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JP2002513596A - 低い初期抵抗を有する電気伝達電極アセンブリ - Google Patents

低い初期抵抗を有する電気伝達電極アセンブリ

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JP2002513596A
JP2002513596A JP2000529294A JP2000529294A JP2002513596A JP 2002513596 A JP2002513596 A JP 2002513596A JP 2000529294 A JP2000529294 A JP 2000529294A JP 2000529294 A JP2000529294 A JP 2000529294A JP 2002513596 A JP2002513596 A JP 2002513596A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、おおよそ、有益な薬剤(例えば、医薬物質)を患者の体表面に経皮的または経粘膜的に供給するか、または、体分析物を経皮的または経粘膜的に採取するための電気伝達装置(10)に係る。最も詳細には、本発明は、始動電気性能を改良し、コンプライアントな薬剤供給のための遅れ時間を改良した構成を有する電気化学的に反応性の電極アセンブリ(60)に係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、おおよそ、有益な薬剤(例えば、医薬物質)を患者に経皮または経
粘膜的に供給するか、または、患者から体分析物(例えば、グルコース)を経皮
または経粘膜採取するための電気伝達装置に関する。最も詳しくは、本発明は、
電気的性能の改良、例えば、装置始動時における低い電気抵抗および処方された
経皮薬剤フラックスに到達するのに必要とされる短い時間を有するように構成さ
れた電極アセンブリに関する。
【0002】 背景技術 本明細書で使用する“電気伝達(electrotransport)”とは
、概して、供給が少なくとも一部電気的に誘発されるか、または、電位の印加に
よって補助される膜(例えば、皮膚、粘膜または爪)を通しての少なくとも1つ
の薬剤または医薬物質(帯電、未帯電またはそれらの混合物)の供給をいう。本
明細書で使用する“医薬物質(drug)”および“薬剤(agent)”とい
う用語は、互換的に使用され、生きている生物に供給する時に、所望される、通
常、有益な、効果を生ずるいずれかの治療的に活性な物質を含むことを意図する
。例えば、有益な治療剤は、皮膚を通しての電気伝達供給によって、患者の全身
循環に導入することができる。
【0003】 電気伝達プロセスは、薬剤、例えば、リドケイン、ヒドロコルチゾン、フルオ
ライド、ペニシリン、デキサメタゾン;および、その他多くの薬剤の経皮投与に
有用であることが見出されている。電気伝達系の一般的な使用は、ピロカルピン
をイオン導入的に供給することによって嚢胞性腺維症を診断することにある。ピ
ロカルピンは、汗の生成を刺激する。ついで、汗は、収集され、病気の存在を検
出するために、そのクロライド含量について分析される。さらに最近では、血中
グルコースレベルを測定するために、体分析物、例えば、グルコースを経皮的に
抽出するために、“可逆的な”電気伝達法が使用されている。分析物採取のため
の可逆的なイオン導入装置および方法についての説明は、Guy et al.
の米国特許5,362,307を参照する。
【0004】 電気伝達装置は、概して、2つの電極を使用し、各々は、患者の体のある部分
(例えば、皮膚)に緊密に接触して位置させる。薬剤供給のためには、活性また
はドナー電極が治療剤(例えば、医薬物質)を体内に供給する。対向またはリタ
ーン電極は、患者の体を通るドナー電極によって電気回路を閉じる。電気的エネ
ルギー源、例えば、電池が電極を通して体に電流を供給する。例えば、体内に供
給されるべき治療剤が正に帯電している(すなわち、カチオン性である)場合に
は、アノードは、ドナー電極であり、カソードは、回路を完成させる対向電極で
ある。供給されるべき治療剤が負に帯電している(すなわち、アニオン性である
)場合には、カソードがドナー電極であり、アノードが対向電極である。薬剤の
供給速度は、概して、印加される電気伝達流に比例する。かかる理由により、一
般に使用される電気伝達システムは、このような装置によって印加される電流を
調節する電気回路を使用する。体分析物を抽出するためには、活性または採取電
極が体からの体分析物を抽出する。対向またはリターン電極は、患者の体を通る
活性電極で電気回路を閉じる。体から抽出されるべき体分析物がカチオン性であ
る場合には、カソードが活性電極であり、アノードが回路を完成させる対向電極
である。抽出されるべき体分析物がアニオン性である場合には、アノードが活性
電極であり、カソードが対向電極である。グルコース抽出の場合には、グルコー
スは、帯電していない分子であるので、アノードおよびカソードのいずれかまた
は双方を活性電極とすることができる。したがって、グルコースは、電気浸透現
象によって相対的に同じ速度で両電極に抽出される。
【0005】 広く使用されている電気伝達プロセス、イオン導入法〔(電子移動(elec
tromigration)とも称す。〕は、帯電したイオン類の電気的に誘発
される伝達を含む。もう1つのタイプの電気伝達は、電気浸透とも称され、印加
される電場の影響下で、供給されるかまたは採取される(帯電したまたは非イオ
ン性の)薬剤を含有する液体溶剤の経皮流動を含む。なおもう1つのタイプの電
気伝達プロセスは、エレクトロポーレーション(electroporatio
n)とも称され、高電圧パルスをそれに印加することによって、生物膜(例えば
、皮膚)に一時的に存在する孔を形成することを含む。いずれかの所定の電気伝
達システムにおいても、これらプロセスの1つより多くがある程度同時に生ずる
こともある。
【0006】 大部分の経皮電気伝達装置は、アノード電極アセンブリとカソード電極アセン
ブリとを有し、各電極アセンブリは、使用時に、患者の皮膚と接触して置かれる
イオン性導電液体溜めとイオン透過関係にある電気的に導電性の電極によって構
成される。Websterの米国特許4,383,529に記載されているよう
なゲル溜めは、水和されたゲルが液体充填容器より容易に取り扱いやすく、製造
しやすいので、溜めの好ましい形態である。水は、一部には、多くの薬剤塩類が
水溶性であり、一部には、水が優れた生物相容性を有し、ヒドロゲル溜めと刺激
性の観点から許容可能な皮膚との間で長期間接触させられるので、このような溜
めに使用される極めて好ましい液体溶剤である。
【0007】 経皮電気伝達装置に使用される電極には、概して、2つのタイプがあり;電気
化学的に反応性でない材料から製造されるもの;および、電気化学的に反応性で
ある材料から製造されるものがある。電気化学的に反応性でない電極、例えば、
ステンレススチール、白金および炭素基体電極は、電極/溜め界面で液体溶剤の
電気化学的酸化または還元を促進する傾向がある。溶剤が水である時、(アノー
ド電極海面での)酸化反応は、ヒドロニウムイオンを生成し、他方、(カソード
界面での)還元反応は、ヒドロキシルイオンを生ずる。かくして、電気化学的に
非反応性の電極を使用する際の1つの重大な欠点は、電極/溜め界面で生ずる水
の酸化および還元反応による装置の作動間にpH変化が生ずることである。水の
酸化および還元は、Phipps et al.,の米国特許4,747,81
9に考察されているように、電気化学的に反応性の電極を使用することによって
大部分回避することができる。アノード電極に使用される好ましい電気化学的に
酸化可能な材料としては、銀、銅および亜鉛のような金属が挙げられる。これら
のうち、銀は、大部分のその他の金属と比較して、より生物相容性であるので、
銀が最も好ましい。カソード電極に使用される好ましい電気化学的に還元可能な
材料としては、金属ハライド類が挙げられる。これらのうち、塩化銀のようなハ
ロゲン化銀が最も好ましい。これら電極材料は、電気伝達溜めにおけるpHドリ
フト問題のエレガントな解決法を提供するものの、これらは、これらに固有の一
連の問題を有する。例えば、銀アノードは、酸化されて、銀イオンを生ずる(A
g→Ag++e-)。銀カチオンは、アノードからイオン導入により、患者の皮膚
へと供給され、そこで、それらは、皮膚が日光に晒されると直ちに灰色または黒
色変色を生ずる。電気化学的に発生した銀イオンのアノード電極からの電気移動
(electromigration)を制限する試みがなされている。電気化
