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JP2002364339A - 排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法

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Publication number
JP2002364339A
JP2002364339A JP2001167664A JP2001167664A JP2002364339A JP 2002364339 A JP2002364339 A JP 2002364339A JP 2001167664 A JP2001167664 A JP 2001167664A JP 2001167664 A JP2001167664 A JP 2001167664A JP 2002364339 A JP2002364339 A JP 2002364339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
catalyst
carbon
purifying
purification catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001167664A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamitsu Asanuma
孝充 浅沼
Shinya Hirota
信也 広田
Kazuhiro Ito
和浩 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001167664A priority Critical patent/JP2002364339A/ja
Publication of JP2002364339A publication Critical patent/JP2002364339A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒を目詰まりさせることなく排気ガスに含
まれるススの浄化効率を向上させる。 【解決手段】 内燃機関の排ガス中に含まれるススを、
活性酸素放出剤を担持した浄化触媒を用いて浄化する。
排気管には上流側の浄化触媒と下流側の浄化触媒とを設
けておき、上流側の浄化触媒では、排気ガス中のススを
選択的に捕集し、残余のススは通過させて、捕集したス
スのみを浄化する。下流側の浄化触媒では、上流側の浄
化触媒を通過したススを非選択的に捕集して、捕集した
ススを浄化する。こうすれば、上流側の浄化触媒と下流
側の浄化触媒とで分担しながらススを浄化することがで
きるので、効率よくススを浄化することができ、それだ
け触媒の目詰まりが発生し難くなる。上流側浄化触媒で
は大きなススのみ捕集して、小さなススは積極的に通過
させたり、あるいはバイパス通路を設けて通過させるこ
ととしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の排気
ガス中に含まれる浮遊微粒子を浄化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、特にディーゼル機関の排気ガ
ス中には、黒煙(スス)などの浮遊微粒子が含まれてお
り、大気の汚染を防ぐために、大気中に放出される含炭
素浮遊微粒子の総量を低減させることが強く要請されて
いる。また、燃焼室内に直接ガソリンを噴射する方式
の、いわゆる筒内噴射ガソリン機関からも、運転条件に
よっては排気ガスとともに含炭素浮遊微粒子が排出され
る場合があるため、同様の要請が存在する。
【0003】内燃機関、特にディーゼル機関から大気に
放出される含炭素浮遊微粒子を低減する技術としては、
酸化触媒を担持した耐熱性フィルタを用いて、排気ガス
中の浮遊微粒子を浄化する技術が提案されている(特公
平7−106290号)。かかる技術では、排気ガス中
の浮遊微粒子をフィルタで捕集するとともに、捕集した
微粒子を酸化触媒の作用により比較的低温(代表的には
350℃〜400℃)の排気ガス中で燃焼させる。こう
して、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集しながら燃
焼させることで、大気に放出される浮遊微粒子を大幅に
低減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる技術に
は、捕集した含炭素浮遊微粒子の全てを燃焼させること
ができず、従って、フィルタの使用を続けるうちに、や
がてフィルタが目詰まりすることがあるという問題があ
った。すなわち、排気ガスの温度は、捕集した微粒子の
燃焼可能な温度(350℃〜400℃)よりも低温とな
ることは珍しいことではなく、このような場合は排気ガ
ス中の含炭素浮遊微粒子はフィルタ上に堆積していく。
堆積した微粒子は、排気ガス温度が上昇すると酸化触媒
の働きによって燃焼を開始するが、フィルタ上に微粒子
が多量に堆積していれば、燃焼させるにも時間がかかる
ので燃え残りが生じ得る。また、含炭素浮遊微粒子は、
フィルタ上に堆積しているうちに次第に燃焼し難くなる
ことが知られており、このような難燃性の微粒子が酸化
触媒を覆うと含炭素浮遊微粒子を燃焼させることが困難
となって、やがてフィルタの目詰まりが生じる場合があ
るのである。
【0005】このような問題点を鑑みて、本願の発明者
らは、活性酸素放出剤が担持された耐熱性フィルタ(浄
化触媒)を用いて、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を浄
化する技術を開発して既に特許出願済みである(特願2
001−45442号)。かかる技術においては、排気
ガス中の含炭素浮遊微粒子を浄化触媒で捕集するととも
に、排気ガス中の酸素を取り込んで活性酸素を発生さ
せ、活性酸素の作用により、捕集した浮遊微粒子を燃焼
させる。活性酸素は反応性に富んだ物質であるため、捕
集した含炭素浮遊微粒子を更に低温の排気ガス中におい
ても燃焼させることが可能である。また、仮に難燃性の
微粒子が発生しても、反応性に富んだ活性酸素を利用す
れば容易に燃焼させることができる。
【0006】もっとも、活性酸素を利用して含炭素浮遊
微粒子を燃焼させる技術においても、浮遊微粒子の放出
量を更に低減しようとすると、浄化触媒が目詰まりし易
くなる。すなわち、排気ガスに含まれる含炭素浮遊微粒
子は、大きさが広い範囲に分布しているため、小さな微
粒子も捕集して微粒子の放出量を低減させるべく浄化触
媒の細孔径を小さくすると、大きな微粒子によって浄化
触媒が目詰まりし易くなってしまうのである。
【0007】本発明は、従来技術における上述の課題を
解決しつつ、特許出願済みの上述の技術に更なる改良を
加えてなされたものであり、内燃機関から大気に放出さ
れる含炭素浮遊微粒子を大幅に低減可能な技術の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の排
気ガス浄化装置は次の構成を採用した。すなわち、内燃
機関の排気ガス中に含まれる含炭素浮遊微粒子を浄化す
る排気ガス浄化装置であって、前記排気ガス中の過剰酸
素を取り込んで保持するとともに、周囲の酸素濃度が低
下すると、保持した酸素を活性酸素として放出する活性
酸素放出剤が担持された第1および第2の浄化触媒を備
え、前記第1の浄化触媒は、前記排気ガス中の含炭素浮
遊微粒子を選択的に捕集するとともに、該捕集した含炭
