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JP2002511259A - 5’estおよびコードされるヒトタンパク質 - Google Patents

5’estおよびコードされるヒトタンパク質

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JP2002511259A
JP2002511259A JP2000543599A JP2000543599A JP2002511259A JP 2002511259 A JP2002511259 A JP 2002511259A JP 2000543599 A JP2000543599 A JP 2000543599A JP 2000543599 A JP2000543599 A JP 2000543599A JP 2002511259 A JP2002511259 A JP 2002511259A
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JP
Japan
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sequence
est
seq
nos
nucleic acid
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Application number
JP2000543599A
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English (en)
Inventor
ミルヌ エドワーズ,ジャン−バプティスト ドゥマ
デュクレール,アイメリック
ジョルダン,ジャン−イヴ
Original Assignee
ジェンセット
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Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1096Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA cDNA Synthesis; Subtracted cDNA library construction, e.g. RT, RT-PCR
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals

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Abstract

(57)【要約】 分泌タンパク質をコードするmRNAから誘導される5’ESTの配列を開示する。5’ESTは、5’ESTに対応するcDNAおよびゲノムDNAを得るためのものである。5’ESTを、診断法、法医学的手法、遺伝子治療、および染色体マッピング手法に使用することもできる。5’ESTを使用して上流調節配列を得ることもできる。5’ESTを使用して、発現ベクターおよび分泌ベクターを設計することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (背景技術) ヒト染色体に散在している推定50,000〜100,000の遺伝子は、ヒ
ト疾患の理解、診断および治療にかなり有望である。また、ヒトゲノム全体に分
布する遺伝子座に特異的にハイブリダイズすることができるプローブには、高分
解能染色体マップの構築および個体の識別における用途がある。
【0002】 過去には、ヒト遺伝子を1本だけでも特性化することが骨の折れるプロセスで
あり、何年もの努力を要した。最近、クローニングベクター、DNA配列決定お
よびコンピュータ技術分野の発達が合流したことにより、ヒトの遺伝子を単離、
配列決定、マッピングおよび特性化することができる速度が大いに加速された。
【0003】 現在、ヒトゲノムに分布する遺伝子を同定し、特性化するための2つの異なる
方法が検討されている。一方の方法では、ゲノムDNAの大きいフラグメントを
単離し、クローニングし、配列決定する。生物情報科学(Bioinformatics)ソフ
トウェアを使用して、これらのゲノム配列のオープンリーティングフレームと思
われるものを同定する。しかし、この方法は、ゲノム全体に分散するタンパク質
コード配列を見つけるために、タンパク質をコードしないヒトDNAの大きなス
トレッチの配列決定を伴う。広範な配列決定が必要であることに加えて、生物情
報科学ソフトウェアは得られたゲノム配列を間違って特性化することがある(す
なわち、非コードDNAをコードDNAとして標識したり、コードDNAを非コ
ードDNAとして標識したりする)。
【0004】 別の方法はヒトの遺伝子を同定し、特性化するさらに直接的な経路を取る。こ
の方法では、ヒトタンパク質をコードする単離されたメッセンジャーRNA(m
RNA)から相補的なDNA(cDNA)を合成する。この方法を使用すると、
ゲノムのタンパク質コード部分から誘導されるDNAについてのみ配列決定が実
施される。しばしば、cDNAのほんの短いストレッチを配列決定して、発現配
列タグ(EST)と呼ばれる配列を得る。次いで、ESTを使用して、EST配
列に隣接する配列を含む伸長cDNAを単離または精製することができる。伸長
cDNAは、それらを得るために使用されたESTの配列の全てを含んでいても
よいし、それらを得るために使用されたESTの配列の一部だけを含んでもよい
。また、伸長cDNAは、ESTが誘導される遺伝子の全コード配列を含んでも
よく、または伸長cDNAは、ESTが誘導される遺伝子のコード配列の一部を
含んでもよい。選択的スプライシングまたは第2プロモーターの活性の結果とし
てEST配列を含む伸長cDNAがいくつか存在し得ることが認識されよう。あ
るいは、部分的に重複した配列を有するESTを同定し、重複ESTのコンセン
サス配列を含むコンティグを同定してもよい。
【0005】 過去には、これらの短いEST配列はオリゴ−dTプライム化cDNAライブ
ラリーからしばしば得られた。従って、それらは主にmRNAの3’非翻訳領域
に相当した。一部には、mRNAの3’末端から誘導されるEST配列が普及し
たのは、cDNAを得るための典型的な技法はmRNAの5’末端から誘導され
るcDNA配列を単離するためにはあまり適していないという事実の結果である
(アダムス(Adams)ら、Nature 377:3〜174、1996;ヒリアー(Hillier)ら、Genome Res .6:807〜828、1996)。
【0006】 また、より長いcDNA配列が得られたと報告されている例では、その報告さ
れた配列は、一般に、コード配列に相当し、cDNAが誘導されるmRNAの全
長の5’非翻訳領域(5’UTR)を含まない。実際に、5’UTRは、mRN
Aの安定性または翻訳のいずれかに影響を及ぼすことが明らかにされている。従
って、遺伝子発現の調節は、例えば、マイトジェン活性型細胞におけるメタロプ
ロテアーゼ組織インヒビターmRNAの翻訳(Waterhouseら、J Biol Chem.265:
5585-9.1990)について示されているように、代替的5’UTRを使用すること
によって達成することができる。さらに、変異、挿入、またはトランスロケーシ
ョン事象を介する5’UTRの改変は、病因にさえ関与し得る。例えば、脆弱X
症候群は先天性精神遅滞の最も一般的な原因であり、複数のCGGトリヌクレオ
チドが脆弱XmRNAの5’UTRに挿入し、リボソームの抑制によってタンパ
ク質合成の阻害が生じることが原因の1つである(Fengら、Science 268:731-4,
1995)。癌原遺伝子c−mycの翻訳を阻害することが知られている5’UTR
の領域の異常変異が、多発性骨髄腫患者由来の細胞においてc−mycタンパク
質レベルのアップレギュレーションをもたらすことが明らかにされた(Willisら
、Curr Top Microbiol Immunol 224:269-76,1997)。さらに、オリゴ−dTプラ
イム化cDNAライブラリーを使用しても完全な5’UTRを単離することはで
きない。何故なら、このプロセスによって得られるこのような不完全な配列は、
特に第1のエキソンが短い場合には、mRNAの第1のエキソンを含まないかも
しれないからである。さらに、それらは、スプライシング部位の上流に位置する
いくつかのエキソン(しばしば短いもの)を含まないことがある。従って、mR
NAの5’末端から誘導される配列を得る必要性が存在する。
【0007】 ヒトの染色体由来の多数の配列には実用的な用途があるが、タンパク質産物を
コードするこれらの染色体配列の同定および特性化に基づいた方法は、診断およ
び治療的用途に特に関連がある。場合によって、そのような治療または診断技術
において使用される配列は、それらが合成される細胞から分泌されるタンパク質
をコードする配列であってもよい。分泌タンパク質をコードする配列、ならびに
分泌タンパク質自体が、治療効果をもつ可能性のある薬剤として特に有用である
。このようなタンパク質はしばしば細胞間の連絡に関係しており、標的細胞にお
いて臨床的に適切な応答を生じる原因であり得る。実際、組織プラスミノーゲン
アクチベーター、G−CSF、GM−CSF、エリスロポイエチン、ヒト成長ホ
ルモン、インスリン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インター
フェロン−γおよびインターロイキン−2を含むいくつかの分泌タンパク質が現
在臨床的に使用されている。これらのタンパク質は、急性心筋梗塞、急性虚血性
卒中、貧血、糖尿病、成長ホルモン欠損症、肝炎、腎癌、化学療法による好中球
減少症および多発性硬化症を含む広範な症状を治療するために使用される。こう
した理由のために、分泌タンパク質またはその一部をコードする伸長cDNAは
、治療薬の特に有用な供給源となる。従って、分泌タンパク質およびそれらをコ
ードする核酸を同定し、特性化する必要性が存在する。
【0008】 それら自体が治療的に有用であることに加えて、分泌タンパク質は、アミノ末
端に、その分泌を指令するシグナルペプチドと呼ばれる短いペプチドを含む。こ
れらのシグナルペプチドは、分泌タンパク質をコードする遺伝子のコード配列の
5’末端に位置するシグナル配列によってコードされる。これらのシグナルペプ
チドは、それらが機能し得る形で連結している任意のタンパク質の細胞外分泌を
指令ことができる。また、膜輸送配列(membrane-translocating sequence)と
呼ばれるシグナルペプチドの一部を使用して、目的のペプチドまたはタンパク質
の細胞内への輸送を指令することもできる。これは、特定の遺伝子産物を、それ
を産生する細胞以外の細胞に送達することが望まれる遺伝子治療法において有用
であることが明らかである。シグナルペプチドをコードするシグナル配列には、
タンパク質の精製法を単純化するという用途も見出されている。このような用途
では、望ましいタンパク質が細胞外に分泌されることによって、不要なタンパク
質(これらのタンパク質から望ましいタンパク質を選択しなければならない)の
数を減少させることができ、精製はかなり容易になる。従って、シグナルペプチ
ドをコードする分泌タンパク質の遺伝子の5’部分を同定し、特性化する必要性
が存在する。
【0009】 非分泌タンパク質をコードする配列も、治療剤または診断剤としての用途を見
出すことができる。特に、そのような配列を使用して、タンパク質のコード配列
の変異の結果として疾患などの検出可能な表現型を個体が発現する可能性がある
かどうかを決定してもよい。個体が、そのようなコード配列の変異の結果として
疾患または他の所望されない表現型を患う危険性を伴う場合、遺伝子治療を用い
て正常なコード配列を導入することによって、所望されない表現型を補正するこ
ともできる。あるいは、所望されない表現型がコード配列によってコードされる
タンパク質の過剰発現から生じる場合、アンチセンスまたは三重らせんに基づく
方法によって、タンパク質の発現を減少することができる。
【0010】 コード配列によってコードされる分泌または非分泌ヒトポリペプチドを、ポリ
ペプチドをコードする配列の変異から生じる疾患などの状態を有する個体に直接
投与することによって、治療剤として使用してもよい。そのような場合、ポリペ
プチドを個体に投与することによって、該状態を治療または改善することができ
る。
【0011】 さらに、分泌または非分泌ヒトポリペプチドまたはその一部を使用して、生物
学的サンプルの起源の組織型または種を決定するのに有用な抗体を生成してもよ
い。また、抗体を使用して、分泌または非分泌ヒトポリペプチドの細胞局在性あ
るいはヒトポリペプチドに融合しているポリペプチドの細胞局在性を決定しても
よい。さらに、抗体をイムノアフィニティークロマトグラフィー技術に使用して
、ヒトポリペプチドもしくはヒトポリペプチドに融合している標的ポリペプチド
を単離、精製、または富化してもよい。
【0012】 プロモーターおよび上流の調節領域が同定され、特性化されているヒト遺伝子
の数に関して公開されている情報は極めて少ない。一部には、このような調節配
列を単離する困難さによるかもしれない。転写因子結合部位などの上流の調節配
列は、一般に、非常に短いので、ヒトゲノムライブラリーからプロモーターを単
離するためのプローブとして利用することができない。最近、ヒトプロモーター
を単離するいくつかの方法が開発されている。それらの1つは、CpGアイラン
ドライブラリーを作製することである(クロス(Cross)ら、Nature Genetics 6
:236〜244,1994)。第2の方法は、SpeI結合タンパク質を使用することによ
って、SpeI結合部位を有するヒトゲノムDNA配列を単離することである。
(モートロック(Mortlock)ら、Genome Res.6:327〜335,1996)。これらの方法
はいずれも特異性または包括性の欠如による限界がある。従って、遺伝子の5’
部分を同定し、系統的に特性化される必要性が存在する。
【0013】 本発明の5’ESTを使用して、タンパク質合成の位置、発達段階、速度およ
び量、ならびにmRNAの安定性を制御する5’UTRおよび上流調節領域を効
率的に同定して、単離することができる。これらの調節領域は、一旦同定され、
特性化されると、遺伝子治療またはタンパク質の精製法に使用して、望ましい量
および位置のタンパク質合成を得ることができ、または望ましくない遺伝子産物
の合成を阻害、軽減または防止することができる。
【0014】 また、タンパク質遺伝子の5’末端を有するESTは、染色体マッピングおよ
び個体の識別のためのプローブとして有用な配列を含み得る。従って、遺伝子の
5’コード配列の上流配列を同定し、特性化する必要性が存在する。
【0015】 (発明の概要) 本発明は、対応するmRNAの真正5’末端から誘導される配列を含む精製さ
れた、単離された、または富化された5’ESTに関する。「対応するmRNA
」という用語は、5’ESTを産生するcDNA合成の鋳型となったmRNAを
いう。これらの配列をこれ以後「5’EST」と呼ぶ。本発明はまた、重複配列
を含有する複数のEST由来のコンセンサス配列を決定することによって組み立
てられるコンティグを含む、精製、単離または富化された核酸を含む。これらの
コンティグを本明細書では「コンセンサスコンティグ5’化EST」と呼ぶ。
【0016】 本明細書において使用される「精製された」という用語は絶対的な純度を要求
するのではなく、むしろ、それは相対的な定義であると意図される。cDNAラ
イブラリーから単離された個々の5’ESTクローンは、通常、電気泳動的均一
性が得られるまで精製されている。これらのクローンから得られる配列はライブ
ラリーまたはヒト全DNAから直接得ることはできなかった。cDNAクローン
はそのままで天然に存在していないが、部分的に精製された天然の物質(メッセ
ンジャーRNA)を操作することによって得られる。mRNAのcDNAライブ
ラリーへの変換は合成物質(cDNA)を作製することを含み、純粋な個々のc
DNAクローンはクローン選択によって合成ライブラリーから単離することがで
きる。従って、メッセンジャーRNAからcDNAライブラリーを作製し、その
後ライブラリーから個々のクローンを単離することによって、天然のメッセージ
の約104〜106倍の純度が得られる。出発材料または天然材料を少なくとも1
桁、好ましくは2または3桁、さらに好ましくは4または5桁まで精製すること
が特に意図されている。
【0017】 本明細書において使用される「単離された」という用語は、物質がその元の環
境(例えば、それが天然のものである場合には、自然環境)から取り出されるこ
とを必要とする。例えば、生存動物に存在する天然型ポリヌクレオチドは単離さ
れていないが、天然系において共存する物質の一部または全てから分離された該
ポリヌクレオチドは単離されている。
【0018】 本明細書において使用される「組換え」という用語は、5’ESTが、自然環
境では隣接していない「バックボーン」核酸に隣接していることを意味する。ま
た、「富化される」ためには、5’ESTが、核酸バックボーン分子の集団中の
核酸インサートの数の5%以上に相当する。本発明によるバックボーン分子には
、発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、組込み核酸および目的の核酸インサ
ートを維持または操作するために使用される他のベクターまたは核酸などの核酸
が含まれる。好ましくは、富化された5’ESTは、組換えバックボーン分子の
集団中の核酸インサートの数の15%以上に相当する。さらに好ましくは、富化
された5’ESTは組換えバックボーン分子の集団中の核酸インサートの数の5
0%以上に相当する。非常に好ましい実施形態では、富化された5’ESTは組
換えバックボーン分子の集団中の核酸インサートの数の90%以上に相当する。
【0019】 「ストリンジェントな」、「中程度の」および「低度の」ハイブリダイゼーシ
ョン条件は以下に規定される通りである。 「ポリペプチド」という用語は、ポリマーの長さにかかわらず、アミノ酸のポ
リマーを指す。従って、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質はポリペ
プチドの規定内に含まれる。この用語はまた、本発明のポリペプチドの化学的ま
たは発現後修飾を指定も除外もせず、例えば、グリコシル基、アセチル基、リン
酸基、脂質基などの共有結合性付着を含むポリペプチドが、特に用語ポリペプチ
ドに含まれる。また、1つ以上のアミノ酸のアナログ(例えば、非天然のアミノ
酸、関連しない生物系において天然にのみ存在するアミノ酸、哺乳動物系由来の
修飾されたアミノ酸など)を含有するポリペプチド、置換された結合を有するポ
リペプチド、ならびに天然に存在する場合および天然に存在しない場合における
当該分野において公知の他の修飾も規定に含まれる。
【0020】 本明細書において交換可能に使用される用語として、「核酸」、「オリゴヌク
レオチド」、および「ポリヌクレオチド」は、RNA、DNAまたは一本鎖また
は二本鎖のいずれか一方の形で1を超えるヌクレオチドのRNA/DNAハイブ
リッド配列を含む。「ヌクレオチド」という用語は、一本鎖または二本鎖の形で
任意の長さのRNA、DNA、またはRNA/DNAハイブリッド配列を含む分
子を説明するための形容詞として本明細書において使用される。「ヌクレオチド
」という用語はまた、個々のヌクレオチド、またはヌクレオチドの変異体を指す
名詞として本明細書において使用され、プリンもしくはピリミジン、リボースも
しくはデオキシリボースの糖部分、およびリン酸基、またはオリゴヌクレオチド
またはポリヌクレオチド内のヌクレオチドの場合のホスホジエステル結合を含む
分子またはより大きな核酸分子での個々の単位を意味する。「ヌクレオチド」と
いう用語はまた、少なくとも1つの改変(a)代替的結合基、(b)プリンのア
ナログ形態、(c)ピリミジンのアナログ形態、または(d)アナログ糖を含む
「改変されたヌクレオチド」を含むために本明細書において使用される。アナロ
グ結合基、プリン、ピリミジン、および糖の例については、例えば、PCT公開
WO95/04064を参照のこと。本発明のポリヌクレオチド配列は、合成、
組換え、ex vivo生成、またはそれらの組合せを含む任意の既知の方法に
よって、および当該分野において公知の任意の精製方法を利用して、調製するこ
とができる。
【0021】 「塩基対」ならびに「ワトソン&クリックの塩基対」という用語は、本明細書
において交換可能に使用され、チミンまたはウラシル残基が2本の水素結合でア
デニン残基に結合し、シトシンおよびグアニン残基が3本の水素結合で結合する
二重らせんのDNAに見出される様式(Stryer,L.,Biochemistry、第4版、19
95を参照のこと)で、配列の同一性により相互に水素結合することができるヌ
クレオチドを指す。
【0022】 「相補的」または「その相補」という用語は、相補領域全体にわたって、もう
1つの表記されたポリヌクレオチドとワトソン&クリックの塩基対を形成し得る
ポリヌクレオチドの配列を指すために本明細書において使用される。本発明の目
的のために、第1のポリヌクレオチドのそれぞれの塩基がその相補的塩基と対を
形成する場合に、第1のポリヌクレオチドは第2のポリヌクレオチドに相補的で
あると考える。一般に、相補的塩基は、AおよびT(もしくはAおよびU)、ま
たはCおよびGである。「相補」は、本明細書では、「相補的ポリヌクレオチド
」、「相補的核酸」および「相補的ヌクレオチド配列」の同義語として使用する
。これらの用語は、ポリヌクレオチドの配列にのみ基づくポリヌクレオチドの対
に適用するものであって、2つのポリヌクレオチドが実際に結合する特定の組の
条件に適用するものではない。好ましくは、「相補的配列」は、対向する鎖にT
が存在するそれぞれの位置にAが存在し、対向する鎖にAが存在するそれぞれの
位置にTが存在し、対向する鎖にCが存在するそれぞれの位置にGが存在し、対
向する鎖にGが存在するそれぞれの位置にCが存在する配列である。
【0023】 従って、1つ以上の5’ESTがバックボーン分子中の核酸インサートの数の
5%以上を占めているcDNAライブラリー中の5’ESTは、本明細書中で定
義される「富化された組換え5’EST」である。同様に、本発明の1つ以上の
5’ESTがプラスミドバックボーン中のインサートの数の5%以上となるよう
に、本発明の1つ以上の5’ESTが挿入されたプラスミド集団中の5’EST
は、本明細書で定義する「富化された組換え5’EST」である。しかし、5’
ESTがバックボーン分子集団中の核酸インサートの数の5%未満を構成するc
DNAライブラリー、例えば、5’ESTインサートを有するバックボーン分子
が極めてまれであるライブラリーの5’ESTは、「富化された組換え5’ES
T」ではない。
【0024】 一部の実施形態では、本発明は、分泌タンパク質をコードする遺伝子から誘導
される5’ESTに関する。本明細書において使用される「分泌」タンパク質は
、好適な宿主細胞内で発現されるとき、アミノ酸配列中のシグナルペプチドの結
果としての輸送を含む、膜を貫通してまたは通過して輸送されるタンパク質であ
る。「分泌」タンパク質は、それらが発現される細胞からその全体(例えば、可
溶性タンパク質)または一部(例えば、レセプター)が分泌されるタンパク質を
含むが、それに限定されない。「分泌」タンパク質はまた、小胞体の膜を貫通し
て輸送されるタンパク質も含むが、それに限定されない。
【0025】 このような5’ESTは、5’ESTが誘導される遺伝子によりコードされる
タンパク質の細胞外分泌を指令するシグナルペプチドをコードする、シグナル配
列と呼ばれる核酸配列を含む。一般に、シグナルペプチドは分泌タンパク質のア
ミノ末端に位置する。
【0026】 分泌タンパク質は、「粗面」小胞体に結合したリボソームによって翻訳される
。一般に、分泌タンパク質は、共翻訳的に小胞体膜に移送される。分泌タンパク
質の翻訳中のリボソームと小胞体の結合はシグナルペプチドによって仲介される
。シグナルペプチドは、一般に、小胞体内に共翻訳的に入った後に切断される。
小胞体への送達後、分泌タンパク質はゴルジ装置を通過して前進し得る。ゴルジ
装置では、タンパク質は翻訳後修飾を受けることができ、その後細胞膜を通過し
てそれらを輸送する分泌小胞に入る。
【0027】 本発明の5’ESTにはいくつかの重要な用途がある。例えば、それらを使用
して、5’ESTが誘導されるmRNAのコード配列の5’末端から誘導される
真正の翻訳開始部位を含む、対応する遺伝子産物の全長のタンパク質コード配列
を含むcDNAクローンを取得し、それを発現させることができる。これらのc
DNAをこれ以後「全長cDNA」と呼ぶ。これらのcDNAはまた、翻訳開始
部位の上流のmRNA配列から誘導されるDNAを含んでもよい。全長cDNA
配列は、5’ESTに対応するタンパク質を発現させるために使用することがで
きる。上記のように、分泌タンパク質および非分泌タンパク質は治療上重要であ
る。従って、cDNAから発現されるタンパク質は種々のヒト症状を治療および
予防する際に有用となり得る。5’ESTはまた、対応するゲノムDNAを得る
ために使用することもできる。「対応するゲノムDNA」という用語は、5’E
STが誘導されるmRNAをコードするゲノムDNAをいう。
【0028】 あるいはまた、5’ESTを使用して、タンパク質の一部をコードする伸長c
DNAを取得し、発現させることができる。分泌タンパク質の場合、この部分は
、分泌タンパク質のシグナルペプチドまたはシグナルペプチドが切断されたとき
に生成する成熟タンパク質を含み得る。
【0029】 本発明は、単離、精製、または富化された「EST関連核酸」を含む。「単離
された」、「精製された」、または「富化された」という用語は、上記で示した
意味を有する。本明細書において使用される「EST関連核酸」という用語は、
配列番号24〜811および1600〜1622の核酸、配列番号24〜811
および1600〜1622の核酸を使用して取得され得る伸長cDNA、配列番
号24〜811および1600〜1622の核酸を使用して取得され得る全長c
DNA、または配列番号24〜811および1600〜1622の核酸を使用し
て取得され得るゲノムDNAを意味する。本発明はまた、EST関連核酸に相補
的な配列を含む。
【0030】 本発明はまた、単離、精製、または富化された「EST関連核酸のフラグメン
ト」を含む。「単離された」、「精製された」、および「富化された」という用
語は、上記で示した意味を有する。本明細書において使用される「EST関連核
酸のフラグメント」という用語は、EST関連核酸の少なくとも10、12、1
5、18、20、23、25、28、30、35、40、50、75、100、
200、300、500、または1000個の連続するヌクレオチドを、これら
の長さのフラグメントが、言及されている特定のEST関連核酸の長さと一致す
る程度で含むフラグメントを意味する。特にEST関連核酸のフラグメントは、
「表IIに記載のポリヌクレオチド」、「表IIIに記載のポリヌクレオチド」
、および「表IVに記載のポリヌクレオチド」を指す。本発明はまた、EST関
連核酸のフラグメントに相補的な配列を含む。
【0031】 本発明はまた、単離、精製、または富化された「EST関連核酸の位置的セグ
メント」を含む。本明細書において使用される「EST関連核酸の位置的セグメ
ント」という用語は、EST関連核酸のヌクレオチド1〜25、26〜50、5
1〜75、76〜100、101〜125、126〜150、151〜175、
176〜200、201〜225、226〜250、251〜300、301〜
325、326〜350、351〜375、376〜400、401〜425、
426〜450、451〜475、476〜500、501〜525、526〜
550、551〜575、576〜600および601〜末端ヌクレオチドを、
そのようなヌクレオチドの位置が、言及されている特定のEST関連核酸の長さ
と一致する程度で含むセグメントを含む。「EST関連核酸の位置的セグメント
」という用語はまた、EST関連核酸のヌクレオチド1〜50、51〜100、
101〜150、151〜200、201〜250、251〜300、301〜
350、351〜400、401〜450、450〜500、501〜550、
551〜600または601〜末端ヌクレオチドを、そのようなヌクレオチドの
位置が、言及されている特定のEST関連核酸の長さと一致する程度で含むセグ
メントを含む。「EST関連核酸の位置的セグメント」という用語はまた、ES
T関連核酸のヌクレオチド1〜100、101〜200、201〜300、30
1〜400、501〜500、500〜600または601〜末端ヌクレオチド
を、そのようなヌクレオチドの位置が、言及されている特定のEST関連核酸の
長さと一致する程度で含むセグメントを含む。さらに、「EST関連核酸の位置
的セグメント」という用語は、EST関連核酸のヌクレオチド1〜200、20
1〜400、400〜600、または601〜末端ヌクレオチドを、そのような
ヌクレオチドの位置が、言及されている特定のEST関連核酸の長さと一致する
程度で含むセグメントを含む。本発明はまた、EST関連核酸の位置的セグメン
トに相補的な配列を含む。
【0032】 本発明はまた、単離、精製、または富化された「EST関連核酸の位置的セグ
メントのフラグメント」を含む。本明細書において使用される「EST関連核酸
の位置的セグメントのフラグメント」という用語は、EST関連核酸の位置的セ
グメントの少なくとも10、15、18、20、23、25、28、30、35
、40、50、75、100、150、または200個の連続するヌクレオチド
を含むフラグメントを指す。本発明はまた、EST関連核酸の位置的セグメント
のフラグメントに相補的な配列を含む。
【0033】 本発明はまた、単離または精製された「EST関連ポリペプチド」を含む。本
明細書において使用される「EST関連ポリペプチド」という用語は、EST関
連核酸によってコードされるポリペプチドを意味し、配列番号812〜1599
のポリペプチドを含む。
【0034】 本発明はまた、単離または精製された「EST関連ポリペプチドのフラグメン
ト」を含む。本明細書において使用される「EST関連ポリペプチドのフラグメ
ント」という用語は、EST関連ポリペプチドの少なくとも5、10、15、2
0、25、30、35、40、50、75、100、または150個の連続する
アミノ酸を、これらの長さのフラグメントが、言及されている特定のEST関連
ポリペプチドの長さと一致する程度で含むフラグメントを意味する。特に、ES
T関連核酸のフラグメントは、「表IIに記載のポリヌクレオチド」、「表II
Iに記載のポリヌクレオチド」、および「表IVに記載のポリヌクレオチド」に
よってコードされるポリペプチドを指す。
【0035】 本発明はまた、単離または精製された「EST関連ポリペプチドの位置的セグ
メント」を含む。本明細書において使用される「EST関連ポリペプチドの位置
的セグメント」という用語は、EST関連ポリペプチドのアミノ酸残基1〜25
、26〜50、51〜75、76〜100、101〜125、126〜150、
151〜175、176〜200、または201C〜末端アミノ酸を、そのよう
なアミノ酸残基が、言及されている特定のEST関連ポリペプチドの長さと一致
する程度で含むポリペプチドを含む。「EST関連ポリペプチドの位置的セグメ
ント」という用語はまた、EST関連ポリペプチドのアミノ酸残基1〜50、5
1〜100、101〜150、151〜200または201C〜末端アミノ酸を
、そのようなアミノ酸残基が、言及されている特定のEST関連ポリペプチドの
長さと一致する程度で含むセグメントを含む。「EST関連ポリペプチドの位置
的セグメント」という用語はまた、EST関連ポリペプチドのアミノ酸1〜10
0または101〜200を、そのようなアミノ酸残基が、言及されている特定の
EST関連ポリペプチドの長さと一致する程度で含むセグメントを含む。さらに
、「EST関連ポリペプチドの位置的セグメント」という用語は、EST関連ポ
リペプチドのアミノ酸残基1〜200または201〜C末端アミノ酸を、アミノ
酸残基が、言及されている特定のEST関連ポリペプチドの長さと一致する程度
で含むセグメントを含む。
【0036】 本発明はまた、単離または精製された「EST関連ポリペプチドの位置的セグ
メントのフラグメント」を含む。本明細書において使用される「EST関連ポリ
ペプチドの位置的セグメントのフラグメント」という用語は、EST関連ポリペ
プチドの位置的セグメントの少なくとも5、10、15、20、25、30、3
5、40、50、75、100、または150個の連続するアミノ酸を、これら
の長さのフラグメントが、言及されている特定のEST関連ポリペプチドの長さ
と一致する程度で含むフラグメントを意味する。
【0037】 本発明はまた、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメ
ント、EST関連ポリペプチドの位置的セグメント、またはEST関連ポリペプ
チドの位置的セグメントのフラグメントを特異的に認識する抗体を含む。配列番
号1554〜1580のような分泌タンパク質の場合では、シグナルペプチドが
切断されるときに精製される成熟タンパク質を特異的に認識する抗体を、以下に
記載のように取得することもできる。同様に、配列番号812〜1516または
1554〜1580のシグナルペプチドを特異的に認識する抗体を得ることもで
きる。
【0038】 一部の実施形態では、分泌タンパク質の場合、EST関連核酸、EST関連核
酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、または核酸の位置的セ
グメントのフラグメントは、シグナル配列を含む。他の実施形態では、EST関
連核酸、またはEST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメ
ント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントは、タンパク質に対する全
コード配列あるいは、分泌タンパク質の場合、成熟タンパク質(すなわち、シグ
ナルペプチドの切断時に生成されるタンパク質)の全コード配列を含み得る。さ
らに、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置
的セグメント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントは、遺伝子発現の
量、局在化、または発達段階を制御する翻訳開始部位の上流または停止コドンの
下流の調節領域を含んでもよい。
【0039】 上記のように、両分泌および非分泌ヒトタンパク質は治療上重要であり得る。
従って、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位
置的セグメント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントから発現される
タンパク質は、種々の様々なヒトの症状の治療または制御する際に有用となり得
る。
【0040】 EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セ
グメント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントは、個体を識別するた
めの法医学的手法または遺伝子の異常な発現による遺伝病を有する個体を識別す
るための診断的手法にも使用することができる。また、EST関連核酸、EST
関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、または核酸の位
置的セグメントのフラグメントは、高分解能ヒト染色体マップを構築するために
有用である。
【0041】 本発明はまた、目的のタンパク質の分泌を指令することができる分泌ベクター
に関する。このようなベクターは、身体内の別の部位に送達しようとする遺伝子
産物をある細胞内で産生することが望まれる遺伝子治療法に使用することができ
る。分泌ベクターは所望されるタンパク質の精製を容易にすることもできる。
【0042】 本発明はまた、挿入された遺伝子を望ましい場所で、望ましい時期に、または
望ましい量で発現させることを指令することができる発現ベクターに関する。こ
のようなベクターは、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST
関連核酸の位置的セグメント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントの
上流の配列、例えばプロモーターまたは上流調節配列を含んでもよい。
【0043】 本発明はまた、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含む、キメラ
ポリペプチドを作製するための融合ベクターを含む。そのようなベクターは、キ
メラポリペプチドの細胞局在性を決定するか、またはキメラペプチドを単離、精
製、もしくは富化するのに有用である。
【0044】 EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セ
グメント、または核酸の位置的セグメントのフラグメントは、遺伝病を管理また
は治療する遺伝子治療に使用することもできる。分泌タンパク質の場合、シグナ
ルペプチドを異種タンパク質に融合させて、それらの細胞外分泌を指令すること
もできる。
【0045】 非アラインメントの5’EST(単体ともいう)、およびコンセンサスコンテ
ィグ化5’ESTを取得するために、アラインメントされた5’ESTの配列を
含むインサートを有するブルースクリプト(Bluescript)プラスミドを含有する
細菌クローンは、内部名で本発明者らの実験室に4%(v/v)グリセロールに
入れ、-80℃で現在保存されている。非アラインメントの5’ESTは、表V
のリストに記載の単一の組織から得られる単一のESTを含むものである。イン
サートは、適当なクローンを好適な培地で増殖させることによって保存物から回
収することができる。次いで、アルカリ溶解ミニプレップまたは大規模アルカリ
溶解プラスミド単離法などの当業者に周知のプラスミド単離法を使用してブルー
スクリプト(Bluescript)DNAを単離することができる。所望により、プラス
ミドDNAを塩化セシウム勾配での遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィーま
たは陰イオン交換クロマトグラフィーによってさらに富化してもよい。次いで、
これらの手法を使用して得られるプラスミドDNAを当業者に周知の標準的なク
ローニング技法を使用して操作することができる。または、挿入されたEST関
連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、
または核酸の位置的セグメントのフラグメントの両端で設計されたプライマーを
用いてPCRを実施することができる。次いで、当業者に周知の標準的なクロー
ニング技法を使用して、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、ES
T関連核酸の位置的セグメント、または核酸の位置的セグメントのフラグメント
に対応するPCR産物を操作することができる。
【0046】 本発明の1つの実施形態は、配列番号24〜811および配列番号1600〜
1622の配列ならびに配列番号24〜811および配列番号1600〜162
2の配列に相補的な配列から成る群より選択される配列を含む精製された核酸で
ある。
【0047】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜811および配列番号1600〜1
622の配列ならびに配列番号24〜811および配列番号1600〜1622
の配列に相補的な配列から成る群より選択される配列の少なくとも10、12、
15、18、20、23、25、28、30、35、40、50、75、100
、200、300、500、または1000個の連続するヌクレオチドを、これ
らの長さのフラグメントが特定の配列と一致する程度で含む精製された核酸であ
る。
【0048】 本発明のさらなる実施形態は、配列番号24〜811の配列から成る群より選
択される配列のコード配列を含む精製された核酸である。
【0049】 本発明のさらなる別の実施形態は、配列番号766〜792の配列から成る群
より選択される配列の全コード配列を含む精製された核酸であって、ここで、前
記全コード配列は、シグナルペプチドをコードする配列および成熟タンパク質を
コードする配列を含む。
【0050】 本発明のさらなる別の実施形態は、成熟タンパク質をコードする配列番号76
6〜792の配列から成る群より選択される配列の連続スパンを含む精製された
核酸である。
【0051】 本発明の別の実施形態は、シグナルペプチドをコードする配列番号24〜72
8および766〜792の配列から成る群より選択される配列の連続スパンを含
む精製された核酸である。
【0052】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1599の配列から成る群より選
択される配列を含むポリペプチドをコードする精製された核酸である。
【0053】 本発明の別の実施形態は、配列番号1554〜1580の配列から成る群より
選択される配列を含むポリペプチドをコードする精製された核酸である。
【0054】 本発明の別の実施形態は、配列番号1554〜1580の配列から成る群より
選択される配列に含まれる成熟タンパク質を含むポリペプチドをコードする精製
された核酸である。
【0055】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1516および1554〜158
0の配列から成る群より選択される配列に含まれるシグナルペプチドを含むポリ
ペプチドをコードする精製された核酸である。
【0056】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜811および配列番号1600〜1
622の配列ならびに配列番号24〜811および配列番号1600〜1622
の配列に相補的な配列から成る群より選択される配列にストリンジェントな条件
下でハイブリダイズする、長さが少なくとも30、35、40、50、75、1
00、200、300、500、または1000個のヌクレオチドの精製された
核酸である。
【0057】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1599の配列から成る群より選
択される配列を含む、精製または単離されたポリペプチドである。
【0058】 本発明の別の実施形態は、配列番号1554〜1580から成る群より選択さ
れる配列を含む、精製または単離されたポリペプチドである。
【0059】 本発明の別の実施形態は、配列番号1554〜1580から成る群より選択さ
れるポリペプチドの成熟タンパク質を含む、精製または単離されたポリペプチド
である。
【0060】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1516および1554〜158
0のポリペプチドから成る群より選択される配列のシグナルペプチドを含む、精
製または単離されたポリペプチドである。
【0061】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1599の配列から成る群より選
択される配列の少なくとも12、15、18、20、23、25、28、30、
35、40、50、75、100、200、300、500、または1000個
の連続するアミノ酸を、これらの長さのフラグメントが特定の配列と一致する程
度で含む精製または単離されたポリペプチドである。
【0062】 本発明の別の実施形態は、cDNAを作製する方法である。この方法は、ヒト
細胞由来のmRNA分子の集合体と、配列番号24〜811および配列番号16
00〜1622の配列に相補的な配列から成る群より選択される配列の少なくと
も12、15、18、20、23、25、28、30、35、40、または50
個の連続するヌクレオチドを含むプライマーとを接触させ、前記プライマーを前
記タンパク質をコードする前記集合体中のmRNAにハイブリダイズさせ、前記
ハイブリダイズしたプライマーを逆転写させて前記mRNAから第1のcDNA
鎖を作製し、第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を作製し、得られた
第1のcDNA鎖および前記第2のcDNA鎖を含み、前記タンパク質をコード
するcDNAを単離する、各ステップを含んで成る。
【0063】 本発明の別の実施形態は、上記段落に記載する方法によって得られる、精製さ
れたcDNAである。
【0064】 この実施形態の1つの態様では、前記cDNAはヒトポリペプチドの少なくと
も一部をコードする。
【0065】 本発明の別の実施形態は、cDNAを作製する方法である。この方法は、cD
NAと、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列から成
る群より選択される配列を含むcDNAを取得し、配列番号24〜811および
配列番号1600〜1622ならびに配列番号24〜811および配列番号16
00〜1622の配列に相補的な配列から成る群より選択される配列の少なくと
も12、15、18、20、23、25、28、30、35、40、または50
個の連続するヌクレオチドを含む検出可能なプローブとを、前記プローブが前記
cDNAにハイブリダイズすることを可能にする条件下で接触させ、前記検出可
能なプローブにハイブリダイズするcDNAを同定し、前記プローブにハイブリ
ダイズする前記cDNAを単離する、各ステップを含んで成る。
【0066】 本発明の別の実施形態は、上記段落に記載する方法によって得られる精製され
たcDNAである。
【0067】 この実施形態の1つの態様では、該cDNAはヒトポリペプチドの少なくとも
一部をコードする。
【0068】 本発明の別の実施形態は、cDNAを作製する方法である。この方法は、ヒト
細胞由来のmRNA分子の集合体と前記mRNAのポリAテイルにハイブリダイ
ズし得る第1のプライマーとを接触させ、前記第1のプライマーを前記ポリAテ
イルにハイブリダイズさせ、前記mRNAを逆転写して第1のcDNA鎖を作製
し、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列から成る群
より選択される配列の少なくとも12、15、18、20、23、25、28、
30、35、40、または50個の連続するヌクレオチドを含む少なくとも1つ
のプライマーを使用して、前記第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を
作製し、そして得られた第1のcDNA鎖と前記第2のcDNA鎖を含むcDN
Aを単離する、各ステップを含んで成る。
【0069】 本発明の別の実施形態は、上記段落に記載する方法によって得られる精製され
たcDNAである。
【0070】 この実施形態の1つの態様では、前記cDNAはヒトポリペプチドの少なくと
も一部をコードする。
【0071】 上記方法の別の態様では、前記第2のcDNA鎖は、前記第1のcDNA鎖と
第1のプライマー対(前記第1のプライマー対は、配列番号24〜811および
配列番号1600〜1622から成る群より選択される配列の少なくとも12、
15、18、20、23、25、28、30、35、40、または50個の連続
するヌクレオチドを含む第2のプライマーならびに前記第1のプライマーの配列
内に全配列が含まれる第3のプライマーを含む)とを接触させること、前記第2
および第3のプライマーにより第1のポリメラーゼ連鎖反応を行い、第1のPC
R産物を生成すること、前記第1のPCR産物と、第2のプライマー対(前記第
2のプライマー対は、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622
から成る群より選択される前記配列の少なくとも12、15、18、20、23
、25、28、30、35、40、または50個の連続するヌクレオチドを含む
第4のプライマーならびに第5のプライマーを含む)とを接触させることであっ
て、ただし、前記第4および第5のプライマーは前記第1のPCR産物内の配列
にハイブリダイズするものであること、および第2のポリメラーゼ連鎖反応を行
い、それによって第2のPCR産物を生成すること、によって作製される。
【0072】 この実施形態の1つの態様は、上記段落に記載する方法によって得られる精製
されたcDNAである。
【0073】 この実施形態の別の態様では、前記cDNAはヒトポリペプチドの少なくとも
一部をコードする。
【0074】 あるいは、前記第2のcDNA鎖は、前記第1のcDNA鎖と、配列番号24
〜811および配列番号1600〜1622から成る群より選択される配列の少
なくとも12、15、18、20、23、25、28、30、35、40、また
は50個の連続するヌクレオチドを含む第2のプライマーとを接触させること、
前記第2のプライマーを前記第1鎖cDNAにハイブリダイズさせること、およ
び前記ハイブリダイズした第2のプライマーを伸長して、前記第2のcDNA鎖
を生成すること、によって作製され得る。
【0075】 上記の実施形態の1つの態様は、上記段落に記載する方法によって得られる精
製されたcDNAである。
【0076】 この実施形態のさらなる態様では、前記cDNAはヒトポリペプチドの少なく
とも一部をコードする。
【0077】 本発明の別の実施形態は、ポリペプチドを作製する方法である。この方法は、
配列番号24〜811から成る群より選択される配列を含む核酸によってコード
されるポリペプチドをコードするcDNA、または配列番号24〜811から成
る群より選択される配列によってコードされるポリペプチドの少なくとも6、8
、10、12、15、18、20、23、25、28、30、35、40、また
は50個の連続するアミノ酸を含むポリペプチドをコードするcDNAを取得し
、前記cDNAを、それがプロモーターに機能し得る形で連結されるように発現
ベクターに挿入し、前記発現ベクターを宿主細胞に導入し、それにより前記宿主
細胞に前記cDNAによりコードされるタンパク質を産生させ、そして前記タン
パク質を単離する、各ステップを含んで成る。
【0078】 この実施形態の別の態様は、上記段落に記載する方法によって得られる単離さ
れたタンパク質である。
【0079】 本発明の別の実施形態は、プロモーターDNAを得る方法である。この方法は
、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列ならびに配列
番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列に相補的な配列から
成る群より選択される配列を含む核酸の上流に位置するゲノムDNAを取得し、
前記ゲノムDNAをスクリーニングして、転写開始を指令し得るプロモーターを
同定し、そして前記同定されたプロモーターを含む前記DNAを単離する、各ス
テップを含んで成る。
【0080】 この実施形態の1つの態様では、前記取得ステップは、配列番号24〜811
および配列番号1600〜1622ならびに配列番号24〜811および配列番
号1600〜1622に相補的な配列から成る群より選択される配列を含むゲノ
ムDNAからの歩行を含む。この実施形態の別の態様では、前記スクリーニング
ステップは、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622ならびに
配列番号24〜811および配列番号1600〜1622に相補的な配列から成
る群より選択される配列の上流に位置するゲノムDNAをプロモーターレポータ
ーベクターに挿入することを含む。例えば、前記スクリーニングステップは、転
写因子結合部位かまたは転写開始部位である、配列番号24〜811および配列
番号1600〜1622ならびに配列番号24〜811および配列番号1600
〜1622に相補的な配列から成る群より選択される配列の上流に位置するゲノ
ムDNA中のモチーフを同定することを含み得る。
【0081】 本発明の別の実施形態は、上記段落に記載する方法によって得られる、単離さ
れたプロモーターである。
【0082】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜811および配列番号1600〜1
