JP2002315433A - 植生資材 - Google Patents
植生資材Info
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- JP2002315433A JP2002315433A JP2002036637A JP2002036637A JP2002315433A JP 2002315433 A JP2002315433 A JP 2002315433A JP 2002036637 A JP2002036637 A JP 2002036637A JP 2002036637 A JP2002036637 A JP 2002036637A JP 2002315433 A JP2002315433 A JP 2002315433A
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Abstract
く、しかも植生用容器への充填が容易な植生資材を提供
する。 【解決手段】 繊度0.01dtex以上の複数の繊維
を実質的に引き揃えてなる集束糸及び拘束材からなり、
かつ以下の1)〜3)を満足していることを特徴とする
植生資材である。 1)該集束糸が圧縮率10%以上で該集束糸の直径方向
に圧縮され、かつ拘束材により固定されていること、 2)集束糸を構成する繊維の一部もしくは全部が捲縮繊
維であること、 3)該拘束材を除去または破断させることにより、集束
糸の膨潤度が該拘束材の除去または破断前の1.1倍以
上であること、
Description
植生資材を用いた植生材料の製造方法と植物育成方法、
さらに植生用容器に植生資材を充填させる方法に関す
る。
いるが、土壌の乾燥、殺菌、農薬や肥料との混合等の土
作り作業、ポットおよびトレーへの土詰め作業に人手が
かかるのみでなく、連作障害や病害が生じる問題があっ
た。また、軽量性に問題があることから、土壌を充填し
た苗床などを移動させるときに多大な労力を要してい
た。以上のことから、ロックウールからなるキューブや
粒状体、パーライト、バーミキュライト、ピートモス、
セラミック培土、やし殻、杉皮培土等を土代替として用
いる方法も採用されているが、かかる材料を容器に充填
するにも、やはり多大な労力および時間がかかり、非効
率的であった。
が容易で連作障害や疫病が発生しにくく、植生用容器へ
の充填が容易である植生資材および該植生資材を用いた
植生資材の製造方法と植物育成方法、さらに植生用容器
に植生資材を充填させる方法を提供することにある。
0.01dtex以上の複数の繊維を実質的に引き揃え
てなる集束糸及び該集束糸の外周を固定する拘束材から
なり、かつ以下の1)〜3)を満足していることを特徴
とする植生資材である。 1)該集束糸が圧縮率10%以上で該集束糸の直径方向
に圧縮され、かつ拘束材により固定されていること、 2)集束糸を構成する繊維の一部もしくは全部が捲縮繊
維であること、 3)該拘束材を除去または破断させることにより、集束
糸の膨張度が該拘束材の除去または破断前の1.1倍以
上であること、 そして本発明は、好ましくは集束糸が分解性繊維と親水
性繊維から構成され、かつ分解性繊維および親水性繊維
が以下4)〜6)を満足する上記の植生資材である。 4)分解性繊維がポリ乳酸系繊維であること、 5)親水性繊維がレーヨン繊維、綿、ポリビニルアルコ
ール系繊維のいずれかであること、 6)集束糸中の親水性繊維の含有率が10質量%以上で
あること、 さらに本発明は、より好ましくは拘束材が水溶性拘束材
であることを特徴とする上記の植生資材であり、そして
上記の植生資材を植生用容器内に充填する方法、上記の
植生資材を植生用容器内に入れた後、拘束材を除去又は
破断させて集束材を容器内に充填させる植生材料の製造
