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JP2002249065A - 作業車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

作業車両の動力伝達制御装置

Info

Publication number
JP2002249065A
JP2002249065A JP2001051436A JP2001051436A JP2002249065A JP 2002249065 A JP2002249065 A JP 2002249065A JP 2001051436 A JP2001051436 A JP 2001051436A JP 2001051436 A JP2001051436 A JP 2001051436A JP 2002249065 A JP2002249065 A JP 2002249065A
Authority
JP
Japan
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rotation
crawler
clutch
vehicle body
output
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001051436A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Furukawa
浩二 古川
Hitoshi Ueji
仁志 上路
Masayuki Takahashi
誠之 高橋
Tomoyuki Ishida
智之 石田
Hideaki Saeki
英明 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd, Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2001051436A priority Critical patent/JP2002249065A/ja
Publication of JP2002249065A publication Critical patent/JP2002249065A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローラ式走行装置を備えた作業車両が伝
動機構の左右回転比を調整して車体を旋回する際に、不
慣れなオペレータが操作した場合でも、クローラの回転
をロックさせないで地面の荒れを防止する。 【解決手段】 リヤアクスルケース47内に正逆転切り
換え装置72と二段式遊星ギヤ機構76等からなる伝動
機構を設け、正転用クラッチ75を滑らせて左右のクロ
ーラ16,16の回転比を調整することにより、車体を
緩旋回させる。車体の緩旋回中に、一方のクローラ16
の回転が所定回転以下に低下もしくは停止した場合は、
該一方の正転用クラッチ75を間欠的に断続させて、ク
ローラ16のロックを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業車両の動力伝達
制御装置に関するものであり、特に、クローラ式走行装
置を備えた農業用、建築用、運搬用の作業車両の動力伝
達制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、此種作業車両には、特開昭63−
235171号公報に記載されているように、車体後部
にミッションケースを設け、このミッションケースの左
右側方にクローラ式走行装置を支持するものが知られて
いる。そして、該作業車両では、ステアリングハンドル
と、左右ブレーキ装置とをリンク機構等から構成される
機械的連動機構を介して連結し、ステアリングハンドル
の操向操作に伴って操向内側のブレーキを作動すること
により、車体を操向する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の作業車両
で、例えば湿田圃場等のように、特に地面の抵抗の大き
い走行面で作業する場合は、旋回時にクローラの回転が
停止することがあり、然るときは、地面を荒らすことに
