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JP2002370868A - トラバース装置 - Google Patents

トラバース装置

Info

Publication number
JP2002370868A
JP2002370868A JP2001178362A JP2001178362A JP2002370868A JP 2002370868 A JP2002370868 A JP 2002370868A JP 2001178362 A JP2001178362 A JP 2001178362A JP 2001178362 A JP2001178362 A JP 2001178362A JP 2002370868 A JP2002370868 A JP 2002370868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tension
traverse
fixing
tension member
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001178362A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshifumi Itoki
祥文 糸木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Machinery Ltd filed Critical Murata Machinery Ltd
Priority to JP2001178362A priority Critical patent/JP2002370868A/ja
Publication of JP2002370868A publication Critical patent/JP2002370868A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト緊張力を定期的に更新しながら、その
適度な緊張状態で緊張輪体を固定してベルトのばたつき
を抑制して良好なトラバース機能が発揮できるようにな
るトラバース装置を、煩わしい人為操作を伴うこと無く
実現させる。 【解決手段】 駆動プーリ23の正逆転により、ベルト
24に装備されたガイド25で案内される糸をボビンの
軸方向にトラバ−スさせるとともに、ベルト緊張機構D
を設けたトラバース装置において、緊張機構Dを、駆動
プーリ23を押圧付勢する巻きバネ35とから構成し、
巻きバネ35の押圧付勢力に抗して駆動プーリ23を係
止固定及び解放自在な係止機構Kを設け、設定時間毎に
駆動プーリ23の係止固定が一時的に解放され、それ以
外では駆動プーリ23が係止固定される状態に、係止機
構Kを操作する連係操作手段Rを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する糸条をボ
ビンの軸方向にトラバ−スさせるトラバース装置に係
り、詳しくは、駆動輪体と従動輪体とに亘って巻回され
たベルト等の無端回動帯にトラバースガイドを取付けて
成るトラバース装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】延伸仮撚機の糸条巻取機構等に用いられ
る前記無端回動帯利用のトラバース装置は、駆動輪体の
正転及び逆転駆動の繰返しにより、トラバースガイドで
案内される糸条をボビンの軸方向にトラバ−スさせるも
のが用いられる。この種のトラバース装置には、特開平
10−250938号公報において示されたように、無
端回動帯を緊張するローラー等による緊張機構が設けら
れている。
【0003】即ち、ベルトやワイヤー等の無端回動帯
は、トラバース装置の使用に伴って伸びが生じるので、
その伸びを緊張機構で吸収させることで位置ずれ無く良
好なトラバースが行えるようにするものである。この場
合、単に緊張ローラをばね等の弾性部材によって引っ張
り付勢する一般的な構造では、駆動力や負荷変動等によ
る無端回動帯の張力変動によって緊張ローラが比較的容
易に緊張方向に動き、無端回動帯がばたついてトラバー
スガイドの動きがギクシャクした非円滑なものとなるお
それがある。
【0004】そこで、特開平5−107827号公報に
示されたように、巻きばねで引っ張り付勢される緊張ス
プロケットを固定維持するボルト・ナットを設けて、無
端回動帯の遊びを無くした状態で緊張スプロケットを固
定できる技術をトラバース装置に適用することにより、
緊張ローラが動きうる状態であることに起因した作動中