方法、上記の植生資材を用いる植物育成方法に関する。
に拘束材で固定することにより、植生用容器への充填が
容易な植生資材を得るものである。本発明においては、
集束糸を構成する繊維の単繊維繊度を0.01dtex
以上が必要で、好ましくは0.1dtex以上、さらに
好ましくは1dtex以上である。繊維の単繊維繊度が
0.01dtexを下回ると保水性が高くなりすぎ、水
分過剰による根腐れが生じやすくなるといった問題が生
じる。しかしながら、該繊維の単繊維繊度が大きすぎる
と毛細管現象が損なわれ、保水性が低下し、水不足が生
じたり、乾燥速度が速くなる等により、植生培地として
緩衝能力が低下するという点で適さないものになること
から、繊度1000dtex以下、特に100dtex
以下、さらに30dtex以下とするのが好ましい。
mm以上、さらに30mm以上とするのが好ましい。繊維長
を該範囲とすることにより保水性が向上し、植生資材と
して緩衝能力が向上する為、特に大根やトルコキキョウ
などの直根性作物の生育に好適な植生資材が得られる。
また、ポットや育苗トレーなどの容器に植生資材を充填
して得られる植生材料にて育苗し、次いで生長した苗を
植え替えるために該植生資材を容器から取り出す際に
も、繊維長が長い方が作業性が良好となる。繊維長の上
限は特に限定されず、用いる植生用容器のサイズに応じ
て適宜設定すればよいが、取扱性などの点から500mm
以下、特に300mm以下、さらに150mm以下とするの
が好ましい。毛細管現象による吸水性を損なわず、かつ
適度な保水性、排水性を保持するという点からはアスペ
クト比(繊維長を、繊維横断面の断面積と同一の面積を
有する円の直径で除した値)は10〜500000程
度、特に50〜100000程度であるのが好ましい。
一部または全部の繊維を捲縮繊維とするのが重要であ
る。捲縮繊維を用いることにより、集束糸の直径方向へ
の弾性が大きくなり、集束糸を大きく圧縮することが可
能になる。よって、所望の容器に、より効率的に充填す
ることが可能となる。捲縮繊維としては、捲縮数3〜3
0個/インチ、捲縮率5〜25%、捲縮弾性率1〜15
%、特に捲縮数5〜15個/インチ、捲縮率8〜15
%、捲縮弾性率5〜10%の捲縮繊維を用いるのが好ま
しい。このように、本発明では集束糸を構成する一部又
は全部の繊維を捲縮繊維とすることが必要であり、集束
糸を構成する全繊維の30重量%以上が捲縮繊維である
のが好ましく、より好ましくは、全部の繊維が捲縮繊維
である場合である。
されることが好ましい。なお本発明にいう分解性繊維と
は、地中に埋設した場合に3ヶ月〜3年程度で形態が崩
壊する繊維をいい、該繊維の具体例としては光分解性繊
維、生分解性繊維などが挙げられる。なかでも、より効
率的かつ確実に繊維を分解させる点からは生分解性繊維
を用いるのが好ましい。
に限定されず、エチレンと一酸化炭素との共重合体、エ
チレン−ビニルケトン共重合体、エチレンに遷移金属を
含有せしめた樹脂等が好適に挙げられる。
体は特に限定されず、グリコール酸、乳酸、グリコリ
ド、L−ラクチド、D,L−ラクチド、D−ラクチド、
L体とD体の混合ラクチド、パラジオキサン等の単独、
あるいは、これらの共重合体や混合物が、また、他のポ
リマーとしては、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒド
ロキシバリレート、ポリヒドロキシブチレートとポリヒ
ドロキシバリレートの共重合ポリエステル等の合成高分
子材料の他、綿、麻、絹等の天然高分子材料等が好適に
挙げられる。なかでも繊維性能及び生分解性が高いこと
からポリ乳酸系重合体が好ましく、具体的にはポリ乳酸
(乳酸のL体とD体の共重合体であってもよい)が好適
に挙げられる。なおポリ乳酸は、たとえばトウモロコシ
