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JP2002359068A - Elデバイス、elディスプレイ、el照明装置およびこれを用いた液晶装置、並びに電子機器 - Google Patents

Elデバイス、elディスプレイ、el照明装置およびこれを用いた液晶装置、並びに電子機器

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Publication number
JP2002359068A
JP2002359068A JP2001164896A JP2001164896A JP2002359068A JP 2002359068 A JP2002359068 A JP 2002359068A JP 2001164896 A JP2001164896 A JP 2001164896A JP 2001164896 A JP2001164896 A JP 2001164896A JP 2002359068 A JP2002359068 A JP 2002359068A
Authority
JP
Japan
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light
incident
emitted
outside
transmitting substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001164896A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuyoshi Maeda
強 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001164896A priority Critical patent/JP2002359068A/ja
Priority to TW091109269A priority patent/TWI257828B/zh
Priority to US10/154,973 priority patent/US6873099B2/en
Priority to KR10-2002-0029451A priority patent/KR100483785B1/ko
Priority to CNB021216142A priority patent/CN1207941C/zh
Publication of JP2002359068A publication Critical patent/JP2002359068A/ja
Priority to JP2003209423A priority patent/JP2004095541A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光層で発光した光のうち臨界角未満で光透
過性基板に入射した光は低散乱で外部に放出でき、しか
も臨界角以上で光透過性基板に入射した光を外部に放出
でき、正面方向の輝度を向上できるELディスプレイの
提供。 【解決手段】 複数のEL素子10が光透過性基板1の
一方の面上にマトリクス状に配置され、一対の電極2、
5のうち少なくとも基板1側に位置する方の電極2は光
透過性電極から形成され、EL素子10の周囲に隔壁8
が設けられ、EL素子10に対して個別通電可能とされ
ており、EL素子10に通電時に発光層4で発光した光
が基板1側に放出されるELディスプレイであって、基
板1の他方の面上に光学手段20が設けられ、光学手段
20は基板1内に入射した発光層4からの光のうち少な
くとも一部の全反射を繰り返す光L1を散乱および/ま
たは回折して外部に出射し、他の光L3を弱散乱および
/または透過して外部に出射するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL素子(エレク
トロルミネッセンス素子)を備えたELデバイスに係わ
り、特に、正面方向の輝度を向上させたELデバイス、
ELディスプレイ、EL照明装置およびこれを用いた液
晶装置、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子を用いたELデバイスの一種に
ELディスプレイが知られている。以下に従来のELデ
ィスプレイの構成例の概要を図面を参照して説明する。
図18は、従来のELディスプレイの例を示す模式断面
図である。従来のELディスプレイは、透明基板801
と、この透明基板801の一方の面上に設けられたEL
素子812から概略構成されている。EL素子812
は、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下、I
TOと略記する。)などからなり、陽極として機能する
透明電極813と、透明電極813から正孔を注入しや
すくする正孔輸送層814と、EL材料からなる発光層
815と、陰極として機能する金属電極816が透明基
板801側から順に積層され、発光層815を介して透
明電極813と金属電極816とが互いに対向するよう
に配置されている。このようなEL素子812が備えら
れたELディスプレイは、透明電極813および金属電
極816に所定の電流を流すことにより、発光層815
で光を発光させ、発光層815からの光が透明電極81
3および透明基板801を透過して、透明基板801側
からEL素子812の外部に向かって放出されるように
なっている。
【0003】ところが発光層815で発光した光のうち
広角(臨界角以上)で透明基板801に出射された光
は、透明基板801内で全反射を繰り返し、透明基板8
01の外部に放出されない。即ち、透明基板801に入
射した光が広角(臨界角以上)である場合は、表示とし
て利用されないため、輝度が低いものであった。なお、
屈折率n1の媒質からθ1の角度で入射した光がθ2の
屈折角度で屈折率n2の媒質へ進むときに、θ1、θ
2、n1、n2の間に次の関係(スネルの法則) n1sinθ1=n2sinθ2 が成立している。透明基板801に入射した光の臨界角
を求めるには、透明基板801としては通常、ガラス基
板や、アクリル樹脂等の透明樹脂が用いられているため
n1=1.49〜1.6であり、空気の屈折率が1であ
るからn2=1であり、入射光が臨界角のときの透過光
が透明基板801の表面と平行になるときの透明基板8
01の法線方向Hからの角度θ2が90°であることか
らことからθ1 は約40°であり、よって透明基板8
01に入射した光の臨界角は約40°程度である。
【0004】そこで、従来のELディスプレイにおいて
は、透明基板801に入射した光が臨界角以上である場
合でも透明基板801の外部に取り出せるようにするた
めに、図18に示したように透明基板801のEL素子
812が設けられた側の面とは反対側の面上に、例えば
厚さ50〜200μmのトリアリルシアネートなどから
なる基材に金属酸化物粒子をフィラーとして分散させた
等方的な散乱特性を有す散乱層820を形成すること
で、透明基板801に入射した光(発光層815で発光
した光が透明基板801に出射された光)が臨界角以上
である場合も透明基板801の外部に取り出せるように
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな散乱層820が設けられた従来のELディスプレイ
においては、図18に示すように透明基板801に入射
した臨界角以上の入射光L10を等方的に散乱(透過光
L11が等方的に散乱)させて、透明基板801の外部
に取り出すことが可能であるが、透明基板801に入射
した臨界角未満の入射光L12に対しても等方的な散乱
(透過光L13が等方的に散乱)が生じるために、広視
角で見たときの輝度は明るいものの、正面方向(法線方
向およびその近傍方向)から見たときの輝度が低く、表
示が暗くなってしまうという問題があった。また、透明
基板801に入射した光が臨界角以上である場合でも透
明基板801の外部に取り出せるようにする他の手段と
しては、透明基板801の表面を粗くして凹凸を設ける
方法があるが、この場合も散乱層820を設けた場合と
同様に正面方向から見たときの輝度が低く、表示が暗く
なってしまうという問題があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、発光層で発光した光のうち狭い角度(臨界角
未満)で光透過性基板に入射した光は低散乱で外部に放
出でき、しかも広角(臨界角以上)で光透過性基板に入
射した光を外部に放出でき、正面方向(法線方向および
その近傍方向)の輝度を向上できるELデバイスの提供
を目的とする。また、本発明はこのような正面方向の輝
度を向上させたELデバイスをELディスプレイとして
用い、明るい表示が得られ、表示品質を向上させること
ができるELディスプレイの提供を他の目的とする。ま
た、本発明はこのような正面方向の輝度を向上させたE
LデバイスをEL照明装置として用いることを他の目的
とする。また、本発明はこのような正面方向の輝度を向
上させたEL照明装置を備えた液晶装置の提供を他の目
的とする。また、本発明は正面方向の輝度を向上させた
ELディスプレイ又はEL照明装置を用いた液晶装置を
表示手段として備えた電子機器を提供することを他の目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のELデバイスは、発光層を含む少なくとも1
つの有機層と該有機層を介して互いに対向する一対の電
極とを備えてなる複数のEL素子が光透過性基板の一方
の面上にマトリクス状に配置され、前記一対の電極のう
ち少なくとも光透過性基板側に位置する方の電極は光透
過性電極から形成され、上記EL素子に対して個別通電
可能とされており、上記EL素子に通電時に上記発光層
で発光した光が上記光透過性基板側に放出されるELデ
バイスであって、上記光透過性基板の他方の面上に光学
手段が設けられ、該光学手段は上記光透過性基板内に入
射した発光層からの光のうち少なくとも一部の全反射を
繰り返す光を散乱および/または回折して外部に出射
し、他の光を弱散乱および/または透過して外部に出射
するものであることを特徴とする。このようなELデバ
イスでは、上記光透過性基板の他方の面上に上記のよう
な構成の光学手段が設けられたことにより、上記光透過
性基板内に入射した発光層からの光のうち少なくとも一
部の全反射を繰り返すような角度で入射した光(広角
(臨界角以上)で光透過性基板に入射した光)を散乱お
よび/または回折して外部に出射させることができ、し
かも他の光(狭い角度(臨界角未満)で光透過性基板に
入射した光)を弱散乱および/または透過して外部に出
射させることができるので、等方的な散乱特性を有す散
乱層や透明基板の表面に凹凸を設けた従来のものに比べ
て正面方向(法線方向およびその近傍)の輝度を向上で
きる。すなわち、本発明のELデバイスでは、広角(臨
界角以上)で光透過性基板に入射した光の少なくとも一
部に対しては散乱および/または回折し、狭い角度(臨
界角未満)で光透過性基板に入射した光に対しては影響
を与えないあるいは弱影響とすることができる光学手段
をEL素子の支持基板としての光透光性基板の表面に設
けることによって、全反射条件を回避するとともに正面
方向(法線方向およびその近傍方向)に略真っ直ぐ出射
されてくる光については散乱しないようにして、発光層
で発光した光を外部に効率良く取り出(放出)してお
り、これによって正面方向の輝度を向上できる。
【0008】また、上記課題を解決するために本発明の
ELデバイスは、発光層を含む少なくとも1つの有機層
と該有機層を介して互いに対向する一対の電極とを備え
てなるEL素子が光透過性基板の一方の面上に配置さ
れ、前記一対の電極のうち少なくとも光透過性基板側に
位置する方の電極は光透過性電極から形成され、上記E
L素子に対して通電可能とされており、上記EL素子に
通電時に上記発光層で発光した光が上記光透過性基板側
に放出されるELデバイスであって、上記光透過性基板
の他方の面上に光学手段が設けられ、該光学手段は上記
光透過性基板内に入射した発光層からの光のうち少なく
とも一部の全反射を繰り返す光を散乱および/または回
折して外部に出射し、他の光を弱散乱および/または透
過して外部に出射するものであることを特徴とする。こ
のような構成のELデバイスにおいても、上記光透過性
基板の他方の面上に上記のような構成の光学手段が設け
られたことにより、正面方向(法線方向およびその近
傍)の輝度を向上できる。
【0009】また、上記いずれかの構成の本発明のEL
デバイスにおいては、上記光学手段は、上記光透過性基
板内に入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入射
光の少なくとも一部は強散乱して外部に出射し、臨界角
未満の入射光は弱散乱または透過して外部に出射するも