における無端回動帯のばたつきを解消して、トラバース
ガイドが円滑にトラバース移動されるようにすることが
考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボルト
・ナットによる緊張ローラの固定維持操作、並びに、無
端回動帯の弛みを吸収するために引っ張り付勢力を緊張
ローラに作用すべく緊張ローラの固定維持の解除操作
は、適宜に作業者が行わねばならない人為作業となるの
で、それらの操作が面倒であるとともに操作忘れによる
不都合のおそれも予測できるため、操作性の点で改善の
余地があった。
【0006】そこで、特開平4−129775号公報に
おいて示されたように、ラチェット機構を逆向きに作用
する状態で用いることにより、無理な引っ張り付勢力が
作用しないようにしながら、無端回動帯の伸びに応じて
定期的に緊張力が増大更新されるようになる技術をトラ
バース装置に適用することにより、人為操作を伴うこと
なく自動的に緊張力の調整が行えるようにする手段が考
えられた。
【0007】ところが、この逆ラチェット機構ともいう
べき手段では、傾斜面どうしで接触する駆動側ラチェッ
トと従動側ラチェットとが、巻きバネによって駆動側ラ
チェットを従動側ラチェットに押圧付勢することによる
弾性力により、緊張力とのバランスを取って緊張ローラ
の位置を保持するもの、即ち摩擦力によって係止維持さ
せるものであって完全に固定するものではないため、負
荷変動等によって無端回動帯に強いテンションが作用し
た場合には、やはり緊張ローラが動いてばたつくことを
皆無にはできないものであり、更なる改善の余地が残さ
れているものであった。
【0008】本発明の目的は、無端回動帯の緊張力を定
期的に更新しながら、その適度な緊張状態で緊張輪体を
固定して無端回動帯のばたつきできを抑制して良好なト
ラバース機能が発揮できるようになるトラバース装置
を、煩わしい人為操作を伴うこと無く実現させる点にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、駆動
輪体と従動輪体とに亘って巻回される無端回動帯にトラ
バースガイドを取付け、駆動輪体の正転及び逆転駆動の
繰返しにより、トラバースガイドで案内される糸条をボ
ビンの軸方向にトラバ−スさせるとともに、無端回動帯
を緊張する緊張機構を設けてあるトラバース装置におい
て、前記緊張機構を、前記無端回動帯に接触するテンシ
ョン部材と、このテンション部材を前記無端回動帯の張
り方向に付勢する張力付与部材とから構成し、前記張力
付与部材の付勢力に抗して前記テンション部材の位置を
係止固定及び解放自在とする係止機構を設けるととも
に、設定時間毎に前記テンション部材の係止固定が一時
的に解放され、それ以外では前記テンション部材が係止
固定される状態に、前記係止機構を操作する連係操作手
段を設けてあることを特徴とする。
【0010】請求項1の構成によれば、張力付与部材の
付勢力により無端回動帯を張り付勢するテンション部材
と、無端回動帯を張り付勢する状態でテンション部材の
位置を固定及び解放自在とする係止機構とを設けて、通
常は無端回動帯が張り付勢された状態にてテンション部
材が係止固定されているので、弛みのない無端回動帯が
そのループ内外方向に揺れ動いたりばたついたりするこ
と無く回動移動する状態が得られ、良好にトラバース作
動できるようになる。
【0011】そして、連係操作手段の機能により、テン
ション部材の係止固定を一時的に解放して、増し張りと
でも言うべきテンション部材による無端回動帯の張り付
勢が更新される状態が定期的に現出されるので、テンシ
ョン部材を継続して固定したことによる無端回動帯の弛
みが吸収されて、無端回動帯が適度に緊張されて弛みの
無い状態を維持することが自動的に行われるようにな
る。
【0012】請求項2の構成は、請求項1の構成におい
て、ボビンに糸条がトラバースされながら満巻きされた
満巻きパッケージを、次工程に移すべく巻取機構から取
出す玉揚げ装置を設けるとともに、この玉揚げ装置によ
る満巻きパッケージの取出し作動に伴ってテンション部
材の係止固定が解放され、玉揚げ装置の非作動状態では
テンション部材が係止固定されるように、玉揚げ装置と
係止機構とを連動させる連動部材を設けることにより、
連係操作手段が構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0013】請求項2の構成によれば、トラバース装置
を用いて糸条がボビンに満巻きされると、玉揚げ装置が
作動して満巻きパッケージを次工程に向けて取り出すと