の澱粉から得られる乳酸を重合することにより製造でき
る。該ポリ乳酸は非酵素的な加水分解反応を基本とし、
ある程度加水分解が進行すると微生物や酵素によって分
解が促進され、最終的には炭酸ガスと水に分解される安
全性の高いものである。本発明においては、このような
重合体を主成分とする生分解性繊維が好適に使用でき、
集束糸を構成する繊維の30質量%以上、特に80〜9
0質量%を生分解性繊維とするのが好ましい。かかる生
分解性繊維を集束糸に用いることにより、植生用容器へ
の充填が容易であるだけでなく、廃棄が容易で環境にや
さしい植生材料が得られる。また土壌に定植することも
可能となる。
ン繊維、綿、ポリビニルアルコール(PVA)系繊維な
どが好ましく用いられる。集束糸を構成する繊維におけ
る親水性繊維の含有率は10質量%以上が好ましく、1
0質量%を下回ると保水性が低下し、乾燥速度が速くな
る等、緩衝能力が必要とされる植生資材として好ましく
なく、特に50〜70質量%とするのが好ましい。な
お、親水性繊維としては、疎水性重合体からなる繊維の
表面を親水性物質で被覆したものでもよい。また本発明
でいう親水性繊維とは、水を添加した時に水を含有する
繊維のことを意味する。
ばよい。本発明においては、繊維を実質的に繊維の長さ
方向に引き揃えることが重要である。本発明の効果を損
わない範囲であれば集束糸の長さ方向に配向していない
繊維が存在していてもかまわないが、繊維の配向状態が
ランダムになりすぎると、集束糸を圧縮した際に座屈な
どが生じて性能が損われる繊維が多くなり、また拘束材
を除去しても十分に膨張することが難しくなる。さらに
繊維の配向状態がランダムになりすぎると保水性が高く
なりすぎて根腐れなどが生じやすくなる。繊維がその長
さ方向に引き揃えられている場合には、適度な排水性が
確保されるために根腐れなどが生じにくくなる。
とえば円形、楕円形、四角形、三角形、または該形状に
類似した形状とすればよい。また、製造工程において集
束糸を拘束材により圧縮、固定させる点からは実質的に
円形とするのが好ましい。集束糸の直径は特に限定され
ず、適用する植生用容器の形状などにより適宜設定すれ
ばよいが、作業性の点から、集束糸の外周を拘束材で固
定した状態で、5mm以上、特に10mm以上とするのが好
ましい。しかしながら、集束糸の直径が大きすぎると取
り扱い性が悪くなり、また形態保持が困難となるなどの
問題が生じることから、集束糸の直径は200mm以下、
特に100mm以下、さらに80mm以下であるのが好まし
い。なお、本発明にいう集束糸の直径とは、集束糸の最
も小さい横断面における最大内接円の直径をいう。また
集束糸を構成する単繊維の本数は100〜2億本程度と
するのが、吸水性、保水性、排水性などの点から好まし
い。
することにより所望の植生資材が得られる。まず、本発
明においては、集束糸を直径方向に圧縮することが必要
である。集束糸を直径方向に圧縮した場合、本発明にお
いては繊維が長さ方向に引き揃えられていることから繊
維の機械的性能などが損われにくく、しかも、拘束材を
除去又は破断することにより集束糸の直径方向に集束糸
を効率的に膨張させることが可能となる。捲縮繊維を用
いた場合には、一層優れた効果が得られる。なお本発明
にいう集束糸の直径方向とは、集束糸の長さ方向に対し
て垂直な方向をいい、本発明の効果を損わない範囲であ
れば圧縮方向に多少のずれがあってもかまわない。
器中へ効率的に植生資材を充填させる点及び保管、運搬
等の作業性の点からは、圧縮率10%以上が必要であ
り、特に30%以上、さらに40〜90%とするのが好
ましい。なお本発明にいう圧縮率とは、繊維を実質的に
長さ方向に引き揃えた際の集束糸の最も小さい横断面に
おける最大内接円の面積をA,該集束糸に拘束材を設置