のであってもよい。このようなELデバイスでは、上記
光透過性基板の他方の面上に上記のような構成の光学手
段が設けられたことにより、上記光透過性基板内に入射
した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光の少なく
とも一部は強散乱して外部に出射させることができ、し
かも臨界角未満の入射光は弱散乱または透過(無散乱)
して外部に出射させることができるので、すなわち全反
射条件を回避できるとともに正面方向(法線方向および
その近傍方向)に略真っ直ぐ出射されてくる光について
はできるだけ散乱が生じないか、あるいは透過できるの
で、正面方向の輝度を向上できる。また、上記光学手段
は、上記光透過性基板内に入射した発光層からの光のう
ち臨界角以上の入射光の少なくとも一部は回折して外部
に出射し、臨界角未満の入射光は透過して外部に出射す
るものであってもよい。このようなELデバイスでは、
上記光透過性基板の他方の面上に上記のような構成の光
学手段が設けられたことにより、上記光透過性基板内に
入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光の少
なくとも一部は回折して外部に出射させることができ、
臨界角未満の入射光は透過して外部に出射させることが
できるので、すなわち全反射条件を回避できるとともに
正面方向(法線方向およびその近傍方向)に略真っ直ぐ
出射されてくる光については透過できるので、正面方向
の輝度を向上できる。また、上記光学手段は、上記光透
過性基板内に入射した発光層からの光のうち臨界角以上
の入射光の少なくとも一部は強散乱および回折して外部
に出射し、臨界角未満の入射光は弱散乱および/または
透過して外部に出射するものであってもよい。このよう
なELデバイスでは、上記光透過性基板の他方の面上に
上記のような構成の光学手段が設けられたことにより、
上記光透過性基板内に入射した発光層からの光のうち臨
界角以上の入射光の少なくとも一部は強散乱および回折
して外部に出射させることができ、臨界角未満の入射光
は弱散乱および/または透過して外部に出射させること
ができるので、すなわち全反射条件を回避できるととも
に正面方向(法線方向およびその近傍方向)に略真っ直
ぐ出射されてくる光についてはできるだけ散乱が生じな
いか、および/または透過できるので、正面方向の輝度
を向上できる。
【0010】また、上記いずれかの構成の本発明のEL
デバイスにおいては、上記光学手段は、上記光透過性基
板内に入射した発光層からの光のうちβ1≧sin
-1(1/m1)なる条件(式中、β1は上記光透過性基
板の法線方向からの傾き角、1は空気の屈折率、m1は
上記光透過性基板の屈折率である。)を満たす入射光の
少なくとも一部は散乱および/または回折して外部に出
射し、β1<sin-1(1/m1)なる条件を満たす入
射光は弱散乱および/または透過して外部に出射するも
のであってもよい。上記光透過性基板に入射した光が臨
界角以上を示すときの上記光透過性基板の法線方向から
の傾き角β1の値は、上記のスネルの法則(n1sin
θ1=n2sinθ2 )から計算でき、n1=m1 、
空気の屈折率が1であるからn2=1、θ1=β1 、
入射光が臨界角のときの透過光が光透過性基板の表面と
平行になるときの光透過性基板の法線方向からの角度θ
2が90°であることから、β1≧sin-1(1/m
1) と計算できる。従って、上記光学手段は、上記光
透過性基板内に入射した発光層からの光のうちβ1≧s
in-1(1/m1)なる条件を満たす入射光の少なくと
も一部は散乱および/または回折でき、β1<sin-1
(1/m1)なる条件を満たす入射光は弱散乱および/
または透過できるものであれば、上記光透過性基板内に
入射した発光層からの光のうち全反射を繰り返すような
角度で入射した光(広角(臨界角以上)で光透過性基板
に入射した光)の少なくとも一部を散乱および/または
回折して外部に出射させることができ、しかも他の光
(狭い角度(臨界角未満)で光透過性基板に入射した
光)を弱散乱および/または透過して外部に出射させる
ことができる。
【0011】上記光学手段は、これに入射した光が強散
乱および/または回折を示すときと弱散乱および/また
は透過を示すときの過渡状態は約10°から20°程度
の範囲があるため、上記光透過性基板に入射した入射光
の臨界角から10°程度ずれた範囲の角度の入射光も散
乱および/または回折できるようにして、光学手段を最
適化することが好ましい。従って、上記光学手段は、上
記光透過性基板内に入射した発光層からの光のうちβ1
≧sin-1(1/m1)−10°なる条件(式中、β1
は上記光透過性基板の法線方向からの傾き角、1は空気
の屈折率、m1は上記光透過性基板の屈折率である。)
を満たす入射光の少なくとも一部は散乱および/または
回折して外部に出射し、β1<sin-1(1/m1)−
10°なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または
透過して外部に出射するものであることが好ましい。
【0012】また、上記光学手段は、上記光透過性基板
内に入射した発光層からの光のうちβ1≧40°なる条
件(式中、β1は上記光透過性基板の法線方向からの傾
き角)を満たす入射光の少なくとも一部は強散乱および
/または回折して外部に出射し、β1=0なる条件を満
たす入射光は弱散乱および/または透過して外部に出射
するものであってもよい。光透過性基板に入射した光が
臨界角以上を示すときの上記光透過性基板の法線方向か
らの傾き角β1の具体的な値(概算値)を求めるには、
上記光透過性基板としては、ガラス基板や、アクリル樹
脂等の透明樹脂を用いることができ、これらの屈折率は
1.49〜1.6(n1 =1.49〜1.6)であ
り、空気の屈折率が1(n2=1)であり、入射光が臨
界角のときの透過光が光透過性基板の表面と平行になる
ときの光透過性基板の法線方向からの角度θ2が90°
であることから、上記のスネルの法則よりθ1 は約4
0°であり、よって光透過性基板に入射した光の臨界角
β1は約40°程度である。従って、上記光学手段は、
上記光透過性基板内に入射した発光層からの光のうちβ
1≧40°なる条件を満たす入射光の少なくとも一部は
強散乱および/または回折でき、β1=0なる条件を満
たす入射光は弱散乱および/または透過できるものであ
れば、上記光透過性基板内に入射した発光層からの光の
うち全反射を繰り返すような角度で入射した光(広角
(臨界角以上)で光透過性基板に入射した光)の少なく
とも一部を強散乱および/または回折して外部に出射さ
せることができ、しかも正面方向(法線方向)に真っ直
ぐ出射されてくる光を弱散乱および/または透過して外
部に出射させることができる。
【0013】また、上記光学手段は、上記光透過性基板
内に入射した発光層からの光のうちβ1≧40°なる条
件(式中、β1は上記光透過性基板の法線方向からの傾
き角)を満たす入射光の少なくとも一部は散乱および/
または回折して外部に出射し、β1<40°なる条件を
満たす入射光は弱散乱および/または透過して外部に出
射するものであることが好ましい。上記光学手段がこの
ような条件を満たすものであれば、上記光透過性基板内
に入射した発光層からの光のうち全反射を繰り返すよう
な角度で入射した光(広角(臨界角以上)で光透過性基
板に入射した光)の少なくとも一部を強散乱および/ま
たは回折して外部に出射させることができ、臨界角未満
の入射光を弱散乱および/または透過して外部に殆ど出
射させることができる。
【0014】また、上記のいずれかの構成の本発明のE
Lデバイスにおいては、上記光学手段は、上記発光層か
ら上記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のう
ちβ2≧sin-1(1/m2)なる条件(式中、β2は
上記光学手段の法線方向からの傾き角、1は空気の屈折
率、m2は光学手段の屈折率である。)を満たす入射光
の少なくとも一部は散乱および/または回折して外部に
出射し、β2<sin -1(1/m2)なる条件を満たす
入射光は弱散乱および/または透過して外部に出射する
ものであってもよい。上記光学手段に入射した光が臨界
角以上を示すときの上記光学手段の法線方向からの傾き
角β2の値は、上記のスネルの法則(n1sinθ1=
n2sinθ2 )から計算でき、n1=m2 、空気の
屈折率が1であるからn2=1、θ1=β2 、入射光
が臨界角のときの透過光が光透過性基板の表面と平行に
なるときの光透過性基板の法線方向からの角度θ2が9
0°であることから、β2≧sin-1(1/m2) と
計算できる。従って、上記光学手段は、上記発光層から
上記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうち
β2≧sin-1(1/m2)なる条件を満たす入射光の
少なくとも一部は散乱および/または回折でき、β2<
sin-1(1/m2)なる条件を満たす入射光は弱散乱
および/または透過できるものであれば、上記発光層か
ら上記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のう
ち全反射を繰り返すような角度で入射した光(広角(臨
界角以上)で光学手段に入射した光)の少なくとも一部
を散乱および/または回折して外部に出射させることが
でき、しかも他の光(狭い角度(臨界角未満)で光学手
段に入射した光)を弱散乱および/または透過して外部
に出射させることができる。
【0015】上記発光層から上記光透過性基板を経て上
記光学手段に入射した入射光が上記光学手段によって強
散乱および/または回折を示すときと弱散乱を示すとき
の角度の過渡状態は約10°から20°程度の範囲があ
るため、上記光透過性基板を経て上記光学手段に入射し
た入射光の臨界角から10°程度ずれた範囲の角度の入
射光も散乱および/または回折できるようにして、光学
手段を最適化することが好ましい。従って、上記光学手
段は、上記発光層から上記光透過性基板を経て該光学手
段に入射した光のうちβ2≧sin-1(1/m2)−1
0°なる条件(式中、β2は上記光学手段の法線方向か
らの傾き角、1は空気の屈折率、m2は光学手段の屈折
率である。)を満たす入射光の少なくとも一部は散乱お
よび/または回折して外部に出射し、β2<sin
-1(1/m2)−10°なる条件を満たす入射光は弱散
乱および/または透過して外部に出射するものであるこ
とが好ましい。
【0016】また、上記光学手段は、上記発光層から上
記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうちβ
2≧40°なる条件(式中、β2は上記光学手段の法線
方向からの傾き角)を満たす入射光の少なくとも一部は
強散乱および/または回折して外部に出射し、β2=0
°なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過
して外部に出射するものであってもよい。上記発光層か
ら上記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光が臨
界角以上を示すときの上記光学手段の法線方向からの傾
き角β2の具体的な値(概算値)を求めるには、上記光
学手段としては、該光学手段中の平均屈折率は約1.5
7(n1 =1.57程度)であり、空気の屈折率が1
(n2=1)であり、入射光が臨界角のときの透過光が
光学手段の表面と平行になるときの光学手段の法線方向
からの角度θ2が90°であることから、上記のスネル
の法則よりθ1 は約40°であり、よって光学手段に
入射した光の臨界角β2は約40°程度である。従っ
て、上記光学手段は、上記発光層から上記光透過性基板
を経て該光学手段に入射した光のうちβ2≧40°なる
条件を満たす入射光の少なくとも一部は強散乱および/
または回折でき、β2=0なる条件を満たす入射光は弱
散乱および/または透過できるものであれば、上記発光
層から上記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光
のうち全反射を繰り返すような角度で入射した光(広角
(臨界角以上)で光学手段に入射した光)の少なくとも
一部を強散乱および/または回折して外部に出射させる
ことができ、しかも正面方向(法線方向)に真っ直ぐ出
射されてくる光を弱散乱および/または透過して外部に
出射させることができる。
【0017】また、上記光学手段は、上記発光層から上
記光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうちβ
2≧40°なる条件(式中、β2は上記光学手段の法線
方向からの傾き角)を満たす入射光の少なくとも一部は
散乱および/または回折して外部に出射し、β2<40
°なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過