ともに、新たな巻き取り対象として次のボビンがセット
される一連の動作が行われることを連係操作手段として
利用したものである。即ち、糸条の巻き取りにおいて一
時的に作動するものである玉揚げ装置を利用することに
より、玉揚げ装置の作動によってテンション部材の係止
固定が一時的に解放され、玉揚げ装置が作動しないとき
にはテンション部材が係止固定されるようになる。又、
この既設の設備機械から連係操作手段が構成できたの
で、専用の連係操作手段は不要である。
【0014】請求項3の構成は、請求項1又は2の構成
において、係止機構は、テンション部材を装置固定部に
圧接して係止固定するための弾発部材を設けるととも
に、この弾発部材の付勢力がテンション部材に作用して
該テンション部材の位置を係止固定する固定状態と、弾
発部材の付勢力によるテンション部材の係止固定を解除
する解除状態とに切換える切換部材を設けて構成されて
いることを特徴とするものである。
【0015】請求項3の構成によれば、弾発部材によっ
てテンション部材を押え付けることにより、テンション
部材を摩擦保持によって固定させることができる。摩擦
保持によって固定するので、現存する装置に後付け装備
することが可能である。
【0016】請求項4の構成は、請求項1〜3の構成に
おいて、テンション部材が、駆動モータを備えた駆動輪
体であることを特徴とするものである。
【0017】請求項4の構成によれば、緊張用の専用輪
体を持たないので、その点で構造の簡素化が図れるとと
もに、振動源でもある駆動モータを無端回動帯緊張用の
部材として固定するので、トラバース装置としての駆動
中における無端回動帯、即ちトラバースガイドの振れ動
きがより少なくなり、良好なトラバース作用を得ること
ができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず、参考として、トラバース装
置を備えた仮撚加工機について、図1及び図2により概
略説明する。図1に示すように、仮撚加工機2は、多数
の巻取錘を上下多段で水平に複数列に並べた機台3を有
し、機台3の背面側に合成繊維糸Yを巻いた給糸パッケ
ージを支持する給糸クリールスタンド4が設けられてい
る。
【0019】機台3には、給糸クリールスタンド4の給
糸パッケージから解舒される合成繊維糸Yを切るヤーン
カッタ5、糸Yを送り出す第1フィードローラ6が設け
られている。第1フィードローラ6の下流側には、合成
繊維糸Yを加熱する1次ヒータ7、糸Yを冷却するクー
リングプレート8とが連続して設けられ、機台3の前面
側にプレツイスターガイド9、糸Yに撚りを加える仮撚
装置であるニップツイスタ10、糸Yの張力を測定する
テンションセンサ11、第2フィードローラ12、2次
ヒータ13、第3フィードローラ14、糸切れを検出す
るヤーンフィーラ29が連設されている。
【0020】更に、機台3には、オイリングローラ1
7、パッケージPに糸Yを巻取る巻取機構30(テイク
アップワインダ)、単錘型オートドッファ1(玉揚げ装
置)が連続して設けられている。尚、ヤーンカッタ5、
1次ヒータ7、ニップツイスタ10、テンションセンサ
ー11、2次ヒータ13、ヤーンフィーラ29及びオー
トドファ1は、各錘毎に作動するようになっている。
【0021】この仮撚加工機2は、給糸クリールスタン
ド4から解舒される合成繊維糸Yを第1フィードローラ
6に導き、1次ヒータ7、クーリングプレート8及びニ
ップツイスタ10などを経て、第2フィードローラ12
に至る過程で合成繊維糸Yを延伸しながら仮撚および加
熱固定して、糸Yにテクスチュアード加工を施す。加工
された合繊繊維糸Yは、テンションセンサ11、2次ヒ
ータ13、第3フィードローラ14、ヤーンフィーラ2
9などを経て各巻取錘の巻取機構30における巻取りパ
ッケージPに巻取られる。又、各巻取機構30で満玉に
巻取られたパッケージPは、各巻取錘に作動する単錘型
オートドッファ1で玉揚げされてストッカ32に払い出
される。
【0022】図2に示すように、各巻取錘の巻取機構3
0は、パッケージPを回転可能に支持するクレードルア
ーム18と、パッケージPを摩擦接触により回転させる
巻取ローラ19(巻取ドラム)と、巻取られる糸Yをパ
ッケージPの軸方向にトラバースさせるトラバース装置
Tとを備えている。各巻取錘のオートドッファ1は、ド
ッフィング機構21と、これらドッフィング機構21に
駆動力を供給する各巻取錘の列ごとに共通な駆動軸31
と、各駆動軸31に各ドッフィング機構21を連結させ
る電磁クラッチ(図示省略)とを備えている。
【0023】オートドッファ1は、紙製の管からなるボ
