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JP2002233372A - 新規タンパク質およびそのdna - Google Patents

新規タンパク質およびそのdna

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Publication number
JP2002233372A
JP2002233372A JP2001029565A JP2001029565A JP2002233372A JP 2002233372 A JP2002233372 A JP 2002233372A JP 2001029565 A JP2001029565 A JP 2001029565A JP 2001029565 A JP2001029565 A JP 2001029565A JP 2002233372 A JP2002233372 A JP 2002233372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
present
salt
partial peptide
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001029565A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Nakanishi
淳 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001029565A priority Critical patent/JP2002233372A/ja
Publication of JP2002233372A publication Critical patent/JP2002233372A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/0041Optical brightening agents, organic pigments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/04Carbon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L69/00Compositions of polycarbonates; Compositions of derivatives of polycarbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • C08K2003/2237Oxides; Hydroxides of metals of titanium
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H2219/00Legends
    • H01H2219/054Optical elements
    • H01H2219/06Reflector

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  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規セロトニン1型(5−HT1B)受容体
タンパク質(5−HT1B受容体ホモログ)、該タンパ
ク質をコードするDNA、該タンパク質の活性を促進又
は阻害する化合物のスクリーニング方法、該スクリーニ
ング方法で得られる化合物等の提供。 【解決手段】 ヒト由来の特定のアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質
等。 【効果】該タンパク質は中枢神経疾患、頭痛、うつ病、
消化器疾患の診断マーカー等として有用であり、該タン
パク質を用いるスクリーニング法により得られる該タン
パク質の活性を促進又は阻害する化合物は、例えば、中
枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器疾患等の疾病の予防
・治療剤として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規セロトニン1
型(5−HT1B)受容体タンパク質(5−HT1B受
容体ホモログ)、該タンパク質をコードするDNA、該
タンパク質の活性を促進または阻害する化合物のスクリ
ーニング方法、該スクリーニング方法で得られる化合物
などを提供する。
【0002】
【従来の技術】セロトニン(5−HT)は、体内ではト
リプトファンから生合成される.セロトニンの約90%は
腸粘膜のクロム親和性細胞に存在し,約8%は血小板
に,約2%が中枢神経系,とくに視床下部,縫線核,松
果体に分布する.中枢神経系ではセロトニン神経が存在
し,セロトニンは伝達物質として働く.セロトニンは中
枢では錐体外路系に対する作用(セロトニン症候群)や
体温調節のほか,睡眠,摂食抑制,催吐,攻撃行動,幻
覚などに関与しているものと考えられている。セロトニ
ン(5−HT)の受容体は、少なくとも7つのファミリ
ー(5−HT1〜5−HT7)からなる。この中で、5
−HT3受容体はNa+とCa+を細胞内へ流入させK+
を細胞外に流出させる活性を持つリガンド作動性カチオ
ンチャネルである。その他の受容体はGタンパク共有型
受容体である。5−HT1B受容体は、現在までに、2
種のサブユニット5−HT1B1と5−HT1B2がク
ローニングされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】5−HT1B受容体
は、シナプスにおける神経伝達に重要な役割を果たして
いる。厳密に5−HT1Bに選択性を持つアゴニスト・
アンタゴニストの創生が、5−HT1B受容体の性質を
解明するのに役立つとともに、各種神経疾患の治療に結
びつく。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、新規セロト
ニン1型(5−HT1B)受容体タンパク質(ヒト5−
HT1B受容体ホモログ)を見出した。該ヒト5−HT
1B受容体ホモログはアミノ酸レベルで、ヒト5−HT
1BA受容体と26%の相同性を示し、7回膜貫通型の構
造を有しており、5−HTの受容体として機能し得るも
のである。5−HT1B受容体ホモログを抑制する方法
としては、例えば、5−HTと5−HT1B受容体ホモ
ログとの結合を阻害したり、5−HT1Bを介する細胞
内シグナルを阻害したり、5−HT1B受容体ホモログ
の転写を抑制して発現レベルを低下させることが考えら
れる。5−HT1B受容体ホモログを賦活化する方法と
しては、例えば、5−HT1B受容体を活性化して受容
体シグナルを促進したり、5−HT1B受容体ホモログ
のプロモーターを活性化したり、mRNAを安定化する
ことで発現レベルを亢進することが考えられる。本発明
者らは、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一
のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩、
(2)上記(1)項記載のタンパク質の部分ペプチドま
たはその塩、(3)上記(1)項記載のタンパク質また
は上記(2)項記載の部分ペプチドをコードするDNA
を含有するDNA、(4)配列番号:2で表わされる塩
基配列を有する上記(3)項記載のDNA、(5)上記
(4)項記載のDNAを含有する組換えベクター、
(6)上記(5)項記載の組換えベクターで形質転換さ
れた形質転換体、(7)上記(6)項記載の形質転換体
を培養し、上記(1)項記載のタンパク質または上記
(2)項記載の部分ペプチドを生成、蓄積せしめ、これ
を採取することを特徴とする上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩の製造法、(8)上記(1)項記載のタンパク質も
しくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはその塩を
含有してなる医薬、(9)上記(3)項記載のDNAを
含有してなる医薬、(10)上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩に対する抗体、(11)上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩を用いることを特徴とする、上記(1)項記載のタ
ンパク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまた
はその塩の活性を促進または阻害する化合物またはその
塩のスクリーニング方法、(12)上記(1)項記載の
タンパク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドま
たはその塩を含有してなる、上記(1)項記載のタンパ
ク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはそ
の塩の活性を促進または阻害する化合物またはその塩の
スクリーニング用キット、(13)上記(11)項記載
のスクリーニング方法または上記(12)項記載のスク
リーニング用キットを用いて得られる、上記(1)項記
載のタンパク質もしくは上記(2)項記載の部分ペプチ
ドまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物また
はその塩、(14)上記(11)項記載のスクリーニン
グ方法または上記(12)項記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られる上記(1)項記載のタンパク質も
しくは上記(2)項記載の部分ペプチドまたはその塩の
活性を促進または阻害する化合物またはその塩を含有し
てなる医薬、(15)中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消
化器疾患の予防・治療剤である上記(8)項または
(9)項記載の医薬、(16)中枢神経疾患、頭痛、う
つ病、消化器疾患の予防・治療剤である上記(14)項
記載の医薬などを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる配列番号:1
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有するタンパク質(以下、本発明のタ
ンパク質または本発明で用いられるタンパク質と称する
こともある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモッ
ト、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、肝細胞、脾細
胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メ
サンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮
細胞、杯細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞、繊
維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファ
ージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)もしくはそれらの
細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下
部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵
臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副
腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血
管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾
丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来す
るタンパク質であってもよく、合成タンパク質であって
もよい。
【0007】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表
わされるアミノ酸配列と約30%以上、好ましくは約50%
以上、より好ましくは約70%以上、特に好ましくは約80
%以上、最も好ましくは約90%以上の相同性を有するア
ミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:1で表される
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
タンパク質としては、例えば、前記の配列番号:1で表
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質など
が好ましい。実質的に同質の活性としては、例えば、5
−HTの結合活性などが挙げられる。実質的に同質と
は、それらの性質が性質的に(例、生理学的に、または
薬理学的に)同質であることを示す。したがって、5−
HTの結合活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ましく
は約0.1〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)であること
が好ましいが、これらの活性の程度、タンパク質の分子
量などの量的要素は異なっていてもよい。5−HTの結
合活性などの活性の測定は、公知の方法に準じて行うこ
とが出来るが、例えば、J. Biol. Chem. 274: 5537-554
1, 1999 に記載の方法またはそれに準じる方法に従って
測定することができる。
【0008】また、本発明で用いられるタンパク質とし
ては、例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、好
ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:
1で表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好まし
くは、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに
好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したアミ
ノ酸配列、配列番号:1で表されるアミノ酸配列に1
または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、好ましく
は1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)の
アミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:1で
表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さらに
好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のアミノ酸
で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わ
せたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆる
ムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が挿
入、欠失または置換されている場合、その挿入、欠失ま
たは置換の位置は、とくに限定されない。
【0009】本明細書におけるタンパク質は、ペプチド
標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端
がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめ
とする、本発明で用いられるタンパク質は、C末端が通
常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレー
ト(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CONH
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。こ
こでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルなどの
1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニ
ル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベ
ンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C
1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基、ピバロイル