学的に発生させた銀イオン類と反応して、実質的に不溶性のハロゲン化銀を生成
し、それによって、皮膚への銀イオン類の移動を防止するハライドイオン類を生
じさせるために、アノード溜めにハライド薬剤塩を使用することを開示している
、例えば、Phipps et al.の米国特許4,747,819およびP
hipps et al.のWO96/39224参照。電気化学的に発生させ
た銀イオン類と反応して、実質的に不溶性のハロゲン化銀を生成し、それによっ
て、皮膚への銀イオン類の移動を防止するハライドイオン類を生じさせるために
、アノード溜めにハライド樹脂を使用することを開示している、また、例えば、
Phipps et al.のWO95/27530を参照。遺憾ながら、皮膚
への銀イオン移動を防止するためのこれらの両アプローチとも、それらに固有の
欠点を有する。Phipps et al.の米国特許4,747,819およ
びPhipps et al.のWO96/39224に記載された第1のアプ
ローチについては、特に薬剤供給の長期間にわたって、銀移動を防止するのに十
分なハライドイオン類を生じさせるために、非常に大量または“過剰”量のハラ
イド薬剤塩を、アノード溜めに負荷する必要がある場合もある。これは、多くの
薬剤が高コストであり、それによって、銀移動の問題を解決するのにコストがか
かるので、不利益である。Phipps et al.のWO95/27530
に記載された第2のアプローチについては、ハライド樹脂は、それら樹脂から効
率的に除去することのできない多くの不純物および未反応モノマー成分を含有す
ることが見出されている。これら成分の幾分かは、恐らく、その不純物が印加さ
れる電気伝達流によって経皮的に皮膚に供給されるので、樹脂を電気伝達溜めに
使用する時に、望ましくない皮膚刺激を生ずることが見出されている。
【0008】 酸化可能な金属アノードで出くわす金属イオンの移動問題に対する1つの重要
な解決法は、Phipps et al.の米国特許4,747,819および
5,573,503に教示されているように、内位添加化合物を使用することで
ある。内位添加化合物の使用は、金属イオンの患者の皮膚への移動問題を回避す
るものの、これら材料の少なくとも幾つか(例えば、ポリアニリン類)は、一部
には、それらの非常に高い初期(すなわち、電気伝達装置が電気伝達流を印加し
始める時)電気抵抗により、広く使用されていない。高い電気抵抗の問題は、従
来技術のハロゲン化銀カソードに関して、以下、さらに詳細に考察する。
【0009】 したがって、(1)慣用的な酸化可能な金属類で形成したアノードにおいて見
られる競争金属イオンの発生;および/または、(2)高い初期電気抵抗の問題
点を有しない改良アノード電極についての必要性が存在する。
【0010】 カソード側については、ハロゲン化銀カソードは、それらが電気化学的に還元
される時、ハライド(例えば、クロライド)のみを生ずる(AgX→Ag+X-
)。電気化学的に発生させたハライド(例えば、クロライド)イオン類は、カソ
ードから患者に供給される傾向がないが、クロライドは、天然に、体内にかなり
多量に存在し、したがって、カソードからのクロライドイオンの供給は悪影響を
及ぼさない。かくして、ハロゲン化銀カソードは、極めて生物相容性であるもの
の、それらは、少なくとも、十分なハロゲン化銀が還元されて、金属銀が形成さ
れるまで、実質的に非導電性であるという1つの重大な欠点を有する。これは、
内位添加化合物、例えば、ポリアニリン類で形成されたアノードに見られる高い
初期電気抵抗の問題と同等であり、例えば、ポリアニリンで形成されたアノード
は、十分な量のポリアニリンが酸化されるまで、有意な量の電流を導電しない。
これは、ハロゲン化銀カソードおよび/またはポリアニリンアノードが小さな患
者につける電気伝達装置を作働させるために使用される小さな電池(例えば、コ
イン電池)によって供給される比較的小さな電圧に対して電気抵抗が高すぎるの
で、コンプライアントな装置の作動の開始において遅延を生ずる。当然のことな
がら、金属銀を形成するためのハロゲン化銀の電気化学的な還元;および、ポリ
アニリンのさらに導電性の(すなわち、酸化されるかまたはエマラルジン(em
araldine))形を形成するためのポリアニリンの還元された(すなわち
、ロイコ(leuco))形の電気化学的な酸化は、以下の反応: アノードポリアニリン(PA)酸化:PAleuco→PAemaraldine+2H++2
- カソード塩化銀還元:AgCl+e-→Ag+Cl- に従い、電極と液体電解質との間の界面において緩やかに生ずる。 ポリアニリンのロイコ形の還元は、Cushman et al.,“Spec
troelectrochemical Study of Polyanil
ine: the Construction of a pH−Potent
ial phase diagram”, Journal of Elect
roanalytical Chemistry, 291 (1986),
335−346に詳細に考察されている。カソード/液体電解質界面における金
属銀の形成およびアノード/液体電解質界面における酸化されたポリアニリンの
形成は、電極の電気導電性を徐々に改良するが、それは、かなり緩やかなプロセ
スである。その結果、図1に示したそれのような従来の電極構成は、電気伝達装
置の作働開始時におけるそれらの高い電気抵抗により、望ましくない。図1に示
した電極アセンブリ50は、電極52、電解質溜め53および導電性電流コレク
タ51を収容するくぼみまたは溜め25を有するハウジング20を含む。電流コ
レクタ51は、電極52と装置電源(図1には、図示せず)との間に電気接続部
分を含み、電気接続の他方の部分は、金属接点(すなわち、タブ)58と、ワイ
ヤーであってもよいが、さらに典型的には、非導電性の回路基板18上に導電性
のトレースを析出することによって形成される導電性部材70とを含む。初期に
おいて、電極52は、高い電気抵抗を有し、したがって、導電性電流コレクタを
、典型的には、ゲルである電解質溜め53から絶縁するように作動する。このよ
うな絶縁により、不十分な電子の流れが電解質溜め53と電極52との間の界面
56にまたは界面から使用され、レドックス材料の酸化または還元を著しく阻害
し、かくして、電極52を横切るより高い電気抵抗を生ずる。すなわち、電極5
2を横切る大きな初期電圧降下が存在する。
【0011】 電極52の電気抵抗は、オームの法則から計算される:Relectrode=ΔV/
i〔式中、ΔVは、電極を横切る電圧降下であり、iは、印加される電流である
。〕。電気伝達装置の一方の“側”(すなわち、アノード側またはカソード側)
における電気抵抗は、おおよそ、(1)電極アセンブリ;および、(2)電気ア
センブリが適用される患者の体表面(例えば、皮膚)の抵抗の合計であると考え
られる。初期皮膚抵抗は、電気伝達装置を最初にオンする時には、概して、極め
て高い(例えば、約50,000オーム−cm2より高い)が、皮膚抵抗は、装
置作動の最初の2〜5分間の間に、典型的には、2〜10ボルトの範囲の電圧を
印加する電気伝達装置電源のコンプライアントな範囲内で十分であるレベルまで
非常に迅速に低下する。この期間、皮膚抵抗を克服するために、全ての利用可能
なエネルギーが使用されることが重要であるので、抵抗性電極による過剰な電圧
降下は、治療に利用可能な電流を減少させるであろう。電極抵抗が予め決められ
た量より高い場合、コンプライアンスに欠け、このことは、電極抵抗が電源の限
られた電圧に対して高すぎるので、装置が処方された電流を印加することができ
ないことを意味する。遺憾ながら、ポリアニリンアノードおよびハロゲン化銀カ
ソードの電気抵抗は、ヒトの皮膚のように迅速に降下しない。かくして、電気伝
達装置がコンプライアントとなり、処方された電流を供給することができるレベ
ルまで電極抵抗が低下するまでには、長い待ち時間(例えば、30分より長い)
が存在するかも知れない。装置のコンプライアンスに到達するこの遅延は、また
、始動遅れ時間(start−up lag−time)とも称される。この始
動遅れ時間の間、アノード抵抗は、例えば、ポリアニリンが反応して、電気的に
導電性の酸化されたポリアニリンを形成するのにつれて低下し、カソード抵抗は
、ハロゲン化銀が反応して、電気的に導電性の金属銀が形成するのにつれて低下
する。さらに重要なことには、コンプライアントな薬剤供給に対する遅れ時間は
、電気伝達薬剤供給におけるポリアニリンアノードおよびハロゲン化銀カソード
の使用を多くの用途について許容不能とする。例えば、片頭痛を処置するための
抗片頭痛経薬剤の供給または痛みを処置するための麻酔薬鎮痛薬の供給のような
経皮電気伝達薬剤供給についての多くの用途は、コンプライアンスに対して非常
