JP2002330747A - 清酒製造法 - Google Patents
清酒製造法Info
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Landscapes
- Alcoholic Beverages (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 味覚に薄さを感じさせない適度な酸度と糖分
を含む低アルコール清酒の製造法を提供する。 【解決手段】 清酒用麹の製造過程において、クエン酸
を多く生産する焼酎用麹菌と清酒用麹菌を別々の蒸米に
散布して、一定時間、一定温度保温した後、これらを混
合して製麹し、得られた麹を用いて低アルコール清酒を
製造する方法。
を含む低アルコール清酒の製造法を提供する。 【解決手段】 清酒用麹の製造過程において、クエン酸
を多く生産する焼酎用麹菌と清酒用麹菌を別々の蒸米に
散布して、一定時間、一定温度保温した後、これらを混
合して製麹し、得られた麹を用いて低アルコール清酒を
製造する方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低アルコールの清
酒の製造法に関し、とくに酸度と糖分を付加する低アル
コール清酒の製造方法に関するものである。
酒の製造法に関し、とくに酸度と糖分を付加する低アル
コール清酒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】清酒の多様化、健康指向の観点から、近
年低アルコール濃度の清酒が製造されるようになり、例
えばアルコール度数が12%を下回るような清酒の製造
がなされているが、その製造方法は生成した清酒を希釈
する方法、仕込み時の汲み水歩合を大きくして仕込む方
法が行われている。これらの方法によるとアルコール度
数を低くすることは可能であるが、従来のように風味、
味覚に優れてコクがあり、それでいてアルコール度数の
低い、満足できる清酒はまだ得られていない。とくに従
来の清酒に加水してアルコール度数を低くすると、酸味
や糖分も低くなり水くさい清酒となってしまう。この対
策として乳酸、コハク酸などの酸味材、糖分を加えて味
覚を改善しようとしても、自然でなく風味、味覚に違和
感が残る。
年低アルコール濃度の清酒が製造されるようになり、例
えばアルコール度数が12%を下回るような清酒の製造
がなされているが、その製造方法は生成した清酒を希釈
する方法、仕込み時の汲み水歩合を大きくして仕込む方
法が行われている。これらの方法によるとアルコール度
数を低くすることは可能であるが、従来のように風味、
味覚に優れてコクがあり、それでいてアルコール度数の
低い、満足できる清酒はまだ得られていない。とくに従
来の清酒に加水してアルコール度数を低くすると、酸味
や糖分も低くなり水くさい清酒となってしまう。この対
策として乳酸、コハク酸などの酸味材、糖分を加えて味
覚を改善しようとしても、自然でなく風味、味覚に違和
感が残る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように種々の低ア
ルコールの清酒が開発されているが、とりわけ従来の清
酒に加水してアルコール度数を低くすると、酸味や糖分
も低くなり水くさい製品となってしまう。この対策とし
て焼酎仕込に使用する麹菌がクエン酸を多く生産するこ
とが良く知られており、この焼酎麹を使用した清酒の製
造法が特公昭64−4756号公報に開示されている例
があるが、このように清酒の製造に焼酎麹のみを使用し
たのでは任意の酸度と糖分の清酒を製造することは困難
である。酸を生成する焼酎用麹菌と従来の清酒用麹菌
(黄こうじ)の2種の麹菌を混合して任意の酸度と糖分
の清酒を製造することが考えられるが、市販されている
2種の麹菌を混合した種麹(種もやし)を用いて、すな
わち、それぞれの菌株を任意の割合で混合して同じ蒸米
に散布して製麹しても、菌株によって発芽速度が異なる
ため、蒸米上では先に発芽した菌株が優勢となり発芽の
遅い菌株は充分生育できずその特徴、性質を十分発揮で
きない。したがって任意の酸度と糖分を持った清酒を製