オキシメチル基などが用いられる。本発明で用いられる
タンパク質がC末端以外にカルボキシル基(またはカル
ボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がア
ミド化またはエステル化されているものも本発明で用い
られるタンパク質に含まれる。この場合のエステルとし
ては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられ
る。さらに、本発明で用いられるタンパク質には、N末
端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が
保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC 1-6
アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されて
いるもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタ
ミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)
で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆ
る糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
本発明で用いられるタンパク質の具体例としては、例え
ば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を含有するヒ
ト肝臓由来のタンパク質などがあげられる。
【0010】本発明で用いられるタンパク質の部分ペプ
チドとしては、前記した本発明で用いられるタンパク質
の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明
で用いられるタンパク質と同様の性質を有するものであ
ればいずれのものでもよい。例えば、本発明で用いられ
るタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20個
以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70個以
上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは200個以
上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用いられる。
また、本発明で用いられる部分ペプチドは、そのアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程
度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が欠
失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が
付加し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が
挿入され、または、そのアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数
個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ酸が他の
アミノ酸で置換されていてもよい。本発明の部分ペプチ
ドとしては、配列番号:1で表されるアミノ酸配列にお
いて例えば第176番目〜201番目、第471番目〜491番目の
アミノ酸配列が好ましい。
【0011】また、本発明で用いられる部分ペプチドは
C末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカル
ボキシレート(−COO-)であるが、前記した本発明
で用いられるタンパク質のごとく、C末端がアミド(−
CONH2)またはエステル(−COOR)であっても
よい。さらに、本発明で用いられる部分ペプチドには、
前記した本発明で用いられるタンパク質と同様に、C末
端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を
有しているもの、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニ
ン残基)のアミノ基が保護基で保護されているもの、N
端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピロ
グルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の
置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは
糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチド
なども含まれる。本発明で用いられる部分ペプチドは抗
体作成のための抗原としても用いることができる。たと
えば、後述する本発明の抗体を調製する目的には、例え
ば配列番号:1で表されるアミノ酸配列において第399
〜417番目, 第500〜649番目のアミノ酸配列を有するペ
プチドなどがあげられる。
【0012】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などと
の塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加
塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明で用い
られるタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその
塩は、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から公
知のタンパク質の精製方法によって製造することもでき
るし、タンパク質をコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場
合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズし
た後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマト
グラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロ
マトグラフィーを組み合わせることにより精製単離する
ことができる。
【0013】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩、またはそのアミド体の合成に
は、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることがで
きる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル
樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセ
トアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmo
cアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることがで
きる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能
基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質
の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮
合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質または部分
ペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さら
に高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実
施し、目的のタンパク質もしくは部分ペプチドまたはそ
れらのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮
合に関しては、タンパク質合成に使用できる各種活性化
試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類
がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-
ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジ
メチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられ
る。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例え
ば、HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を直
接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOB
tエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじ
め保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加する
ことができる。
【0014】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しう
ることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチル
アセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタ
ンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲か
ら適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常
1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用い
たテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離
を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な
縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な
縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイ
ミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化するこ
とによって、後の反応に影響を与えないようにすること
ができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カル
ボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もし
くは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化
(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエス
テル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベン
ジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシ
ルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド
化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒ
ドラジド化などによって保護することができる。セリン
の水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によ
って保護することができる。このエステル化に適する基
としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t-ブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、
Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、t−
ブチルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-
トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキ
シメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用
いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロ
キシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用
いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとして
は、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。保護
基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒ある
いはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での
接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸
あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプ
ロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、
ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中
ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理に
よる脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわ
れるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェ
ノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾ
ール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,
2-エタンジチオールなどのようなリガンド作動性カチオ
ン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミ
ダゾール保護基として用いられる2,4-ジニトロフェニル
基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファ
ンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上
記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジチオールなど
の存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリ
ウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっ
ても除去される。
【0017】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。タンパク質または部分ペプチドの
アミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化し
て保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖
を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端の
α−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質または部
分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除
去したタンパク質または部分ペプチドとを製造し、これ
らのタンパク質またはペプチドを上記したような混合溶
媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同
様である。縮合により得られた保護タンパク質またはペ
プチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を
除去し、所望の粗タンパク質またはペプチドを得ること
ができる。この粗タンパク質またはペプチドは既知の各
種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥する
ことで所望のタンパク質またはペプチドのアミド体を得
ることができる。タンパク質またはペプチドのエステル
体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−
カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸
エステルとした後、タンパク質またはペプチドのアミド
体と同様にして、所望のタンパク質またはペプチドのエ
ステル体を得ることができる。
【0018】本発明で用いられる部分ペプチドまたはそ
れらの塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明で用いられるタンパク質を適当なペプチダーゼ
で切断することによって製造することができる。ペプチ
ドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法
のいずれによっても良い。すなわち、本発明で用いられ
る部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミ
ノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する
場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製
造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離と
しては、例えば、以下の〜に記載された方法が挙げ
られる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明で用いられる部分ペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
る部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0019】本発明で用いられるタンパク質をコードす
るDNAとしては、前述した本発明で用いられるタンパ
ク質をコードする塩基配列を含有するものであればいか
なるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノム
DNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDN
A、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、
合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用する
ベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミ
ド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前
記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分
を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Po
lymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略
称する)によって増幅することもできる。本発明で用い
られるタンパク質をコードするDNAとしては、例え
ば、配列番号:2で表される塩基配列を含有するDN
A、または配列番号:2で表される塩基配列とハイスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を
有し、本発明で用いられるタンパク質と実質的に同質の
性質を有するタンパク質をコードするDNAであれば何
れのものでもよい。
【0020】配列番号:2で表される塩基配列とハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA
としては、例えば、配列番号:2で表される塩基配列と
約30%以上、好ましくは約50%以上、さらに好ましくは
約60%以上、より好ましくは約70%以上、特に好ましく
は約80%以上、最も好ましくは約90%以上の相同性を有
する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイ
ブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じ
る方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecu
lar Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,Cold Spring
Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って
行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用
する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行な
うことができる。より好ましくは、ハイストリンジェン
トな条件に従って行なうことができる。ハイストリンジ
ェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40
mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、
好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム
濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を含有するタンパク質をコードするDNAとしては、配
列番号:2で表される塩基配列を含有するDNAなどが
用いられる。
【0021】本発明で用いられる部分ペプチドをコード
するDNAとしては、前述した本発明で用いられる部分
ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであれば
いかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲ
ノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のc
DNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。本発明で用いられる
部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配
列番号:2で表される塩基配列を有するDNAの一部分
を有するDNA、または配列番号:2で表される塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を含有し、本発明のタンパク質と実質的に同
質の活性を有するタンパク質をコードするDNAの一部
分を含有するDNAなどが用いられる。配列番号:2で
表される塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前
記と同意義を示す。ハイブリダイゼーションの方法およ
びハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用
いられる。
【0022】本発明で用いられるタンパク質、部分ペプ
チド(以下、これらをコードするDNAのクローニング
および発現の説明においては、これらを単に本発明のタ
ンパク質と略記する場合がある)を完全にコードするD
NAのクローニングの手段としては、本発明のタンパク
質をコードする塩基配列の一部分を有する合成DNAプ
ライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または
適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク
質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしく
は合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼ
ーションによって選別することができる。ハイブリダイ
ゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニ
ング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法
などに従って行なうことができる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換
は、PCRや公知のキット、例えば、MutanTM-superExp
ress Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))
等を用いて、ODA-LAPCR法やGapped duplex法やKunkel法
等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行
なうことができる。クローン化されたタンパク質をコー
ドするDNAは目的によりそのまま、または所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開
始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻
訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有
していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ
ドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加する
こともできる。本発明のタンパク質の発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
【0023】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモ
ーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア
属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモ
ーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、
lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主が
バチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、S
PO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
などが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘ
ドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好まし
い。
【0024】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質
のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である
場合は、PhoAシグナル配列、OmpAシグナル配列
などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラ
ーゼシグナル配列、サブチリシンシグナル配列などが、
宿主が酵母である場合は、MFαシグナル配列、SUC
2シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、
インシュリンシグナル配列、α−インターフェロンシグ
ナル配列、抗体分子シグナル配列などがそれぞれ利用で
きる。このようにして構築された本発明のタンパク質を
コードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転
換体を製造することができる。
【0025】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕な
どが用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチ
ルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114
〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21
〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of
Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用
いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccha
romyces pombe)NCYC1913,NCYC203
6、ピキア パストリス(Pichia pastoris)KM71
などが用いられる。
【0026】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換する
には、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナ
ル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユ
ーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69
巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,1
07(1982)などに記載の方法に従って行なうことが
できる。
【0027】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。動物細
胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細
胞工学実験プロトコール.263−267(1995)
(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,
456(1973)に記載の方法に従って行なうことがで
きる。このようにして、タンパク質をコードするDNA
を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を
得ることができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス
属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される
培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質
転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が
含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコー
ス、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源と
しては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーン
スチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大
豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無
機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素
ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0028】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜
24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることも
できる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜
40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加
えることもできる。宿主が酵母である形質転換体を培養
する際、培地としては、例えば、バークホールダー(Bu
rkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.