622、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列に相補
的な配列、ならびに前記配列の少なくとも12、15、18、20、23、25
、28、30、35、40、50、または100個の連続するヌクレオチドを含
むフラグメントから成る群より選択される少なくとも1つの配列を、個別のES
Tまたは長さが少なくとも12、15、18、20、23、25、28、30、
35、40、50または100個ヌクレオチドのそのフラグメントのアレイに加
えることである。この実施形態の一部の態様では、前記アレイは、配列番号24
〜811および配列番号1600〜1622、配列番号24〜811および配列
番号1600〜1622の配列に相補的な配列、ならびに前記配列の少なくとも
12、15、18、20、23、25、28、30、35、40、または50個
の連続するヌクレオチドを含むフラグメントから成る群より選択される少なくと
も2つの配列を含む。この実施形態の別の態様では、前記アレイは、配列番号2
4〜811および配列番号1600〜1622、配列番号24〜811および配
列番号1600〜1622の配列に相補的な配列、ならびに前記配列の少なくと
も12、15、18、20、23、25、28、30、35、40、50、また
は100個の連続するヌクレオチドを含むフラグメントから成る群より選択され
る少なくとも1、3、5、10、15、または20の配列を含む。
【0083】 本発明の別の実施形態は、富化された組換え核酸の集団であって、前記組換え
核酸はインサート核酸およびバックボーン核酸を含み、ここで、前記集団中の少
なくとも0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、1
0%、または20%の前記インサート核酸は、配列番号24〜811および配列
番号1600〜1622ならびに配列番号24〜811および配列番号1600
〜1622に相補的な配列から成る群より選択される配列から成る。
【0084】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1599から成る群より選択され
る配列を含むポリペプチドに特異的に結合し得る、精製または単離された抗体で
ある。
【0085】 本発明の別の実施形態は、配列番号812〜1599から成る群より選択され
る配列の少なくとも6、8、10、12、15、18、20、23、25、28
、30、35、40、または50個の連続するアミノ酸を含むポリペプチドに特
異的に結合し得る、精製または単離された抗体である。
【0086】 本発明のさらに別の実施形態は、配列番号812〜1599のうち、いずれか
の少なくとも8、10、12、15、18、20、23、25、28、30、3
5、40、または50個のアミノ酸の連続スパンを含むポリペプチドのエピトー
プ含有フラグメントに選択的に結合し得る抗体組成物である。この組成物では、
前記抗体はポリクローナルかまたはモノクローナルである。
【0087】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜811および配列番号1600〜1
622の核酸コード、ならびに配列番号812〜1599のポリペプチドコード
から成る群より選択される配列を記憶して有するコンピュータ読取可能媒体であ
る。
【0088】 本発明の別の実施形態は、プロセッサおよびデータ記憶装置を含むコンピュー
タシステムである。このシステムでは、データ記憶装置は、配列番号24〜81
1および配列番号1600〜1622の核酸コードならびに配列番号812〜1
599のポリペプチドコードから成る群より選択される配列を記憶して有する。
この実施形態の1つの態様では、前記コンピュータシステムは、配列コンペアラ
および参照配列を記憶して有するデータ記憶装置をさらに含む。例えば、前記配
列コンペアラは、多型性を表示するコンピュータプログラムを含んでもよい。こ
の実施形態の別の態様では、前記コンピュータシステムは、前記配列の特徴を同
定するアイデンティファイアをさらに含む。
【0089】 本発明の別の実施形態は、第1の配列と参照配列とを比較する方法である。こ
の方法では、前記第1の配列は、配列番号24〜811および配列番号1600
〜1622の核酸コードならびに配列番号812〜1599のポリペプチドコー
ドから成る群より選択されるものであり、配列を比較するコンピュータプログラ
ムを使用することにより、前記第1の配列および前記参照配列を読み取り、そし
て前記コンピュータプログラムによって、前記第1の配列と前記参照配列との間
の差異を判定する、各ステップを含んで成る。この実施形態の一部の態様では、
前記第1の配列と前記参照配列との間の差異を判定する前記ステップは多型性を
同定することを含む。
【0090】 本発明の別の実施形態は、配列番号24〜811および配列番号1600〜1
622の核酸コードならびに配列番号812〜1599のポリペプチドコードか
ら成る群より選択される配列の特徴を同定する方法である。この方法は、配列の
特徴を同定するコンピュータプログラムを使用することにより、前記配列を読み
取り、そして前記コンピュータプログラムによって、前記配列の特徴を同定する
、各ステップを含んで成る。
【0091】 本発明の別の実施形態は、上記の核酸のいずれか1つに従う核酸を含むベクタ
ーである。
【0092】 本発明の別の実施形態は、上記ベクターを含有する宿主細胞である。
【0093】 本発明の別の実施形態は、上記の核酸のいずれかを作製する方法である。この
方法は、前記核酸を、それが各宿主細胞において複数のコピーで存在するように
宿主細胞に導入し、そして前記宿主細胞から前記核酸を単離する、各ステップを
含んで成る。
【0094】 本発明の別の実施形態は、上記核酸のいずれかの核酸を作製する方法である。
この方法は、前記核酸中のヌクレオチドを順次連結するステップを含んで成る。
【0095】 本発明の別の実施形態は、上記のポリペプチドのいずれかを作製する方法であ
る。この方法では、前記ポリペプチドは150アミノ酸以下の長さであり、この
方法は、前記ポリペプチドのアミノ酸を順次連結するステップを含んで成る。
【0096】 本発明の別の実施形態は、上記のポリペプチドのいずれかを作製する方法であ
る。この方法は、前記ポリペプチドは120アミノ酸以下の長さであり、前記ポ
リペプチドのアミノ酸を順次連結するステップを含んで成る。
【0097】 (好適な実施形態の詳細な説明) (I.対応するmRNAの5’末端を含むcDNAライブラリーからの5’ES
Tの取得) 対応するmRNAの5’末端を含むcDNAを含むcDNAライブラリーから
本発明の5’ESTを得た。そのようなcDNAを得るために使用される一般的
方法を実施例1〜5に記載する。
【0098】 実施例1 (mRNAの調製) 29の異なる組織に由来するヒト全RNAまたはポリA+RNAは、それぞれ
LABIMOおよびCLONTECHから購入し、下記の通りに、44のcDN
Aライブラリーを作製するために使用した。購入したRNAは、酸性グアニジウ
ムチオシアネート-フェノール−クロロホルム抽出(Chomczyniski
および Sacchi(Analytical Biochemistry 1
62:156−159, 1987))を使用して、細胞または組織から単離し
ておいたものである。リボソームRNAを除去するために、AvivおよびLe
der, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1
408−1412, 1972に記載の通りに、オリゴdTクロマトグラフィー
に2回通過させることにより、ポリA+RNAを全RNA(LABIMO)から
単離した。
【0099】 ポリA+RNAの品質および完全性を調べた。グロビンプローブとハイブリダ
イズさせたノーザンブロットを使用して、mRNAが分解されてないことを確認
した。リボソーム配列によるポリA+mRNAの汚染を、ノーザンブロット法お
よび28S rRNAの配列に由来するプローブを使用して調べた。rRNAが
5%未満であるmRNAの調製物をライブラリー構築に使用した。外因性配列(
原核生物または菌類)により汚染されたRNAを用いてライブラリーを構築しな
いように、PCRを使用して、細菌の16Sリボソーム配列の存在または高度に
発現される2種の菌類mRNAの配列の存在を調べた。
【0100】 実施例2 (完全な5’末端を有するmRNAを取得する方法) 上記の通り、様々な組織からmRNAを調製した後、完全な5’末端を有する
mRNAの選択および上記mRNAの5’末端へのオリゴヌクレオチドタグの特
異的結合を、化学的方法もしくは酵素的方法を使用して実施する。両技術とも、
完全なmRNAの5’末端の特徴を成し、かつ一般に7位にて一度メチル化され
たグアノシンを含む、「キャップ」構造の存在を利用する。該化学的方法を図1
に例示する。
【0101】 化学的修飾方法は、3’末端のリボースの2’,3’−シスジオールの任意の
除去、mRNAの5’末端のキャップに連結されたリボースの2’,3’,−シ
スジオールのジアルデヒドへの酸化、および上記の得られたジアルデヒドの誘導
されたオリゴヌクレオチドタグへのカップリングを含む。完全な5’末端を有す
るmRNAを得るための化学的アプローチに関するさらなる詳細は、1996年
11月7日に公告された国際出願第WO96/34981号に開示されている。
【0102】 オリゴヌクレオチドタグを、完全な5’末端を有するmRNAの5’末端に連
結する酵素的方法は、キャップされていない不完全なmRNAの5’末端に存在
するリン酸基の除去、後続の、完全な5’末端を有するmRNAの脱キャップ、
および脱キャップされたmRNAの5’末端に存在するリン酸のオリゴヌクレオ
チドタグへの連結を含む。完全な5’末端を有するmRNAを得るための酵素的
アプローチに関するさらなる詳細は、Dumas Milne Edwards J.B.(Doctoral Thes
is of Paris VI University, Le clonage des ADNc complets: difficultes et
perspectives nouvelles. Apports pour l’etude de la regulation de l’ex
pression de la tryptophane hydroxylase de rat, 20 Dec. 1993)、EPO 625572
およびKatoら、Gene 150:243-250 (1994)に開示されている。
【0103】 化学的方法または酵素的方法のいずれの場合にも、オリゴヌクレオチドタグは
、その後のクローニング方法を容易にするための制限酵素部位(例えば、Eco
RI部位)を中に有する。オリゴヌクレオチドタグをmRNAに結合した後、オ
リゴヌクレオチドタグに相補的なプローブを使用したノーザンブロットを実施す
ることにより、mRNAの完全性を試験した。
【0104】 実施例3 (完全な5’末端を有するmRNAテンプレートを使用するcDNA合成) オリゴヌクレオチドタグに結合させたmRNAについては、逆転写酵素とプラ
イマープライマーとしてランダムノナマーを使用して、第1鎖cDNAの合成を
実施した。cDNAの内部EcoRI部位をこの手法の後続のステップでの消化
から保護するために、メチル化dCTPを第1鎖合成に使用した。アルカリ加水
分解によってRNAを除去した後、残存するプライマーを除去するために、イソ
プロパノールを使用して、第1鎖cDNAを沈殿させた。
【0105】 連結されたオリゴヌクレオチドの5’末端に対応するプライマーを使用して、
クレノウ(Klenow)フラグメントを用いてcDNAの第2鎖を合成した。
好ましくは、プライマーは20〜25塩基の長さである。クローニングステップ
中に、cDNA内の内部EcoRI部位を、消化から保護するために、第2鎖合
成にもメチル化dCTPを使用した。
【0106】 実施例4 (完全な5’末端を有するmRNAに由来するcDNAのBlueScript
へのクローニング) 第2鎖の合成後に、cDNAの両端をT4 DNAポリメラーゼ(Biola
bs)で平滑化し、EcoRIでcDNAを消化した。cDNA合成中にメチル
化dCTPを使用したため、タグ中に存在するEcoRI部位は、唯一のヘミメ
チル化部位であり、従って、EcoRI消化を受けやすい唯一の部位であった。 次いで、排除クロマトグラフィー(AcA, Biosepra)を使用して
cDNAをサイズ分画し、150bpを超えるcDNAに対応する画分をプール
し、エタノール沈殿した。このcDNAを、ファージミドpBlueScrip
tベクター(Stratagene)のSmaIおよびEcoRI末端に特定方
向にクローニングした。連結混合物を細菌にエレクトロポレーションで導入し、
適当な抗生物質選択下で増殖させた。
【0107】 実施例5 (オリゴヌクレオチドタグを結合させたクローンの選択) 次いで、結合したオリゴヌクレオチドタグを含むクローンを下記の通りに選択
した。上記の通りに作製した5’ESTライブラリーを含むプラスミドDNAを
精製した(Qiagen)。下記の通りに、タグ付きクローンの陽性選択を実施
した。簡単に記載すると、この選択方法で、ファージF1の遺伝子IIエンドヌ
クレアーゼを、エキソヌクレアーゼIIIまたはT7遺伝子6エキソヌクレアー
ゼなどのエキソヌクレアーゼと併用して(Changら、Gene 127:95-8, 1993)、プ
ラスミドDNAを1本鎖DNAに変換した。次いで、このようにして得られた1
本鎖DNAを、Fryら、Biotechniques,13:124-131, 1992に記載の通りに、常
磁性ビーズを使用して精製した。この方法では、1本鎖DNAを、オリゴヌクレ
オチドタグの3’末端に対応する配列を有するビオチン化オリゴヌクレオチドと
ハイブリダイズさせた。ストレプトアビジン被覆磁気ビーズと共にインキュベー
トすることにより、ビオチン化オリゴヌクレオチドに相補的な配列を含むクロー
ンを捕捉し、次に磁気的に選択した。陽性クローンの捕捉後、磁気ビーズからプ
ラスミドDNAを放出させ、Amersham Pharmacia Biotechから入手されるThermo
SequenaseなどのDNAポリメチラーゼを使用して、2本鎖DNAに変換した。
次いで、2本鎖DNAを細菌にエレクトロポレーションで導入した。ドットブロ
ット分析を使用して、5’タグ付きオリゴヌクレオチドを有する陽性クローンの
割合は一般に90〜98%の範囲であると推定された。
【0108】 エレクトロポレーション後、ライブラリーを384マイクロタイタープレート
(MTP)に並べた。MTPのコピーを今後使用するために保管した。次いで、
ライブラリーを96MTPに移し、以下に記載のように配列決定した。
【0109】 実施例6 (選択したクローン中のインサートの配列決定) SETA−AおよびSETA−Bプライマー(GensetSA)、AmpliTaqGold (Pe
rkin-Elmer)、dNTP(Boehringer)、Perkin-Elmer Corporationが推奨する緩衝液お
よびサイクル条件を使用し、PE−9600サーモサイクラー(Perkin-Elmer,
Applied Biosystems Division, Foster City, CA)を用いて、PCRにより、プ
ラスミドインサートを先ず増幅した。
【0110】 次いで、自動ABI Prism 377シークエンサー(Perkin-Elmer)を
使用して、PCR生成物を配列決定した。PE9600サーモサイクラーと標準
染料−プライマー化学およびThermoSequenase(Amersham Pharmacia Biotech)を
使用して、配列決定反応を実施した。使用したプライマーは、適宜、T7または
21M13(Genset SAから入手可能)であった。このプライマーを、
JOE、FAM、ROXおよびTAMRA染料で標識した。配列決定反応で使用
したdNTPおよびddNTPは、Boehringerから購入した。配列決定用緩衝液
、試薬濃度およびサイクル条件は、Amershamが推奨した通りであった。
【0111】 配列決定反応後、サンプルをエタノールで沈殿させ、ホルムアミドローディン
グ緩衝液に再懸濁し、標準4%アクリルアミドゲルに載せた。ABI377シー
クエンサーで3000Vにて2.5時間、電気泳動を実施し、配列データを収集
し、ABI Prism DNA Sequencing Analysis Software、バージョン2.1.2を使
用して分析した。
【0112】 実施例7 (完全な5’末端を有するmRNAから得られる伸長cDNAライブラリーから
の5’ESTの取得) あるいは、他のcDNAライブラリーまたはゲノムDNAライブラリーから5
’ESTを単離することができる。そのようなcDNAライブラリーまたはゲノ
ムDNAライブラリーは、商業的ソースから得ることができるか、あるいは当業者
に知られている他の技術を使用して作製することができる。そのようなcDNA
ライブラリーの構築の1例(全長cDNAライブラリー)は以下に記載の通りで
ある。
【0113】 ポリA+RNAを調製し、実施例1に記載のようにそれらの質を確認する。次
いで実施例2に記載のように、ポリA+RNAの5’末端のキャップをオリゴヌ
クレオチドタグに特異的に連結する。オリゴヌクレオチドタグはEcoRIなど
の制限部位を含有し、さらなるサブクローニング手順を容易にし得る。次いで、
ノーザンブロッティングを行い、連結されたオリゴヌクレオチドタグを有するm
RNAのサイズを確認し、mRNAが実際にタグ付加されるように確実にする。
【0114】 ランダムノナマーをオリゴdTプライマーによって置き換えることを除いて、
上記の実施例3に記載のように、オリゴヌクレオチドタグに結合されたmRNA
を対象に第1鎖の合成を順次行う。例えば、このオリゴdTプライマーは、組織
ごとに異なる4ヌクレオチドの内部タグを含有し得る。mRNAの5’末端に付
着したオリゴヌクレオチドタグに含有されるプライマーを使用して第2鎖を合成
した後、得られる二本鎖全長DNAの平滑末端を粘着末端に改変し、サブクロー
ニングを容易にする。例えば、全長cDNAの両末端を改変し、オリゴヌクレオ
チドタグのEcoRI部位および全長cDNAの3’末端へのHindIIIア
ダプター付加を使用して、BluescriptベクターのEcoRIおよびH
indIII部位へのサブクローニングを可能にすることができる。
【0115】 次いで、当業者に知られている技術を用いて、全長cDNAを、それらのサイ
ズに従い、幾つかの画分に分離する。例えば、3または6の異なる画分を得るた
めに電気泳動分離を適用してもよい。ゲル抽出および精製後、cDNA画分をB
luescriptベクターなどの適切なベクターにサブクローニングし、コン
ピテント細菌に形質転換し、そして適切な抗生物質条件下で増殖させる。続いて
、実施例5に記載のように、タグ付加された全長cDNAを含有するプラスミド
を陽性選択する。
【0116】 次いで、そのようなcDNAライブラリーから単離した全長cDNAの5’末
端を実施例6に記載のように配列決定して、5’ESTを回収してもよい。
【0117】 (II.単離された5’ESTのコンピュータ分析:SignalTag(登録
商標)データベースの構築) 上記の通りに作製したcDNAライブラリーの配列データを、データベースに
転送し、そこで品質管理とバリデーションステップを実施した。Unixシステ
ムを使用して作動する塩基コーラー(base−caller)は、ピークの形
状、ピーク間分解能およびノイズレベルを考慮して、疑わしいピークを自動的に
信号旗で知らせた。塩基コーラーは、自動トリミングも実施した。疑わしいピー
クが4つより多い25個以下の塩基の伸長部はいかなるものも信頼性がないとみ
なされ、破棄された。クローニングベクターまたは連結オリゴヌクレオチドに対
応する配列は、EST配列から自動的に除かれた。しかし、得られた5’EST配
列は、上述の配列に属する1〜5塩基を5’末端に含有してもよい。必要に応じ
て、これらはケースごとに容易に除去することができる。
【0118】 上記のように配列決定した後、5’ESTの配列を、以下に記載する通りに、
記憶と操作のためにデータベース入力した。目的の配列についてデータベース内
の5’ESTを検索する前に、目的以外のmRNAから誘導された5’ESTを
同定した。簡単に記載すると、このような望まれていない配列は3つのタイプの
ものと考えられる。第1に、内因性(リボソームRNA、トランスファーRNA
、ミトコンドリアRNA)起源または外因性(原核生物RNAおよび菌類RNA
)起源のいずれかの汚染物質を同定した。第2に、情報価値のない配列、すなわ
ち、不必要な配列、小さい配列および高度に縮重した配列を同定した。第3に、
反復配列(Alu反復、L1反復、THE反復およびMER反復、SSTR配列
またはサテライト反復、マイクロサテライト反復、またはテロメア反復)を同定
し、その後のステップでマスクした。
【0119】 この配列決定方法の精度ならびに上述の5’選択効率を決定するために、それ
ぞれ、実施例8および9に記載の分析を、内因性および外因性の混入の削除後お
よび反復のマスキング後に5’ESTに対して実施した。
【0120】 実施例8 (既知の配列との比較による配列決定精度の測定) 実施例6に記載の配列決定方法の精度をさらに決定するために、既知の配列か
ら誘導された5’ESTの配列を同定し、元の既知の配列と比較した。最初に、
本文書の提出時に入手可能な公的なヒトmRNAデータベースの収録事項と一致
するものを同定するために、両末端にある5塩基対より短い突出部を用いたFA
STA分析を、5’ESTに実施した。次いで、既知のヒトmRNAと一致した
5’ESTを、起源を同じくするmRNAと再度アライメントをとり、ダイナミ
ックプログラミングを使用して、認識されるであろう「エラー」のリストに置換
、挿入および欠失を含めた。擬似クローニング部位が配列決定精度の分析に含ま
れることを避けるために、5’EST配列の最後の10塩基に発生するエラーを
無視した。この分析で、データベースに収録された配列の精度は99.5%を超
えることが明らかになった。
【0121】 実施例9 (5’EST選択の効率の決定) 5’ESTの起源である、mRNAの5’末端に近い配列を含む5’ESTを
上記手法で単離した効率を決定するために、延長因子1サブユニットおよびフェ
リチン重鎖遺伝子から誘導された5’ESTの末端の配列を、これらの遺伝子に
ついて、既知のcDNA配列と比較した。両遺伝子の転写開始部位は十分に特性
化されているため、これらを使用して、真正の転写開始部位を含むこれらの遺伝
子から誘導された5’ESTの百分率を決定することが可能である。両遺伝子と
も、得られた5’ESTの95%より多くが、対応するmRNAの5’末端付近
の配列または5’末端上流の配列を実際に含んでいた。
【0122】 データベースのESTから5’ESTを単離する方法の信頼性の分析を拡大す
るために、比較用のGenBankデータベースリリース97から抽出したヒト
mRNA配列から成るデータベースを使用して、同様の分析を実施した。Gen
eBankデータベースに含まれる、mRNAから誘導された5’ESTの場合
、その85%超が、既知の配列の5’末端に近い5’末端を有していた。Gen
Bankデータベースで入手できるmRNA配列の一部は、ゲノムの配列から推
定されるため、これらの配列と一致する5’末端を、内部一致として数える。従
って、ここで使用される方法では、対応するmRNAの真正の5’末端を含むE
STの収率が過少評価される。
【0123】 実施例10 (5’ESTライブラリーの新規性指数の算出) 5’ESTライブラリーの新規性を評価するために、以下の分析を行った。配
列決定された各5’ESTライブラリーについて、5’末端により、その配列を
クラスター化した。ライブラリーの各配列を他と比較し、該クラスター内に存在
する最長配列をグループの代表として使用した。次いで、新規性率(NR)を次
のように定義した:NR=100×(ライブラリー内に存在する新しい独特の配
列数/ライブラリーの配列総数)。一般に、新規性率は、5’ESTライブラリ
ーを得た組織に依存して、10%〜41%の範囲である。ライブラリーの大部分
について、新規性率が20%に達するまで、5’ESTライブラリーのランダム
配列決定を遂行した。
【0124】 実施例11 (コンセンサスコンティグ化(contigated)5’ESTの生成) 上記で作製したcDNAライブラリーは、同じmRNAから誘導された複数の
5’ESTを含んでいるため、重複5’ESTを集めて連続配列を作製すること
が可能である。下記の方法は、異なる遺伝子から誘導されたmRNAに関するコ
ンセンサスコンティグ化5’EST配列のみならず選択的スプライシングされた
mRNAなどの、同一遺伝子から転写された異なるmRNA、いわゆる変異体に
関するコンセンサスコンティグ化5’EST配列を生成するために、複数の5’
ESTを効率的にアラインメントする方法について説明するものである。
【0125】 先ず、この配列の全セットを、所与の長さについて互いに完全な一致を示し、
かつ少数の異なる遺伝子から誘導された配列を含む小さいクラスターに分けた。
幾つかの5’EST配列、いわゆる単体は、他の配列と相同でなかったため、こ
の方法を使用するアラインメントは行わなかった。
【0126】 その後、専売のソフトウェアを使用して、各クラスター内の、所与の遺伝子の
全変異体を同定した。次いで、同じ変異体に属する5’EST配列をコンティグ
化し、各変異体について、コンセンサスコンティグ化5’EST配列を生成した
。続いて、全てのコンセンサスコンティグ化5’EST配列を、それらを取得す
るために使用した個々の5’EST配列の全セットと比較した。
【0127】 必要に応じて、本明細書に記載のいずれかの方法を使用して、コンセンサスコ
ンティグ化5’ESTの配列に基づいたプローブにハイブリダイズする、cDN
Aライブラリーなどの、生物組織に由来する核酸サンプル中のクローンを同定し
、これらのクローンを配列決定することにより、コンセンサスコンティグ化5’
EST配列を検証することが可能である。
【0128】 内因性混入物および情報価値のない配列を含まず、反復のマスキング後の5’
ESTの選択されたセットにこのアラインメント方法を適用すると、コンセンサ
スコンティグ化5’EST配列または多くの個々の5’ESTを含むクラスター
化された遺伝子の変異体を生じた。次いで、アラインメントされなかった5’E
ST(すなわち、単体)およびコンセンサスコンティグ化5’ESTをすでに既
知の配列と比較し、ヒトmRNA配列に一致するそれらの配列をさらなる分析か
ら除外した。
【0129】 実施例12 (5’ESTのオープンリーディングフレームの同定) 続いて、オープンリーディングフレーム(ORF)を有するものを同定するた
めに、コンセンサスコンティグ化5’ESTおよび5’ESTをスクリーニング
した。
【0130】 このようなオープンリーディングフレームは、単に、45ヌクレオチドより長
く、かつATGコドンで開始する連続した核酸配列であると定義された。
【0131】 あるいは、先ず、核酸配列を幾つかの部分列に分割し、そのコーディング傾向
を、N量体頻度およびその変異体の評価などの、当業者に周知の1つの方法また
はいくつかの異なる方法(FickettおよびTung, Nucleic Acids Res;20:6441-50(
1992))またはAverage Mutual Information法(Grosseら、International Confer
ence on Intelligent Systems for Molecular Biology, Montreal, Canada. Jun
e 28-July 1, 1998)を使用して、別々に評価した。次いで、上記の技術により得
られた各スコアを、それらの分布極値により標準化し、次いで、ニューラルネッ
トワークを使用して、所与の部分列のコーディング確率を示す独特のスコアに融
合した。次いで、各部分列について得られたコーディング確率スコア、従って、
各リーディングフレームについて得られた確率スコアプロフィールを、その配列
上に存在する開始コドンに連結した。ATGコドンで開始する核酸配列と定義さ
れた、各オープンリーディングフレームについて、ORFスコアを決定した。こ
のスコアは、局所的に高いスコア値を否定的に解釈し、持続的に高いスコア値を
肯定的に解釈する機能によって修正された、正確なリーディングフレーム内で考
えられるORFに対応する各部分列についてコンピュータ処理された確率スコア
の合計であることが好ましい。最高のスコアを有する最も有望なORFを選択し
た。
【0132】 一部の実施形態において、本明細書に記載の「不完全なORF」、すなわち、
開始コドンは同定されているが、停止コドンが同定されていないオープンリーデ
ィングフレームをコードする核酸配列が得られた。
【0133】 他の実施形態において、本明細書で使用される、「完全なORF」核酸配列、
すなわち、開始コドンおよび停止コドンが同定されているオープンリーディング
フレームコードする核酸配列が得られる。
【0134】 好ましい実施形態において、少なくとも50アミノ酸のポリペプチドをコード
するオープンリーディングフレームが得られた。
【0135】 選択されたORFがポリペプチドを実際にコードしていることを確認するため
に、本明細書に記載の技術のいずれか、特に実施例19および20に記載の技術
を使用し、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは5’ESTを使用して伸
長cDNAを得ることができる。次いで、取得したこのような伸長cDNAを、
本明細書に記載の技術のいずれかを使用して、最も有望なオープンリーディング
フレームについてスクリーニングすることが可能である。次いで、伸長cDNA
によりコードされるORFが、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは5’
ESTによりコードされるものと基本的に同じであるかどうかを決定するため、
本明細書に記載のアルゴリズムのいずれかおよびパラメータを使用して、コンセ
ンサスコンティグ化化5’ESTまたは5’ESTによりコードされるORFの
アミノ酸配列を、伸長cDNAによりコードされるORFのアミノ酸配列と比較
することが可能である。
【0136】 あるいは、選択されたORFがポリペプチドを実際にコードしていることを確
認するために、本明細書に記載の技術のいずれか、特に、実施例19および20
に記載の技術を使用し、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは5’EST
を使用して、伸長cDNAを得ることができる。次いで、このような伸長cDN
Aを、適当な発現ベクターに挿入し、本明細書に記載の伸長cDNAによりコー
ドされるポリペプチドを発現させるのに使用することができる。本明細書に記載
の通りに、発現したポリペプチドを、単離、精製、あるいは富化することが可能
である。次いで、当業者に周知の幾つかの方法を使用しては、発現したポリペプ
チドが、本明細書で予期されるポリペプチドと呼ばれる、選択されたORFによ
り実際にコードされるものであるかどうかを決定することができる。このような
方法は、そのアミノ酸配列、そのサイズまたはその電荷を含むがその限りではな
い、発現したポリペプチドの予測し得る特徴の決定、およびこれらの特徴と、予
期されるポリペプチドに関して予測された特徴との比較に基づく。以下のパラグ
ラフに、このような方法の例を示す。
【0137】 これらの方法の1つは、発現したポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも一
部を、当業者に周知のいずれかの技術を使用して決定することにある。例えば、
N末端残基が共有結合で標識されているポリペプチドの酸加水分解のSange
rの技術に基づく技術か、またはN末端残基が逐次標識され、目的のポリペプチ
ドから切断される、ポリペプチドのEdman分解に基づく技術のいずれか一方
を使用して、アミノ末端の残基を決定することが可能である。次いで、その中に
記載されているいずれかのアルゴリズムおよびパラメータを使用して、発現した
ポリペプチドのアミノ酸配列を、予期されるポリペプチドについて予測されるア
ミノ酸配列と比較してもよい。
【0138】 あるいは、クーマシーブルーまたは銀染色などの当業者に周知の技術を使用し
て、発現したポリペプチドのサイズを決定し、続いて、予期されるポリペプチド
について予測されるサイズと比較してもよい。一般に、発現したポリペプチドに
対応するバンドは、伸長cDNAのオープンリーディングフレーム内のアミノ酸の数
に基づいて予期されるものに近い移動度を有する。しかし、バンドは、グリコシ
ル化、ユビキチン化、または酵素的切断などの、修飾の結果として予期されるも
のとは異なる移動度を有する可能性がある。
【0139】 あるいは、実施例34に記載の通り、予期されるポリペプチドに対する特異的
抗体または抗ペプチドを生成し、これを使用して、発現したポリペプチドに対す
る免疫ブロット研究または免疫沈降研究を実施することが可能である。関連のな
いポリペプチドをコードする発現ベクターを含む細胞から得たサンプルに存在し
ないバンドが、伸長cDNAを含む発現ベクターを含む細胞から得たサンプルに
存在することは、予期されるポリペプチドまたはその一部が発現していることを
示す。一般に、発現したポリペプチドに対応するバンドは、伸長cDNAのオー
プンリーディングフレーム内のアミノ酸の数に基づいて予期されるものに近い移
動度を有する。しかし、バンドは、グリコシル化、ユビキチン化、または酵素的
切断などの、修飾の結果として予期されるものとは異なる移動度を有する可能性
がある。
【0140】 実施例13 (5’ESTにおける潜在的シグナル配列の同定) 次いで、潜在的シグナルモチーフを同定するために、Von Heijne(Nucleic Aci
ds Res. 14:4683-4690,1986)に開示されている手順に一部修正を加えたものを
使用して、ORFをコードすることが確認された5’ESTまたはコンセンサス
コンティグ化5’ESTを検索した。Von Heijneシグナルペプチド同
定マトリックスで少なくとも3.5のスコアを有する15アミノ酸長ストレッチ
をコードしている配列を、シグナル配列を有すると考えた。既知のヒトmRNA
またはEST配列と一致し、かつ既知の5’末端の下流に、好ましくは20ヌク
レオチドよりも下流に5’末端を有する核酸配列を、さらなる分析から除外した
。シグナル配列を中に有する残りの核酸を、SignalTag(登録商標)と
呼ばれるデータベースに含めた。
【0141】 実施例14 (5’ESTにおける潜在的シグナル配列の同定精度の確認) 全てのヒトSwissProtタンパク質のN末端に位置する43のアミノ酸
に本方法を適用することによって、シグナルペプチドをコードしているシグナル
配列を同定するための上記手順の精度を評価した。各タンパク質のコンピュータ
処理したVon Heijneスコアを、分泌タンパク質または非分泌タンパク
質であるとして、タンパク質の既知の特性化と比較した。この方法で、3.5よ
り高いスコアを有する(偽陽性)非分泌タンパク質数および3.5より低いスコ
アを有する(偽陰性)分泌タンパク質数を算出することができた。
【0142】 上述の分析結果を使用して、mRNAの5’領域によりコードされるペプチド
が、実際に、そのVon Heijneスコアに基づいた真正のシグナルペプチ
ドである確率を、ヒトタンパク質の10%が分泌されるという仮説またはヒトタ
ンパク質の20%が分泌されるという仮説のいずれかに基づいて算出した。この
分析結果を、図2に示す。
【0143】 上述の分泌タンパク質同定方法を使用して、分泌されることが判明している以
下のポリペプチドの5’ESTを取得した:ヒトグルカゴン、γインターフェロ
ン誘導性モノカイン前駆体、分泌シクロフィリン様タンパク質、ヒトプレイオト
ロピン(pleiotropin)、およびヒトビオチニダーゼ前駆体。従って
上述の方法は、シグナルペプチドをコードする5’ESTを首尾よく同定した。
【0144】 5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTによりコードされるシ
グナルペプチドが、シグナルペプチドとして実際に機能することを確認するため
に、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTからのシグナル配列
を、シグナルペプチドの同定用に設計されたベクターにクローニングすることが
可能である。このようなベクターは、機能し得る形で連結されたシグナル配列を
有するベクターを含有する宿主細胞のみに、選択培地で増殖する能力を与えるよ
うに設計されている。例えば、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’
ESTが真正のシグナルペプチドをコードすることを確認するためには、5’E
STまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTのシグナル配列を、米国特許第
5,536,637号に記載されているようなシグナルペプチド選択ベクター中
の非分泌型酵母インベルターゼ遺伝子の上流に読取り枠が合うように挿入すれば
よい。正確に挿入された5’ESTシグナル配列またはコンセンサスコンティグ
化5’ESTシグナル配列を含むシグナル配列選択ベクターを含有する宿主細胞
が増殖することによって、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ES
Tが真正のシグナルペプチドをコードすることが確認される。
【0145】 あるいは、シグナルペプチドの存在は、ESTまたはコンセンサスコンティグ
化5’ESTを用いて得られる伸長cDNAを、以下に記載するpXT1などの
発現ベクターにクローニングするか、シグナルペプチドとアッセイ可能なレポー
タータンパク質との間に融合タンパク質をコードするプロモーター-シグナル配
列-レポーター遺伝子ベクターを構築することによって確認することが可能であ
る。適当な宿主細胞(例えば、COS細胞やNIH 3T3細胞)にこれらのベ
クターを導入した後、増殖培地を回収して、分泌されたタンパク質の有無につい
て分析することが可能である。これらの細胞から得られる培地を、シグナル配列
または伸長cDNAインサートが欠如しているベクターを含有する対照細胞から
得られる培地と比較して、機能的シグナルペプチドまたは真正の分泌タンパク質
をコードするベクターを同定する。
【0146】 実施例15 (本発明の配列の分析) 実施例11に記載の通りに、本発明の核酸配列のセット(配列番号24〜81
1および1600〜1622)を取得した。続いて、実施例12および13に記
載の通りに、本発明の全配列について、最も有望なオープンリーディングフレー
ムを決定し、シグナル配列を検索した。
【0147】 配列番号24〜811および1600〜1622のヌクレオチド配列ならびに
配列番号24〜811によりコードされるポリペプチド配列(すなわち、配列番
号812〜1599のポリペプチド配列)を添付の配列リストに示すが、それら
の構造は以下の通りである。
【0148】 配列番号24〜728は、シグナルペプチドをコードする不完全ORFを有す
る核酸である。不完全ORFおよびシグナルペプチドをコードする配列の位置を
添付の配列表に列挙する。さらに、実施例13に記載のように算定されるシグナ
ルペプチドのvon Heijneスコアを、添付の配列表に「スコア」として
列挙する。シグナルペプチドの配列を、添付の配列表に「配列(seq)」とし
て列挙する。シグナルペプチド配列の「/」は、シグナルペプチドのタンパク質
切断が生じて成熟タンパク質を生成する位置を表す。
【0149】 配列番号729〜765は、現在までにシグナルペプチドをコードする配列が
同定されていない不完全ORFを有する核酸である。しかし、以後の分析では、
これらの核酸中のシグナルペプチドをコードする配列を同定することが可能であ
る。不完全ORFの位置を添付の配列表に列挙する。
【0150】 配列番号766〜792は、シグナルペプチドをコードする完全ORFを有す
る核酸である。完全ORFおよびシグナルペプチドの位置、シグナルペプチドの
von Heijneスコア、シグナルペプチドの配列、ならびにタンパク質切
断部位を上記と同様に示す。
【0151】 配列番号793〜811は、現在までにシグナルペプチドをコードする配列が
同定されていない完全ORFを有する核酸である。しかし、以後の分析では、こ
れらの核酸中のシグナルペプチドをコードする配列を同定することが可能である
。完全ORFの位置を添付の配列表に列挙する。
【0152】 配列番号812〜1516はシグナルペプチドを含む「不完全ポリペプチド配
列」である。「不完全ポリペプチド配列」は、開始コドンが同定されているが、
停止コドンは同定されていない核酸によってコードされるポリペプチド配列であ
る。これらのポリペプチドは、配列番号24〜728の核酸によってコードされ
る。シグナルペプチドの位置、シグナルペプチドのvon Heijneスコア
、シグナルペプチドの配列、およびタンパク質切断部位を上記と同様に示す。
【0153】 配列番号1517〜1553は、現在までにシグナルペプチドが同定されてい
ない不完全ポリペプチド配列である。しかし、以後の分析では、これらのポリペ
プチド中のシグナルペプチドを同定することが可能である。これらのポリペプチ
ドは、配列番号729〜765の核酸によってコードされる。
【0154】 配列番号1554〜1580は、シグナルペプチドを含む「完全ポリペプチド
配列」である。「完全ポリペプチド配列」は、開始コドンおよび停止コドンが同
定されている核酸によってコードされるポリペプチド配列である。これらのポリ
ペプチドは、配列番号766〜792の核酸によってコードされる。シグナルペ
プチドの位置、シグナルペプチドのvon Heijneスコア、シグナルペプ
チドの配列、およびタンパク質切断部位を上記と同様に示す。
【0155】 配列番号1581〜1599は、現在までにシグナルペプチドが同定されてい
ない完全ポリペプチド配列である。しかし、以後の分析では、これらのポリペプ
チド中のシグナルペプチドを同定することが可能である。これらのポリペプチド
は、配列番号793〜811の核酸によってコードされる。
【0156】 配列番号1600〜1622は、現在までにオープンリーディングフレームが
最終的に同定されていない核酸配列である。しかし、以後の分析では、これらの
核酸中のオープンリーディングフレームを同定することが可能である。
【0157】 添付の配列表において、核酸配列中の記号「n」の全ての事例は、ヌクレオチ
ドがアデニン、グアニン、シトシンまたはチミンであり得ることを意味する。場
合により、配列表のポリペプチド配列は、記号「Xaa」を含有する。これらの
「Xaa」の記号は、(1)ヌクレオチド配列のあいまいさのために同定するこ
とができない残基または(2)出願人が(配列がより正確に決定された場合に)
存在すべきではないと考える決定された配列中の停止コドンのいずれか一方を表
す。場合により、不明のアミノ酸の幾つか可能な同一物は、遺伝子コードによっ
て示唆され得る。
【0158】 分泌タンパク質の場合、配列表を管理する規則に従い、添付の配列表では、全
長タンパク質(すなわち、シグナルペプチドおよび成熟タンパク質を含有するタ
ンパク質)が負の数を有するアミノ酸残基から正の数を番号付けしたC末端アミ
ノ酸残基にまで及ぶことに注意するべきである。従って、シグナルペプチドの切
断によって生じる成熟タンパク質の1番目のアミノ酸にアミノ酸番号1を付し、
シグナルペプチドの1番目のアミノ酸に適切な負の数を付す。
【0159】 配列番号24〜811および1600〜1622の核酸配列の1つが、1つま
たは複数の不正確なまたは曖昧なヌクレオチドを含むことが疑われる場合、評価
すべきヌクレオチドを含むフラグメントを再度配列決定することにより、曖昧性
を容易に解消することができる。1つまたは複数の不正確なまたは曖昧なヌクレ
オチドが検出された場合、配列が単離されたクラスターに、正確な配列を含め、
これを使用して、他のORFが同定されるであろう他のコンセンサスコンティグ
化配列をコンピュータ処理すべきである。配列決定エラーまたは曖昧性を解消す
るための核酸フラグメントは、寄託されたクローンから取得してもよく、本明細
書に記載の技術を使用して単離してもよい。このような曖昧性またはエラーの解
消は、曖昧な配列またはエラーを含む配列の近くに位置する配列にハイブリダイ
ズするプライマーを使用することによって促進することができる。例えば、プラ
イマーは、曖昧性またはエラーのある50〜75塩基以内の配列にハイブリダイ
ズすればよい。エラーまたは曖昧性が解消すれば、エラーまたは曖昧性を含むD
NAによりコードされるタンパク質配列中で、対応する訂正を行うことができる
。ある特定のクローンによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列も、適当な
宿主細胞におけるそのクローンの発現、タンパク質の回収、およびその配列の決
定によって、決定することができる。
【0160】 さらに、配列番号812〜1599の配列の1つが、その配列におけるフレー
ムシフトの結果として、先端が切られたORFを含むことが疑われる場合、下記
の2つの方法を併用することにより、このようなフレームシフト性エラーを修正
することが可能である。最初の方法は、全ての二重予測、すなわち、異なるリー
ディングフレーム上に位置する2つのORFについて、確率スコアが高くかつ近
い、好ましくは0.4未満だけ異なるあらゆるケースの徹底的な試験を含む。2
つの可能なORFが重複する領域の精密な試験は、フレームシフトの検出に役立
ち得る。第2の方法では、既知のタンパク質との相同性を使用して、疑われるフ
レームシフトを修正する。
【0161】 同定されたクラスターのうち幾つかは、多重変異体であること、すなわち、同
一遺伝子の幾つかの変異体を含むことが証明された。表Iは、内部リファレンス
によって名づけられた各多重変異体クラスター(第1欄)、すべての変異体コン
センサスコンティグ化5’ESTのリスト(第2欄)を示し、それぞれ、異なる
配列番号で表されている。
【表1】
【0162】 表IIは、コンセンサスコンティグ化5’ESTの誘導体である好ましいポリ
ヌクレオチドフラグメントのリストを示す。本明細書で使用する用語「表IIに
記載のポリヌクレオチド」は、以下の方式で、表IIに明示されている好ましい
ポリヌクレオチドフラグメントの全てを指す。第1欄に該フラグメントを配列番
号によって表す。次いで、「好ましいフラグメントの位置」という表題の第2欄
に示すように、好ましいポリヌクレオチドフラグメントを、コンセンサスコンテ
ィグ化5’ESTの配列番号からのヌクレオチド位置の範囲によって規定する。
好ましいポリヌクレオチドフラグメントは、コンセンサスコンティグ化5’ES
Tを得るためにアラインメントされた個々の5’ESTおよび優先権書類におい
て出願されたものに対応する。「変異体ヌクレオチド」という表題の第3欄は、
以下のようなコンセンサスコンティグ化5’ESTと好ましいポリヌクレオチド
フラグメントとの間に認められるヌクレオチド配列の変異を説明している: A)好ましいポリヌクレオチドフラグメントを誘導するためのコンセンサスコ
ンティグ化5’ESTの配列における置換を「S」で表し、それに続く数字は、
一連なりの置換されたヌクレオチドにおいて置換されるべき特定の配列番号にお
ける最初のヌクレオチドの位置かまたは置換されたヌクレオチドが1個である場
合は置換されたヌクレオチドの位置を表す。次いで、コンマ(coma)に続い
て、1個以上の小文字は、置換された位置に存在するヌクレオチドの同一性を示
す。例えば配列番号3401;好ましいフラグメントの位置:1〜250;変異
体ヌクレオチドS45,atcは、好ましいポリヌクレオチドフラグメントが、
配列番号3401の配列と比較して、好ましいポリヌクレオチドの45位、46
位、および47位のヌクレオチドがそれぞれA、T、およびCに置換されたこと
を除き、配列番号3401の1〜250位の配列を有したことを示す。 B)好ましいポリヌクレオチドフラグメントを誘導するためのコンセンサスコ
ンティグ化5’ESTの配列における挿入を「I」で表し、それに続く数字は、
一連なりのヌクレオチドが挿入された後の特定の配列番号におけるヌクレオチド
の位置かまたは挿入されたヌクレオチドが1個である場合はヌクレオチドが挿入
された後の位置を表す。次いで、コンマに続いて、1個以上の小文字は、挿入さ
れた位置に存在するヌクレオチドの同一性を示す。例えば、配列番号7934;
好ましいフラグメントの位置:1〜500;変異体ヌクレオチドI36,gat
acaは、好ましいポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号7934の配列
と比較して、36位のヌクレオチドより後ろでGATACAの一連なりのヌクレ
オチドが好ましいポリヌクレオチドに挿入されることを除き、配列番号7934
の1〜500位の配列を有したことを示す。 C)好ましい核酸フラグメントを誘導するためのコンセンサスコンティグ化5
’ESTの配列における欠失を「D」で表し、それに続く数字は、一連なりの欠
失されたヌクレオチドにおいて欠失されるべき特定の配列番号における最初のヌ
クレオチドの位置かまたは欠失されたヌクレオチドが1個である場合は欠失され
たヌクレオチドの位置を表す。次いで、コンマに続く数字は、配列番号において
提供された配列から欠失されるヌクレオチドの数を示す。例えば、配列番号53
98;好ましいフラグメントの位置:56〜780;変異体ヌクレオチドD11
4,5は、好ましいポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号5398の配列
と比較して、好ましいポリヌクレオチドの114位〜118位のヌクレオチドが
欠失していることを除き、配列番号5398の56位〜780位の配列を有した
ことを示す。
【0163】 本発明は、少なくとも8、10、12、15、18、20、25、35、40
、50、70、80、100、250、または500ヌクレオチドの長さの連続
したスパンが、特定のポリヌクレオチド、表IIに記載されているポリヌクレオ
チドまたはそれに相補的な配列の長さと一致する程度まで、これらの長さの連続
したスパンから成るか、本質的に成るか、またはこれを含み、表IIに記載され
ている上記ポリヌクレオチドが、表IIに記載されているポリヌクレオチドから
個々に選択されるかもしくは任意に組み合わせて選択される、単離された、精製
された、または組換え型の核酸を含む。本発明はまた、表IIに記載されている
ポリヌクレオチド、またはそれに相補的な配列から成るかまたは本質的に成り、
上記ポリヌクレオチドが表IIに記載されているポリヌクレオチドから個々に選
択されるかもしくは任意に組み合わせて選択される、単離された、精製された、
または組換え型の核酸を含む。本発明は、表IIに記載されているポリヌクレオ
チドによってコードされる少なくとも8、10、12、15、18、20、25
、35、40、50、70、80、100個のアミノ酸の連続したスパンから成
るか、本質的に成るか、またはこれを含む、単離されたまたは精製されたポリペ
プチドをさらに含む。
【表2】
【0164】 実施例16 (5’ESTおよびコンセンサスコンティグ化5’ESTの分類) 下記の通りに、本発明の核酸配列(配列番号24〜811および1600〜1
622)を、既知の配列との相同性に基づいて分類した。全ての配列を、EMB
Lリリース57およびBLASTNを使用する出願時に利用可能なデーリーリリ
ースと比較した。最小で25ヌクレオチドが90%の相同性を有する全ての一致
を回収し、表IVおよびVを算定するために使用した。
【0165】 一部の実施形態では、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’EST
の核酸配列は、既知の脊椎動物配列のいずれとも、公的に入手可能なEST配列
のいずれとも一致せず、すなわち、完全に新規である。
【0166】 他の実施形態では、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTは
、既知の配列に一致する。表IIIおよびIVは、第1欄に、このカテゴリーに
おける本発明の各配列を配列同定番号によって表し、「好ましいフラグメントの
位置」という表題の第2欄に、それらの好ましいフラグメントの位置を表す。本
明細書で使用する用語「表IIIに記載のポリヌクレオチド」は、このような方
