[go: up one dir, main page]

JP2002356607A - カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物 - Google Patents

カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物

Info

Publication number
JP2002356607A
JP2002356607A JP2001394130A JP2001394130A JP2002356607A JP 2002356607 A JP2002356607 A JP 2002356607A JP 2001394130 A JP2001394130 A JP 2001394130A JP 2001394130 A JP2001394130 A JP 2001394130A JP 2002356607 A JP2002356607 A JP 2002356607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid composition
polymerizable liquid
cationically polymerizable
cationic polymerization
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001394130A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002356607A5 (ja
JP3852685B2 (ja
Inventor
Yutaka Sasaki
裕 佐々木
Kotaro Yoneda
耕太郎 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2001394130A priority Critical patent/JP3852685B2/ja
Publication of JP2002356607A publication Critical patent/JP2002356607A/ja
Publication of JP2002356607A5 publication Critical patent/JP2002356607A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3852685B2 publication Critical patent/JP3852685B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カチオン重合した後に接着性、保持力、タッ
ク等の粘着特性に優れた粘着性塗膜を与える新規なカチ
オン重合型液状組成物及びそれをカチオン重合した粘着
性重合物を提供すること。 【解決手段】 下記式(1)で表される環状エーテル構
造を分子中に1個のみ有する単官能モノマー(A−
1)、下記式(1)で表される環状エーテル構造を分子
中に2個以上有する多官能モノマー(A−2)および潜
在性を有するカチオン重合開始剤(A−3)を含有する
カチオン重合性配合物(A)、ならびに前記配合物
(A)と室温において相溶し40℃以上の軟化点を有す
る固体樹脂(B)を含み、25℃における粘度が20P
a・sec以下であることを特徴とするカチオン重合型
液状組成物及びそれをカチオン重合した粘着性重合物。 【化1】 式(1)中、nは0、1または2を示し、R1〜R6はそ
れぞれ水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
素基を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒を含有す
ることなく容易に基材への塗布が可能であり、塗布後に
光あるいは熱により重合して良好な粘着特性を示す粘着
剤として使用可能なカチオン重合型液状組成物、及び該
カチオン重合型液状組成物をカチオン重合して得られる
粘着性重合物に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤としては、従来からゴム系あるい
はアクリル系の材料を有機溶剤に溶解させた溶剤型また
は水中に分散させたエマルジョン型のものが使用されて
いる。溶剤型の粘着剤は現時点でもっとも普及している
が、近年、有機溶剤の飛散が問題となっている。また、
エマルジョン型の場合は、耐水性、長い乾燥時間等が欠
点として挙げられる。ホットメルト型の様に、上記問題
点を解決する方法も提案されているが、依然その塗工特
性および粘着特性、とりわけ耐熱性は低いものである。
最近、重合性モノマーを主体とした無溶剤液状硬化型粘
着剤が提案されており、例えば、ラジカル重合性を有す
るアクリレート類を用いた光ラジカル硬化型無溶剤液状
組成物に関する提案が多数あるが、空気中の重合におい
ては酸素の重合禁止効果によりラジカル重合を完結させ
ることは困難であるため、残存モノマーに起因した悪
臭、皮膚刺激性等が問題になっている。その改良案とし
て窒素雰囲気下での光照射も提案されているが、設備上
の投資の大きさが問題となる。
【0003】また、空気中で良好な光重合特性を示すも
のとして光カチオン重合型組成物も多数提案されてい
る。例えば、特開平5−78639号公報においては水
酸基を有するアクリル系のビニルモノマーを共重合させ
た重合体、二官能以上のエポキシ化合物およびカチオン
重合開始剤からなる感圧接着剤が開示され、特開平8−
60127号公報ではシクロヘキセンモノエポキシド基
含有熱可塑性アクリル重合体、ポリオールおよびカチオ
ン重合型光開始剤からなる紫外線硬化型ホットメルト型
粘着剤組成物が開示され、特開平11−166168号
公報には特定の成分を含有するモノマー成分を重合して
得られるアクリル系オリゴマーおよび光カチオン触媒か
らなるアクリル系粘着剤組成物が開示されている。しか
しながら、これらの組成物はいずれも重合性が低いため
室温での硬化には多量の光照射が必要であり、実際の使
用においてはこの低い重合性が問題となる場合もある。
これらの組成物はアクリル基に起因したエステル基が存
在しており、このため環状エーテルの開環重合が遅延さ
れ重合性が低下しているものと推定される。また、アク
リル系オリゴマーの分子量が高い場合には、組成物は高
粘度となり塗布が困難となる場合がある。
【0004】一方、エステル基による重合遅延を回避で
きるものとして、主鎖中に不飽和結合を有するブロック
ポリマーの酸化によりエポキシ基を導入した材料を用い
た光カチオン重合型組成物(Eric-Jack Gerard and Jur
gen Schneider, Rad. Tech.Europe 97, 175, 1997)が
開示されており、特開2000−26830号公報に
は、特定のエポキシ化合物、エポキシ基との反応性官能
基を有する化合物、ゴム弾性を有する化合物およびカチ
オン硬化触媒を配合してなるUV硬化性の粘着剤組成物
が開示されている。しかしながら、いずれの組成物も粘
度が非常に高いものであり、前者においては塗布時の加
温が、後者においては溶剤の使用が提案されている。ま
た、特開平11−80681号公報では、光カチオン反
応性オリゴマー型の粘着剤組成物を用いた発泡体粘着テ
ープが開示されているが、開示されている組成は2種類
のみで、1つの組成物は前記のGerard等の開示情報と同
一のもので高粘度であるため塗布が困難であることが、
