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JP2002311693A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

Info

Publication number
JP2002311693A
JP2002311693A JP2001114100A JP2001114100A JP2002311693A JP 2002311693 A JP2002311693 A JP 2002311693A JP 2001114100 A JP2001114100 A JP 2001114100A JP 2001114100 A JP2001114100 A JP 2001114100A JP 2002311693 A JP2002311693 A JP 2002311693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
light beam
layer
electrophotographic apparatus
charging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001114100A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Masaya Kawada
将也 河田
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001114100A priority Critical patent/JP2002311693A/ja
Publication of JP2002311693A publication Critical patent/JP2002311693A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴーストが実質的に皆無であり、十分な帯電
能が得られ、分解能を向上させ、さらなる高画質化を達
成した電子写真装置を得る。 【解決手段】 a−Si系感光体を用い、画像形成光線
を露光する時点における感光体にかかる電界が150k
V/cm以上であり、画像形成光線の波長が500nm
以下である事を特微とする電子写真装置。画像形成光線
がレーザー光であり、レーザー光が感光体面上に直交入
射しないように露光すること、帯電手段とは別個に設け
られた現像手段を有し、帯電手段内において画像形成光
線で感光体が露光されること等が好ましい。感光体とし
ては、光導電層の光学的バンドギャップEgが2.0e
V以下であること、感光体が複数の層からなる場合は最
も表面側の層のEgが、1.83eV以上であること、
また表面層を有する場合は表面層のEgが2.3eV以
上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、a−Si系感光体
を用いた電子写真装置に係り、特に、プリンタ、複写
機、ファクシミリ等のデジタル式の電子写真装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、a−Si系感光体を用いた電子写
真装置は、その画質の良さおよび高速なプリントアウト
などの特徴で注目を浴びている。
【0003】特にデジタル式の電子写真装置の高画質化
は急速に進んでおり、画像形成光線の小スポット化が進
められている。その際に注意すべき点は、画像形成光線
を絞った際のスポット径のゆらぎによる画素の安定度で
ある。図3に示すように、通常、光走査装置は、レーザ
ダイオード100、回転多面鏡102、レーザダイオー
ド100から出射されたレーザビームを回転多面鏡10
2に導く光源光学系104、回転多面鏡102で偏向さ
れたレーザビームを感光体106に導き走査する走査光
学系108から成り立っている。また、回転多面鏡と入
射ビームとの関係で大きく分けて2つの方式がある。一
つは図6に示すように、回転多面鏡112の一つの反射
面112Aの幅Wよりも入射する光ビームLの幅Dが狭
く、入射した光ビームLを全て走査レンズ120に出射
する形式の光学系(以下、アンダーフイールド型光学
系、若しくはUFSという。)である。
【0004】他方は図7に示すように、回転多面鏡12
2の一つの反射面112Aの幅Wよりも入射する光ビー
ムLの幅Dが広い過露光型の光学系(以下、オーバーフ
イールド型光学系若しくはOFSという。)である。同
じ走査レンズを用いる場合、OFSは、UFSよりも回
転多面鏡の径を小さくできるため、モータの回転数を低
くできるなどの特徴があるが、入射ビームの一部が切り
取られて走査レンズに出射するために、出射光量が感光
体上の位置によって差を生じ、画像の濃度が部分的に異
なる等の問題があるが、図10に示すように、光源光学
系で回転多面鏡112へ入射する光ビームLの幅を広く
することで、回転多面鏡の一つの反射面112Aで反射
する光ビームのムラを小さくできることが知られてい
る。また、レーザーの発光分布は、1ドット内では近似
的にGauss分布であり、UFSはそのまますべてド
ラム面に到達する為、有機光導電体(以下、OPCとい
う。)のようにキャリア伝導の原理からくる電界依存性
を有する感光体の場合、露光量に対する電位特性(横
軸:露光量、縦軸:電位。以下、EV特性という。)が
図2に示すように、下に凸の形状を有するため、小光量
での光量変化が電位に反映されやすい。即ち、Gaus
s分布の光量分布に対して、お椀型の電位分布を形成す
るので、光量分布の裾が変化する場合、ドット径の変化
への影響度が大きく、画質に影響し易い、という問題が
有ったが、図1に示すような直線的なEV特性を持つa
−SiとOFSを用いた電子写真装置において、スポッ
ト光量分布を広げた位置に回転多面鏡面を設定する事
で、スポット光量分布中心付近の比較的光量の安定した
部分のみを使用する事が可能になる。具体的には回転多
面鏡の反射面における光ビーム幅Dと回転多面鏡の対向
面の主走査方向幅Wを、3.0≧D/W≧1.5なる関
係の構成にする事より、光量分布の裾の光量変化があっ
ても、電位揺らぎ(ドット径の揺らぎ)に影響しにく
く、安定したドット潜像を形成する事が可能である。
【0005】高画質化を具現化するには、さらに現像特
性が重要である。潜像を忠実に再現できる能力が必要で
あり、最低限必要とされるのは、現像剤の粒径である。
現像方式は、モノクロ・カラー等、そのニーズによって
1成分現像・2成分ブラシ現像の様々な方式が考案若し
くは採用されており、一般に画像再現特性は1成分現像
より2成分ブラシ現像の方が優れているとされている
が、各方式にはそれぞれの特微がある。
【0006】主な現像方式について、その特徴を挙げる
