JP2002510055A - 成長分化因子9のアッセイ - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、GDF−9の活性を変える(阻害する、増強する)薬剤の同定方法に関する。該方法は、GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合により遺伝子の発現が調節される遺伝子を有する細胞、GDF−9;および評価対象の薬剤を合せる工程を含む。調製された合せ物は細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に維持される。次いで、細胞上のレセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度を測定する。その際、評価対象の薬剤の存在下、その非存在下におけるよりも、より低い程度またはより高い程度のレセプターへのGDF−9の結合がGDF−9活性を変える薬剤を示す。
Description
【0001】 関連出願 本願は、1998年4月1日に出願された仮出願番号第60/080,385
号に対し優先権を主張するものである。その全教示は参照により本明細書に組み
込まれる。
号に対し優先権を主張するものである。その全教示は参照により本明細書に組み
込まれる。
【0002】 政府援助 本発明は、NIHグラント(NICHD)RO1 HD33438、GM−0
7330およびGM−08307により、全部または一部が援助された。政府は
本発明において特定の権利を有する。
7330およびGM−08307により、全部または一部が援助された。政府は
本発明において特定の権利を有する。
【0003】 発明の背景 卵母細胞は哺乳動物の卵巣内での卵胞形成の調節において肝要な役割を果たし
ている。特に、卵母細胞は顆粒膜細胞に作用し、周産期的に卵胞形成を調節し、
顆粒膜細胞増殖を刺激し、顆粒膜細胞遺伝子発現を調節し、ならびにステロイド
合成に影響を与えることが示されている〔(Eppig,J.J.,Dev.Biol.,5:51-59(199
4)に概説されている〕。排卵前の卵胞における顆粒膜細胞は、卵母細胞に対する
それらの近接に関して2つの集団に分けられ得る;卵丘顆粒膜細胞(cumul
us granulosa cell)は密に卵母細胞を取り囲んでおり、一方
、壁在性顆粒膜細胞(mural granulosa cell)は卵胞腔に
より卵母細胞から分離された卵胞の周囲の回りに位置している。卵丘細胞(cu
mulus cell)は卵丘拡張(cumulus expansion)の
際にヒアルロン酸−リッチマトリックスを分泌し、また、排卵の際に卵母細胞と
共に排出される。この拡張マトリックス(expanded matrix)は
生殖保全(reproductive integrity)に重要な因子であ
る。というのは、該マトリックスは卵母細胞および共に卵丘細胞を結合し、卵胞
排出(follicular extrusion)および卵管采補足(ovi
ductal fimbria capture)を促進し、精子貫入および受
精を可能にするからである〔Salustri,A.,et al.,Zygote,4:313-315(1996)〕。 一方、壁在性顆粒膜細胞は排卵における卵胞破裂に重要なプロテアーゼを合成し
、卵丘細胞−卵母細胞複合体が放出された後卵巣内に止まり、結局、最終の分化
を受けて、黄体を形成する。顆粒膜細胞集団におけるこれらの位置および機能の
違いは、卵母細胞により分泌される因子の勾配が遺伝子発現および結果として起
こる細胞分化を調節することを示唆する。インビトロでの研究では、卵母細胞に
より分泌される成長因子は、ヒアルロン酸、ウロキナーゼプラスミノーゲンアク
チベーター(uPA)およびLHレセプターの顆粒膜細胞合成ならびにステロイ
ド合成および黄体形成を調節することを示す〔Salustri,A.,et al.,Zygote 4:31
3-315(1996);Vanderhyden,B.C.,et al.,Endocrinology,133:423-426(1993);Eppi
g,J.J.,et al.,Biol.Reprod.,56:976-984(1997);Eppig,J.J.,et al.,Human Repr
od.,12:127-132(1997);Nekola,M.V.およびNalbandov,A.V.,Biol.Reprod.,4:154-
160(1971);El-Fouly,M.A.,et al.,Endocrinology,87:288-293(1970)〕。しかし ながら、これらの体細胞機能を調節する卵母細胞由来因子の性状についてはほと
んど知られていないままである。
ている。特に、卵母細胞は顆粒膜細胞に作用し、周産期的に卵胞形成を調節し、
顆粒膜細胞増殖を刺激し、顆粒膜細胞遺伝子発現を調節し、ならびにステロイド
合成に影響を与えることが示されている〔(Eppig,J.J.,Dev.Biol.,5:51-59(199
4)に概説されている〕。排卵前の卵胞における顆粒膜細胞は、卵母細胞に対する
それらの近接に関して2つの集団に分けられ得る;卵丘顆粒膜細胞(cumul
us granulosa cell)は密に卵母細胞を取り囲んでおり、一方
、壁在性顆粒膜細胞(mural granulosa cell)は卵胞腔に
より卵母細胞から分離された卵胞の周囲の回りに位置している。卵丘細胞(cu
mulus cell)は卵丘拡張(cumulus expansion)の
際にヒアルロン酸−リッチマトリックスを分泌し、また、排卵の際に卵母細胞と
共に排出される。この拡張マトリックス(expanded matrix)は
生殖保全(reproductive integrity)に重要な因子であ
る。というのは、該マトリックスは卵母細胞および共に卵丘細胞を結合し、卵胞
排出(follicular extrusion)および卵管采補足(ovi
ductal fimbria capture)を促進し、精子貫入および受
精を可能にするからである〔Salustri,A.,et al.,Zygote,4:313-315(1996)〕。 一方、壁在性顆粒膜細胞は排卵における卵胞破裂に重要なプロテアーゼを合成し
、卵丘細胞−卵母細胞複合体が放出された後卵巣内に止まり、結局、最終の分化
を受けて、黄体を形成する。顆粒膜細胞集団におけるこれらの位置および機能の
違いは、卵母細胞により分泌される因子の勾配が遺伝子発現および結果として起
こる細胞分化を調節することを示唆する。インビトロでの研究では、卵母細胞に
より分泌される成長因子は、ヒアルロン酸、ウロキナーゼプラスミノーゲンアク
チベーター(uPA)およびLHレセプターの顆粒膜細胞合成ならびにステロイ
ド合成および黄体形成を調節することを示す〔Salustri,A.,et al.,Zygote 4:31
3-315(1996);Vanderhyden,B.C.,et al.,Endocrinology,133:423-426(1993);Eppi
g,J.J.,et al.,Biol.Reprod.,56:976-984(1997);Eppig,J.J.,et al.,Human Repr
od.,12:127-132(1997);Nekola,M.V.およびNalbandov,A.V.,Biol.Reprod.,4:154-
160(1971);El-Fouly,M.A.,et al.,Endocrinology,87:288-293(1970)〕。しかし ながら、これらの体細胞機能を調節する卵母細胞由来因子の性状についてはほと
んど知られていないままである。
【0004】 マウス成長分化因子(growth differentiation fa
ctor)9(mGDF−9)は卵巣で、特に卵母細胞で発現される(PCT国
際公開第94/15966号パンフレット)。GDF−9ノックアウトマウスは
、卵胞形成の初期のブロック(block)により雌性不妊を示した〔Dong et
al.,Nature,383:531-535(1996)〕。しかしながら、GDF−9レセプターおよび
GDF−9レセプターを発現する細胞型は同定されていない。GDF−9レセプ
ターを発現する細胞型の発見は生殖能力におけるGDF−9の役割を明らかにす
る際の助けとなるであろう。また、GDF−9活性を標的とする薬剤を同定する
ためのアッセイシステムを提供するであろう。
ctor)9(mGDF−9)は卵巣で、特に卵母細胞で発現される(PCT国
際公開第94/15966号パンフレット)。GDF−9ノックアウトマウスは
、卵胞形成の初期のブロック(block)により雌性不妊を示した〔Dong et
al.,Nature,383:531-535(1996)〕。しかしながら、GDF−9レセプターおよび
GDF−9レセプターを発現する細胞型は同定されていない。GDF−9レセプ
ターを発現する細胞型の発見は生殖能力におけるGDF−9の役割を明らかにす
る際の助けとなるであろう。また、GDF−9活性を標的とする薬剤を同定する
ためのアッセイシステムを提供するであろう。
【0005】 発明の概要 本明細書には、GDF−9は哺乳動物の卵巣に見出される顆粒膜細胞に結合す
るという発見に基づく、成長分化因子9(GDF−9)のインビトロアッセイを
記載する。また、本明細書に記載のように、特定タンパク質の発現は顆粒膜細胞
上のレセプターへのGDF−9の結合の際に増強および/または阻害される。
るという発見に基づく、成長分化因子9(GDF−9)のインビトロアッセイを
記載する。また、本明細書に記載のように、特定タンパク質の発現は顆粒膜細胞
上のレセプターへのGDF−9の結合の際に増強および/または阻害される。
【0006】 本発明は、GDF−9の活性を変える(調節する)薬剤の同定方法に関する。
本明細書に使用される用語「変える(alter)」は、一部のおよび/または
完全な、活性の阻害(活性の減少)または活性の増強(活性の増加)をいう。本
方法は、GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合により発
現が調節される遺伝子(1つまたはそれ以上)〔たとえば、ヒアルロナンシンタ
ーゼ、ステロイド産生早期調節タンパク質(steroidogenic ac
ute regulatory protein)(StAR)、黄体形成ホル
モン(LH)レセプター、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)、ウロキナー
ゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、キットリガンド、アクチビン/
インヒビンβBおよびフォリスタチン(follistatin)〕を有する細
胞(たとえば、顆粒膜細胞);GDF−9;および評価対象の薬剤を合せる工程
(試験サンプル)を含む。試験サンプルにおいて調製された合せ物を細胞上のレ
セプターへのGDF−9の結合に適する条件下に維持する。遺伝子の発現が生ず
る程度を次いで測定する。その際、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプター
へのGDF−9の結合の際の遺伝子の発現の変化は、該薬剤がGDF−9活性を
変えることを示す。本方法はさらに対照工程を含み得る。その際、薬剤の存在下
において生ずる結合の程度を薬剤の非存在下において生ずる結合の程度と比較す
る。たとえば、試験サンプルにおいて生ずる遺伝子の発現の程度を対照サンプル
(たとえば、GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合によ
り発現が調節される遺伝子を有する細胞とGDF−9を含む合せ物)において生
ずる遺伝子の発現の程度と比較する。
本明細書に使用される用語「変える(alter)」は、一部のおよび/または
完全な、活性の阻害(活性の減少)または活性の増強(活性の増加)をいう。本
方法は、GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合により発
現が調節される遺伝子(1つまたはそれ以上)〔たとえば、ヒアルロナンシンタ
ーゼ、ステロイド産生早期調節タンパク質(steroidogenic ac
ute regulatory protein)(StAR)、黄体形成ホル
モン(LH)レセプター、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)、ウロキナー
ゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)、キットリガンド、アクチビン/
インヒビンβBおよびフォリスタチン(follistatin)〕を有する細
胞(たとえば、顆粒膜細胞);GDF−9;および評価対象の薬剤を合せる工程
(試験サンプル)を含む。試験サンプルにおいて調製された合せ物を細胞上のレ
セプターへのGDF−9の結合に適する条件下に維持する。遺伝子の発現が生ず
る程度を次いで測定する。その際、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプター
へのGDF−9の結合の際の遺伝子の発現の変化は、該薬剤がGDF−9活性を
変えることを示す。本方法はさらに対照工程を含み得る。その際、薬剤の存在下
において生ずる結合の程度を薬剤の非存在下において生ずる結合の程度と比較す
る。たとえば、試験サンプルにおいて生ずる遺伝子の発現の程度を対照サンプル
(たとえば、GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合によ
り発現が調節される遺伝子を有する細胞とGDF−9を含む合せ物)において生
ずる遺伝子の発現の程度と比較する。
【0007】 本発明はまた、GDF−9活性のインヒビターである薬剤の同定方法に関する
。1つの態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる。
調製された合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条
件下に維持する;そして、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際
に生ずるレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度
を測定する。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合
の際の遺伝子の発現の阻害は、該薬剤がGDF−9活性を阻害することを示す。
他の1つの態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる
。調製された合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する
条件下に維持する;そして、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の
際に生ずるレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子であるuP
Aの発現の程度を測定する。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのG
DF−9の結合の際のuPA遺伝子の発現の増加は、該薬剤がGDF−9活性を
阻害することを示す。
。1つの態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる。
調製された合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条
件下に維持する;そして、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際
に生ずるレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度
を測定する。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合
の際の遺伝子の発現の阻害は、該薬剤がGDF−9活性を阻害することを示す。
他の1つの態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる
。調製された合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する
条件下に維持する;そして、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の
際に生ずるレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子であるuP
Aの発現の程度を測定する。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのG
DF−9の結合の際のuPA遺伝子の発現の増加は、該薬剤がGDF−9活性を
阻害することを示す。
【0008】 本発明はまた、GDF−9活性のエンハンサーである薬剤の同定方法に関する
。1つの態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる。
調製された合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条
件下に維持し、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレ
セプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する
。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際の遺伝
子の発現の増強は、GDF−9活性のエンハンサーである薬剤を示す。他の1つ
の態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる。調製さ
れた合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に
維持する;そして、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ず
るレセプターへのGDF−9の結合により調節されるuPA遺伝子の発現の程度
を測定する。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合
の際のuPA遺伝子の発現の減少は、該薬剤がGDF−9活性を増強することを
示す。
。1つの態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる。
調製された合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条
件下に維持し、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレ
セプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する
。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際の遺伝
子の発現の増強は、GDF−9活性のエンハンサーである薬剤を示す。他の1つ
の態様において、顆粒膜細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤を合せる。調製さ
れた合せ物を顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に
維持する;そして、顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ず
るレセプターへのGDF−9の結合により調節されるuPA遺伝子の発現の程度
を測定する。評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合
の際のuPA遺伝子の発現の減少は、該薬剤がGDF−9活性を増強することを
示す。
【0009】 本発明の方法はまた、哺乳動物(たとえば、ヒト)において生殖能力を阻害す
る薬剤を同定するために使用することができる。他方、本発明の方法は哺乳動物
において生殖能力を増強する薬剤を同定するために使用することができる。
る薬剤を同定するために使用することができる。他方、本発明の方法は哺乳動物
において生殖能力を増強する薬剤を同定するために使用することができる。
【0010】 本発明はまた、GDF−9のアゴニストである薬剤の同定方法に関する。この
方法において、GDF−9のレセプターと遺伝子を有する細胞、ここで、該遺伝
子の発現はレセプターへのGDF−9の結合により調節される;GDF−9;と
評価対象の薬剤を合せる。調製された合せ物を細胞上のレセプターへのGDF−
9の結合に適する条件下に維持し、そして、レセプターへのGDF−9の結合に
より調節される遺伝子の発現が生ずる程度を測定する。その際、評価対象の薬剤
の存在下における遺伝子の発現は、該薬剤がGDF−9のアゴニストであること
を示す。
方法において、GDF−9のレセプターと遺伝子を有する細胞、ここで、該遺伝
子の発現はレセプターへのGDF−9の結合により調節される;GDF−9;と
評価対象の薬剤を合せる。調製された合せ物を細胞上のレセプターへのGDF−
9の結合に適する条件下に維持し、そして、レセプターへのGDF−9の結合に
より調節される遺伝子の発現が生ずる程度を測定する。その際、評価対象の薬剤
の存在下における遺伝子の発現は、該薬剤がGDF−9のアゴニストであること
を示す。
【0011】 さらに、本発明はGDF−9のアゴニストまたはアンタゴニストである薬剤の
同定方法に関する。この方法において、GDF−9のレセプターと該レセプター
へのGDF−9の結合により発現が調節される遺伝子を有する細胞;GDF−9
と評価対象の薬剤を合せる。調製された合せ物を細胞上のレセプターへの薬剤の
結合に適する条件下に維持する。細胞上のレセプターへの薬剤の結合が生ずる程
度を測定する。その際、GDF−9レセプターへの薬剤の結合は、該薬剤がGD
F−9のアゴニストまたはアンタゴニストであることを示す。
同定方法に関する。この方法において、GDF−9のレセプターと該レセプター
へのGDF−9の結合により発現が調節される遺伝子を有する細胞;GDF−9
と評価対象の薬剤を合せる。調製された合せ物を細胞上のレセプターへの薬剤の
結合に適する条件下に維持する。細胞上のレセプターへの薬剤の結合が生ずる程
度を測定する。その際、GDF−9レセプターへの薬剤の結合は、該薬剤がGD
F−9のアゴニストまたはアンタゴニストであることを示す。
【0012】 細胞上のレセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度は種々の方法で測定す
ることができる。たとえば、結合が生ずる程度を、レセプターへのGDF−9の
結合により調節される遺伝子の遺伝子産物(たとえば、遺伝子のDNA、RNA
等の核酸;遺伝子によりコードされるタンパク質、ペプチド)を直接測定するこ
とにより測定する。1つの態様において、遺伝子はヒアルロン酸の合成に関与す
るタンパク質(たとえば、ヒアルロナンシンターゼ)をコードし、顆粒膜細胞上
のレセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度を、該遺伝子の産物(たとえば
、ヒアルロナンシンターゼをコードするRNA)の産生を測定することにより測
定する。その際、遺伝子産物の産生の増加は薬剤がGDF−9活性のエンハンサ
ーであることを示し、遺伝子産物の産生の減少は薬剤がGDF−9活性のインヒ
ビターであることを示す。他の1つの態様において、遺伝子はプロゲステロンの
合成に関与するタンパク質(たとえば、StAR)をコードし、顆粒膜細胞上の
レセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度を、該遺伝子の産物(たとえば、
StARをコードするRNA)の産生を測定することにより測定する。その際、
遺伝子産物の産生の増加は薬剤がGDF−9活性のエンハンサーであることを示
し、遺伝子産物の産生の減少は薬剤がGDF−9活性のインヒビターであること
を示す。さらに他の1つの態様において、遺伝子はプラスミンの産生に関与する
タンパク質(たとえば、uPA)をコードし、レセプターへのGDF−9の結合
の際に生ずるレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の
程度を、遺伝子の産物(たとえば、uPAをコードするRNA)の産生を測定す
ることにより測定する。その際、遺伝子産物の発現の減少は薬剤がGDF−9活
性のエンハンサーであることを示し、遺伝子産物の発現の減少は薬剤がGDF−
9活性のインヒビターであることを示す。細胞上のレセプターへのGDF−9の
結合が生ずる程度はまた、細胞上のレセプターへのGDF−9の結合により発現
が調節される遺伝子によりコードされるタンパク質の活性に起因する産物または
機能(たとえば、ヒアルロン酸、プロゲステロンおよび/またはプラスミン)を
測定することにより測定することができる。
ることができる。たとえば、結合が生ずる程度を、レセプターへのGDF−9の
結合により調節される遺伝子の遺伝子産物(たとえば、遺伝子のDNA、RNA
等の核酸;遺伝子によりコードされるタンパク質、ペプチド)を直接測定するこ
とにより測定する。1つの態様において、遺伝子はヒアルロン酸の合成に関与す
るタンパク質(たとえば、ヒアルロナンシンターゼ)をコードし、顆粒膜細胞上
のレセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度を、該遺伝子の産物(たとえば
、ヒアルロナンシンターゼをコードするRNA)の産生を測定することにより測
定する。その際、遺伝子産物の産生の増加は薬剤がGDF−9活性のエンハンサ
ーであることを示し、遺伝子産物の産生の減少は薬剤がGDF−9活性のインヒ
ビターであることを示す。他の1つの態様において、遺伝子はプロゲステロンの
合成に関与するタンパク質(たとえば、StAR)をコードし、顆粒膜細胞上の
レセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度を、該遺伝子の産物(たとえば、
StARをコードするRNA)の産生を測定することにより測定する。その際、
遺伝子産物の産生の増加は薬剤がGDF−9活性のエンハンサーであることを示
し、遺伝子産物の産生の減少は薬剤がGDF−9活性のインヒビターであること
を示す。さらに他の1つの態様において、遺伝子はプラスミンの産生に関与する
タンパク質(たとえば、uPA)をコードし、レセプターへのGDF−9の結合
の際に生ずるレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の
程度を、遺伝子の産物(たとえば、uPAをコードするRNA)の産生を測定す
ることにより測定する。その際、遺伝子産物の発現の減少は薬剤がGDF−9活
性のエンハンサーであることを示し、遺伝子産物の発現の減少は薬剤がGDF−
9活性のインヒビターであることを示す。細胞上のレセプターへのGDF−9の
結合が生ずる程度はまた、細胞上のレセプターへのGDF−9の結合により発現
が調節される遺伝子によりコードされるタンパク質の活性に起因する産物または
機能(たとえば、ヒアルロン酸、プロゲステロンおよび/またはプラスミン)を
測定することにより測定することができる。
【0013】 顆粒膜細胞がGDF−9に応答する、およびこの応答は1つまたはそれ以上の
誘導可能な遺伝子により測定できるという知見は、GDF−9のインビトロバイ
オアッセイを可能にする。かかるアッセイは、哺乳動物における生殖能力の問題
を診断するために、また、たとえば、哺乳動物における生殖能力の問題を診断お
よび/または治療するために用いることができる、GDF−9のインヒビター、
エンハンサー、アンタゴニストおよびアナログを同定するために使用することが
できる。
誘導可能な遺伝子により測定できるという知見は、GDF−9のインビトロバイ
オアッセイを可能にする。かかるアッセイは、哺乳動物における生殖能力の問題
を診断するために、また、たとえば、哺乳動物における生殖能力の問題を診断お
よび/または治療するために用いることができる、GDF−9のインヒビター、
エンハンサー、アンタゴニストおよびアナログを同定するために使用することが
できる。
【0014】 発明の詳細な説明 本発明は、成長分化因子9(GDF−9)の活性を変える(調節する)薬剤の
同定方法に関する。特に、本発明の方法は、初期の卵巣での卵胞形成の際に必要
とされる因子であるGDF−9の活性を阻害または増強する薬剤の能力を評価す
るためのアッセイである。GDF−9活性を変える(阻害する、増強する)薬剤
を同定する本発明の方法において、以下の試薬を合せて試験サンプルを調製する
:GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合により発現が調
節される遺伝子を有する細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤。
同定方法に関する。特に、本発明の方法は、初期の卵巣での卵胞形成の際に必要
とされる因子であるGDF−9の活性を阻害または増強する薬剤の能力を評価す
るためのアッセイである。GDF−9活性を変える(阻害する、増強する)薬剤
を同定する本発明の方法において、以下の試薬を合せて試験サンプルを調製する
:GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF−9の結合により発現が調
節される遺伝子を有する細胞;GDF−9;と評価対象の薬剤。
【0015】 GDF−9のレセプターと細胞上の該レセプターへのGDF−9の結合により
発現が調節される遺伝子を有する細胞には、たとえば、哺乳動物の卵巣の卵胞に
見出される顆粒膜細胞(たとえば、壁在性顆粒膜細胞、卵丘細胞)を含む。卵胞
形成のあらゆる段階におけるGDF−9のレセプターを有する細胞(たとえば、
顆粒膜細胞)により取り囲まれる卵母細胞を含む、哺乳動物の卵巣の卵胞も本発
明の方法において使用することができる。たとえば、始原、一次、二次、三次(
排卵前)または過剰排卵の卵巣の卵胞を本発明の方法において使用することがで
きる。この態様において、卵巣の卵胞は一般に、GDF−9を発現する卵母細胞
および顆粒膜細胞を含むであろう。それゆえ、試験サンプルにおけるGDF−9
の添加はこの態様においては任意である。評価対象の薬剤がGDF−9活性を阻
害する、またはさらに卵巣の卵胞に存在するGDF−9の活性を増強する程度を
評価する。顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞は、本明細書に記載のようにあ
らゆる哺乳動物源から、当該分野で既知の技術を用いて得ることができる。たと
えば、顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞は、霊長類の動物(たとえば、サル
、ヒト)、ウシ、ブタ、ネコ、イヌおよびネズミ源から得ることができる。さら
に、顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞は、卵胞形成のあらゆる段階の哺乳動
物から、または過剰排卵の状態の哺乳動物から得ることができる。たとえば、哺
乳動物における過剰排卵の状態は哺乳動物にゴナドトロピン(たとえば、妊馬血
清ゴナドトロピン)を投与することにより得ることができ、かかる哺乳動物から
顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞が得られるだろう。本発明の方法における
使用に適する細胞の他の例には、GDF−9レセプターおよび細胞上の該レセプ
ターへのGDF−9の結合により発現が調節される遺伝子を発現するように組換
え的に作製された細胞(たとえば、GDF−9レセプターおよび、レセプターへ
のGDF−9の結合の際にさらにヒアルロナンシンターゼを発現する、組換え的
に作製されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)を含む。
発現が調節される遺伝子を有する細胞には、たとえば、哺乳動物の卵巣の卵胞に
見出される顆粒膜細胞(たとえば、壁在性顆粒膜細胞、卵丘細胞)を含む。卵胞
形成のあらゆる段階におけるGDF−9のレセプターを有する細胞(たとえば、
顆粒膜細胞)により取り囲まれる卵母細胞を含む、哺乳動物の卵巣の卵胞も本発