に短い遅れ時間を必要とする。
【0012】 当然のことながら、コンプライアントな電気伝達装置の作動に到達する遅れは
、電池の電圧を高くすることによって短くすることができるが、これには、装置
に電力を供給するさらに多くの(またはさらに高価な)電池を必要とし、これは
、電気伝達薬剤供給のコストを上昇させて望ましくない。コンプライアントな電
気伝達装置の作動に到達する遅れは、また、Myers et al.の米国特
許5,147,297に教示されているように、電気的に導電性の充填材、例え
ば、粉末化した金属またはカーボンを内位添加アノードまたはハロゲン化銀カソ
ードに添加することによっても克服することができる。しかし、このことは、導
電性充填材が非常に良質で、かつ、電極マトリックス全体に均一な分布を有する
必要があるので、これら電極の製造をさらに困難とし、また、電極をさらに高価
なものとする。
【0013】 したがって、コンプライアントな薬剤供給を迅速に達成し、高い初期電圧抵抗
による著しい電圧降下がなく、いずれの顕著な初期電極抵抗をも克服するために
、著しく高い電力供給電圧またはその他の高価な導電性充填材を必要としない電
気伝達装置のための改良電極についての必要性が存在する。
【0014】 発明の説明 本発明は、電極52が電流コレクタ51と、電解質溜めおよび電極52におい
て収容されたレドックス種の界面56との間で高い電気抵抗バリヤーとして初期
的に作動する図1に示した従来技術の電極アセンブリ50に付随する欠点を克服
する。本発明は、体表面、例えば、皮膚を通して薬剤を供給または採取するため
の電気伝達装置を提供する。装置は、ともに、電力源(例えば、1個以上の電池
)に実質的に接続された、一方がアノードで、一方がカソードである1対の電極
アセンブリを含む。電極アセンブリの少なくとも1つは、電極;電源に電極を接
続する電流コレクタ;および、電極に対してイオン透過関係にある電解質溜めを
含む。使用時に、電解質溜めは、体表面(例えば、皮膚)とイオン透過関係に位
置する。
【0015】 電極は、少なくとも一部、固相によって構成される電気化学的に反応性の(す
なわち、電気化学的に酸化可能なまたは還元可能な)によって構成される。電極
は、高い初期電気シート抵抗、典型的には、約100オーム/平方より高い抵抗
を有し、この抵抗は、電極を電流に晒すことによって低くなる。このように晒す
と、電気化学的に反応性の材料は、より低い電気抵抗を有する形に酸化または還
元されて、電極のシート抵抗は、その初期のシート抵抗よりも低くなる。
【0016】 電流コレクタは、低い初期抵抗を有し(すなわち、それは、非常に導電性であ
る。)、装置電源と電極との間の電気的な接続の少なくとも一部を含む。かくし
て、電流コレクタは、電源と電極との間に電流を導電する。
【0017】 電気伝達装置が電気伝達流を印加し始める時に、電極;電流コレクタ;および
、電解質溜めは、共通境界を形成する。共通境界条件は、本発明の電極アセンブ
リに、コンプライアントな電流伝達供給およびより低い初期電流抵抗を達成する
ための遅れ時間を短くし、それによって、装置を作動させるために、より低い電
源電圧しか必要としない。
【0018】 本発明の電極アセンブリは、(1)電極が抵抗性の酸化可能な材料、例えば、
ポリアニリンのロイコ形によって構成されるアノード電極アセンブリ;または、
(2)電極が抵抗性の還元可能な材料、例えば、ハロゲン化銀によって構成され
るカソード電極アセンブリのいずれであってもよい。
【0019】 発明を実施するための形態 定義 本明細書で使用する“電気化学的に反応性の材料”という用語は、電気化学的
に酸化または還元することのできる化合物または組成物を意味し、材料の反応し
た形(すなわち、酸化されるかまたは還元されるかした形)は、材料の未反応の
形(すなわち、それぞれ、酸化可能かまたは還元可能な形)よりも低い電気抵抗
を有する。この用語は、また、内位添加ホスト材料をも含み、これらは、それら
自体、直接、酸化または還元することができるか、あるいは、酸化または還元さ
れるドーパントを内位添加することができる。
【0020】 本明細書で使用する“共通境界(common boundary)”という
用語は、電流コレクタ;電極;および、電解質溜めの巨視的かつ測定可能な共通
部分を意味する。
【0021】 本明細書で使用する“電極アセンブリ(electrode assembl
y)”という用語は、少なくとも以下の3つの素子:電流コレクタ;電極;およ
び、電解質溜めの集合を含む。
【0022】 本明細書で使用する“電気シート抵抗(electrical sheet
resistance)”という用語は、材料の単位正方形の対向するエッジ間
の表面抵抗である。電気シート抵抗(文献においては、表面抵抗率と称されるこ
ともある。)は、概して、文献において、記号ρsによって示され、表面上の電
流を特性決定するために使用される。正方形を横切る抵抗は、正方形の寸法とは
独立であり、シート抵抗の単位は、オームであるか、または、さらに必要以上に
(および本明細書で使用するように)、オーム/平方である。導電表面は、常に
、有限な厚さtを有する層であり、シート抵抗は、以下の式:ρs=ρv÷tによ
って層の体積低効率ρvに関係づけられる。いずれかの所定の電極または電流導
体のシート抵抗は、The American Society for Te
sting and Materials(ASTM), West Cons
hohocken, PA, volume 10.02, Test Sta
ndard Designation D4496−88(reapprove
d 1993),entitled “Standard Test Meth
od for D−C Resistance or Conductance
of Moderately Conductive Methods”に記
載されている方法に従い測定することができる。
【0023】 本明細書で使用する“体表面(body surface)という用語は、生
きている動物の皮膚、粘膜および/または爪を含む。特に、それは、生きている
ヒトの皮膚を含む。
【0024】 本明細書で使用する“電解質溜め”という用語は、装置作動の間に溶解したイ
オンを含有するか受け取る液体を意味する。この用語は、対向電極に使用される
塩水溶液;および、ドナー電極の薬剤溶液または懸濁液を含む。この用語は、ま
た、このような溶液または懸濁液を含有するゲルのようなポリマー、スポンジま
たは布帛のようなマトリックスを含む。この用語は、ともに水性溶液および非水
性溶液(例えば、グリコールまたはグリセロール中に溶解した電解質の溶液)を
含む。
【0025】 本明細書で使用する“コンプライアントな薬剤供給(compliant a
gent delivery)”という用語は、薬剤が電気伝達を経て処方され
た電気伝達流で体表面を通して供給されることを意味する。装置構成部材および
/または皮膚があまりに高い電気抵抗を有するので、電気伝達装置が処方された
電気伝達流を最大に印加された電圧においてさえ供給することができない時には
、コンプライアントな薬剤供給は存在しない。
【0026】 本明細書で使用する“遅れ時間(lag time)”という用語は、電気伝
達装置が非コンプライアント電流を印加する間の時間を意味する。概して、遅れ
時間は、電気伝達装置が電気伝達流を印加し始める時間から処方される電気伝達
流が印加され始める時間まで測定される。
【0027】 図2は、本発明に従う電極アセンブリ60の1つの例を示す。従来技術の電極
アセンブリ50と同様に、電極アセンブリ60は、また、電流コレクタ61;電
極62;および、電解質溜め63を収容する溜めまたはくぼみ25を有するハウ
ジング20を含む。電流コレクタ61は、電極62と装置電源(図2においては
図示せず)との間の電気的接続の一部を含み、電気接続の他の部分は、典型的に
は、非導電性回路基板18の上に析出させた導電性のトレースで形成される金属
接点(すなわち、タブ)68および導電性回路71を含む。図1に示した電極ア
センブリ50と同様に、本発明の電極アセンブリ60は、初期に高い電気抵抗を
有するレドックス材料によって構成された電極62を含む。概して、電極62は
、約100オーム/平方より高い初期電気シート抵抗、好ましくは、約10,0
00オーム/平方より高い初期電気抵抗を有し、電極62は、その初期の電気シ
ート抵抗よりも低い電気シート抵抗を有する形に酸化可能または還元可能である
。電極62のレドックス材料は、固相である必要があり、隣接する電解質溜め6
3の液層に容易に溶解する必要はない。好ましくは、レドックス材料は、電解質
溜め63内部の液体における溶解度約1mg/ml未満を有する。最も好ましく