Acad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕
や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G.
A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5
330(1984)〕が挙げられる。培地のpHは約5
〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃
で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養
する際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grac
e, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非
動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなど
が用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが
好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必
要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞である
形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5
〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス
(Science),122巻,501(1952)〕,DME
M培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(1
959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ
・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(Th
e Journal of the American Medical Association)1
99巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージ
ング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロ
ジカル・メディスン(Proceeding ofthe Society for t
he Biological Medicine),73巻,1(1950)〕な
どが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。
培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に
応じて通気や撹拌を加える。以上のようにして、形質転
換体の細胞内、細胞膜または細胞外に本発明のタンパク
質を生成せしめることができる。
【0029】上記培養物から本発明のタンパク質を分離
精製するには、例えば、下記の方法により行なうことが
できる。本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞か
ら抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体ある
いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変
性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含ま
れていてもよい。培養液中にタンパク質が分泌される場
合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と
上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られ
た培養上清、あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の
精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行な
うことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差
を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの
荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラ
フィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液
体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法
などが用いられる。
【0030】かくして得られるタンパク質が遊離体で得
られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法
によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場
合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊
離体または他の塩に変換することができる。なお、組換
え体が産生するタンパク質を、精製前または精製後に適
当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾
を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもで
きる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キ
モトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテ
インキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かく
して生成する本発明のタンパク質の存在は、特異抗体を
用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロッテ
ィングなどにより測定することができる。
【0031】本発明で用いられるタンパク質もしくは部
分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、本発明で用い
られるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩を
認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノク
ローナル抗体の何れであってもよい。本発明で用いられ
るタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以
下、抗体の説明においては、これらを単に本発明のタン
パク質と略記する場合がある)に対する抗体は、本発明
のタンパク質を抗原として用い、公知の抗体または抗血
清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のタンパク質は、温血動物に対して投与により抗
体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤と
ともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるた
め、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントア
ジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に
1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動
物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げら
れるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モ
ノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免
疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められ
た個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリン
パ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種ま
たは異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することが
できる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標
識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結
合した標識剤の活性を測定することにより行なうことが
できる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミ
ルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1
975)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。
【0032】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、P
EG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が
10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは
30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることにより効
率よく細胞融合を実施できる。モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用
できるが、例えば、タンパク質抗原を直接あるいは担体
とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハ
イブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素
などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用い
られる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗
体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結
合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロ
ブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで
標識したタンパク質を加え、固相に結合したモノクロー
ナル抗体を検出する方法などが挙げられる。モノクロー
ナル抗体の選別は、公知あるいはそれに準じる方法に従
って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用
培地で行なうことができる。選別および育種用培地とし
ては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのよう
な培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは
10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、
1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業
(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(S
FM−101、日水製薬(株))などを用いることがで
