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JP2002302150A - 耐レトルト性に優れたガスバリアー材 - Google Patents

耐レトルト性に優れたガスバリアー材

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Publication number
JP2002302150A
JP2002302150A JP2001347321A JP2001347321A JP2002302150A JP 2002302150 A JP2002302150 A JP 2002302150A JP 2001347321 A JP2001347321 A JP 2001347321A JP 2001347321 A JP2001347321 A JP 2001347321A JP 2002302150 A JP2002302150 A JP 2002302150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas barrier
barrier material
polymer component
weight
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001347321A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuusuke Obu
雄介 小賦
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2001347321A priority Critical patent/JP2002302150A/ja
Publication of JP2002302150A publication Critical patent/JP2002302150A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐レトルト性とガスバリアー性とに優れ、生
産性にも優れ、更に環境にも優しいガスバリアー材及び
それを用いた包装材を提供するにある。 【解決手段】 (A)イオン性高分子成分と、(B)高
水素結合を有する非イオン性高分子成分と、(C)両者
を架橋する架橋剤成分とを含有する組成物から形成さ
れ、且つ固形分基準の吸水率が30重量%以下であるこ
とを特徴とする耐レトルト性に優れたガスバリアー材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素等のガスに対
するバリアー性と耐レトルト性に優れたガスバリアー材
に関するものであり、更にこのガスバリアー材を備えた
包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来包装容器としては、金属缶、ガラス
ビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽
量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容
器が各種の用途に使用されている。
【0003】しかしながら、金属缶やガラスビンでは容
器壁を通しての酸素透過がゼロであるのに対して、プラ
スチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視
し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題と
なっている。
【0004】これを防止するために、プラスチック基体
の表面に各種のバリアー膜を形成する方法が既に実施さ
れ、或いは数多く提案されている。塩化ビニリデン共重
合体は種々の気体に対して高いガス遮断性を有してお
り、この共重合体をプラスチック容器や、この容器を製
造するための予備成形物(プリフォーム)に水性ラテッ
クスの形で塗布し、被覆を形成させることにより、ガス
遮断性を向上させることが広く行われている。例えば、
米国特許第4,127,633号明細書(Addlem
an)には、ブロー成形容器を製造するためプリフォー
ムを40乃至80℃に加熱して、塩化ビニリデン共重合
体(以下PVDCと呼ぶことがある)の水性ラテックス
を塗布して、厚肉のガスバリアー被覆層を形成させるこ
とが記載されている。
【0005】特開2000−931号公報には、ポリ
(メタ)アクリル酸及びポリ(メタ)アクリル酸部分中
和物からなる群より選択された少なくとも1種のポリ
(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール類との
混合物からなる成形物層の表面に金属化合物を含む層を
塗工してなることを特徴とするガスバリアー性フィルム
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】塩化ビニリデン共重合
体は、ガスバリアー性に優れているものであり、耐水性
にも優れているという利点を有するものであるが、その
廃棄処理に当たってハロゲン化水素ガスを発生すること
が問題であり、現在ではあまり利用されるに至っていな
い。
【0007】一方、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマー
とポリアルコール類との混合物からなる成形物層の表面
に金属化合物を含む層を塗工したガスバリアー性フィル
ムは、塗膜の硬化に高温且つ長時間の熱処理が必要とな
り、プラスチック基体への負荷が大きくなると共に、生
産性の面で不利となる。
【0008】本発明者らは、イオン性高分子と高水素結
合を有する非イオン性高分子と架橋剤成分とを含有する
樹脂組成物は、プラスチック基体などへのコーティング
性に優れていると共に、低温乃至短時間熱処理によりコ