と、以下の様に様々であり、用途に応じて選択する必要
がある。 (a)BMT方式・FEED方式(1成分・絶縁性・磁
性・接触):特にFEED方式は2成分ブラシ現像とほ
ぼ同等の画像特性。 (b)タッチダウン方式(1成分・絶縁性・非磁性・接
触):接触現像によるカブリが問題。 (c)ジヤンピング方式(1成分・絶緑性・磁性・非接
触):非接触のため、カブリ・傷の問題が少ない。 (d)プロジェクション方式(1成分・絶縁性・非磁性
・非接触):非接触のため、カブリ・傷の問題が少な
く、非磁性のため、カラー化可能。 (e)マグネダイナミック方式(1成分・導電性・磁性
・接触):潜像電界による誘導帯電、ブラシ現像。正、
負いずれの潜像でも現像できるが、転写が困難。 (f)IMB方式(2成分・絶緑性・非磁性・接触):
絶緑性キャリアのため、現像後に逆極性電荷が蓄積され
る。べタ部の再現性は良くないが、細線の再現性は良
い。 (g)CMB方式(2成分・導電性・非磁性・接触):
導電性キャリアのため、現像後に逆極性電荷が蓄積され
ない。べタ部の再現性は良いが、低濃度の細線の再現性
が劣る。
【0007】電子写真において、感光体における感光層
を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光
電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁
波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有する
こと、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、
使用時において人体に対して無害であること、等の特性
が要求される。特に、事務機としてオフイスで使用され
る画像形成装置内に組み込まれる画像形成装置用感光体
の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点
である。この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水
素化アモルフアスシリコン(以下、「a−Si:H」と
表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号
公報には画像形成装置用感光体としての応用が記載され
ている。
【0008】a−Si:Hを用いた画像形成装置用感光
体は、一般的には、導電性基体を50℃〜400℃に加
熱し、該基体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーテイング法、熱CVD法、光CVD法、プラズ
マCVD法等の成膜法によりa−Si系材料からなる光
導電層を形成する。なかでもプラズマCVD法、すなわ
ち、原料ガスを直流または高周波のグロー放電によって
分解し、基体上にa−Si系堆積膜を形成する方法が好
適なものとして実用に付されている。
【0009】また、特開昭54−83746号公報にお
いては、導電性基体と、ハロゲン原子を構成要素として
含むa−Si系(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる画像形成装置用感光体が提案されてい
る。当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1
乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、
画像形成装置用感光体の光導電層として良好な電気的、
光学的特性を得ることができるとしている。
【0010】また、特開昭57−11556号公報に
は、a−Si系堆積膜で構成された光導電層を有する光
導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、
光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さ
らには経時的安定性について改善を図るため、シリコン
原子を母体としたアモルフアス材料で構成された光導電
層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性の
アモルフアス材料で構成された表面層を設ける技術が記
載されている。
【0011】更に、特開昭60−67951号公報に
は、アモルフアスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有
してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体
についての技術が記載され、特開昭62−168161
号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と
41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶
質材料を用いる技術が記載されている。
【0012】さらに、特開昭57−158650号公報
には、水素を10〜40原子%含有し、赤外吸収スペク
トルの2100cm-1と2000cm-1の吸収ピークの
吸収係数比が0.2〜1.7であるa−Si:Hを光導
電層に用いることにより高感度で高抵抗な画像形成装置
用感光体が得られることが記載されている。
【0013】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルフアスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して
帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行
うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵
抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技
術が開示されている。
【0014】これらの技術により、画像形成装置用感光
体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が
向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0015】図11は、画像形成装置用感光体の層構成
を説明するための模式的構成図である。
【0016】図11(a)に示す画像形成装置用感光体
1100は、感光体用としての基体1101の上に、感
光層1102が設けられている。該感光層1102はa
−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層11