して外部に出射するものであることが好ましい。上記光
学手段がこのような条件を満たすものであれば、上記発
光層から上記光透過性基板を経て該光学手段に入射した
光のうち全反射を繰り返すような角度で入射した光(広
角(臨界角以上)で光学基板に入射した光)の少なくと
も一部を強散乱および/または回折して外部に出射させ
ることができ、臨界角未満の入射光を弱散乱および/ま
たは透過して外部に殆ど出射させることができる。
【0018】また、上記のいずれかの構成の本発明のE
Lデバイスにおいては、上記光透過性基板の屈折率m1
と光学手段の屈折率m2 は同じ大きさかあるいは略等
しい大きさであってもよい。また、上記のいずれかの構
成の本発明のELデバイスにおいては、上記光透過性基
板の屈折率m1と光学手段の屈折率m2 は、m1≦m
2なる関係を満たすことが上記光透過性基板内に入射し
た発光層からの光が全反射することがなく、発光層で発
光した光を外部に効率良く取り出す(出射する)ことが
できる点で好ましい。
【0019】また、上記のいずれかの構成の本発明のE
Lデバイスにおいては、上記光学手段は、上記光透過性
基板内に入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入
射光はヘイズ50%以上で外部に出射し、臨界角未満の
入射光はヘイズ20%以下で外部に出射するものであっ
てもよい。上記光学手段が、上記光透過性基板内に入射
した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光はヘイズ
50%以上で外部に出射できるものであれば、上記臨界
角以上の入射光は上記光学手段により散乱等が生じて外
部に出射することができる。また、上記光学手段が、上
記光透過性基板内に入射した発光層からの光のうち臨界
角未満の入射光はヘイズ20%以下で外部に出射できる
ものであれば、上記臨界角未満の入射光は上記光学手段
により透過(無散乱)あるいは殆ど散乱が生じることな
く略直進して外部に出射することができる。従って、こ
のような光学手段が設けられたELデバイスによれば、
等方的な散乱特性を有す散乱層や透明基板の表面に凹凸
を設けた従来のものに比べて正面方向(法線方向および
その近傍)の輝度を向上できる。
【0020】また、上記のいずれかの構成の本発明のE
Lデバイスにおいては、上記光学手段は、複数枚の光学
フィルムを積層して形成されたものであってもよい。上
記複数枚の光学フィルムは平行線透過率が指向性を示す
軸をずらして積層されたものであってもよい。上記光学
フィルムは、ホログラムであってもよい。
【0021】また、上記課題を解決するために本発明の
ELディスプレイは、発光層を含む少なくとも1つの有
機層と該有機層を介して互いに対向する一対の電極とを
備えてなる複数のEL素子が光透過性基板の一方の面上
にマトリクス状に配置され、上記EL素子に対して個別
通電可能とされており、上記EL素子に通電時に上記発
光層で発光した光が上記光透過性基板側に放出されるE
Lデバイスであって、上記光透過性基板の他方の面上に
光学手段が設けられ、該光学手段は上記光透過性基板内
に入射した発光層からの光のうち少なくとも一部の全反
射を繰り返す光を散乱および/または回折して外部に出
射するものであるELデバイスをELディスプレイとし
て用い、上記光学手段が上記のいずれかの構成のもので
あることを特徴とする。このようなELディスプレイに
よれば、正面方向の輝度を向上させた本発明のELデバ
イスをELディスプレイとして用いたものであるので、
正面方向(法線方向およびその近傍方向)からみたとき
の表示が明るく、表示品質を向上させることができる。
また、このようなELディスプレイは、照明装置を別個
に設けなくても済むので、照明装置を必要とする液晶デ
ィスプレイに比べて、厚みを薄くできる。また、このE
Lディスプレイの光学手段側に出てくる光は発光層で発
光されたものであるので、この発光体による表示は液晶
ディスプレイの表示に比べて視野角が広い。さらに、こ
のELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べて応答
速度が速いとい利点がある。
【0022】上記構成の本発明のELディスプレイにお
いては、上記EL素子として、赤色発光するEL素子
と、緑色発光するEL素子と、青色発光するEL素子と
を用いたものであってもよい。このようなELディスプ
レイとすることにより、正面方向(法線方向およびその
近傍方向)からみたときの表示が明るく、フルカラーの
ELディスプレイを提供できる。また、上記のいずれか
の構成の本発明のELディスプレイにおいては、上記光
学手段の上記光透過性基板側とは反対側の面上に位相差
板(λ/4板)と、偏光板が上記光学手段側から順に設
けられていてもよい。上記のような位相差板と、偏光板
が設けられていないと、上記対向する電極と光透過性電
極のうち前者の電極がアルミニウム等の反射性を有する
材料から形成されている場合、周囲光が強い(明るい)
と、前記電極が周囲光を反射してしまい、黒表示を視認
できない。本発明のELディスプレイでは、上記のよう
な位相差板と、偏光板を設けることで、周囲光が強い
(明るい)場合に周囲光は1回目に位相差板を通るとき
に円偏光し、さらにこの光は前記電極で反射して逆向の
円偏光で出てくるがこの逆向きの円偏光は偏向板は通さ
ないため、黒表示を視認できる。
【0023】また、上記の課題を解決するために本発明
のEL照明装置は、発光層を含む少なくとも1つの有機
層と該有機層を介して互いに対向する一対の電極とを備
えてなるEL素子が光透過性基板の一方の面上に配置さ
れ、上記EL素子に対して通電可能とされており、上記
EL素子に通電時に上記発光層で発光した光が上記光透
過性基板側に放出されるELデバイスであって、上記光
透過性基板の他方の面上に光学手段が設けられ、該光学
手段は上記光透過性基板内に入射した発光層からの光の
うち少なくとも一部の全反射を繰り返す光を散乱および
/または回折して外部に出射するものであるELデバイ
スをEL照明装置として用い、上記光学手段が上記のい
ずれかの構成のものであることを特徴とする。このよう
なEL照明装置によれば、本発明のELデバイスをEL
照明装置として用いたものであるので、正面方向の輝度
を向上したものが得られる。
【0024】上記構成の本発明のEL照明装置において
は、上記EL素子として、赤色発光するEL素子と、緑
色発光するEL素子と、青色発光するEL素子と、白色
発光するEL素子のいずれか一つ以上が用いられていて
もよい。このようなEL照明装置によれば、用いるEL
素子によって、あるいは、用いるEL素子の組み合わせ
により、赤色あるいは緑色あるいは緑色あるいは白色あ
るいはその他の色の光を効率良く放出し、正面方向の輝
度を向上した、EL照明装置が得られる。また、上記構
成の本発明のEL照明装置においては、上記EL素子と
して青色発光するEL素子が用いられ、上記EL素子と
上記光透過性基板の間又は上記光透過性基板と上記光学
手段の間又は上記光学手段の表面に、上記発光層で青色
発光した光を波長変換する手段が設けられたものであっ
てもよい。このようなEL照明装置によれば、白色の光
を効率良く放出し、正面方向の輝度を向上した、EL照
明装置が得られる。
【0025】また、上記の課題を解決するために本発明
の液晶装置は、一対の基板と、これらの基板間に挟持さ
れた液晶層とを具備した液晶パネルと、該液晶パネルの
一方の基板の液晶層とは反対側に設けられた上記構成の
本発明のEL照明装置とが備えられてなることを特徴と
する。上記液晶パネルは、一方の基板の液晶層側に半透
過反射層が設けられているものであってもよい。このよ
うな液晶装置によれば、正面方向の輝度を向上した本発
明のEL照明装置が備えられたものであるので、明るい
表示が得られ、表示品質を向上させることができる。
【0026】また、上記の課題を解決するために本発明
の電子機器は、上記構成の本発明のELディスプレイ又
は上記構成のEL照明装置を備えた本発明の液晶装置を
表示手段として備えたことを特徴とする。このような電
子機器は、明るい表示が得られ、表示品質を向上した本
発明のELディスプレイまたは本発明のEL照明装置が
備えられた液晶装置が備えられたことにより、優れた表
示品質が得られる表示手段を備えた電子機器とすること
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (ELディスプレイの実施形態)図1は、本発明のEL
デバイスをELディスプレイに適用した一実施形態例を
示した図であり、基板側から見た平面図である。図2
は、図1に示したELディスプレイの一部を示した概略
断面図であり、図1のA−A’断面図である。図3は、
図1に示したELディスプレイの要部を示した図であ
り、このELディスプレイに備えられた複数のEL素子
のうちの1個のEL素子およびこれの周辺部分を示した
模式拡大断面図である。
【0028】図1及び図2において、符号1は、ガラス
などからなる光透過性基板を示している。光透過性基板
1の一方の面上には、対向する一対の電極2、5の間に
発光層4が介在され、赤、緑、青のうちいずれかの色を
発光する複数のEL素子10がマトリクス状に配置さ
れ、互いに交差するように格子状に設けられた電極2お
よび金属電極5によって個別に通電できるようになって
いる。一対の電極2、5のうち光透過性基板1側に位置
する方の電極2は光透過性電極である。また、複数のE
L素子10のそれぞれの周囲には、樹脂ブラックレジス
トなどからなり、隣り合うEL素子10間を隔てる隔壁
8が設けられている。図1および図2に示すELディス
プレイにおいては、複数のEL素子10のうち符号11
で示で示すEL素子は発光層4Rが赤色発光するもの、
符号12で示すEL素子は発光層4Gが緑色発光するも
の、符号13で示すEL素子は発光層4Bが青色発光す
るものとなっている。また、光透過性基板1の他方の面
(複数のEL素子10が設けられた側と反対側の面)上
に光学手段20が設けられている。この光学手段20は
光透過性基板1内に入射した各発光層からの光のうち全
反射を繰り返す光を散乱および/または回折して外部に
出射し、他の光を弱散乱および/または透過して外部に
出射するものである。光学手段20の構成および作用に
ついては後で詳細に説明する。また、図2に示すように
光学手段20の光透過性基板1側とは反対側の面上に位
相差板(λ/4板)41と、偏光板42が光学手段20
側から順に設けられている。なお、図1では位相差板
(λ/4板)41と、偏光板42は図示を略した。
【0029】緑色発光するEL素子12は、図2に示す
ように、光透過性基板1上に、インジウム錫酸化物(In
dium Tin Oxide、以下、ITOと略記する。)膜からな
る光透過性電極2Gと、光透過性電極2Gから正孔を注
入しやすくする正孔輸送層3と、EL材料からなる発光
層4Gと、金属電極5とが順に積層されたものであり、
発光層4Gを介して光透過性電極2Gと金属電極5とが
互いに対向するようになっている。図2に示すEL素子
12においては、光透過性電極2Gが陽極として機能
し、金属電極5が陰極として機能するように構成されて
いる。そして、光透過性電極2Gおよび金属電極5に所
定の電流を流すことにより、発光層4Gに緑色光を発光
させ、発光層4Gからの緑色光が光透過性電極2Gを透
過して光透過性基板1に入射する。そして光透過性基板
1に入射した発光層からの光は光学手段20に至り、光
透過性基板1に入射したときの入射角度に応じて光学手
段20の作用を受けて位相差板41側に出射され、さら
に位相差板41、偏光板42を通過して図2において下
側からELディスプレイの外部に向かって放出されるよ
うになっている。ここでの光学手段20の作用について
は後で詳細に説明する。
【0030】また、図2に示すEL素子12では、光透
過性電極2Gの膜厚は、150±20nmとされてい
る。正孔輸送層3としては、例えば、4、4’ービス
(mートリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、
4、4’ービス[Nー(1ナフチル)ーNーフェニルア
ミノ]ビフェニル(αーNPD)、4、4’、4’’ー
トリス[Nー(3ーメチルフェニル)ーNーフェニルア
ミノ]トリフェニルアミン(mーMTDATA)などの
トリフェニルアミン誘導体や、ポリビニルカルバゾー
ル、ポリエチレンジオキシチオフェンなど、従来の正孔
輸送層に使用されている材料を使用したものなどが挙げ
られる。また、正孔輸送層3に使用される材料として
は、1種または複数種使用することができる。
【0031】発光層4Gとしては、従来の発光層に使用
されている緑色発光が得られる有機のEl材料(エレク
トロルミネッセンス材料)からなるものとすることがで
き、好ましくは、キナクリドンおよびその誘導体などの
