JP2002248033A - 乗用車のシートカバー付き後部座席 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の乗用車の後部座席のシートカバーの交
換には非常な手間が掛かる。 【解決手段】 乗用車のシート本体１とシートバック４
を備えた後部座席において、シート本体の上面にウレタ
ンシート７を配し、シート本体とウレタンシート７の組
合体の少なくとも上面，前面および側面を一枚のシート
カバー５で覆い、シート本体の表面を形成する表皮材２
のシートバック４によって覆い隠される上面後端部と、
前面と、側面のそれぞれに密植植毛状ファスナー６の鈎
部６ａを固定し、シートカバー５の、密植植毛状ファス
ナー６の鈎部６ａに対応する各部分に同ファスナー６の
ループ部６ｂを固定し、密植植毛状ファスナー６の鈎部
６ａとループ部６ｂとを係合させ、シートカバー５をシ
ート本体１に着脱自在に取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】 本発明は、容易に着脱する
ことのできるシートカバーを取付けた乗用車の後部座席
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 乗用車の後部座席を覆う布製シートカ
バーは、通常、当該後部座席を車体から外さないと取替
えることができない仕組みになっている。従って、シー
トカバーの取替えにはきわめて面倒な作業を必要とす
る。特にタクシーは、シートカバーが汚れ易く、自家用
車に比べて、頻繁な取換えを必要とし、大きな負担にな
っている。また布製シートカバーは、取外して洗濯しな
ければ汚れの落とせないことが少なくない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 取換えが容易で、し
かも濡れ雑布で汚れを拭取ることの可能な、シートカバ
ーを備えた乗用車の後部座席を提供しようとするもので
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 図１乃至図４を参照し
て説明する。本発明に係る乗用車のシートカバー付き後
部座席は、乗用車のシート本体１とシートバック４を備
えた後部座席において、シート本体１の上面にウレタン
シート７を配し、シート本体１とウレタンシート７の組
合体の少なくとも上面，前面および側面を一枚のシート
カバー５で覆い、シート本体１の表面を形成する表皮材
２のシートバック４によって覆い隠される上面後端部
と、前面と、側面のそれぞれに密植植毛状ファスナー６
の鈎部／又はループ部６ａを固定し、前記シートカバー
５の、前記密植植毛状ファスナー６の鈎部６ａに対応す
る部分のそれぞれに密植植毛状ファスナー６のループ部
／又は鈎部６ｂを固定し、前記密植植毛状ファスナー６
の鈎部とループ部とを係合させることによって、シート
カバー５をシート本体１に着脱自在に取付けてなるもの
である。

【０００５】

【発明の実施の形態】 本発明に係る乗用車のシートカ
バー付き後部座席の実施形態を、図１乃至図４に示す。
これは、乗用車のシート本体１とシートバック４を備え
た後部座席において、シート本体１の上面にウレタンシ
ート７を配し、シート本体１とウレタンシート７の組合
体の少なくとも上面，前面および側面を一枚のシートカ
バー５で覆ったものである。シート本体１は、クッショ
ン材３とそれを覆う表皮材２とで構成される。

【０００６】そして、シート本体表皮材２の、シートバ
ック４によって覆い隠される上面後端部と、前面と、側
面のそれぞれに密植植毛状ファスナー６（いわゆる「マ
ジックテープ」（商品名））の鈎部６ａを縫い付けて固
定している。また、シートカバー５の、前記密植植毛状
ファスナー６の鈎部６ａに対応する各部分に密植植毛状
ファスナー６のループ部６ｂを貼付けて固定している。
これにより、密植植毛状ファスナー６の鈎部とループ部
とを係合させ、シートカバー５をシート本体１に着脱自
在に取付けることとしている。

【０００７】本実施形態におけるシート本体１の表皮材
２は防水性に富む合成樹脂製であり、本体部２ａと後部
２ｂとを別体成形している。これは、先に、小型で取り
扱いの容易な当該後部２ｂにファスナー６の鈎部６ａを
固定した後、本体部２ａに縫い付けることによって、密
植植毛状ファスナー６鈎部の縫い付けを容易なものとす
るためである。

【０００８】また、本実施形態におけるシートカバー５
は、布材に色付きの繊維を植毛した肌触りおよび装飾性
に優れる厚手のカーペット状である。従って、座り心地
と見栄えに優れる。なお、厚手であるので、例えば煙草
の火がシートカバー５上に落ちた場合でも、シート本体
１を傷めることがない。従って、その場合にはシートカ
バー５を交換するのみで済み、シート本体１を取替えな
ければならない場合と比較して、きわめて経済的であ
る。

