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JP2002301577A - マルテンサイト系ステンレス鋼の接合方法 - Google Patents

マルテンサイト系ステンレス鋼の接合方法

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JP2002301577A
JP2002301577A JP2001107189A JP2001107189A JP2002301577A JP 2002301577 A JP2002301577 A JP 2002301577A JP 2001107189 A JP2001107189 A JP 2001107189A JP 2001107189 A JP2001107189 A JP 2001107189A JP 2002301577 A JP2002301577 A JP 2002301577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joining
cooling
stainless steel
martensitic stainless
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001107189A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Horio
浩次 堀尾
Kazunari Kito
一成 鬼頭
Shigeyuki Inagaki
繁幸 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルテンサイト系ステンレス鋼の加熱接合にお
いて、短い接合作業時間で、割れ、その他の欠陥を生じ
ることがない健全な接合部が得られる接合方法を提供す
る。 【解決手段】マルテンサイト系ステンレス鋼の拡散接合
において、加熱接合後の冷却時に、加熱された部位を強
制冷却し、1100℃以上の間は0.6℃/s〜10℃
/s、1100℃未満〜300℃の間は2.4℃/s〜
25℃/s、300℃未満〜100℃の間は0.6℃/
s〜8℃/sの冷却速度で冷却する。(C+N)含有率
0.05質量%以下のマルテンサイト系ステンレス鋼の
場合は、1100℃以上の間は0.6℃/s〜10℃/
s、1100℃未満〜100℃の間は2.4℃/s〜3
0℃/sの冷却速度で冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油掘削管、化学
プラントなどの配管に用いられるマルテンサイト系ステ
ンレス鋼の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SUS410などのマルテンサイト系ス
テンレス鋼は、耐食性、耐熱性に優れ、オーステナイト
系ステンレス鋼と比較すると安価なことから、耐摩耗
性、耐硫化水素性を要する石油掘削管とか硫酸プラント
などの各種化学プラント装置の配管の材料として多く用
いられている。石油掘削においては、掘削作業の進捗に
したがって、ケーシングチューブを順次接合して延長
し、その総長は数千mにもおよぶ。また、化学プラント
の製造工程では、現地組立工程において、マルテンサイ
ト系ステンレス鋼管同士の接合作業が多数必要となる。
これらの接合方法としては、フランジ継手、ねじ込み形
継手などの機械的接合方法も用いられるが、接合部の気
密性が良好であり、接合強度も良好であることから、頻
繁に取外しを行う必要がない部位の接合には、突合せ溶
接のように接合部を溶融して接合する方法も多く用いら
れている。
【0003】加熱を伴う接合方法(加熱接合)として
は、上述の突合せ溶接のような溶接接合のほか、接合部
にインサート材を介挿して該接合部を高温に加熱し、前
記インサート材を溶融拡散する拡散接合、接合部を高温
に加熱して接合面に高圧を加えて接合する圧接法などが
行われている。
【0004】ところで、マルテンサイト系ステンレス鋼
は、自硬性がある材料であることから、高温に加熱して
接合するとき、接合作業が終了した後の冷却過程におい
て、溶融金属および溶接熱影響部などの高温に加熱され
た部分が硬化する。これに伴って、接合部に靭性の低下
を生じたり、熱応力によって割れを生じたりするおそれ
がある。これらの不具合を防ぐために、通常、マルテン
サイト系ステンレス鋼の加熱接合後の冷却は、できるだ
け徐冷するものとされている。さらには、鋼の強靭化を