した際の集束糸の最も小さい横断面における最大内接円
の面積をBとしたとき、[1−(B/A)]×100
(%)により算出される。
もに拘束材により固定されている必要がある。拘束材に
より集束糸の圧縮状態が保持されることにより、所望の
容器への設置が容易になる。拘束材による固定方法は特
に限定されず、集束糸の全面が固定されていても、集束
糸の一部(たとえば側面の一部)が固定されていてもか
まわない。たとえば、集束糸の全体を拘束材により被覆
したり、また集束糸の側面を輪状(筒状など)の拘束材
により固定する方法(図1参照)、紐状物で縛る方法、
圧縮した集束糸の外周に樹脂を付与して外周を固定する
方法などが好適に挙げられる。特に、集束糸の圧縮状態
を効率的に固定する点からは集束糸の側面を輪状の拘束
材により固定する方法が好ましく、集束糸の側面におけ
る中央部や両端部などや、場合によっては実質的に側面
全面をかかる輪状の拘束材により固定すればよい。
布帛(不織布、織編物)、フィルム、紐状物などが使用
できる。フィルムとしては厚さ10〜80μm、布帛と
しては坪量10〜200g/m2程度のものが好適に使
用できる。なかでも、機械的強度が高く強固に集束糸を
固定でき、しかも柔軟性が高くかつ除去・破断させやす
い点からは不織布(紙、乾式不織布など)を用いるのが
好ましい。拘束材の素材は特に限定されないが、容易に
除去又は破断でき、しかも環境にやさしいことから水溶
性拘束材が好適である。なお、本発明にいう水溶性拘束
材には、水には完全に溶解しないが、水を付与すること
により形態が崩壊するもの(水解性拘束材)や含水する
と機械的性能が低下して破断するものなども包含され
る。たとえば温度100℃以下、好ましくは80℃以
下、さらに好ましくは15〜60℃の水で処理すること
により完全に溶解する拘束材や、実質的に形態が崩壊し
たり破断する拘束材が好適に使用される。本発明に使用
できる水溶性拘束材を構成する材料としては、水溶解
性、機械的性能、環境適合性、保水性等の点からポリビ
ニルアルコール系重合体(以下PVAと略す)、特に機
械的性能に優れたPVA系繊維が好適に挙げられる。水
溶性拘束材は水溶性素材のみから構成されている必要は
なく、必要に応じて非水溶性材料と併用して拘束材を構
成してもかまわない。拘束材の強度としては、乾燥状態
で集束糸を圧縮固定できる程度以上であるならば、十分
である。
とえば集束糸の少なくとも一部を直径方向に圧縮し、か
かる拘束材をたとえば旋回して結んだり、熱圧着や接着
剤により固定したり、予め成形した輪状の拘束材の中に
集束糸を入れることにより植生資材を製造できる。この
とき、予め所定の長さに切断したものを用いてもよい
が、効率的に植生資材を製造する点からは、連続状の集
束糸に拘束材を固定し、次いで該集束糸を所望の長さに
切断する方法を採用するのが好ましい。なかでも、連続
状集束糸の側面全面を連続状の拘束材で被覆固定し、次
いでこれを所望の長さにカットする方法を採用するのが
より好ましい(図1参照)。
生用容器内に設置し、次いで拘束材を除去又は破断させ
ることにより、植生用容器内に集束糸からなる植生資材
を所望の容器中に効率的に充填できる(図2(a)およ
び(b)参照)。このとき集束糸の、拘束材を除去また
は破断させた後の、拘束材を除去または破断させる前に
対する膨張度は1.1倍以上が必要であり、好ましくは
1.5〜3倍である。該膨張度が1.1倍よりも小さい
と、所望の容器中に効率的に充填することができない。
なお、ここでいう膨張度とは該集束糸に拘束材を設置し
た際の集束糸の最も小さい横断面における最大内接円の
面積をB、拘束材を除去または破断させたときの集束糸
の最も小さい横断面における最大内接円の面積をCとし
たとき、C/B(倍)により算出される。さらに拘束材