【０００９】この乗用車のシートカバー付き後部座席に
おいて、シートカバー５の取付けは、それに固定されて
いる密植植毛状ファスナー６のループ部６ｂを、シート
本体表皮材２の上面後端部、前面および側面のそれぞれ
に固定されている同ファスナー６の鈎部６ａに係合させ
ることによって行う。この係合は、単にループ部を鈎部
に接触させるのみで達成できる。従って、取付け作業が
きわめて容易である。なお、表皮材２の上面後端部にお
ける係合は、シート本体１とシートバック４との間に手
を入れて両者間の間隙を拡げることによって容易に行う
ことができる。

【００１０】なお、ファスナー６は、シート本体１のシ
ートバック４で覆われた部分である上面後端部、前面お
よび側面に設けているので目立たず、また、これらは乗
客が座る部分ではないので座り心地を悪くすることはな
い。

【００１１】また、このシートカバー５の取外しは、フ
ァスナー６のループ部を鈎部から引いて離脱させること
によって容易に行うことができる。取外したシートカバ
ー５は、小型で軽量であるので、その汚れの程度や種類
に応じて自在に洗浄することができる。すなわち、汚れ
の少ないものは簡単なブラッシングや拭取り等で十分で
あり、逆に、汚れが激しく人手で行うことが困難なもの
は洗濯機等の機械によって洗剤を使用して洗浄する。従
って、洗浄に多くの人手を必要とせず、手間が省けると
共に、あらゆる汚れを確実に落とすことができる。

【００１２】なお、シート本体１にファスナー６のルー
プ部を固定し、シートカバー５に鈎部を固定しても良
い。

【００１３】

【発明の効果】 本発明は、シートカバー５をシート本
体１の表皮材２に密植植毛状ファスナー６によって着脱
することとしているので、その取付けおよび取外しをき
わめて容易に行うことができる。

【００１４】また、シート本体１から取り外したシート
カバー５は小型かつ軽量であるので、汚れを、その程度
や種類によって人手あるいは機械によって容易かつ確実
に落とすことができる。従って、人手による作業を必要
最小限に抑えることができると共に、特にタクシーにお
いて汚れによって乗客を不快にさせてしまうこともな
い。

【００１５】また、ファスナー６は、シート本体１のシ
ートバック４で覆われた部分である上面後端部、前面お
よび側面に設けているので目立たず、また、これらはタ
クシーの乗客が座る部分ではない。従って、乗客の座り
心地を悪くすることはない。

【００１６】さらに、シートカバー５を設けたことによ
って、シート本体１を保護することができる。従って、
シートカバー５を交換することによって、シート本体１
の傷みを回避し、当該シート本体１を長期にわたって使
用することができるので経済的である。

【００１７】ウレタンシート７は摩擦係数が大きく、シ
ート本体３に対してシートカバー５が滑るのを防止する
と共に、座ったときの緩働性を向上させる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 タクシーの後部座席を示す側面図である。

【図２】 本発明の実施形態を示す正面図である。

【図３】 図２におけるＡ−Ａ線断面図である（シート
本体部分のみ）。

【図４】 図２に示す実施形態の平面図である。

【符号の説明】

１ シート本体 ２ 表皮材 ２ａ 本体部 ２ｂ 後部 ３ クッション材 ４ シートバック ５ シートカバー ６ 密植植毛状ファスナー ６ａ 鈎部／又はループ部 ６ｂ ループ部／又は鈎部 ７ ウレタンシート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗用車のシート本体（１）とシートバッ
   ク（４）を備えた後部座席において，シート本体の上面
   にウレタンシート（７）を配し、シート本体とウレタン
   シート（７）の組合体の少なくとも上面，前面および側
   面を一枚のシートカバー（５）で覆い、シート本体の表
   面を形成する表皮材（２）のシートバックによって覆い
   隠される上面後端部と，前面と，側面のそれぞれに密植
   植毛状ファスナー（６）の鈎部／又はループ部（６ａ）
   を固定し、前記シートカバーの，前記密植植毛状ファス
   ナーの鈎部に対応する部分のそれぞれに密植植毛状ファ
   スナーのループ部／又は鈎部（６ｂ）を固定し、前記密
   植植毛状ファスナーの鈎部とループ部とを係合させるこ
   とによって，シートカバーをシート本体に着脱自在に取
   付けてなる乗用車のシートカバー付き後部座席。