ビン(巻取管)B又はパッケージPを把持自在な左右一
対のクレードルアーム18と、各クレードルアーム18
に把持されたボビンBに糸掛けをする糸掛けレバー36
と、切れた糸Yを吸引するサクションノズル37と、各
クレードルアーム18間にボビンBを供給するボビン供
給機構38とで構成されている。これらの各部材35〜
38の一連の作動は、駆動軸31に連動する複数のカム
・ギヤ39によって行われる。駆動軸31は、機台3に
固定支持されている固定フレーム43に対して回動自在
に軸支されている。
【0024】図3に示すように、糸条巻取機構30は、
巻取りドラム19と、トラバース装置Tと、制御器28
とを備えてなる。
【0025】巻取りドラム19は、所定圧で接触させら
れる巻取りパッケージPを共回りさせるものであり、複
数錘共通のラインシャフト16を介して巻取用モータ1
5で回転駆動される。巻取りパッケージPは、図示され
ないボビンホルダに保持されたボビンBに、糸Yが巻回
されて形成される。図示されないボビンホルダを回転自
在に保持する左右一対のクレードルアーム18は、図
2,4に示す水平な揺動軸42回りに垂直面内で揺動自
在であり、巻取中の巻取りパッケージPを常時巻取りド
ラム19に押圧状態で接触させるとともに、巻取りパッ
ケージPの巻き太りによって持ち上げられて上向きに揺
動していく。
【0026】トラバース装置Tは、ボビンBの全幅をカ
バーする両横方向の夫々に配置された左右の従動プーリ
(従動輪体の一例)22,22、左右中央に配置された
1個の駆動プーリ(駆動輪体の一例)23、これら3個
のプーリ22,22,23に亘って三角掛け状に巻回さ
れるベルト24(無端回動帯)、ベルト24に固定され
たトラバースガイド25、トラバースガイド25の移動
時の姿勢を案内するガイドレール26、駆動プーリ23
を正逆回転駆動させる電動モータ27、及び、その制御
器28から構成されている。
【0027】このトラバース装置Tは、電動モータ(駆
動モータ)27で駆動されるベルト24によってトラバ
ースガイド25を従動プーリ22,22間においてボビ
ンBの軸方向に往復移動させて巻取りパッケージPを作
成するものであり、制御器28が、電動モータ27の正
及び逆方向の回転速度、一往復に要する時間及び各瞬間
の回転位置を制御することにより、トラバースガイド2
5の往復動によるトラバースの諸元を定めることができ
る。また、制御器28によってトラバース幅を自在に変
更することができる。そのため、このトラバース装置T
は制御器28とともに、トラバース幅を巻取りパッケー
ジPの巻太りに伴って徐々に減少させることでテーパエ
ンドを形成するテーパエンド形成手段aを形成する。
【0028】検出手段kは、巻取りパッケージPの中心
にあるボビンBの回転速度を検出するための回転センサ
20で構成されており、巻取りパッケージPの巻太りに
伴って変化する可変値を回転速度の変化として検出する
ものである。制御器28は、記憶部28aと、制御部2
8bと、入力器28cとを有する。入力器28cから巻
取りパッケージPの形状に関する諸元が入力される。記
憶部28aには、巻取りパッケージPの巻太りに伴って
トラバース幅Lを徐々に減少させる第1計算式と、トラ
バース幅Lが減少しても、トラバース速度が同じになる
ように電動モータ27の回転速度を制御する第2計算式
とを有している。制御部28bは、上記した第1計算式
及び第2計算式に基づいて、電動モータ27を制御す
る。なお、制御器28は、テーパエンドパッケージに限
らず、ストレートエンドパッケージを形成するようにも
構成されている。
【0029】尚、可逆モータである電動モータ27とし
ては、例えば、ステッピングモータ又は直流ブラシレス
モータを使用でき、ベルト24としては、歯付きタイミ
ングベルト、金属ワイヤ等、種々のものが使用できる。
【0030】図4に示すように、このようなトラバース
装置Tは、側面から見ると、その上面及び糸走行方向上
流側の側面がカバーCで覆われている。このカバーCの
糸走行方向下流側の端と巻取ローラ19との間からトラ
バースガイド25の先端が突出しており、巻取ローラ1
9に接して回転するパッケージPに至る糸Yに係合して
いる。糸Yは、ガイドGを経て、カバーCの上面に沿っ
てトラバースガイド25に至る糸道を有している。後述
する緊張装置D及び張力調整装置Eは、この糸Yに干渉
することがないように、カバーC内に収められている。
【0031】次に、ベルト24の緊張装置D、及び張力
調整装置Eについて説明する。図4、図5に示すよう
に、駆動プーリ23に直接的に連結された電動モータ2
7をベルトループの外側方向(ベルト24を張る方向)