素浮遊微粒子を前記活性酸素を用いて燃焼させる浄化触
媒であり、前記第2の浄化触媒は、前記第1の浄化触媒
を通過した前記含炭素浮遊微粒子を非選択的に捕集し
て、該捕集した含炭素浮遊微粒子を前記活性酸素を用い
て燃焼させる浄化触媒であることを要旨とする。
【0009】また、上記の排気ガス浄化装置に対応する
本発明の排気ガス浄化方法は、内燃機関の排気ガス中に
含まれる含炭素浮遊微粒子を浄化する方法であって、前
記排気ガス中の過剰酸素を取り込んで保持するとともに
周囲の酸素濃度が低下した場合には保持した酸素を活性
酸素として放出する活性酸素放出剤が担持された第1の
浄化触媒を用いて、該排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を
選択的に浄化し、前記第1の浄化触媒を通過した前記含
炭素浮遊微粒子を、前記活性酸素放出剤が担持された第
2の浄化触媒を用いて非選択的に浄化することを要旨と
する。
【0010】かかる排気ガス浄化装置および排気ガスの
浄化方法においては、排気ガス中に含まれる含炭素浮遊
微粒子を第1の浄化触媒を用いて選択的に捕集し、該捕
集した含炭素浮遊微粒子を、活性酸素を用いて浄化す
る。次いで、該第1の浄化触媒を通過した含炭素浮遊微
粒子を第2の浄化触媒で非選択的に捕集し、捕集した微
粒子を、活性酸素を用いて浄化する。こうして第1の浄
化触媒および第2の浄化触媒で互いに分担しながら含炭
素浮遊微粒子を浄化すれば、それだけ効率よく浄化する
ことができるので、浄化触媒を目詰まりさせることな
く、大気に放出される含炭素浮遊微粒子を大幅に低減さ
せることが可能となる。
【0011】かかる排気ガス浄化装置においては、第1
の浄化触媒および第2の浄化触媒として、排気ガスが通
過する複数の細孔を含んだ触媒を用いることとして、浄
化触媒に含まれる細孔径の平均値が大きなものを該第1
の浄化触媒として用いて、細孔径の平均値が小さなもの
を該第2の浄化触媒として用いることとしても良い。
【0012】こうすれば、前記第1の浄化触媒では、主
として比較的大きな含炭素浮遊微粒子が選択的に浄化さ
れ、前記第2の浄化触媒では比較的小さな含炭素浮遊微
粒子が浄化されることになる。こうして含炭素浮遊微粒
子を分担して浄化すれば、それだけ効率よく浄化するこ
とが可能となり、その結果、浄化触媒を目詰まりさせる
ことなく、大気に放出される含炭素浮遊微粒子を大幅に
低減させることが可能となる。
【0013】こうした排気ガス浄化装置では、前記細孔
径の平均値が前記第2の浄化触媒の2〜5倍の範囲にあ
る浄化触媒を、前記第1の浄化触媒として使用すること
としてもよい。
【0014】前記第1の浄化触媒の細孔径の平均値が、
前記第2の浄化触媒の平均値の2倍未満では、該第1の
浄化触媒で浄化される含炭素浮遊微粒子の割合が大きく
なりすぎる。かといって、5倍超過としたのでは、該第
2の浄化触媒で浄化される割合が大きくなりすぎる。従
って、2〜5倍の範囲としておけば、第1の浄化触媒と
第2の浄化触媒とで、適切な割合で分担しながら含炭素
浮遊微粒子を浄化することができるので好ましい。
【0015】あるいは、細孔径の平均値が20μmから
50μmの範囲にある浄化触媒を前記第1の浄化触媒と
しても良い。
【0016】排気ガス中に含まれる含炭素浮遊微粒子
は、数μmから数十μmの範囲に亘る粒径分布を有して
いることから、細孔径の平均値が20μmから50μm
の範囲にある浄化触媒を前記第1の浄化触媒として用い
れば、該第1の浄化触媒と前記第2の浄化触媒とで、含
炭素浮遊微粒子を適切な割合で分担して浄化することが
できるので好適である。
【0017】更には、本発明の排気ガス浄化装置におい
ては、次のような関係にある浄化触媒を、それぞれ前記
第1の浄化触媒および前記第2の浄化触媒として用いる
こととしても良い。すなわち、流入する含炭素浮遊微粒
子の総量に対して、捕集する含炭素浮遊微粒子の割合を
示す微粒子捕集率が、前記第2の浄化触媒よりも小さな
浄化触媒を前記第1の浄化触媒として用いることとして
も良い。
【0018】微粒子捕集率の小さな浄化触媒を前記第1
の浄化触媒として用いれば、該第1の浄化触媒を通過し
た含炭素浮遊微粒子を、前記第2の浄化触媒を用いて浄
化することができる。こうして含炭素浮遊微粒子を、第
1の浄化触媒と第2の浄化触媒とで分担して浄化すれ
ば、それだけ効率よく浄化することが可能となるので、
浄化触媒を目詰まりさせることなく、大気に放出される
含炭素浮遊微粒子を大幅に低減させることが可能とな
る。
【0019】かかる排気ガス浄化装置においては、前記
第1の浄化触媒に、流入する排気ガスを前記含炭素浮遊
微粒子を捕集することなく通過させるバイパス通路を少
なくとも1つ形成することとしても良い。
【0020】こうすれば、前記第1の浄化触媒を用い
て、一部の含炭素浮遊微粒子を浄化するとともに、前記
バイパス通路を通過した含炭素浮遊微粒子を第2の浄化
触媒で浄化することができる。その結果、これら浄化触
媒で含炭素浮遊微粒子を分担して浄化することにより、
含炭素浮遊微粒子の浄化効率を向上させることが可能と
なる。
【0021】あるいは、かかる排気ガス浄化装置におい
ては、前記第1の浄化触媒として、前記バイパス通路を
該第1の浄化触媒の外周部に形成された触媒を用いるこ
ととしても良い。
【0022】一般に、浄化触媒の外周部は中央部に比べ
て排気ガスが流入し難く、これに伴って外周部は中央部
に比べて触媒温度が低くなる傾向にある。これに対し
て、通路抵抗が小さく排気ガスが通過し易いバイパス通
路を前記第1の浄化触媒の外周部に設ければ、外周部の
温度が高くなって触媒温度を均一化することができる。
活性酸素放出剤が担持された浄化触媒は、触媒温度によ
って浄化効率が作用させる傾向があるので、こうして触
媒温度を均一化すれば、浄化触媒の全体を効率よく機能
させることが可能となり、延いては含炭素浮遊微粒子の
浄化効率を向上させることができるので好ましい。
【0023】また、かかる排気ガス浄化装置では、前記
第1の浄化触媒として、前記排気ガスの流入方向に垂直
な断面における前記バイパス通路部分の占める割合が、
半分以下に設定された浄化触媒を用いることとしても良
い。
【0024】バイパス通路は通路抵抗が少ないので、他
の部分よりも排気ガスが流れ易い傾向にあるが、前記第
1の浄化触媒の断面におけるバイパス通路部分の占める
割合を、半分以下としておけば、該第1の浄化触媒を通
過する含炭素浮遊微粒子の割合を適正な割合とすること
ができるので好ましい。
【0025】かかるバイパス通路部分の占める割合は、
より好ましくは、浄化触媒の断面の1割から4割の範囲
に設定されている。バイパス通路部分の占める割合を、
1割未満としたのでは、前記第1の浄化触媒で浄化され
る含炭素浮遊微粒子の割合が大きくなりすぎ、逆に、4
割超過としたのでは、前記第2の浄化触媒で浄化される
割合が大きくなりすぎる。従って、バイパス通路部分の
占める割合を、1割から4割の範囲としておけば、該第
1の浄化触媒と該第2の浄化触媒とで、含炭素浮遊微粒
子を適切な割合で浄化することができるので好ましい。
【0026】このような排気ガス浄化装置においては、
前記第1の浄化触媒の上流側から下流側に、前記排気ガ
スの一部を迂回させる迂回通路を備えることとしてもよ
い。
【0027】こうして迂回通路を設ければ、一部の含炭
素浮遊微粒子が該迂回通路を通過して前記第2の浄化触
媒に流入することとなる。その結果、含炭素浮遊微粒子
が、前記第1の浄化触媒と該第2の浄化触媒とで分担し
て浄化され、それだけ含炭素浮遊微粒子の浄化効率を向
