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JP2002237552A - 樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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Publication number
JP2002237552A
JP2002237552A JP2001031053A JP2001031053A JP2002237552A JP 2002237552 A JP2002237552 A JP 2002237552A JP 2001031053 A JP2001031053 A JP 2001031053A JP 2001031053 A JP2001031053 A JP 2001031053A JP 2002237552 A JP2002237552 A JP 2002237552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
semiconductor device
resin composition
resin
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001031053A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Tsuji
喜亨 辻
Michio Shimizu
宙夫 清水
Shuichi Shintani
修一 新谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001031053A priority Critical patent/JP2002237552A/ja
Publication of JP2002237552A publication Critical patent/JP2002237552A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】作業性、信頼性、成形性(流動性、充填性)全
てを同時に満足するようなエポキシ樹脂組成物と半導体
装置を提供する。 【解決手段】半導体素子の少なくとも回路形成面がエポ
キシ樹脂(A)、充填剤(B)を含む樹脂組成物で封止
された樹脂封止型半導体装置において、前記エポキシ樹
脂(A)が、室温では固形で、150℃での粘度が0.
10ポイズ以下であり、かつ特定化学構造を有するエポ
キシ樹脂(a)を必須成分として含有することを特徴と
する樹脂封止型半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性および信頼
性、特に高温リフロー信頼性に優れ、特に半導体封止用
として好適なエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性および接着性などに優れており、さらに配合処方によ
り種々の特性が付加できるため、塗料、接着剤、電気絶
縁材料など工業材料として利用されている。
【0003】例えば、半導体装置などの電子回路部品の
封止方法として、従来より金属やセラミックスによるハ
ーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されている。そ
の中でも、生産性、物性のバランスの点からエポキシ樹
脂による樹脂封止が最も盛んに行われている。そして、
エポキシ樹脂による封止方法は、エポキシ樹脂に硬化
剤、充填剤などを添加した組成物を用い、半導体素子を
金型にセットしてトランスファー成形法などにより封止
する方法が一般的に行われている。
【0004】半導体封止用エポキシ樹脂組成物に要求さ
れる特性としては、信頼性および成形性などがあり、信
頼性としては半田耐熱性、耐湿性などが、成形性として
は充填性、流動性、生産性(硬化性や連続成形性)、な
どがあげられる。
【0005】最近はプリント基板への半導体装置パッケ
ージの実装において高密度化、自動化が進められてお
り、従来のリードピンを基板の穴に挿入する挿入実装方
式に替わり、基板表面に半導体装置パッケージを半田付
けする表面実装方式が主流になってきている。それに伴
い、半導体装置パッケージも従来のDIP(デュアル・
インライン・パッケージ)から、高密度実装・表面実装
に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック・パッ
ケージ)に移行してきた。その中でも最近では、微細加
工技術の進歩により、厚さ2mm以下のTSOP、TQ
FP、LQFPが主流となっている。そのため湿度や温
度など外部からの影響をいっそう受けやすくなり、高温
リフロー信頼性、高温信頼性、耐熱性、耐湿性などの信
頼性がますます重要となっている。
【0006】表面実装においては、通常半田リフローに
よる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体
装置を乗せ、これらを200℃以上の高温にさらし、基
板にあらかじめつけられた半田を溶融させて半導体装置
を基板表面に接着させる。このような実装方法では半導
体装置パッケージ全体が高温にさらされるために封止樹
脂組成物の耐湿性が悪いと吸湿した水分が半田リフロー