有機El材料からなるものとされる。また、発光層4G
に使用される材料としては、1種または複数種使用する
ことができる。金属電極5としては、例えば、アルミニ
ウム、銀、銀合金、マグネシウムなど、従来の金属電極
に使用されている材料を使用したものなどが挙げられ
る。
【0032】また、赤色発光するEL素子11および青
色発光するEL素子13は、図2に示す緑色発光するE
L素子12と、光透過性電極2の膜厚と発光層4に使用
されている材料とが、異なるものである。赤色発光する
EL素子11では、光透過性電極2Rの膜厚は、180
±20nmとされている。また、発光層4Rとしては、
従来の発光層に使用されている赤色発光が得られる有機
のEl材料からなるものとすることができ、好ましく
は、ローダミンおよびその誘導体などの有機El材料か
らなるものとされる。また、発光層4Rに使用される材
料としては、1種または複数種使用することができる。
【0033】また、青色発光するEL素子13では、光
透過性電極2Bの膜厚は、120±20nmとされてい
る。また、発光層4Bとしては、従来の発光層に使用さ
れている青色発光が得られる有機のEl材料からなるも
のとすることができ、好ましくは、ジスチリルビフェニ
ルおよびその誘導体、クマリンおよびその誘導体、テト
ラフェニルブタジエンおよびその誘導体などの有機El
材料からなるものとされる。また、発光層4Bに使用さ
れる材料としては、1種または複数種使用することがで
きる。
【0034】次に、本実施形態のELディスプレイに備
えられた光学手段20の構成および作用について詳細に
説明する。この光学手段20は、図2及び図3に示すよ
うに光透過性基板1内に入射した発光層4(発光層4
R、4G、4B)からの光のうち少なくとも一部の全反
射を繰り返す光L1を散乱および/または回折して外部
(本実施形態の場合、位相差板41側)に出射し、他の
光L3を弱散乱および/または透過して外部(本実施形
態の場合、位相差板41側)に出射するものである。こ
のELディスプレイでは一対の電極2、5に通電される
と、発光層4で発光した光は光透過性基板11側に放出
されて、この光透過性基板11に入射するが、この基板
11に入射した発光層4からの光のうち少なくとも一部
の全反射を繰り返すような角度で入射した光L1(広角
(臨界角以上)で光透過性基板11に入射した光)は光
学手段20に至り、この光学手段20で散乱および/ま
たは回折されて位相差板41側に出射され、さらにこれ
ら散乱光および/または回折された光L2は位相差板4
1、偏光板42を通過して図2において下側からELデ
ィスプレイの外部に向かって放出されるようになってい
る。一方、光透過性基板11に入射した発光層4からの
光のうち他の光L3(狭い角度(臨界角未満)で光透過
性基板11に入射した光)も光学手段20に至り、この
光学手段20で弱散乱および/または透過して位相差板
41側に出射され、さらにこれら弱散乱光および/また
は透過光L4は位相差板41、偏光板42を通過して図
2において下側からELディスプレイの外部に向かって
放出されるようになっている。
【0035】このような光学手段20の具体例として
は、光透過性基板1内に入射した各発光層4からの光の
うち臨界角以上の入射光のうち少なくとも一部の入射光
L1は強散乱して外部に出射し、臨界角未満の入射光L
3は弱散乱または透過して外部に出射するものであって
もよい。図4はある点光源Oから放出された光に対して
光学手段20の作用を模式的に示す図であり、図4中の
符号20bで示される円内の領域(円周上は含まない)
は光透過性基板1に入射した入射光が臨界角未満の領
域、符号20aで示される円外の領域(円周上を含む)
は光透過性基板1内に入射した入射光が臨界角以上を示
す領域である。図4に示すように光学手段20は、点光
源Oから放出された光のうち臨界角以上を示す領域20
aを通って入射する光は強散乱して点光源Oと反対側に
出射させる作用があり、点光源Oから放出された光のう
ち臨界角未満を示す領域20bを通って入射する光は弱
散乱または透過して点光源Oと反対側に出射させる作用
がある。従って、この光学手段20は、光透過性基板1
内に入射した発光層4からの光のうち臨界角以上の入射
光L1は強散乱して外部に出射させることができ、しか
も臨界角未満の入射光L3は弱散乱または透過(無散
乱)して外部に出射させることができるので、すなわち
全反射条件を回避できるとともに正面方向(法線方向お
よびその近傍方向)に略真っ直ぐ出射されてくる光L3
についてはできるだけ散乱が生じないか、あるいは透過
できるので、正面方向の輝度を向上できる。
【0036】また、上記光学手段20の他の具体例とし
ては、光透過性基板1内に入射した発光層4からの光の
うち臨界角以上の入射光の少なくとも一部の入射光L1
は回折して外部に出射し、臨界角未満の入射光L3は透
過して外部に出射するものであってもよい。図5はある
点光源Oから放出された光に対して光学手段20の作用
を模式的に示す図であり、図5中の符号20bで示され
る円内の領域(円周上は含まない)は光透過性基板1に
入射した入射光が臨界角未満の領域、符号20aで示さ
れる円外の領域(円周上を含む)は光透過性基板1内に
入射した入射光が臨界角以上を示す領域である。図5に
示すように光学手段20は、点光源Oから放出された光
のうち臨界角以上を示す領域20aを通って入射する光
は回折して点光源Oと反対側に出射させる作用があり、
点光源Oから放出された光のうち臨界角未満を示す領域
20bを通って入射する光はそのまま透過して点光源O
と反対側に出射させる作用がある。従って、この光学手
段20では、光透過性基板1内に入射した発光層4から
の光のうち臨界角以上の入射光の少なくとも一部の入射
光L1は回折して外部に出射させることができ、臨界角
未満の入射光L3は透過して外部に出射させることがで
きるので、すなわち全反射条件を回避できるとともに正
面方向(法線方向およびその近傍方向)に略真っ直ぐ出
射されてくる光L3については透過できるので、正面方
向の輝度を向上できる。
【0037】また、この光学手段20の他の具体例とし
ては、光透過性基板1内に入射した発光層4からの光の
うち臨界角以上の入射光の少なくとも一部の入射光L1
は強散乱および回折して外部に出射し、臨界角未満の入
射光L3は弱散乱および/または透過して外部に出射す
るものであってもよく、この光学手段20は、上述の図
4及び図5を用いて説明した両方の作用を有するもので
ある。従って、この光学手段20は、光透過性基板1内
に入射した発光層4からの光のうち臨界角以上の入射光
の少なくとも一部の入射光L1は強散乱および回折して
外部に出射させることができ、臨界角未満の入射光L3
は弱散乱および/または透過して外部に出射させること
ができるので、すなわち全反射条件を回避できるととも
に正面方向(法線方向およびその近傍方向)に略真っ直
ぐ出射されてくる光L3についてはできるだけ散乱が生
じないか、および/または透過できるので、正面方向の
輝度を向上できる。
【0038】また、上記光学手段20の他の具体例とし
ては、光透過性基板1内に入射した発光層4からの光の
うちβ1≧sin-1(1/m1)なる条件(式中、β1
は光透過性基板1の法線方向Hからの傾き角、1は空気
の屈折率、m1は光透過性基板1の屈折率である。)を
満たす入射光の少なくとも一部は散乱および/または回
折して外部に出射し、β1<sin-1(1/m1)なる
条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過して外
部に出射するものであってもよい。光透過性基板1に入
射した光が臨界角以上を示すときの光透過性基板1の法
線方向Hからの傾き角β1の値は、上記のスネルの法則
(n1sinθ1=n2sinθ2 )から計算でき、
n1=m1 、空気の屈折率が1であるからn2=1、
θ1=β1 、入射光が臨界角のときの透過光が光透過
性基板1の表面と平行になるときの光透過性基板1の法
線方向Hからの角度θ2が90°であることから、β1
≧sin-1(1/m1) と計算できる。
【0039】従って、この光学手段20は、光透過性基
板1内に入射した発光層4からの光のうちβ1≧sin
-1(1/m1)なる条件を満たす入射光のうち少なくと
も一部は散乱および/または回折でき、β1<sin-1
(1/m1)なる条件を満たす入射光は弱散乱および/
または透過できるものであれば、光透過性基板1内に入
射した発光層4からの光のうち全反射を繰り返すような
角度で入射した光のうち少なくとも一部の光L1(広角
(臨界角以上)で光透過性基板1に入射した光の少なく
とも一部の光)を散乱および/または回折して外部に出
射させることができ、しかも他の光L3(狭い角度(臨
界角未満)で光透過性基板1に入射した光)を弱散乱お
よび/または透過して外部に出射させることができる。
【0040】ところが、光学手段20は、これに入射し
た光が強散乱および/または回折を示すときと弱散乱お
よび/または透過を示すときの過渡状態は図11に示す
ように約10°から20°程度の範囲があるため、光透
過性基板1に入射した入射光の臨界角から10°程度ず
れた範囲の角度の入射光も散乱および/または回折でき
るようにして、光学手段20を最適化することが好まし
い。図11中、横軸は光学手段20の回転角度(傾斜角
度)であり、縦軸は平行線透過率(T%)である。ここ
での平行線透過率は、図7に示すようにして測定したも
のである。ここでの測定の際には、光学手段20の右側
から光学手段20の中央部の原点O1に向けて、光源
(発光層からの光)Kからの入射光を入射し、そして、
光学手段20の原点O1を通過させて光学手段20を透
過して直進する透過光を光センサ等の受光部Jにて受光
する測定系を用いた。測定の際には光学手段20を回転
(傾斜)させて各回転角度(傾斜角度)において光源K
からの入射光を光学手段20に入射させ、光学手段20
の原点O1を透過して直進する透過光を受光部Jにて受
光して測定したものである。図7中の0°の位置は、光
源Kに対して光学手段20を水平(平行)に配置した位
置であり、0°の位置から右回りの角度を+、左回りの
角度を−とした。
【0041】そして光学手段20の一面側(図7及び図
8では左側)に設置された光源Kから発せられた入射光
Lが光学手段20を透過してこの光学手段20の他面側
(図7及び図8では右側)に抜ける場合、光学手段20
の一面側(左側)において散乱する光を後方散乱光LR
と称し、光学手段20を透過する光を前方散乱光と称す
ることとする。そして、光学手段20を透過した前方散
乱光に関し、入射光Lの進行方向に対して±2°以内の
角度誤差で同じ方向に直進する前方散乱光(平行線透過
光)L5の光強度について、入射光Lの光強度に対する
割合を平行線透過率Tと定義し、更に、±2゜を越えて
周囲側に斜めに拡散する前方散乱光(拡散透過光)LT
の光強度について、入射光Lの光強度に対する割合を拡
散透過率と定義し、透過光全体の入射光に対する割合を
全光線透過率と定義した。以上の定義から、全光線透過
率から拡散透過率を差し引いたものが平行線透過率Tで
あると定義することができる。
【0042】よって図7において平行線透過率Tが低い
値を示す角度は散乱光が多く(強散乱)、平行線透過率
Tが高い値を示す角度は散乱が少なく(弱散乱)および
/または透過光(平行線透過光)が多いことを示し、散
乱光が多い(強散乱)状態から散乱が少なく(弱散乱)
および/または透過光(平行線透過光)が多い状態示す
ときの過渡状態が10°から20°程度ある。従って、
光学手段20は、光透過性基板1内に入射した発光層4
からの光のうちβ1≧sin-1(1/m1)−10°な
る条件(式中、β1は上記光透過性基板1の法線方向H
からの傾き角、1は空気の屈折率、m1は上記光透過性
基板1の屈折率である。)を満たす入射光の少なくとも
一部は散乱および/または回折して外部に出射し、β1
<sin-1(1/m1)−10°なる条件を満たす入射
光は弱散乱および/または透過して外部に出射するもの
であることが好ましい。
【0043】また、光学手段20の他の具体例として
は、光透過性基板1内に入射した発光層4からの光のう
ちβ1≧40°なる条件(式中、β1は光透過性基板1
の法線方向からの傾き角)を満たす入射光の少なくとも
一部は強散乱および/または回折して外部に出射し、β
1=0なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または
透過して外部に出射するものであってもよい。光透過性
基板1に入射した光が臨界角以上を示すときの光透過性
基板1の法線方向Hからの傾き角β1の具体的な値(概
算値)を求めるには、光透過性基板1としては、ガラス
基板(屈折率約1.54)や、アクリル樹脂(屈折率約
1.49)等の透明樹脂を用いることができ、これらの
屈折率は1.49〜1.6(n1 =1.49〜1.