もう一方の組成物は前記特開平11−166168号公
報と同一のもので、その硬化速度が遅いことが容易に推
定できる。さらに、特開平11−158437号公報に
は、カチオン重合性化合物および光カチオン重合開始剤
を含有する粘着性材料をインクジェットプリンタのヘッ
ドから噴出して塗布した後に光照射により重合させるこ
とを特徴とした接着方法が開示されているが、該公報の
実施例にて開示されている組成物は低粘度ではあるが重
合性が低く、記載の照射量ではほとんど重合が進行しな
いため実用性は見出せないものである。以上のように、
これまでの報告された無溶剤液状硬化型粘着剤において
は、簡便な塗工性を有し空気中の迅速な重合が可能であ
り、かつ、光照射により形成された粘着剤塗膜の粘着特
性が良好なものに関する報告は未だ皆無であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗工が容易な液状組成物であって空気中で
高い重合性を有し、カチオン重合した後は接着性、保持
力、タック等の粘着特性に優れた粘着性塗膜を与える新
規なカチオン重合型液状組成物を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、接着性、保持力
等の粘着特性に優れた粘着性重合物を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡便な塗
工性、空気中での高い重合性および重合後の良好な粘着
特性を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成
したものである。すなわち、上記の課題は、開環重合性
を有する環状エーテルをカチオン重合性基として分子中
に有する、単官能モノマー、多官能モノマー、および潜
在性を有するカチオン重合開始剤を含有する重合性配合
物(A)並びにこの重合性配合物(A)と相溶性を有す
る固体樹脂(B)を含有する低粘度のカチオン重合型液
状組成物によって達成された。ここで、固体樹脂(B)
は40℃以上の軟化点を有することが好ましい。また、
上記の「低粘度」とは、25℃における粘度が20Pa
・sec以下であることをいう。
【0007】すなわち、本発明の第一の側面は、下記式
(1)で表される環状エーテル構造を分子中に1つのみ
有する単官能モノマー(以下、単に「単官能モノマー」
ともいう。)(A−1)、下記式(1)で表される環状
エーテル構造から誘導される基を分子中に2個以上有す
る多官能モノマー(以下、単に「多官能モノマー」とも
いう。)(A−2)および潜在性を有するカチオン重合
開始剤(A−3)を含有するカチオン重合性配合物
(A)、ならびに前記配合物(A)と室温において相溶
し40℃以上の軟化点を有する固体樹脂(B)を含有
し、25℃における粘度が20Pa・sec以下の液状
樹脂であるカチオン重合型液状組成物に関する。
【0008】
【化5】
【0009】式中、nは0、1または2を示し、R1
6はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよ
い炭化水素基を示す。
【0010】本発明の第2の側面は、このカチオン重合
型液状組成物をカチオン重合して得られる重合物の粘弾
性特性を特定の範囲になるように設計することにより、
優れた粘着特性を与える粘着性重合物および粘着性重合
物用の重合型液状組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカチオン重合型液
状組成物およびこれを重合して得られる粘着性重合物に
ついて詳しく説明する。
【0012】カチオン重合性配合物(A) カチオン重合性配合物(A)は、前記式(1)で表され
る開環重合性を有する環状エーテル構造を分子中に1つ
のみ有する単官能モノマー(A−1)、前記式(1)で
表される環状エーテル構造を分子中に2個以上有する多
官能モノマー(A−2)および潜在性を有するカチオン
重合開始剤(A−3)の3成分を必須成分として含有す
る。このカチオン重合性配合物は、さらに、高温におけ
る粘着保持力に優れた特性を得るために、多官能モノマ
ー(A−2)として脂環式エポキシ基を2以上有する化
合物を含有することが好ましい。「脂環式エポキシ基」
については後に詳述する。また、任意成分としての分子
末端に水酸基を有する化合物(後述)を添加することも
好ましい。カチオン重合性配合物(A)の上記構成成分
について以下に更に詳しく説明する。
【0013】単官能モノマー(A−1成分) 単官能モノマーは分子内に環状エーテル構造を1個のみ
有する化合物である。環状エーテル構造を2個以上有す
る化合物は、次の多官能モノマー(A−2)に分類され
る。この単官能モノマーは重合型液状組成物の粘度およ
び重合により得られる重合物のガラス転移温度を調整す
るために用いる成分である。A−1成分として用いる単
官能モノマーの粘度は25℃において20mPa・se
c以下のものが好ましいが、配合が完了した後の液状組
成物の25℃における粘度が20Pa・sec以下にな
るものであれば、特に単官能モノマー自身の粘度が限定
されるものではない。
【0014】単官能モノマーは、下記式(4)〜(6)
で表される三員環のエポキシ基、四員環のオキセタニル
基、および五員環のテトラヒドロフルフリル基等を有す
る化合物に大別される。なお、式(4)のエポキシ基に
はシクロペンテン基またはシクロヘキセン基をエポキシ
化した構造を有する脂環式エポキシ基も含まれる。
【0015】
【化6】
【0016】式(4)中、R1〜R4は独立に水素原子ま
たは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R
およびRが結合し、これらの基が結合する炭素原子と
一緒に環状脂肪族基(好ましくは、シクロヘキサン環ま
たはシクロペンタン環)を形成しても良い。また、上記
の炭化水素基に置換する置換基に式(1)で示す環状エ
ーテル構造は含まれない。以下式(5)および(6)に
おいても同様である。炭化水素基としては、炭素数1〜
36(本発明において「C1〜36」とも記す。)のア
ルキル基又はアリール基が好ましく、C1〜24のアル
キル基又はアリール基がより好ましく、アリール基とし
てはフェニル基及びナフチル基が好ましい。これらの炭
化水素基の置換基としては、カチオン重合を阻害しない
限り任意の置換基が許容され、カチオン重合に悪影響を
及ぼさない置換基が好ましい。上記のアルキル基の置換
基としては、C1〜12のアルコキシ基、C2〜12の
アシルオキシ基、C2〜12のアルコキシカルボニル
基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾイ
ルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フェ
ニルチオ基、ヒドロキシ基およびトリエトキシシリル基
が例示できる。上記のアリール基の置換基としては、C
1〜12のアルキル基、C1〜12のアルコキシ基、C
2〜12のアシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、
フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオ
キシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フェニル
チオ基、ヒドロキシ基およびトリエトキシシリル基が例
示できる。
【0017】