を除去又は破断させたときに集束糸が膨張する方向を考
えて設置するのが好ましい。植物の根腐れなどを抑制す
る点からは、容器の高さ方向と集束糸の長さ方向が実質
的に一致するように設置するのが好ましい。
ず、たとえばナイフなどの刃物や水、薬剤、熱などによ
り破断させる方法、さらに水、薬剤、熱などにより除去
する方法などが挙げられる。もちろん、手作業で拘束材
を除去してもかまわない。なかでも、集束糸及び環境に
与える影響が小さく、しかも効率的である点からは、水
溶性拘束材を用い、かつ水(温水を包含する)を付与す
ることにより該水溶性拘束材を除去又は破断させる方法
が好適である。また、水を付与した植生資材は植物生育
性の点からも好ましい環境となるので、水やりを兼ねて
拘束材を除去・破断させることもできる。また場合によ
っては水に肥料や農薬などを添加しておいてもかまわな
い。図1において、3、3’、3”は切断部を表し、こ
の切断部を切断することにより集束糸の拘束が解かれ、
膨張することとなる。
土壌や人工土壌などを併用してもかまわない。本発明の
植生資材と土壌(土、パーライト、パーミキユライト、
ピートモスなど)を併用することにより、軽量性及び植
物生育性に一層優れた植生材料が得られる。他の土壌と
併用する場合の使用比率(質量比)は適宜設定すればよ
いが、植生材料の軽量化、保水性、通気性などの点から
は、植生材料における植生資材の使用比率を30〜90
%、特に50%〜90%とするのが好ましい。なかで
も、吸水性及び排水性を高める点からは、植生資材の下
部を本発明の植生資材で構成し、上部を他の土壌で構成
するのが好ましい。また、集束糸を構成する繊維の間に
土壌を加えても、さらには拘束材と集束材との間に土壌
を存在させてもよい。また、各目的に応じて肥効調節型
肥料などの肥成分、除草剤、殺菌剤、殺虫剤、農薬、保
水材などを、拘束材を除去又は破断させる前あるいはそ
の後に添加していてもかまわない。
されず、目的・植物の種類に応じて適宜サイズ、形状な
どを選択すればよい。設置が容易な点からは、植生資材
よりもサイズの大きい植生用容器を用いるのが好まし
い。しかしながら、植生資材に比して植生用容器の容量
が大きすぎると、植生資材を容器中に十分に充填させる
ことが困難となるので、拘束材を除去又は破断させて膨
張した後の集束糸(植生資材)と同程度もしくはやや小
さい容量の容器を用いるのが好ましい。場合によって
は、1つの容器に対して2以上の植生資材を用いてもか
まわない。植生用容器としては、陶器製、硝子製、木製
等の鉢なども使用できるが、プラスチック製ポットや小
容器を連結したトレー(たとえば10〜500穴程度を
有するトレー)などが好適に使用でき、植生資材を充填
可能な容器であれば特に限定されない。また花壇、庭な
ども本発明にいう植生用容器として包含される。
は特に限定されず、適宜選択すればよい。植生用容器に
設置して拘束材を除去又は破断させ、容器中に充填され
た植生資材に、野菜、草花、果樹、樹木などの様々な植
物の種子や苗を植えて育成すればよい。もちろん、挿木
などを行うことも可能である。また場合によっては、拘
束材を除去又は破断させる前に、予め集束糸(植生資
材)に、種子や苗などを付与していてもかまわない。こ
のとき、種や種子を直接集束糸に埋め込んでもかまわな
いが、たとえば、集束糸を製造する際に、種子を分解性
材料(フィルム、不織布など、好適には水溶性材料)に
より被覆した紐状物等を繊維とともに集束することによ
って、種子を損傷させることなく効率的に種子を集束糸
に埋め込むことができる。なかでも、図3のように複数
の種子が所望の間隔で存在する紐状物(たとえば日本プ
ラントシーダー社製「シーダーテープ」)を繊維ととも
に集束して集束糸を製造し、次いで図1のように連続状
集束糸の側面を拘束材で被覆した後に所望の長さにカッ