時に爆発的に膨張し、クラックが生じるという現象が起
こる。従って半導体用封止樹脂組成物において耐湿性は
非常に重要となる。
【0007】更に、近年では環境保護の点から鉛を含ん
でいない鉛フリー半田の使用が進んでいる。鉛フリー半
田は融点が高く、そのためリフロー温度も上がることに
なり、封止用樹脂組成物にもこれまで以上の耐熱性、耐
湿性が求められている。
【0008】一般的にリフロー耐熱性を向上させるに
は、150℃での溶融粘度が1ポイズ以下のエポキシ樹
脂またはこれを30重量%以上含有するエポキシ樹脂を
用い、なおかつこれらに対して無機充填剤としてシリカ
を多量に配合し低吸水化、高強度化する方法(特開平4
−275322号公報)などの方法がある。そのような
エポキシ樹脂の代表例としてビフェニル型エポキシ樹脂
(150℃での溶融粘度が0.15〜0.20ポイズ)
などが挙げられる。さらに溶融粘度の低いエポキシ樹脂
としては液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状
のビスフェノールF型エポキシ樹脂(150℃での溶融
粘度が0.10ポイズ)などがあり、ビフェニル型エポ
キシ樹脂を用いた場合よりも多量に充填剤を配合するこ
とができるが、これら液状エポキシ樹脂は液状であるが
ために取り扱い作業性が悪いうえに、それらを用いた封
止樹脂組成物で成形して得られた半導体装置は表面に染
みだしが多数発生するといった不具合があった。以上の
ことから、トランスファ成形を行う封止樹脂組成物は通
常、固形のエポキシ樹脂を用いるのが一般的となってお
り、これまでは固形で最も低粘度なエポキシ樹脂はビフ
ェニル型エポキシ樹脂であった。
【0009】また一方で、上記のように半導体装置のさ
らなる薄型化にともなって、封止樹脂組成物にはよりよ
い充填性、流動性が求められているため、従来のビフェ
ニル型エポキシ樹脂ではまだ不十分で、さらに溶融粘度
の低いエポキシ樹脂やそれを用いた低粘度な封止樹脂組
成物が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、作業性、信頼性、成形性(流動性、充填性)全
てを同時に満足するようなエポキシ樹脂組成物と半導体
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のエ
ポキシ樹脂を使用し、更に封止樹脂組成物中の充填剤の
比率を上げることにより、上記の課題を達成することが
でき、目的に合致したエポキシ樹脂組成物と半導体装置
が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0012】すなわち本発明は、主として次の構成を有
する。すなわち、「半導体素子の少なくとも回路形成面
がエポキシ樹脂(A)、充填剤(B)を含む樹脂組成物
で封止された樹脂封止型半導体装置において、前記エポ
キシ樹脂(A)が室温では固形であり、かつ150℃で
の粘度が0.10ポイズ以下であり、かつ下記一般式
(I)
【化3】 で表される骨格を有するエポキシ樹脂(a)を必須成分
として含有することを特徴とする樹脂封止型半導体装置
と半導体封止用エポキシ樹脂組成物。」である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
【0014】本発明においてエポキシ樹脂(A)は前記
一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(a)を必須成分
とする。前記エポキシ樹脂(a)を含有することによ
り、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の粘度が低減し、
ステージ変位や未充填などの流動不良が激減し、成形性
が大幅に向上する。
【0015】本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、室
温で固形かつ150℃の粘度が0.1ポイズ以下である
こと、さらに下記一般式(I)で表される骨格を有する
エポキシ樹脂(a)を必須成分として含有することが特
徴である。このようなエポキシ樹脂は(A)、信頼性に
も優れかつエポキシ樹脂組成物にしたとき充填剤の配合
割合を90%以上にしても、流動性などの成形性が良好
である。また、150℃での粘度が低いにもかかわらず
室温で固形であることから作業性にも優れる。
【0016】なお、ここで室温とは25℃であり、15
0℃の粘度とはICI粘度計によって測定したものであ
る。
【0017】
【化4】
【0018】この一般式(I)で表される骨格を有する
エポキシ樹脂(a)は、例えば特開平7−109328
号公報に示されたような特殊な製法によって得られる。
一例として下記式(I)においてXが−CH2−、Rが
CH3のエポキシ樹脂の場合について、以下にその製法
を説明する。
【0019】当該エポキシ樹脂は、下記一般式(II)で
示されるビスフェノールF化合物と過剰のエピクリルヒ
ドリンとを反応させることにより製造される。
【0020】
【化5】
【0021】この反応には、ビスフェノールF化合物中
の水酸基1モルに対して0.95〜1.1倍当量程度の
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物が用いられる。金属水酸化物としては水溶液また