式で、表IIIに明示されている好ましいポリヌクレオチドフラグメントの全て
を指し、用語「表IVに記載のポリヌクレオチド」は、このような方式で、表I
Vに明示されている好ましいポリヌクレオチドフラグメントの全てを指す。本発
明は、少なくとも8、10、12、15、18、20、25、35、40、50
、70、80、100、250、または500ヌクレオチドの長さの連続したス
パンが、特定のポリヌクレオチド、表IIIまたは表IVに記載されているポリ
ヌクレオチドまたはそれに相補的な配列の長さと一致する程度まで、これらの長
さの連続したスパンから成るか、本質的に成るか、またはこれを含み、表III
または表IVに記載されている上記ポリヌクレオチドが、表IIIまたは表IV
に記載されているポリヌクレオチドから個々に選択されるかもしくは任意に組み
合わせて選択される、単離された、精製された、または組換え型の核酸を含む。
本発明はまた、表IIIまたは表IVに記載されているポリヌクレオチド、また
はそれに相補的な配列から成るかまたは本質的に成り、上記ポリヌクレオチドが
表IIIまたは表IVに記載されているポリヌクレオチドから個々に選択される
かもしくは任意に組み合わせて選択される、単離された、精製された、または組
換え型の核酸を含む。
【表3】
【表4】
【0167】 (III.5’EST、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたはEST関連
核酸に対応するmRNAの空間的発現および時間的発現の評価) 実施例17 (5’ESTを取得したmRNAの発現パターン) 以下の通り、配列番号24〜811および1600〜1622のそれぞれも、
その対応するmRNAを取得した組織に基づいて分類した。 表Vは、第1欄に、本発明の各核酸配列(配列番号24〜811および160
0〜1622)の空間的分布をその配列番号によって示す。組織分布という表題
の第2欄に、空間的分布を、所与の組織について、コンセンサスコンティグ化5
’ESTを組み立てるために使用される個々の5’ESTの数によって表す。表
Vに記載の組織のそれぞれのタイプを1つの文字でコード化する。文字コードと
組織のタイプとの間の対応を表VIに示す。
【表5】
【表6】
【0168】 5’ESTおよびコンセンサスコンティグ化5’ESTを、それらの起源であ
る組織に関して分類するほかにも、以下の実施例18に記載の通りに、5’ES
Tおよびコンセンサスコンティグ化5’ESTに対応するmRNAの空間発現パ
ターンおよび時間発現パターン、ならびにそれらの発現レベルを決定することが
可能である。
【0169】 以下でさらに詳細に検討を加えるが、これらのmRNAの空間的発現パターン、時
間的発現パターンおよび発現レベルを特性化することは、所望の空間的方式また
は時間的方式で、所望のレベルの遺伝子産物を産生することができる発現ベクタ
ーの構築に有用である。
【0170】 さらに、対応するmRNAが疾患状態に関与する5’ESTおよびコンセンサ
スコンティグ化5’ESTも同定することが可能である。例えば、ある特定の疾
患は、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTに対応するmRN
Aの発現の欠如、過剰発現、または過少発現に起因すると考えられる。健常者か
ら採取したサンプルにおけるmRNAの発現パターンと量を、ある特定の疾患に
罹患した個体のものと比較することによって、その疾患の原因である5’EST
またはコンセンサスコンティグ化5’ESTを同定することが可能である。
【0171】 上述の5’ESTおよびコンセンサスコンティグ化5’ESTに関する特性化
手順の結果が、5’ESTおよびコンセンサスコンティグ化5’ESTに隣接す
る配列を含む伸長cDNA(下記の通りに得られる)にもあてはまることは明ら
かであろう。また、必要に応じて、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化
5’EST自体を特性化するよりむしろ、伸長cDNAが得られるまで特性化を
遅らせてもよいことも明らかであろう。
【0172】 実施例18 (EST関連核酸に対応するmRNAの発現レベルおよび発現パターンの評価) 国際特許出願第WO97/05277号に記載の長いプローブを用いた溶液ハ
イブリダイゼーションで、EST関連核酸に対応するmRNAの発現レベルおよ
び発現パターンを分析することが可能である。簡単に記述すると、特性化すべき
mRNAをコードしている遺伝子に対応する、EST関連核酸、EST関連核酸
のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の
位置的セグメントのフラグメントを、バクテリオファージ(T3、T7またはS
P6)RNAポリメラーゼプロモーターのすぐ下流のクローニング部位に挿入し
て、アンチセンスRNAを作製する。EST関連核酸、EST関連核酸のフラグ
メント、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セ
グメントのフラグメントは、100以上のヌクレオチドの長さであることが好ま
しい。プラスミドを線状にし、修飾リボヌクレオチド(すなわち、ビオチン−U
TPおよびDIG−UTP)を含むリボヌクレオチドの存在下で転写する。この
二重に標識した過剰のRNAを、溶液中で、目的の細胞または組織から単離した
mRNAとハイブリダイズさせる。標準的なストリンジェント条件下で(80%
ホルムアミド、0.4M NaCl緩衝液(pH7〜8)中、40〜50℃で1
6時間)、ハイブリダイゼーションを行う。一本鎖RNAに特異的なリボヌクレ
アーゼ(すなわち、RNaseCL3、T1、PhyM、U2またはA)で消化
することによって、ハイブリダイズしていないプローブを除去する。ビオチン−
UTP修飾が存在すれば、ストレプトアビジンを被覆したマイクロタイタープレ
ート上にハイブリッドを捕捉することが可能になる。DIG修飾が存在すれば、
アルカリホスファターゼに結合させた抗DIG抗体を使用するELISAによっ
て、ハイブリッドを検出および定量することが可能になる。
【0173】 英国特許出願第2305241Aに開示されている通りに、EST関連核酸、
EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、またはE
ST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントに、遺伝子発現の連続分析(S
AGE)用のヌクレオチド配列をタグ付けすることもできる。この方法で、細胞
、組織、生物、または遺伝子発現パターンを決定しなければならない核酸の他の
起源から、cDNAを調製する。このようにして得られたcDNAを2つのプー
ルに分ける。各プール中のcDNAを、大部分のcDNAに少なくとも一つ存在
すると思われる認識部位を有する第1の制限エンドヌクレアーゼ(アンカリング
酵素と呼ばれる)で切断する。切断されたcDNAの5’または3’領域を最も
多く含むフラグメントを、ストレプトアビジン被覆ビーズのような捕捉媒体に結
合させることによって単離する。増幅プライマーをハイブリダイズさせるための
第1配列と、いわゆるタグ付きエンドヌクレアーゼに対する内部制限部位とを有
する第1のオリゴヌクレオチドリンカーを、第1のプール中の消化cDNAに連
結する。第2のエンドヌクレアーゼで消化して、cDNAから短いタグ付きフラ
グメントを生成する。
【0174】 増幅プライマーをハイブリダイズさせるための第2の配列と内部制限部位を有
する第2のオリゴヌクレオチドを、第2のプール中の消化cDNAに連結する。
第2のプールのcDNAフラグメントも、タグ付きエンドヌクレアーゼで消化し
て、第2のプールのcDNAに由来する短いタグフラグメントを生成する。アン
カリング酵素およびタグ付きエンドヌクレアーゼを用いた、第1のプールおよび
第2のプールの消化によって生じたタグを互いに連結して、いわゆるジタグ(d
itag)を生成する。一部の実施形態では、ジタグをコンカテマー化して、ジ
タグを2〜200含有する連結産物を生成する。次いで、タグ配列を決定し、E
ST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメ
ント、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントの配列と比較し
て、細胞、組織、生物、またはタグが由来する核酸の他の起源に、どの5’ES
T、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは伸長cDNAが発現されるかを
決定する。この方法で、細胞、組織、生物、または核酸の他の起源における5’
EST、コンセンサスコンティグ化5’EST、または伸長cDNAの発現パタ
ーンが得られる。
【0175】 アレイを使用して遺伝子発現の定量分析を実施することも可能である。本明細
書で使用する用語「アレイ」は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメン
トの、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグ
メントのフラグメント、一次元、二次元、または多次元の配列(arrange
ment)を意味する。このEST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、
EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグメント
のフラグメントは、長さが少なくとも10、12、15、18、20、23、2
5、28、30、35、40、または50ヌクレオチドであることが好ましい。
さらに好ましくは、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関
連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグ
メントは、少なくとも100ヌクレオチドの長さである。さらに好ましくは、フ
ラグメントは、100ヌクレオチドを超える長さである。一部の実施形態では、
EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグ
メント、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントは、長さが5
00ヌクレオチドを超えることもある。
【0176】 例えば、Schenaら(Science 270:467-470,1995; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S
.A.93:10614-10619,1996)により記載されている通り、相補的DNAマイクロア
レイ中のEST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位
置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントを用
いて、遺伝子発現の定量分析を実施することが可能である。EST関連核酸、E
ST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、またはES
T関連核酸の位置的セグメントのフラグメントをPCRで増幅し、高速ロボット
工学を使用して、96ウェルマイクロタイタープレートからシリル処理した顕微
鏡スライド上に配列させる。プリントされたアレイを湿潤チャンバ内でインキュ
ベートしてアレイエレメントに再度水分を加え、0.2%SDS中で1分間1回
、水中で1分間2回および水素化ホウ素ナトリウム溶液中で5分間1回すすぐ。
このアレイを95℃の湯に2分間沈め、0.2%SDSに1分間移し、水で2回
すすぎ、風乾し、25℃の暗所に保存する。
【0177】 細胞または組織mRNAを単離するか購入し、1ラウンドの逆転写によってプ
ローブを調製する。プローブを、1cm2のマイクロアレイに、14×14mm
のカバーガラス下、60℃で6〜12時間ハイブリダイズさせる。アレイを、低
ストリンジェンシー洗浄用緩衝液(1×SSC/0.2%SDS)中、25℃で
5分間、次いで、高ストリンジェンシー洗浄用緩衝液(0.1×SSC/0.2
%SDS)中、室温で10分間洗浄する。特注のフィルターセットを取り付けた
蛍光レーザー走査装置を使用して、0.1×SSC中でアレイを走査する。2つ
の独立したハイブリダイゼーションの比率の平均をとることにより、正確な示差
的発現の測定値が得られる。
【0178】 Pietu ら (Genome Research 6:492-503, 1996)により記載されている通り、
相補的DNAアレイ中のEST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、ES
T関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフ
ラグメントを用いて、遺伝子発現の定量分析を実施することも可能である。ES
T関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントをPCR増幅し、
膜上にスポットする。次いで、様々な組織または細胞に由来するmRNAを放射
性ヌクレオチドで標識する。制御条件でハイブリダイズさせて洗浄した後、ハイ
ブリダイズしたmRNAを、ホスホ−イメージングまたはオートラジオグラフィ
ーで検出する。実験を2回実施し、次いで、示差的に発現したmRNAの定量分
析を実施する。
【0179】 あるいは、Lockhartら(Nature Biotechnology 14: 1675-1680, 1996)およびS
osnowskyら(Proc. Natl. Acad. Sci. 94:1119-1123, 1997)により記載されて
いる通り、高密度ヌクレオチドアレイによって、EST関連核酸、EST関連核
酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸
の位置的セグメントのフラグメントの発現分析を行うことができる。EST関連
核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セグメント、ま
たはEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントの配列に対応する15〜
50ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドをチップ上に直接合成する(Lockhartら
、前掲)か、合成してからチップに処理する(Sosnowskyら、前掲)。オリゴヌ
クレオチドは、約20〜25ヌクレオチドの長さが好ましい。
【0180】 ビオチン、ジゴキシゲニンまたは蛍光染料などの、適当な化合物で標識したc
DNAプローブを、適当なmRNA集団から合成し、次いで、50〜100ヌク
レオチドの平均サイズまで無作為にフラグメント化する。次いで、前述のプロー
ブをチップにハイブリダイズさせる。Lockhartら(前掲)に記載されている通り
に洗浄し、異なる電場を印加(Sonowskyら、前掲)した後、染料または標識化合
物を検出し、定量する。ハイブリダイゼーションを2回実施する。異なるcDN
Aサンプル中の同一標的オリゴヌクレオチド上のcDNAプローブに由来するシ
グナルの強度を比較分析することで、オリゴヌクレオチド配列が設計されるもと
となった5’EST、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは伸長cDNA
に対応するmRNAの示差的発現がわかる。
【0181】 (IV.伸長cDNAのクローニングおよび対応するゲノムDNAのクローニン
グのための5’ESTの使用) 上述の手順を使用して、一旦、対応するmRNAの5’末端を含む5’EST
またはコンセンサスコンティグ化5’ESTを選択するとその後は、それらを使
用して、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTに隣接する配列
を含む伸長cDNAを単離することができる。この伸長cDNAは、真正の翻訳
開始部位を含め、対応するmRNAによりコードされるタンパク質の全コード配
列を含有してもよい。伸長cDNAが分泌タンパク質をコードする場合、伸長c
DNAは、シグナル配列、およびシグナルペプチドの切断後に残る成熟タンパク
質をコードする配列を含んでもよい。
【0182】 対応するmRNAによりコードされるタンパク質の全コード配列を含む伸長c
DNAを、本明細書で「全長cDNA」と呼ぶ。あるいは、伸長cDNAは、対
応するmRNAによりコードされるタンパク質の全コード配列を含まなくてもよ
いが、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTに隣接する配列を
含む。分泌タンパク質をコードしているmRNAから伸長cDNAが誘導される
一部の実施形態では、伸長cDNAは、シグナルペプチドの切断後に残る成熟タ
ンパク質をコードしている配列のみを含んでもよく、シグナルペプチドをコード
している配列のみを含んでもよい。
【0183】 以下の実施例19および20に、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化
5’ESTおよびそれに相同な核酸を使用して伸長cDNAを得るための一般的
な方法を説明する。以下の実施例21に、数種の分泌タンパク質について対応す
るmRNAの真正の5’末端を含む全長cDNAを含む、数種の伸長cDNAの
クローニングおよび配列決定について説明する。
【0184】 実施例19および20の方法を使用して、5’ESTまたはコンセンサスコン
ティグ化5’ESTに対応する遺伝子によりコードされるタンパク質の全コード
配列より少ない配列をコードする伸長cDNAを得ることもできる。一部の実施
形態では、これらの方法を使用して単離される伸長cDNAは、配列番号24〜
811および1600〜1622の配列によってコードされるタンパク質類のう
ちの1つのタンパク質の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、
40、50、75、100、または150個連続したアミノ酸をコードする。一
部の実施形態では、これらの方法を使用して単離される伸長cDNAは、配列番
号24〜811の配列によってコードされるタンパク質類のうちの1つのタンパ
ク質の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75
、100、または150個連続したアミノ酸をコードする。
【0185】 実施例19 (5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTを使用して、対応する
mRNAの全コード領域および真正の5’末端を含む伸長cDNAのクローニン
グおよび配列決定するための一般的な方法) 下記の一般的な方法を使用して、伸長cDNAの取得に使用される5’EST
またはコンセンサスコンティグ化5’ESTの配列に隣接した配列を含む、伸長
cDNAを迅速かつ効率よく単離することが可能である。この方法は、分泌タン
パク質をコードしている5’ESTおよびコンセンサスコンティグ化5’EST
を含め、本発明の任意の5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’EST
に関する伸長cDNAを取得するのに使用することができる。こ方法を、図3に
示す。
【0186】 (1.伸長cDNAの取得) 本方法は、mRNAの既知の5’配列を利用する。mRNAの3’末端に対応
するcDNAの末端に既知の配列を付加することが可能な5’末端にヌクレオチ
ド配列を含有するポリdTプライマーを用いて、精製mRNAに逆転写反応を実
施する。このようなプライマーおよび市販の逆転写酵素酵素を緩衝化mRNAサ
ンプルに加え、RNAの3’ポリA部位に固定された逆転写物を生成する。次い
で、ヌクレオチドモノマーを加えて第1鎖合成を完成させる。
【0187】 第1cDNA鎖にハイブリダイズしたmRNAをアルカリ加水分解で除去した
後、アルカリ加水分解の生成物および残留ポリdTプライマーを、排除カラムで
除去することができる。
【0188】 続いて、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTの既知の5’
配列、および第1鎖合成に使用したポリdTプライマーによって付加された既知
の3’末端に基づいて、各末端に一対のネステッド(nested)プライマー
を設計する。プライマーの設計に使用されるソフトウェアは、OSP(Illierおよび
Green, PCR Meth. Appl. 1:124-128, 1991)などの、GC含有量およびオリゴヌ
クレオチド融解温度か、PC-Rare(http:// bioinformatics.weizmann.ac.il/soft
ware/PC-Rare/doc/manuel.html)などの、オクターマー頻度相違法(Griffaisら
, Nucleic Acids Res. 19: 3887-3891, 1991)のいずれかに基づく。5’末端の
ネステッドプライマーおよび3’末端のネステッドプライマーは、互いに4〜9
塩基離れていることが好ましい。PCRで使用するのに適した融解温度および特
異性を有するように、これらのプライマー配列を選択することが可能である。
【0189】 ネステッドプライマー対のそれぞれに由来する外側プライマーを使用して、第
1のPCRを実施する。次いで、第1のPCR産物の少量のサンプルに対して、
ネステッド対のそれぞれに由来する内側プライマーを使用して、第2のPCRを
実施する。その後、プライマーおよび残りのヌクレオチドモノマーを除去する。
【0190】 (2.伸長cDNAまたはそのフラグメントの配列決定) OSPソフトウェアを使用したPCR用に適合する5’ネステッドプライマー
の設計に対する位置の制約がないため、2つのタイプのアンプリコンが得られる
。第2の5’プライマーは翻訳開始コドンの上流に位置し、従って、コード配列
全体を含むネステッドPCR産物が生成することが好ましい。以下のセクション
aに記載の通り、このような伸長cDNAを、直接クローニング手順に使用する
ことができる。しかし、第2の5’プライマーが翻訳開始コドンの下流に位置し
、その結果、ORFの一部のみを含むPCR産物が生成する場合もある。このよ
うな不完全なPCR産物を、以下のセクションbに記載されている改良された手
順に供する。
【0191】 a)完全なORFを含むネステッドPCR産物 結果として得られるネステッドPCR産物が、5’EST配列またはコンセン
サスコンティグ化5’EST配列から予測されるような、完全なコード配列を含
むとき、セクション3に記載の通り、そのPCR産物を適当なベクターにクロー
ニングする。
【0192】 b)不完全なORFを含むネステッドPCR産物 アンプリコンが完全なコード配列を含まないとき、完全なコード配列と、全コ
ード配列を含むPCR産物の両者を得るための中間ステップが必要である。異な
るPCR産物から直接決定される数個の部分的配列から、完全なコード配列を組
み立てることができる。
【0193】 一旦、全コード配列が完全に決定されると、その後は、コード領域全部を含む
アンプリコンを得るために、PCR用に適合する新しいプライマーを設計する。
しかし、そのような場合、PCR用に適合する3’プライマーは、対応するmR
NAの3’UTRの内側に位置し、従って、図3に図示する通り、この領域の一
部(すなわち、ポリA区域および時にはポリアデニル化シグナル)が欠如したア
ンプリコンが生成する。次いで、セクション3に記載の通り、このような伸長c
DNAを適当なベクターにクローニングする。
【0194】 c)伸長cDNAの配列決定 Perkin Elmerから入手可能なAmpliTaq DNAポリメラ
ーゼFSキットを用いたダイターミネーター(Die Terminator)
法を使用して、伸長cDNAの配列決定を実施することができる。
【0195】 長いPCRフラグメントを配列決定するために、プライマーを選択するための
OSPのようなソフトウェア、および最初の5’タグを含む歩行配列のコンティ
グ(contig)を構築するためのASMG(Suttonら、Genome Science Technol.
1: 9-19, 1995)のような自動化コンピュータソフトウエアを使用して、プライ
マ−歩行を実施する。全長cDNAの配列が得られるまでプライマ−歩行を実施
することが好ましい。
【0196】 所与の伸長cDNAフラグメントの配列決定の完了は、配列長を、対応するネ
ステッドPCR産物のサイズと比較することによって、査定することが可能であ
る。ノーザンブロットデータを入手できるとき、所与のPCR産物に関して検出
されたmRNAのサイズを使用して、配列が完全であることを最終的に査定する
ことも可能である。これらの基準を満たさない配列を除去し、新しい単離手順に
供する。
【0197】 3.伸長cDNAのクローニング 次いで、全コード配列を含有するPCR産物を適当なベクターにクローニング
する。例えば、伸長cDNAを、当技術分野で周知の任意の発現ベクター、例え
ば、pED6dpc2(DiscoverEase, Genetics Institute, Cambridge, MA)にクローニ
ングすることができる。
【0198】 次いで、クローン当たり少なくとも2つの配列を得るために、クローニングP
CR産物を完全に配列決定する。下記の一部修正を加えた前述の手順に従って、
センス鎖とアンチセンス鎖の両者から配列を得ることが好ましい。第1に、クロ
ーンの同一性を確認するために、クローニングPCR産物の5’末端と3’末端
の両者を配列決定する。第2に、未だ、全コード領域が得られていなければ、プ
ライマー歩行を実施する。次いで、クローニング産物については、プライマー歩
行配列を使用し、未クローニングPCR産物については、既にコンティグ化され
た歩行配列を使用して、コンティグ化を実施する。このようにして得られたコン
ティグが全コード領域ならびに両端にベクターDNAを有する重複配列を含むと
き、配列は完全であると考えられる。次いで、各クローニングアンプリコンに関
する全てのコンティグ化配列を使用して、コンセンサス配列を得る。
【0199】 (4.クローニングされた全長配列の選択) a)伸長cDNAのコンピュータ分析 汚染物質を同定し、反復をマスキングした後、続いて、伸長cDNAの配列の
構造上の特徴、例えば、ポリAテイルやポリアデニル化シグナルを、当業者に周
知の方法を使用して決定する。例えば、図10に明示されているアルゴリズム、
パラメータおよび基準を使用することができる。簡単に説明すると、ポリAテイ
ルは、せいぜい多くて1つの代替塩基を中に含む、Aが少なくとも11個のホモ
ポリマーストレッチであると定義される。ポリAテイル検索は、配列の最後の2
0ヌクレオチドに制限され、11個連続したAのストレッチに限定されるが、そ
れは、このようなポリAストレッチの後は、しばしば配列決定反応を読み取るこ
とができないためである。ポリアデニル化シグナルについて検索するためには、
全長配列からポリAテイルを切り取る。起こり得る配列決定エラーならびにポリ
アデニル化シグナルの規定の標準的な配列における既知の変化の原因である1つ
の不一致を認めながら、ポリAテイルの前の50ヌクレオチドを、規定の標準的
なポリアデニル化AAUAAAシグナルについて検索する。
【0200】 次に、伸長cDNAの配列の機能的特徴、例えばORFやシグナル配列を、下
記の通りに決定する。翻訳開始コドンで始まり、停止コドンで終わる最長フラグ
メントであると定義されるORFについて、伸長cDNAの上部鎖フレーム3つ
を検索する。少なくとも80アミノ酸をコードしているORFが好ましい。分泌
タンパク質をコードしている伸長cDNAが望まれる場合、実施例13に記載の
マトリックス法を使用して、シグナルペプチドの存在について、見出された各O
RFを走査する。
【0201】 次いで、伸長cDNAの配列を、提出時に入手可能な公的配列と、ヌクレオチ
ドベースまたはタンパク質ベースで比較する。
【0202】 b)目的の全長cDNAの選択 次いで、汚染物質またはPCR人工産物のいずれかに起因する不要なクローニ
ング配列を排除するために、下記の通りに、陰性選択を実施することが可能であ
る。ベクターDNA、tRNA、mtRNA、rRNA配列などの、汚染物質配
列と一致する配列、ならびに反復と広範囲にわたる相同性を示すORF配列をコ
ードするものを除去する。直接クローニング(セクション1a)によって得られ
るが、ポリAテイルが欠如している配列を除去することができる。ポリAテイル
の前(セクション1a)またはクローニング3’UTRの末端の前(セクション
1b)のいずれかで終わるORFのみを選択することができる。分泌タンパク質
をコードしている伸長cDNAが望まれる場合、シグナルペプチドを含むORF
が考えられる。加えて、サイズが20アミノ酸未満または未成熟タンパク質サイ
ズの25%未満である成熟タンパク質などの好ましくない成熟タンパク質を含む
ORFを排除することができる。
【0203】 次いで、下記の基準を使用して、数個のORFを含む残りの各全長cDNAに
ついて、ORFの予備選択を実施してもよい。最長のORFが好ましい。分泌タ
ンパク質をコードしている伸長cDNAが望ましく、かつORFサイズが類似し
ているのであれば、選択されるORFは、シグナルペプチドがVon Heij
ne方法による最高スコアを有するものである。
【0204】 次いで、反復配列のマスキング後、全長cDNAクローンの配列をペアで比較
することができる。広範な相同性を示す全長cDNA配列を、同じクラス内で、
クラスター化することが可能である。次いで、各クラスターを、内部プライミン
グまたは選択的スプライシングにより生じる配列、同一配列または数個のフレー
ムシフトを含む配列を検出するクラスター分析に供することが可能である。両者
が目的の配列を含む場合、両者とも選択される可能性がある、相同であるが別個
のORFをコードしているクローンを検出するために、同じクラスに属するクロ
ーン間で、選択を操作してもよい。
【0205】 次いで、下記の基準を使用して、目的の配列をコードしている全長cDNAク
ローンの選択を実施することが可能である。構造パラメータ(最初のタグ、ポリ
アデニル化部位およびシグナル)を最初に確認する。次いで、クローン配列が既
知のヌクレオチド/タンパク質配列と一致するかどうかを決定するために、また
、後者の場合、その被覆率(covering rate)およびその配列が公になった期日
を決定するために、既知の核酸およびタンパク質との相同性を調べる。ESTま
たはゲノムDNA以外の配列との広範な一致がなければ、あるいはクローン配列
が、既に判明しているタンパク質をコードするmRNAの選択的スプライシング
により生じるタンパク質をコードしているなど、実質的に新しい情報を提供する
のであれば、その配列を記憶する。目的の配列を含むこのようなクローニング全
長cDNAの例を、実施例21で説明する。この手順の間に、キメラまたは二重
インサートにより生じる配列、または他の配列との相同性によって評価されるよ
うな、染色体切断点に位置する配列を除去することが可能である。
【0206】 続いて、サブクローニング、PCR、またはin vitroオリゴヌクレオ
チド合成のような従来の技術を使用して、上述の通りに調製された伸長cDNA
を操作し、伸長cDNAの所望の部分を含む核酸を得ることが可能である。例え
ば、当業者に周知の技術を使用して、全コード配列のみを含む核酸を得ることが
できる。あるいは、従来の技術を使用して、コード配列の部分のみを含む核酸を
得ることができる。分泌タンパク質をコードしている核酸の場合、シグナルペプ
チドの切除後に残る成熟タンパク質に関するコード配列のみを含む核酸、または
シグナルペプチドに関するコード配列のみを含む核酸を得ることができる。
【0207】 同様に、コードされたタンパク質に関するコード配列の、任意の他の望ましい
部分を含む核酸を得ることも可能である。例えば、核酸は、伸長cDNAの少な
くとも10、15、18、20、25、28、30、35、40、50、75、
100、150、200、300、400または500個連続した塩基を含んで
もよい。
【0208】 一旦、伸長cDNAが得られると、伸長cDNAを配列決定し、伸長cDNA
がコードするアミノ酸配列を決定することができる。一旦、コードされたアミノ
酸配列が決定されると、遺伝子暗号の縮重を使用するだけで、そのタンパク質を
コードする、多くの考え得るcDNAを作成して同定することができる。例えば
、下記の通りに、対立遺伝子の変異体または他の相同な核酸を同定することがで
きる。あるいは、所望のアミノ酸配列をコードしている核酸を、in vitr
oで合成することができる。
【0209】 好ましい実施形態で、cDNAが発現されるべき宿主生物に関する既知のコド
ンまたはコドン対優位を使用して、コード配列を選択することが可能である。
【0210】 対応するmRNAの真正5’末端ならびに対応するmRNAの完全なタンパク
質コード配列を含むcDNAを得るためのPCRに基づく方法に加えて、伝統的
なハイブリダイゼーションに基づく方法を使用することもできる。これらの方法
を使用して、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTが誘導され
るmRNAをコードするゲノムDNA、伸長cDNAに対応するmRNA、ある
いは伸長cDNA、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTと
相同な核酸を得ることもできる。以下の実施例19に、このような方法の例を提
供する。
【0211】 実施例20 (対応するmRNAの全コード領域および真正5’末端を含む伸長cDNA、ま
たは伸長cDNA、5’ESTもしくはコンセンサスコンティグ化5’ESTに
相同な核酸を取得する方法) 実施例7に記載の方法を使用して、全長cDNAライブラリーを作製すること
ができる。あるいは、cDNAライブラリーまたはゲノムDNAライブラリーを
商業的ソースから入手してもよく、または当業者に周知の技術を使用して作製し
てもよい。
【0212】 下記の通りに、このようなcDNAライブラリーまたはゲノムDNAライブラ
リーを使用して、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTから取
得した伸長cDNA、または伸長cDNA、5’ESTまたはコンセンサスコン
ティグ化5’ESTに相同な核酸を単離することができる。cDNAライブラリ
ーまたはゲノムDNAライブラリーを、検出可能なプローブにハイブリダイズさ
せる。この検出可能なプローブは、5’EST、コンセンサスコンティグ化5’
EST、または伸長cDNAの、少なくとも10、15、18、20、25、2
8、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400
または500個連続したヌクレオチドを含んでもよい。
【0213】 Sambrookら(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 第2版、Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 1989)には、所与のプローブ配列にハイブリダイズ
するcDNAライブラリーのcDNAクローンを同定する技術が開示されている
。同じ技術を用いてゲノムDNAを単離できる。簡単に説明すると、さらなる操
作のために、下記の通りに検出可能なプローブにハイブリダイズするcDNAク
ローンまたはゲノムDNAクローンを同定し、単離する。前のパラグラフに記載
の検出可能なプローブは、検出可能な標識、例えば、放射性同位元素または蛍光
分子で標識されている。プローブを標識する技術は周知であり、ポリヌクレオチ
ドキナーゼを用いたリン酸化、ニックトランスレーション、in vitro転
写および非放射性技術が含まれる。ライブラリー中のcDNAまたはゲノムDN
Aをニトロセルロースフィルターまたはナイロンフィルターに移動させ、変性さ
せる。非特異的部位を遮断した後、このプローブにハイブリダイズすることがで
きる配列を含むcDNAまたはゲノムDNAにプローブを結合させるのに十分な
時間、フィルターを標識プローブと共にインキュベートする。
【0214】 下記の通りに、検出可能なプローブにハイブリダイズする伸長cDNAまたは
ゲノムDNAの同定に使用されるハイブリダイゼーション条件のストリンジェン
シーを変えることによって、プローブとの相同性のレベルが異なる伸長cDNA
またはまたはゲノムDNAを同定し、単離することができる。
【0215】 (1.標識プローブと高度の相同性を有するcDNA配列またはゲノムDNA配
列の同定) プローブ配列と高度の相同性を有するcDNAまたはゲノムDNAを同定する
ために、次式を使用して、プローブの融解温度を算出することが可能である:
【0216】 14〜70ヌクレオチドの長さのプローブの場合、次式: Tm=81.5+16.6(log (Na+))+0.41(画分G+C)−
(600/N)(式中、Nはプローブの長さである)を使用して、融解温度(T
m)を算出する。
【0217】 ホルムアミドを含有する溶液中でハイブリダイゼーションを実施する場合、式
:Tm=81.5+16.6(log (Na+))+0.41(画分G+C)
−(0.63%ホルムアミド)−(600/N)(式中、Nはプローブの長さで
ある)を使用して、融解温度を算出することができる。
【0218】 プレハイブリダイゼーションを、6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%
SDS、100μgの変性されフラグメント化されたサケ精子DNA中、または
6×SSC、5×デンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性されフラ
グメント化されたサケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施することが可能
である。Sambrookら(前掲)には、SSCおよびデンハルト溶液に関す
る処方が記載されている。
【0219】 検出可能なプローブを上記プレハイブリダイゼーション溶液に加えることによ
ってハイブリダイゼーションを実施する。プローブが二本鎖DNAを含む場合、
これを変性させてからハイブリダイゼーション溶液に加える。プローブに相補的
な配列またはプローブに相同な配列を含む伸長cDNAまたはゲノムDNAとプ
ローブをハイブリダイズさせるのに十分な時間、フィルターをハイブリダイゼー
ション溶液と接触させる。長さが200ヌクレオチドを超えるプローブの場合、
Tmより15〜25℃低い温度でハイブリダイゼーションを実施することが可能
である。オリゴヌクレオチドプローブのような、より短いプローブの場合、Tm
より15〜25℃低い温度でハイブリダイゼーションを実施することが可能であ
る。6×SSC中でハイブリダイゼーションする場合、約68℃でハイブリダイ
ズすることが好ましい。50%ホルムアミド含有溶液中でハイブリダイゼーショ
ンする場合、約42℃でハイブリダイズすることが好ましい。
【0220】 前述のハイブリダイゼーションは全て、「ストリンジェントな」条件下である
と考えられるであろう。
【0221】 ハイブリダイゼーション後、フィルターを2×SSC、0.1%SDSで、室
温にて15分間洗浄する。次いでこのフィルターを0.1×SSC、0.5%S
DSで、室温にて30分〜1時間洗浄する。その後、この溶液を、0.1×SS
C、0.5%SDSで、ハイブリダイゼーション温度にて洗浄する。最終的な洗
浄を、0.1×SSCで、室温にて実施する。
【0222】 プローブとハイブリダイズしたcDNAまたはゲノムDNAを、オートラジオ
グラフィーまたは他の従来技術で同定する。
【0223】 (2.標識プローブと低度の相同性を有するcDNA配列またはゲノムDNA配
列の取得) プローブ配列との相同性レベルが低いcDNAまたはゲノムDNAを同定する
ために、上記手順を改変することが可能である。例えば、検出可能プローブとの
相同性が低いcDNAまたはゲノムDNAを取得するために、より低いストリン
ジェント条件を使用してもよい。例えば、ナトリウム濃度が約1Mのハイブリダ
イゼーション緩衝液中で、ハイブリダイゼーション温度を、68℃から42℃ま
で5℃ずつ下げてもよい。ハイブリダイゼーション後、ハイブリダイゼーション
温度にて、2×SSC、0.5%SDSでフィルターを洗浄してもよい。これら
の条件は、50℃以上で「中程度」条件、50℃未満で「低度」条件であると考
えられる。
【0224】 あるいは、ホルムアミドを含む6×SSCのような緩衝液中、温度42℃でハ
イブリダイゼーションを実施してもよい。この場合、プローブとの相同性レベル
が低いクローンを同定するために、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムア
ミド濃度を50%から0%まで5%ずつ下げてもよい。ハイブリダイゼーション
後、50℃の6×SSC、0.5%SDSでフィルターを洗浄してもよい。これ
らの条件は、25%を超えるホルムアミドで「中程度」条件、25%未満のホル
ムアミドで「低度」条件と考えられる。プローブにハイブリダイズしたcDNA
またはゲノムDNAを、オートラジオグラフィーで同定する。
【0225】 (3.取得したcDNAまたはゲノムDNAと、5’EST、コンセンサスコン
ティグ化5’EST、または伸長cDNAとの間の相同性の程度、あるいは、取
得したcDNAまたはゲノムDNAによりコードされるポリペプチドと、5’E
ST、コンセンサスコンティグ化5’EST、または伸長cDNAによりコード
されるポリペプチドとの間の相同性の程度の決定) ハイブリダイズしたcDNAまたはゲノムDNAと、プローブの起源である5
’EST、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは伸長cDNAとの間の相
同性のレベルを決定するために、ハイブリダイズした核酸のヌクレオチド配列と
、プローブの起源である5’EST、コンセンサスコンティグ化5’ESTまた
は伸長cDNAとを比較する。プローブの起源である5’EST、コンセンサス
コンティグ化5’ESTまたは伸長cDNAの配列および検出可能なプローブに
ハイブリダイズしたcDNAまたはゲノムDNAの配列を、以下に記載の、下記
のようなコンピュータ読取可能媒体に記憶し、当業者に周知の様々なアルゴリズ
ムのいずれかを使用して互いに比較することができる。
【0226】 ハイブリダイズするcDNAまたはゲノムDNAによりコードされるポリペプ
チドと、プローブの起源である5’EST、コンセンサスコンティグ化5’ES
Tまたは伸長cDNAによりコードされるポリペプチドとの間の相同性のレベル
を決定するために、ハイブリダイズした核酸によりコードされるポリペプチド配
列と、プローブの起源である5’EST、コンセンサスコンティグ化5’EST
または伸長cDNAによりコードされるポリペプチド配列とを比較する。プロー
ブの起源である5’EST、コンセンサスコンティグ化5’ESTまたは伸長c
DNAによりコードされるポリペプチドの配列および検出可能なプローブにハイ
ブリダイズしたcDNAまたはゲノムDNAによりコードされるポリペプチド配
列を、下記のようなコンピュータ読取可能媒体に記憶し、以下に記載の当業者に
周知の様々なアルゴリズムのいずれかを使用して互いに比較することができる。
【0227】 当技術分野で周知の様々な配列比較アルゴリズムおよびプログラムのいずれか
を使用してタンパク質および/または核酸配列相同性を評価することができる。
このようなアルゴリズムおよびプログラムとしては、TBLASTN、BLAS
TP、FASTA、TFASTA、およびCLUSTALW(Pearson およびLi
pman, 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448; Altschulら、1990,
J. Mol. Biol. 215(3):403-410; Thompsonら、1994, Nucleic Acids Res. 22(2)
:4673-4680; Higginstら、1996, Methods Enzymol. 266:383-402; Altschulら、19
90, J. Mol. Biol. 215(3):403-410; Altschulら、1993, Nature Genetics 3:266
-272)が挙げられるが、決してこの限りではない。
【0228】 特に好ましい実施形態において、当技術分野で周知のBasic Local
Alignment Search Tool(「BLAST」)を使用して
タンパク質および核酸配列相同性を評価する(例えば、KarlinおよびAltschul,
1990, Proc. Natl. Acad. Sci.USA 87:2267-2268; Altschulら、1990, J. Mol. B
iol. 215:403-410; Altschulら、1993, Nature Genetics 3:266-272; Altschulら
、1997, Nuc. Acids Res. 25:3389-3402を参照)。特に、5つの特殊なBLAS
Tプログラムを使用して、下記の作業を実施する: (1)BLASTPおよびBLAST3は、アミノ酸照会配列を、タンパク質
配列データベースと比較する。 (2)BLASTNは、ヌクレオチド照会配列を、ヌクレオチド配列データベ
ースと比較する。 (3)BLASTXは、照会ヌクレオチド配列(両鎖)の概念上の6フレーム
翻訳産物を、タンパク質配列データベースと比較する。 (4)TBLASTNは、照会タンパク質配列を、全6リーディングフレーム
(両鎖)内の、翻訳されたヌクレオチド配列データベースと比較する。 (5)TBLASTXは、ヌクレオチド照会配列の6フレーム翻訳を、ヌクレ
オチド配列データベースの6フレーム翻訳と比較する。
【0229】 BLASTプログラムは、照会アミノ酸配列または核酸配列と、好ましくはタ
ンパク質または核酸配列データベースから取得した試験配列との間の、本明細書
で「高スコアセグメント対」と呼ぶ類似したセグメントを同定することにより、
相同な配列を同定する。スコアマトリックス(その多くは当技術分野で周知であ
る)により、高スコアセグメント対が同定される(すなわち、アラインメントさ
れる)ことが好ましい。好ましくは、使用するスコアマトリックスは、BLOS
UM62マトリックス(Gonnetら、1992, Science 256:1443-1445; Henikoffお
よびHenikoff, 1993, Proteins 17:49-61)である。BLOSUM62マトリッ
クスほど好ましくはないが、PAMマトリックスまたはPAM250マトリック
スを使用してもよい(例えば、SchwartzおよびDayhoff編、1978
, Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequen
ce and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundationを
参照のこと)。
【0230】 BLASTプログラムは、同定された全ての高スコアセグメント対の統計学的
有意性を評価し、使用者指定パーセントの相同性などの、使用者が指定する有意
性の閾値を満足させるセグメントを好ましくは選択する。Karlinの統計学
的有意性の式(例えば、KarlinおよびAltschul, 1990, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 87:2267-2268を参照のこと)を使用して、高スコアセグメント対の統計学
的有意性を評価することが好ましい。
【0231】 試験した配列長および相同性の程度に応じて、上記アルゴリズムと一緒に使用
されるパラメータを改変することが可能である。一部の実施形態では、このパラ
メータは、使用者からのインストラクションがない条件で、アルゴリズムにより
使用されるデフォルトパラメータであってもよい。
【0232】 一部の実施形態において、Brutlagら(Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990
)に記載されているFASTDBアルゴリズムを使用して、ハイブリダイズした
核酸と、プローブの起源である伸長cDNA、5’EST、または5’コンセン
サスコンティグ化ESTとの間の相同性のレベルを、決定することが可能である
。このような分析では、このパラメータを、下記の通りに選択してもよい:マト
リックス=一段ユニタリ(Unitary)、kタプル(k−tuple)=4
、ミスマッチペナルティ(Mismatch Penalty)=1、連結ペナ
ルティ(Joining Penalty)=30、無作為化群長(Rando
mization Group Length)=0、カットオフスコア(Cu
toff Score)=1、間隙ペナルティ(Gap Penalty)=5
、間隙サイズペナルティ=0.05、どちらが短くても、ウインドウサイズ=5
00またはプローブにハイブリダイズする配列の長さ。相同性レベルを算出する
とき、FASTDBプログラムは5’切断または3’切断を考慮しないため、プ
ローブにハイブリダイズする配列が、プローブの起源である伸長cDNA、5’
EST、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTの配列と比較して切り取ら
れている場合、ハイブリダイズ配列と一致しないか、またはアラインメントして
いない伸長cDNA、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’EST
のヌクレオチドの数を算出し、ハイブリダイズ配列の総ヌクレオチドのうちの、
一致しないまたはアラインメントしていない全ヌクレオチドを表す百分率を決定
し、この百分率を相同性レベルから差し引くことによって、相同性レベルを手で
調整する。例えば、ハイブリダイズ配列が700ヌクレオチドの長さであり、伸
長cDNA、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’EST配列が1
000ヌクレオチドの長さであれば、伸長cDNA、5’EST、またはコンセ
ンサスコンティグ化5’ESTの5’末端における最初の300塩基が、ハイブ
リダイズ配列に存在せず、重複する700ヌクレオチドが同じである場合、相同
性レベルは、下記の通りに調整されるであろう。一致せず、アラインメントしな
かった、300塩基は、伸長cDNA、5’EST、またはコンセンサスコンテ
ィグ化5’ESTの長さの30%を表す。重複する700ヌクレオチドが100
%同じであれば、調整された相同性レベルは、100−30=70%相同性とな
る。先の調整は、一致しないまたはアラインメントされなかったヌクレオチドが
、5’末端または3’末端にあるときに行われるに過ぎないことに留意すべきで
ある。一致しないまたはアラインメントしていない配列が内部にあるか、または
他の条件下にあれば、調整は行われない。
【0233】 例えば、上記方法を使用して、プローブの起源である伸長cDNA、5’ES
T、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTと、少なくとも95%の核酸相
同性、少なくとも96%の核酸相同性、少なくとも97%の核酸相同性、少なく
とも98%の核酸相同性、少なくとも99%の核酸相同性、または99%を超え
る核酸相同性を有する核酸を取得および同定することができる。このような核酸
は、対立遺伝子変異体または他種に由来する関連核酸であってもよい。同様に、
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を次第に低くして、プローブの
起源である伸長cDNA、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’E
STと、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%または少なく
とも75%の相同性を有する核酸を取得して同定することができる。
【0234】 上記の方法およびFASTAなどのアルゴリズムを、試験した配列長および相
同性の程度によって異なるパラメータ、例えば、使用者からのインストラクショ