に押圧付勢することにより、ベルト24を緊張させる構
造を採っている。緊張装置Dは、電動モータ27を垂下
姿勢で装備した状態で装置固定部である枠板34に対し
て所定範囲内でスライド自在なスライド板33と、この
スライド板33を枠板34上においてベルト緊張方向に
押圧付勢する一対の巻きバネ35,35(張力付与部
材)とから構成されている。尚、従動プーリ22は、枠
板34に回転自在に支持されている。
【0032】スライド板33の後端部には、枠板34に
取付けられた支持部材57にスライド自在に貫通支持さ
れる左右一対の支持棒40,40が、かつ、前端部に
は、枠板34から立設固定されたブラケット60にスラ
イド自在に貫通支持される一個の表示棒41が夫々突設
してあり、これらに案内されてスライド板33が枠板3
4にスライド移動できるようにしてある。尚、支持棒4
0には巻きバネ35が囲繞されており、枠板34には電
動モータ27の回転軸を通すための長孔34aが形成さ
れている。又、スライド板33には、相対移動時に枠板
34に設けられた縦バー44の移動を許容する左右一対
の長孔33aが形成されている。
【0033】張力調整装置Eは、枠板34とこれに固定
された上枠部材34Aとに亘って架設された左右一対の
縦バー44,44と、これら縦バー44にスライド自在
に貫通支持された上下の軸体45,46と、各軸体4
5,46に対して回動自在に枢支された上下のクランク
アーム47,48と、これら両者47,48に跨って貫
通支承される支点軸49と、下クランクアーム48とス
ライド板33との間に配置されて両縦バー44,44に
貫通ガイドされた押圧板(切換部材の一例)50と、支
点軸49とブラケット60とに亘って架設された引張り
巻きバネ(弾発部材の一例)51とで成る係止機構K、
及び、支点軸49とクレードルアーム18とに亘って張
架されて連係操作手段Rを構成する連動ワイヤー(連動
部材の一例)52から構成されている。
【0034】つまり、後述するように、係止機構Kは、
巻きバネ(弾性部材の一例)35,35の押圧付勢力に
抗して駆動プーリ(テンション部材の一例)23を係止
固定及び解放自在なものに構成されている。そして、後
述するように、連動ワイヤー52が、設定時間毎に駆動
プーリ23の係止固定が一時的に解放され、それ以外で
は駆動プーリ23が係止固定される状態に係止機構Kを
操作する連係操作手段Rの一例として機能する。係止機
構Kにより駆動プーリ23を係止固定した状態では、枠
板34に対して駆動プーリ23は位置変更不能であり、
それを解放した状態では、駆動プーリ23は枠板34に
対してベルト24が緊弛する方向に移動自在となる。
【0035】連動ワイヤー52は、枠板34に支持され
るガイドローラ53や、その他の複数のガイドローラ5
4によって案内されており、揺動軸42によって揺動自
在なクレードルアーム18の所定以上の揺動移動によっ
て初めて連動ワイヤー52を引っ張るための融通機構5
5が装備されている。融通機構55は、連動ワイヤー5
2を相対スライド自在に貫通下状態でクレードルアーム
18に枢支される二股ブラケット56と、ワイヤー先端
に固定されたストッパー52aと二股ブラケット56と
の間に介装された巻きバネ58とで構成されている。
【0036】次に、これら緊張装置Dと張力調整装置E
の作用について説明する。図4は枠板34が、つまり
は、駆動プーリ23の位置が係止固定されている位置固
定状態を示している。即ち、引張り巻きバネ51が支点
軸49をブラケット60側(図4における左側)に強力
に引張っているので、上下のクランクアーム47,48
で成る腰折れリンクが開き移動しようとすることから、
上枠部材34Aに対して腰折れリンクが相対的に下方に
移動しようとする動きになり、その結果、下クランクア
ーム48に押される押圧板50がスライド板33を枠板
34に押し付け、巻きバネ35,35の付勢力に抗して
スライド板33を摩擦力によって係止固定するのであ
る。
【0037】ボビンBに糸Yが満巻きとなると、満巻き
パッケージPをストッカ32に取り出すべくオートドッ
ファ1が作動し、クレードルアーム18が上昇揺動して
連動ワイヤー52を大きく引張る。すると、融通機構5
5による作動領域を越して連動ワイヤー52が引張られ
るので、引張り巻きバネ51の付勢力に抗して支点軸4
9が支持部材57側(図4における右側)に動かされ
て、押圧板50による押圧作用が解除され、図6に示す
ように、スライド板33がスライド自在となるベルト緊
張状態が現出される。
【0038】この状態では、一対の巻きバネ35,35