03で構成されている。
【0017】図11(b)は、画像形成装置用感光体の
他の層構成を説明するための模式的構成図である。図1
1(b)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光
体用としての基体1101の上に、感光層1102が設
けられている。該感光層1102はa−Si:H,Xか
らなり光導電性を有する光導電層1103と、アモルフ
アスシリコン系表面層1104とから構成されている。
【0018】図11(c)は、画像形成装置用感光体の
他の層構成を説明するための模式的構成因である。図1
1(c)に示す画像形成装置用感光体1100は、感光
体用としての基体1101の上に、感光層1102が設
けられている。該感光層1102はa−Si:H,Xか
らなり光導電性を有する光導電層1103と、アモルフ
アスシリコン系表面層1104と、アモルフアスシリコ
ン系電荷注入阻止層1105とから構成されている。
【0019】図11(d)は、画像形成装置用感光体の
さらに他の層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図11(d)に示す画像形成装置用感光体1100
は、感光体用としての基体1101の上に、感光層11
02が設けられている。該感光層1102は光導電層1
103を構成するa−Si:H,Xからなる電荷発生層
1106ならびに電荷輸送層1107と、アモルフアス
シリコン系表面層1104とから構成されている。
【0020】感光体の基体としては、導電性でも電気絶
緑性であってもよい。導電性基体としては、Al、C
r、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、
Pd、Fe等の金属、およびこれらを含む合金、例えば
ステンレス等が挙げられる。また、ボリエステル、ポリ
エチレン、ボリカーボネート、セルロースアセテート、
ボリプロピレン、ボリ塩化ビニル、ボリスチレン、ボリ
アミド等の合成樹脂のフイルムまたはシート、ガラス、
セラミック等の電気絶縁性基体の少なくとも感光層を形
成する側の表面を導電処理した基体も用いることができ
る。
【0021】基体1101上、必要に応じて下引き層
(不図示)上に形成され、感光層1102の一部を構成
する光導電層1103は、真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えば
グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法または
マイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直
流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、
イオンプレーテイング法、光CVD法、熱CVD法など
の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。こ
れらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷
程度、製造規模、作成される画像形成装置用感光体に所
望される特性等の要因によって適宜選択されて採用され
るが、所望の特性を有する画像形成装置用感光体を製造
するに当たっての条件の制御が比較的容易であることか
らしてグロー放電法、特にRF帯またはVHF帯の電源
周波数を用いた高周波グロー放電法が好適である。
【0022】次に、感光層を形成するための装置および
膜形成方法について高周波プラズマCVD(PCVD)
法を例に詳述する。
【0023】PCVD装置を図12に示す。図12に示
す装置は、電子写真用感光体の製造に使用する一般的な
PCVD装置である。このPCVD装置は、堆積装置3
0、原料ガス供給装置及び排気装置(ともに図示せず)
を備えて構成されている。堆積装置30には縦型の真空
容器からなる反応容器31を有し、この反応容器31内
には縦方向の原料ガス導入管33が円周状に複数本配設
され、ガス導入管33の側面には、長手方向に沿って多
数の細孔が設けられている。反応容器31内の中心に
は、螺旋状に巻線したヒーター32が縦方向に延設さ
れ、感光体ドラムの基体となる円筒体42は、容器31
内の上部の蓋31aを開けて挿入され、ヒータ32を内
側にして容器31内に垂直に設置される。また、反応容
器31の側面の一方に設けた凸部34から高周波電力が
供給される。
【0024】反応容器31の下部には、原料ガス導入管
33に接続された原料ガス供給管35が取り付けられ、
この供給管35は、原料ガス供給バルブ36を介して図
示しないガス供給装置に接続されている。また、反応容
器31下部には排気管37が取り付けられ、この排気管
37はメイン排気バルブ38を介して図示しない排気装
置(真空ボンプ)に接続されている。排気管37には、
他に真空計39、サブ排気バルブ40が取り付けられて
いる。
【0025】上記の装置を用いたPCVD法によるa−
Si系感光層の形成は次のように行なわれる。まず、反
応容器31内に感光体ドラムの基体となる円筒体42を
セットし、蓋31aを閉じた後、図示しない排気装置に
より容器31内を所定の低圧以下の圧力まで排気し、以
後排気を続けながら、ヒーター32により円筒体42を
内側から加熱して、円筒体42を20℃〜450℃の範
囲内の所定の温度に制御する。円筒体42が所定の温度
に維持されたら、所望の原料ガスをそれぞれの流量制御
器(図示せず)により調節しながら、導入管33を通っ
て反応容器31内に導入する。導入された原料ガスは反
応容器31内を満たした後、排気管37を通って容器3
1外に排気される。
【0026】このようにして、原料ガスが満たされた反
応容器31内が所定の圧力になって安定したことを真空
計39により確認したら、図示しない高周波電源(1
3.56MHzのRF帯域、または50〜150MHz
のVHF帯域、等)により、高周波を所望の投入電力量
で容器31内に導入し、容器31内にグロー放電を発生
させる。このグロー放電のエネルギーによって、原料ガ
スの成分が分解してプラズマイオンが生成し、円筒体4
2の表面に珪素を主体としたa−Si系堆積層が形成さ
れる。この際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、圧
力、基体温度、投入電カ、膜厚などのパラメータを調整
することにより様々な特性のa−Si系堆積層を形成す
ることにより、電子写真特性を制御することが出来る。
【0027】このようにして円筒体42の表面にa−S
i系堆積層が所望の膜厚で形成されたら、高周波電力の
供給を止め、供給バルブ36等を閉じて、反応容器31
内への原料ガスの導入を停止し、一層分のa−Si系堆