明の方法において使用することができる。たとえば、始原、一次、二次、三次(
排卵前)または過剰排卵の卵巣の卵胞を本発明の方法において使用することがで
きる。この態様において、卵巣の卵胞は一般に、GDF−9を発現する卵母細胞
および顆粒膜細胞を含むであろう。それゆえ、試験サンプルにおけるGDF−9
の添加はこの態様においては任意である。評価対象の薬剤がGDF−9活性を阻
害する、またはさらに卵巣の卵胞に存在するGDF−9の活性を増強する程度を
評価する。顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞は、本明細書に記載のようにあ
らゆる哺乳動物源から、当該分野で既知の技術を用いて得ることができる。たと
えば、顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞は、霊長類の動物(たとえば、サル
、ヒト)、ウシ、ブタ、ネコ、イヌおよびネズミ源から得ることができる。さら
に、顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞は、卵胞形成のあらゆる段階の哺乳動
物から、または過剰排卵の状態の哺乳動物から得ることができる。たとえば、哺
乳動物における過剰排卵の状態は哺乳動物にゴナドトロピン(たとえば、妊馬血
清ゴナドトロピン)を投与することにより得ることができ、かかる哺乳動物から
顆粒膜細胞および/または卵巣の卵胞が得られるだろう。本発明の方法における
使用に適する細胞の他の例には、GDF−9レセプターおよび細胞上の該レセプ
ターへのGDF−9の結合により発現が調節される遺伝子を発現するように組換
え的に作製された細胞(たとえば、GDF−9レセプターおよび、レセプターへ
のGDF−9の結合の際にさらにヒアルロナンシンターゼを発現する、組換え的
に作製されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)を含む。
【0016】 本明細書に記載のように、本発明の方法は、GDF−9のレセプターと細胞上
の該レセプターへのGDF−9の結合により発現が調節される遺伝子を有する細
胞を利用する。本発明における使用のための遺伝子(1つまたはそれ以上)には
、たとえば、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期調節タンパク質、黄
体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、ウロキナーゼプラスミノ
ーゲンアクチベーター、アクチビン/インヒビンおよびフォリスタチンをコード
する遺伝子を含む。
の該レセプターへのGDF−9の結合により発現が調節される遺伝子を有する細
胞を利用する。本発明における使用のための遺伝子(1つまたはそれ以上)には
、たとえば、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期調節タンパク質、黄
体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、ウロキナーゼプラスミノ
ーゲンアクチベーター、アクチビン/インヒビンおよびフォリスタチンをコード
する遺伝子を含む。
【0017】 本明細書に使用の「GDF−9」は、GDF−9タンパク質、その個々のサブ
ユニット、その個々のサブユニットの多量体、GDF−9の機能的フラグメント
もしくは一部、ならびにGDF−9の機能的均等物および/またはアナログをい
う。本明細書において定義されるように、GDF−9の機能的フラグメントは、
たとえば、ヒアルロン酸の合成に関与する1つまたは複数のタンパク質(たとえ
ば、ヒアルロナンシンターゼ)、プロゲステロンの合成に関与する1つまたは複
数のタンパク質(たとえば、StAR)および/またはプラスミンの合成に関与
するタンパク質(たとえば、uPA)をコードする遺伝子を調節するフラグメン
トである。また、本明細書において定義されるように、「GDF−9」の機能的
均等物またはフラグメントには、得られるGDF−9産物が本明細書に記載のG
DF−9と類似の活性を有する(たとえば、ヒアルロン酸の合成に関与するタン
パク質をコードする遺伝子を調節する)ように改変されたGDF−9タンパク質
を含む。
ユニット、その個々のサブユニットの多量体、GDF−9の機能的フラグメント
もしくは一部、ならびにGDF−9の機能的均等物および/またはアナログをい
う。本明細書において定義されるように、GDF−9の機能的フラグメントは、
たとえば、ヒアルロン酸の合成に関与する1つまたは複数のタンパク質(たとえ
ば、ヒアルロナンシンターゼ)、プロゲステロンの合成に関与する1つまたは複
数のタンパク質(たとえば、StAR)および/またはプラスミンの合成に関与
するタンパク質(たとえば、uPA)をコードする遺伝子を調節するフラグメン
トである。また、本明細書において定義されるように、「GDF−9」の機能的
均等物またはフラグメントには、得られるGDF−9産物が本明細書に記載のG
DF−9と類似の活性を有する(たとえば、ヒアルロン酸の合成に関与するタン
パク質をコードする遺伝子を調節する)ように改変されたGDF−9タンパク質
を含む。
【0018】 本方法の使用に適するGDF−9および本発明の組成物は種々の供給源から得
ることができ、または当該分野で既知の技術を用いて合成することができる。た
とえば、卵巣の卵胞に生ずるようなGDF−9を本発明の方法において使用する
ことができる。さらに、GDF−9は天然源(たとえば、霊長類の動物、ウシ、
ブタ、ネコ、イヌおよびネズミ源)から精製(単離、実質的に純粋)することが
でき、化学合成により製造することができ、組換えDNA技術により製造するこ
とができ、または市販源から得ることができる。
ることができ、または当該分野で既知の技術を用いて合成することができる。た
とえば、卵巣の卵胞に生ずるようなGDF−9を本発明の方法において使用する
ことができる。さらに、GDF−9は天然源(たとえば、霊長類の動物、ウシ、
ブタ、ネコ、イヌおよびネズミ源)から精製(単離、実質的に純粋)することが
でき、化学合成により製造することができ、組換えDNA技術により製造するこ
とができ、または市販源から得ることができる。
【0019】 本明細書に記載のように、本発明の方法において調製される合せ物(試験サン
プル)を細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に維持する。
本明細書に記載の方法を実施するのに好適な温度範囲は、約0℃から約45℃で
ある。1つの態様において、本方法は約37℃で実施でき、他の1つの態様にお
いて、本方法は約25℃で実施できる。本方法を実施し得る好適なpH範囲は約
pH5から約pH8であり、特に、約pH7から約pH7.4である。1つの態
様において、本方法は約pH7.4で実施することができる。さらに、本方法は
、1日で、または数日に渡って実施することができる。たとえば、本方法は約1
時間から約96時間まで、約1時間から約48時間まで、または約1時間から約
24時間まで実施することができる。1つの態様において、本方法は約3時間か
ら約24時間まで実施することができる。
プル)を細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に維持する。
本明細書に記載の方法を実施するのに好適な温度範囲は、約0℃から約45℃で
ある。1つの態様において、本方法は約37℃で実施でき、他の1つの態様にお
いて、本方法は約25℃で実施できる。本方法を実施し得る好適なpH範囲は約
pH5から約pH8であり、特に、約pH7から約pH7.4である。1つの態
様において、本方法は約pH7.4で実施することができる。さらに、本方法は
、1日で、または数日に渡って実施することができる。たとえば、本方法は約1
時間から約96時間まで、約1時間から約48時間まで、または約1時間から約
24時間まで実施することができる。1つの態様において、本方法は約3時間か
ら約24時間まで実施することができる。
【0020】 本発明の方法において、細胞上のレセプターへのGDF−9の結合が生ずる程
度は直接的にまたは間接的に測定することができる。たとえば、細胞上のレセプ
ターへのGDF−9の結合が生ずる程度は、アッセイに使用される細胞上に存在
するGDF−9レセプターへのGDF−9の結合に応答して生ずる特定の遺伝子
産物(たとえば、DNA、RNA(mRNA)、ペプチド、タンパク質)を直接
測定することにより測定することができる。かかる特定の遺伝子産物の例には、
限定されるものではないが、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期調節
タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、ウロキナ
ーゼプラスミノーゲンアクチベーター、キットリガンド、アクチビン/インヒビ
ンβBおよびフォリスタチンを含む。
度は直接的にまたは間接的に測定することができる。たとえば、細胞上のレセプ
ターへのGDF−9の結合が生ずる程度は、アッセイに使用される細胞上に存在
するGDF−9レセプターへのGDF−9の結合に応答して生ずる特定の遺伝子
産物(たとえば、DNA、RNA(mRNA)、ペプチド、タンパク質)を直接
測定することにより測定することができる。かかる特定の遺伝子産物の例には、
限定されるものではないが、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期調節
タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、ウロキナ
ーゼプラスミノーゲンアクチベーター、キットリガンド、アクチビン/インヒビ
ンβBおよびフォリスタチンを含む。
【0021】 他方、遺伝子産物の活性の結果として生ずる(たとえば、下流)産物または機
能も測定することができる。1つの態様において、遺伝子はヒアルロン酸の合成
に関与し(たとえば、ヒアルロナンシンターゼをコードする遺伝子)、ヒアルロ
ン酸等の、遺伝子の活性から生ずる産物を測定することができる。他の1つの態
様において、遺伝子はプロゲステロンの合成に関与し(たとえば、StARをコ
ードする遺伝子)、プロゲステロン、リン酸化StARおよび/またはプロゲス
テロン合成経路における他のステロイド等の、遺伝子の活性から生ずる産物を測
定することができる。さらなる態様において、遺伝子はプラスミンの合成に関与
し(たとえば、uPA)、プラスミン等の遺伝子の活性から生ずる産物、および
/またはプラスミノーゲンの切断等の遺伝子の機能を測定することができる。他
の1つの態様において、遺伝子はプロスタグランジン(たとえば、COX−2)
の産生に関与し、プロスタグランジン等の遺伝子の活性から生ずる産物を測定す
ることができる。遺伝子はまた、アクチビンBまたはインヒビンBの産生に関与
し得、アクチビンβB:アクチビンおよび/またはβBインヒビンα:アクチビ
ンβB等の、遺伝子の活性から生ずる産物を測定することができる。他の1つの
態様において、遺伝子はLHレセプターの産生に関与し、LHレセプターの結合
の結果として産生される産物(たとえば、サイクリックAMP)等の、遺伝子の
活性から生ずる産物、および/またはLHレセプターへのリガンドの結合等の、
遺伝子の活性から生ずる機能を測定することができる。さらに、特に、GDF−
9のアゴニストまたはアンタゴニストが同定されるであろう方法において、細胞
上のレセプターへの評価対象の薬剤の存在下におけるGDF−9の結合が生ずる
程度は、当該分野において既知の技術(たとえば、ラジオレセプターアッセイ)
を用いて、直接、細胞上のレセプターに結合されたGDF−9の量を測定するこ
とにより測定することができる。
能も測定することができる。1つの態様において、遺伝子はヒアルロン酸の合成
に関与し(たとえば、ヒアルロナンシンターゼをコードする遺伝子)、ヒアルロ
ン酸等の、遺伝子の活性から生ずる産物を測定することができる。他の1つの態
様において、遺伝子はプロゲステロンの合成に関与し(たとえば、StARをコ
ードする遺伝子)、プロゲステロン、リン酸化StARおよび/またはプロゲス
テロン合成経路における他のステロイド等の、遺伝子の活性から生ずる産物を測
定することができる。さらなる態様において、遺伝子はプラスミンの合成に関与
し(たとえば、uPA)、プラスミン等の遺伝子の活性から生ずる産物、および
/またはプラスミノーゲンの切断等の遺伝子の機能を測定することができる。他
の1つの態様において、遺伝子はプロスタグランジン(たとえば、COX−2)
の産生に関与し、プロスタグランジン等の遺伝子の活性から生ずる産物を測定す
ることができる。遺伝子はまた、アクチビンBまたはインヒビンBの産生に関与
し得、アクチビンβB:アクチビンおよび/またはβBインヒビンα:アクチビ
ンβB等の、遺伝子の活性から生ずる産物を測定することができる。他の1つの
態様において、遺伝子はLHレセプターの産生に関与し、LHレセプターの結合
の結果として産生される産物(たとえば、サイクリックAMP)等の、遺伝子の
活性から生ずる産物、および/またはLHレセプターへのリガンドの結合等の、
遺伝子の活性から生ずる機能を測定することができる。さらに、特に、GDF−
9のアゴニストまたはアンタゴニストが同定されるであろう方法において、細胞
上のレセプターへの評価対象の薬剤の存在下におけるGDF−9の結合が生ずる
程度は、当該分野において既知の技術(たとえば、ラジオレセプターアッセイ)
を用いて、直接、細胞上のレセプターに結合されたGDF−9の量を測定するこ
とにより測定することができる。
【0022】 細胞上のレセプターへのGDF−9の結合が生ずる程度を測定するために使用
することができる方法は測定されるであろうそのパラメータに依存する。細胞上
のレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子に関連する核酸(D
NA、RNA)の存在を、たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の視
覚化、放射性標識法、放射性標識PCR産物の写真撮影検出、PCR産物のサザ
ンブロット、RNアーゼプロテクションアッセイおよび/またはノーザンブロッ
トを用いて測定することができる。他方、細胞上のレセプターへのGDF−9の
結合により調節される遺伝子に関連するタンパク質の存在を、高圧液体クロマト
グラフィー(HPLC)、免疫組織化学、ウエスタンブロット解析および免疫沈
降等の技術を用いて測定することができる。さらに、細胞上のレセプターへのG
DF−9の結合により調節される遺伝子の活性に応答して生ずる下流産物(たと
えば、ヒアルロン酸、プロゲステロン、プラスミン)は、たとえば、HPLCお
よび/またはラジオイムノアッセイを使用して測定することができる。
することができる方法は測定されるであろうそのパラメータに依存する。細胞上
のレセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子に関連する核酸(D
NA、RNA)の存在を、たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の視
覚化、放射性標識法、放射性標識PCR産物の写真撮影検出、PCR産物のサザ
ンブロット、RNアーゼプロテクションアッセイおよび/またはノーザンブロッ
トを用いて測定することができる。他方、細胞上のレセプターへのGDF−9の
結合により調節される遺伝子に関連するタンパク質の存在を、高圧液体クロマト
グラフィー(HPLC)、免疫組織化学、ウエスタンブロット解析および免疫沈
降等の技術を用いて測定することができる。さらに、細胞上のレセプターへのG
DF−9の結合により調節される遺伝子の活性に応答して生ずる下流産物(たと
えば、ヒアルロン酸、プロゲステロン、プラスミン)は、たとえば、HPLCお
よび/またはラジオイムノアッセイを使用して測定することができる。
【0023】 本発明の方法はさらに、対照サンプルの使用を含み得る。たとえば、試験サン
プル中の細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の程度を、対照サンプル(す
なわち、評価対象の薬剤を除いて試験サンプルと同じ試薬の組み合わせを含み、
かつ試験サンプルと同じ様式で加工されているサンプル)中で生ずる細胞上のレ
セプターへのGDF−9の結合の程度と比較する。
プル中の細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の程度を、対照サンプル(す
なわち、評価対象の薬剤を除いて試験サンプルと同じ試薬の組み合わせを含み、
かつ試験サンプルと同じ様式で加工されているサンプル)中で生ずる細胞上のレ
セプターへのGDF−9の結合の程度と比較する。
【0024】 本明細書に記載の方法および該方法により同定される薬剤は種々の方法で使用
することができる。たとえば、本方法は、GDF−9のインヒビター、エンハン
サー、アンタゴニスト、アゴニスト、および/またはアナログである薬剤および
生殖問題を診断および/または治療するために使用することができる薬剤を同定
するためのスクリーニング方法として、または、不妊等の生殖問題を検出するた
めの診断アッセイ(たとえば、GDF−9活性を解析するための卵胞液のアッセ
イ)として使用することができる。本発明の方法により同定される薬剤は、GD
F−9活性が異常であるあらゆる疾患または症状において使用することができる
。たとえば、本発明の方法において同定される薬剤を使用して、生殖能力を阻害
(たとえば、避妊、避妊薬)または生殖能力を増強(たとえば、インビトロでの
受精の成功の増加)することができる。
することができる。たとえば、本方法は、GDF−9のインヒビター、エンハン
サー、アンタゴニスト、アゴニスト、および/またはアナログである薬剤および
生殖問題を診断および/または治療するために使用することができる薬剤を同定
するためのスクリーニング方法として、または、不妊等の生殖問題を検出するた
めの診断アッセイ(たとえば、GDF−9活性を解析するための卵胞液のアッセ
イ)として使用することができる。本発明の方法により同定される薬剤は、GD
F−9活性が異常であるあらゆる疾患または症状において使用することができる
。たとえば、本発明の方法において同定される薬剤を使用して、生殖能力を阻害
(たとえば、避妊、避妊薬)または生殖能力を増強(たとえば、インビトロでの
受精の成功の増加)することができる。
【0025】 本明細書に記載のように、切断した、成熟マウスGDF−9タンパク質でなら
したCHO細胞培地(CHO 19A12)を用いる初期卵胞培養実験において
、卵胞は顆粒状のようであり、顆粒膜細胞は寄り集まり、また、互いに離れ、培
養の2日後、粘膜分泌細胞化マトリックスを形成するようであることに言及した
。CHO対照培地または骨形態形成タンパク質15(BMP−15)のみを含む
培地(CHO 21A5)は、卵胞に対しこの粘膜分泌細胞化効果を有さなかっ
た。GDF−9およびBMP−15の両方を発現する細胞由来であるが、GDF
−9レベルがCHO 19A12におけるより5〜10倍低いと推定される培地
(CHO 27A11)では、結局、培養の5日後に粘膜分泌期事象が生じた。
したCHO細胞培地(CHO 19A12)を用いる初期卵胞培養実験において
、卵胞は顆粒状のようであり、顆粒膜細胞は寄り集まり、また、互いに離れ、培
養の2日後、粘膜分泌細胞化マトリックスを形成するようであることに言及した
。CHO対照培地または骨形態形成タンパク質15(BMP−15)のみを含む
培地(CHO 21A5)は、卵胞に対しこの粘膜分泌細胞化効果を有さなかっ
た。GDF−9およびBMP−15の両方を発現する細胞由来であるが、GDF
−9レベルがCHO 19A12におけるより5〜10倍低いと推定される培地
(CHO 27A11)では、結局、培養の5日後に粘膜分泌期事象が生じた。
【0026】 卵丘細胞として知られる、排卵前の卵胞において卵母細胞と直接接触する顆粒
膜細胞は、卵丘拡張と呼ばれる工程において、インビボおよびインビトロの両方
でヒアルロン酸を含むプロテオグリカンマトリックスを産生する。この拡張マト
リックスは卵母細胞および共に卵丘細胞を結合し、卵胞排出および卵管采捕捉を
促進し、精子貫入および受精を可能にする〔Salustri et al.,Zygote,4:313-315
(1996)〕。インビトロでの卵丘拡張は、卵胞刺激ホルモンおよび卵母細胞由来因
子に依存することが観察されている〔Buccione et al.,Dev.Biol.,138:16-25(19
90)〕。卵母細胞からはぎ取られた卵丘細胞は拡張せず、付着性の線維芽細胞の 形態をとり、極僅かな量のヒアルロン酸を産生する。卵母細胞を培養物に戻して
添加した場合、または卵母細胞でならした培地(OCM)(〜1卵母細胞/μl
培地)にて卵丘細胞を増殖させる場合、それらは5〜10倍の高いレベルのヒア
ルロン酸を産生する。卵母細胞ならし培地および/またはTGF−βでの処理に
より、壁在性顆粒膜細胞(すなわち、卵母細胞と接触していない排卵前の卵胞の
顆粒膜細胞)を誘導し、インビトロでヒアルロン酸を作製することができること
も示された〔Salustri et al.,J.Biol.Chem.,265:19517-19523(1990)〕。OCM
およびTGF−βの両方の影響は相加的であった。抗TGF−β抗体はTGF−
βの影響をブロックすることができたが、卵母細胞ならし培地の影響をブロック
することはできなかった。このことは、TGF−βそれ自体はヒアルロン酸産生
を刺激する卵母細胞由来シグナルではないことを示す。さらに、これらの実験を
転写ブロッキング剤であるアクチノマイシンDを用いて繰り返した。TGF−β
の影響の〜50%はこれらの条件下でブロックされることが示された〔Tirone e
t al.,J.Biol.Chem.,272:4787-4794(1997)〕。
膜細胞は、卵丘拡張と呼ばれる工程において、インビボおよびインビトロの両方
でヒアルロン酸を含むプロテオグリカンマトリックスを産生する。この拡張マト
リックスは卵母細胞および共に卵丘細胞を結合し、卵胞排出および卵管采捕捉を
促進し、精子貫入および受精を可能にする〔Salustri et al.,Zygote,4:313-315
(1996)〕。インビトロでの卵丘拡張は、卵胞刺激ホルモンおよび卵母細胞由来因
子に依存することが観察されている〔Buccione et al.,Dev.Biol.,138:16-25(19
90)〕。卵母細胞からはぎ取られた卵丘細胞は拡張せず、付着性の線維芽細胞の 形態をとり、極僅かな量のヒアルロン酸を産生する。卵母細胞を培養物に戻して
添加した場合、または卵母細胞でならした培地(OCM)(〜1卵母細胞/μl
培地)にて卵丘細胞を増殖させる場合、それらは5〜10倍の高いレベルのヒア
ルロン酸を産生する。卵母細胞ならし培地および/またはTGF−βでの処理に
より、壁在性顆粒膜細胞(すなわち、卵母細胞と接触していない排卵前の卵胞の
顆粒膜細胞)を誘導し、インビトロでヒアルロン酸を作製することができること
も示された〔Salustri et al.,J.Biol.Chem.,265:19517-19523(1990)〕。OCM
およびTGF−βの両方の影響は相加的であった。抗TGF−β抗体はTGF−
βの影響をブロックすることができたが、卵母細胞ならし培地の影響をブロック
することはできなかった。このことは、TGF−βそれ自体はヒアルロン酸産生
を刺激する卵母細胞由来シグナルではないことを示す。さらに、これらの実験を
転写ブロッキング剤であるアクチノマイシンDを用いて繰り返した。TGF−β
の影響の〜50%はこれらの条件下でブロックされることが示された〔Tirone e
t al.,J.Biol.Chem.,272:4787-4794(1997)〕。
【0027】 最近、ヒアルロナンシンターゼ2型(HAS2)がマウスで同定され、トラン
スフェクトされたCOS細胞においてヒアルロン酸産生を触媒することができる
ことが示された〔Spicer et al.,J.Biol.Chem.,271:23400-23406(1996)〕。他の
研究において、標準過剰排卵プロトコル〔妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)
−48時間 hCG〕のヒト絨毛膜ゴナドトロピン(hCG)投与の1時間〜4
時間後、HAS2は卵丘卵母細胞複合体において誘導されることが示されること
が示された〔Fulop et al.,Arch.Biochem.Biophysics,337:261-266(1997)〕。そ
の酵素活性およびその発現パターンにより、HAS2は卵丘拡張に導くヒアルロ
ン酸産生を担うようであり、卵母細胞により産生されるまたは卵母細胞ならし培
地に存在する因子に応答する遺伝子であるかもしれない。
スフェクトされたCOS細胞においてヒアルロン酸産生を触媒することができる
ことが示された〔Spicer et al.,J.Biol.Chem.,271:23400-23406(1996)〕。他の
研究において、標準過剰排卵プロトコル〔妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)
−48時間 hCG〕のヒト絨毛膜ゴナドトロピン(hCG)投与の1時間〜4
時間後、HAS2は卵丘卵母細胞複合体において誘導されることが示されること
が示された〔Fulop et al.,Arch.Biochem.Biophysics,337:261-266(1997)〕。そ
の酵素活性およびその発現パターンにより、HAS2は卵丘拡張に導くヒアルロ
ン酸産生を担うようであり、卵母細胞により産生されるまたは卵母細胞ならし培
地に存在する因子に応答する遺伝子であるかもしれない。
【0028】 さらに、研究により、第2遺伝子であるウロキナーゼプラスミノーゲンアクチ
ベーター(uPA)が卵母細胞由来因子により阻害されることが示されている〔
Canipari et al.,Devel.Biol.,167:371-378(1995)〕。uPAは、プラスミノー ゲンを切断して活性なプロテアーゼであるプラスミンを形成するセリンプロテア
ーゼであり、卵胞壁の排卵前のタンパク質分解による崩壊において役割を演ずる
ことが示唆されている。uPAは、顆粒膜細胞および卵胞膜細胞(theca
cell)においてゴナドトロピンにより刺激される。卵丘卵母細胞複合体にお
ける卵丘細胞は、通常、uPAを産生しない。しかしながら、卵母細胞からはぎ
取られ、FSHにより刺激された卵丘細胞はuPAを分泌する。uPA分泌は、
卵丘細胞を卵母細胞とまたは卵母細胞ならし培地で培養することにより非常に減
少する。
ベーター(uPA)が卵母細胞由来因子により阻害されることが示されている〔
Canipari et al.,Devel.Biol.,167:371-378(1995)〕。uPAは、プラスミノー ゲンを切断して活性なプロテアーゼであるプラスミンを形成するセリンプロテア
ーゼであり、卵胞壁の排卵前のタンパク質分解による崩壊において役割を演ずる
ことが示唆されている。uPAは、顆粒膜細胞および卵胞膜細胞(theca
cell)においてゴナドトロピンにより刺激される。卵丘卵母細胞複合体にお
ける卵丘細胞は、通常、uPAを産生しない。しかしながら、卵母細胞からはぎ
取られ、FSHにより刺激された卵丘細胞はuPAを分泌する。uPA分泌は、
卵丘細胞を卵母細胞とまたは卵母細胞ならし培地で培養することにより非常に減
少する。
【0029】 また、実施例において示すように、卵母細胞特異的TGF−βファミリー成長
因子であるmGDF−9の組み換え体は、顆粒膜細胞において、HAS2および
/またはプロゲステロンの発現を誘導し、および/またはuPA発現を阻害する
ことができる。HAS2発現に対するこの効果は卵胞培養実験により予想される
ようにGDF−9に特異的であり、他の卵母細胞特異的TGF−βファミリーの
メンバー(すなわち、BMP−15およびBMP−6)により誘導されない。
因子であるmGDF−9の組み換え体は、顆粒膜細胞において、HAS2および
/またはプロゲステロンの発現を誘導し、および/またはuPA発現を阻害する
ことができる。HAS2発現に対するこの効果は卵胞培養実験により予想される
ようにGDF−9に特異的であり、他の卵母細胞特異的TGF−βファミリーの
メンバー(すなわち、BMP−15およびBMP−6)により誘導されない。
【0030】 実施例3に記載のように、マウスGDF−9タンパク質は全ての卵母細胞にお
いて発現され、卵胞腔卵胞を含む3a型卵胞段階において開始される。卵丘拡張
を含む卵胞形成の後期段階におけるGDF−9の生物学的機能を調べるために、
成熟しグリコシル化された組換えマウスGDF−9をチャイニーズハムスター卵
巣細胞発現システムを用いて作製した。顆粒膜細胞培養システムを構築し、半定
量的RT−PCRを用いていくつかの重要な卵巣遺伝子産物の調節におけるGD
F−9の役割を決定した。組換えGDF−9は、ヒアルロナンシンターゼ2(H
AS2)、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)、およびステロイド産生早期
調節タンパク質(StAR)mRNA合成を誘導するが、ウロキナーゼプラスミ
ノーゲンアクチベーター(uPA)および黄体形成ホルモンレセプター(LHR
)mRNA合成を抑制することが見出された。GDF−9によるStAR mR
NAの誘導と一致して、組換えGDF−9はFSHの非存在下に顆粒膜細胞のプ
ロゲステロン合成を増加した。卵丘細胞におけるHAS2の誘導およびプロテア
ーゼuPAの抑制は、卵丘拡張の際に産生されるヒアルロン酸−リッチ細胞外マ
トリックスの産生において重要な事象であるので、GDF−9がこの工程を擬似
できるかどうか決定した。卵母細胞切除卵丘細胞−卵母細胞複合体を用いて、組
換えGDF−9はインビトロで卵丘拡張を誘導することが示された。これらの研
究は、GDF−9は顆粒膜細胞上のレセプターに結合し、多くの遺伝子産物の発
現を調節することができることを示す。したがって、初期卵胞形成の際に成長お
よび分化因子として重要な機能を果たす他に、いくつかの重要な顆粒膜細胞酵素
を調節する、卵母細胞により分泌されるパラクリン因子としてのGDF−9機能
は、卵丘拡張、ならびに正常排卵、受精、および雌性生殖に必須である、最適な
卵母細胞微小環境、工程の維持に関与した。
いて発現され、卵胞腔卵胞を含む3a型卵胞段階において開始される。卵丘拡張
を含む卵胞形成の後期段階におけるGDF−9の生物学的機能を調べるために、
成熟しグリコシル化された組換えマウスGDF−9をチャイニーズハムスター卵
巣細胞発現システムを用いて作製した。顆粒膜細胞培養システムを構築し、半定
量的RT−PCRを用いていくつかの重要な卵巣遺伝子産物の調節におけるGD
F−9の役割を決定した。組換えGDF−9は、ヒアルロナンシンターゼ2(H
AS2)、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)、およびステロイド産生早期
調節タンパク質(StAR)mRNA合成を誘導するが、ウロキナーゼプラスミ
ノーゲンアクチベーター(uPA)および黄体形成ホルモンレセプター(LHR
)mRNA合成を抑制することが見出された。GDF−9によるStAR mR
NAの誘導と一致して、組換えGDF−9はFSHの非存在下に顆粒膜細胞のプ
ロゲステロン合成を増加した。卵丘細胞におけるHAS2の誘導およびプロテア
ーゼuPAの抑制は、卵丘拡張の際に産生されるヒアルロン酸−リッチ細胞外マ
トリックスの産生において重要な事象であるので、GDF−9がこの工程を擬似
できるかどうか決定した。卵母細胞切除卵丘細胞−卵母細胞複合体を用いて、組
換えGDF−9はインビトロで卵丘拡張を誘導することが示された。これらの研
究は、GDF−9は顆粒膜細胞上のレセプターに結合し、多くの遺伝子産物の発
現を調節することができることを示す。したがって、初期卵胞形成の際に成長お
よび分化因子として重要な機能を果たす他に、いくつかの重要な顆粒膜細胞酵素
を調節する、卵母細胞により分泌されるパラクリン因子としてのGDF−9機能
は、卵丘拡張、ならびに正常排卵、受精、および雌性生殖に必須である、最適な
卵母細胞微小環境、工程の維持に関与した。
【0031】 実施例4に記載のように、GDF−9の非存在のために生ずる分子欠陥を解析
した。主要な知見は以下の通りであった:1)いくつかの卵胞膜細胞層マーカー
(すなわち、17αヒドロキシラーゼ、黄体形成ホルモンレセプター(LHR)
、およびキットリガンドのレセプターであるc−キット)について、GDF−9