きる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃で
ある。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週
間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行な
うことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、
上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定でき
る。
【0033】(b)モノクロナール抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0034】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タン
パク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質と
の複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法
と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発
明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の
分離精製を行なうことにより製造することができる。温
血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリア
ー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類お
よびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに
架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くで
きれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよ
いが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブ
リン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方
法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリ
ングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グル
タルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エス
テル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エ
ステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に
対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通
常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれ
る。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された温
血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取する
ことができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定
は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定で
きる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノク
ローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離
精製法に従って行なうことができる。
【0035】本発明で用いられるタンパク質または部分
ペプチドをコードするDNA(以下、アンチセンスヌク
レオチドの説明においては、これらのDNAを本発明の
DNAと略記する場合がある)の塩基配列に相補的な、
または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンス
ヌクレオチドとしては、本発明のDNAの塩基配列に相
補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有し、該D
NAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、い
ずれのアンチセンスヌクレオチドであってもよいが、ア
ンチセンスDNAが好ましい。本発明のDNAに実質的
に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相
補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)
の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好ま
しくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好
ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが挙
げられる。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列
うち、本発明のタンパク質のN末端部位をコードする部
分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列な
ど)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、よ
り好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の
相同性を有するアンチセンスヌクレオチドが好適であ
る。具体的には、配列番号:2で表わされる塩基配列を
有するDNAの塩基配列に相補的な、もしくは実質的に
相補的な塩基配列、またはその一部分を有するアンチセ
ンスヌクレオチド、好ましくは例えば、配列番号:2で
表わされる塩基配列を有するDNAの塩基配列に相補な
塩基配列、またはその一部分を有するアンチセンスヌク
レオチドなどが挙げられる。アンチセンスヌクレオチド
は通常、10〜40個程度、好ましくは15〜30個程度の塩基
から構成される。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素によ
る分解を防ぐために、アンチセンスDNAを構成する各
ヌクレオチドのりん酸残基(ホスフェート)は、例え
ば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホ
ロジチオネートなどの化学修飾りん酸残基に置換されて
いてもよい。これらのアンチセンスヌクレオチドは、公
知のDNA合成装置などを用いて製造することができ
る。
【0036】以下に、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略
記する場合がある)、本発明のタンパク質または部分ペ
プチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略
記する場合がある)、本発明のタンパク質もしくは部分
ペプチドまたはその塩に対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)、および本発明のDNAのア
ンチセンスヌクレオチド(以下、本発明のアンチセンス
ヌクレオチドと略記する場合がある)の用途を説明す
る。
【0037】本発明のタンパク質の活性を阻害する化合
物もしくはその塩を含有する医薬は、例えば、5−HT
の結合活性を抑制することで、神経伝達シグナルを抑制
することができるので例えば、中枢神経疾患、頭痛、う
つ病、消化器疾患などの治療・予防剤として使用するこ
とができる。一方、本発明のタンパク質の活性を促進す
る化合物もしくはその塩を含有する医薬は、例えば、5
−HT受容体のシグナルを促進することで、神経伝達シ
グナルを活性化するすることができるので生体防御能を
向上につながり、例えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ
病、消化器疾患などの治療・予防剤として使用すること
ができる。
【0038】〔1〕本発明のタンパク質が関与する各種
疾病の治療・予防剤 本発明のタンパク質は、5−HTの結合活性を有し、神
経伝達に重要な役割を果たしている。したがって、本発
明のタンパク質をコードするDNAに異常があったり、
欠損している場合あるいは本発明のタンパク質の発現量
が減少している場合には、例えば、中枢神経疾患、頭
痛、うつ病、消化器疾患などの種々の疾患が発症する。
したがって、本発明のタンパク質および本発明のDNA
は、例えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器疾患
などの疾患の治療・予防剤などの医薬として使用するこ
とができる。例えば、生体内において本発明のタンパク
質が減少あるいは欠損しているために、5−HTの結合
活性が十分に、あるいは正常に発揮されない患者がいる
場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、生体
内で本発明のタンパク質を発現させることによって、
(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のタンパ
ク質を発現させた後に、該細胞を患者に移植することに
よって、または(ハ)本発明のタンパク質を該患者に投
与することなどによって、該患者における本発明のタン
パク質の役割を十分に、あるいは正常に発揮させること
ができる。本発明のDNAを上記の治療・予防剤として
使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイル
スベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルス
アソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクタ
ーに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動
物に投与することができる。本発明のDNAは、そのま
まで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的
に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイド
ロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与でき
る。本発明のタンパク質を上記の治療・予防剤として使
用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、
より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上に
精製されたものを使用するのが好ましい。
【0039】本発明のタンパク質等は、例えば、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水も
しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶
液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用
できる。例えば、本発明のタンパク質等を生理学的に認
められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安
定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に
要求される単位用量形態で混和することによって製造す
ることができる。これら製剤における有効成分量は指示
された範囲の適当な用量が得られるようにするものであ