は、固体状態で使用される。
【0022】反応は90℃以下の温度好ましくは、80
℃以下、さらに好ましくは75℃以下で行われる。反応
の際、四級アンモニウム塩あるいはジメチルスルホキシ
ド等の極性溶媒を用いることが出来、その添加量として
は、ビスフェノールF化合物に対して0.1〜2重量%
の範囲が好ましい。また、ジメチルスルホキシドの添加
量としては、ビスフェノールF化合物に対して10〜2
00重量%の範囲が好ましい。
【0023】四級アンモニウム塩の使用により、得られ
る樹脂のエポキシ当量を下げることができ、結晶化が容
易になるという作用を有する。また、ジメチルスルホキ
シド等の極性溶媒の使用は、加水分解性塩素の除去に効
果がある。
【0024】反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンお
よび、溶媒を除去し、残留物をトルエン、メチルイソブ
チルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩
または残存ジメチルスルホキシドを除去し、次いで溶剤
を留去する事によりエポキシ樹脂とすることが出来る。
【0025】さらに好ましくは、得られたエポキシ樹脂
をさらに残存する加水分解性塩素に対して1〜30倍当
量の水酸化ナトリウムまたは、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物を加え、再閉環反応が行われる。
【0026】通常、上記反応により得られた前記一般式
(II)で表されるエポキシ樹脂は、常温においても液状
である場合が多く、必要に応じて結晶化を行う必要があ
る。結晶化の方法としては、溶媒を用いての結晶化、あ
るいはあらかじめ調整した種結晶を加えることによる結
晶化等の方法がある。溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素溶媒が好適に
用いられ、その使用量としては、エポキシ樹脂に対して
5〜800重量%である。
【0027】本発明の固形エポキシ樹脂の融点範囲は7
0〜85℃、好ましくは75〜85℃の範囲で、エポキ
シ当量としては、200以下であることが好ましく、こ
の範囲を超えると結晶化が困難となる。
【0028】エポキシ樹脂(A)は上記の一般式(I)
で表される骨格を有するエポキシ樹脂(a)以外の公知
なエポキシ樹脂を併用しても良く、例えばクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェ
ニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)
−3,3’,5,5’−テトラエチルビフェニル、4,
4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,
3’,5,5’−テトラブチルビフェニルなどのビフェ
ニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ
樹脂、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフ
タレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナ
フタレン、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂などの
ナフタレン型エポキシ樹脂、3−t−ブチル−2,4’
−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベ
ンのジグリシジルエーテル、3−t−ブチル−4,4’
−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベ
ンのジグリシジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンのジグリ
シジルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベンのジグ
リシジルエーテルなどのスチルベン型エポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェニ
ルメタン型エポキシ樹脂、1,4−ビス(3−メチル−
4ヒドロキシクミル)ベンゼンのジグリシジルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルのジグ
リシジルエーテル、2,2−ジメチル−5,5’−ジ−
tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スフィドなどのビスフェノール型エポキシ樹脂、鎖状脂
肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポ
キシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂およびハロゲン化
エポキシ樹脂などがあげられ、特に耐熱性の点からクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂およびビスヒドロキシ
ビフェニル型エポキシ樹脂などでエポキシ当量500以
下、特に300以下のエポキシ樹脂を併用するのが好ま