ーティング層を形成させることが可能で、形成されたコ
ーティング層は優れたガスバリアー性を発現し、しかも
耐レトルト性にも優れていることを見い出した。
【0009】即ち、本発明の目的は、耐レトルト性とガ
スバリアー性とに優れ、生産性にも優れ、更に環境にも
優しいガスバリアー材及びそれを用いた包装材を提供す
るにある。本発明の他の目的は、上記コーティングの形
成に用いることができ、しかも水性系での施用が可能で
あり、環境汚染の問題を発生することなく、コーティン
グが可能なガスバリアー材を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
イオン性高分子成分と、(B)高水素結合を有する非イ
オン性高分子成分と、(C)両者を架橋する架橋剤成分
とを含有してなる組成物から形成され、且つ固形分基準
の吸水率が30重量%以下、特に20重量%以下である
ことを特徴とする耐レトルト性に優れたガスバリアー材
が提供される。本発明のガスバリアー材においては、 1.下記2成分基準で、(A)イオン性高分子成分を2
0乃至80重量%、特に30乃至70重量%、及び
(B)非イオン性高分子成分20乃至80重量%、特に
30乃至70重量%の量で含有し、上記合計量基準で
(C)架橋剤を0.5乃至30重量%、特に1.0乃至
20重量%含有してなること、 2.(A)イオン性高分子成分が連続相及び(B)非イ
オン性高分子成分が分散相となった海−島構造を有し、
且つ前記連続相と分散相との間に架橋構造が形成されて
いること、 3.前記(A)イオン性高分子成分がアニオン性高分
子、特にエチレン系不飽和カルボン酸単位を含有する重
合体または共重合体であるか、或いはカチオン性高分
子、特にアミノ基含有重合体または共重合体であるこ
と、 4.前記(B)非イオン性高分子成分がポリアルコール
類であること、 5.前記(C)架橋剤がイオン性基と水酸基に対して反
応性を有する架橋剤、特にメチロール基含有化合物、イ
ソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カ
ルボジイミド化合物、グリオキザール化合物、多塩基酸
乃至その無水物及びアルデヒド化合物の少なくとも1種
であることが好ましい。 本発明のガスバリアー材は、一般に溶液或いは分散液の
形でコーティングに用いられる。本発明によればまた、
プラスチック基体の表面或いはプラスチックの層間に上
記ガスバリアー材を備えてなることを特徴とする包装材
が提供される。
【0011】
【発明の実施形態】[作用]本発明のガスバリアー材
は、(A)イオン性高分子成分と、(B)高水素結合を
有する非イオン性高分子成分とに加えて、(C)両者を
架橋する架橋剤成分を含有する組成物から形成され、し
かも固形分基準の吸水率が30重量%以下、特に20重
量%以下であることが特徴である。
【0012】本発明の吸水率とは、ガスバリアー材を常
温(25℃)の蒸留水中に24時間浸漬し、水中から取
り出したガスバリアー材から付着水分を拭き取り、吸水
率(Wa)を下記式 Wa=(W−Wo )/Wo ×100 式中、Wは水中浸漬、水分拭き取り後のガスバリアー材
の重量であり、Woは水中浸漬前のガスバリアー材の重
量である、で算出されたものを意味する。実際の測定に
際しては、プラスチック乃至金属基材にガスバリアー材
がコーティングされた状態で行うこともできる。
【0013】イオン性高分子成分と非イオン性高分子成
分とを含有する樹脂組成物としては、従来高吸水性樹脂
材料が知られているが、この樹脂材料は上記方法で測定
される吸水率が10000重量%以上と極めて高いのに
対して、本発明のガスバリアー材では、この吸水率が3
0重量%以下、特に20重量%以下に抑制されていて、
これにより、優れたガスバリアー性及び耐レトルト性が
達成されるものである。
【0014】吸水性高分子材料における吸水力は、水中
における高分子電解質のイオン反発による分子の拡大
と、橋掛け構造による拡大の制御との相互作用によって
生じることが知られており、この吸水力についても、F
loryにより、下記式 Q5/3=[(i/2VuS1/2)+(1/2-x1)/V1]/(νe/V
0) 式中、Qは吸水力であり、i/Vuは樹脂に固定された電荷
濃度であり、Sは外部溶液の電解質のイオン強度であ
り、(1/2-x1)/V1は親水性であり、νe/V0は橋掛け
密度である、で与えられている。本発明のガスバリアー
材では、樹脂に固定される電荷濃度を減少させ、即ち高
分子電解質のイオン反発による分子の拡大を抑制し、且
つバリアー材中での架橋密度を増大させることにより、
吸水率を前述した範囲に抑制し、優れたガスバリアー性
及び耐レトルト性を達成することが可能となるものであ
って、材料中の微細構造も原理も全く異にするものであ
る。
【0015】本発明のガスバリアー材の微細構造を模式
的に示す図1において、イオン性高分子成分Aは連続
相、即ち海の形で存在しており、一方非イオン性高分子
成分Bは内部に高度の水素結合を含む分散相、即ち島の
形で存在している。この海と島との境界(界面)では架
橋剤Cによる架橋構造が導入されている。本発明のバリ
アー材では、上記のようにイオン性高分子成分と非イオ
ン性高分子成分が相分離した形で存在し、しかもイオン
性高分子成分による網目の中に非イオン性高分子成分が
閉じこめられることにより、非イオン性高分子成分の吸
水による膨張や耐水性の低下が抑制され、更に網目の中
に存在する非イオン性高分子成分が高度の水素結合を有
することにより、良好なガスバリアー性が達成されるも
のである。
【0016】本発明のガスバリアー材では、下記2成分
基準で、(A)イオン性高分子成分を20乃至80重量
%、特に30乃至70重量%、及び(B)非イオン性高
分子成分20乃至80重量%、特に30乃至70重量%
の量で含有し、上記合計量基準で(C)架橋剤を0.5
