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JP2002370772A - 易開封性ブリスターパック - Google Patents

易開封性ブリスターパック

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Publication number
JP2002370772A
JP2002370772A JP2001177332A JP2001177332A JP2002370772A JP 2002370772 A JP2002370772 A JP 2002370772A JP 2001177332 A JP2001177332 A JP 2001177332A JP 2001177332 A JP2001177332 A JP 2001177332A JP 2002370772 A JP2002370772 A JP 2002370772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blister pack
lid
easy
resin
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001177332A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Kimura
和幸 木村
Masatsuki Yamanaka
昌月 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yupo Corp
Original Assignee
Yupo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yupo Corp filed Critical Yupo Corp
Priority to JP2001177332A priority Critical patent/JP2002370772A/ja
Publication of JP2002370772A publication Critical patent/JP2002370772A/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品取り出し後にゴミとして廃棄する場合の
分別が必要なく、引き裂き性を付与することで易開封性
を有し、商品を容易に取り出せるポリプロピレン系樹脂
の容器とポリオレフィン系樹脂の蓋体からなるブリスタ
ーパックを提供する。 【解決手段】 蓋体(i)と内容物収納体(ii)から成
るブリスターパックであって、蓋体(i)が不透明度7
0%以上である熱可塑性樹脂の1軸延伸フィルムからな
り、開封時に蓋体(i)が容易に延伸方向に引き裂ける
ものであることを特徴とする易開封性ブリスターパッ
ク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブリスターパック
と呼ばれる包装体に関し、該包装体に収容された内容物
を該包装体から取り出す際に、容易に取り出すことがで
きるポリプロピレン系樹脂の容器と蓋体からなる包装体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、ブリスターパック用の蓋材は紙で
形成されている。このブリスターパックは水濡れに弱い
だけでなく、ブリスターパックから商品を取り出した
後、ゴミとして廃棄する場合、内容物収納体であるプラ
スチック成形体と紙製の蓋体とを仕分けする必要があ
る。そこで、最近では紙製の蓋体の代替として熱可塑性
樹脂を素材としたフィルムが使用され、このフィルムと
内容物収納体であるプラスチック成形体の外周部とを熱
または溶断にてシールすることにより優れた接着強度が
付与されたブリスターパックが提供されている。しか
し、このブリスターパックは優れた接着強度を持つが
故、商品を取り出し易くする為に開封開始端となる部分
が設けられているが、開封時に開封開始端から該フィル
ムを引き裂く際には、引き裂き方向が一定しなかった
り、フィルムが容易に伸びてしまったり等、容易に該フ
ィルムが引き裂けない場合や、引き裂いても部分的にフ
ィルムが内容物収納体接着部に残り、速やかに商品が取
り出せない等の易開封性が十分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、商品取り出
し後にゴミとして廃棄する場合の分別が必要なく、引き
裂き性を付与することで易開封性を有し、商品を容易に
取り出せるポリプロピレン系樹脂の容器とポリオレフィ
ン系樹脂の蓋体からなるブリスターパックを提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決にするため、鋭意検討を進めた結果、蓋体として
