JP2002232068A - 半導体発光装置 - Google Patents
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Abstract
えられており、半導体発光装置を構成する部材あるいは
素子に寸法誤差が存在していても容易にかつ非常に再現
性よく組み立てることが可能であり、さらに光ファイバ
ー等との光学的結合も容易である半導体発光装置を提供
すること。 【解決手段】 少なくとも、一つの端面発光型の半導体
発光素子、第一ヒートシンク、第二ヒートシンクを有す
る半導体発光装置において、当該半導体発光素子の第一
導電型側の電極の少なくとも一部が第一ヒートシンクに
接し、かつ、当該半導体発光素子の第二導電型側の電極
の少なくとも一部が第二ヒートシンクに接し、かつ、半
導体発光素子の共振器を形成しない二つの側面のうち一
方の側面のみを見込む空間において、第一ヒートシンク
と第二ヒートシンクが接していることを特徴とする半導
体発光装置。
Description
に半導体レーザを含む半導体発光装置に関するものであ
る。本発明は、光ファイバー増幅器用励起光源や光情報
処理用の光源等のように、高出力かつ長寿命であること
を要求されるなど、半導体発光素子の良好な放熱性が特
性上重要である場合に好適に利用することができる。ま
た本発明は、半導体発光素子の良好な放熱性と光ファイ
バーの直接カップリングを簡便な方法で両立させたい場
合などにも好適に応用することができる。
術の進展には枚挙に暇がない。例えば、通信分野におい
ては、今後の情報通信(IT)時代に本格的に対応する
大容量の光ファイバー伝送路とともに、その伝送方式に
対する柔軟性を持つ信号増幅用のアンプとして、Er3+
等の希土類をドープした光ファイバー増幅器(EDF
A)の研究が各方面で盛んに行なわれている。そして、
EDFAのコンポーネントとして不可欠な要素である、
高効率な励起光源用の半導体レーザの開発が待たれてい
る。
源の発振波長は、原理的に800nm、980nm、1
480nmの3種類が存在する。このうち増幅器の特性
から見れば980nmでの励起が、利得やノイズ等を考
慮すると最も望ましいことが知られている。このような
980nmの発振波長を有するレーザは、励起光源とし
て高出力でありながら長寿命であるという相反する要求
を満たすことが要求されている。さらにこの近傍の波
長、例えば890〜1150nmにおいてはSHG光
源、レーザプリンタ用の熱源、あるいはTDFA(Thulium-d
oped fiber amplifier)等の新たな光ファイバー増幅器
用の励起光源としての要求もあり、高出力で信頼性の高
いレーザの開発が待たれている。また、情報処理分野で
は高密度記録、高速書き込みおよび読み出しを目的とし
て半導体レーザの高出力化、短波長化が進んでいる。従
来の780nm発振波長のレーザダイオード(以下「L
D」という)に関しては高出力化が強く望まれており、
また、630〜680nm帯のLDの開発も各方面で精
力的に行われている。
ついては、その研究が進み、日米をつなぐ大容量光通信
用海底ケーブルの中などで実用化が進んでいる。しかし
ながら、より高い光出力における動作では急速な劣化が
おこり、信頼性は不十分である。これは780nm帯、
630〜680nm帯のLDにおいても同様である。
は、発熱による影響である。上記で述べたような半導体
レーザは、効率の高い場合においても、入力した電力の
50%程度しか光に変換されず、残りの入力電力は熱と
なってしまうのが普通である。このため、特に高出力動
作をさせたい場合には発熱の影響によって、最大光出力
の低下、レーザの効率の悪化、電流光出力特性の直線性
の悪化が顕著になってしまう。さらにこの様な高出力動
作状態で十分な放熱をとらないと寿命特性の悪化が懸念
されることになる。
一方の電極面を、AlN、Siなどからなるサブマウン
トと呼ばれるヒートシンクにハンダ付けすることで接触
をとり、これによって放熱機能を持たせている。本明細
書では、半導体発光素子とこれらヒートシンクとしての
機能を有するサブマウントを一体化したものを、COS
(chip on submount)と記述する。また、本明細書で
は、半導体発光素子そのものに対して少なくとも放熱性
の機能を追加したものを半導体発光装置と記述する。し
たがって、前記COSは、1種の半導体発光装置であっ
て、これはさらにキャンパッケージ、あるいはバタフラ
イパッケージに組み立てられるが、これらパッケージも
さらなる機能を付加された半導体発光装置である。
Sをステムと呼ばれるさらなる放熱と電流注入機能を持
たせた部品に搭載し、電流注入に必要な結線(ワイヤリ
ング)を行ない、窒素雰囲気中などで窓材を有するキャ