はかるため、接合後焼戻し熱処理を施す。そのためマル
テンサイト系ステンレス鋼の接合には長時間を要し、接
合後の冷却に長時間を要し、接合作業の冗長化が避けら
れなかった。石油掘削用ケーシングチューブの接合と
か、化学プラントの配管接合のような現地組立て作業で
は、能率向上、工期短縮の観点からマルテンサイト系ス
テンレス鋼の接合作業時間を一層短縮することが望まれ
ている。石油掘削用マルテンサイト系ステンレス鋼管の
接合においては、被接合材を接合装置にセットしてから
接合作業終了までの所要時間として、現状では30分間
を要しているが、これを10分間以下とすることが望ま
れている。
【0005】上記のようなマルテンサイト系ステンレス
鋼の加熱接合における所要時間の冗長化を改善するた
め、例えば、特開平8−311563号公報では、接合
面にインサート材を挿入し、被接合材の融点以下の温度
域に加熱し、加圧して液相拡散接合した後の冷却途中に
おいて、840〜950℃の温度で加熱保持し、次いで
その温度から30℃/h以下の冷却速度で冷却する方法
が提案されている。この方法によれば、接合後になんら
の熱処理を行うことなく靭延性に富む接合部が得られる
という。しかし、この方法では、作業時間が1継手当り
20時間以上という長時間を要する。
【0006】また、高周波誘導加熱あるいは高周波直接
通電加熱によって接合部を加熱して行う拡散接合におい
て、インサート材の融点、インサート材の厚さ、接合界
面の表面粗さ、および接合温度、接合圧力等の接合条件
を改善することにより、被接合材を接合装置にセットし
た後、接合作業が終了するまでの所要時間は1継手当り
12分まで短縮されている(特開平11−197853
号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マルテンサ
イト系ステンレス鋼の加熱接合において、短い接合作業
時間で、割れ、その他の欠陥を生じることがない健全な
接合部が得られる接合方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに種々検討した結果、発明者らは、マルテンサイト系
ステンレス鋼の加熱接合において、前記加熱接合後の冷
却時に、加熱された部位を強制冷却して冷却所要時間を
短縮しつつ、特定の温度区間における冷却速度を制御す
ることによって、割れ、その他の欠陥を生じることがな
い健全な接合部が得られることを見出した。すなわち、
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の接合方法は、 (1)マルテンサイト系ステンレス鋼の加熱接合におい
て、加熱接合後の冷却時に、加熱された部位を強制冷却
することによって、前記部位の温度が1100℃以上の
間は0.6℃/s〜10℃/sの冷却速度で冷却し、1
100℃未満〜300℃の間は2.4℃/s〜25℃/
sの冷却速度で冷却し、300℃未満〜100℃の間は
0.6℃/s〜8℃/sの冷却速度で冷却することを特
徴とする。 (2)質量%で、(C+N):0.05%以下を含有す
るマルテンサイト系ステンレス鋼の加熱接合において、
前記加熱接合後の冷却時に、加熱された部位を強制冷却
することによって、前記部位の温度が1100℃以上の
間は0.6℃/s〜10℃/sの冷却速度で冷却し、1
100℃未満〜100℃の間は2.4℃/s〜30℃/
sの冷却速度で冷却することを特徴とする。 (3)前記(1)および(2)のいずれか1項記載のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の接合方法において、前記
加熱接合が拡散接合であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のマルテンサイト系ステン
レス鋼の接合方法においては、被接合材であるマルテン
サイト系ステンレス鋼を接合装置にセットし、次いで該
接合装置が備える、加熱手段によって被接合材を接合温
度に加熱し、接合操作を行って前記接合材を接合した
後、冷却媒を用いて前記加熱によって加熱された部位を
強制冷却する。そして、前記部位の温度が1100℃以
上の間は0.6℃/s〜10℃/sの冷却速度で冷却
し、1100℃未満〜300℃の間は2.4℃/s〜2
5℃/sの冷却速度で冷却し、300℃未満〜100℃
の間は0.6℃/s〜8℃/sの冷却速度で冷却する。
【0010】被接合材であるマルテンサイト系ステンレ
ス鋼の(C+N)含有率が0.05質量%以下の場合に
は、上記の強制冷却において1100℃未満〜100℃
の間は2.4℃/s〜30℃/sの冷却速度で冷却して
もよい。
【0011】ここに、マルテンサイト系ステンレス鋼
は、例えば、SUS403、SUS410、SUS41
0J1、SUS416、SUS420J1、SUS43
1などのようにC:0.25質量%以下、Cr:11〜
17質量%を含み、焼入れによってマルテンサイト変態
する鋼とする。これらの鋼は自硬性を有し、変態点以上
の温度から空冷することによってマルテンサイト変態を
生じ、硬化する。
【0012】加熱を伴う接合(加熱接合)の方法として
は、突合せ溶接のような溶接接合のほか、接合部にイン
サート材を介挿して該接合部を高温に加熱するとともに
接合面に加圧し、前記インサート材を溶融拡散する拡散
接合、接合部を高温に加熱して接合面に高圧を加えて接
合する圧接法などで行うことができる。しかし、加熱お
よび接合操作の迅速性の点から、拡散接合法で行うのが
好ましい。また、加熱の迅速性の点から、拡散接合、鍛
接を行う際の加熱は、高周波誘導加熱または高周波直接
通電加熱によることが好ましい。前記接合装置は、少な
くとも、被接合材を把持する手段および上述の加熱接合
を行うのに適した加熱手段と接合手段とを備えるものと
する。
【0013】接合操作終了後の強制冷却は、例えば、温
度測定手段と、計時手段と、冷却パターンの設定手段
と、演算回路と、冷却剤の噴出量を調整する手段等を備
える制御冷却機構および冷却剤噴出機構とを用いて行う
のが好ましい。
【0014】ここに、温度測定手段は、加熱された部位
の温度を計測するためのものである。計時手段は、温度
測定の時刻を記録するためのものである。冷却パターン
の設定手段は、各時刻における温度を設定するためのも
のである。演算回路は、温度測定手段と計時手段とによ
って得られらデータから冷却速度を算定する。算定され
た冷却速度と冷却パターンの設定手段によって設定され
る冷却速度とを比較し、その差額に応じて冷却剤の噴出
量を調整する手段を作動させ、設定された冷却パターン
に沿って冷却が行われるようにする。冷却剤の噴出量を
調整する手段としては、例えば、電磁開閉弁を用いるこ
とができる。冷却剤噴出機構は、少なくとも、冷却剤の
貯蔵部、冷却剤の輸送機構、冷却剤の噴出ノズル部を備
える。
【0015】演算回路は、温度測定手段と計時手段とに
よって得られらデータから冷却速度を算定するととも
に、該算定された冷却速度と冷却パターンの設定手段に
よって設定した冷却速度とを比較し、その差異に応じて
冷却剤の噴出量を調整する手段と冷却剤噴出手段とを作
動させて冷却剤の噴出ノズル部から噴出する冷却剤の量
を調整する。冷却剤としては、空気のほか、アルゴンや
窒素のような不活性ガスを用いることができるが、好ま
しくは水を用いる。
【0016】次に、本発明のマルテンサイト系ステンレ
ス鋼の接合方法において、加熱接合後の冷却時に、所定
の温度区間内の冷却速度を限定する理由について説明す
る。本発明が対象とするマルテンサイト系ステンレス鋼
は、1100℃以上の高温に加熱すると、鋼中の炭化
物、窒化物が固溶して結晶粒が粗大化し、鋼の機械的性
質に大きな影響をもたらす。また、この鋼のMs点は3
00℃付近にあって高温からの急冷によってマルテンサ
イト変態を生じ、大きな容積変化をもたらすとともに機
械的性質が大きく変わる。
【0017】本発明者は、種々実験・調査の結果、接合
時の加熱温度からの冷却において、温度区間を1100
℃以上、1100℃未満〜300℃、300℃未満〜1
00℃の3区間に分け、各温度区間の冷却速度を調整す
ることにより、有害な欠陥を生じることなく短時間内に
高温から100℃まで冷却できることを見出したもので
ある。すなわち、
【0018】1100℃以上の温度区間は0.6℃/s
〜10℃/sの冷却速度で冷却する。冷却速度が10℃
/sより高いと接合部に割れを生じるので1100℃以
上の温度区間における冷却速度の上限を10℃/sとす
る。また、冷却速度が0.6℃/sより低いと冷却時間
が冗長となるので1100℃以上の温度区間における冷
却速度の下限を0.6℃/sとする。
【0019】1100℃未満〜300℃の温度区間は
2.4℃/s〜25℃/sの冷却速度で冷却する。冷却
速度が25℃/sより高いと接合部に割れを生じるので
1100℃未満〜300℃の温度区間における冷却速度
の上限を25℃/sとする。また、冷却速度が2.4℃
/sより低いと冷却時間が冗長となるので1100℃未
満〜300℃の温度区間における冷却速度の下限を2.