欠損卵胞の周りに検出可能なシグナルは存在しない。このことは、GDF−9非
存在下に、卵胞は、卵胞を取り囲むために卵胞膜細胞前駆体を漸増するシグナル
を発することができないということを示す。2)GDF−9欠損マウスの一次卵
胞はキットリガンドおよびインヒビンαのアップレギュレーションを示す。この
ことは、顆粒膜細胞において発現される、これらの2つの重要な分泌される成長
因子は、GDF−9により、直接、パラクリン様式で調節されるようであること
を示す。また、卵母細胞上でのc−キットを通したシグナル伝達を介するキット
リガンドのアップレギュレーションは、直接、GDF−9欠損卵母細胞のサイズ
の増加および卵母細胞の最後の消滅に関与するようである。3)卵母細胞の損失
後、GDF−9欠損卵胞の細胞は、組織学的に小さな黄体に類似するステロイド
産生クラスターに残存する。しかしながら、分子レベルで、これらの細胞は、黄
体マーカー(たとえば、LHRおよびP−450側鎖切断)および非黄体マーカ
ー(たとえば、インヒビンαおよびP−450アロマターゼ)の両方に対し陽性
である。このことは、初期に、卵母細胞の存在は黄体形成マーカーの発現を防ぐ
が、初期の時点におけるGDF−9の非存在は顆粒膜細胞の分化プログラムを変
えることを示す。4)PCNAまたはKi−67のいずれかとTUNEL標識に
よる染色により示されるように、GDF−9欠損3b型一次卵胞の顆粒膜細胞は
増殖しないが、また、細胞死に至らない。このことは、3b型卵胞の顆粒膜細胞
は増殖の継続のために、また、たとえば、分化事象を通じてのアポトーシスを受
けるようになるためにGDF−9を必要とすることを示す。
した。主要な知見は以下の通りであった:1)いくつかの卵胞膜細胞層マーカー
(すなわち、17αヒドロキシラーゼ、黄体形成ホルモンレセプター(LHR)
、およびキットリガンドのレセプターであるc−キット)について、GDF−9
欠損卵胞の周りに検出可能なシグナルは存在しない。このことは、GDF−9非
存在下に、卵胞は、卵胞を取り囲むために卵胞膜細胞前駆体を漸増するシグナル
を発することができないということを示す。2)GDF−9欠損マウスの一次卵
胞はキットリガンドおよびインヒビンαのアップレギュレーションを示す。この
ことは、顆粒膜細胞において発現される、これらの2つの重要な分泌される成長
因子は、GDF−9により、直接、パラクリン様式で調節されるようであること
を示す。また、卵母細胞上でのc−キットを通したシグナル伝達を介するキット
リガンドのアップレギュレーションは、直接、GDF−9欠損卵母細胞のサイズ
の増加および卵母細胞の最後の消滅に関与するようである。3)卵母細胞の損失
後、GDF−9欠損卵胞の細胞は、組織学的に小さな黄体に類似するステロイド
産生クラスターに残存する。しかしながら、分子レベルで、これらの細胞は、黄
体マーカー(たとえば、LHRおよびP−450側鎖切断)および非黄体マーカ
ー(たとえば、インヒビンαおよびP−450アロマターゼ)の両方に対し陽性
である。このことは、初期に、卵母細胞の存在は黄体形成マーカーの発現を防ぐ
が、初期の時点におけるGDF−9の非存在は顆粒膜細胞の分化プログラムを変
えることを示す。4)PCNAまたはKi−67のいずれかとTUNEL標識に
よる染色により示されるように、GDF−9欠損3b型一次卵胞の顆粒膜細胞は
増殖しないが、また、細胞死に至らない。このことは、3b型卵胞の顆粒膜細胞
は増殖の継続のために、また、たとえば、分化事象を通じてのアポトーシスを受
けるようになるためにGDF−9を必要とすることを示す。
【0032】 本発明を以下の実施例により説明する。かかる実施例は、いずれにも限定する
ことを意図するものではない
ことを意図するものではない
【0033】
実施例 実施例1 GDF−9機能についての顆粒膜細胞培養物インビトロアッセイ プロトコル 21日齢のCD−1マウスを、Charles River Laborat
oriesまたはBaylor Collegeの医学検問施設群(Medic
ine barrier facility colony)のどちらかより得
た。各雌に、7.5IUの妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)(我々のストッ
ク0.3cc)を注入した。最初、48時間後(実施例1の最後の実験では42
〜46時間後)、マウスを頸の脱臼により屠殺し、可能なかぎり全ての脂肪およ
び嚢組織を除去しながら、卵巣を回収した。前もって温めておいた30mmディ
ッシュ中の回収培地(DMEM/F12 w/ 1X GPSおよび.3%BS
A)に、卵巣を置いた。解剖的視野に基づいて、27 1/2ゲージの針で刺す
ことを繰り返すことにより、大きな卵胞腔卵胞から顆粒膜細胞を放した。顆粒膜
細胞の凝集塊を、パスツールピペットで吸って、上下に口でピペッティングする
ことにより分散した。卵母細胞および卵丘卵母細胞複合体(COC)を、顆粒膜
細胞から手作業で分離した。一度、全ての明白な卵母細胞およびCOCのものを
除去し、顆粒膜細胞をさらに前もって温められた回収培地を有するきれいなディ
ッシュに移し、残っている卵母細胞およびCOCを除去した。2つめのディッシ
ュの中身を、2つの1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、3分間150
0rpmで回転した。新しい回収培地を使用して、プレートから残った細胞を洗
浄してはがし、エッペンドルフに移し、1500rpmで再度回転した。
実施例 実施例1 GDF−9機能についての顆粒膜細胞培養物インビトロアッセイ プロトコル 21日齢のCD−1マウスを、Charles River Laborat
oriesまたはBaylor Collegeの医学検問施設群(Medic
ine barrier facility colony)のどちらかより得
た。各雌に、7.5IUの妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)(我々のストッ
ク0.3cc)を注入した。最初、48時間後(実施例1の最後の実験では42
〜46時間後)、マウスを頸の脱臼により屠殺し、可能なかぎり全ての脂肪およ
び嚢組織を除去しながら、卵巣を回収した。前もって温めておいた30mmディ
ッシュ中の回収培地(DMEM/F12 w/ 1X GPSおよび.3%BS
A)に、卵巣を置いた。解剖的視野に基づいて、27 1/2ゲージの針で刺す
ことを繰り返すことにより、大きな卵胞腔卵胞から顆粒膜細胞を放した。顆粒膜
細胞の凝集塊を、パスツールピペットで吸って、上下に口でピペッティングする
ことにより分散した。卵母細胞および卵丘卵母細胞複合体(COC)を、顆粒膜
細胞から手作業で分離した。一度、全ての明白な卵母細胞およびCOCのものを
除去し、顆粒膜細胞をさらに前もって温められた回収培地を有するきれいなディ
ッシュに移し、残っている卵母細胞およびCOCを除去した。2つめのディッシ
ュの中身を、2つの1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、3分間150
0rpmで回転した。新しい回収培地を使用して、プレートから残った細胞を洗
浄してはがし、エッペンドルフに移し、1500rpmで再度回転した。
【0034】 回収された卵巣ごとに、1X 卵胞培養培地(アルファ MEM、1Xインシ
ュリン/トランスフェリン/亜セレン酸塩、1Xグルタミン/ペニシリン/スト
レプトマイシン、4ng/mlのヒツジFSH、+/−10%ウシ胎仔血清)2
50μl〜500μlで、穏やかにピペッティンッグすることにより、顆粒膜細
胞を再懸濁し、顆粒膜細胞250μlを24ウェルプレートのウェルごとに入れ
た。各ウェルに対して、研究対象の処理の2X量の1X 卵胞培養培地250μ
l以上。最終的な培養容積は、500μlであった。
ュリン/トランスフェリン/亜セレン酸塩、1Xグルタミン/ペニシリン/スト
レプトマイシン、4ng/mlのヒツジFSH、+/−10%ウシ胎仔血清)2
50μl〜500μlで、穏やかにピペッティンッグすることにより、顆粒膜細
胞を再懸濁し、顆粒膜細胞250μlを24ウェルプレートのウェルごとに入れ
た。各ウェルに対して、研究対象の処理の2X量の1X 卵胞培養培地250μ
l以上。最終的な培養容積は、500μlであった。
【0035】 実験例1 培地: 1) CHO対照(濃縮)=CHO A2(発現ベクターを持たないCHO細胞
)由来の濃縮培地100μl+1X 卵胞培養培地(F.C.M.)400μl
。最終希釈=1:10。 2) mGDF−9(濃縮)=mGDF−9発現細胞由来の濃縮CHO 19A
12培地50μl+1X F.C.M.450。最終希釈=1:20。見積もら
れた最終mGDF−9濃度=50ng/ml。 3) mBMP−15(濃縮)=mBMP−15発現細胞由来の濃縮CHO 2
1A5培地100μl+1X F.C.M.400μl。見積もられた最終mB
MP−15濃度≧50ng/ml。 4) mGDF−9+mBMP−15(濃縮)=濃縮CHO 19A12培地5
0μl+濃縮CHO 21A5培地100μl+F.C.M.350μl。見積
もられた最終mGDF−9濃度=50ng/ml。* 残っている1X F.C.M.500μl+細胞を、1500rpmで3分間
回転しておとし、2X F.C.M.で再懸濁し、250μlを2つの残りのウ
ェルに入れた。 5) * mGDF−9(濃縮なし)=CHO 19A12濃縮なしの250μ
l+顆粒膜細胞を有する2X F.C.M.250μl。見積もられた最終mG
DF−9濃度=300ng/ml。 6) * m二量体(濃縮なし)=CHO 27A11濃縮なしの250μl(m
GDF−9およびmBMP−15両方を発現するCHO細胞)。見積もられた最
終mGDF−9濃度<150ng/ml。見積もられた最終mBMP−15濃度
>150ng/ml。 全ての細胞を一晩(〜20時間)37℃で5%CO2 で培養した。
)由来の濃縮培地100μl+1X 卵胞培養培地(F.C.M.)400μl
。最終希釈=1:10。 2) mGDF−9(濃縮)=mGDF−9発現細胞由来の濃縮CHO 19A
12培地50μl+1X F.C.M.450。最終希釈=1:20。見積もら
れた最終mGDF−9濃度=50ng/ml。 3) mBMP−15(濃縮)=mBMP−15発現細胞由来の濃縮CHO 2
1A5培地100μl+1X F.C.M.400μl。見積もられた最終mB
MP−15濃度≧50ng/ml。 4) mGDF−9+mBMP−15(濃縮)=濃縮CHO 19A12培地5
0μl+濃縮CHO 21A5培地100μl+F.C.M.350μl。見積
もられた最終mGDF−9濃度=50ng/ml。* 残っている1X F.C.M.500μl+細胞を、1500rpmで3分間
回転しておとし、2X F.C.M.で再懸濁し、250μlを2つの残りのウ
ェルに入れた。 5) * mGDF−9(濃縮なし)=CHO 19A12濃縮なしの250μ
l+顆粒膜細胞を有する2X F.C.M.250μl。見積もられた最終mG
DF−9濃度=300ng/ml。 6) * m二量体(濃縮なし)=CHO 27A11濃縮なしの250μl(m
GDF−9およびmBMP−15両方を発現するCHO細胞)。見積もられた最
終mGDF−9濃度<150ng/ml。見積もられた最終mBMP−15濃度
>150ng/ml。 全ての細胞を一晩(〜20時間)37℃で5%CO2 で培養した。
【0036】 培地を吸引し、RNA Stat−60(Leedo Medical Su
pply)500μlを各ウェルに単回で添加し、上下にピペッティングして細
胞を溶解した。全ての細胞を、解剖顕微鏡を使用して確かめながら溶解した。細
胞をホモジナイズするために、細胞をP200ピペットマンを用いて上下にピペ
ッティングした。クロロホルム100μlを各チューブに添加し、ボルテックス
し、次いで氷上で10分間インキュベートした。チューブを、4℃で、20分間
、最高速度で回転した。水相を注意深く回収し、RNAを−20℃で2時間イソ
プロパノール250μlで沈澱させた。4℃で、30分間、最高速度で回転した
後、非常に小さいRNAペレットを観察した。ペレットを70%エタノールで洗
浄し、風乾し、次いでDEPC水100μlで再懸濁し、−80℃で保存した。
pply)500μlを各ウェルに単回で添加し、上下にピペッティングして細
胞を溶解した。全ての細胞を、解剖顕微鏡を使用して確かめながら溶解した。細
胞をホモジナイズするために、細胞をP200ピペットマンを用いて上下にピペ
ッティングした。クロロホルム100μlを各チューブに添加し、ボルテックス
し、次いで氷上で10分間インキュベートした。チューブを、4℃で、20分間
、最高速度で回転した。水相を注意深く回収し、RNAを−20℃で2時間イソ
プロパノール250μlで沈澱させた。4℃で、30分間、最高速度で回転した
後、非常に小さいRNAペレットを観察した。ペレットを70%エタノールで洗
浄し、風乾し、次いでDEPC水100μlで再懸濁し、−80℃で保存した。
【0037】 GIBCO Superscript II逆転写酵素キットおよびオリゴ−d
Tプライマーを用いた逆転写(RT)によって、各RNAサンプル5μl(全回
収の1/2)から、cDNAを合成した。全反応容積は、20μlであった。次
のプライマーを用いたPCRによって、HAS2を検出した:スプライスされた
mRNA由来の430bpの予測される産物を与える、HAS2−1F(5’)
=GCTTGACCCTGCCTCATCTGTGG(配列番号:1)およびH
AS2−1R(3’)=CTGGTTCAGCCATCTCAGATATT(配
列番号:2)。GAPDHを、RNA完全性についての対照として使用し、次の
プライマーで検出した:486bpの産物を与える、GAPDH−1F(5’)
=CATGTTTGTGATGGGTGTGAACC(配列番号:3)およびG
APDH−1R(3’)=TGGGAGTTGCTGTTGAAGTCGCA(
配列番号:4)。次の増幅条件での各プライマーセットに対する標準50μlP
CR反応で、各RT反応物2μlを使用した:94℃3分間、28X(94℃1
分間、60℃30秒間、72℃1分間および72℃7分間)。産物を1.5%ア
ガロースゲルで泳動し、視覚化した。
Tプライマーを用いた逆転写(RT)によって、各RNAサンプル5μl(全回
収の1/2)から、cDNAを合成した。全反応容積は、20μlであった。次
のプライマーを用いたPCRによって、HAS2を検出した:スプライスされた
mRNA由来の430bpの予測される産物を与える、HAS2−1F(5’)
=GCTTGACCCTGCCTCATCTGTGG(配列番号:1)およびH
AS2−1R(3’)=CTGGTTCAGCCATCTCAGATATT(配
列番号:2)。GAPDHを、RNA完全性についての対照として使用し、次の
プライマーで検出した:486bpの産物を与える、GAPDH−1F(5’)
=CATGTTTGTGATGGGTGTGAACC(配列番号:3)およびG
APDH−1R(3’)=TGGGAGTTGCTGTTGAAGTCGCA(
配列番号:4)。次の増幅条件での各プライマーセットに対する標準50μlP
CR反応で、各RT反応物2μlを使用した:94℃3分間、28X(94℃1
分間、60℃30秒間、72℃1分間および72℃7分間)。産物を1.5%ア
ガロースゲルで泳動し、視覚化した。
【0038】 結果: CHO対照および試験された全ての他の成長因子と比較して、mGDF−9を
含むサンプルで、HAS2の発現は有意に上昇した(〜10倍)。
含むサンプルで、HAS2の発現は有意に上昇した(〜10倍)。
【0039】 実験例2および3: この実験例をさらに2回繰り返し、対照、mGDF−9およびmBMP−15
培地での5時間および>20時間の培養で、HAS2誘導が見られ、HAS2の
発現がmGDF−9処理された壁在性顆粒膜細胞で上昇することが、一貫して見
られた。さらに、mGDF−9のこの効果は、培地での血清の存在またはインビ
ボでの卵胞成長のPMSG刺激に依存しない。
培地での5時間および>20時間の培養で、HAS2誘導が見られ、HAS2の
発現がmGDF−9処理された壁在性顆粒膜細胞で上昇することが、一貫して見
られた。さらに、mGDF−9のこの効果は、培地での血清の存在またはインビ
ボでの卵胞成長のPMSG刺激に依存しない。
【0040】 実験例4: 濃縮なしおよび濃縮のならし培地両方における、mGDF−9およびhGDF
−9を、ウエスタンブロットにより測定した。MGDF−9(濃縮)培地は、〜
1μg/ml含み、mGDF−9非濃縮培地は、〜0.6μg/ml含んだ。h
GDF−9ならし培地は、〜1μg/ml含んだ。最終濃度10ng/ml、5
0ng/mlおよび100ng/mlに希釈した濃縮なしのmGDF−9培地を
使用して、次の実験を行なった。hGDF−9ならし培地を、50ng/ml、
100ng/mlおよび300ng/mlで試験した。本目的は、活性濃度範囲
および効果に対する初期のタイムコースを定義することであった。
−9を、ウエスタンブロットにより測定した。MGDF−9(濃縮)培地は、〜
1μg/ml含み、mGDF−9非濃縮培地は、〜0.6μg/ml含んだ。h
GDF−9ならし培地は、〜1μg/ml含んだ。最終濃度10ng/ml、5
0ng/mlおよび100ng/mlに希釈した濃縮なしのmGDF−9培地を
使用して、次の実験を行なった。hGDF−9ならし培地を、50ng/ml、
100ng/mlおよび300ng/mlで試験した。本目的は、活性濃度範囲
および効果に対する初期のタイムコースを定義することであった。
【0041】 プロトコル この実験例に対する次のプロトコルは、次の修飾を有し、前記のものと同一で
ある。
ある。
【0042】 1X卵胞培養培地はウシ胎仔血清を含まなかったので、見られた全ての効果は
血清非依存性である。
血清非依存性である。
【0043】 沈澱したRNAペレットのサイズを増加し、かつ沈殿工程の信頼性を高めるた
めに、ホモジナイズ工程の際に、酵母tRNA10〜20ngを各サンプルに添
加した。
めに、ホモジナイズ工程の際に、酵母tRNA10〜20ngを各サンプルに添
加した。
【0044】 RNAの完全性および定量についての内部対照を、次のプライマーを用いるH
PRTに変更した:HPRT−1F(5’)=CCTGGTTAAGCAGTA
CAGCC(配列番号:5)およびHPRT−2R(3’)=TACTAGGC
AGATGGCCACAG(配列番号:6)。
PRTに変更した:HPRT−1F(5’)=CCTGGTTAAGCAGTA
CAGCC(配列番号:5)およびHPRT−2R(3’)=TACTAGGC
AGATGGCCACAG(配列番号:6)。
【0045】 ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)レベルを、各サンプ
ルで試験し、ならびに次のプライマーを使用してHAS2を試験した:uPA−
3F(5’)=GTTCAGACTGTGAGATCACTGG(配列番号:7
)およびuPA−4R(3’)=CAGAGAGGACGGTCAGCATGG
(配列番号:8)。
ルで試験し、ならびに次のプライマーを使用してHAS2を試験した:uPA−
3F(5’)=GTTCAGACTGTGAGATCACTGG(配列番号:7
)およびuPA−4R(3’)=CAGAGAGGACGGTCAGCATGG
(配列番号:8)。
【0046】 産物検出の感度を増加するために、αP32ーdCTP0.1μlを各PCR反
応に追加した。RT反応物1μlのみを鋳型として使用し、増幅を20サイクル
行なった。各反応物5μlを4%ポリアクリルアミドゲルで泳動し、ゲルを乾燥
し、Kodak X−OMATオートラジオグラフィーフィルムに暴露した。
応に追加した。RT反応物1μlのみを鋳型として使用し、増幅を20サイクル
行なった。各反応物5μlを4%ポリアクリルアミドゲルで泳動し、ゲルを乾燥
し、Kodak X−OMATオートラジオグラフィーフィルムに暴露した。
【0047】 結果 培養3時間までは、100ng/mlのmGDF−9は、CHO対照と比較し
て、HAS2産生を刺激しuPA産生を阻害する一方、100ng/mlのhG
DF−9は、HAS2を刺激できず、有意にuPAを誘導する。5時間培養後、
10ng/mlのmGDF−9は、HAS2を誘導する一方、50ng/mlお
よび100ng/mlの両方とも、約5〜10倍高いレベルを誘導する。5時間
培養後、100ng/mlのhGDF−9は、検出可能なHAS2シグナルを誘
導する一方、300ng/mlは、50ng/mlのmGDF−9のものに近づ
くレベルを誘導する。5時間で、100ng/mlのmGDF−9は、uPA発
現を阻害する一方、全ての濃度のhGDF−9は、刺激効果を有するように見え
る。これらの結果は、HAS2を誘導するためのmGDF−9の最大活性は、5
0ng/ml付近にあり、hGDF−9もまた、マウスGDF−9レセプターを
結合し、HAS2発現を刺激できるが、このインビトロモデルシステムでは非常
に弱いかもしれないことを示唆する。uPAは、高濃度のmGDF−9によって
阻害されるが(少なくとも約100ng/ml)、低濃度により刺激されるかも
しれない(多くても約50ng/ml)。これらの観察は、排卵のための卵胞壁
崩壊が起こるであろうと定義される、卵母細胞から最も遠い壁在性顆粒膜細胞が
到達する最も少ないレベルを有する、卵母細胞由来のGDF−9の拡散によって
生じる卵胞腔嵩(antral cavity)でのGDF−9濃度勾配に、u
PAのGDF−9調節が依存するかもしれないことを示唆する。
て、HAS2産生を刺激しuPA産生を阻害する一方、100ng/mlのhG
DF−9は、HAS2を刺激できず、有意にuPAを誘導する。5時間培養後、
10ng/mlのmGDF−9は、HAS2を誘導する一方、50ng/mlお
よび100ng/mlの両方とも、約5〜10倍高いレベルを誘導する。5時間
培養後、100ng/mlのhGDF−9は、検出可能なHAS2シグナルを誘
導する一方、300ng/mlは、50ng/mlのmGDF−9のものに近づ
くレベルを誘導する。5時間で、100ng/mlのmGDF−9は、uPA発
現を阻害する一方、全ての濃度のhGDF−9は、刺激効果を有するように見え
る。これらの結果は、HAS2を誘導するためのmGDF−9の最大活性は、5
0ng/ml付近にあり、hGDF−9もまた、マウスGDF−9レセプターを
結合し、HAS2発現を刺激できるが、このインビトロモデルシステムでは非常
に弱いかもしれないことを示唆する。uPAは、高濃度のmGDF−9によって
阻害されるが(少なくとも約100ng/ml)、低濃度により刺激されるかも
しれない(多くても約50ng/ml)。これらの観察は、排卵のための卵胞壁
崩壊が起こるであろうと定義される、卵母細胞から最も遠い壁在性顆粒膜細胞が
到達する最も少ないレベルを有する、卵母細胞由来のGDF−9の拡散によって
生じる卵胞腔嵩(antral cavity)でのGDF−9濃度勾配に、u
PAのGDF−9調節が依存するかもしれないことを示唆する。
【0048】 結論 これらの結果をあわせると、mGDF−9は、通常、卵丘細胞においてヒアル
ロン酸産生およびuPAの阻害を生じる卵母細胞由来の成長因子であることが示
される。さらに、これらの結果は、顆粒膜細胞がGDF−9に応答し、GDF−
9レセプターを発現できることを指示する。表を参照のこと。
ロン酸産生およびuPAの阻害を生じる卵母細胞由来の成長因子であることが示
される。さらに、これらの結果は、顆粒膜細胞がGDF−9に応答し、GDF−
9レセプターを発現できることを指示する。表を参照のこと。
【0049】
【表1】
【0050】 実施例2 インビトロ培養壁在性顆粒膜細胞によるプロゲステロン合成に対する
組換えmGDF−9の刺激効果の同定 プロトコル 一次顆粒膜細胞を前記のように単離し、指示されたような10%ウシ胎仔血清
があるまたはないFSH2〜5ng/mlを含むαMEMを基礎とする培地での
組換えmGDF−9の様々な濃度で、5時間または24時間培養した。培地を培
養後除去し、汚染となる非接着細胞を遠心分離によって除去した。培地を−20
℃で凍らせた。培地のプロゲステロンレベルを、ラジオイムノアッセイ(RIA
)によって定量した。簡単には、標準量の放射性標識されたプロゲステロンが、
RIAチューブに含まれるa−プロゲステロン抗体結合部位に対して実験サンプ
ルに含まれるプロゲステロンと競争する。所与の標準により、実験サンプルのプ
ロゲステロンレベルと結合するカウント数と相関する標準曲線の構築ができる。
プロゲステロンRIAキットはDiagnostic Products Co
rporationから得られ、100μl容のサンプルを用いて、0.1〜4
0ng/mlのプロゲステロンレベルを検出する。アッセイ前に所与の希釈液で
実験サンプルを希釈することにより、より高濃度を測定できる。
組換えmGDF−9の刺激効果の同定 プロトコル 一次顆粒膜細胞を前記のように単離し、指示されたような10%ウシ胎仔血清
があるまたはないFSH2〜5ng/mlを含むαMEMを基礎とする培地での
組換えmGDF−9の様々な濃度で、5時間または24時間培養した。培地を培
養後除去し、汚染となる非接着細胞を遠心分離によって除去した。培地を−20
℃で凍らせた。培地のプロゲステロンレベルを、ラジオイムノアッセイ(RIA
)によって定量した。簡単には、標準量の放射性標識されたプロゲステロンが、
RIAチューブに含まれるa−プロゲステロン抗体結合部位に対して実験サンプ
ルに含まれるプロゲステロンと競争する。所与の標準により、実験サンプルのプ
ロゲステロンレベルと結合するカウント数と相関する標準曲線の構築ができる。
プロゲステロンRIAキットはDiagnostic Products Co
rporationから得られ、100μl容のサンプルを用いて、0.1〜4
0ng/mlのプロゲステロンレベルを検出する。アッセイ前に所与の希釈液で
実験サンプルを希釈することにより、より高濃度を測定できる。
【0051】 結果 組換えmGDF−9は、インビトロで培養された一次顆粒膜細胞により、時間
および濃度依存型で、プロゲステロン合成を刺激した(Figure 1、2お
よび3を参照のこと)。5時間で、60ng/mlのmGDF−9が、2.5倍
の増加を示し、300ng/mlが、4.5倍の増加を示した(Figure
2を参照のこと)。プロゲステロンのこの刺激がまた、24時間で見られ、そこ
で、3.5〜4倍の刺激を観察した(Figure 3を参照のこと)。
および濃度依存型で、プロゲステロン合成を刺激した(Figure 1、2お
よび3を参照のこと)。5時間で、60ng/mlのmGDF−9が、2.5倍
の増加を示し、300ng/mlが、4.5倍の増加を示した(Figure
2を参照のこと)。プロゲステロンのこの刺激がまた、24時間で見られ、そこ
で、3.5〜4倍の刺激を観察した(Figure 3を参照のこと)。
【0052】 考察 プロゲステロン合成の律速段階は、酵素複合体シトクロムP450側鎖切断(
scc)によるコレステロールのプレグネノロンへの触媒作用である。非黄体形
成培養ラット顆粒膜細胞を刺激し、P450scc mRNAレベルを増加させ
、cAMPアゴニストであるフォルスコリンでインビトロでプロゲステロンを産
生させることができ(Oonkら、J.Biol.Chem.,264:219
34〜21942)、この段階でのプロゲステロン合成が、cAMP依存性であ
り、P450scc転写の増加と関連することを指示する。本明細書で記載され
た結果は、GDF−9の他の1つの機能(すなわち、プロゲステロン合成の刺激
)およびGDF−9シグナル伝達の他の1つの下流標的遺伝子(すなわち、シト
クロムP450側鎖切断遺伝子)を示す。さらに、プロゲステロンの測定は、G
DF−9アナログおよびインヒビターの試験のためのGDF−9機能についての
速くかつ容易な機能アッセイを与える。
scc)によるコレステロールのプレグネノロンへの触媒作用である。非黄体形
成培養ラット顆粒膜細胞を刺激し、P450scc mRNAレベルを増加させ
、cAMPアゴニストであるフォルスコリンでインビトロでプロゲステロンを産
生させることができ(Oonkら、J.Biol.Chem.,264:219
34〜21942)、この段階でのプロゲステロン合成が、cAMP依存性であ
り、P450scc転写の増加と関連することを指示する。本明細書で記載され
た結果は、GDF−9の他の1つの機能(すなわち、プロゲステロン合成の刺激
)およびGDF−9シグナル伝達の他の1つの下流標的遺伝子(すなわち、シト
クロムP450側鎖切断遺伝子)を示す。さらに、プロゲステロンの測定は、G
DF−9アナログおよびインヒビターの試験のためのGDF−9機能についての
速くかつ容易な機能アッセイを与える。
【0053】 実施例3 哺乳類卵巣における成長分化因子−9のパラクリン作用 材料及び方法 免疫組織化学 CD1(ICR)マウス由来の卵巣(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ(
Charles River Laboratories)所蔵品からベイロール医科大学(Baylor College
of Medicine)にて得た)を、10%中性緩衝ホルマリン中に固定し、処理し、
パラフィンに包埋した。4μmの卵巣切片を脱ワックスした後、一連の段階的エ
タノール溶液にて再水和した。0.1Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)及び0
.1%BSAにて希釈した1×広域ブロッキング緩衝液(バイオジェネックス(B
iogenex)、サンラモン(San Ramon)、カリフォルニア州)に30分間、前インキ
ュベートすることにより、非特異的結合を低減させた。一次抗体であるマウス抗
ヒトGDF−9モノクローナル抗体はネイル・ウルフマン(Neil Wolfman) 博士
(ジェネティックス・インスティテュート(Genetics Institute)、ケンブリッジ
、マサチューセッツ州)より提供され、各切片に加え、最終濃度30〜60ng
/μlで2時間インキュベートした。切片を、PBS中0.1%BSAで5分間
2回洗浄した後、ビオチニル化ヤギ抗マウスIgG(バイオジェネックス、サン
ラモン、カリフォルニア州)中で20分間インキュベートした。上記の洗浄後、
切片を、アルカリホスファターゼと結合させたストレプトアビジン(バイオジェ
ネックス、サンラモン、カリフォルニア州)中で20分間インキュベートし、P
BS中0.1%BSA中で2回洗浄し、ニュー・フクシン(New Fuchsin) アルカ
リホスファターゼ基質とともに、製造業者の指示書(バイオジェネックス)によ
りインキュベートした。陽性反応の検出後、切片をヘマトキシリンで対比染色し
、グリセロール中に入れた。
Charles River Laboratories)所蔵品からベイロール医科大学(Baylor College
of Medicine)にて得た)を、10%中性緩衝ホルマリン中に固定し、処理し、
パラフィンに包埋した。4μmの卵巣切片を脱ワックスした後、一連の段階的エ
タノール溶液にて再水和した。0.1Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)及び0
.1%BSAにて希釈した1×広域ブロッキング緩衝液(バイオジェネックス(B
iogenex)、サンラモン(San Ramon)、カリフォルニア州)に30分間、前インキ
ュベートすることにより、非特異的結合を低減させた。一次抗体であるマウス抗
ヒトGDF−9モノクローナル抗体はネイル・ウルフマン(Neil Wolfman) 博士
(ジェネティックス・インスティテュート(Genetics Institute)、ケンブリッジ
、マサチューセッツ州)より提供され、各切片に加え、最終濃度30〜60ng
/μlで2時間インキュベートした。切片を、PBS中0.1%BSAで5分間
2回洗浄した後、ビオチニル化ヤギ抗マウスIgG(バイオジェネックス、サン
ラモン、カリフォルニア州)中で20分間インキュベートした。上記の洗浄後、
切片を、アルカリホスファターゼと結合させたストレプトアビジン(バイオジェ
ネックス、サンラモン、カリフォルニア州)中で20分間インキュベートし、P
BS中0.1%BSA中で2回洗浄し、ニュー・フクシン(New Fuchsin) アルカ
リホスファターゼ基質とともに、製造業者の指示書(バイオジェネックス)によ
りインキュベートした。陽性反応の検出後、切片をヘマトキシリンで対比染色し
、グリセロール中に入れた。
【0054】 組換えマウスGDF−9の産生 全長マウスGDF−9 cDNA(Incerti, B. et al., Biochim. Biophys.
