JP2002293644A - 太陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を用いた太陽電池とその太陽電池を文字板に用いた太陽電池時計 - Google Patents
太陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を用いた太陽電池とその太陽電池を文字板に用いた太陽電池時計Info
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 欠けや亀裂等の欠陥や、歪み、反りを生じる
ことない太陽電池に好適な太陽電池用基板を提供するこ
と。 【解決手段】 太陽電池用基板において、大きな粉体と
それよりも小さな粉体を任意の割合で混合したセラミッ
ク粉体の原料粉と、バインダーを含む成型体を焼結させ
たセラミック基板であることを特徴とする。
ことない太陽電池に好適な太陽電池用基板を提供するこ
と。 【解決手段】 太陽電池用基板において、大きな粉体と
それよりも小さな粉体を任意の割合で混合したセラミッ
ク粉体の原料粉と、バインダーを含む成型体を焼結させ
たセラミック基板であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は凹凸形状を有する太
陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を
用いて形成された太陽電池並びにその太陽電池を搭載し
た太陽電池時計に関するものである。
陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を
用いて形成された太陽電池並びにその太陽電池を搭載し
た太陽電池時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミック基板上に太陽電池を形成し、
その太陽電池基板が文字板を兼ねた構成の太陽電池時計
が普及している。前記太陽電池時計の文字板を透光性と
し、該セラミック基板を光入射側に配置して、該セラミ
ック基板の光透過率を制御することで、太陽電池の色味
やパターンを視認し難くすることができる。しかしなが
ら、前記太陽電池の色味やパターンを認識し難くするた
めには、セラミック基板の光透過率を下げなくてはなら
ないので、セラミック基板によって減少された光量を如
何に効率よく太陽電池の発電に寄与させるかが技術課題
として検討が成されている。
その太陽電池基板が文字板を兼ねた構成の太陽電池時計
が普及している。前記太陽電池時計の文字板を透光性と
し、該セラミック基板を光入射側に配置して、該セラミ
ック基板の光透過率を制御することで、太陽電池の色味
やパターンを視認し難くすることができる。しかしなが
ら、前記太陽電池の色味やパターンを認識し難くするた
めには、セラミック基板の光透過率を下げなくてはなら
ないので、セラミック基板によって減少された光量を如
何に効率よく太陽電池の発電に寄与させるかが技術課題
として検討が成されている。
【0003】セラミック基板上に形成された太陽電池
は、下部電極層と、発電層(例えばアモルファスシリコ
ン層)と、上部電極層の積層膜で構成されおり、前記太
陽電池の発電層への光の吸収量を増加させるために、表
面に凹凸形状が形成された基板上に前記積層膜を形成
し、光電変換効率を向上させていた。その透光性を有す
るセラミック基板の形成は、セラミック原料に0.01
〜1μm程度の平均粒径が一定の微粉末を緻密に配した
成型体を焼結し、気孔の混在を極力減らした状態のセラ
ミック基板を形成する。そのセラミック基板にブラスト
処理等の2次加工を行って表面に凹凸形状を有するセラ
ミック基板を形成する事ができる。
は、下部電極層と、発電層(例えばアモルファスシリコ
ン層)と、上部電極層の積層膜で構成されおり、前記太
陽電池の発電層への光の吸収量を増加させるために、表
面に凹凸形状が形成された基板上に前記積層膜を形成
し、光電変換効率を向上させていた。その透光性を有す
るセラミック基板の形成は、セラミック原料に0.01
〜1μm程度の平均粒径が一定の微粉末を緻密に配した
成型体を焼結し、気孔の混在を極力減らした状態のセラ
ミック基板を形成する。そのセラミック基板にブラスト
処理等の2次加工を行って表面に凹凸形状を有するセラ
ミック基板を形成する事ができる。
【0004】その具体的な構成とその製造方法を図3を
用いて説明する。従来の太陽電池用基板で最も発電効率
を向上させることができる基板構造は、図3(c)に示
すような第1の凹凸段差部1の表面に、それよりも小さ
い第2の凹凸段差部2を有する透光性セラミック基板5
8である。前記基板を用いて、その上層に前記太陽電池
を形成すれば、基板表面に設けた第1、第2の大小の凹
凸段差部の形状により前記積層膜との界面で光が散乱
し、アモルファスシリコン層内での光路長を増加させる
ことができ、太陽電池の短絡電流及び光電変換効率を向
上させることができる。
用いて説明する。従来の太陽電池用基板で最も発電効率
を向上させることができる基板構造は、図3(c)に示
すような第1の凹凸段差部1の表面に、それよりも小さ
い第2の凹凸段差部2を有する透光性セラミック基板5
8である。前記基板を用いて、その上層に前記太陽電池