【化7】
【0018】式(5)中、R1〜R6は水素原子または置
換基を有していてもよい炭化水素基を示す。炭化水素基
としては、C1〜36のアルキル基又はアリール基が好
ましく、C1〜24のアルキル基又はアリール基がより
好ましく、アリール基としてはフェニル基及びナフチル
基が好ましい。この炭化水素基の置換基としては、カチ
オン重合を阻害しない限り任意の置換基が許容され、カ
チオン重合に悪影響を及ぼさない置換基が好ましい。こ
の炭化水素基に許容される置換基群は、式(4)におけ
るR〜Rがアルキル基又はアリール基である場合に
それぞれに例示した置換基群と同じである。
【0019】
【化8】
【0020】式(6)中、R1〜R8は水素原子または置
換基を有していてもよい炭化水素基を示す。炭化水素基
としては、C1〜36のアルキル基又はアリール基が好
ましく、C1〜24のアルキル基又はアリール基がより
好ましく、アリール基としてはフェニル基及びナフチル
基が好ましい。この炭化水素基の置換基としては、カチ
オン重合を阻害しない限り任意の置換基が許容され、カ
チオン重合に悪影響を及ぼさない置換基が好ましい。こ
の炭化水素基に許容される置換基群は、式(4)におけ
るR〜Rがアルキル基又はアリール基である場合に
それぞれに例示した置換基群と同じである。
【0021】これらの中でも、最終的に得られる液状組
成物の粘度が低くなるという理由から、前記式(1)に
おけるR1〜R6のいずれかが下記式(2)で表される基
を含む置換基である単官能モノマーが本発明で好ましく
使用できる。すなわち、この式(2)の基を含む置換基
は式(4)〜(6)の炭化水素基として好ましく選択で
きる。
【0022】
【化9】
【0023】式(2)中、R7及びR8は独立に水素原子
または置換基を有していてもよいアルキル基であり、好
ましくは炭素数が1ないし24、さらに好ましくは炭素
数が1ないし10のアルキル基である。R9は置換基を
有してもよい炭素数4以上の、好ましくは炭素数4個以
上炭素数24以下の、直鎖状あるいは分枝状アルキル基
を示し、Xは−CH2−または好ましくは酸素原子を示
す。
【0024】RないしRで示されるアルキル基に許
容される置換基としては、カチオン重合を阻害しない限
り任意の置換基が許容され、カチオン重合に悪影響を及
ぼさない置換基が好ましい。このアルキル基に許容され
る置換基群は、式(4)におけるR〜Rがアルキル
基を示す場合に、このアルキル基に関して例示した置換
基群と同じである。
【0025】本発明において、単官能モノマー(A−
1)としては下記式(3)で表される環状エーテルが特
に好ましい。
【0026】
【化10】
【0027】式(3)中、R7、R8およびR10は水素原
子または置換基を有していてもよい炭素数1〜10のア
ルキル基を示し、R9は炭素数4〜24の、直鎖状ある
いは分枝状のアルキル基を示し、Xは酸素原子を示す。
としては、炭素数が4〜24の置換基を有してもよ
いアルキル基が好ましく、C6〜16の直鎖状又は分岐
状のアルキル基が好ましい。このアルキル基に許容され
る置換基群は、式(4)におけるR〜Rがアルキル
基を示す場合にこのアルキル基に関して例示した置換基
群と同じである。
【0028】式(3)で示される具体的な化合物例とし
て、R=R=H、R10=エチル基、R=2−エ
チルヘキシル基、X=酸素原子であるOXT−212、
および下記の式(7)で示されるOXR−12(東亞合
成(株)製)等が挙げられる。
【0029】
【化11】
【0030】A−1成分は比較的低分子量であるため、
重合後の粘着性重合物中にこの成分が多量に残存した場
合、悪臭等の問題が生じる懸念がある。カチオン重合性
の高いオキセタン環を有する単官能モノマーを使用する
と、そのような問題が大きく低減できるので、A−1成
分として特に前記式(3)、(5)または(7)で表さ
れるオキセタン型の単官能モノマーが好ましい。
【0031】多官能モノマー(A−2成分) A−2成分は、前記式(1)における環状構造である環
状エーテル構造を分子中に2個以上有する多官能モノマ
ーであり、カチオン重合型液状組成物の粘度およびカチ
オン重合して得られる重合物の粘着性、言い換えると、
重合物の複素弾性率を調整するために用いられる成分で
ある。2以上の環状エーテル構造を結合する連結基は適
宜選択できる。A−2成分として用いられる多官能モノ
マーは、配合後のカチオン重合型液状組成物の粘度が2
0Pa・sec以下になりさえすれば良く、特に多官能
モノマー自体の粘度が限定されるものではない。
【0032】多官能モノマーの有する環状エーテル構造
としては、単官能モノマーに関して説明した、三員環の
エポキシ基、四員環のオキセタニル基、五員環のテトラ
ヒドロフルフリル基が好ましい。多官能モノマーにおけ
る環状エーテル基の具体的な化学構造としては、前記式
(4)〜(6)で表される化学構造において、環を形成
する炭素原子に結合する水素原子または炭化水素基か
ら、水素原子1個または任意の残基を除去した環状エー
テル構造が挙げられる。分子内に環状エーテル基をn個
(nは2以上の整数を示す。)有する多官能モノマー
は、このような環状エーテル基を単結合、n価の有機残
基により結合した化学構造を有する。
【0033】A−2成分の具体例として、一般的にエポ
キシ樹脂として知られる、ビスフェノールA系エポキシ
樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂や、市販品とし
てブタジエン等のジエン化合物とエチレン化合物のアニ
オン重合により製造される、主鎖中に不飽和結合を有す
るブロックポリマーの酸化によりエポキシ基を導入した
クレイトンポリマー社製EKP−206、EKP−20
7(共に商品名)等が挙げられる。また、四員環の環状
エーテルであるオキセタニル基を分子中に2個以上有す
るオキセタン化合物である、東亞合成(株)製のOXT
−121、OXT−221(共に商品名)なども挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】A−2成分としての脂環式エポキシ化合物 A−2成分としての脂環式エポキシ化合物は、高温での
複素弾性率を高く維持するために有効な成分であり、そ
の粘度は配合後の組成物の粘度が20Pa・sec以下
になるものであれば、特に限定されない。脂環式エポキ
シ化合物は、分子内に脂肪族環状エポキシ基を少なくと
も1つ有し、好ましくは2〜8個有する化合物である。
脂環式エポキシ基は、シクロオレフィンをエポキシ化し
て得られる。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、
市販品であるエピコート171{商品名、油化シェルエ
ポキシ社(株)製}、アラルダイドCY178{商品
名、旭チバ(株)社製}、チッソノックス206、チッ
ソノックス205{いずれも商品名、チッソ(株)社
製}、セロキサイド2021、エポリードGT301、
エポリードGT302、エポリードGT401、エポリ
ードGT403{いずれも商品名、ダイセル化学工業
(株)製}などが挙げられる。脂環式エポキシ化合物と
して、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,
4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが特に
好ましい。
【0035】A−1成分及びA−2成分の合計量100
質量部に対し、A−2成分の合計量を5〜50質量部の