トする方法が好適である。該方法を採用することによ
り、多数の植生資材に効率的に種子を埋め込むことがで
きると同時に、植生資材ごとの種子数を容易に調整でき
る。各植生資材における種子の数は適宜設定すればよ
く、たとえば上記紐状物中の種密度を変更したり、集束
する紐状物の数を変更することにより容易に調整でき
る。かかる紐状物は集束糸の実質的に中心部に設置する
のが好ましい。
物を効率的に生育させることができる。場合によって
は、育苗資材として使用し、苗がある程度育った段階で
植えかえなどを行ってもかまわない。なかでも植生資材
が生分解性繊維により構成されているので、ポットなど
で育苗後、ポットから苗ごと取り出した植生資材を直接
畑などの天然土壌に定植することができるため、一層顕
著な効果が得られる。
が、本発明は実施例により何等限定するものではない。
なお実施例における水中溶解温度、繊度、捲縮数、捲縮
率、捲縮弾性率は以下の方法により測定されたものを示
す。
0cm3ビーカーに入れ、水を攪拌しながら2℃/min
で昇温したとき、完全に溶解消失する温度を水中溶解温
度とする。なお、完全水溶性でないサンプルについて
は、サンプル形態が実質的に損われる温度を水中溶解温
度とする。
学繊維ステープル試験方法A法に準拠して測定し、求め
た。
5化学繊維ステープル試験方法に準拠して測定し、求め
た。 [捲縮率および捲縮弾性率 %]試料にデニール当り2
mgの初荷重をかけた時の長さAと、50mgの荷重を
かけたときの長さをBを測定し、下記式により捲縮率を
算出した。また、さらに50mgの荷重を取り除いて、
その時の長さCを測定し、下記式により捲縮弾性率を算
出した。 捲縮率(%)=((B−A)/B)×100 捲縮弾性率(%)=(B−C)/(B−A)x100
64mm、捲縮数14個/インチ、捲縮率12%、捲縮弾
性率4%の生分解性繊維(ポリ乳酸系繊維、株式会社ク
ラレ製「プラスターチ」)を70質量%、繊度2.2d
tex、繊維長51mm、捲縮数7.8個/インチ、捲縮
率8.1%、捲縮弾性率2.8%のPVA繊維(株式会
社クラレ製「クラロンK−II(WJ9)」)を30質量
%を長さ方向に引き揃え、直径50mmであり横断面形状
が実質的に円形の集束糸を製造した。また別に、水溶性
PVA繊維(株式会社クラレ製「クラロンK−II(WN
2、2.2dtex×51mm)」)をクロスカード工程
を通過させて乾式繊維ウェッブを製造した。次いで、該
ウェッブに熱エンボス処理を施して目付70g/m2で
水中溶解温度20℃の乾式不織布を製造した。該不織布
を短冊状に断裁した後、両端を水溶性接着剤で固定し輪
状の水溶性拘束材を製造した。圧縮率50%となるよう
に直径方向に圧縮した集束糸を該水溶性拘束材中に通し
て固定し、実質的に集束糸の側面全面が水溶性拘束材に
より拘束された直径35mmの植生資材を製造した。この
植生資材の膨張度は2.4倍であった。
mm、容量150cm3のプラスチック製ポット内にポット
の高さ方向と集束糸の長さ方向が実質的に一致するよう
に設置し、20℃の水を潅水したところ、潅水により拘
束材が溶解し、集束糸からなる植生資材は拘束材が溶解
する前の2倍に膨張してポット内の形状にそって充填さ
れた。かかる方法によれば植生資材をポット内に効率的
に充填でき、効率的に植生材料を製造できた。しかも該
植生資材は、適度の保水性及び排水性を有する植物生育
性に優れたものであり、しかも、1年後には実質的に分
解するものであることから、地球にやさしく廃棄も容易
なものであった。
捲縮数14個/インチ、捲縮率12%、捲縮弾性率4%
の、連続状の生分解性繊維(ポリ乳酸系繊維、株式会社
クラレ製「プラスターチ」)を80質量%、繊度2.2
dtexであり、捲縮数8.8個/インチ、捲縮率7.