造することが困難であった。
ルコールの清酒が開発されているが、とりわけ従来の清
酒に加水してアルコール度数を低くすると、酸味や糖分
も低くなり水くさい製品となってしまう。この対策とし
て焼酎仕込に使用する麹菌がクエン酸を多く生産するこ
とが良く知られており、この焼酎麹を使用した清酒の製
造法が特公昭64−4756号公報に開示されている例
があるが、このように清酒の製造に焼酎麹のみを使用し
たのでは任意の酸度と糖分の清酒を製造することは困難
である。酸を生成する焼酎用麹菌と従来の清酒用麹菌
(黄こうじ)の2種の麹菌を混合して任意の酸度と糖分
の清酒を製造することが考えられるが、市販されている
2種の麹菌を混合した種麹(種もやし)を用いて、すな
わち、それぞれの菌株を任意の割合で混合して同じ蒸米
に散布して製麹しても、菌株によって発芽速度が異なる
ため、蒸米上では先に発芽した菌株が優勢となり発芽の
遅い菌株は充分生育できずその特徴、性質を十分発揮で
きない。したがって任意の酸度と糖分を持った清酒を製
造することが困難であった。
【0004】本発明は、上記の問題点を解消するために
なしたものであって、その目的は、蒸米上で任意の割合
で繁殖し、2種の菌株の特徴を十分発揮できる麹の製造
法の確立と、その麹を使用して低アルコール度数でも味
覚の薄さを感じさせないだけの酸度と糖分を任意の割合
で含む清酒を製造する方法を提供するものである。
なしたものであって、その目的は、蒸米上で任意の割合
で繁殖し、2種の菌株の特徴を十分発揮できる麹の製造
法の確立と、その麹を使用して低アルコール度数でも味
覚の薄さを感じさせないだけの酸度と糖分を任意の割合
で含む清酒を製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明(請求項1)に係る方法は清酒用麹菌と焼
酎用麹菌の2種類の麹菌をそれぞれ別々の蒸米に散布
し、30〜40℃の温度範囲内で10〜30時間の条件
で保温して発芽させた後、これらの蒸米を混合して一つ
となし、その後定法により数回手入れを行いながら35
〜45℃で製麹し、出来た麹を使用して定法により仕込
みを行うことにより、低アルコール度数でも味覚の薄さ
を感じさせないだけの酸度と糖分を含む低アルコール清
酒の製造法である。また本発明(請求項2)に係る方法
は清酒用麹菌と焼酎用麹菌の2種類の麹菌をそれぞれ別
々の蒸米に散布し、30〜40℃の温度範囲内で10〜
30時間の条件で保温して発芽させた後、これらの蒸米
を混合して一つとなし、これらの蒸米の混合割合を変え
ることにより酸度と糖分を調節する請求項1記載の低ア
ルコール清酒の製造法である。この本発明のような麹の
製造方法は従来行われていなかったもので、今回本発明
者らがはじめて成功したものである。この製造方法によ
って従来不可能であった複数の麹菌の持つ特徴を発揮し
て欲しい割合で発揮させることが可能となった。すなわ
ち、本発明の方法を利用して、酸を多く造る麹菌として
焼酎用麹菌と通常の麹菌として清酒用麹菌を使用して、
それぞれの麹菌の特徴を任意の割合で発揮できる麹を製
造し、出来た麹を使用することによって仕込みを行い、
低アルコール度数でも適度な酸度と糖分を含み味の薄さ
を感じさせない清酒を製造することができるのである。
めに、本発明(請求項1)に係る方法は清酒用麹菌と焼
酎用麹菌の2種類の麹菌をそれぞれ別々の蒸米に散布
し、30〜40℃の温度範囲内で10〜30時間の条件
で保温して発芽させた後、これらの蒸米を混合して一つ
となし、その後定法により数回手入れを行いながら35
〜45℃で製麹し、出来た麹を使用して定法により仕込
みを行うことにより、低アルコール度数でも味覚の薄さ
を感じさせないだけの酸度と糖分を含む低アルコール清
酒の製造法である。また本発明(請求項2)に係る方法
は清酒用麹菌と焼酎用麹菌の2種類の麹菌をそれぞれ別
々の蒸米に散布し、30〜40℃の温度範囲内で10〜
30時間の条件で保温して発芽させた後、これらの蒸米
を混合して一つとなし、これらの蒸米の混合割合を変え
ることにより酸度と糖分を調節する請求項1記載の低ア
ルコール清酒の製造法である。この本発明のような麹の