乃至30重量%、特に1.0乃至20重量%含有してな
ることが特に好ましい。イオン性高分子成分が上記範囲
よりも多く、非イオン性高分子成分が上記範囲よりも少
ない場合には、上記範囲内にある場合に比して、ガスバ
リアー性が低下する傾向があり、好ましくない。一方、
イオン性高分子成分が上記範囲よりも少なく、非イオン
性高分子成分が上記範囲よりも多い場合には、上記範囲
内にある場合に比して、分散性、造膜性、架橋性が低下
する傾向があり、やはり好ましくない。また、架橋剤成
分が上記範囲よりも少ないときには、上記範囲内にある
場合に比して、耐レトルト性やガスバリアー性が低下す
る傾向があり、架橋剤成分が上記範囲よりも多いときに
は、やはりガスバリアー性が低下し、被膜が脆くなる傾
向があるので好ましくない。
【0017】(A)イオン性高分子成分 本発明において、イオン性高分子成分としては、アニオ
ン性、カチオン性及び両性系の高分子が使用され、これ
らの単独でも或いは2種以上の組み合わせでも使用され
る。
【0018】本発明で使用するイオン性高分子成分は、
アニオン性及び/またはカチオン性の極性基を有する単
独重合体或いは共重合体或いはこれらを含む樹脂組成物
である。アニオン性極性基としては、カルボン酸、スル
ホン酸、ホスホン酸等の任意の極性基が挙げられるが、
弱酸型、特にカルボン酸型のものが、ガスバリアー性の
点で特に好適である。一方、カチオン性の極性基として
は、1級、2級、3級のアミノ基や第4級有機アンモニ
ウム基、アミド基、イミノ基、イミド基、ヒドラジノ
基、グアニジノ基、アミジノ基等の塩基性窒素含有基等
の任意のカチオン性基を有するものがあげられるが、ア
ミノ基や第4級アンモニウム基が特に好適である。
【0019】アニオン性またはカチオン性の極性基を有
する重合体或いは共重合体は、アニオン性またはカチオ
ン性の極性基を有する単量体を、単独重合、ランダム共
重合、ブロック共重合、或いはグラフト共重合等により
樹脂中に組み込んだものである。この単量体の適当な例
は次の通りである。
【0020】カルボン酸型のものとしては、エチレン系
不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマー
ル酸、マレイン酸或いはフマール酸等の低級アルキルハ
ーフエステル等が挙げられる。
【0021】スルホン酸型のものとしては、スチレンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸等が挙げられる。
【0022】ホスホン酸型のものとしては、2−アシッ
ドホスホキシプロピルメタクリレート、2−アシッドホ
スホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシ
ッドホスホキシプロピルメタクリレート、等が挙げられ
る。
【0023】これらのアニオン性極性基含有単量体単位
は、遊離の酸であっても、またアンモニア、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属、亜鉛等で中和されていても
よいが、膜形成の段階では、遊離酸の状態及び/または
アルカリ金属塩の状態であることが溶解性乃至分散性の
点で望ましい。
【0024】一方、カチオン性の単量体としては、ビニ
ルアミン、アリルアミン、塩基性窒素含有(メタ)アク
リル単量体、その他の塩基性窒素含有ビニル単量体など
が挙げられる。塩基性窒素含有(メタ)アクリル単量体
としては、一般式(1)、
【化1】 式中、Rは水素原子或いはメチル基であり、R1 及びR
2 の各々はアルキレン基であり、R3 及びR4 の各々は
水素原子或いはアルキル基であり、p はゼロまたは1で
ある。の化合物或いはその第4級アンモニウム塩が挙げ
られる。
【0025】例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジ
メチルアミノプロピルアクリレート、ジブチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル−N’−アミ
ノエチルメタクリレート、3−アクリルアミド−3,3
−ジメチルプロピルジメチルアミン、並びにこれらの第
4級アンモニウム塩。
【0026】カチオン性極性基含有ビニル単量体:例え
ば、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ビニルト
リメチルアンモニウムクロリド、N−ビニルカルバゾー
ル、2−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン、第4級ビ
ニルピリジウム。
【0027】上記アニオン性及び/またはカチオン性の
単量体は、単独重合体の形でも使用しうるが、造膜性や
被膜物性の点で他の単量体と共重合体の形で用いること
もできる。他の単量体としては、エチレン系不飽和結合
を有する単量体の1種又は2種以上の組み合わせが使用
される。このような単量体の適当な例は、アクリル系単
量体、モノビニル芳香族単量体、ビニルエステル系単量
体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量体、
モノオレフィン系単量体等である。
【0028】しかしながら、アニオン性及び/またはカ
チオン性の単量体以外の単量体成分が含有されると、最
終被膜のガスバリアー性が低下する傾向があるので、ア
ニオン性及び/またはカチオン性の単量体からなる単独
重合体、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポ
リアリルアミン、ポリビニルアミンを用いることが最も
好ましい。
【0029】ポリアクリル酸や、ポリメタクリル酸の場
合、カルボキシルの一部はアルカリ金属で中和されてい
ることができるが、その中和度は10%以下、特に1.