は、電極62は、完全に、または、実質的に完全に、レドックス材料によって構
成される。
【0028】 従来技術の電極アセンブリと異なり、本発明の電極アセンブリ60は、電流コ
レクタ61より小さな横方向の寸法(すなわち、長さおよび/または幅)を有す
る電極62を使用し、その結果、電流コレクタ61、電極62および電解質溜め
63の間に共通境界64,64’を生ずる。共通境界64,64’は、電流コレ
クタ61によって保有される電子、電極62内に収容されるレドックス材料およ
び電解質溜め63が相互に全て即接触する領域を生ずる。これら3つの素子を緊
密に近位に備えると、このような共通境界条件を備えない電極アセンブリ50の
初期電気抵抗と比較して、電極アセンブリ60の初期電気抵抗を著しく低下させ
る。
【0029】 電極アセンブリ60がカソード電極アセンブリである場合には、電極62は、
電気化学的に還元可能な材料、例えば、塩化銀によって構成されるカソードであ
る。塩化銀は、実質的に水不溶性の固相レドックス材料である。かくして、溜め
63内の液体が水性液体である時、塩化銀は、溜め63内の液体に容易に溶解し
ない。電解質溜め63は、典型的には、液体電解質を含有する高分子ゲルの形で
ある。電極アセンブリ60がドナー電極アセンブリである場合には、ゲル内の液
体電解質は、典型的には、薬剤溶液である。電極アセンブリ60が対向電極アセ
ンブリである場合には、ゲル内の液体電解質は、典型的には、塩水である。
【0030】 電流コレクタ61および電極62の斜視図を図3に示す。共通境界64をより
よく示すために、電解質溜め63を除いてある。この実施態様において、共通境
界64は、4本の線を含み、これらは、互いに、長方形の形状を形成する。
【0031】 好ましくは、電流コレクタ61は、電極62のシート抵抗の1/2未満である
シート抵抗を有する。さらに好ましくは、電流コレクタ61は、約50,000
オーム/平方未満のシート抵抗を有し、なおさらに好ましくは、約1000オー
ム/平方未満のシート抵抗、最も好ましくは、約10オーム/平方未満のシート
抵抗を有する。電流コレクタ61は、金属性またはカーボン箔(例えば、銀、ス
テンレススチール、白金またはグラファイト)であってもよく、または、導電性
充填材、例えば、炭素繊維、カーボン粒子または金属粒子を負荷された高分子フ
ィルムであってもよい。最も好ましくは、電流コレクタ61は、電気的に導電性
のトレース;または、金属および/またはカーボン導電性充填材を含有する接着
性高分子結合剤によって構成される電気的に導電性の接着剤の形である。接着剤
は、接点および電極間の良好な電気的連続性を維持するために、接点68と電極
62とを接着する。
【0032】 カソード電極62の表面で還元反応が進行すると、共通境界64,64’にお
いて塩化銀の還元が初期的に生じ、金属性銀を生成し、共通境界64,64’に
近い領域をさらに電気的に導電性とする。装置を作動させるにつれ、塩化銀の還
元が進行し、最終的に、カソード電極62の外側表面全体を覆う。
【0033】 共通境界64,64’においては、電流コレクタ61が電子の容易な供給を生
じ、電解質溜め63内の液体がイオンを移動させるために利用可能であり、電解
質溜め63と患者の体表面との間のイオン流によって構成される電気伝達流を生
じさせるので、迅速に還元される。例えば、電極62が塩化銀を含む時、塩化銀
は、還元され、Ag金属およびクロライドイオンを生成する。電解質溜め63内
のアニオンは、体表面に移動し、薬剤を供給または採取するための電流を達成す
る。薬剤は、塩化銀が共通境界64,64’に沿って全て迅速かつふんだんに還
元されるので、カソードにおいて著しい電圧降下または遅れ時間を生ずることな
くコンプライアントな供給速度で皮膚を通して供給または採取される。
【0034】 対照的に、図1に示したように、従来技術の電極アセンブリ50は、電流コレ
クタ51および電解質溜め53と共通境界をわかたない電極52を有する。塩化
銀電極52と電解質溜め53との間の界面56は、塩化銀電極52が実質的に非
導電性であるので、電子を容易に供給しない。かくして、電極52は、電流コレ
クタ51によって生ずる電子を電解質溜め53と電極52との間の境界56に到
達させないように実質的に絶縁し、かくして、電極52の界面56における塩化
銀の還元を妨げる。かくして、電気抵抗における増大の正味効果は、回路のコン
プライアンス電圧がコンプライアントな薬剤供給を初期的に達成するのに不十分
であるかもしれないことである。
【0035】 電極アセンブリ60がアノード電極アセンブリである場合には、電極62は、
電気化学的に酸化可能な材料、例えば、ポリアニリンによって構成されるアノー
ドである。電解質溜め63は、典型的には、液体電解質を含有する高分子ゲルの
形である。電極アセンブリ60がドナー電極アセンブリである場合には、ゲル内
の液体電解質は、典型的には、薬剤溶液である。電極アセンブリ60が対向電極
アセンブリである場合には、ゲル内の液体電解質は、典型的には、塩水である。
【0036】 アノードポリアニリン(ロイコ形)電極62の表面において、酸化反応が進行
するにつれ、ポリアニリンの酸化が初期的に共通境界64,64’において生じ
、酸化されたポリアニリン(ポリアニリンの還元されたロイコ形よりもさらに電
気導電性であるエマラルジン形)を生成し、共通境界64,64’に近い領域を
さらに電気導電性とする。装置が作動すると、ポリアニリンの酸化が進行し、最
終的には、アノード電極62の外側表面全体を覆う。
【0037】 共通境界64,64’においては、電極62は、電流コレクタ61が電子の用
意をし、電解質溜め63の液体がイオンを移動させるのに利用可能であり、電解
質溜め63と患者の体表面との間のイオン流を構成する電気伝達流を生じさせる
ので、迅速に酸化される。例えば、電極62がロイコ−ポリアニリンを含む時、
ロイコ−ポリアニリンは、酸化され、電気的に導電性の酸化されたポリアニリン
を生成する。電解質溜め63内のカチオンは、体表面に移動し、薬剤を供給また
は採取するための電流を達成する。薬剤は、ポリアニリンが共通境界64,64
’に沿って全て迅速かつふんだんに酸化されるので、アノードにおいて著しい電
圧降下または遅れ時間を生ずることなくコンプライアントな供給速度で皮膚を通
して供給または採取される。
【0038】 対照的に、図1に示したように、従来技術の電極アセンブリ50は、電流コレ
クタ51および電解質溜め53と共通境界をわかたない電極52を有する。例え
ば、ロイコ−ポリアニリン電極52と電解質溜め53との間の界面56は、ポリ
アニリン電極52が初期に(すなわち、著しい酸化が生ずる前)実質的に非導電
性であるので、電子を容易に排出しない。かくして、電極52は、電流コレクタ
51を電解質溜め53と電極52との間の境界56から実質的に絶縁し、かくし
て、電極52の界面56におけるロイコ−ポリアニリンの酸化を妨げる。かくし
て、電気抵抗における増大の正味効果は、回路のコンプライアンス電圧が所望さ
れるかまたは必要とされる治療電流を供給するのに不十分であるかもしれないこ
とである。
【0039】 電流コレクタ61、電極62および電解質溜め63の間の共通境界は、少なく
とも1つの共通境界が存在する限り、また、共通境界が電極62の許容不能に高
い初期電気抵抗を電極アセンブリ60について全体として許容可能な初期抵抗ま
で低下させるのに十分な長さを有する限り、いかなる形状または構成を有しても
よい。例えば、電極62は、電流コレクタ61からオフセットすることができ、
単一の共通境界(64または64’)を形成する。これとは別に、共通境界は、
少なくとも1つの共通境界が存在する限り、円形、三角形、楕円形またはいずれ
のその他の形状(個別的にまたは集合的に)であってもよい。あるいは、電極6
2は、電解質溜め63を電流コレクタ61に直接接触させることのできるいずれ
の形状の孔またはスロット(例えば、ドーナツ形の電極)を有することもできる
【0040】 若干の例においては、電極62および/または電流コレクタ61の接着力また
は親水性を改良するために、電極62と電流コレクタ61との間の接着力を改良
するか、または、これら素子の電解質溜め63に対する接着力を改良するために
、電極62および/または電流コレクタ61を接着剤または親水性表面塗膜のよ
うな材料の薄い層で被覆することが望ましいかもしれない。電極62および/ま
たは電流コレクタ61上の親水性表面塗膜は、また、これら素子のいずれかまた
は双方と(例えば、水性)電解質溜め63との間の表面相互作用を改良するため
に使用することができる。このような塗膜は、電極62および/または電流コレ
クタ61を電解質溜め63から物理的に仕切る作用をする。しかし、電極62お
よび/または電流コレクタ61上のいずれかのこのような塗膜が薄く、電気的に