を形成すれば、基板表面に設けた第1、第2の大小の凹
凸段差部の形状により前記積層膜との界面で光が散乱
し、アモルファスシリコン層内での光路長を増加させる
ことができ、太陽電池の短絡電流及び光電変換効率を向
上させることができる。
【0005】その製造方法を以下に示す。図3(a)に
示す表面が平滑な透光性セラミック基板58には、気孔
の含有量を減らすために平均粒径1μmの一定なセラミ
ック微粉末を用いており、これを周知のドクターブレー
ド法により成形後、例えばセラミック微粉末がアルミナ
の場合には1800度付近で焼結すると30%前後の透
光性を得ることができる。
示す表面が平滑な透光性セラミック基板58には、気孔
の含有量を減らすために平均粒径1μmの一定なセラミ
ック微粉末を用いており、これを周知のドクターブレー
ド法により成形後、例えばセラミック微粉末がアルミナ
の場合には1800度付近で焼結すると30%前後の透
光性を得ることができる。
【0006】また、前記第1、第2の大小の凹凸段差部
を形成する方法としては、サンドブラスト処理を2回施
している。具体的には、図3(a)に示すように、平滑
な透光性セラミック基板58の表面に粒径50μm以上
の第1の砥粒60を用いて1回目のサンドブラスト処理
を行い、図3(b)に示す平均段差d1が3μm以上に
なる第1の凹凸段差部1を形成し、粒径20μm以下の
第2の砥粒62を用いて2回目のサンドブラスト処理を
施すことにより、図3(c)に示す第1の凹凸段差部1
の表面に、平均段差d2が0.5μm以下の第2の凹凸
段差部2を有する太陽電池形成面64を備えた透光性セ
ラミック基板60を得ることができる。
を形成する方法としては、サンドブラスト処理を2回施
している。具体的には、図3(a)に示すように、平滑
な透光性セラミック基板58の表面に粒径50μm以上
の第1の砥粒60を用いて1回目のサンドブラスト処理
を行い、図3(b)に示す平均段差d1が3μm以上に
なる第1の凹凸段差部1を形成し、粒径20μm以下の
第2の砥粒62を用いて2回目のサンドブラスト処理を
施すことにより、図3(c)に示す第1の凹凸段差部1
の表面に、平均段差d2が0.5μm以下の第2の凹凸
段差部2を有する太陽電池形成面64を備えた透光性セ
ラミック基板60を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の方法においては、透光性セラミック基板の表面が、
粒径50μm以上の第1の砥粒60によってダメージを
受け多くの欠けや亀裂が不規則に生じており、2回目の
サンドブラスト処理によって比較的滑らかな表面に加工
できるが、完全に欠陥を取り除かれた透光性太陽電池用
基板を形成することはできない。
術の方法においては、透光性セラミック基板の表面が、
粒径50μm以上の第1の砥粒60によってダメージを
受け多くの欠けや亀裂が不規則に生じており、2回目の
サンドブラスト処理によって比較的滑らかな表面に加工
できるが、完全に欠陥を取り除かれた透光性太陽電池用
基板を形成することはできない。
【0008】さらに、一般にブラスト処理を行うと被ブ
ラスト物に歪みや反りが生じるため、基板にサンドブラ
スト処理を2回行うことによって、より歪みや反りの程
度が大きくなる問題もある。特に文字板を兼ねて太陽電
池時計に搭載した際には、携帯中の衝撃等で割れる可能
性があるので、信頼性に欠けてしまう。
ラスト物に歪みや反りが生じるため、基板にサンドブラ
スト処理を2回行うことによって、より歪みや反りの程
度が大きくなる問題もある。特に文字板を兼ねて太陽電
池時計に搭載した際には、携帯中の衝撃等で割れる可能
性があるので、信頼性に欠けてしまう。
【0009】本発明の目的は、上記技術的課題に鑑みて
為されたものであって、欠けや亀裂等の欠陥や、歪み、
反りを生じることない太陽電池に好適な第1、第2の凹
凸段差部を有する太陽電池用基板と、その製造方法、及
びその太陽電池用基板を用いて構成された太陽電池、並
びにその太陽電池を搭載した太陽電池時計を提供するこ
とである。
為されたものであって、欠けや亀裂等の欠陥や、歪み、
反りを生じることない太陽電池に好適な第1、第2の凹
凸段差部を有する太陽電池用基板と、その製造方法、及
びその太陽電池用基板を用いて構成された太陽電池、並
びにその太陽電池を搭載した太陽電池時計を提供するこ
とである。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明の太陽電池用基板
は、太陽電池用基板において、大きな粉体とそれよりも
小さな粉体を任意の割合で混合したセラミック粉体の原
料粉と、バインダーを含む成型体を焼結させたセラミッ
ク基板であることを特徴とする。
は、太陽電池用基板において、大きな粉体とそれよりも
小さな粉体を任意の割合で混合したセラミック粉体の原
料粉と、バインダーを含む成型体を焼結させたセラミッ
ク基板であることを特徴とする。
【0011】本発明の太陽電池用基板は、前記大きな粉
体が粒径3〜6μm粒子であり、前記小さな粉体が0.
5〜1μm粒子であり、前記セラミック粉体の原料粉が
全体の80〜95重量%で構成されており、前記バイン
ダーが、全体の20〜5重量%の有機質のバインダで構
成されていることを特徴とする。
体が粒径3〜6μm粒子であり、前記小さな粉体が0.