製造方法は従来行われていなかったもので、今回本発明
者らがはじめて成功したものである。この製造方法によ
って従来不可能であった複数の麹菌の持つ特徴を発揮し
て欲しい割合で発揮させることが可能となった。すなわ
ち、本発明の方法を利用して、酸を多く造る麹菌として
焼酎用麹菌と通常の麹菌として清酒用麹菌を使用して、
それぞれの麹菌の特徴を任意の割合で発揮できる麹を製
造し、出来た麹を使用することによって仕込みを行い、
低アルコール度数でも適度な酸度と糖分を含み味の薄さ
を感じさせない清酒を製造することができるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】従来の製造技術では、蒸米への麹
菌の散布は定法により白米を洗米、水切り、蒸し、放冷
後コンベア上で蒸米に散布するか、または製麹室に蒸米
を取り込み後に散布するかしている。本発明では焼酎用
麹菌と清酒用麹菌の性質の異なる2種類の麹菌を蒸米に
散布する場合、コンベア上で散布する時に麹菌を散布す
るタイミングと散布時間を調節することによって、目的
とする麹菌をコンベア上の蒸米に区分して必要な割合で
散布することができる。また、製麹室に取り込み後に散
布する場合は、必要な割合で蒸米を分け、それぞれの蒸
米に別々の麹菌を散布することもできる。麹菌の蒸米に
対する散布率は一般には重量比で0.1%くらいが目安
となる。散布後は30〜40℃の温度範囲内で、10〜
30時間で保温し発芽させた後、これらの蒸米を混合し
て一つとなし、その後定法により数回手入れ(攪拌、混
合)を行い35〜45℃で製麹し麹を製造する。この麹
菌を保温し発芽させる適正な温度と時間は麹菌の種類と
蒸米の条件で決まってくるものであるが、いずれも30
〜40℃の温度範囲内で、10〜30時間内である。
菌の散布は定法により白米を洗米、水切り、蒸し、放冷
後コンベア上で蒸米に散布するか、または製麹室に蒸米
を取り込み後に散布するかしている。本発明では焼酎用
麹菌と清酒用麹菌の性質の異なる2種類の麹菌を蒸米に
散布する場合、コンベア上で散布する時に麹菌を散布す
るタイミングと散布時間を調節することによって、目的
とする麹菌をコンベア上の蒸米に区分して必要な割合で
散布することができる。また、製麹室に取り込み後に散
布する場合は、必要な割合で蒸米を分け、それぞれの蒸
米に別々の麹菌を散布することもできる。麹菌の蒸米に
対する散布率は一般には重量比で0.1%くらいが目安
となる。散布後は30〜40℃の温度範囲内で、10〜
30時間で保温し発芽させた後、これらの蒸米を混合し
て一つとなし、その後定法により数回手入れ(攪拌、混
合)を行い35〜45℃で製麹し麹を製造する。この麹
菌を保温し発芽させる適正な温度と時間は麹菌の種類と
蒸米の条件で決まってくるものであるが、いずれも30
〜40℃の温度範囲内で、10〜30時間内である。
【0007】焼酎用麹菌としてはAsp.awamor
i、Asp.sirousami等を用いることができ
るが、Asp.awamori(黒こうじ)は酸味生成
としては使えるけれど酒かすが黒くなる点で好ましくな
い。清酒用麹菌としてはAsp.oryzae等を用い
ることができる。これら麹菌の好ましい組み合わせは焼
酎用麹菌としてはAsp.shirousami、清酒
用麹菌としてはAsp.oryzaeであり、酸度と糖
分を任意に調節する点で好適である。麹製造に使用する
原料米の品種は酒造好適米(山田錦、五百万石等)に限
らず、一般米(コシヒカリ、日本晴等)でもかまわな
い。また、精米率も飯米(90%程度)から大吟醸(5
0%以下)まで目的によって広く使用できる。
i、Asp.sirousami等を用いることができ
るが、Asp.awamori(黒こうじ)は酸味生成
としては使えるけれど酒かすが黒くなる点で好ましくな
い。清酒用麹菌としてはAsp.oryzae等を用い
ることができる。これら麹菌の好ましい組み合わせは焼
酎用麹菌としてはAsp.shirousami、清酒
用麹菌としてはAsp.oryzaeであり、酸度と糖
分を任意に調節する点で好適である。麹製造に使用する
原料米の品種は酒造好適米(山田錦、五百万石等)に限