なるため、オペレータがステアリングハンドルを小刻み
に反復操作して、クローラのロックを防止しなければな
らず、運転操作が煩雑となり、且つ、熟練した運転技術
が必要となる。
【0004】そこで、クローラ式走行装置を備えた作業
車両が伝動機構の左右回転比を調整して車体を旋回する
際に、不慣れなオペレータが操作した場合でも、クロー
ラの回転をロックさせないで地面の荒れを防止するため
に解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明
はこの課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、車体後部にミッショ
ンケース23を設け、このミッションケース23の左右
側方にクローラ式走行装置Cを支持する作業車両に於い
て、前記左右夫々のクローラ式走行装置Cには、回転数
を変速する伝動機構72,76及びこの伝動機構72,
76の出力回転数を検出するセンサ89を設け、車体の
操向操作量に応じて前記伝動機構72,76の出力回転
数を予め設定した左右回転比となるように変速させる制
御部90を設けるとともに、この制御部90には、前記
車体の操向操作中に前記設定した左右回転比以外で一方
のクローラ16の回転が停止若しくは所定回転よりも低
下した場合に、前記伝動機構72,76の出力回転を間
欠的に断続若しくは増減速させるようなクローラ回転ロ
ック回避手段を設けた作業車両の動力伝達制御装置、及
び、上記クローラ回転ロック回避手段は、作動初期に最
も回転トルクを大きく出力し、その後、前記回転トルク
を減少させるように構成した作業車両の動力伝達制御装
置、及び、上記クローラ回転ロック回避手段は、作動初
期に最も長い時間で出力し、その後、前記出力時間を減
少させるように構成した動力伝達制御装置を提供するも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従って詳述する。図1及び図2は作業車両の一例と
してクローラ型のトラクタ10を示し、リヤアクスル1
1に駆動スプロケット12を取り付け、この駆動スプロ
ケット12を回転支持するトラックフレーム13に従動
スプロケット14と転輪15を枢着し、これら駆動スプ
ロケット12と従動スプロケット14,転輪15間にク
ローラ16を卷装し、トラックフレーム13の前端部を
車体フレーム17に固着してクローラ式走行装置Cを構
成している。符号23はミッションケースであり、前記
クローラ式走行装置Cはこのミッションケース23の左
右側方に支持され、且つ、ミッションケース23よりも
後方に突出しており、該クローラ式走行装置Cのクロー
ラ16は車体の後端部よりも後方に位置している。後述
するように、エンジン46の回転動力はミッションケー
ス23に入力され、該ミッションケース23内の変速装
置にて変速された後にリヤアクスル11に伝達され、駆
動スプロケット12が回転してクローラ16が駆動され
る。
【0007】運転席18の近傍には、対地作業機26の
昇降位置を設定するポジションレバー40、対地作業機
26の耕深量を設定する耕深調整ダイヤル41、対地作
業機26の左右方向の傾きを設定する水平調整ダイヤル
42等が設けられ、運転席18の下部には車体の左右方
向のローリング角を検出するスロープセンサ43を設置
してある。更に、運転席18の前方に操向操作部である
回転操作式のステアリングハンドル19を設けてあり、
ステアリングハンドル軸20はステアリングハンドルコ
ラム21内に挿入され、その基端部にはステアリング操
作装置22が装着されている。更に、ステアリングハン
ドルコラム21の右側部にブレーキペダル44を設ける
とともに、ステアリングハンドルコラム21の左側部に
クラッチペダル45を設ける。尚、運転席18の下方に
は制御部であるコントローラ90が設けられている。
【0008】また、車体の後部にはリンク機構25を介
してロータリ等の対地作業機26が連結されており、こ
のリンク機構25はトップリンク27と左右のロワリン
ク28,28とからなり、左右のリフトアーム29,2
9の先端とロワリンク28,28をリフトロッド30,
30にて連結し、リフトシリンダ32の駆動にてリフト