5〜1μm粒子であり、前記セラミック粉体の原料粉が
全体の80〜95重量%で構成されており、前記バイン
ダーが、全体の20〜5重量%の有機質のバインダで構
成されていることを特徴とする。
【0012】本発明の太陽電池用基板は、前記セラミッ
ク基板の表面が、平均段差3μm以上の第1の凹凸段差
部を有していることを特徴とする。
ク基板の表面が、平均段差3μm以上の第1の凹凸段差
部を有していることを特徴とする。
【0013】本発明の太陽電池用基板は、前記第1の凹
凸段差部の表面にそれよりも小さな第2の凹凸段差部が
形成されていることを特徴とする。
凸段差部の表面にそれよりも小さな第2の凹凸段差部が
形成されていることを特徴とする。
【0014】本発明の太陽電池用基板は、前記第2の凹
凸段差部が、セラミック基板上に形成される太陽電池の
発電層の厚みよりも小さい平均段差で構成されているこ
とを特徴とする。
凸段差部が、セラミック基板上に形成される太陽電池の
発電層の厚みよりも小さい平均段差で構成されているこ
とを特徴とする。
【0015】本発明の太陽電池用基板は、前記第2の凹
凸段差部が、砥粒加工により形成されていることを特徴
とする。
凸段差部が、砥粒加工により形成されていることを特徴
とする。
【0016】本発明の太陽電池用基板は、前記砥粒加工
が、サンドブラスト法または液体ホーニング法であるこ
とを特徴とする。
が、サンドブラスト法または液体ホーニング法であるこ
とを特徴とする。
【0017】本発明の太陽電池用基板は、前記セラミッ
ク基板の焼結温度が、1700〜1900℃であり、該
セラミック基板が20〜50%の透過率することを特徴
とする。
ク基板の焼結温度が、1700〜1900℃であり、該
セラミック基板が20〜50%の透過率することを特徴
とする。
【0018】本発明の太陽電池用基板の製造方法は、大
きな粉体とそれよりも小さな粉体を、それぞれ任意の割
合で混合したセラミック粉体の原料粉とバインダを含む
基板状の成型体を形成する工程と、該成型体を焼成して
焼結体を形成する工程を具備することを特徴とする。
きな粉体とそれよりも小さな粉体を、それぞれ任意の割
合で混合したセラミック粉体の原料粉とバインダを含む
基板状の成型体を形成する工程と、該成型体を焼成して
焼結体を形成する工程を具備することを特徴とする。
【0019】本発明の太陽電池用基板の製造方法は、前
記焼結体を砥粒加工して第2の凹凸段差部を形成するこ
とを特徴とする。
記焼結体を砥粒加工して第2の凹凸段差部を形成するこ
とを特徴とする。
【0020】本発明の太陽電池用基板の製造方法は、前
記砥粒加工が、サンドブラスト法または液体ホーニング
法であることを特徴とする。
記砥粒加工が、サンドブラスト法または液体ホーニング
法であることを特徴とする。
【0021】本発明の太陽電池は、前記太陽電池用基板
を用いたことを特徴とする。
を用いたことを特徴とする。
【0022】本発明の太陽電池時計は、前記太陽電池用
基板が文字板であることを特徴とする。
基板が文字板であることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の透光性太陽電池用基板
は、3〜6μmの大きな粉体と0.5〜1μmの小さな
粉体により板状の成型体を形成し、その成型体を焼結し
て形成されたセラミック基板である。該セラミック基板
は、大きな粉体の隙間に小さな粉体が緻密に充填された
基板であるので、光透過率を成型体の焼成温度により容
易に制御することができる。
は、3〜6μmの大きな粉体と0.5〜1μmの小さな
粉体により板状の成型体を形成し、その成型体を焼結し
て形成されたセラミック基板である。該セラミック基板
は、大きな粉体の隙間に小さな粉体が緻密に充填された
基板であるので、光透過率を成型体の焼成温度により容
易に制御することができる。
【0024】その製造方法を説明する。粒径3〜6μm
の粒子と粒径0.5〜1μmの粒子を任意の割合で混合
した80〜95重量%のセラミック粉体の原料粉と、2
0〜5重量%の有機質のバインダにより、平均段差3μ
m以上の第1の凹凸段差部1を有する成型体を形成し
た。その成型体を1700〜1900℃に制御して焼成
し、20〜50%の所望の透過率を有する焼結体を作成
した。その後、第1の凹凸段差部1表面に1回だけブラ
スト処理を施して、太陽電池の発電層の厚み以下の平均
段差の第2の凹凸段差部2が形成された構造体を形成す
るので、従来の2回ブラスト処理によって生じる基板の
欠陥や歪み、反りを最小限に抑えることができる。
の粒子と粒径0.5〜1μmの粒子を任意の割合で混合
した80〜95重量%のセラミック粉体の原料粉と、2
0〜5重量%の有機質のバインダにより、平均段差3μ
m以上の第1の凹凸段差部1を有する成型体を形成し
た。その成型体を1700〜1900℃に制御して焼成
し、20〜50%の所望の透過率を有する焼結体を作成
した。その後、第1の凹凸段差部1表面に1回だけブラ
スト処理を施して、太陽電池の発電層の厚み以下の平均
段差の第2の凹凸段差部2が形成された構造体を形成す
るので、従来の2回ブラスト処理によって生じる基板の
欠陥や歪み、反りを最小限に抑えることができる。
【0025】前記透光性太陽電池用基板表面に形成され
た太陽電池の構成と、その効果について図1(b)を用
いて説明する。図1(b)は、本発明の製造方法による
透光性太陽電池用基板を用いて形成したアモルファスシ
リコン太陽電池の断面図である。本発明により形成され
た太陽電池42は、平均段差3μm以上の第1の凹凸段