Acta., 1222:125-128(1994) )を、プロセッシング遺伝子PACE(ジェネティ
ックス・インスティテュート、ケンブリッジ、マサチューセッツ州のモニーク・
デービス(Monique Davies)博士より贈与)を含む発現ベクターpHTop内にサ
ブクローニングした。GDF−9発現ベクターを、標準条件下(ギブコBRLラ
イフ・テクノロジーズ(Gibco BRL Life Technologies) )でCHO細胞にリポフ
ェクチン・トランスフェクトした。CHO細胞におけるマウスGDF−9の発現
は、続いてtet-調節性プロモーターにより誘導されたが、SV40プロモーター
はPACEの発現を調節した。10%熱不活性化透析ウシ胎仔血清、100μg
/ml G418−硫酸塩(ギブコBRLライフ・テクノロジーズ)並びに抗生
物質のゲンタマイシン、ペニシリン及びスレプトマイシンを含むα−改変イーグ
ル培地(αMEM)中、0.02μMメトトレキセートの存在下で、安定で陽性
のクローンを選出した。クローン選出及び0.02μMメトトレキセート中での
拡張後、100mg/mlのヘパリン(シグマ(SIGMA)、セントルイス、
ミズーリ州)を含むOpti−MEM低血清コレクション培地中で、GDF−9
発現細胞を24時間インキュベートした。培地を集め、GDF−9タンパク質レ
ベルをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、続くイムノブロ
ッティングにより測定した(次項参照のこと)。
Acta., 1222:125-128(1994) )を、プロセッシング遺伝子PACE(ジェネティ
ックス・インスティテュート、ケンブリッジ、マサチューセッツ州のモニーク・
デービス(Monique Davies)博士より贈与)を含む発現ベクターpHTop内にサ
ブクローニングした。GDF−9発現ベクターを、標準条件下(ギブコBRLラ
イフ・テクノロジーズ(Gibco BRL Life Technologies) )でCHO細胞にリポフ
ェクチン・トランスフェクトした。CHO細胞におけるマウスGDF−9の発現
は、続いてtet-調節性プロモーターにより誘導されたが、SV40プロモーター
はPACEの発現を調節した。10%熱不活性化透析ウシ胎仔血清、100μg
/ml G418−硫酸塩(ギブコBRLライフ・テクノロジーズ)並びに抗生
物質のゲンタマイシン、ペニシリン及びスレプトマイシンを含むα−改変イーグ
ル培地(αMEM)中、0.02μMメトトレキセートの存在下で、安定で陽性
のクローンを選出した。クローン選出及び0.02μMメトトレキセート中での
拡張後、100mg/mlのヘパリン(シグマ(SIGMA)、セントルイス、
ミズーリ州)を含むOpti−MEM低血清コレクション培地中で、GDF−9
発現細胞を24時間インキュベートした。培地を集め、GDF−9タンパク質レ
ベルをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、続くイムノブロ
ッティングにより測定した(次項参照のこと)。
【0055】 ウエスタンブロット解析 GDF−9含有培地のサンプルを、バイオラド・ミニサブセル(Biorad Mini-S
ubcell) 装置において5%濃縮用/15%分離用SDSポリアクリルアミドゲル
上で、先に記載(Sambrook, J., et al.,"In: Molecular Cloning": A Laborator
y manual, (N. Ford and C. Nolan, eds) Vol. 3, 2nd Ed., 3 vol., Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, USA (1989)) のようにして
電気泳動させ、続いてPVDF膜に移した。該膜を、0.05%Tween−2
0を含む1×Tris緩衝生理食塩水中5%無脂肪ミルク中で一晩ブロックした
。マウス抗ヒトGDF−9モノクローナル抗体(上記)をブロッキング溶液中1
:1000希釈で使用し、ホースラディッシュペルオキシダーゼに結合させた抗
マウス二次抗体(サザン・バイオテクノロジー・アソシエーツ(Southern Biotec
hnology Associates) 、バーミンガム、アラバマ州)をブロッキング溶液中1:
2500希釈で使用した。ECLウエスタン検出試薬(ピアス(Pierce)、ロック
フォード、イリノイ州)を用いる化学発光及びオートラジオグラフィーのフィル
ムはシグナルを検出した。デンシトメーター(モレキュラー・ダイナミクス(Mo
lecular Dynamics))及びイメージクアント(Imagequant)ソフトウェアを用いて
バンドを定量し、ならし培地中のGDF−9のシグナル強度を、同時に測った既
知濃度のGDF−9標品のものと比較することにより、ならし培地中のGDF−
9の濃度を測定した。組換えマウスGDF−9のいくつかのバッチがこれの実験
過程中に生じ、それらはすべて、ウエスタンブロット定量に基づく類似の活性(
すなわち、対生物作用に相関する免疫反応性)を有するようであった。
ubcell) 装置において5%濃縮用/15%分離用SDSポリアクリルアミドゲル
上で、先に記載(Sambrook, J., et al.,"In: Molecular Cloning": A Laborator
y manual, (N. Ford and C. Nolan, eds) Vol. 3, 2nd Ed., 3 vol., Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, USA (1989)) のようにして
電気泳動させ、続いてPVDF膜に移した。該膜を、0.05%Tween−2
0を含む1×Tris緩衝生理食塩水中5%無脂肪ミルク中で一晩ブロックした
。マウス抗ヒトGDF−9モノクローナル抗体(上記)をブロッキング溶液中1
:1000希釈で使用し、ホースラディッシュペルオキシダーゼに結合させた抗
マウス二次抗体(サザン・バイオテクノロジー・アソシエーツ(Southern Biotec
hnology Associates) 、バーミンガム、アラバマ州)をブロッキング溶液中1:
2500希釈で使用した。ECLウエスタン検出試薬(ピアス(Pierce)、ロック
フォード、イリノイ州)を用いる化学発光及びオートラジオグラフィーのフィル
ムはシグナルを検出した。デンシトメーター(モレキュラー・ダイナミクス(Mo
lecular Dynamics))及びイメージクアント(Imagequant)ソフトウェアを用いて
バンドを定量し、ならし培地中のGDF−9のシグナル強度を、同時に測った既
知濃度のGDF−9標品のものと比較することにより、ならし培地中のGDF−
9の濃度を測定した。組換えマウスGDF−9のいくつかのバッチがこれの実験
過程中に生じ、それらはすべて、ウエスタンブロット定量に基づく類似の活性(
すなわち、対生物作用に相関する免疫反応性)を有するようであった。
【0056】 顆粒膜細胞の単離及び培養 21〜24日齢の雌CD−1(ICR)マウス(ベイロール医科大学)に、7
.5IUのGestyl(ジオシンス(Diosynth),B.V.、オランダ)を注射
し、44〜48時間後、卵巣を集め、脂肪及び周辺細胞のないように切り出し、
0.3mg/mlのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン、0.1mg
/mlのストレプトマイシン(ギブコBRL、グランドアイランド、ニューヨー
ク)及び0.3%BSA(シグマ)を加えた25mM HEPESを含む最少必
須培地中に入れた。
.5IUのGestyl(ジオシンス(Diosynth),B.V.、オランダ)を注射
し、44〜48時間後、卵巣を集め、脂肪及び周辺細胞のないように切り出し、
0.3mg/mlのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン、0.1mg
/mlのストレプトマイシン(ギブコBRL、グランドアイランド、ニューヨー
ク)及び0.3%BSA(シグマ)を加えた25mM HEPESを含む最少必
須培地中に入れた。
【0057】 壁在性顆粒膜細胞は、大卵胞腔卵胞を穿刺することにより放出された 卵母細胞及び卵丘細胞−卵母細胞複合体(COC)を注意深く取り出し(下記
参照)、多数の卵巣由来の顆粒膜細胞をプールし、遠心分離し、20%ウシ胎仔
血清(ハイクローン・ラボラトリーズ(Hyclone Laboratories)、ローガン、ユタ
州)の存在下又は非存在下、及びヒツジFSH(ナショナル・ホルモン・アンド
・ピチュイタリー・プログラム(National Hormone and Pituitary Program))
のパーロウ(Parlow)博士のご好意により提供されたNIDDK−o−FSH−2
0)の存在下又は非存在下で、2×顆粒膜細胞培養培地(GCM):0.6mg
/mlのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、0.2mg/mlのス
トレプトマイシン及び2×インスリン輸送亜セレン酸塩(ギブコBRL)を含む
αMEM(ギブコBRL)中に再懸濁した。GDF−9含有培地又は対照ならし
培地を、α−MEM中2×最終濃度まで希釈した。等容量の2×GDF−9含有
培地又は対照培地を、2×培養培地中の顆粒膜細胞と合わせ、5%CO2 を含む
加湿雰囲気下、37℃で培養した。さまざまな期間での培養後、非接着細胞を培
地で小球形にし(pelleted)、培地を−20℃で保存した。顆粒膜細胞を溶解させ
、全RNAをRNA Stat−60(リード・メディカル・ラボラトリーズ(
Leedo Medical Laboratories)、ヒューストン、テキサス州)を用い、製造業者
のプロトコルに従って単離した。
参照)、多数の卵巣由来の顆粒膜細胞をプールし、遠心分離し、20%ウシ胎仔
血清(ハイクローン・ラボラトリーズ(Hyclone Laboratories)、ローガン、ユタ
州)の存在下又は非存在下、及びヒツジFSH(ナショナル・ホルモン・アンド
・ピチュイタリー・プログラム(National Hormone and Pituitary Program))
のパーロウ(Parlow)博士のご好意により提供されたNIDDK−o−FSH−2
0)の存在下又は非存在下で、2×顆粒膜細胞培養培地(GCM):0.6mg
/mlのL−グルタミン、200U/mlのペニシリン、0.2mg/mlのス
トレプトマイシン及び2×インスリン輸送亜セレン酸塩(ギブコBRL)を含む
αMEM(ギブコBRL)中に再懸濁した。GDF−9含有培地又は対照ならし
培地を、α−MEM中2×最終濃度まで希釈した。等容量の2×GDF−9含有
培地又は対照培地を、2×培養培地中の顆粒膜細胞と合わせ、5%CO2 を含む
加湿雰囲気下、37℃で培養した。さまざまな期間での培養後、非接着細胞を培
地で小球形にし(pelleted)、培地を−20℃で保存した。顆粒膜細胞を溶解させ
、全RNAをRNA Stat−60(リード・メディカル・ラボラトリーズ(
Leedo Medical Laboratories)、ヒューストン、テキサス州)を用い、製造業者
のプロトコルに従って単離した。
【0058】 半定量的RT−PCR解析 各RNAサンプル由来のオリゴ−dTでプライミングしたcDNAを、Sup
erscript逆転写酵素(ギブコBRL)を用い、製造業者のプロトコルに
従って合成した。1μlの各RT反応物(全体の1/20)を、遺伝子特異的オ
リゴヌクレオチドでプライミングされた各25μlのPCR反応物において使用
した。マウスHAS2 mRNA発現を、1.4kbイントロンに広がる5'GCTT
GACCCTGCCTCATCTGTGG 3'(配列番号:1)(センス)プライマー及び5'CTGGTTCA
GCCATCTCAGATATT 3'(配列番号:2)(アンチセンス)プライマー(Fulop, C.,
et al., Arch. Biochem. Biophys., 337:261-266(1997))を用いて検出した。4
03bpのPCR産物は、RNAから増幅し、混入DNAの増幅から容易に識別
される。マウスuPA mRNA発現は、全長1.4kbの2つのイントロンに
広がる5'GTTCAGACTGTGAGATCACTGG 3' (配列番号:7)(センス)プライマー及
び5'CAGAGAGGACGGTCAGCATGG 3'(配列番号:8)(アンチセンス)プライマーを
用いて検出した。434bpのPCR産物は、RNAから増幅する。マウスヒポ
キサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を、未知の大きさの
3つのイントロンに広がり、かつRNA由来の大きさ309bpの推定mRNA
由来産物を与える5'CCTGGTTAAGCAGTACAGCC 3' (配列番号:5)(センス)プラ
イマー及び5'TACTAGGCAGATGGCCACAG 3' (配列番号:6)(アンチセンス)プラ
イマーを用いて検出した。マウスStAR mRNA発現は、多数の小イントロ
ンに広がり、かつmRNA由来の522bp産物を与える5'TCGCTTGGAGGTGGTGGT
AGAC 3' (配列番号:9)(センス)プライマー及び5'GCAGGTCAATGTGGTGGACAGT
3' (配列番号:10)(アンチセンス)プライマーを用いて検出した。マウス
コレステロール側鎖切断P−450mRNA発現は、5'GCCAACATTACCGAGATGC 3'
(配列番号:11)(センス)プライマー及び5'CGAACACCCCAGCCAAAGCC 3' (配
列番号:12)(アンチセンス)プライマーを用いて検出し、mRNA由来の4
26bp産物を与える。マウスCOX−2 mRNA発現は、5'CTCCTTTTCAACCA
GCAGTTCC 3' (配列番号:13)(センス)プライマー及び5'TCTGCAGCCATTTCCT
TCTCTC 3' (配列番号:14)(アンチセンス)プライマーを用いて検出し、3
77bp産物を与える。マウスLHレセプターmRNA発現は、多数のイントロ
ンに広がり、かつ516bp産物を与える5'CTTATACATAACCACCATACCAG 3'(配列
番号:15)(センス)プライマー及び5'ATCCCAGCCACTGAGTTCATTC 3' (配列番
号:16)(アンチセンス)プライマーを用いて検出した。顆粒膜細胞cDNA
から増幅したPCR産物を最初に単離し、サブクローニングし、配列決定し、そ
れらが公表された配列にマッチすることを確認した。後の実験で、[α32P]−
dCTPを各PCR反応に加え、産物を4%ポリアクリルアミドゲル上での電気
泳動により分離した。ゲルを乾燥し、オートラジオグラフィーに供し、放射活性
バンドを、モレキュラー・ダイナミクス・ホスファーイメージャー(Molecular
Dynamics Phosphorimager )(Storm 860)上で定量した。
erscript逆転写酵素(ギブコBRL)を用い、製造業者のプロトコルに
従って合成した。1μlの各RT反応物(全体の1/20)を、遺伝子特異的オ
リゴヌクレオチドでプライミングされた各25μlのPCR反応物において使用
した。マウスHAS2 mRNA発現を、1.4kbイントロンに広がる5'GCTT
GACCCTGCCTCATCTGTGG 3'(配列番号:1)(センス)プライマー及び5'CTGGTTCA
GCCATCTCAGATATT 3'(配列番号:2)(アンチセンス)プライマー(Fulop, C.,
et al., Arch. Biochem. Biophys., 337:261-266(1997))を用いて検出した。4
03bpのPCR産物は、RNAから増幅し、混入DNAの増幅から容易に識別
される。マウスuPA mRNA発現は、全長1.4kbの2つのイントロンに
広がる5'GTTCAGACTGTGAGATCACTGG 3' (配列番号:7)(センス)プライマー及
び5'CAGAGAGGACGGTCAGCATGG 3'(配列番号:8)(アンチセンス)プライマーを
用いて検出した。434bpのPCR産物は、RNAから増幅する。マウスヒポ
キサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を、未知の大きさの
3つのイントロンに広がり、かつRNA由来の大きさ309bpの推定mRNA
由来産物を与える5'CCTGGTTAAGCAGTACAGCC 3' (配列番号:5)(センス)プラ
イマー及び5'TACTAGGCAGATGGCCACAG 3' (配列番号:6)(アンチセンス)プラ
イマーを用いて検出した。マウスStAR mRNA発現は、多数の小イントロ
ンに広がり、かつmRNA由来の522bp産物を与える5'TCGCTTGGAGGTGGTGGT
AGAC 3' (配列番号:9)(センス)プライマー及び5'GCAGGTCAATGTGGTGGACAGT
3' (配列番号:10)(アンチセンス)プライマーを用いて検出した。マウス
コレステロール側鎖切断P−450mRNA発現は、5'GCCAACATTACCGAGATGC 3'
(配列番号:11)(センス)プライマー及び5'CGAACACCCCAGCCAAAGCC 3' (配
列番号:12)(アンチセンス)プライマーを用いて検出し、mRNA由来の4
26bp産物を与える。マウスCOX−2 mRNA発現は、5'CTCCTTTTCAACCA
GCAGTTCC 3' (配列番号:13)(センス)プライマー及び5'TCTGCAGCCATTTCCT
TCTCTC 3' (配列番号:14)(アンチセンス)プライマーを用いて検出し、3
77bp産物を与える。マウスLHレセプターmRNA発現は、多数のイントロ
ンに広がり、かつ516bp産物を与える5'CTTATACATAACCACCATACCAG 3'(配列
番号:15)(センス)プライマー及び5'ATCCCAGCCACTGAGTTCATTC 3' (配列番
号:16)(アンチセンス)プライマーを用いて検出した。顆粒膜細胞cDNA
から増幅したPCR産物を最初に単離し、サブクローニングし、配列決定し、そ
れらが公表された配列にマッチすることを確認した。後の実験で、[α32P]−
dCTPを各PCR反応に加え、産物を4%ポリアクリルアミドゲル上での電気
泳動により分離した。ゲルを乾燥し、オートラジオグラフィーに供し、放射活性
バンドを、モレキュラー・ダイナミクス・ホスファーイメージャー(Molecular
Dynamics Phosphorimager )(Storm 860)上で定量した。
【0059】 ノーザンブロット解析 全RNAを顆粒膜細胞から単離し、リボグリーン(Ribogreen) RNA定量試薬
(モレキュラープローブス、Eugene、OR)を用いる蛍光定量法により4
85〜495nm励起フィルターと515〜525nm放射フィルターを用いた
VersaFluor蛍光計(BIORAD、Hercules、CA)で定量した。各サンプルの
全RNA15μgを1.2%アガロース/7.6%ホルムアルデヒドゲル上で電
気泳動し、ハイボンド(Hybond)Nナイロン膜(Amersham、アーリントン
ハイツ、IL)に移した。StripEZプローブ合成キット(Ambion
、オースチン、TX)を用いた〔α32P〕−dATPでランダムプライミングに
よりHAS2用及びuPA用のプローブを前記のサブクローニングしたPCR産
物から生成した。膜をハイブリダイズし、洗浄して、記載したようにオートラジ
オグラフィーに供した(マーモウジ(Mahmoudi,M.) とリン(Lin, V.K.) 、Biotec
h.,7:331-332(1989)) 。製造業者のプロトコルに従い、Strip−EZ除去試
薬(Ambion)を用いて膜からプローブを除去した。次いで、負荷対照とし
てグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)を用
いて同じブロットをリプローブした。各プローブのシグナルをモレキュラー・ダ
イナミックス・ホスファーイメージャーで定量した。
(モレキュラープローブス、Eugene、OR)を用いる蛍光定量法により4
85〜495nm励起フィルターと515〜525nm放射フィルターを用いた
VersaFluor蛍光計(BIORAD、Hercules、CA)で定量した。各サンプルの
全RNA15μgを1.2%アガロース/7.6%ホルムアルデヒドゲル上で電
気泳動し、ハイボンド(Hybond)Nナイロン膜(Amersham、アーリントン
ハイツ、IL)に移した。StripEZプローブ合成キット(Ambion
、オースチン、TX)を用いた〔α32P〕−dATPでランダムプライミングに
よりHAS2用及びuPA用のプローブを前記のサブクローニングしたPCR産
物から生成した。膜をハイブリダイズし、洗浄して、記載したようにオートラジ
オグラフィーに供した(マーモウジ(Mahmoudi,M.) とリン(Lin, V.K.) 、Biotec
h.,7:331-332(1989)) 。製造業者のプロトコルに従い、Strip−EZ除去試
薬(Ambion)を用いて膜からプローブを除去した。次いで、負荷対照とし
てグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)を用
いて同じブロットをリプローブした。各プローブのシグナルをモレキュラー・ダ
イナミックス・ホスファーイメージャーで定量した。
【0060】 プロゲステロンラジオイムノアッセイ 製造業者の使用説明書に従い、ダイアグノスチック・プロダクツ・コーポレー
ション(Diagnostic Products Corporation) (ロサンゼルス、CA)製のキット
を用いた特異的固層ラジオイムノアッセイで培地中のプロゲステロンを2回測定
した。このアッセイの感度は、0.02ng/mlであり、0.1〜40ng/
mlの較正標準を用いた。
ション(Diagnostic Products Corporation) (ロサンゼルス、CA)製のキット
を用いた特異的固層ラジオイムノアッセイで培地中のプロゲステロンを2回測定
した。このアッセイの感度は、0.02ng/mlであり、0.1〜40ng/
mlの較正標準を用いた。
【0061】 卵母細胞切除(oocytectomized)複合体の拡張 前記のように卵丘(cumulus)細胞−卵母細胞複合体を回収した。前記のように
マイクロ注射器を用いて各複合体から卵母細胞を取り出した(バクシオン(Bucc
ione,R.)ら、Dev. Biol.,138:16-25(1990)) 。卵質の大部分と共に卵核胞を除去
することにより成功した卵母細胞切除を評価した。100ng/ml GDF−
9の存在下又は非存在下で10%ウシ胎仔血清と1μg/ml oLHを有して
いるか有していない5ng/ml又は100ng/mlのoFSHを補足した顆
粒膜細胞培地20μl液滴中で卵母細胞切除複合体を18時間一まとめにしてイ
ンキュベートした。写真は、ニコン倒立顕微鏡でとった。
マイクロ注射器を用いて各複合体から卵母細胞を取り出した(バクシオン(Bucc
ione,R.)ら、Dev. Biol.,138:16-25(1990)) 。卵質の大部分と共に卵核胞を除去
することにより成功した卵母細胞切除を評価した。100ng/ml GDF−
9の存在下又は非存在下で10%ウシ胎仔血清と1μg/ml oLHを有して
いるか有していない5ng/ml又は100ng/mlのoFSHを補足した顆
粒膜細胞培地20μl液滴中で卵母細胞切除複合体を18時間一まとめにしてイ
ンキュベートした。写真は、ニコン倒立顕微鏡でとった。
【0062】 結果 マウス卵巣におけるGDF−9の免疫組織化学的検出 ヒトGDF−9に対するモノクローナル抗体を用い、マウス卵巣においてGD
F−9タンパク質を特異的に検出した。低倍率の免疫組織化学的染色した卵巣で
GDF−9免疫反応性を卵母細胞のみで検出し、一方、GDF−9欠損卵巣中の
卵母細胞は染まらなかった。始原(2型)卵母細胞は、GDF−9mRNA発現
の非存在と一致して陰性であった(マクグラス(McGrath,S.A.) ら、Mol. Endoc
r.,9:131-136(1995)) 及びエルビン(Elvin) とマズック(Matzuk)、未公開のデー
タ)。始めに低い(及び様々な)レベルで3a型卵胞(卵母細胞の周囲に同心層
に配置された20未満の立方顆粒膜細胞を有する卵胞)の卵母細胞においてGD
F−9免疫反応性を観察し、3b型及びその後の卵胞の卵母細胞においてはより
高いレベルで観察した。多層前卵胞腔卵胞の完全に成熟した卵母細胞は一貫して
より強くGDF−9について染色され、大卵胞腔卵胞及び排卵前卵胞の卵丘細胞
−卵母細胞複合体の卵母細胞においてGDF−9免疫反応性をはっきりと検出し
た。分泌されたペプチドについて予期したように、GDF−9免疫反応性は卵核
胞(例えば、核)から排除された。興味深いことに、おそらく卵母細胞小胞体及
びゴルジ複合体の中の前駆体型のGDF−9の検出により、非対称の染色パター
ンが卵母細胞内で頻繁に観察された〔ワシャーマン(Wasserman,P.M.) 及びアル
バーチニ(Albertini,D.F.)、"The mammalian ovum", In: クノービル(E. Knobil
) とネイル(J. Neill)(編) The physiology of reproduction, Raven Press 、
ニューヨーク、79-122頁(1994) 〕。従って、全ての成熟卵胞の卵母細胞により
GDF−9mRNA及びタンパク質が合成され、このことは、それが卵胞形成(
folliculogenesis) の全ての段階で作用しうることを示す。
F−9タンパク質を特異的に検出した。低倍率の免疫組織化学的染色した卵巣で
GDF−9免疫反応性を卵母細胞のみで検出し、一方、GDF−9欠損卵巣中の
卵母細胞は染まらなかった。始原(2型)卵母細胞は、GDF−9mRNA発現
の非存在と一致して陰性であった(マクグラス(McGrath,S.A.) ら、Mol. Endoc
r.,9:131-136(1995)) 及びエルビン(Elvin) とマズック(Matzuk)、未公開のデー
タ)。始めに低い(及び様々な)レベルで3a型卵胞(卵母細胞の周囲に同心層
に配置された20未満の立方顆粒膜細胞を有する卵胞)の卵母細胞においてGD
F−9免疫反応性を観察し、3b型及びその後の卵胞の卵母細胞においてはより
高いレベルで観察した。多層前卵胞腔卵胞の完全に成熟した卵母細胞は一貫して
より強くGDF−9について染色され、大卵胞腔卵胞及び排卵前卵胞の卵丘細胞
−卵母細胞複合体の卵母細胞においてGDF−9免疫反応性をはっきりと検出し
た。分泌されたペプチドについて予期したように、GDF−9免疫反応性は卵核
胞(例えば、核)から排除された。興味深いことに、おそらく卵母細胞小胞体及
びゴルジ複合体の中の前駆体型のGDF−9の検出により、非対称の染色パター
ンが卵母細胞内で頻繁に観察された〔ワシャーマン(Wasserman,P.M.) 及びアル
バーチニ(Albertini,D.F.)、"The mammalian ovum", In: クノービル(E. Knobil
) とネイル(J. Neill)(編) The physiology of reproduction, Raven Press 、
ニューヨーク、79-122頁(1994) 〕。従って、全ての成熟卵胞の卵母細胞により
GDF−9mRNA及びタンパク質が合成され、このことは、それが卵胞形成(
folliculogenesis) の全ての段階で作用しうることを示す。
【0063】 組換えマウスGDF−9の産生 卵胞形成の後期段階でのGDF−9の作用を研究するため、組換えGDF−9
を産生することが必要であった。全長マウスGDF−9cDNAと、プレプロペ
プチド配列開裂酵素であるPACE用cDNAの両方を含む発現ベクターを用い
て、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を安定的にトランスフェクトし
た。マウスGDF−9発現ベクターを含むCHO細胞由来の培地のウエスタンブ
ロット解析は変性条件下で分析し、模擬(mock) ならし培地に存在していない、
分子量約21kDと60kDの2つの特有のバンドを示した。四塩基R−R−R
−R部位でのGDF−9のタンパク質分解プロセッシングは、予期される分子量
約15.6kDを有する135アミノ酸のカルボキシル末端成熟ペプチドを生じ
ることが予期されるだろう(マクフェロン(McPherron,A.C.) とリー(Lee, S.-J
.),J. Biol. Chem., 268:3444-3449(1993)) 。成熟GDF−9配列は、一本鎖の
N結合グリコシル化部位(Asn325 −Leu326 −Ser327 )を含む。優勢
な21kD型は、1つのN結合オリゴ糖を有する、マウスGDF−9の開裂した
成熟単量体型に相当するだろう。このバンドは、CHO細胞中で合成された組換
えヒトGDF−9と同一の位置に泳動した。60kDのバンドは、グリコシル化
された非プロセッシング(プロホルモン)型(441アミノ酸)に相当し、これ
はまた培地内に分泌されている。これら2つの型の分子量の増加はN結合グリコ
シル化によることを確認するため、GDF−9含有培地をN−グリカナーゼで処
理し、N結合オリゴ糖を除去した。この処理は、21kDのバンドのサイズを1
6kd、即ち細菌により産生されたGDF−9成熟ペプチドと同じ分子量に減少
し、また60kDのバンドを50kDに減少した。21kDグリコシル化GDF
−9型は常に最も豊富にある型であるので、PACEの存在下及び血清を含まな
い培地条件下で哺乳類細胞において組換えグリコシル化GDF−9を産生すると
いうこのストラテジーは効率的である。
を産生することが必要であった。全長マウスGDF−9cDNAと、プレプロペ
プチド配列開裂酵素であるPACE用cDNAの両方を含む発現ベクターを用い
て、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を安定的にトランスフェクトし
た。マウスGDF−9発現ベクターを含むCHO細胞由来の培地のウエスタンブ
ロット解析は変性条件下で分析し、模擬(mock) ならし培地に存在していない、
分子量約21kDと60kDの2つの特有のバンドを示した。四塩基R−R−R
−R部位でのGDF−9のタンパク質分解プロセッシングは、予期される分子量
約15.6kDを有する135アミノ酸のカルボキシル末端成熟ペプチドを生じ
ることが予期されるだろう(マクフェロン(McPherron,A.C.) とリー(Lee, S.-J
.),J. Biol. Chem., 268:3444-3449(1993)) 。成熟GDF−9配列は、一本鎖の
N結合グリコシル化部位(Asn325 −Leu326 −Ser327 )を含む。優勢
な21kD型は、1つのN結合オリゴ糖を有する、マウスGDF−9の開裂した
成熟単量体型に相当するだろう。このバンドは、CHO細胞中で合成された組換
えヒトGDF−9と同一の位置に泳動した。60kDのバンドは、グリコシル化
された非プロセッシング(プロホルモン)型(441アミノ酸)に相当し、これ
はまた培地内に分泌されている。これら2つの型の分子量の増加はN結合グリコ
シル化によることを確認するため、GDF−9含有培地をN−グリカナーゼで処
理し、N結合オリゴ糖を除去した。この処理は、21kDのバンドのサイズを1
6kd、即ち細菌により産生されたGDF−9成熟ペプチドと同じ分子量に減少
し、また60kDのバンドを50kDに減少した。21kDグリコシル化GDF
−9型は常に最も豊富にある型であるので、PACEの存在下及び血清を含まな
い培地条件下で哺乳類細胞において組換えグリコシル化GDF−9を産生すると
いうこのストラテジーは効率的である。
【0064】 組換えGDF−9によるヒアルロナンシンターゼ2(HAS2)及びuPAmR
NA合成の調節 卵母細胞は、ヒアルロン酸合成を刺激し、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性
化因子(uPA)を阻害し、インビトロの卵丘拡張を引き起こすことが知られて
いる成長因子を分泌する(サルシトリ(Salustri, A.) ら、Zygote, 4:313-315(
1996))。ヒアルロナンシンターゼ2(HAS2)は、ゴナドトロピンの急増後及
び効率的な卵丘拡張の直前のマウス卵丘細胞−卵母細胞複合体において発現され
(フロップ(Fuelop, C.) ら、Arch. Bioch. Bioph., 337:261266(1997))、卵丘
拡張に関与する主要なヒアルロン酸シンターゼとして包含される (スピサー(Spi
cer,A.P.) ら、J. Biol. Chem.,271-23400-23406(1996)) 。GDF−9が、ヒア
ルロン酸マトリックス合成を増加し、かつヒアルロン酸マトリックス分解を低減
することを通して卵丘拡張を誘導する原因である卵母細胞分泌因子であるかを決
定するため、組換えマウスGDF−9で処理した、新たに単離された顆粒膜細胞
においてHAS2及びuPAの発現レベルを調べた。特定産物への放射標識ヌク
レオチドのRT−PCR組み込みを用いて、対照とGDF−9処理した顆粒膜細
胞の培養物におけるHAS2とuPAの発現レベルをモニターした。まず、3遺
伝子(即ち、HAS2、uPA及びHPRT)の各オリゴヌクレオチド対につい
ての産物増幅の直線範囲を確立した。PCR反応において放射標識〔α−32P〕
−dCTPを用い、同じサンプルを16〜22サイクルで増幅してオートラジオ
グラフィーのフィルムのフォトデンシトメトリー分析を用いて定量した。増幅産
物の直線的な増加をHPRTについては16〜20サイクル、HAS2について
は16〜20サイクル、uPAについては18〜22サイクルで対照とGDF−
9処理したサンプルの両方から観察した。18〜20サイクルを最適のものと決
定し、全てのさらなる分析において全ての3遺伝子産物を研究するのに使用した
。同様のPCR条件をCOX−2、LHレセプター、P−450scc、及びS
tAR研究について行った(下記参照)。
NA合成の調節 卵母細胞は、ヒアルロン酸合成を刺激し、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性
化因子(uPA)を阻害し、インビトロの卵丘拡張を引き起こすことが知られて
いる成長因子を分泌する(サルシトリ(Salustri, A.) ら、Zygote, 4:313-315(
1996))。ヒアルロナンシンターゼ2(HAS2)は、ゴナドトロピンの急増後及
び効率的な卵丘拡張の直前のマウス卵丘細胞−卵母細胞複合体において発現され
(フロップ(Fuelop, C.) ら、Arch. Bioch. Bioph., 337:261266(1997))、卵丘
拡張に関与する主要なヒアルロン酸シンターゼとして包含される (スピサー(Spi
cer,A.P.) ら、J. Biol. Chem.,271-23400-23406(1996)) 。GDF−9が、ヒア
ルロン酸マトリックス合成を増加し、かつヒアルロン酸マトリックス分解を低減
することを通して卵丘拡張を誘導する原因である卵母細胞分泌因子であるかを決
定するため、組換えマウスGDF−9で処理した、新たに単離された顆粒膜細胞
においてHAS2及びuPAの発現レベルを調べた。特定産物への放射標識ヌク
レオチドのRT−PCR組み込みを用いて、対照とGDF−9処理した顆粒膜細
胞の培養物におけるHAS2とuPAの発現レベルをモニターした。まず、3遺
伝子(即ち、HAS2、uPA及びHPRT)の各オリゴヌクレオチド対につい
ての産物増幅の直線範囲を確立した。PCR反応において放射標識〔α−32P〕
−dCTPを用い、同じサンプルを16〜22サイクルで増幅してオートラジオ
グラフィーのフィルムのフォトデンシトメトリー分析を用いて定量した。増幅産
物の直線的な増加をHPRTについては16〜20サイクル、HAS2について
は16〜20サイクル、uPAについては18〜22サイクルで対照とGDF−
9処理したサンプルの両方から観察した。18〜20サイクルを最適のものと決
定し、全てのさらなる分析において全ての3遺伝子産物を研究するのに使用した
。同様のPCR条件をCOX−2、LHレセプター、P−450scc、及びS
tAR研究について行った(下記参照)。
【0065】 次いで、組換えGDF−9とHAS2mRNA合成との間の用量反応関係を調
べた。卵母細胞ならし培地にさらされた卵丘細胞又は壁在性顆粒膜細胞によるヒ
アルロン酸の合成速度は、培養中6〜12時間でピークに達した(サルストリ(
Salustri, A.) ら、J. Biol. Chem.,264:13840-13847(1989)及びド・アレサンド
リス(D'Alessandris, T.E.) ら、J. Biol. Chem.,272:4787-4794(1997)) 。従っ
て、用量反応実験に関して、顆粒膜細胞を様々な濃度の組換えGDF−9の非存
在下又は存在下で5時間培養した。半定量的なRT−PCRを用いて、10ng
/mlの組換えGDF−9によりHAS2発現においてわずかの増加を検出する
ことができる。30〜300ng/mlの間の組換えGDF−9のレベルは、3
0〜120ng/mlの間に生じる比較的直線的な用量/反応を伴う強いHAS
2誘導を与えた。プライミングしていない未成熟のマウス卵巣から回収した顆粒
膜細胞も組換えGDF−9に同様に応答した。対照的に、組換えマウスBMP−
15(150ng/ml)又は組換えヒトBMP−6(50ng/ml)は、ど
の顆粒膜細胞アッセイで試験しても、HAS2発現を刺激したり、又はuPA発
現を抑制することができなかった。これらの所見は、これらの活性がGDF−9
に特異的であり、他の卵母細胞分泌TGF−βファミリーメンバーがこれらの活
性に応答することができないことを示している。
べた。卵母細胞ならし培地にさらされた卵丘細胞又は壁在性顆粒膜細胞によるヒ
アルロン酸の合成速度は、培養中6〜12時間でピークに達した(サルストリ(
Salustri, A.) ら、J. Biol. Chem.,264:13840-13847(1989)及びド・アレサンド
リス(D'Alessandris, T.E.) ら、J. Biol. Chem.,272:4787-4794(1997)) 。従っ
て、用量反応実験に関して、顆粒膜細胞を様々な濃度の組換えGDF−9の非存
在下又は存在下で5時間培養した。半定量的なRT−PCRを用いて、10ng
/mlの組換えGDF−9によりHAS2発現においてわずかの増加を検出する
ことができる。30〜300ng/mlの間の組換えGDF−9のレベルは、3
0〜120ng/mlの間に生じる比較的直線的な用量/反応を伴う強いHAS
2誘導を与えた。プライミングしていない未成熟のマウス卵巣から回収した顆粒
膜細胞も組換えGDF−9に同様に応答した。対照的に、組換えマウスBMP−
15(150ng/ml)又は組換えヒトBMP−6(50ng/ml)は、ど
の顆粒膜細胞アッセイで試験しても、HAS2発現を刺激したり、又はuPA発
現を抑制することができなかった。これらの所見は、これらの活性がGDF−9
に特異的であり、他の卵母細胞分泌TGF−βファミリーメンバーがこれらの活
性に応答することができないことを示している。
【0066】 100ng/mlのGDF−9を用いたHAS2発現パターンのタイムコース
分析(0〜24時間)は、2時間でHAS2mRNAのわずかな誘導、培養3〜
5時間の間にピーク誘導、及び培養9時間までにHAS2発現レベルが低減する
ことを示した。GDF−9の非存在下で0〜24時間培養した顆粒膜細胞は、G
DF−9誘導ピークレベルに比べて10倍を超える低いレベルのHAS2を発現
し、これらの細胞における非常に低いレベルの基礎的活性を示す。GDF−9非
存在下で培養した対照顆粒膜細胞におけるuPA発現についてのタイムコースは
、uPAレベルが培養中の最初の9時間にわたって増加することを示した。しか
しながら、100ng/mlの組換えGDF−9で処理された顆粒膜細胞は、検
出可能な、しかし、非常に低いレベルのuPA発現を維持した。5時間で、GD
F−9処理したサンプル由来のバンド強度は、対照の約15%であり、9時間で
対照処理サンプルのバンド強度(各サンプルについてHPRTに標準化した)の
約9%であった。
分析(0〜24時間)は、2時間でHAS2mRNAのわずかな誘導、培養3〜
5時間の間にピーク誘導、及び培養9時間までにHAS2発現レベルが低減する
ことを示した。GDF−9の非存在下で0〜24時間培養した顆粒膜細胞は、G
DF−9誘導ピークレベルに比べて10倍を超える低いレベルのHAS2を発現
し、これらの細胞における非常に低いレベルの基礎的活性を示す。GDF−9非
存在下で培養した対照顆粒膜細胞におけるuPA発現についてのタイムコースは
、uPAレベルが培養中の最初の9時間にわたって増加することを示した。しか
しながら、100ng/mlの組換えGDF−9で処理された顆粒膜細胞は、検
出可能な、しかし、非常に低いレベルのuPA発現を維持した。5時間で、GD
F−9処理したサンプル由来のバンド強度は、対照の約15%であり、9時間で
対照処理サンプルのバンド強度(各サンプルについてHPRTに標準化した)の
約9%であった。
【0067】 RT−PCRによって示されるようなHAS2及びuPA発現に対するGDF
−9の効果を確認するため、50ng/mlのGDF−9の存在下又は非存在下
でのノーザンブロット解析により一次顆粒膜細胞におけるHAS2の発現を調べ
た。各サンプルからの全RNA(50ng/ml GDF−9の存在下又は非存
在下での0又は5時間インキュベーション時点)を、ノーザンブロット解析に供
し、HAS2又はuPAプローブのいずれかと、次いでGAPDHプローブとハ
イブリダイズさせた。シグナルをホスファーイメージャーでHAS2とuPAレ
ベルについて定量し、GAPDHに標準化した。HAS2は、対照サンプルにお
いて0時間で又は培養5時間後に壁在性顆粒膜細胞でかろうじて検出可能であっ
た。しかしながら、GDF−9とのインキュベーションの5時間後、4.8kb
及び3.2kbの両方のHAS2mRNA型(スピーサー(Spicer,A.P.)ら、J.