6)であり、空気の屈折率が1(n2=1)であり、入
射光が臨界角のときの透過光が光透過性基板1の表面と
平行になるときの光透過性基板1の法線方向Hからの角
度θ2が90°であることから、上記のスネルの法則よ
りθ1 は約40°であり、よって光透過性基板1に入
射した光の臨界角β1は約40°程度である。なお、光
透過性基板1としてガラス基板(屈折率約1.54)を
用いた場合に臨界角β1 は、40.5°である。従っ
て、光学手段20は、光透過性基板1内に入射した発光
層4からの光のうちβ1≧40°なる条件を満たす入射
光の少なくとも一部は強散乱および/または回折でき、
β1=0なる条件を満たす入射光は弱散乱および/また
は透過できるものであれば、上記光透過性基板1内に入
射した発光層4からの光のうち全反射を繰り返すような
角度で入射した光のうち少なくとも一部の光L1(広角
(臨界角以上)で光透過性基板1に入射した光のうち少
なくとも一部の光)を強散乱および/または回折して外
部に出射させることができ、しかも正面方向(法線方
向)に真っ直ぐ出射されてくる光L3を弱散乱および/
または透過して外部に出射させることができる。
【0044】また、この光学手段20は、光透過性基板
1内に入射した発光層4からの光のうちβ1≧40°な
る条件(式中、β1は上記光透過性基板1の法線方向か
らの傾き角)を満たす入射光の少なくとも一部は散乱お
よび/または回折して外部に出射し、β1<40°なる
条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過して外
部に出射するものであることが好ましい。光学手段20
がこのような条件を満たすものであれば、光透過性基板
1内に入射した発光層4からの光のうち全反射を繰り返
すような角度で入射した光のうち少なくととも一部の光
L1(広角(臨界角以上)で光透過性基板1に入射した
光)を強散乱および/または回折して外部に殆ど出射さ
せることができ、臨界角未満の入射光L3を弱散乱およ
び/または透過して外部に殆ど出射させることができ
る。
【0045】また、上記光学手段20の他の具体例とし
ては、発光層4から光透過性基板1を経て該光学手段2
0に入射した光のうちβ2≧sin-1(1/m2)なる
条件(式中、β2は光学手段20の法線方向Hからの傾
き角、1は空気の屈折率、m2は光学手段の屈折率であ
る。)を満たす入射光の少なくとも一部は散乱および/
または回折して外部に出射し、β2<sin-1(1/m
2)なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または透
過して外部に出射するものであってもよい。この光学手
段20に入射した光が臨界角以上を示すときの光学手段
20の法線方向Hからの傾き角β2の値は、上記のスネ
ルの法則(n1sinθ1=n2sinθ2 から計算
でき、n1=m2 、空気の屈折率が1であるからn2
=1、θ1=β2 、入射光が臨界角のときの透過光が
光透過性基板1の表面と平行になるときの光透過性基板
1の法線方向からの角度θ2が90°であることから、
β2≧sin-1(1/m2) と計算できる。従って、
上記光学手段20は、発光層4から光透過性基板1を経
て該光学手段20に入射した光のうちβ2≧sin
-1(1/m2)なる条件を満たす入射光の少なくとも一
部は散乱および/または回折でき、β2<sin-1(1
/m2)なる条件を満たす入射光は弱散乱および/また
は透過できるものであれば、発光層4から光透過性基板
1を経て該光学手段20に入射した光のうち全反射を繰
り返すような角度で入射した光のうち少なくとも一部の
光L1(広角(臨界角以上)で光学手段に入射した光)
を散乱および/または回折して外部に出射させることが
でき、しかも他の光L3(狭い角度(臨界角未満)で光
学手段に入射した光)を弱散乱および/または透過して
外部に出射させることができる。
【0046】また、先に述べたように発光層4から光透
過性基板1を経て上記光学手段20に入射した入射光が
光学手段20によって強散乱および/または回折を示す
ときと弱散乱を示すときの角度の過渡状態は約10°か
ら20°程度の範囲があるため、光透過性基板1を経て
光学手段20に入射した入射光の臨界角から10°程度
ずれた範囲の角度の入射光も散乱および/または回折で
きるようにして、光学手段20を最適化することが好ま
しい。従って、光学手段20は、発光層4から光透過性
基板1を経て該光学手段20に入射した光のうちβ2≧
sin-1(1/m2)−10°なる条件(式中、β2は
光学手段20の法線方向Hからの傾き角、1は空気の屈
折率、m2は光学手段20の屈折率である。)を満たす
入射光の少なくとも一部は散乱および/または回折して
外部に出射し、β2<sin-1(1/m2)−10°な
る条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過して
外部に出射するものであることが好ましい。
【0047】また、光学手段20の他の具体例として
は、発光層4から光透過性基板1を経て該光学手段20
に入射した光のうちβ2≧40°なる条件(式中、β2
は上記光学手段20の法線方向Hからの傾き角)を満た
す入射光の少なくとも一部は強散乱および/または回折
して外部に出射し、β2=0°なる条件を満たす入射光
は弱散乱および/または透過して外部に出射するもので
あってもよい。発光層4から光透過性基板1を経て該光
学手段20に入射した光が臨界角以上を示すときの光学
手段20の法線方向Hからの傾き角β2の具体的な値
(概算値)を求めるには、光学手段20としては、光学
手段20中の平均屈折率は約1.57(n1 =1.5
7程度)であり、空気の屈折率が1(n2=1)であ
り、入射光が臨界角のときの透過光が光学手段20の表
面と平行になるときの光学手段20の法線方向Hからの
角度θ2が90°であることから、上記のスネルの法則
よりθ1 は約40°であり、よって光学手段20に入
射した光の臨界角β2はは、39.6°であるから、約
40°といえる。従って、上記光学手段20は、発光層
4から光透過性基板1を経て該光学手段20に入射した
光のうちβ2≧40°なる条件を満たす入射光の少なく
とも一部は強散乱および/または回折でき、β2=0な
る条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過でき
るものであれば、発光層4から光透過性基板1を経て該
光学手段20に入射した光のうち全反射を繰り返すよう
な角度で入射した光(広角(臨界角以上)で光学手段2
0に入射した光)の少なくとも一部を強散乱および/ま
たは回折して外部に出射させることができ、しかも正面
方向(法線方向)に真っ直ぐ出射されてくる光を弱散乱
および/または透過して外部に出射させることができ
る。
【0048】また、上記光学手段20は、発光層4から
光透過性基板1を経て該光学手段20に入射した光のう
ちβ2≧40°なる条件(式中、β2は光学手段20の
法線方向Hからの傾き角)を満たす入射光の少なくとも
一部は散乱および/または回折して外部に出射し、β2
<40°なる条件を満たす入射光は弱散乱および/また
は透過して外部に出射するものであることが好ましい。
光学手段20がこのような条件を満たすものであれば、
上記発光層4から光透過性基板1を経て該光学手段20
に入射した光のうち全反射を繰り返すような角度で入射
した光L1(広角(臨界角以上)で光学基板に入射した
光)の少なくとも一部を強散乱および/または回折して
外部に殆ど出射させることができ、臨界角未満の入射光
L3を弱散乱および/または透過して外部に殆ど出射さ
せることができる。
【0049】なお、本発明において散乱とは、光透過性
基板または光学手段に広い角度(臨界角以上)で入射し
た入射光が光透過性基板または光学手段を透過した前方
散乱光のうち入射光の進行方向に対して±2゜を越えて
周囲側に斜めに拡散する前方散乱光(拡散透過光)が生
じる場合と入射光の進行方向に対して±2°以内の角度
誤差で同じ方向に直進する前方散乱光(平行線透過光)
の両方または片方が含まれる。また、強散乱とはヘイズ
値が50%以上示す場合であり、弱散乱とはヘイズ値が
20%以下を示す場合である。また、回折とは、広い角
度(臨界角以上)で入射した入射光が光透過性基板また
は光学手段を透過した透過光のうち入射光の進行方向に
対して出射光の進行方向が曲がるという現象のことであ
る。また、透過とは、狭い角度(臨界角未満)で入射し
た入射光が光透過性基板または光学手段を透過した前方
散乱光のうち入射光の進行方向に対して±2°以内の角
度誤差で同じ方向に直進する前方散乱光(平行線透過
光)のことをいう。
【0050】上述のように光透過性基板1の屈折率m1
は、1.49〜1.6であり、光学手段20の屈折率
m2 は約1.57(平均屈折率)であり、光透過性基
板1の屈折率m1と光学手段20の屈折率m2は同じ大
きさかあるいは略等しい大きさとなっている。光透過性
基板1の屈折率m1と光学手段20の屈折率m2 は、
好ましくはm1≦m2なる関係を満たすことが光透過性
基板1内に入射した発光層4からの光が全反射すること
がなく、発光層4で発光した光を外部に効率良く取り出
す(出射する)ことができる点で好ましい。
【0051】また、光学手段20は、光透過性基板1内
に入射した発光層4からの光のうち臨界角以上の入射光
はヘイズ50%以上で外部に出射し、臨界角未満の入射
光はヘイズ20%以下で外部に出射するものであっても
よい。ここでのヘイズとは、光学の分野においてヘイズ
(Haze)と称される透過率尺度であり、上述の図8を用
いて説明した拡散透過率を全光線透過率で除算して%表
示した値であり、上記平行線透過率とは全く異なる概念
の定義である。ヘイズの値が大きいほど、上記の前方散
乱光(拡散透過光)が強く(多く)、ヘイズの値が小さ
いほど、上記の平行線透過光が強く(多く)ということ
ができる。光学手段20が、光透過性基板1内に入射し
た発光層4からの光のうち臨界角以上の入射光はヘイズ
50%以上で外部に出射できるものであれば、上記臨界
角以上の入射光は光学手段20により散乱等が生じて外
部に出射することができる。また、光学手段20が、光
透過性基板1内に入射した発光層4からの光のうち臨界
角未満の入射光はヘイズ20%以下で外部に出射できる
ものであれば、上記臨界角未満の入射光は上記光学手段
により透過(無散乱)あるいは殆ど散乱が生じることな
く略直進して外部に出射することができる。従って、こ
のような光学手段20が設けられていると、全ての入射
方向で同じ散乱特性を示す従来のもの、言い換えれば、
等方的な散乱特性を有す散乱層や透明基板の表面に凹凸
を設けた従来のものに比べて正面方向(法線方向および
その近傍)の輝度を向上できる。
【0052】本実施形態で用いられる光学手段20をさ
らに具体的に説明すると、この光学手段20は、例え
ば、図6の曲線で示すような光学特性を示すものであ
る。図6中、横軸は光学手段20の回転角度(傾斜角
度)であり、縦軸は平行線透過率(T%)である。ここ
での光学特性は、上述の図7に示した測定系を用いて同
様に測定したものである。このような光学特性を有する
光学手段20は、複数枚の光学フィルムを積層すること
により得ることが可能である。上記の各光学フィルム
は、基本構造の面から見れば、特開2000−0355
06、特開2000−066026、特開2000−1
80607等に開示されている指向性を有する前方散乱
フィルムを適宜用いることができる。例えば、特開20
00−035506に開示されているように、相互に屈
折率の異なる2種以上の光重合可能なモノマーまたはオ
リゴマーの混合物である樹脂シートに、紫外線を斜め方
向から照射して特定の広い方向のみを効率良く散乱させ
る機能を持たせたもの、あるいは、特開2000−06
6026に開示されているオンラインホログラフィック
拡散シートとして、ホログラム用感光材料にレーザを照
射して部分的に屈折率の異なる領域を層構造となるよう
に製造したものなどを適宜用いることができる。図9
は、上記のようなホログラム技術により作製された光学
フィルム21の断面構造例を示す模式図である。この光
学フィルム21は、屈折率がn1の部分と屈折率がn2
の部分が光学フィルム21の断面構造において所定の角
度を有して斜め方向に層状に交互配置されてなる構造で
ある。この構造の光学フィルム21に斜め方向から広角
(臨界角以上)で入射光L1が入射されるとすると、屈
折率の異なる各層の境界部分において散乱および/また
は回折され、これらの光は反対側(図面では下面側)に
散乱光および/または回折された光L2として出射され
るようになっている。また、この構造の光学フィルム2
1に斜め方向から狭い角度(臨界角未満)で入射光L3
が入射されるとすると、屈折率の異なる各層の境界部分
において弱散乱および/または透過され、これらの光は
反対側(図面では下面側)に弱散乱光および/または透
過光L4として出射されるようになっている。
【0053】上記のようなホログラム技術により作製さ
れた光学フィルム21の光学特性は、例えば図6の曲線
で示すような光学特性を有している。ここでの光学特
性は、上述の図7に示した測定系を用いて同様に測定し
たものである。図6の曲線で示すような光学特性は、
図9の光学フィルム21のA−B方向の特性であり、こ
のA−B方向が平行線透過率が指向性を示す軸αであ
る。従って、このような光学特性を有する光学フィルム
21から図の曲線で示すような光学特性を有する光
学手段20を得るには、光学フィルム21を複数枚用意
し、平行線透過率が指向性を示す軸αをずらして積層す
ればよく、具体的には図10に示すように光学フィルム
21を二枚用意し、平行線透過率が指向性を示す軸αを
180°ずらして積層することによって得られる。
【0054】本実施形態のELディスプレイでは、光透
過性基板1の他方の面上に上記のような構成の光学手段
20が設けられたことにより、光透過性基板1内に入射