またはイオン的に導電性である限り、その塗膜は、存在するであろう共通境界に
対して障害ではなく被覆のためだと考えるべきである。
【0041】 共通境界の最小必要長さは、電源によって印加することのできる最高電圧;電
気伝達流の処方されたレベル;および、電極62の初期シート抵抗等多数の因子
に依存する。概して、被服の下に邪魔にならないように身につけるのに適合した
小さな電気伝達経皮供給および採取装置は、約20ボルト未満の範囲の最高電圧
、さらに典型的には、約2〜10ボルトの範囲の最高電圧を有する電源を有する
であろう。さらに、このような装置は、典型的には、1mA未満、さらに典型的
には、0.5mA未満の電気伝達流を印加する。さらに、粒子形態でレドックス
種を含有する高分子成分(例えば、塩化銀粒子を含有するポリイソブチレンマト
リックス)によって形成される電極は、典型的には、約1,000オーム/平方
より大きな、さらに典型的には、約10,000オーム/平方より大きな電気シ
ート抵抗を有するであろう。このような“典型的な条件”下では、共通境界の長
さは、少なくとも約0.1cm、好ましくは、少なくとも約1cmである必要が
ある。共通境界長さ(l)対印加された電気伝達流(i)の比の関係で表すと、
その比は、少なくとも0.1cm/mAである必要があり、好ましくは、少なく
とも約1cm/mAである。
【0042】 本発明の電極アセンブリ70のもう1つの例を図5に示す。この構成において
、電極62と電流コレクタ61との面する側は、同一の表面積を有し、互いに積
層されて2層ラミネート構造を形成する。その結果、共通境界64は、電極62
/電流コレクタ61ラミネートのエッジ上にある。
【0043】 本発明の電極アセンブリ80のもう1つの例を図6に示す。この構成において
は、電極62は、電流コレクタ61より広い。その結果、共通境界64は、電極
の“張り出し”の下側にある。
【0044】 本発明の電極アセンブリ90のもう1つの例を図7に示す。この構成において
は、複数の電極62がその間に空間を有して電流コレクタ61に積層されている
。電解質溜め63は、電流コレクタ61と接触して、複数の共通境界64を形成
する。十分な長さの共通境界が存在する限り、その他の構成も本発明によって考
えられる。図2〜図7を通して示した構成は、単なる例示である。
【0045】 概して、電極62は、初期において、非常に抵抗性の状態であるが、酸化また
は還元されると、より低い抵抗性となる材料を含む。カソード電極62の場合、
電極は、少なくとも一部、電気的に還元可能な材料によって構成される。還元可
能な材料は、金属化合物、金属錯体、内位添加化合物、アルカリ金属をホストす
るカーボン内位添加ホスト、および、電気的に酸化可能かまたは還元可能なポリ
マー類から選択することができる。還元可能な材料の特に好ましい類は、式:M
X〔式中、Mは、電気的に還元されうる(アルカリ土類金属以外の)金属であり
、Xは、高分子アニオン類;および、低分子量アニオン類、例えば、ハライド類
、サルフェート類およびホスフェート類から選択されるが、好ましくは、ハライ
ドである。〕によって定義される化合物である。最も好ましくは、Xは、クロラ
イドである。好ましくは、Mは、銀、亜鉛または銅であり、さらに好ましくは、
銀である。本発明のカソードに使用される最も好ましい電気化学的に還元可能な
材料は、実質的に純粋な塩化銀である。
【0046】 本発明のカソードに使用される還元可能な材料のもう1つのタイプは、アルカ
リ金属タングステートのような内位添加化合物である。アルカリ金属タングステ
ートについて示される還元反応は、以下の通りである: M++MxWO3+e-→M1+xWO3 〔式中、Mは、アルカリ金属、好ましくは、ナトリウムである。〕 その他の還元可能なおよび酸化可能な種は、CRC Handbook of
Chemistry and Physics, 57th Edition,
D−141 to D−146に列挙されており、この文献は、参考とするこ
とによって、本明細書に組込む。
【0047】 本発明のアノードに使用される好ましい電気化学的に酸化可能な材料は、ポリ
アニリンのロイコ形である。 本明細書で使用する“薬剤(agent)”という用語は、例えば、診断目的
のために、体から採取される薬剤;および、治療的効果を達成するために、装置
から体に供給される治療剤の両薬剤を含む。診断目的のための採取薬剤のコンテ
キストにおいて、薬剤は、例えば、血中グルコースの測定のような診断試験を行
うために採取されるグルコースまたは電解質を含むいずれかの体分析物であって
もよい。治療剤供給のコンテキストにおいては、“薬剤(agent)”という
用語は、“医薬物質(drug)”と互換的に使用され、各々、生きている生物
に供給する時に、所望される、通常、有益な効果を生ずる治療学的に活性な物質
として、当分野において、その最も広い妥当な解釈を与えられることを意図する
。例えば、“薬剤(agent)”とは、全ての治療カテゴリーからの治療化合
物および分子を含み、例えば、抗感染症剤(例えば、抗生物質および抗ウイルス
剤)、鎮痛剤(例えば、フェンタニール、スフェンタニル、ビュプレノルフィン
および鎮痛剤の組合せ)、麻酔薬、抗関節炎剤、抗ぜん息剤(例えば、テルブタ
リン)、抗痙攣薬、抗うつ病剤、抗糖尿病剤、下痢止め剤、抗ヒスタミン剤、抗
炎症剤、抗片頭痛剤、抗乗り物酔い製剤(例えば、スコポルアミンおよびオンダ
ンセトロン)、抗腫瘍剤、抗パ−キンソン病剤、かゆみ止め薬、抗精神病薬、解
熱剤、鎮痙薬(胃腸および尿を含む)、抗コリン作働薬、交感神経様作用剤、キ
サンチンおよびその誘導体、心臓血管製剤(カルシウムチャンネルブロッカー、
例えば、ニフェジピンを含む)、β−アゴニスト(例えば、ドブタミンおよびリ
トドリン)、β−ブロッカー、抗不整脈剤、抗高血圧症薬(例えば、アテノロー
ル)、ACE阻害剤(例えば、リジノプリル)、利尿薬、血管拡張薬(全身、心
臓、末梢および大脳を含む)、中枢神経系刺激剤、咳きおよび悪寒止め製剤、う
っ血除去剤、診断薬、ホルモン類(例えば、上皮小体ホルモン類)、催眠剤、免
疫抑制剤、筋肉弛緩剤、副交感神経遮断剤、副交感神経作働剤、プロスタグラン
ジン類、蛋白質類、ペプチド類、精神刺激薬、鎮静薬および精神安定薬が挙げら
れるが、これらに限定するものではない。
【0048】 本発明の電気伝達装置は、また、医薬物質および/または薬剤、例えば、バク
ロフェン、ベクロメタゾン、ベータメタゾン、ビュスピロン、クロモリンナトリ
ウム、ジチアゼム、ドキサゾシン、ドロペリドール、エンケイニド、フェンタニ
ール、ヒドロコルチゾン、インドメタシン、ケトプロフェン、リドケイン、メト
トレキセート、メトクロプラミド、ミコナゾール、ミダゾラム、ニカルジピン、
ピロキシカム、プラゾシン、スコポルアミン、スフェンタニル、テルブタリン、
テストステロン、テトラケインおよびベラパミルを供給することもできる。
【0049】 本発明の電気伝達装置は、また、ペプチド類、ポリペプチド類、蛋白質類、オ
リゴヌクレオチド類、多糖類およびその他の巨大分子を供給することができる。
このような分子は、それらの大きさにより、経皮的または経粘膜的に供給するこ
とが困難であることが当分野において知られている。例えば、このような分子は
、300−40,000ドルトンの範囲の分子量を有することができ、例えば、
LHRHおよびその類縁体(例えば、ブセレリン、ゴセレリン、ゴナドレリン、
ナフレリンおよびロイプロリド)、GHRH、GHRF、インスリン、インスリ
ノトロピン、ヘパリン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TR
H、NT−36またはN−〔〔(S)−4−オキソ−2−アゼチジニル〕カルボ
ニル〕L−ヒスチジル−L−プロリンアミド〕、リプレシン、下垂体ホルモン(
例えば、HGH、HMG、HCG、デスモプレッシンアセテート)、フォリサイ
ルルテオイド、a−ANF、成長因子放出因子(GFRF)、b−MSH、ソマ
トスタチン、ブレディキニン、ソマトトロピン、血小板誘導成長因子、アスパラ
ギナーゼ、ブレオマイシンサルフェート、キモパパイン、コレシストキニン、コ
リオニックゴナドトロピン、コルチコトロピン(ACTH)、エリスロポイエチ
ン、エポプレステノール(血小板凝血阻害剤)、グルカゴン、ヒルログ、ヒアル
ロニダーゼ、インターフェロン、インターロイキン−2、メノトロピン類(例え
ば、ウロフォリトロピン(FSH)およびLH)、オキシトシン、ストレプトキ
ナーゼ、組織プラスミノゲン活性剤、ウロキナーゼ、バソプレッシン、デスモプ
レッシン、ACTH類縁体、ANP、ANPクリアランス阻害剤、アンギオテン
シンIIアンタゴニスト、抗利尿ホルモンアゴニスト、抗利尿ホルモンアンタゴ