アーム29を回動することにより、リフトロッド30,
30を介してロワリンク28,28が上下動する。斯く
して、ロワリンク28,28の先端部を回動中心に前記
対地作業機26が昇降する。
【0009】リフトアーム29の回動基部には、対地作
業機26の昇降位置を検出するセンサとしてリフトアー
ム角センサ33が設けられ、このリフトアーム角センサ
33にてリフトアーム29の回動角を検出し、対地作業
機26の昇降高さを演算する。また、対地作業機26の
メインカバー34の後端部にリヤカバー35を回動自在
に取り付け、リヤカバーセンサ36によりリヤカバー3
5の回動角度を検出して、対地作業機26の耕深制御を
行えるように形成されている。
【0010】一方、車体に対する対地作業機26の左右
方向の傾きを変更するアクチュエータとして、左右どち
らかのリフトロッド30の途中にローリングシリンダ3
7を設け、該ローリングシリンダ37を伸縮させてロワ
リンク28のリフト量を左右で変えることにより、対地
作業機26のローリング角を変更可能に形成してある。
そして、前記ローリングシリンダ37に隣接してストロ
ークセンサ38を設け、該ストロークセンサ38により
ローリングシリンダ37の伸縮長さを検出して車体に対
する対地作業機26のローリング角を計測するととも
に、前記水平調整ダイヤル42の設定値に応じてローリ
ングシリンダ37を伸縮駆動し、対地作業機26のロー
リング制御を行えるようにしてある。
【0011】次に、図3及び図4にて当該トラクタ10
の動力伝達制御装置の構成について説明する。前記ミッ
ションケース23はフロントミッションケース23a
と、ミッドミッションケース23bと、リヤミッション
ケース23cとからなり、リヤミッションケース23c
の左右側方にリヤアクスルケース47,47を接続し
て、前記クローラ式走行装置Cを支持している。フロン
トミッションケース23aの前面には、その上部に動力
入力軸48を突設してあり、車体フレーム17に囲繞さ
れたエンジン回転出力軸49と動力入力軸48とが同軸
に接続されている。
【0012】エンジン46の回転動力は前記エンジン回
転出力軸49及び動力入力軸48からフロントミッショ
ンケース23a内に入力され、先ず減速ギヤ50により
ケース下部に伝達された後、後方の主クラッチ51へ伝
達されるとともに、フロントミッションケース23aの
前部に設けた油圧ポンプ52へ伝達される。また前記主
クラッチ51にて入切操作される動力は、ミッドミッシ
ョンケース23b内の主変速装置53及び副変速装置5
4にて適宜減速され、副変速出力軸となるピニオン軸5
5を介してリヤミッションケース23c内に伝達され
る。
【0013】前記主変速装置53は、主変速駆動軸56
と主変速被駆動軸57間に1速から3速の前進速及び1
段の後進速を有するギヤ組58を設け、前記主変速被駆
動軸57内に設けたスライドキー59を前後に操作する
ことにより、何れか一つのギヤ組58を介して動力を伝
達する所謂キーシフト式変速機構となっている。
【0014】また、前記副変速装置54は、前記主変速
駆動軸56の延長上に副変速駆動軸60を設け、該副変
速駆動軸60に「高速」「低速」用の二段ギヤ61,6
2を設ける一方、前記主変速被駆動軸57の延長上に副
変速被駆動軸即ち前記ピニオン軸55を設け、該ピニオ
ン軸55に前記二段ギヤ61,62に噛み合わせるスラ
イド式二段ギヤ63を設けたコンスタントメッシュ式ギ
ヤによる変速装置となっている。
【0015】尚、符号64はPTO伝達軸であり、リヤ
ミッションケース23cに設けたPTO変速装置65を
経て、リヤミッションケース23cの後部に突設された
リヤPTO軸66へ動力を伝達する。
【0016】前記リヤミッションケース23cには、左
右側壁間に支持軸68を設け、この支持軸68の中央よ
りやや偏倚した位置に前記ピニオン軸55と噛み合うベ
ベルギヤ69をスプライン嵌合し、該ベベルギヤ69と
左右略対向位置にブレーキディスク70を設けてある。
そして、前記ブレーキペダル44の踏み込み操作によっ
てこのブレーキディスク70を圧着し、支持軸68の回
転即ち左右クローラ16,16の回転を制動する構成と
