JP2002285428A - ストレッチ性異繊度混繊糸 - Google Patents
ストレッチ性異繊度混繊糸Info
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- JP2002285428A JP2002285428A JP2001087417A JP2001087417A JP2002285428A JP 2002285428 A JP2002285428 A JP 2002285428A JP 2001087417 A JP2001087417 A JP 2001087417A JP 2001087417 A JP2001087417 A JP 2001087417A JP 2002285428 A JP2002285428 A JP 2002285428A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】シボ・シワの無い上品な品位と高ストレッチ
性、張り・腰、反発感、膨らみ感とソフト性を備えたス
トレッチ性異繊度混繊糸を提供する。 【解決手段】少なくとも3種以上のフィラメント糸条群
からなる異繊度混繊糸であり、混繊糸を構成する全ての
単糸が少なくとも高粘度成分がポリトリメチレンテレフ
タレートであるサイドバイサイド型複合糸であり、混繊
糸が単糸繊度が0.5〜3.0dtexの細繊度糸条群
(A)と単糸繊度が0.7〜5.0dtexの中繊度糸
条群(B)、3.0〜15.0dtexの太繊度糸条群
(C)であり、細繊度糸条群のフィラメント数(Fa)
は、太繊度糸条群のフィラメント数(Fc)の9倍以
上、中繊度糸条群のフィラメント数(Fb)の2倍以上
であり、且つ該混繊糸の1.8×10-3cN/dtex
荷重下伸縮伸長率が20%以上であることを特徴とする
ストレッチ性異繊度混繊糸。
性、張り・腰、反発感、膨らみ感とソフト性を備えたス
トレッチ性異繊度混繊糸を提供する。 【解決手段】少なくとも3種以上のフィラメント糸条群
からなる異繊度混繊糸であり、混繊糸を構成する全ての
単糸が少なくとも高粘度成分がポリトリメチレンテレフ
タレートであるサイドバイサイド型複合糸であり、混繊
糸が単糸繊度が0.5〜3.0dtexの細繊度糸条群
(A)と単糸繊度が0.7〜5.0dtexの中繊度糸
条群(B)、3.0〜15.0dtexの太繊度糸条群
(C)であり、細繊度糸条群のフィラメント数(Fa)
は、太繊度糸条群のフィラメント数(Fc)の9倍以
上、中繊度糸条群のフィラメント数(Fb)の2倍以上
であり、且つ該混繊糸の1.8×10-3cN/dtex
荷重下伸縮伸長率が20%以上であることを特徴とする
ストレッチ性異繊度混繊糸。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも3種以
上のフィラメント糸条群からなる異繊度混繊糸に関する
ものであり、詳しくは該混繊糸を構成する全ての単糸が
粘度の異なる2成分のポリエステルからなるサイドバイ
サイド型複合糸であり、少なくとも高粘度成分が繰り返
し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレート
からなるポリトリメチレンテレフタレートである高スト
レッチ性を有する混繊糸に関するものであり、布帛にお
ける優れた表面品位と、張り・腰・反発感・ソフト感を
発揮するストレッチ性異繊度混繊糸に関するものであ
る。
上のフィラメント糸条群からなる異繊度混繊糸に関する
ものであり、詳しくは該混繊糸を構成する全ての単糸が
粘度の異なる2成分のポリエステルからなるサイドバイ
サイド型複合糸であり、少なくとも高粘度成分が繰り返
し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフタレート
からなるポリトリメチレンテレフタレートである高スト
レッチ性を有する混繊糸に関するものであり、布帛にお
ける優れた表面品位と、張り・腰・反発感・ソフト感を
発揮するストレッチ性異繊度混繊糸に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステルは機械的特性をはじ
め、様々な優れた特性を有しているため、衣料用のみな
らず幅広く展開されている。また、近年のストレッチブ
ームによりポリエステル糸にストレッチ性、捲縮性、嵩
高性を与えるため種々の方法が採用されている。
め、様々な優れた特性を有しているため、衣料用のみな
らず幅広く展開されている。また、近年のストレッチブ
ームによりポリエステル糸にストレッチ性、捲縮性、嵩
高性を与えるため種々の方法が採用されている。
【0003】例えば、ポリエステル糸に仮撚り加工を施
し、加撚/解撚トルクを発現させてストレッチ性を付与
する方法がある。しかしながら、このトルクは織物に使
用した際には織物表面にシボを発生し、織物欠点となり
易い問題がある。一方、収縮特性または溶融粘度の異な
る重合体をサイドバイサイド型や偏芯芯鞘型に複合紡糸
し、捲縮糸を得る技術も種々提案されている。例えば、
特公昭44−2504号公報や特開平4−308271
号公報には固有粘度差或いは極限粘度差を有するポリエ
チレンテレフタレート(以下PETと略す)のサイドバ
イサイド型複合糸、特開平5−295634号公報には
ホモPETとそれより高収縮性の共重合PETのサイド
バイサイド型複合糸が記載されている。このような捲縮
性ポリエステル複合糸を用いれば、確かにある程度のス
トレッチ性を得ることが出来るが、織物に使用した際の
ストレッチ性が不十分となり、満足なストレッチ性織物
が得られにくいという問題があった。上記したようなサ
イドバイサイド型複合糸は織物拘束中での捲縮発現性能
が低く、また捲縮がヘタリ易いためである。
し、加撚/解撚トルクを発現させてストレッチ性を付与
する方法がある。しかしながら、このトルクは織物に使
用した際には織物表面にシボを発生し、織物欠点となり
易い問題がある。一方、収縮特性または溶融粘度の異な
る重合体をサイドバイサイド型や偏芯芯鞘型に複合紡糸
し、捲縮糸を得る技術も種々提案されている。例えば、
特公昭44−2504号公報や特開平4−308271
号公報には固有粘度差或いは極限粘度差を有するポリエ
チレンテレフタレート(以下PETと略す)のサイドバ
イサイド型複合糸、特開平5−295634号公報には
ホモPETとそれより高収縮性の共重合PETのサイド
バイサイド型複合糸が記載されている。このような捲縮
性ポリエステル複合糸を用いれば、確かにある程度のス
トレッチ性を得ることが出来るが、織物に使用した際の
ストレッチ性が不十分となり、満足なストレッチ性織物
が得られにくいという問題があった。上記したようなサ
イドバイサイド型複合糸は織物拘束中での捲縮発現性能
が低く、また捲縮がヘタリ易いためである。
【0004】また、特開平11−189923号公報に
は、PETとそれより溶融粘度の低いポリトリメチレン
テレフタレート(以下PTTと略す)からなるポリエス
テル系複合糸が提案されている。しかし、PTTをPE
Tより低粘度とすると、発現する捲縮形態の大部分につ
いて、捲縮コイル内側がPET成分、外側がPTT成分
となるために得られる捲縮糸のストレッチ性、捲縮発現
性について十分満足のいくものではなく、またストレッ
チ性、捲縮発現性の保持性も非常に低いものとなり、実
質的には固有粘度や極限粘度の異なるPETを用いたサ
イドバイサイド型複合により捲縮糸を得る公知の技術と
何ら変わりのないものとなってしまうなどの問題があ
る。