した発光層4からの光のうち少なくとも一部の全反射を
繰り返すような角度で入射した光L1(広角(臨界角以
上)で光透過性基板1に入射した光)を散乱および/ま
たは回折して位相差板41側に出射し、さらにこれら散
乱光および/または回折された光L2を位相差板41、
偏光板42を通過させて外部に出射させることができ、
しかも他の光L3(狭い角度(臨界角未満)で光透過性
基板1に入射した光)を弱散乱および/または透過して
位相差板41側に出射し、さらにこれら弱散乱光および
/または透過光L4を位相差板41、偏光板42を通過
させて外部に出射させることができるので、等方的な散
乱特性を有す散乱層や透明基板の表面に凹凸を設けた従
来のものに比べて正面方向(法線方向およびその近傍)
の輝度を向上できる。すなわち、本実施形態のELディ
スプレイでは、広角(臨界角以上)で光透過性基板1に
入射した光のうち少なくとも一部の光L1に対しては散
乱および/または回折し、狭い角度(臨界角未満)で光
透過性基板1に入射した光L3に対しては影響を与えな
いあるいは弱影響とすることができる光学手段20をE
L素子10の支持基板としての光透光性基板1の表面に
設けることによって、全反射条件を回避するとともに正
面方向(法線方向Hおよびその近傍方向)に略真っ直ぐ
出射されてくる光については散乱しないようにして、発
光層4で発光した光を外部に効率良く取り出(放出)し
ており、これによって正面方向の輝度を向上できる。従
って、本実施形態のELディスプレイによれば、正面方
向の輝度を向上させたものであるので、正面方向(法線
方向およびその近傍方向)からみたときの表示が明る
く、表示品質を向上させることができる。また、このよ
うなELディスプレイは、照明装置を別個に設けなくて
も済むので、照明装置を必要とする液晶ディスプレイに
比べて、厚みを薄くできる。また、このELディスプレ
イの光学手段20側に出てくる光は発光層で発光された
ものであるので、この発光体による表示は液晶ディスプ
レイの表示に比べて視野角が広い。さらに、このELデ
ィスプレイは、液晶ディスプレイに比べて応答速度が速
いとい利点がある。
【0055】さらにこの本実施形態のELディスプレイ
においては、EL素子10として、赤色発光するEL素
子11と、緑色発光するEL素子12と、青色発光する
EL素子13とを用いたものであるので、正面方向(法
線方向およびその近傍方向)からみたときの表示が明る
く、フルカラーのELディスプレイとすることができ
る。また、本実施形態のELディスプレイにおいては、
光学手段20の上記光透過性基板側とは反対側の面上に
位相差板(λ/4板)41と、偏光板42が光学手段2
0側から順に設けられたものであるので、周囲光が強い
(明るい)場合に周囲光は1回目に位相差板41を通る
ときに円偏光し、さらにこの光は電極5で反射して逆向
の円偏光で出てくるがこの逆向きの円偏光は偏向板42
は通さないため、黒表示を視認できる。
【0056】なお、本実施形態のELディスプレイにお
いては、赤色発光するEL素子11の光透過性電極2R
の膜厚と、緑色発光するEL素子12の光透過性電極2
Gの膜厚と、青色発光するEL素子13との光透過性電
極2Bの膜厚とは、それぞれ異なるものとされている
が、赤色発光するEL素子11と、緑色発光するEL素
子12と、青色発光するEL素子13のうち、光透過性
電極2の膜厚が同じであるものがあってもよいし、全て
の光透過性電極2の膜厚が同じであってもよい。また、
本実施形態のELディスプレイにおいては、光透過性電
極2は、ITOからなるものとしたが、インジウム亜鉛
酸化物(以下、IZOと略記する。)膜からなるもので
あってもよい。さらに、赤色発光するEL素子11と、
緑色発光するEL素子12と、青色発光するEL素子1
3とが、すべて同じ材質からなる光透過性電極2を有し
ているものでなくてもよく、ITOからなる光透過性電
極とIZOからなる光透過性電極とが混在していてもよ
い。また、本実施形態においては、EL素子10の一例
として、図2及び図3に示すように、光透過性電極2
と、正孔輸送層3と、発光層4と、金属電極5とからな
るものを例に挙げて説明したが、本発明で用いられるE
L素子はこの例に限定されるものではない。
【0057】(液晶装置の実施形態)図12は、本発明
のELデバイスを適用したEL照明装置を備えた液晶装
置を示した図であり、図12(a)は反射型として使用
時の例を示す断面図を示し、図12(b)は透過型とし
て使用時の例を示す断面図である。図13は、図12の
液晶装置に備えられたEL照明装置を示した模式拡大断
面図である。この実施形態の液晶装置110に、液晶駆
動用IC、支持体などの付帯要素を装着することによっ
て、最終製品としての液晶表示装置(液晶装置)が構成
される。この実施形態の液晶装置110は、平面視略矩
形状で、かつ環状のシール材112を介して互いにセル
ギャップをあけて対向するように貼り付けられた一対の
平面視矩形状の基板ユニット113、114と、これら
の間に上記シール材112とともに囲まれて挟持された
液晶層115と、一方(図12の上側)の基板ユニット
113の上面側に設けられた位相差板119と偏光板1
16と、他方(図12の下側)の基板ユニット114の
下面側に設けられた位相差板156と偏光板157を備
えた液晶パネル111と、この液晶パネル111の下側
に設けられたバックライト装置としてのEL照明装置1
60を主体として構成されている。
【0058】基板ユニット113、114のうち、基板
ユニット113は観測者側に向いて設けられる表側(上
側)の基板ユニットであり、基板ユニット114はその
反対側、換言すると裏側(下側)に設けられる基板ユニ
ットである。上側の基板ユニット113は、例えばガラ
ス等の透明材料からなる光透過性基板117と、基板1
17の表側(図12では上面側、観測者側)に順次設け
られた位相差板119及び偏光板116と、基板117
の裏側(換言すると液晶層115側)に順次形成された
カラーフィルタ層120、オーバーコート層121と、
該オーバーコート層121において液晶層115側の面
に形成された液晶駆動用のストライプ状の複数の電極層
123を具備して構成されている。液晶層115は、ツ
イスト角θtが240度〜255度のネマチック液晶分
子から構成されている。
【0059】なお、実際の液晶装置においては、電極層
123の液晶層115側と、後述する下基板側のストラ
イプ状の電極層135の液晶層115側に、各々配向膜
が被覆形成されるが、図12ではこれらの配向膜を省略
し説明も略するとともに、以下に順次説明する他の実施
形態においても配向膜の図示と説明は省略する。また、
図12および以下の各図に示す液晶装置の断面構造は、
図示した場合に各層が見やすいように各層の厚さを実際
の液晶装置とは異なる厚さに調節して示してある。上記
上基板側の駆動用の各電極層123は本実施形態ではI
TO(Indium TinOxide:インジウム錫酸化物)などの
透明導電材料から平面視ストライプ状に形成されたもの
で、液晶パネル110の表示領域と画素数に合わせて必
要本数形成されている。上記カラーフィルタ層120
は、本実施形態では上側の基板117の下面(換言する
と液晶層115側の面)に、光遮断用のブラックマス
ク、カラー表示用のRGBの各パターンを形成すること
により構成されている。また、RGBのパターンを保護
する透明な保護平坦化膜としてオーバーコート層121
が被覆されている。上記ブラックマスクは例えばスパッ
タリング法、真空蒸着法等により厚さ100〜200n
m程度のクロム等の金属薄膜をパターニングして形成さ
れている。上記のRGBの各パターンは、赤色パターン
(R)、緑色パターン(G)、青色パターン(B)が、
所望のパターン形状で配列され、例えば、所定の着色材
を含有する感光性樹脂を使用した顔料分散法、各種印刷
法、電着法、転写法、染色法等の種々の方法で形成され
ている。
【0060】一方、下側の基板ユニット114は、ガラ
スなどの透明材料からなる光透過性基板128と、基板
128の表面側(図12では上面側、換言すると液晶層
115側)に順次形成された半透過反射層131、オー
バーコート層133と、該オーバーコート層133の液
晶層115側の面に形成されたストライプ状の駆動用の
複数の電極層135と、基板128の裏面側(図12で
は下面側、換言すると液晶層115側と反対側)に順次
形成された位相差板156と、偏光板157から構成さ
れている。これらの電極層135においても先の電極層
123と同様に液晶パネル110の表示領域と画素数に
合わせて必要本数形成されている。
【0061】次に、本実施形態の半透過反射層131
は、AgまたはAlなどの光反射性かつ導電性の優れた
金属材料からなり、基板128上に蒸着法あるいはスパ
ッタ法などにより形成されたものである。また、この半
透過反射層131は、液晶パネル111の下側に設けら
れたEL照明装置160が発した光を通過させるために
十分な厚さの半透過反射層、あるいは、反射層の一部に
多数の微細な透孔を形成して光透過性を高めた構造な
ど、半透過反射型の液晶表示装置に広く用いられている
ものを適宜採用することができる。ただし、半透過反射
層131が導電材料からなることは必須ではなく、半透
過反射層131とは別に導電材料製の駆動用電極層を設
け、半透過反射層131と駆動電極を別個に設けた構造
を採用して差し支えない。
【0062】EL照明装置装160は、図12及び図1
3に示すように、発光層164を介して互いに対向する
一対の電極162、165とを備えてなるEL素子21
0が光透過性基板161の一方の面上に配置され、一対
の電極162、165のうち少なくとも光透過性基板1
61側に位置する方の電極162は光透過性電極から形
成され、EL素子210に対して通電可能とされてお
り、EL素子210に通電時に発光層164で発光した
光が上記光透過性基板161側に放出されるものであ
る。EL素子210の光透過性電極162と発光層16
4との間には、光透過性電極162から正孔を注入しや
すくする正孔輸送層163が設けられている。EL素子
210を構成する各層の材質は、先に述べた実施形態の
ELディプレイに備えられたEL素子10を構成する各
層で用いた材質と同様のものを用いることができるが、
特に発光層164は、白色発光が得られる材料からなる
ものを用いるのが好ましい。また、この光透過性基板1
61の他方の面(EL素子210が設けられた側と反対
側の面)上に光学手段220が設けられている。この光
学手段220は光透過性基板161内に入射した発光層
164からの光のうち少なくとも一部の全反射を繰り返
す光を散乱および/または回折して外部に出射し、他の
光を弱散乱および/または透過して外部に出射するもの
である。ここで用いる光学手段220は、先に述べた実
施例のELディスプレイで用いた光学手段20と同様の
ものが使用される。このようなEL照明装置160は、
光学手段220が液晶パネル110側を向くように、す
なわち、EL照明装置160は液晶パネル110の下側
に配置されて、液晶パネル110の下方側から液晶パネ
ル110に向けて照明光を出射できるようになってい
る。
【0063】このEL照明装置160の動作について詳
説すると、一対の電極162、165に通電されると、
発光層164で発光した光は光透過性基板161側に放
出されて、この光透過性基板161に入射するが、この
基板161に入射した発光層164からの光のうち全反
射を繰り返すような角度で入射した光のうち少なくとも
一部の光L1(広角(臨界角以上)で光透過性基板16
1に入射した光)は光学手段220に至り、この光学手
段220で散乱および/または回折されて液晶パネル1
11側に出射され、これら散乱光および/または回折さ
れた光L2は図12において下側から液晶パネル111
に向かって照明光として出射される。一方、光透過性基
板111に入射した発光層164からの光のうち他の光
L3(狭い角度(臨界角未満)で光透過性基板164に
入射した光)も光学手段220に至り、この光学手段2
20で弱散乱および/または透過して液晶パネル111
側に出射され、これら弱散乱光および/または透過光L
4は図12において下側から液晶パネル111に向かっ
て照明光として出射される。
【0064】ここでEL照明装置160は、常に点灯す
るのではなく、周囲光(外光)が殆どないような場合だ
け、使用者あるいはセンサの指示によって点灯するもの
である。従って、EL照明装置160が点灯している場
合には、図12(b)に示すようにEL照明装置160
からの光が半透過反射層131を通過することによっ
て、透過型として機能し透過表示を行うことになる一
方、EL照明装置160が消灯している場合(周囲光が
十分強い)には、図12(a)に示すように液晶パネル
111の上面側(偏光板116の表面側)から入射した
光Lが半透過反射層131表面で反射することによっ
て、反射型として機能し反射表示を行うことになる。本
実施形態の液晶装置に備えられたEL照明装置160
は、光透過性基板161の他方の面上に上記のような構
成の光学手段220が設けられたことにより、正面方向
(法線方向Hおよびその近傍)の輝度を向上できる。本
実施形態の液晶装置によれば、正面方向の輝度を向上し
た本実施形態のEL照明装置160が備えられたもので
あるので、明るい表示が得られ、表示品質を向上させる
ことができる。
【0065】なお、本実施形態においては、EL照明装
置160に備えられたEL素子210として、白色発光
するEL素子が備えられた場合について説明したが、E
L素子210としては、赤色発光するEL素子と、緑色
発光するEL素子と、青色発光するEL素子と、白色発
光するEL素子のいずれか一つ以上が用いられていても
よい。このようなEL照明装置によれば、用いるEL素
子によって、あるいは、用いるEL素子の組み合わせに
より、赤色あるいは緑色あるいは緑色あるいは白色ある
いはその他の色の光を効率良く放出し、正面方向の輝度