上させることができるので好ましい。
【0028】こうした本発明の排気ガス浄化装置におい
ては、前記活性酸素放出剤として、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、希土類、遷移金属の中から選択された少
なくとも1の元素が担持された浄化触媒を、前記第1の
浄化触媒および前記第2の浄化触媒として用いることと
しても良い。
【0029】これら元素は活性酸素放出剤として有効に
機能し得ることが確認されているので、これら元素の中
から選択された少なくとも1の元素を担持しておけば、
活性酸素を用いて含炭素浮遊微粒子を浄化することが可
能となるので好ましい。
【0030】こうした本発明の排気ガス浄化装置におい
ては、前記活性酸素放出剤に加えて、白金族に属する貴
金属触媒が担持された浄化触媒を、前記第1の浄化触媒
および前記第2の浄化触媒として用いることとしても良
い。
【0031】白金族に属する貴金属触媒は、活性酸素放
出剤が活性酸素を放出する機能を促進することが確認さ
れているので、これら貴金属触媒を担持しておけば、含
炭素浮遊微粒子の浄化効率を更に向上させることが可能
となるので好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の作用・効果をより明確に
説明するために、次のような順序に従って、本発明の実
施例を説明する。 A.実施の形態: B.装置構成: B−1.エンジンの構成: B−2.排気ガス浄化触媒の構成: B−3.活性酸素を利用した含炭素浮遊微粒子の浄化メ
カニズム: C.第1実施例: C−1.第1実施例の排気ガス浄化触媒: C−2.第1実施例における含炭素浮遊微粒子の浄化作
用: D.第2実施例: D−1.第2実施例の排気ガス浄化触媒: D−2.第2実施例における含炭素浮遊微粒子の浄化作
用: E.変形例: E−1.第1の変形例: E−2.第2の変形例:
【0033】A.本発明の実施の形態:図1は、本発明
の排気ガス浄化装置を、ディーゼルエンジンに適用した
実施例を示す説明図である。発明の理解の便宜を図るた
め、実施例の詳細な説明に入る前に、本発明の実施の形
態について、図1を参照しながら概要を説明する。
【0034】図1に例示されるように、ディーゼルエン
ジンあるいはガソリンエンジンなどの内燃機関は、機関
の運転によって生じた排気ガスを、排気集合管16,排
気管17などの排気通路を経由して大気に排出する。排
気ガス中には、いわゆるススなどの含炭素浮遊微粒子が
含まれているので、これら微粒子が大気に放出されるこ
とのないように、排気通路に設けた複数の微粒子浄化触
媒によって微粒子を捕集する。また、微粒子浄化触媒に
は、活性酸素放出剤が担持されている。ここで活性酸素
放出剤とは、排気ガス中の過剰酸素を取り込んで保持す
るとともに、周囲の酸素濃度が低下すると、保持した酸
素を活性酸素として放出する作用を有した物質である。
微粒子浄化触媒は、排気ガス中に過剰酸素が含まれてい
るときには排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集し、排
気ガス中の酸素濃度が低下、あるいは触媒上に含炭素浮
遊微粒子が堆積して周囲の酸素濃度が低下すると、活性
酸素を放出して触媒上の含炭素浮遊微粒子を燃焼させ
る。こうして反応性に富んだ活性酸素を利用すれば、捕
集した含炭素浮遊微粒子を確実に浄化することができ
る。
【0035】もっとも、複数の微粒子浄化触媒を直列に
配置した場合、上流側の浄化触媒が主に使用されること
から、例えば、含炭素浮遊微粒子が触媒の浄化能力を超
えて流入するなどして、触媒の劣化あるいは目詰まりな
どが生じるおそれがある。本発明の排気ガス浄化装置で
は、上流側の微粒子浄化触媒で排気ガス中の含炭素浮遊
微粒子を選択的に捕集・浄化するとともに、上流側の浄
化触媒を通過した浮遊微粒子を下流側の微粒子浄化触媒
で捕集・浄化する。こうすることにより、上流側の浄化
触媒と下流側の浄化触媒とを効率よく働かせることが可
能となり、その結果、含炭素浮遊微粒子の放出量を更に
低減させることが可能となる。
【0036】このような本発明の排気ガス浄化装置は、
種々の実施の態様を取ることが可能であり、以下では各
種実施例に基づいて、これら態様を詳細に説明する。
【0037】B.装置構成: B−1.エンジンの構成:図1は、第1実施例の排気ガ
ス浄化装置を装着したディーゼルエンジン10の概略構
成を示した説明図である。もちろん、ディーゼルエンジ
ンに限らず、燃料をシリンダ内に直接噴射する方式のガ
ソリンエンジンなど、他の内燃機関に適用することもで
きる。また、車両や船舶搭載用あるいは定置用などのあ
らゆる内燃機関に適用することも可能である。
【0038】ディーゼルエンジン10は、いわゆる4気
筒エンジンであり、#1ないし#4の4つの燃焼室を有
している。各燃焼室には吸気管12を介して空気が供給
され、各燃焼室に設けられた燃料噴射弁14から燃料が
噴射されると、燃焼室内で空気と燃料とが燃焼する。燃
焼によって生じた排気ガスは、排気集合管16を介して
排気管17から大気中に排出される。
【0039】排気管17の途中には、過給器20が設け
られている。過給器20は、排気管17内に設けられた
タービン21と、吸気管12内に設けられたコンプレッ
サ22と、タービン21とコンプレッサ22とをつなぐ
シャフト23とから構成されている。燃焼室から排出さ
れた排気ガスが過給器20のタービン21を回すと、シ
ャフト23を介してコンプレッサ22が回転し、空気を
圧縮して各燃焼室内に供給する。コンプレッサ22の上
流側にはエアクリーナ26が設けられており、コンプレ
ッサ22はエアクリーナ26から取り入れた空気を圧縮
して燃焼室内に供給する。コンプレッサ22で圧縮する
と空気の温度が上昇するので、コンプレッサ22の下流
には空気を冷却するためのインタークーラ24が設けら
れていて、圧縮した空気はインタークーラ24で冷却さ
れた後に、燃焼室内に供給される。
【0040】吸気管12内には、電動スロットル弁28
が設けられている。電動スロットル弁28は、通常の運
転条件では開放されているが、必要に応じて電動スロッ
トル弁28を閉じることにより、燃焼室内に流入する空
気量を制限することが可能である。燃焼室内に流入する
空気量を制限する必要がある場合とは、例えば、排気ガ
ス中の酸素濃度を減少させる必要がある場合は、排気ガ
ス温度を上昇させる必要がある場合などである。
【0041】また、吸気管12と排気集合管16とは、
EGR通路60でつながっている。ここで、EGRと
は、Exhaust Gas Recirculati
on(排気ガス再循環装置)の略語であって、排気ガス
の一部を吸気管内に意図的に戻してやることを言う。E
GR通路60には、EGR弁62が設けられており、E
GR弁62の開度を調整することで、吸気管12内に導
入する排気ガス量を制御することが可能となっている。
【0042】エンジン制御用ECU30は、エンジン回
転速度Neやアクセル開度θacといったエンジンの運
転条件を検出し、運転条件に応じて燃料供給ポンプ18
や、燃料噴射弁14、電動スロットル弁28、EGR弁
62などを適切に制御する。燃料供給ポンプ18および
燃料噴射弁14が、エンジン制御用ECU30の制御の
もとで、適切な量の燃料を適切なタイミングで燃焼室内
に噴射することによって、燃焼室内で燃焼が開始され、
ディーゼルエンジン10が出力を発生する。
【0043】燃焼室内で燃料が燃焼することによって発
生する排気ガスには、いわゆるススなどの含炭素浮遊微