は、PETとそれより溶融粘度の低いポリトリメチレン
テレフタレート(以下PTTと略す)からなるポリエス
テル系複合糸が提案されている。しかし、PTTをPE
Tより低粘度とすると、発現する捲縮形態の大部分につ
いて、捲縮コイル内側がPET成分、外側がPTT成分
となるために得られる捲縮糸のストレッチ性、捲縮発現
性について十分満足のいくものではなく、またストレッ
チ性、捲縮発現性の保持性も非常に低いものとなり、実
質的には固有粘度や極限粘度の異なるPETを用いたサ
イドバイサイド型複合により捲縮糸を得る公知の技術と
何ら変わりのないものとなってしまうなどの問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような従来技術の有する欠点・問題点を解消し、高ス
トレッチ性を有し、且つ織編物に使用したときにシボ・
シワの無い優れた表面品位と張り・腰、膨らみ感、反発
感、ソフト感を有する製品が得られるストレッチ性異繊
度混繊糸を提供することにある。
のような従来技術の有する欠点・問題点を解消し、高ス
トレッチ性を有し、且つ織編物に使用したときにシボ・
シワの無い優れた表面品位と張り・腰、膨らみ感、反発
感、ソフト感を有する製品が得られるストレッチ性異繊
度混繊糸を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、少なくとも3種以上のフィラメント糸条群
からなる異繊度混繊糸において、混繊糸を構成する全て
の単糸が粘度の異なる2成分のポリエステルからなるサ
イドバイサイド型複合糸であり、少なくとも高粘度成分
が繰り返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフ
タレートからなるポリトリメチレンテレフタレートであ
り、混繊糸条群が単糸繊度が0.5〜3.0dtexの
細繊度糸条群(A)と単糸繊度が0.7〜5.0dte
xの中繊度糸条群(B)、3.0〜15.0dtexの
太繊度糸条群(C)であり、細繊度糸条群のフィラメン
ト数(Fa)は、太繊度糸条群のフィラメント数(F
c)の9倍以上、中繊度糸条群のフィラメント数(F
b)の2倍以上であり、且つ該混繊糸の1.8×10-3
cN/dtex荷重下伸縮伸長率が20%以上であるこ
とを特徴とするストレッチ性異繊度混繊糸により達成す
ることができる。
の本発明は、少なくとも3種以上のフィラメント糸条群
からなる異繊度混繊糸において、混繊糸を構成する全て
の単糸が粘度の異なる2成分のポリエステルからなるサ
イドバイサイド型複合糸であり、少なくとも高粘度成分
が繰り返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフ
タレートからなるポリトリメチレンテレフタレートであ
り、混繊糸条群が単糸繊度が0.5〜3.0dtexの
細繊度糸条群(A)と単糸繊度が0.7〜5.0dte
xの中繊度糸条群(B)、3.0〜15.0dtexの
太繊度糸条群(C)であり、細繊度糸条群のフィラメン
ト数(Fa)は、太繊度糸条群のフィラメント数(F
c)の9倍以上、中繊度糸条群のフィラメント数(F
b)の2倍以上であり、且つ該混繊糸の1.8×10-3
cN/dtex荷重下伸縮伸長率が20%以上であるこ
とを特徴とするストレッチ性異繊度混繊糸により達成す
ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、混繊糸の全ての単糸を構成する2成分
の重合体のうち、少なくとも高粘度成分は繰り返し単位
の80モル%以上がトリメチレンテレフタレートからな
るポリトリメチレンテレフタレートであることが必要で
ある。PTTは、結晶構造においてアルキレングリコー
ル部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖
が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士
の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が
低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基
の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するという特有
のストレッチ性を有している。このPTT固有のストレ
ッチ性を複合糸においても十分発揮するためである。
尚、本発明において、混繊糸を構成する全ての単糸にお
ける2成分の複合比率は通常サイドバイサイド型複合に
よる伸縮性付与に用いられる複合比率であれば、特に規
定するものではなく一般的には65:35〜35:65
の範囲であり、好ましくは60:40〜40:60であ
る。
本発明において、混繊糸の全ての単糸を構成する2成分
の重合体のうち、少なくとも高粘度成分は繰り返し単位
の80モル%以上がトリメチレンテレフタレートからな
るポリトリメチレンテレフタレートであることが必要で
ある。PTTは、結晶構造においてアルキレングリコー
ル部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴーシュの構造(分子鎖
が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士
の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が
低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基
の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するという特有
のストレッチ性を有している。このPTT固有のストレ
ッチ性を複合糸においても十分発揮するためである。
尚、本発明において、混繊糸を構成する全ての単糸にお
ける2成分の複合比率は通常サイドバイサイド型複合に
よる伸縮性付与に用いられる複合比率であれば、特に規
定するものではなく一般的には65:35〜35:65
の範囲であり、好ましくは60:40〜40:60であ
る。
【0008】また、本発明において、混繊糸を構成する
全ての単糸において、2成分の重合体のうち、低粘度成
分はポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートなどを用いれば良く、また低粘度のポリトリメ
チレンテレフタレートを用いても良い。
全ての単糸において、2成分の重合体のうち、低粘度成
分はポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートなどを用いれば良く、また低粘度のポリトリメ
チレンテレフタレートを用いても良い。
【0009】本発明の混繊糸は、細繊度糸条群(A)と
中繊度糸条群(B)、太繊度糸条群(C)の少なくとも
3種以上のフィラメント糸条群から構成される。この細
繊度糸条群(A)の単糸繊度は0.5〜3.0dtex
であることが必要である。
中繊度糸条群(B)、太繊度糸条群(C)の少なくとも
3種以上のフィラメント糸条群から構成される。この細
繊度糸条群(A)の単糸繊度は0.5〜3.0dtex
であることが必要である。
【0010】この細繊度糸条群(A)は高捲縮性であ
り、織編物の表面に配し、風合い、外観を形成し、高ス
トレッチ性とソフト性を付与するものである。細繊度糸
条群(A)の単糸繊度はソフト感を発揮するために3.
0dtex以下であり、好ましくは2.5dtex以下
である。また、単糸繊度が小さくなり過ぎると捲縮が微
細になり過ぎて織編物でのストレッチ性が得られないた
め、0.5dtex以上、好ましくは1.0dtex以
上である。
り、織編物の表面に配し、風合い、外観を形成し、高ス
トレッチ性とソフト性を付与するものである。細繊度糸
条群(A)の単糸繊度はソフト感を発揮するために3.
0dtex以下であり、好ましくは2.5dtex以下
である。また、単糸繊度が小さくなり過ぎると捲縮が微
細になり過ぎて織編物でのストレッチ性が得られないた
め、0.5dtex以上、好ましくは1.0dtex以
上である。
【0011】また、中繊度糸条群(B)の単糸繊度は
0.7〜5.0dtexであることが必要である。細繊
度糸条群(A)、中繊度糸条群(B)、太繊度糸条群
(C)を3者混繊にした場合、この中繊度糸条群(B)
も主として織編物の表面を形成するが、細繊度糸条群
(A)と混繊され十分なストレッチ性と自然なムラ感を
出し、表面にシボやシワが発現しないようにするため
に、中繊度糸条群(B)の単糸繊度は0.7dtex以
上であり、好ましくは1.5〜4.0dtexである。
3者混繊として自然なムラ感とソフト感を発揮するため
に5.0dtex以下が必要である。
0.7〜5.0dtexであることが必要である。細繊
度糸条群(A)、中繊度糸条群(B)、太繊度糸条群
(C)を3者混繊にした場合、この中繊度糸条群(B)
も主として織編物の表面を形成するが、細繊度糸条群
(A)と混繊され十分なストレッチ性と自然なムラ感を
出し、表面にシボやシワが発現しないようにするため
に、中繊度糸条群(B)の単糸繊度は0.7dtex以
上であり、好ましくは1.5〜4.0dtexである。
3者混繊として自然なムラ感とソフト感を発揮するため
に5.0dtex以下が必要である。
【0012】さらに、太繊度糸条群(C)の単糸繊度は
3.0〜15.0dtexとすることが必要である。織
編物にしたときに十分な張り・腰、反発感を付与するた
め、単糸繊度は3.0dtex以上、好ましくは5.0
dtex以上である。単糸繊度があまり大きくなり過ぎ
ると、織編物が粗硬な風合いとなるばかりでなく、捲縮
発現性が小さくなり過ぎてストレッチ性が得られず、混
繊糸としての高ストレッチ性を保持することが出来ない
ため、15.0dtex以下、好ましくは12dtex
以下である。
3.0〜15.0dtexとすることが必要である。織
編物にしたときに十分な張り・腰、反発感を付与するた
め、単糸繊度は3.0dtex以上、好ましくは5.0
dtex以上である。単糸繊度があまり大きくなり過ぎ
ると、織編物が粗硬な風合いとなるばかりでなく、捲縮
発現性が小さくなり過ぎてストレッチ性が得られず、混
繊糸としての高ストレッチ性を保持することが出来ない
ため、15.0dtex以下、好ましくは12dtex
以下である。
【0013】このように、高ストレッチ性と張り・腰、
膨らみ感、反発感とソフト感を両立させ、且つ自然なム
ラ感を付与するためには、細繊度・中繊度・太繊度の各
糸条群が各々前記した如くの繊度を有する必要がある。
膨らみ感、反発感とソフト感を両立させ、且つ自然なム
ラ感を付与するためには、細繊度・中繊度・太繊度の各
糸条群が各々前記した如くの繊度を有する必要がある。
【0014】次に細繊度糸条群のフィラメント数(F
a)は、太繊度糸条群のフィラメント数(Fc)の9倍
以上、中繊度糸条群のフィラメント数(Fb)の2倍以
上が必要である。異捲縮性を有するストレッチ性複合糸
からなる織編物において、織編物表面を形成し、高スト
レッチ性能を主に発揮する細繊度糸条群のフィラメント
数が少ないとソフト感が低下するばかりでなく、十分な
ストレッチ性が得られない。さらには、各糸条群間の異
捲縮性が目立ち過ぎて自然なムラ感が得られず、織編物
に使用したときの表面にシボやシワが発生する。このた
め、織編物のストレッチ性とソフト感、品位を向上させ
るために、(Fa)は(Fc)の10倍以上、好ましく
は15倍以上、同時に(Fa)は(Fb)の2倍以上、
好ましくは3倍以上である。
a)は、太繊度糸条群のフィラメント数(Fc)の9倍
以上、中繊度糸条群のフィラメント数(Fb)の2倍以
上が必要である。異捲縮性を有するストレッチ性複合糸
からなる織編物において、織編物表面を形成し、高スト
レッチ性能を主に発揮する細繊度糸条群のフィラメント
数が少ないとソフト感が低下するばかりでなく、十分な
ストレッチ性が得られない。さらには、各糸条群間の異
捲縮性が目立ち過ぎて自然なムラ感が得られず、織編物
に使用したときの表面にシボやシワが発生する。このた
め、織編物のストレッチ性とソフト感、品位を向上させ
るために、(Fa)は(Fc)の10倍以上、好ましく
は15倍以上、同時に(Fa)は(Fb)の2倍以上、
好ましくは3倍以上である。
【0015】本発明において、混繊糸の1.8×10-3
cN/dtex荷重下伸縮伸長率は、20%以上である
必要がある。測定方法は後述する。1.8×10-3cN
/dtex荷重下伸縮伸長率が20%を下回ると、織編
物に使用した際のストレッチ性が乏しくなり、ストレッ
チ性織編物には適さない。1.8×10-3cN/dte
x荷重下伸縮伸長率は好ましくは30%以上である。
cN/dtex荷重下伸縮伸長率は、20%以上である
必要がある。測定方法は後述する。1.8×10-3cN
/dtex荷重下伸縮伸長率が20%を下回ると、織編
物に使用した際のストレッチ性が乏しくなり、ストレッ
チ性織編物には適さない。1.8×10-3cN/dte
x荷重下伸縮伸長率は好ましくは30%以上である。
【0016】本発明において、混繊糸を構成する細繊度
糸条群および/または中繊度糸条群および/または太繊
度糸条群の全てのサイドバイサイド型複合糸において、
単糸横断面の2成分の接合面と糸外周との2つの接点
O、Pを結んだ線分OPの中心を通り、線分OPと直交
した直線Xと複合糸外周との2つの交点をQ、Rとし、
線分QRの中心を通り線分QRと直交した直線Yと糸外
周との2つの交点をS、Tとしたとき、線分QRと線分
STの長さの比QR/STは、1.2〜4.0の範囲で
あることが好ましい。複合糸断面の2成分の接合面に対
して、両ポリエステル成分の厚みを確保し十分なストレ
ッチ性能が得られやすくする効果、3者混繊にした場合
の膨らみ感、反発感を得られやすくする効果を付与する
ものであり、また溶融紡糸時の吐出糸条曲がりや旋回を
抑制し、糸長手方向均一性と安定製糸性を得るものであ
り、線分QRと線分STの長さの比QR/STは、より
好ましくは1.5〜2.0の範囲である。
糸条群および/または中繊度糸条群および/または太繊
度糸条群の全てのサイドバイサイド型複合糸において、
単糸横断面の2成分の接合面と糸外周との2つの接点
O、Pを結んだ線分OPの中心を通り、線分OPと直交
した直線Xと複合糸外周との2つの交点をQ、Rとし、
線分QRの中心を通り線分QRと直交した直線Yと糸外
周との2つの交点をS、Tとしたとき、線分QRと線分
STの長さの比QR/STは、1.2〜4.0の範囲で
あることが好ましい。複合糸断面の2成分の接合面に対
して、両ポリエステル成分の厚みを確保し十分なストレ
ッチ性能が得られやすくする効果、3者混繊にした場合
の膨らみ感、反発感を得られやすくする効果を付与する
ものであり、また溶融紡糸時の吐出糸条曲がりや旋回を
抑制し、糸長手方向均一性と安定製糸性を得るものであ
り、線分QRと線分STの長さの比QR/STは、より
好ましくは1.5〜2.0の範囲である。
【0017】本発明におけるサイドバイサイド型複合紡
糸は、製造方法について特に限定するものではなく、通
常の複合紡糸機を用いれば良く、複合紡糸した未延伸糸
を一旦巻き取った後に、加熱延伸する方法を採用しても
良く、複合紡糸した未延伸糸を一旦巻き取ることなく、
加熱延伸する直接紡糸延伸法を採用しても良い。
糸は、製造方法について特に限定するものではなく、通
常の複合紡糸機を用いれば良く、複合紡糸した未延伸糸
を一旦巻き取った後に、加熱延伸する方法を採用しても
良く、複合紡糸した未延伸糸を一旦巻き取ることなく、
加熱延伸する直接紡糸延伸法を採用しても良い。
【0018】また、本発明における混繊糸は、製造方法
について特に限定するものではなく、繊度の異なる各糸
条群を個別に製造した後に混繊加工する方法を用いても
良く、繊度の異なる各糸条群を一つの口金から紡糸延伸
する直接紡糸混繊方法を用いても良いが、製造コストの
面から直接紡糸混繊方法を用いることが好ましい。
について特に限定するものではなく、繊度の異なる各糸
条群を個別に製造した後に混繊加工する方法を用いても
良く、繊度の異なる各糸条群を一つの口金から紡糸延伸
する直接紡糸混繊方法を用いても良いが、製造コストの
面から直接紡糸混繊方法を用いることが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
明する。
【0020】本文および実施例中の固有粘度、1.8×
10-3cN/dtex荷重下伸縮伸長率、風合い(スト
レッチ性、張り・腰、膨らみ感、反発感、ソフト性)、
表面品位(シボ・シワ、イラツキ感)、総合評価は次の
通りである。
10-3cN/dtex荷重下伸縮伸長率、風合い(スト
レッチ性、張り・腰、膨らみ感、反発感、ソフト性)、
表面品位(シボ・シワ、イラツキ感)、総合評価は次の
通りである。
【0021】A.固有粘度:オルソクロロフェノール
(以下OCPと略す)10ml中に試料ポリマーを0.