範囲とすることが好ましく、10〜40質量部とするこ
とがより好ましい。架橋成分であるA−2成分の合計量
が5質量部より少ない場合は得られる重合物の複素弾性
率が低下する傾向があり、一方、50質量部を越える場
合は複素弾性率が大きくなり過ぎる傾向があり、本発明
で好ましい範囲であると規定した複素弾性率の範囲から
逸脱する可能性が高い。また、A−2成分としての脂環
式エポキシ化合物の配合割合は、重合物の複素弾性率が
好ましい範囲に入れば特に限定されないが、A−1成分
およびA−2成分の合計量100質量部に対して、1〜
30質量部配合することが好ましく、2〜20質量部で
あることがさらに好ましい。
【0036】カチオン重合開始剤(A−3成分) 潜在性を有するカチオン重合開始剤とは、光あるいは熱
により活性化され(以下、それぞれ、「光潜在性」およ
び「熱潜在性」という。)酸成分を生成し、組成物中の
開環重合性基のカチオン開環重合を誘発するように作用
する化合物である。光潜在性を有するカチオン重合開始
剤としては、本発明の重合型液状組成物が光を照射され
て活性化され開環重合性基の開環を誘発し得る限り任意
の光カチオン重合開始剤が用いることができ、光カチオ
ン重合開始剤としては、オニウム塩類および有機金属錯
体類などを例示することができる。ここで、活性化しう
る光としては紫外線が好ましい。また光増感剤を併用し
て波長が390〜500nmの短波可視光により本発明
の組成物を活性化することもできる。
【0037】光重合開始剤としてのオニウム塩類として
は、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩およびヨ
ードニウム塩が挙げられる。また、有機金属錯体類とし
ては、例えば、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体および
アリールシラノール−アルミニウム錯体などが挙げられ
る。市販品である、例えば、オプトマーSP−150
{商品名、旭電化工業(株)製}、オプトマーSP−1
70{商品名、旭電化工業(株)製}、UVE−101
4(商品名、ゼネラルエレクトロニクス社製)およびC
D−1012(商品名、サートマー社製)を利用するこ
ともできる。
【0038】熱潜在性を有するカチオン重合開始剤とし
ては、加熱により活性化され開環重合性基の開環を誘発
する限り任意の熱カチオン重合開始剤が用いられ、第四
級アンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム
塩等の各種オニウム塩類、有機金属錯体類などが例示さ
れる。上記オニウム塩類としては、例えば、アデカオプ
トンCP−66およびアデカオプトンCP−77{いず
れも商品名、旭電化工業(株)社製}、サンエイドSI
−60L、サンエイドSI−80LおよびサンエイドS
I−100L{いずれも商品名、三新化学工業(株)
製}、およびCIシリーズ{日本曹達(株)製}などの
市販の化合物を用いることができる。また、有機金属錯
体類としては、例えば、アルコキシシラン−アルミニウ
ム錯体などが挙げられる。
【0039】また、上記潜在性カチオン重合開始剤(A
−3)の配合割合は、A−1成分およびA−2成分の合
計量100質量部に対し、0.01〜5質量部の範囲と
することが好ましい。潜在性カチオン重合開始剤の配合
割合が0.01質量部未満の場合には、光あるいは熱の
作用により活性化しても、開環重合性基の開環反応を十
分に進行させることができないことがあり、重合後の重
合物の粘着特性が不十分となる場合が有る。また、5質
量部を超えて配合したとしても、重合を進行する作用は
それ以上高まらず、逆に初期粘着力が低下することがあ
る。
【0040】固体樹脂(B) 固体樹脂(B)は、それ自体の軟化点が40℃以上で、
前記カチオン重合性配合物(A)と室温において相溶す
る粘着付与樹脂であり、重合物の粘弾性特性を調整する
成分である。固体樹脂(B)はカチオン重合性配合物
(A)に添加することにより、低い周波数(例えば1H
z程度)での複素弾性率を低減しつつ、かつ、高周波数
(例えば100Hz程度)での複素弾性率を増加できる
ものであり、一般に粘着付与樹脂(タッキファイヤー)
として知られている物を用いることができる。
【0041】固体樹脂(B)としては、粘着付与樹脂と
して一般に知られている比較的低分子で高い軟化点を有
する固体樹脂を使用でき、例えば、ロジン系樹脂、変性
ロジン系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テル
ペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、C5系
またはC9系の石油樹脂およびその水添物、クロマン樹
脂等の粘着付与樹脂を用いることができ、前記カチオン
重合性配合物(A)と室温において相溶し、軟化点が4
0℃以上である固体樹脂であれば、特にこれらに限定さ
れるものではない。これらの中でも、カチオン重合性配
合物(A)との相溶性に優れ、硬化後の粘着剤の透明性
を向上でき、強い接着力を発現させることができるとい
う点で、水添ロジン系樹脂および水添石油樹脂が好まし
い。固体樹脂(B)は、カチオン重合性配合物(A)1
00質量部に対して、10〜300質量部使用すること
が好ましく、50ないし150質量部使用することが特
に好ましい。
【0042】その他の任意添加物 (分子末端に水酸基を有する化合物)本発明のカチオン
重合型液状組成物には、分子の末端に水酸基を有するモ
ノオールまたはポリオール化合物を添加することもでき
る。このような末端水酸基含有化合物は連鎖移動反応に
より重合物中に共重合される。直鎖状分子の片方の末端
に水酸基を有する化合物を添加した場合は、カチオン重
合連鎖を連鎖移動反応により停止し、この水酸基含有化
合物は重合鎖に取り込まれる。また、分子の両方の末端
に水酸基を有する化合物を添加した場合、両末端が連鎖
移動により重合鎖に取り込まれるため、架橋鎖となりう
る。このようにして、水酸基含有化合物をカチオン重合
型液状組成物に添加することにより、組成物の粘度、硬
化後の重合物の粘弾性特性を調整することができる。
【0043】好ましい水酸基含有化合物としては、ガラ
ス転移温度の低い、特定範囲の分子量を有するオリゴマ
ーないしポリマー(以下単に「ポリマー」という。)で
あって、ジオールまたはトリオールが好ましい。好まし
い分子量範囲としては、300〜10,000であり、
好ましくは500〜5,000であり、特に好ましくは
500〜3,000である。このポリマーの主鎖を構成
する原子としては炭素のみまたは炭素および酸素が好ま
しい。2つの水酸基を結合する主鎖に含まれる原子数
は、好ましくは、20〜500であり、より好ましくは
20〜200である。上記のポリマーのガラス転移温度
は0℃以下のものが好ましい。
【0044】末端水酸基含有ポリマーの好ましい具体例
として、片末端に水酸基を有する化合物としては分枝状
オレフィンポリマーであるクレイトンポリマー社製のL
−1203等が挙げられ、両末端に水酸基を有する化合
物としては、ポリブタジエン水添物である日本曹達社の
GI−1000、2000、3000等が挙げられる。
【0045】本発明における組成物には、上記のカチオ
ン重合性配合物(A)および固体樹脂(B)の他に、本
発明の目的を阻害しない範囲で、公知の可塑剤、老化防
止剤および増量剤等を適宜配合してもよい。また、塗工
性を向上させる目的で、アクリルゴム、エピクロルヒド