0乃至5.0%の範囲にあることが、ガスバリアー性や
耐水性の点で好ましい。
【0030】同様に、ポリアリルアミンや、ポリビニル
アミンの場合、アミノ基の一部は塩酸等の酸類で中和さ
れていることができるが、その中和度は10%以下、特
に1.0乃至5.0%の範囲にあることが、ガスバリア
ー性や耐水性の点で好ましい。
【0031】(B)非イオン性高分子成分 本発明に用いる非イオン性高分子成分としては、高水素
結合を有するものであり、ポリアルコール類が挙げられ
る。ポリアルコール類は多数の水酸基の間で水素結合を
形成し、本発明の目的に好適なものである。
【0032】ポリアルコール類の好適なものとして、ポ
リビニールアルコールを挙げることができる。好適なポ
リビニールアルコールは200乃至3000未満、特に
200乃至2000の平均重合度及び95乃至100
%、特に98乃至99.9の鹸化度を有するものである
ことが望ましい。
【0033】本発明に用いるポリアルコールの他の例と
しては、水溶性多価アルコールを挙げることができる。
この多価アルコールは分子当たり3個以上の水酸基を有
するものであり、具体的には単糖類、オリゴ糖類、多糖
類或いは糖類以外の多価アルコールであることが好まし
い。単糖類としては、アラビノース、キシロース、リボ
ース、リキソース、グルコース、マンノース、ガラクト
ース、フラクトースなどが挙げられ、オリゴ糖として
は、サッカローズ、マルトース、セロビオース、ラクト
ースなどが挙げられる。また、多糖類としては澱粉、酸
化澱粉、デキストリンなどが挙げられる。糖類以外の多
価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシ
リトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトー
ル、イジトール、タリトールなどが挙げられる。これら
の多価アルコールは、単独でも或いは2種以上の組み合
わせでも使用できる。
【0034】(C)架橋剤成分 本発明において、架橋剤成分(C)としては、イオン性
高分子成分と非イオン性高分子成分とに対して反応性を
有する架橋剤、特にメチロール基含有化合物、イソシア
ネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボジ
イミド化合物、グリオキザール化合物、多塩基酸乃至そ
の無水物、アルデヒド化合物などの少なくとも1種が使
用される。
【0035】メチロール基含有化合物としては、メチロ
ール化乃至エーテルメチロール化アミノ樹脂、特に分子
内に多数のメチロール基を有する尿素樹脂、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂等を挙げることができる。エ
ーテル型樹脂は、上記樹脂のメチロール基をエタノール
やブタノール等のアルコール類でエーテル化したものが
好適に使用される。また、メチロール化乃至エーテルメ
チロール化フェノール樹脂等を用いることもできる。
【0036】イソシアネート含有化合物としては、ジイ
ソシアネート類、例えばキシリレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート等やそれらのプレ
ポリマーが使用される。イソシアネート基は、ラクタム
等でブロックされていることが好ましいが、自己乳化型
ジイソシアネートも本発明の目的に使用することができ
る。
【0037】エポキシ化合物としては、分子内に2個以
上のオキシラン環を有するエポキシ化合物、特に液状エ
ポキシ樹脂が使用され、中でも、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF等のビスフェノール類とエピクロルヒド
リンとの重縮合により得られたビスフェノール型エポキ
シ樹脂や、水分散可能なアクリル変性エポキシ樹脂、グ
リシジル(メタ)アクリレート共重合体などが使用され
る。
【0038】カルボジイミド系化合物としては、分子
中、特に主鎖中に−N=C=N−基を含む化合物が使用
される。このカルボジイミド化合物は、例えばカルボキ
シル基と反応してカルバモイルアミドによる架橋、水酸
基と反応してイソウレアによる架橋、アミノ基と反応し
てグアニジンによる架橋を生成する。
【0039】グリオキザール系化合物としては、ジメチ
ロールジヒドロキシエチレンウレアやそのエーテル化物
が使用され、このものも前述した官能基に対して架橋す
る。
【0040】多塩基酸としては、ホウ酸等の無機酸や、
無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、フマー
ル酸、コハク酸、クエン酸、アジピン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸、等が挙げられる。