8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相
対粘度ηrを次式により算出した値(IV)である。 ηr=η/η0=(t×q)/(t0×q0) IV=0.0242ηr+0.2634 但し、η:ポリマー溶液の粘度、η0:OCPの粘度、
t:溶液の落下時間(秒)、q:溶液の密度(g/cm
3)t0:OCPの落下時間(秒)、q0:OCPの密度
(g/cm3)。
(以下OCPと略す)10ml中に試料ポリマーを0.
8g溶かし、25℃にてオストワルド粘度計を用いて相
対粘度ηrを次式により算出した値(IV)である。 ηr=η/η0=(t×q)/(t0×q0) IV=0.0242ηr+0.2634 但し、η:ポリマー溶液の粘度、η0:OCPの粘度、
t:溶液の落下時間(秒)、q:溶液の密度(g/cm
3)t0:OCPの落下時間(秒)、q0:OCPの密度
(g/cm3)。
【0022】B.1.8×10-3cN/dtex荷重下
伸縮伸長率:周長1mの手回し検尺器にて10回巻のカ
セを作り、1.8×10-3cN/dtexの荷重を架け
たカセを90℃の熱水にて20分間処理する。風乾し原
長L1を測定した後、1.8×10-3cN/dtexの
荷重を外し、88.3×10-3cN/dtexの荷重を
架けて2分後の長さL2を測定し、次式より求めた値
(%)である。 伸縮伸長率={(L2−L1)/L1}×100 C.風合い(ストレッチ性、張り・腰、膨らみ感、反発
感、ソフト性)経糸に56デシテックス18フィラメン
トのPET延伸糸を用い、緯糸に得られた複合糸を用い
て平織り組織にて製織し、生機精練および95℃×40
分間の熱水処理し、風乾して得た布帛について、基準布
帛との一対比較による官能評価を20人で行った。基準
布帛は緯糸に84デシテックス48フィラメントのPE
T延伸糸を用いて前記と同様の方法で製織、加工を施し
たものを用いた。基準布帛に対して、優れていると判断
した人数で評価を行い、○および△を合格基準とした。 18人以上:○、14〜17人:△、13人以下:× D.表面品位(シボ・シワ):風合いの評価に用いる布
帛と同様の製織、精練、熱水処理および風乾を行った幅
50cm×長さ200cmの布帛にあるシボ・シワの本
数で以下の通り評価し、○および△を合格基準とした。 0〜1本:○、2〜4本:△、5本以上:× E.表面品位(イラツキ感):ストレッチ性の評価に用
いる布帛について、20人のパネラーによる官能評価を
行った。市販の40ワット蛍光灯下で布帛表面を観察
し、表面にイラツキが無いと判断した人数で評価を行
い、○および△を合格基準とした。 18人以上:○、14〜17人:△、13人以下:× F.総合評価:前記した各評価項目を考慮して以下の通
り総合的に評価し、○および△を合格基準とした。 △判定3項目以下:○、△判定4項目以上:△、×判定
項目があるもの:× 実施例1:市販の複合紡糸装置を用いて、固有粘度1.
47のPTTを高粘度委成分とし固有粘度0.51のP
ETを低粘度成分として、糸横断面が真円型でありPT
TとPETの容積比が1:1であり、単糸繊度0.5d
tex・フィラメント数36の糸条群Aと、単糸繊度
0.7dtex・フィラメント数8の糸条群B、単糸繊
度3.0dtex・フィラメント数4の糸条群Cからな
る異繊度混繊複合糸を溶融紡糸した。得られた糸の伸縮
伸長率は28%であり、これを用いた製品のストレッチ
性は、ストレッチ織物として問題ないレベルであり、張
り・腰、膨らみ感、反発感、ソフト性も良好な風合いが
得られた。また、製品表面品位はシボ・シワおよびイラ
ツキ感の無い優れた品位が得られた。
伸縮伸長率:周長1mの手回し検尺器にて10回巻のカ
セを作り、1.8×10-3cN/dtexの荷重を架け
たカセを90℃の熱水にて20分間処理する。風乾し原
長L1を測定した後、1.8×10-3cN/dtexの
荷重を外し、88.3×10-3cN/dtexの荷重を
架けて2分後の長さL2を測定し、次式より求めた値
(%)である。 伸縮伸長率={(L2−L1)/L1}×100 C.風合い(ストレッチ性、張り・腰、膨らみ感、反発
感、ソフト性)経糸に56デシテックス18フィラメン
トのPET延伸糸を用い、緯糸に得られた複合糸を用い
て平織り組織にて製織し、生機精練および95℃×40
分間の熱水処理し、風乾して得た布帛について、基準布
帛との一対比較による官能評価を20人で行った。基準
布帛は緯糸に84デシテックス48フィラメントのPE
T延伸糸を用いて前記と同様の方法で製織、加工を施し
たものを用いた。基準布帛に対して、優れていると判断
した人数で評価を行い、○および△を合格基準とした。 18人以上:○、14〜17人:△、13人以下:× D.表面品位(シボ・シワ):風合いの評価に用いる布
帛と同様の製織、精練、熱水処理および風乾を行った幅
50cm×長さ200cmの布帛にあるシボ・シワの本
数で以下の通り評価し、○および△を合格基準とした。 0〜1本:○、2〜4本:△、5本以上:× E.表面品位(イラツキ感):ストレッチ性の評価に用
いる布帛について、20人のパネラーによる官能評価を
行った。市販の40ワット蛍光灯下で布帛表面を観察
し、表面にイラツキが無いと判断した人数で評価を行
い、○および△を合格基準とした。 18人以上:○、14〜17人:△、13人以下:× F.総合評価:前記した各評価項目を考慮して以下の通
り総合的に評価し、○および△を合格基準とした。 △判定3項目以下:○、△判定4項目以上:△、×判定
項目があるもの:× 実施例1:市販の複合紡糸装置を用いて、固有粘度1.