ンがない条件で、アルゴリズムにより使用されるデフォルトパラメータと一緒に
使用して、プローブの起源である伸長cDNA、5’EST、またはコンセンサ
スコンティグ化5’ESTによりコードされるタンパク質と、少なくとも99%
、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96%、少なくとも95%
、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%または少なくとも7
5%の相同性を有するタンパク質をコードしている核酸を得ることができる。一
部の実施形態では、「デフォルト」オープニングペナルティ(opening
penalty)および「デフォルト」間隙ペナルティ、ならびにPAM250
(標準スコアマトリックス;Dayhoffら、Atlas of Protein Sequence and Struct
ure, Vol. 5, Supp. 3 (1978))などのスコアマトリックスを使用して、相同性
レベルを決定することができる。
【0235】 あるいは、Brutlagら(Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)により記載され
ているFASTDBアルゴリズムを使用して、ポリペプチド相同性のレベルを決
定することができる。このような分析では、下記の通りにパラメータを選択する
ことができる:マトリックス=PAM0、k−タプル=2、ミスマッチペナルテ
ィ=1、連結ペナルティ=20、無作為化群長=0、カットオフスコア=1、ウ
インドウサイズ=配列長、間隙ペナルティ=5、間隙サイズペナルティ=0.0
5、どちらが短くても、ウインドウサイズ=500または相同な配列の長さ。N
末端および/またはC末端欠失の結果として、相同なアミノ酸配列が、伸長cD
NA、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTによりコードさ
れるアミノ酸配列より短ければ、下記の通りに、その結果を手で修正する。第1
に、相同な配列と一致しないかまたはアラインメントしていない伸長cDNA、
5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTによりコードされるア
ミノ酸配列のアミノ酸残基の数を決定する。次いで、一致しないまたはアライン
メントしていないアミノ酸を表す伸長cDNA、5’EST、またはコンセンサ
スコンティグ化5’ESTによりコードされる配列の長さのパーセンテージを算
出する。このパーセンテージを、相同性レベルから差し引く。例えば、伸長cD
NA、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTによりコードさ
れるアミノ酸配列が100アミノ酸の長さであり、かつ相同な配列の長さが80
アミノ酸である場合、および伸長cDNAまたは5’ESTによりコードされる
アミノ酸配列が、相同な配列に関してN末端で切断されている場合、相同性レベ
ルを下記の通りに算出する。先のシナリオでは、伸長cDNA、5’EST、ま
たはコンセンサスコンティグ化5’ESTによりコードされる配列中に、20個
一致しない、アラインメントしていないアミノ酸がある。これは、伸長cDNA
、5’EST、またはコンセンサスコンティグ化5’ESTによりコードされる
アミノ酸配列の長さの20%を表す。2つの配列の間で、残りのアミノ酸が10
05個同じであれば、相同性レベルは、100%−20%=80%相同性となる
。一致しないまたはアラインメントしていない配列が内部にあるかまたはいずれ
かの他の条件下にある場合、調整は行われない。
【0236】 次のパラグラフに略述する通り、5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化
5’ESTを使用して伸長cDNAを取得するために、上述の方法に加えて、他
のプロトコルが利用される。
【0237】 ポリA選択方法または当業者に周知の他の技術を利用したmRNA調製方法を
使用して、目的の組織、細胞、または生物からmRNAを取得することによって
、伸長cDNAを調製することが可能である。mRNAのポリAテイルにハイブ
リダイズすることができる第1のプライマーを、このmRNAにハイブリダイズ
させ、逆転写反応を実施して、第1のcDNA鎖を生成する。
【0238】 第1のcDNA鎖を、配列番号24〜811および1600〜1622の配列
の少なくとも10個連続したヌクレオチドを含む第2のプライマーにハイブリダ
イズさせる。このプライマーは、配列番号24〜811および1600〜162
2の配列に由来する少なくとも10、12、15、17、18、20、23、2
5、または28個連続したヌクレオチドを含むことが好ましい。一部の実施形態
において、プライマーは、配列番号24〜811および1600〜1622の配
列に由来する30個より多いヌクレオチドを含む。真正の翻訳開始部位を含む、
全タンパク質コード配列を含む伸長cDNAを取得することが望ましい場合、使
用される第2のプライマーは、翻訳開始部位の上流に位置する配列を含む。第1
のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を生成するために、第2のプライマー
を伸長する。あるいは、取得すべきcDNAの両端に由来するプライマーを使用
して、上述の通りにRT−PCRを実施してもよい。
【0239】 配列番号24〜811および1600〜1622の配列を含むmRNAの配列
と、プライマーをmRNAにハイブリダイズするEST関連核酸のフラグメント
に相補的なフラグメントを含むプライマーとをハイブリダイズさせ、このハイブ
リダイズしたプライマーを逆転写してmRNAから第1のcDNA鎖を作成する
ことにより、mRNAの5’フラグメントを含む伸長cDNAを調製することが
可能である。このプライマーは、配列番号24〜811および1600〜162
2に相補的な配列の、少なくとも10、12、15、17、18、20、23、
25、または28個連続したヌクレオチドを含むことが好ましい。
【0240】 その後、第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を合成する。第1のc
DNA鎖の配列に相補的なプライマーを第1のcDNA鎖にハイブリダイズさせ
、プライマーを伸長して第2のcDNA鎖を生成することによって、第2のcD
NA鎖を作成することが可能である。
【0241】 上述の方法を使用して作成した二本鎖伸長cDNAを単離してクローニングす
る。伸長cDNAを、適当な宿主細胞で複製することができるプラスミドやウイ
ルスベクターなどのベクターにクローニングしてもよい。例えば、宿主細胞は、
細菌、哺乳類、鳥類、または昆虫の細胞であってもよい。
【0242】 mRNAを単離し、mRNAにハイブリダイズしたプライマーを逆転写して第
1のcDNA鎖を生成し、プライマーを伸長して第1のcDNA鎖に相補的な第
2のcDNA鎖を作成し、二本鎖cDNAを単離して、二本鎖cDNAをクロー
ニングする技術は、当業者に周知であり、Current Protocols in Molecular Bio
logy, John Wiley & Sons, Inc. 1997、およびSambrookら、Molecular Cloning: A
Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press,
1989に記載されている。
【0243】 あるいは、全長cDNAまたは伸長cDNAを取得するために、他の手順を使
用してもよい。1つのアプローチでは、全長cDNAまたは伸長cDNAをmR
NAから調製し、下記の通り二本鎖ファージミドにクローニングする。次いで、
ファージF1のGeneII産物のようなエンドヌクレアーゼ、およびエキソヌ
クレアーゼで処理することにより、二本鎖ファージミドのcDNAライブラリー
を一本鎖にする(Changら、Gene127:95−8, 1993)。E
ST関連核酸のフラグメントの配列を含むビオチン化オリゴヌクレオチドを、一
本鎖ファージミドにハイブリダイズする。このフラグメントは、配列番号24〜
811および1600〜1622の配列の少なくとも10、12、15、17、
18、20、23、25、または28個連続したヌクレオチドを含むことが好ま
しい。
【0244】 ビオチン化オリゴヌクレオチドとファージミドとの間のハイブリッドを、ハイ
ブリッドをストレプトアビジン被覆常磁性ビーズと共にインキュベートし、磁石
を用いてビーズを回収することによって単離する(Fryら、Biotechn
iques, 13: 124−131, 1992)。その後、このようにし
て得られたファージミドをビーズから放出させ、ビオチン化オリゴヌクレオチド
の設計に使用された5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’EST配列
に特異的なプライマーを使用して、二本鎖DNAに変換する。あるいは、Gen
e Trapperキット(Gibco BRL)のようなプロトコルを使用し
てもよい。このようにして得られた二本鎖DNAを、細菌に形質転換する。5’
EST配列またはコンセンサスコンティグ化5’EST配列を含む伸長cDNA
または全長cDNAを、コロニーPCRまたはコロニーハイブリダイゼーション
により同定する。
【0245】 セクションIIIで上述した方法のいずれかを使用し、全長タンパク質コード
配列またはタンパク質コード配列の一部を含む複数の伸長cDNAを、コードさ
れたタンパク質を後で評価するためのcDNAライブラリーとして提供したり、
下記のような診断用アッセイに使用することができる。
【0246】 実施例21 (全長cDNA) 実施例19および20に記載の手順を使用して、様々な組織で、5’ESTに
由来する伸長cDNAまたは全長cDNAを取得した。これらの手段により得ら
れたcDNAの若干の具体例を、下記のリストに示す。
【0247】 この手順を使用して、配列番号1(内部同定番号58−34−2−E7−FL
2)の全長cDNAを取得した。このcDNAは、von Heijneスコア
が5.5であるシグナルペプチドMWWFQQGLSFLPSALVIWTSA
(配列番号2)をコードする。
【0248】 このアプローチを使用して、配列番号3(内部同定番号48−19−3−G1
−FL1)の全長cDNAを取得した。このcDNAは、von Heijne
スコアが8.2であるシグナルペプチドMKKVLLLITAILAVAVG(
配列番号4)をコードする。
【0249】 配列番号5(内部同定番号58−35−2−F10−FL2)の全長cDNA
もこの手順を使用して取得した。このcDNAは、von Heijneスコア
が10.7であるシグナルペプチドLWLLFFLVTAIHA(配列番号6)
をコードする。
【0250】 さらに、伸長cDNAまたは全長cDNAによりコードされるポリペプチドを
、既知の構造モチーフまたは機能的モチーフの存在について、またはタンパク質
ファミリーの構成員の中に十分に保存されている小さいアミノ酸配列であるシグ
ネチャー(signature)の存在について、スクリーニングすることが可
能である。GCGパッケージのProscanソフトウェアおよびProsit
e 15.0データベースを使用して、既知のタンパク質シグネチャーおよびモ
チーフの存在についてスクリーニングした、5’ESTから誘導された数種の全
長cDNAによりコードされるポリペプチドに関して、得られた結果を以下に示
す。
【0251】 配列番号7(内部呼称78−8−3−E6−CL0_1C)の全長cDNAに
よりコードされ、成人前立腺で発現される配列番号8のタンパク質は、90位〜
112位で特有のPROSITEシグネチャーを示すホスファチジルエタノール
アミン結合性タンパク質に属する。線虫からハエ、酵母、囓歯類および霊長類種
までの、この広範囲におよぶファミリーに由来するタンパク質は、疎水性リガン
ド、例えば、リン脂質やヌクレオチドを結合する。これらのタンパク質は、主と
して脳および精巣において発現し、増殖および/または成熟、精子成熟および運
動性の調節、ならびに膜リモデリングにおいてある一定の役割を果たすと考えら
れる。これらのタンパク質は、シグナル伝達または酸化還元反応のいずれかを介
して作用する可能性がある(総説に関しては、SchoentgenおよびJolles, FEBS L
etters, 369:22-26 (1995)を参照のこと)。合わせて考えると、以上のデータ
から、配列番号8のタンパク質は、増殖、成熟および膜改造においてある一定の
役割を果たし、かつ/またはオスの生殖能に関することが示唆される。従って、
これらのタンパク質は、癌、神経変性疾患、および/またはオスの繁殖力および
不妊に関する疾患の診断および/または治療に有用な可能性がある。
【0252】 配列番号9(内部呼称108−013−5−O−H9−FLC)の全長cDN
Aによりコードされる配列番号10のタンパク質は、真核生物(酵母、ウサギ、
げっ歯類およびヒト)の間で保存されているリゾホスホリパーゼのファミリーに
相同性を示す。さらに、このファミリーの幾つかの構成員は、カルシウム依存性
ホスホリパーゼA2活性を示す(Portillaら、J.Am.Soc.Nephro.、9:1178-1186(19
98))。このファミリーの全ての構成員は、配列番号10のタンパク質にも存在す
るカルボキシエステラーゼの活性部位コンセンサスGXSXGモチーフ(54位
〜58位)を示す。さらに、このタンパク質は、ソフトウェアTopPredII(Claros
およびvon Heijne, CABIOSapplic. Notes,10:685-686(1994))によって予測され
るように1つの膜貫通ドメインを有する膜タンパク質であり得る。合わせて考え
ると、以上のデータから、配列番号10のタンパク質は、脂肪酸代謝において、
おそらくホスホリパーゼとして役割を果たす可能性があることが示唆される。従
ってこのタンパク質またはその一部は、癌、糖尿病、およびパーキンソン病およ
びアルツハイマー病などの神経変性障害が挙げられるがこれらに限定されないい
くつかの障害の診断および/または治療に有用な可能性がある。該タンパク質は
また、感染因子に対する炎症応答を調節するおよび/または移植片拒絶を抑制す
るために有用であり得る。
【0253】 配列番号11(内部呼称108−004−5−0−D10−FLC)の伸長c
DNAによりコードされる配列番号12のタンパク質は動物(ヒト、げっ歯類、
ウシおよびトリ)において広範に保存されているβ4−ガラクトシルトランスフ
ェラーゼのサブファミリーに遠縁な相同性を示す。そのような酵素(通常、小胞
体またはゴルジ装置に位置するII型膜タンパク質)は糖タンパク質、糖脂質、
グリカンおよびラクトースの生合成を触媒する。Bretonら、J.Biochem.、123:1000-
1009(1998)におけるサブファミリーAの特徴として規定されたそれらの特徴は
、配列番号12のタンパク質、特にUDP結合または触媒プロセス自体のいずれ
かに関与すると考えられているDVDモチーフ(163位〜165位)を含有す
る領域Iに極めて良好に保存されている。さらに、配列番号12のタンパク質は
、II型タンパク質の典型的な構造を有している。該タンパク質は、ソフトウェ
アTopPredII(Clarosおよびvon Heijne, CABIOSapplic. Notes,10:685-686(1994)
)によって予測されるように、短い28アミノ酸長N末端テイル、29位〜49
位の膜貫通セグメントおよび278アミノ酸長C末端テイルを含む。合わせて考
えると、以上のデータから、配列番号12のタンパク質は、ポリ多糖の生合成、
ならびに糖タンパク質および糖脂質の炭水化物モチーフの生合成においてならび
に/または細胞間認識においてある一定の役割を果たすとも考えられる。従って
、このタンパク質は癌、動脈硬化、心血管障害、自己免疫障害および慢性関節リ
ュウマチを含むリウマチ性疾患を含むが、この限りではない、幾つかの障害の診
断および/または治療に有用な可能性がある。
【0254】 配列番号13の全長cDNAによりコードされる配列番号14のタンパク質(内部
呼称108−009−5−0−A2−FLC)は、転写因子のbZIPファミリ
ー、具体的にはヒト内腔(luman)タンパク質に広範な相同性を示す。(Luら
、Mol. Cell. Biol.,17:5117-5126 (1997))。一致は、塩基性DNA結合ドメイ
ンおよびタンパク質の二量体化を可能にするロイシンジッパーから成る全bZI
Pドメインを含む。特徴的なPROSITEシグネチャー(224位〜237位
)により示されるように、塩基性ドメインは、233位においてアスパラギン酸
によりグルタミン酸が保存的置換されていることを除き、配列番号14のタンパ
ク質に保存されている。ロイシンジッパーの典型的なPROSITEシグネチャ
ー(259位〜280)も認められた。合わせて考えると、これらのデータから
、配列番号14のタンパク質は、DNAに結合し、転写因子として遺伝子発現を
調節することが示唆される。従って、このタンパク質は、癌を含むがこれに限定
されない数種の障害の診断および/または治療に有用であり得る。
【0255】 上記の全長cDNAを含有するプラスミドを含有する細菌クローンは、先に示
した内部同定番号で本発明者の研究室に現在保存されている。適切な細菌のクロ
ーンのアリコートを適切な培地で増殖させることによって、寄託物からインサー
トを回収することができる。次いで、アルカリ溶解ミニプレップまたは大量アル
カリ溶解プラスミド単離法などの、当業者に周知のプラスミド単離手順を使用し
て、プラスミドDNAを単離することができる。必要に応じて、塩化セシウム勾
配上での遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、または陰イオン交換クロマ
トグラフィーによって、プラスミドDNAをさらに濃縮することが可能である。
次いで、当業者に周知の標準的なクローニング技術を用いて、これらの手順を用
いて得られるプラスミドDNAを操作してもよい。あるいは、インサートの両末
端で設計したプライマーを用いてPCRを行うことができる。次いで、当業者に
周知の標準的なクローニング技術を用いて、cDNAインサートに対応するPC
R産物を操作することができる。
【0256】 (V.EST関連核酸またはそのフラグメントによりコードされるタンパク質も
しくはポリペプチドの発現) EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置的セ
グメントおよびEST関連核酸の位置的セグメントのフラグメントを使用して、
それらがコードするポリペプチドを発現させることができる。特に、それらを使
用して、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、E
ST関連ポリペプチドの位置的セグメント、またはEST関連ポリペプチドの位
置的セグメントのフラグメントを発現させることができる。一部の実施形態にお
いて、EST関連核酸、EST関連核酸の位置的セグメント、およびEST関連
核酸の位置的セグメントのフラグメントを使用し、分泌タンパク質の全ポリペプ
チド(すなわち、シグナルペプチドと成熟ポリペプチド)、成熟タンパク質(す
なわち、シグナルペプチドの切断後に生じるポリペプチド)、または分泌タンパ
ク質のシグナルペプチドを発現させることができる。必要に応じて、シグナルペ
プチドをコードしている核酸を使用して、発現したタンパク質の分泌を促進する
ことができる。下記の通りに、複数のEST関連核酸、EST関連核酸のフラグ
メント、EST関連核酸の位置的セグメント、またはEST関連核酸の位置的セ
グメントのフラグメントを、発現ベクターに同時にクローニングして、コードさ
れたタンパク質を分析するための発現ライブラリーを作成することができること
は明白であろう。
【0257】 実施例22 (5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTに対応する遺伝子によ
ってコードされるタンパク質の発現) それらのコードされたタンパク質を発現するために、EST関連核酸、EST
関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核
酸の位置セグメントのフラグメントを、適切な発現ベクター内にクローニングす
る。一部のケースでは、EST関連ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフ
ラグメント,EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペ
プチドの位置セグメントのフラグメントをコードする核酸を適切な発現ベクター
内にクローニングすることが可能である。
【0258】 一部の実施形態においては、発現ベクター内に挿入された核酸は、配列番号2
4〜811から成るグループの中から選択された1つの配列のコード配列を含む
ことができる。他の実施形態においては、発現ベクター内に挿入された核酸は、
配列番号766〜792のうちの1つの全コード配列(すなわちシグナルペプチ
ドおよび成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチド)を含んでもよい。一部の
実施形態においては、発現ベクター内に挿入される核酸は、成熟ポリペプチド(
すなわち、シグナルペプチドの切断後に生成されるポリペプチドをコードするヌ
クレオチド)をコードする配列番号766〜792の配列のうちの1つの配列の
ヌクレオチドを含んでもよい。さらなる実施形態においては、発現ベクター内に
挿入される核酸は、発現されたタンパク質の分泌を容易にするべくシグナルペプ
チドをコードする24〜278および766〜792のヌクレオチドを含んでも
よい。発現ベクター内に挿入される核酸は、同様に、発現レベルを調節する配列
または組織特異的発現を付与する配列といったような、シグナルペプチドをコー
ドする配列の上流側の配列を含んでもよい。
【0259】 発現ベクター内に挿入される核酸は、配列番号812〜1599の配列の1つ
を含むポリペプチドをコードすることができる。一部の実施形態では、発現ベク
ター内に挿入される核酸は、配列番号1554〜1580のうちの1つの中に含
まれる完全ポリペプチド配列(すなわちシグナルペプチドおよび成熟ポリペプチ
ド)をコードすることができる。他の実施形態においては、発現ベクター内に挿
入される核酸は、配列番号1554〜1580の配列のうちの1つの中に含まれ
る成熟ポリペプチド(すなわち、シグナルペプチドの切断後に生成されるポリペ
プチド)をコードすることができる。さらなる実施形態においては、発現ベクタ
ー内に挿入される核酸は、812〜1516および1554〜1580の配列の
うちの1つの中に含まれるシグナルペプチドをコードすることができる。
【0260】 発現させるべきタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸は、従来のク
ローニング技術を用いて発現ベクター内のプロモーターに機能し得る形で連結さ
れる。発現ベクターは、当該技術分野において既知の哺乳動物、酵母、昆虫また
は細菌発現系のいずれであってもよい。市販のベクターおよび発現系は、Geneti
cs Institute (Cambridge, MA), Stratagene (La Jolla, California), Promega
(Madison, Wisconsin) および Invitrogen (San Diego, California) を含めた
様々な供給業者から入手可能である。望ましい場合には、発現を増強し適切なタ
ンパク質折りたたみを容易にするために、Hatfieldらの米国特許第5,
082,767号によって説明されているように、発現ベクターが中に導入され
る特定の発現生物のために、配列のコドンコンテキストおよびコドン対合を最適
化することができる。
【0261】 以下のものは、上述の核酸によってコードされるタンパク質を発現するための
一つの方法例として提供されている。一部のケースでは、発現させるべきタンパ
ク質またはポリペプチドをコードする核酸は、メチオニン開始コドンおよびポリ
Aシグナルを内含する。発現させるべきポリペプチドをコードする核酸に、開始
部位として役立つメチオニンが欠如している場合、従来の技術を用いて核酸の第
1のコドンの隣りに開始メチオニンを導入することができる。同様にして、発現
させるべきタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸にポリAシグナルが
欠如している場合、例えば、BalIおよびSal制限エンドヌクレアーゼ酵素
を用いてpSG5(Stratagene)からポリAシグナルをスプライシン
グし、それを哺乳動物の発現ベクターpXT1(Stratagene)の中に
取込ませることによって、構築物にこの配列を付加することができる。pXT1
はLTRおよびモロニーマウス白血病ウイルスからの gag遺伝子の一部分を
含有する。構築物の中のLTRの位置は、効率の良い安定したトランスフェクシ
ョンを可能にする。ベクターには単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモータおよ
び選択可能なネオマイシン遺伝子が内含されている。発現させるべきポリペプチ
ドをコードする核酸を、発現させるべきタンパク質またはポリペプチドをコード
する核酸がポリAシグナルとの関係において確実に正しく配置されるよう注意を
払いながら、発現させるべきタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸に
相補的であり、かつ5’プライマーに取り込まれたPstIおよび3’プライマ
ーの5’末端に取込まれたBal II の制限エンドヌクレアーゼ配列を含有
するオリゴヌクレオチドプライマーを使用して細菌ベクターからPCRによって
得る。結果としてもたらされるPCR反応から得られた精製されたフラグメント
は、PstIで消化され、エキソヌクレアーゼで平滑末端にされ、Bal II
で消化され、精製され、今やポリAシグナルを含有しBal II で消化さ
れたpXT1に連結される。
【0262】 連結された生成物を、製品明細の中で概略的に記された条件下でリポフェクチ
ン(Life Technologies, Inc., Grand Island, New York)を用いて、マウスの
NIN3T3細胞内にトランスフェクトする。トランスフェクトされた細胞を6
00μg/mのlのG418(Sigma St. Louis, Missouri) の中で増殖させ
た後、正のトランスフェクタントが選択される。
【0263】 あるいは、発現させようとするタンパク質またはポリペプチドをコードする核
酸を、pED6dpc2内にクローニングさせることが可能である。結果として
得られたpED6dpc2構築物を、COS1細胞といったような適切な宿主細
胞内にトランスフェクトさせることができる。メトトレキセート耐性細胞を選択
し増殖させる。発現されたタンパク質またはポリペプチドは、上述のとおりに分
離、精製または富化することができる。
【0264】 所望のタンパク質またはポリペプチドの発現を確認するためには、タンパク質
またはポリペプチドをコードする核酸インサートを伴うベクターを含有する細胞
により産生されたタンパク質またはポリペプチドを、このようなインサートの欠
如したものと比較する。発現されたタンパク質を、クーマシーブルーまたは銀染
色といったような当業者に良く知られた技術を用いてか、または、この核酸イン
サートによってコードされるタンパク質またはポリペプチドに対する抗体を用い
て検出する。目的のタンパク質を特異的に認識する能力をもつ抗体を、適切な核
酸によりコードされた配列をもつ合成15−マーペプチドを用いて生成すること
ができる。合成ペプチドを、核酸によってコードされるポリペプチドに対する抗
体を生成するべくマウス内に注入する。
【0265】 核酸インサートによってコードされるタンパク質またはポリペプチドが分泌さ
れた場合、所望のタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸インサートを
含有する発現ベクターを含む宿主細胞または生体から調製された培地を、対照の
細胞または生体から調製された培地と比較する。対照細胞からの調製物には存在
しないバンドが、核酸インサートを含有する細胞からの培地内に存在することは
、その核酸インサートによりコードされるタンパク質またはポリペプチドが発現
され分泌されつつあるということを表している。一般に、核酸インサートにより
コードされるタンパク質に対応するバンドは、核酸インサートのオープンリーデ
ィングフレーム内のアミノ酸の数に基づいて予想されるものに近い移動度を有す
ることになる。しかしながら、このバンドは、グリコシル化、ユビキチン化また
は酵素的切断といった修飾の結果として予想されるものとは異なる移動度を有す
る可能性がある。
【0266】 あるいは、上述の発現ベクターから発現されたタンパク質がその分泌を指令す
る配列を含んでいない場合、分泌されたタンパク質またはその一部分をコードす
るインサートを伴う発現ベクターを含有する宿主細胞から発現されたタンパク質
を、インサートを伴わない発現ベクターを含有する対照宿主細胞内で発現された
タンパク質と比較することができる。インサート伴わない発現ベクターを含有す
る細胞からのサンプルには存在しないバンドがインサートを伴う発現ベクターを
含有する細胞からのサンプル内に存在することは、所望のタンパク質またはその
一部分が発現されつつあることを表している。一般に、このバンドは、分泌され
たタンパク質またはその一部分について予想される移動度を有することになる。
しかしながら、このバンドは、グリコシル化、ユピキチン化または酵素的切断と
いったような修飾の結果として予想されるものとは異なる移動度を有する可能性
がある。
【0267】 発現されたタンパク質またはポリペプチドは、さまざまな方法を用いて精製、
単離または富化することができる。一部の方法においては、タンパク質またはポ
リペプチドは、それに機能し得る形でリンクされたネイティブなシグナルペプチ
ドまたは異種シグナルペプチドを介して培地の中に分泌され得る。一部の方法で
は、タンパク質またはポリペプチドを、ニッケル結合ポリペプチドといったよう
なその単離、精製または富化を容易にする非相同ポリペプチドにリンクさせるこ
とが可能である。該タンパク質またはポリペプチドは同様に、ゲル電気泳動、イ
オン交換クロマトグラフィー、サイズクロマトグラフィー、hplc、塩沈殿、
免疫沈降、これらの方法のいずれかの組合せ、または、当業者にとって良く知ら
れた単離、精製または富化技術のいずれかによっても得ることができる。
【0268】 核酸インサートによってコードされるタンパク質は同様に、以下でさらに詳し
く記述するように、コードされるタンパク質またはポリペプチドに対する抗体を
用いるイムノアフィニティークロマトグラフィーを使用した標準的イムノクロマ
トグラフィ技術を用いても精製され得る。抗体産生が可能でない場合、所望のタ
ンパク質またはポリペプチドをコードする核酸インサートを、キメラポリペプチ
ドを利用した精製スキームの中で使用するように設計された発現ベクター内に取
込むことが可能である。このような戦略においては、核酸インサートのコード配
列を、キメラの残り半分をコードする遺伝子とインフレームで連結する。キメラ
の残り半分は、β−グロビンまたはニッケル結合性ポリペプチドでもよい。次い
で、付着させられたβ−グロビンまたはニッケル結合に対する抗体を有するクロ
マトグラフィマトリクスを、キメラタンパク質を精製するために使用する。遺伝
子またはニッケル結合ポリペプチドと伸長cDNAまたはその一部分の間でプロ
テアーゼ切断部位が操作される。かくして、キメラの2つのポリペプチドを、プ
ロテアーゼ消化により互いから分離することができる。
【0269】 β−グロビンキメラを生成するための1つの有用な発現ベクターは、ウサギの
β−グロビンをコードするpSG5(Stratagene)である。ウサギβ
−グロビン遺伝子のイントロンIIは、発現された転写物のスプライシングを容
易にし、構築物内に取込まれたポリアデニル化シグナルは、発現レベルを増大さ
せる。記述のこれらの技術は、分子生物学の当業者には周知のものである。標準
的方法は、Davisら、(分子生物学の基本的方法、L.G.Davis, M.D.Dibner
およびJ.F. Battey編、Elsevier Press NY,1986)といったような方法教本中で公
表されており、方法のうちの多くがStratagene、Life Technologies,Inc、またはP
romegaから入手可能である。さらにポリペプチドは、In Vitro Exp
ress(登録商標)翻訳キット(Stratagene)といったようなin
vitro翻訳システムを用いて、構築物から産生可能である。
【0270】 核酸インサートによってコードされるタンパク質またはポリペプチドの発現お
よび精製の後、以下の実施例23に記述する通りにさまざまな細胞型の表面に結
合する能力について精製タンパク質を試験することができる。これらの核酸イン
サートから発現された複数のタンパク質を、以下で詳細に記述する活性ならびに
活性決定のためのアッセイが利用可能であるその他の生物学的役割について、同
時に評価されるべくタンパク質のパネル内に含まれることが可能である、という
ことがわかるだろう。
【0271】 実施例23 (細胞表面に結合するか否かを決定するための、分泌タンパク質の分析) 実施例22に記述されているもののような発現ベクターの中に、EST関連核
酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置セグメント、EST
関連核酸の位置セグメントのフラグメント、EST関連ポリペプチドコードする
核酸、EST関連ポリペプチドのフラグメントをコードする核酸、EST関連ポ
リペプチドの位置セグメントをコードする核酸またはEST関連ポリペプチドの
位置セグメントのフラグメントをコードする核酸をクローニングする。コードさ
れたタンパク質またはポリペプチドを、上述の通りに、精製、単離または富化す
る。精製、単離または富化の後、上述のタンパク質またはポリペプチドを、当業
者にとって既知の技術を用いて標識する。細胞表面上に存在するあらゆるレセプ
ターにタンパク質が結合できるようにするため、さまざまな臓器または組織に由
来する細胞または細胞系と、標識タンパク質またはポリペプチドをインキュベー
トする。インキュベーションの後、非特異的に結合したタンパク質またはポリペ
プチドを除去するため細胞を洗浄する。特異的に結合した標識タンパク質または
ポリペプチドをオートラジオグラフィーによって検出する。代替的には、非標識
タンパク質またはポリペプチドを細胞と共にインキュベートし、蛍光性分子とい
ったようなそれに付着した検出可能な標識を有する抗体を用いて、検出すること
が可能である。
【0272】 細胞表面結合の特異性は、標識タンパク質またはポリペプチドと共にさまざま
な量の非標識タンパク質またはポリペプチドをインキュベートする競合分析を行
なうことによって分析可能である。細胞表面に結合された標識タンパク質または
ポリペプチドの量は、競合する非標識タンパク質またはポリペプチドの量が増大
するにつれて減少する。対照としては、いくつかの結合反応の中で、標識タンパ
ク質またはポリペプチドと無関係の非標識タンパク質またはポリペプチドをさま
ざまな量で内含させる。細胞表面に結合された標識タンパク質またはポリペプチ
ドの量は、漸増量の無関係の非標識タンパク質を含有する結合反応においては減
少せず、このことはすなわち、核酸によりコードされたタンパク質またはポリペ
プチドが特異的に細胞表面に結合するということを示している。
【0273】 上述した通り、ヒトのタンパク質は、重要な生理学的効果を多数有しその結果
貴重な治療剤資源であることが示されてきた。上述の通りに作られたヒトタンパ
ク質またはポリペプチドは、以下で記述する通り、その生理学的活性を決定する
べく評価することができる。
【0274】 実施例24 (サイトカイン、細胞増殖または細胞分化活性を対象とした、発現されたタンパ
ク質またはポリペプチドのアッセイ) 上述の通り、一部のヒトタンパク質は、サイトカインとして作用するかまたは
細胞増殖または分化に影響を及ぼす可能性がある。既知の全てのサイトカインを
含め、今日までに発見された数多くのタンパク質因子は、単数または複数の因子
依存性増殖アッセイにおいて活性を示してきており、従って、このアッセイは、
サイトカイン活性を適切に確認するものとして役立つ。本発明のタンパク質また
はポリペプチドの活性は、制限的な意味なく、32D,DA2,DA1G,T1
0,B9,B9/11,BaF3,MC9/G,M+(preBM+,2E8,R
B5,DA1,123,T1165,HT2,CTLL2,TF−1,Mo7c
およびCMKを含む細胞系のための多数の日常的な因子依存性細胞増殖アッセイ
のうちのいずれか1つによって立証される。上述のように調製されたタンパク質
またはポリペプチドは、以上で記述されているものまたは以下の参考文献の中で
記述されているもののようなアッセイの中で、T細胞または胸腺細胞の増殖を調
節するその能力について評価することができる:Current Protocols in Immunol
ogy(免疫学における現行プロトコル)J.E.Coliganら編、Greene Publishing As
sociates and Wiley-Interscience;Takaiら、J.Immunol. 137:3494-3500,1986.,
Bertagnolliら、J. Immunol. 145:1706-1712,1990., Bertagnolliら、Cellular Im
munology 133:327-341,1991.Bertagnolliら、J.Immunol. 149:3778-3783,1992;Bo
wmanら、J.Immunol.152:1756-1761,1994。
【0275】 さらに、脾細胞、リンパ節細胞および胸線細胞の、サイトカイン産生および/ま
たは増殖についての数多くのアッセイが知られている。これらには、Current Pr
otocols in Immunology. J.E. Coliganら、Eds.,1:3.12.1-3.12.14,John Wiley a
nd Sons, Toronto. 1994;および Schreiber, R.D. Current Protocols in Immun
ology中.,前出1:6.8.1-6.8.8.の中で開示されている技術が含まれる。
【0276】 上述のように調製されたタンパク質またはポリペプチドは、同様に、造血細胞
またはリンパ球生成細胞の増殖および分化を調節する能力についてもアッセイさ
れ得る。以下の参考文献の中のアッセイを含め、かかる活性を対象とした数多く
のアッセイが当業者にはよく知られている:Bottomlyら、Current Protocols in
Immunology中、前出1:6.3.1-6.3.12,; de Vriesら、J.Exp.Med.173:1205-1211,199
1;Moreauら、Nature 36:690-692,1988;Greenbergerら、Proc. Natl. Acad. Sci. U
.S.A 80:2931-2938,1983;Nordan, R., Current Protocols in Immunology、 前出
1:6.6.1-6.6.5;Smithら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83:1857-1861,1986;Be
nnettら、Current Protocols in Immunology、前出1:6.15.1;Ciarlettaら、Current
Protocols in Immunology、 前出1:6.13.1。
【0277】 上述のように調製されたタンパク質またはポリペプチドは、抗体に対するT細
胞応答を調節するそれらの能力についてもアッセイすることができる。以下の参
照文献の中で記述されたアッセイを含め、このような活性のための数多くのアッ
セイが当業者には良く知られている:上述の Current Protocols in Immunolog
y中の第3章(マウスリンパ球機能についての In vitro アッセイ)
、第6章(サイトカインおよびその細胞レセプター)および第7章(ヒトにおけ
る免疫学的研究);Weinbergerら、Proc Natl. Acad. Sci. USA77:6091-6095,198
0;Weinbergerら、Eur. J. Immun. 11:405-411,1981;Takaiら、J.Immunol.137:3494
-3500,1986;Takaiら、J. Immunol.140:508-512,1988。
【0278】 このとき、サイトカイン、細胞増殖または細胞分化活性を示すこれらのタンパ
ク質またはポリペプチドを、医薬として処方し、細胞増殖または分化の誘発が有
益である臨床的状況を治療するのに使用することができる。あるいは、以下でさ
らに詳細に記述した通り、これらのタンパク質またはポリペプチドをコードする
核酸またはこれらのタンパク質またはポリペプチドの発現を調節する核酸を適切
な宿主細胞内に導入して、望みに応じてタンパク質またはポリペプチドの発現を
増減させることが可能である。
【0279】 実施例25 (免疫系調節物質としての活性を対象とした発現されたタンパク質またはポリペ
プチドのアッセイ) 上述のとおりに調製されたタンパク質およびポリペプチドを、免疫調節物質と
してのその効果について評価することもできる。例えば該タンパク質またはポリ
ペプチドを、胸腺細胞または脾細胞の細胞障害性に影響を及ぼすその活性を対象
とした評価することが可能である。以下の参考文献の中に記述されているアッセ
イを含めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが当業者にはよく知られ
ている:Current Protocols in Immunology 中の第3章(マウスリンパ球機能
についての In vitro アッセイ、3.1-3.19)および第7章(ヒトにおける免疫
学的研究)、J.E. Coliganら、Eds, Greene Publishing Associates および Wile
y-Interscience;Herrmannら、Proc. Natl.Acad. Sci. USA 78:2488-2492,1981;He
rrmannら、J.Immunol. 128:1968-1974,1982;Handaら、J.Immunol. 135:1564-1572,
1985;Takaiら、J.Immunol.137:3494-3500,1986;Takaiら、J.Immunol. 140:508-512
,1988;Bowmanら、J.Virology61:1992-1998;Bertagnolliら、Cell Immunol.133:327
-341,1991;Brownら、J.Immunol.153:3079-3092,1994。
【0280】 上述のように調製されたタンパク質またはポリペプチドを、T細胞依存性免疫
グロブリン応答およびアソタイプスイッチに対するそれらの効果についても評価
することができる。以下の参考文献中で開示されているアッセイを含め、かかる
活性を対象とした数多くのアッセイが当業者にはよく知られている。Maliszewsk
i, J.Immunol. 144:3028-3033,1990;Mondら、Current Protocols in Immunology、
1:3.8.1-3.8.16, 前出。
【0281】 上述のとおり調製されたタンパク質またはポリペプチドは、Th1細胞および
細胞障害性リンパ球に対するそれらの効果を含め、免疫エフェクター細胞に対す
るそれらの効果について評価することもできる。以下の参照文献の中で開示され
たアッセイを含め、このような活性のための数多くのアッセイが当業者には良く
知られている:上述の Current Protocols in Immunology中の第3章(マウス
リンパ球機能についての In vitro アッセイ3.1-3.19)および第7章(ヒトに
おける免疫学的研究);Takaiら、J.Immunol.137:3494-3500,1986;Takaiら、J. Im
munol.140:508-512,1988;Bertagnolliら、J.Immunol.149:3778-3783,1992。
【0282】 上述のとおりに調製されたタンパク質およびポリペプチドを、ナイーブT細胞
の樹状細胞介在性活性化に対するその効果について評価することもできる。以下
の参考文献の中で開示されているアッセイを含めて、かかる活性を対象とした数
多くのアッセイが当業者にはよく知られている:Gueryら、J. Immunol. 134:536-
544,1995;Inabaら、J.Exp. Med. 173:549-559,1991;Macatoniaら、J.Immunol.154:
5071-5079,1995;Porgadorら、J. Exp. Med 182:255-260,1995;Nairら、J.Virol. 6
7:4062-4069,1993;Huangら、Science 264:961-965,1994;Macatoniaら、J.Exp. Med
169:1255-1264,1989;Bhardwajら、Journal of Clinical Investigation94:797-8
07,1994;およびInabaら、J. Exp. Med 172:631-640,1990。
【0283】 上述のとおりに調製されたタンパク質およびポリペプチドを、リンパ球の寿命
に対するその影響について評価することもできる。以下の参考文献の中で開示さ
れているアッセイを含めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが当業者
にはよく知られている:Darzynkiewiczら、Cytometry 13:795-808,1992;Gorczyca
ら、Leukemia 7:659-670,1993;Gorczycaら、Cancer Res.53:1945-1951,1993;Itoh
ら、Cell 66:233-243,1991;Zacharchuk, J. Immunol. 145:4037-4045,1990;Zamai
ら、Cytometry 14:891-897,1993;Gorczycaら、Int. J. Oncol.1:639-648,1992。
【0284】 上述のとおりに調製されたタンパク質またはポリペプチドを、T細胞の分化の
方向が決定され、細胞が発達してゆく初期の段階に対するそれらの影響について
評価することもできる。以下の参考文献の中で開示されているアッセイを制限的
意味なく含めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが当業者にはよく知
られている:Anticaら、Blood84:111-117,1994;Fineら、Cell.Immunol.155:111-12
2,1994;Galyら、Blood85:2770-2778,1995;Tokiら、Proc. Nat. Acad Sci. USA 88:
7548-7551,1991。
【0285】 このとき免疫系調節物質活性としての活性を示すこれらのタンパク質またはポ
リペプチドを医薬として製剤して、免疫活性の調節が有益である臨床的状況を治
療するために使用することができる。例えば、該タンパク質またはポリペプチド
は、例えばTおよび/またはBリンパ球の成長および増殖を(アップまたはダウ
ン)レギュレートする上でならびにNK細胞およびその他の細胞集団の細胞溶解
活性に影響を及ぼす上で、さまざまな免疫不全および障害(重症複合型免疫不全
を含む)の治療において有用であり得る。これらの免疫不全は、遺伝的なものま
たはウイルス(例えばHIV)ならびに細菌または菌類感染によりひき起こされ
るものである可能性もあるし、あるいは自己免疫障害の結果としてもたらされる
可能性もある。より特定的には、ウイルス、細菌、菌類またはその他の感染によ
りひき起こされる感染性疾患は、HIV,肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、マ
イコバクテリア、リーシュマニア種、プラモディウムによる感染およびカンジダ
症といったさまざまな菌類感染を含み、該タンパク質またはポリペプチドを用い
て治療することができる。当然のことながらこの点において、ガン治療の場合が
そうであるように免疫系に対する増強が一般に望まれる可能性がある場合にもタ
ンパク質またはポリペプチドが有用であり得る。
【0286】 あるいは、上述のように調製されたタンパク質またはポリペプチドは、例えば
結合組織病、多発硬化症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、自己免
疫性肺炎、ギヤン−バレー症候群、自己免疫性甲状腺炎、インシュリン依存性糖
尿症、重症筋無力症、移植片対宿主病および自己免疫性炎症性眼疾患を含めた自
己免疫障害の治療において使用することができる。かかるタンパク質またはポリ
ペプチドは同様に、ぜんそく(特にアレルギー性ぜんそく)またはその他の呼吸
器系障害といったような、アレルギー反応および症状の治療においても有用であ
る可能性がある。免疫抑制が望まれる(例えば臓器移植を含む)その他の状態も
同様に、該タンパク質またはポリペプチドを用いて治療可能である。
【0287】 本発明のタンパク質またはポリペプチドを用いると、免疫応答をアップまたは
ダウンレギュレートすることも可能となるかもしれない。ダウンレギュレーショ
ンにはすでに進行中の免疫応答を阻害または遮断することを含んでもよく)、あ
るいは免疫応答の誘発を予防することを含んでもよい。活性化T細胞の機能はT
細胞応答を抑制することまたはT細胞内の特異的寛容を誘発することまたはその
両方によって阻害され得る。T細胞応答の免疫抑制は一般に、抑制剤に対するT
細胞の連続的暴露を必要とする、能動的な非抗原特異的プロセスである。T細胞
内の非応答性またはアネルギーの誘発を含む寛容は、それが一般に抗原特異的で
あり寛容化剤に対する暴露が終了した後も持続するという点で、免疫抑制と区別
することができる。実際には、寛容化剤が存在しない場合に、特異的抗原に再暴
露されてもT細胞の応答がないことによって、寛容を実証することができる。
【0288】 単数または複数の抗原機能(例えばB7補助刺激といったようなBリンパ球抗
原機能を含むがこれに限られるわけではない)をダウンレギュレートするかまた
は防止すること例えば、活性化T細胞による高レベルのリンホカイン合成を防止
することは、組織、皮膚および臓器の移植および移植片対宿主病(GVHD)と
いう状況下で有用となる。例えば、T細胞機能の遮断は、組織移植における組織
破壊の低減を結果としてもたらすはずである。標準的には、組織移植片において
、移植片の拒絶は、T細胞によりそれが異物であると認識されることによって開
始され、その後に移植片を破壊する免疫反応が続く。移植に先立ちまたは免疫性
細胞上でのB7リンパ球抗原とその天然リガンドの相互作用を阻害または遮断す
る分子(例えば、B7−2活性をもつペプチドの可溶性単量体形態)を単独で、
または別のBリンパ球抗原(例えばB7−1,B7−3)の活性をもつペプチド
の単量体形態もしくは遮断用抗体と併用して投与することによって、対応する同
時刺激シグナルを伝達することなく、免疫性細胞上の天然リガンドに対する分子
の結合を導くことが可能である。この要領でBリンパ球抗原機能を遮断すること
は、T細胞といった免疫性細胞によるサイトカイン合成を防止し、かくして免疫
抑制剤として作用する。その上、同時刺激の欠如だけで、T細胞をアネルギー化
するのに充分であり、かくして被験者体内に寛容が誘発される。Bリンパ球抗原
−遮断用試薬による長期寛容の誘発が、これらの遮断用試薬の反復的投与の必要
性を回避する可能性もある。被験者の体内での充分な免疫抑制または寛容を達成
するためには、Bリンパ球抗原の組合せの機能を遮断することも必要となり得る
【0289】 臓器移植拒絶またはGVHDの予防における特定の遮断用試薬の効力は、人間
における効力を予測するものである動物モデルを用いて評定できる。使用可能な
適切な系の例としては、共に Lenschowら、Science 257:
789−792(1992)および Turkaら、Proc. Natl.