ップを用いて封止し、半導体発光装置として完成させる
のが普通である。またバタフライパッケージを作製する
際にはCOSをOSA(optical sub-assembly)と呼ば
れる、放熱の機能を有し、かつ、PD(photo diode)
を始めとする複数の部品を一体化するための部品に搭載
し、さらに光ファイバーなどと半導体素子を光学的に結
合させ、半導体発光装置を完成させる。
その電極面の一方からのみ放熱のための接触をとるのが
普通である。半導体発光素子の基板側にヒートシンクを
接触させる構造はジャンクションアップ(フェイスアッ
プ)と呼ばれ、また素子のエピタキシャル層側をヒート
シンクに接触させる構造はジャンクションダウン(フェ
イスダウン)と呼ばれている。
は素子の発光点がサブマウントなどのヒートシンクから
ほぼ素子の厚み分だけ離れるために、マウントが容易で
あり、広く実施されている。しかし、放熱性においては
素子の発光部分がヒートシンクから離れて配置されるた
めに、不利であり、半導体レーザなどの半導体発光素子
の高出力動作には必ずしも適さない方法である。一方、
この放熱性の観点からは素子をジャンクションダウンで
ヒートシンクにマウントする方が有利であるが、昨今の
半導体レーザの高出力化の要請からは、十分ではなく、
さらなる放熱性の改善が望まれている。
ーザにおけるさらなる放熱性の改善の提案はいくつかな
されている。例えば、特開平2−306681号公報に
は半導体レーザの放熱を素子の上下方向から同時に行な
う方法が開示されている。また、類似の方法が特開平8
−228044号公報、特開平8−228045号公報
にも開示されている。しかし、これらの方法では、再現
性良く開示の構造を作製することは困難である。これ
は、一般に発生する各部材の寸法の誤差、たとえば、半
導体発光素子の厚みの誤差、あるいは半導体発光素子を
挟みこむヒートシンクの作製寸法の誤差等が全く考慮さ
れていないためである。
ロセスを遂行するための機械的な強度を保つために基板
は350μm程度の厚みのものが用いられ、n電極ある
いは、劈開工程前に劈開性を確保するために、これをポ
リッシングすることによって厚みを100〜150μm
程度にすることが一般的である。しかし、この工程では
5〜15μm程度の厚みの誤差が発生し、これがひいて
は素子ごとの誤差となるのが普通である。また、前記特
開平2−306681号公報における、素子上部に配置
される放熱用の金属部材、また特開平8−228044
号公報、特開平8−228045号公報における凹型の
放熱部材にも加工上の誤差が発生する。このため、これ
ら出願で開示されている構造を、再現性良く作製するこ
とは組み立ての誤差を考慮すると、現実的には非常な困
難を伴う。
部材を半導体発光素子に接合しようとすると、その寸法
の誤差によって、素子あるいは放熱部材などを歪ませて
接合することになり、素子の寿命特性に大きな悪影響を
与えてしまう。
慮して、かつ、上下方向のへの放熱性も確保した方法と
しては、特開平11−340581号公報記載の方法が
ある。この方法では、レーザダイオードの発光面の位置
を制御するスペーサ層が後端面側に設けられており、精
度良く上下の放熱機構を実現することが可能である。し
かしながら、スペーサ層は後端面側に配置されるため、
通常行われる後端面側からの光のモニターが不可能にな
ってしまう。一般に半導体発光素子のパッケージ中には
フォトダイオードが組み込まれ後端面からわずかに出射
される光を電流に変換し、これによって、前端面側から
出射される光量を制御、あるいはモニターすることが行
なわれるが、特開平11−340581号公報記載の方
法では、この機能を放棄せざるを得ない問題に直面して
しまう。
半導体レーザの、特に、発光点側が搭載されるサブマウ
ントとの搭載精度は非常に良好に保たないと光ファイバ
ーとレーザを光学的に直接結合させることはできない。
これは、光ファイバーと半導体レーザを光学的に直接結
合させようとすると、それぞれの端部の距離は2〜3μ
mとなるため、半導体レーザがサブマウントの端部に対
しても、これを同程度の精度で搭載される必要が発生す
るということである。例えば半導体レーザ前端面がサブ
マウント端に対して2〜3μmを越えて後方に置かれて
しまった場合にはファイバー端はサブマウント端に阻ま
れて半導体レーザ端面に焦点を結ぶことができなくなっ
てしまう。一方、半導体レーザ端面がサブマウントエッ
ジに対して前方に置かれた場合は、半導体レーザからの
発熱をサブマウントが吸収できなくなるため、素子の寿
命に多大な悪影響をおよぼしてしまう等の問題が存在し
た。
術の問題点を解決することを課題とした。具体的には、
本発明は、半導体発光素子に対して優れた放熱機能が与
えられており、半導体発光装置を構成する部材あるいは