4℃/sとする。
【0020】300℃未満〜100℃の温度区間は0.
6℃/s〜8℃/sの冷却速度で冷却する。冷却速度が
8℃/sより高いと接合部に割れを生じるので300℃
未満〜100℃の温度区間における冷却速度の上限を8
℃/sとする。また、冷却速度が0.6℃/sより低い
と冷却時間が冗長となるので300℃未満〜100℃の
区間における冷却速度の下限を0.6℃/sとする。
【0021】被接合材の(C+N)含有率が0.05質
量%以下である場合は、マルテンサイト変態による容積
変化が小さく、また、生成するマルテンサイトの組織の
靭性も比較的大きいので1100℃未満〜100℃の温
度区間における冷却速度の上限を30℃/sとすること
ができる。この場合には冷却時間の冗長化をさけるため
冷却速度の下限を2.4℃/sとする。
【0022】なお、冷却速度を制御しつつ冷却する下限
の温度を100℃とする理由は、本発明が対象とするマ
ルテンサイト系ステンレス鋼においては、100℃以上
の温度で変態などの大きな組織変化は概ね終了してしま
うし。また、100℃より低温では熱応力等の力学的影
響も僅少となるからである。さらに、石油掘削等の用途
において石油類の発火点120℃を十分に下回ってお
り、接合材が蓄える余熱による発火の危険性を防ぐこと
による。
【0023】加熱接合の際には、接合部のみでなく、接
合部の近傍一帯の領域が付随的に加熱されるので、これ
らの加熱された領域全てについて前記のように冷却速度
を制御して冷却する必要がある。
【0024】以上、マルテンサイト系ステンレス鋼の接
合方法によって、短い接合作業時間で、割れその他の欠
陥を生じることがない健全な接合部が得られるが、前記
接合後、さらに、700〜750℃の温度に加熱して6
0s以上保持する後熱処理を施すことが好ましい。該後
熱処理よって接合材の靭性を高めることができる。
【0025】
【実施例】(C+N)含有率0.2質量%のSUS41
0相当鋼(鋼1)で製造された外径140mm、肉厚7
mmの鋼管について液相拡散接合法によって該鋼管の端
面を突合せ接合した。前記突合せ接合は、高周波誘導加
熱式接合装置を用いて行った。該接合装置は、被接合材
を把持する把持手段、接合面に圧力を加える加圧手段、
接合部を加熱する高周波誘導加熱手段を備え、かつ、温
度測定手段、計時手段、加熱・冷却パターンの設定手
段、演算回路、冷却剤の噴出量を調整する手段等を有す
る制御機構および冷却剤噴出機構を備える。
【0026】2本の鋼管の、それぞれの端面の間にイン
サート材を介挿し、前記把持手段を用いて、前記2本の
鋼管を把持するとともに、加圧手段によって両鋼管を互
いに軸方向に押圧してインサート材を挟圧した。インサ
ート材としては、厚さ40μmのBNi−2合金箔を用
いた。また、インサート材を挟圧する圧力は4MPaと
した。
【0027】接合部を取囲むように、前記高周波誘導加
熱手段が備える高周波誘導加熱コイルを配置し、これに
周波数3kHzの高周波電流を流して前記接合部を加熱
し、60秒間で温度1300℃まで昇温した後、30秒
間加熱保持した。次いで、前記高周波誘導加熱コイルを
挟んで接合部の周囲に配置した冷却剤噴射ノズルから水
を噴出して接合部およびその近傍の被加熱領域を冷却し
た。
【0028】接合部の温度は放射温度計により測定し、
その測定された温度データより接合部の温度が予め設定
された温度パターンとなるように高周波電源の出力、冷
却剤噴出量を前記制御機構によって制御した。冷却終了
後、前記高周波誘導加熱手段と前記制御機構とを用いて
接合部およびその近傍の加熱影響部の温度を30秒間で
720℃まで加熱し、60秒間保持後30秒間で100
℃まで冷却する後熱処理を施して接合体を得た。
【0029】前記接合体について浸透探傷試験を行って
接合部の割れの有無を調べた。また、前記接合体から、
中央部に接合部を有し、JIS Z 3121に準ずる
3号試験片を切出して引張試験に供した。さらに、中央
に接合部を有し、接合界面にVノッチを設けたJIS
Z 2202に準ずる4号ハーフサイズシャルピー衝撃