Acad. Sci USA, 89:11102−11105(1992)に
記述されているように in vivoでのCTLA4Ig融合タンパク質の免
疫抑制効果を検査するために使用されてきた、ラットにおける同種異系間心臓移
植片およびマウスにおける異種すい島細胞移植片が含まれる。さらに、in v
ivoでBリンパ球抗原機能を遮断することが該疾病の進行にもたらす効果を決
定するために、GVHDのマウスモデル(Paul編、Fundamental Immunology, Rav
en Press, New York,1989,pp.846-847を参照のこと)を使用することができる。
【0290】 抗原機能を遮断することは、自己免疫疾患を処置するため治療的にも有用であ
り得る。数多くの自己免疫障害が、自己組織に対し反応性があり、かつ疾病の病
理学に関与するサイトカインおよび自己抗体の産生を促進するT細胞の不適切な
活性化の結果である。自己反応性T細胞の活性化の予防により疾病の症候を軽減
または除去することが可能である。Bリンパ球抗原のレセプター/リガンド相互
作用を分断させることによりT細胞の同時刺激を遮断する試薬の投与を使用して
、T細胞の活性化を阻害し、疾病プロセスに潜在的関与するT細胞由来のサイト
カインまたは自己抗体またはの産生を予防することができる。さらに、遮断用試
薬は、疾病からの長期軽減を導き得る自己反応性T細胞の抗原特異的寛容を誘発
することができる。自己免疫障害を予防するかまたは軽減する上での遮断用試薬
の効力は、ヒト自己免疫疾患の充分に特性化された多数の動物モデルを使用して
決定することができる。例としては、マウスの実験的自己免疫脳炎、MRL/p
r/prマウスまたはNZBハイブリッドマウスにおける全身性エリテマトーデ
ス、マウス自己免疫コラーゲン関節炎、ODマウスおよびBBラットにおける真
性糖尿病およびマウスの実験的重症筋無力症が含まれる。(Paul編、Fundamental
Immunology, Raven Press, New York,1989,pp. 840-856を参照のこと)。
【0291】 免疫応答をアップレギュレートする手段としての抗原機能(好ましくはBリン
パ球抗原機能)のアップレギュレーションも、治療上有用であり得る。免疫応答
のアップレギュレーションには、以下の例に示されるように既存の免疫応答を増
強させるかまたは初期免疫応答を惹起することを含んでもよい。例えば、ウイル
ス感染の場合、Bリンパ球抗原機能の刺激を通して免疫応答を増強させることが
有用であり得る。さらに、インフルエンザ、かぜおよび脳炎といった全身性ウイ
ルス疾患を、刺激性形態のBリンパ球抗原の全身投与により軽減させることがで
きる。
【0292】 あるいは、患者からT細胞を取り出し、上述のタンパク質またはポリペプチド
を発現するかまたは上述のタンパク質またはポリペプチドの刺激性形態と共にこ
れらを発現するウイルス抗原パルス処理されたAPCを用いてT細胞を in
vitro で同時刺激し、in vitroで初期免疫されたT細胞を患者の
体内に再度導入することによって、感染患者において抗ウイルス免疫応答を増強
させることができる。感染細胞は、このとき、in vivo でT細胞に同時
刺激シグナルを送達することができ、それによりT細胞を活性化できる。
【0293】 もう1つの利用分野では、腫瘍免疫を誘発する上で抗原機能(好ましくはBリ
ンパ球抗原関数)のアップレギュレーションまたは増強が有用であり得る。タン
パク質またはポリペプチドをコードする前述の核酸の1つでトランスフェクショ
ンされた腫瘍細胞(例えば肉腫、黒色腫、リンパ腫、白血病、神経芽細胞、ガン
腫)を被験者に投与して、被験者における腫瘍特異的寛容を克服することができ
る。望まれる場合、腫瘍細胞をペプチドの組合せを発現するようトランスフェク
ションすることができる。例えば、患者から得た腫瘍細胞を、B7−2様の活性
をもつペプチドを単独でまたはB7−1様活性および/またはB7−3様活性を
もつペプチドと組合わせた形で発現するよう指令する発現ベクターを用いて、e
x vivo でトランスフェクションすることができる。トランスフェクショ
ンされた腫瘍細胞は、トランスフェクションされた細胞の表面上でのペプチドの
発現を結果としてもたらすように患者の体内に戻される。あるいは、in vi
vo でのトランスフェクションのため腫瘍細胞を標的化するため、遺伝子療法
技術を用いることができる。
【0294】 腫瘍細胞の表面上にBリンパ球抗原の活性をもつ上述の核酸によりコードされ
たタンパク質またはポリペプチドが存在することで、トランスフェクションを受
けた腫瘍細胞に対するT細胞媒介性免疫応答を誘発するためにT細胞に対して必
要な同時刺激シグナルが提供される。さらに、充分な量のMHCクラスIまたは
MHCクラスII分子が欠如したまたはこれを再発現できない腫瘍細胞を、MH
CクラスIα鎖およびβ2ミクログロブリンまたはMHCクラスIID鎖および
MHCクラスIIβ鎖の全てまたは一部分(例えば細胞質ドメイン切断部分)を
コードする核酸を用いてトランスフェクションさせ、かくしてそれぞれ細胞表面
上でMHCクラスIまたはMHCクラスIIタンパク質を発現することができる
。Bリンパ球抗原(例えばB7−1,B7−2,B7−3)の活性をもつペプチ
ドと組合せた形での適切なMHCクラスIまたはクラスII分子の発現は、トラ
ンスフェクションされた腫瘍細胞に対するT細胞媒介性免疫応答を誘発する。任
意には、不変鎖といったようなMHCクラスII関連タンパク質の発現を遮断す
るアンチセンス構築物をコードする核酸を、Bリンパ球抗原の活性をもつタンパ
ク質またはポリペプチドをコードするDNAとを同時トランスフェクションさせ
て、腫瘍関連抗原の提示を促進し腫瘍特異的免疫を誘発することもできる。かく
して、ヒトの被験体におけるT細胞媒介性免疫応答の誘発は、被験体内の腫瘍特
異的寛容を克服するのに充分なものであり得る。代替的には以下で詳述するよう
に、これらの免疫系調節物質タンパク質またはポリペプチドをコードする核酸ま
たはかかるタンパク質またはポリペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細
胞内に導入して、望まれる通りにタンパク質の発現を増減させることは可能であ
る。
【0295】 実施例26 (造血調節活性を対象とした、発現されたタンパク質またはポリペプチドのアッ
セイ) 上述の核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプチドをそれらの造血
調節活性を対象として評価することもできる。例えば、胚性幹細胞の分化に対す
る該タンパク質またはポリペプチドの効果を評価することができる。以下の参考
文献の中で開示されているアッセイを含めて、かかる活性を対象とした数多くの
アッセイが当業者にはよく知られている:Johanssonら、Cell. Biol.15:141-151,
1995;Kellerら、Mol. Cell. Biol. 13:473-486,1993;McClanahanら、Blood 81:290
3-2915,1993。
【0296】 上述の核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプチドを、その幹細胞
の寿命および幹細胞の分化に対する影響について評価することも可能である。以
下の参考文献の中で開示されているアッセイを含めて、かかる活性を対象とした
数多くのアッセイが当業者にはよく知られている:Freshney, M.G.メチルセル
ロースコロニー形成アッセイ、Methylcellulose Culture of Hematopoietic Ce
lls.中 R.I.Freshneyら編、pp.265-268,Wiley-Liss, Inc., New York, NY. 1994;
Hirayamaら、Proc.Natl. Acad. Sci. USA89:5907-5911,1992;McNiece, L.K. およ
び Briddell, R.A. 高い増殖能をもつ始原造血コロニー形成細胞、Culture of H
ematopoietic Cells(前掲);Nebenら、Experimental Hematology 22:353-359,1994
;Ploemacher, R.E.コブルストーン部域形成細胞のアッセイ、Culture of Hemato
poietic Cells.(前掲);Spooncer, E., Dexter, M.およびAllen, T.間質細胞の存
在下での長期骨髄培養、Culture of Hematopoietic Cells(前掲)、ならびにSu
therland, H.J.長期培養開始細胞のアッセイ、Culture of Hematopoietic Cells
.(前掲)。
【0297】 次いで、造血調節活性を示すこれらのタンパク質またはポリペプチドを医薬と
して製剤し、造血調節が有益である臨床的状況を処置するためにこれを使用する
ことができる。例えば本発明のタンパク質またはポリペプチドは、造血調節にお
いて有用であり得、その結果として骨髄系またはリンパ球系の細胞不全の治療に
おいて有用であり得る。コロニー形成細胞または因子依存性細胞系を支持する最
低限の生物学的活性でさえ、造血を調節することにおいて関与を示し;例えば、
赤血球前駆細胞単独でまたはその他のサイトカインと組合せ、成長および増殖を
支持することにおける関与を示し、例えば、さまざまな貧血を治療する際に、あ
るいは赤血球前駆体および/または赤血球細胞の産生を刺激するための照射/化
学療法と組合せた使用に有用性を示し、例えば、結果としてもたらされる骨髄抑
制を予防または治療するため化学療法と組合わせた形で有用な顆粒球および単球
/マクロファージといったような骨髄性細胞の成長および増殖(すなわち従来の
CSF活性)を支持することにおける関与を示し、巨核球ひいては血小板の成長
および増殖を支持することにおける関与を示し、それによって、血小板減少症と
いったさまざまな血小板障害の予防または治療を可能にし、一般に血小板輸血に
代ってまたはそれを補うものとして使用することを可能にし、および/または、
上述の造血細胞の一部または全てに至るまで成熟できる造血幹細胞の成長および
増殖を支持することにおける関与を示し、従って(制限的意味なく、再生不良性
貧血および発作性夜間血色素尿症を含めた通常は移植で治療される障害といった
)さまざまな幹細胞障害においてならびに正常細胞または遺伝子療法のために遺
伝子操作された細胞または正常な細胞としてin vivo または ex v
ivoで(すなわち骨髄移植あるいは(同種または異種の)末梢前駆細胞移植ま
たは骨髄移植と組合せた形での)放射線照射/化学療法後の幹細胞画分再増殖に
おいて治療的有用性をもつ。あるいは、以下で詳述するように、これらのタンパ
ク質またはポリペプチドをコードする核酸またはこれらのタンパク質またはポリ
ペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りにタ
ンパク質の発現を増減させることができる。
【0298】 実施例27 (組織の成長の調節についての、発現されたタンパク質またはポリペプチドのア
ッセイ) 上述の核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプチドを、組織成長に
対するその効果について評価することも可能である。国際特許公報第WO95/
16035,国際特許公報WO95/05846および国際特許公報第WO91
/07491号の中で開示されているアッセイを含め、かかる活性を対象とした
数多くのアッセイが、当業者にはよく知られている。
【0299】 創傷治療活性を対象としたアッセイには、制限的な意味なく、Eaglstein およ
び Mertz, J.Invest. Dermatol 71:382-84(1978)によって修正された通りの W
inter, Epidermal Wound Healing, pps.71-112(Maibach, H1およびRovee, DT編
), Year Book Medical Publishers, Inc., Chicago の中で記述されているも
のが含まれる。
【0300】 このとき組織成長の調節に関与するこれらのタンパク質またはおよびポリペプ
チドを医薬として製剤し、組織成長調節が有益である臨床的状態を治療するため
に使用することができる。例えば、タンパク質またはポリペプチドは、骨、軟骨
、腱、靱帯および/または、神経組織の成長または再生ならびに創傷治療および
組織の修復および置換のためおよび火傷、切開および潰瘍の治療において使用さ
れる組成物の中で有用である可能性がある。
【0301】 骨が正常に形成されていない状況において軟骨および/または骨の成長を誘発
する上述の核酸によってコードされるタンパク質またはポリペプチドは、ヒトま
たはその他の動物における骨折および軟骨損傷または欠陥の治ゆに応用される。
本発明のタンパク質またはポリペプチドを利用するこのような調製物は、閉鎖な
らびに開放骨折の減少において、同様に人工関節の改良型固定において予防的に
使用することができる。骨形成剤によって誘発される新たな骨合成は、先天性、
外傷由来のまたは腫瘍切除由来の脳顔面頭蓋欠損の修復に役立ち、同様に美容整
形外科においても有用である。
【0302】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、歯周疾患の治療およびその他の歯
の修復プロセスにおいても使用可能である。かかる薬剤は、骨形成細胞を引きつ
け、骨形成細胞の成長を刺激するかまたは骨形成細胞の前駆細胞の分化を誘発す
るための環境を提供することができる。本発明のタンパク質は同様に、例えば骨
および/または軟骨修復の刺激を通してまたは炎症または炎症性プロセスにより
媒介される組織破壊プロセス(コラゲナーゼ活性、破骨細胞活性など)を遮断す
ることによって、骨粗鬆症または変形性関節炎の治療においても有用であり得る
【0303】 上述の核酸によってコードされるタンパク質またはポリペプチドに帰すること
のできる組織再生活性のもう1つのカテゴリーは、腱/靱帯の形成である。腱/
靱帯様の組織またはその他の組織が正常に形成されない状況下でこのような組織
を誘発する、上述の核酸によりコードされるタンパク質またはポリペプチドは、
ヒトおよびその他の動物において、腱または靱帯の断裂、変形およびその他の腱
または靱帯の欠損の治ゆにおいて応用される。腱/靱帯様の組織を誘発するタン
パク質を利用するこのような調製物は、腱または靭帯組織に対する損傷を防止す
る上で予防的に使用されてもよいし又、骨またはその他の組織への腱または靭帯
の改良型固定のためおよび腱または靭帯組織に対する欠損の修復のためにも使用
可能である。本発明のタンパク質またはポリペプチドによって誘発される新たな
腱/靱帯様組織の形成は、先天性、外傷性またはその他に由来する腱または靭帯
欠損の修復に役立ち、同様に美容整形外科における腱または靭帯の付着または修
復にも有用である。本発明のタンパク質またはポリペプチドは、腱または靭帯形
成細胞を引き寄せるか、腱または靭帯形成細胞の増殖を刺激し、腱または靭帯形
成細胞の始原細胞の分化を誘発するかまたは、組織修復を行なうべく in v
ivoに戻すため ex vivoで腱または靭帯細胞または始原細胞の成長を
誘発するための環境を提供することができる。本発明のタンパク質またはポリペ
プチドは同様に、腱炎、手根管症候群およびその他の腱または靭帯欠損の治療に
おいても有用であり得る。治療用組成物は同様に、当該技術分野において周知の
とおり担体として適切なマトリクスおよび/または金属イオン封鎖剤を内含する
こともできる。
【0304】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは同様に、神経細胞の増殖のためおよ
び神経および脳組織の再生のため、すなわち中枢および末梢神経系疾患および神
経障害の治療ならびに神経細胞または神経組織に対する退化、死または外傷を含
む機械的および外傷性障害の治療のためにも有用であり得る。より特定的には、
タンパク質またはポリペプチドは、末梢神経系の疾病例えば末梢神経損傷、末梢
神経障害および局所的神経障害、および中枢神経系の疾病例えば、アルツハイマ
ー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症およびシャイード
レーガー症候群の治療において使用することができる。本発明に従って治療可能
であるさらなる身体状態としては、機械的障害および外傷性障害、例えば、脊髄
障害、頭部外傷および卒中といったような脳血管性疾患がある。化学療法または
その他の医学療法の結果としてもたらされた末梢神経障害も同様に本発明のタン
パク質またはポリペプチドを用いて治療可能である。
【0305】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは同様に、制限的な意味なく圧迫性潰
瘍、血管機能不全に関連する潰瘍、外科的および外傷性創傷などを含む、非治療
性外傷のより良いまたはより速い閉鎖を促すのにも有用であり得る。
【0306】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは、臓器(例えばすい臓、肝臓、腸、
腎臓、皮ふ、内皮を含む)、筋肉(平滑筋、骨格筋または心筋)および脈管(脈
管内皮を含む)組織といったその他の組織の発生または再生のため、またはかか
る組織を含む細胞の増殖を促進するための活性を示す可能性があることも予想さ
れる。所望の効果の一部分は、正常な組織が発生できるようにするための繊維性
瘢痕形成の阻害または調節によるものであり得る。本発明のタンパク質またはポ
リペプチドは同様に脈管形成活性をも示す可能性がある。
【0307】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは同様に、消化管の保護または再生ま
たは肺または肝臓繊維症の治療、さまざまな組織内の再灌流傷害および全身性サ
イトカイン損傷に起因する身体状態の治療のためにも有用であり得る。
【0308】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは同様に、前駆体組織または細胞から
の上述の組織の分化を促進または阻害するため、または上述の組織の成長を阻害
するためにも有用であり得る。
【0309】 あるいは、以下で詳述するように、組織成長調節活性タンパク質またはポリペ
プチドをコードする核酸またはかかるタンパク質またはポリペプチドの発現を調
節する核酸を、所望の通りにタンパク質の発現を増減させるために適切な宿主細
胞の中に導入することが可能である。
【0310】 実施例28 (生殖ホルモンの調節についての、発現されたタンパク質またはポリペプチドの
アッセイ)
【0311】 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、卵胞刺激ホルモンといった生殖ホ
ルモンを調節するその能力について評価することもできる。以下の参考文献の中
で開示されているアッセイを含めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイ
が当業者にはよく知られている: Valeら、Endocrinol. 91:562-572,1972;Ling
ら、Nature321:779-782,1986;Valeら、Nature321:776-779,1986;Masonら、Nature31
8:659-663,1985;Forageら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:3091-3095,1986.Cur
rent Protocols in Immunology 中の第6章,12章 J.E. Coliganら編、Greene
Publishing AssociatesおよびWiley-Intersciece;Taubら、J. Clin. Invest.95:
1370-1376,1995;Lindら、APMIS103:140-146,1995;Mullerら、Eur. J. Immunol.25:
1744-1748;Gruberら、J. Immunol. 152:5860-5867,1994;Johnstonら、J.Immunol.1
53:1762-1768,1994。
【0312】 次いで、生殖ホルモンまたは細胞運動調節物質としての活性を示すこれらのタ
ンパク質またはポリペプチドを、医薬として製剤し、生殖ホルモンの調節が有益
である臨床的状態を治療するためにこれを使用することが可能である。例えば、
タンパク質またはポリペプチドは、アクチビンまたはインヒビン関連活性を示す
ことができる。インヒビンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を阻害するそ
の能力によって特性化され、一方アクチビンは、FSHの放出を刺激するその能
力によって特性化される。かくして本発明のタンパク質またはポリペプチドは、
単独またはインヒビンファミリーの一員とのヘテロダイマーの形で、メスの哺乳
動物における生殖力を減少させオスの哺乳動物における精子生成を減少させるイ
ンヒビンの能力に基づく避妊薬として有用な可能性がある。充分な量のその他の
インヒビンの投与は、これらの哺乳動物における不妊症を誘発することができる
。代替的には、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、ホモダイマーまたは
インヒビンB群のその他のタンパク質サブユニットとのヘテロダイマーとして、
下垂体前葉の細胞からのFSH放出を刺激する上でのアクチビン分子の能力に基
づいて生殖能誘発療法として有用であり得る。例えば、米国特許第4,798,
885号を参照のこと。本発明のタンパク質またはポリペプチドは、同様にウシ
、ヒツジおよびブタといったような家畜の生涯生殖能力を増大させるべく、性的
に未熟な哺乳動物における生殖能の開始を早めるのにも有用であり得る。
【0313】 あるいは、以下でさらに詳述するように、生殖ホルモン調節活性タンパク質ま
たはポリペプチドをコードする核酸または、かかるタンパク質またはポリペプチ
ドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、望むとおりにタンパク
質またはポリペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0314】 実施例29 (走化性/ケモキネシス活性を対象とした、発現されたタンパク質またはポリペ
プチドのアッセイ) 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、走化性/ケモキネシス活性を対象と
して評価することもできる。例えば、本発明のタンパク質またはポリペプチドは
、例えば単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮および/
または内皮細胞を含む哺乳動物細胞に対する走化性/ケモキネシス活性をもつ(
例えばケモカインとして作用する)可能性がある。所望の作用部位に所望の細胞
集団を可動化するつまり引き寄せるために、走化性およびケモキネシスタンパク
質またはポリペプチドを使用することができる。走化性またはケモキネシスタン
パク質またはポリペプチドは、組織に対する創傷およびその他の外傷の治療なら
びに局所的感染の治療において特に利点を提供する。例えば、腫瘍または感染部
位へのリンパ球、単球または好中球の引き寄せは、腫瘍または感染因子に対する
改善された免疫応答を結果としてもたらし得る。
【0315】 タンパク質またはポリペプチドは、特定の細胞集団の指令された配向または運
動を直接的または間接的に刺激できる場合、この集団に対して走化性活性を有す
ることになる。好ましくは、上述のタンパク質またはポリペプチドは、細胞の誘
発された運動を直接的に刺激する能力を有する。特定のタンパク質またはポリペ
プチドが1つの細胞集団に対する走化性を有するか否かは、細胞の走化性につい
てのあらゆる既知のアッセイにおいてかかるタンパク質またはポリペプチドを利
用することによって容易に決定可能である。
【0316】 本発明のタンパク質またはポリペプチドの活性は、その他の手段の中でも、以
下の方法によって測定可能である:
【0317】 (走化性を誘発するかまたは防止するタンパク質またはポリペプチドを同定す
ることになる)走化活性を対象としたアッセイは、膜を横断した細胞の移動を誘
発するタンパク質またはポリペプチドの能力ならびに、細胞集団間の接着を誘発
するタンパク質またはポリペプチドの能力を測定するアッセイから成る。運動お
よび接着についての適切なアッセイには、制限的な意味なく、以下の文献の中で
記述されているものが含まれる。Current Protocols in Immunology, J.E. Coli
gan, A.M.Kruisbeek, D.H.Margulies, E.M.Shevach, W.Stober編、Greene Publis
hing Associates and Wiley-Interscience 刊行、第6.12章:6.12.1-6.12.28;Taub
ら、J. Clin, Invest.95:1370-1376,1995;Lindら、APMIS 103:140-146,1995;Muell
er et al., Eur. J. Immunol.25:1744-1748;Gruberら、J. Immunol.152:5860-586
7,1994;Johnstonら、J.Immunol.,153:1762-1768,1994。
【0318】 実施例30 (血液凝固の調節についての、発現されたタンパク質またはポリペプチドのアッ
セイ) 本発明のタンパク質またはポリペプチドを同様に、血液凝固に対するその効果
について評価することもできる。以下の参考文献の中で開示されているアッセイ
を含めて、かかる活性を対象とした数多くのアッセイが当業者にはよく知られて
いる: Linetら、J. Clin. Pharmacol.26:131-140,1986;Burdickら、Thrombosis
Res. 45:413-419,1987;Humphreyら、Fibrinolysis 5:71-79(1991);Schaub, Prost
aglandins35:467-474,1988。
【0319】 このとき血液凝固の調節に関与するこれらのタンパク質またはポリペプチドを
、医薬として製剤し、血液凝固の調節が有益である臨床的状態を治療するために
これを使用することができる。例えば、本発明のタンパク質またはポリペプチド
は、止血または血栓溶解活性をも示す可能性がある。その結果、かかるタンパク
質またはポリペプチドは、(血友病といった遺伝性傷害を含む)さまざまな凝血
障害の治療においても有用であり、又、外傷、外科手術その他の原因による創傷
を治療する上で凝血その他の止血事象を増強するものであると期待されている。
本発明のタンパク質またはポリペプチドは、血栓を溶解させるため、またはその
形成を阻害するためおよび、その結果としてもたらされる状態(例えば、心臓お
よび中枢神経形脈管の梗塞(例えば卒中)の治療または予防のためにも有用であ
り得る。あるいは、以下でさらに詳細に詳述されているように、血液凝固活性タ
ンパク質またはポリペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質またはポ
リペプチドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りに
タンパク質またはポリペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0320】 実施例31 (レセプター/リガンド相互作用への関与について、発現されたタンパク質また
はポリペプチドのアッセイ) 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、レセプター/リガンド相互作用へ
のそれらの関与について評価することも可能である。以下の参考文献の中で開示
されているアッセイを含めて、かかる関与を対象とした数多くのアッセイが当業
者にはよく知られている:Current Protocols in Immunology中、7.7.28.1-7.28.