なっている。また、前記支持軸68の左右両端部には減
速ギヤ組71を設け、前記ベベルギヤ69の回転をリヤ
アクスルケース47内の正逆転切り換え装置72に伝達
する。
【0017】前記リヤアクスルケース47は、略筒状の
鋳物ケースであって、前記減速ギヤ組71を介して駆動
される駆動軸73上に、湿式多板形態の逆転用クラッチ
74(車体内側)及び正転用クラッチ75(車体外側)
を設けるとともに、この正転用クラッチ75の外側にカ
ウンターギヤを有する所謂二段遊星ギヤ機構76が設け
られて、回転数を変速する伝動機構を構成している。ま
た、前記正転用クラッチ75は、内部スプリング77に
より常時圧着する構成となっており、この状態では、該
正転用クラッチ75の駆動側ディスクと一体の駆動側サ
ンギヤ78と、これに噛み合う各遊星ギヤ及び被駆動側
ディスクと一体のキャリア79とが、前記駆動側サンギ
ヤ78を中心に一体回転して、前記ベベルギヤ46の回
転が駆動側サンギヤ78から被駆動側サンギヤ80へ1
対1の回転比で伝達される。
【0018】また、前記逆転用クラッチ74のピストン
部81へ圧油を送り込むと、背反的に前記正転用クラッ
チ75のディスクの圧着が徐々に解除され、前記駆動側
ディスクと被駆動側ディスクとの間に回転差が生じ、こ
れに伴って、前記被駆動側サンギヤ80へ伝達される回
転が減速される。前記ピストン部81へ圧油を送り続け
て、ピストンの移動量を図中車体内側に増加すると、前
記正転用クラッチ75のディスクの圧着が完全に解除さ
れて前記被駆動側サンギヤ80の回転はゼロとなり、ク
ローラ16の回転が停止してクラッチが中立状態とな
る。この中立状態を経て、更に前記ピストン部81へ圧
油を送り続ければ、逆転用クラッチ74の駆動側ディス
クと被駆動側ディスクとが徐々に圧着され、キャリア7
9の回転が二段遊星ギヤ76を介して被駆動側サンギヤ
80へ伝達される。従って、前記ベベルギヤ69の回転
を被駆動側サンギヤ80へ逆回転にて伝達し、クローラ
16の回転が逆転駆動される。
【0019】尚、前記逆転時の回転比は前記正転時の略
30%に設定する構成となっているが、この逆転用クラ
ッチ74を作動する手段としては、トラクタ10の旋回
操作に連動して旋回内側のクローラ16だけを逆転する
構成としてもよいし、或いは、左右両方の逆転用クラッ
チ74,74を同時に圧着して車体を後進させるように
構成してもよい。また、後述するように、クラッチペダ
ル45の踏み込み量を検出し、前記正転用クラッチ7
5、逆転用クラッチ74、二段遊星ギヤ機構76からな
る伝動機構を利用して、前記中立状態を保持する構成と
すれば、前述の主クラッチ51を廃止することができ
る。
【0020】また、前記被駆動側サンギヤ80は、前記
リヤアクスルケース47の外側開放部を遮蔽する蓋体8
2と一体的に組み付ける構成となっており、この蓋体8
2は前記リヤアクスルケース47と同様の鋳造製であっ
て、前記リヤアクスルケース47との接続用ボルト孔8
3,83…を有する外蓋部82aと、この外蓋部82a
の内面にボルトにより取り付けて内面を覆う内蓋部82
bと、外蓋部82a,内蓋部82b間に介在させるリン
グギヤ84等から構成されている。この外蓋部82aと
内蓋部82bとの間にパック状の空間部85を形成し、
この空間部85内には、入力軸86の回転を減速させて
出力軸即ち前記リヤアクスル11へ伝達する遊星ギヤ機
構87を内装してある。
【0021】尚、符号88は回転検出用ギヤであって、
この回転検出用ギヤ88に対して非接触式回転検出セン
サ89を近接配置し,左右夫々のクローラ16,16の
回転を検出できるように構成されている。また、前記蓋
体82内の遊星ギヤ機構87は、ホイール仕様とクロー
ラ仕様とを相互に変更する場合や、ホイール仕様の車輪
径を変更する場合等、トラクタ10の仕様変更に応じて
任意に減速比を変更できるような機構であってもよい。
【0022】図5は制御系のブロック図であり、制御部
である前記コントローラ90の内部には、各種情報を演
算処理するCPUと、各種センサ値や設定値を記憶する
RAMと、制御プログラムなどを記憶するROMなどを
有しており、該コントローラ90の入力部にはポジショ