らず、一般米(コシヒカリ、日本晴等)でもかまわな
い。また、精米率も飯米(90%程度)から大吟醸(5
0%以下)まで目的によって広く使用できる。
【0008】酒母はこの麹菌を使用した麹と蒸米と汲み
水を配合して、9〜20℃の温度範囲で、5〜10日間
の製造条件で酒母を製造した。この場合麹の配合率は総
米に対して重量比で20〜40%の範囲が好適で、汲み
水は重量比で120〜150%の範囲の配合が望まし
く、130〜140%の範囲が適する。特に133%の
条件が好適である。
水を配合して、9〜20℃の温度範囲で、5〜10日間
の製造条件で酒母を製造した。この場合麹の配合率は総
米に対して重量比で20〜40%の範囲が好適で、汲み
水は重量比で120〜150%の範囲の配合が望まし
く、130〜140%の範囲が適する。特に133%の
条件が好適である。
【0009】初添えは、前記の麹と蒸米と汲み水とをタ
ンクにいれ、55〜60℃の温度範囲で10〜20時間
経過して糖化後9℃まで冷却し、上記の酒母を投入して
仕込を行った。麹の総米に対する配合率は重量比で10
〜20%の範囲が好適である。汲み水の配合率も重量比
で200〜300%の範囲がよい。製造条件は9℃で仕
込み、13日間でアルコール発酵を行い、その後上槽
し、定法により低アルコール清酒を得た。仕込み温度は
10℃以下が望ましく、発酵日数も10〜15日の範囲
が低アルコール発酵の点で望ましい。
ンクにいれ、55〜60℃の温度範囲で10〜20時間
経過して糖化後9℃まで冷却し、上記の酒母を投入して
仕込を行った。麹の総米に対する配合率は重量比で10
〜20%の範囲が好適である。汲み水の配合率も重量比
で200〜300%の範囲がよい。製造条件は9℃で仕
込み、13日間でアルコール発酵を行い、その後上槽
し、定法により低アルコール清酒を得た。仕込み温度は
10℃以下が望ましく、発酵日数も10〜15日の範囲
が低アルコール発酵の点で望ましい。
【0010】酒母と初添えを合計した麹の総米に対する
配合比率は10〜30%の範囲が適し、特に15〜20
%の範囲が好適である。汲み水も低アルコール発酵の観
点から総米に対し200〜300%の範囲が望ましい。
配合比率は10〜30%の範囲が適し、特に15〜20
%の範囲が好適である。汲み水も低アルコール発酵の観
点から総米に対し200〜300%の範囲が望ましい。
【0011】
【実施例】精米率70%の酒造好適米(山田錦)を使用
して清酒製造と同様に製麹を行った。この白米10kg
を洗米、浸漬後水切り、蒸し、35℃まで放冷して蒸米
を2等分し、一方に市販の焼酎用種麹菌(株式会社ビオ
ック製焼酎用K菌)5グラムを散布し、もう一方に市販
の清酒用種麹菌(株式会社糀屋三左衛門製経済酒用菌)
5グラムを散布し種付けを行った後それぞれをビニール
の袋に入れ、35℃で17時間保温し発芽させた。その
後表1に示す割合で蒸米を混合して、5種類の試料を作
製した。その後35〜45℃で定法により試料毎に製麹
して出麹した。対照として同じ白米6kgを同様にして
蒸し、35℃まで放冷したのち蒸米を3等分し、1つに
上記と同じ焼酎用麹菌2グラムを散布したもの(No.
6)と、もう一つに清酒用麹菌2グラムを散布したもの
(No.7)と、2種類の麹菌1グラムづつをあらかじ
め前もって混合してから散布したもの(No.8)との
3種類の試料ををつくり、その後同様にビニール袋に入
れ、定法により同じ温度経過の操作を行って製麹して出
麹した。
して清酒製造と同様に製麹を行った。この白米10kg
を洗米、浸漬後水切り、蒸し、35℃まで放冷して蒸米
を2等分し、一方に市販の焼酎用種麹菌(株式会社ビオ
ック製焼酎用K菌)5グラムを散布し、もう一方に市販
の清酒用種麹菌(株式会社糀屋三左衛門製経済酒用菌)
5グラムを散布し種付けを行った後それぞれをビニール
の袋に入れ、35℃で17時間保温し発芽させた。その
後表1に示す割合で蒸米を混合して、5種類の試料を作
製した。その後35〜45℃で定法により試料毎に製麹
して出麹した。対照として同じ白米6kgを同様にして
蒸し、35℃まで放冷したのち蒸米を3等分し、1つに
上記と同じ焼酎用麹菌2グラムを散布したもの(No.