しい。一般式(I)で表される骨格を有するエポキシ樹
脂(a)との併用の比率は、他のエポキシ樹脂に対し一
般式(I)で表される骨格を有するエポキシ樹脂(a)
が25重量%以上が好ましく、50%重量以上がより好
ましい。
【0029】本発明においてエポキシ樹脂(A)の配合
量は、全樹脂組成物に対して通常2.5〜5.0重量%
である。
【0030】本発明にはエポキシ樹脂(A)を硬化させ
るために硬化剤を用いることが好ましい。その種類はエ
ポキシ樹脂(A)と反応して硬化させるものであれば特
に限定されず、それらの具体例としては、例えばフェノ
ールノボラック、クレゾールノボラックなどのノボラッ
ク樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合
物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット
酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、ジア
ミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンな
どの芳香族アミンなどがあげられる。なかでも、半導体
装置封止用としては、耐熱性、耐湿性および保存性に優
れる点から、フェノール性水酸基を有する硬化剤が好ま
しい。フェノール性水酸基を有する硬化剤の具体例とし
ては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック樹
脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2
−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−
トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフ
ェノールの縮合化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有
フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトー
ルアラルキル樹脂などがあげられる。中でも、フェノー
ルアラルキル樹脂を用いる事が好ましい。さらには、粘
度が2ポイズ以下が好ましく、1ポイズ以下がより好ま
しい。また、これらは2種類以上併用しても良い。
【0031】本発明において、硬化剤の配合量は、全樹
脂組成物に対して通常2.5〜5.0重量%である。さ
らには、エポキシ樹脂(A)と硬化剤の配合比は、機械
的性質および耐湿性の点から(A)に対する硬化剤の化
学当量比が0.5〜2.0、特に0.6〜1.5の範囲
にあることが好ましい。
【0032】また、本発明においてエポキシ樹脂(A)
と硬化剤の硬化反応を促進するため硬化促進剤を用いて
も良い。硬化促進剤は硬化反応を促進するものであれば
特に限定されず、たとえば2−メチルイミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルベンジルメチル
アミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7などの3級アミン化合物およびそれらの塩、ジルコ
ニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラプロポキ
シド、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウ
ム、トリ(アセチルアセトナト)アルミニウムなどの有
機金属化合物およびトリフェニルホスフィン、トリメチ
ルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホス
フィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ
(ノニルフェニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化
合物およびそれらの塩などがあげられる。
【0033】これらの硬化促進剤は、用途によっては二
種以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
が望ましい。
【0034】本発明における無機質充填剤(B)は球状
の充填剤を含有していることが好ましい。一般に樹脂組
成物中の無機質充填剤(B)の割合が大きくなるにつれ
て流動性などの成形性は悪化するが、球状の無機質充填
剤を使用することにより流動性の悪化をより抑えること
ができる。なかでも無機質充填剤(B)が球状シリカを
含有することが好ましい。球状シリカの割合が多いほど
流動性等の成形性の悪化をより抑えることが出来る。用
途によっては2種類以上の無機質充填剤を併用すること
ができ、併用する充填剤としては、具体的には溶融シリ
カ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カ
ルシウム、酸化チタン、アスベスト、ガラス繊維などが
あげられる。充填剤の平均粒径は、10〜30μmが好
ましい。
【0035】本発明において、無機質充填剤(B)の割
合が全樹脂組成物に対して85重量%以上であることが
好ましく、さらには90重量%以上がより好ましい。無