リンゴム、イソプレンゴムおよびブチルゴム等の増粘
剤、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン等のチキ
ソトロープ剤、炭酸カルシウム、酸化チタンおよびクレ
ー等の増量剤等を添加してもよい。さらに、高強度の剪
断接着力を付与する目的で、ガラスバルーン、アルミナ
バルーンおよびセラミックバルーン等の無機中空体;ナ
イロンビーズ、アクリルビーズおよびシリコンビーズ等
の有機球状体;塩化ビニリデンバルーン、アクリルバル
ーン等の有機中空体;ガラス、ポリエステル、レーヨ
ン、ナイロンおよびセルロース等の単繊維等を添加して
もよい。上記ガラス繊維を配合する場合、繊維状のチッ
プを組成物中に添加することが可能であるが、ガラス織
布に上記光重合性組成物などを含浸して重合することに
より、非常に高強度の剪断接着力を得ることができる。
【0046】カチオン重合性配合物(A)を構成するA
−1ないしA−3、固体樹脂B、及び前述した他の添加
剤は、1種類の化合物を使用しても良く、2種以上の異
なる化合物を併用しても良い。
【0047】次に本発明の実施例で使用する諸物性の測
定条件およびその好ましい範囲を記す。 粘度 カチオン重合型液状組成物の粘度は25℃において20
Pa・sec以下であり、これ以上に高粘度な組成物で
は、室温での塗布が困難となり加温が必要となる場合が
有る。一般に、潜在性カチオン重合性組成物を加温する
と安定性が低下し増粘する場合が有るため加温は好まし
いものではない。良好な塗工性を得るためには、25℃
における粘度が10Pa・sec以下であることが好ま
しい。
【0048】粘弾性特性 本発明において重合物の複素弾性率はずりせん断応力に
よる粘弾性測定法により測定した結果に基づく値であ
る。本発明の組成物をカチオン重合させて得られるカチ
オン重合物は、25℃における粘弾性特性として各周波
数における複素弾性率(G)が、好ましくは、以下の
条件を満たすものである。 G> 100,000(測定周波数:0.1Hz) G< 4,000,000(測定周波数:1Hz) G> 2,000,000(測定周波数:100H
z) さらに、前記A−2として脂環式エポキシ化合物を所定
量使用した場合には、重合物の100℃における測定周
波数0.1Hzにおいて複素弾性率(G)が、以下の
条件を満たすものである。 G>100,000(測定周波数:0.1Hz)
【0049】重合物の0.1Hzにおける複素弾性率が
100,000より低い場合、重合物の凝集力が低いも
のとなり、被着体からの剥離において凝集破壊が生じ一
般に「糊残り」といわれる状態や、保持力の低下が生じ
る場合も有るため好ましくない。0.1Hzにおける複
素弾性率は200,000以上であることがより好まし
い。1Hzにおける複素弾性率が4,000,000以
上である場合、重合物が硬いものとなり、初期接着性を
示さなくなるため好ましくない。1Hzにおける複素弾
性率は3,000,000以下であることがより好まし
い。100Hzにおける複素弾性率が2,000,00
0よりも低い場合、粘着剤として必須であるタック値が
低下する。100Hzにおける複素弾性率は3,00
0,000以上であることがより好ましい。また、高い
タック値を得るためには25℃における損失正接(Tan
δ)が0.8(測定周波数:100Hz)以上であるこ
とが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。
【0050】ガラス転移温度 本発明におけるガラス転移温度(Tg)は日本工業規格
JISのK7121に規定されているDSC測定にて測
定した結果に基づく値である。本発明における組成物を
重合して得られるカチオン重合物のガラス転移温度が0
℃を越えた場合、上記の粘弾性特性を維持することが困
難となるため、ガラス転移温度は0℃以下であることが
好ましく、−20℃以下であることがより好ましい。
【0051】本発明の重合型液状組成物は、粘着性重合
物の製造に使用できる。重合型液状組成物を使用するに
あたっては、たとえば、紙、プラスチツクラミネート
紙、布、プラスチツクラミネート布、プラスチツクフイ
ルム、金属箔、発泡体などを支持体とし、この支持体の
片面または両面に、コンマロール、グラビアコータ、ロ
ールコータ、キスコータ、スロツトダイコータ、スクイ
ズコータなどの適宜な塗工手段により本発明の重合型液
状組成物を塗工し、熱あるいは光を作用することにより
重合させ、厚さが片面で通常10〜500μmとなる粘
着剤層を形成させてテープ状やシート状などの粘着シー
ト類とすることができる。
【0052】光照射により重合を行う場合に用いること
のできる光源としては特に限定されるものではないが、
波長400nm以下に発光エネルギー分布を有する、例
えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイク
ロウェーブ励起水銀灯およびメタルハライドランプなど
を用いることができる。粘着剤重合物への光照射強度
は、目的とする製品毎に制御されるものであって特に限
定されるものではないが、光潜在性開始剤の活性化に有
効な光波長領域(光重合開始剤によって異なるが、通常
300〜420nmの光が用いられる。)の光照射強度
が0.1〜100mW/cm2 であることが好ましい。
粘着剤重合物への光照射強度が0.1mW/cm2 未満
であると、反応時間が長くなり過ぎ、100mW/cm
2 を超えると、ランプから輻射される熱および組成物の
重合時の発熱により、得られる粘着剤層の凝集力の低下
や黄変あるいは支持体の劣化が生じる恐れがある。
【0053】粘着性重合物への光照射時間は、目的とす
る製品毎に制御されるものであって特に限定されるもの
ではないが、前記光波長領域での光照射強度と光照射時
間の積として表される積算光量が10〜5,000mJ
/cm2となるように設定されることが好ましい。上記
粘着剤重合物への積算光量が10mJ/cm2未満であ
ると、光潜在性開始剤よりの活性種の発生が十分でな
く、得られる粘着剤層の粘着特性の低下が生じるおそれ
があり、5,000mJ/cm2を超えると、照射時間
が非常に長時間となり、生産性向上のためには不利なも
のとなる。また、熱により重合を行う場合は一般的に知
られた方法により熱を本発明のカチオン重合型液状組成
物に適応することにより達成でき、その条件などは特に
限定されるものではない。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定を受
けるものではない。 (実施例1)前記式(7)で表されるオキセタンモノマ
ーOXR−12{東亞合成(株)製}、多官能モノマー
であるクレイトンポリマー社製のEKP−207(商品
名;化学構造はShell Chemical CompanyのTechnical Bu
lletin(1966.10.28-30)に記載されている。)(A−2
成分)、ヨードニウム塩系光潜在カチオン開始剤である
ローディア社製の2074(商品名)(A−3成分)、
および軟化点が約90℃の水添石油樹脂であるハーキュ
リーズ社製のリガライト1090(商品名)(B成分)
を下記表1に示した配合組成(質量%)で40℃にて均
一に混合し、カチオン重合型液状組成物を得た。
【0055】得られた組成物を、厚さが50μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上
に膜厚が約25μmとなるようにドクターブレードを用