る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加
剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラ
ガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロー
スのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギ
ン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムの
ような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような
甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのよ
うな香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセル
である場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のよう
な液状担体を含有することができる。注射のための無菌
組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻
油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解また
は懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方するこ
とができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例え
ば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリ
ウムなど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアル
コール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポ
リソルベート80TM、HCO−50など)などと併用し
てもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油な
どが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベ
ンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤
(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液な
ど)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当
なアンプルに充填される。本発明のDNAが挿入された
ベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に
使用される。
【0040】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。本発明のタンパク
質等の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、中枢神経疾患の治療目的
で本発明のタンパク質等を経口投与する場合、一般的に
成人(60kgとして)においては、一日につき該タンパ
ク質等を約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的
に投与する場合は、該タンパク質等の1回投与量は投与
対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、中枢
神経疾患の治療目的で本発明のタンパク質等を注射剤の
形で成人(体重60kgとして)に投与する場合、一日に
つき該タンパク質等を約0.01〜30mg程度、好ましくは
約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を患部に注射することにより投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投
与することができる。
【0041】〔2〕疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質の活性を促
進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
のための試薬として有用である。すなわち、本発明は、
(1)本発明のタンパク質を用いることを特徴とする本
発明のタンパク質の活性(例えば、5−HTの結合活性
など)を促進または阻害する化合物またはその塩(以
下、それぞれ促進剤、阻害剤と略記する場合がある)の
スクリーニング方法を提供し、より具体的には、例え
ば、(2)(i)本発明のタンパク質を産生する能力を
有する細胞の5−HTの結合活性と(ii)本発明のタン
パク質を産生する能力を有する細胞と試験化合物の混合
物の5−HTの結合活性の比較を行なうことを特徴とす
る促進剤または阻害剤のスクリーニング方法を提供す
る。具体的には、上記スクリーニング方法においては、
例えば、(i)と(ii)の場合において、5−HTの結
合活性をバインディングアッセイで測定し、5−HTの
結合活性の指標として比較することを特徴とするもので
ある。
【0042】試験化合物としては、例えば、ペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。上記のスクリーニン
グ方法を実施するには、本発明のタンパク質を産生する
能力を有する細胞をスクリーニングに適したバッファー
に浮遊して調製する。バッファーには、pH約4〜10
(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、ほ
う酸バッファーなどの、本発明のタンパク質の5−HT
の結合活性を阻害しないバッファーであればいずれでも
よい。本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞
としては、例えば、前述した本発明のタンパク質をコー
ドするDNAを含有するベクターで形質転換された宿主
(形質転換体)が用いられる。宿主としては、例えば、
CHO細胞などの動物細胞が好ましく用いられる。該ス
クリーニングには、例えば、前述の方法で培養すること
によって、本発明のタンパク質を細胞膜上に発現させた
形質転換体が好ましく用いられる。
【0043】本発明のタンパク質の5−HTの結合活性
は、公知の方法、例えば、J. Biol.Chem. 274: 5537-55
41, 1999 に記載の方法あるいはそれに準じる方法に従
って測定することができる。例えば、上記(ii)の場合
における5−HTの結合活性を、上記(i)の場合に比
べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましく
は約50%以上促進する試験化合物を本発明のタンパク質
の活性を促進する化合物またはその塩として選択するこ
とができる。また、例えば、上記(ii)の場合における
5−HTの結合活性を、上記(i)の場合に比べて、約
20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%
以上阻害(または抑制)する試験化合物を本発明のタン
パク質の活性を阻害する化合物またはその塩として選択
することができる。また、本発明のタンパク質5−HT
1B受容体ホモログ遺伝子のプロモーター下流に分泌型
アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼなどの遺伝子
を挿入し、上記の各種細胞に発現させ、該細胞に上記試
験化合物を接触させた場合における酵素活性を賦活化ま
たは阻害する化合物またはその塩を探索することによっ
て本発明のタンパク質(5−HT1B受容体ホモログ)
の発現を促進または抑制(すなわち、本発明のタンパク
質の活性を促進または阻害)する化合物またはその塩を
スクリーニングすることができる。
【0044】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたは
その塩、または本発明で用いられるタンパク質もしくは
部分ペプチドを産生する能力を有する細胞を含有するも
のである。
【0045】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物またはその塩であり、本発明のタンパク
質の活性(例、5−HTの結合活性など)を促進または
阻害する化合物またはその塩である。該化合物の塩とし
ては、前記した本発明のタンパク質の塩と同様のものが
用いられる。本発明のタンパク質の活性を促進する化合
物またはその塩は、例えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ
病、消化器疾患に対する治療・予防剤などの医薬として
有用である。また、本発明のタンパク質の活性を阻害す
る化合物またはその塩は、例えば、中枢神経疾患、頭
痛、うつ病、消化器疾患に対する治療・予防剤などの医
薬として有用である。
【0046】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に
従って製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセ
ル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶
液、懸濁液剤などとすることができる。このようにして
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒト
または温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒ
ツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チ
ンパンジーなど)に対して経口的にまたは非経口的に投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどに
より差異はあるが、例えば、中枢神経疾患治療の目的で
本発明のタンパク質の活性を促進する化合物またはその
塩を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとし
て)においては、一日につき該化合物またはその塩を約
0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物またはその塩の1回投与量は投与対象、対
象疾患などによっても異なるが、例えば、中枢神経疾患
治療の目的で本発明のタンパク質の活性を促進する化合
物またはその塩を注射剤の形で通常成人(体重60kgと
して)に投与する場合、一日につき該化合物またはその
塩を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射によ
り投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0047】〔3〕本発明のタンパク質、その部分ペプ
チドまたはその塩の定量 本発明のタンパク質に対する抗体(以下、本発明の抗体
と略記する場合がある)は、本発明のタンパク質を特異
的に認識することができるので、被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定
量などに使用することができる。すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発
明のタンパク質とを競合的に反応させ、該抗体に結合し
た標識化された本発明のタンパク質の割合を測定するこ
とを特徴とする被検液中の本発明のタンパク質の定量
法、および(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の
抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時ある
いは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の
活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のタ
ンパク質の定量法を提供する。上記(ii)の定量法にお
