列挙した。濾過残渣をMTBEで洗浄し、再度、有効寿命を測定するた
めに利用した。実験は最高10回繰り返した。使用したリパーゼ含有ポリマーは、
実施例1で調製したものであった。比較のために、遊離リパーゼを用いて類似の
実験を行った。
【0073】 表2.1: バッチ式方法において、遊離リパーゼの存在下でラセミ体1-フェニルエタノー
ルのエナンチオ選択的アシル化を行ったときのアシル化対掌体の転換率(C、[%
]単位)およびエナンチオ選択率(ee、[%]単位)。前の実験から単離された
リパーゼを用いて該方法を最高10回繰り返した。
【0074】 表2.2: バッチ式方法において、特定のリパーゼ含有ポリマーの存在下でラセミ体1-フ
ェニルエタノールのエナンチオ選択的アシル化を行ったときのアシル化対掌体の
転換率(C、[%]単位)およびエナンチオ選択率(ee、[%]単位)。前の実験
から単離されたポリマーを用いて該方法を最高10回繰り返した。
【0075】 実施例2.b 連続式方法 直径1cmのクロマトグラフィーカラム中にリパーゼ含有ポリマー(B6、実施例l
.v))を充填し、30〜35ml/hの設定流速で前駆溶液を固定化物上にポンプ送液し
た。所定の時間でサンプルを採取し、GCにより転換率およびエナンチオ選択率を
測定した。その結果を表2.3に列挙した。比較のために、遊離リパーゼの凍結乾
燥物を利用した。
【0076】 表2.3:ラセミ体1-フェニルエタノールのエナンチオ選択的アシル化の連続式方
法において所定の時間で測定された[%]単位の転換率(C)およびエナンチオ選
択率(ee)。リパーゼ含有ポリマーB6(実施例l.v))を用いたときの値が、遊
離リパーゼを用いたときの値と比較されている。
【0077】 実施例3 固定化物の活性に及ぼす取込み密度の影響 実施例1.v)に準じて、500mg(取込み率5重量%)、100mg(取込み率1重量%)
、および50mg(取込み率0.5重量%)のリパーゼ(Burkholderia plantarii)を用
いてリパーゼ含有ポリマーB6を製造した。
【0078】 実施例2.1に準じて、アルコールのエナンチオ選択的アシル化に対するリパー
ゼ含有ポリマーの活性および有効寿命を測定した。
【0079】 第一に、2LのMTBE中に1-フェニルエタノール500g(4.1mol)およびビニルプ
ロピオネート246g(2.46mol)を添加して原液を調製した。いずれの場合におい
ても、遊離リパーゼ10mgに対応するリパーゼ含有ポリマーのアリコート(取込み
率の少ないポリマーほど、それに応じてポリマーの量が多くなる)に、この溶液
を5ml添加した。室温で12時間振盪した後、リパーゼ含有ポリマーを濾別し、GC
によってアシル化対掌体の転換率およびエナンチオ選択率を測定した。その結果
を表3に列挙した。濾過残渣をMTBEで洗浄し、再度、有効寿命を測定するために
利用した。実験は最高5回繰り返した。比較のために、遊離リパーゼを用いて類
似の実験を行った。
【0080】 表3:バッチ式方法においてリパーゼ取込み率(重量%)を変えて、リパーゼ含有
ポリマーB6の存在下でラセミ体1-フェニルエタノールのエナンチオ選択的アシル
化を行ったときのアシル化対掌体の転換率(C、[%]単位)およびエナンチオ選
択率(ee、[%]単位)。前の実験から単離されたポリマーを用いて該方法を5回
繰り返した。
【0081】 実施例4 二相(有機性/水性)溶剤系中におけるリパーゼ含有ポリマーを用いたエステル
の加水分解 1-フェニルエチルプロピオネート10gをMTBE/水(1:1、V/V)100ml中に導入し
た。次に、実施例la)に記載のリパーゼ含有ポリマー(A1)10.5gを添加し、3時
間後、GCにより転換率を測定した。反応終了後(3時間後)、吸引しながら濾別
し更にMTBEで洗浄することによってリパーゼ含有ポリマーを反応溶液から単離し
、第二の類似した計画の実験に使用した。
【0082】 比較のために、遊離リパーゼを用いて一連の類似した実験を行った。このため
に、1-フェニルエチルプロピオネート10gをMTBE/水(1:1、V/V)100ml中に導入
した。次に、遊離リパーゼ(Burkholderia plantarii)500mgを添加し、3時間後
、GCにより転換率を測定した。反応終了後(3時間後)、吸引濾過を行ってリパ
ーゼを反応溶液から単離し、第二の類似した計画の実験に使用した。
【0083】 表4:バッチ式方法においてリパーゼ含有ポリマーA1(実施例l.a))または遊離
リパーゼの存在下で1-フェニルエチルプロピオネートの加水分解を行ったときの
転換率([%]単位)。単離されたポリマーを用いておよび単離された遊離リパ
ーゼを用いて該方法を繰り返した。
【0084】 比較例1 具体例としてリパーゼ(Burkholderia plantarii)とポリイソシアネートプレポ
リマーを含む水性酵素懸濁液を反応させることによる酵素含有ポリマーの製造 リパーゼ(Burkholderia plantarii)の10%(重量%)水溶液1mlを添加しなが
ら、B278プレポリマー(BASF AGの商標;MDIキャップ化PO(ポリプロピレンオキ
シド;25%)およびEO(エチレンオキシド;75%)のスペーサーユニットから構成
されているプレポリマー(OH数は約6500である))17.2gを攪拌した。ガスの発
生に伴ってフォームの形成が開始され、約30分後に終了した。100mlのMTBEでフ
ォームを洗浄し、乾燥させた。
【0085】 得られた生成物は、実施例2の実験(エナンチオ選択性酵素的アシル化)にお
いて活性を示さなかった。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月16日(2001.3.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 末端反応性官能基を有する架橋性有機化合物と酵素を反応さ