いて塗工した後、120W/cmの集光型高圧水銀灯
下(ランプ高さ:10cm)を10m/minのコンベ
アスピードで一回通過させて紫外線を照射(135mJ
/cm)してカチオン重合することにより粘着剤層を
形成し粘着シートを作製した。また、粘弾性測定用に供
するためポリテトラフルオロエチレン(テフロン 登録
商標 du Pont社製)板上に厚さが1mmとなる
ように組成物を流し込み粘着シート作成と同様な照射条
件にて重合した後、テフロン板から離型することにより
評価用重合物を作製した。
【0056】(実施例2〜10および比較例1〜2)実
施例1と同様に表1に示した配合組成で実施例2〜8お
よび比較例1〜2の組成物を得た。なお、オキセタンモ
ノマーOTX−212は、前記の単官能モノマー(A−
1成分)である。L−1203(クレイトンポリマー社
製)は、片末端に水酸基を有する直鎖のポリ(エチレン
/ブチレン)の水素化により製造された完全飽和の分子
量3,600のモノオールであり、本発明のA−2成分
には該当しない。UVR−6110(商品名、ユニオン
カーバイド社製)は、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレートであり本発明のA−2成分に相当する。また、
リガライト1125(ハーキュリーズ社製)は軟化点が
約125℃の水添石油樹脂である。実施例9及び10に
使用したGI−1000は分子量1000の両末端に水
酸基を有するポリブタジエンの水添物である。上記の各
組成物を用いて実施例1と同様にして粘弾性測定用の重
合物およびPETフィルム上に粘着シートを作成した。
ただし、比較例2においては組成物の各成分が高粘度で
あるため、光潜在開始剤以外の成分を100℃で溶解し
た後、80℃で光潜在開始剤を溶解したが、この組成物
から、粘弾性測定用の重合物およびPETフィルム上に
粘着シートを作成する際に低粘度化のため、更に、80
℃での加温を継続したところ明らかな増粘が見られたた
め、他の評価は中断し、開始剤溶解後に直ちに粘度測定
のみを行った。
【0057】
【表1】
【0058】上記実施例1〜10および比較例1〜2で
作成した組成物の粘度、重合物のガラス転移温度および
粘弾性特性、および、粘着シートの粘着特性(粘着力、
保持力、プローブタック)を下記の方法により測定し
た。粘度および粘弾性の測定結果を表2に、粘着特性の
測定結果を表3にそれぞれ示した。ただし、比較例2に
おいては前述のように増粘が生じたため、粘度測定結果
のみを示した。
【0059】(1)粘度測定:配合後の組成物の粘度を2
5℃においてE型粘度計にて測定した。 (2)粘弾性測定:組成物のカチオン重合物の複素弾性率
は、厚さ1mmの重合物をRheometrics社製のRDSI
I型粘弾性測定装置を用いてずりせん断応力により測定
した。 (3)ガラス転移温度:上記重合物を用いて、JISのK
7121に規定されているDSC法により測定を行っ
た。 (4)粘着力:JISのZ−0237に記載の方法で測定
を行った。粘着シートを25mm巾に切断した後、被着
体(SUS板またはポリエチレン(PE)板)に接着面
積が25mm×100mmとなるように貼り合わせ、2
kgロールで一往復圧着する。23℃、65%RHの条
件において180度剥離強度を測定した。また、剥離強
度測定後の被着体上に残存する粘着剤相の観察を行い、
剥離の形態が界面剥離である場合をAとし、被着体上に
粘着剤が残存する場合、凝集破壊が生じたものとしてC
と判定した。
【0060】(5)保持力:粘着シートから切り出したサ
ンプル(25mm巾)をSUS板に接着面積が25mm
×25mmとなるように貼付け、2kgロールで一往復
圧着する。40℃、および100℃にて1kg重の荷重
をかけて剥がれ落ちるまでの時間を測定し、その保持時
間を保持力とした。24時間後にも保持されていた場合
には保持時間24時間以上とし、初期貼付け位置からの
ずれ幅を測定した値を併記した。また、本測定において
24時間以内に剥がれ落ちたサンプルについては、測定
後の被着体上に残存する粘着剤相の観察を行い、剥離の
形態が界面剥離である場合をAとし、被着体上に粘着剤
が残存する場合、凝集破壊が生じたものとしてCと判定
した。 (6)SAFT:上記の保持力測定と同様なSUS板の接
着サンプルを作成し、500g重の荷重をかけてオーブ
ン中で室温より205℃まで昇温速度:0.4℃/毎分
にて昇温し剥がれ落ちた時点での温度を測定した。な
お、205℃到達後にも保持されていた場合には205
℃以上とし、初期貼付け位置からのずれ幅を測定した値
を併記した。また、剥がれ落ちたサンプルについては、
上記保持力と同様に残存する粘着剤相の測定を行なっ
た。 (7)プローブタック:ASTM D2979に記載のと
おり、以下の条件でプローブタックを測定した。 プローブ:SUS 直径5mmΦ #400研磨面 荷重:100g/cm2 接触時間:1秒 プローブ速度:1cm/秒 1サンプルに対して5回の測定を行い、その平均値を示
した。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】表2に示したように、実施例1〜10およ
び比較例1の組成物の粘度は低いものであり、粘着シー
トの作成においても塗布は容易なものであった。これに
対して、比較例2の組成物は、高粘度であるため室温で
の塗布が困難であり、低粘度化のために加温したとこ
ろ、熱安定性の不足による重合と見られる明らかな増粘
が生じた。また、表2に示したように、重合物の粘弾性
特性において100Hzでの複素弾性率が本発明で好ま
しいと規定した範囲から逸脱した比較例1の組成物の場
合、タック値が大きく低減しその結果として粘着力も低
いものとなっている。
【0064】上記表3から明らかなように、実施例1〜
10に示した組成物はいずれも優れた粘着特性を示し、
とりわけ、保持力に優れた粘着剤であることが分かる。
また、剥離の形態もすべて界面剥離であり、被着体上で
の粘着剤の残存はまったく見られなかった。以上の結果
から明らかなように、本発明で好ましいと規定した粘度
および粘弾性特性を満たす組成物は室温で容易に基材に
塗布が可能でカチオン重合後の重合物は良好な粘着特性
を示すことが明らかとなった。さらに、実施例2および
実施例3に示した100℃における複素弾性率(測定周
波数0.1Hz)が100,000より大きい組成物
は、とりわけ高温における保持力に優れることが明らか
になった。
【0065】
【発明の効果】本発明におけるカチオン重合型液状組成
物は溶媒を含有することなく容易に基材に塗布が可能で
あり、塗布後に光あるいは熱の適応により良好な粘着特
性を示す粘着剤として使用可能である。既存の溶剤型粘
着剤の代替品として有機溶剤の除去等を必要としない新
規な粘着剤としての用途が大いに期待され得るものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 157/02 C09J 157/02 163/00 163/00 171/02 171/02 193/04 193/04 Fターム(参考) 4J002 AF02X BA00X BA01X BN00X CD02W CD05W CD06W CD17W CD18W EB117 EL026 EL056 EL066 EN137 EQ017 EV297 EW177 EZ007 FD157 FD34X GJ01 4J036 AD08 AF06 AJ08 AK01 AK03 FA10 FA11 FB01 FB18 GA01 GA02 GA03 GA04 GA10 GA16 JA06 4J040 BA202 DK012 DN032 EC041 EC061 EC071 EC221 EE021 EE031 HC14 HD13 HD43 JA01 JB09 KA11 KA12 KA13 KA26 LA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表される環状エーテル構