いては、一方の抗体が本発明のタンパク質のN端部を認
識する抗体で、他方の抗体が本発明のタンパク質のC端
部に反応する抗体であることが望ましい。
【0048】また、本発明のタンパク質に対するモノク
ローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称
する場合がある)を用いて本発明のタンパク質の定量を
行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこともで
きる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いても
よく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるい
はFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本
発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきもの
ではなく、被測定液中の抗原量(例えば、タンパク質
量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の
量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知
量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算
出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素とし
ては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14
C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活
性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダ
ーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用い
られる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。
【0049】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常タンパク質あるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のタンパク質量を定量することができる。1次反
応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行な
ってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤
および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができ
る。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、
固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ず
しも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等
の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本
発明のサンドイッチ法による本発明のタンパク質の測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明
のモノクローナル抗体は、本発明のタンパク質の結合す
る部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわ
ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例え
ば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のタンパク質
のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体
は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗
体が用いられる。
【0050】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0051】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のタンパク質の測定系を構築すればよい。これらの一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照する
ことができる。以上のようにして、本発明の抗体を用い
ることによって、本発明のタンパク質を感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のタンパク質の濃度を定量することによって、(1)
本発明のタンパク質の濃度の減少が検出された場合、例
えば、中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器疾患などの
可能性が高いと診断することができる。(2)反対に、
例えば、本発明のタンパク質の濃度の上昇が検出された
場合、中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器疾患の可能
性が高いと診断することが出来る。また、本発明の抗体
は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のタン
パク質を検出するために使用することができる。また、
本発明のタンパク質を精製するために使用する抗体カラ
ムの作製、精製時の各分画中の本発明のタンパク質の検
出、被検細胞内における本発明のタンパク質の挙動の分
析などのために使用することができる。
【0052】〔4〕遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードす
るDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出す
ることができるので、例えば、該DNAまたはmRNA
の損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたは
mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤と
して有用である。本発明のDNAを用いる上記の遺伝子
診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーショ
ンやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),
第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of t
heNational Academy of Sciences of the United State
s of America),第86巻,2766〜2770頁(1
989年))などにより実施することができる。例え
ば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現増加が
検出された場合、中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器
疾患の可能性が高いと診断することが出来る。反対に、
発現低下が検出された場合やPCR−SSCP法により
DNAの突然変異が検出された場合は、例えば、中枢神
経疾患、頭痛、うつ病、消化器疾患である可能性が高い
と診断することができる。
【0053】〔5〕アンチセンスヌクレオチドを含有す
る医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができる本発明のアンチセンスヌクレオチド
は低毒性であり、生体内における本発明のタンパク質ま
たは本発明のDNAの機能(例、5−HTの結合活性)
を抑制することができるので、例えば、中枢神経疾患、
頭痛、うつ病、消化器疾患などの治療・予防剤として使
用することができる。上記アンチセンスヌクレオチドを
上記の治療・予防剤として使用する場合、公知の方法に
従って製剤化し、投与することができる。例えば、該ア
ンチセンスヌクレオチドを用いる場合、該アンチセンス
ヌクレオチドを単独あるいはレトロウイルスベクター、
アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテ
ッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した
後、常套手段に従って、ヒトまたは哺乳動物(例、ラッ
ト、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して経口的または非経口的に投与することがで
きる。該アンチセンスヌクレオチドは、そのままで、あ
るいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認めら
れる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカ
テーテルのようなカテーテルによって投与できる。該ア
ンチセンスヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対
象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、中枢
神経疾患の治療の目的で本発明のアンチセンスヌクレオ
チドを肝臓に局所投与する場合、一般的に成人(体重60
kg)においては、一日につき該アンチセンスヌクレオ
チドを約0.1〜100mg投与する。さらに、該アンチセン
スヌクレオチドは、組織や細胞における本発明のDNA
の存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌク
レオチドプローブとして使用することもできる。
【0054】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0055】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2-Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0056】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒトTCH070タンパク質のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
を有するTCH070タンパク質をコードするDNAの
塩基配列を示す。
【0057】
【発明の効果】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
パク質は中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器疾患の診
断マーカー等として有用であり、該タンパク質を用いる
スクリーニング法により得られる該タンパク質の活性を
促進または阻害する化合物は、例えば、中枢神経疾患、
頭痛、うつ病、消化器疾患などの疾病の予防・治療剤と
して使用することができる。