粒子が含まれている。そこで、排気ガス中の含炭素浮遊
微粒子を浄化すべく、タービン21の下流側の排気管1
7内には、後述する排気ガス浄化触媒100,200が
直列に設けられている。尚、ここでは、排気ガス浄化触
媒100,200は、タービン21の下流側に設けられ
ているものとして説明するが、タービン21の上流側に
設けるものとしても良い。
【0044】B−2.排気ガス浄化触媒の構成:図2
は、上流側の排気ガス浄化触媒100の構造を示す説明
図である。図2(a)は、排気ガス浄化触媒100を排
気ガスが流入する側から見た正面図であり、図2(b)
は側断面図である。下流側の排気ガス浄化触媒200
も、基本的な構造は排気ガス浄化触媒100と同様であ
る。
【0045】図示するように、上流側の排気ガス浄化触
媒100は、いわゆるハニカム構造を有するコージライ
ト製のセラミックスフィルタに、後述の触媒成分が担持
された構造となっている。もちろん、セラミックフィル
タの材質はコージライトに限らず、炭化珪素や窒化珪素
などの周知のセラミックス材料を用いることができる。
ハニカム構造をした排気ガス浄化触媒100の内部に
は、排気ガスが通過する多数の通路102が形成されて
おり、これら通路の上流側あるいは下流側の一端には、
図示するように互い違いに目止め104が設けられてい
る。図2では、目止め104は、ハッチングを付して表
示している。
【0046】図2(b)の左側から、含炭素浮遊微粒子
を含んだ排気ガスが流れてくると、排気ガスは、上流側
に目止め104が設けられていない通路102から排気
ガス浄化触媒100内に流入する。しかし、その通路の
下流側は目止め104で閉塞されているので、図1
(b)に矢印で示すように、通路102の隔壁106を
通って、下流側に目止め104のされていない通路10
2に抜けて行く。コージライトは焼成時に内部に多孔質
構造が形成されており、排気ガスが隔壁106内の多孔
質構造を通過する際に、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
などを捕集することができる。
【0047】隔壁106を構成するコージライトの表面
には、アルミナを主成分とする基材層が形成されてお
り、この基材層の上には貴金属触媒と、活性酸素放出剤
とが担持されている。貴金属触媒は、粒径が1μm以下
の微粒子状で、活性酸素放出剤の上に均一に分散して担
持されている。貴金属には、白金PtやパラジウムPd
などの白金系貴金属が主に使用されるが、酸化活性を有
する他の金属を適用することもできる。活性酸素放出剤
としては、カリウムK,ナトリウムNa,リチウムL
i,セシウムCs,ルビジウムRbなどのアルカリ金属
や、バリウムBa,カルシウムCa,ストロンチウムS
rのようなアルカリ土類金属、ランタンLa,イットリ
ウムY,セリウムCeのような希土類、および遷移金属
から選ばれた元素が主に使用される。尚、活性酸素放出
剤としては、カルシウムCaよりもイオン化傾向の高い
アルカリ金属やアルカリ土類金属、すなわち、カリウム
K,リチウムLi、セシウムCs,ルビジウムRb,バ
リウムBa,ストロンチウムSrを好適に用いることが
できる。
【0048】B−3.活性酸素を利用した含炭素浮遊微
粒子の浄化メカニズム:このような構造を有する排気ガ
ス浄化触媒100,200は、次のようなメカニズムに
よって活性酸素を発生させ、活性酸素を利用すること
で、触媒上に捕集した含炭素浮遊微粒子を燃焼させる。
【0049】図3は、排気ガス浄化触媒100,200
の表面を拡大して示した概念図である。排気ガス浄化触
媒100の表面には、カリウムKやバリウムBaなどの
活性酸素放出剤103と、白金PtやパラジウムPdな
どの貴金属触媒104が担持されている。
【0050】図3(a)は排気ガス中に過剰酸素が存在
している場合を示している。ディーゼルエンジンの排気
ガス中には、含炭素浮遊微粒子の他に、燃焼によって生
じる窒素酸化物NOxが含まれている。NOxはほとん
どが一酸化窒素NOの状態で含まれているので、図3
(a)ではNOxを一酸化窒素NOとして表示してい
る。一酸化窒素NOは極性分子であることから、排気ガ
ス中のNOは速やかに白金Ptなどの貴金属触媒上に吸
着する。白金系の貴金属触媒は強い酸化活性を有してい
るため、一酸化窒素NOは二酸化窒素NO2 を経て硝酸
イオンNO3-に酸化される。こうして貴金属触媒上に発
生した硝酸イオンNO3-は、いわゆる「スピルオーバ」
と呼ばれる現象によって、活性酸素放出剤103まで移
動する。「スピルオーバ現象」とは、金属触媒上で吸着
分子が活発に動き回る現象である。触媒上では、Ptな
どの貴金属微粒子はできるだけ均一に分散させていると
はいえ、分子レベルで言えば局在していることに変わり
はないが、スピルオーバ現象によって吸着分子が表面を
活発に移動し得るために、表面全体が触媒として機能し
ているものと考えられている。このように、排ガス中に
酸素が過剰に存在している条件では、一酸化窒素NOが
貴金属触媒上で酸化され、スピルオーバ現象によって活
性酸素放出剤103まで運ばれて、硝酸塩の形で蓄えら
れる。尚、貴金属触媒上に吸着した一酸化窒素NOの全
てが必ずしも硝酸イオンNO3-まで酸化されるとは限ら
ず、一部は亜硝酸イオンNO2-の状態で活性酸素放出剤
103に蓄えられることもあり得ると考えられる。
【0051】こうして、排気ガス中の一酸化窒素NOが
硝酸塩として取り込まれるときに、活性酸素放出剤10
3から活性酸素が発生する。活性酸素はたいへんに反応
性が強いため、排気ガス浄化触媒100上に捕集されて
いる含炭素浮遊微粒子を酸化して二酸化炭素と水に変換
することができる。
【0052】一酸化窒素NOが硝酸塩の形で取り込まれ
る際に、活性酸素放出剤103から活性酸素が放出され
るメカニズムは、次のようなものであると考えられる。
活性酸素放出剤103は排気ガスによって高温に加熱さ
れるため、通常は二酸化炭素と結合して炭酸塩の状態に
なっていると考えられる。一酸化窒素NOが活性酸素放
出剤103に蓄積される際には、炭酸イオンCO3-が硝
酸イオンNO3-に置き換わって、追い出された炭酸イオ
ンCO3-が二酸化炭素と活性酸素とに分解され、この結
果、活性酸素が放出されるものと考えられる。
【0053】図3(b)は、排気ガス中の酸素濃度が低
下して、酸素が欠乏した状態になっている場合を示して
いる。排気ガス中の酸素が欠乏するような運転条件でエ
ンジンが運転された場合、排気ガス中には炭化水素系化
合物や一酸化炭素COなどの還元物質が含まれている。
ススなどの含炭素浮遊微粒子も還元物質として作用す
る。図3(b)では、炭化水素系化合物をHCと表示
し、ススなどの含炭素浮遊微粒子は炭素を表すCで模式
的に表示している。前述したように白金系の貴金属触媒
は強い酸化活性を有しているので、排気ガス中に酸素が
存在すれば、これら還元物質を酸化して、二酸化炭素C
O2 や水に変換することができる。
【0054】ところが、排気ガス中に還元物質に見合う
だけの酸素が存在していない場合には、図3(b)に示
すように、貴金属触媒104は活性酸素放出剤103に
蓄えておいた硝酸イオンNO3-を分解し、発生した活性
酸素を用いて還元物質を酸化する。また、このような現
象は、排気ガス中には酸素が存在しているが、触媒上に
多くの含炭素浮遊微粒子が捕集され、触媒周辺が擬似的
に酸素欠乏状態となった場合にも同様に生じ得る。図3
(b)を参照しながら、かかる現象について説明する。
活性酸素放出剤103に蓄えられていた硝酸イオンNO
3-は、スピルオーバ現象によって貴金属触媒104上に