22章、J.E.Coliganら編、Greene Publishing Associates Wiley-Interscience;Tak
ai et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA84:6864-6868,1987;Biererら、J.Exp. M
ed.168:1145-1156,1988;Rosensteinら、J. Exp.Med.169:149-160,1989;Stoltenbo
rgら、J.Immunol. Methods 175:59-68,1994;Stittら、Cell80:661-670,1995;Gyuri
sら、Cell 75:791-803,1993。
【0321】 例えば、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、レセプター、レセプター
リガンドまたはレセプター/リガンド相互作用の阻害物質またはアゴニストとし
ての活性を示すこともできる。かかるレセプターおよびリガンドの例としては、
制限的意味なく、サイトカインレセプターおよびそれらのリガンド、レセプター
キナーゼおよびそれらのリガンド、レセプターホスファターゼおよびそれらのリ
ガンド、細胞間相互作用に関与するレセプターおよびそれはのリガンド(制限的
意味なく細胞接着分子(例えば、セレクチン、インテグリンおよびそれらのリガ
ンドを含む)、および抗原提示、抗原認識および細胞および体液性免疫応答の発
生に関与するレセプター/リガンド対)が含まれる。レセプターおよびリガンド
は、関係するレセプター/リガンド相互作用の潜在的なペプチドまたは小分子阻
害物質のスクリーニングのためにも有用である。本発明のタンパク質又はポリペ
プチド(制限的な意味なくリガンド及びレセプターのフラグメントを含む)は、
レセプター/リガンド相互作用の阻害物質として有用であり得る。あるいは、以
下で詳述するように、レセプター/リガンド相互作用に関与するタンパク質また
はポリペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質またはポリペプチドの
発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りにタンパク質ま
たはポリペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0322】 実施例32 (抗炎症活性を対象としたタンパク質またはポリペプチドのアッセイ) 本発明のタンパク質またはポリペプチドを、抗炎症活性を対象として評価する
こともできる。抗炎症活性は、炎症性応答に関与する細胞に対して刺激を提供す
ること、(例えば細胞接着といった)細胞間相互作用を阻害または促進すること
、炎症プロセスに関与する細胞の走化性を阻害または促進すること、細胞溢血を
阻害または促進すること、または炎症性応答をより直接的に阻害または促進する
その他の因子の産生を刺激または抑制することによって達成することができる。
かかる活性を示すタンパク質またはポリペプチドは、制限的な意味なく、感染に
伴う炎症(例えば敗血症性ショック、敗血症または全身性炎症性応答症候群)、
虚血性再灌流障害、エンドトキシン致死率、関節炎、補体媒介型超急性拒絶、腎
炎、サイトカインまたはケモカイン誘導性肺損傷、炎症性腸疾患、クローン病ま
たはTNFまたはIL−1といったサイトカインの過剰産生の結果としての疾患
を内含する慢性または急性身体状態を含めた炎症性状態を治療するために使用す
ることができる。本発明のタンパク質またはポリペプチドは、抗原性物質または
材料に対する過敏症及びアナフィラキシーおよび過敏症を治療するためにも有用
であり得る。あるいは、以下でさらに詳細するように、抗炎症活性タンパク質ま
たはポリペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質またはポリペプチド
の発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りにタンパク質
またはポリペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0323】 実施例33 (腫瘍阻害活性を対象とした、発現されたタンパク質またはポリペプチドのアッ
セイ) 本発明のタンパク質またはポリペプチドを腫瘍阻害活性を対象として評価する
ことも可能である。腫瘍の免疫学的治療または予防のための上述の活性に加えて
、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、その他の抗腫瘍活性を示す可能性
がある。タンパク質またはポリペプチドは、(例えばADCCを介して)直接的
または間接的に腫瘍の成長を阻害することができる。タンパク質またはポリペプ
チドは、腫瘍組織または腫瘍前駆体組織に作用すること、(例えば脈管新生を阻
害することにより)腫瘍の成長を支持するのに必要な組織の形成を阻害すること
、腫瘍の成長を阻害するその他の因子、作用物質または細胞型の産生をひきおこ
すことまたは、腫瘍の成長を促進する因子、作用物質または細胞型を抑制、除去
または阻害することによって、その腫瘍阻害活性を示すことができる。代替的に
は、以下でさらに詳細に記述されているように、腫瘍阻害活性をもつタンパク質
またはポリペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質またはポリペプチ
ドの発現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りにタンパク
質またはポリペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0324】 本発明のタンパク質またはポリペプチドは同様に以下の付加的活性または効果
のうちの単数または複数のものを示す可能性もある:すなわち、制限的な意味な
く細菌、ウイルス、菌類およびその他の寄生虫を含む感染性作用物質の成長、感
染または機能を阻害するかまたは死滅させること;制限的な意味なく、身長、体
重、頭髪の色、目の色、皮ふ、肥満率またはその他の組織色素沈着、または臓器
または身体部分のサイズまたは形状(例えば胸部増大または縮小、骨の形態また
は形状変化)を含む身体的特徴に影響を及ぼす(抑制または増強する)こと;バ
イオリズムまたは概日周期または概日リズムに影響を及ぼすこと;雄または雌の
被験体の生殖能に影響を及ぼすこと;食事性脂肪、脂質、タンパク質、炭水化物
、ビタミン、ミネラル、補助因子またはその他の栄養因子または成分の代謝、異
化、同化、処理、利用、貯蔵または除去を実施すること;制限的な意味なく、食
欲、性欲、ストレス、認識(認識障害を含む)、うつ状態(うつ病を含む)およ
び暴力的行動を含む行動特徴に影響を及ぼすこと;鎮痛効果またはその他の疼痛
軽減効果を提供すること;造血細胞系列以外の系列内で胚性幹細胞の分化および
成長を促進すること;ホルモンまたは内分泌活性;酵素の場合、酵素の欠乏を補
正し欠乏に関連する疾患を治療すること;(例えば乾癬といった)過剰増殖性障
害の治療;免疫グロブリン様活性(例えば抗原または補体を結合する能力);お
よびかかるタンパク質またはそれと交差反応するもう1つの材料または実体に対
し免疫応答を発生させるべくワクチン組成物の中で抗原として作用する能力。あ
るいは、以下でさらに詳細に記述されるように、上述の活性のいずれかに関与す
るタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸またはかかるタンパク質の発
現を調節する核酸を適切な宿主細胞内に導入して、所望の通りにタンパク質また
はポリペプチドの発現を増減させることが可能である。
【0325】 実施例34 (本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用するタンパク質またはポリ
ペプチドの同定) レセプタータンパク質といったように本発明のタンパク質またはポリペプチド
と相互作用するタンパク質またはポリペプチドは、Matchmaker Tw
o Hybrid System2(Clontech, カタログ番号K16
04−1)といったツーハイブリッドシステム用いて同定することができる。キ
ットに添付のマニュアルに記述されているように、本発明のタンパク質またはポ
リペプチドをコードする核酸を、酵母転写アクチベーターGAL4のDNA結合
ドメインをコードするDNAとインフレームになるように、発現ベクターの中に
挿入する。本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する可能性のある
タンパク質またはポリペプチドをコードするcDNAライブラリー内のcDNA
を、それがGAL4の活性化ドメインをコードするDNAとインフレームになる
ように、第2の発現ベクター内に挿入する。2つの発現プラスミドを酵母内に形
質転換し、酵母を、発現ベクターの各々の上の選択可能なマーカーの発現ならび
にHIS3遺伝子のGAL4依存性発現についての選択を行なう選択培地上でプ
レーディングする。ヒスチジンが欠如した培地上で増殖する能力をもつ形質転換
体を、GAL4依存性 lac Z 発現についてスクリーニングするる。ヒス
チジン選択および lac Z アッセイの両方において陽性であるような細胞
は、本発明のタンパク質またはポリペプチドと反応するタンパク質またはポリペ
プチドをコードするプラスミドを含有する。
【0326】 あるいは、本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する分子を同定
するために、Lustigら、Method in Enzymology 2
83:83−99(1997)に記述されているシステムを使用することもでき
る。このようなシステムにおいては、本発明のタンパク質またはポリペプチドを
コードする核酸インサートを含有するベクタープールについて、in vitr
o転写反応が実施される。核酸インサートを、in vitro転写を駆動する
プロモーターの下流側でクローニングする。結果として得られたmRNAプール
を、Xenopus laevis 卵母細胞内に導入する。その後この卵母細
胞を、所望の活性を対象としたアッセイする。
【0327】 代替的には、上述のように産生され、プールされた in vitro 転写
産物を in vitro で翻訳することもできる。所望の活性または既知の
タンパク質またはポリペプチドとの相互作用について、プールされた in v
itro 翻訳産物をアッセイすることができる。 本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用するタンパク質、ポリペプ
チドまたはその他の分子は、さまざまな付加的技術によって発見することができ
る。1つの方法では本発明のタンパク質またはポリペプチドを含有するアフィニ
ティカラムを構築することができる。この方法のいくつかのバージョンにおいて
は、アフィニティカラムは、本発明のタンパク質またはポリペプチドがグルタチ
オンS−トランスフェラーゼに融合されているキメラタンパク質を収容している
。上述のような発現されたタンパク質のプールまたは細胞タンパク質の混合物が
アフィニティカラムに適用される。その後カラムに付着したタンパク質またはポ
リペプチドと相互作用する分子を分離し、Ramunsenら、Electro
phoresis,18,588−598(1997)の中で記述されているよ
うに2−D電気泳動ゲル上で分析することができる。代替的には、アフィニティ
カラム上に保持された分子を、電気泳動に基づく方法によって精製し、配列決定
することもできる。この同じ方法を用いて、抗体を分離するか、ファージディス
プレイ産物をスクリーニングするか、またはファージディスプレイヒト抗体をス
クリーニングすることができる。
【0328】 本発明のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する分子を、Edwards & Le
atherbarrow, Analytical Biochemistry,246,1-6(1997)の中で記述されている
ような光学バイオセンサーを用いてスクリーニングすることもできる。この方法
の主な利点は、それが、タンパク質またはポリペプチドとその他の相互作用する
分子の間の会合速度の決定を可能にするという点にある。かくして、高いまたは
低い会合速度をもつ相互作用分子を特異的に選択することが可能である。標準的
には、標的分子がセンサー表面に(カルボキシメチルデキストランマトリクスを
通して)連結され、試験分子のサンプルが標的分子と接触した状態におかれる。
標的分子に対する試験分子の結合は、屈折率および/または厚みにおける変化を
ひき起こす。この変化は、それが(センサー表面から数百ナノメートル広がって
いる)一過性の場で起こるのであれば、バイオセンサーによって検出される。こ
れらのスクリーニングアッセイにおいては、標的分子は、本発明のタンパク質ま
たはポリペプチドのうちの1つであってよく、また、試験サンプルは組織または
細胞から抽出されたタンパク質、ポリペプチドまたはその他の分子の収集物、発
現されたタンパク質のプール、コンビナトリアルペプチドおよび/または化学ラ
イブラリーまたはファージディスプレイペプチドであってよい。試験分子が抽出
される組織または細胞はあらゆる種に由来するものであってよい。
【0329】 その他の方法では、標的タンパク質またはポリペプチドは固定化され、試験集
団は、本発明の独特なタンパク質またはポリペプチドの収集物である。
【0330】 本発明のタンパク質またはポリペプチドと薬物の相互作用を研究するため、Wa
ngら、Chromatographia,44,205〜208(1997)によって記述されたHPLC方法と
組合わせた微小透析または Buschら、J.Chromatogr.777;311-328(1997)によっ
て記述されているアフィニティーキャピラリー電気泳動法を使用することができ
る。
【0331】 米国特許第5,654,150号に記述されているシステムを用いて、本発明
のタンパク質またはポリペプチドと相互作用する分子を同定することもできる。
このシステムにおいては、本発明のタンパク質またはポリペプチドをコードする
核酸のプールをin vitro で転写および翻訳し、反応産物と既知のポリ
ペプチドまたは抗体との相互作用についてアッセイする。
【0332】 当業者であれば、以上で特定的に列挙されているものに加えて数多くの活性を
対象として本発明のタンパク質またはポリペプチドをアッセイすることができる
ということがわかるだろう。例えば、炎症、腫瘍増殖または転移、感染またはそ
の他の臨床的状態の管理および調節が関与する利用分野について、発現されたタ
ンパク質またはポリペプチドを評価することができる。さらに、タンパク質また
はポリペプチドは、栄養剤または化粧品として有用であり得る。
【0333】 本発明のタンパク質またはポリペプチドを使用して、本発明のタンパク質また
はポリペプチドに特異的に結合し得る抗体を生成することができる。抗体は、モ
ノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれであってもよい。本明細書で使
用される「抗体」という用語は、抗原との免疫学的反応を可能にする、抗原の抗
原決定基の特徴に対し相補的な内部表面の形状および電荷分布を伴う三次元結合
空間を形成するため抗体分子の可変ドメインの折りたたみから結合ドメインが形
成される、少なくとも1つの結合ドメインで構成されたポリペプチドまたはポリ
ペプチド群を意味する。抗体としては、結合ドメインを含む組換えタンパク質、
ならびにFab,Fab’、F(ab)2およびF(ab’)2フラグメントを含
むフラグメントが挙げられる。
【0334】 本明細書で使用される「抗原決定基」は、抗原抗体反応の特異性を決定する抗
原分子の一部である。「エピトープ」は、ポリペプチドの抗原決定基を指す。エピ
トープは、エピトープに独特な空間的コンホメーション中に僅か3個のアミノ酸
を含み得る。一般にエピトープは少なくとも6個のそのようなアミノ酸、より通
常的には、少なくとも8〜10個のそのようなアミノ酸から成る。エピトープを
構成するアミノ酸を決定する方法としては、X線結晶解析、2次元核磁気共鳴、
およびエピトープマッピング、例えば、H.Mario Geysenら、1984.Proc.Natl.Acad
.Sci.U.S.A.81:3998-4002;PCT公開第WO84/03564号;およびPCT公開第WO84/0350
6号に記載のPepscan法が挙げられる。
【0335】 一部の実施形態では、抗体は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメン
ト、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントによってコードされる、タンパク質またはポリペプチドに対し特異
的に結合する能力を有することができる。一部の実施形態では、抗体は、EST
関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位置セグメントま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコードされるタン
パク質またはポリペプチドの中の抗原決定基またはエピトープを結合させる能力
を有していてよい。
【0336】 他の実施形態では抗体は、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチド
のフラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポ
リペプチドの位置セグメントのフラグメントに特異的に結合する能力を有してい
てよい。一部の実施形態では、抗体は、EST関連ポリペプチド、EST関連ポ
リペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはE
ST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメントの中の抗原決定基または
エピトープを結合させる能力を有することができる。
【0337】 分泌タンパク質の場合、抗体は、本発明の核酸によりコードされる全長タンパ
ク質,本発明の核酸によりコードされる成熟タンパク質(すなわちシグナルペプ
チドの切断により生成されるタンパク質)または本発明の核酸によってコードさ
れるシグナルペプチドを結合させることができる。
【0338】 実施例35 ヒトポリペプチドまたはタンパク質に対する抗体の産生 上述のEST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸の位
置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントまたは、E
ST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポ
リペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントの
フラグメントをコードする核酸を、プロモーターに対し機能し得る形で連結し、
上述のとおり細胞内に導入する。
【0339】 分泌タンパク質の場合、完全タンパク質(すなわち成熟タンパク質およびシグ
ナルペプチド)をコードする核酸、成熟タンパク質(すなわちシグナルペプチド
切断により生成されるタンパク質)をコードする核酸、またはシグナルペプチド
をコードする核酸はプロモーターに対し機能し得る形でリンクされ、上述のとお
りに細胞内に導入される。
【0340】 このとき、コードされたタンパク質またはポリペプチドを、上述の通りに実質
的に精製または単離する。最終的調製物中のタンパク質の濃度を、例えば、Am
iconフィルター装置上の濃度によって、数μg/mlのレベルに調整する。
タンパク質またはポリペプチドに対するモノクローナルまたはポリクローナル抗
体を次に以下の通りに調製することができる。
【0341】 (1.ハイブリドーマ融合によるモノクローナル抗体の産生) 記述のとおりに同定され単離されたタンパク質またはポリペプチドのうちのい
ずれかのエピトープに対するモノクローナル抗体を、Kohler および Milstein,N
ature 256:495(1975)の古典的方法またはその派生的方法に従って、マウスハイ
ブリドーマから調製することができる。簡単に言うと、数週間の期間にわたり、
選択されたタンパク質またはそこから誘導されたペプチドを数マイクログラム、
マウスに反復的に接種する。その後マウスを屠殺し、脾臓の抗体産生細胞を単離
する。マウス骨髄腫細胞と脾細胞をポリエチレングリコールを用いて融合させ、
アミノプテリンを含む選択培地(HAT培地)上でのその系の増殖により、余剰
の未融合細胞を破壊する。うまく融合した細胞を希釈し、希釈液のアリコートを
、培養物の増殖から続けられるマイクロタイタープレートのウェルの中に入れる
。Eugvall, Meth. Enzymol.70:419(1980)によって当初記述されたような El
isaといった免疫アッセイ手順により、ウェルの上清液の中の抗体を検出する
ことによって、抗体産生クローンを同定する。選択された陽性クローンを増殖さ
せ、そのモノクローナル抗体産物を使用のために収獲することができる。モノク
ローナル抗体の産生のための詳細な手順は、「分子生物学における基本的方法」
Elsevier, New York、第21-2節の中で Davis L.ら、により記述されている。
【0342】 (2.免疫化によるポリクローナル抗体の産生) 免疫原性の増強のため修飾されていてもよいしまたは修飾されていなくてもよ
い発現されたタンパク質またはそれから誘導されたペプチドを用いて適切な動物
を免疫化することによって、単一のタンパク質またはポリペプチドの異種起源の
エピトープに対する抗体を含有するポリクローナル抗血清を調製することができ
る。有功なポリクローナル抗体の産生は、抗原および宿主種の両方に関連する数
多くの因子によって影響される。例えば、小さい分子はその他のものよりも免疫
原性が低い傾向にあり、担体およびアジュバントの使用を必要とする可能性があ
る。同様に、宿主動物の応答は接種の部位および用量に応じて変動し、抗原の不
適切なまたは過度の用量は共に抗血清の力価が低下するという結果をもたらす。
多数の皮内部位で投与される少ない抗原用量(ngレベル)が最も信頼性の高い
ものであると思われる。ウサギのための有効な免疫化プロトコルは、Vaitukaiti
sら、J.Clin. Endocrinol. Metab. 33:988-991(1971)の中に見出すことができる
【0343】 ブースタ注射は、規則的な間隔で与えることができ、抗原の既知の濃度に対す
る例えば寒天中の2重免疫拡散によって半定量的に決定されるようなその抗体力
価が下降し始めた時点で、抗血清を収獲することができる。例えば、Handbook o
f Experimental Immunology D.Wier(編)Blackwell(1973)中の、Ouchterlonyら、
第19章を参照されたい。抗体の安定水準濃度は通常、血清1mlあたり0.1
〜0.2mg(約12μM)の範囲内にある。抗原に対する抗血清の親和力は、
例えばManual of Clinical Immunology、第2版、(RoseおよびFriedman編)Amer. So
c.For Microbiol, Washington, D.C.(1980)、第42章で Fisher Dにより記述
されているように、競合結合曲線を作成することによって決定される。
【0344】 上述のプロトコルのいずれかに従って調製された抗体調製物は、さまざまな状
況下で有用である。特に、EST関連核酸,EST関連核酸の位置セグメントま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコードされるタン
パク質またはポリペプチドの大規模単離、精製または富化を容易にするため、ま
たは、EST関連ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフラグメント,ES
T関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグ
メントのフラグメントの単離、精製または富化のため、以下で記述されたものの
ようなイムノアフィニティークロマトグラフィー技術の中でこの抗体を使用する
ことができる。
【0345】 分泌タンパク質の場合、抗体を、完全タンパク質(すなわち成熟タンパク質お
よびシグナルペプチド),成熟タンパク質(すなわちシグナルペプチドの切断に
より生成されたタンパク質)またはシグナルペプチドの単離、精製または富化の
ために使用し得、プロモーターに機能し得る形でリンクし、上述のように細胞内
に導入する。
【0346】 付加的には、抗体を、EST関連核酸,EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコードされるタンパ
ク質またはポリペプチドにリンクされたポリペプチドを単離、精製または富化す
るため、またはEST関連ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフラグメン
ト,EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの
位置セグメントのフラグメントを単離、精製または富化させるため、以下で記述
するもののようなイムノアフィニティークロマトグラフィー技術の中で使用する
ことができる。
【0347】 抗体は同様に、EST関連核酸,EST関連核酸の位置セグメントまたはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコードされるタンパク質ま
たはポリペプチドによってコードされるポリペプチドの細胞局在化または、ES
T関連ポリペプチド,EST関連ポリペプチドのフラグメント,EST関連ポリ
ペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントのフ
ラグメントの細胞局在化を決定するためにも使用可能である。
【0348】 さらに、抗体は、EST関連核酸,EST関連核酸の位置セグメントまたはE
ST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコードされるタンパク質
またはポリペプチドにリンクされたポリペプチド,またはEST関連ポリペプチ
ド,EST関連ポリペプチドのフラグメント,EST関連ポリペプチドの位置セ
グメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメントにリン
クされたポリペプチドの細胞局在化を決定するためにも使用可能である。
【0349】 抗体は同様に、生物学的サンプル中の抗原保持物質の濃度を決定する定量的免
疫アッセイの中でも使用可能である。これらは同様に、生物学的サンプル中の抗
原の存在を同定するためまたは生物学的サンプル中に存在する組織型を同定する
ため、半定量的または定性的に使用することもできる。抗体は又、タンパク質を
発現する細胞を死滅させるかまたは体内のタンパク質レベルを低減させるための
治療用組成物の中でも同様に使用可能である。
【0350】 (VI. 5’ESTまたはコンセンサスコンティグ化5’ESTまたはそれか
ら得られる配列またはその一部分の、試薬としての使用) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントを、単離手順、診断アッセイおよび法医学手順の中
で試薬として使用することができる。例えば、EST関連核酸、EST関連核酸
の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントからの
配列を、検出可能な形で標識し、それらに対しハイブリタイズする能力をもつそ
の他の配列を単離するためのプローブとしてこれを使用することができる。さら
に、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントを使用して、単離、診断または法医学手順で使用
すべきPCRプライマーを設計することも可能である。
【0351】 (1.EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核
酸の位置セグメントのフラグメントの、単離、診断および法医学的手順における
使用) 実施例36 (PCRプライマーの調製およびDNAの増幅) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントを使用して、そのような配列にハイブリダイズし
得る核酸をクローニングするための単離方法、診断技術および法医学技術を含む
様々な適用のためのPCRプライマーを調製することができる。一部の実施形態
において、PCRプライマーは、少なくとも10,15,18,20,23,2
5,28,30,40または50ヌクレオチドの長さである。一部の実施形態に
おいて、PCRプライマーは30塩基を超える長さであってもよい。プライマー
対は、融解温度がほぼ同じであるように、ほぼ同じG/C比を有する。様々なP
CR技術が、当業者によく知られている。PCR技術の概要については、Molecu
lar Cloning to Genetic Engineering, White,B.A.編、Methods in Molecular Bi
ology 67:Humana Press, Totowa 1997を参照のこと。これらのPCR手順のそれ
ぞれにおいて、増幅しようとする核酸配列のそれぞれの側に対するPCRプライ
マーを、dNTPおよびTaqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、またはVe
ntポリメラーゼなどの耐熱性ポリメラーゼと共に適切に調製された核酸サンプ
ルに添加する。サンプル中の核酸を変性し、PCRプライマーを、サンプル中の
相補的な核酸配列に特異的にハイブリダイズさせる。ハイブリダイズしたプライ
マーを伸張する。その後、変性、ハイブリダイゼーションおよび伸張の別のサイ
クルが開始する。サイクルを複数回反復して、プライマー部位間の核酸配列を含
有する増幅されたフラグメントを生成する。
【0352】 実施例37 (プローブとしてのEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、または
EST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントから誘導されるプローブを、放射性同位体および
非放射性標識を含む、当業者によく知られた検出可能な標識物で標識し、検出可
能なプローブを提供することもできる。検出可能なプローブは、一本鎖または二
本鎖であってもよく、in vitro転写、ニックトランスレーションまたは
キナーゼ反応を含む当業者に公知の技術を使用して作製してもよい。標識された
プローブにハイブリダイズすることができる配列を含有する核酸サンプルを、標
識したプローブに接触させる。サンプル中の核酸が二本鎖である場合、プローブ
に接触させる前に該核酸を変性してもよい。適用によっては、核酸サンプルを、
ニトロセルロースまたはナイロン膜などの表面上に固定化してもよい。核酸サン
プルは、ゲノムDNA、cDNAライブラリー、RNA、または組織サンプルを
含むさまざまな供給源から得られる核酸を含むことができる。
【0353】 検出可能なプローブにハイブリダイズすることができる核酸の存在を検出する
ために使用される手順には、サザンブロッティング、ノーザンブロッティング、
ドットブロッティング、コロニーハイブリダイゼーション、およびプラークハイ
ブリダイゼーションなどの周知の技術が含まれる。適用によっては、標識された
プローブにハイブリダイズすることができる核酸を、発現ベクター、配列決定ベ
クター、またはin vitro転写ベクターなどのベクターにクローニングし
て、サンプル中のハイブリダイズ核酸の特性化および発現を容易にすることがで
きる。例えば、そのような技術を使用して、上記の実施例18に記載の検出可能
なプローブにハイブリダイズすることができるゲノムライブラリーまたはcDN
Aライブラリー中の配列を単離し、クローニングしてもよい。
【0354】 上記の実施例36に記載のように作製されたPCRプライマーは、以下の実施
例38〜42に記載のDNAフィンガープリント技術などの法医学分析に使用す
ることもできる。そのような分析は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの配列に基づ
く検出可能なプローブまたはプライマーを利用することができる。
【0355】 実施例38 (DNAの配列決定による法医学的一致)
【0356】 ある例示的方法では、従来の方法によって例えば、毛、精液、血液または皮膚
細胞の法医学的サンプルからDNAサンプルを単離する。次いで、実施例36に
従って、多くのEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントに基づくPCRプライマーのパネル
を利用し、法医学的サンプルから長さ約100〜200塩基のDNAを増幅する
。対応する配列は試験被験体から得られる。次いで、標準的な技術を使用して、
これらの同定DNAのそれぞれについて配列決定し、サンプルのデータベースを
比較することによって、被験体由来の配列とサンプル由来の配列との間に差異が
あればこれを決定する。被験体のDNA配列とサンプル由来のDNA配列との間
に統計学的に有意な差異が認められれば、その結果として同一性が欠如している
ことが明らかにされる。このような同一性の欠如は、例えば、ただ1つの配列に
よって証明することができる。一方、同一性を有することは、多数の配列でそれ
らが全て一致することによって実証されるべきである。好ましくは、長さが10
0塩基の統計学的に同一な配列を最小でも50個使用して、被疑体とサンプルと
の間の同一性を証明する。
【0357】 実施例39 (DNAの配列決定による陽性同定) 先の実施例に概略されている技術をより大きな規模で使用して、任意の個体の
独特なフィンガープリント型同定を提供することができる。本技術では、多くの
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントからプライマーを調製する。好ましくは、20〜5
0個の異なるプライマーを使用する。これらのプライマーを使用して、実施例3
4に従い、問題の個体から相当する数のPCRによって作製されたDNAセグメ
ントを得る。実施例36に記載の方法を使用して、これらのDNAセグメントの
それぞれについて延期配列決定する。本手順を介して作製された配列のデータベ
ースは、配列が得られた個体を特異に同定する。次いで、後にプライマーの同じ
パネルを使用して、組織または他の生物学的サンプルと個体を絶対的に相関付け
ることができる。
【0358】 実施例40 (サザンブロットによる法医学的同定) 実施例38の手順を反復して、個体およびサンプルから少なくとも10個の増
幅された配列のパネルを得る。好ましくは、パネルは少なくとも50個の増幅さ
れた配列を含有する。より好ましくは、パネルは100個の増幅された配列を含
有する。実施例によっては、パネルは200個の増幅された配列を含有する。次
いで、このPCRによって作製されたDNAを、好ましくは4塩基特異的制限酵
素の1つまたは組み合わせで消化する。そのような酵素は市販されており、当業
者に既知である。消化後、得られた遺伝子フラグメントを、アガロースゲル上の
複数の二連ウェルでサイズにより分離し、当業者に周知のサザンブロッティング
技術を使用して、ニトロセルロースに移す。サザンブロッティングの概要につい
ては、Davisら(Basic Methods in Molecular Biology,1986, Elsevier Press62
〜65頁)を参照のこと。
【0359】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントの配列に基づくプローブのパネルを、ニックトラ
ンスレーション、末端標識などの当該分野において公知の方法を用い、放射性ま
たは発色性の標識を行い、当該分野において公知の方法(Davisら、前掲)
を用い、サザンブロットにハイブリダイズさせる。好ましくは、プローブは少な
くとも10、12、15、18、20、25、28、30、35、40、50、
75、100、150、200、300、400または500ヌクレオチドの長
さである。好ましくは、プローブは少なくとも10、12、15、18、20、
25、28、30、35、40、50、75、100、150、200、300
、400または500ヌクレオチドの長さである。一部の実施形態において、プ
ローブは、40ヌクレオチド以下の長さであるオリゴヌクレオチドである。
【0360】 好ましくは、少なくとも5〜10個のこれらの標識されたプローブを使用し、
より好ましくは少なくとも約20または30個を使用して特異なパターンを提供
する。EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核
酸の位置セグメントのフラグメントの大きなサンプルのハイブリダイゼーション
から出現して得られるバンドは、特異な同定物となる。制限酵素切断は全ての個
体に対して異なるため、サザンブロット上のバンドのパターンも特異である。プ
ローブの数が増加すると、同定において統計学的により高いレベルの信頼度が得
られる。何故なら、同定のために使用されるバンドの組の数が増加するからであ
る。
【0361】 実施例41 (ドットブロット同定法) 本明細書において開示されるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを使用して個体を同
定するためのもう1つの技術はドットハイブリダイゼーション技術を利用する。
【0362】 同定しようとする被験体の核からゲノムDNAを単離する。EST関連核酸、
EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメント由来の少なくとも10個、好ましくは50個の配列に相当するプロー
ブを調製する。プローブを使用して、当業者に既知の条件を介してゲノムDNA
にハイブリダイズさせる。ポリヌクレオチドキナーゼ(Pharmacia)を
使用して、オリゴヌクレオチドをP32で末端標識する。減圧ドットブロットマニ
ホールド(BioRad, Richmond California)を使用
して、ゲノムDNAをニトロセルロースなどにスポットすることによってドット
ブロットを作製する。当該分野において公知の技術(Davisら、前掲)を用
いて、ゲノムの配列を含有するニトロセルロースフィルターをベーキングまたは
UVによりフィルターに結合させ、プレハイブリダイズし、標識されたプローブ
でハイブリダイズする。32P標識DNAフラグメントを順に連続的にストリンジ
ェント条件でハイブリダイズさせ、30bpの配列とDNAとの間の最低限の差
異を検出する。塩化テトラメチルアンモニウムは、少数のヌクレオチドのミスマ
ッチを含有するクローンを同定するのに有用である(Woodら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 82(6):1585−1588
(1985))。ドットの特異なパターンにより、1つの個体ともう1つの個体
とが区別される。
【0363】 以下の代替的フィンガープリント技術では、EST関連核酸、EST関連核酸
の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを、
プローブとして使用することができる。一部の実施形態において、プローブは、
40ヌクレオチド以下の長さであるオリゴヌクレオチドである。
【0364】 好ましくは、異なるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたは
EST関連核酸の位置セグメントのフラグメント由来の配列を有する複数のプロ
ーブを代替的フィンガープリント技術において使用する。以下の実施例40は、
プローブがEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントから誘導される代表的な代替的フィンガ
ープリント手順を提供する。
【0365】 実施例42 (代替的「フィンガープリント」同定法) Genset, Paris, Franceなどの市販のオリゴヌクレオチドサービスを用いて、
多数、例えば、50,100、または200個のEST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントか
らオリゴヌクレオチドを調製する。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、少なく
とも10,15,18,20,23,25,28または30ヌクレオチドの長さ
である。しかしながら、一部の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、40
、50、60、または70ヌクレオチドよりも長い長さでもよい。
【0366】 当業者に周知の技術を用い、DNAを対象として試験被験体由来の細胞サンプ
ルを処理する。核酸をEcoRIおよびXbaIなどの制限酵素で消化する。消
化後、サンプルを電気泳動用ウェルにアプライする。ポリアクリルアミド電気泳
動に順応するために当該分野において既知の手順を改変してもよいが、本実施例
では、5μgのDNAを含むサンプルをウェルにロードし、0.8%のアガロー
スゲルで分離する。標準的なサザンブロッティング技術を使用して、ゲルをニト
ロセルロースに移す。
【0367】 10ngのそれぞれのオリゴヌクレオチドをプールし、32Pで末端標識する。
ニトロセルロースをブロッキング溶液でプレハイブリダイズし、標識したプロー
ブでハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ニトロセルロ
ースフィルターをX−Omat AR X線フィルムに暴露する。得られるハイ
ブリダイゼーションのパターンはそれぞれの個体について特異である。
【0368】 本実施例では、更なる正確性または明確性のために使用されるプローブ配列の
数を変更することができることがさらに考慮される。
【0369】 法医学および同定におけるそれらの適用に加えて、EST関連核酸、EST関
連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメン
トを、染色体の位置に対してマッピングすることができる。以下の実施例41で
は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントを使用するヒト染色体領域の放射性ハイブリッ
ド(radiation hybrid)(RH)マッピングについて記載する
。以下の実施例42では、ヒト染色体上のEST関連核酸、EST関連核酸の位
置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの位置の
マッピングの代表的手順について記載する。以下の実施例43では、蛍光in
situハイブリダイゼーション(FISH)による中期染色体上のEST関連
核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントのマッピングについて記載する。
【0370】 (2. 染色体マッピングにおけるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグ
メント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用) 実施例43 (ヒトゲノムに対するEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、また
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの放射性ハイブリッドマッピ
ング) 放射性ハイブリッド(RH)マッピングは、体細胞の遺伝学的アプローチであ
り、ヒトゲノムの高分解能マッピングに使用することができる。本アプローチで
は、1つ以上のヒト染色体を含有する細胞株に致死的放射線を照射し、それぞれ
の染色体を、放射線の用量に依存するサイズを有するフラグメントに切断する。
これらのフラグメントを、培養したげっ歯類細胞との融合により回収し、ヒトゲ
ノムの異なる部分を含有するサブクローンを得る。本技術は、Benhamら(Genomic
s 4:509-517,1989)およびCoxら(Science 250:245-250,1990)に記載されている
。サブクローンは無作為的かつ独立した性質を有するため、任意のヒトゲノムマ
ーカーの効率的なマッピングが可能である。80〜100種の細胞株のパネルか
ら単離されたヒトDNAは、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント
、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを順序よく配置するた
めのマッピング試薬を提供する。本アプローチでは、マーカー間の切断の頻度を
使用して、距離を測定し、従来のESTを用いて行われているのと同程度の細密
な解像度のマップを構築することが可能である(Schulerら、Scien
ce 274:540−546, 1996)。
【0371】 RHマッピングを使用して、成長ホルモン(GH)およびチミジンキナーゼ(
TK)の遺伝子が横切るヒト染色体17q22〜q25.3(Fosterら、Genomic
s 33:185-192, 1996)、ゴーリン症候群遺伝子を囲む領域(Obermayrら、Eur. J.
Hum. Genet.4:242-245,1996)、第12染色体の全短腕に渡る60個の遺伝子座
(Raeymaekersら、Genomics 29:170-178,1995)、2型神経繊維腫症の遺伝子座を
含有するヒト第22染色体の領域(Frazerら、Genomics 14:574-585,1992)なら
びに第5染色体の長腕上の13個の遺伝子座(Warringtonら、Genomics 11:701-7
08, 1991)の高分解能全ゲノム放射性ハイブリッドマップが作製されている。
【0372】 実施例44 (PCR技術を使用するヒト染色体に対するEST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントのマッ
ピング) PCRに基づく方法論を使用して、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントをヒト染色体
に対して割り当てることができる。そのようなアプローチでは、EST関連核酸
、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントの
フラグメントからオリゴヌクレオチドプライマー対を設計して、イントロンを介
して増幅する可能性を最小限にする。好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマ
ーの長さは18〜23bpであり、PCR増幅のために設計される。既知の配列
からPCRプライマーを作成するのは当業者に周知である。PCR技術の概要に
ついては、Erlich, PCR Technology, Principles and Applications for DNA Am
plification, 1992, W.H.Freeman and Co., New York を参照のこと。
【0373】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてプライマーを使用し、全ヒトゲノム
DNAからテンプレートを増幅する。PCR条件は以下の通りである:60ng
のゲノムDNAをPCRのテンプレートとして使用し、80ngのそれぞれのオ
リゴヌクレオチドプライマー、0.6単位のTaqポリメラーゼ、および1μC
uの32P標識デオキシシチジン三リン酸を伴う。PCRは、マイクロプレートサ
ーモサイクラー(Techne)において、以下の条件で行う:94℃、1.4
分間;55℃、2分間;および72℃、2分間の30サイクル;72℃で10分
間の最終伸長。増幅産物を6%ポリアクリルアミド配列決定用ゲル上で分析し、
オートラジオグラフィーで可視化する。得られるPCR産物の長さが、プライマ
ーが誘導された5’ESTにおけるプライマー配列の末端間の距離と同一であれ
ば、ヒト−げっ歯類体細胞ハイブリッドの2つのパネル、BIOS PCRab
le DNA(BIOS Corporation)およびNIGMSヒト−げ
っ歯類体細胞ハイブリッドマッピングパネルナンバー1(NIGMS,Camd
en,NJ)由来のDNAテンプレートでPCR反応を繰り返す。
【0374】 PCRを使用して、ヒト染色体の規定された組を含有する一連の体細胞ハイブ
リッド細胞株を、所定の5’ESTの存在を対象にスクリーニングする。体細胞
ハイブリッドからDNAを単離し、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグ
メント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント由来のプライマ
ー対を使用するPCR反応のための開始テンプレートとして使用する。EST関
連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントに対応するヒト遺伝子を含有する染色体を有するそれらの体
細胞ハイブリッドのみが、増幅されたフラグメントを生じる。体細胞ハイブリッ
ドDNAテンプレート由来のPCR産物の分離パターンを分析することによって
、5’ESTsを染色体に対して割り当てる。増幅されたフラグメントを生じる
全ての細胞ハイブリッドに存在する単一のヒトゲノムは、EST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントを含有する染色体である。体細胞遺伝子のマッピング実験から生じる技術
およびその結果の分析の概要については、Ledbetterら、Genomics 6:475-481(199
0)を参照のこと。
【0375】 あるいは、以下の実施例45に示されるように、FISHを用いてEST関連
核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントを個々の染色体にマッピングしてもよい。
【0376】 実施例45 (蛍光in situハイブリダイゼーションを用いる染色体に対するEST関
連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメントのマッピング) 蛍光in situハイブリダイゼーションにより、所定の染色体の特定の位
置に対してEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントをマッピングすることができる。蛍光i
n situハイブリダイゼーション技術のために使用すべき染色体は、細胞培
養物、組織、または全血を含む様々な供給源から得ることができる。
【0377】 好ましい実施形態において、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの染色体局在化は、
Cherifら(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87
:6639−6643, 1990)に記載のFISHにより得られる。中期の
染色体をフィトヘマグルチニン(PHA)−刺激血液細胞供与体から調製する。
健常男性由来のPHA−刺激リンパ球を、RPMI−1640培地で72時間培
養する。同調のために、メトトレキセート(10μM)を17時間添加し、続い
て、5−ブロモデオキシウリジン(5−BrdU、0.1mM)を6時間添加す
る。細胞を回収する前に、コルセミド(1μg/ml)を最後の15分間添加す
る。細胞を回収し、RPMIで洗浄して、KCl(75mM)の低張溶液と共に
37℃で15分間インキュベートし、メタノール:酢酸(3:1)を3回取り替
えて固定する。細胞懸濁物をスライドガラス上に滴下し、風乾する。EST関連
核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントを、製造者(Bethesda Research Laboratories, Bethesda, MD
)の説明書に従い、ビオチン−16dUTPでニックトランスレーションにより
標識し、Sephadex G-50カラム(Pharmacia, Upsala, Sweden)を用いて精製し、沈殿 させる。ハイブリダイゼーションの直前に、DNAのペレットをハイブリダイゼ
ーション緩衝液(50%ホルムアミド、2×SSC、10%デキストラン硫酸、
1mg/ml超音波処理サケ精子DNA、pH7)に溶解し、プローブを70℃
で5〜10分間変性させる。
【0378】 −20℃に保たれたスライドをRNase A(100μg/ml)により3
7℃で1時間処置し、2×SSCで3回濯いで、エタノール系列で脱水する。染
色体調製物を70%ホルムアミド、2×SSC中、70℃で2分間変性させ、次
いで4℃で脱水する。スライドをプロテイナーゼK(20mM Tris−HC
l中10μg/100ml、2mM CaCl2)により、37℃で8分間処置
し、脱水する。プローブを含有するハイブリダイゼーション混合物をスライド上
に配置し、カバーガラスで覆い、ゴム糊で封をして湿式チャンバにおいて37℃
で1晩インキュベートする。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーシ
ョン後の洗浄後、ビオチン化されたプローブをアビジン−FITCで検出し、ビ
オチン化ヤギ抗アビジンおよびアビジン−FITCの更なる層で増幅する。染色
体局在化のために、前記のように蛍光Rバンドを得る(Cherifら、前掲)
。LEICA蛍光顕微鏡(DMRXA)下でスライドを観察する。染色体をヨウ
化プロピジウム(propidium iodide)で対比染色し、蛍光Rバ
ンド染色体の両染色分体(赤色)上に2つの対称性の黄緑色のスポットとしてプ
ローブの蛍光シグナルが出現する。従って、特定のEST関連核酸、EST関連
核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
は、所定の染色体上の特定の細胞遺伝子的Rバンドに局在化し得る。
【0379】 一旦、上記の実施例41〜43に記載の技術を使用して、EST関連核酸、E
ST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラ
グメントが特定の染色体に対して割り当てられると、それらを利用して、それら
が局在する染色体の高分解能マップを構築するかまたはサンプル中の染色体を同
定することができる。
【0380】 実施例46 (染色体マップを構築または拡大するためのEST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用
) 上記のように、染色体マッピングは特定の染色体に所定の特異な配列を割り当
てることが必要である。一旦特異な配列が所定の染色体にマッピングされると、
該特異な配列は同じ染色体上に位置する他の特異な配列と比較して配置される。
染色体マッピングに対する1つのアプローチは、EST関連核酸、EST関連核
酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントが
得られる生物の染色体由来の数千もの長いインサートを有する一連の酵母人工染
色体(YAC)を利用する。本アプローチについては、Ramaiah Nagarajaら、Gen
ome Research 7:210-222,March1997に記載されている。簡単に説明すると、本
アプローチでは、それぞれの染色体を、重複するフラグメントに切断して、YA
Cベクターに挿入する。PCRまたは他の方法を用いてYACインサートをスク
リーニングして、それらが位置を決定しようとするEST関連核酸、EST関連
核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
を含むかどうかを決定する。一旦、5’ESTを含むインサートが見つかると、
該インサートをPCRまたは他の方法を用いて分析し、該インサートが、染色体
上に、またはEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST
関連核酸の位置セグメントのフラグメントを誘導した領域内に存在することが知
られている他の配列を含有するかどうかを決定する。この過程はYACライブラ
リー内のそれぞれのインサートについて反復して、もう1つの既知の染色体マー
カーおよび他の既知の染色体マーカーに対するそれぞれのEST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントの相対的な位置を決定することができる。本方法では、生物のそれぞれの
染色体に沿った多くの特異なマーカーの分布についての高分解能マップを得るこ
とができる。
【0381】 以下の実施例45に記載のように、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを使用して、
遺伝性疾患または薬物応答などの特定の表現型に関連する遺伝子を同定すること
もできる。
【0382】 3. 遺伝子同定におけるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、
またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用 実施例47 (遺伝性疾患または薬物応答に関連する遺伝子の同定) 本実施例は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントと特定の表現型特性との関連性につ
いて有用なアプローチを例示する。本実施例では、特定のEST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントを試験プローブとして使用し、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントと特定の表現
型特性とを結びつける。
【0383】 実施例41および42に記載の技術または他の当該分野において公知の技術な
どの技術を使用して、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、また
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントをヒト染色体上の特定の位置
に対してマッピングする。A search of Mendelian Inheritance in Man(V.McKus
ick in Mendelian Inheritance in Man)(Johns Hopkins University Welch Medi
cal Libraryを介してオンラインで入手可能)は、EST関連核酸、EST関連
核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
を含有するヒト染色体の領域が、いくつかの公知の遺伝子および遺伝子が同定さ
れていないいくつかの疾患または表現型を含有する非常に遺伝子の多い領域であ