差部1の表面に、太陽電池の発電層の厚み以下の平均段
差の第2の凹凸段差部2が形成された透光性太陽電池用
基板24の太陽電池形成面26に、下部電極層として透
明導電膜28、発電層としてアモルファスシリコン膜3
8、上部電極層としてAl、Agなどの金属膜40が順
次積層されている。アモルファスシリコン膜38はアモ
ルファスシリコンカーボンp層(以下p層と略す)3
0、アモルファスシリコンカーボンバッファー層(以下
b層と略す。)32、アモルファスシリコンi層(以下
i層と略す。)34、アモルファスシリコンn層(以下
n層と略す。)36の順に積層した構成体である。
た太陽電池の構成と、その効果について図1(b)を用
いて説明する。図1(b)は、本発明の製造方法による
透光性太陽電池用基板を用いて形成したアモルファスシ
リコン太陽電池の断面図である。本発明により形成され
た太陽電池42は、平均段差3μm以上の第1の凹凸段
差部1の表面に、太陽電池の発電層の厚み以下の平均段
差の第2の凹凸段差部2が形成された透光性太陽電池用
基板24の太陽電池形成面26に、下部電極層として透
明導電膜28、発電層としてアモルファスシリコン膜3
8、上部電極層としてAl、Agなどの金属膜40が順
次積層されている。アモルファスシリコン膜38はアモ
ルファスシリコンカーボンp層(以下p層と略す)3
0、アモルファスシリコンカーボンバッファー層(以下
b層と略す。)32、アモルファスシリコンi層(以下
i層と略す。)34、アモルファスシリコンn層(以下
n層と略す。)36の順に積層した構成体である。
【0026】第2の凹凸段差部2は、積層膜の界面での
光を散乱させる効果があり、たとえば光の散乱は屈折率
(n)の差が大きい界面で散乱させることができる。つ
まり、透明導電膜(n=1.9)と、アモルファスシリ
コン膜(n=3.5)の界面で、導光された光はより大
きく散乱されることとなる。屈折した光はi層34を斜
めに導光されることとなり、光が垂直に導光される場合
と比べて光路長をより長くさせることができ、その結果
として、太陽電池の光のi層34への吸収量が増加して
短絡電流を増加させることができる。
光を散乱させる効果があり、たとえば光の散乱は屈折率
(n)の差が大きい界面で散乱させることができる。つ
まり、透明導電膜(n=1.9)と、アモルファスシリ
コン膜(n=3.5)の界面で、導光された光はより大
きく散乱されることとなる。屈折した光はi層34を斜
めに導光されることとなり、光が垂直に導光される場合
と比べて光路長をより長くさせることができ、その結果
として、太陽電池の光のi層34への吸収量が増加して
短絡電流を増加させることができる。
【0027】前記第2の凹凸段差部2が大きくなるよう
に設定して前記積層膜の界面の凹凸を大きくすれば、光
の散乱効果をより増大させることができるが、凹凸の段
差がアモルファスシリコン膜38の厚み(一般的には
0.5μm程度)よりも大きくなると、上部電極層の金
属膜40と下部電極層の透明導電膜28が短絡しやすい
構造となってしまう。そこで、前記第2の凹凸段差部2
の平均段差は太陽電池の発電層の厚み以下にする必要が
ある。
に設定して前記積層膜の界面の凹凸を大きくすれば、光
の散乱効果をより増大させることができるが、凹凸の段
差がアモルファスシリコン膜38の厚み(一般的には
0.5μm程度)よりも大きくなると、上部電極層の金
属膜40と下部電極層の透明導電膜28が短絡しやすい
構造となってしまう。そこで、前記第2の凹凸段差部2
の平均段差は太陽電池の発電層の厚み以下にする必要が
ある。
【0028】また、第1の凹凸段差部1は光を散乱する
だけでなく、一度アモルファスシリコン膜38を透過し
た光の上部電極40による反射光を再度アモルファスシ
リコン膜38に入射させる効果があり、平均段差3μm
以上でその効果が顕著となることは周知の事実である。
だけでなく、一度アモルファスシリコン膜38を透過し
た光の上部電極40による反射光を再度アモルファスシ
リコン膜38に入射させる効果があり、平均段差3μm
以上でその効果が顕著となることは周知の事実である。
【0029】以上の説明で明らかなように、前記第2の
凹凸段差部2の平均段差を、太陽電池の発電層の厚み以
下とし、第1の凹凸段差部1の平均段差を3μm以上に
すれば、上下電極層の短絡もなく、最適な光の散乱効果
を得ることができる。
凹凸段差部2の平均段差を、太陽電池の発電層の厚み以
下とし、第1の凹凸段差部1の平均段差を3μm以上に
すれば、上下電極層の短絡もなく、最適な光の散乱効果
を得ることができる。
【0030】(実施例1)以下、図面を用いて本発明の
実施の形態について詳細に説明する。図1(a)〜
(c)は、本発明の透光性太陽電池用基板の製造方法を
示す工程断面図であり、図2(a)は本発明の実施形態
により作成された基板を用いた太陽電池の概略断面図で
あり、図2(b)は本発明の実施形態により作成された
基板を用いた太陽電池を搭載した太陽電池時計の概略断
面図である。
実施の形態について詳細に説明する。図1(a)〜
(c)は、本発明の透光性太陽電池用基板の製造方法を
示す工程断面図であり、図2(a)は本発明の実施形態
により作成された基板を用いた太陽電池の概略断面図で
あり、図2(b)は本発明の実施形態により作成された
基板を用いた太陽電池を搭載した太陽電池時計の概略断
面図である。
【0031】まず、表面に平均段差3μm以下の凹凸を
有するセラミックスの焼結体を得る方法について、セラ
ミック原料にアルミナ(Al2O3)を用いた場合を例に
挙げて説明する。
有するセラミックスの焼結体を得る方法について、セラ
ミック原料にアルミナ(Al2O3)を用いた場合を例に
挙げて説明する。
【0032】まず、図1(a)に示すような基板状の成
形体44を作成した。成形体44は、粒径3〜6μmの
アルミナ粒子46と、粒径0.5〜1μmのアルミナ粒
子48を70重量%、30重量%の割合で混合したアル
ミナ粉末と、有機質のバインダ50を有機溶剤と共に混
練した後、基板状にドクターブレード法を用いて成型体
44を形成した。前記成型体44は、前記アルミナ粉末
80〜95重量%と、バインダ50が20〜5重量%の
範囲で形成されていることが好ましく、他のセラミック
原料を使用する際も同様である。
形体44を作成した。成形体44は、粒径3〜6μmの
アルミナ粒子46と、粒径0.5〜1μmのアルミナ粒
子48を70重量%、30重量%の割合で混合したアル
ミナ粉末と、有機質のバインダ50を有機溶剤と共に混
練した後、基板状にドクターブレード法を用いて成型体
44を形成した。前記成型体44は、前記アルミナ粉末
80〜95重量%と、バインダ50が20〜5重量%の
範囲で形成されていることが好ましく、他のセラミック
原料を使用する際も同様である。
【0033】前記アルミナ粉末の粒径は焼結体の表面形
状に大きく影響するので、粉末の粒度を選定して適切な
混合比とする事は重要であり、アルミナ以外の原料を用
いる場合でも適用される。
状に大きく影響するので、粉末の粒度を選定して適切な
混合比とする事は重要であり、アルミナ以外の原料を用
いる場合でも適用される。
【0034】なお、粒径0.5〜1μmのアルミナ粒子
48は粒径3〜6μmのアルミナ粒子46の隙間を埋め
るように存在しており、焼結体の欠陥や空隙を減らし、
密度を高くして強度を増大させるためには、図1(a)
のように成形体44をできる限り最密充填に近くしてお
くことが望ましい。
48は粒径3〜6μmのアルミナ粒子46の隙間を埋め
るように存在しており、焼結体の欠陥や空隙を減らし、
密度を高くして強度を増大させるためには、図1(a)
のように成形体44をできる限り最密充填に近くしてお
くことが望ましい。
【0035】前記バインダ50は、成形時の成形性や可
塑性、接着性を高めたり、セラミック粉末が焼結される
までそれぞれのセラミック粉末を強固に結びつけておく
ために使用するもので、例えばポリメタクリレート、ジ
ブチルフタレートなどを用いることができる。
塑性、接着性を高めたり、セラミック粉末が焼結される
までそれぞれのセラミック粉末を強固に結びつけておく
ために使用するもので、例えばポリメタクリレート、ジ
ブチルフタレートなどを用いることができる。
【0036】次に前記成形体44を、電気炉を使用し2
00〜600℃付近でバインダ50を分解蒸発させた
後、1700〜1900℃で焼成して、20〜50%の
透過率を有する第1の凹凸段差部1の平均段差D1を3
μm以上とした焼結体52を得ることができた。前記透
過率は焼成温度によって容易に制御可能である。
00〜600℃付近でバインダ50を分解蒸発させた
後、1700〜1900℃で焼成して、20〜50%の
透過率を有する第1の凹凸段差部1の平均段差D1を3
μm以上とした焼結体52を得ることができた。前記透
過率は焼成温度によって容易に制御可能である。
【0037】また、前記焼結体52の焼結体表面54は
アルミナ粒子が焼結して形成されているので、従来の方
法による粒径50μm以上の砥粒を用いてサンドブラス
ト処理を行った基板の表面よりも亀裂や欠陥の少ない滑
らかな表面を有する基板を形成することができる。
アルミナ粒子が焼結して形成されているので、従来の方
法による粒径50μm以上の砥粒を用いてサンドブラス
ト処理を行った基板の表面よりも亀裂や欠陥の少ない滑
らかな表面を有する基板を形成することができる。
【0038】次に図1(b)に示してあるように、焼結
体表面54に、湿式の液体ホーニング処理にて砥粒加工
を行った。前記湿式の液体ホーニング処理は、砥粒を含
んだ水を加工物に吹き付けるので、小さい砥粒56を用
いた場合に加工性がよく、水で洗浄しながら被加工物を
研削できるので、加工処理後の基板の洗浄も容易にな
る。前記湿式の液体ホーニング処理の条件は、粒径20
μm以下のアルミナ砥粒56を用い、投射距離20m
m、投射角度90度、処理速度10mm/sec、エア
圧0.8〜1.2Kg/cm2程度とし、噴射口のサイ
ズは処理する基板の大きさに応じて設定して行った。前
記アルミナ砥粒56にシリコンカーバイド(SiC)を
用いても同様な効果を得ることができる。
体表面54に、湿式の液体ホーニング処理にて砥粒加工
を行った。前記湿式の液体ホーニング処理は、砥粒を含
んだ水を加工物に吹き付けるので、小さい砥粒56を用
いた場合に加工性がよく、水で洗浄しながら被加工物を
研削できるので、加工処理後の基板の洗浄も容易にな
る。前記湿式の液体ホーニング処理の条件は、粒径20
μm以下のアルミナ砥粒56を用い、投射距離20m
m、投射角度90度、処理速度10mm/sec、エア
圧0.8〜1.2Kg/cm2程度とし、噴射口のサイ
ズは処理する基板の大きさに応じて設定して行った。前
記アルミナ砥粒56にシリコンカーバイド(SiC)を
用いても同様な効果を得ることができる。
【0039】また、前記砥粒加工をサンドブラストによ
り粒径20μm以下のアルミナの砥粒56を用いて行っ
ても同様な形状を得ることができる。
り粒径20μm以下のアルミナの砥粒56を用いて行っ
ても同様な形状を得ることができる。
【0040】更に、焼結体表面54に上述の砥粒加工を