移動する。貴金属触媒104上では、硝酸イオンNO3-
の電子雲が貴金属触媒側に吸い寄せられて偏在する結
果、硝酸イオンNO3-の窒素原子と酸素原子との間の化
学結合が切れ易い状態になっている。図3(b)におい
て、硝酸イオンを「N+3・O」と表示しているのは、
窒素原子と酸素原子との間の結合が切れ易くなっている
様子を模式的に表示したものである。このような状態に
還元物質が作用すると、窒素原子と酸素原子との結合が
切断されて活性酸素が発生する。活性酸素は極めて反応
性に富んだ物質であり、排気ガス中の炭化水素系化合
物、一酸化炭素に加えて、含炭素浮遊微粒子とも速やか
に反応して、これらを二酸化炭素CO2 や水などに変換
する。また、硝酸イオンNO3-を放出した活性酸素放出
剤103は、排気ガスによる高温に晒される結果、排気
ガス中の二酸化炭素と結合して炭酸塩の状態に復帰す
る。
【0055】このように、本実施例の排気ガス浄化触媒
100は、排気ガス中に過剰酸素が存在する条件では、
過剰酸素とNOxとを硝酸塩として取り込み、周囲の酸
素濃度が低下すると硝酸塩を窒素に分解する。こうし
て、過剰酸素およびNOxの取り込みと放出とを繰り返
しながら、NOxを浄化するとともに活性酸素を発生さ
せ、発生した活性酸素を利用して、含炭素浮遊微粒子を
も浄化することが可能となっている。
【0056】排気ガス中の含炭素浮遊微粒子の大きさ
は、広い範囲にばらついており、より多くの含炭素浮遊
微粒子を浄化するためには、コージライトに形成された
多孔質構造の細孔径を細かくして、小さな浮遊微粒子も
捕集する必要がある。しかし、細孔径を細かくすると、
大きな微粒子による目詰まりが発生しやすくなる。ま
た、触媒上で一度に浄化できる微粒子量には自ずから限
界があるので、小さな浮遊微粒子まで捕集して浄化すべ
き微粒子量が増加すると、浄化できずに触媒上に堆積す
る微粒子が発生して触媒の目詰まりが生じ易くなる。こ
のような問題の発生を回避するために、本実施例の排気
ガス浄化装置では、以下に説明するように、上流側の排
気ガス浄化触媒では含炭素浮遊微粒子を選択的に捕集
し、上流側の触媒を通過した微粒子を下流側の排気ガス
浄化触媒で非選択的に捕集する方法を採用している。
【0057】C.第1実施例: C−1.第1実施例の排気ガス浄化触媒:図4は、第1
実施例の排気ガス浄化触媒が適用されている排気ガス浄
化装置の構成を概念的に示す説明図である。図示されて
いるように、第1実施例の排気ガス浄化装置ではディー
ゼルエンジン10の排気管17に、2つの排気ガス浄化
触媒100,200が搭載されている。ここで第1実施
例においては、コージライトに形成された多孔質の細孔
径が異なる触媒が組み合わされて使用されている。すな
わち、上流側に設けられた排気ガス浄化触媒100とし
ては、コージライトに形成された多孔質の細孔径の大き
な触媒が使用され、下流側の排気ガス浄化触媒200と
しては、コージライトの細孔径の小さな触媒が使用され
ている。このように第1実施例の排気ガス浄化装置にお
いては、細孔径の異なる触媒を組み合わせることによ
り、含炭素浮遊微粒子を全体として高い効率で浄化する
ことを可能としつつ、触媒が目詰まりし易くなるといっ
た問題の発生も回避している。以下、これら触媒が含炭
素浮遊微粒子を浄化する作用について説明する。
【0058】C−2.第1実施例における微粒子の浄化
作用:排気ガス中に含まれる含炭素浮遊微粒子の大きさ
は、広い粒径分布を有している。図5は、排気ガス中に
含まれる含炭素浮遊微粒子の粒径分布を概念的に示した
説明図であり、図中に「Raw」と表示しているのはエン
ジンから排出されて浄化触媒を通過する前の粒径分布で
あり、「SeL」と表示しているのは、上流側の排気ガス
浄化触媒100で含炭素浮遊微粒子が選択的に捕集され
た後の粒径分布である。また、「Tp 」と表示している
のは、下流側の排気ガス浄化触媒200を通過して、大
気に排出される状態の粒径分布である。図示されている
ように、下流側の浄化触媒でも捕集しきれない小さな微
粒子が僅かに通過しているものの、実質的には、ほとん
ど全ての含炭素浮遊微粒子が捕集されていると考えるこ
とができる。
【0059】図6は、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
が、排気ガス浄化触媒上に捕集される様子を概念的に示
した説明図である。図6(a)は細孔径の大きな触媒、
すなわち上流側に設けられた排気ガス浄化触媒100の
場合を表したものであり、図6(b)は細孔径の小さな
触媒、すなわち下流側に設けられた排気ガス浄化触媒2
00の場合を表している。ハニカム構造の隔壁106,
206を構成しているコージライト部分は、図中で斜線
を伏して表示されており、コージライトの間に入り組ん
だ細孔が形成されている。含炭素浮遊微粒子は、黒丸で
表示されている。また、排気ガスは、隔壁106,20
6を、図面上で上から下に向かって通過する。図中に実
線で示した矢印は、細孔を通過する排気ガスの流れを模
式的に表したものである。
【0060】図6(a)に示されているように、細孔径
の大きな上流側の排気ガス浄化触媒100では、排気ガ
ス中の粒径の大きな含炭素浮遊微粒子が主に捕集され、
粒径の小さな浮遊微粒子は捕集されることなく通過す
る。このように、上流側の排気ガス浄化触媒100で
は、粒径の大きな微粒子が選択的に捕集される結果、図
5中に右下がりのハッチングを付して表示した領域の含
炭素浮遊微粒子が捕集される。図4では、排気ガス浄化
触媒100に右下がりのハッチングを施すことによっ
て、排気ガス中の大きな含炭素微粒子が上流側の触媒で
主に捕集されることを模式的に表している。
【0061】上流側の排気ガス浄化触媒100を通過し
た小さな含炭素微粒子は、下流側の排気ガス浄化触媒2
00に流入する。図6(b)に示すように、下流側の排
気ガス浄化触媒200は細孔径の小さな触媒が用いられ
ており、粒径の小さな浮遊微粒子も捕集することが可能
である。このため、下流側の排気ガス浄化触媒200か
らは、含炭素浮遊微粒子を含まないきれいな排気ガスが
排出される。図5中に右上がりのハッチングを付して表
示した領域は、下流側の排気ガス浄化触媒200で捕集
される含炭素浮遊微粒子の粒径分布を示している。ま
た、図4では、排気ガス浄化触媒200に右上がりのハ
ッチングを施すことによって、排気ガス中の小さな含炭
素浮遊微粒子が下流側の触媒で捕集されることを模式的
に表している。
【0062】このように、第1実施例の排気ガス浄化装
置においては、上流側に設けた排気ガス浄化触媒100
では、粒径の比較的大きな含炭素浮遊微粒子を選択的に
捕集し、上流側の触媒を通過した粒径の小さな含炭素浮
遊微粒子を下流側の排気ガス浄化触媒200で捕集す
る。このため、下流側の排気ガス浄化触媒200として
細孔径の小さな触媒を用いても、粒径の大きな浮遊微粒
子で細孔が目詰まりするおそれがない。また、その分だ
け、細孔径の更に小さな触媒を適用することができるの
で、より小さな含炭素浮遊微粒子も捕集することが可能
となり、全体として微粒子の浄化効率を向上させること
ができる。
【0063】図7は、参考として、上流側の排気ガス浄
化触媒で選択的な捕集を行わない場合を概念的に示した
説明図である。図7に示す参考例では、小さな含炭素浮
遊微粒子も捕集して浄化効率を向上させるべく、上流側
にも細孔径の小さな触媒を用いている。図8は、参考例
の排気ガス浄化触媒が、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
