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JP2002245962A - エレクトロスプレー・イオン源 - Google Patents

エレクトロスプレー・イオン源

Info

Publication number
JP2002245962A
JP2002245962A JP2001339617A JP2001339617A JP2002245962A JP 2002245962 A JP2002245962 A JP 2002245962A JP 2001339617 A JP2001339617 A JP 2001339617A JP 2001339617 A JP2001339617 A JP 2001339617A JP 2002245962 A JP2002245962 A JP 2002245962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atomizing
nozzle
high voltage
gas
ion source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001339617A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Fujimaki
奨 藤巻
Atsushi Tamura
淳 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2001339617A priority Critical patent/JP2002245962A/ja
Priority to US10/020,005 priority patent/US20020117629A1/en
Publication of JP2002245962A publication Critical patent/JP2002245962A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/165Electrospray ionisation

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】未知試料と標準物質を同時に用いて精密質量測
定を行なう際に、標準物質由来の信号が未知試料由来の
信号の上に重なっていても、それを確実に判別すること
のできるエレクトロスプレー・イオン源を提供する。 【解決手段】複数本の霧化ノズルに供給されている霧化
ガスの内、少なくとも1本の霧化ノズルに供給されてい
る霧化ガスを選択して、所定の時間、霧化ガスの供給を
停止させるとともに、それと同期して、霧化ガスの供給
を停止された霧化ノズルに印加されている高電圧の印加
をも停止させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質量分析法で用い
られるエレクトロスプレー・イオン源に関し、特に、標
準物質由来のイオンの信号と非標準物質由来のイオンの
信号とをはっきりと判別することのできるエレクトロス
プレー・イオン源に関する。
【0002】
【従来の技術】強い電界の中に置かれた電気伝導性の液
体が電界の作用によって毛管の先端部から自然に噴霧す
る現象は、エレクトロスプレーと呼ばれ、古くから知ら
れていた。1980年代前半、このエレクトロスプレー
という現象が溶液試料の質量分析に応用され、エレクト
ロスプレー・イオン源として広く用いられるようになっ
た。
【0003】図1は、従来のエレクトロスプレー・イオ
ン源を示したものである。図中、1は、液体クロマトグ
ラフ(LC)装置や溶液溜などの溶液試料供給源であ
る。溶液試料供給源1の溶液試料(例えばLC移動相)
は、図示しないポンプなどによって毛管状のキャピラリ
ー2に送られる。このキャピラリー2は、金属などの導
電体で作られており、内径100μm、外径200〜2
50μmである。キャピラリー2に送られた溶液試料
は、LCポンプまたは毛管現象により駆動されて、キャ
ピラリー2の内部に吸い上げられ、該キャピラリー2の
先端部まで到達する。
【0004】キャピラリー2と質量分析装置3の対向電
極4の間には、数kVの高電圧が印加されていて、強い