ニスト、ブラディキニンアンタゴニスト、CD4、セレダーゼ、CSF’s、エ
ンケファリン類、FABフラグメント、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、神
経栄養因子、コロニー刺激因子、上皮小体ホルモンおよびアゴニスト、上皮小体
ホルモンアンタゴニスト、プロスタグランジンアンタゴニスト、ペンチゲチド、
蛋白質C、蛋白質S、レニン阻害剤、チモシンα−1アンチトリプシン(組換型
)およびTGF−βが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0050】 図4は、本発明に関して使用することのできる典型的な電気伝達供給装置を示
す。装置10は、上方ハウジング16、回路基板アセンブリ18、下方ハウジン
グ20、電極42および42’、電解質ゲル溜め26および28、および、皮膚
相溶性の接着剤30を含む。上方ハウジング16は、患者の皮膚上に装置10を
保持する助けをする横方向のウイング15を有する。上方ハウジング16は、好
ましくは、射出成形可能なエラストマー(例えば、エチレンビニルアセテート)
によって構成される。印刷された回路基板アセンブリ18は、1個以上の電気的
構成部材19(例えば、集積回路)および電池32を含む。回路基板アセンブリ
18は、開口13aおよび13bを通してポスト(図4には図示せず)によって
ハウジング16に取りつけられ、ポストの終端は、回路基板アセンブリ18をハ
ウジング16にヒートステイクする(heat stake)ために、加熱/溶
融される。下方ハウジング20は、接着剤30によって上方ハウジング16に取
りつけられ、接着剤30の皮膚遠位側は、下方ハウジング20と、ウイング15
の底部表面を含む上方ハウジング16とに接着する。
【0051】 回路基板アセンブリ18のアウトプット(図4には図示せず)は、それぞれ、
電流コレクタ22および24を通して電極42’および42と電気的な接触をす
る。電流コレクタ22および24は、それぞれ、電極42’および42の皮膚遠
位側と接着する電気的に導電性の接着剤によって構成される。電流コレクタ22
および24の皮膚遠位側は、下方ハウジング20に形成された開口23’および
23を通して回路基板アセンブリ18の下側で回路アウトプットと接着する。電
極42および42’は、同様に、電解質ゲル溜め26,28の皮膚遠位側と直接
機械的および電気的に接触される。電解質ゲル溜め26,28の皮膚近位側は、
接着剤の開口29’および29を通して患者の皮膚と接触する。
【0052】 装置10は、所望により、患者が電気伝達によって一服の薬を自分で服用可能
にするという特徴を有する。プッシュボタンスイッチ12を押すと、回路基板ア
センブリ18上の電子回路が予め決められた長さの供給間隔で、電極/電解質溜
め42’,42および26,28に予め決められたDC電流を供給する。プッシ
ュボタンスイッチ12は、便利なように、装置10の頂部側に位置し、被服を介
して容易に操作される。プッシュボタンスイッチ12を短時間、例えば、3秒以
内に2回押すと、好ましくは、薬剤供給について装置10を活性化するために使
用することができ、それによって、装置10の不注意による作働の可能性を最小
とする。好ましくは、装置は、LED14を点灯させ、および/または、例えば
、“ビーパー”から聴取可能な信号により、薬剤供給間隔の開始の目視可能およ
び/または聴取可能な確認をユーザーに伝える。薬剤は、予め決められた供給間
隔にわたって、例えば、腕上で電気伝達により、患者の皮膚を通して供給される
【0053】 本発明に従えば、電極42および42’は、それぞれ、電解質ゲル溜め28お
よび26の皮膚遠位側に押しつけて置かれる。これらくぼみの深さは、電極42
および42’の厚さにほぼ等しいので、装置10の2電極アセンブリの各々には
卵形形状の共通境界が存在する。かくして、電流コレクタ22、電極42’およ
び電解質ゲル溜め26の間には共通境界が存在する。また、電流コレクタ24、
電極42および電解質ゲル溜め28の間にも共通境界が存在する。装置10は、
装置10の両側(すなわち、アノード側およびカソード側)の共通境界を示すが
、本発明の範囲内において、電気伝達装置10の一方の側のみ(すなわち、アノ
ード側またはカソード側)のみに、共通境界を使用することもできる。
【0054】 プッシュボタンスイッチ12、回路基板アセンブリ18上の電子回路および電
池32は、上方ハウジング16と下方ハウジング20との間に接着剤により“密
封される(sealed)”。上方ハウジング16は、好ましくは、ゴムまたは
その他のエラストマー材料によって構成される。下方ハウジング20は、好まし
くは、くぼみ25,25’を形成するために容易に成形することができ、開口2
3,23’を形成するために切断することのできるプラスチックまたはエラスト
マーシート材料(例えば、ポリエチレンまたはポリエチレンテレフタレートコポ
リマー)によって構成することができる。組み立てた装置10は、好ましくは、
耐水性(すなわち、スプラッシプルーフ)であり、最も好ましくは、防水性であ
る。システムは、容易に体に合うように浅い彫りを有し、それによって、着用部
位およびその周りで自由に運動することができる。電解質ゲル溜め26および2
8は、装置の皮膚接触側に位置し、正常な取り扱いおよび使用の間の偶発的な電
気ショートを防止するために、十分に仕切られている。
【0055】 装置10は、周辺(電解質ゲル溜め26および28の周囲を取り囲む)接着剤
30によって体表面(例えば、皮膚)に接着する。接着剤30は、正常なユーザ
ーの活動の間、装置10を体の位置に留め、予め決められた着用期間(例えば、
24時間)後、無理なく取り外し可能なような接着特性を有する。
【0056】 電解質ゲル溜め26および28は、各々、ゲルマトリックスに含有される液体
電解質を含む。装置10が経皮薬剤供給装置である場合には、ゲル溜め26およ
び28の少なくとも一方は、薬剤溶液または懸濁液を収容する。ほぼ1×10-4 M〜1.0M以上の範囲の薬剤濃度を使用することができるが、この範囲の低い
部分の薬剤濃度が好ましい。ゲルマトリックスについての適したポリマーは、本
質的に、いずれかの非イオン性合成および/または天然産の高分子材料を含む。
活性剤が極性および/またはイオン化可能である時、薬剤の溶解度を高めるので
、極性であることが好ましい。所望により、ゲルマトリックスは、水膨潤可能で
あろう。適した合成ポリマーの例としては、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(2
−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(n−メチロールアクリルア
ミド)、ポリ(ジアセトンアクリルアミド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート)、ポリ(ビニルアルコール)およびポリ(アリルアルコール)が挙
げられるが、これらに限定するものではない。ヒドロキシル官能性縮合ポリマー
(すなわち、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリウレタン類)もまた適
した極性合成ポリマーの例である。ゲルマトリックスとして使用するのに適した
極性天然産のポリマー類(またはそれらの誘導体)の例としては、セルロースエ
ーテル類、メチルセルロースエーテル類、セルロースおよびヒドロキシル化され
たセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシル化されたメチルセルロース
、ガム類、例えば、グアー、ローカスト、カラヤ、キサンタン、ゼラチン、およ
び、それらの誘導体が挙げられる。イオン性ポリマーもマトリックスに使用する
ことができるが、ただし、利用可能な対イオンは、薬剤イオン類であるか;また
は、活性剤に関して反対に帯電したその他のイオン類である。
【0057】 本発明を、その好ましい具体的な実施態様に関連して説明したが、前述の説明
およびそれに従う例は、本発明の例を示すことを意図し、何ら本発明を限定する
ものではないことを理解するべきである。本発明の範囲に入るその他の態様、利
点および変形変更は、当業者であれば、明らかであろう。
【0058】 比較実施例 1 (1)塩化銀カソードを使用するが、共通境界条件を使用しない図1に従う従
来技術のカソード電極アセンブリと;(2)やはり、塩化銀カソードを使用し、
電流コレクタ、電極および液体電解質の間の共通境界を使用する本発明の図2お
よび図3に従うカソード電極アセンブリとの間の比較を図8に示す。
【0059】 従来技術のカソード電極アセンブリ(カソードA)は、シート抵抗10オーム