ることを示している。従って、このEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグ
メント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントに対応する遺伝
子は、これらのそれぞれの遺伝子疾患についての直接的候補となる。
【0384】 これらの疾患または表現型を有する患者由来の細胞を単離し、培養で増殖させ
る。EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメント由来のPCRプライマーを使用して、患者から
得たゲノムDNA、mRNAまたはcDNAをスクリーニングする。患者におい
てEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントが増幅しない場合、該配列は更なる分析によって
特定の疾患と関連性があると見なすことができる。あるいは、PCR分析は、サ
ンプルが健常な個体から誘導される場合よりも、サンプルが疾患に関連する表現
型を有する個体から誘導される場合に様々な長さのフラグメントを生じ、このこ
とはEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントを含有する遺伝子が遺伝子疾患の原因である可
能性を示す。
【0385】 (VII. ベクターを構築するためのEST関連核酸、EST関連核酸の位置
セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用)
【0386】 本発明のEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントを使用して、ベクター内の遺伝子により
コードされるタンパク質の分泌を指令し得る分泌ベクターを構築することもでき
る。そのような分泌ベクターは、所望のタンパク質を精製または富化しなければ
ならないバックグランドのタンパク質の数を減少することによって、ベクターに
挿入された遺伝子によりコードされるタンパク質の精製または富化を容易にする
ことができる。例示的な分泌ベクターについては以下の実施例48に記載する。
【0387】 (1. 分泌ベクターの構築) 実施例48 (分泌ベクターの構築) 本発明の分泌ベクターは、目的の宿主細胞、組織、または生物において遺伝子
の発現を指令することができるプロモーターを含む。そのようなプロモーターと
しては、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、SV40プロモーター、ヒトサイト
メガロウイルスプロモーター、および当業者によく知られている他のプロモータ
ーが挙げられる。
【0388】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントのいずれか1つに由来のシグナル配列は、プロモ
ーターから転写されるmRNAがシグナルペプチドの翻訳を指令するように、プ
ロモーターに機能し得る形で連結している。好ましくは、シグナル配列は、配列
番号24〜811の核酸のうちの1つである。宿主細胞、組織、または生物は、
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントのシグナル配列によりコードされるシグナルペプチ
ドを認識する任意の細胞、組織、または生物であり得る。適切な宿主としては、
哺乳動物の細胞、組織もしくは生物、鳥類の細胞、組織もしくは生物、昆虫の細
胞、組織もしくは生物、または酵母が挙げられる。
【0389】 さらに、分泌ベクターは、分泌されるべきタンパク質をコードする遺伝子を挿
入するためのクローニング部位を含む。クローニング部位は、シグナルペプチド
が、挿入された遺伝子によりコードされるタンパク質に融合している融合タンパ
ク質が、プロモーターより転写されるmRNAから発現されるように、シグナル
配列とインフレームの挿入遺伝子のクローニングを容易にする。シグナルペプチ
ドは融合タンパク質の細胞外分泌を指令する。
【0390】 分泌ベクターはDNAまたはRNAであってもよく、宿主の染色体に組み込ま
れていてもよいし、宿主の染色体外レプリコンとして安定に維持されていてもよ
いし、人工染色体であってもよいし、または宿主内に一過的に存在していてもよ
い。好ましくは、分泌ベクターは各宿主細胞の複数のコピー中に維持される。本
明細書において使用する、「複数のコピー」とは、1つの細胞に対する少なくと
も2,5,10,20,25,または50のコピーを意味する。一部の実施形態
において、複数のコピーは染色体外的に維持される。他の実施形態において、複
数のコピーは染色体配列の増幅によって生ずる。
【0391】 分泌ベクターの用途に適切な多くの核酸バックボーンが当業者に公知であり、
レトロウイルスベクター、SV40ベクター、ウシパピローマウイルスベクター
、酵母組込み型プラスミド、酵母エピソームプラスミド、酵母人工染色体、ヒト
人工染色体、P因子ベクター、バキュロウイルスベクター、または宿主に一過的
に導入され得る細菌プラスミドが挙げられる。
【0392】 分泌ベクターはまた、ポリAシグナルが分泌ベクターに挿入される遺伝子の下
流に位置するようにポリAシグナルを含み得る。
【0393】 分泌が所望されるタンパク質をコードする遺伝子を分泌ベクターに挿入した後
、この分泌ベクターを、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラン、エレ
クトロポレーション、リポソーム媒介性トランスエフェクション、ウイルス粒子
を用いて、または裸のDNAとして、宿主の細胞、組織または生物に導入する。
次いで、硫安沈殿、免疫沈降、イムノアフィニティークロマトグラフィー、サイ
ズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、およびHPLCな
どの慣用の技術を使用して、挿入された遺伝子によりコードされるタンパク質を
上清より精製するかまたは富化する。あるいは、分泌されたタンパク質は、更な
る富化を行わずとも意図する目的のために使用することができるように、十分に
富化されたまたは純粋な状態で上清中または宿主の増殖培地中に存在してもよい
【0394】 シグナル配列はまた、遺伝子治療のために設計されたベクターに挿入してもよ
い。そのようなベクターでは、シグナル配列は、プロモーターから転写されるm
RNAがシグナルペプチドをコードするように、プロモーターに機能し得る形で
連結される。クローニング部位は、シグナル配列の下流に配置して、分泌が所望
されるタンパク質をコードする遺伝子が容易にベクターに挿入され、シグナル配
列に融合され得るようにする。ベクターを適切な宿主細胞に導入する。プロモー
ターから発現されるタンパク質は細胞外に分泌され、それによって、治療効果を
呈する。
【0395】 実施例49 (融合ベクター) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントは、キメラポリペプチドの発現のための融合ベク
ターを構築するのに用いることができる。キメラポリペプチドは、第1のポリペ
プチド部分と第2のポリペプチド部分とを含む。本発明の融合ベクターにおいて
、第1のポリペプチド部分をコードする核酸と第2のポリペプチド部分をコード
する核酸とが互いにインフレームにおいて結合することによって、キメラポリペ
プチドをコードする核酸が生ずる。キメラポリペプチドをコードする核酸は、キ
メラポリペプチドをコードするmRNAの発現を指令するプロモーターに機能し
得る形で連結されている。このプロモーターは、実施例21および48に記載さ
れるものを含む本明細書に記載される発現ベクターのいずれにあってもよい。
【0396】 好ましくは、融合ベクターは各宿主細胞の複数のコピー中に維持される。一部
の実施形態において、複数のコピーは染色体外的に維持される。他の実施形態に
おいて、複数のコピーは染色体配列の増幅によって生ずる。
【0397】 第1のポリペプチド部分は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメン
ト、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによってコードされ
るポリペプチドのいずれを含んでいてもよい。一部の実施形態において、第1の
ポリペプチド部分は、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラ
グメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメント、またはEST関連ポリペ
プチドの位置セグメントのフラグメントの1つであってもよい。
【0398】 第2のポリペプチド部分は、目的のポリペプチドであればいずれを含んでいて
もよい。一部の実施形態において、第2のポリペプチド部分は、グリーン蛍光タ
ンパク質やβガラクトシダーゼのような検出可能な酵素活性を有するポリペプチ
ドを含んでいてもよい。第2のポリペプチド部分が検出可能なポリペプチドを含
んでいるキメラポリペプチドは、第1のポリペプチド部分の細胞内局在化を決定
するのに用いることができる。そのような手順において、キメラポリペプチドを
コードする融合ベクターは、キメラポリペプチドの発現を促進する状況下におい
て宿主細胞に導入される。しかるべき場合には、これらの細胞を、顕微鏡で識別
できる検出剤で処理し、検出可能なポリペプチドと触媒反応させて、この検出剤
の細胞位置を決定する。例えば、検出可能な酵素活性を有するポリペプチドがβ
ガラクトシダーゼである場合、これらの細胞はXガルで処理されてもよい。ある
いは、検出可能なポリペプチドが検出剤を添加せずに直接検出可能である場合、
キメラポリペプチドの細胞内位置は、検出可能なポリペプチドが識別できる状況
下において顕微鏡検査を行うことによって決定される。例えば、検出可能なポリ
ペプチドがグリーン蛍光タンパク質またはそれを改質したものである場合、この
グリーン蛍光タンパク質またはそれを改質したものを発光させるのに適当な波長
を有する光に対してこれらの宿主細胞を露光することによって顕微鏡検査が 行われる。
【0399】 あるいは、第2のポリペプチド部分は、単離、精製または富化が所望されるポ
リペプチドを含んでいてもよい。そのような実施形態において、第2のポリペプ
チド部分の単離、精製または富化は、それが結合している第1のポリペプチド部
分に対する抗体を有するイムノアフィニティーカラムを用いて以下に記載される
イムノアフィニティークロマトグラフィー法を実施することによって達成されて
もよい。
【0400】 実施例50に記載のように、サンプルが誘導される組織タイプまたは細胞種を
同定するために、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコードされるタンパク質、あ
るいはEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、ES
T関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグ
メントのフラグメントを使用して、本明細書に記載の抗体を作製することもでき
る。
【0401】 実施例50 (標識組織特異的抗体による組織型または細胞種の同定) 検出可能なマーカーに直接的または間接的に結合した、本明細書に記載の抗体
調製物によって組織特異的抗原を可視化することによって、特異的な組織の同定
が達成される。選択された標識抗体種は、組織切片、細胞懸濁物、または組織サ
ンプル由来の可溶性タンパク質抽出物におけるそれらの特異的抗原結合パートナ
ーに結合して、定量的または半定量的解釈のためのパターンを提供する。
【0402】 これらの手順のための抗血清は、ネイティブな調製物の効力を超える効力を有
さなければならない。このため、抗体は、γグロブリン画分を単離することによ
って、例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたは硫安分画によってmg/m
lレベルに濃縮される。また、最も特異的な抗血清を提供するために、抗体をマ
ーカーで標識する前に、例えば、不溶性免疫吸着剤によって、γグロブリン画分
から、例えば、一般的なタンパク質に対する所望されない抗体を除去しなければ
ならない。モノクローナル抗血清または異種抗血清のいずれも、いずれの手順に
適切である。
【0403】 (1. 免疫組織化学技術) 上記のように調製した精製された高力価の抗体を、例えば、Fudenberg、H.、Bas
ic 503 Clinical Immunology、3版、26章、3版、Lange, Los Altos編,California(19
80)、またはRoseら、Methods in Immunodiagnosis、2版、12章、2版、John Wiley and
Sons編、New York(1980)に記載のように検出可能なマーカーに結合する。
【0404】 蛍光マーカーであるフルオレセインまたはローダミンのいずれかが好ましいが
、基質との発色反応を支持する西洋ワサビペルオキシダーゼなどの酵素で抗体を
標識することもできる。以下に記載のように、第2のステップにおいて組織結合
抗体にマーカーを添加することもできる。あるいは、特異的抗組織抗体をフェリ
チンまたは他の電子高密度粒子で標識し、電子顕微鏡で抗原−抗体複合体に結合
したフェリチンの局在を調べることができる。もう1つのアプローチでは、抗体
を例えば125Iで放射性標識し、抗体処理調製物を写真乳剤で覆うことによって
検出する。
【0405】 手順を実施するための調製物は、組織型、例えば、脳組織に対して特異的であ
ると同定される単一のタンパク質またはペプチドに対するモノクローナルまたは
ポリクローナル抗体を含むことができるか、あるいはいくつかの抗原性が異なる
組織特異的抗原に対する調製物はは、パネル内で、必要であれば独立してまたは
混合物で使用することができる。
【0406】 一般的な組織学的技術により、免疫組織化学的試験のための組織切片および細
胞懸濁物を調製する。未知の組織および既知の対照の複数のクリオスタット切片
(約4μm、未固定)をマウントし、それぞれのスライドを異なる希釈の抗体調
製物で覆う。既知および未知の組織の切片はまた、陽性対照、陰性対照、例えば
、前免疫血清、および非特異的染色に対する対照、例えば、緩衝液を提供する調
製物で処置されなければならない。
【0407】 処理された切片を湿式チャンバで30分間室温でインキュベートし、濯ぎ、次
いで、30〜40分間、緩衝液で洗浄する。過度の液を滴り落として除き、マー
カーを展開する。
【0408】 組織特異的抗体を第1のインキュベーションで標識しなかった場合、この時点
で、該抗体は、第2の抗体−抗体反応、例えば、抗血清産生種の免疫グロブリン
クラスに対するフルオレセインまたは酵素結合抗体、例えば、マウスIgGに対
するフルオレセイン標識抗体を添加することによって標識することができる。そ
のような標識血清は市販されている。
【0409】 上記の手順によって組織において見出される抗原を、組織切片上の色または蛍
光の強度を測定することによって、および適切な標準を用いてシグナルを較正す
ることによって定量することができる。
【0410】 (2. 組織特異的可溶性タンパク質の同定) 組織特異的タンパク質の可視化および該手順に由来する未知の組織の同定を、
免疫組織化学について記載された標識抗体試薬および検出戦略を使用して行うが
、サンプルを電気泳動技術に従って調製し、検出のために分子量に基づいて規則
的なアレイに、順序で組織から抽出されたタンパク質を分配する。
【0411】 Virtis装置を用いて、組織サンプルをホモジナイズする。Dounce
ホモジナイゼーションまたは浸透圧溶解により細胞懸濁物を破壊するが、いずれ
の場合でも、細胞膜を破壊するのに必要であって当該分野において慣例となって
いる界面活性剤を使用する。核、ミクロソーム、および膜フラグメントなどの不
溶性の細胞成分を、超遠心分離によって除去し、必要であれば、可溶性のタンパ
ク質を含有する画分を濃縮して、分析のために保存する。
【0412】 例えば、Davis, L.ら、Basic Methods in Molecular Biology、19-2節(P.Leder
編),Elsevier, New York(1986)に記載の従来のSDSポリアクリルアミド電気
泳動によって、サンプル中で検出しようとするタンパク質の全分子量範囲を分離
する範囲の量のポリアクリルアミドゲルを1組のゲルに使用して、可溶性タンパ
ク質のサンプルを個々のタンパク質種に分離する。構成タンパク質の分子量を見
積もる目的で、平行してサイズマーカーを泳動させる。分析のためのサンプルの
サイズは5〜55μlの簡便な容量で、約1〜100μgのタンパク質を含有す
る。ニトロセルロースフィルター紙にブロットすることによって、分離されたタ
ンパク質のそれぞれのアリコートを移し、この過程では分離のパターンは維持さ
れている。複数のコピーを調製する。ウエスタンブロット分析として知られる手
順については、Davis, L.ら、前掲、19−3節に詳細に記載されてい
る。ニトロセルロースブロットの1つの組をクーマシーブルー染料で染色して、
抗体に結合したタンパク質と比較するために全てのタンパク質の組を可視化する
。次いで、残りのニトロセルロースフィルターを、実施例20および33に記載
のように調製した組織特異的タンパク質に対する1以上の特異的抗血清の溶液と
共にインキュベートする。本手順では、上記の手順Aにおけるように、適切な陽
性および陰性サンプルならびに試薬対照を泳動する。
【0413】 上記手順のいずれにおいても、様々な戦略およびそれらの並べ替えに従って、
検出可能な標識を1次組織抗原−1次抗体複合体に付着させることができる。簡
潔なアプローチでは、1次特異的抗体を標識することができる。あるいは、非標
識複合体を、標識された2次抗IgG抗体に結合させることができる。他のアプ
ローチでは、1次抗体または2次抗体のいずれかをビオチン分子に結合させる。
該ビオチン分子は、その後のステップにおいて、アビジン結合マーカーと結合す
る。もう1つの戦略によれば、酵素標識または放射性プロテインAは任意のIg
Gと結合する特性を有し、最終ステップで1次抗体または2次抗体のいずれかと
結合する。
【0414】 実施例51 (ポリペプチドの免疫組織化学的局在化) 上記で本明細書に記載されるように調製された抗体は、ポリペプチドの細胞位
置を決定するのに用いられてもよい。このポリペプチドは、EST関連核酸、E
ST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントによりコードされるポリペプチドであればいずれでもよく、あるいは、こ
のポリペプチドは、EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグ
メント、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチ
ドの位置セグメントのフラグメントの1つでよい。一部の実施形態において、こ
のポリペプチドは、実施例49の融合ベクターによってコードされるもののよう
なキメラポリペプチドでもよい。
【0415】 局在化されるポリペプチドを発現する細胞を顕微鏡のスライドに載せ、Curren
t Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc. 1997 に記載
される方法のような免疫組織化学的局在化法に一般的に用いられる任意の手順を
用いて固定する。洗浄ステップの後に、これらの細胞を抗体と接触させる。一部
の実施形態において、この抗体は、前述のように、検出可能なマーカーに結合し
ており、検出を容易にしている。あるいは、一部の実施形態において、上記細胞
を局在化されるポリペプチドに対する抗体と接触させた後に、検出可能なマーカ
ーに結合している2次抗体を入れて、前記局在化されるポリペプチドに対する抗
体と接触させる。
【0416】 その後に、ポリペプチドの細胞位置を可視化するのに適切な条件下で顕微鏡検
査を行う。
【0417】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントによりコードされるポリペプチドに対するあるいは
EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連
ポリペプチドの位置セグメント、またはEST関連ポリペプチドの位置セグメン
トのフラグメントに対する1つ以上の組織特異的抗体に結合する組織特異的抗原
を、対照組織で見られるレベルを超えるレベルで可視化すると、未知の起源の組
織、例えば、法医学的サンプル、または他所の身体部位に転移した分化型腫瘍組
織を同定することができる。
【0418】 また、本明細書に記載の抗体は、下記のイムノアフィニティークロマトグラフ
ィー法において、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコードされるポリペプチドを
単離、精製または富化するために、あるいはEST関連ポリペプチド、EST関
連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまた
はEST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメントを単離、精製または
富化するために用いられてもよい。また、下記のイムノアフィニティークロマト
グラフィー法は、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコードされるポリペプチドに
結合したポリペプチドを単離、精製または富化するために、あるいはEST関連
ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチ
ドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメ
ントに結合したポリペプチドを単離、精製または富化するために用いられてもよ
い。
【0419】 実施例52 (イムノアフィニティークロマトグラフィー) 上記のように調製された抗体を支持体に結合させる。好ましくは、これらの抗
体はモノクローナル抗体であるが、ポリクローナル抗体を使用してもよい。前記
支持体は、例えばセファロース(Sepharose)CL−4B(Pharmacia,
Piscataway,NJ)、セファロースCL−2B(Pharmacia,Piscataway,NJ)、アフ
ィ−ゲル(Affi−gel)10(Biorad,Richmond,CA)またはガラスビード
などの、イムノアフィニティークロマトグラフィーにおいて一般的に利用される
もののいずれでもよい。
【0420】 これらの抗体は、例えば臭化シアンのような、イムノアフィニティークロマト
グラフィーにおいて一般的に利用される任意のカップリング剤を用いて支持体に
結合されてもよい。抗体を支持体に結合させた後に、この支持体を、単離、精製
または富化が所望される標的ポリペプチドを含有するサンプルと接触させる。こ
の標的ポリペプチドは、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコードされるポリペプ
チドでもよいし、あるいはEST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドの
フラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはEST関連ポリ
ペプチドの位置セグメントのフラグメントの1つでもよい。また、この標的ポリ
ペプチドは、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントによりコードされるポリペプチドに結合
したポリペプチドでもよいし、あるいは前述の融合ベクターを用いたEST関連
ポリペプチド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチ
ドの位置セグメントまたはEST関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメ
ントに結合したポリペプチドでもよい。
【0421】 好ましくは、上記サンプルは、標的ポリペプチドの少なくとも50%を支持体
と結合した抗体に対して特異的に結合させるのに十分な時間と適切な条件下にお
いて、前記支持体と接触するように配置される。
【0422】 その後に、この支持体を適切な洗浄液で洗浄し、この支持体に非特異的に付着
したポリペプチドを除去する。この洗浄液は、例えばPBS、トリス−塩化リチ
ウム緩衝液(0.1Mリジン塩基および0.5M塩化リチウム、pH8.0)、
トリス−塩酸塩緩衝液(0.05Mトリス−塩酸塩、pH8.0)、またはトリ
ス/トリトン/塩化ナトリウム緩衝液(50mMトリス.cl、pH8.0また
は9.0、0.1%トリトンX−100、および0.5MNaCl)のような、
イムノアフィニティークロマトグラフィーにおいて一般的に利用されるものであ
ればいずれでもよい。
【0423】 洗浄後、特異的に結合した標的ポリペプチドを、イムノアフィニティークロマ
トグラフィーにおいて一般的に利用される高pHまたは低pH溶離溶液を用いて
支持体から溶離させる。特に、この溶離溶液は、トリエタノールアミン、ジエチ
ルアミン、塩化カルシウム、チオシアン酸ナトリウム、臭化カリウム、酢酸、ま
たはグリシンのような溶離液を含有していてもよい。一部の実施形態において、
この溶離溶液は、トリトンX−100またはオクチル−β−D−グルコシドのよ
うな界面活性剤を含有していてもよい。
【0424】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントを使用して、遺伝子の発現を調節することができる
5’ESTの上流に位置する配列をクローニングしてもよく、そのような配列と
しては、プロモーター配列、エンハンサー配列、および転写レベルまたは翻訳レ
ベルに影響を及ぼす他の上流配列が含まれる。一旦同定されてクローニングされ
たら、これらの上流調節配列は、所望の空間的、時間的、発生的または量的様式
で挿入遺伝子の発現を指令するように設計された発現ベクターにおいて使用する
ことができる。実施例51では、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメ
ントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの上流にある配列を
クローニングするための方法について説明する。
【0425】 (2.プロモーター活性または調節活性を有する上流配列の同定) 実施例53 (ゲノムDNA由来の上流配列をクローニングするためのEST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメ
ントの使用) 染色体歩行技術を用い、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントま
たはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントから誘導される配列を使用
して、相当する遺伝子のプロモーターを単離することができる。Clontec
hより販売されているGenome Walker(登録商標)キットを利用す
る1つの染色体歩行技術では、5つの完全なゲノムDNAサンプルのそれぞれを
、6塩基の認識部位を有し、かつ平滑末端を生じる異なる制限酵素で消化する。
消化後、オリゴヌクレオチドアダプタを、得られたゲノムDNAフラグメントの
両末端に連結する。
【0426】 5つのゲノムDNAライブラリーのそれぞれについて、キットに付属している
外側アダプタプライマーおよび外側遺伝子特異的プライマーを使用して、製造者
の説明書(引用により本明細書に組み入れる)に従って第1のPCR反応を実施
する。遺伝子特異的プライマーは、目的の5’ESTに特異的であるように選択
されるべきであり、かつ、PCR反応での該プライマーの使用に適合する融解温
度、長さ、およびEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントにおける位置を有するべきである。
それぞれの第1のPCR反応物は、50μlの全容量中に、5ngのゲノムDN
A、5μlの10×Tth反応緩衝液、0.2mMの各種dNTP、外側アダプ
タプライマーおよび外側遺伝子特異的プライマーをそれぞれ0.2μM、1.1
mMのMg(OAc)2、および1μlのTthポリメラーゼ50×ミックスを
含有する。第1のPCR反応の反応サイクルは以下の通りである:1分間−94
℃/2秒間−94℃、3分間−72℃(7サイクル)/2秒間−94℃、3分間
−67℃(32サイクル)/5分間−67℃。
【0427】 第1のPCR反応の産物を希釈し、第1のPCR反応から生じるアンプリコン
の内部に位置するネステッドプライマーの対を用い、製造業者の説明書に従った
第2のPCR反応のテンプレートとして使用する。例えば、第1のPCR反応混
合物の5μlの反応産物を180倍に希釈してもよい。ネステッドプライマーを
使用すること以外は第1のPCR反応の組成と同一の組成を有する50μlの容
量で反応を行う。第1のネステッドプライマーは、アダプターに特異的であり、
Genome Walker(登録商標)キットに付属している。第2のネステ
ッドプライマーは、該プロモーターをクローニングしようとする特定のEST関
連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメン
トのフラグメントに特異的であり、かつ、PCR反応における使用に適合する融
解温度、長さ、および該EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまた
はEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント中での位置を有するべきであ
る。第2のPCR反応の反応パラメータは以下の通りである:1分間−94℃/
2秒間−94℃、3分間−72℃(6サイクル)/2秒間−94℃、3分間−6
7℃(25サイクル)/5分間−67℃。第2のPCR反応の産物を標準的な技
術を用いて精製し、クローニングし、配列決定する。
【0428】 あるいは、2種以上の制限酵素を用いることによって、2種以上のヒトゲノム
DNAライブラリーを構築することができる。消化されたゲノムDNAを、一本
鎖、環状、または鎖状DNAに変換可能なベクターにクローニングする。EST
関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメ
ントのフラグメント配列由来の少なくとも10、12、15、18、20、23、
25、27、30、35、40、または50個のヌクレオチドを含むビオチン化
オリゴヌクレオチドを、一本鎖DNAにハイブリダイズさせる。ビオチン化オリ
ゴヌクレオチドとEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはES
T関連核酸の位置セグメントのフラグメントを含む一本鎖DNAとのハイブリッ
ドを、上記のように単離する。その後、そのEST関連核酸、EST関連核酸の
位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを含有す
る一本鎖DNAをビーズから放出させ、EST関連核酸、EST関連核酸の位置
セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントに特異的なプ
ライマーまたはクローニングベクターに含まれる配列に対応するプライマーを使
用し、二本鎖DNAに変換する。得られる二本鎖DNAを細菌に形質転換する。
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置
セグメントのフラグメントを含有するcDNAを、コロニーPCRまたはコロニ
ーハイブリダイゼーションによって同定する。
【0429】 上記のように上流ゲノム配列をクローニングし配列決定したら、該上流配列内
の予期されるプロモーターおよび転写開始部位は、EST関連核酸、EST関連
核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの
上流にある配列を、既知の転写開始部位、転写因子結合部位またはプロモーター
配列を含有するデータベースと比較することによって同定することができる。
【0430】 さらに、実施例54に記載のようにして、プロモーターレポーターベクターを
使用して、上流配列内のプロモーターを同定することができる。
【0431】 実施例54 (クローニングされた上流配列におけるプロモーターの同定) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントの上流のゲノム配列を、例えばpSEAP−Bas
ic、pSEAP−Enhancer、pβgal−Basic、pβgal−
Enhancer、またはClontechより市販されているpEGFP−1
プロモーターレポーターベクターなどの適切なプロモーターレポーターベクター
にクローニングする。簡単に説明すると、これらのプロモーターレポーターベク
ターのそれぞれは、分泌型アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼ、また
はグリーン蛍光タンパク質などの容易にアッセイをすることができるタンパク質
をコードするレポーター遺伝子の上流に位置する多重クローニング部位を含む。
EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置
セグメントのフラグメントの上流の配列を、レポーター遺伝子の上流のクローニ
ング部位に両方向で挿入し、適切な宿主細胞に導入する。レポータータンパク質
のレベルをアッセイし、クローニング部位にインサートがないベクターから得ら
れるレベルと比較する。対照のベクターと比較して、インサートを含有するベク
ターの発現レベルの上昇が認められれば、インサートにプロモーターが存在する
ことになる。必要であれば、上流配列を、弱いプロモーター配列からの転写レベ
ルを増大させるためのエンハンサーを含有するベクターにクローニングすること
もできる。インサートを含まないベクターの場合に認められる上記の発現の有意
なレベルは、プロモーター配列が挿入上流配列に存在することを示す。
【0432】 プロモーターレポーターベクターに適切な宿主細胞は、EST関連核酸、ES
T関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメ
ントの発現パターンの上記の判定の結果に基づいて選択することができる。例え
ば、発現パターンの分析から、特定のEST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントに対応するmR
NAが繊維芽細胞において発現されることが示された場合、プロモーターレポー
ターベクターをヒト繊維芽細胞系に導入することができる。
【0433】 上流ゲノムDNA内のプロモーター配列は、エキソヌクレアーゼIII消化な
どの慣用の技術を使用して、上流DNAにおいてネステッド欠失を構築すること
によって、さらに明確化することができる。得られる欠失フラグメントをプロモ
ーターレポーターベクターに挿入して、その欠失がプロモーター活性を低下させ
るかまたは失わせるかどうかを判定することができる。このようにして、プロモ
ーターの境界を規定することができる。所望であれば、プロモーター内の潜在的
な転写因子結合部位を除去するための部位特異的突然変異誘発もしくはリンカー
スキャニングを単独または組合せて使用して、プロモーター内の潜在的な個々の
調節部位を同定してもよい。プロモーターレポーターベクターのクローニング部
位に変異を挿入することによって、転写レベルに対するこれらの変異の効果を決
定することができる。
【0434】 実施例55 (プロモーターのクローニングおよび同定) 5’ESTを用いた上記の実施例51に記載の方法を用いて、いくつかの遺伝
子の上流の配列を得た。プライマー対GGG AAG ATG GAG ATA
GTA TTG CCT G(配列番号15)およびCTG CCA TGT
ACA TGA TAG AGA GAT TC(配列番号16)を使用し、
内部呼称P13H2(配列番号17)を有するプロモーターを得た。
【0435】 プライマー対GTA CCA GGGG ACT GTG ACC ATT
GC(配列番号18)およびCTG TGA CCA TTG CTC CCA
AGA GAG(配列番号19)を使用して、内部呼称P15B4(配列番号
20)を有するプロモーターを得た。
【0436】 プライマー対CTG GGA TGG AAG GCA CGG TA(配列
番号21)およびGAG ACC ACA CAG CTA GAC AA(配
列番号22)を使用して、内部呼称P29B6(配列番号23)を有するプロモ
ーターを得た。
【0437】 図4は、単離されたプロモーターの概略図および対応する5’タグでそれらを
組み立てる方法を示す。コンピュータプログラムMatInspectorリリ
ース2.0(1996年8月)を使用して、転写因子結合部位または既知の転写
開始部位に類似するモチーフの存在に基づいて、上流配列をスクリーニングした
【0438】 図5は、これらのプロモーターのそれぞれに存在する転写因子結合部位を示し
ている。「マトリックス」と書いた欄は、使用したMatInspectorマ
トリックスの名称を示す。「位置(position)」と書いた欄は、プロモ
ーター部位の5’位を示す。配列の番号付けは、ゲノム配列と5’EST配列と
の一致により決定した転写部位から開始する。「配向(orientation
)」と書いた欄は、その部位が見出されたDNA鎖を示し、+鎖は、ゲノム配列
と5’ESTの配列とが一致することで決定されたコード鎖である。「スコア」
と書いた欄は、この部位に対するMatInspectorのスコアを示す。「
長さ」と書いた欄は、部位の長さ(ヌクレオチド単位による)を示す。「配列」
と書いた欄は、見出された部位の配列を示す。
【0439】 上記のプロモーター配列を含有するプラスミドを含有する細菌クローンは、先
に示した内部同定番号で本発明者の研究室に現在保存されている。適切な細菌の
クローンのアリコートを適切な培地で増殖させることによって、寄託物からイン
サートを取り出すことができる。次いで、アルカリ溶解ミニプレップまたは大量
アルカリ溶解プラスミド単離法などの当業者によく知られているプラスミド単離
手順を使用して、プラスミドDNAを単離することができる。所望であれば、塩
化セシウム勾配上での遠心分離、サイズ排除クロマトグラフィー、または陰イオ
ン交換クロマトグラフィーによって、プラスミドDNAをさらに富化してもよい
。次いで、当業者によく知られている標準的なクローニング技術を用いて、これ
らの手順を用いて得られるプラスミドDNAを操作してもよい。あるいは、挿入
されたEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸
の位置セグメントのフラグメントの両末端で設計したプライマーを用いてPCR
を行うことができる。次いで、当業者によく知られている標準的なクローニング
技術を用いて、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST
関連核酸の位置セグメントのフラグメントに対応するPCR産物を操作すること
ができる。
【0440】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントの上流に位置するプロモーターおよび他の調節配列
を使用して、所望の空間的、時間的、発生的または量的様式で挿入遺伝子の発現
を指令し得る発現ベクターを設計することができる。上記の発現分析の結果を使
用して、所望の空間的、時間的、発生的または量的パターンを指令し得るプロモ
ーターを選択することができる。例えば、筋肉において高レベルの発現をもたら
すプロモーターが望まれる場合、筋肉において高レベルで発現されるmRNAか
ら誘導されるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関
連核酸の位置セグメントのフラグメントの上流のプロモーター配列は、上記の方
法で決定されるように、発現ベクターで使用することができる。
【0441】 好ましくは、所望のプロモーターを多重制限部位の付近に配置して、プロモー
ターの下流の所望のインサートのクローニングを容易にし、それによってプロモ
ーターが挿入遺伝子の発現を駆動することができるようにする。染色体外複製、
宿主染色体への組み込みまたは一過性発現のために設計された通常の核酸バック
ボーンにプロモーターを挿入することができる。本発明の発現ベクターの適切な
バックボーンとしては、レトロウイルスのバックボーン、SV40またはウシパ
ピローマウイルスなどの真核生物エピソーム由来のバックボーン、細菌エピソー
ム由来のバックボーン、または人工染色体が挙げられる。
【0442】 好ましくは、この発現ベクターはまた、該発現ベクターに挿入された遺伝子か
ら転写されるmRNAのポリアデニル化を指令するための、多重制限部位の下流
にあるポリAシグナルを含む。
【0443】 プロモーター配列を同定した後、以下の実施例56に記載するようにして、プ
ロモーターと相互作用するタンパク質を同定することができる。
【0444】 実施例56 (プロモーター配列、上流調節配列、またはmRNAと相互作用するタンパク質
の同定) 既知の転写因子結合部位に対する相同性によって、あるいはプロモーター配列
を含有するレポータープラスミドの慣用の変異誘発または欠失分析により、転写
因子に結合しやすいプロモーター領域内の配列を同定することができる。例えば
、アッセイ可能なレポーター遺伝子に機能し得る形で連結した目的のプロモータ
ー配列を含有するレポータープラスミド内に欠失を作製することができる。プロ
モーター領域内に様々な欠失を保有するレポータープラスミドを適切な宿主細胞
にトランスフェクトし、発現レベルに対する欠失の影響を評価する。部位特異的
変異、リンカーリンカースキャニング分析、または当業者によく知られている他
の技術を使用して、欠失により発現レベルが低下する領域内で転写因子結合部位
をさらに局在化することができる。
【0445】 Clontechより市販のMatchmaker One−Hybrid
Systemキット(カタログ番号K1603−1)に添付されている説明書に
記載のシステムのようなワンハイブリッドシステム(one−hybrid s
ystem)を使用して、プロモーター内の配列と相互作用するタンパク質をコ
ードする核酸を同定することができる。簡単に説明すると、Matchmake
r One−Hybrid Systemは以下のようにして使用する。結合タ
ンパク質を同定することが所望される標的配列を、選択レポーター遺伝子の上流
にクローニングし、酵母のゲノムに組み込む。好ましくは、標的配列の複数のコ
ピーをタンデムにレポータープラスミドに挿入する。プロモーターに結合する能
力について評価しようとするcDNAとGAL4などの酵母転写因子の活性化ド
メインとの融合物をから成るライブラリーを、組み込まれたレポーター遺伝子配
列を含有する酵母株へ形質転換する。この酵母を選択培地に蒔き、プロモーター
配列に連結した選択マーカーを発現している細胞を選択する。選択培地上で増殖
するコロニーは、標的配列に結合するタンパク質をコードする遺伝子を含有する
。配列決定することによって、融合タンパク質をコードする遺伝子内のインサー
トをさらに特性化する。さらに、インサートは、発現ベクターかまたはin v
itro転写ベクターに挿入してもよい。インサートによりコードされるポリペ
プチドとプロモーターDNAとの結合は、ゲルシフト分析またはDNAse保護
分析などの当業者によく知られている技術によって確認することができる。
【0446】 (VIII. 遺伝子治療におけるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグ
メントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用) 本発明はまた、以下の実施例57および58に記載のアンチセンスおよび三重
らせん戦略を含む遺伝子治療におけるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セ
グメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの使用を包含す
る。アンチセンスアプローチでは、mRNAに相補的な核酸配列を細胞内でmR
NAにハイブリダイズさせることによって、該mRNAによりコードされるタン
パク質の発現を阻止する。アンチセンス配列は、様々な機構を介して遺伝子の発
現を妨げることができる。例えば、アンチセンス配列は、リボソームがmRNA
を翻訳する能力を阻害することができる。あるいは、アンチセンス配列は、核か
ら細胞質へのmRNAの輸送を阻止して、翻訳に利用可能なmRNAの量を制限
することができる。アンチセンス配列が遺伝子発現を阻害し得るもう1つの機構
は、mRNAのスプライシングを干渉することによるものである。さらにもう1
つの戦略では、標的のmRNAを特異的に切断し得るリボザイムにアンチセンス
核酸を取り込ませることができる。
【0447】 実施例57 (アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製および使用) 遺伝子治療において使用すべきアンチセンス核酸分子は、DNAまたはRNA配
列のいずれであってもよく、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメント
またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントの配列に相補的な配列を
含んでいてもよい。アンチセンス核酸は、二本鎖の状態でmRNAの発現を阻害
するのに十分安定に細胞内二本鎖を形成し得るよう、十分な長さおよび融解温度
を有するべきである。遺伝子治療の用途に適切なアンチセンス核酸を設計するた
めの方法については、Greenら、Ann. Rev. Biochem. 55:569-597(1986)およびIza
ntおよびWeintraub、Cell36:1007-1015(1984)に開示されている。
【0448】 いくつかの方法では、細胞中で正常に転写される鎖とは反対側の鎖を転写する
ように、プロモーターに対してコード領域の配向を逆にすることによって、タン
パク質をコードするヌクレオチド配列からアンチセンス核酸を得る。T7または
SP6ポリメラーゼを使用して転写物を作製する系などのin vitro転写
系を用いて、アンチセンス分子を転写することができる。もう1つのアプローチ
は、アンチセンス配列を含有するDNAを発現ベクターのプロモーターに機能し
得る形で連結することによるin vivoでのアンチセンス核酸の転写に関与
するものである。
【0449】 あるいは、細胞中で正常に転写される鎖に相補的なオリゴヌクレオチドをin
vitroで合成してもよい。従って、アンチセンス核酸は対応するmRNA
に相補的であり、mRNAにハイブリダイズして二本鎖を作製することができる
。一部の実施形態では、アンチセンス配列は、改変された糖リン酸バックボーン
を含有するため安定性が増し、RNase活性に対する該アンチセンス配列の感
受性が低下する。アンチセンス法での使用に適した改変の例については、Rossi
ら、Pharmacol. Ther. 50(2):245-254(1991)に記載されている。
【0450】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントの配列に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド
の様々な型を使用することができる。1つの好ましい実施形態では、国際出願で
あるPCT WO94/23026号に記載の安定および半安定なアンチセンス
オリゴヌクレオチドを使用する。これらの分子では、3’末端または3’および
5’両末端は、相補的な塩基対間の分子内水素結合で結ばれている。これらの分
子はエキソヌクレアーゼの攻撃にさらに耐えることができ、従来のアンチセンス
オリゴヌクレオチドに比べて安定性が向上している。
【0451】 別の好ましい実施形態では、国際出願WO95/04141号に記載の単純ヘ
ルペスウイル1型および2型に対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド
を使用する。
【0452】 さらに別の好ましい実施形態では、国際出願WO96/31523号に記載の
共有結合で架橋されたアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する。これらの二
本鎖または一本鎖オリゴヌクレオチドは、それぞれ1つ以上のオリゴヌクレオチ
ド間またはオリゴヌクレオチド内の共有架橋結合を有し、ここで、該結合は、そ
れぞれ、一方の鎖の第一級アミン基と他方の鎖のカルボキシル基との間のアミド
結合、または同じ鎖の第一級アミン基とカルボキシル基との間のアミド結合から
成り、それぞれ、第一級アミン基は、鎖ヌクレオチドの単糖環の2’位で直接置
換されており、カルボキシル基は、他方の鎖または同じ鎖のヌクレオチドまたは
ヌクレオチド類似体上に置換されている脂肪族スペーサー基によって担持されて
いる。
【0453】 国際出願WO92/18522号に開示のアンチセンスオリゴデオキシヌクレ
オチドおよびオリゴヌクレオチドも使用することができる。これらの分子は分解
に対して安定であり、制御タンパク質に結合する少なくとも1つの転写制御認識
配列を含有するため、そのデコイとして有効である。これらの分子は、「ヘアピ
ン」構造、「ダンベル」構造、「修飾されたダンベル」構造、「架橋された」デ
コイ構造および「ループ」構造を含有し得る。
【0454】 別の好ましい実施形態では、欧州特許出願第0 572 287A2号に記載
の環状二本鎖オリゴヌクレオチドを使用する。これらの連結オリゴヌクレオチド
「ダンベル」は、転写因子のための結合部位を含有し、転写因子を封鎖(seq
uester)することによって、転写因子の制御下にある遺伝子発現を阻害す
る。
【0455】 国際出願WO92/19732号に開示されている閉環型アンチセンスオリゴ
ヌクレオチドの使用も考慮される。該参考文献は参考として援用される。これら
の分子は遊離の末端を持たないため、従来のオリゴヌクレオチドよりもエキソヌ
クレアーゼによる分解に対して耐性が高い。これらのオリゴヌクレオチドは多機
能性であり得、標的mRNAに隣接していない複数の領域と相互作用する。
【0456】 遺伝子の発現を阻害するのに必要なアンチセンス核酸の適切なレベルは、in
vitro発現分析を用いて決定することができる。当該分野において公知の
手順を用いる拡散、注入、感染またはトランスフェクションにより、アンチセン
ス分子を細胞に導入することができる。例えば、アンチセンス核酸を露出したま
たは裸のオリゴヌクレオチド、脂質にカプセル化させたオリゴヌクレオチド、ウ
イルスタンパク質に封入したオリゴヌクレオチド、または発現ベクターに含まれ
るプロモーターに機能し得る形で連結させたオリゴヌクレオチドとして、アンチ
センス核酸を身体に導入することができる。発現ベクターは当該分野において公
知の様々な発現ベクターのいずれであってもよく、レトロウイルスベクターまた
はウイルスベクター、染色体外複製が可能なベクター、または組込みベクターが
挙げられる。ベクターは、DNAであってもよく、RNAであってもよい。
【0457】 アンチセンス分子を、好ましくは1×10-10M〜1×10-4Mの間の多くの
異なる濃度で細胞サンプルに導入する。適切に遺伝子発現を制御することができ
る最小濃度が同定されれば、その最適化用量がin vivoでの使用に適切な
用量と解釈される。例えば、培養物の場合の1×10-7の阻害濃度は約0.6m
g/kg体重の用量と解釈される。100mg/kg体重以上に達するオリゴヌ
クレオチドのレベルは、実験動物でオリゴヌクレオチドの毒性を試験すれば可能
である。脊椎動物から細胞を取り出し、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処置
して、脊椎動物に再導入することもさらに考慮される。
【0458】 アンチセンスオリゴヌクレオチド配列をリボザイム配列に取り込ませ、アンチ
センスを特異的にその標的mRNAに結合させてこれを切断し得るようにするこ
ともさらに考慮される。リボザイムおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドの技
術的適用については、Rossiら(前掲)を参照のこと。
【0459】 本発明の好ましい適用では、翻訳に対するアンチセンス阻害の有効性を監視で
きるように、遺伝子によりコードされるポリペプチドを最初に同定する。監視に
はRIAおよびELISA、機能アッセイ、または放射性標識などの抗体介在性
試験を含む技術が使用されるが、これらに限定されない。
【0460】 EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントを、細胞内三重らせん形成に基づく遺伝子治療に使
用することもできる。三重らせんオリゴヌクレオチドを使用してゲノムからの転
写を阻害する。それらは、細胞活性の変化を研究するのに特に有用である。何故
なら、これは特定の遺伝子に関連するからである。本発明のEST関連核酸、E
ST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグ
メントまたは、より好ましくは、それらの配列の一部は、特定の遺伝子の発現に
関連する疾患を有する個体の遺伝子発現を阻害するために使用することができる
。同様に、EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連
核酸の位置セグメントのフラグメントを使用して、細胞内での特定の遺伝子の転
写を阻害する効果を研究することができる。従来は、ホモプリン配列は三重らせ
ん戦略に最も有用であると考えられていた。しかし、ホモピリミジン配列も遺伝
子の発現を阻害することができる。そのようなホモピリミジンオリゴヌクレオチ
ドは、ホモプリン:ホモピリミジン配列の主溝に結合する。従って、EST関連
核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメント
のフラグメント由来の両タイプの配列は、本発明の範囲内にあるものとする。
【0461】 実施例58 (三重らせんプローブの調製および使用) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントの配列を走査して、遺伝子発現を阻害するための三
重らせんに基づくストラテジーに使用し得る10マー〜20マーのホモピリミジ
ンまたはホモプリンストレッチを同定する。ホモピリミジンまたはホモプリンス
トレッチの候補の同定後、候補配列を含有する様々な量のオリゴヌクレオチドを
、標的遺伝子を正常に発現する組織培養細胞に導入することによって、遺伝子発
現の阻害効率を評価する。オリゴヌクレオチドは、特注オリゴヌクレオチド合成
装置で調製するか、またはGENSET,Paris,Franceなどのオリゴヌクレオチド合成
の専門業者より購入することができる。
【0462】 当業者に既知の様々な方法を用いて、オリゴヌクレオチドを細胞に導入するこ
とができ、このような方法としては、リン酸カルシウム沈殿法、DEAE−デキ
ストラン法、エレクトロポレーション法、リポソーム介在トランスエフェクショ
ン法または自然取り込み法が挙げられるが、それらに限定されない。
【0463】 ノーザンブロッティング、RNase保護アッセイ、またはPCRに基づくス
トラテジーなどの技術を用いて、処理された細胞を細胞機能の変化または遺伝子
発現の減少についてモニタリングし、オリゴヌクレオチドで処理されている細胞
の標的遺伝子の転写レベルをモニタリングする。該オリゴヌクレオチドが誘導さ
れるEST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の
位置セグメントのフラグメントに相当する標的遺伝子の、特定の機能に関連して
いる既知の遺伝子配列との相同性に基づいて、モニタリングしようとする細胞機
能を予測する。特に、本明細書に記載の技術を用いて、EST関連核酸、EST
関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメン
トが疾患と関連付けられる場合には、特定の遺伝性疾患を有する個体から誘導さ
れる細胞内の異常な生理活動の存在に基づいて、細胞機能を予測することもでき
る。
【0464】 次いで、実施例57に記載のように、in vitroでの結果に基づいて算
出された用量で、上記の技術および実施例56に記載の技術を用いて、組織培養
細胞における遺伝子発現を阻害するのに有効なオリゴヌクレオチドをin vi
voで導入することができる。
【0465】 一部の実施形態において、オリゴヌクレオチド単位の天然の(β)アノマーを
αアノマーで置換し、該オリゴヌクレオチドをヌクレアーゼに対してより耐性に
することができる。さらに、臭化エチジウムなどの挿入化剤(intercal
ating agent)などをαオリゴヌクレオチドの3’末端に結合させて
、三重らせんを安定化することができる。三重らせん形成に適切なオリゴヌクレ
オチドの作製に関する情報については、Griffinら(Science 245:967-971(1989)
)を参照されたい。
【0466】 実施例59 (宿主生物においてコードされるタンパク質を発現させるためのEST関連核酸
、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位置セグメントのフ
ラグメントの使用) EST関連核酸、EST関連核酸の位置セグメントまたはEST関連核酸の位
置セグメントのフラグメントを使用して、宿主生物においてコードされるタンパ
ク質またはポリペプチドを発現し、有益な効果を生じることもできる。さらに、
EST関連ポリペプチド、EST関連ポリペプチドの位置セグメントまたはES
T関連ポリペプチドの位置セグメントのフラグメントをコードする核酸を使用し
て、宿主生物においてコードされるタンパク質またはポリペプチドを発現し、有
益な効果を生じることができる。
【0467】 そのような手順において、コードされるタンパク質またはポリペプチドは、宿
主生物において一過的に発現させてもよいし、宿主生物において安定的に発現さ
せてもよい。コードされるタンパク質またはポリペプチドは、上記の活性のいず
れかを有することができる。コードされるタンパク質またはポリペプチドは宿主
生物が欠くタンパク質またはポリペプチドであってもよいし、あるいはコードさ
れるタンパク質は、宿主生物におけるタンパク質の現存のレベルを増大するもの
であってもよい。
【0468】 このタンパク質またはポリペプチドが分泌される一部の実施形態において、全
長タンパク質(すなわち、シグナルペプチドと成熟タンパク質)をコードする核
酸、あるいは成熟タンパク質(すなわち、シグナルペプチドの切断した際に生ず
るタンパク質)のみをコードする核酸を宿主生物に導入することができる。
【0469】 これらのタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸は、当業者に公知の
様々な技術を用いて、宿主生物に導入することができる。例えば、コードされる