積層の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すこと
により所望の多層構造のa−Si系堆積層、つまりa−
Si系感光層が形成され、円筒体42の表面に多層構造
のa−Si系感光層を有する感光体ドラムが製造され
る。
【0028】以上において、ガス導入管33の長手方向
上に分布した細孔から反応容器31内に導入される原料
ガスの導入管33長手方向での流量分布、排気管からの
排ガスの流出速度、放電エネルギー等を調整することに
よって、円筒体42上のa−Si系堆積層の長手方向に
沿った電子写真特性を制御することが出来る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】a−Si系感光体を用
いた電子写真装置において、古くから悩みの種であった
点は、画像形成による露光パターンが次回画像形成する
際に残存してしまう光メモリー(以下、ゴーストと称
す)であった。高画質を進める上で、ゴースト解消は回
避できない項目であるにもかかわらず、実際ゴーストを
皆無にする事は困難であり、通常、除電光の波長を長く
したり、光量を増加させて、ゴーストを軽減する事が一
般的な手投として用いられていた。ところが、除電光の
波長を長くしたり、光量を増加させることは、同時に帯
電電位を確保する為に必要な帯電パワーの増加を招く
為、該手段は異常放電、感光体破壊等の制約があり、ゴ
ーストと帯電能のバランスを考慮して使用できる範囲は
限定されていた。すなわち、ゴースト消去を重点化すれ
ば、ハイパワーの帯電工程が必要になり、帯電による集
塵効果で帯電器が汚れたり、オゾン生成物の増加に伴っ
て感光体表面が低抵抗化し画像がボケる、いわゆる画像
流れを悪化させるといった弊害が生じる為、それを克服
する為に、さらに他の補助手投を必要とするなど、装置
の大型化、コストアップを引き起こす場合が多かった。
【0030】一方、画像形成光線の波長を短くする事
も、ゴーストと帯電能を同時に向上させる手段ではある
が、いくつかの障害を克服する必要があった。
【0031】1つめは、画像形成光線用としての波長の
短い発光素子の実用化であったが、LEDに次いで、レ
ーザーに関しても、ここ数年の間に実用化の見通しが立
ちつつある。2つめは、図4に例示するようにa−Si
系感光体の感度が短波長では急激に落ち込む事である。
図4(a)、(b)はいずれも最大感度を1としたとき
の相対値を縦軸にした分光感度曲線であるが、図4
(a)は単位エネルギーあたりの感度、図4(b)は単
位光子数あたりの感度を示している。a−Si系感光体
の感度は、素直に半導体特性に従って考察できる。即ち
材料の持つ光学的バンドギャップ以上のエネルギーを有
する波長の光を吸収するが、露光波長を短くすると吸収
領域が膜厚方向で極めて薄い領域に集中してキヤリアを
発生する為、再給合確率が高くなり、層内を走って感度
に寄与するキャリアが相対的に減少する。その給果、短
波長の感度が落ち込むと言った特性になっている。光学
的バンドギャップを大きくして、キヤリアの発生領域を
広げる事は可能であるが、キャリアの発生領域を広げる
ことによって、前述の様なa−Si系の特微であるとこ
ろの直線的なEV特性を損なう場合があり、決定的な手
投とは言えない。
【0032】以上の障害、特に2つめのa−Si系感光
体の短波長感度向上を可能にする事ができれば、短い波
長の画像形成光線を用いる事ができ、ゴーストと帯電能
を同時に向上させる事が可能になるばかりでなく、レー
ザーの特性として、スポット径の絞れる限界は、波長に
ほぼ比例する為、波長を短くすることによって、画像形
成光線の1画素の大きさを小さくする事ができるので、
分解能を向上させ、さらなる高画質化を達成することが
できる。
【0033】すなわち現状では、最もキーになる1つめ
の画像形成光線は、短波長化の見通しが立ち、書き込み
画素の小スポット化の実現が可能になっても、2つめの
a−Si系感光体の短波長での感度不足は解決する技術
がなく、a−Si系感光体のもつポテンシヤルを引き出
す高画質化を目前に、指をくわえて見ているしかない、
といった状況にあった。
【0034】本発明の第1の目的は、a−Si系感光体
を用いた電子写真装置において、ゴーストを実質的に皆
無としながらも、装置の大型化、コストアップを引き起
こすことなく、十分な帯電能が得られる電子写真装置を
得ることである。
【0035】本発明の第2の目的は、a−Si系感光体
を用いた電子写真装置において、画像形成光線の1画素
の大きさを小さくし、分解能を向上させ、さらなる高画
質化を達成することにある。
【0036】一般的に膜厚の厚い方が、帯電能、感度は
良い事が知られているが、本発明の構成においては膜厚
はあまり支配的ではない為、むしろ膜厚を低く抑える事
とが可能となり、コストダウンを図れると言った第3の
目的もある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る電子写真装置にて達成される。
【0038】本発明は、a−Si系感光体を用い、画像
形成光線を露光する時点における該感光体にかかる電界
が150kV/cm以上であり、該画像形成光線の波長
が500nm以下である事を特徴とする。
【0039】本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、短い
波長の画像形成光線によって極薄い領域にキャリアを発
生させる事でゴーストは大幅に軽減でき、かつ高電界が
かかった状態で露光することにより、発生したキャリア
にドライヴイングフオースを与えて走らせるため、短波
長の感度が向上し実用に供す事が可能になる事を見出し
た。
【0040】但し、感光体にかかる電界が800kV/
cm以上になると絶縁破壊を生ずるケースがあるので、
あまり高すぎるのは実用的ではない。
【0041】さらに画像形成光線はレーザー光であり、
該レーザー光が感光体面上に直交入射すると反射光がレ
ーザーに戻ってしまうため、レーザー発光が不安定にな
る傾向があるという点で不利であるので、直交入光しな
いように露光することが好ましい。
【0042】また、電子写真装置が、少なくとも帯電手
段と、該帯電手段とは別個に設けられた現像手段とを有
し、該帯電手段内において画像形成光線で感光体が露光
される構成であることが好ましい。ここで帯電手段とは
電界をかけて感光体を帯電するもので、この内側で画像
形成光線が感光体に照射されること以外は、本発明によ
る特段の制限はなく、電子写真装置に用いられる帯電器
であれば使用可能である。現像手段とは、画像形成光線
で感光体を露光することにより形成された潜像をトナー
により顕像化するもので、これ自体には本発明による特