【0041】アルデヒドとしては、グリオキサール、ス
クシンアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ドなどが挙げられる。
【0042】これらの架橋剤は、単独でも或いは2種以
上の組み合わせでも使用される。また、変性ポリビニー
ルアルコールでは、変性基の種類によって、上記以外の
架橋剤も使用されるが、前に例示した架橋剤の多くは、
水酸基以外の官能基に対しても反応性を有しており、例
えば変性基であるカルボキシル基やその塩の基に対して
はエポキシ基、水酸基、アミノ基、イソシアナート基、
メチロール基或いはエーテル化メチロール基等を有する
ものは容易に反応し、変性基であるアミド基に対しては
エポキシ基、メチロール基或いはエーテル化メチロール
基を有するものは容易に反応し、アミノ基に対してはエ
ポキシ基、イソシアナート基を有するものが容易に反応
し、エポキシ基に対してはカルボキシル基、その塩の
基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、メチロール基或い
はエーテル化メチロール基を有するものが容易に反応
し、メチロール基及びエーテル化メチロール基に対して
はカルボキシル基、その塩の基、水酸基、エポキシ基、
メチロール基及びエーテル化メチロール基を有するもの
が容易に反応する。更に、架橋反応を促進する目的で、
触媒を用いることができ、例えばメラミン樹脂に対して
は、触媒量の有機酸を用いることが推奨される。
【0043】[ガスバリアー材及び形成用組成物]本発
明のガスバリアー材は、上述した(A)イオン性高分子
成分と、(B)高水素結合を有する非イオン性高分子成
分と、(C)両者を架橋する架橋剤成分とを含有してな
る組成物から形成され、且つ固形分基準の吸水率が30
重量%以下、特に20重量%以下に抑制されている。
【0044】 本発明のガスバリアー材においては、下
記2成分基準で、(A)イオン性高分子成分を20乃至
80重量%、特に30乃至70重量%、及び(B)非イ
オン性高分子成分20乃至80重量%、特に30乃至7
0重量%の量で含有し、上記合計量基準で(C)架橋剤
を0.5乃至30重量%、特に1.0乃至20重量%含
有してなる。
【0045】本発明のガスバリアー材においては、
(A)イオン性高分子成分が連続相及び(B)非イオン
性高分子成分が分散相となった海−島構造を有し、且つ
前記連続相と分散相との間に架橋構造が形成されてい
る。
【0046】本発明において、上記組成物は、一般に水
性溶液或いは水性分散液の形でガスバリアー層の形成に
使用される。水性溶液乃至分散液の固形分濃度は、一般
に3乃至50重量%、特に8乃至30重量%の範囲にあ
ることが好ましい。この固形分濃度が上記範囲を下廻る
と、ガスバリアー層の厚塗りが困難となり、また固形分
濃度が上記範囲よりも高いと、粘度が高くなりすぎて塗
布が困難となる傾向がある。
【0047】ガスバリアー材の形成に用いるコーティン
グ組成物には、必要により、それ自体公知の添加剤を配
合することができる。例えば、濡れ性を向上させるため
に、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン
などの水混和性有機溶媒を配合したり、界面活性剤を配
合することができる。また、コーティング形成に際して
泡の発生を防止するために消泡剤を配合することができ
る。また、増量の目的で、充填剤を配合し、着色の目的
で着色剤を配合することができる。さらに、ガスバリア
ー性の向上を目指して、鱗片状の無機微粉末、例えば水
膨潤性雲母、クレイ等を前記コーティング組成物中の固
形分100重量部当り合計量として5乃至100重量部
の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支
えない。
【0048】[包装材]本発明では、上記ガスバリアー
材を、包装用プラスチック基材、例えばプラスチックフ
ィルム、シート、容器、予備成形体の表面に塗布してコ
ーティングを形成させる。
【0049】プラスチック基体としては、熱成形可能な
熱可塑性樹脂から、押出成形、射出成形、ブロー成形、
延伸ブロー成形或いは絞り成形等の手段で製造された、
フィルム、シート、或いはボトル状、カップ状、トレイ
状、カン形状等の任意の容器が挙げられる。
【0050】プラスチック基体を構成する樹脂の適当な
例は、低−、中−或いは高−密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−ブテン−共重合体、アイオノ
マー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体等のオレフィン系共重合体;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレ
ンアジパミド等のポリアミド;ポリスチレン、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系共重合体;
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の
塩化ビニル系共重合体;ポリメチルメタクリレート、メ
チルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等の
アクリル系共重合体;ポリカーボネート等である。
【0051】これらの熱可塑性樹脂は単独で使用しても
或いは2種以上のブレンド物の形で存在していてもよ
い、またプラスチック基体は、単層の構成でも、或いは
例えば同時溶融押出しや、その他のラミネーションによ
る2層以上の積層構成であってもよい。勿論、前記の溶
融成形可能な熱可塑性樹脂には、所望に応じて顔料、酸
化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤などの添加
剤の1種或いは2種類以上を樹脂100重量部当りに合
計量として0.001部乃至5.0部の範囲内で添加す
ることもできる。また、例えば、この容器を補強するた
めに、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊
維、パルプ、コットン・リンター等の繊維補強材、或い
はカーボンブラック、ホワイトカーボン等の粉末補強
材、或いはガラスフレーク、アルミフレーク等のフレー
ク状補強材の1種類或いは2種類以上を、前記熱可塑性
樹脂100重量部当り合計量として2乃至150重量部
の量で配合でき、更に増量の目的で、重質乃至軟質の炭
酸カルシウム、雲母、滑石、カオリン、石膏、クレイ、
硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ粉、炭酸マグネシウ
ム等の1種類或いは2種類以上を前記熱可塑性樹脂10
0重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそ
れ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
さらに、ガスバリアー性の向上を目指して、鱗片状の無
機微粉末、例えば水膨潤性雲母、クレイ等を前記熱可塑
性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量
部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差
支えない。
【0052】本発明によれば、最終フィルム、シート、
或いは容器の表面に前述したハイバリアー材を設けるこ
ともできるし、容器に成形するための予備成形物にこの
被覆を予じめ設けることもできる。このような予備成形
体としては、二軸延伸ブロー成形のための有底又は無底
の筒状パリソン、プラスチック罐成形のためのパイプ、
真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形のためのシー
ト、或いはヒートシール蓋、製袋のためのフィルム等を
挙げることができる。
【0053】[コーティング及びその形成]本発明のガ
スバリアー材を形成するためのコーティング組成物の塗
布は、この水性液中にフィルム、シート、容器或いは容
器形成用の予備成形体を浸漬し塗布するか、或いは水性
液をスラッシュコート、スピンコート、ロールコート、
スプレーコート等の手段で容器等の成形体に施こすこと
により行われる。フィルム、シート、容器或いは予備成
形体が水性液に対して濡れ性を有しない場合には、容器
等の塗布すべき面を、コロナ放電処理、オゾン処理、短
波長紫外線照射処理、火焔処理等に賦して濡れ性を向上
させるのがよい。一般に必要でないが、成形体への塗布
は、所望により二回以上にわたって行い得るのは勿論で
ある。
【0054】塗布したコーティング組成物の乾燥及び架
橋は、組成によっても相違するが、例えば110乃至2
00℃の温度で10秒間乃至10分間行うことができ
る。
【0055】本発明のガスバリアー材は、一般に0.5
乃至15μm、特に1乃至10μmの厚みを有すること
が好ましい。この厚みが上記範囲を下回ると酸素バリア
ー性が不十分となる場合があり、一方この厚みが上記範
囲を上回っても、格別の利点がなく、包装材のコストの
点では不利となる傾向がある。勿論、このガスバリアー
材は単一の層として、容器の内面、容器の外面、及び積
層体の中間層として設けることができ、また複数の層と
して、容器の内外面、或いは容器の内外面の少なくとも
一方と積層体の中間層として設けることができる。