Biol. Chem.,271:23400-23406(1996)) が対照に比べて9.7倍に増加した。対
照的に、uPAのノーザンブロット解析は、50ng/mlのGDF−9がuP
A合成を対照培地の40%に抑制したことを示した。従って、ノーザンブロット
のデータは我々のRT−PCT分析を確認した。
−9の効果を確認するため、50ng/mlのGDF−9の存在下又は非存在下
でのノーザンブロット解析により一次顆粒膜細胞におけるHAS2の発現を調べ
た。各サンプルからの全RNA(50ng/ml GDF−9の存在下又は非存
在下での0又は5時間インキュベーション時点)を、ノーザンブロット解析に供
し、HAS2又はuPAプローブのいずれかと、次いでGAPDHプローブとハ
イブリダイズさせた。シグナルをホスファーイメージャーでHAS2とuPAレ
ベルについて定量し、GAPDHに標準化した。HAS2は、対照サンプルにお
いて0時間で又は培養5時間後に壁在性顆粒膜細胞でかろうじて検出可能であっ
た。しかしながら、GDF−9とのインキュベーションの5時間後、4.8kb
及び3.2kbの両方のHAS2mRNA型(スピーサー(Spicer,A.P.)ら、J.
Biol. Chem.,271:23400-23406(1996)) が対照に比べて9.7倍に増加した。対
照的に、uPAのノーザンブロット解析は、50ng/mlのGDF−9がuP
A合成を対照培地の40%に抑制したことを示した。従って、ノーザンブロット
のデータは我々のRT−PCT分析を確認した。
【0068】 組換えGDF−9は卵母細胞切除卵丘細胞−卵母細胞複合体の卵丘拡張を引き起
こす 未処置の卵丘細胞−卵母細胞複合体をPMSG処理した未成熟の雌マウスから
単離した。セットしたトランスジェニックマイクロマニピュレーターを用いて、
これらの複合体由来の卵母細胞に穴をあけ、卵母細胞の内容物を吸い出した。培
養前に、これらの卵母細胞切除卵丘複合体は、空の透明帯を取り巻いている顆粒
膜細胞のいくつかの層からなる直径約100μmの球状物であった。培養18時
間後、対照培地(即ち、GDF−9が欠乏しているが、10%ウシ胎仔血清と5
ng/ml又は150ng/mlのFSHを含有する)で培養した卵母細胞切除
複合体25個のうちの25個由来の卵丘細胞は、組織培養プレートに付着し、線
維芽細胞の外観を呈する。卵丘細胞が低い又は検出不可能なレベルのLHレセプ
ターmRNAを有するという以前の報告と一致して、LH(1μg/ml)と共
のこれらの卵母細胞切除複合体(9個のうち9個)のインキュベーションは、そ
の線維芽細胞の外観を変えられなかった。対照的に、同一条件下で単離され、1
00ng/mlのGDF−9の存在下で培養された44個の卵母細胞切除複合体
のうち40個は、球状の外観を維持し、三次元のゼラチン状の球体に拡張した。
これらの結果は、FSH含有培地で培養した未処置の卵母細胞を有する卵丘細胞
−卵母細胞複合体と類似している。これらの細胞は、大多数の細胞が生体染料で
あるトリパンブルーを除外し続けたので、細胞死によりプレートから分離しなか
った。対照的に、組換えヒトBMP−6又はBMP−15と共の複合体のインキ
ュベーションは、卵丘拡張を生じなかった。これらの観察は、GDF−9が特異
的に卵丘拡張を刺激し、このプロセスを通常媒介する卵母細胞由来の因子である
ことを示す。
こす 未処置の卵丘細胞−卵母細胞複合体をPMSG処理した未成熟の雌マウスから
単離した。セットしたトランスジェニックマイクロマニピュレーターを用いて、
これらの複合体由来の卵母細胞に穴をあけ、卵母細胞の内容物を吸い出した。培
養前に、これらの卵母細胞切除卵丘複合体は、空の透明帯を取り巻いている顆粒
膜細胞のいくつかの層からなる直径約100μmの球状物であった。培養18時
間後、対照培地(即ち、GDF−9が欠乏しているが、10%ウシ胎仔血清と5
ng/ml又は150ng/mlのFSHを含有する)で培養した卵母細胞切除
複合体25個のうちの25個由来の卵丘細胞は、組織培養プレートに付着し、線
維芽細胞の外観を呈する。卵丘細胞が低い又は検出不可能なレベルのLHレセプ
ターmRNAを有するという以前の報告と一致して、LH(1μg/ml)と共
のこれらの卵母細胞切除複合体(9個のうち9個)のインキュベーションは、そ
の線維芽細胞の外観を変えられなかった。対照的に、同一条件下で単離され、1
00ng/mlのGDF−9の存在下で培養された44個の卵母細胞切除複合体
のうち40個は、球状の外観を維持し、三次元のゼラチン状の球体に拡張した。
これらの結果は、FSH含有培地で培養した未処置の卵母細胞を有する卵丘細胞
−卵母細胞複合体と類似している。これらの細胞は、大多数の細胞が生体染料で
あるトリパンブルーを除外し続けたので、細胞死によりプレートから分離しなか
った。対照的に、組換えヒトBMP−6又はBMP−15と共の複合体のインキ
ュベーションは、卵丘拡張を生じなかった。これらの観察は、GDF−9が特異
的に卵丘拡張を刺激し、このプロセスを通常媒介する卵母細胞由来の因子である
ことを示す。
【0069】 GDF−9によるLHレセプター及びシクロオキシゲナーゼ2(COX−2)の
調節 上記の所見に基づいて、顆粒膜細胞培地におけるLHレセプター及びCOX2
発現に対する組換えマウスGDF−9の効果を半定量的なRT−PCRを用いて
決定した。顆粒膜細胞の回収後(T=0)、低レベルのLHレセプターを検出し
た。GDF−9の非存在下で、LHレセプターのレベルはさらに低減したが、発
現は、5時間〜24時間で増加した。対照的に、GDF−9(100ng/ml
)を用いた顆粒膜細胞のインキュベーションは、全ての時点でLHレセプターm
RNA合成を抑制した。10ng/ml FSHの存在下でさえ、LHレセプタ
ーmRNAを100ng/mlのGDF−9の存在下で抑制した。10ng/m
lのFSHを用いて示された実験において、対照処理した顆粒膜細胞は、GDF
−9処理した顆粒膜細胞より約30倍のLHレセプターを発現した(p<0.0
5、n=3)。対照的に、COX−2発現は、GDF−9の非存在下で低かった
が、100ng/mlのGDF−9の存在下のインキュベーションの24時間後
、劇的な上昇レベルを示した。FSHは、対照又はGDF−9処理した顆粒膜細
胞のいずれかで有意な効果を有しなかったが、GDF−9はCOX−2発現にお
ける50倍を超える増加を引き起こした。これらのサンプルにおけるHAS2発
現の分析は、以前の結果と一致した。
調節 上記の所見に基づいて、顆粒膜細胞培地におけるLHレセプター及びCOX2
発現に対する組換えマウスGDF−9の効果を半定量的なRT−PCRを用いて
決定した。顆粒膜細胞の回収後(T=0)、低レベルのLHレセプターを検出し
た。GDF−9の非存在下で、LHレセプターのレベルはさらに低減したが、発
現は、5時間〜24時間で増加した。対照的に、GDF−9(100ng/ml
)を用いた顆粒膜細胞のインキュベーションは、全ての時点でLHレセプターm
RNA合成を抑制した。10ng/ml FSHの存在下でさえ、LHレセプタ
ーmRNAを100ng/mlのGDF−9の存在下で抑制した。10ng/m
lのFSHを用いて示された実験において、対照処理した顆粒膜細胞は、GDF
−9処理した顆粒膜細胞より約30倍のLHレセプターを発現した(p<0.0
5、n=3)。対照的に、COX−2発現は、GDF−9の非存在下で低かった
が、100ng/mlのGDF−9の存在下のインキュベーションの24時間後
、劇的な上昇レベルを示した。FSHは、対照又はGDF−9処理した顆粒膜細
胞のいずれかで有意な効果を有しなかったが、GDF−9はCOX−2発現にお
ける50倍を超える増加を引き起こした。これらのサンプルにおけるHAS2発
現の分析は、以前の結果と一致した。
【0070】 プロゲステロン合成のGDF−9調節 プロゲステロン合成の調節に対するGDF−9及びFSHの効果を研究するた
め、用量反応及びタイムコース実験を行った。半定量的RT−PCRを行い、P
−450scc mRNA合成及びStAR mRNA合成を分析し、ラジオイ
ムノアッセイを用いて、培地中に分泌されたプロゲステロンを分析した。50n
g/mlのGDF−9の存在下又は非存在下で様々な量のFSHを含む3つ組の
ウェルで4時間培養した顆粒膜細胞から培地を回収し、ラジオイムノアッセイで
プロゲステロンについてアッセイした。これらの条件下、FSHの非存在下又は
低レベルのFSHで4時間培養した顆粒膜細胞は、非常にわずかなプロゲステロ
ンを産生した。一方、50ng/mlのGDF−9と共に培養した顆粒膜細胞は
5〜7倍高い量のプロゲステロンを産生した(Figure4A)。GDF−9の存在
下又は非存在下で0又は10ng/mlのFSHを有する10%FCSを含有す
る培地で顆粒膜細胞を24時間インキュベートした。しかしながら、5ng/m
lのFSHの存在下で産生されたプロゲステロンの量は、GDF−9の存在又は
非存在により有意に影響を受けず、GDF−9のみの存在下又は低レベルのFS
Hで産生されたものより約2〜3倍多かった。24時間のインキュベーション後
、GDF−9のみが有意に高い量のプロゲステロンを誘導したが、高濃度のFS
H(10ng/ml)の存在下では、GDF−9の効果はごくわずかであった(
Figure4B)。これらのデータは、プロゲステロンのFSHとGDF−9の刺激
が相加的なものでないことを示している。
め、用量反応及びタイムコース実験を行った。半定量的RT−PCRを行い、P
−450scc mRNA合成及びStAR mRNA合成を分析し、ラジオイ
ムノアッセイを用いて、培地中に分泌されたプロゲステロンを分析した。50n
g/mlのGDF−9の存在下又は非存在下で様々な量のFSHを含む3つ組の
ウェルで4時間培養した顆粒膜細胞から培地を回収し、ラジオイムノアッセイで
プロゲステロンについてアッセイした。これらの条件下、FSHの非存在下又は
低レベルのFSHで4時間培養した顆粒膜細胞は、非常にわずかなプロゲステロ
ンを産生した。一方、50ng/mlのGDF−9と共に培養した顆粒膜細胞は
5〜7倍高い量のプロゲステロンを産生した(Figure4A)。GDF−9の存在
下又は非存在下で0又は10ng/mlのFSHを有する10%FCSを含有す
る培地で顆粒膜細胞を24時間インキュベートした。しかしながら、5ng/m
lのFSHの存在下で産生されたプロゲステロンの量は、GDF−9の存在又は
非存在により有意に影響を受けず、GDF−9のみの存在下又は低レベルのFS
Hで産生されたものより約2〜3倍多かった。24時間のインキュベーション後
、GDF−9のみが有意に高い量のプロゲステロンを誘導したが、高濃度のFS
H(10ng/ml)の存在下では、GDF−9の効果はごくわずかであった(
Figure4B)。これらのデータは、プロゲステロンのFSHとGDF−9の刺激
が相加的なものでないことを示している。
【0071】 FSHとGDF−9が顆粒膜細胞培養物においてプロゲステロン合成をどのよ
うに調節するかを決定するために、FSHの存在下又は非存在下、或いはGDF
−9の存在下又は非存在下での24時間インキュベーション後の半定量的RT−
PCRによりP−450scc及びStAR mRNAのレベルを分析した(Fi
gure4C−4D)。一方、10ng/mlのFSHは、P−450sccのわず
かな増加を引き起こし、GDF−9の存在は何ら効果を有していなかった。対照
的に、GDF−9は、StAR mRNAレベルの2〜5倍誘導を生じた(p<
0.05)。これらの結果は、FSHとGDF−9が異なる機構を経て重要なプ
ロゲステロン合成を調節するように作用していることを示している。
うに調節するかを決定するために、FSHの存在下又は非存在下、或いはGDF
−9の存在下又は非存在下での24時間インキュベーション後の半定量的RT−
PCRによりP−450scc及びStAR mRNAのレベルを分析した(Fi
gure4C−4D)。一方、10ng/mlのFSHは、P−450sccのわず
かな増加を引き起こし、GDF−9の存在は何ら効果を有していなかった。対照
的に、GDF−9は、StAR mRNAレベルの2〜5倍誘導を生じた(p<
0.05)。これらの結果は、FSHとGDF−9が異なる機構を経て重要なプ
ロゲステロン合成を調節するように作用していることを示している。
【0072】 考察 免疫組織化学的分析を用いて、GDF−9タンパク質はまず一次卵胞(3a型
卵胞)の成熟している卵母細胞内で低レベルで検出され、3b型の卵胞完全成熟
卵母細胞においてより高いレベルで存在し、そして続く各発生段階の卵母細胞に
おいて検出されることが本明細書に示される。さらに、卵母細胞が密接に顆粒膜
細胞と結合している大卵胞腔卵胞及び排卵前卵胞の卵母細胞によってもGDF−
9タンパク質は合成されていることが示されている。GDF−9タンパク質は3
a型卵胞の卵母細胞で検出されるが、それは3b型〜4型の卵胞移行での卵胞形
成にのみ必須となる。このことは、GDF−9シグナル伝達カスケードが3b型
卵胞段階の前には活性でないことを示す。
卵胞)の成熟している卵母細胞内で低レベルで検出され、3b型の卵胞完全成熟
卵母細胞においてより高いレベルで存在し、そして続く各発生段階の卵母細胞に
おいて検出されることが本明細書に示される。さらに、卵母細胞が密接に顆粒膜
細胞と結合している大卵胞腔卵胞及び排卵前卵胞の卵母細胞によってもGDF−
9タンパク質は合成されていることが示されている。GDF−9タンパク質は3
a型卵胞の卵母細胞で検出されるが、それは3b型〜4型の卵胞移行での卵胞形
成にのみ必須となる。このことは、GDF−9シグナル伝達カスケードが3b型
卵胞段階の前には活性でないことを示す。
【0073】 本明細書に示すように、GDF−9は、排卵前卵胞において生じるプロセスに
典型的なHAS2誘導とuPA抑制を分析したアッセイにおいて、卵母細胞と卵
母細胞ならし培地のかわりとなり得た。本明細書でも示すように、他の卵母細胞
発現TGF−βファミリーメンバーであるBMP−15とBMP−6は、これら
の顆粒膜細胞アッセイにおいてGDF−9の代用とすることができなかった。組
換えGDF−9で処理した卵胞腔卵胞から単離した壁在性顆粒膜細胞を誘導して
、用量依存方式及び時間依存方式でHAS2を発現した。GDF−9は、HA合
成に対する卵母細胞の最大の効果に十分相当する壁在性顆粒膜細胞において、約
10倍以上高いレベルのHAS2mRNAを誘導した。さらに、GDF−9に関
する用量反応曲線は、卵母細胞ならし培地のものと非常に似ていた。非常に低い
投与量(例えば、0.5卵母細胞/μl又は10ng/mlのGDF−9)はヒ
アルロン酸合成又はHAS2発現の非常に低いが検出可能な増加を誘導し、一方
、1卵母細胞/μl又は30〜50ng/mlのGDF−9は、2〜4卵母細胞
/μl又は120〜300ng/mlのGDF−9で安定状態に達するより大き
く劇的な誘導を引き起こした(サルストリ(Salustri, A.) ら、Dev. Biol.,138
:26-32(1990)) 。GDF−9作用のタイムコースも、卵母細胞産生因子に関する
以前のデータと一致した。一方、HAS2mRNAは、GDF−9を用いた培養
2時間までに誘導され、卵母細胞誘導されたヒアルロン酸は、2.5時間後に低
レベルで検出可能となった(サルストリら、J. Biol. Chem.,264:13840-13847(1
989)) 。GDF−9は、ピークのHAS2mRNAレベルは3〜5時間の間に誘
導され、一方、卵母細胞誘導ヒアルロン酸合成の速度は6〜12時間の間に最大
になった(サルストリら、J. Biol. Chem.,264:13840-13847(1989)) 。同様に、
卵母細胞誘導ヒアルロン酸合成は、12時間後に低下し、18時間後にヒアルロ
ン酸それ以上生成されなかった(ド・アレッサンドリス(D'Alessandris, T.E.)
ら、J. Biol. Chem.,272:4787-4794(1997)) ;GDF−9誘導HAS2発現は、
24時間までに低下し、uPA合成は24時間までに増加した。この期間の間の
HAS2発現及びヒアルロン酸合成の活性化並びにuPA合成の増加という「一
過性の」性質は、培地中のGDF−9の不安定性、GDF−9レセプターのダウ
ンレギュレーション、顆粒膜細胞のGDF−9誘導性分化、及び/又はGDF−
9シグナル伝達カスケード内の負のフィードバック機構の刺激によるものであろ
うと思われる。これらのプロセスのいくつかを調節する卵母細胞分泌因子は不安
定であると認められていること、及び顆粒膜細胞を含む様々な同時培養物(co-cu
ltures) における卵母細胞の継続的な存在が継続的な活性に必要とされることが
認められることは興味深い(エッピッグ(Eppig, J.J.)ら、Biol. Reprod.,56:9
76-984(1997)) 。最後に、本明細書に記載されたデータは、壁在性顆粒膜細胞と
拡張している卵丘顆粒膜細胞とのインビボ表現型での違いが細胞自身に固有のも
のでないが、それらの卵母細胞への近接と、卵母細胞産生GDF−9の濃度勾配
によることを示している。
典型的なHAS2誘導とuPA抑制を分析したアッセイにおいて、卵母細胞と卵
母細胞ならし培地のかわりとなり得た。本明細書でも示すように、他の卵母細胞
発現TGF−βファミリーメンバーであるBMP−15とBMP−6は、これら
の顆粒膜細胞アッセイにおいてGDF−9の代用とすることができなかった。組
換えGDF−9で処理した卵胞腔卵胞から単離した壁在性顆粒膜細胞を誘導して
、用量依存方式及び時間依存方式でHAS2を発現した。GDF−9は、HA合
成に対する卵母細胞の最大の効果に十分相当する壁在性顆粒膜細胞において、約
10倍以上高いレベルのHAS2mRNAを誘導した。さらに、GDF−9に関
する用量反応曲線は、卵母細胞ならし培地のものと非常に似ていた。非常に低い
投与量(例えば、0.5卵母細胞/μl又は10ng/mlのGDF−9)はヒ
アルロン酸合成又はHAS2発現の非常に低いが検出可能な増加を誘導し、一方
、1卵母細胞/μl又は30〜50ng/mlのGDF−9は、2〜4卵母細胞
/μl又は120〜300ng/mlのGDF−9で安定状態に達するより大き
く劇的な誘導を引き起こした(サルストリ(Salustri, A.) ら、Dev. Biol.,138
:26-32(1990)) 。GDF−9作用のタイムコースも、卵母細胞産生因子に関する
以前のデータと一致した。一方、HAS2mRNAは、GDF−9を用いた培養
2時間までに誘導され、卵母細胞誘導されたヒアルロン酸は、2.5時間後に低
レベルで検出可能となった(サルストリら、J. Biol. Chem.,264:13840-13847(1
989)) 。GDF−9は、ピークのHAS2mRNAレベルは3〜5時間の間に誘
導され、一方、卵母細胞誘導ヒアルロン酸合成の速度は6〜12時間の間に最大
になった(サルストリら、J. Biol. Chem.,264:13840-13847(1989)) 。同様に、
卵母細胞誘導ヒアルロン酸合成は、12時間後に低下し、18時間後にヒアルロ
ン酸それ以上生成されなかった(ド・アレッサンドリス(D'Alessandris, T.E.)
ら、J. Biol. Chem.,272:4787-4794(1997)) ;GDF−9誘導HAS2発現は、
24時間までに低下し、uPA合成は24時間までに増加した。この期間の間の
HAS2発現及びヒアルロン酸合成の活性化並びにuPA合成の増加という「一
過性の」性質は、培地中のGDF−9の不安定性、GDF−9レセプターのダウ
ンレギュレーション、顆粒膜細胞のGDF−9誘導性分化、及び/又はGDF−
9シグナル伝達カスケード内の負のフィードバック機構の刺激によるものであろ
うと思われる。これらのプロセスのいくつかを調節する卵母細胞分泌因子は不安
定であると認められていること、及び顆粒膜細胞を含む様々な同時培養物(co-cu
ltures) における卵母細胞の継続的な存在が継続的な活性に必要とされることが
認められることは興味深い(エッピッグ(Eppig, J.J.)ら、Biol. Reprod.,56:9
76-984(1997)) 。最後に、本明細書に記載されたデータは、壁在性顆粒膜細胞と
拡張している卵丘顆粒膜細胞とのインビボ表現型での違いが細胞自身に固有のも
のでないが、それらの卵母細胞への近接と、卵母細胞産生GDF−9の濃度勾配
によることを示している。
【0074】 コレステロールのプレグネノロンへの変換は、顆粒膜細胞ステロイド産生にお
ける速度測定段階である。プレグネノロン合成の速度は、反応を触媒する酵素シ
トクロムP−450側鎖切断(P−450scc)のレベルと活性、及びステロ
イド産生早期調節タンパク質(StAR)の刺激を介する基質コレステロールと
の接近に依存している(レンナート(Rennert, H.)ら、"Intracellular cholest
erol dynamics in steroidogenic cells" 、In: アダシ(L.C. Adashi,E.Y.)ら(
編)The Ovary 、ラベンプレス社(Raven Press, Ltd.) 、ニューヨーク、147016
4 頁(1993)) 。FSH誘導された及びLH誘導された細胞内cAMPの増加は、
続くP−450sccの刺激、StARmRNA合成及びStARタンパク質リ
ン酸化を導き、インビトロのプロゲステロン合成を刺激することが十分確立され
ている(リチャーズ(Richards, J.S.) とヘジン(Hedin, L.) 、Annu. Rev. Phy
siol.,50:441-463(1988); クラーク(Clark, B.J.) ら、Mol. Endocr.,9:1346-55
(1995)及びアラカン(Arakane, F.) ら、J. Biol. Chem.,272:32656-62(1997))。
GDF−9処理で見られる効果に対比して、アクチビンAは、基底及びFSH刺
激P−450scc、3βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3βHSD
)及びブロゲスロン合成をジエチルスチルベストロール(DES)刺激ラット由
来の培養した顆粒膜細胞により低減した。本明細書で記載されたデータは、FS
Hがマウス顆粒膜細胞においてP−450scc mRNA合成を刺激すること
を確認しているが、GDF−9がP−450scc mRNA合成に有意に作用
しなかったことを示している。対照的に、FSHは、StAR mRNAに対す
る誘導的な効果をわずかしか有していないが、FSHを有している又は有してい
ないGDF−9は、StAR発現を有意に誘導する。結果として、GDF−9と
FSHは共に、顆粒膜細胞によるプロゲステロン産生を非依存的に増加すること
ができ、同じ経路であるが、異なる機構を通して作用するようである。卵丘細胞
によるプロゲステロンのこの局所的な産生は、排卵後及び受精前の卵母細胞のた
めの完全な微環境を達成するのに不可欠でありうるようである。これの証拠だて
として、排卵されたラット卵丘細胞−卵母細胞複合体は測定可能なレベルのプロ
ゲステロンとプロスタグランジン(主にPGE2)の両方を分泌している(シュ
ーツ(Schuetz, A.W.) とデュビン(Dubin, N.H.) 、Endocr.,108:457-463(1981))
、及びアミノグルテチミド、これはコレステロールのプレグネノロンへの変換を
阻害する、の使用は、インビトロの卵胞成熟後に回復した正常なヒツジ卵母細胞
の数を低減する。
ける速度測定段階である。プレグネノロン合成の速度は、反応を触媒する酵素シ
トクロムP−450側鎖切断(P−450scc)のレベルと活性、及びステロ
イド産生早期調節タンパク質(StAR)の刺激を介する基質コレステロールと
の接近に依存している(レンナート(Rennert, H.)ら、"Intracellular cholest
erol dynamics in steroidogenic cells" 、In: アダシ(L.C. Adashi,E.Y.)ら(
編)The Ovary 、ラベンプレス社(Raven Press, Ltd.) 、ニューヨーク、147016
4 頁(1993)) 。FSH誘導された及びLH誘導された細胞内cAMPの増加は、
続くP−450sccの刺激、StARmRNA合成及びStARタンパク質リ
ン酸化を導き、インビトロのプロゲステロン合成を刺激することが十分確立され
ている(リチャーズ(Richards, J.S.) とヘジン(Hedin, L.) 、Annu. Rev. Phy
siol.,50:441-463(1988); クラーク(Clark, B.J.) ら、Mol. Endocr.,9:1346-55
(1995)及びアラカン(Arakane, F.) ら、J. Biol. Chem.,272:32656-62(1997))。
GDF−9処理で見られる効果に対比して、アクチビンAは、基底及びFSH刺
激P−450scc、3βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(3βHSD
)及びブロゲスロン合成をジエチルスチルベストロール(DES)刺激ラット由
来の培養した顆粒膜細胞により低減した。本明細書で記載されたデータは、FS
Hがマウス顆粒膜細胞においてP−450scc mRNA合成を刺激すること
を確認しているが、GDF−9がP−450scc mRNA合成に有意に作用
しなかったことを示している。対照的に、FSHは、StAR mRNAに対す
る誘導的な効果をわずかしか有していないが、FSHを有している又は有してい
ないGDF−9は、StAR発現を有意に誘導する。結果として、GDF−9と
FSHは共に、顆粒膜細胞によるプロゲステロン産生を非依存的に増加すること
ができ、同じ経路であるが、異なる機構を通して作用するようである。卵丘細胞
によるプロゲステロンのこの局所的な産生は、排卵後及び受精前の卵母細胞のた
めの完全な微環境を達成するのに不可欠でありうるようである。これの証拠だて
として、排卵されたラット卵丘細胞−卵母細胞複合体は測定可能なレベルのプロ
ゲステロンとプロスタグランジン(主にPGE2)の両方を分泌している(シュ
ーツ(Schuetz, A.W.) とデュビン(Dubin, N.H.) 、Endocr.,108:457-463(1981))
、及びアミノグルテチミド、これはコレステロールのプレグネノロンへの変換を
阻害する、の使用は、インビトロの卵胞成熟後に回復した正常なヒツジ卵母細胞
の数を低減する。
【0075】 本明細書に記載したように、排卵前卵胞におけるLHレセプターのインサイチ
ューハイブリダイゼーション分析は、インビボのLH処理後、COX2発現が卵
丘細胞において最高になるのに対し、LHレセプターが卵丘細胞において抑制さ
れるが、壁在性顆粒膜細胞では抑制されないことを示している。本明細書でも記
載しているように、組換えGDF−9は、LHレセプターmRNAを抑制するが
、COX−2発現を誘導し、卵丘細胞においてこれらの遺伝子の正常な発現によ
く似ている。しかしながら、エッピッグとその同僚(エッピッグ(Eppig, J.J)
ら、Biol. Reprod.,56:976-984(1997)及びエッピッグら、Mol. Reprod. Dev.,49
:327-332(1998)) は、完全成熟卵母細胞がLHレセプターmRNA発現を抑制す
るが、前卵胞腔卵胞由来の卵母細胞、中期IIで停止された卵母細胞、又は2細胞
胚が有効なものでないことを簡潔に示した。ノックアウト研究(ドング(Dong, J
.)ら、Nature, 383:531-535(1996) 及びエルビン(Elvin, J.A.) ら、Mol. Endoc
r.(提出された)(1999)) 並びに本明細書で述べられているように、GDF−9
は、細胞形態学、遺伝子発現、及びステロイド産生における変化を刺激すること
ができ、少なくとも一次卵胞由来及び卵胞腔卵胞由来の顆粒膜細胞が、GDF−
9を結合するレセプターを有していることを示している(本明細書に記載された
所見の概要についてはFigure5を参照のこと)。GDF−9は、COX−2発現
のレベルを劇的に増加するため、COX−2発現が卵胞形成のより早い段階で発
現されない理由又はより早い段階の卵母細胞(エッピッグ(Eppig, J.J.)ら、19
97 Biol. Reprod.,56:976-984(1997) 及びエッピッグら、Human Reprod.,12:127
-132(1997)及びエッピッグら、Mol. Reprod. Dev.,49:327-332(1998))がLHレ
セプターを抑制するのに効果が低い理由について明らかでない。GDF−9タン
パク質は、卵胞形成の全ての段階で免疫組織化学的なレベルで検出されるが、こ
れはGDF−9がこれら全ての段階で活性であることを必ずしも証明していない
。一つの可能性として、GDF−9前駆体が3b型段階と卵胞腔卵胞段階で活性
な成熟二量体に処理されるだけであることが挙げられる。GDF−9処理酵素の
調節は、翻訳後にGDF−9の活性を調節する一つの方法であろう。他の説明と
して、GDF−9調節性及びGDF−9非依存性の転写因子の両方がCOX−2
の合成を調節するのに共に作用していることが挙げられる。COX−2の少なく
とも1つのレギュレーターは、転写因子エンハンサー結合タンパク質P(C/E
BPβ)である。C/EBPβ、これはhCG処理後4〜7時間の間誘導される
、は、COX−2プロモーターに結合してCOX−2 mRNA発現をダウンレ
ギュレートする。卵巣におけるCOX−2発現は、通常hCG処理後4時間でピ
ークに達し、一方、COX−2タンパク質は、排卵後、卵丘細胞に存在し続ける
(リム(Lim,H.)ら、Cell,91:197-208(1997))。しかしながら、C/EBPβノッ
クアウトマウス〔これは生殖力がない〔ステーネック(Sterneck),1997#279〕〕
において、COX−2mRNAのレベルは増加したままである。また、COX−
2ノックアウトマウスは、排卵欠陥かつ卵母細胞成熟障害により、生殖力がない
(リム(Lim,H.)ら、Cell,91:197-208(1997))。C/EBPβ及びCOX−2ノッ
クアウトモデルからのこれらの研究は、卵丘細胞におけるCOX−2の適当な調
節が卵母細胞周辺のプロスタグランジンの最適な微環境を維持するのに必要であ
ることを示している。GDF−9はCOX−2誘導の際に関与する因子の1つで
あると思われ、C/EBPβはCOX−2のダウンレギュレーションにある役割
を果たす。本明細書に記載した研究及び他の研究(ロウレンス(Lawrence, T.)ら
、Endocr.,106:1114-1118(1980) 及びメジュリ(Meduri, G.)ら、Endocr.,131:36
6-373(1992))もLHが卵丘細胞におけるCOX−2とC/EBPβの両方の発現
を、LHレセプターがこれらの細胞上に存在しないため、間接的に調節している
ことを示している。しかしながら、いかにしてこれが達成されるのか又はいかに
してCOX−2が急速に現れ、C/EBPβがよりゆっくりと現れるのかは明ら
かでない。
ューハイブリダイゼーション分析は、インビボのLH処理後、COX2発現が卵
丘細胞において最高になるのに対し、LHレセプターが卵丘細胞において抑制さ
れるが、壁在性顆粒膜細胞では抑制されないことを示している。本明細書でも記
載しているように、組換えGDF−9は、LHレセプターmRNAを抑制するが
、COX−2発現を誘導し、卵丘細胞においてこれらの遺伝子の正常な発現によ
く似ている。しかしながら、エッピッグとその同僚(エッピッグ(Eppig, J.J)
ら、Biol. Reprod.,56:976-984(1997)及びエッピッグら、Mol. Reprod. Dev.,49
:327-332(1998)) は、完全成熟卵母細胞がLHレセプターmRNA発現を抑制す
るが、前卵胞腔卵胞由来の卵母細胞、中期IIで停止された卵母細胞、又は2細胞
胚が有効なものでないことを簡潔に示した。ノックアウト研究(ドング(Dong, J
.)ら、Nature, 383:531-535(1996) 及びエルビン(Elvin, J.A.) ら、Mol. Endoc
r.(提出された)(1999)) 並びに本明細書で述べられているように、GDF−9
は、細胞形態学、遺伝子発現、及びステロイド産生における変化を刺激すること
ができ、少なくとも一次卵胞由来及び卵胞腔卵胞由来の顆粒膜細胞が、GDF−
9を結合するレセプターを有していることを示している(本明細書に記載された
所見の概要についてはFigure5を参照のこと)。GDF−9は、COX−2発現
のレベルを劇的に増加するため、COX−2発現が卵胞形成のより早い段階で発
現されない理由又はより早い段階の卵母細胞(エッピッグ(Eppig, J.J.)ら、19
97 Biol. Reprod.,56:976-984(1997) 及びエッピッグら、Human Reprod.,12:127
-132(1997)及びエッピッグら、Mol. Reprod. Dev.,49:327-332(1998))がLHレ
セプターを抑制するのに効果が低い理由について明らかでない。GDF−9タン
パク質は、卵胞形成の全ての段階で免疫組織化学的なレベルで検出されるが、こ