素子に寸法誤差が存在していても容易にかつ非常に再現
性よく組み立てることが可能であり、さらに光ファイバ
ー等との光学的結合も容易である半導体発光装置を提供
することを課題とした。
ねた結果、半導体発光素子を上下から2つのヒートシン
クで挟み込み、ヒートシンク同士の接合を特定の空間に
限定することにより、所期の効果を示す優れた半導体発
光装置を提供し得ることを見出し、本発明の到達した。
面発光型の半導体発光素子、第一ヒートシンク、第二ヒ
ートシンクを有する半導体発光装置において、当該半導
体発光素子の第一導電型側の電極の少なくとも一部が第
一ヒートシンクに接し、かつ、当該半導体発光素子の第
二導電型側の電極の少なくとも一部が第二ヒートシンク
に接し、かつ、半導体発光素子の共振器を形成しない二
つの側面のうち一方の側面のみを見込む空間において、
第一ヒートシンクと第二ヒートシンクが接していること
を特徴とする半導体発光装置を提供する。
して、前記半導体発光素子の第一導電型側の電極の前端
面近傍が第一ヒートシンクに接しておらず、かつ、前記
半導体発光素子の第二導電型側の電極の前端面近傍が第
二ヒートシンクに接している態様;前記第一ヒートシン
クの半導体発光素子と接する面が、半導体発光素子と接
しない少なくとも1つの面との間に実効的な導電性を有
する態様;前記第二ヒートシンクの半導体発光素子と接
する面が、半導体発光素子と接しない全ての面との間に
導電性を有しない態様;少なくとも前記半導体発光素
子、前記第一ヒートシンク、前記第二ヒートシンクのい
ずれかに接している、半導体発光素子に対して電流導入
するための導線の直径が35μm以下であり、かつ、1
対の短絡されていない部分同士が複数本の導線によって
短絡されている態様;前記第一ヒートシンクと前記第二
ヒートシンクとの接合部近傍に、第一ヒートシンクと第
二ヒートシンクとの接合時に接着剤が流れ込むことがで
き、該流れ込んだ接着剤が前記半導体発光素子に到達し
ないように構成されている空間が確保されている態様;
前記半導体発光素子の第一導電型側の電極の少なくとも
一部が第一の接着剤を介して第一ヒートシンクに接し、
かつ、第一ヒートシンクの少なくとも一部が第二の接着
剤を介して第二ヒートシンクに接し、かつ、前記第二の
接着剤の総重量が、前記第一の接着剤の総重量の2倍以
上、好ましくは5倍以上である態様;前記半導体発光素
子の少なくとも一方の電極がAu層を有しており、該A
u層の厚みが30〜100nmある態様;前記第一導電
型側がp型で、前記第二導電型がn型である態様;前記
半導体発光素子が半導体レーザであり、かつ、その前端
面側に光ファイバーを具備する半導体レーザモジュール
である態様;前記光ファイバーの先端が、集光機能を有
し、かつ、前記半導体レーザの前端面と光学的に直接結
合する様に加工されている態様を挙げることができる。
光装置について詳細に説明する。なお、本明細書におい
て「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値
および最大値として含む範囲を意味する。
少なくとも放熱性の機能を追加された半導体発光素子を
含む装置を意味する。この意味で、前記COSは1種の
半導体発光装置である。また、半導体発光装置には、半
導体発光素子を含むCOSに対して、電流注入を実現す
るためのワイヤリング、気密をとるための封止等を行な
ったいわゆるキャンパッケージ、あるいはCOSに含ま
れる半導体発光素子と光ファイバーを光学的に結合させ
るための機能を有する発光素子モジュール等、COSを
含み発光素子に対するさらなる放熱性、温度安定化、電
流注入、密閉、光出力のモニタリング、波長の安定化、
波長選択、合波、分波、ファイバーとの結合等の熱的、
機械的、電気的、光学的機能を付加した装置が含まれ
る。また、これら機能を有する装置同士を機能的に結合
させたもの、たとえば発光素子モジュール同士を結合さ
せたモジュールも、ここでいう半導体発光装置である。
またいわゆる光ピックアップ等も半導体発光装置に含ま
れる。
を示す半導体材料からなり、これらに対応する電極を有
する端面発光型の素子であれば、これを構成する材料、
素子の構造、発光のメカニズム等は特に制限されない。
本明細書では、半導体発光素子という語を発光素子その
ものを示す言葉として用いる。この中には発光ダイオー
ド、スーパールミネッセントダイオード、半導体レーザ
等が含まれ、1つの素子に発光点を1つ有する素子のみ
ならず、一つの素子の中に発光点が複数存在するマルチ
エミッター、また、複数の素子が棒状に連なったレーザ
バー等も含まれる。
つの端面発光型の半導体発光素子、第一ヒートシンク、
第二ヒートシンクを有する。そして、半導体発光素子の
第一導電型側の電極の少なくとも一部はが第一ヒートシ