の付勢力がスライド板33に作用し得る状態であるか
ら、そのときにベルト24に弛みがあれば、その弛みが
解消されるとともにベルト24を適度に緊張する作用が
一瞬のうちに行われる。パッケージPが玉揚げされ、次
の空ボビンBを巻取機構30にセットすべく、上昇して
いたクレードルアーム18が下降揺動すると、連動ワイ
ヤー52による支点軸49の引張り作用が解除されるの
で、引張り巻きバネ51が支点軸49を引張り、下クラ
ンクアーム48が押圧板50を介してスライド板33を
枠板34に強力に押付け、再び駆動プーリ23の位置を
係止固定する図4に示す位置固定状態が現出されるので
ある。
【0039】尚、ボビンBへの糸Yの巻取りが進行する
に従って巻取り径が大きくなり、クレードルアーム18
が次第に上昇揺動するようになるが、満巻きとなったと
きのクレードルアーム18の位置では、融通機構55の
作動領域内にあり、連動ワイヤー52は未だ引張られて
いない。
【0040】つまり、玉揚げ作動毎にスライド板33の
係止固定が一時的に解除されて、駆動プーリ23を付勢
してベルト24が緊張される状況がもたらされ、それ以
外ではその緊張された状態でスライド板33が動かない
ように係止固定されるのであり、玉揚げ作動毎にベルト
24の緊張力が更新されて行くようになる。
【0041】即ち、駆動プーリ23がスライド板33と
共に図4の糸走行方向上流側に移動することにより、ベ
ルト24の緊張力が更新され、その移動に伴ってスライ
ド板33に取り付けられた表示棒41が突出方向に移動
する。表示棒41の突出量は、ベルト24の伸び量に対
応して変化する。この表示棒41の突出量を目視確認す
ることにより、ベルト24の交換時期を認識することが
できる。
【0042】〔別実施形態〕 《1》 図7に示すように、駆動プーリ23、一対の従
動プーリ22,22以外に専用の緊張ローラ59を設
け、この緊張ローラ59利用の緊張機構Dと、一定時間
毎の一時的にのみ緊張ローラ59の位置係止固定を解除
してベルト緊張状態にする張力調整装置Eとを設けたト
ラバース装置Tでも良い。
【0043】《2》 図8に示すように、1個の駆動プ
ーリ23と1個の従動プーリ22とに亘って巻回された
ベルト24において、駆動プーリ23を緊張輪体とした
緊張機構Dと、この駆動プーリ23に作用する張力調整
装置Eとを設けたトラバース装置Tとしても可である。
又、この2個プーリ構造において従動プーリ22利用の
緊張機構Dを構成するとか、別途、専用の緊張ローラー
を設けるものでも良い。
【0044】《3》 張力調整装置Eは、前記した構造
のものに限定されるものではなく、例えば、スライド板
33を圧接しての摩擦保持及び解除が自在なソレノイド
利用の電磁クラッチと、満巻きパッケージPを取出すべ
くクレードルアーム18の上昇揺動によってONとな
り、巻取り状態のときにはOFFとなるスイッチとを設
けて、玉揚げ作動毎にベルト緊張状態となり、それ以外
では位置固定状態になる電気式のものでも良い。
【0045】《4》 又、張力調整装置Eを、スライド
板33を係止固定する手段として機械式又は電気式のも
のを装備するとともに、一定時間毎に信号指令を出す等
の作動が行われるタイマー手段を設け、一定時間毎にス
ライド板33の押圧力を解除して、駆動プーリ23の緊
張作用が一時的に再現されるように構成することも可能
である等、種々の変更が可能である。
【0046】《5》 特開平10−250938号公報
において示されたように、正転用と逆転用との一対の無
端回動帯を備えたトラバース装置Tに、本発明を適用す
ることも可能である。
【0047】《6》 ベルト74の伸びを表示棒41で
検出するものに代わり、駆動プーリ23が所定の位置に
達したこと、又はベルト装着後における駆動プーリ23
の移動量が所定量に達したことを検出する検出器を設
け、制御器28は、その検出信号に基づいてランプ等の
報知手段を作動させるようにしてもよい。
【0048】《7》 上述したトラバース装置が適用さ
れる繊維機械は、延伸仮撚機に限定されるわけではな
く、自動ワインダ、紡糸巻取機、紡績機、多重撚糸機、
合糸機等、糸条巻取機構を有する種々の繊維機械に適用
される。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に記載のトラバース装置では、設定時間毎にテンション
部材の係止固定が一時的に解放され、それ以外ではテン
ション部材が係止固定される状態に、係止機構を操作す
る連係操作手段を設けたので、無端回動帯を弛むこと無
く適度に緊張しながら、張力変動等に起因した無端回動
帯のループ内外方向に揺れ動いたりばたついたりしない