れはGDF−9がこれら全ての段階で活性であることを必ずしも証明していない
。一つの可能性として、GDF−9前駆体が3b型段階と卵胞腔卵胞段階で活性
な成熟二量体に処理されるだけであることが挙げられる。GDF−9処理酵素の
調節は、翻訳後にGDF−9の活性を調節する一つの方法であろう。他の説明と
して、GDF−9調節性及びGDF−9非依存性の転写因子の両方がCOX−2
の合成を調節するのに共に作用していることが挙げられる。COX−2の少なく
とも1つのレギュレーターは、転写因子エンハンサー結合タンパク質P(C/E
BPβ)である。C/EBPβ、これはhCG処理後4〜7時間の間誘導される
、は、COX−2プロモーターに結合してCOX−2 mRNA発現をダウンレ
ギュレートする。卵巣におけるCOX−2発現は、通常hCG処理後4時間でピ
ークに達し、一方、COX−2タンパク質は、排卵後、卵丘細胞に存在し続ける
(リム(Lim,H.)ら、Cell,91:197-208(1997))。しかしながら、C/EBPβノッ
クアウトマウス〔これは生殖力がない〔ステーネック(Sterneck),1997#279〕〕
において、COX−2mRNAのレベルは増加したままである。また、COX−
2ノックアウトマウスは、排卵欠陥かつ卵母細胞成熟障害により、生殖力がない
(リム(Lim,H.)ら、Cell,91:197-208(1997))。C/EBPβ及びCOX−2ノッ
クアウトモデルからのこれらの研究は、卵丘細胞におけるCOX−2の適当な調
節が卵母細胞周辺のプロスタグランジンの最適な微環境を維持するのに必要であ
ることを示している。GDF−9はCOX−2誘導の際に関与する因子の1つで
あると思われ、C/EBPβはCOX−2のダウンレギュレーションにある役割
を果たす。本明細書に記載した研究及び他の研究(ロウレンス(Lawrence, T.)ら
、Endocr.,106:1114-1118(1980) 及びメジュリ(Meduri, G.)ら、Endocr.,131:36
6-373(1992))もLHが卵丘細胞におけるCOX−2とC/EBPβの両方の発現
を、LHレセプターがこれらの細胞上に存在しないため、間接的に調節している
ことを示している。しかしながら、いかにしてこれが達成されるのか又はいかに
してCOX−2が急速に現れ、C/EBPβがよりゆっくりと現れるのかは明ら
かでない。
【0076】 実施例4 成長分化因子9−欠損卵巣における卵胞欠陥の分子キャラクタリーゼ
ーション 材料及び方法 実験動物 すべての実験マウスは、実験動物の世話及び使用(Care and Use of Laborato
ry Animals)のためのNIHガイドに従って維持した。特に記載のない限り、6
〜12週齢の成体C57B1/6/129SvEvハイブリッドマウス由来の卵
巣を、RNA単離、並びにインサイチューハイブリダイゼーション及び免疫組織
化学のための標本の両方に使用した。COX−2の実験のため、3週齢マウスに
7.5IUのGestyl(ジオシンス,B.V.、オランダ)、次いで、48
時間後5IUのhCG(シグマ、セントルイス、ミズーリ州)を腹腔内注射した
。hCGu注射の5時間後、卵巣を回収した。
ーション 材料及び方法 実験動物 すべての実験マウスは、実験動物の世話及び使用(Care and Use of Laborato
ry Animals)のためのNIHガイドに従って維持した。特に記載のない限り、6
〜12週齢の成体C57B1/6/129SvEvハイブリッドマウス由来の卵
巣を、RNA単離、並びにインサイチューハイブリダイゼーション及び免疫組織
化学のための標本の両方に使用した。COX−2の実験のため、3週齢マウスに
7.5IUのGestyl(ジオシンス,B.V.、オランダ)、次いで、48
時間後5IUのhCG(シグマ、セントルイス、ミズーリ州)を腹腔内注射した
。hCGu注射の5時間後、卵巣を回収した。
【0077】 RNA単離及びノーザンブロット解析 全RNAを、野生型及びGDF−9欠損C57B1/6/129SvEvハイ
ブリッドマウスの種々の組織から、RNA STAT−60(リード・メディカ
ル・ラボラトリーズ、ヒューストン、テキサス州)を用い、製造業者の記載のよ
うにして抽出し、分光光度計で定量した。各サンプルの15μgの全RNAを、
1.2%アガロース/7.6%ホルムアルデヒドゲル上で電気泳動させ、Hyb
ond Nナイロン膜(アマシャム(Amersham) 、アーリントンハイツ、イリノ
イ州)に移した。表2に、これらの実験でプローブを作製するのに使用したすべ
ての特異的cDNA断片の概要を示す。Strip−EZプローブ合成キット(
アンビオン(Ambion) 、オースチン、テキサス州)を用い、{α−32P}dAT
Pでランダムプライミングすることにより、プローブを作製した。膜をハイブリ
ダイズし、洗浄し、記載(Mahmoudi, M. and Lin, V.K., Biotech., 7:331-332(1
989)) のようにオートラジオグラフィーに供した。Strip−EZ除去試薬(
アンビオン)を用い、製造業者のプロトコルに従ってプローブを膜から除いた。
次いで、同じブロットを、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナ
ーゼ(GAPDH)、又は負荷対照として18SリボソームRNAをリプローブ
(reprobe) した。各プローブのシグナルをモレキュラー・ダイナミクス光濃度計
で定量した。
ブリッドマウスの種々の組織から、RNA STAT−60(リード・メディカ
ル・ラボラトリーズ、ヒューストン、テキサス州)を用い、製造業者の記載のよ
うにして抽出し、分光光度計で定量した。各サンプルの15μgの全RNAを、
1.2%アガロース/7.6%ホルムアルデヒドゲル上で電気泳動させ、Hyb
ond Nナイロン膜(アマシャム(Amersham) 、アーリントンハイツ、イリノ
イ州)に移した。表2に、これらの実験でプローブを作製するのに使用したすべ
ての特異的cDNA断片の概要を示す。Strip−EZプローブ合成キット(
アンビオン(Ambion) 、オースチン、テキサス州)を用い、{α−32P}dAT
Pでランダムプライミングすることにより、プローブを作製した。膜をハイブリ
ダイズし、洗浄し、記載(Mahmoudi, M. and Lin, V.K., Biotech., 7:331-332(1
989)) のようにオートラジオグラフィーに供した。Strip−EZ除去試薬(
アンビオン)を用い、製造業者のプロトコルに従ってプローブを膜から除いた。
次いで、同じブロットを、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナ
ーゼ(GAPDH)、又は負荷対照として18SリボソームRNAをリプローブ
(reprobe) した。各プローブのシグナルをモレキュラー・ダイナミクス光濃度計
で定量した。
【0078】
【表2】
【0079】 インサイチューハイブリダイゼーション 以下の変更を伴うが本質的に先に記載(Albrecht, U., et al.,"Visualization
of gene expression patterns by in situ hybridization", In: G. P. Daston
(ed) Mol. Cell. Meth. Dev. Toxic., CRC Press, Boca Raton, FL, pp. 23-48
,(1997))のようにしてインサイチューハイブリダイゼーションを行った。野生型
又はGDF−9欠損C57B1/6/129SvEvハイブリッドマウス由来の
新しく切り出した卵巣を、4%パラホルムアルデヒド−PBS中で一晩固定し、
処理し、パラフィンに包埋した。5μm厚の切片を切り取り、記載のようにして
前処理した。表2は、特異的プローブの情報の概要を含む。{α−35S}UTP
−標識アンチセンス及びセンスプローブを、リボプローブ(Riboprobe
)T7/T3又はリボプローブT7/SP6コンビネーション・システム(プロ
メガ (Promega)、マディソン、ウィスコンシン州) を用いて作製した。スライド
1個あたり5×106 cpmの各リボプローブを用い、50%脱イオンホルムア
ルデヒド/0.3M NaCl/20mM TrisHCl(pH8.0)/5
mM EDTA/10mM NaPO4 (pH8.0)/10%デキストラン硫
酸/1×デンハート溶液/0.5mg/ml酵母RNA中で、ハイブリダイゼー
ションを55℃で16〜18時間行なった。65℃の2×SSC/50%ホルム
アミド及び0.1×SSSCの高ストリンジェンシー洗浄を行なった。脱水切片
をNTB−2エマルジョン(イーストマン・コダック(Eastman Kodak) 、ロチェ
スター、ニューヨーク州)に浸漬し、プローブに応じて2〜14日間4℃で曝し
た。現像後、スライドをヘマトキシリンで対比染色し、写真撮影のために載置し
た。
of gene expression patterns by in situ hybridization", In: G. P. Daston
(ed) Mol. Cell. Meth. Dev. Toxic., CRC Press, Boca Raton, FL, pp. 23-48
,(1997))のようにしてインサイチューハイブリダイゼーションを行った。野生型
又はGDF−9欠損C57B1/6/129SvEvハイブリッドマウス由来の
新しく切り出した卵巣を、4%パラホルムアルデヒド−PBS中で一晩固定し、
処理し、パラフィンに包埋した。5μm厚の切片を切り取り、記載のようにして
前処理した。表2は、特異的プローブの情報の概要を含む。{α−35S}UTP
−標識アンチセンス及びセンスプローブを、リボプローブ(Riboprobe
)T7/T3又はリボプローブT7/SP6コンビネーション・システム(プロ
メガ (Promega)、マディソン、ウィスコンシン州) を用いて作製した。スライド
1個あたり5×106 cpmの各リボプローブを用い、50%脱イオンホルムア
ルデヒド/0.3M NaCl/20mM TrisHCl(pH8.0)/5
mM EDTA/10mM NaPO4 (pH8.0)/10%デキストラン硫
酸/1×デンハート溶液/0.5mg/ml酵母RNA中で、ハイブリダイゼー
ションを55℃で16〜18時間行なった。65℃の2×SSC/50%ホルム
アミド及び0.1×SSSCの高ストリンジェンシー洗浄を行なった。脱水切片
をNTB−2エマルジョン(イーストマン・コダック(Eastman Kodak) 、ロチェ
スター、ニューヨーク州)に浸漬し、プローブに応じて2〜14日間4℃で曝し
た。現像後、スライドをヘマトキシリンで対比染色し、写真撮影のために載置し
た。
【0080】 免疫組織化学 卵巣を、20%中性緩衝ホルマリン中で3時間固定し、処理し、パラフィンに
包埋し、4μm厚に細分した。先に記載(Robker,R.L., and Richards,J.S.,Mol.
Endocr.,12:924-940(1998)) のようにして、マウス抗PCNAモノクローナル抗
体(ノボカストラ・ラボラトリーズ(Novocastra Laboratories) 、ニューカース
ル(Newcastle upon Tyne) 、英国)を用い、PCNAの検出を行なった。ウサギ
抗マウスP−450sccポリクローナル抗血清は、カンザス・メディカル・セ
ンター大学(University of Kansas Medical Center )のマイケル J.ソアレ
ス(Michael J. Soares)氏のご好意による進物であり、2%正常マウス血清(シ
グマ)及び2%正常ヤギ血清(ベクター・ラボラトリーズ(Vector Laboratories
) 、バーリンゲーム (Burlingame) 、ジョージア州)を含む1×PBS、0.0
5%ツイーン20(PBST)中1:625希釈で使用した。2%正常マウス血
清及び2%正常ヤギ血清を含む1%BSA、PBS中0.1%NaN3 中におい
て、ウサギ抗−Ki−67ポリクローナル抗血清(ノボカストラ)を1:300
に希釈、ウサギ抗−p27ポリクローナル抗血清(サンタクルス・バイオテクノ
ロジー社(Santa Cruz Biotechnology,Inc.) 、サンタクルス、カリフォルニア州
)を1:125に希釈した。Ki67及びp27の両方に対する良好な染色は、
抗原回復(antigen retrieval )法を必要とした。Ki−67染色のために、切
片を、0.1Mクエン酸緩衝液pH6.0中で35分間蒸煮した。p27染色の
ために、切片を、pH8.0Tris−EDTA抗原回復溶液中で35分間蒸煮
した。Ki−67、p27及びP−450sccのために、すべての切片を、0
.05%ツイーン20、2%正常マウス血清(シグマ)及び2%正常ヤギ血清を
含む1×PBS中で30分間ブロックし、一次抗体中で1時間室温でインキュベ
ートした。ラット組織で前吸収させた抗マウスIgGビオチニル化二次抗体を含
むスーパー・センシティブ・マウス・アンチボディ・アニマル・ディテクション
(Super Sensitive Mouse Antibody Animal Detection )キット(バイオジェネ
クス、サンラモン、カリフォルニア州)を用い、PCNA検出を行なった。マウ
ス組織で前吸収させた抗ウサギIgGビオチニル化二次抗体を含むスーパー・セ
ンシティブ・ラビット・アンチボディ・ディテクションキット(バイオジェネク
ス)を用い、P−450scc、p27及びKi−67抗体を検出した。PCN
A及びP−450sccは、ストレプトアビジンと結合させたアルカリホスファ
ターゼ標識及びニュー・フクシン基質(バイオジェネクス)を用いて検出し、一
方、p27は、ストレプトアビジンと結合したホースラディッシュペルオキシダ
ーゼ標識(バイオジェネクス)及びDAB基質(ベクター・ラボラトリーズ)を
用いて検出した。
包埋し、4μm厚に細分した。先に記載(Robker,R.L., and Richards,J.S.,Mol.
Endocr.,12:924-940(1998)) のようにして、マウス抗PCNAモノクローナル抗
体(ノボカストラ・ラボラトリーズ(Novocastra Laboratories) 、ニューカース
ル(Newcastle upon Tyne) 、英国)を用い、PCNAの検出を行なった。ウサギ
抗マウスP−450sccポリクローナル抗血清は、カンザス・メディカル・セ
ンター大学(University of Kansas Medical Center )のマイケル J.ソアレ
ス(Michael J. Soares)氏のご好意による進物であり、2%正常マウス血清(シ
グマ)及び2%正常ヤギ血清(ベクター・ラボラトリーズ(Vector Laboratories
) 、バーリンゲーム (Burlingame) 、ジョージア州)を含む1×PBS、0.0
5%ツイーン20(PBST)中1:625希釈で使用した。2%正常マウス血
清及び2%正常ヤギ血清を含む1%BSA、PBS中0.1%NaN3 中におい
て、ウサギ抗−Ki−67ポリクローナル抗血清(ノボカストラ)を1:300
に希釈、ウサギ抗−p27ポリクローナル抗血清(サンタクルス・バイオテクノ
ロジー社(Santa Cruz Biotechnology,Inc.) 、サンタクルス、カリフォルニア州
)を1:125に希釈した。Ki67及びp27の両方に対する良好な染色は、
抗原回復(antigen retrieval )法を必要とした。Ki−67染色のために、切
片を、0.1Mクエン酸緩衝液pH6.0中で35分間蒸煮した。p27染色の
ために、切片を、pH8.0Tris−EDTA抗原回復溶液中で35分間蒸煮
した。Ki−67、p27及びP−450sccのために、すべての切片を、0
.05%ツイーン20、2%正常マウス血清(シグマ)及び2%正常ヤギ血清を
含む1×PBS中で30分間ブロックし、一次抗体中で1時間室温でインキュベ
ートした。ラット組織で前吸収させた抗マウスIgGビオチニル化二次抗体を含
むスーパー・センシティブ・マウス・アンチボディ・アニマル・ディテクション
(Super Sensitive Mouse Antibody Animal Detection )キット(バイオジェネ
クス、サンラモン、カリフォルニア州)を用い、PCNA検出を行なった。マウ
ス組織で前吸収させた抗ウサギIgGビオチニル化二次抗体を含むスーパー・セ
ンシティブ・ラビット・アンチボディ・ディテクションキット(バイオジェネク
ス)を用い、P−450scc、p27及びKi−67抗体を検出した。PCN
A及びP−450sccは、ストレプトアビジンと結合させたアルカリホスファ
ターゼ標識及びニュー・フクシン基質(バイオジェネクス)を用いて検出し、一
方、p27は、ストレプトアビジンと結合したホースラディッシュペルオキシダ
ーゼ標識(バイオジェネクス)及びDAB基質(ベクター・ラボラトリーズ)を
用いて検出した。
【0081】 TUNELアッセイ アポプタグ・プラス・コンプリート・アポトーシス・ディテクション(Apopta
g Plus Complete Apoptosis Detection)キット(オンコル・ラボラトリーズ(Onc
or Laboratories)、ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド州)を用
いる改変TUNEL法により、製造業者の使用説明書に従って、卵巣をアポトー
シス細胞について染色した。核を、ヨウ化プロピジウム(Propidium iodide)/退
色防止剤(Antifade)を含む培地(オンコル・ラボラトリーズ)で対比染色した。
g Plus Complete Apoptosis Detection)キット(オンコル・ラボラトリーズ(Onc
or Laboratories)、ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド州)を用
いる改変TUNEL法により、製造業者の使用説明書に従って、卵巣をアポトー
シス細胞について染色した。核を、ヨウ化プロピジウム(Propidium iodide)/退
色防止剤(Antifade)を含む培地(オンコル・ラボラトリーズ)で対比染色した。
【0082】 RT−PCR解析 対照又はGDF−9欠損卵巣のいずれかのRNA1μg由来のオリゴ−dTで
プライミングしたcDNAを、Superscript逆転写酵素(ギブコBR
L)を用い、製造業者の使用説明書に従って合成した。1μlの各RT反応物(
全体の1/20)を、イントロン及び84bpの選択的スプライシングされたエ
キソンに広がるキットリガンド特異的オリゴヌクレオチド:5'CCAGAAACTAGATCCT
TTACTCCT 3' (配列番号:17)(センス−S40364のnts493−51
7)プライマー及び5'CTGTTGCAGCCAGCTCCCTTAG 3' (配列番号:18)(アンチ
センスS40364の943─919)プライマーでプライミングされる各25
μlPCR反応において使用した。KL−1型の増幅により450bpの産物が
生じ、KL−2型の増幅により366bpの産物が生じる。生成物を2%アガロ
ースゲル上で分離し、臭化エチジウム染色により可視化した。
プライミングしたcDNAを、Superscript逆転写酵素(ギブコBR
L)を用い、製造業者の使用説明書に従って合成した。1μlの各RT反応物(
全体の1/20)を、イントロン及び84bpの選択的スプライシングされたエ
キソンに広がるキットリガンド特異的オリゴヌクレオチド:5'CCAGAAACTAGATCCT
TTACTCCT 3' (配列番号:17)(センス−S40364のnts493−51
7)プライマー及び5'CTGTTGCAGCCAGCTCCCTTAG 3' (配列番号:18)(アンチ
センスS40364の943─919)プライマーでプライミングされる各25
μlPCR反応において使用した。KL−1型の増幅により450bpの産物が
生じ、KL−2型の増幅により366bpの産物が生じる。生成物を2%アガロ
ースゲル上で分離し、臭化エチジウム染色により可視化した。
【0083】 結果 細胞周期進行 未処置の卵母細胞を有するGDF−9欠損卵胞は、一層のみの顆粒膜細胞を含
み、多層の顆粒膜細胞からなる卵胞を形成しない。DNAポリメラーゼδ及びサ
イクリン−cdk複合体の補因子である増殖細胞核抗原(PCNA)は、G1中
に発現し、G1/S移行を通して増加し、G2において高く、細胞周期のM期で
急激に低下する(Oktay, K. et al., Biol. Reprod., 53: 295-301(1995))。同様
に、顆粒膜核小体の成分であるKi−67は、G0を除く細胞周期のすべての期
において発現される(Gerdes, J., et al., J. Immunol., 133:1710-1715 (1984)
) 。最も高い増殖性の顆粒膜細胞は、顆粒膜細胞の大部分がPCNA及びKi−
67陽性である野生型卵胞腔においてみられる。野生型卵巣の3b型(大きな1
層)及び4型(2層)卵胞において、PCNA又はKi67の免疫組織化学的解
析は、切断面における顆粒膜細胞の>50%が陽性(すなわち、陽性は核の強い
赤色染色として定義され、陰性は核及び細胞質の薄い又は散在性の染色として定
義される)であることを示した。これに対し、GDF−9欠損卵巣に未処置の卵
母細胞を有する3b型卵胞は、<10%陽性染色顆粒膜細胞/切断面を示し、こ
れは、ほぼすべての顆粒膜細胞がG0でブロックされることを示した。しかしな
がら、卵母細胞変性のすぐ後、GDF−9欠損卵巣の卵胞において顆粒膜細胞分
化が起こり始め、より多くの細胞核がPCNA及びKi−67の両方について陽
性に染色された。PCNA抗体を用いる卵母細胞核染色が、GDF−9欠損3a
及び3b型の卵胞の成熟中の及び完全に成熟した卵母細胞において検出され、こ
れは、野生型卵巣における一次卵胞から卵胞腔卵胞までの卵母細胞の核における
PCNAの存在を示す先の研究(Oktay, K. et al., Biol. Reprod., 53:295-301
(1995)) に一致する。
み、多層の顆粒膜細胞からなる卵胞を形成しない。DNAポリメラーゼδ及びサ
イクリン−cdk複合体の補因子である増殖細胞核抗原(PCNA)は、G1中
に発現し、G1/S移行を通して増加し、G2において高く、細胞周期のM期で
急激に低下する(Oktay, K. et al., Biol. Reprod., 53: 295-301(1995))。同様
に、顆粒膜核小体の成分であるKi−67は、G0を除く細胞周期のすべての期
において発現される(Gerdes, J., et al., J. Immunol., 133:1710-1715 (1984)
) 。最も高い増殖性の顆粒膜細胞は、顆粒膜細胞の大部分がPCNA及びKi−
67陽性である野生型卵胞腔においてみられる。野生型卵巣の3b型(大きな1
層)及び4型(2層)卵胞において、PCNA又はKi67の免疫組織化学的解
析は、切断面における顆粒膜細胞の>50%が陽性(すなわち、陽性は核の強い
赤色染色として定義され、陰性は核及び細胞質の薄い又は散在性の染色として定
義される)であることを示した。これに対し、GDF−9欠損卵巣に未処置の卵
母細胞を有する3b型卵胞は、<10%陽性染色顆粒膜細胞/切断面を示し、こ
れは、ほぼすべての顆粒膜細胞がG0でブロックされることを示した。しかしな
がら、卵母細胞変性のすぐ後、GDF−9欠損卵巣の卵胞において顆粒膜細胞分
化が起こり始め、より多くの細胞核がPCNA及びKi−67の両方について陽
性に染色された。PCNA抗体を用いる卵母細胞核染色が、GDF−9欠損3a
及び3b型の卵胞の成熟中の及び完全に成熟した卵母細胞において検出され、こ
れは、野生型卵巣における一次卵胞から卵胞腔卵胞までの卵母細胞の核における
PCNAの存在を示す先の研究(Oktay, K. et al., Biol. Reprod., 53:295-301
(1995)) に一致する。
【0084】 TUNEL標識 GDF−9欠損卵巣における正常卵胞発生は、3b型段階で止まり、かつ卵母
細胞消失は、最終的に顆粒膜細胞「分化」をもたらすが、GDF−9欠損卵巣の
組織学的検査では、驚いたことにいずれのアポトーシス提示(appearin
g)細胞も検出されなかった。GDF−9欠損卵巣におけるアポトーシス細胞の
相対的な非存在を確認するため、DNA末端を蛍光標識するのにTUNELアッ
セイを使用した。野生型退縮卵胞腔卵胞の顆粒膜細胞及び黄体は、多数の陽性標
識細胞を含んだ。これに対し、GDF−9欠損卵巣の切片は、卵巣切片あたり2
〜10個の陽性標識細胞を含んだ。単層卵胞においては陽性染色細胞は認められ
なかったが、変性しつつある卵母細胞を有する卵胞においては、ステロイド合成
性卵胞巣内、又は間質組織内に時折アポトーシス細胞が見られた。したがって、
GDF−9の非存在下では、いったん3b型卵胞段階に達すると、顆粒膜細胞の
大部分が休眠状態にとどまり、増殖または死滅しない。
細胞消失は、最終的に顆粒膜細胞「分化」をもたらすが、GDF−9欠損卵巣の
組織学的検査では、驚いたことにいずれのアポトーシス提示(appearin
g)細胞も検出されなかった。GDF−9欠損卵巣におけるアポトーシス細胞の
相対的な非存在を確認するため、DNA末端を蛍光標識するのにTUNELアッ
セイを使用した。野生型退縮卵胞腔卵胞の顆粒膜細胞及び黄体は、多数の陽性標
識細胞を含んだ。これに対し、GDF−9欠損卵巣の切片は、卵巣切片あたり2
〜10個の陽性標識細胞を含んだ。単層卵胞においては陽性染色細胞は認められ
なかったが、変性しつつある卵母細胞を有する卵胞においては、ステロイド合成
性卵胞巣内、又は間質組織内に時折アポトーシス細胞が見られた。したがって、
GDF−9の非存在下では、いったん3b型卵胞段階に達すると、顆粒膜細胞の
大部分が休眠状態にとどまり、増殖または死滅しない。
【0085】 細胞周期インヒビターの解析 p21及びp27は、文書による十分な裏付けのある細胞周期インヒビターで
あり、卵巣での黄体形成時の細胞周期停止に関連する(Robker, R. L. and Richa
rds, J. S., Biol. Reprod., 59:476-482 (1998)) 。GDF−9ノックアウト卵
巣における顆粒膜細胞の増殖の相対的欠乏に基づき、p21及びp27の両方の
mRNAの発現を、インサイチューハイブリダイゼーション及び免疫組織化学に
よるp27タンパク質により検査した。p21 mRNAは、野生型及びGDF
−9欠損の両方の卵巣において低レベルで遍在的に検出され、野生型退縮卵胞及
び黄体内の分散された(scattered) 細胞並びにGDF−9欠損卵巣の黄体形成卵
胞巣においては高レベルで検出された。また、野生型卵巣において、p27 m
RNAは、卵巣全体に低レベルで遍在的に発現したが、野生型卵巣の黄体におい
てより豊富であった。GDF−9欠損卵巣においては、単層卵胞の顆粒膜細胞は
検出可能なレベルのp27メッセージを発現し、GDF−9欠損卵巣の中央の小
群の細胞はより高レベルを発現した。同様に、核p27免疫反応性は、野生型黄
体内の黄体形成顆粒膜細胞の大部分、並びにGDF−9欠損卵巣の黄体形成卵胞
巣内において明らかに検出可能であった。また、p27核染色の低下は、野生型
及びGDF−9欠損の両方の単層卵胞の顆粒膜細胞にあり、それは、陰性対照又
は間質細胞における染色よりも明らかに強かった。免疫組織化学によりタンパク
質レベルを推定することは不可能であるが、GDF−9ノックアウト卵巣の単層
卵胞と野生型卵巣の単層卵胞との間でp27免疫反応性における劇的な差はない
ようである。これは、p27タンパク質過剰発が、GDF−9欠損卵巣における
一次卵胞段階での卵胞形成のブロックの理由でないことを示す。
あり、卵巣での黄体形成時の細胞周期停止に関連する(Robker, R. L. and Richa
rds, J. S., Biol. Reprod., 59:476-482 (1998)) 。GDF−9ノックアウト卵
巣における顆粒膜細胞の増殖の相対的欠乏に基づき、p21及びp27の両方の
mRNAの発現を、インサイチューハイブリダイゼーション及び免疫組織化学に
よるp27タンパク質により検査した。p21 mRNAは、野生型及びGDF
−9欠損の両方の卵巣において低レベルで遍在的に検出され、野生型退縮卵胞及
び黄体内の分散された(scattered) 細胞並びにGDF−9欠損卵巣の黄体形成卵
胞巣においては高レベルで検出された。また、野生型卵巣において、p27 m
RNAは、卵巣全体に低レベルで遍在的に発現したが、野生型卵巣の黄体におい
てより豊富であった。GDF−9欠損卵巣においては、単層卵胞の顆粒膜細胞は
検出可能なレベルのp27メッセージを発現し、GDF−9欠損卵巣の中央の小
群の細胞はより高レベルを発現した。同様に、核p27免疫反応性は、野生型黄
体内の黄体形成顆粒膜細胞の大部分、並びにGDF−9欠損卵巣の黄体形成卵胞
巣内において明らかに検出可能であった。また、p27核染色の低下は、野生型
及びGDF−9欠損の両方の単層卵胞の顆粒膜細胞にあり、それは、陰性対照又
は間質細胞における染色よりも明らかに強かった。免疫組織化学によりタンパク
質レベルを推定することは不可能であるが、GDF−9ノックアウト卵巣の単層
卵胞と野生型卵巣の単層卵胞との間でp27免疫反応性における劇的な差はない
ようである。これは、p27タンパク質過剰発が、GDF−9欠損卵巣における
一次卵胞段階での卵胞形成のブロックの理由でないことを示す。
【0086】 卵胞膜層発生 形態学的に異なる卵胞膜層は、GDF−9欠損卵巣において光及び電子顕微鏡
解析により検出することができなかったということが以前に報告されている(Do
ng,J.,et al.,Nature 383:531-535(1996))。しかしながら、顆粒膜細胞基底膜の
外側の線維芽細胞の平板化(flattened)層は、GDF−9欠損卵巣に
おいて3b型卵胞を円形に取り囲む。アンドロゲン産生に必要な卵胞膜細胞特異
的酵素である17α−ヒドロキシラーゼシトクロムP−450(17α−OH)
のためのプローブで、インサイチューハイブリダイゼーションを行ない、本当に
卵胞膜層が存在することを確認した。野生型卵巣では、17α−OHを発現する
細胞は、3b型及び4型卵胞に集合し(associate)、多層前卵胞腔卵
胞段階までに、ちょうど顆粒膜細胞基底膜の外側に完全な環を形成し始めた。こ
れに対し、GDF−9欠損卵巣では、わずか数個の17α−OHを発現する細胞
が間質細胞に存在、散在し、卵胞には集まらない。これらの17α−OH陽性細
胞は、血清LHの上昇に応答している卵胞膜細胞前駆体群であるようである(Do
ng,J.,et al.,Nature 383:531-535(1996))。同様に、卵胞周辺におけるLHレセ
プター及びc−キット mRNAの非存在(下記参照)により、卵胞膜細胞層が
形成されないことが確認される。これらのデータは、初期前卵胞腔卵胞に卵胞膜
細胞前駆体を漸増するために、GDF−9シグナリングが直接または間接的に必
要とされることを示す。
解析により検出することができなかったということが以前に報告されている(Do
ng,J.,et al.,Nature 383:531-535(1996))。しかしながら、顆粒膜細胞基底膜の
外側の線維芽細胞の平板化(flattened)層は、GDF−9欠損卵巣に
おいて3b型卵胞を円形に取り囲む。アンドロゲン産生に必要な卵胞膜細胞特異
的酵素である17α−ヒドロキシラーゼシトクロムP−450(17α−OH)
のためのプローブで、インサイチューハイブリダイゼーションを行ない、本当に
卵胞膜層が存在することを確認した。野生型卵巣では、17α−OHを発現する
細胞は、3b型及び4型卵胞に集合し(associate)、多層前卵胞腔卵
胞段階までに、ちょうど顆粒膜細胞基底膜の外側に完全な環を形成し始めた。こ
れに対し、GDF−9欠損卵巣では、わずか数個の17α−OHを発現する細胞
が間質細胞に存在、散在し、卵胞には集まらない。これらの17α−OH陽性細
胞は、血清LHの上昇に応答している卵胞膜細胞前駆体群であるようである(Do
ng,J.,et al.,Nature 383:531-535(1996))。同様に、卵胞周辺におけるLHレセ
プター及びc−キット mRNAの非存在(下記参照)により、卵胞膜細胞層が
形成されないことが確認される。これらのデータは、初期前卵胞腔卵胞に卵胞膜
細胞前駆体を漸増するために、GDF−9シグナリングが直接または間接的に必
要とされることを示す。
【0087】 c−キット及びキットリガンド発現の解析 c−キット/キットリガンドシグナリング経路が生殖細胞増殖及び卵胞形成に
重要であることが示されている(Besmer,P.,et al., Dev. Suppl.,125-137(1993)
;Huang,E.J.et al.,Dev.Biol.,157:100-109(1993) and Kuroda,H.,et al.,Dev.B
iol.,126:71-79(1988)) 。ノーザンブロット解析により、c−キット mRNA
がGDF−9欠損卵巣において発現されること、及びレベルは野生型卵巣と同等
かわずかに高いことが示された。インサイチューハイブリダイゼーションにより