ンレバー40、耕深調整ダイヤル41、水平調整ダイヤ
ル42等の設定信号と、リフトアーム角センサ33、ス
ロープセンサ43、左クローラ回転センサ89、左クロ
ーラ回転センサ89、ステアリング切れ角センサ91、
スロットル位置センサ92、左ブレーキペダルセンサ9
3、右ブレーキペダルセンサ93、クラッチペダルセン
サ94、主変速レバーセンサ96、エンジン回転数セン
サ97等の検出信号が入力される。
【0023】また、これらの入力信号に基づき、コント
ローラ90の出力部からリフトシリンダ32用コントロ
ールバルブの上げソレノイド若しくは下げソレノイド、
ローリングシリンダ37用コントロールバルブの伸びソ
レノイド若しくは縮みソレノイド、ブレーキディスク7
0用コントロールバルブのブレーキソレノイド、左正逆
転切り換え装置72用コントロールバルブのクラッチソ
レノイド、右正逆転切り換え装置72用コントロールバ
ルブのクラッチソレノイド、ガバナ調整用アクチュエー
タ98等に作動信号を出力する。
【0024】図6に示すように、リニア操作式の主変速
レバー95の回動基部にポテンショメータからなる主変
速レバーセンサ96を設け、該主変速レバーセンサ96
によって主変速位置を検出する。そして、エンジンスタ
ート時に該主変速レバー95が中立位置(N)にあると
きは、コントローラ90の制御指令にて、左右の正逆転
切り換え装置72,72のクラッチソレノイドにクラッ
チ電流を通電することにより、前記正逆転切り換え装置
72のクラッチシリンダに圧力がかかり、左右の正転用
クラッチ75及び逆転用クラッチ74の何れもが切り状
態、即ち、クラッチが中立(切り)状態を保持する。図
7に示すように、例えば正逆転切り換え装置72のクラ
ッチソレノイドに対するクラッチ電流が0.4Aである
ときに、クラッチシリンダ圧が10kg/cm2となり、クラ
ッチが中立状態になる。従って、前記ピニオン軸55か
ら支持軸68へ伝達された回転動力はリヤアクスル11
に伝達されず、クローラ16は駆動されない。
【0025】そして、該主変速レバー95を中立位置か
ら1速位置に操作したときは、コントローラ90の制御
指令にて、前記左右のクラッチソレノイドに通電するク
ラッチ電流が徐々に減少し、クラッチ電流が0.2A付
近で正転用クラッチ75が半クラッチ状態となり、クラ
ッチ電流が0Aでは前述した内部スプリング77の付勢
にて正転用クラッチ75が全圧で接続する。従って、前
記ピニオン軸55から支持軸68へ伝達された1速の回
転動力がリヤアクスル11に伝達され、クローラ16は
前進回転駆動される。
【0026】一方、該主変速レバー95を中立位置から
後進位置Rに操作したときは、コントローラ90の制御
指令にて、前記左右のクラッチソレノイドに通電するク
ラッチ電流が徐々に増加し、クラッチ電流が0.6A付
近で逆転用クラッチ74が半クラッチ状態となり、クラ
ッチ電流が0.8Aではクラッチシリンダ圧が20kg/c
m2となって、逆転用クラッチ74が全圧で接続する。従
って、前記ピニオン軸55から支持軸68へ伝達された
後進の回転動力がリヤアクスル11に伝達され、クロー
ラ16は後進回転駆動される。
【0027】斯くして、前述した主クラッチ51を廃止
した場合であっても、キーシフト式の主変速装置53の
変速操作が可能となり、クラッチペダル及びクラッチリ
ンク機構等が不要になってコストダウンに寄与できると
ともに、変速操作が簡単になって操作性が向上する。
【0028】或いは、図8に示すように、前記クラッチ
ペダル45の回動基部にポテンショメータからなるクラ
ッチペダルセンサ94を設け、該クラッチペダルセンサ
94によってクラッチペダル45の踏み込み量を検出す
るように構成することもできる。同図の二点鎖線で示す
ように、該クラッチペダル45を100%位置まで踏み
込んだときは、コントローラ90の制御指令にて、左右
の正逆転切り換え装置72,72のクラッチソレノイド
に0.4Aのクラッチ電流を通電することにより、前記
正逆転切り換え装置72のクラッチシリンダに10kg/c
m2の圧力がかかり、左右の正転用クラッチ75及び逆転
用クラッチ74の何れもが切り状態、即ち、クラッチが