段の制限はなく、電子写真装置に用いられる現像器であ
れば使用可能である。このような構成とすることによ
り、帯電工程中に露光し、その後に現像することができ
る。
【0043】レーザーからの観点で言えば、波長が短く
なるほどビームスポット径を絞れる事は、光学の分野で
は理論的に証明されている為、短波長のレーザーを用い
た本発明の構成においては、分解能を向上させ、さらな
る高画質化を達成することが可能である。具体的には5
00nm以下にすることで、現在使用されている670
nm付近の可視レーザーに比べて約2倍、780nm付
近の廉価な赤外レーザーに比べると概ね3倍の分解能が
得られる。しかし、a−Si系感光体は、この波長域に
おいては上述の通りゴーストには有利になるものの、感
度が不十分になる。従って、両者を両立する為に、高電
界で露光する構成が重要になる。該感光体にかかる露光
時電界を増加させて感度アップが可能かどうか検討した
ところ、50kV/cmに対して、80kV/cmでは
約2割、150kV/cmでは約4割の感度アップが可
能になることがわかった。2〜3割レベルの感度アップ
ではなく、有為な感度アップ効果の期待できる150k
V/cm以上であれば、500nm以下の波長でも電子
写真として使用するのに充分なコントラストを得られる
ことがわかった。
【0044】また、帯電方式がコロナ帯電である場合に
は、画像形成光線の露光位置は1本乃至複数本の帯電線
の最も回転下流側と帯電器ハウスとの間が好ましい。ま
た、波長が400〜650nmの除電光を発生する除電
光源を備えること、平均粒径が10μm以下の現像剤を
用いることも好ましい。
【0045】特開昭63−125967号公報及び米国
特許4851865号には、帯電器内で露光を行う技術
について記載されているが、該公報においては、a−S
i系感光体のメモリー効果、即ち露光した部分は露光し
ない部分に対して、その後の帯電能力が低減するという
現象を利用し、装置の小型化を目的としている。本発明
は露光波長及び露光時の電界を規定する事により、前述
の様な効果を得、目的を達成するものであり、該公報に
は言及されていないものである。また、特開平5−60
60号公報等には、帯電同時露光に関する技術が記載さ
れているが、該公報は帯電露光に加え、現像も同時であ
り、本発明とは構成が異なる上、作像原理を異にするも
のである。
【0046】感光体については、該感光体が、導電性基
体と、シリコン原子を母体として水素原子とハロゲン原
子のうちの少なくとも一方を含有する非単結晶材料を有
し光導電性を示す光導電層とを備え、該光導電層の光学
的バンドギャップが2.0eV以下であることが好まし
く、さらには1.65eV以上が好ましい。何故なら小
さくなりすぎると暗抵抗が下がって暗減衰が大きくなっ
てしまう為、電子写真としての充分なコントラストが得
にくくなるという点で不利であるからである。また、水
素原子とハロゲン原子のうちの少なくとも一方を含有す
ることが良い理由は、非単結晶材料の未結合手を水素原
子やハロゲン原子で補償することにより局在準位を減少
させることができるからである。光導電層が複数の層か
らなる場合には、最も表面側の層の光学的バンドギャッ
プが1.83eV以上であるとさらに良く、表面層を有
する場合には表面層の光学的バンドギャップが2.3e
V以上であることが好ましい。
【0047】光学的バンドギャップが大きく、キヤリア
の局在準位への捕獲率を小さくした層領域を光導電層と
表面層の界面領域に介在させることにより、帯電能を大
幅に向上させつつ、かつ光メモリーを低減することがで
きる。
【0048】表面層は、画像形成光線を効率よく透過
し、光導電層でのキャリア発生に有効に寄与する様、画
像形成光線を吸収し難くくする為、バンドギャップを大
きくしておく事が好ましい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図に基づいて本発明の実施
形態を説明する。
【0050】図3に示すような光走査装置、及び感光体
106の周りには、図18に示すような帯電、露光、現
像、紙搬送等の配置された電子写真装置は本発明の一実
施形態である。
【0051】図3の光走査装置は、レーザダイオード1
00、回転多面鏡102、レーザダイオード100から
出射されたレーザビームを回転多面鏡102に導く光源
光学系104、回転多面鏡102で偏向されたレーザビ
ームを感光体106に導き走査する走査光学系108か
ら成り立っている。
【0052】図18は電子写真装置の画像形成プロセス
を示す概略図であって、X方向に回転する紙面に垂直方
向の回転円筒状の感光体1801の周辺には該感光体に
近接して主帯電器1802、画像形成光線1803、現
像器1804、転写紙給送系1810、転写・分離帯電
器1812、クリーニング装置1805、主除電光源1
806、搬送系1813などが配設してある。
【0053】感光体1801は主帯電器1802によっ
て一様に帯電され、これに原稿の情報を有した画像形成
光線1803を露光する事によって、感光体1801上
に静電潜像が形成される。画像形成光線は500nm以
下の波長をもち、露光される時点において感光体にかか
る電圧は150kV/cm以上である。例えば、膜厚3
0μmの場合には、露光部の電位が450v以上になる
様に、帯電設定及び露光位置などを設定すれば、露光時
電界150kV/cm以上を得ることが可能である。
【0054】該潜像は現像器1804からトナーが供給
されて可視像、すなわち、トナー像となる。
【0055】一方、転写材Pは転写紙通路1811、レ
ジストローラ1809よりなる転写紙供給系1810を
通って、感光体1801方向へと供給され、転写・分離
帯電器1812の転写帯電器と感光体1801との間隙
において、背面からトナーとは反対極性の電界を与えら
れ、これによって、感光体表面のトナー像は転写材Pに
転移する。
【0056】転写・分離帯電器1812の分離帯電器に
より感光体から分離された転写材Pは、転写紙給送系1
813を通って定着装置(図示せず)に至って装置外に
排出される。
【0057】尚、転写部位において転写に寄与せず感光
体表面に残る残留トナーは、クリーニング装置1805
に至りクリーニングブレード1807によってクリーニ
ングされ、クリーニングにより更新された感光体180
1は、更に主除電光源1806から除電光を与えられて
再び次の画像形成プロセスに供せられる。
【0058】
【実施例】以下、実験例および実施例により、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0059】[実験例1]上記のような装置において、
図3の光走査装置における光ビーム幅と回転多面鏡10
2の関係が、図6に示すような関係の光学系を用い、画