【0058】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Protein and its DNA <130> P2001-024 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 347 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Gly Asp Glu Leu Ala Pro Cys Pro Val Gly Thr Thr Ala Trp Pro 1 5 10 15 Ala Leu Ile Gln Leu Ile Ser Lys Thr Pro Cys Met Pro Gln Ala Ala 20 25 30 Ser Asn Thr Ser Leu Gly Leu Gly Asp Leu Arg Val Pro Ser Ser Met 35 40 45 Leu Tyr Trp Leu Phe Leu Pro Ser Ser Leu Leu Ala Ala Ala Thr Leu 50 55 60 Ala Val Ser Pro Leu Leu Leu Val Thr Ile Leu Arg Asn Gln Arg Leu 65 70 75 80 Arg Gln Glu Pro His Tyr Leu Leu Pro Ala Asn Ile Leu Leu Ser Asp 85 90 95 Leu Ala Tyr Ile Leu Leu His Met Leu Ile Ser Ser Ser Ser Leu Gly 100 105 110 Gly Trp Glu Leu Gly Arg Met Ala Cys Gly Ile Leu Thr Asp Ala Val 115 120 125 Phe Ala Ala Cys Thr Ser Thr Ile Leu Ser Phe Thr Ala Ile Val Leu 130 135 140 His Thr Tyr Leu Ala Val Ile His Pro Leu Arg Tyr Leu Ser Phe Met 145 150 155 160 Ser His Gly Ala Ala Trp Lys Ala Val Ala Leu Ile Trp Leu Val Ala 165 170 175 Cys Cys Phe Pro Thr Phe Leu Ile Trp Leu Ser Lys Trp Gln Asp Ala 180 185 190 Gln Leu Glu Glu Gln Gly Ala Ser Tyr Ile Leu Pro Pro Ser Met Gly 195 200 205 Thr Gln Pro Gly Cys Gly Leu Leu Val Ile Val Thr Tyr Thr Ser Ile 210 215 220 Leu Cys Val Leu Phe Leu Cys Thr Ala Leu Ile Ala Asn Cys Phe Trp 225 230 235 240 Arg Ile Tyr Ala Glu Ala Lys Thr Ser Gly Ile Trp Gly Gln Gly Tyr 245 250 255 Ser Arg Ala Arg Gly Thr Leu Leu Ile His Ser Val Leu Ile Thr Leu 260 265 270 Tyr Val Ser Thr Gly Val Val Phe Ser Leu Asp Met Val Leu Thr Arg 275 280 285 Tyr His His Ile Asp Ser Gly Thr His Thr Trp Leu Leu Ala Ala Asn 290 295 300 Ser Glu Val Leu Met Met Leu Pro Arg Ala Met Leu Pro Tyr Leu Tyr 305 310 315 320 Leu Leu Arg Tyr Arg Gln Leu Leu Gly Met Val Arg Gly His Leu Pro 325 330 335 Ser Arg Arg His Gln Ala Ile Phe Thr Ile Ser 340 345 <210> 2 <211> 1041 <212> DNA <213> Human <400> 2 ATGGGGGATG AGCTGGCACC TTGCCCTGTG GGCACTACAG CTTGGCCGGC CCTGATCCAG 60 CTCATCAGCA AGACACCCTG CATGCCCCAA GCAGCCAGCA ACACTTCCTT GGGCCTGGGG 120 GACCTCAGGG TGCCCAGCTC CATGCTGTAC TGGCTTTTCC TTCCCTCAAG CCTGCTGGCT 180 GCAGCCACAC TGGCTGTCAG CCCCCTGCTG CTGGTGACCA TCCTGCGGAA CCAACGGCTG 240 CGACAGGAGC CCCACTACCT GCTCCCGGCT AACATCCTGC TCTCAGACCT GGCCTACATT 300 CTCCTCCACA TGCTCATCTC CTCCAGCAGC CTGGGTGGCT GGGAGCTGGG CCGCATGGCC 360 TGTGGCATTC TCACTGATGC TGTCTTCGCC GCCTGCACCA GCACCATCCT GTCCTTCACC 420 GCCATTGTGC TGCACACCTA CCTGGCAGTC ATCCATCCAC TGCGCTACCT CTCCTTCATG 480 TCCCATGGGG CTGCCTGGAA GGCAGTGGCC CTCATCTGGC TGGTGGCCTG CTGCTTCCCC 540 ACATTCCTTA TTTGGCTCAG CAAGTGGCAG GATGCCCAGC TGGAGGAGCA AGGAGCTTCA 600 TACATCCTAC CACCAAGCAT GGGCACCCAG CCGGGATGTG GCCTCCTGGT CATTGTTACC 660 TACACCTCCA TTCTGTGCGT TCTGTTCCTC TGCACAGCTC TCATTGCCAA CTGTTTCTGG 720 AGGATCTATG CAGAGGCCAA GACTTCAGGC ATCTGGGGGC AGGGCTATTC CCGGGCCAGG 780 GGCACCCTGC TGATCCACTC AGTGCTGATC ACATTGTACG TGAGCACAGG GGTGGTGTTC 840 TCCCTGGACA TGGTGCTGAC CAGGTACCAC CACATTGACT CTGGGACTCA CACATGGCTC 900 CTGGCAGCTA ACAGTGAGGT ACTCATGATG CTTCCCCGTG CCATGCTCCC ATACCTGTAC 960 CTGCTCCGCT ACCGGCAGCT GTTGGGCATG GTCCGGGGCC ACCTCCCATC CAGGAGGCAC 1020 CAGGCCATCT TTACCATTTC C 1041
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/00 A61P 25/28 4C086 25/24 C07K 14/705 4H045 25/28 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 33/53 D G01N 33/15 C12P 21/08 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BB20 CB01 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA63 CA02 DA01 DA02 DA05 DA11 GA11 4B064 AG20 AG27 CA01 CA10 CA19 CA20 CC01 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA58X AA72X AA88X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA13 AA17 BA01 BA22 CA53 CA56 CA59 NA14 ZA021 ZA081 ZA121 ZA661 4C086 AA01 EA16 NA14 ZA02 ZA08 ZA12 ZA66 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA50 DA75 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    タンパク質またはその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタンパク質の部分ペプチ
    ドまたはその塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のタンパク質または請求項
    2記載の部分ペプチドをコードするDNAを含有するD
    NA。
  4. 【請求項4】 配列番号:2で表わされる塩基配列を有
    する請求項3記載のDNA。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組換えベクターで形質転
    換された形質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体を培養し、請
    求項1記載のタンパク質または請求項2記載の部分ペプ
    チドを生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴と
    する請求項1記載のタンパク質もしくは請求項2記載の
    部分ペプチドまたはその塩の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のタンパク質もしくは請求
    項2記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる医
    薬。
  9. 【請求項9】 請求項3記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項2記載の部分ペプチドまたはその塩に対する抗体。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項2記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを
    特徴とする、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    2記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のタンパク質もしくは請
    求項2記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してな
    る、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項2記載の
    部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻害する
    化合物またはその塩のスクリーニング用キット。
  13. 【請求項13】 請求項11記載のスクリーニング方法
    または請求項12記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のタンパク質もしくは請求項
    2記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩。
  14. 【請求項14】 請求項11記載のスクリーニング方法
    または請求項12記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のタンパク質もしくは請求項2
    記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を促進または阻
    害する化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  15. 【請求項15】 中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器
    疾患などの予防・治療剤である請求項8または請求項9
    記載の医薬。
  16. 【請求項16】 中枢神経疾患、頭痛、うつ病、消化器
    疾患などの予防・治療剤である請求項14記載の医薬。
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CN113491764B (zh) * 2020-04-03 2023-09-19 北京大学 Fam19a5的医药用途

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CN113491764B (zh) * 2020-04-03 2023-09-19 北京大学 Fam19a5的医药用途

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