ようにテンション部材を固定することが自動的に行われ
るようになり、定期的にテンション部材が機能するよう
に人為操作を行うことが不必要になり、メンテナンスフ
リーで便利なものにできた。
【0050】請求項2に記載のトラバース装置では、糸
の巻取機構の一環として備わっている玉揚げ装置を利用
して連係操作手段を構成したので、専用の連係操作手段
が省略できて経済的に請求項1の構成による前記効果を
奏することができた。
【0051】請求項3に記載のトラバース装置では、比
較的シンプルな機械的手段によって請求項1又は2の構
成によるいずれかの前記効果を奏することができた。
【0052】請求項4に記載のトラバース装置では、請
求項1〜3の構成によるいずれかの前記効果を奏すると
ともに、振動源である駆動輪体を緊張輪体に兼用するこ
とにより、より一層無端回動帯のばたつきが抑制されな
がら合理化が図れる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】仮撚加工機の概略構造を示す側面図である。
【図2】巻取機構とオートドッファとを示す側面図であ
る。
【図3】巻取機構及びトラバース装置を示す概略図であ
る。
【図4】トラバース装置のベルトの緊張機構と張力調整
装置とを示す一部切欠きの側面図である。
【図5】図4に示す緊張機構と張力調整装置との平面図
である。
【図6】スライド板の押圧が解除されたベルト緊張状態
を示す張力調整装置の作用図である。
【図7】無端回動帯の別緊張構造を示す概略図である。
【図8】無端回動帯のその他の別緊張構造を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 玉揚げ装置 22 従動輪体 23 駆動輪体 24 無端回動帯 25 トラバースガイド 27 駆動モータ 30 巻取機構 34 装置固定部 35 弾性部材 50 切換部材 51 弾発部材 52 連動部材 T トラバース装置 B ボビン D 緊張機構 K 係止機構 P 巻取りパッケージ R 連係操作手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪体と従動輪体とに亘って巻回され
    る無端回動帯にトラバースガイドを取付け、前記駆動輪
    体の正転及び逆転駆動の繰返しにより、前記トラバース
    ガイドで案内される糸条をボビンの軸方向にトラバ−ス
    させるとともに、前記無端回動帯を緊張する緊張機構を
    設けてあるトラバース装置であって、 前記緊張機構を、前記無端回動帯に接触するテンション
    部材と、このテンション部材を前記無端回動帯の張り方
    向に付勢する張力付与部材とから構成し、前記張力付与
    部材の付勢力に抗して前記テンション部材の位置を係止
    固定及び解放自在とする係止機構を設けるとともに、設
    定時間毎に前記テンション部材の係止固定が一時的に解
    放され、それ以外では前記テンション部材が係止固定さ
    れる状態に、前記係止機構を操作する連係操作手段を設
    けてあるトラバース装置。
  2. 【請求項2】 ボビンに糸条がトラバースされながら満
    巻きされた満巻きパッケージを、次工程に移すべく巻取
    機構から取出す玉揚げ装置を設けるとともに、この玉揚
    げ装置による前記満巻きパッケージの取出し作動に伴っ
    て前記テンション部材の係止固定が解放され、前記玉揚
    げ装置の非作動状態では前記テンション部材が係止固定
    されるように、前記玉揚げ装置と前記係止機構とを連動
    させる連動部材を設けることにより、前記連係操作手段
    が構成されている請求項1に記載のトラバース装置。
  3. 【請求項3】 前記係止機構は、前記テンション部材を
    装置固定部に圧接して係止固定自在するための弾発部材
    を設けるとともに、この弾発部材の付勢力が前記テンシ
    ョン部材に作用して該テンション部材の位置を係止固定
    する固定状態と、前記弾発部材の付勢力による前記テン
    ション部材の係止固定を解除する解除状態とに切換える
    切換部材を設けて構成されている請求項1又は2に記載
    のトラバース装置。
  4. 【請求項4】 前記テンション部材が、駆動モータを備
    えた前記駆動輪体である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のトラバース装置。
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