47のPTTを高粘度委成分とし固有粘度0.51のP
ETを低粘度成分として、糸横断面が真円型でありPT
TとPETの容積比が1:1であり、単糸繊度0.5d
tex・フィラメント数36の糸条群Aと、単糸繊度
0.7dtex・フィラメント数8の糸条群B、単糸繊
度3.0dtex・フィラメント数4の糸条群Cからな
る異繊度混繊複合糸を溶融紡糸した。得られた糸の伸縮
伸長率は28%であり、これを用いた製品のストレッチ
性は、ストレッチ織物として問題ないレベルであり、張
り・腰、膨らみ感、反発感、ソフト性も良好な風合いが
得られた。また、製品表面品位はシボ・シワおよびイラ
ツキ感の無い優れた品位が得られた。
【0023】実施例2:単糸繊度3.0dtex・フィ
ラメント数45の糸条群Aと、単糸繊度5.0dtex
・フィラメント数2の糸条群B、単糸繊度15.0dt
ex・フィラメント数1の糸条群Cからなること以外、
実施例1と同様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得ら
れた糸の伸縮伸長率は42%であり、これを用いた製品
は良好なストレッチ性と反発感を有し、また張り・腰、
膨らみ感、ソフト性にも問題なく、製品表面品位も問題
の無いものが得られた。
ラメント数45の糸条群Aと、単糸繊度5.0dtex
・フィラメント数2の糸条群B、単糸繊度15.0dt
ex・フィラメント数1の糸条群Cからなること以外、
実施例1と同様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得ら
れた糸の伸縮伸長率は42%であり、これを用いた製品
は良好なストレッチ性と反発感を有し、また張り・腰、
膨らみ感、ソフト性にも問題なく、製品表面品位も問題
の無いものが得られた。
【0024】実施例3:単糸繊度1.0dtex・フィ
ラメント数36の糸条群Aと、単糸繊度2.0dtex
・フィラメント数9の糸条群B、単糸繊度5.0dte
x・フィラメント数3の糸条群Cからなること以外、実
施例1と同様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られ
た糸の伸縮伸長率は66%であり、これを用いた製品は
非常に高いストレッチ性とソフト性を有し、また張り・
腰、膨らみ感、ソフト性にも問題なく、製品表面品位は
シボ・シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られ
た。
ラメント数36の糸条群Aと、単糸繊度2.0dtex
・フィラメント数9の糸条群B、単糸繊度5.0dte
x・フィラメント数3の糸条群Cからなること以外、実
施例1と同様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られ
た糸の伸縮伸長率は66%であり、これを用いた製品は
非常に高いストレッチ性とソフト性を有し、また張り・
腰、膨らみ感、ソフト性にも問題なく、製品表面品位は
シボ・シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られ
た。
【0025】実施例4:溶融紡糸する際の糸条群Aの吐
出孔をスリット型の吐出孔形状とし、糸横断面がQR/
ST=1.5となるように、スリット孔形状(スリット
幅・スリット長)を調整したこと以外、実施例3と同様
の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸
長率は56%であり、これを用いた製品は非常に高いス
トレッチ性と張り・腰感およびソフト性を有し、また膨
らみ感、ソフト性にも問題なく、製品表面品位はシボ・
シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られた。
出孔をスリット型の吐出孔形状とし、糸横断面がQR/
ST=1.5となるように、スリット孔形状(スリット
幅・スリット長)を調整したこと以外、実施例3と同様
の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸
長率は56%であり、これを用いた製品は非常に高いス
トレッチ性と張り・腰感およびソフト性を有し、また膨
らみ感、ソフト性にも問題なく、製品表面品位はシボ・
シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られた。
【0026】実施例5:全ての糸条群の糸横断面がQR
/ST=1.5となるように、スリット孔形状(スリッ
ト幅・スリット長)を調整したこと以外、実施例4と同
様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮
伸長率は62%であり、これを用いた製品は非常に高い
ストレッチ性と張り・腰、膨らみ感およびソフト性を有
し、製品表面品位はシボ・シワおよびイラツキ感の無い
非常に優れたものが得られた。
/ST=1.5となるように、スリット孔形状(スリッ
ト幅・スリット長)を調整したこと以外、実施例4と同
様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮
伸長率は62%であり、これを用いた製品は非常に高い
ストレッチ性と張り・腰、膨らみ感およびソフト性を有
し、製品表面品位はシボ・シワおよびイラツキ感の無い
非常に優れたものが得られた。
【0027】実施例6:糸条群Aを単糸繊度2.0dt
ex・フィラメント数38・QR/ST=1.5、糸条
群Bを単糸繊度6.0dtex・フィラメント数8・
QR/ST=1.2、糸条群Cを単糸繊度10.0dt
ex・フィラメント数2・QR/ST=2.0となるよ
うに、それぞれの糸条群の吐出孔のスリット孔形状(ス
リット幅・スリット長)を調整したこと以外、実施例1
と同様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られた糸の
伸縮伸長率は46%であり、これを用いた製品は高いス
トレッチ性と張り・腰、膨らみ感およびソフト性を有
し、製品表面品位はシボ・シワおよびイラツキ感の無い
優れたものが得られた。
ex・フィラメント数38・QR/ST=1.5、糸条
群Bを単糸繊度6.0dtex・フィラメント数8・
QR/ST=1.2、糸条群Cを単糸繊度10.0dt
ex・フィラメント数2・QR/ST=2.0となるよ
うに、それぞれの糸条群の吐出孔のスリット孔形状(ス
リット幅・スリット長)を調整したこと以外、実施例1
と同様の方法で異繊度混繊複合糸を得た。得られた糸の
伸縮伸長率は46%であり、これを用いた製品は高いス
トレッチ性と張り・腰、膨らみ感およびソフト性を有
し、製品表面品位はシボ・シワおよびイラツキ感の無い
優れたものが得られた。
【0028】実施例7:低粘度成分に固有粘度0.65
のPTTを用い、糸条群AがQR/ST=1.5、糸条
群BがQR/ST=1.2、糸条群CがQR/ST=
2.0となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状
を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混
繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は43%であ
り、これを用いた製品は高いストレッチ性と張り・腰、
膨らみ感および優れたソフト性を有し、製品表面品位は
シボ・シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られ
た。
のPTTを用い、糸条群AがQR/ST=1.5、糸条
群BがQR/ST=1.2、糸条群CがQR/ST=
2.0となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状
を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混
繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は43%であ