せることによって酵素含有ポリマーを製造する方法であって、 第一工程において、有機溶剤中で、少なくとも二官能性のモノマー: R1(X)s(Y)t 〔式中、 R1は、2〜5回結合されているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シ
クロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアリールエーテル基、ジ
アリールチオエーテル基、またはジアリールアミン基であり、さらにその芳香族
または非芳香族環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基
、および/またはハロゲン基で置換可能である。ならびに、 s≧0、t≧0、かつ5≧s+t≧2という条件で、 Xは、イソシアネート(−NCO)官能基であり、かつ Yは、イソチオシアネート(−NCS)官能基であるか、または 5≧s+t≧2という条件で、 X=Yは、−COR3官能基(ここでR3は、該酵素のアミノ官能基、ヒドロキシル官
能基、またはメルカプト官能基と置換可能である脱離基である。)である。〕 と該酵素を反応させること、ならびに 第二工程において、少なくとも二官能性のアミンまたは少なくとも二官能性の
アミンの混合物を添加することを含んでなる上記方法。
【請求項】 二官能性のモノマーおよび二官能性のアミンとして下記の組
み合わせが使用される、請求項1に記載の方法: p-フェニレンジイソシアネートと1,n-ジアミノアルカン、 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートと1,n-ジアミノアルカン、 4,4'-メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)と1,n-ジアミノアルカン
、 p-フェニレンジイソシアネートとN-フェニルエチレンジアミン、 p-フェニレンジイソシアネートと1,6-ジアミノヘキサン、 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートとN,N'-ジエチル-エチレンジアミン
、または 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートと1,4-ジアミノブタン (ここでnは、2〜12の整数である。)。
【請求項】 有機溶剤中で酵素活性を有する酵素が使用される、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項】 リパーゼ、アミダーゼ、エステラーゼ、ハロペルオキシダー
ゼ、プロテアーゼ、およびヒドロラーゼが酵素として使用される、請求項1〜3
のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】 工程1と工程2の間の時間が1秒以下〜10分以下である、請求
項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項】 前記反応の前に物理的発泡剤が反応溶液と混合される、請求
項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって得ること
ができる酵素含有ポリマー。
【請求項】 基質の酵素触媒変換またはエナンチオ選択的変換を行う方法
であって、請求項7に記載の酵素含有ポリマーの存在下で基質を反応させること
を含んでなる上記方法。
【請求項】 アルコールが、基質として使用され、かつアシル化される
かまたはエナンチオ選択的にアシル化される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】 アルコールの立体異性体またはラセミ体の混合物が基質と
して使用されかつエナンチオ選択的にアシル化され、次いで該混合物が分別され
る、請求項9に記載の方法。
【請求項11】 化学反応における触媒としての請求項7に記載の酵素含有
ポリマーの使用。
【請求項12】 アルコールのアシル化またはエナンチオ選択的アシル化を
行うための触媒としての請求項7に記載の酵素含有ポリマーの使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B050 CC02 GG03 HH04 LL05 4B064 AD64 CA22 CA35 CB24 CD27 4J034 BA02 CA15 CB02 CB05 CB07 CC03 CC12 CC26 CC45 CC52 CC62 CC65 HA01 HA07 HC12 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 JA02 JA14 JA19 MA29 QC03 RA02 RA05 RA17 【要約の続き】 よびエナンチオマー混合物を分離するための該酵素含有 ポリマーの使用に関する。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造要素のうちの少なくとも1つを含んでなる酵素含
    有ポリマー: 構造要素1 【化1】 構造要素2 【化2】 〔式中、略語および記号は、次の意味を有する。 E:酵素。 X1、X2:互いに独立して、該酵素の官能基に由来する酸素、硫黄、またはNH。 Q:水素または下記の基。 【化3】 A1、A2、A3、A4:互いに独立して、酸素または硫黄。 p:pが0のときA1、A2、A3、A4は酸素であるという条件で、0または1。 w:1〜4。 q:1〜4。 v:1〜100。 R1:2〜5回結合されているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シク
    ロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアリールエーテル基、ジア