電界が形成されている。この電界の作用で、キャピラリ
ー2の中の溶液試料は、大気圧下、キャピラリー2と対
向電極4の間の空間に静電噴霧され、荷電液滴となって
大気中に分散する。このときの溶液試料の流量は、毎分
5〜10マイクロリットルである。このとき生成する荷
電液滴は、試料分子の回りに溶媒分子が集まってクラス
ター状になった帯電粒子なので、荷電液滴に熱を加えて
溶媒分子を気化させると、試料分子のイオンだけにする
ことができる。
【0005】荷電液滴から試料イオンを作る方法として
は、キャピラリー2と対向電極4の間の空間に70℃程
度に加熱した窒素ガスを供給し、そこに荷電液滴を静電
噴霧することによって液滴の溶媒を気化させる方法や、
質量分析装置3の対向電極4に設けられたサンプリング
・オリフィス5を80℃程度に加熱して、その輻射熱で
荷電液滴の溶媒を気化させる方法などがある。これらの
方法をイオン・エバポレーションと呼んでいる。
【0006】イオン・エバポレーションによって生成し
た試料イオンは、対向電極4に設けられたサンプリング
・オリフィス5から質量分析装置3の内部に取り込まれ
る。大気圧下の試料イオンを真空の質量分析装置3に導
入するために、差動排気壁が構成される。すなわち、サ
ンプリング・オリフィス5とスキマー・オリフィス6で
囲まれた区画は図示しないロータリー・ポンプ(RP)
で200Pa程度に排気されている。また、スキマー・
オリフィス6と隔壁7で囲まれた区画は図示しないター
ボ・モレキュラー・ポンプ(TMP)で1Pa程度に排
気されている。そして、隔壁7の後段は、TMPによっ
て10−3Pa程度に排気され、質量分析部8が置かれ
ている。
【0007】また、サンプリング・オリフィス5とスキ
マー・オリフィス6で囲まれた低真空の区画には、試料
イオンの拡散を防ぐためのリングレンズ9が置かれてい
て、試料イオンが正イオンの場合には正電圧、試料イオ
ンが負イオンの場合には負電圧が印加されるようになっ
ている。また、スキマー・オリフィス6と隔壁7で囲ま
れた中真空の区画には、試料イオンを質量分析部8まで
導くためのイオンガイド10が置かれ、高周波電圧が印
加されている。
【0008】なお、図1には図示されていないが、最近
のエレクトロスプレー・イオン化システムでは、LCの
移動相など10〜1000マイクロリットル/分の大流
量の試料にも対応できるようにするために、キャピラリ
ー2の周囲に霧化ガスを流せる霧化ノズルを取り付け、
電界力だけでは霧化しきれない10マイクロリットル以
上の大流量の試料溶液を、霧化ガスによって強制的かつ
完全に霧化させるように構成したエレクトロスプレー・
イオン源も登場している。
【0009】エレクトロスプレー・イオン源の特徴は、
試料分子のイオン化に際して、熱をかけたり高エネルギ
ー粒子を衝突させたりしない非常にソフトなイオン化法
であるという点にある。従って、ペプチド、タンパク
質、核酸などの極性の強い生体高分子をほとんど破壊す
ることなく、多価イオンとして容易にイオン化すること
ができる。また、多価イオンなので、分子量が1万以上
のものでも、比較的小型な質量分析装置で測定すること
が可能である。
【0010】ところで、これらの有機質量分析の分野で
は、エレクトロスプレー・イオン源を用いて、精密質量
分析ということがしばしば行なわれる。精密質量分析と
は、1mu(ミリマスユニット)程度の精度でm/z値
を測定する高精度分析のことである。予め質量の分かっ
ている標準物質(たとえば、ポリエチレングリコールや
ポリプロピレングリコールなど)を質量分析したい未知
試料と同時に静電噴霧し、イオン化することにより、標
準物質由来のイオンの信号位置に基づいて、未知試料由
来のイオンの信号位置を正確に決定するものである。
【0011】精密質量分析を行なうためには、質量数が
分からない未知試料と質量数が分かっている標準物質と
を同時に質量分析しなければならない。そこで、図2の
(a)に示すように、未知試料の中に標準物質を予め混
合し、両者を混合溶液11にして、ポンプ12で未知試
料と標準物質を一緒に電界の中に噴霧してイオン化する
という方法を取ることがあった。あるいは、未知試料1
3と標準物質14を混合したくない場合には、図2の
(b)のように、Tジョイント15を用いて、キャピラ
リー2から電界の中に試料溶液を静電噴霧させる直前
に、流路の途中で未知試料13と標準物質14を混合さ
せるという手法を取ることもあった。あるいは、図2の
(c)のように、2本(またはそれ以上の複数本)のキ
ャピラリー2を用いて、未知試料13と標準物質14を
それぞれ独立かつ同時に電界の中に静電噴霧して、イオ
ン化するという方法を取ることもあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のエレクトロスプレー・イオン源における精密質量
分析法の特徴は、未知試料と標準物質を同時に電界中に
噴霧させるため、観測されるマススペクトル上に、常に
未知試料の信号と標準物質の信号が重なり合って現れる
ことである。このため、目的の未知試料由来の信号が標
準物質由来の信号の上に重なっていても、それを判別す
ることはできなかった。
【0013】本発明の目的は、上述した点に鑑み、未知
試料と標準物質を同時に用いて精密質量測定を行なう際
に、標準物質由来の信号が未知試料由来の信号の上に重
なっていても、それを確実に判別することのできるエレ
クトロスプレー・イオン源を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかるエレクトロスプレー・イオン源は、
霧化ガスが供給可能で、かつ高電圧が印加可能な複数本
の霧化ノズルを備え、それらの霧化ノズルを同時並行的
に使用するエレクトロスプレー・イオン源において、複
数本の霧化ノズルに供給される霧化ガスの内、少なくと
も1本の霧化ノズルに供給される霧化ガスを選択して、
所定の時間、霧化ガスの供給を停止させるようにしたこ
とを特徴としている。
【0015】また、高電圧が印加可能な複数本の霧化ノ
ズルを備え、それらの霧化ノズルを同時並行的に使用す
るエレクトロスプレー・イオン源において、複数本の霧
化ノズルに印加される高電圧の内、少なくとも1本の霧
化ノズルに印加される高電圧を選択して、所定の時間、
高電圧の印加を停止させるようにしたことを特徴として
いる。
【0016】また、霧化ガスが供給可能で、かつ高電圧
が印加可能な複数本の霧化ノズルを備え、それらの霧化
ノズルを同時並行的に使用するエレクトロスプレー・イ
オン源において、複数本の霧化ノズルに供給される霧化
ガスの内、少なくとも1本の霧化ノズルに供給される霧
化ガスを選択して、所定の時間、霧化ガスの供給を停止
させる操作と、複数本の霧化ノズルに印加される高電圧
の内、少なくとも1本の霧化ノズルに印加される高電圧
を選択して、所定の時間、高電圧の印加を停止させる操
作とが、同一の霧化ノズルに対して、同期して行なわれ
ることを特徴としている。
【0017】また、前記複数本の霧化ノズルは、2本の
霧化ノズルであることを特徴としている。
【0018】また、前記複数本の霧化ノズルの内、少な
くとも1本の霧化ノズルは、標準物質用の霧化ノズルで
あることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図3は、本発明にかかるエレク
トロスプレー・イオン源の一実施例を示したものであ
る。図中16は、標準物質を通すキャピラリー17を内
蔵した霧化ノズルである。霧化ノズル16には、標準物
質の静電噴霧を助けるための霧化ガスが、バルブ18を
介して、窒素ガスボンベなどのガス源19から供給され
ている。また、図中20は、未知試料を通すキャピラリ
ー21を内蔵した霧化ノズルである。霧化ノズル20に
は、未知試料の静電噴霧を助けるための霧化ガスが、バ
ルブ22を介して、窒素ガスボンベなどのガス源23か
ら供給されている。2つのバルブ18および22は、そ
れぞれ独立して開閉できるように、図示しないコンピュ
ーターなどの制御装置により制御されている。
【0020】2つの霧化ノズル16および20に対向す
る位置には、質量分析装置の対向電極24が置かれ、霧
化ノズルとの間に数kVの高電圧が印加されている。こ
の高電圧は、スイッチ25および26により、任意にオ
ン/オフできるように構成されている。
【0021】すなわち、スイッチ25をオンにすると、
霧化ノズル16と対向電極24の間に高電圧が印加され
て、両者の間に強い電界が発生する。このとき、スイッ
チ25に同期してバルブ18を開き、ガス源19と霧化
ノズル16の間を連通させてやれば、霧化ガスが霧化ノ