り、これを用いた製品は高いストレッチ性と張り・腰、
膨らみ感および優れたソフト性を有し、製品表面品位は
シボ・シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られ
た。
【0029】実施例8:低粘度成分に固有粘度0.60
のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと省略す
る)を用い、糸条群AがQR/ST=1.5、糸条群B
がQR/ST=1.2、糸条群CがQR/ST=2.0
となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状を調整
したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混繊複合
糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は55%であり、こ
れを用いた製品は高いストレッチ性と優れた張り・腰、
膨らみ感およびソフト性を有し、製品表面品位はシボ・
シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られた。
のポリブチレンテレフタレート(以下PBTと省略す
る)を用い、糸条群AがQR/ST=1.5、糸条群B
がQR/ST=1.2、糸条群CがQR/ST=2.0
となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状を調整
したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混繊複合
糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は55%であり、こ
れを用いた製品は高いストレッチ性と優れた張り・腰、
膨らみ感およびソフト性を有し、製品表面品位はシボ・
シワおよびイラツキ感の無い優れたものが得られた。
【0030】実施例9:全ての糸条群がQR/ST=
4.0となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状
を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混
繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は26%であ
り、これを用いた製品はストレッチ性は問題無く、優れ
た張り・腰、膨らみ感、ソフト性を有するものが得られ
た。また表面品位も製品として問題の無いものが得られ
た。
4.0となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状
を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混
繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は26%であ
り、これを用いた製品はストレッチ性は問題無く、優れ
た張り・腰、膨らみ感、ソフト性を有するものが得られ
た。また表面品位も製品として問題の無いものが得られ
た。
【0031】比較例1:糸条群Aの単糸繊度を0.2d
texとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊度
混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は11%と
低く、これを用いた製品はストレッチ織物とは言えない
ものとなり、また張り・腰も基準布帛と何ら変わり無く
不足しているものとなった。
texとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊度
混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は11%と
低く、これを用いた製品はストレッチ織物とは言えない
ものとなり、また張り・腰も基準布帛と何ら変わり無く
不足しているものとなった。
【0032】比較例2:糸条群Bの単糸繊度を6.0d
texとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊度
混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は27%で
あり、これを用いた製品はストレッチ織物として問題な
いものの、粗硬感が強くソフト性の無いものとなった。
また、製品表面にシボ立ちやイラツキ感が目立つように
なり、製品としては劣る表面品位であった。
texとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊度
混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は27%で
あり、これを用いた製品はストレッチ織物として問題な
いものの、粗硬感が強くソフト性の無いものとなった。
また、製品表面にシボ立ちやイラツキ感が目立つように
なり、製品としては劣る表面品位であった。
【0033】比較例3:糸条群Cの単糸繊度を20.0
dtexとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊
度混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は14%
と低く、これを用いた製品はストレッチ織物とは言えな
いものとなり、また粗硬感が強くソフト性の無いものと
なった。また、製品表面にイラツキ感は無いもののシボ
・シワが目立つようになり、製品としては劣る表面品位
であった。
dtexとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊
度混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は14%
と低く、これを用いた製品はストレッチ織物とは言えな
いものとなり、また粗硬感が強くソフト性の無いものと
なった。また、製品表面にイラツキ感は無いもののシボ
・シワが目立つようになり、製品としては劣る表面品位
であった。
【0034】比較例4:糸条群Aの単糸繊度を4.0d
texとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊度
混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は9%であ
り、これを用いた製品はストレッチ織物と言えないもの
となり、また、膨らみ感やソフト性も不足しているもの
となった。
texとしたこと以外、実施例5と同様の方法で異繊度
混繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は9%であ
り、これを用いた製品はストレッチ織物と言えないもの
となり、また、膨らみ感やソフト性も不足しているもの
となった。
【0035】比較例5:糸条群Aのフィラメント数5と
したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混繊複合
糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は13%であり、こ
れを用いた製品はストレッチ織物と言えないものとな
り、また張り・腰、膨らみ感、反発感やソフト性も不足
しており、製品表面にはシボ・シワが目立つものとなっ
た。
したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混繊複合
糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は13%であり、こ
れを用いた製品はストレッチ織物と言えないものとな
り、また張り・腰、膨らみ感、反発感やソフト性も不足