【0056】被覆予備成形体から最終容器への成形は、
二軸延伸ブロー成形、プラグアシスト成形等のそれ自体
公知の条件により行うことができる。また、コーティン
グ層を設けたフィルム乃至シートを他のフィルム乃至シ
ートと貼り合わせて、積層体を形成し、この積層体をヒ
ートシール蓋、パウチや、容器成形用の予備成形体とし
て用いることもできる。
【0057】 [測定方法] (吸水率)重量既知のアルミニウム箔に所定の塗料を乾
燥膜厚が4μmになる様に塗布した後、ピーク温度15
0℃-保持時間10秒になるように熱処理を行った。得
られた塗布アルミニウム箔の重量を測定し、未塗布のア
ルミニウム箔の重量を差し引いてガスバリアー材の重量
を得た。その後蒸留水中に25℃にて24時間浸積した
後、表面に付着した水滴を除去して重量を測定すること
により、吸水量を求め、ガスバリアー材の重量より吸水
率を得た。
【0058】(酸素透過量)12μm厚ポリエチレンテ
レフタレートフイルム上に所定の塗料を乾燥膜厚が4μ
mになる様に塗布した後、ピーク温度150℃-保持時
間10秒になるように熱処理を行った。得られたフイル
ムを実施例に示したような積層体として、積層体の酸素
透過性を酸素透過量測定装置(Modern Cont
rol社製OX−TRAN2/20)を用い測定した。
また120℃−30分のレトルト殺菌処理を行った後の
酸素透過量の測定も行った。測定条件は環境温度25
℃、相対湿度80%である。
【0059】
【実施例】(実施例1)ポリアクリル酸(和光純薬
(株)製、30℃における粘度8,000〜12,00
0センチポイズ、25%水溶液)を蒸留水で希釈して1
0重量%水溶液を調製し、更に水酸化ナトリウム(和光
純薬(株)製、1級)を添加してポリアクリル酸中のカ
ルボキシル基の3%を中和した。その水溶液を80℃に
なるまで加温した後、攪拌しながらポリビニルアルコー
ル(クラレ(株)製、PVA102、重合度200、鹸
化度99)を、最終固形分重量比で5:5になるよう
に、数回に分けて2時間置きに添加した。全ポリビニル
アルコール添加終了後、更に2時間80℃にて攪拌した
後、室温まで攪拌しながら徐冷した。室温到達後、総固
形分に対して水分散ブロックイソシアネート(武田薬品
工業(株)製、WB−720)を5重量%添加して15
分間高速攪拌し、室温にて1時間放置してエージング
し、コーティング液とした。このコーティング液をバー
コーターにより、厚み12μmの2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム2に塗布した。塗布後の上記フ
ィルムをガスオーブンにより、ピーク温度150℃、ピ
ーク温度保持時間10秒の条件で熱処理し、厚み4μm
のコーティング(層)3を有するポリエチレンテレフタ
レートフィルムとした。得られた上記フィルムのコーテ
ィングを下層にして、厚み4μmのウレタン系接着剤
4、厚み15μmの2軸延伸ナイロンフィルム5、厚み
4μmのウレタン系接着剤6及び厚み50μmの無延伸
ポリプロピレンフィルム7を順次ラミネートし、図2に
示すような層構成の積層体1を得た。
【0060】(実施例2)ポリアリルアミン(日東紡
(株)製、PAA−H−10C,10%水溶液)を塩酸
(和光純薬(株)製、1級)を添加してポリアリルアミ
ン中のアミノ基の3%を中和した。その水溶液を80℃
になるまで加温した後、攪拌しながらポリビニルアルコ
ール(クラレ(株)製、PVA102、重合度200、
鹸化度99)を、最終固形分重量比で5:5になるよう
に、数回に分けて2時間置きに添加した。全ポリビニル
アルコール添加終了後、更に2時間80℃にて攪拌した
後、室温まで攪拌しながら徐冷した。室温到達後、総固
形分に対して水分散ブロックイソシアネート(武田薬品
工業(株)製、WB−720)を5重量%添加して15
分間高速攪拌し、室温にて1時間放置してエージング
し、コーティング液とした。このコーティング液を用い
て実施例1と同様な方法で、積層体1を得た。
【0061】(実施例3)実施例1において、ポリアク
リル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比2.5:
7.5とする以外は実施例1と同様の方法で積層体1を
得た。
【0062】(実施例4)実施例1において、ポリアク
リル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比8:2と
する以外は実施例1と同様の方法で積層体1を得た。
【0063】(実施例5)実施例1において、ポリアク
リル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比4.5:
5.5とし、総固形分に対して水分散ブロックイソシア
ネート(武田薬品工業(株)製、WB−720)を0.