像部を露光する潜像形成方式(Image Area
Exposureの略、以下IAEと称す)にて、1画
素を1ドットで形成するドット画像を作成し、各々のド
ットの平均面積に対する、ドツト面積の標準偏差を、ド
ットゆらぎと定義し、ドット面積を変えてドットゆらぎ
を測定した結果を、図9に示す。図1に示すような感光
特性を有するa−Si系感光体を用いた場合の方が、図
2に示すような感光特性を有するOPC感光体を用いた
場合よりも、ドット径Xを小さくしていく際のドットゆ
らぎの悪化は少ないことが分かる。
【0060】[実験例2]実験例1の装置と、図7に示
すような光学系を用いた以外は実験例1と同様の装置に
a−Si系感光体を用い、画像背景部を露光する潜像形
成方式(BackArea Exposureの略、以
下BAEと称す)とIAEについて、回転多面鏡の反射
面における光ビーム幅Dと回転多面鏡の対向面の主走査
方向幅Wの関係を変えて、ドット径30μm上にて画像
形成方式を比較した結果を、図8に示す。IAEよりB
AEの方が、D/Wを大きくして、ドットゆらぎが小さ
くなる効果が顕著である事が分かる。
【0061】[実験例3]実験例1と同様の装置におい
て、一定暗部電位から一定明部電位まで光減衰させる光
量の逆数を感度とし、露光波長を変えた時の感度を測定
して、ピーク値を1として規格化したグラフを相対分光
感度曲線とする。さらに露光位置を変更できるように実
験例1の装置を改造し、露光位置を変更する事によって
露光時電界を変化させて測定した相対分光感度曲線を図
13に示す。露光時電界を50kV/cmとしたものが
Casel、80kV/cmとしたものがCase2、
150kV/cmとしたものがCase3の曲線であ
る。露光時電界が高い、即ち露光位置が感光体回転上流
側に行くほど、短波長側の相対分光感度が上昇すること
がわかる。
【0062】[実験例4]図5のように帯電器内に露光
光路を有すること以外は実験例1と同様の装置を用い
た。本実験例では帯電線が1本の場合について記載する
が、帯電線の本数は特に限定されない。
【0063】簡単に図5を説明する。1は感光体、2は
帯電器、3は画像形成光線、4は現像器、5はクリーナ
ー、6は除電光である。レーザー14から発せられ、回
転多面体鏡15により走査された画像形成光線3は、帯
電器ハウス(シールド板)の背面部にあけられたスリッ
ト状の隙間2−4から入射し、帯電器2内の1本の帯電
線2−1と帯電器2の下流側ハウスとの間であって、か
つ感光体1面上に直交入射しない様にしてある。高電圧
を印加した帯電器2により帯電すると同時に帯電器2ハ
ウスの背面部にあけられたスリット状の隙間から画像情
報をもったレーザー光により像露光を行う。この際、レ
ーザーのスポット径は一般的に20〜200μm、20
0〜1200dpiの解像度を有するものを用いられる
が、本例ではレーザースポット径21μm、1200d
piのものを用いた。該帯電、露光を経て形成された静
電潜像に現像器4によりトナー像を形成し、該トナー像
は給紙部(図示せず)から供給される転写紙上に転写
し、該転写紙は定着器(図示せず)へ送られる。トナー
の残留している感光体1はクリーニング装置5によりト
ナーがかきとられ、除電光源6からの除電光により除電
され、再び帯電、露光位置にかえるようになっている。
【0064】このような装置において、一定コントラス
ト(暗部電位−明部電位)のまま、暗部電位を変化させ
て、相対分光感度曲線を測定した結果を図14に示す。
露光時電界を150kV/cmとしたものがCase
3、200kV/cmとしたものがCase4、300
kV/cmとしたものがCase5の曲線である。露光
時電界が高い、即ち暗部電位が高いほど、短波長側の相
対分光感度が上昇することがわかる。
【0065】[実験例5]実験例4と同様の装置を用
い、画像形成光線の波長を変えて、前述のゴーストを評
価した。ゴーストの評価は、帯電、露光、現像、除電な
どなどの複写プロセスと同等のプロセスを経て、一周し
た後にハーフトーン電位を形成し、前周に露光した部分
と露光しなかった部分の電位の差を評価した。画像形成
光線の波長に対するゴーストの依存性を除電光の波長を
パラメーターとして測定した結果を図15に示す。除電
光の波長を変えた際、光量は同じに設定して測定した。
画像形成光線の波長が短いほどゴーストは良い事がわか
る。また、除電光の波長は長い方が、画像形成光線が長
波長になってもゴーストの良い状態が維持できる事がわ
かる。具体的には画像形成光線の波長が500nm以下
の場合、除電光波長は400nm以上であれば、実質的
にゴーストが無い、ランク4以上の状態が実現できる。
尚、除電光波長が400nm未満の場合には、充分な除
電が行えない為、実験できなかった。
【0066】[実験例6]実験例4と同様の装置を用
い、除電光の波長を変え、光量は同じに設定して、帯電
能力を評価した。帯電能力の評価は、帯電、露光、現
像、除電などなどの複写プロセスと同等のプロセスにお
いて、一定の帯電条件において現像位置でどれだけ電位
を確保できるかを評価した。除電光の波長に対する帯電
能力の依存性を測定した結果を図16に示す。除電光の
波長は短い方が帯電能力が良い事がわかる。具体的には
除電光波長が650nm以下であれば、実質的に充分な
帯電能を有する、ランク4以上の状態が実現できる。
【0067】[実験例7]実験例4と同様の装置を用
い、現像剤の粒径を変え、解像度およびカブリを評価し
た。解像度は、以下の方法で評価した。等間隔に近接し
た直線群で間隔のことなる何段階かの直線群が印刷して
ある原稿を用い、それをコピーした際の各々の直線が分
離して識別できる最小間隔の直線群をもって、解像度と
した。図17は、解像度について、トナー粒径を変化し
た際の結果であるが、粒径の増加に伴い、解像度が悪化
する事がわかる。具体的には、平均粒径が10μm以下
であれば、実質的に充分な解像度を有する状態が実現で
きる。一方、カブリは、暗部及び明部の電位設定を設計
値に合わせた際のべた白画像と未転写紙の反射率を比較
し、環境依存、耐久性をふくめてトータル的に5ランク
(5が良好)で評価した。図22は、カブリについて、
トナー粒径を変化した際の結果であるが、粒径の減少に
伴い、カブリが悪化する事がわかる。具体的には、平均
粒径が4μm以上であれば、実質的にかぶりの無い状態
が実現できる。以上の結果から、トナー粒径は、4〜1
0μmが好ましいことがわかる。
【0068】[実験例8]図12のような前述の感光体
製造装置を用い、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、
圧力、基体温度、投入電力、などのパラメータを変え、
光学的バンドギャップEgの異なる光導電層を作製し
た。
【0069】Egは、長波長光多重干渉により測定す