を捕集している様子を模式的に表した説明図である。図
示するように、細孔径の小さな触媒を用いれば、粒径の
小さな浮遊微粒子も捕集することができ、その分だけ含
炭素浮遊微粒子の浄化効率を向上させることが可能であ
る。もっとも、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子は広い粒
径分布を有しており、触媒の細孔径が小さくなると、図
8に示すように、大きな浮遊微粒子によって細孔の目詰
まりが生じ易くなる。
【0064】図7では、上流側の排気ガス浄化触媒20
0に右下がりのハッチングと右上がりのハッチングを重
ねて付すことによって、粒径の大きな含炭素浮遊微粒子
(図5中に右下がりのハッチングを付した部分の微粒
子)と、粒径の小さな浮遊微粒子(図5中に右上がりの
ハッチングを付した部分の微粒子)とが、上流側の触媒
に捕集されることを示している。このように、粒径の小
さな浮遊微粒子まで上流側の排気ガス浄化触媒200で
捕集されてしまうので、下流側の触媒に流入する排気ガ
スには含炭素浮遊微粒子が含まれておらず、下流側の触
媒を効率よく利用することができない。換言すれば、デ
ィーゼルエンジン10から排出される含炭素浮遊微粒子
のほとんど全てを上流側の排気ガス浄化触媒200で捕
集していることになる。排気ガス浄化触媒が一度に浄化
できる微粒子量にも自ずから限界があるので、このよう
に多量の微粒子を捕集すると浄化できない微粒子によっ
て、細孔の目詰まりが生じ易くなる。
【0065】これに対して、第1実施例の排気ガス浄化
装置においては、図4に模式的に示すように、粒径の比
較的大きな含炭素浮遊微粒子は、上流側に設けた排気ガ
ス浄化触媒100で選択的に浄化し、粒径の小さな浮遊
微粒子は下流側の排気ガス浄化触媒200で浄化する。
このように、上流側の触媒と下流側の触媒とを活用しな
がら浮遊微粒子を浄化しているので、上流側の浄化触媒
が目詰まりするおそれがなく、全体として高い浄化効率
を達成することができる。
【0066】また、粒子径の大きな含炭素浮遊微粒子は
上流側の排気ガス浄化触媒100で捕集し、小さな浮遊
微粒子は下流側の排気ガス浄化触媒200で捕集すると
いったように、含炭素浮遊微粒子を2つの排気ガス浄化
触媒で分担して浄化することとすれば、どちらかの浄化
触媒(特に上流側の浄化触媒)の大きさを小さなものと
しても、全体のシステムを比較的容易に成立させること
ができる。通常は、より高温の排気ガスが流れ込むよう
に、浄化触媒をエンジンに近づけようとしても、搭載上
の制約からあまり近づけることができず、充分な温度の
排気ガスを利用することができない場合が多い。これに
対して、本実施例では、上流側の排気ガス浄化触媒の大
きさを小さくすることができるので、搭載上の制約を受
けずに浄化触媒をエンジンに近づけることができる。
【0067】特に、本実施例の排気ガス浄化触媒10
0,200では、排気ガス中の過剰酸素とNOxとを硝
酸塩として取り込んでおり、NOxを酸化させて硝酸塩
を生成するために、排気ガス温度は常にある程度の温度
が確保されていることが好ましい。従って、上流側の排
気ガス浄化触媒100をエンジン側に近づけて搭載すれ
ば、触媒に流入する排気ガス温度を常にある程度以上と
することが可能になるという利点が生じる。
【0068】加えて、第1実施例の排気ガス浄化触媒1
00のように、触媒の細孔径を大きくすれば、その分だ
けでも通路抵抗が減少し、排気通路全体としての排気抵
抗も減少させることができる。排気抵抗が減少すれば、
機関出力が向上するという利点も生じる。
【0069】D.第2実施例:以上に説明した第1実施
例の排気ガス浄化装置では、上流側の排気ガス浄化触媒
100では、粒径の大きな含炭素浮遊微粒子を選択的に
捕集するものとしたが、上流側の触媒は浮遊微粒子の粒
径以外の容易に基づいて選択的に浄化することとしても
良い。以下では、このような第2実施例の排気ガス浄化
装置について説明する。
【0070】D−1.第2実施例の排気ガス浄化触媒:
図9は、第2実施例で用いられる上流側の排気ガス浄化
触媒300の構造を示す説明図である。図9(a)は、
排気ガス浄化触媒300を排気ガスが流入する側から見
た正面図であり、図9(b)は側断面図である。下流側
の排気ガス浄化触媒は、第1実施例の排気ガス浄化触媒
と同じものを使用することができる。
【0071】図示されているように、第2実施例で用い
る上流側の排気ガス浄化触媒300は、第1実施例で用
いた排気ガス浄化触媒100,200に対して、ハニカ
ム通路上流側の目止め104が除去されている点が大き
く異なっている。ハニカム通路下流側の目止め304
は、第1実施例で用いた触媒と同様に、互い違いに設け
られている。
【0072】図9(b)の左側から、含炭素浮遊微粒子
を含んだ排気ガスが、目止め304の設けられた通路に
流れ込むと、図中に破線の矢印で示すように、排気ガス
は触媒の隔壁306を通過して目止めの設けられていな
い通路303に抜けて行く。このとき、排気ガス中の含
炭素浮遊微粒子が、隔壁306の細孔に捕集される。隔
壁306の細孔は、小さな浮遊微粒子も捕集可能なよう
に小さな細孔径の触媒が使用されている。一方、下流側
に目止めの設けられていない通路303に流入した排気
ガスは、図中に実線の矢印で示すように、排気ガス中の
含炭素浮遊微粒子が捕集されることなく、通路303を
そのまま通過する。この結果、第2実施例で用いられる
排気ガス浄化触媒300では、目止め304の設けられ
た通路302に流入した排気ガスの含炭素浮遊微粒子が
選択的に捕集され、目止めの設けられていない通路30
3に流入した排気ガスの含炭素浮遊微粒子は捕集される
ことなく、下流側の排気ガス浄化触媒に流入することに
なる。第2実施例の排気ガス浄化装置においても、この
ように含炭素浮遊微粒子を上流側の浄化触媒で選択的に
浄化しているので、触媒の目詰まりが発生するおそれを
回避しながら、全体として含炭素浮遊微粒子の浄化効率
を向上させることができる。以下、この理由について説
明する。
【0073】D−2.第2実施例における微粒子の浄化
作用:図10は、第2実施例の排気ガス浄化触媒が適用
されている排気ガス浄化装置の構成を概念的に示す説明
図である。図示されているように、第2実施例の排気ガ
ス浄化装置では、上流側に上述した排気ガス浄化触媒3
00が搭載され、下流側には第1実施例と同じ排気ガス
浄化触媒200が搭載されている。
【0074】図11は、第2実施例の排気ガス浄化装置
において、上流側の触媒と下流側の触媒とで、排気ガス
中の含炭素浮遊微粒子が捕集されている様子を示す説明
図である。図中に「Raw」と表示されているのは、ディ
ーゼルエンジン10から排出される含炭素浮遊微粒子の
粒径分布である。上流側の排気ガス浄化触媒300は細
孔径の小さな触媒が用いられており、小さな浮遊微粒子
も捕集可能であるが、図8を用いて説明したように、目
止め304の設けられていない通路303に流入した浮
遊微粒子は、捕集されることなく通過する。図11で
「SeL」と表示しているのは、こうして下流側に流入す
る含炭素浮遊微粒子の粒径分布である。すなわち、図1
1中で「Raw」と「SeL」とに囲まれた部分が上流側の
排気ガス浄化触媒300で捕集される含炭素浮遊微粒子
に相当する部分である。
【0075】こうして上流側の排気ガス浄化触媒300
を通過した含炭素浮遊微粒子は、下流側の排気ガス浄化
触媒200でほぼ全て捕集される。この結果、大気中に
は、「Tp 」と表示したように、極めて細かい微粒子は
僅かに含まれているものの、実質的には含炭素浮遊微粒
子の除去された排気ガスが排出される。
【0076】以上に説明したように、第2実施例の排気
ガス浄化装置においては、上流側の排気ガス浄化触媒3
00では目止め304の設けられた通路302に流入し
た含炭素浮遊微粒子が選択的に捕集され、残りの浮遊微
粒子は下流側の浄化触媒200に捕集される。すなわ
ち、エンジンから排出される含炭素浮遊微粒子は、上流
側の触媒と下流側の触媒とに分割されて捕集されること
になる。その結果、各浄化触媒には一度に多量の含炭素
浮遊微粒子が捕集されることがないので、浄化効率を向
上させるべく小さな浮遊微粒子を捕集しても、目詰まり
が生じ難くなっている。
【0077】また、第2実施例の排気ガス浄化触媒30
0のように、排気ガスの一部をそのまま通過させれば、
排気通路全体としての排気抵抗を大きく減少させること
ができる。その分だけ、機関出力を向上させることでき
るという利点も存在する。
【0078】もちろん、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
を、こうして2つの排気ガス浄化触媒で分担して浄化す
ることとすれば、どちらかの浄化触媒(特に上流側の浄
化触媒)の大きさを小さなものとしても、全体のシステ
ムを比較的容易に成立させることができる。通常は、よ
り高温の排気ガスが流れ込むように、浄化触媒をエンジ
ンに近づけようとしても、搭載上の制約からあまり近づ
けることができず、充分な温度の排気ガスを利用するこ
とができない場合が多い。これに対して、本実施例で
は、上流側の排気ガス浄化触媒の大きさを小さくするこ
とができるので、搭載上の制約を受けずに浄化触媒をエ
ンジンに近づけることが可能となる。
【0079】尚、以上の説明においては、排気ガス浄化
触媒300には、目止め304の設けられた通路302
と目止めの設けられていない通路303とが、ほぼ同じ
比率で存在するものとしたが、必要に応じて目止めの設
けられた通路302の比率が多めになるようにしてもよ
い。こうすれば、目止めのない通路303にばかり排気
ガスが流入することがなくなるので、上流側の排気ガス
浄化触媒300上に含炭素浮遊微粒子を適切に捕集する
ことが可能となる。
【0080】D−3.第2実施例の変形例:以上に説明
した第2実施例の排気ガス浄化装置には、種々の変形例
が存在する。以下では、これら変形例について簡単に説
明する。
【0081】(1)第1の変形例:図12は、第1の変
形例としての排気ガス浄化触媒400の外観形状を概念
的に表示した説明図である。前述した第2実施例の排気
ガス浄化触媒300では、ハニカム通路上流側の目止め
が全て除去されているか、あるいは触媒上の位置に関わ
らず万遍なく除去されていた。これに対して、第1の変
形例の排気ガス浄化触媒400では、外周部分(図中で
ハッチングを付した部分)402にある目止めだけが除
去されており、排気通路中央部404の目止めは除去さ
れずに残されている。
【0082】一般的に触媒は、外周部分の温度が中央部
分の温度よりも低くなる傾向がある。これは、次の理由
による。先ず、触媒の外周部分は排気管の管壁に近いた
め、中央部分に比べて排気ガスが流れ難くなっており、
これに伴って、触媒の中央部分の温度は上昇し易い傾向
がある。また、触媒の外周部分は外部から熱を奪われ易
いので、中央部分に比べて触媒温度が下がり易くなって
いる。触媒の性能は触媒温度によって影響されるので、
このような温度の不均一が生じると、触媒全体としては
十分な性能を発揮することが困難となって好ましいこと
ではない。特に、本実施例で用いる活性酸素放出剤を担
持した排気ガス浄化触媒は、触媒温度が低いとNOxを
酸化して硝酸塩を生成する反応が遅くなって触媒性能が
低下してしまう。
【0083】これに対して、第1の変形例では、触媒温
度が低くなり易い外周部分402の目止めを除去してい
るので、外周部分402を排気ガスが通過し易くなっ
て、触媒の温度分布が均一化される。この結果、排気ガ
ス浄化触媒の中央部分404だけでなく、外周部分40
2も有効に活用することが可能となり、含炭素浮遊微粒
子の浄化効率を向上させることができる。
【0084】(2)第2の変形例:図13は、第2の変
形例としての排気ガス浄化装置の構造を概念的に表示し
た説明図である。前述した第2実施例の排気ガス浄化触
媒300では、ハニカム通路上流側の目止めを除去する
ことにより、目止めのない通路303を通過する含炭素
浮遊微粒子はそのまま触媒を通過させていた。これに対
して、図13に示すように、上流側の浄化触媒100に
バイパス通路50を併設し、排気ガスの一部をバイパス
させてもよい。
【0085】こうすれば、上流側の排気ガス浄化触媒の
機能を何ら損なうことなく、一部の排気ガスを下流側の
排気ガス浄化触媒に流すことができるので、排気ガス浄
化装置伝対としての浄化効率を向上させることができ
る。また、バイパス通路50に開閉弁52を設ければ、
エンジンの運転条件に応じて上流側の排気ガス浄化触媒
のバイパス量を制御することが可能であり、これによっ
て、上流側の浄化触媒と下流側の浄化触媒とで含炭素浮
遊微粒子を適切な割合で浄化することができるので好ま
しい。
【0086】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の排気ガス浄化装置を適用したディ
ーゼルエンジンの構成を示す説明図である。
【図2】本実施例の排気ガス浄化触媒の構造を示す説明
図である。
【図3】本実施例の排気ガス浄化触媒が活性酸素を放出
して含炭素浮遊部粒子や窒素酸化物などを浄化する機能
を概念的に示す説明図である。
【図4】第1実施例の排気ガス浄化装置の構成を概念的
に示した説明図である。
【図5】第1実施例の排気ガス浄化装置において、上流
側の浄化触媒と下流側の浄化触媒とに捕集される含炭素
浮遊微粒子の粒径分布を示す説明図である。
【図6】第1実施例の排気ガス浄化装置において上流側
の浄化触媒と下流側の浄化触媒とで含炭素浮遊微粒子を
分担して捕集している様子を概念的に示す説明図であ
る。
【図7】参考例の排気ガス浄化装置の構成を概念的に示
した説明図である。
【図8】参考例の排気ガス浄化装置において、排気ガス
中の含炭素浮遊部粒子を捕集している様子を概念的に示
す説明図である。
【図9】第2実施例の上流側の排気ガス浄化触媒の構造
を示す説明図である。
【図10】第2実施例の排気ガス浄化装置の構成を概念
的に示した説明図である。
【図11】第2実施例の排気ガス浄化装置において、上
流側の浄化触媒と下流側の浄化触媒とに捕集される含炭
素浮遊微粒子の粒径分布を示す説明図である。
【図12】第2実施例の第1の変形例の排気ガス浄化触
媒の構造を示す説明図である。
【図13】第2実施例の第2の変形例の排気ガス浄化装
置の構成を概念的に示した説明図である。
【符号の説明】
10…ディーゼルエンジン 12…吸気管 14…燃料噴射弁 16…排気集合管 17…排気管 18…燃料供給ポンプ 20…過給器 21…タービン 22…コンプレッサ 23…シャフト 24…インタークーラ 26…エアクリーナ 28…電動スロットル弁 30…エンジン制御用ECU 50…バイパス通路 52…開閉弁 60…EGR通路 62…EGR弁 100…排気ガス浄化触媒 102…通路 103…活性酸素放出剤 104…貴金属触媒 106…隔壁 200…排気ガス浄化触媒 206…隔壁 300…排気ガス浄化触媒 302…通路 303…通路 306…隔壁 400…排気ガス浄化触媒 402…外周部分 404…中央部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/86 ZAB B01J 23/58 A 4G069 53/94 35/10 301F B01J 23/58 F01N 3/08 A 35/10 301 B01D 53/36 103C F01N 3/08 ZAB (72)発明者 伊藤 和浩 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G090 AA03 AA04 BA01 CB22 3G091 AA10 AA11 AA18 AB02 AB13 BA13 GB06W GB07W GB17X HA08 HA14 4D019 AA01 BA02 BA05 BA06 BC07 BC20 BD01 CA01 CB04 4D048 AA14 AB01 BA01Y BA02Y BA10X BA14X BA15X BA18Y BA19Y BA30X BA31X BA32Y BA33Y BB02 BB14 BB17 CC24 CC26 CC32 CC49 EA03 4D058 JA32 JB02 JB03 JB06 MA44 SA08 4G069 AA03 BA13A BA13B BB02A BB04A BC01A BC02A BC03A BC03B BC04A BC05A BC06A BC08A BC09A BC12A BC13A BC13B BC29A BC38A BC42A BC43A BC69A BC72A BC72B BC75A BC75B CA02 CA03 CA07 CA18 EA19 EA27 EC10X EC17X EC17Y EE08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気ガス中に含まれる含炭素
    浮遊微粒子を浄化する排気ガス浄化装置であって、 前記排気ガス中の過剰酸素を取り込んで保持するととも
    に、周囲の酸素濃度が低下すると、保持した酸素を活性
    酸素として放出する活性酸素放出剤が担持された第1お
    よび第2の浄化触媒を備え、 前記第1の浄化触媒は、前記排気ガス中の含炭素浮遊微
    粒子を選択的に捕集するとともに、該捕集した含炭素浮
    遊微粒子を前記活性酸素を用いて燃焼させる浄化触媒で
    あり、 前記第2の浄化触媒は、前記第1の浄化触媒を通過した
    前記含炭素浮遊微粒子を非選択的に捕集して、該捕集し
    た含炭素浮遊微粒子を前記活性酸素を用いて燃焼させる
    浄化触媒である排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1および第2の浄化触媒は、前記排気ガスが通過
    する複数の細孔を含んでおり、 前記第1の浄化触媒は、前記第2の浄化触媒よりも細孔
    径の平均値が大きな浄化触媒である排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1の浄化触媒は、前記細孔径の平均値たる平均細
    孔径が前記第2の浄化触媒の2倍ないし5倍の範囲に設
    定された浄化触媒である排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1の浄化触媒は、前記平均細孔径の値が20μm
    から50μmの範囲にある浄化触媒である排気ガス浄化
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1の浄化触媒は、前記排気ガスとともに流入した
    含炭素浮遊微粒子の総量に対する前記捕集した含炭素浮
    遊微粒子の割合を示す微粒子捕集率が、前記第2の浄化
    触媒よりも小さな浄化触媒である排気ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1の浄化触媒には、前記含炭素浮遊微粒子を捕集
    することなく前記排気ガスを通過させるバイパス通路が
    少なくとも1つ形成されている排気ガス浄化装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1の浄化触媒は、前記バイパス通路が該第1の浄
    化触媒の外周部に形成されている排気ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記第1の浄化触媒は、前記排気ガスの流入方向に垂直
    な断面における前記バイパス通路部分の占める割合が、
    半分以下に設定されている浄化触媒である排気ガス浄化
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記排気ガスの一部を、前記第1の浄化触媒の上流側か
    ら下流側に迂回させる迂回通路を備えている排気ガス浄
    化装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であ
    って、 前記第1および第2の浄化触媒には、前記活性酸素放出
    剤として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、
    遷移金属の中から選択された少なくとも1の元素が担持
    されている排気ガス浄化装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であ
    って、 前記第1および第2の浄化触媒には、前記活性酸素放出
    剤に加えて、白金族に属する貴金属触媒が担持されてい
    る排気ガス浄化装置。
  12. 【請求項12】 内燃機関の排気ガス中に含まれる含炭
    素浮遊微粒子を浄化する方法であって、 前記排気ガス中の過剰酸素を取り込んで保持するととも
    に周囲の酸素濃度が低下した場合には保持した酸素を活
    性酸素として放出する活性酸素放出剤が担持された第1
    の浄化触媒を用いて、該排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
    を選択的に浄化し、 前記第1の浄化触媒を通過した前記含炭素浮遊微粒子
    を、前記活性酸素放出剤が担持された第2の浄化触媒を
    用いて非選択的に浄化する排気ガスの浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7338642B2 (en) 2003-07-08 2008-03-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas purification device for engine
JP2009047117A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Mazda Motor Corp 排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化装置
JP2010511126A (ja) * 2006-11-29 2010-04-08 コーニング インコーポレイテッド 部分ウォールフロー型フィルタおよびディーゼル排気装置および方法
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JP2011167582A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Ngk Insulators Ltd ハニカム触媒体

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