    造を分子中に1個のみ有する単官能モノマー(A−
    1)、下記式(1)で表される環状エーテル構造を分子
    中に2個以上有する多官能モノマー(A−2)および潜
    在性を有するカチオン重合開始剤(A−3)を含有する
    カチオン重合性配合物(A)、ならびに前記配合物
    (A)と室温において相溶し40℃以上の軟化点を有す
    る固体樹脂(B)を含み、25℃における粘度が20P
    a・sec以下であることを特徴とするカチオン重合型
    液状組成物。 【化1】 式(1)中、nは0、1または2を示し、R1〜R6はそ
    れぞれ水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
    素基を示す。
  2. 【請求項2】 前記式(1)におけるR1〜R6の少なく
    とも1つが下記式(2)で表される置換基である請求項
    1記載のカチオン重合型液状組成物。 【化2】 式(2)中、R7およびR8は水素原子または置換基を有
    していてもよいアルキル基を示し、R9は炭素数4個以
    上の、直鎖状あるいは分枝状アルキル基を示し、Xは酸
    素原子あるいは−CH2−を示す。
  3. 【請求項3】 単官能モノマー(A−1)が、式(1)
    においてn=1であるオキセタン類である請求項1又は
    2記載のカチオン重合型液状組成物。
  4. 【請求項4】 単官能モノマー(A−1)が、式(3)
    で表される請求項1〜3いずれか1つに記載のカチオン
    重合型液状組成物。 【化3】 式(3)中、R7、R8およびR10は水素原子または置換
    基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示
    し、R9は炭素数4〜24の、直鎖状あるいは分枝状の
    アルキル基を示し、Xは酸素原子を示す。
  5. 【請求項5】 多官能モノマー(A−2)が、2以上の
    エポキシ基を含有するエポキシ樹脂である請求項1〜4
    いずれか1つに記載のカチオン重合型液状組成物。
  6. 【請求項6】 多官能モノマー(A−2)が、2以上の
    脂環式エポキシ基を含有する請求項1〜5いずれか1つ
    に記載のカチオン重合型液状組成物。
  7. 【請求項7】 多官能モノマー(A−2)が、2以上の
    オキセタニル基を含有する請求項1〜6いずれか1つに
    記載のカチオン重合型液状組成物。
  8. 【請求項8】 多官能モノマー(A−2)が、3,4−
    エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ
    シクロヘキサンカルボキシレートである請求項1〜7い
    ずれか1つに記載のカチオン重合型液状組成物。
  9. 【請求項9】 カチオン重合開始剤(A−3)が、光潜
    在性または熱潜在性である請求項1〜8いずれか1つに
    記載のカチオン重合型液状組成物。
  10. 【請求項10】 固体樹脂(B)が水添石油樹脂および
    /または水添ロジン系樹脂である請求項1〜9いずれか
    1つに記載のカチオン重合型液状組成物。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つの分子末端に水酸基を
    有し、分子量が300ないし10,000のモノオール
    またはポリオール化合物を含有する請求項1〜10いず
    れか1つに記載のカチオン重合型液状組成物。
  12. 【請求項12】 カチオン重合後の重合物の25℃にお
    ける複素弾性率 (G)が以下の条件を満たす請求項
    1〜11いずれか1つに記載のカチオン重合型液状組成
    物。25℃において、 G> 100,000 (測定周波数:0.1Hz) G< 4,000,000(測定周波数:1Hz) G> 2,000,000(測定周波数:100H
    z)
  13. 【請求項13】 カチオン重合後の重合物の100℃
    における複素弾性率(G)が、以下の条件を満たす請
    求項1〜12いずれか1つに記載のカチオン重合型液状
    組成物。 G>100,000(測定周波数:0.1Hz)
  14. 【請求項14】 カチオン重合後の重合物の25℃にお
    ける損失正接(Tanδ)が0.8(測定周波数:100
    Hz)以上である請求項1〜13いずれか1つに記載の
    カチオン重合型液状組成物。
  15. 【請求項15】 カチオン重合後の重合物のガラス転移
    温度が0℃以下である請求項1〜14いずれか1つに記
    載のカチオン重合型液状組成物。
  16. 【請求項16】 下記式(1)で表される環状エーテル
    構造を分子中に1個のみ有する単官能モノマー(A−
    1)、下記式(1)で表される環状エーテル構造を分子
    中に2個以上有する多官能モノマー(A−2)および潜
    在性を有するカチオン重合開始剤(A−3)を含有する
    カチオン重合性配合物(A)、ならびに前記配合物
    (A)と室温において相溶し40℃以上の軟化点を有す
    る固体樹脂(B)を含み、25℃における粘度が20P
    a・sec以下であるカチオン重合型液状組成物をカチ
    オン重合したことを特徴とする粘着性重合物。 【化4】 式(1)中、nは0、1または2を示し、R1〜R6はそ
    れぞれ水素原子または置換基を有していてもよい炭化水
    素基を示す。
  17. 【請求項17】 カチオン重合して得られる重合物の2
    5℃および100℃における複素弾性率(G)が以下
    の条件を満たす請求項16記載の粘着性重合物。25℃
    において、 G> 100,000 (測定周波数:0.1Hz) G< 4,000,000(測定周波数:1Hz) G> 2,000,000(測定周波数:100H
    z)であり、100℃において、 G>100,000(測定周波数:0.1Hz)
JP2001394130A 2001-02-13 2001-12-26 カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物 Expired - Fee Related JP3852685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001394130A JP3852685B2 (ja) 2001-02-13 2001-12-26 カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-34812 2001-02-13
JP2001034812 2001-02-13
JP2001-88114 2001-03-26
JP2001088114 2001-03-26
JP2001394130A JP3852685B2 (ja) 2001-02-13 2001-12-26 カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002356607A true JP2002356607A (ja) 2002-12-13