を向上した、EL照明装置が得られる。また、EL素子
210として青色発光するEL素子が用いられ、EL素
子210と光透過性基板161の間又は光透過性基板1
61と光学手段220の間又は光学手段220の表面
に、発光層164で青色発光した光を波長変換する手段
が設けられたものであってもよい。このようなEL照明
装置によれば、白色の光を効率良く放出し、正面方向の
輝度を向上した、EL照明装置が得られる。なお、上記
実施形態においては本実施形態のEL照明装置が半透過
反射型液晶装置に備えられた場合について説明したが、
透過型液晶装置に備えられていてもよく、その場合の液
晶パネルの構成としては、半透過反射層31を設けない
以外は図12に示した液晶パネル111と同様の構成の
ものを用いることができる。
【0066】また、実施形態の液晶装置においては、単
純マトリクス型の半透過反射型液晶表示装置に本発明の
EL照明装置を備えた場合について説明したが、本発明
のEL照明装置を、2端子型スイッチング素子あるいは
3端子型スイッチング素子を備えたアクティブマトリク
ス型の半透過反射型液晶表示装置に備えるようにしても
良いのは勿論である。また、これまで説明した実施形態
のEL照明装置が備えられた液晶装置においては、上側
の基板117と、偏光板116との間に位相差板119
が一枚設けられた半透過反射型液晶表示装置に本発明を
適用した例について説明したが、本発明を、位相差板が
複数枚設けた半透過反射型液晶表示装置に適用しても良
いのは勿論である。また、上記の実施形態においては、
下側の基板128の照明装置160側に位相差板と偏光
板を設けた半透過反射型液晶表示装置に本発明を適用し
た例について説明したが、本発明を、下側の基板128
のEL照明装置160側に位相差板と偏光板を設けてい
ない半透過反射型液晶表示装置に適用しても良いのは勿
論である。
【0067】[電子機器の実施形態]次に、上記実施形
態のELディスプレイ又は実施形態のEL照明装置が備
えられた液晶装置を備えた電子機器の具体例について説
明する。図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視
図である。図14(a)において、500は携帯電話本
体を示し、501は図1乃至図3に示した実施形態のE
Lディスプレイ又は図12乃至図13に示した実施形態
のEL照明装置が備えられた液晶装置を備えたEL表示
部(表示手段)を示している。図14(b)は、ワープ
ロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した
斜視図である。図14(b)において、600は情報処
理装置、601はキーボードなどの入力部、603は情
報処理本体、602は上記の図1乃至図3に示した実施
形態のELディスプレイ又は図12乃至図13に示した
実施形態のEL照明装置が備えられた液晶装置を備えた
EL表示部(表示手段)を示している。図14(c)
は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図
14(c)において、700は時計本体を示し、701
は上記の図1乃至図3に示した実施形態のELディスプ
レイ又は図12乃至図13に示した実施形態のEL照明
装置が備えられた液晶装置を備えたEL表示部(表示手
段)を示している。図14(a)〜(c)に示す電子機
器は、上記実施形態のELディスプレイ又は実施形態の
EL照明装置が備えられた液晶装置が備えられたもので
あるので、優れた表示品質が得られる表示手段を備えた
電子機器とすることができる。
【0068】
【実施例】「試験例1」図15(A)に示すような光学
特性を示す実施例の光学フィルムを複数枚作製した。図
15中、横軸は光学フィルムの回転角度(傾斜角度)で
あり、縦軸は平行線透過率(T%)である。この図15
(A)の曲線で示すような光学特性は、図15(B)の
光学フィルムのA−B方向の特性であり、このA−B方
向が平行線透過率が指向性を示す軸α2である。ここで
の光学特性は、上述の図7に示した測定系を用いて同様
に測定したものである。そして、図15(A)に示す光
学特性を有する光学フィルムを1枚から4枚用いて光学
手段を作製した。複数の光学フィルムを用いる場合は、
その指向性の軸α2を45度づつずらして積層して光学
手段とした。このようにして作製した光学手段を図1乃
至図3に示したELディスプレイに備えた場合に、この
ELディスプレイの正面輝度を測定した。その結果を以
下の表1に示した。なお、表1において光学フィルムの
枚数が0のときは、光学フィルムを設けていない場合で
ある。また、比較のために透明基板の表面を粗くして凹
凸を設けた比較例のELディスプレイ(図18の従来の
ELディスプレイにおいて散乱層820を設ける代わり
に透明基板801の表面を粗くして凹凸を設けたもの)
の正面輝度を測定した。その結果を以下の表2に示し
た。
【0069】 「表1」 実施例の光学フィルムの枚数 0 1 2 3 4 ELディスプレイの正面輝度(cd/m2)50.1 58.1 68.9 79.2 86.9
【0070】 「表2」 比較例のELディスプレイの正面輝度(cd/m2) 53.4
【0071】表1、表2に示した結果から、実施例の光
学フィルムを光学手段として用いたELディスプレイ
は、透明基板の表面を粗くして凹凸を設けた比較例(従
来)のELディスプレイに比べて正面の輝度を高くで
き、明るい表示が得られることがわかる。また、実施例
の光学フィルムを複数枚用い、指向性の軸をずらして積
層した光学手段を用いたELディスプレイにおいては、
光学フィルムの枚数が多くなるに従ってその正面輝度も
高くでき、明るい表示が得られることがわかる。
【0072】「試験例2」図17(A)に示すような光
学特性を示す実施例の光学フィルムを複数枚作製した。
図17中、横軸は光学フィルムの回転角度(傾斜角度)
であり、縦軸は平行線透過率(T%)である。この図1
7(A)の曲線で示すような光学特性は、図17(B)
の光学フィルムのA−B方向の特性であり、このA−B
方向が平行線透過率が指向性を示す軸α1である。ここ
での光学特性は、上述の図7に示した測定系を用いて同
様に測定したものである。そして、図17(A)に示す
光学特性を有する光学フィルムを1枚から8枚用いて光
学手段を作製した。複数の光学フィルムを用いる場合
は、その指向性の軸α1を図16に示すように45度づ
つずらして積層して光学手段とした。このようにして作
製した光学手段を図1乃至図3に示したELディスプレ
イに備えた場合に、このELディスプレイの正面輝度を
測定した。その結果を以下の表3、表4に示した。な
お、表3において光学フィルムの枚数が0のときは、光
学フィルムを設けていない場合である。また、比較のた
めに透明基板の表面を粗くして凹凸を設けた比較例のE
Lディスプレイ(図18の従来のELディスプレイにお
いて散乱層820を設ける代わりに透明基板801の表
面を粗くして凹凸を設けたもの)の正面輝度を測定し
た。その結果を以下の表5に示した。
【0073】 「表3」 実施例の光学フィルムの枚数 0 1 2 3 4 ELディスプレイの正面輝度(cd/m2)50.1 53.2 57.9 61.5 65.8 「表4」 実施例の光学フィルムの枚数 5 6 7 8 ELディスプレイの正面輝度(cd/m2)68.9 73.2 77.5 81.5
【0074】 「表5」 比較例のELディスプレイの正面輝度(cd/m2) 53.4
【0075】表3乃至表5に示した結果から、実施例の
光学フィルムを光学手段として用いたELディスプレイ
は、透明基板の表面を粗くして凹凸を設けた比較例(従
来)のELディスプレイに比べて正面の輝度を高くで
き、明るい表示が得られることがわかる。また、実施例
の光学フィルムを複数枚用い、指向性の軸をずらして積
層した光学手段を用いたELディスプレイにおいては、
光学フィルムの枚数が多くなるに従ってその正面輝度も
高くでき、明るい表示が得られることがわかる。
【0076】「試験例3」ホログラム技術により作製し
た光学フィルムを複数枚して光学特性が異なる各種の光
学手段を作製した。作製した各種の光学手段の臨界角度
以上のヘイズ(%)と、臨界角度未満の範囲のヘイズ
(%)を測定した。ここでのヘイズの測定は、図7に示
す測定系を用いて測定した前方散乱光(拡散透過光)、
入射光Lの光強度から算出した拡散透過率を全光線透過
率で除算して%表示したものである。そして、作製した
各種の光学手段を図1乃至図3に示したELディスプレ
イに備えた場合に、このELディスプレイの正面輝度を
測定した。その結果を以下の表6、表7、表8に示し
た。なお、表8は図1乃至図3に示したELディスプレ
イに光学手段を設けていない場合である。また、比較の
ために透明基板の表面を粗くして凹凸を設けた比較例の
ELディスプレイ(図18の従来のELディスプレイに
おいて散乱層820を設ける代わりに透明基板801の
表面を粗くして凹凸を設けたもの)の正面輝度を測定し
た。その結果を以下の表9に示した。
【0077】 「表6」 臨界角以上の範囲のヘイズ(%) 30 40 50 60 70 80 臨界角未満の範囲のヘイズ(%) 5 5 5 5 5 5 ELディスプレイの 正面輝度(cd/m2) 51.6 52.3 55.4 60.3 62.3 63.9 「表7」 臨界角以上の範囲のヘイズ(%) 70 70 70 70 70 70 臨界角未満の範囲のヘイズ(%) 5 10 15 20 25 30 ELディスプレイの 正面輝度(cd/m2) 62.3 62.1 61.4 60.5 56.9 53.1 「表8」 光学手段の枚数 0 ELディスプレイの正面輝度(cd/m2)50.1
【0078】 「表9」 比較例のELディスプレイの正面輝度(cd/m2) 53.4
【0079】表6乃至表9に示した結果から、臨界角以
上の範囲のヘイズが50%以上の光学手段が設けられた
ELディスプレイは、光学手段が設けられていないEL
ディスプレイ(表8)や、透明基板の表面を粗くして凹
凸を設けた比較例(従来)のELディスプレイに比べて
正面の輝度を高くできることがわかる。また、特に臨界
角以上の範囲のヘイズが60%以上の光学手段が設けら
れたELディスプレイは、比較例のELディスプレイに
比べて正面の輝度が2割以上明るくなることがわかる。
また、臨界角未満の範囲のヘイズが20%以下の光学手
段が設けられたELディスプレイは、光学手段が設けら
れていないELディスプレイ(表8)や、透明基板の表
面を粗くして凹凸を設けた比較例(従来)のELディス
プレイに比べて正面の輝度を高くできることがわかる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明のELデバイ
スによれば、発光層で発光した光のうち狭い角度(臨界
角未満)で光透過性基板に入射した光は低散乱で外部に
放出でき、しかも広角(臨界角以上)で光透過性基板に
入射した光を外部に放出でき、正面方向(法線方向およ
びその近傍方向)の輝度を向上できる。また、本発明の
ELディスプレイによれば、このような正面方向の輝度
を向上させた本発明のELデバイスをELディスプレイ
として用いたことにより、明るい表示が得られ、表示品
質を向上させることができる。また、本発明の液晶装置
は、正面方向の輝度を向上させた本発明のEL照明装置
が備えられたものであるので、明るい表示が得られ、表
示品質を向上させることができる。また、本発明の電子
機器は、正面方向の輝度を向上させた本発明のELディ
スプレイ又はEL照明装置を用いた液晶装置が備えられ
たものであるので、優れた表示品質が得られる表示手段
を備えた電子機器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のELデバイスをELディスプレイに
適用した一実施形態例の説明図であり、基板側から見た
平面図である。
【図2】 図1のELディスプレイの一部を示した概略
断面図であり、図1のA−A’断面図である。
【図3】 図1のELディスプレイの要部を示した図で
あり、1個のEL素子およびこれの周辺部分を示した模
式拡大断面図である。
【図4】 図1のELディスプレイに備えられた光学手
段の作用を示す模式図である。
【図5】 図1のELディスプレイに備えられた光学手
段の他の作用を示す模式図である。
【図6】 本実施形態で用いられる光学手段とこれを構
成する光学フィルムの光学特性を示す図である。
【図7】 平行線透過率を測定する際の光学手段と光源
と受光部の位置関係を示す説明図である。
【図8】 光学手段に対する入射光と平行線透過光、拡
散透過光、並びに後方散乱光と前方散乱光の関係を示す
説明図である。
【図9】 本実施形態で用いられる光学手段を構成する
ホログラム技術により作製された光学フィルムの断面構
造例を示す模式図である。
【図10】 図9のホログラム技術により作製された光
学フィルムを用いて目的とする光学手段の作製する方法
を示す模式図である。
【図11】 本実施形態のELディスプレイに備えられ
た光学手段の散乱及び/または回折特性を示す図であ
る。
【図12】 本発明のELデバイスを適用したEL照明
装置を備えた液晶装置の説明図であり、図12(a)は
反射型として使用時の例を示す断面図、図12(b)は
透過型として使用時の例を示す断面図である。
【図13】 図12の液晶装置に備えられたEL照明装
置を示した模式拡大断面図である。
【図14】 本発明の実施形態のELディスプレイ又は
実施形態のEL照明装置が備えられた液晶装置が備えら
れた電子機器の例を示すもので、図14(a)は携帯型
電話機を示す斜視図、図14(b)は携帯型情報処理装
置の一例を示す斜視図、図14(c)は腕時計型電子機
器の一例を示す斜視図である。
【図15】 図15(A)は実施例の光学フィルムの光
学特性を示す図、図15(B)は図15(A)の光学特
性を測定した方向の説明図である。
【図16】 実施例の光学フィルムの積層方法の説明図
で、この光学フィルムを積層して得られた光学手段を上