ズル16に供給され、電界力と霧化ガスの作用とによっ
て標準物質が静電噴霧され、生成した霧滴が電界により
イオン化されて、対向電極24に設けられたサンプリン
グ・オリフィス27に取り込まれる。
【0022】また同様にして、スイッチ26をオンにす
ると、霧化ノズル20と対向電極24の間に高電圧が印
加されて、両者の間に強い電界が発生する。このとき、
スイッチ26に同期してバルブ22を開き、ガス源23
と霧化ノズル20の間を連通させてやれば、霧化ガスが
霧化ノズル20に供給され、電界力と霧化ガスの作用と
によって未知試料が静電噴霧され、生成した霧滴が電界
によりイオン化されて、対向電極24に設けられたサン
プリング・オリフィス27に取り込まれる。
【0023】従来の精密質量分析では、標準物質と未知
試料を同時にイオン化して質量分析する必要があるた
め、スイッチ25、26とバルブ18、22を、すべて
同時にオン/オフしていたが、本発明では、必要に応じ
てスイッチ25、26の内の片一方、およびそれに同期
して開閉するバルブ18、22の内の片一方を任意にオ
ン/オフできるように制御するようにした。これによ
り、それまでは同時にイオン化していた標準物質と未知
試料を、片一方の試料のみのイオン化に留めることが可
能になる。
【0024】その結果、従来は、標準物質の信号と未知
試料の信号とが互いに重なり合って検出されていても、
そのことを区別して確かめるすべがなかったが、本発明
によれば、標準物質の信号、または未知試料の信号を、
それぞれ単独で観測することが可能になるので、容易に
標準物質の信号と未知試料の信号との重なり合いを判別
することができる。
【0025】図4は、標準物質を霧化する第1のノズル
と、未知試料を霧化する第2のノズルとに供給される霧
化ガスのバルブ操作、標準物質を霧化する第1のノズル
と、未知試料を霧化する第2のノズルとに印加される高
電圧、および、質量分析計による測定時間の関係をタイ
ムチャートの形で表わしたものである。
【0026】図中、上段に書かれた2本の線は、第1の
ノズルと第2のノズルに霧化ガスを供給するガスバルブ
の開閉のタイミングを表わしている。図から明らかなよ
うに、標準物質を霧化させるために、第1のノズルにつ
ながるガスバルブを開いている期間中は、第2のノズル
につながるガスバルブを閉じている。逆に、未知試料を
霧化させるために、第2のノズルにつながるガスバルブ
を開いている期間中は、第1のノズルにつながるガスバ
ルブを閉じている。尚、第2のノズルにつながるガスバ
ルブの開いている期間が、第1のノズルにつながるガス
バルブの開いている期間よりもはるかに長い理由は、標
準物質を測定する時間よりも未知試料を測定する時間の
方を長く取るためである。
【0027】また、図中、中段に書かれた2本の線は、
第1のノズルと第2のノズルに高電圧を印加する高電圧
スイッチのオン/オフのタイミングを表わしている。図
から明らかなように、標準物質を霧化させるために、第
1のノズルにつながる高電圧のスイッチがオンになって
いる期間中は、第2のノズルにつながる高電圧のスイッ
チをオフにしている。逆に、未知試料を霧化させるため
に、第2のノズルにつながる高電圧のスイッチがオンに
なっている期間中は、第1のノズルにつながる高電圧の
スイッチをオフにしている。尚、第2のノズルに高電圧
を印加する期間が、第1のノズルに高電圧を印加する期
間よりもはるかに長い理由は、標準物質を測定する時間
よりも、未知試料を測定する時間の方を長く取るためで
ある。
【0028】このようなバルブ操作とスイッチ操作を同
期させて、第1のノズルと第2のノズルの間で交互に繰
り返すことにより、常に、標準物質と未知試料の内、ど
ちらか一方のみを霧化させることができ、両方の物質が
同時に霧化されてしまうことを回避することができる。
【0029】この間、質量分析計は、図の下段に示すよ
うに、標準物質と未知試料とがそれぞれ単独で霧化され
ているタイミングに合わせて、霧化された試料液滴から
生成した試料イオンの測定を繰り返し行なう。図では、
標準物質を1回測定した後、未知試料を6回連続して測
定し、これを1サイクルとして、標準物質と未知試料の
測定を順次サイクルで繰り返している。これにより、標
準物質由来の信号と未知試料由来の信号とを、重なり合
わない状態で、別々に観測することが可能になる。