JP2002356607A5 JP2002356607A5 (ja) 2005-02-24
JP3852685B2 JP3852685B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=27345970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001394130A Expired - Fee Related JP3852685B2 (ja) 2001-02-13 2001-12-26 カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3852685B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045415A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Konica Minolta Medical & Graphic Inc カチオン重合性組成物、インクジェット用インク組成物及び画像形成方法
JP2007224235A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Daicel Chem Ind Ltd 活性エネルギー線硬化性接着剤およびその用途
JP2007314804A (ja) * 2007-08-10 2007-12-06 Toagosei Co Ltd 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物およびその硬化物
JP2008231407A (ja) * 2007-02-02 2008-10-02 Jsr Corp 放射線硬化性接着剤用組成物、複合体、及び、複合体の製造方法
JP2020172648A (ja) * 2018-12-27 2020-10-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置
WO2024171602A1 (ja) * 2023-02-17 2024-08-22 三井化学株式会社 光学部材用接着剤、光学素子、および光学装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045415A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Konica Minolta Medical & Graphic Inc カチオン重合性組成物、インクジェット用インク組成物及び画像形成方法
JP2007224235A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Daicel Chem Ind Ltd 活性エネルギー線硬化性接着剤およびその用途
JP2008231407A (ja) * 2007-02-02 2008-10-02 Jsr Corp 放射線硬化性接着剤用組成物、複合体、及び、複合体の製造方法
JP2007314804A (ja) * 2007-08-10 2007-12-06 Toagosei Co Ltd 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物およびその硬化物
JP2020172648A (ja) * 2018-12-27 2020-10-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置
JP7531103B2 (ja) 2018-12-27 2024-08-09 パナソニックIpマネジメント株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物、発光装置の製造方法及び発光装置
WO2024171602A1 (ja) * 2023-02-17 2024-08-22 三井化学株式会社 光学部材用接着剤、光学素子、および光学装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3852685B2 (ja) 2006-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019513885A (ja) 暗反応を用いた放射線で活性化可能な感圧接着テープ及びその使用
EP0895523B1 (en) Uv curable composition
WO2017104165A1 (ja) 接着剤組成物、これを用いた被着体の接合方法および積層体の製造方法
JP4553572B2 (ja) 紫外線硬化型接着剤およびその接着体
CN1076379C (zh) 用于压敏胶和密封胶的可固化粘合剂及含该粘合剂的胶粘剂和密封胶
WO2003022949A1 (en) Cationic polymerizable adhesive composition and anisotropically electroconductive adhesive composition
JP2000026830A (ja) Uv硬化性の粘着剤組成物
KR100394295B1 (ko) 에폭시화 모노하이드록실화 디엔 중합체로부터 자외선경화성 접착제 및 실런트 제조를 위한 무-비수성 용매법
JP3852685B2 (ja) カチオン重合型液状組成物及び粘着性重合物
EP1236782B1 (en) Cationically polymerizable liquid composition and tacky polymer
JP2007119542A (ja) 紫外線反応型接着剤およびこの紫外線反応型接着剤を用いた液晶パネル
JP3985592B2 (ja) 硬化性剥離剤およびそれを用いたセパレータ
JP2005336349A (ja) カチオン重合型組成物
JPWO2002055625A1 (ja) 光反応性ホットメルト接着剤組成物
JP6798622B2 (ja) 硬化性接合材を含む積層体の製造方法
KR100748149B1 (ko) 광양이온 중합성 수지 조성물 및 광디스크 표면 보호용재료
JP2001011424A (ja) 紫外線硬化性粘着剤組成物
JP3820147B2 (ja) 光硬化可能組成物
US20040266913A1 (en) Cationic polymerizable adhesive composition and anisotropically electroconductive adhesive composition
CN1080727C (zh) 单羟基化二烯烃聚合物及其环氧化衍生物
JPH10147632A (ja) 硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JP2000309756A (ja) 硬化型粘接着シートもしくはテープ
JP5040518B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物およびその硬化物
TW202221097A (zh) 顯示元件密封材、有機el元件密封材及顯示元件密封片
JP2002235064A (ja) 粘接着テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees