JP2002302602A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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- JP2002302602A JP2002302602A JP2001107388A JP2001107388A JP2002302602A JP 2002302602 A JP2002302602 A JP 2002302602A JP 2001107388 A JP2001107388 A JP 2001107388A JP 2001107388 A JP2001107388 A JP 2001107388A JP 2002302602 A JP2002302602 A JP 2002302602A
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- retardant resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】燃焼時に有害なハロゲンガスを発生することが
なく、難燃性、耐外傷性に優れ、機械的特性も良好であ
り、電源コードの絶縁体やシースに好適な難燃性樹脂組
成物を得ることにある。 【解決手段】熱可塑性ポリウレタンに、ポリオレフィン
ポリマーおよび/または熱可塑性エラストマーを配合し
てなり、熱可塑性ポリウレタンが全量の5〜70wt%
を占めるベースポリマーに、ノンハロゲン難燃剤を添加
してなる難燃性樹脂組成物。また、ベースポリマー10
0重量部に対して、ノンハロゲン難燃剤を40〜200
重量部添加することが好ましい。
なく、難燃性、耐外傷性に優れ、機械的特性も良好であ
り、電源コードの絶縁体やシースに好適な難燃性樹脂組
成物を得ることにある。 【解決手段】熱可塑性ポリウレタンに、ポリオレフィン
ポリマーおよび/または熱可塑性エラストマーを配合し
てなり、熱可塑性ポリウレタンが全量の5〜70wt%
を占めるベースポリマーに、ノンハロゲン難燃剤を添加
してなる難燃性樹脂組成物。また、ベースポリマー10
0重量部に対して、ノンハロゲン難燃剤を40〜200
重量部添加することが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電源コードなど
の電線の絶縁体、シースなどに好適なノンハロゲンの難
燃性樹脂組成物に関し、高い難燃性、機械的特性を有
し、特に耐外傷性を高めたものである。
の電線の絶縁体、シースなどに好適なノンハロゲンの難
燃性樹脂組成物に関し、高い難燃性、機械的特性を有
し、特に耐外傷性を高めたものである。
【0002】
【従来の技術】単心コード、平型コード、キャプタイヤ
コードなどの電源コードの絶縁体あるいはシースには、
従来可塑化ポリ塩化ビニル組成物、エチレン−プロピレ
ンゴム組成物が使用されている。しかしながら、可塑化
ポリ塩化ビニル組成物からなるものでは、その燃焼時に
有害なハロゲンガスが発生し、さらには可塑剤中に環境
ホルモンが含まれ、環境汚染が生じることからその使用
が見直されている。
コードなどの電源コードの絶縁体あるいはシースには、
従来可塑化ポリ塩化ビニル組成物、エチレン−プロピレ
ンゴム組成物が使用されている。しかしながら、可塑化
ポリ塩化ビニル組成物からなるものでは、その燃焼時に
有害なハロゲンガスが発生し、さらには可塑剤中に環境
ホルモンが含まれ、環境汚染が生じることからその使用
が見直されている。
【0003】一方、エチレン−プロピレンゴム組成物か
らなるものでは、絶縁体やシースが硬くなり柔軟性が不
足し取り扱い性が劣る欠点がある。また、難燃性をほと
んど有しない不都合もある。また、架橋を必要とするた
め、製造コストが高くなると言う欠点がある。このた
め、近時ポリエチレンなどのポリオレフィンポリマーに
水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を多量に配合し
たノンハロゲン難燃性樹脂組成物をこれら電源コードの
絶縁体やシースに用いることが提案されている。
らなるものでは、絶縁体やシースが硬くなり柔軟性が不
足し取り扱い性が劣る欠点がある。また、難燃性をほと
んど有しない不都合もある。また、架橋を必要とするた
め、製造コストが高くなると言う欠点がある。このた
め、近時ポリエチレンなどのポリオレフィンポリマーに
水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を多量に配合し
たノンハロゲン難燃性樹脂組成物をこれら電源コードの
絶縁体やシースに用いることが提案されている。
【0004】しかし、このノンハロゲン難燃性樹脂組成
物では、得られる絶縁体やシースに傷が付きやすく、耐
外傷性に劣ると言う不具合がある。ところで、耐外傷性
に富む樹脂材料としては、熱可塑性ポリウレタンがある
が、この熱可塑性ポリウレタンは難燃性が低く、難燃性
をある程度確保しようとすると金属水酸化物などのノン
ハロゲン難燃剤を多量に添加せねばならず、そうすると
引張強度、伸びなどの機械的特性が低下する。
物では、得られる絶縁体やシースに傷が付きやすく、耐
外傷性に劣ると言う不具合がある。ところで、耐外傷性
に富む樹脂材料としては、熱可塑性ポリウレタンがある
が、この熱可塑性ポリウレタンは難燃性が低く、難燃性
をある程度確保しようとすると金属水酸化物などのノン
ハロゲン難燃剤を多量に添加せねばならず、そうすると
引張強度、伸びなどの機械的特性が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、燃焼時に有害なハロゲンガスを発生すること
がなく、難燃性、耐外傷性に優れ、機械的特性も良好で
あり、電源コードの絶縁体やシースに好適な難燃性樹脂
組成物を得ることにある。
る課題は、燃焼時に有害なハロゲンガスを発生すること
がなく、難燃性、耐外傷性に優れ、機械的特性も良好で
あり、電源コードの絶縁体やシースに好適な難燃性樹脂
組成物を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、熱可塑性
ポリウレタンに、ポリオレフィンポリマーおよび/また
は熱可塑性エラストマーを配合してなり、熱可塑性ポリ
ウレタンが全量の5〜70wt%を占めるベースポリマ
ーに、ノンハロゲン難燃剤を添加してなる難燃性樹脂組
成物で解決できる。また、ベースポリマー100重量部
に対して、ノンハロゲン難燃剤を40〜200重量部添
加することが好ましい。
ポリウレタンに、ポリオレフィンポリマーおよび/また
は熱可塑性エラストマーを配合してなり、熱可塑性ポリ
ウレタンが全量の5〜70wt%を占めるベースポリマ
ーに、ノンハロゲン難燃剤を添加してなる難燃性樹脂組
成物で解決できる。また、ベースポリマー100重量部
に対して、ノンハロゲン難燃剤を40〜200重量部添
加することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物をなすベースポリマーは、熱
可塑性ポリウレタンを必須成分とし、これにポリオレフ
ィンポリマーあるいは熱可塑性エラストマーもしくはポ
リオレフィンポリマーと熱可塑性エラストマーとを配合
したもので、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィンポ
リマーの組み合わせ、熱可塑性ポリウレタンと熱可塑性
エラストマーとの組み合わせ、熱可塑性ポリウレタンと
ポリオレフィンポリマーと熱可塑性エラストマーとの組
み合わせの3種の組み合わせ形態がある。
本発明の難燃性樹脂組成物をなすベースポリマーは、熱
可塑性ポリウレタンを必須成分とし、これにポリオレフ
ィンポリマーあるいは熱可塑性エラストマーもしくはポ
リオレフィンポリマーと熱可塑性エラストマーとを配合
したもので、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィンポ
リマーの組み合わせ、熱可塑性ポリウレタンと熱可塑性
エラストマーとの組み合わせ、熱可塑性ポリウレタンと
ポリオレフィンポリマーと熱可塑性エラストマーとの組
み合わせの3種の組み合わせ形態がある。
【0008】熱可塑性ポリウレタンは、イソシアネート
成分としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどを、ポリオール成分としてポリエステル
ジオール、ポリエーテルジオールなどのジオールを用い
た分子鎖が線状のポリウレタンで、熱成形が可能で、弾
性に富み、分子結合凝集エネルギーが高く、耐磨耗性、
耐外傷性に優れたエラストマーである。
成分としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネートなどを、ポリオール成分としてポリエステル
ジオール、ポリエーテルジオールなどのジオールを用い
た分子鎖が線状のポリウレタンで、熱成形が可能で、弾
性に富み、分子結合凝集エネルギーが高く、耐磨耗性、
耐外傷性に優れたエラストマーである。
【0009】ポリオレフィンポリマーとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体などが用いられ、これらのなかでもエチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体等の極性コモノマーを有するものが適度の極性
を持つことになり、ノンハロゲン難燃剤の金属水酸化物
との親和性が向上して好ましい。エチレン−酢酸ビニル
共重合体としては、酢酸ビニル含量が5〜40wt%の
ものが、エチレン−エチルアクリレート共重合体として
は、エチルアクリレート含量が5〜35wt%のものが
好ましい。
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体などが用いられ、これらのなかでもエチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体等の極性コモノマーを有するものが適度の極性
を持つことになり、ノンハロゲン難燃剤の金属水酸化物
との親和性が向上して好ましい。エチレン−酢酸ビニル
共重合体としては、酢酸ビニル含量が5〜40wt%の
ものが、エチレン−エチルアクリレート共重合体として
は、エチルアクリレート含量が5〜35wt%のものが
好ましい。
【0010】熱可塑性エラストマーとしては、スチレン
系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラス
トマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系
熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー
などの各種熱可塑性エラストマーが使用される。これら
のなかでも、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好
ましい。
系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラス
トマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系
熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー
などの各種熱可塑性エラストマーが使用される。これら
のなかでも、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好
ましい。
【0011】このスチレン系熱可塑性エラストマーは、
ハードセグメントとしてポリスチレンを、ソフトセグメ
ントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどの1種以上を
用いたトリブロック共重合体が用いられ、具体的にはポ
リスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンエラストマ
ー(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリス
チレンエラストマー(SIS)、ポリスチレン−ポリ
(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンエラストマー
(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピ
レン)−ポリスチレンエラストマー(SEPS)などの
1種以上が用いられ、なかでも ポリスチレン−ポリ
(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンエラストマー
(SEBS)が好ましい。
ハードセグメントとしてポリスチレンを、ソフトセグメ
ントとしてポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどの1種以上を
用いたトリブロック共重合体が用いられ、具体的にはポ
リスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンエラストマ
ー(SBS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリス
チレンエラストマー(SIS)、ポリスチレン−ポリ
(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンエラストマー
(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピ
レン)−ポリスチレンエラストマー(SEPS)などの
1種以上が用いられ、なかでも ポリスチレン−ポリ
(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンエラストマー
(SEBS)が好ましい。
【0012】この2種あるいは3種のポリマーからなる
ベースポリマーにおいて、熱可塑性ポリウレタンの占め
る割合は、ベースポリマー全量の5〜70wt%とさ
れ、5wt%未満では樹脂組成物の耐外傷性の向上が得
られず、70wt%を越えると樹脂組成物の難燃性の低
下が大きくなり、後述するノンハロゲン難燃剤の添加量
を増大せねばならなくなる。
ベースポリマーにおいて、熱可塑性ポリウレタンの占め
る割合は、ベースポリマー全量の5〜70wt%とさ
れ、5wt%未満では樹脂組成物の耐外傷性の向上が得
られず、70wt%を越えると樹脂組成物の難燃性の低
下が大きくなり、後述するノンハロゲン難燃剤の添加量
を増大せねばならなくなる。
【0013】したがって、2成分からなるベースポリマ
ーでは、ポリオレフィンポリマーまたは熱可塑性エラス
トマーが残りの30〜95wt%を占めることになる。
さらに、3成分からなるベースポリマーでは、ポリオレ
フィンポリマーと熱可塑性エラストマーとの合計量が3
0〜95wt%を占めることになり、このうちポリオレ
フィンポリマーはベースポリマー全量の0〜90wt%
を、熱可塑性エラストマーは同じく30〜95wt%を
占めることが望ましい。
ーでは、ポリオレフィンポリマーまたは熱可塑性エラス
トマーが残りの30〜95wt%を占めることになる。
さらに、3成分からなるベースポリマーでは、ポリオレ
フィンポリマーと熱可塑性エラストマーとの合計量が3
0〜95wt%を占めることになり、このうちポリオレ
フィンポリマーはベースポリマー全量の0〜90wt%
を、熱可塑性エラストマーは同じく30〜95wt%を
占めることが望ましい。
【0014】ノンハロゲン難燃剤には、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金
属水酸化物、シリコーンパウダー、シリコーンガムなど
のシリコーン化合物、ポリリン酸アンモニウムなどのリ
ン化合物、モリブデン酸金属塩、酸化モリブデンなどの
モリブデン化合物、ホウ酸亜鉛などのホウ素化合物、酸
化スズなどのスズ化合物などが挙げられる。
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金
属水酸化物、シリコーンパウダー、シリコーンガムなど
のシリコーン化合物、ポリリン酸アンモニウムなどのリ
ン化合物、モリブデン酸金属塩、酸化モリブデンなどの
モリブデン化合物、ホウ酸亜鉛などのホウ素化合物、酸
化スズなどのスズ化合物などが挙げられる。
【0015】そして、主難燃剤として上記金属水酸化物
が比較的多量に配合され、これ以外の化合物が難燃助剤
として比較的少量配合される。また、金属水酸化物に
は、チタネートカップリング剤、シランカップリング
剤、高級脂肪酸などによって表面処理を施したものを用
いることが、ベースポリマーとの親和性が高くなって好
ましい。
が比較的多量に配合され、これ以外の化合物が難燃助剤
として比較的少量配合される。また、金属水酸化物に
は、チタネートカップリング剤、シランカップリング
剤、高級脂肪酸などによって表面処理を施したものを用
いることが、ベースポリマーとの親和性が高くなって好
ましい。
【0016】このノンハロゲン難燃剤の配合量は、難燃
性樹脂組成物に要求される難燃性によって決められる
が、通常ベースポリマー100重量部に対して40〜2
00重量部、好ましくは60〜150重量部とされる。
40重量部未満ではほとんど難燃性が得られず、200
重量部を越えると得られる樹脂組成物の引張強度や伸び
などの機械的特性が低下する。難燃剤の配合量の80〜
90wt%を金属水酸化物が占め、のこりの10〜20
wt%を難燃助剤が占めることが好ましい。
性樹脂組成物に要求される難燃性によって決められる
が、通常ベースポリマー100重量部に対して40〜2
00重量部、好ましくは60〜150重量部とされる。
40重量部未満ではほとんど難燃性が得られず、200
重量部を越えると得られる樹脂組成物の引張強度や伸び
などの機械的特性が低下する。難燃剤の配合量の80〜
90wt%を金属水酸化物が占め、のこりの10〜20
wt%を難燃助剤が占めることが好ましい。
【0017】この難燃性樹脂組成物には、必要に応じ
て、老化防止剤、紫外線吸収剤、カーボンブラック、着
色料などの適宜添加することができる。
て、老化防止剤、紫外線吸収剤、カーボンブラック、着
色料などの適宜添加することができる。
【0018】この発明の電線は、上述の難燃性樹脂組成
物からなる絶縁体、シースなどの被覆材を有するもので
ある。具体的には、上記難燃性樹脂組成物を混練し、導
体上、絶縁体上、押さえ巻き上に押出被覆して得られる
電線、コード、ケーブルであり、より具体的には単心コ
ード、平型コードなどのコードの絶縁体、キャプタイヤ
コードなどのシース等をかかる難燃性樹脂組成物で構成
したものである。
物からなる絶縁体、シースなどの被覆材を有するもので
ある。具体的には、上記難燃性樹脂組成物を混練し、導
体上、絶縁体上、押さえ巻き上に押出被覆して得られる
電線、コード、ケーブルであり、より具体的には単心コ
ード、平型コードなどのコードの絶縁体、キャプタイヤ
コードなどのシース等をかかる難燃性樹脂組成物で構成
したものである。
【0019】このような難燃性樹脂組成物にあっては、
ベースポリマーには必須成分として熱可塑性ポリウレタ
ンが配合されているので、良好な耐外傷性を発揮し、傷
つきにくいものとなる。また、ポリオレフィンポリマー
および/または熱可塑性エラストマーが配合されている
ので、ノンハロゲン難燃剤、特に金属水酸化物との親和
性が高くなり、この金属水酸化物を比較的多量に配合で
き、高い難燃性が得られるとともに引張強度、伸びなど
の機械的特性の低下が抑えられる。
ベースポリマーには必須成分として熱可塑性ポリウレタ
ンが配合されているので、良好な耐外傷性を発揮し、傷
つきにくいものとなる。また、ポリオレフィンポリマー
および/または熱可塑性エラストマーが配合されている
ので、ノンハロゲン難燃剤、特に金属水酸化物との親和
性が高くなり、この金属水酸化物を比較的多量に配合で
き、高い難燃性が得られるとともに引張強度、伸びなど
の機械的特性の低下が抑えられる。
【0020】また、ノンハロゲン難燃剤を使用している
ため、この難燃性樹脂組成物の燃焼時に有害なハロゲン
含有ガスを発生することもない。しかも、この難燃性樹
脂組成物には、フタル酸エステルなどの可塑剤が含まれ
ておらず、これから環境ホルモンとされる可塑剤が滲み
出すことがなく、環境汚染の不安もない。
ため、この難燃性樹脂組成物の燃焼時に有害なハロゲン
含有ガスを発生することもない。しかも、この難燃性樹
脂組成物には、フタル酸エステルなどの可塑剤が含まれ
ておらず、これから環境ホルモンとされる可塑剤が滲み
出すことがなく、環境汚染の不安もない。
【0021】このため、本発明の難燃性樹脂組成物で
は、ノンハロゲン難燃剤の配合量を選定することによ
り、JIS C 3005 に規定する60度傾斜燃焼
試験に合格する程度の難燃性が得られるとともに、引張
強度10MPa以上、伸び350%以上の機械的特性を
示すものとなる。
は、ノンハロゲン難燃剤の配合量を選定することによ
り、JIS C 3005 に規定する60度傾斜燃焼
試験に合格する程度の難燃性が得られるとともに、引張
強度10MPa以上、伸び350%以上の機械的特性を
示すものとなる。
【0022】以下、具体例を示す。表1および表2に示
す配合組成の樹脂組成物を用意し、これを押出機によっ
て混練し、厚さ2mmのシートに成形し、試験片とし
た。また、同じ樹脂組成物を同様の押出機により、径
1.5mmの導体上に押出被覆して厚み2mmの絶縁体
を設けて単心コードを作製した。
す配合組成の樹脂組成物を用意し、これを押出機によっ
て混練し、厚さ2mmのシートに成形し、試験片とし
た。また、同じ樹脂組成物を同様の押出機により、径
1.5mmの導体上に押出被覆して厚み2mmの絶縁体
を設けて単心コードを作製した。
【0023】単心コードについては、JIS C 30
05 に規定する60度傾斜燃焼試験を行い、難燃性を
評価した。試験片については、硬度(ショアD、5
秒)、引張強度、伸びを測定した。さらに、NEMA式
磨耗試験器を用いて耐外傷性を評価した。引張強度は1
0MPa以上、伸びは350%以上が合格である。結果
を表1および表2に示す。
05 に規定する60度傾斜燃焼試験を行い、難燃性を
評価した。試験片については、硬度(ショアD、5
秒)、引張強度、伸びを測定した。さらに、NEMA式
磨耗試験器を用いて耐外傷性を評価した。引張強度は1
0MPa以上、伸びは350%以上が合格である。結果
を表1および表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表1および表2において、「EVA」は、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量20w
t%)を、「EEA」は、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体(エチルアクリレート含量15wt%)を、
「TPE」は、熱可塑性エラストマーとしてのポリスチ
レン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンブロ
ック共重合体(SEBS)を、「TPU」は、熱可塑性
ポリウレタンをそれぞれ示す。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量20w
t%)を、「EEA」は、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体(エチルアクリレート含量15wt%)を、
「TPE」は、熱可塑性エラストマーとしてのポリスチ
レン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンブロ
ック共重合体(SEBS)を、「TPU」は、熱可塑性
ポリウレタンをそれぞれ示す。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の難燃性樹
脂組成物にあっては、ベースポリマーの必須成分として
熱可塑性ポリウレタンを配合しているので、良好な耐外
傷性を発揮し、傷つきにくいものとなる。さらに、ポリ
オレフィンポリマーおよび/または熱可塑性エラストマ
ーを配合しているので、ノンハロゲン難燃剤との親和性
が良く、多量のノンハロゲン難燃剤を添加でき、高い難
燃性が得られ、機械的特性の低下が抑えられる。
脂組成物にあっては、ベースポリマーの必須成分として
熱可塑性ポリウレタンを配合しているので、良好な耐外
傷性を発揮し、傷つきにくいものとなる。さらに、ポリ
オレフィンポリマーおよび/または熱可塑性エラストマ
ーを配合しているので、ノンハロゲン難燃剤との親和性
が良く、多量のノンハロゲン難燃剤を添加でき、高い難
燃性が得られ、機械的特性の低下が抑えられる。
【0028】また、ノンハロゲン難燃剤を使用している
ので、燃焼時に有害なハロゲン含有ガスを発生すること
もない。しかも、可塑剤が含まれておらず、これから環
境ホルモンとされる可塑剤が滲み出すことがなく、環境
汚染の不安もない。
ので、燃焼時に有害なハロゲン含有ガスを発生すること
もない。しかも、可塑剤が含まれておらず、これから環
境ホルモンとされる可塑剤が滲み出すことがなく、環境
汚染の不安もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/00 H01B 3/00 A 3/30 3/30 B N 7/295 7/34 B Fターム(参考) 4J002 BB03X BB06X BB07X BB12X BB15X BP00Y BP01Y BP03Y CK03W CK04W DE076 DE086 DE096 DE146 DE186 DH056 DK006 FB086 FD136 GQ01 5G303 AA06 AB20 BA12 CA09 CA11 CD03 5G305 AA02 AB15 AB17 AB25 AB35 AB40 BA26 CA18 CC03 CC11 CD06 CD13 5G315 CA03 CB02 CB06 CC08 CD13 CD14 CD17
Claims (3)
- 【請求項1】熱可塑性ポリウレタンに、ポリオレフィン
ポリマーおよび/または熱可塑性エラストマーを配合し
てなり、熱可塑性ポリウレタンが全量の5〜70wt%
を占めるベースポリマーに、ノンハロゲン難燃剤を添加
してなる難燃性樹脂組成物。 - 【請求項2】ベースポリマー100重量部に対して、ノ
ンハロゲン難燃剤を40〜200重量部添加してなる請
求項1に記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成
物を被覆材とした電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001107388A JP2002302602A (ja) | 2001-04-05 | 2001-04-05 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001107388A JP2002302602A (ja) | 2001-04-05 | 2001-04-05 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002302602A true JP2002302602A (ja) | 2002-10-18 |
Family
ID=18959718
Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004259683A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 難燃性ケーブルおよびその成形加工方法 |
WO2007058349A1 (ja) * | 2005-11-21 | 2007-05-24 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | 難燃性樹脂組成物並びにそれを用いた絶縁電線、絶縁シールド電線、絶縁ケーブル及び絶縁チューブ |
JP2011511149A (ja) * | 2008-02-08 | 2011-04-07 | ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー | 難燃性のポリオレフィン/熱可塑性ポリウレタン組成物 |
CN114133657A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-03-04 | 中广核高新核材科技(苏州)有限公司 | 一种高性能阻燃型低烟无卤聚烯烃电缆料的制备方法 |
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2001
- 2001-04-05 JP JP2001107388A patent/JP2002302602A/ja not_active Withdrawn
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