機質充填剤(B)の含有量が85重量%以上であれば封
止樹脂組成物の吸水率が低下する傾向があり、良好な半
田耐熱性が得られる。
【0036】本発明において、エポキシ樹脂組成物を用
いて、半導体素子、リードフレーム、金線等、半導体部
品を封止する事によって得られた半導体装置の質量をX
(g)、これを500℃で12時間燃焼させることによ
って有機成分を除去した残分のうち、無機質充填剤質量
をY(g)、半導体素子、リードフレーム、金線等の半
導体装置を形成する部品の総質量をZ(g)であると
き、以下の関係式が成立することが好ましい。 Y/(X−Z)≧0.85 この関係式より半導体装置の硬化体の無機質充填剤含有
量を測定することができる。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物には、各種カ
ップリング剤、カーボンブラック、酸化鉄などの着色
剤、シリコーンゴム、スチレン系ブロック共重合体、オ
レフィン系重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジ
エンゴムなどのエラストマー、ポリスチレンなどの熱可
塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪
酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラフィンワック
スなどの離型剤および有機過酸化物など架橋剤を任意に
添加することができる。
【0038】本発明のエポキシ系樹脂組成物は溶融混練
によって製造することが好ましい。各組成成分を、たと
えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もし
くは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方
法を用いて溶融混練することにより製造される。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の%は重量%を示す。
【0040】本発明で使用した各原料について以下に示
し、特に式(I)で表されるエポキシ樹脂については表
1にも示す。なお、ここで言う粘度とは150℃におけ
るICI粘度のことである。
【0041】<エポキシ樹脂> a1:ジャパンエポキシレジン(株)”YL681
0”、エポキシ当量172、粘度0.06ポイズ a2:ジャパンエポキシレジン(株)”YL647
5”、エポキシ当量165、粘度0.08ポイズ a3:新日鉄化学(株)”YSLV−80XY”、エポ
キシ当量192、粘度0.08ポイズ A1:ジャパンエポキシレジン(株)”エピコート82
8”、エポキシ当量189、粘度0.1ポイズ A2:ビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレ
ジン(株)”YX4000H”、エポキシ当量193、
粘度0.2ポイズ A3:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、日本
化薬(株)”EOCN1020”エポキシ当量200、
粘度10ポイズ <充填剤>平均粒径25μmの球状溶融シリカ <硬化剤> C1:フェノーノボラック樹脂:明和化成(株)”H−
1”水酸基当量106、粘度2.0ポイズ C2:フェノールアラルキル樹脂:明和化成(株)”M
EH7800SS”水酸基当量175、粘度0.7ポイ
ズ <硬化促進剤> トリフェニルホスフィン:ケイ・アイ化成(株)”PP
−360” <カップリング剤> γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:信越化
学(株)”KBM403” <着色剤> カーボンブラック:三菱化学(株)”♯750B” <離型剤> モンタン酸エステルワックス:クラリアントジャパン
(株)”LICOWAX−E”
【0042】
【表1】
【0043】上記各成分を、表2〜3に示した組成比
(重量比)で、計量し、ミキサーによりドライブレンド
した。これを、ロール表面温度90℃のミキシングロー
ルを用いて5分間加熱混練後、冷却、粉砕して半導体封
止用のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】この樹脂組成物を用いて、低圧トランスフ
ァー成形法により175℃、キュアータイム2分間の条
件で、模擬素子を搭載した、チップサイズ10×10m
mの176pinLQFP(外形:24×24×1.4
mm、フレーム材料:銅)を成形し、175℃、12時
間の条件でポストキュアーして、下記の物性測定法によ
り各樹脂組成物の物性を評価した。 高温リフロー信頼性:176pinLQFPを20個成
形し、85℃/60%RHで168時間加湿後、最高温
度260℃のIRリフロー炉で2分間加熱処理し、外部
クラックの発生数を調べた。その時加湿前後のパッケー
ジ重量を測定することにより吸水率を求めた。 しみだし:成形直後のパッケージ表面を目視により観察
した。表4中、○はしみだし無し、×はしみだしが発生
したことを示す。 バリ:成形したパッケージの外部端子部に出ているバリ
の有無を測定した。表4中、○は2mm以上のバリが無
く、×は2mm以上のバリが発生したことを示す。 パッケージ充填性:176pinLQFPを20個成形