、c−キット mRNAは、野生型卵巣の卵母細胞及び卵胞膜−間質細胞に局在
するが、以前に示された(Manova,K.,et al.,Devel.,110:1057-1069(1990) )よ
うに顆粒膜細胞からは排除された。GDF−9欠損卵巣において、c−キット
mRNAは卵母細胞のみに局在し、わずかにバックグラウンドレベルの銀粒が他
の細胞株に存在した。
重要であることが示されている(Besmer,P.,et al., Dev. Suppl.,125-137(1993)
;Huang,E.J.et al.,Dev.Biol.,157:100-109(1993) and Kuroda,H.,et al.,Dev.B
iol.,126:71-79(1988)) 。ノーザンブロット解析により、c−キット mRNA
がGDF−9欠損卵巣において発現されること、及びレベルは野生型卵巣と同等
かわずかに高いことが示された。インサイチューハイブリダイゼーションにより
、c−キット mRNAは、野生型卵巣の卵母細胞及び卵胞膜−間質細胞に局在
するが、以前に示された(Manova,K.,et al.,Devel.,110:1057-1069(1990) )よ
うに顆粒膜細胞からは排除された。GDF−9欠損卵巣において、c−キット
mRNAは卵母細胞のみに局在し、わずかにバックグラウンドレベルの銀粒が他
の細胞株に存在した。
【0088】 c−キット発現の結果とは対照的に、GDF−9欠損卵巣におけるキットリガ
ンド発現は、野生型卵巣における発現と比べて32倍増加した。IGF−Iは、
初期の前卵胞腔卵胞(preantral follicle)の顆粒膜細胞に
おいても発現されるが、GDF−9欠損卵巣における発現で同様な増加は示され
ず、これは、キットリガンドの増加が、組織構成(composition)効
果よりもむしろ特異的な調節性相互作用を呈したことを示す。インサイチューハ
イブリダイゼーションはmRNA発現の定量に対して信頼性のある方法ではない
が、野生型卵巣とGDF−9欠損卵巣との間の相対的な発現レベルは、ハイブリ
ダイゼーション効率及びエマルジョン濃度におけるスライド間の変動性を最少限
にするために、同じスライド上で互いに近接する卵巣の両方の型由来の切片のポ
ジショニングにより比較しうる。これらの条件下では、キットリガンド発現は、
野生型卵巣においてかろうじて検出され、バックグラウンドを超えるかすかなシ
グナルが前卵胞腔卵胞の顆粒膜細胞において現れた。これに対し、GDF−9欠
損卵巣においては、キットリガンドの顆粒膜細胞発現は豊富であった。3a型及
び初期3b型の卵胞は、検出可能なレベルのキットリガンドを有し、一方で、最
も大きな単層卵胞は、より強い染色を示した。成体卵巣の多層卵胞により産生さ
れるパラクリン因子がキットリガンド発現を抑制する場合には、10、17及び
28日齢の野生型マウス由来の卵巣を検査した。キットリガンドは、前卵胞腔卵
胞の数の増加によりこれらの未成熟卵巣において検出されるのがいくぶん安易で
あったが、卵胞あたりの相対的な発現レベルは、同様の齢でのGDF−9欠損卵
巣においてみられるレベルと同等ではなかった。キットリガンド発現は、おそら
く卵母細胞変性を行なう運命である非対称性卵胞内の顆粒膜細胞においてさらに
増加した。しかしながら、卵母細胞が変性したすぐ後で、キットリガンド発現は
消失し、また、卵胞巣にも存在しなかった。
ンド発現は、野生型卵巣における発現と比べて32倍増加した。IGF−Iは、
初期の前卵胞腔卵胞(preantral follicle)の顆粒膜細胞に
おいても発現されるが、GDF−9欠損卵巣における発現で同様な増加は示され
ず、これは、キットリガンドの増加が、組織構成(composition)効
果よりもむしろ特異的な調節性相互作用を呈したことを示す。インサイチューハ
イブリダイゼーションはmRNA発現の定量に対して信頼性のある方法ではない
が、野生型卵巣とGDF−9欠損卵巣との間の相対的な発現レベルは、ハイブリ
ダイゼーション効率及びエマルジョン濃度におけるスライド間の変動性を最少限
にするために、同じスライド上で互いに近接する卵巣の両方の型由来の切片のポ
ジショニングにより比較しうる。これらの条件下では、キットリガンド発現は、
野生型卵巣においてかろうじて検出され、バックグラウンドを超えるかすかなシ
グナルが前卵胞腔卵胞の顆粒膜細胞において現れた。これに対し、GDF−9欠
損卵巣においては、キットリガンドの顆粒膜細胞発現は豊富であった。3a型及
び初期3b型の卵胞は、検出可能なレベルのキットリガンドを有し、一方で、最
も大きな単層卵胞は、より強い染色を示した。成体卵巣の多層卵胞により産生さ
れるパラクリン因子がキットリガンド発現を抑制する場合には、10、17及び
28日齢の野生型マウス由来の卵巣を検査した。キットリガンドは、前卵胞腔卵
胞の数の増加によりこれらの未成熟卵巣において検出されるのがいくぶん安易で
あったが、卵胞あたりの相対的な発現レベルは、同様の齢でのGDF−9欠損卵
巣においてみられるレベルと同等ではなかった。キットリガンド発現は、おそら
く卵母細胞変性を行なう運命である非対称性卵胞内の顆粒膜細胞においてさらに
増加した。しかしながら、卵母細胞が変性したすぐ後で、キットリガンド発現は
消失し、また、卵胞巣にも存在しなかった。
【0089】 KL、KL−1及びKL−2の選択的スプライシングされる形態には2つあり
、それらは84bp異なる。この交互のスプライシングは、タンパク質分解部位
を含むKL−1において、28個のアミノ酸の付加をもたらす。膜結合KLは、
遊離したKL、KL−2よりもより活性で、より安定であるので、細胞結合形は
、結果的により有効である(Besmer,P.,et al., Dev. Suppl.,125-137(1993)) 。
KL−1をKL−2と区別しうるプライマーを用いる非定量的RT−PCRによ
り、KLの両方の形態が、野生型及びGDF−9欠損の両方の卵巣において検出
された。GDF−9欠損卵巣におけるKLタンパク質の免疫組織化学的解析によ
り、KL mRNAと同じ発現パターンが示され、非対称性卵胞において最も強
い染色が生じた。総合すると、これらの結果は、GDF−9が、顆粒膜細胞にお
けるキットリガンド発現をパラクリン様式にて負に調節すること、及び活性なK
Lタンパク質が合成されることを示す。
、それらは84bp異なる。この交互のスプライシングは、タンパク質分解部位
を含むKL−1において、28個のアミノ酸の付加をもたらす。膜結合KLは、
遊離したKL、KL−2よりもより活性で、より安定であるので、細胞結合形は
、結果的により有効である(Besmer,P.,et al., Dev. Suppl.,125-137(1993)) 。
KL−1をKL−2と区別しうるプライマーを用いる非定量的RT−PCRによ
り、KLの両方の形態が、野生型及びGDF−9欠損の両方の卵巣において検出
された。GDF−9欠損卵巣におけるKLタンパク質の免疫組織化学的解析によ
り、KL mRNAと同じ発現パターンが示され、非対称性卵胞において最も強
い染色が生じた。総合すると、これらの結果は、GDF−9が、顆粒膜細胞にお
けるキットリガンド発現をパラクリン様式にて負に調節すること、及び活性なK
Lタンパク質が合成されることを示す。
【0090】 TGF−βスーパーファミリーメンバー(アクチビン、インヒビン、フォリスタ
チン) アクチビン及びインヒビンは、インビボ及びインビトロの両方における顆粒膜
細胞増殖及び卵胞成熟の調節に関係している(Mather,J.P.,et al.,Proc.Soc.Exp
.Biol.Med,215:209-222(1997) and Matzuk,M.M.,et al.,Rec.Prog.Horm.Res.,51
:123-157(1996)) 。インヒビンα、アクチビンβA、アクチビンβB及びアクチ
ビン結合タンパク質であるフォリスタチンの発現レベル及び発現パターンを、野
生型及びGDF−9欠損卵巣において検査した。ノーザンブロット解析では、驚
いたことに、GDF−9欠損卵巣と野生型卵巣とで、インヒビンαが類似のレベ
ルで発現された。野生型卵巣では、インヒビンαは、すべての成熟している卵胞
(3a型から排卵前段階まで)の顆粒膜細胞において発現されたが、黄体からは
排除された。GDF−9欠損卵巣では、インヒビンαは単層卵胞、変性している
卵母細胞を有する卵胞、及び中央のステロイド産生卵胞巣において高く発現され
た。これは、卵胞巣の細胞は、多くの点で黄体に類似するが、増殖し、多層卵胞
に形成され、かつ黄体形成前の活性な卵胞膜層に集合する、野生型卵巣における
顆粒膜細胞と発生的には異なることを示す。
チン) アクチビン及びインヒビンは、インビボ及びインビトロの両方における顆粒膜
細胞増殖及び卵胞成熟の調節に関係している(Mather,J.P.,et al.,Proc.Soc.Exp
.Biol.Med,215:209-222(1997) and Matzuk,M.M.,et al.,Rec.Prog.Horm.Res.,51
:123-157(1996)) 。インヒビンα、アクチビンβA、アクチビンβB及びアクチ
ビン結合タンパク質であるフォリスタチンの発現レベル及び発現パターンを、野
生型及びGDF−9欠損卵巣において検査した。ノーザンブロット解析では、驚
いたことに、GDF−9欠損卵巣と野生型卵巣とで、インヒビンαが類似のレベ
ルで発現された。野生型卵巣では、インヒビンαは、すべての成熟している卵胞
(3a型から排卵前段階まで)の顆粒膜細胞において発現されたが、黄体からは
排除された。GDF−9欠損卵巣では、インヒビンαは単層卵胞、変性している
卵母細胞を有する卵胞、及び中央のステロイド産生卵胞巣において高く発現され
た。これは、卵胞巣の細胞は、多くの点で黄体に類似するが、増殖し、多層卵胞
に形成され、かつ黄体形成前の活性な卵胞膜層に集合する、野生型卵巣における
顆粒膜細胞と発生的には異なることを示す。
【0091】 2つのインヒビン/アクチビンβサブユニットであるβA及びβB,並びにア
クチビン結合タンパク質であるフォリスチンは、野生型卵巣において重複するパ
ターンで発現された。すべての3つの遺伝子は、多層前卵胞腔卵胞及び卵胞腔の
顆粒膜細胞において発現された。興味深いことには、退縮卵胞におけるβBの発
現は、低く、卵母細胞周辺に特異的に局在したが、健常な卵胞においてはすべて
の顆粒膜細胞が高レベルで発現した。GDF−9欠損卵巣は、ノーザンブロット
解析ではほとんど検出不可能なβBメッセージ、及びフォリスタチンを非常に低
レベルで有し、これらは、単層卵胞の顆粒膜細胞に弱く局在し;変性している卵
母細胞を有する卵胞でより強く(robustly)局在し;かつ卵母細胞欠損
卵胞巣において最も高いレベルであった。βAメッセージは、単層卵胞において
検出可能ではなかったが、変性している卵母細胞を有する卵胞の顆粒膜細胞に弱
く局在し、卵母細胞欠損卵胞巣において高いレベルで発現した。しかしながら、
ノーザンブロット解析により、GDF−9欠損卵巣と野生型卵巣との間でβA発
現レベルは同等であった。これらの結果は、GDF−9欠損卵巣が、アクチビン
ーβサブユニット及びインヒビンαサブユニットの両方を作製する能力を維持し
たことを示す。
クチビン結合タンパク質であるフォリスチンは、野生型卵巣において重複するパ
ターンで発現された。すべての3つの遺伝子は、多層前卵胞腔卵胞及び卵胞腔の
顆粒膜細胞において発現された。興味深いことには、退縮卵胞におけるβBの発
現は、低く、卵母細胞周辺に特異的に局在したが、健常な卵胞においてはすべて
の顆粒膜細胞が高レベルで発現した。GDF−9欠損卵巣は、ノーザンブロット
解析ではほとんど検出不可能なβBメッセージ、及びフォリスタチンを非常に低
レベルで有し、これらは、単層卵胞の顆粒膜細胞に弱く局在し;変性している卵
母細胞を有する卵胞でより強く(robustly)局在し;かつ卵母細胞欠損
卵胞巣において最も高いレベルであった。βAメッセージは、単層卵胞において
検出可能ではなかったが、変性している卵母細胞を有する卵胞の顆粒膜細胞に弱
く局在し、卵母細胞欠損卵胞巣において高いレベルで発現した。しかしながら、
ノーザンブロット解析により、GDF−9欠損卵巣と野生型卵巣との間でβA発
現レベルは同等であった。これらの結果は、GDF−9欠損卵巣が、アクチビン
ーβサブユニット及びインヒビンαサブユニットの両方を作製する能力を維持し
たことを示す。
【0092】 卵胞腔卵胞マーカー(ERβ、FSHR、アロマターゼシトクロムP450)の
キャラクタリーゼーション GDF−9欠損卵巣の卵胞をさらにキャラクタライズするために、顆粒膜細胞
腔機能性分化に関連する他のマーカー:FSHレセプター(FSHR)、アロマ
ターゼシトクロムP−450(アロマターゼ)及びエストロゲンレセプターβ(
ERβ)の発現を解析した。以前に、FSHRがGDF−9欠損及び野生型の両
方の卵巣において同様に発現されること、及びアロマターゼ発現は、野生型レベ
ルの50%であることがノーザンブロット解析により示されている(Dong,J.,et
al.,Nature,383:531-535(1996) )。また、ノックアウト卵巣と野生型卵巣とで
は、低いが類似のレベルでERβが発現された。野生型卵巣におけるインサイチ
ューハイブリダイゼーションによって、以前に報告(Richards,J.S.,Endocrine R
eviews,15:725-751(1994);Byers,M.,et al., Mol.Endocr.,11:172-182(1997) an
d Camp T.,et al.,Mol.Endocr.,5:1405-1417(1991)) されたように、FSHR、
ERβ及びシトクロムアロマターゼが顆粒膜細胞において特異的に検出された。
ERβは、単層卵胞においては低レベルで、多層卵胞においてより高いレベルで
発現された。FSHRは、多層前卵胞腔卵胞及び卵胞腔卵胞で発現された。アロ
マターゼは、通常、顆粒膜細胞のFSH刺激により誘導されるが、排卵前卵胞に
おいて特異的に高いレベルで発現された。GDF−9欠損卵巣において、ERβ
は、単層卵胞において低レベルで、変性しつつある卵母細胞を有する卵胞におい
てはいくぶん高いレベルで発現された。また、FSHRは、変性しつつある卵母
細胞を有する卵胞において発現されたが、アロマターゼは、完全に変性した卵母
細胞を有する卵胞巣のみにおいて高レベルで発現された。GDF−9欠損卵巣内
のこれらの卵胞巣におけるアロマターゼ発現は、野生型卵巣の排卵前卵胞の顆粒
膜細胞と同様の機能性FSHシグナル伝達経路が存在することを示す。
キャラクタリーゼーション GDF−9欠損卵巣の卵胞をさらにキャラクタライズするために、顆粒膜細胞
腔機能性分化に関連する他のマーカー:FSHレセプター(FSHR)、アロマ
ターゼシトクロムP−450(アロマターゼ)及びエストロゲンレセプターβ(
ERβ)の発現を解析した。以前に、FSHRがGDF−9欠損及び野生型の両
方の卵巣において同様に発現されること、及びアロマターゼ発現は、野生型レベ
ルの50%であることがノーザンブロット解析により示されている(Dong,J.,et
al.,Nature,383:531-535(1996) )。また、ノックアウト卵巣と野生型卵巣とで
は、低いが類似のレベルでERβが発現された。野生型卵巣におけるインサイチ
ューハイブリダイゼーションによって、以前に報告(Richards,J.S.,Endocrine R
eviews,15:725-751(1994);Byers,M.,et al., Mol.Endocr.,11:172-182(1997) an
d Camp T.,et al.,Mol.Endocr.,5:1405-1417(1991)) されたように、FSHR、
ERβ及びシトクロムアロマターゼが顆粒膜細胞において特異的に検出された。
ERβは、単層卵胞においては低レベルで、多層卵胞においてより高いレベルで
発現された。FSHRは、多層前卵胞腔卵胞及び卵胞腔卵胞で発現された。アロ
マターゼは、通常、顆粒膜細胞のFSH刺激により誘導されるが、排卵前卵胞に
おいて特異的に高いレベルで発現された。GDF−9欠損卵巣において、ERβ
は、単層卵胞において低レベルで、変性しつつある卵母細胞を有する卵胞におい
てはいくぶん高いレベルで発現された。また、FSHRは、変性しつつある卵母
細胞を有する卵胞において発現されたが、アロマターゼは、完全に変性した卵母
細胞を有する卵胞巣のみにおいて高レベルで発現された。GDF−9欠損卵巣内
のこれらの卵胞巣におけるアロマターゼ発現は、野生型卵巣の排卵前卵胞の顆粒
膜細胞と同様の機能性FSHシグナル伝達経路が存在することを示す。
【0093】 排卵前マーカー及び黄体マーカー(COX−2、LHR、コレステロール側鎖切
断シトクロムP−450)のキャラクタリーゼーション 先に記載したように、黄体形成顆粒膜細胞の外観を有する、GDF−9欠損卵
巣は多層で中央に局在した細胞巣を含む。電子顕微鏡解析により、これらの巣は
、多数の脂質滴、及び高度にステロイド産生細胞に典型的な管状クリスタを有す
るミトコンドリアを含む(Dong,J.,et al.,Nature,383:531-535(1996) )。その
ステロイド産生及び黄体細胞との類似性を確認するために、シクロオキシゲナー
ゼ2(COX−2)及びLHレセプター(LHR)メッセージ、並びにコレステ
ロール側鎖切断シトクロムP−450タンパク質(P−450scc)の発現を
解析した。COX−2は、LH急増後の期間の不連続な時間帯でのみ野生型卵巣
において発現されるので(Sirois,J.,et al.,J. Biol. Chem.,267:11586-11592(
1992) and Sterrieck,E.,et al.,Genes Dev.,11:2153-2162(1997) )、PMSG
で48時間、次いでhCGで5時間刺激した3週齢マウス由来の卵巣を、ノーザ
ンブロット解析及びインサイチューハイブリダイゼーションの両方に使用した。
ノーザンブロット解析により、過剰排卵した卵巣由来のRNAは、3個の明白な
バンドを示したが、非刺激の野生型又はGDF−9欠損卵巣のレーンではバンド
を検出することができなかった。ノーザンブロットデータと一致して、インサイ
チューハイブリダイゼーションは、PMSG及びhCGで刺激した野生型卵巣に
おいて、COX−2が排卵前卵胞の顆粒膜細胞により発現されることを示した(
Sterrieck,E.,et al.,Genes Dev.,11:2153-2162(1997) )。野生型卵胞の卵丘細
胞では5時間で最も高い発現が生じたが、COX−2発現は、GDF−9欠損卵
巣において完全に検出不可能であった。
断シトクロムP−450)のキャラクタリーゼーション 先に記載したように、黄体形成顆粒膜細胞の外観を有する、GDF−9欠損卵
巣は多層で中央に局在した細胞巣を含む。電子顕微鏡解析により、これらの巣は
、多数の脂質滴、及び高度にステロイド産生細胞に典型的な管状クリスタを有す
るミトコンドリアを含む(Dong,J.,et al.,Nature,383:531-535(1996) )。その
ステロイド産生及び黄体細胞との類似性を確認するために、シクロオキシゲナー
ゼ2(COX−2)及びLHレセプター(LHR)メッセージ、並びにコレステ
ロール側鎖切断シトクロムP−450タンパク質(P−450scc)の発現を
解析した。COX−2は、LH急増後の期間の不連続な時間帯でのみ野生型卵巣
において発現されるので(Sirois,J.,et al.,J. Biol. Chem.,267:11586-11592(
1992) and Sterrieck,E.,et al.,Genes Dev.,11:2153-2162(1997) )、PMSG
で48時間、次いでhCGで5時間刺激した3週齢マウス由来の卵巣を、ノーザ
ンブロット解析及びインサイチューハイブリダイゼーションの両方に使用した。
ノーザンブロット解析により、過剰排卵した卵巣由来のRNAは、3個の明白な
バンドを示したが、非刺激の野生型又はGDF−9欠損卵巣のレーンではバンド
を検出することができなかった。ノーザンブロットデータと一致して、インサイ
チューハイブリダイゼーションは、PMSG及びhCGで刺激した野生型卵巣に
おいて、COX−2が排卵前卵胞の顆粒膜細胞により発現されることを示した(
Sterrieck,E.,et al.,Genes Dev.,11:2153-2162(1997) )。野生型卵胞の卵丘細
胞では5時間で最も高い発現が生じたが、COX−2発現は、GDF−9欠損卵
巣において完全に検出不可能であった。
【0094】 上述のCOX−2発現データとは対照的に、LHRはGDF−9欠損卵巣にお
いて、野生型卵巣に匹敵するレベルで発現されることがノーザンブロット解析に
より以前に示されている(Dong,J.,et al.,Nature,383:531-535(1996) )。LH
Rは、卵胞膜細胞、排卵前卵胞の顆粒膜細胞及び黄体の黄体形成顆粒膜細胞によ
り発現された(Sirois,J.,et al.,J. Biol. Chem.,267:11586-11592(1992) )。
GDF−9欠損卵巣において、非黄体形成卵胞巣及び黄体形成卵胞巣の顆粒膜細
胞は、非常に高いレベルでLHRを発現した。LHによる卵胞膜及び黄体形成顆
粒膜細胞の刺激は、ステロイド産生酵素P−450sccの産生、続いてプロゲ
ステロンの合成を刺激する(Richards,J.S.,Endocrine Reviews,15:725-751(1994
) )。野生型卵巣においてP−450sccタンパク質は、卵胞膜細胞、黄体及
び二次間質組織に存在した。GDF−9欠損卵巣において、P−450sccタ
ンパク質は、非黄体形成卵胞巣において低レベルで、かつステロイド産生の「黄
体形成」卵胞巣においてずっと高いレベルで検出された。雌6週齢のGDF−9
欠損マウスは、3.4ng/mlの平均血清プロゲステロンレベルを有し、野生
型マウスにおいて2.6ng/mlであることと比べると、これらの巣は、マー
カーを発現するだけでなく、「ミニチュア」黄体様に機能する能力もあることを
示す。しかしながら、先に記載したように、これらの卵胞巣は、通常、黄体にお
いて有意なレベルで決して観察されないマーカーであるインヒビンαも発現する
。
いて、野生型卵巣に匹敵するレベルで発現されることがノーザンブロット解析に
より以前に示されている(Dong,J.,et al.,Nature,383:531-535(1996) )。LH
Rは、卵胞膜細胞、排卵前卵胞の顆粒膜細胞及び黄体の黄体形成顆粒膜細胞によ
り発現された(Sirois,J.,et al.,J. Biol. Chem.,267:11586-11592(1992) )。
GDF−9欠損卵巣において、非黄体形成卵胞巣及び黄体形成卵胞巣の顆粒膜細
胞は、非常に高いレベルでLHRを発現した。LHによる卵胞膜及び黄体形成顆
粒膜細胞の刺激は、ステロイド産生酵素P−450sccの産生、続いてプロゲ
ステロンの合成を刺激する(Richards,J.S.,Endocrine Reviews,15:725-751(1994
) )。野生型卵巣においてP−450sccタンパク質は、卵胞膜細胞、黄体及
び二次間質組織に存在した。GDF−9欠損卵巣において、P−450sccタ
ンパク質は、非黄体形成卵胞巣において低レベルで、かつステロイド産生の「黄
体形成」卵胞巣においてずっと高いレベルで検出された。雌6週齢のGDF−9
欠損マウスは、3.4ng/mlの平均血清プロゲステロンレベルを有し、野生
型マウスにおいて2.6ng/mlであることと比べると、これらの巣は、マー
カーを発現するだけでなく、「ミニチュア」黄体様に機能する能力もあることを
示す。しかしながら、先に記載したように、これらの卵胞巣は、通常、黄体にお
いて有意なレベルで決して観察されないマーカーであるインヒビンαも発現する
。
【0095】 考察 哺乳類卵母細胞におけるGDF−9の非存在が、卵胞発生におけるブロックに
よる不妊を導くことが以前に示されている。Figure 6にまとめているよ
うに、分子レベルでの欠陥がさらにキャラクタライズされている。GDF−9
mRNA(McGrath,S.A.,et al.,Mol.Endocr.,9:131-136(1995) )及びタンパク
質(Elvin,J.A.et al.,Mol.Endocr.,(Submitted)(1999))は、始原卵胞にはなく
、3a型一次卵胞において最初に観察される。GDF−9ノックアウトマウス由
来の卵巣は、3b型一次卵胞段階でのブロックを示す。本明細書において示すよ
うに、3b型卵胞の顆粒膜細胞は、本質的に休眠状態であり:卵母細胞が消失す
るまで、卵胞の顆粒膜細胞においては細胞分裂もアポトーシスも観察されない。
したがって、GDF−9タンパク質は3a型段階で合成されるが、GDF−9シ
グナル伝達カスケードは、さらなる卵胞成熟のために3b型段階でのみ必須とな
るはずである。明らかに、これらの実験は、始原卵胞の漸増、及び始原卵胞段階
(<20顆粒膜細胞)から3b型段階(90顆粒膜細胞)までの顆粒膜細胞の発
生(Pedersen,T.,"Follicle Growth in the Mouse Ovary", In:S.A.Bigger JD(e
d) Oogenesis,University Park Press,Baltimore,pp.361-376(1972) )がGDF
−9に依存しないことを示す。
よる不妊を導くことが以前に示されている。Figure 6にまとめているよ
うに、分子レベルでの欠陥がさらにキャラクタライズされている。GDF−9
mRNA(McGrath,S.A.,et al.,Mol.Endocr.,9:131-136(1995) )及びタンパク
質(Elvin,J.A.et al.,Mol.Endocr.,(Submitted)(1999))は、始原卵胞にはなく
、3a型一次卵胞において最初に観察される。GDF−9ノックアウトマウス由
来の卵巣は、3b型一次卵胞段階でのブロックを示す。本明細書において示すよ
うに、3b型卵胞の顆粒膜細胞は、本質的に休眠状態であり:卵母細胞が消失す
るまで、卵胞の顆粒膜細胞においては細胞分裂もアポトーシスも観察されない。
したがって、GDF−9タンパク質は3a型段階で合成されるが、GDF−9シ
グナル伝達カスケードは、さらなる卵胞成熟のために3b型段階でのみ必須とな
るはずである。明らかに、これらの実験は、始原卵胞の漸増、及び始原卵胞段階
(<20顆粒膜細胞)から3b型段階(90顆粒膜細胞)までの顆粒膜細胞の発
生(Pedersen,T.,"Follicle Growth in the Mouse Ovary", In:S.A.Bigger JD(e
d) Oogenesis,University Park Press,Baltimore,pp.361-376(1972) )がGDF
−9に依存しないことを示す。
【0096】 野生型卵巣の退縮卵胞において観察された劇的なアポトーシスとは異なり、G
DF−9ノックアウト卵巣では最少限のアポトーシスが観察される。通常、アポ
トーシスは、FSHに対して応答性及び依存性になった後の時点で卵胞腔卵胞に
おいて起こる。たとえGDF−9欠損卵巣の顆粒膜細胞が腔マーカーを発現する
としても、アポトーシス細胞はほとんど見られなかった。これらの観察は、いく
つかの択一的な説明を導く。GDF−9は、アポトーシス前(pro−apop
totic)刺激に応答するための反応能を誘導するのに必要とされうる。また
、血清FSHの上昇(Dong,J.,et al.,Nature,383:531-535(1996) )は、3b型
ブロックを克服することはできないが、顆粒膜細胞の生存を促進しうる。最終的
にGDF−9欠損卵巣内の顆粒膜細胞は、卵母細胞が変性してステロイド産生卵
胞巣を形成した後に分化することにより、この「アポトーシス反応能を持つ」状
態を回避しうる。したがって、GDF−9は、顆粒膜細胞の「分化」のための重
要な因子であり、3b型後の(post−type3b)顆粒膜細胞が、アポト
ーシスを行なう能力等の特異的性質を獲得することが可能になる。
DF−9ノックアウト卵巣では最少限のアポトーシスが観察される。通常、アポ
トーシスは、FSHに対して応答性及び依存性になった後の時点で卵胞腔卵胞に
おいて起こる。たとえGDF−9欠損卵巣の顆粒膜細胞が腔マーカーを発現する
としても、アポトーシス細胞はほとんど見られなかった。これらの観察は、いく
つかの択一的な説明を導く。GDF−9は、アポトーシス前(pro−apop
totic)刺激に応答するための反応能を誘導するのに必要とされうる。また
、血清FSHの上昇(Dong,J.,et al.,Nature,383:531-535(1996) )は、3b型
ブロックを克服することはできないが、顆粒膜細胞の生存を促進しうる。最終的
にGDF−9欠損卵巣内の顆粒膜細胞は、卵母細胞が変性してステロイド産生卵
胞巣を形成した後に分化することにより、この「アポトーシス反応能を持つ」状
態を回避しうる。したがって、GDF−9は、顆粒膜細胞の「分化」のための重
要な因子であり、3b型後の(post−type3b)顆粒膜細胞が、アポト
ーシスを行なう能力等の特異的性質を獲得することが可能になる。
【0097】 卵母細胞由来因子は、パラクリン機構によりキットリガンド発現を調節すると
いう仮説が以前にたてられている(Packer,A.I. et al.,Dev.Biol.,161:194-205
(1994))。ゴナドトロピンで刺激したマウスにおいて、キットリガンド発現の勾
配があり、それにより卵母細胞から最も遠い顆粒膜細胞(すなわち、壁在性顆粒
膜細胞)が最も高いレベルで発現するが、卵母細胞に最も近い顆粒膜細胞(すな
わち、卵丘細胞)は非常に低いか検出不可能なレベルで発現する(Motro,B. and
Bernstein,A.,Dev.Dyn.,197:69-79(1993))。本明細書において示したGDF−
9欠損卵胞における劇的に上昇したキットリガンドは、GDF−9が、キットリ
ガンド発現を負に調節する卵母細胞分泌パラクリン因子の1つであることを示す
。この仮説は、本明細書に示した我々のGDF−9作用のインビボ実験からの証
拠により裏付けられ、GDF−9が、卵胞腔卵胞の卵母細胞に対して特異的に発
現される他の遺伝子(すなわち、ヒアルロナンシンターゼ2、シクロオキシゲナ
ーゼ2、ステロイド産生早期調節タンパク質、ウロキナーゼプラスミノーゲンア
クチベーター及び黄体形成ホルモンレセプター)を調節しうることを示す。した
がって、GDF−9により競合されない(unopposed)他の卵母細胞産
生性で卵胞外の因子の作用は、ここで観察されたキットリガンド発現の増加に貢
献するようである。GDF−9欠損卵巣において産生されるキットリガンドも活
性であるようである。他のシステムにおいて以前に報告されているように、おそ
らく漸増及び増殖の増大を刺激したキットリガンドにより、GDF−9欠損卵巣
は、切片1個あたり有意により多くのマスト細胞を含む。また、キットリガンド
もインビトロで卵母細胞発生を刺激することが示されている(Packer,A.I. et a
l.,Dev.Biol.,161:194-205(1994))。GDF−9ノックアウト卵巣における卵母
細胞は、最終的に変性する前に、対照と比べてより急速に、かつ最大サイズが1
5%大きくなるまで成熟し(Carabatsos, M., et al., Dev.Biol.,203:373-384(
1998) )、卵母細胞上のc−キットを介してシグナル伝達する機能性顆粒膜細胞
誘導性のキットリガンドのさらなる証拠を提供する。ノーザンブロット解析によ
って本明細書に示したように、TGF−βスーパーファミリーの他のメンバーは
、GDF−9欠損卵巣において発現され続ける。ノーザンブロット解析により、
インヒビンα及びアクチビンβAサブユニットは、GDF−9欠損卵巣において
対照と類似のレベルで発現されるが、アクチビンβB及びフォリスタチンは劇的
に低下する。インビトロでアクチビンAは、卵胞成熟を刺激すること(Mather e
t al., 1997 )及び顆粒膜細胞DNA合成のFSH刺激を可能にすること(Miro
, F. and Hillier, S., Endocr., 137:464-468(1996))が示されている。さらに
また、アクチビンA+FSHは、未成熟卵胞由来の顆粒膜細胞を刺激してプロゲ
ステロンを産生するが、FSHを含むか又は含まない分化培養物由来の顆粒膜細
胞によってプロゲステロン合成は低下された(Miro, F., et al., Endocr., 129
:3388-3394(1991))。GDF−9欠損卵巣において、卵胞巣で局所的に産生され
たアクチビンAは、制限された顆粒膜細胞の増殖を刺激し、これらの細胞の血清
ゴナドトロピンの上昇に対する応答を増強してP450アロマターゼ及びP−4
50sccを発現するようである。また、GDF−9欠損卵巣におけるアクチビ
ン効果は、アクチビン結合タンパク質及びアンタゴニストであるフォリスタチン
レベルの低下により増強されるようである。
いう仮説が以前にたてられている(Packer,A.I. et al.,Dev.Biol.,161:194-205
(1994))。ゴナドトロピンで刺激したマウスにおいて、キットリガンド発現の勾