6)と、もう一つに清酒用麹菌2グラムを散布したもの
(No.7)と、2種類の麹菌1グラムづつをあらかじ
め前もって混合してから散布したもの(No.8)との
3種類の試料ををつくり、その後同様にビニール袋に入
れ、定法により同じ温度経過の操作を行って製麹して出
麹した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】出来た麹の酵素力価と酸度を前記表2に示
す。
す。
【0015】αアミラーゼ力価およびグルコアミラーゼ
力価はキッコーマン(株)製αアミラーゼ測定キット、
糖化力測定キットによって測定した価を国税庁所定分析
法による価に換算したものである。酸度は国税庁所定分
析法による水抽出液10ml当たりのN/10水酸化ナ
トリウム溶液の滴定数である。
力価はキッコーマン(株)製αアミラーゼ測定キット、
糖化力測定キットによって測定した価を国税庁所定分析
法による価に換算したものである。酸度は国税庁所定分
析法による水抽出液10ml当たりのN/10水酸化ナ
トリウム溶液の滴定数である。
【0016】表2から明らかなように、No.8は焼酎
用麹菌と清酒用麹菌の2種類の性質が異なる麹菌を半々
に混合してから蒸米に散布して製麹したものであるが、
できた麹はNo.7の清酒用麹菌のみで製麹した麹とほ
とんど同じ酵素力価、酸度となった。すなわちそれぞれ
の麹菌の特徴が生かされず、とくに焼酎用麹菌由来の菌
株の効果が現れていない。それに比較してNo.3は使
用した2種類の麹菌はNo.8と同じく半々であるが、
それぞれ別々に蒸米に散布して製麹したので、それぞれ
の麹菌の特徴を半々に持った麹を造ることができた。N
o.1〜No.5まで2種類の麹菌の混合比率を変化さ
せ、それぞれ別々の蒸米に散布して製麹したものであっ
て、このことによって麹菌の混合比率により出来上がり
の麹の酵素力価と酸度を調整することが可能となった。
用麹菌と清酒用麹菌の2種類の性質が異なる麹菌を半々
に混合してから蒸米に散布して製麹したものであるが、
できた麹はNo.7の清酒用麹菌のみで製麹した麹とほ
とんど同じ酵素力価、酸度となった。すなわちそれぞれ
の麹菌の特徴が生かされず、とくに焼酎用麹菌由来の菌
株の効果が現れていない。それに比較してNo.3は使
用した2種類の麹菌はNo.8と同じく半々であるが、
それぞれ別々に蒸米に散布して製麹したので、それぞれ
の麹菌の特徴を半々に持った麹を造ることができた。N
o.1〜No.5まで2種類の麹菌の混合比率を変化さ
せ、それぞれ別々の蒸米に散布して製麹したものであっ
て、このことによって麹菌の混合比率により出来上がり
の麹の酵素力価と酸度を調整することが可能となった。
【0017】No.1〜No.5の麹を使用して表3の
仕込み配合にしたがって清酒もろみの仕込を行った。
仕込み配合にしたがって清酒もろみの仕込を行った。
【0018】
【表3】
【0019】初添を9℃で仕込み、13日目に上槽し
た。生成酒の成分と対照として市販清酒(当社上撰酒)
をアルコール8%まで加水した清酒の成分を表4に示
す。また得られたNo.1〜No.5と対照清酒を社内
パネル20名で、きき酒した結果を表5に示す。
た。生成酒の成分と対照として市販清酒(当社上撰酒)
をアルコール8%まで加水した清酒の成分を表4に示
す。また得られたNo.1〜No.5と対照清酒を社内
パネル20名で、きき酒した結果を表5に示す。
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】きき酒の結果、清酒No.1〜No.5は
何れもアルコール度数の低さを感じさせないだけの酸度
と糖分を含み、、かつ焼酎用麹菌と清酒用麹菌の比率を
変えることによって、自由に酸度と糖分を変えることが
出来、低アルコール清酒の味覚を拡げ、充実したものに
することが可能となった。中でもNo.4の清酒は焼酎
用麹菌の生産したクエン酸による爽やかさと清酒麹から
のうまみがうまくマッチして最良の結果となった。これ
と対照の市販レギュラー清酒にアルコール度数を低くす
るために加水すると、酸度も糖分も低くなりすぎて水く
さい低アルコール清酒となり、きき酒の結果も悪かっ
た。
何れもアルコール度数の低さを感じさせないだけの酸度
と糖分を含み、、かつ焼酎用麹菌と清酒用麹菌の比率を
変えることによって、自由に酸度と糖分を変えることが
出来、低アルコール清酒の味覚を拡げ、充実したものに
することが可能となった。中でもNo.4の清酒は焼酎
用麹菌の生産したクエン酸による爽やかさと清酒麹から
のうまみがうまくマッチして最良の結果となった。これ
と対照の市販レギュラー清酒にアルコール度数を低くす
るために加水すると、酸度も糖分も低くなりすぎて水く
さい低アルコール清酒となり、きき酒の結果も悪かっ
た。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る清酒
醸造法によれば、本発明による清酒No.1〜No.5
は何れもアルコール度数の低さを感じさせないだけの酸
度と糖分を含み、、かつ焼酎用麹菌と清酒用麹菌の比率
を変えることによって、自由に酸度と糖分を変えること
が出来、低アルコール清酒の味覚を拡げ、充実したもの
にすることが可能となる。中でもNo.4の清酒は焼酎
用麹菌の生産したクエン酸による爽やかさと清酒麹から