中立(切り)状態を保持する。従って、前記ピニオン軸
55から支持軸68へ伝達された回転動力はリヤアクス
ル11に伝達されず、クローラ16は駆動されない。
【0029】そして、該クラッチペダル45の踏み込み
を徐々に緩めていくと、コントローラ90の制御指令に
て、前進変速状態では前記クラッチ電流を徐々に減少さ
せ、クラッチ電流が0.2A付近で半クラッチ状態とな
り、更に、クラッチペダル45の踏み込みを0%に解除
すればクラッチ電流が0Aとなって正転用クラッチ75
が全圧で接続される。一方、後進変速状態では前記クラ
ッチ電流を徐々に増加させ、クラッチ電流が0.6A付
近で半クラッチ状態となり、更に、クラッチペダル45
の踏み込みを0%に解除すればクラッチ電流が0.8A
となって逆転用クラッチ74が全圧で接続される。従っ
て、前記ピニオン軸55から支持軸68へ伝達された前
進または後進の回転動力がリヤアクスル11に伝達さ
れ、クローラ16は前進または後進回転駆動される。
【0030】斯くして、前述した主クラッチ51を廃止
した場合であっても、クラッチ操作が可能となり、機械
式のクラッチペダルと比較して、軽いクラッチ操作とな
って操作労力を軽減できるとともに、クラッチ接続時の
ショックを緩和することができる。
【0031】而して、当該トラクタ10が旋回する場
合、ステアリングハンドル19の操向操作(回転操作)
をステアリング切れ角センサ91にて検出し、この操向
操作量(切れ角変化)に応じて一方の正逆転切り換え装
置72のクラッチを制御し、旋回内側のクローラ16の
回転を減速することにより、左右のクローラ16,16
に回転差を与えて車体を旋回させている。比較的固い地
盤では、旋回内側のクローラ16を停止または逆転させ
て、車体を急旋回させることもあるが、旋回時にクロー
ラ16の回転をロックすると地面が荒れやすいので、通
常は旋回内側の正逆転切り換え装置72のクラッチを滑
らせて、旋回内側のクローラ16の回転を減速すること
により、車体を緩旋回させている。
【0032】図7に示したように、例えば前進走行状態
では、クラッチ電流が0A即ちクラッチシリンダ圧0kg
/cm2であるときは正転用クラッチ75が全圧で接続し、
クローラ16が前進回転駆動される。そして、ステアリ
ングハンドル19の旋回操作があったときは、一方(旋
回内側)の正逆転切り換え装置72のクラッチソレノイ
ドに対するクラッチ電流を徐々に増加して、クラッチシ
リンダ圧を昇圧させれば、クラッチ電流が0.2A付近
で正転用クラッチ75に滑りが生じて一方のクローラ1
6の回転が低下するため、左右のクローラ16,16に
回転差が生じて車体が旋回する。
【0033】このクラッチ滑り状態を保持することによ
り、地面を荒らさずに車体を緩旋回させることができる
が、地面の抵抗が変化した場合にはクローラ16の回転
が所定回転よりも低下若しくは停止することがあり、然
るときは地面を荒らすことになる。従って、前記回転セ
ンサ89により回転検出用ギヤ88の回転即ち入力軸8
6の実回転数を読み取って、クローラ16の回転状態を
常時監視し、クローラ16の回転低下若しくは停止を検
出したときは、次に述べるように、コントローラ90に
設けたクローラ回転ロック回避手段によって、クローラ
16の回転を間欠的に断続若しくは増減速させる。
【0034】ステアリングハンドル19を中立位置から
左右何れかの方向へ操向操作していくと、通常の場合は
図9の鎖線に示すように、コントローラ90から旋回内
側のクラッチソレノイドへ出力するクラッチ電流が徐々
に増加してクラッチが滑りはじめ、旋回内側のクローラ
16の回転数が徐々に低下して車体が緩旋回する。しか
し、図9の実線及び図10のフローチャートに示すよう
に、地盤の変化等によって一方のクローラの回転がロッ
クしたときは、回転センサ89によって、旋回内側のク
ローラ16の回転が予め設定された回転比以外で、所定
回転以下に低下若しくは停止したことが検出される。然
るときは、コントローラ90は旋回内側のクラッチソレ
ノイドへクラッチ電流を瞬間的に上昇させ、その後、ク
ラッチ電流を零にする。そして、これを繰り返してクラ
ッチを間欠的に断続させる。このため、クラッチ電流が
遮断された状態ではクローラ16の回転が瞬間的に復帰
し、このクラッチ間欠作動を短時間内に繰り返すことに
よって、クローラ16のロックが解除される。
【0035】このように、コントローラ90に設けたク
ローラ回転ロック回避手段は、作動初期に最も回転トル
クを大きく出力し、その後、前記回転トルクを減少させ
るように作動する。即ち、作動初期にはクラッチ電流を
最も大きく且つ長い時間で出力し、その後、クラッチ電
流を減少して且つ出力時間も短縮させるように構成して
ある(t0>t1>t2>t3)。斯くして、自動的に半ク
ラッチ状態での旋回動作に復帰することができる。
【0036】また、この制御中に、オペレータが左右何
れかのブレーキペダル44の踏み込み操作を行ったとき
は、ブレーキペダルセンサ93がこのブレーキ操作を検
出し、然るときには、左右のクローラの回転比に基づく
クラッチ圧力補正制御を中断する。これは、旋回時にブ
レーキをかけた場合は理論左右回転比が変わるので、オ
ペレータのブレーキ操作がクラッチに対する制御出力よ
りも強い場合は、旋回内側のクローラ16の回転が低い
ために旋回半径が大きくなり、オペレータが更にブレー
キ操作を強いられるという不具合を解消するためであ
る。
【0037】ここで、トラクタ10が路上走行する場合
は、ステアリング切れ角が大きくなると走行負荷が増大
してエンストする虞があるので、通常作業時に比べて前
記正逆転切り換え装置72のクラッチシリンダの昇圧変
化を低く抑えている。このため、車速が速くなるとステ
アリング切れ角の変化に対して旋回内側のクラッチの滑
りが不足し、車体の旋回半径が大きくなる。これを防止
するために、前記スロットル位置センサ92にてエンジ
ンが高回転に設定されているか否かを判別し、フルスロ
ットル付近では、ステアリング切れ角の変化に対するク
ラッチシリンダの昇圧カーブを通常走行よりも高めに変
更してエンストを防止できる。
【0038】一方、前記スロットルセンサ92の検出に
代えて、エンジン回転数センサ97にてエンジン回転数
を検出し、該エンジン回転数が所定値(例えば2500
rpm)以上に高いときは路上高速走行であると判別し、
ステアリング切れ角の変化に対するクラッチシリンダの
昇圧カーブを通常走行よりも高めに変更してエンストを
防止するように構成してもよい。また、該エンジン回転
数センサ97の検出値が所定値以下に低下したときはエ
ンストの虞があるので、コントローラ90はガバナ調整
用アクチュエータ98に制御指令を出力して、エンジン
回転数を上昇させるように構成する。
【0039】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記一実施の形態に詳述したよ
うに、請求項1記載の発明は、左右のクローラ式走行装
置に設けた伝動機構の出力回転数を予め設定した左右回
転比となるように変速させるとともに、車体の操向操作
中に前記設定した左右回転比以外で一方のクローラの回
転が停止若しくは所定回転以下に低下した場合に、前記
伝動機構の出力回転を間欠的に断続若しくは増減速させ
るクローラ回転ロック回避手段を設けたので、クローラ
を間欠的に駆動若しくは増減速させることによってクロ
ーラのロックが解除され、左右回転比が自動的に設定回
転比に調整されて緩旋回動作に復帰できる。
【0041】また、請求項2記載の発明は、上記クロー
ラ回転ロック回避手段は、作動初期に最も回転トルクを
大きく出力し、その後、回転トルクを減少させるように
構成したので、請求項1記載の発明の効果に加えて、極
めて短時間且つ効果的にクローラのロックを解除するこ
とが可能である。また、請求項3記載の発明は、上記ク
ローラ回転ロック回避手段は、作動初期に最も長い時間
で出力し、その後、出力時間を減少させるように構成し
たので、請求項2記載の発明と同様の効果を有する。
【0042】斯くして、クローラの回転が停止しようと
した場合であっても、オペレータが複雑な操作をするこ
となく安定した緩旋回動作が確保され、熟練した運転技
術を有しない不慣れなオペレータが操作した場合でも、