1%、捲縮弾性率3.1%の、連続状の水溶性PVA繊
維(株式会社クラレ製「クラロンK−II(WJ9)」)
を20質量%、及び、複数の種子(トルコキキョウ)が
実質的に同間隔で配置されるとともに水溶性材料により
被覆された紐状物(日本プラントシーダー社製「シーダ
ーテープ」)を長さ方向に引き揃え、直径50mmであり
横断面形状が実質的に円形の集束糸を製造した。なお、
紐状物は1本/集束糸の割合で、かつ集束糸の実質的中
央になるように集束した。また別に、水溶性PVA繊維
(株式会社クラレ製「クラロンK−II(WN2、2.2
dtex×51mm)」)をクロスカード工程を通過させ
て乾式繊維ウェッブを製造した。次いで、該ウェッブに
熱エンボス処理を施して目付70g/m2で水中溶解温
度20℃の乾式不織布を製造した。
不織布で被覆して不織布の両端を水溶性接着剤で固定し
(図1)、これを長さ64mmにカットして植生資材を製
造した。なお、得られた植生資材の直径は35mmであ
り、圧縮率は50%であり、上記方法により効率的に植
生資材を製造できた。この植生資材の膨張度は2.6倍
であった。次いで該植生資材を、開口サイズ50mm、容
量150ccのプラスチック製ポット内にポットの高さ方
向と集束糸の長さ方向が実質的に一致するように設置
し、20℃の水を潅水したところ、潅水により拘束材が
溶解し、集束糸からなる植生資材は拘束材が溶解する前
の2倍に膨張してポット内の形状にそって充填された。
かかる方法によれば植生資材をポット内に効率的に充填
でき、効率的に植生材料を製造できた。しかも該植生資
材は、適度の保水性及び排水性を有する植物生育性に優
れたものであり、しかも、1年後には実質的に分解する
ものであることから、地球にやさしく廃棄も容易なもの
であった。
るが捲縮を付与していない生分解性繊維を93質量%お
よび同様に実施例1と製品名は同じであるが捲縮を付与
していない親水性繊維7質量%を長さ方向に引き揃え、
直径50mmであり横断面形状が実質的に円形の集束糸を
製造した。なお、また別に、実施例1と同じ水溶性PV
A繊維をクロスカード工程を通過させて乾式繊維ウェッ
ブを製造した。次いで、該ウェッブに熱エンボス処理を
施して目付70g/m2で水中溶解温度20℃の乾式不
織布を製造した。該不織布を短冊状に断裁した後、両端
を水溶性接着剤で固定し輪状の水溶性拘束材を製造し
た。圧縮率50%となるように直径方向に圧縮した集束
糸を該水溶性拘束材中に通して固定し、実質的に集束糸
の側面全面が水溶性拘束材により拘束された直径35mm
の植生資材を製造した。次いで該植生資材を、開口サイ
ズ50mm、容量150cm3のプラスチック製ポット内に
ポットの高さ方向と集束糸の長さ方向が実質的に一致す
るように設置し、20℃の水を潅水したところ、潅水に
より拘束材が溶解したが、集束糸からなる植生資材は拘
束材が溶解する前の1.03倍にしか膨張せず、ポット
内に十分に充填されなかった。
維を用いているので、適度の保水性及び排水性を有して
おり、植物を効率的に生育させることができる。しかも
本発明の好適な植生資材は、集束糸に生分解性繊維を用
いているので、ポットなどで育苗後、ポットから苗ごと
取り出した植生資材を直接畑などの天然土壌に定植する
ことができるため、一層顕著な効果が得られる。また地
球環境にやさしく、廃棄も容易である。
覆固定した状態の一例を示した概略図。
入れた状態の一例を示した概略図。 図2(b) 本発明の植生資材を植生用容器に充填させ
て得られる植生材料の一例を示した概略図。
の一例を示した概略図。
Claims (6)
- 【請求項1】 繊度0.01dtex以上の複数の繊維
を実質的に引き揃えてなる集束糸及び該集束糸の外周を
固定する拘束材からなり、かつ以下の1)〜3)を満足
していることを特徴とする植生資材。 1)該集束糸が圧縮率10%以上で該集束糸の直径方向
に圧縮され、かつ拘束材により固定されていること、 2)集束糸を構成する繊維の一部もしくは全部が捲縮繊
維であること、 3)該拘束材を除去または破断させることにより、集束
糸の膨張度が該拘束材の除去または破断前の1.1倍以
上であること、 - 【請求項2】 集束糸が分解性繊維と親水性繊維から構
成され、かつ分解性繊維および親水性繊維が以下4)〜
6)を満足する請求項1の植生資材。 4)分解性繊維がポリ乳酸系繊維であること、 5)親水性繊維がレーヨン繊維、綿、ポリビニルアルコ
ール系繊維のいずれかであること、 6)集束糸中の親水性繊維の含有率が10質量%以上で
あること、 - 【請求項3】 拘束材が水溶性拘束材である請求項1ま
たは請求項2に記載の植生資材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の植
生資材を植生用容器内に充填する方法。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の植
生資材を植生用容器内に入れた後、拘束材を除去又は破
断させて集束材を容器内に充填させる植生材料の製造方
法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の植
生資材を用いる植物育成方法。
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2002
- 2002-02-14 JP JP2002036637A patent/JP3828432B2/ja not_active Expired - Fee Related
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