/平方を有する電気的に導電性の接着剤からなる電流コレクタに積層された塩化
銀箔カソードを含んでいた。箔は、面積2.85cm2を有し、液体電解質は、
塩水含有ゲルであった。カソードAにおいて、ゲルは、塩化銀箔と接触させて置
いたが、導電性接着剤とは接触させなかった。かくして、本発明に従う共通境界
は存在しなかった。ゲル/箔接触面積は、2.0cm2であった。
【0060】 本発明のカソード電極アセンブリ(カソードB)は、やはり、シート抵抗10
オーム/平方を有する電気的に導電性の接着剤に積層された塩化銀箔カソードを
含んでいた。箔は、面積1cm2を有する円板であり、接着剤は、面積2.85
cm2を有した。したがって、ゲル/電極接触面積は、1.0cm2であり、共通
境界の長さは、電極の周長と等しく;3.54cmであった。従来技術のカソー
ドは、0.05mm(0.002インチ)厚さのAgClストリップであった。
カソードBは、カソードAより小さな塩化銀箔(すなわち、1.0cm2)を有
した。
【0061】 塩化銀箔は、Engelhard−CLAL of Cartret, Ne
w Jerseyによって供給されている塩化銀ストリップから作成した。塩化
銀ストリップは、厚さ0.051mm(0.002インチ)を有し、切断し、電
気的に導電性の接着剤片に積層した。
【0062】 両カソード電極例についての電池アセンブリにおいて、液体電解質/ゲル配合
物は、15%のポリビニルアルコール(PVOH)、2%のヒドロキシプロピル
メチルセルロース(HPMC)、0.1MのNaCl、および、残り脱イオン水
の約10mlであった。塩水の初期pHは、6.26であった。
【0063】 両電極アセンブリを同一の電流密度0.3mA/cm2下で放電させた(カソ
ードAは、カソードB(1cm2)よりも大きな表面積(2cm2)を有するので
、カソードAについての放電電流(0.6mA)は、対応して、カソードBにつ
いての放電電流(0.3mA)よりも高かった。)。放電は、カソード電極アセ
ンブリをガルバノスタット(galvanostat)の陰極に電気的に接続す
ることによって行った。銀箔アノードは、ガルバノスタットの陽極に電気的に接
続し、ゲルの自由表面に対して置いた。放電の間、カソードAおよびBの電圧を
Ag/AgCl準参照電極に対して測定した。
【0064】 図8に示したように、カソードの放電挙動は、放電の初期の間、著しく異なる
(すなわち、遅れ時間)。図8に見られるように、従来技術のカソード(カソー
ドA)は、5.68Vの初期放電電圧(すなわち、始動電圧)を有したが、他方
、本発明のカソード(カソードB)は、始動電圧0.21Vのみを有した。これ
ら実験において、遅れ時間は、0.30V以下に低下するために、ガルバノスタ
ットによって印加される電圧に要求される時間と定義した。カソードAについて
の遅れ時間は、7.1分であり、他方、カソードBについての遅れ時間は、9秒
のみであった。
【0065】 さらなる実験を、上記したように、3つの従来技術カソードおよび3つの本発
明のカソードについて試験した。従来技術カソードについての平均始動電圧は、
3.71Vであり、他方、本発明の3つのカソードについての平均始動電圧は、
0.41Vであった。従来技術カソードについての平均遅れ時間は、9.8分で
あり、他方、本発明の3つのカソードについての平均遅れ時間は、わずか8.6
秒であった。
【0066】 電気伝達システムまたはほとんどのいずれかの医用装置において、低い始動電
圧および性能が改良され、低い電力消費を生ずる遅れ時間を有することは非常に
好ましい。つまり、本発明の性能は、従来技術カソードよりも予想しえなかった
ほど優れている。
【0067】 比較実施例 2 装置の各々が、電源;一方がアノードであり、他方がカソードである、1対の
電極アセンブリを有する2つの電気伝達装置(装置Aおよび装置B)を組み立て
る。各電極アセンブリは、銅箔電流コレクタ;電極;および、塩水を収容するポ
リビニルアルコールゲル溜めを含む。各装置のカソード電極アセンブリは、塩化
銀カソードを含み、図1に示した構成を有し、すなわち、いずれの装置のカソー
ド電極アセンブリにおいても共通境界条件が存在しない。装置Aのアノード電極
アセンブリは、ロイコポリアニリンストリップによって構成され、図1に示した
構成を有し、すなわち、装置Aのアノード電極アセンブリにおいては、共通境界
条件が存在しない。他方、装置Bのアノード電極アセンブリは、ロイコポリアニ
リンストリップによって構成され、図2に示した構成を有し、すなわち、装置B
のアノード電極アセンブリにおいては、共通境界条件が存在する。0.5mAの
電気伝達流を印加するガルバノスタットに各装置の電極アセンブリを接続する。
共通境界条件ロイコポリアニリンアノードを有する装置Bの始動電圧は、ロイコ
ポリアニリンアノード電極アセンブリを有するが共通境界条件を有しない装置A
の始動電圧よりも有意に低い。さらに、アウトプット電圧0.3Vに到達するた
めのガルバノスタット電源についての遅れ時間は、装置Aと比較して、装置Bで
有意に短い。
【0068】 かくして、我々の発明をおおよそ説明し、ある種の好ましい実施態様を詳細に
説明したので、本発明についての種々の変形変更は、当業者であれば、本発明の
範囲から逸脱することなくなすことができ、特許請求の範囲の請求項によっての
み限定されることが容易に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、電気伝達電極アセンブリの従来技術の構成の断面図である。
【図2】 図2は、本発明の電気伝達電極アセンブリの例としての構成の断面図である。
【図3】 図3は、本発明の電流コレクタおよび電極の底面斜視図である。
【図4】 図4は、本発明の例としての電気伝達装置の分解斜視図である。
【図5】 図5は、本発明の電極アセンブリの断面図である。
【図6】 図6は、本発明のもう1つの電極アセンブリの断面図である。
【図7】 図7は、本発明のなおもう1つの電極アセンブリの断面図である。
【図8】 図8は、本発明のカソード電極アセンブリの電気伝達装置始動の間の遅れ時間
の短縮を示すカソード電圧対時間のグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月24日(2000.1.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 カソード側については、ハロゲン化銀カソードは、それらが電気化学的に還元
される時、ハライド(例えば、クロライド)のみを生ずる(AgX→Ag+X-
)。電気化学的に発生させたハライド(例えば、クロライド)イオン類は、カソ
ードから患者に供給される傾向がないが、クロライドは、天然に、体内にかなり
多量に存在し、したがって、カソードからのクロライドイオンの供給は悪影響を
及ぼさない。かくして、ハロゲン化銀カソードは、極めて生物相容性であるもの
の、それらは、少なくとも、十分なハロゲン化銀が還元されて、金属銀が形成さ
れるまで、実質的に非導電性であるという1つの重大な欠点を有する。これは、
内位添加化合物、例えば、ポリアニリン類で形成されたアノードに見られる高い
初期電気抵抗の問題と同等であり、例えば、ポリアニリンで形成されたアノード
は、十分な量のポリアニリンが酸化されるまで、有意な量の電流を導電しない。
これは、ハロゲン化銀カソードおよび/またはポリアニリンアノードが小さな患
者につける電気伝達装置を作働させるために使用される小さな電池(例えば、コ
イン電池)によって供給される比較的小さな電圧に対して電気抵抗が高すぎるの
で、コンプライアントな装置の作動の開始において遅延を生ずる。当然のことな
がら、金属銀を形成するためのハロゲン化銀の電気化学的な還元;および、ポリ
アニリンのさらに導電性の(すなわち、酸化されるかまたはエマラルジン(em
araldine))形を形成するためのポリアニリンの還元された(すなわち
、ロイコ(leuco))形の電気化学的な酸化は、以下の反応: アノードポリアニリン(PA)酸化:PAleuco→PAemaraldine+2H++2
- カソード塩化銀還元:AgCl+e-→Ag+Cl- に従い、電極と液体電解質との間の界面において緩やかに生ずる。 ポリアニリンのロイコ形の還元は、Cushman et al.,“Spec
troelectrochemical Study of Polyanil
ine: the Construction of a pH−Potent
ial phase diagram”, Journal of Elect
roanalytical Chemistry, 291 (1986),
335−346に詳細に考察されている。カソード/液体電解質界面における金