ポリオレフィン系樹脂に無機微細粉末及び/又は有機微
細フィラーを適量配合して1軸延伸された多層樹脂延伸
フイルムを用いることにより、本発明の目的にかなう特
性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、蓋体(i)と内容物収納体(ii)か
ら成るブリスターパックであって、蓋体(i)が不透明
度70%以上である熱可塑性樹脂の1軸延伸フィルムか
らなり、開封時に蓋体(i)が容易に延伸方向に引き裂
けるものであることを特徴とする易開封性ブリスターパ
ックである。
【0005】第1図は本発明の易開封性ブリスターパッ
クの正面図であり、第2図はその側面図であり、第3図
は易開封性ブリスターパックの開封時の概略図である。
本発明は、第1図において、蓋体(i)を内容物収納体
(ii)の外周部に沿って熱または溶断にて接着、密封し
たブリスターパックを示し、蓋体(i)に1軸方向に延
伸された熱可塑性樹脂フィルムを使用することで、第3
図に示す様に開封時に蓋体(i)が容易に延伸方向に引
き裂けることで、簡単に内容物を取り出せる易開封性ブ
リスターパックを提供する。
【0006】本発明の蓋体(i)である熱可塑性樹脂多
層構造体の不透明度(JIS−P8138)は70%以
上であり、蓋体(i)において、内容物収納体(ii)か
ら内容物を取り出し易くする為に、延伸配向方向である
縦方向と横方向のエルメンドルフ引裂強さ(JIS−P
8116)の比(CD/MD) は1.5以上、好ましくは3以
上であり、延伸配向方向のエルメンドルフ引き裂き強さ
が1kgf/cm以上である。また第1図に示すように、蓋体
(i)に延伸方向と直交するように開封開始端となるミ
シン目(iii )を少なくとも1箇所設け、さらに第2図
のようにミシン目(iii )に指等Fで力を加える開封開
始端とする。
【0007】本発明の蓋体(i)である熱可塑性樹脂多
層構造体には、ポリオレフィン系樹脂(A)40〜90
重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー(B)6
0〜10重量%を含有する1軸延伸フイルムを基材層と
し、その少なくとも片面にはポリオレフィン系樹脂
(C)70〜100重量%、帯電防止剤(D)30〜0
重量%、無機微細粉末及び/又は有機フィラー(B)3
0〜0重量%含有する表面層(ロ)からなり、ポリオレ
フィン系樹脂(C)の融点は80℃〜140℃である。
本発明におけるブリスターパックは、内容物収納体(i
i)が熱成形により成形されたポリプロピレン系シート
容器に商品物体を収納し、該容器に両面印刷が施された
1軸延伸フィルムである蓋体(i)を重ね、上面より熱
または溶断にてシールした易開封性ブリスターパックで
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に於いて、本発明の易開封性
ブリスターパック用蓋体の実施形態について詳細に説明
する。 [易開封性ブリスターパック用蓋体の構成]本発明にお
ける易開封性ブリスターパック用の蓋体(i)は、基材
層(イ)に表面層(ロ)を積層した構造単位を含む熱可
塑性樹脂フイルムで構成された蓋体である。この構造単
位は、基材層(イ)の両面に表面層(ロ)を積層した構
造であってもよい。基材層(イ)はポリオレフィン系樹
脂(A)と無機微細粉末及び/又は有機フィラー(B)
を含有するものである。表面層(ロ)は融点が80℃〜
140℃であるポリオレフィン系樹脂(C)、帯電防止
剤(D)、無機微細粉末及び/又は有機フィラー(B)
を含有するものである。
【0009】基材層(イ)に使用するポリオレフィン系
樹脂(A)としては、その種類は特に限定されない。好
ましくはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、ヘプテン−1、4−メチルペンテ
ン−1等の炭素数が2〜8のα−オレフィン単独重合
体、またはこれらα−オレフィンの2種以上の共重合体
が挙げられる。具体的には、高密度ポリエチレン、プロ
ピレン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、プ
ロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・エチレン
・ブテン−1共重合体、プロピレン・3−メチルペンテ
ン−1共重合体が挙げられる。特に好ましいのはプロピ
レン単独重合体である。尚、本明細書に於いて「〜」は
その前後に記載される数値を包含する範囲を意味する。
【0010】ポリオレフィン系樹脂(A)としては、そ
のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)
が0.5〜30g/10分の範囲であるのが好ましい。
基材層(イ)に使用する無機微細粉末としては、重質炭
酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タル
ク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、珪藻土、酸化珪素等を例示することが出来る。
中でも重質炭酸カルシウム、酸化チタン、を使用すれ
ば、安価で延伸時に多くの空孔が形成され白色不透明な
フィルム蓋体を得ることができ好ましい。
【0011】有機フィラーとしては、熱可塑性樹脂フィ
ルムがオレフィン系樹脂フィルムである場合は、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、
環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレ
ンとの共重合体等であって、融点が120〜300℃、
ないしはガラス転移温度が120〜280℃を有するも
のを挙げることができる。なかでも、環状オレフィンの
単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体を
用いることがハンドリングの点で好ましい。
【0012】基材層(イ)には、上記の微細粉末の中か
ら1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種
以上を選択して組み合わせて使用してもよい。微細粉末
の好ましい平均粒子径の範囲は0.1〜30μmであ
る。粒子径が0.1μm未満ではポリオレフィン系樹脂
に混合したときに分散不良による凝集物の発生が多く、
延伸切れの原因ともなる。また、延伸による空孔形成が
困難となり所望の白色不透明な延伸フイルム蓋体が得ら
れない。平均粒子径が30μmを超えると、延伸性が大
きく低下し延伸切れが多くなる。また、表面層(ロ)に
突起として現れ、表面平滑性が低下し高精細な印刷が出
来なくなる。
【0013】表面層(ロ)に使用するポリオレフィン系
樹脂(C)は、DSCによる融解ピーク温度が80℃〜
140℃、更に好ましくは100℃〜140℃の範囲で
あるものが、ブリスターパック用蓋体として必要なシー
ル強度(400g/cm以上)を得るのに好ましい。融
解ピーク温度が80℃未満では、蓋体(i)を延伸成形
する際、ロールやクリップに融着して成形性が著しく悪
化する。具体的には、プロピレン・エチレンランダム共
重合体、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体
(アルキル基の炭素数は1〜4)およびサーリン(商品
名)が挙げられる。好ましくは、メタロセン触媒で重合
されたプロピレン系ランダム共重合体が好ましい。
【0014】表面層(ロ)に使用する無機微細粉末及び
/又は有機フィラーとしては、基材層(イ)での説明で
挙げた無機微細粉末及び/又は有機フィラーを使用する
ことができる。表面層(ロ)に使用する帯電防止剤
(D)としては、ポリプロピレン系樹脂、芳香族環含有
ポリエーテルエステルアミド、ポリアミド樹脂及び変性
低分子量ポリプロピレンからなる樹脂組成物が低温での
シール強度の低下を少なくすることと、印刷適性を向上
させる点で好ましい。これら樹脂組成物は混合して使用
してもよく、また芳香族環含有ポリエーテルエステルア
ミド樹脂の重合過程で変性低分子量ポリプロピレンを共
重合して得られたものとポリアミド樹脂及びポリプロピ
レンを混合したものでもよい。基材層(イ)は、ポリオ
レフィン系樹脂(A)40〜90重量%、無機微細粉末
及び/又は有機微細フィラー(B)10〜60重量%を
含有する樹脂組成物を延伸することにより形成する。基
材層(イ)におけるポリオレフィン系樹脂(A)は、多
層樹脂延伸フイルムである蓋体(i)の強度、剛性、耐
熱性に寄与するので配合量は40重量%以上にする。4
0重量%未満では十分な強度、剛性、耐熱性が得られな
くなり、さらには延伸切れ等が発生し成形性が大きく低
下する。
【0015】また、基材層(イ)における無機微細粉末
及び/又は有機フィラー(B)の配合量は多層樹脂延伸
フィルムである蓋体(i)の不透明度に寄与するので1
0重量%以上にする。10重量%未満ではブリスターパ
ック用台紙として必要な不透明度が70%以上、より好
ましくは80%以上を有するフィルム蓋体が得られな
い。また60重量%を超えて配合すると、延伸切れや膜
割れ等が発生し成形性が大きく低下する。表面層(ロ)
はポリオレフィン系樹脂(C)70〜100重量%、帯
電防止剤(D)30〜0重量%、無機微細粉末及び/又
は有機微細フィラー(B)30〜0重量%を含有する樹
脂組成物を延伸することにより形成する。
【0016】表面層(ロ)におけるポリオレフィン系樹
脂(C)は、多層樹脂延伸フイルムである蓋体(i)の
熱及び溶断シール強度、表面光沢度に寄与するので70
重量%以上にする。70重量%未満では熱及び溶断での
シール強度が低下し、ブリスターパックにした場合、容
器内に入れた商品が搬送時や店で展示した時等に飛び出
す危険性が高くなる。また、表面層(ロ)における無機
微細粉末及び/又は有機フィラー(B)の配合量は多層
樹脂延伸フイルムである蓋体(i)の熱及び溶断シール
強度、表面光沢度に寄与するので30重量%未満にす
る。印刷特性を考慮すると表面インキ密着性が良好な1
0〜20重量%が好ましい。表面層(ロ)における帯電
防止剤(D)は、印刷適性におけるインキ密着性、枚葉
オフセット印刷における給排紙性、インキ密着に寄与す
るので3重量%〜30重量%が好ましい、30重量%を
超えては熱及び溶断シール強度の低下が大きい。
【0017】基材層(イ)及び表面層(ロ)の樹脂組成
物には必要に応じて、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防
止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、分散剤等を配
合してもよい。これらは3重量%以下の割合で配合する
のが好ましい。製造する多層樹脂延伸フイルム蓋体の全
厚さは、40〜400μmが好ましく、より好ましくは
60〜350μm、更に好ましくは80〜300μmの
範囲である。基材層(イ)の厚さは全厚さの50%〜8
0%が好ましい。
【0018】[易開封性ブリスターパック用蓋体の製造
と加工]本発明の易開封性ブリスターパック用蓋体は、
当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって
製造することができる。いかなる方法により製造された
易開封性ブリスターパック用蓋体であっても、本発明に
記載された条件を満たすものである限り本発明の範囲内
に包含される。本発明の易開封性ブリスターパック用蓋
体を構成する各層は、上記ポリオレフィン系樹脂
(A)、無機微細粉末及び/又は有機フィラー(B)、
ポリオレフィン系樹脂(C)、帯電防止剤(D)を所定
の割合で混合し、押出し等の方法により形成することが
できる。その後、積層と1軸延伸を行うことにより、易
開封性ブリスターパック用蓋体(i)を製造することが
できる。
【0019】本発明の易開封性ブリスターパック用蓋体
(i)は基材層(イ)と表面層(ロ)を別々に延伸した
後に積層することによって製造しても良いし、基材層
(イ)と表面層(ロ)を積層した後にまとめて延伸して
製造しても良い。これらの方法は適宜組み合わせること
もできる。好ましい製造方法は基材層(イ)と表面層
(ロ)を積層した後にまとめて延伸する工程を含むもの
である。別個に延伸して積層する場合に比べると簡便で
あり製造コストも安くなる。延伸には、従来公知の種々
の方法を使用することができる。延伸は各層に用いる樹
脂の中で一番低い融点を有する樹脂の融点より5℃以上
低い温度で行うのことが好ましく、延伸は1軸方向に延
伸する。ブリスターパック用蓋体として使用した時の収
納商品を取り出す際に、蓋体が1方向に直線的に引き裂
かれるので、商品を容易に取り出すことができる。
【0020】1軸延伸の具体的な方法としては、ロール
群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブン
を利用したクリップ延伸などを挙げることができる。中
でも1軸方向のロール間延伸によれば、延伸倍率を任意
に調整して、任意の剛性、不透明度、光沢度のフイルム
を得ることが容易であるので好ましい。延伸倍率は特に
限定される物ではなく、本発明の易開封性ブリスターパ
ック用蓋体の使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して
決定する。通常は2〜11倍の範囲内で延伸する。中で
もロールの周速差を利用したロール間延伸では2〜7
倍、熱オーブン中で行うクリップ延伸の場合は5〜11
倍で延伸することがより好ましい。
【0021】延伸後には熱処理を行うのが好ましい。熱
処理の温度は、延伸温度から延伸温度より30℃高い温
度の範囲内を選択することが好ましい。熱処理を行うこ
とにより、延伸方向の熱収縮率が低減し、製品保管時の
巻き締まりや、熱及び溶断シール時の収縮による波打ち
等が少なくなる。熱処理の方法はロール及び熱オーブン
で行うのが一般的であるが、これらを組合わせてもよ
い。これら処理は延伸したフイルムを緊張下に保持され
た状態において熱処理するのが高い処理効果が得られる
ので好ましい。また、必要に応じて表面にコロナ処理や
プラズマ処理を施すと、印刷インキの密着性が向上する
などの利点があるため望ましい。更にはその上に帯電防
止剤やアンカー剤等を塗布またはコーティングして使用
してもよい。
【0022】本発明の易開封性ブリスターパック用蓋体
の表面層(ロ)及び裏面に使用目的に応じて印刷を行な
うことができる。印刷の種類や方法は特に限定されな
い。例えば公知のビヒクルに含量を分散したインクを用
いたグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印
刷、オフセット印刷、シール印刷、UVオフセット印
刷、オフセット輪転印刷等の公知の印刷手段を用いて印
刷することができる。また金属蒸着、金属箔押し、ニス
コート、溶融熱転写印字などの印刷をすることもでき
る。本発明の易開封性ブリスターパック用蓋体のJIS
−P−8138で測定された不透明度は70%以上が好
ましく、より好ましくは80%以上である。不透明度が
70%未満ではブリスターパック用台紙の両面に印刷が
施された場合、片面に印刷された文字や絵柄が反対面に
透過して見える為に、台紙裏面にバーコードなどを印字
して商品管理を行う場合にバーコードの読みとり不良が
生じる。
【0023】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験を挙げて本
発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例示す材
料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は本発明を逸
脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は
以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきもので
はない。以下の実施例および比較例で使用する材料を表
1にまとめて示す。なお、表中のMFRはメルトフロー
レートを意味する。 (実験例1) 〔芳香族環含有ポリエーテルエステルアミドの製造〕内
容量3リットルのステンレス製オートクレーブ内に、1
2−アミノデカン酸110部、アジピン酸16.3部、
イルガノックス・1010(チバガイギー社製酸化防止
剤:商品名)0.3部及び水7部を仕込み、オートクレ
ーブ内を窒素ガスで置換した後、220℃の温度で加圧
密閉下4時間加熱攪拌し、両末端にカルボキシル基を有
する酸価107のポリアミドオリゴマーを117部得
た。次に、数平均分量2,000のビスフェノールAエ
チレンオキサイド付加物225部、酢酸ジルコニル0.
5部を加え、245℃、1mmHg以下の減圧の条件下
で5時間重合し、ポリマーを得た。このポリマーをベル
ト上にストランド状で取り出し、ペレタイズすることに
よってポリエーテルエステルアミドを得た。このものの
還元粘度(ηsp/C、m−クレゾール溶媒、25℃、
C=0.5重量%)は2.1であった。 (実施例2) 〔変性低分子量ポリオレフィンの製造〕熱減成して得ら
れた数平均分子量3,000、密度0.92g/cm3
の低分子量ポリエチレン95部と無水マレイン酸5部及
びキシレン60部を窒素気流下140℃の温度で溶融
し、次いでこれにターシャリーブチルパーオキサイド
1.5部を溶かしたキシレン50%溶液を15分かけて
滴下し、その後1時間反応を行なった。反応終了後、溶
剤を留去して酸変性低分量ポリプロピレンを得た。この
ものの数平均分子量は5,000であった。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例1〜7および比較例1〜4)以下
の手順に従って本発明の易開封性ブリスターパック用蓋
体(実施例1〜7)および比較用の易開封性ブリスター
パック用蓋体(比較例1〜4)を製造し、さらにこれら
を用いてブリスターパックを製造した。表2に各フイル
ム蓋体の製造にあたって使用した材料の種類と量(重量
%)、延伸条件、表3に得られたフイルムの物性、表4
に製造した易開封性ブリスターパックのシール強度、開
封性及び内容物が飛び出す危険性について示した。上記
ポリオレフィン系樹脂、微細フィラーを混合することに
よって、配合物[A]及び[B]を調整した。配合物
[A]、配合物[B]を250℃に設定された3台の押
出機で溶融混練し、ダイ内で配合物[A]の表裏側に配
合物[B]を積層して押出成形し冷却装置にて70℃ま
で冷却して、3層の無延伸シートを得た。
【0026】形成された3層の無延伸シートを所定の温
度に加熱した後、縦方向にロール間で所定の倍率で延伸
し、延伸後に延伸温度より20℃高い温度で熱処理を行
い、1軸延伸フイルムを得た。ただし、比較例3では前
記同様の1軸延伸フイルムを得て、次いで155℃に加
熱した後、テンター延伸機を用いて横方向に9倍延伸
し、延伸後に延伸温度より20℃高い温度で熱処理を行
い、2軸延伸フイルムを得た。また、比較例4では延伸
を行わなかった。得られた多層樹脂延伸フイルムおよび
多層無延伸フィルムの両面に放電処理機(春日電機
(株)製)を用いて40w/m2 ・分のコロナ処理を行
って多層樹脂延伸フイルムを得た。
【0027】次いで、これらの多層樹脂延伸フイルムの
表面及び裏面に、商品名や能書き及び表品管理を行うた
めのバーコード等の情報をUVオフセット印刷(イン
キ;T&K、TOKA(株)製:商品名「ベストキュア
ー161S」)を施した。これらのフィルムの層厚さ、
物性は表3に示す通りであった。これらの多層樹脂延伸
フイルムの表面に乾電池を収容した内容物収納体である
ポリプロピレンを主成分とした透明なブリスターケース
を重ね合わせ、熱シーラー(杉原鉄工(株)製)でブリ
スターケースのフランジ部に熱シールした。
【0028】(試験例)製造した各多層樹脂フイルム蓋
体について、不透明度、印刷適性、および引裂強度につ
いて評価した。各試験の詳細は以下に示すとおりであ
る。 1)不透明度 製造した多層樹脂延伸フィルムについて、測定機(スガ
試験機(株)製:商品名「SMカラーコンピュータ
ー」)を用いてJIS−P−8138に準拠して測定し
た。 2)引裂強度 製造した多層樹脂延伸フィルムにおいてのエルメンドル
フ引裂強度については、測定器(東西精機(株)製:商
品名「デジタル式エルメンドルフ引き裂き試験機」を用
いてJIS−P−8116の測定法で測定し、延伸方向
であるMD方向と延伸方向と直角方向であるCD方向の比
を測定した。
【0029】3)印刷適性 製造した各多層樹脂延伸フイルム台紙を菊全版(636
mm×939mm)サイズで1000枚を、インキ(T
&K TOKA(株)社製:商品名「ベストキュアー1
61S」)を用いて、ハイデルベルグ社UVオフセット
印刷機で7000枚/分の速度で印刷を両面に行なっ
た。 イ)排紙性の評価は下記の基準により評価した。 ○:1000枚連続で問題なく給排紙された。 △:給紙で1〜3回の機械停止があった。 ×:給紙で4回以上の機械停止があり且つ、排紙部で揃
わない。 ロ)インキ密着性の評価 得られた印刷物のベタ印刷された面に粘着テープ(ニチ
バン(株):商品名「セロテープ」)を貼り付けて十分
に押し付けた後、粘着テープを粘着面に対して90度の
方向に一定の速度で引き剥した。延伸フイルム台紙から
のインキの取られ方を肉眼で観察し下記の基準で評価し
た。 ○:全くインキが剥がれない。 △:テープの剥離時に抵抗はあるがインキのほとんどが
剥がれ、実用上問題がある。 ×:テープの剥離時に抵抗がなくインキの全量が剥がれ
て、実用上使用できない。 4)シール強度 製造した多層樹脂延伸フイルム台紙と厚さ0.2mmの
ポリプロピレン系透明シート(出光石油化学(株)製:
商品名「ピュアーソフティ」)を重ね合わせ、富士イン
パルス(株)社製インパルスシーラー商品名:「FI−
400Y」を用いて下記条件でシールし、シールされた
シール部を10mm幅に断裁して、引っ張り速度30m
m/分で180度剥離試験をおこないシール強度を求め
た。 イ)溶断シール強度 シールバー:1mmφ熱線 保持時間:5.5秒 加熱温度:接着部温度約180℃ 加熱時間:1.5秒 ロ)熱シール シールバー:5mm幅の熱板 保持時間:5.5秒 加熱温度:接着部温度約180℃ 加熱時間:1.5秒
【0030】5)易開封性評価 製造した多層樹脂延伸フイルムである蓋体と内容物収納
体であるポリプロピレン系透明シートを重ね合わせてシ
ールし、内容物を取り出す為の開封性について以下の基
準で評価した。なお内容物については、三菱電機(株)
製の単三乾電池商品名:「パワーアルカリ」を使用し
た。 ○:引裂方向が一方向に直線的に引き裂ける。 △:引裂方向が一定しない。 ×:引き裂き方向が一定せず、かつフィルム蓋体が容易
に伸びる。
【0031】6)内容物の飛び出す危険性の評価 製造した多層樹脂延伸フイルムである蓋体と内容物収納
体であるポリプロピレン系透明シートを重ね合わせてシ
ールし、このブリスターパックのフランジ部を摘み、上
下左右に100回振って内容物が飛び出す危険について
以下の基準で評価した。なお内容物については、三菱電
機(株)製単三乾電池、商品名:「パワーアルカリ」を
使用した。 ○:内容物が飛び出さない。 ×:内容物が飛び出す。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】以上の結果から明らかなように、本発明の
多層樹脂1軸延伸フィルム蓋体は、不透明性に優れ、ブ
リスターパックに加工した場合に、開封性とシール強度
に優れる。(実施例1〜7) これに対して、本発明の条件を外れている多層樹脂延伸
フィルムは特性が劣り実用性がない。(比較例1〜4)
【0036】
【発明の効果】本発明の多層樹脂延伸フイルム蓋体は、
白色不透明であり、ブリスターパック加工した場合に、
商品取り出しの際の開封性に優れた性質を有する。この
ため、本発明の多層樹脂延伸フイルム蓋体は、ブリスタ
ーパック用蓋体を始め、ヘッダーラベルの台紙、真空パ
ック包装用台紙、などに効果的に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の易開封性ブリスターパックの正面図で
ある。
【図2】本発明の易開封性ブリスターパックの側面図で
ある。
【図3】本発明の易開封性ブリスターパックの開封時の
概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 C08L 23/00 C08L 23/00 //(C08L 23/00 23:12 23:12 77:12 77:12 77:00 77:00 23:26 23:26) Fターム(参考) 3E067 AA11 BA33A BB16A BB18A CA21 CA30 EB03 EB10 FA01 FB02 FC01 GD10 4F100 AA08A AA08B AA21A AA21B AK03A AK03B AK05 AK06 AK07B AK49B BA02 BA07 CA22B CA23A CA23B EJ37 GB18 JA04A JL14 JN02 YY00A YY00B 4J002 BB001 BB031 BB055 BB061 BB071 BB122 BB141 BB151 BB203 BK005 CE005 CF065 CF075 CG005 CL004 CL015 CL035 CL083 DE076 DE106 DE136 DE236 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 FD015 FD016 FD102 FD103 FD104 GG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓋体(i)と内容物収納体(ii)から成
    るブリスターパックであって、蓋体(i)が不透明度7
    0%以上である熱可塑性樹脂の1軸延伸フィルムからな
    り、開封時に蓋体(i)が容易に延伸方向に引き裂ける
    ものであることを特徴とする易開封性ブリスターパッ
    ク。
  2. 【請求項2】 蓋体(i)が、熱可塑性樹脂多層構造体
    の1軸延伸フィルムからなり、横方向(CD)と縦方向(MD)
    のエルメンドルフ引裂強さの比(CD/MD) が1.5以上で
    あり、かつ延伸方向のエルメンドルフ引き裂き強さが1
    kgf/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の易
    開封性ブリスターパック。
  3. 【請求項3】 蓋体(i)が、延伸方向と直交するよう
    に開封開始端となるミシン目(iii )を直線状に少なく
    とも1箇所設けたことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の易開封性ブリスターパック。
  4. 【請求項4】 蓋体(i)の熱可塑性樹脂多層構造が、
    ポリオレフィン系樹脂(A)40〜90重量%に無機微
    細粉末及び/又は有機フィラー(B)60〜10重量%
    を含有する基材層(イ)と、その少なくとも片面にポリ
    オレフィン系樹脂(C)70〜100重量%、帯電防止
    剤(D)30〜0重量%、無機微細粉末及び/又は有機
    フィラー(B)30〜0重量%含有する表面層(ロ)か
    らなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の易開封性ブリスターパック。
  5. 【請求項5】 表面層(ロ)のポリオレフィン系樹脂
    (C)の融点が80℃〜140℃の範囲にある請求項4
    に記載のブリスターパック。
  6. 【請求項6】 表面層(ロ)の帯電防止剤(D)がポリ
    プロピレン系樹脂、芳香族環含有ポリエーテルエステル
    アミド、ポリアミド樹脂及び変性低分子量ポリプロピレ
    ンからなる樹脂組成分である請求項4または5に記載の
    ブリスターパック。
  7. 【請求項7】 無機微細粉末(B)が炭酸カルシウム、
    酸化チタンを主として含む配合物であることを特徴とす
    る、請求項4〜6に記載のブリスターパック。
  8. 【請求項8】 内容物収納体(ii)が、透明なポリプロ
    ピレン系シート容器である請求項1〜7に記載の易開封
    性ブリスターパック。
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