【0030】尚、上記実施例では、2本の霧化ノズルを
使用する場合について述べたが、本発明は、これに限定
されるものではない。霧化ノズルを2本以上の複数本使
用する場合についても、本発明の手法が有効であること
は言うまでもない。
【0031】図5は、4本の霧化ノズルを使用した場合
のガスバルブ操作と高電圧スイッチ操作のタイムチャー
トの例を示したものである。ここで、4本の霧化ノズル
には、それぞれ異なる未知試料が供給されているものと
する。
【0032】まず、第1の段階として、第1の霧化ノズ
ルのガスバルブと高電圧スイッチが同期して、所定の期
間、第1の霧化ノズルに霧化ガスと高電圧を供給する。
この間、他の3本の霧化ノズルのガスバルブと高電圧ス
イッチは、すべてオフとなり、霧化ガスと高電圧は供給
されないので、第1の霧化ノズルから静電噴霧された未
知試料のみが質量分析計で分析される。
【0033】次に、第2の段階として、第2の霧化ノズ
ルのガスバルブと高電圧スイッチが同期して、所定の期
間、第2の霧化ノズルに霧化ガスと高電圧を供給する。
この間、他の3本の霧化ノズルのガスバルブと高電圧ス
イッチは、すべてオフとなり、霧化ガスと高電圧は供給
されないので、第2の霧化ノズルから静電噴霧された未
知試料のみが質量分析計で分析される。
【0034】次に、第3の段階として、第3の霧化ノズ
ルのガスバルブと高電圧スイッチが同期して、所定の期
間、第3の霧化ノズルに霧化ガスと高電圧を供給する。
この間、他の3本の霧化ノズルのガスバルブと高電圧ス
イッチは、すべてオフとなり、霧化ガスと高電圧は供給
されないので、第3の霧化ノズルから静電噴霧された未
知試料のみが質量分析計で分析される。
【0035】次に、第4の段階として、第4の霧化ノズ
ルのガスバルブと高電圧スイッチが同期して、所定の期
間、第4の霧化ノズルに霧化ガスと高電圧を供給する。
この間、他の3本の霧化ノズルのガスバルブと高電圧ス
イッチは、すべてオフとなり、霧化ガスと高電圧は供給
されないので、第4の霧化ノズルから静電噴霧された未
知試料のみが質量分析計で分析される。
【0036】これらの4つの段階を1サイクルとして、
4種類の未知試料の測定を順次サイクルで繰り返す。こ
れにより、4種類の未知試料由来の信号を、互いに重な
り合わない状態で、別々に観測することが可能になる。
【0037】これによって、例えば、4台の独立した液
体クロマトグラフからの溶離液を、1台の質量分析計で
同時に分析することが可能になり、質量分析計の利用効
率を4倍に高めることができる。これは、質量分析計
が、極短い時間に質量スペクトルを収集する能力を持っ
たもの、例えば飛行時間型質量分析計である場合に、特
に有効である。
【0038】尚、この例では、4本のノズルに供給され
る試料をすべて未知試料としたが、4本のノズルの内、
少なくとも1本に、標準物質を供給しても良い。その場
合には、標準物質を測定する時間のみを、図4の例のよ
うに、短く設定することも可能である。この場合には、
例えば、3台の独立した液体クロマトグラフから溶出さ
れる全ての成分の精密質量測定を同時に行なうことがで
きる。
【0039】また、上記実施例では、霧化ガスの供給シ
ステムを備えた霧化ノズルを使用するエレクトロスプレ
ー・イオン源について述べたが、本発明は、これに限定
されるものではない。霧化ガスの供給システムを備えて
いないタイプの霧化ノズルを使用するエレクトロスプレ
ー・イオン源、たとえば、ナノ・エレクトロスプレー・
イオン源などにおいても、所定の霧化ノズルに印加され
ている高電圧を選択的にオフにするという本発明の手法
が、標準物質の信号と未知試料の信号との判別に有効で
あることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明のエレクトロ
スプレー・イオン源によれば、複数本の霧化ノズルに供
給されている霧化ガスの内、少なくとも1本の霧化ノズ
ルに供給されている霧化ガスを選択して、所定の時間、
霧化ガスの供給を停止させるとともに、それと同期し
て、霧化ガスの供給を停止された霧化ノズルに印加され
ている高電圧の印加をも停止させるように構成したの
で、標準物質の信号と未知試料の信号が複雑に重なり合
っているような複雑な系の場合でも、標準物質の信号と