しており、製品表面にはシボ・シワが目立つものとなっ
た。
【0036】比較例6:高粘度成分に固有粘度0.76
のPETを用い、糸条群AがQR/ST=1.5、糸条
群BがQR/ST=1.2、糸条群CがQR/ST=
2.0となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状
を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混
繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は15%であ
り、これを用いた製品の張り・腰、膨らみ感、反発感は
問題無いレベルであったが、ソフト性が不足しており、
またストレッチ性も低くストレッチ織物とは言えないも
のとなった。
のPETを用い、糸条群AがQR/ST=1.5、糸条
群BがQR/ST=1.2、糸条群CがQR/ST=
2.0となるようにそれぞれの糸条群のスリット孔形状
を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で異繊度混
繊複合糸を得た。得られた糸の伸縮伸長率は15%であ
り、これを用いた製品の張り・腰、膨らみ感、反発感は
問題無いレベルであったが、ソフト性が不足しており、
またストレッチ性も低くストレッチ織物とは言えないも
のとなった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、サイ
ドバイサイド型複合糸を構成する高粘度成分にPTTを
用い、該複合糸を3種以上のフィラメント糸条群からな
る異繊度混繊糸として、細繊度糸条群、中繊度糸条群、
太繊度糸条群の単糸繊度、および各糸条群のフィラメン
ト数を適正なものとし、1.8×10-3cN/dtex
荷重下伸縮伸長率を適正なものとすることにより、シボ
・シワの無い上品な品位と高ストレッチ性、張り・腰、
反発感、膨らみ感とソフト性を両立するストレッチ性異
繊度混繊糸を得ることができる。
ドバイサイド型複合糸を構成する高粘度成分にPTTを
用い、該複合糸を3種以上のフィラメント糸条群からな
る異繊度混繊糸として、細繊度糸条群、中繊度糸条群、
太繊度糸条群の単糸繊度、および各糸条群のフィラメン
ト数を適正なものとし、1.8×10-3cN/dtex
荷重下伸縮伸長率を適正なものとすることにより、シボ
・シワの無い上品な品位と高ストレッチ性、張り・腰、
反発感、膨らみ感とソフト性を両立するストレッチ性異
繊度混繊糸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施様態を示す糸横断面図
O:糸横断面の2成分の接合面と糸外周との接点 P:糸横断面の2成分の接合面と糸外周とのもう一方の
接点 X:線分ABの中心を通り、線分ABと直交した直線 Q:直線Xと糸外周との交点 R:直線Xと糸外周との交点 Y:線分CDの中心を通り、線分CDと直交した直線 S:直線Yと糸外周との交点 T:直線Yと糸外周との交点
接点 X:線分ABの中心を通り、線分ABと直交した直線 Q:直線Xと糸外周との交点 R:直線Xと糸外周との交点 Y:線分CDの中心を通り、線分CDと直交した直線 S:直線Yと糸外周との交点 T:直線Yと糸外周との交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB31 DD01 DD15 DD20 EE20 HH10 4L036 MA05 MA17 MA33 MA39 PA01 PA03 PA33 RA04 4L045 AA05 BA03 BA21 BA36 BA42 BA44 BA45 CB06
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも3種以上のフィラメント糸条群
からなる異繊度混繊糸において、混繊糸を構成する全て
の単糸が粘度の異なる2成分のポリエステルからなるサ
イドバイサイド型複合糸であり、少なくとも高粘度成分
が繰り返し単位の80モル%以上がトリメチレンテレフ
タレートからなるポリトリメチレンテレフタレートであ
り、混繊糸条群が単糸繊度が0.5〜3.0dtexの
細繊度糸条群(A)と単糸繊度が0.7〜5.0dte
xの中繊度糸条群(B)、3.0〜15.0dtexの
太繊度糸条群(C)であり、細繊度糸条群のフィラメン
ト数(Fa)は、太繊度糸条群のフィラメント数(F
c)の9倍以上、中繊度糸条群のフィラメント数(F
b)の2倍以上であり、且つ該混繊糸の1.8×10-3
cN/dtex荷重下伸縮伸長率が20%以上であるこ
とを特徴とするストレッチ性異繊度混繊糸。 - 【請求項2】混繊糸の各糸条群を構成する細繊度糸条群
および/または中繊度糸条群および/または太繊度糸条
群の全てのサイドバイサイド型複合糸において、単糸断
面の2成分の接合面と糸外周との2つの接点O、Pを結
んだ線分OPの中心を通り、線分OPと直交した直線X
と複合糸外周との2つの交点をQ、Rとし、線分QRの
中心を通り線分QRと直交した直線Yと糸外周との2つ
の交点をS、Tとしたとき、線分QRと線分STの長さ
の比QR/STが1.2〜4.0であることを特徴とす
る請求項1記載のストレッチ性異繊度混繊糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001087417A JP2002285428A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | ストレッチ性異繊度混繊糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001087417A JP2002285428A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | ストレッチ性異繊度混繊糸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002285428A true JP2002285428A (ja) | 2002-10-03 |
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ID=18942665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001087417A Pending JP2002285428A (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | ストレッチ性異繊度混繊糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002285428A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103290567A (zh) * | 2013-05-09 | 2013-09-11 | 江苏金茂化纤股份有限公司 | 复合混纤丝一步法纺丝方法 |
JP2017172080A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 東レ株式会社 | 複合捲縮糸 |
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JPH11158733A (ja) * | 1997-11-26 | 1999-06-15 | Toyobo Co Ltd | 潜在捲縮発現性を有する湿式不織布用ポリエステル短繊維とその製造方法 |
JP2001055634A (ja) * | 1999-06-08 | 2001-02-27 | Toray Ind Inc | 高捲縮性ポリエステル系複合繊維およびその製法ならびに布帛 |
-
2001
- 2001-03-26 JP JP2001087417A patent/JP2002285428A/ja active Pending
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