クローラの回転をロックさせないで地面の荒れを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】クローラ型トラクタの側面図。
【図2】クローラ型トラクタの背面図。
【図3】ミッションケース内の動力伝達制御装置の構成
を示す図。
【図4】リヤアクスルケース内の動力伝達制御装置の構
成を示す図。
【図5】制御系のブロック図。
【図6】主変速レバーの斜視図。
【図7】クラッチシリンダ圧と車速との関係を示すグラ
フ。
【図8】クラッチペダルの側面図。
【図9】ステアリング切れ角の変化に対するクローラ回
転数の変化とクラッチ電流の変化を比較するグラフ。
【図10】制御手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
16 クローラ 19 ステアリングハンドル 23 ミッションケース 72 正逆転切り換え装置 74 逆転用クラッチ 75 正転用クラッチ 76 二段遊星ギヤ機構 89 回転検出センサ 90 コントローラ C クローラ式走行装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 49/00 B62D 49/00 E 55/06 55/06 (72)発明者 高橋 誠之 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 石田 智之 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 佐伯 英明 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2B043 AA03 AB08 BA02 BA05 BB01 BB03 DA04 DB04 DB21 3D052 AA04 BB08 BB10 CC01 CC02 DD03 EE01 FF01 GG03 HH02 HH03 JJ10 JJ14 JJ20 JJ37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体後部にミッションケース23を設
    け、このミッションケース23の左右側方にクローラ式
    走行装置Cを支持する作業車両に於いて、前記左右夫々
    のクローラ式走行装置Cには、回転数を変速する伝動機
    構72,76及びこの伝動機構72,76の出力回転数
    を検出するセンサ89を設け、車体の操向操作量に応じ
    て前記伝動機構72,76の出力回転数を予め設定した
    左右回転比となるように変速させる制御部90を設ける
    とともに、この制御部90には、前記車体の操向操作中
    に前記設定した左右回転比以外で一方のクローラ16の
    回転が停止若しくは所定回転よりも低下した場合に、前
    記伝動機構72,76の出力回転を間欠的に断続若しく
    は増減速させるようなクローラ回転ロック回避手段を設
    けたことを特徴とする作業車両の動力伝達制御装置。
  2. 【請求項2】 上記クローラ回転ロック回避手段は、作
    動初期に最も回転トルクを大きく出力し、その後、前記
    回転トルクを減少させるように構成した請求項1記載の
    作業車両の動力伝達制御装置。
  3. 【請求項3】 上記クローラ回転ロック回避手段は、作
    動初期に最も長い時間で出力し、その後、前記出力時間
    を減少させるように構成した請求項1または2記載の動
    力伝達制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004293750A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Iseki & Co Ltd 車両の無段変速装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004293750A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Iseki & Co Ltd 車両の無段変速装置

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