方から見たときの指向性の軸の位置関係を示す図であ
る。
【図17】 図17(A)は実施例の光学フィルムの光
学特性を示す図、図15(B)は図17(A)の光学特
性を測定した方向の説明図である。
【図18】 従来のELディスプレイの例を示す模式断
面図である。
【符号の説明】
1、161・・・光透過性基板 10、11、12、13、210・・・EL素子 2、162、2R、2G、2B・・・光透過性電極 3、163・・・正孔輸送層 4、4R、4G、4B、164・・・発光層 8・・・隔壁 20・・・光学手段 21・・・光学フィルム 41・・・位相差板(λ/4板) 42・・・偏光板 110・・・液晶装置 111・・・液晶パネル 160・・・EL照明装置 L1、L3…入射光 L2・・・散乱光および/または回折された光 L4・・・弱散乱光および/または透過光 L5・・・平行線透過光 H・・・法線方向 α、α1、α2・・・指向性を示す軸 β1・・・光透過性基板の法線方向からの傾き角 β2・・・光学手段の法線方向からの傾き角 20a・・・臨界角以上を示す領域 20b・・・臨界角未満を示す領域 500・・・携帯電話本体 501・・・EL表示部(表示手段) 600・・・情報処理装置 601・・・入力部 602・・・EL表示部(表示手段) 603・・・情報処理本体 700・・・時計本体 701・・・EL表示部(表示手段)

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光層を含む少なくとも1つの有機層と
    該有機層を介して互いに対向する一対の電極とを備えて
    なる複数のEL素子が光透過性基板の一方の面上にマト
    リクス状に配置され、前記一対の電極のうち少なくとも
    光透過性基板側に位置する方の電極は光透過性電極から
    形成され、前記EL素子に対して個別通電可能とされて
    おり、前記EL素子に通電時に前記発光層で発光した光
    が前記光透過性基板側に放出されるELデバイスであっ
    て、 前記光透過性基板の他方の面上に光学手段が設けられ、
    該光学手段は前記光透過性基板内に入射した発光層から
    の光のうち少なくとも一部の全反射を繰り返す光を散乱
    および/または回折して外部に出射し、他の光を弱散乱
    および/または透過して外部に出射するものであること
    を特徴とするELデバイス。
  2. 【請求項2】 発光層を含む少なくとも1つの有機層と
    該有機層を介して互いに対向する一対の電極とを備えて
    なるEL素子が光透過性基板の一方の面上に配置され、
    前記一対の電極のうち少なくとも光透過性基板側に位置
    する方の電極は光透過性電極から形成され、前記EL素
    子に対して通電可能とされており、前記EL素子に通電
    時に前記発光層で発光した光が前記光透過性基板側に放
    出されるELデバイスであって、 前記光透過性基板の他方の面上に光学手段が設けられ、
    該光学手段は前記光透過性基板内に入射した発光層から
    の光のうち少なくとも一部の全反射を繰り返す光を散乱
    および/または回折して外部に出射し、他の光を弱散乱
    および/または透過して外部に出射するものであること
    を特徴とするELデバイス。
  3. 【請求項3】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光の少
    なくとも一部は強散乱して外部に出射し、臨界角未満の
    入射光は弱散乱または透過して外部に出射するものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のELデバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光の少
    なくとも一部は回折して外部に出射し、臨界角未満の入
    射光は透過して外部に出射するものであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のELデバイス。
  5. 【請求項5】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光の少
    なくとも一部は強散乱および回折して外部に出射し、臨
    界角未満の入射光は弱散乱および/または透過して外部
    に出射するものであることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のELデバイス。
  6. 【請求項6】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうちβ1≧sin-1(1/m
    1)なる条件(式中、β1は前記光透過性基板の法線方
    向からの傾き角、1は空気の屈折率、m1は前記光透過
    性基板の屈折率である。)を満たす入射光の少なくとも
    一部は散乱および/または回折して外部に出射し、β1
    <sin-1(1/m1)なる条件を満たす入射光は弱散
    乱および/または透過して外部に出射するものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のEL
    デバイス。
  7. 【請求項7】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうちβ1≧sin-1(1/m
    1)−10°なる条件(式中、β1は前記光透過性基板
    の法線方向からの傾き角、1は空気の屈折率、m1は前
    記光透過性基板の屈折率である。)を満たす入射光の少
    なくとも一部は散乱および/または回折して外部に出射
    し、β1<sin-1(1/m1)−10°なる条件を満
    たす入射光は弱散乱および/または透過して外部に出射
    するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか一項に記載のELデバイス。
  8. 【請求項8】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうちβ1≧40°なる条件
    (式中、β1は前記光透過性基板の法線方向からの傾き
    角)を満たす入射光の少なくとも一部は強散乱および/
    または回折して外部に出射し、β1=0なる条件を満た
    す入射光は弱散乱および/または透過して外部に出射す
    るものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か一項に記載のELデバイス。
  9. 【請求項9】 前記光学手段は、前記光透過性基板内に
    入射した発光層からの光のうちβ1≧40°なる条件
    (式中、β1は前記光透過性基板の法線方向からの傾き
    角)を満たす入射光の少なくとも一部は散乱および/ま
    たは回折して外部に出射し、β1<40°なる条件を満
    たす入射光は弱散乱および/または透過して外部に出射
    するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れか一項に記載のELデバイス。
  10. 【請求項10】 前記光学手段は、前記発光層から前記
    光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうちβ2
    ≧sin-1(1/m2)なる条件(式中、β2は前記光
    学手段の法線方向からの傾き角、1は空気の屈折率、m
    2は光学手段の屈折率である。)を満たす入射光の少な
    くとも一部は散乱および/または回折して外部に出射
    し、β2<sin-1(1/m2)なる条件を満たす入射
    光は弱散乱および/または透過して外部に出射するもの
    であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項
    に記載のELデバイス。
  11. 【請求項11】 前記光学手段は、前記発光層から前記
    光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうちβ2
    ≧sin-1(1/m2)−10°なる条件(式中、β2
    は前記光学手段の法線方向からの傾き角、1は空気の屈
    折率、m2は光学手段の屈折率である。)を満たす入射
    光の少なくとも一部は散乱および/または回折して外部
    に出射し、β2<sin-1(1/m2)−10°なる条
    件を満たす入射光は弱散乱および/または透過して外部
    に出射するものであることを特徴とする請求項1乃至9
    のいずれか一項に記載のELデバイス。
  12. 【請求項12】 前記光学手段は、前記発光層から前記
    光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうちβ2
    ≧40°なる条件(式中、β2は前記光学手段の法線方
    向からの傾き角)を満たす入射光の少なくとも一部は強
    散乱および/または回折して外部に出射し、β2=0°
    なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過し
    て外部に出射するものであることを特徴とする請求項1
    乃至9のいずれか一項に記載のELデバイス。
  13. 【請求項13】 前記光学手段は、前記発光層から前記
    光透過性基板を経て該光学手段に入射した光のうちβ2
    ≧40°なる条件(式中、β2は前記光学手段の法線方
    向からの傾き角)を満たす入射光の少なくとも一部は散
    乱および/または回折して外部に出射し、β2<40°
    なる条件を満たす入射光は弱散乱および/または透過し
    て外部に出射するものであることを特徴とする請求項1
    乃至9のいずれか一項に記載のELデバイス。
  14. 【請求項14】 前記光透過性基板の屈折率m1 と光
    学手段の屈折率m2は同じ大きさかあるいは略等しい大
    きさであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれ
    か一項に記載のELデバイス。
  15. 【請求項15】 前記光透過性基板の屈折率m1と光学
    手段の屈折率m2は、m1≦m2なる関係を満たすこと
    を特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の
    ELデバイス。
  16. 【請求項16】 前記光学手段は、前記光透過性基板内
    に入射した発光層からの光のうち臨界角以上の入射光は
    ヘイズ50%以上で外部に出射し、臨界角未満の入射光
    はヘイズ20%以下で外部に出射するものであることを
    特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のE
    Lデバイス。
  17. 【請求項17】 前記光学手段は、複数枚の光学フィル
    ムを積層して形成されたものであることを特徴とする請
    求項1乃至16のいずれか一項に記載の記載のELデバ
    イス。
  18. 【請求項18】 前記複数枚の光学フィルムは平行線透
    過率が指向性を示す軸をずらして積層されたことを特徴
    とする請求項17記載のELデバイス。
  19. 【請求項19】 前記光学フィルムは、ホログラムであ
    ることを特徴する請求項17又は18に記載のELデバ
    イス。
  20. 【請求項20】 請求項1又は請求項3乃至19のいず
    れか一項に記載のELデバイスを用いたELディスプレ
    イ。
  21. 【請求項21】 前記EL素子として、赤色発光するE
    L素子と、緑色発光するEL素子と、青色発光するEL
    素子とを用いることを特徴とする請求項20に記載のE
    Lディスプレイ。
  22. 【請求項22】 前記光学手段の前記光透過性基板側と
    は反対側の面上に位相差板と、偏光板が前記光学手段側
    から順に設けられたことを特徴とする請求項20又は2
    1に記載のELディスプレイ。
  23. 【請求項23】 請求項2又は請求項3乃至19のいず
    れか一項に記載のELデバイスを用いたEL照明装置。
  24. 【請求項24】 前記EL素子として、赤色発光するE
    L素子と、緑色発光するEL素子と、青色発光するEL
    素子と、白色発光するEL素子のいずれか一つ以上が用
    いられることを特徴とする請求項23に記載のEL照明
    装置。
  25. 【請求項25】 前記EL素子として青色発光するEL
    素子が用いられ、前記EL素子と前記光透過性基板の間
    又は前記光透過性基板と前記光学手段の間又は前記光学
    手段の表面に、前記発光層で青色発光した光を波長変換
    する手段が設けられたことを特徴とする請求項23に記
    載のEL照明装置。
  26. 【請求項26】 一対の基板と、これらの基板間に挟持
    された液晶層とを具備した液晶パネルと、該液晶パネル
    の一方の基板の液晶層とは反対側に設けられた前記請求
    項23乃至25のいずれか一項に記載のEL照明装置と
    が備えられてなることを特徴とする液晶装置。
  27. 【請求項27】 前記液晶パネルは、一方の基板の液晶
    層側に半透過反射層が設けられていることを特徴とする
    請求項26に記載の液晶装置。
  28. 【請求項28】 請求項20乃至22のいずれか一項に
    記載のELディスプレイ又は請求項26又は27に記載
    の液晶装置を表示手段として備えたことを特徴とする電
    子機器。
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