のうまみがうまくマッチして最良の結果となった。これ
と対照の市販レギュラー清酒にアルコール度数を低くす
るために加水すると、酸度も糖分も低くなりすぎて水く
さい低アルコール清酒となり、きき酒の結果も悪かっ
た。
醸造法によれば、本発明による清酒No.1〜No.5
は何れもアルコール度数の低さを感じさせないだけの酸
度と糖分を含み、、かつ焼酎用麹菌と清酒用麹菌の比率
を変えることによって、自由に酸度と糖分を変えること
が出来、低アルコール清酒の味覚を拡げ、充実したもの
にすることが可能となる。中でもNo.4の清酒は焼酎
用麹菌の生産したクエン酸による爽やかさと清酒麹から
のうまみがうまくマッチして最良の結果となった。これ
と対照の市販レギュラー清酒にアルコール度数を低くす
るために加水すると、酸度も糖分も低くなりすぎて水く
さい低アルコール清酒となり、きき酒の結果も悪かっ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 清酒用麹菌と焼酎用麹菌の2種類の麹菌
をそれぞれ別々の蒸米に散布し、30〜40℃の温度範
囲内で10〜30時間の条件で保温して発芽させた後、
これらの蒸米を混合して一つとなし、その後定法により
数回手入れを行いながら35〜45℃で製麹し、出来た
麹を使用して定法により仕込みを行うことにより、低ア
ルコール度数でも味覚の薄さを感じさせないだけの酸度
と糖分を含む低アルコール清酒の製造法。 - 【請求項2】清酒用麹菌と焼酎用麹菌の2種類の麹菌を
それぞれ別々の蒸米に散布し、30〜40℃の温度範囲
内で10〜30時間の条件で保温して発芽させた後、こ
れらの蒸米を混合して一つとなし、これらの蒸米の混合
割合を変えることにより酸度と糖分を調節する請求項1
記載の低アルコール清酒の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001134898A JP2002330747A (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | 清酒製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001134898A JP2002330747A (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | 清酒製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002330747A true JP2002330747A (ja) | 2002-11-19 |
Family
ID=18982480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001134898A Withdrawn JP2002330747A (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | 清酒製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002330747A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005295872A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Asahi Breweries Ltd | 液体麹の製造方法 |
CN109198439A (zh) * | 2018-10-26 | 2019-01-15 | 大连悠铭屋生物科技有限公司 | 一种速溶生姜酒粕发酵米粉及其制备方法 |
CN109198340A (zh) * | 2018-10-26 | 2019-01-15 | 大连悠铭屋生物科技有限公司 | 一种生姜酒粕发酵甘酒饮品及其制备方法 |
JP2019041690A (ja) * | 2017-09-01 | 2019-03-22 | 月桂冠株式会社 | 製麹方法、並びに、米麹使用産物の製造方法及び清酒の製造方法 |
-
2001
- 2001-05-02 JP JP2001134898A patent/JP2002330747A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005295872A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Asahi Breweries Ltd | 液体麹の製造方法 |
JP2019041690A (ja) * | 2017-09-01 | 2019-03-22 | 月桂冠株式会社 | 製麹方法、並びに、米麹使用産物の製造方法及び清酒の製造方法 |
CN109198439A (zh) * | 2018-10-26 | 2019-01-15 | 大连悠铭屋生物科技有限公司 | 一种速溶生姜酒粕发酵米粉及其制备方法 |
CN109198340A (zh) * | 2018-10-26 | 2019-01-15 | 大连悠铭屋生物科技有限公司 | 一种生姜酒粕发酵甘酒饮品及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080805 |