後に目視および光学顕微鏡(倍率:40倍)を用いて観
察し、未充填のパッケージの個数を調べた。
【0047】表4に評価結果を示す。表4の実施例1〜
14に見られるように本発明のエポキシ樹脂組成物は高
温リフロー信頼性、成形性(パッケージ充填性、しみだ
し、バリ)に優れている。
【0048】
【表4】
【0049】これに対して充填剤の割合が低い比較例1
では吸水率が高く、高温リフロー信頼性が劣っている。
また、比較例2に示すように、室温で固体でないエポキ
シを用いた場合はしみだしが発生し外観上好ましくない
うえ、バリの発生が多く金型清掃の頻度が多くなり生産
性が著しく低下する。さらに、比較例3、4に示したよ
うに充填剤の割合が90重量%以上かつ室温で固形であ
っても、150℃での粘度が0.10ポイズ以下でない
エポキシを用いると組成物の粘度が高くなり未充填とい
った成形不良を引き起こしてしまう。
【0050】このように特定のエポキシ樹脂を用い、特
定の充填剤量が満たされることによってのみ充分な性能
が発揮されることが分かる。
【0051】
【発明の効果】エポキシ樹脂組成物のエポキシ成分につ
いて特定のエポキシ樹脂を必須成分とし、かつ充填材の
割合を90重量%以上とすることにより、高い半田耐熱
性、特に高温リフロー信頼性と高い成形性を併せ持つ樹
脂封止型半導体装置及び半導体封止用エポキシ樹脂組成
物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CD051 DJ016 FA086 FD010 FD016 FD090 FD140 FD150 FD160 GJ02 GQ01 4M109 AA01 BA01 CA21 EA03 EB12 EC05 EC20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体素子の少なくとも回路形成面がエポ
    キシ樹脂(A)、無機質充填剤(B)を含む樹脂組成物
    で封止された樹脂封止型半導体装置において、前記エポ
    キシ樹脂(A)が室温では固形で、150℃での粘度が
    0.10ポイズ以下であり、かつ下記一般式(I) 【化1】 で表される骨格を有するエポキシ樹脂(a)を必須成分
    として含有することを特徴とする樹脂封止型半導体装
    置。
  2. 【請求項2】一般式(I)においてXが−CH2−であ
    ることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止型半導体装
    置。
  3. 【請求項3】一般式(I)においてXが−C(CH32
    −であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止型半
    導体装置。
  4. 【請求項4】半導体装置の質量がX(g)、それを50
    0℃で12時間燃焼させた後の残分のうち無機質充填剤
    質量がY(g)、半導体素子、リードフレーム、金線、
    ポリイミドテープの総質量がZ(g)であるとき、以下
    の関係式が成立することを特徴とする請求項1〜3記載
    の半導体装置。 Y/(X−Z)≧0.85
  5. 【請求項5】無機質充填剤(B)の割合が樹脂組成物全
    体の85重量%以上であることを特徴とする請求項1〜
    3記載の樹脂封止型半導体装置。
  6. 【請求項6】エポキシ樹脂(A)、無機質充填剤(B)
    を含む樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)が室温
    では固形であり、かつ150℃での粘度が0.1ポイズ
    以下であり、かつ下記一般式(I)で表される骨格を有
    するエポキシ樹脂(a)を必須成分として含有すること
    を特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化2】
  7. 【請求項7】一般式(I)においてXが−CH2−であ
    ることを特徴とする請求項6記載の半導体封止用エポキ
    シ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】一般式(I)においてXが−C(CH32
    −であることを特徴とする請求項6記載の半導体封止用
    エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】半導体装置の質量がX(g)、それを50
    0℃で12時間燃焼させた後の残分のうち無機質充填剤
    質量がY(g)、半導体素子、リードフレーム、金線、
    ポリイミドテープの総質量がZ(g)であるとき、以下
    の関係式が成立することを特徴とする請求項6〜8記載
    の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 Y/(X−Z)≧0.85
  10. 【請求項10】充填剤(B)の割合が樹脂組成物全体の
    85重量%以上であることを特徴とする請求項6〜8記
    載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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