    リールチオエーテル基、またはジアリールアミン基であり、さらにその芳香族ま
    たは非芳香族環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基、
    および/またはハロゲン基で置換可能である。 R2:2〜5回結合されているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シク
    ロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアルキルエーテル基、ジア
    ルキルチオエーテル基、ジアリールエーテル基、ジアリールチオエーテル基、ジ
    アリールアミン基、またはピペラジンジアルカンジイル基であり、さらにその芳
    香族または非芳香族環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキ
    ル基、および/またはハロゲン基で置換可能である。 R4およびR5:互いに独立して、水素、C1〜C4-アルキル基、アリール基、また
    はアルキルアリール基。〕
  2. 【請求項2】 前記ポリマー中の酵素の含有量が、全質量を基準にして0.01
    重量%〜50重量%である、請求項1に記載の酵素含有ポリマー。
  3. 【請求項3】 末端反応性官能基を有する架橋性有機化合物と酵素を反応さ
    せることによって酵素含有ポリマーを製造する方法であって、 第一工程において、有機溶剤中で、少なくとも二官能性のモノマー R1(X)s(Y)t 〔式中、 R1は、2〜5回結合されているアルカン基、アルケン基、シクロアルカン基、シ
    クロアルケン基、アレーン基、アリールアルカン基、ジアリールエーテル基、ジ
    アリールチオエーテル基、またはジアリールアミン基であり、さらにその芳香族
    または非芳香族環式基は、1〜4個のC1〜C4-アルキル基、C1〜C4-ハロアルキル基
    、および/またはハロゲン基で置換可能である。ならびに、 s≧0、t≧0、かつ5≧s+t≧2という条件で、 Xは、イソシアネート(−NCO)官能基であり、かつ Yは、イソチオシアネート(−NCS)官能基であるか、または 5≧s+t≧2という条件で、 X=Yは、−COR3官能基(ここでR3は、該酵素のアミノ官能基、ヒドロキシル官
    能基、またはメルカプト官能基と置換可能である脱離基である。)である。〕 と該酵素を反応させること、ならびに 第二工程において、少なくとも二官能性のアミンまたは少なくとも二官能性の
    アミンの混合物を添加することを含んでなる上記方法。
  4. 【請求項4】 二官能性のモノマーおよび二官能性のアミンとして下記の組
    み合わせが使用される、請求項3に記載の方法: p-フェニレンジイソシアネートと1,n-ジアミノアルカン、 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートと1,n-ジアミノアルカン、 4,4'-メチレンビスフェニルジイソシアネート(MDI)と1,n-ジアミノアルカン
    、 p-フェニレンジイソシアネートとN-フェニルエチレンジアミン、 p-フェニレンジイソシアネートと1,6-ジアミノヘキサン、 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートとN,N'-ジエチル-エチレンジアミン
    、または 4-メチル-m-フェニレンジイソシアネートと1,4-ジアミノブタン (ここでnは、2〜12の整数である。)。
  5. 【請求項5】 有機溶剤中で酵素活性を有する酵素が使用される、請求項3
    または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 リパーゼ、アミダーゼ、エステラーゼ、ハロペルオキシダー
    ゼ、プロテアーゼ、およびヒドロラーゼが酵素として使用される、請求項3〜5
    のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程1と工程2の間の時間が1秒以下〜10分以下である、請求
    項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記反応の前に物理的発泡剤が反応溶液と混合される、請求
    項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法によって得ること
    ができる酵素含有ポリマー。
  10. 【請求項10】 基質の酵素触媒変換またはエナンチオ選択的変換を行う方
    法であって、 請求項1、2、または9のいずれか1項に記載の酵素含有ポリマーの存在下で
    基質を反応させることを含んでなる上記方法。
  11. 【請求項11】 アルコールが、基質として使用され、かつアシル化される
    かまたはエナンチオ選択的にアシル化される、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 アルコールの立体異性体またはラセミ体の混合物が基質と
    して使用されかつエナンチオ選択的にアシル化され、次いで該混合物が分別され
    る、請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 化学反応における触媒としての請求項1、2、または9の
    いずれか1項に記載の酵素含有ポリマーの使用。
  14. 【請求項14】 アルコールのアシル化またはエナンチオ選択的アシル化を
    行うための触媒としての請求項1、2、または9のいずれか1項に記載の酵素含
    有ポリマーの使用。
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