5重量%添加する以外は実施例1と同様の方法で積層体
1を得た。
【0064】(実施例6)実施例1においてポリアクリ
ル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比5.5:
4.5とし、総固形分に対して水分散ブロックイソシア
ネート(武田薬品工業(株)製、WB−720)を30
重量%添加する以外は実施例1と同様の方法で積層体1
を得た。
【0065】(実施例7)実施例1において、水分散ブ
ロックイソシアネート(武田薬品工業(株)製、WB−
720)の代わりにポリカルボジイミド(日清紡(株)
製、カルボジライトV−02)を用いる以外は同様の方
法で積層体1を得た。
【0066】(実施例8)実施例1において、ポリアク
リル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比4:6と
し、水分散ブロックイソシアネート(武田薬品工業
(株)製、WB−720)の代わりにメラミン誘導体
(三井サイテック(株)、サイメル701)を用い、触
媒としてクエン酸5重量%を共に添加して、それ以外は
実施例1と同様の方法で積層体1を得た。
【0067】(比較例1)実施例1において、ポリアク
リル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比1:9と
し、実施例1と同様の方法でコーティング液を調製し、
積層体1を得た。
【0068】(比較例2)実施例1において、ポリアク
リル酸とポリビニルアルコールの固形分重量比9:1と
し、実施例1と同様の方法でコーティング液を調製し、
積層体1を得た。
【0069】(比較例3)実施例1において、総固形分
に対して水分散ブロックイソシアネート(武田薬品工業
(株)製、WB−720)を0.1重量%添加する以外
は実施例1と同様の方法で積層体1を得た。
【0070】(比較例4)実施例1において、総固形分
に対して水分散ブロックイソシアネート(武田薬品工業
(株)製、WB−720)を40重量%添加する以外は
実施例1と同様の方法で積層体1を得た。
【0071】上記実施例及び比較例で得られたガスバリ
アー材の吸水率の測定結果を表1に示す。また同様に上
記実施例及び比較例で得られた該積層体のレトルト処理
前後の酸素バリアー性の測定結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリアー材を、
(A)イオン性高分子成分と、(B)高水素結合を有す
る非イオン性高分子成分と、(C)両者を架橋する架橋
剤成分とを含有してなる組成物から形成し、しかも固形
分基準の吸水率を30重量%以下、特に20重量%以下
に抑制することにより、耐レトルト性と酸素バリアー性
とに優れ、生産性にも優れ、更に環境にも優しいガスバ
リアー材及びそれを用いた包装材が提供されるという利
点がある。また、本発明によれば、水性系での施用が可
能であり、環境汚染の問題を発生することないという利
点も達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリアー材の微細構造を模式的に
示す説明図である。
【図2】実施例で製造した積層体の断面構造を示す断面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 101/00 ZAB C08L 101/00 ZAB Fターム(参考) 3E067 AB01 BA03A BA04A BA07A BA10A BA17A BB15A BB16A BB22A BB25A BB26A BC02A CA04 FB13 GC02 3E086 AD01 AD04 AD05 AD06 BA02 BA04 BA15 BA24 BA35 BB01 CA03 4F006 AA35 AB12 AB20 AB24 AB65 BA05 CA07 4F100 AK01B AK01C AK07 AK42 AK48 AK54A AK70A BA03 BA05 BA10B BA10C BA44A CA02A EH462 GB15 GB23 JD02 JD15A JJ03 YY00A 4J002 AA03W AA05X AB04X BC12W BE02X BG01W BG07W BG08W BG13W BH02W BJ00W CC133 CC163 CC183 CC193 CD053 CD193 CD203 DK006 EE016 EF066 EF076 EL146 ER006 ET016 FD010 FD143 FD146 GG00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)イオン性高分子成分と、(B)高
    水素結合を有する非イオン性高分子成分と、(C)両者
    を架橋する架橋剤成分とを含有する組成物から形成さ
    れ、且つ固形分基準の吸水率が30重量%以下であるこ
    とを特徴とする耐レトルト性に優れたガスバリアー材。
  2. 【請求項2】 2成分基準で(A)イオン性高分子成分
    を20乃至80重量%、及び(B)非イオン性高分子成
    分を20乃至80重量%の量で含有し、上記合計量基準
    で(C)架橋剤を0.5乃至30重量%含有してなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のガスバリアー材。
  3. 【請求項3】 (A)イオン性高分子成分が連続相及び
    (B)非イオン性高分子成分が分散相となった海−島構
    造を有し、且つ前記連続相と分散相との間に架橋構造が
    形成されていることを特徴とする請求項1または2に記
    載のガスバリアー材。
  4. 【請求項4】 前記(A)イオン性高分子成分がアニオ
    ン性高分子であることを特徴とする請求項1または2に
    記載のガスバリアー材。
  5. 【請求項5】 前記(A)イオン性高分子成分がエチレ
    ン系不飽和カルボン酸単位を含有する重合体または共重
    合体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載のガスバリアー材。
  6. 【請求項6】 前記(B)非イオン性高分子成分がポリ
    アルコール類であることを特徴とする請求項1乃至4の
    何れかに記載のガスバリアー材。
  7. 【請求項7】 前記(C)架橋剤がイオン性基と水酸基
    に対して反応性を有する架橋剤であることを特徴とする
    請求項1乃至5の何れかに記載のガスバリアー材。
  8. 【請求項8】 前記(C)架橋剤がメチロール基含有化
    合物、イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド化
    合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    乃至6の何れかに記載のガスバリアー材。
  9. 【請求項9】 溶液或いは分散液の形でコーティングに
    用いられることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに
    記載のガスバリアー材。
  10. 【請求項10】 プラスチック基体の表面或いはプラス
    チックの層間に請求項1乃至8の何れかに記載のガスバ
    リアー材を備えてなることを特徴とする包装材。
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