行うことにより、図1(c)に示すような透光性太陽電
池用基板24が得られ、その表面すなわち太陽電池形成
面26は、平均段差3μm以上の凹凸状の表面に第2の
凹凸段差部2が形成され、その平均段差D2は0.5μ
m以下とすることができた。
行うことにより、図1(c)に示すような透光性太陽電
池用基板24が得られ、その表面すなわち太陽電池形成
面26は、平均段差3μm以上の凹凸状の表面に第2の
凹凸段差部2が形成され、その平均段差D2は0.5μ
m以下とすることができた。
【0041】上述したように透光性太陽電池用基板24
は、滑らかな表面を有する焼結体52に小さな砥粒を用
いたブラスト処理を1回のみ行って作成できるので、砥
粒が基板に与えるダメージを極力抑えることができ、歪
みや反りの発生が押さえられ、太陽電池形成面26には
欠けや亀裂が少ないセラミック基板を形成する事ができ
た。
は、滑らかな表面を有する焼結体52に小さな砥粒を用
いたブラスト処理を1回のみ行って作成できるので、砥
粒が基板に与えるダメージを極力抑えることができ、歪
みや反りの発生が押さえられ、太陽電池形成面26には
欠けや亀裂が少ないセラミック基板を形成する事ができ
た。
【0042】また、前記セラミック原料粉末にアルミナ
を用いた場合について説明したが、マグネシア(Mg
O)、ジルコニア(ZrO2)等を用いても同様に、本
発明の透光性太陽電池用基板を形成することができる。
を用いた場合について説明したが、マグネシア(Mg
O)、ジルコニア(ZrO2)等を用いても同様に、本
発明の透光性太陽電池用基板を形成することができる。
【0043】(実施例2)実施例1で製造された透光性
太陽電池用基板24の太陽電池形成面26に、例えば図
2(a)に示すように、スパッタリング装置を用いて下
部電極層としてのインジウム錫酸化物(以下ITOと示
す。)、酸化錫(以下SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)
などの透明導電膜28を厚さ80nm、プラズマCVD
装置を用いて発電層であるアモルファスシリコン膜38
を厚さを約500nm、さらにスパッタ装置などを用い
て上部電極層としてAlやAgなどの金属膜40を厚さ
1μmで順次形成し、太陽電池42を得ることができ
た。透明導電膜28側から入射した光に対し、小さな凹
凸段差部2による散乱効果に大きな凹凸段差部による散
乱効果が加わり、アモルファスシリコン膜38内での光
路長が増大するので、短絡電流を増加させることがで
き、太陽電池の光電変換効率が向上することは既知のと
おりである。
太陽電池用基板24の太陽電池形成面26に、例えば図
2(a)に示すように、スパッタリング装置を用いて下
部電極層としてのインジウム錫酸化物(以下ITOと示
す。)、酸化錫(以下SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)
などの透明導電膜28を厚さ80nm、プラズマCVD
装置を用いて発電層であるアモルファスシリコン膜38
を厚さを約500nm、さらにスパッタ装置などを用い
て上部電極層としてAlやAgなどの金属膜40を厚さ
1μmで順次形成し、太陽電池42を得ることができ
た。透明導電膜28側から入射した光に対し、小さな凹
凸段差部2による散乱効果に大きな凹凸段差部による散
乱効果が加わり、アモルファスシリコン膜38内での光
路長が増大するので、短絡電流を増加させることがで
き、太陽電池の光電変換効率が向上することは既知のと
おりである。
【0044】以下に前記発電層の具体的な製造方法を示
す。前記アモルファスシリコン膜38は、アモルファス
シリコンカーボンp層(以下p層と略す)30を厚さ1
2nm、b層(アモルファスシリコンカーボン組成変化
層、以下b層と略す)32を厚さ15nm、アモルファ
スシリコンi層(以下i層と略す)34を厚さ400n
m、アモルファスシリコンn層(以下n層と略す)36
を厚さ40nmの順に積層する。以下各層の形成条件を
記す。p層30は、基板温度225℃、パワー0.02
W/cm2、圧力120Pa、ガス流量はSiH4/CH
4/B2H6(2%H2希釈)の順に45/105/45s
ccmである。b層32は、基板温度225℃、パワー
0.02W/cm2、圧力120Pa、ガス流量はSi
H4/CH4/H2の順に300/300/300scc
mである。i層34は、基板温度225℃、パワー0.
05W/cm2、圧力80Pa、ガス流量はSiH4が6
00sccmである。n層36は基板温度225℃、パ
ワー0.05W/cm2、圧力120Pa、ガス流量は
SiH4/PH3(2%H2希釈)の順に400/40s
ccmで行った。
す。前記アモルファスシリコン膜38は、アモルファス
シリコンカーボンp層(以下p層と略す)30を厚さ1
2nm、b層(アモルファスシリコンカーボン組成変化
層、以下b層と略す)32を厚さ15nm、アモルファ
スシリコンi層(以下i層と略す)34を厚さ400n
m、アモルファスシリコンn層(以下n層と略す)36
を厚さ40nmの順に積層する。以下各層の形成条件を
記す。p層30は、基板温度225℃、パワー0.02
W/cm2、圧力120Pa、ガス流量はSiH4/CH
4/B2H6(2%H2希釈)の順に45/105/45s
ccmである。b層32は、基板温度225℃、パワー
0.02W/cm2、圧力120Pa、ガス流量はSi
H4/CH4/H2の順に300/300/300scc
mである。i層34は、基板温度225℃、パワー0.