る。具体的にはガラス基板(Coaning社製705
9)上に成膜したサンプルを可視分光器(日立330
等)で、2500nm付近から短波長側に分光透過率を
測定し(極値が4〜5個判る波長範囲)、分光透過率の
データから膜厚を計算し、各波長ごとの吸収係数を計算
して、(αhν)1/2−hνプロットした際のhν軸切
片から求めた。
【0070】以上の様に作製した感光体について、実験
例4と同様の装置を用い、400nmの画像形成光線に
おける感度を測定し、Eg依存性を評価した結果を図1
9に示す。光導電層のEgが2.0eV以下の時、良好
な感度を有する、ランク5を実現できる事がわかる。
【0071】[実験例9]実験例8と同様の手法で、光
導電層を2層積層し、さらに表面層を形成した。尚、本
実験例では光導電層が2層の場合について記載するが、
層数は特に限定しない。表面層に隣接する光導電層のE
gを変化させて、実験例4と同様の装置を用い、実験例
6と同様にして帯電能力を評価した。帯電能力の、表面
層に隣接する光導電層のEg依存性を測定した結果を図
20に示す。表面層に隣接する光導電層のEgが1.8
3eV以上の時、実質的に充分な帯電能力を有する、ラ
ンク4以上を実現できる事がわかる。
【0072】[実験例10]実験例8でEgの異なる光
導電層を作成したのと同様にして、Egの異なる表面層
を有する感光体を作成し、実験例4と同様の装置を用
い、実験例8と同様にして400nmの画像形成光線に
おける感度を測定し、Eg依存性を評価した結果を図2
1に示す。表面層のEgが2.3eV以上の時、良好な
感度を有する、ランク5を実現できる事がわかる。
【0073】本発明を更に以下の実施例により説明する
が、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。
【0074】[実施例1]実験例4と同様の装置を用
い、画像形成方式はBAE、図7に示すような回転多面
鏡面上でのD/Wを2.0、感光体表面でのドット径は
21μm、現像剤の平均粒径を7μm、除電光の波長を
565nmとし、画像形成光線として波長400nmの
レーザーを用い、露光時の感光体にかかる電界は200
kV/cmとし、Egがl.8eVの均一な光導電層
と、Egが2.5eVの表面層を積層した感光体を用
い、帯電能力、感度、ゴースト、ドット安定性、画質解
像度を、◎:非常に良好、○:良好、△:実用上問題な
し、×:実用上問題あり、にて判定した結果を表1に示
す。これからわかるように、本実施例の系では総合的に
良好、との結果が得られた。
【0075】[実施例2]画像形成光線が帯電工程の後
に配置しているものを用いた以外は、実施例1と同様の
装置を用い、露光時の感光体にかかる電界は150kV
/cmとし、帯電能力、感度、ゴースト、ドット安定
性、画質解像度を、◎:非常に良好、○:良好、△:実
用上問題なし、×:実用上問題あり、にて判定した結果
を表1に示す。これからわかるように、本実施例の系で
は総合的に良好、との結果が得られた。
【0076】[実施例3]実施例1と同様の装置を用
い、Egがl.8eVとEgがl.85eVの光導電層
と、Egが2.5eVの表面層を順次積層した感光体を
用い、帯電能カ、感度、ゴースト、ドット安定性、画質
解像度を、◎:非常に良好、○:良好、△:実用上問題
なし、×:実用上問題あり、にて判定した結果を表1に
示す。これからわかるように、本実施例の系では総合的
に非常に良好、との結果が得られた。
【0077】[比較例1]露光時の感光体にかかる電界
を50kV/cmとした以外は、実施例1と同様の装置
を用い、帯電能力、感度、ゴースト、ドット安定性、画
質解像度を、◎:非常に良好、○:良好、△:実用上問
題なし、×:実用上問題あり、にて判定した結果を表1
に示す。これからわかるように、本比較例の系では、感
度が不十分であり、総合的に実用上問題あり、との結果
が得られた。
【0078】[比較例2]露光波長を650nm、ドッ
ト径を42μmとした以外は、実施例1と同様の装置を
用い、帯電能力、感度、ゴースト、ドット安定性、画質
解像度を、◎:非常に良好、○:良好、△:実用上問題
なし、×:実用上問題あり、にて判定した結果を表1に
示す。これからわかるように、本比較例の系では、ゴー
ストが不十分であり、総合的に実用上問題あり、との結
果が得られた。
【0079】[実施例4]除電露光波長を700nmと
した以外は、実施例1と同様の装置を用い、帯電能力、
感度、ゴースト、ドット安定性、画質解像度を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を表1に示す。これからわ
かるように、本比較例の系では、帯電能力が十分ではな
いが、総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0080】[実施例5]表面層のEgを2.2eVと
した以外は、実施例1と同様の装置を用い、帯電能力、
感度、ゴースト、ドット安定性、画質解像度を、◎:非
常に良好、○:良好、△:実用上問題なし、×:実用上
問題あり、にて判定した結果を表1に示す。これからわ
かるように、本比較例の系では、感度が十分ではない
が、総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0081】[実施例6]画像形成方式をIAE、現像
剤の平均粒径を12μmとした以外は、実施例1と同様
の装置を用い、帯電能力、感度、ゴースト、ドット安定
性、画質解像度を、◎:非常に良好、○:良好、△:実
用上閏題なし、×:実用上問題あり、にて判定した結果
を表1に示す。これからわかるように、本比較例の系で
は、総合的に実用上問題なし、との結果が得られた。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、a−Si系感光体
を用い、画像形成光線を露光する時点における該感光体
にかかる電界が150kV/cm以上、該画像形成光線
の波長が500mm以下といった構成により、ゴースト
が実質的に皆無であるにもかかわらず、装置の大型化、
コストアップを引き起こすことなく、十分な帯電能が得
られる電子写真装置を得ることが可能になった。
【0084】また、画像形成光線としてレーザーを用
い、帯電工程中に感光体に露光するのが好ましく、波長
が400〜650nmの除電光を備え、平均粒径が10
μm以下の現像剤を用い、光導電層の光学的バンドギャ
ップが2.0eV以下である感光体を用いると良く、さ
らに光導電層が複数の層からなる場合には、最も表面側
の層の光学的バンドギャップが1.83eV以上である
とさらに良く、表面層を有する場合には光学的バンドギ
ャップが2.3eV以上であるとより一層の効果が期待