配があり、それにより卵母細胞から最も遠い顆粒膜細胞(すなわち、壁在性顆粒
膜細胞)が最も高いレベルで発現するが、卵母細胞に最も近い顆粒膜細胞(すな
わち、卵丘細胞)は非常に低いか検出不可能なレベルで発現する(Motro,B. and
Bernstein,A.,Dev.Dyn.,197:69-79(1993))。本明細書において示したGDF−
9欠損卵胞における劇的に上昇したキットリガンドは、GDF−9が、キットリ
ガンド発現を負に調節する卵母細胞分泌パラクリン因子の1つであることを示す
。この仮説は、本明細書に示した我々のGDF−9作用のインビボ実験からの証
拠により裏付けられ、GDF−9が、卵胞腔卵胞の卵母細胞に対して特異的に発
現される他の遺伝子(すなわち、ヒアルロナンシンターゼ2、シクロオキシゲナ
ーゼ2、ステロイド産生早期調節タンパク質、ウロキナーゼプラスミノーゲンア
クチベーター及び黄体形成ホルモンレセプター)を調節しうることを示す。した
がって、GDF−9により競合されない(unopposed)他の卵母細胞産
生性で卵胞外の因子の作用は、ここで観察されたキットリガンド発現の増加に貢
献するようである。GDF−9欠損卵巣において産生されるキットリガンドも活
性であるようである。他のシステムにおいて以前に報告されているように、おそ
らく漸増及び増殖の増大を刺激したキットリガンドにより、GDF−9欠損卵巣
は、切片1個あたり有意により多くのマスト細胞を含む。また、キットリガンド
もインビトロで卵母細胞発生を刺激することが示されている(Packer,A.I. et a
l.,Dev.Biol.,161:194-205(1994))。GDF−9ノックアウト卵巣における卵母
細胞は、最終的に変性する前に、対照と比べてより急速に、かつ最大サイズが1
5%大きくなるまで成熟し(Carabatsos, M., et al., Dev.Biol.,203:373-384(
1998) )、卵母細胞上のc−キットを介してシグナル伝達する機能性顆粒膜細胞
誘導性のキットリガンドのさらなる証拠を提供する。ノーザンブロット解析によ
って本明細書に示したように、TGF−βスーパーファミリーの他のメンバーは
、GDF−9欠損卵巣において発現され続ける。ノーザンブロット解析により、
インヒビンα及びアクチビンβAサブユニットは、GDF−9欠損卵巣において
対照と類似のレベルで発現されるが、アクチビンβB及びフォリスタチンは劇的
に低下する。インビトロでアクチビンAは、卵胞成熟を刺激すること(Mather e
t al., 1997 )及び顆粒膜細胞DNA合成のFSH刺激を可能にすること(Miro
, F. and Hillier, S., Endocr., 137:464-468(1996))が示されている。さらに
また、アクチビンA+FSHは、未成熟卵胞由来の顆粒膜細胞を刺激してプロゲ
ステロンを産生するが、FSHを含むか又は含まない分化培養物由来の顆粒膜細
胞によってプロゲステロン合成は低下された(Miro, F., et al., Endocr., 129
:3388-3394(1991))。GDF−9欠損卵巣において、卵胞巣で局所的に産生され
たアクチビンAは、制限された顆粒膜細胞の増殖を刺激し、これらの細胞の血清
ゴナドトロピンの上昇に対する応答を増強してP450アロマターゼ及びP−4
50sccを発現するようである。また、GDF−9欠損卵巣におけるアクチビ
ン効果は、アクチビン結合タンパク質及びアンタゴニストであるフォリスタチン
レベルの低下により増強されるようである。
【0098】 実施例5 インビトロ培養した壁在性顆粒膜細胞によるプロゲステロン合成に対 する組換えmGDF−9の刺激性効果の同定 プロゲステロン産生に対するmGDF−9の効果は、卵胞刺激ホルモン(FS
H)の非存在下、又は低用量(0.5又は1ng/ml)下でのみ生じる。より
高用量(5ng/mlと10ng/ml)のFSHでは、FSHのみ又はFSH
+mGDF−9との間でプロゲステロン産生に有意な差はない。FSHは、以前
に示されている(Oonk, et al.)ように、コレステロール生合成経路における速
度制限段階を触媒する酵素であるP450コレステロール側鎖切断発現を刺激す
るようである。ごく最近のデータに基づき、GDF−9によるプロゲステロン刺
激は、P450sccでなく、コレステロールに移動性をもたせたり又は細胞内
に輸送するのに関与することが示されている酵素であるステロイド産生早期調節
タンパク質(STAR)の刺激によるようである。
H)の非存在下、又は低用量(0.5又は1ng/ml)下でのみ生じる。より
高用量(5ng/mlと10ng/ml)のFSHでは、FSHのみ又はFSH
+mGDF−9との間でプロゲステロン産生に有意な差はない。FSHは、以前
に示されている(Oonk, et al.)ように、コレステロール生合成経路における速
度制限段階を触媒する酵素であるP450コレステロール側鎖切断発現を刺激す
るようである。ごく最近のデータに基づき、GDF−9によるプロゲステロン刺
激は、P450sccでなく、コレステロールに移動性をもたせたり又は細胞内
に輸送するのに関与することが示されている酵素であるステロイド産生早期調節
タンパク質(STAR)の刺激によるようである。
【0099】 実施例6 インビトロ培養した壁在性顆粒膜細胞によるフォリスタチン及びアク チビンβB発現に対する組換えmGDF−9の刺激性効果の同定 プロトコル 一次顆粒膜細胞を上述の8対の卵巣から単離し、4ng/mlのFSHを含み
、ウシ胎仔血清を含まないα−MEMベースの培地中で、50〜60ng/ml
組換えmGDF−9とともに又はなしで5時間培養した。培養後、培地を除き、
非接着細胞を遠心分離により回収した。Qiagen RNEasy全RNA単
離キットを用いてRNAを単離した。このRNAを、Affymetrix発生
生物学250遺伝子チップへのハイブリダイゼーション用のプローブを作製する
のに使用するcDNAに逆転写した。この最初のスクリーング法の結果に基づき
、顆粒膜細胞培養実験を繰り返し、RNAを調製してノーザンブロット解析に使
用した。
、ウシ胎仔血清を含まないα−MEMベースの培地中で、50〜60ng/ml
組換えmGDF−9とともに又はなしで5時間培養した。培養後、培地を除き、
非接着細胞を遠心分離により回収した。Qiagen RNEasy全RNA単
離キットを用いてRNAを単離した。このRNAを、Affymetrix発生
生物学250遺伝子チップへのハイブリダイゼーション用のプローブを作製する
のに使用するcDNAに逆転写した。この最初のスクリーング法の結果に基づき
、顆粒膜細胞培養実験を繰り返し、RNAを調製してノーザンブロット解析に使
用した。
【0100】 結果 発生チップ解析によると、組換えmGDF−9は、インビトロ培養した一次顆
粒膜細胞によりフォリスタチン発現では4.9倍の増加{191(mGDF−9
処理):39(対照)}、及びアクチビンβB発現では3.3倍の増加{65(
mGDF−9処理):20(対照)}を刺激した(Figure 3/15−1
)。この結果は、ノーザンブロット解析により確認された(Figure 3/
15−2)。これらのノーザンブロットのデンシトメーターによる解析は、mG
DF−9処理がフォリスチン発現を3.1倍増加及びアクチビンβB発現を3.
3倍増加に刺激したことを示した。さらに、フォリスタチン発現は、mGDF−
9に対して用量依存的に応答した(Figure 3/15−3)。これらの結
果は、GDF−9の非存在下インビボで、フォリスチン発現では3倍の減少及び
アクチビンβB発現では約6倍の減少を示す、我々のGDF−9 欠損マウス卵巣
から単離した全RNAのノーザンブロット解析によりさらに裏付けられる。
粒膜細胞によりフォリスタチン発現では4.9倍の増加{191(mGDF−9
処理):39(対照)}、及びアクチビンβB発現では3.3倍の増加{65(
mGDF−9処理):20(対照)}を刺激した(Figure 3/15−1
)。この結果は、ノーザンブロット解析により確認された(Figure 3/
15−2)。これらのノーザンブロットのデンシトメーターによる解析は、mG
DF−9処理がフォリスチン発現を3.1倍増加及びアクチビンβB発現を3.
3倍増加に刺激したことを示した。さらに、フォリスタチン発現は、mGDF−
9に対して用量依存的に応答した(Figure 3/15−3)。これらの結
果は、GDF−9の非存在下インビボで、フォリスチン発現では3倍の減少及び
アクチビンβB発現では約6倍の減少を示す、我々のGDF−9 欠損マウス卵巣
から単離した全RNAのノーザンブロット解析によりさらに裏付けられる。
【0101】 有意性 mGDF−9によるフォリスタチン及びアクチビンβBの調節を示す現在のデ
ータにより、我々が作製している組換えmGDF−9タンパク質が生物学的に活
性である、という我々の先の結果が確認される。ラジオイムノアッセイは、フォ
リスタチン及びアクチビンβBの両方についてタンパク質産生を解析するのに利
用可能であり、GDF−9アゴニスト及びアンタゴニストのさらに2つのアッセ
イを提供する。さらに、これらの結果は、転写調節のためのGDF−9応答エレ
メントを同定するため、及びGDF−9シグナル伝達を理解するために使用し得
るさらに2つの下流標的を提供する。
ータにより、我々が作製している組換えmGDF−9タンパク質が生物学的に活
性である、という我々の先の結果が確認される。ラジオイムノアッセイは、フォ
リスタチン及びアクチビンβBの両方についてタンパク質産生を解析するのに利
用可能であり、GDF−9アゴニスト及びアンタゴニストのさらに2つのアッセ
イを提供する。さらに、これらの結果は、転写調節のためのGDF−9応答エレ
メントを同定するため、及びGDF−9シグナル伝達を理解するために使用し得
るさらに2つの下流標的を提供する。
【0102】 実施例7 インビトロ培養された壁在性顆粒膜細胞による黄体形成ホルモンレセ プター(LHR)発現に対する組換えmGDF−9の阻害効果の同定
プロトコル 顆粒膜細胞を単離し、先に記載のようにして様々な期間でウシ胎仔血清と、+
/−FSHで培養した。RNAを記載のようにして単離し、LHRメッセージに
ついてRT−PCRを、イントロンに広がるプライマーを用い、記載のようにし
て行った。
プロトコル 顆粒膜細胞を単離し、先に記載のようにして様々な期間でウシ胎仔血清と、+
/−FSHで培養した。RNAを記載のようにして単離し、LHRメッセージに
ついてRT−PCRを、イントロンに広がるプライマーを用い、記載のようにし
て行った。
【0103】 結果 LHR発現は、対照培地において培養時間の増加とともに増加する(Figu
re 3/15−4)。しかしながら、50ng/mlのmGDF−9で処理し
た培地では、LHR発現は抑制される。
re 3/15−4)。しかしながら、50ng/mlのmGDF−9で処理し
た培地では、LHR発現は抑制される。
【0104】 有意性 インビボでのLHR発現は、顆粒膜卵丘細胞(卵母細胞に直接接触しているも
の)上において、たとえ検出されても稀であり、卵母細胞からの距離が増加する
ほど増加することが以前に示されている。最近の研究(Eppig, et al.,1997)に
おいて、卵母細胞分泌因子は、LHR発現を阻害する能力を有することが示され
た。本明細書に記載の結果は、GDF−9が、通常LHR発現を阻害する卵母細
胞分泌因子であることを示す。
の)上において、たとえ検出されても稀であり、卵母細胞からの距離が増加する
ほど増加することが以前に示されている。最近の研究(Eppig, et al.,1997)に
おいて、卵母細胞分泌因子は、LHR発現を阻害する能力を有することが示され
た。本明細書に記載の結果は、GDF−9が、通常LHR発現を阻害する卵母細
胞分泌因子であることを示す。
【0105】 均等物 本発明は、その好ましい態様に関して、具体的に示され記載されているが、添
付の請求の範囲によって規定されている本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに、本
発明において形態及び詳細において種々の変更が行われ得ることが当業者によっ
て理解されるであろう。当業者であれば、単なる日常的な実験手法を用いて、本
明細書に詳細に記載された本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識し、
かつ確認することができるであろう。かかる均等物は請求の範囲に包含されるも
のとする。
付の請求の範囲によって規定されている本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに、本
発明において形態及び詳細において種々の変更が行われ得ることが当業者によっ
て理解されるであろう。当業者であれば、単なる日常的な実験手法を用いて、本
明細書に詳細に記載された本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識し、
かつ確認することができるであろう。かかる均等物は請求の範囲に包含されるも
のとする。
【図1】 Figure1は、組換えマウスGDF−9(mGDF−9)または組換えヒ
トGDF−9(hGDF−9)を含むならし培地が、時間および濃度依存的様式
で、インビトロで培養された一次顆粒膜細胞によるプロゲステロン合成を刺激し
たことを示す、プロゲステロン ラジオイムノアッセイの結果の棒グラフである
。
トGDF−9(hGDF−9)を含むならし培地が、時間および濃度依存的様式
で、インビトロで培養された一次顆粒膜細胞によるプロゲステロン合成を刺激し
たことを示す、プロゲステロン ラジオイムノアッセイの結果の棒グラフである
。
【図2】 Figure2は、組換えmGDF−9がインビトロで一次顆粒膜細胞による
プロゲステロン合成を刺激したことを示す、プロゲステロン ラジオイムノアッ
セイの結果の棒グラフである。
プロゲステロン合成を刺激したことを示す、プロゲステロン ラジオイムノアッ
セイの結果の棒グラフである。
【図3】 Figure3は、ウシ胎仔血清(FCS)有りおよび無しの組換えmGDF
−9が、24時間のインビトロでの一次顆粒膜細胞によるプロゲステロン合成を
刺激したことを示す、プロゲステロン ラジオイムノアッセイの結果の棒グラフ
である。
−9が、24時間のインビトロでの一次顆粒膜細胞によるプロゲステロン合成を
刺激したことを示す、プロゲステロン ラジオイムノアッセイの結果の棒グラフ
である。
【図4】 Figure4Aは、0、0.5、または1ng/mlの種々の濃度のFSH
の存在下、50ng/mlのGDF−9の存在または非存在下に無血清培地にお
いて14時間培養された顆粒膜細胞の培地におけるプロゲステロンのレベルを示
す棒グラフである;エラーバーは平均(SEM)の標準誤差を示す。* 、対照対
FSH=0ng/ml、FSH=0.5ng/ml、またはFSH=1ng/m
lでの50ng/mlのGDF−9についてp<0.05。
の存在下、50ng/mlのGDF−9の存在または非存在下に無血清培地にお
いて14時間培養された顆粒膜細胞の培地におけるプロゲステロンのレベルを示
す棒グラフである;エラーバーは平均(SEM)の標準誤差を示す。* 、対照対
FSH=0ng/ml、FSH=0.5ng/ml、またはFSH=1ng/m
lでの50ng/mlのGDF−9についてp<0.05。
【図5】 Figure4Bは、10%のFCSを含む培地の3つの別のサンプルについ
ての、細胞+/−GDF−9(100ng/ml)またはFSHの24時間の処
理後の培地におけるプロゲステロンのレベルを示す棒グラフである。* 、対照対
FSH無しで培養されたGDF−9処理細胞についてp<0.05。
ての、細胞+/−GDF−9(100ng/ml)またはFSHの24時間の処
理後の培地におけるプロゲステロンのレベルを示す棒グラフである。* 、対照対
FSH無しで培養されたGDF−9処理細胞についてp<0.05。
【図6】 Figure4C〜4Dは、HPRTレベルに対し標準化されたFigure
4Aおよび4Bの実験からのP−450sccおよびStAR mRNAレベル
の定量を示す棒グラフである;各値は2つまたは3つの別のウェルの平均+/−
SEMである;StAR mRNA解析におけるFSH=0または10ng/m
lでの対照処理サンプル(n=4)。
4Aおよび4Bの実験からのP−450sccおよびStAR mRNAレベル
の定量を示す棒グラフである;各値は2つまたは3つの別のウェルの平均+/−
SEMである;StAR mRNA解析におけるFSH=0または10ng/m
lでの対照処理サンプル(n=4)。
【図7】 Figure5は、哺乳動物の卵巣でのGDF−9の役割を示すモデルである
。
。
【図8】 Figure6は、GDF−9ノックアウト卵巣研究の概要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 エルビン,ジュリア,エイ. アメリカ合衆国 テキサス 77025 ヒュ ーストン,スタントン ストリート 3114 (72)発明者 ワン,ペイ アメリカ合衆国 テキサス 77025 ヒュ ーストン,ナンバー ナイン,グレン ア ーバー 3822 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 CB01 CB26 CB30 DA20 DA30 DA36 DA54 DA59 DA69 DA80 FA14 FB02 FB03 FB04 FB05 FB06 FB07 FB08 FB11 FB15
Claims (46)
- 【請求項1】 a)i)GDF−9のレセプターと該レセプターへのGDF
−9の結合により発現が調節される遺伝子を有する細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)において
調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)レセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへのGDF−9の
結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際
の遺伝子の発現の変化が、該薬剤がGDF−9活性を変えることを示す、成長分
化因子9(GDF−9)の活性を変える薬剤の同定方法。 - 【請求項2】 遺伝子の発現が生ずる程度が、遺伝子産物を測定することに
より決定される、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 遺伝子が、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期調
節タンパク質(steroidogenic acute regulator
y protein)、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2
、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、キットリガンド、アクチビン
/インヒビンβBおよびフォリスタチン(follistatin)からなる群
より選ばれたタンパク質をコードする、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 遺伝子の発現が生ずる程度が、a)i)の遺伝子の活性から
生ずる産物または機能を測定することにより測定される、請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 産物または機能が、ヒアルロン酸、リン酸化ステロイド産生
早期調節タンパク質、プロゲステロン、プラスミン、プロスタグランジン、アク
チビンβB:アクチビンβB、インヒビンα:アクチビンβB、黄体形成ホルモ
ンレセプターの結合の結果として産生される産物、黄体形成ホルモンレセプター
へのリガンドの結合の結果として産生される産物およびプラスミノーゲンの切断
の結果として産生される産物からなる群より選ばれる、請求項4記載の方法。 - 【請求項6】 さらに、対照サンプルにおいて発現が生ずる程度と(c)に
おける発現の程度を比較する工程(d)を含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 a)i)の細胞が、壁在性顆粒膜細胞(mural gra
nulosa cells)および卵丘細胞(cumulus cells)か
らなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際
の遺伝子の発現の変化が、該薬剤がGDF−9活性を変えることを示す、GDF
−9の活性を変える薬剤の同定方法。 - 【請求項9】 遺伝子の発現が生ずる程度が、遺伝子産物を測定することに
より測定される、請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 遺伝子が、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期
調節タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、ウロ
キナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、キットリガンド、アクチビン/イン
ヒビンβBおよびフォリスタチンからなる群より選ばれたタンパク質をコードす
る、請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 遺伝子の発現が生ずる程度が、a)i)の遺伝子の活性か
ら生ずる産物または機能を測定することにより測定される、請求項8記載の方法
。 - 【請求項12】 産物または機能が、ヒアルロン酸、リン酸化ステロイド産
生早期調節タンパク質、プロゲステロン、プラスミン、プロスタグランジン、ア
クチビンβB:アクチビンβB、インヒビンα:アクチビンβB、黄体形成ホル
モンレセプターの結合の結果として産生される産物、黄体形成ホルモンレセプタ
ーへのリガンドの結合の結果として産生される産物およびプラスミノーゲンの切
断の結果として産生される産物からなる群より選ばれる、請求項11記載の方法
。 - 【請求項13】 さらに、対照サンプルにおいて発現が生ずる程度と(c)
における発現の程度を比較する工程(d)を含む、請求項8記載の方法。 - 【請求項14】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際
の遺伝子の発現の阻害が、該薬剤がGDF−9活性を阻害することを示す、GD
F−9活性のインヒビターである薬剤の同定方法。 - 【請求項15】 遺伝子の発現が生ずる程度が、遺伝子産物を測定すること
により測定される、請求項14記載の方法。 - 【請求項16】 遺伝子が、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期
調節タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、アク
チビン/インヒビンβBおよびフォリスタチンからなる群より選ばれたタンパク
質をコードする、請求項15記載の方法。 - 【請求項17】 遺伝子の発現が生ずる程度が、a)i)の遺伝子の活性か
ら生ずる産物または機能を測定することにより測定される、請求項14記載の方
法。 - 【請求項18】 産物または機能が、ヒアルロン酸、リン酸化ステロイド産
生早期調節タンパク質、プロゲステロン、プロスタグランジン、アクチビンβB
:アクチビンβB、インヒビンα:アクチビンβB、黄体形成ホルモンレセプタ
ーの結合の結果として産生される産物および黄体形成ホルモンレセプターへのリ
ガンドの結合の結果として産生される産物からなる群より選ばれる、請求項17
記載の方法。 - 【請求項19】 さらに、対照サンプルにおいて発現が生ずる程度と(c)
における発現の程度を比較する工程(d)を含む、請求項14記載の方法。 - 【請求項20】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節されるuPA遺伝子の発現の程度を測定する工程
、を含み、GDF−9の存在下におけるuPAの産生の増加が、該薬剤がGDF
−9活性のインヒビターであることを示す、GDF−9活性のインヒビターであ
る薬剤の同定方法。 - 【請求項21】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程; c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際
の遺伝子の発現の増強が、該薬剤がGDF−9活性のエンハンサーであることを
示す、エンハンサーGDF−9活性である薬剤の同定方法。 - 【請求項22】 遺伝子の発現が生ずる程度が、遺伝子産物を測定すること
により測定される、請求項21記載の方法。 - 【請求項23】 遺伝子が、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期
調節タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、アク
チビン/インヒビンβBおよびフォリスタチンからなる群より選ばれたタンパク
質をコードする、請求項22記載の方法。 - 【請求項24】 遺伝子の発現が生ずる程度が、a)i)の遺伝子の活性か
ら生ずる産物または機能を測定することにより測定される、請求項21記載の方
法。 - 【請求項25】 産物または機能が、ヒアルロン酸、リン酸化ステロイド産
生早期調節タンパク質、プロゲステロン、プロスタグランジン、アクチビンβB
:アクチビンβB、黄体形成ホルモンレセプターの結合の結果として産生される
産物および黄体形成ホルモンレセプターへのリガンドの結合の結果として産生さ
れる産物からなる群より選ばれる、請求項24記載の方法。 - 【請求項26】 さらに、対照サンプルにおいて発現が生ずる程度と(c)
における発現の程度を比較する工程(d)を含む、請求項21記載の方法。 - 【請求項27】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節されるuPA遺伝子の発現の程度を測定する工程
、を含み、GDF−9の存在下におけるuPAの産生の減少が、該薬剤がGDF
−9活性のエンハンサーであることを示す、GDF−9活性のエンハンサーであ
る薬剤の同定方法。 - 【請求項28】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際
の遺伝子の発現の阻害が、該薬剤が生殖能力を阻害することを示す、生殖能力を
阻害する薬剤の同定方法。 - 【請求項29】 遺伝子の発現が生ずる程度が、遺伝子産物を測定すること
により測定される、請求項28記載の方法。 - 【請求項30】 遺伝子が、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期
調節タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、アク
チビン/インヒビンβBおよびフォリスタチンからなる群より選ばれたタンパク
質をコードする、請求項29記載の方法。 - 【請求項31】 遺伝子の発現が生ずる程度が、a)i)の遺伝子の活性か
ら生ずる産物または機能を測定することにより測定される、請求項28記載の方
法。 - 【請求項32】 産物または機能が、ヒアルロン酸、リン酸化ステロイド産
生早期調節タンパク質、プロゲステロン、プロスタグランジン、アクチビンβB
:アクチビンβB、インヒビンα:アクチビンβB、黄体形成ホルモンレセプタ
ーの結合の結果として産生される産物および黄体形成ホルモンレセプターへのリ
ガンドの結合の結果として産生される産物からなる群より選ばれる、請求項31
記載の方法。 - 【請求項33】 さらに、対照サンプルにおいて発現が生ずる程度と(c)
における発現の程度を比較する工程(d)を含む、請求項28記載の方法。 - 【請求項34】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずる、レセプター
へのGDF−9の結合により調節されるuPA遺伝子の発現の程度を測定する工
程、を含み、高濃度のGDF−9の存在下におけるuPAの産生の増加が、該薬
剤が生殖能力を阻害することを示す、生殖能力を阻害する薬剤の同定方法。 - 【請求項35】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9; iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現の程度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下におけるレセプターへのGDF−9の結合の際
の遺伝子の発現の増強が、該薬剤が生殖能力を増強することを示す、生殖能力を
増強する薬剤の同定方法。 - 【請求項36】 遺伝子の発現が生ずる程度が、遺伝子産物を測定すること
により測定される、請求項35記載の方法。 - 【請求項37】 遺伝子が、ヒアルロナンシンターゼ、ステロイド産生早期
調節タンパク質、黄体形成ホルモンレセプター、シクロオキシゲナーゼ2、アク
チビン/インヒビンβBおよびフォリスタチンからなる群より選ばれたタンパク
質をコードする、請求項36記載の方法。 - 【請求項38】 遺伝子の発現が生ずる程度が、a)i)の遺伝子の活性か
ら生ずる産物または機能を測定することにより測定される、請求項35記載の方
法。 - 【請求項39】 産物または機能が、ヒアルロン酸、リン酸化ステロイド産
生早期調節タンパク質、プロゲステロン、プロスタグランジン、アクチビンβB
:アクチビンβB、インヒビンα:アクチビンβB、黄体形成ホルモンレセプタ
ーの結合の結果として産生される産物および黄体形成ホルモンレセプターへのリ
ガンドの結合の結果として産生される産物からなる群より選ばれる、請求項38
記載の方法。 - 【請求項40】 さらに、対照サンプルにおいて発現が生ずる程度と(c)
における発現の程度を比較する工程(d)を含む、請求項35記載の方法。 - 【請求項41】 a)i)顆粒膜細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)に
おいて調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)顆粒膜細胞上のレセプターへのGDF−9の結合の際に生ずるレセプターへ
のGDF−9の結合により調節されるuPA遺伝子の発現の程度を測定する工程
、を含み、高濃度のGDF−9の存在下におけるuPAの産生の減少が、該薬剤
が生殖能力を増強することを示す、生殖能力を増強する薬剤の同定方法。 - 【請求項42】 a)i)GDF−9のレセプターと該レセプターへのGD
F−9の結合により遺伝子の発現が調節される遺伝子を有する細胞;および ii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)細胞上のレセプターへのGDF−9の結合に適する条件下に(a)において
調製された合せ物を維持する工程;ならびに c)レセプターへのGDF−9の結合により調節される遺伝子の発現が生ずる程
度を測定する工程、 を含み、評価対象の薬剤の存在下における遺伝子の発現が、該薬剤がGDF−9
のアゴニストであることを示す、GDF−9のアゴニストである薬剤の同定方法
。 - 【請求項43】 アゴニストが生殖能力を増強する請求項42記載の方法。
- 【請求項44】 a)i)GDF−9のレセプターと該レセプターへのGD
F−9の結合により遺伝子の発現が調節される遺伝子を有する細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)細胞上のレセプターへの薬剤の結合に適する条件下にa)において調製され
た合せ物を維持する工程;ならびに c)細胞上のレセプターへの薬剤の結合が生ずる程度を測定する工程、 を含み、GDF−9レセプターへの薬剤の結合が、該薬剤がGDF−9のアゴニ
ストであることを示す、GDF−9のアゴニストである薬剤の同定方法。 - 【請求項45】 a)i)GDF−9のレセプターと該レセプターへのGD
F−9の結合により遺伝子の発現が調節される遺伝子を有する細胞; ii)GDF−9;および iii)評価対象の薬剤、 を合せる工程; b)細胞上のレセプターへの薬剤の結合に適する条件下にa)において調製され
た合せ物を維持する工程;ならびに c)細胞上のレセプターへの薬剤の結合が生ずる程度を測定する工程、 を含み、GDF−9レセプターへの薬剤の結合が、該薬剤がGDF−9のアンタ
ゴニストであることを示す、GDF−9のアンタゴニストである薬剤の同定方法
。 - 【請求項46】 アンタゴニストが生殖能力を阻害する請求項46記載の方
法。
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-
1999
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