05W/cm2、圧力80Pa、ガス流量はSiH4が6
00sccmである。n層36は基板温度225℃、パ
ワー0.05W/cm2、圧力120Pa、ガス流量は
SiH4/PH3(2%H2希釈)の順に400/40s
ccmで行った。
【0045】上記のようにして形成した太陽電池42の
特性としては、短絡電流47.1μA/cm2、解放電
圧0.64V、曲線因子0.73、光電変換効率15.
1%を得ることができた。この特性は、従来技術を用い
て製造した太陽電池用セラミック基板に形成した太陽電
池の特性と遜色ないのはもちろんのこと、本発明の製造
方法による透光性太陽電池用基板は、凹凸を有するセラ
ミックの焼結体を作成してから、小さな砥粒を用いて1
回のブラスト処理を行うので、砥粒加工に起因する欠
け、亀裂の発生が押さえられるとともに、基板の歪みや
反りの問題も解決でき、その後の取り扱いにおいても基
板割れをおこすことがないのである。
特性としては、短絡電流47.1μA/cm2、解放電
圧0.64V、曲線因子0.73、光電変換効率15.
1%を得ることができた。この特性は、従来技術を用い
て製造した太陽電池用セラミック基板に形成した太陽電
池の特性と遜色ないのはもちろんのこと、本発明の製造
方法による透光性太陽電池用基板は、凹凸を有するセラ
ミックの焼結体を作成してから、小さな砥粒を用いて1
回のブラスト処理を行うので、砥粒加工に起因する欠
け、亀裂の発生が押さえられるとともに、基板の歪みや
反りの問題も解決でき、その後の取り扱いにおいても基
板割れをおこすことがないのである。
【0046】さらに、前記1回のブラスト処理により、
透光性太陽電池用基板として好適な表面形状を、セラミ
ック基板において実現することが可能になる。
透光性太陽電池用基板として好適な表面形状を、セラミ
ック基板において実現することが可能になる。
【0047】(実施例3)さらに、図2(b)に示すよ
うに実施例2で製造された太陽電池の透光性太陽電池用
基板24を文字板として、太陽電池時計14の光入射側
に配置する。文字板は透光性を有するので、発電に必要
な光は太陽電池内部へ透過する。前述したように文字板
は欠け、亀裂の発生が押さえられるとともに、基板の歪
みや反りの問題も解決できているので、時計用文字板と
しての耐衝撃性の向上は勿論のこと、信頼性には何ら問
題ないことを確認した。
うに実施例2で製造された太陽電池の透光性太陽電池用
基板24を文字板として、太陽電池時計14の光入射側
に配置する。文字板は透光性を有するので、発電に必要
な光は太陽電池内部へ透過する。前述したように文字板
は欠け、亀裂の発生が押さえられるとともに、基板の歪
みや反りの問題も解決できているので、時計用文字板と
しての耐衝撃性の向上は勿論のこと、信頼性には何ら問
題ないことを確認した。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によって形成された
透光性太陽電池用基板は、3〜6μmの大きな粉体と
0.5〜1μmの小さな粉体によりセラミック基板が形
成し、大きな粉体の隙間に小さな粉体が緻密に充填され
た基板であるので、光透過率を成型体の焼成温度により
容易に制御できる透光性太陽電池用基板を提供すること
ができた。
透光性太陽電池用基板は、3〜6μmの大きな粉体と
0.5〜1μmの小さな粉体によりセラミック基板が形
成し、大きな粉体の隙間に小さな粉体が緻密に充填され
た基板であるので、光透過率を成型体の焼成温度により
容易に制御できる透光性太陽電池用基板を提供すること
ができた。
【0049】また、セラミック焼結体の段階で形成され
た、第1の凹凸段差部1の表面に砥粒加工を1回のみ行
って第2の凹凸段差部2を作成できるので、大小の段差
の凹凸による太陽電池に与える効果はそのままに、該基
板への欠けや亀裂等の欠陥を生じさせることなく、反り
や歪み、割れのない透光性太陽電池用基板とその製造方
法及びその透光性太陽電池用基板を用いて構成された太
陽電池を提供することができた。更に、文字板を兼ねて
太陽電池時計に搭載した際にも耐衝撃性に優れた高い信
頼性を得ることができた。
た、第1の凹凸段差部1の表面に砥粒加工を1回のみ行
って第2の凹凸段差部2を作成できるので、大小の段差
の凹凸による太陽電池に与える効果はそのままに、該基
板への欠けや亀裂等の欠陥を生じさせることなく、反り
や歪み、割れのない透光性太陽電池用基板とその製造方
法及びその透光性太陽電池用基板を用いて構成された太
陽電池を提供することができた。更に、文字板を兼ねて
太陽電池時計に搭載した際にも耐衝撃性に優れた高い信
頼性を得ることができた。
【0050】更に、本発明によって形成された透光性太
陽電池用基板は、入射光の透過率を低くしても基板に形
成された凹凸形状により、より効率よく太陽電池の発電
が可能となったので、太陽電池の色味や、パターンの視
認性を低下させた太陽電池時計とすることができた。
陽電池用基板は、入射光の透過率を低くしても基板に形
成された凹凸形状により、より効率よく太陽電池の発電
が可能となったので、太陽電池の色味や、パターンの視
認性を低下させた太陽電池時計とすることができた。
【0051】尚、本発明の太陽電池は、太陽電池時計だ
けでなく、太陽電池を搭載するあらゆる電子機器にも適
用できることは勿論である。
けでなく、太陽電池を搭載するあらゆる電子機器にも適
用できることは勿論である。
【図1】本発明の実施形態における透光性太陽電池用基
板の製造方法を示す工程断面図である。
板の製造方法を示す工程断面図である。
【図2】本発明の実施形態における太陽電池および太陽
電池時計を示す構造断面図である。
電池時計を示す構造断面図である。
【図3】従来の透光性太陽電池用基板の製造方法を示す
工程断面図である。
工程断面図である。
1 第1の凹凸段差部 2 第2の凹凸段差部 14 太陽電池時計 24 透光性太陽電池用基板 26 太陽電池形成面 28 透明導電膜 30 p層 32 b層 34 i層 36 n層 38 アモルファスシリコン膜 40 金属膜 42 太陽電池 44 成形体 46 粒径3〜6μmのアルミナ粒子 56 粒径0.5〜1μmのアルミナ粒子 50 バインダ 52 焼結体 54 焼結体表面 56 砥粒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 31/04 P
Claims (13)
- 【請求項1】 太陽電池用基板において、大きな粉体と
それよりも小さな粉体を任意の割合で混合したセラミッ
ク粉体の原料粉と、バインダーを含む成型体を焼結させ
たセラミック基板であることを特徴とする太陽電池用基