属銀の形成およびアノード/液体電解質界面における酸化されたポリアニリンの
形成は、電極の電気導電性を徐々に改良するが、それは、かなり緩やかなプロセ
スである。その結果、図1に示したそれのような従来の電極構成は、電気伝達装
置の作働開始時におけるそれらの高い電気抵抗により、望ましくない。図1に示
した電極アセンブリ50は、電極52、電解質溜め53および導電性電流コレク
タ51を収容するくぼみまたは溜め25を有するハウジング20を含む。電流コ
レクタ51は、電極52と装置電源(図1には、図示せず)との間に電気接続部
分を含み、電気接続の他方の部分は、金属接点(すなわち、タブ)58と、ワイ
ヤーであってもよいが、さらに典型的には、非導電性の回路基板18上に導電性
のトレースを析出することによって形成される導電性部材72とを含む。初期に
おいて、電極52は、高い電気抵抗を有し、したがって、導電性電流コレクタを
、典型的には、ゲルである電解質溜め53から絶縁するように作動する。このよ
うな絶縁により、不十分な電子の流れが電解質溜め53と電極52との間の界面
56にまたは界面から使用され、レドックス材料の酸化または還元を著しく阻害
し、かくして、電極52を横切るより高い電気抵抗を生ずる。すなわち、電極5
2を横切る大きな初期電圧降下が存在する。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月9日(2001.3.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/072,823 (32)優先日 平成10年1月28日(1998.1.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/072,906 (32)優先日 平成10年1月28日(1998.1.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/072,838 (32)優先日 平成10年1月28日(1998.1.28) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体表面を通して薬剤を供給または採取するための電気伝達装置
    (10)であり、その装置が、アノード電極アセンブリ;カソード電極アセンブ
    リ;および、アノード電極アセンブリとカソード電極アセンブリとに電気的に接
    続する電源を含み、アノード電極アセンブリおよびカソード電極アセンブリ(6
    0)の少なくとも1つが、少なくとも一部、固相の電気化学的に反応性の材料に
    よって構成され、初期電気抵抗を有し、電流に晒される際に、より低い抵抗性と
    なる電極(62);使用時に、体表面とイオン透過関係に位置させられる電解質
    溜め(63);および、電極(62)とは別個で、電極(62)の抵抗よりも少
    ない電気抵抗を有し、電源(32)と電極(62)との間で電流を伝達する電流
    コレクタ(61)を含む装置において、その装置(10)が、電気伝達流を印加
    され始める時に、電極(62)、電流コレクタ(61)および電解質溜め(63
    )が共通境界(64)を形成することを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 電極(62)が、初期電気シート抵抗100オーム/平方よ
    り大を有する、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 電極(62)が、電流に晒される際に、前記初期電気シート
    抵抗より低い電気シート抵抗を有する形に、酸化または還元される、請求項1ま
    たは請求項2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 電源(32)が電流コレクタ(61)を通して電極(62)
    に電流iを印加し、共通境界(64)が長さlを有し、l:iの比が少なくとも
    0.1cm/mAである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 【請求項5】 共通境界(64)が、長さ少なくとも0.1cmを有する、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】 固体の電気化学的に反応性の材料が、電解質中の溶解度約1
    mg/ml未満を有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 【請求項7】 電流コレクタ(61)が、電極(62)のシート抵抗の1/
    2未満であるシート抵抗を有する、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の
    装置。
  8. 【請求項8】 電極(62)が、実質的に全て、電気化学的に反応性の材料
    によって構成される、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 【請求項9】 電極(62)が、ポリマーマトリックスを含み、電気化学的
    に反応性の材料が、前記マトリックス内に含有されている、請求項1〜請求項8
    に記載の装置。
  10. 【請求項10】 装置が電気伝達流を印加し始める時に、ポリマーマトリッ
    クスがいずれの電気的に導電性の材料をも実質的に含まない、請求項9に記載の
    装置。
  11. 【請求項11】 電流コレクタ(61)が、金属およびカーボンからなる群
    より選択される材料によって構成される、請求項1〜請求項10のいずれか1項
    のいずれか1項に記載の装置。
  12. 【請求項12】 電解質溜め(63)が水性溶液を含む、請求項1〜請求項
    11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 共通境界(64)を有する電極アセンブリ(60)がカソ
    ード電極アセンブリであり、電気化学的に反応性の材料が還元可能である、請求
    項1〜請求項12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 【請求項14】 還元可能な材料が、金属化合物、金属錯体、内位添加化合
    物、アルカリ金属をホストとするカーボン内位添加ホストおよび電気化学的に還
    元可能なポリマー類からなる群より選択される、請求項13に記載の装置。
  15. 【請求項15】 還元可能な物質が、(i)式:Mx(WO3)y〔式中、Mは
    、金属であり、xは、0に等しいかそれより大きい数であり、yは、0より大き
    い数である。〕を有する内位添加化合物;(ii)式:Mx〔Fe(CN)6y
    〔式中、xおよびyは、0より大きい数である。〕を有する金属化合物;および
    、(iii)式:MX〔Mは、電気化学的に還元可能な金属であり、Xは、ハラ
    イド類、高分子アニオン類および低分子量アニオン類からなる群より選択される
    。〕を有する化合物または錯体のうちの少なくとも1つである、請求項14に記
    載の装置。
  16. 【請求項16】 電極(62)が塩化銀によって構成される、請求項1〜請
    求項15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 【請求項17】 共通境界(64)を有する電極アセンブリ(60)がアノ
    ード電極アセンブリであり、電気化学的に反応性の材料が酸化可能である、請求
    項1〜請求項16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 【請求項18】 酸化可能な材料が、ポリアニリンのロイコ形;および、遷
    移金属ハライド−内位添加されたカーボンまたはグラファイトからなる群より選
    択される、請求項17に記載の装置。
  19. 【請求項19】 薬剤が、皮膚を通して装置(10)によって供給される治
    療剤であり、アノード電極アセンブリおよびカソード電極アセンブリの少なくと
    も1つが、治療剤を収容する溜め(26,28)を有する、請求項1〜請求項1
    8のいずれか1項に記載の装置。
  20. 【請求項20】 薬剤が、アノード電極アセンブリおよびカソード電極アセ
    ンブリの少なくとも1つに体分析物収容溜め(26,28)を含む装置(10)
    によって経皮的に採取される体分析物である、請求項1〜請求項19のいずれか
    1項に記載の装置。
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