試験片を切出してシャルピー試験に供した。(C+N)
含有率0.05質量%のSUS410相当鋼(鋼2)に
ついても、鋼1と同様にして接合体を得て、各試験片を
作成し、試験を行った。
【0030】試験結果を表1に示す。表1には、接合後
の冷却に要する時間を冷却時間として、また、接合装置
に被接合材をセットした後、接合体の冷却を終了するま
での時間(加熱時間60秒+保持時間30秒+冷却時間
+後熱処理時間120秒)を作業時間として示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、比較例では冷却
時間は短いが、接合後の冷却で接合部に割れを生じた。
これに対して、実施例はいずれの接合体も浸透探傷試験
で割れが認められず、また、引張試験の結果でも破断位
置は母材であって、接合部が健全なことを示している。
【0033】後熱処理を行わなかった実施例5および実
施例8は、後熱処理を行ったものと比較すると作業時間
は短いが、シャルピー衝撃値が劣る。しかし、鋼2のよ
うに(C+N)含有率の低い鋼を用いれば、後熱処理を
省略しても十分に実用的な耐衝撃特性を示すので、可及
的短時間で接合する必要があるときには有効な手段とい
える。冷却速度が本発明の範囲を超えて低い場合は、冷
却時間が390秒間を超え、作業時間が10分間を超え
る長時間となってしまう。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のマルテ
ンサイト系ステンレス鋼の接合方法によれば、短い接合
作業時間で、割れ、その他の欠陥を生じることがない健
全なマルテンサイト系ステンレス鋼の接合体を得ること
ができ、石油掘削用ケーシングチューブの接合、化学装
置配管の継手接合など、作業現場におけるマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の接合作業の能率を著しく向上し、そ
の経済効果は極めて大きいといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 繁幸 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E067 AA03 BA00 DC06 EA03 EC06 4K042 AA24 BA06 BA11 CA07 CA10 CA11 DA06 DE01 DE06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルテンサイト系ステンレス鋼の加熱接
    合において、加熱接合後の冷却時に、加熱された部位を
    強制冷却することによって、前記部位の温度が1100
    ℃以上の間は0.6℃/s〜10℃/sの冷却速度で冷
    却し、1100℃未満〜300℃の間は2.4℃/s〜
    25℃/sの冷却速度で冷却し、300℃未満〜100
    ℃の間は0.6℃/s〜8℃/sの冷却速度で冷却する
    ことを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の接合
    方法。
  2. 【請求項2】 質量%で、(C+N):0.05%以下
    を含有するマルテンサイト系ステンレス鋼の加熱接合に
    おいて、前記加熱接合後の冷却時に、加熱された部位を
    強制冷却することによって、前記部位の温度が1100
    ℃以上の間は0.6℃/s〜10℃/sの冷却速度で冷
    却し、1100℃未満〜100℃の間は2.4℃/s〜
    30℃/sの冷却速度で冷却することを特徴とするマル
    テンサイト系ステンレス鋼の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱接合が拡散接合であることを特
    徴とする請求項1および請求項2のいずれか1項記載の
    マルテンサイト系ステンレス鋼の接合方法。
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