板。 - 【請求項2】 前記大きな粉体が粒径3〜6μm粒子で
あり、前記小さな粉体が0.5〜1μm粒子であり、前
記セラミック粉体の原料粉が全体の80〜95重量%で
構成されており、前記バインダーが、全体の20〜5重
量%の有機質のバインダで構成されていることを特徴と
する請求項第1項に記載の太陽電池用基板。 - 【請求項3】 前記セラミック基板の表面が、平均段差
3μm以上の第1の凹凸段差部を有していることを特徴
とする請求項1または2項のいずれか1に記載の太陽電
池用基板。 - 【請求項4】 前記第1の凹凸段差部の表面にそれより
も小さな第2の凹凸段差部が形成されていることを特徴
とする請求項3項に記載の太陽電池用基板。 - 【請求項5】 前記第2の凹凸段差部が、セラミック基
板上に形成される太陽電池の発電層の厚みよりも小さい
平均段差で構成されていることを特徴とする請求項4項
に記載の太陽電池用基板。 - 【請求項6】 前記第2の凹凸段差部は、砥粒加工によ
り形成されていることを特徴とする請求項第5項に記載
の太陽電池用基板。 - 【請求項7】 前記砥粒加工が、サンドブラスト法また
は液体ホーニング法であることを特徴とする請求項第6
項に記載の太陽電池用基板。 - 【請求項8】 前記セラミック基板の焼結温度は、17
00〜1900℃であり、該セラミック基板が20〜5
0%の透過率することを特徴とする請求項第1から7項
のいずれか1に記載の太陽電池用基板。 - 【請求項9】 大きな粉体とそれよりも小さな粉体を、
それぞれ任意の割合で混合したセラミック粉体の原料粉
とバインダを含む基板状の成型体を形成する工程と、該
成型体を焼成して焼結体を形成する工程を具備すること
を特徴とする太陽電池用基板の製造方法。 - 【請求項10】 前記焼結体を砥粒加工して第2の凹凸
段差部を形成することを特徴とする請求項第9項に記載
の太陽電池用基板の製造方法。 - 【請求項11】 前記砥粒加工が、サンドブラスト法ま
たは液体ホーニング法であることを特徴とする請求項第
10項に記載の太陽電池用基板の製造方法。 - 【請求項12】 請求項第1項の太陽電池用基板を用い
たことを特徴とする太陽電池。 - 【請求項13】 請求項第12項の前記太陽電池用基板
が文字板であることを特徴とする太陽電池時計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001094675A JP2002293644A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 太陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を用いた太陽電池とその太陽電池を文字板に用いた太陽電池時計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001094675A JP2002293644A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 太陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を用いた太陽電池とその太陽電池を文字板に用いた太陽電池時計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002293644A true JP2002293644A (ja) | 2002-10-09 |
Family
ID=18948835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001094675A Pending JP2002293644A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 太陽電池用基板とその製造方法及びその太陽電池用基板を用いた太陽電池とその太陽電池を文字板に用いた太陽電池時計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002293644A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040051961A (ko) * | 2002-12-13 | 2004-06-19 | 삼화전자공업 주식회사 | 태양전지용 기판 및 그 제조방법 |
WO2004099884A1 (ja) * | 2003-05-09 | 2004-11-18 | Seiko Epson Corporation | 無線通信機能付電子時計 |
JP2004340700A (ja) * | 2003-05-15 | 2004-12-02 | Citizen Watch Co Ltd | アンテナ付電子時計 |
EP1624525A1 (en) * | 2003-05-15 | 2006-02-08 | Citizen Watch Co., Ltd. | Electronic device having metal package unit having built-in antenna unit |
JP2006352085A (ja) * | 2005-03-14 | 2006-12-28 | Philips Lumileds Lightng Co Llc | 波長変換型半導体発光デバイス |
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CN112198779A (zh) * | 2019-07-08 | 2021-01-08 | 精工爱普生株式会社 | 钟表用部件以及钟表 |
-
2001
- 2001-03-29 JP JP2001094675A patent/JP2002293644A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7701806B2 (en) | 2003-03-04 | 2010-04-20 | Seiko Epson Corporation | Electronic timepiece with wireless information function |
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CN112198779B (zh) * | 2019-07-08 | 2024-06-04 | 精工爱普生株式会社 | 钟表用部件以及钟表 |
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