未知試料の信号をそれぞれ単独で観測でき、容易に標準
物質の信号と未知試料の信号との判別を行なうことが可
能になった。また、同時に複数の未知物質を分析するこ
とにより、質量分析計の利用効率を飛躍的に高めること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のエレクトロスプレー・イオン源を示す図
である。
【図2】従来のエレクトロスプレー・イオン源の別の例
を示す図である。
【図3】本発明にかかるエレクトロスプレー・イオン源
の一実施例を示す図である。
【図4】本発明にかかるエレクトロスプレー・イオン源
のタイムチャートの一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかるエレクトロスプレー・イオン源
のタイムチャートの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・溶液試料供給源、2・・・キャピラリー、3・・・質量
分析装置、4・・・対向電極、5・・・サンプリング・オリフ
ィス、6・・・スキマー・オリフィス、7・・・隔壁、8・・・
質量分析部、9・・・リングレンズ、10・・・イオンガイ
ド、11・・・混合溶液、12・・・ポンプ、13・・・未知試
料、14・・・標準物質、15・・・Tジョイント、16・・・
霧化ノズル、17・・・キャピラリー、18・・・バルブ、1
9・・・ガス源、20・・・霧化ノズル、21・・・キャピラリ
ー、22・・・バルブ、23・・・ガス源、24・・・対向電
極、25・・・スイッチ、26・・・スイッチ、27・・・サン
プリング・オリフィス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 49/10 H01J 49/10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】霧化ガスが供給可能で、かつ高電圧が印加
    可能な複数本の霧化ノズルを備え、それらの霧化ノズル
    を同時並行的に使用するエレクトロスプレー・イオン源
    において、複数本の霧化ノズルに供給される霧化ガスの
    内、少なくとも1本の霧化ノズルに供給される霧化ガス
    を選択して、所定の時間、霧化ガスの供給を停止させる
    ようにしたことを特徴とするエレクトロスプレー・イオ
    ン源。
  2. 【請求項2】高電圧が印加可能な複数本の霧化ノズルを
    備え、それらの霧化ノズルを同時並行的に使用するエレ
    クトロスプレー・イオン源において、複数本の霧化ノズ
    ルに印加される高電圧の内、少なくとも1本の霧化ノズ
    ルに印加される高電圧を選択して、所定の時間、高電圧
    の印加を停止させるようにしたことを特徴とするエレク
    トロスプレー・イオン源。
  3. 【請求項3】霧化ガスが供給可能で、かつ高電圧が印加
    可能な複数本の霧化ノズルを備え、それらの霧化ノズル
    を同時並行的に使用するエレクトロスプレー・イオン源
    において、複数本の霧化ノズルに供給される霧化ガスの
    内、少なくとも1本の霧化ノズルに供給される霧化ガス
    を選択して、所定の時間、霧化ガスの供給を停止させる
    操作と、複数本の霧化ノズルに印加される高電圧の内、
    少なくとも1本の霧化ノズルに印加される高電圧を選択
    して、所定の時間、高電圧の印加を停止させる操作と
    が、同一の霧化ノズルに対して、同期して行なわれるこ
    とを特徴とするエレクトロスプレー・イオン源。
  4. 【請求項4】前記複数本の霧化ノズルは、2本の霧化ノ
    ズルであることを特徴とする請求項1、2、または3記
    載のエレクトロスプレー・イオン源。
  5. 【請求項5】前記複数本の霧化ノズルの内、少なくとも
    1本の霧化ノズルは、標準物質用の霧化ノズルであるこ
    とを特徴とする請求項1、2、または3記載のエレクト
    ロスプレー・イオン源。
JP2001339617A 2000-12-12 2001-11-05 エレクトロスプレー・イオン源 Pending JP2002245962A (ja)

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