できる。
【0085】一方、本発明の構成により、画像形成光線
の1画素の大きさを小さくし、分解能を向上させ、さら
なる高画質化を達成することが可能になるという優れた
効果を有する。
【0086】また、本発明の構成においては、画像露光
の波長が短い為、感光層における吸収係数が高く、薄い
膜厚でも充分吸収されるため、感光層の膜厚を厚くする
必要が無く、膜厚を低く抑える事が可能となり、コスト
ダウンを図れると言った効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】a−Si系感光体のEV特性とガウシアン光量
分布に対する電位分布を示す模式図である。
【図2】OPC感光体のEV特性とガウシアン光量分布
に対する電位分布を示す模式図である。
【図3】光走査装置の概略図である。
【図4】a−Si系感光体の相対分光感度の例を示す図
である。
【図5】帯電器内で画像形成光線を露光する電子写真装
置の該略図である。
【図6】UFSの模式図である。
【図7】OFSの模式図である。
【図8】OFSのD/Wを変化させた時のゆらぎを測定
した結果を示す図である。
【図9】ドット径を変化させた時のゆらぎを測定した結
果を示す図である。
【図10】OFSの他の形態を説明する模式図である。
【図11】a−Si系感光体の模式的断面図である。
【図12】a−Si系感光体の製造装置の摸式的断面図
である。
【図13】相対分光感度曲線の測定結果を示す図であ
る。
【図14】他の相対分光感度曲線の測定結果を示す図で
ある。
【図15】除電露光波長をパラメーターとして、ゴース
トの画像露光波長依存性を測定した結果を示す図であ
る。
【図16】帯電能の除電露光波長依存性を測定した結果
を示す図である。
【図17】解像度の現像剤平均粒径依存性を測定した結
果を示す図である。
【図18】本発明の電子写真装置の模式的断面図であ
る。
【図19】EV特性の光導電層Eg依存性を測定した結
果を示す図である。
【図20】帯電能の表面側光導電層Eg依存性を測定し
た結果を示す図である。
【図21】感度の表面層Eg依存性を測定した結果を示
す図である。
【図22】カブリのトナー粒径依存性を測定した結果を
示す図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電器 3 画像形成光線入射路 4 現像器 5 クリーニング装置 6 除電光源 30 堆積装置 31 反応容器 31a 蓋 32 ヒーター 33 原料ガス導入管 34 凸部 35 原料ガス供給管 36 原料ガス供給バルブ 37 排気管 38 メイン排気バルブ 39 真空計 40 サブ排気バルブ 42 円筒体 100 レーザーダイオード 102 回転多面鏡 104 光源光学系 106 感光体 108 走査光学系 112 回転多面鏡 112A 反射面 120 走査レンズ 1100 感光体 1101 基体 1102 感光層 1103 光導電層 1104 アモルファスシリコン系表面層 1105 アモルファスシリコン系電荷注入阻止層 1801 感光体 1802 主帯電器 1803 画像形成光線 1804 現像器 1805 クリーニング装置 1806 主除電光源 1807 クリーニングブレード 1809 レジストローラー 1810 転写紙供給系 1811 転写紙通路 1812 転写・分離帯電器 1813 搬送系 L 光ビーム D 光ビームの幅 W 反射面の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/02 101 G03G 15/02 102 102 15/04 120 15/043 21/00 342 21/08 (72)発明者 河田 将也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 EA05 2H035 AA09 AA10 AB03 2H068 DA00 DA01 DA24 DA41 FB07 FC01 FC05 FC08 FC17 2H076 AB05 AB09 AB12 AB18 AB60 DA37 DA41 2H200 FA17 GA18 GA23 GA34 GA35 GA36 GA44 GA49 GB02 GB04 GB38 GB41 HA12 HA29 PA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a−Si系感光体を用いた電子写真装置
    において、画像形成光線を露光する時点における該感光
    体にかかる電界が150kV/cm以上であり、該画像
    形成光線の波長が500nm以下であることを特微とす
    る電子写真装置。
  2. 【請求項2】 画像形成光線がレーザー光であり、該レ
    ーザー光が該感光体面上に直交入射しないように露光す
    る請求項1記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも帯電手段と、該帯電手段とは
    別個に設けられた現像手段とを有し、該帯電手段内にお
    いて画像形成光線で感光体が露光される請求項1又は2
    記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 帯電方式はコロナ帯電であり、画像形成
    光線の露光位置は1本乃至複数本の帯電線の最も回転下
    流側と帯電器ハウスとの間である請求項3に記載の電子
    写真装置。
  5. 【請求項5】 波長が400〜650nmの除電光を発
    生する除電光源を備える請求項1〜4何れか一項記載の
    電子写真装置。
  6. 【請求項6】 現像剤の平均粒径が10μm以下である
    請求項1〜5の何れか一項記載の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 該感光体が、導電性基体と、シリコン原
    子を母体として水素原子とハロゲン原子のうちの少なく
    とも一方を含有する非単結晶材料を有し光導電性を示す
    光導電層とを備え、該光導電層の光学的バンドギャップ
    が2.0eV以下である請求項1〜6の何れか一項記載
    の電子写真装置。
  8. 【請求項8】 該光導電層は、複数の層からなり、最も
    表面側の層の光学的バンドギャップが1.83eV以上
    である請求項7記載の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 該感光体が表面層を有し、該表面層の光
    学的バンドギャップが、2.3eV以上である請求項1
    〜8の何れか一項記載の電子写真装置。
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