タンパク質が宿主生物で発現され、これにより有益な効果を生じるように、伸長
cDNAを裸のDNAとして宿主生物に注入することができる。
【0470】 あるいは、前記タンパク質またはポリペプチドをコードする核酸を、宿主生物
において活性なプロモーターの下流において発現ベクター中にクローニングする
ことができる。発現ベクターは遺伝子治療での使用のために設計された発現ベク
ターのいずれであってもよく、このようなものとしては、ウイルスまたはレトロ
ウイルスベクターが挙げられる。コードされるタンパク質が宿主生物において発
現され、これにより有益な効果を生じるように、発現ベクターを宿主生物に直接
導入することができる。他の方法では、発現ベクターをin vitroで細胞
に導入することができる。その後、発現ベクターを含有する細胞を選択して宿主
生物に導入すると、ここで、該細胞はコードされるタンパク質またはポリペプチ
ドを発現して有益な効果を生じる。
【0471】 実施例60 (タンパク質を細胞に移入するためのシグナルペプチドの使用) 配列番号24〜728および766〜792の配列によりコードされるシグナ
ルペプチドの短いコア疎水性領域(h)を、目的のペプチドまたはタンパク質、
いわゆるカーゴを組織培養細胞へ移入するキャリアとして使用することもできる
(Linら、J. Biol. Chem. 270:14225-14258(1995)、Duら、J. Peptide Res., 51:23
5-243(1998)、Rojasら、Nature Biotech., 16: 370-375(1998))。
【0472】 制限されたサイズ(約25個のアミノ酸まで)の細胞透過性ペプチドを細胞膜
を横切って移送しようとする場合、化学合成を使用して、目的のカーゴペプチド
のC末端またはN末端のいずれかにh領域を加えることができる。あるいは、さ
らに長いペプチドまたはタンパク質を細胞に移入しようとする場合、当業者によ
く知られている技術を用いて、核酸に遺伝子操作を施し、h領域をコードする伸
長cDNA配列を、カーゴポリペプチドをコードするDNA配列の5’または3
’末端に連結することができる。次いで、そのように遺伝子操作された核酸を、
適切な細胞にトランスフェクション後、得られる細胞透過性ポリペプチドを産生
するための従来の技術を使用して、in vitroまたはin vivoのい
ずれかで翻訳する。次いで、適切な宿主細胞を単純に細胞透過性ポリペプチドと
共にインキュベートし、次に、このポリペプチドは膜を横切って輸送される。
【0473】 本方法は、多様な細胞内機能および細胞プロセスを研究するために適用するこ
とができる。例えば、本方法は、細胞内タンパク質の機能関連ドメインを探査し
たり、シグナル伝達経路に関連のタンパク質−タンパク質相互作用を調べるのに
使用されている(Linら、前掲;Linら、J. Biol. Chem. 271:5305-5308(1996)
、Rojasら、J. Biol. Chem., 271:27456-27461(1996)、Liuら、Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 93: 11819-11824(1996)、Rojasら、Bioch. Biophys. Res. Commun., 234
:675-680(1997))。
【0474】 そのような技術は、治療効果を生じるタンパク質を移入するための細胞医療に
使用することができる。例えば、患者から単離された細胞を、移入される治療用
タンパク質で処理し、次いで、宿主生物に再導入することができる。
【0475】 あるいは、本発明のシグナルペプチドのh領域は、核局在化シグナルと組み合
わせて使用され得、核酸を細胞の核に送達することができる。そのようなオリゴ
ヌクレオチドは、標的細胞RNAのプロセシングおよび成熟化を阻害するために
、前述のように、三重らせんを形成するために設計されるアンチセンスオリゴヌ
クレオチドまたはオリゴヌクレオチドであってもよい。
【0476】 実施例61 (コンピュータの実施形態) 本明細書において使用される「配列番号24〜811および1600〜162
2の核酸コード」という用語は、配列番号24〜811および1600〜162
2のヌクレオチド配列、配列番号24〜811および1600〜1622のフラ
グメント、配列番号24〜811および1600〜1622に相同なまたは配列
番号24〜811および1600〜1622のフラグメントに相同なヌクレオチ
ド配列、およびこれらのすべての配列に対して相補的な配列を意味する。前記フ
ラグメントには、配列番号24〜811および1600〜1622の少なくとも
10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、2
00、300、400、500個の連続したヌクレオチドを含む配列番号24〜
811および1600〜1622の一部を包含する。好ましくは、前記フラグメ
ントは新規のフラグメントである。好ましくは、前記フラグメントは、表IIに
記載されるポリヌクレオチド、表IIIに記載されるポリヌクレオチド、IVに
記載されるポリヌクレオチド、あるいは表II、III、またはIVに記載され
るポリヌクレオチドの少なくとも10、15、20、25、30、3540、5
0、75、100、150、200、300、400、または500個の連続し
た一部を含むそれらのフラグメントを包含する。配列番号24〜811および1
600〜1622の相同配列および相同フラグメントは、これらの配列に対して
少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%
、または75%の相同性を有する配列を意味する。相同性は、例えばデフォルト
パラメータまたはそれ以外の任意のパラメータを用いるBLAST2Nのような
、実施例18に記載される任意のコンピュータプログラムおよびパラメータを用
いて決定されてもよい。また、相同配列には、配列番号24〜811および16
00〜1622の核酸コードのチミンをウリジンで置き換えたRNA配列も包含
される。これらの相同配列は、本明細書に記載される任意の手順を用いて得るこ
ともできるし、あるいは前述の配列決定のエラーを修正することによって生ずる
こともある。好ましくは、配列番号24〜811および1600〜1622の相
同配列および相同フラグメントは、表IIに記載されるポリヌクレオチド、表I
IIに記載されるポリヌクレオチド、表IVに記載されるポリヌクレオチド、あ
るいは表II、III、またはIVに記載されるポリヌクレオチドの少なくとも
10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、2
00、300、400、または500個の連続したヌクレオチドを含むそれらの
一部を包含する。配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コード
は、慣用の単一文字形式(Styler,Lubert.Biochemist
ry,第3版,W.H.Freeman & Co.、New York.の裏
表紙の内側を参照のこと)または配列のヌクレオチドの同定を記録できるあらゆ
る他の形式で表すことができることは理解できよう。
【0477】 本明細書において使用される「配列番号812〜1599のポリペプチドコー
ド」という用語は、配列番号24〜811および1600〜1622の5’ES
Tコードによりコードされる配列番号812〜1599のポリペプチド配列、配
列番号812〜1599のポリペプチドに相同なポリペプチド配列、またはこれ
らの配列の任意のフラグメントを意味する。相同ポリペプチド配列は、配列番号
812〜1599のポリペプチド配列の1つに対して少なくとも99%、98%
、97%、96%、95%、90%、85%、80%、または75%の相同性を
有するポリペプチド配列を意味する。相同性は、例えばデフォルトパラメータま
たはそれ以外の任意のパラメータを用いるFASTAのような、本明細書に記載
される任意のコンピュータプログラムおよびパラメータを用いて決定されてもよ
い。これらの相同配列は、本明細書に記載される任意の手順を用いて得ることも
できるし、あるいは前述の配列決定のエラーを修正することによって生ずること
もある。ポリペプチドフラグメントは、配列番号812〜1599のポリペプチ
ドの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、
100、または150個の連続したアミノ酸を含む。好ましくは、前記フラグメ
ントは新規のフラグメントである。好ましくは、これらのフラグメントは、表I
Iに記載されるポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、あるいは表
IIに記載されるポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの少なくと
も5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100または
150個の連続したアミノ酸を含むそれらの一部を包含する。配列番号812〜
1599のポリペプチドコードは、慣用の単一文字形式または3文字形式(Star
rier,Lubert.Biochemistry,第3版,W.H.Freeman & Co.、New York.の裏表紙の
内側を参照のこと)または配列のポリペプチドの同定を記録できるあらゆる他の
形式で表すことができることは理解できよう。
【0478】 配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コードと配列番号81
2〜1599のポリペプチドコードが、コンピュータが読み取りおよびアクセス
できる任意の媒体上に記憶および記録および前記媒体上で操作できることは当業
者らに理解されるであろう。本明細書において使用される「記録された」および
「記憶された」という用語は、コンピュータ媒体に情報を格納する処理を意味す
る。コンピュータ読取可能媒体に情報を記録し、配列番号24〜811および1
600〜1622の核酸コードの1つ以上と配列番号812〜1599のポリペ
プチドコードの1つ以上を含む産物を生じさせる現在公知の方法は、いずれも当
業者が容易に採用できるものである。本発明の別の態様とは、配列番号24〜8
11および1600〜1622の少なくとも2,5,10,15,20,25,
30または50個の核酸コードを記憶して有するコンピュータ読取可能媒体であ
る。本発明の別の態様とは、配列番号812〜1599の少なくとも2,5,1
0,15,20,25,30または50個のポリペプチドコードを記憶して有す
るコンピュータ読取可能媒体である。
【0479】 コンピュータ読取可能媒体には、磁気的に読み取り可能な媒体、光学的に読み
取り可能な媒体、電子的に読み取り可能な媒体、および磁気/光学媒体が包含さ
れる。例えば、このコンピュータ読取可能媒体は、ハードディスク、フロッピー
ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD、RAM、またはROM、および
当業者らに公知である他の種類の媒体でもよい。
【0480】 本発明の実施形態には、システム、特に本明細書に記載される配列情報を記憶
および操作するコンピュータシステムが包含される。コンピュータシステム10
0の一例が図6にブロック線図の形式で示されている。本明細書において使用さ
れる「コンピュータシステム」という用語は、配列番号24〜811および16
00〜1622の核酸コードのヌクレオチド配列、または配列番号812〜15
99のポリペプチドコードのアミノ酸配列を分析するのに用いられるハードウェ
ア部分と、ソフトウェア部分と、データ記憶部分とを意味する。ある実施形態に
おいて、コンピュータシステム100は、サンエンタープライズ1000サーバ
ー(Sun Microsystems、 Palo Alto、 CA)である。コンピュータシステム100
は、配列データにアクセスし、かつ前記データを処理および操作するためのプロ
セッサを包含することが好ましい。プロセッサ105として、例えばインテル社
(Intel Corporation)のペンティアムIII(Pentium III)、あるいはサン(
Sun)、モトローラ(Motorola)、コンパック(Compaq)またはIBM製造の同
等なプロセッサのようなあらゆる公知のCPU(Central Processing Unit)が
使用できる。
【0481】 好ましくは、コンピュータシステム100は、プロセッサ105と、データを
記憶するための1つ以上の内部データ記憶部品110と、この内部データ記憶部
品に記憶されたデータを検索するための1つ以上のデータ検索装置とを具備する
汎用システムである。現在入手できるコンピュータシステムのすべてが好適であ
ることは当業者には容易に理解できよう。
【0482】 ある特定の実施形態においては、コンピュータシステム100は、(好ましく
はRAMとして装備される)メインメモリ115と、データが記録されたハード
ドライブおよび/または他のコンピュータ読取可能媒体のような、1つ以上内部
データ記憶装置110とに接続されたバスに接続されたプロセッサ105を包含
する。一部の実施形態においては、コンピュータシステム100は、内部データ
記憶装置110に記憶されたデータを読み出すための1つ以上のデータ検索装置
118をさらに包含する。
【0483】 データ検索装置118は、例えばフロッピーディスクドライブ、コンパクトデ
ィスクドライブ、磁気テープドライブなどでもよい。一部の実施形態においては
、内部データ記憶装置110は、制御論理および/または記録データを有するフ
ロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどのような取外し可能で
コンピュータ読取可能媒体である。コンピュータシステム100は、前記データ
検索装置に一旦挿入されたデータ記憶部品から制御論理および/またはデータを
読み取るための適切なソフトウェアを包含していてもよいし、あるいはこのソフ
トウェアによってプログラムされてもよい点で有利である。
【0484】 コンピュータシステム100は、コンピュータのユーザーに対してアウトプッ
トを表示するのに用いられるディスプレィ120を包含する。また、コンピュー
タシステム100をネットワークまたはワイドエリアネットワークに存在する他
のコンピュータシステム125a〜125cと接続させてコンピュータシステム
100との集中型アクセスを与えることができることにも注意されたい。
【0485】 配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コードのヌクレオチド
配列、または配列番号812〜1599のポリペプチドコードのアミノ酸配列に
アクセスし、かつ処理するための(検索ツール、比較ツールおよびモデリングツ
ールのような)ソフトウェアは、実行中にメインメモリ115中に常駐していて
もよい。
【0486】 一部の実施形態において、コンピュータシステム100は、コンピュータ読取
可能媒体に記憶された前述の配列番号24〜811および1600〜1622の
核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチドコードと、コンピュ
ータ読取可能媒体に記憶された基準ヌクレオチド配列または基準ポリペプチド配
列とを比較するための配列コンペアラをさらに含んでもよい。「配列コンペアラ
」とは、ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列と、前記データ記憶手段内に
記憶された他のヌクレオチド配列またはポリペプチド配列および/または、これ
らに限定されるわけではないが、例えばペプチド、ペプチドミメティック、およ
び化学物質のような化合物とを比較するためにコンピュータシステム100に装
備される1つ以上のプログラムのことを意味する。例えば、この配列コンペアラ
は、コンピュータ読取可能媒体に記憶された配列番号24〜811および160
0〜1622の核酸コードのヌクレオチド配列または配列番号812〜1599
のポリペプチドコードのアミノ酸配列と、コンピュータ読取可能媒体に記憶され
た参照配列とを比較して、相同性、生物学的機能に必要なモチーフまたは構造モ
チーフを同定することができる。本特許明細書の他の部分に見られる様々な配列
比較プログラムは、本発明のこの態様における使用に関して特に考慮される。
【0487】 図7は、新規のヌクレオチド配列またはタンパク質配列を配列データベースの
配列と比較し、新規の配列とデータベース中の配列の間の相同性の程度を決定す
るためのプロセス200の実施形態の1つを表す流れ図である。この配列データ
ベースはコンピュータシステム100の内部に記憶される私用のデータベースで
もよいし、あるいはインターネットを通じて使用できるGENBANK、PIR
またはSWISSPROTのような公用のデータベースであってもよい。
【0488】 プロセス200は、スタートステート201から始まり、そして比較される新
規の配列をコンピュータシステム100のメモリに格納するステート202に進
む。前述のように、前記メモリとして、RAMまたは内部記憶装置のようなあら
ゆる種類のメモリを使用することができる。
【0489】 次に、プロセス200は、配列のデータベースを分析および比較のために開く
ステート204へと進む。次に、プロセス200は、データベースに記憶されて
いる1番目の配列をコンピュータのメモリに読み込むステート206に進む。そ
して、ステート210において、この第1の配列が第2の配列と同じかどうかを
決定する比較を行う。このステップが、新規な配列とデータベースの1番目の配
列との間の完全な比較を行うことに限定されるわけではないことを述べることは
重要である。2つのヌクレオチド配列またはタンパク質配列が同一でない場合に
も比較を行うための公知の方法は、当業者らにとって周知である。例えば、試験
対象の2つの配列の一方にギャップを導入し、これらの2つの配列の間の相同性
の程度を向上させることができる。比較中に配列にギャップまたは他の特徴を導
入するかどうかを制御するパラメータは、通常コンピュータシステムのユーザー
によって入力される。
【0490】 一旦ステート210において上記2つの配列の比較がなされると、これらの2
つの配列が同じであるかどうかを決定ステート210において決定する。もちろ
ん、「同じ」という用語は、完全に同一である配列に限定されるわけではない。
ユーザーによって入力された相同性パラメータの範囲にある配列もプロセス20
0において「同じ」と見なされる。
【0491】 これらの2つの配列が同じであると判断された場合、プロセス200は、この
データベースから読み出された配列の名称をユーザーに対して表示するステート
214へと進む。このステートは、その名称が表示された配列が、入力された相
同性の制約条件を満たすことをユーザーに知らせる。この記憶されている配列の
名称が一旦ユーザーに対して表示されると、プロセス200は、データベースに
まだ配列があるかどうかを決定する決定ステート218に進む。データベースに
もう配列がない場合、プロセス200は、エンドステート220で終了する。し
かし、データベースにまだ配列が残っている場合、プロセス200は、ポインタ
をデータベースの次の配列に移動して新規の配列と比較できるようにするステー
ト224に進む。このようにして、新規な配列は、データベースのすべての配列
とアラインメントされて比較される。
【0492】 決定ステート212において2つの配列の間に相同性がないと決定された場合
に、プロセス200は、直接決定ステート218に進み、データベースに比較す
る配列がまだ他にあるかどうかを決定することに注意すべきである。
【0493】 従って、本発明の一態様は、プロセッサと、配列番号24〜811および16
00〜1622の核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチドコ
ードを記憶して有するデータ記憶装置と、配列番号24〜811および1600
〜1622の核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチドコード
と比較されるための基準ヌクレオチド配列または基準ポリペプチド配列が検索可
能に記憶されたデータ記憶装置と、その比較を行う配列コンペアラとを具備する
コンピュータシステムである。この配列コンペアラは、比較される2つの配列の
間の相同性の程度を示してもよいし、上記配列番号24〜811および1600
〜1622の核酸コードおよび配列番号812〜1599のポリペプチドコード
の構造モチーフを同定してもよいし、あるいはこれらの核酸コードとポリペプチ
ドコードと比較される配列の構造モチーフを同定してもよい。一部の実施形態に
おいて、上記データ記憶装置には、配列番号24〜811および1600〜16
22の核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチドコードの少な
くとも2、5、10、15、20、25、30または50個の配列が記憶されて
いてもよい。
【0494】 本発明の別の態様は、配列番号24〜811および1600〜1622の核酸
コードと基準ヌクレオチド配列の間の相同性の程度を決定するための方法であり
、この方法は、相同性の程度を決定するコンピュータプログラムを用いて前記核
酸コードと前記基準ヌクレオチド配列とを読み取るステップと、前記コンピュー
タプログラムを用いて前記核酸コードと前記基準ヌクレオチド配列の間の相同性
を決定するステップとから成る。このコンピュータプログラムは、例えばデフォ
ルトパラメータまたはそれ以外の任意のパラメータを用いるBLAST2Nを初
めとする、本明細書に具体的に列挙されているもののような、相同性の程度を決
定するための多数のコンピュータプログラムのいずれでもよい。この方法は、前
述のコンピュータシステムを用いて実施されてもよい。また、この方法は、上記
コンピュータプログラムを用いて上記配列番号24〜811および1600〜1
622の少なくとも2、5、10、15、20、25、30または50個の核酸
コードを読み取り、前記核酸コードと基準ヌクレオチド配列の間の相同性を決定
することによって実施することもできる。
【0495】 図8は、2つの配列が相同であるかどうかを決定するためのコンピュータのプ
ロセス250の実施形態の1つを表す流れ図である。プロセス250は、スター
トステート252から始まり、そして比較される第1の配列をメモリに格納する
ステート254に進む。次に、比較される第2の配列をステート256において
メモリに格納する。次に、プロセス250は、第1の配列の最初の文字を読み取
るステート260に進み、その後に第2の配列の最初の文字を読み取るステート
262に進む。この配列がヌクレオチド配列である場合、この最初の文字は、通
常A,T,C,GまたはUのいずれかであることは理解されるべきである。この
配列がタンパク質配列である場合、この最初の文字は、第1の配列と第2の配列
を容易に比較できるようにするために単一文字アミノ酸コードであるべきである
【0496】 そして、決定ステート264において、これらの2つの文字が同じであるかど
うかを決定する。もし同じであれば、プロセス250はステート268に進み、
上記第1の配列と第2の配列の次の文字を読み取る。そしてこれらの次の文字が
同じであるかどうかを決定する。もし同じであれば、プロセス250は、2つの
文字が異なるまでこのループを続ける。もし読み取られた2つの文字が同じでは
ないと判断された場合、プロセス250は決定ステート274に進み、どちらか
の配列にまだ読み取る文字があるかどうかを決定する。
【0497】 もし読み取る文字がなければ、プロセス250はステート276に進み、第1
の配列と第2の配列の間の相同性の程度をユーザーに対して表示する。相同性の
程度は、第1の配列の文字の総数のうちの、前記2つの配列の間でおなじであっ
た文字の割合を計算することによって決定される。従って、もし第1の100ヌ
クレオチドの配列のすべての文字と第2の配列のすべての文字とが揃っているの
であれば、相同性の程度は100%ということになる。
【0498】 あるいは、上記コンピュータプログラムは、本発明の核酸コードのヌクレオチ
ド配列と基準ヌクレオチド配列とを比較し、配列番号24〜811および160
0〜1622の核酸コードが1つ以上の位置で基準核酸配列と異なっているかど
うかを決定するコンピュータプログラムでもよい。任意に、そのようなプログラ
ムは、基準ポリヌクレオチドか配列番号24〜811および1600〜1622
の核酸コードのどちらかの配列に対して挿入、欠失または置換されたヌクレオチ
ドの長さおよび同一性を記録してもよい。ある実施形態において、このコンピュ
ータプログラムは、配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コー
ドのヌクレオチド配列が、基準ヌクレオチド配列に対してバイアレイック(bi
alleic)マーカーまたは一塩基多型(SNP)を含有しているかどうかを
決定するプログラムでもよい。この一塩基多型は、1個の塩基が置換、挿入また
は欠失されているのに対し、このバイアレイックマーカーは、約1〜10個の連
続した塩基が置換、挿入または欠失されていてもよい。
【0499】 本発明の別の態様は、配列番号812〜1599のポリペプチドコードと基準
ポリペプチド配列の間の相同性の程度を決定するための方法であり、この方法は
、相同性の程度を決定するコンピュータプログラムを用いて前記配列番号812
〜1599のポリペプチドコードと前記基準ポリペプチド配列とを読み取るステ
ップと、前記コンピュータプログラムを用いて前記ポリペプチドコードと前記基
準ポリペプチド配列の間の相同性を決定するステップとからなる。
【0500】 従って、本発明の別の態様は、配列番号24〜811および1600〜162
2の核酸コードが、1つ以上のヌクレオチドにおいて基準ヌクレオチド配列と異
なっているかどうかを決定するための方法であり、この方法は、2つの核酸配列
の差異を同定するコンピュータプログラムを用いて前記核酸コードと前記基準ヌ
クレオチド配列とを読み取るステップと、前記コンピュータプログラムを用いて
前記核酸コードと前記基準ヌクレオチド配列の間の差異を同定するステップとか
らなる。一部の実施形態において、前記コンピュータプログラムは、一塩基多型
を同定するプログラムである。上記方法は、前述のコンピュータシステムおよび
図8に示される方法によって実施されてもよい。また、この方法は、上記コンピ
ュータプログラムを用いて配列番号24〜811および1600〜1622の少
なくとも2、5、10、15、20、25、30または50個の核酸コードと基
準ヌクレオチド配列を読み取り、前記コンピュータプログラムを用いて前記核酸
コードと前記基準ヌクレオチド配列の間の差異を同定することによって実施する
こともできる。
【0501】 他の実施形態において、上記コンピュータをベースとしたシステムは、配列番
号24〜811および1600〜1622の核酸コードのヌクレオチド配列また
は配列番号812〜1599のポリペプチドコードのアミノ酸配列の内部の特徴
を同定するためのアイデンティファイアをさらに含んでいてもよい。
【0502】 「アイデンティファイア」とは、前述の配列番号24〜811および1600
〜1622の核酸コードのヌクレオチド配列または配列番号812〜1599の
ポリペプチドコードのアミノ酸配列の内部の特定の特徴を同定する1つ以上のプ
ログラムを意味する。ある実施形態において、このアイデンティファイアは、配
列番号24〜811および1600〜1622のcDNAコード内のオープンリ
ーディングフレームを同定するプログラムからなっていてもよい。
【0503】 図9は、配列内の特徴の存在を検出するためのアイデンティファイアプロセス
300の実施形態の1つを表す流れ図である。プロセス300はスタートステー
ト302から始まり、そしてステート304へと進み、特徴が調べられる第1の
配列をコンピュータシステム100のメモリ115に格納する。次に、プロセス
300は、ステート306に進み、配列特徴のデータベースを開く。そのような
データベースには、各特徴の名称と一緒に、その特徴の属性の一覧が包含されて
いる。例えば、特徴名称は「開始コドン」であり、その属性は「ATG」である
。別の例では、特徴名称は「TAATAAボックス」であり、その特徴属性は「
TAATAA」である。そのようなデータベースの一例がウィスコンシン大学(
University of Wisconsin)のジェネティクスコンピュ
ータグループ(Genetics Computer Group)(www.
gcg.com)によって構築されている。
【0504】 一旦特徴データベースがステート306において開かれると、プロセス300
はステート308へと進み、このデータベースから第1の特徴を読み出す。そし
て、ステート310において、この第1の特徴の属性と上記第1の配列との比較
を行う。そして、決定ステート316において、前記特徴の属性が前記第1の配
列中に見つかったかどうかを決定する。もし見つかった場合、プロセス300は
ステート318へと進み、この見つかった特徴の名称をユーザーに対して表示す
る。
【0505】 次に、プロセス300は決定ステート320へと進み、データベースにまだ特
徴が残っているかどうかを決定する。もし特徴が残っていなければ、プロセス3
00は、エンドステート324で終了する。しかし、もしデータベースにまだ特
徴が残っているのであれば、プロセス300はステート326において次の配列
特徴を読み取り、ステート310に戻って、この読み取った次の特徴の属性を上
記第1の配列と比較する。
【0506】 もし特徴属性が決定ステート316において第1の配列中に見つからない場合
には、プロセス300は、直接決定ステート320に進み、データベースにまだ
特徴が残っているかどうかを決定する。
【0507】 別の実施形態において、上記アイデンティファイアは、配列番号812〜15
99のポリペプチドコードの三次元構造を決定する分子モデリングプログラムか
らなっていてもよい。一部の実施形態において、この分子モデリングプログラム
は、公知の三次元タンパク質構造中の残基の構造環境を表す特性と最も適合性の
ある標的配列を同定する。(例えば、Eisenberg et al.、1995年7月25日
発行の米国特許第5,436,850号を参照のこと)。別の方法においては、
所定のファミリーのタンパク質の公知の三次元構造を重ね合わせて、そのファミ
リーにおける構造的に保存された領域を規定する。また、このタンパク質モデリ
ング法は、相同タンパク質の公知の三次元構造を用いて、配列番号812〜15
99のポリペプチドコードの構造を見積もる。(例えば、Srinivasan et al.、
1996年9月17日発行の米国特許第5,557,535号を参照のこと)。
慣用の相同性モデリング法は、プロテアーゼおよび抗体のモデルを構築するのに
慣例的に用いられてきた。(Sowdhaminiら、Protein Engineering 10:207, 215(1
997))。目的のタンパク質が、テンプレートタンパク質に対して低い配列同一
性を有する場合に、比較方法を用いて三次元のタンパク質モデルを作ることもで
きる。場合によっては、タンパク質は、非常に弱い配列同一性を有しているにも
かかわらず、同様の三次元構造に折り畳まれる。例えば、多くのらせん状サイト
カインの三次元構造は、低い配列相同性にもかかわらず、同様の三次元位相に折
り畳まれる。
【0508】 昨今のスレッディング法の開発によって、現在では、標的とテンプレートの間
の構造的な関連性が配列レベルでは検出不可能である多くの状況において起こり
得る折畳みパターンの同定ができるようになった。折畳み認識を多配列スレッデ
ィング(Multiple Sequence Threading,MST)
を用いて行うハイブリッド法では、構造的同等物は、低解像モデルを構築するた
めの距離幾何学プログラム(distance geometry progr
am)DRAGONを用いてスレッディング出力から推測され、そして全原子表
示(full−atom representation)は、QUANTAの
ような分子モデリングパッケージを用いて構築される。
【0509】 この3段法によれば、まず初めに、候補テンプレートを、複数の位置合わせを
された配列を1つ以上の三次元構造に同時にスレッディングできる新規な折畳み
認識アルゴリズムMSTを用いて同定する。第2段階においては、MST出力か
ら得られた構造的同等物を残基間距離拘束に変換し、2次構造予測から得られた
補助情報と一緒に距離幾何学プログラムであるDRAGONに供給される。前記
プログラムは偏らないように前記拘束を組み合わせて、かなりの数の低解像モデ
ル確認を急速に作り出す。第3段階においては、これらの低解像モデル確認を全
原子モデルに変換し、分子モデリングパッケージであるQUANTAを用いてエ
ネルギーの最小化に付す。(例えば、Aszodiら、Proteins:Structure, Function,
and Genetics, Supplement 1:38-42(1997)を参照のこと)。
【0510】 上記分子モデリング分析の結果は、そのまま配列番号812〜1599のポリ
ペプチドコードの活性を調整する薬剤を同定するための合理的薬物設計法に用い
られてもよい。
【0511】 従って、本発明の別の態様は、配列番号24〜811および1600〜162
2の核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチドコード内の特徴
を同定する方法であり、この方法は、前記コード内の特徴を同定するコンピュー
タプログラムを用いて前記核酸コードまたは前記ポリペプチドコードを読み取る
ステップと、前記コンピュータプログラムを用いて前記核酸コードまたは前記ポ
リペプチドコード内の特徴を同定するステップとからなる。ある実施形態におい
て、コンピュータプログラムは、オープンリーディングフレームを同定するコン
ピュータプログラムからなる。さらに別の実施形態において、前記コンピュータ
プログラムは、ポリペプチド配列の構造モチーフを同定する。別の実施形態にお
いて、前記コンピュータプログラムは、分子モデリングプログラムからなる。上
記方法は、前記コンピュータプログラムを用いて、配列番号24〜811および
1600〜1622の核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチ
ドコードの単一の配列あるいは少なくとも2,5,10,15,20,25,3
0または50個を読み取り、そして前記コンピュータプログラムを用いて、前記
核酸コードまたはポリペプチドコード内の特徴を同定することによって実施する
ことができる。
【0512】 配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コードまたは配列番号
812〜1599のポリペプチドコードは多様なフォーマットで多様なデータプ
ロセッサプログラムで記憶および操作することができる。例えば、配列番号24
〜811および1600〜1622の核酸コードまたは配列番号812〜159
9のポリペプチドコードは、マイクロソフト(Microsoft)ワード(WORD)もし
くはワードパーフェクト(WORDPERFECT)などのワード処理ファイル中にテキス
トとして、またはDB2、SYBASEもしくはORACLEなどの当業者に周
知の種々のデータベースプログラム中にASCIIファイルとして記憶すること
ができる。さらに、様々なコンピュータプログラムおよびデータベースを、配列
コンペアラ、アイデンティファイア、あるいは配列番号24〜811および16
00〜1622の核酸コードまたは配列番号812〜1599のポリペプチドコ
ードと比較される基準ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のソースとして
用いることができる。下記の一覧は、本発明を限定するものではなく、配列番号
24〜811および1600〜1622の核酸コードまたは配列番号812〜1
599のポリペプチドコードに対して有用なプログラムおよびデータベースを案
内するものである。使用できるプログラムおよびデータベースとしては、これら
に限定されるわけではないが、MacPattern(EMBL)、Disco
veryBase(モレキュラーアプリケーションズグループ(Molecul
ar Applications Group))、GeneMine(モレキ
ュラーアプリケーションズグループ)、Look(モレキュラーアプリケーショ
ンズグループ)、MacLook(モレキュラーアプリケーションズグループ)
、BLASTおよびBLAST2(NCBI)、BLASTNおよびBLAST
X(アルトシュル(Altschul)ら、J.Mol.Biol.215:4
03(1990))、FASTA(ペアソン(Peason)およびリップマン
(Lipman)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2
444,1988)、FASTDB(ブルトラグら(Brutlag et a
l.) Comp.App.Biosci.6:237−245,1990)、
Catalyst(モレキュラーシミュレーションズ社(Molecular
Simulations Inc.))、Catalyst/SHAPE(モレ
キュラーシミュレーションズ社)、Cerius2.DBAccess(モレキ
ュラーシミュレーションズ社)、Hypogen(モレキュラーシミュレーショ
ンズ社)、Insight II(モレキュラーシミュレーションズ社)、Di
scover(モレキュラーシミュレーションズ社)、CHARMm(モレキュ
ラーシミュレーションズ社)、Felix(モレキュラーシミュレーションズ社
)、DelPhi(モレキュラーシミュレーションズ社)、QuanteMM(
モレキュラーシミュレーションズ社)、Homology(モレキュラーシミュ
レーションズ社)、Modeler(モレキュラーシミュレーションズ社)、I
SIS(モレキュラーシミュレーションズ社)、Quanta/Protein
Design(モレキュラーシミュレーションズ社)、WebLab(モレキ
ュラーシミュレーションズ社)、WebLab Diversity Expl
orer(モレキュラーシミュレーションズ社)、Gene Explorer
(モレキュラーシミュレーションズ社)、SeqFold(モレキュラーシミュ
レーションズ社)、EMBL/Swissproteinデータベース、MDL
Available Chemicals Directoryデータベース
、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehe
nsive Medicinal Chemistryデータベース、Derw
ents’s World Drug Indexデータベース、BioByt
eMasterFileデータベース、Genbankデータベース、およびG
enseqnデータベースが挙げられる。他の様々なプログラムおよびデータベ
ースは、本開示内容を与えられた当業者にとって明らかである。
【0513】 上記のプログラムを使用して検出することができるモチーフは、ロイシンジッ
パー、ヘリックス−ターン−ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチ
ン化部位、αヘリックスおよびβシート、コードされたタンパク質の分泌を指令
するシグナルペプチドをコードするシグナル配列、ホメオボックスなどの転写調
節に関与する配列、酸性領域、酵素活性部位、基質結合部位並びに酵素的切断部
位をコードする配列を含む。
【0514】 実施例62 (核酸の製造方法) 本発明は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸
の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントを製
造する方法をさらに含む。これらの方法は、複数のヌクレオチドを連続して連結
していくことによって、先の配列を含む核酸を製造する。核酸を合成する様々な
方法が、当業者らにとって周知である。
【0515】 これらの方法の多くは、合成を固体支持体上で行う。これらには、所望のオリ
ゴヌクレオチドの3’末端塩基が不溶性の担体上に固定される3’ホスホルアミ
ダイト法が包含される。付加されるヌクレオチド塩基は、5’ヒドロキシルにお
いてブロックされ、3’ヒドロキシルにおいて活性化されることによって、固定
ヌクレオチド塩基との結合が生じる。新規の固定ヌクレオチド化合物を脱ブロッ
ク化し、かつこのサイクルを反復することによって、所望のポリヌクレオチドが
得られる。あるいは、ポリヌクレオチドを、米国特許第5,049,656号に
記載されているように調製することもできる。一部の実施形態において、上記の
ように調製されたいくつかのポリヌクレオチドが連結されることによって、所望
の配列を有する長いポリオヌクレオチドとなる。
【0516】 実施例63 (ポリペプチドの製造方法) 本発明は、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連核酸
の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメントによ
りコードされるポリヌクレオチドを製造する方法、およびEST関連ポリペプチ
ド、EST関連ポリペプチドのフラグメント、EST関連ポリペプチドの位置セ
グメント、またはEST関連ポリペプチドのフラグメントを製造する方法をさら
に含む。これらの方法は、複数のアミノ酸を連続して連結していくことによって
、先の配列を含む核酸ポリペプチドを製造する。一部の実施形態において、これ
らの方法によって製造されるポリペプチドの長さは、150個のアミノ酸以下で
ある。別の実施形態において、これらの方法によって製造されるポリペプチドの
長さは、120個のアミノ酸以下である。
【0517】 ポリペプチドを製造する様々な方法が、当業者らにとって周知であり、その例
として、カルボキシル末端アミノ酸がポリビニルベンゼンまたは他の適当な樹脂
に結合される方法を挙げることができる。付加されるアミノ酸は、そのアミノ部
分およびあらゆる側鎖反応基に対してブロック基を有しているので、そのカルボ
キシル部分のみが反応することができる。カルボキシル基は、カルボジイミドま
たは他の活性化剤によって活性化され、固定されたアミノ酸に結合させられる。
ブロック基を除いた後に、このサイクルを反復することによって、所望の配列を
有するポリペプチドが得られる。あるいは、米国特許第5,049,656号に
記載されている方法を用いることもできる。
【0518】 上記のように、EST関連核酸、EST関連核酸のフラグメント、EST関連
核酸の位置セグメント、またはEST関連核酸の位置セグメントのフラグメント
は、さまざまな目的のために使用することができる。上述のポリヌクレオチドを
使用して、分析、特性化または治療用途のための組換えタンパク質を;対応する
タンパク質を(構成的かまたは組織分化または発生の特定の段階かまたは疾患状
態のいずれかにおいて)好適に発現させる組織のためのマーカーとしての、分泌
ポリペプチド、キメラポリペプチドまたは抗体の製造;サザンゲル上の分子量マ
ーカーとして;染色体を同定するかまたは関連遺伝子の位置をマッピングするた
めの染色体マーカーまたはタグ(標識される場合)として;患者の内在性DNA
を比較して、潜在的遺伝子障害を同定するために;ハイブリダイズし、それによ
り新規の関連DNA配列を発見するためのプローブとして;遺伝子フィンガープ
リントのためのPCRプライマーを得るための情報の供給源として;「遺伝子チ
ップ」または他の支持体に付着するためのオリゴマーを選択し、作製するために
(発現パターンを調べることを含む);DNA免疫化技術を用いて、抗タンパク
質抗体を惹起するために;および抗DNA抗体を惹起するかまたは別の免疫応答
を引き出すための抗原として、発現させることができる。ポリヌクレオチドが(
例えば、レセプターリガンド相互作用などにおいて)別のタンパク質またはポリ
ペプチドに結合するかまたは潜在的に結合するタンパク質またはポリペプチドを
コードする場合には、該ポリヌクレオチドを、結合が生じる他のタンパク質また
はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを同定するかまたは結合相互作用
の阻害剤を同定するために、相互作用トラップアッセイ(例えば、Gyuris
ら、Cell75:791−803(1993)などに記載のアッセイである)
にも使用することができる。
【0519】 本発明により提供されるタンパク質またはポリペプチドは、ハイスループット
スクリーニングのための複数のタンパク質のパネルを含む生物学的活性を決定す
るためのアッセイにおいて;抗体を惹起するかまたは別の免疫応答を引き出すた
めに;生物学的液体におけるタンパク質(またはそのレセプター)のレベルを定
量的に決定するために設計されたアッセイにおける試薬(標識された試薬を含む
)として;対応するタンパク質を(構成的かまたは組織分化または発生の特定の
段階かまたは疾患状態のいずれかにおいて)好適に発現させる組織用のマーカー
として;そして、もちろん、相関関係にあるレセプターまたはリガンドを単離す
るために、同様に使用することができる。タンパク質またはポリペプチドが(例
えば、レセプターリガンド相互作用などにおいて)もう1つのタンパク質または
ポリペプチドに結合するかまたは潜在的に結合する場合、該タンパク質を、結合
が生じる他のタンパク質を同定するかまたは結合相互作用の阻害剤を同定するた
めに使用することができる。これらの結合相互作用に関与するタンパク質または
ポリペプチドは、ペプチドまたは小分子阻害剤または結合相互作用のアゴニスト
をスクリーニングするためにも使用することができる。
【0520】 これらの研究有用性のいくつかまたは全ては、研究用製品として商品化するた
めに試薬レベルまたはキット形態にまで開発することが可能である。
【0521】 上記に列挙された用途を達成するための方法は当業者に周知である。そのよう
な方法を開示している参考文献としては、Molecular Cloning;A Laboratory Man
ual、2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Sambrook,J.,E.F.Fritschおよ
びT.Maniatis編、1989、ならびにMethods in Enzymology;Guide to Molecular Clo
ning Techniques, Academic Press, Berger,S.L.およびA.R.Kimmel編、1987が挙
げられるが、これらに限定されない。
【0522】 本発明のポリヌクレオチドおよびタンパク質またはポリペプチドを栄養供給源
または補助食品として使用することもできる。そのような使用としては、タンパ
ク質またはアミノ酸補助物としての使用、炭素源としての使用、窒素源としての
使用および炭水化物源としての使用が挙げられるが、これらに限定されない。そ
のような場合、本発明のタンパク質またはポリヌクレオチドを特定の生物の食物
に添加することができ、または個別の固体または液体調製物として、散剤、丸剤
、溶液、懸濁液またはカプセルの剤形などで投与することができる。微生物の場
合、本発明のタンパク質またはポリヌクレオチドを、微生物が培養される培地に
添加することができる。
【0523】 本発明を特定の好適な実施形態の形態で説明してきたが、本明細書の開示内容
から当業者に明らかである他の実施形態も本発明の範囲内にある。従って、本発
明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にすることによってのみ規定されることを
意図している。
【0524】 (配列表のフリーテキスト) 添付の配列表に以下のフリーテキストを加える。 von Heijneマトリックス スコア 名称 Matinspector予想
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 cDNAが誘導されるmRNAの5’末端由来を含むように選択
されているcDNAを得る方法の要約を示す。第1のステップ(1)では、完全
なmRNAのキャップを酸化して、化学的にオリゴヌクレオチドタグに連結する
。第2のステップ(2)では、ランダムプライマーを使用して逆転写を行い、第
1のcDNA鎖を生成する。第3のステップ(3)では、mRNAを消去して、
オリゴヌクレオチドタグに含まれるプライマーを使用して、第2鎖合成を行う。
【図2】 本明細書に記載するシグナルペプチド同定法を用いて偽陽性およ
び偽陰性の頻度を調べるための、全てのヒトスイスプロット(SwissPro
t)タンパク質の43アミノ末端アミノ酸の分析を示す。
【図3】 5’ESTに隣接する配列を有する伸長cDNAをクローニング
かつ配列決定するために使用される一般的な方法を示す。
【図4】 単離したプロモーターの模式図およびそれらに対応する5’タグ
と共に組み立てる方法を示す。
【図5】 図4の各プロモーターに存在する転写因子結合部位を示す。
【図6】 例示的コンピュータシステムの構成図を示す。
【図7】 新規のヌクレオチド配列またはタンパク質配列を配列データベー
スと比較し、新規の配列とデータベース中の配列の間の相同性の程度を決定する
ためのプロセス200の実施形態の1つを表す流れ図を示す。
【図8】 2つの配列が互いに相同であるかどうかを決定するためのコンピ
ュータのプロセス250の実施形態の1つを表す流れ図を示す。
【図9】 配列の特徴の存在を検出するための同定物プロセス300の実施
形態の1つを表す流れ図を示す。
【図10】 伸長cDNA分析の各ステップに用いることができる全パラメ
ータを記載した表を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 M C12P 21/02 33/566 C12Q 1/68 G06F 17/50 638 G01N 33/53 17/30 170F 33/566 C12N 15/00 ZNAA G06F 17/50 638 5/00 A // G06F 17/30 170 F (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,CA,J P,US (72)発明者 ジョルダン,ジャン−イヴ フランス国 エフ−75018 パリ,ル ド ュエスム,12

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の
    配列ならびに配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列に
    相補的な配列から成る群より選択される配列を含む、精製された核酸。
  2. 【請求項2】 配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の
    配列ならびに配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列に
    相補的な配列から成る群より選択される配列の少なくとも15個連続したヌクレ
    オチドを含む、精製された核酸。
  3. 【請求項3】 配列番号812〜1599の配列から成る群より選択される
    配列を含む、精製されたまたは単離されたポリペプチド。
  4. 【請求項4】 cDNAを製造する方法であって、 a) ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体と、配列番号24〜811および配
    列番号1600〜1622に相補的な配列から成る群より選択される配列の少な
    くとも15個連続したヌクレオチドを含むプライマーとを接触させ、 b) 前記プライマーを、前記タンパク質をコードする前記集合体中のmRNA
    にハイブリダイズさせ、 c) 前記ハイブリダイズしたプライマーを逆転写して前記mRNAから第1の
    cDNA鎖を作製し、 d) 第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を作製し、そして e) 得られた第1のcDNA鎖と前記第2のcDNA鎖を含むcDNAを単離
    する、 各ステップを含んで成る上記方法。
  5. 【請求項5】 cDNAを製造する方法であって、 a) 配列番号24〜811および配列番号1600〜1622から成る群より
    選択される配列を含むcDNAを取得し、 b) 前記cDNAと、配列番号24〜811および配列番号1600〜162
    2の配列ならびに配列番号24〜811および配列番号1600〜1622に相
    補的な配列から成る群より選択される配列の少なくとも15個連続したヌクレオ
    チドを含む検出可能なプローブとを、前記プローブが前記cDNAにハイブリダ
    イズすることを可能にする条件下で接触させ、 c) 前記検出可能なプローブにハイブリダイズするcDNAを同定し、そして d) 前記プローブにハイブリダイズする前記cDNAを単離する、 各ステップを含んで成る上記方法。
  6. 【請求項6】 cDNAを製造する方法であって、 a) ヒト細胞由来のmRNA分子の集合体と前記mRNAのポリAテイルにハ
    イブリダイズ可能な第1のプライマーとを接触させ、 b) 前記第1のプライマーを前記ポリAテイルにハイブリダイズさせ、 c) 前記mRNAを逆転写して第1のcDNA鎖を作製し、 d) 配列番号24〜811および配列番号1600〜1622から成る群より
    選択される配列の少なくとも15個連続したヌクレオチドを含む少なくとも1つ
    のプライマーを用いて、前記第1のcDNA鎖に相補的な第2のcDNA鎖を作
    製し、そして e) 得られた第1のcDNA鎖と前記第2のcDNA鎖を含むcDNAを単離
    する、 各ステップを含んで成る上記方法。
  7. 【請求項7】 ポリペプチドを製造する方法であって、 a) 配列番号24〜811から成る群より選択される配列を含む核酸によって
    コードされるポリペプチドをコードするcDNA、または配列番号24〜811
    から成る群より選択される配列によってコードされるポリペプチドの少なくとも
    10個連続したアミノ酸を含むポリペプチドをコードするcDNAを取得し、 b) 前記cDNAがプロモーターに作動可能に連結されるように、前記cDN
    Aを発現ベクターに挿入し、 c) 前記発現ベクターを宿主細胞に導入し、それによって、前記宿主細胞にお
    いて前記cDNAによりコードされるタンパク質を産生させ、そして d) 前記タンパク質を単離する、 各ステップを含んで成る上記方法。
  8. 【請求項8】 個別のESTまたは長さが少なくとも15ヌクレオチドのそ
    のフラグメントのアレイであって、その改良点が、配列番号24〜811および
    配列番号1600〜1622の配列、配列番号24〜811および配列番号16
    00〜1622の配列に相補的な配列ならびに前記配列の少なくとも15個連続
    したヌクレオチドを含むフラグメントから成る群より選択される少なくとも1つ
    の配列を前記アレイに含めることから成る、上記アレイ。
  9. 【請求項9】 配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の
    配列、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622の配列に相補的
    な配列ならびに前記配列の少なくとも15個連続したヌクレオチドを含むフラグ
    メントから成る群より選択される少なくとも5つの配列を含む、請求項8に記載
    のアレイ。
  10. 【請求項10】 富化された組換え核酸の集団であって、前記組換え核酸は
    インサート核酸およびバックボーン核酸を含み、ここで、前記集団中の少なくと
    も5%の前記インサート核酸は、配列番号24〜811および配列番号1600
    〜1622の配列、配列番号24〜811および配列番号1600〜1622に
    相補的な配列ならびに前記配列の少なくとも15個連続したヌクレオチドを含む
    フラグメントから成る群より選択される配列から成る、上記集団。
  11. 【請求項11】 配列番号812〜1599のうちいずれかの少なくとも8
    個のアミノ酸の連続スパンを含むポリペプチドのエピトープ含有フラグメントに
    選択的に結合し得る抗体組成物であって、前記抗体はポリクローナルかまたはモ
    ノクローナルである、上記組成物。
  12. 【請求項12】 配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コ
    ードならびに配列番号812〜1599のポリペプチドコードから成る群より選
    択される配列を記憶して有するコンピュータ読取可能媒体。
  13. 【請求項13】 プロセッサおよびデータ記憶装置を含むコンピュータシス
    テムであって、データ記憶装置は、配列番号24〜811および1600〜16
    22の核酸コードならびに配列番号812〜1599のポリペプチドコードから
    成る群より選択される配列を記憶して有する、上記システム。
  14. 【請求項14】 配列コンペアラおよび参照配列を記憶して有するデータ記
    憶装置をさらに含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
  15. 【請求項15】 前記配列コンペアラは、多型性を表示するコンピュータプ
    ログラムを含む、請求項14に記載のコンピュータシステム。
  16. 【請求項16】 前記配列の特徴を同定するアイデンティファイアをさらに
    含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
  17. 【請求項17】 第1の配列と参照配列とを比較する方法であって、前記第
    1の配列は、配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コードなら
    びに配列番号812〜1599のポリペプチドコードから成る群より選択される
    ものであり、 a) 配列を比較するコンピュータプログラムを使用することにより、第1の配
    列および参照配列を読み取り、そして b) 前記コンピュータプログラムによって、第1の配列と参照配列との間の差
    異を判定する、 各ステップを含んで成る上記方法。
  18. 【請求項18】 第1の配列と参照配列との間の差異を判定する前記ステッ
    プは多型性を同定することを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 配列番号24〜811および1600〜1622の核酸コ
    ードならびに配列番号812〜1599のポリペプチドコードから成る群より選
    択される配列の特徴を同定する方法であって、 a) 配列の特徴を同定するコンピュータプログラムを使用することにより、前
    記配列を読み取り、そして b) 前記コンピュータプログラムによって、前記配列の特徴を同定する、 各ステップを含んで成る上記方法。
  20. 【請求項20】 請求項1または2のいずれか1項に記載の核酸を含むベク
    ター。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の核酸を含有する宿主細胞。
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