ンクに接し、かつ、当該半導体発光素子の第二導電型側
の電極の少なくとも一部は第二ヒートシンクに接してお
り、かつ、半導体発光素子の共振器を形成しない二つの
側面のうち一方の側面のみを見込む空間において、第一
ヒートシンクと第二ヒートシンクが接している点に特徴
がある。本発明の半導体発光装置は、このような条件を
満たすものであれば特にその構造は制限されない。した
がって、半導体発光装置は半導体発光素子、第一ヒート
シンク、第二ヒートシンク以外構成要素を含んでもかま
わない。
る」または「接合」という用語は、半導体発光素子とヒ
ートシンクなどが直接介在するもの無しに接触している
場合と、これら半導体発光素子とヒートシンクなどが、
例えば熱的に良好な結合を実現するために、接着剤を介
して接合している場合と、さらには、接着剤が厚い場合
などに見られるように、半導体発光素子とヒートシンク
が直接接触しなくとも、機能として接触した状態が実現
できている場合のいずれの状態も含むものである。また
ヒートシンクが金属などで被われている場合もあり、物
理的にその接触界面が、ヒートシンク材料/表面を被う
金属/ハンダ材/表面を被う金属/ヒートシンク材料と
いった具合に存在する場合にも、「ヒートシンク同士が
接している」と表現する。また、本明細書において使用
する「接着剤」という用語は、半導体発光素子とヒート
シンクを接合させることができる接着性材料全般を含む
ものである。本発明で用いる接着剤は、半導体発光素子
の熱がヒートシンクに放熱されるように、熱伝導性を有
することが必要とされる。以下の説明では、接着剤の好
ましい代表例として金属材料を基礎としたハンダを例示
しつつ説明するが、本発明で用いることができる接着剤
はこのようなハンダに限定されるものではない。
好ましい構成例およびその製造法について具体的に説明
する。本発明の半導体発光装置の一例を図1、図2に示
す。図1は発光素子の光の出射方向から見たもので、図
2はこれを発光素子の第一導電型用の電極側から見たも
のである。
半導体発光素子の一例を図4に示す。この半導体発光素
子は半導体基板上に形成され、屈折率導波構造を有し、
第二導電型クラッド層が二層に分かれ、第二導電型第二
クラッド層と電流ブロック層とにより電流注入領域を形
成し、さらに電極との接触抵抗を下げるためのコンタク
ト層を有する半導体レーザである。
導体発光素子におけるエピタキシャル構造の一例として
グルーブ型の半導体発光素子の構成を示した概略断面図
である。この半導体発光素子の一例の構造は概略的に、
化合物半導体からなる基板(101)上に、バッファー
層(102)、第一導電型クラッド層(103)、活性
層(104)、第二導電型第一クラッド層(105)を
積層し、その上に、ストライプ状に開口された電流ブロ
ック層(106)およびキャップ層(107)が積層さ
れている。さらに電流ブロック層(106)の開口した
開口部および該開口部両脇の電流ブロック層上に積層す
るように第二導電型第二クラッド層(108)が形成さ
れ、その第二導電型第二クラッド層(108)上にコン
タクト層(109)が形成されている。そして、この化
合物半導体層の上下には電極(110,111)が形成
される。
されたB層」という表現は、A層の上面にB層の底面が
接するようにB層が形成されている場合と、A層の上面
に1以上の層が形成され、さらにその層の上にB層が形
成されている場合の両方を含むものである。また、A層
の上面とB層の底面が部分的に接していて、その他の部
分ではA層とB層の間に1以上の層が存在している場合
も、上記表現に含まれる。具体的な態様については、以
下の各層の説明と実施例の具体例から明らかである。ま
た、本明細書において元素の「族」の記載としてローマ
数字を用いるが、この記載は旧来の表現方法に従ったも
のである。
構成する基板(101)は、その上にダブルへテロ構造
の結晶を成長することが可能なものであれば、その導電
性や材料については特に限定されない。好ましいもの
は、導電性がある基板である。具体的には、基板(10
1)としては、所望の発振波長、格子整合性、意図的に
活性層等に導入される歪、ガイド層等に用いられる活性
層の歪み補償等の点から、InP、GaAs、GaN、
InGaAs等の単結晶基板を用いることができる。ま
た基板(101)がAl2O3等の誘電体で構成される場
合であっても、基板上に結晶成長されるものが半導体で
あるため、本発明の実施態様に含まれる。このため、例
えば基板(101)として、Al2O3のような誘電体基
板を用いることもできる。
を含むIII−V族半導体発光素子における格子整合性の
観点から、InP基板やGaAs基板であることが好ま
しい。また基板(101)は、V族としてAsを含む場
合にはGaAs基板であることがさらに好ましい。ま
た、基板(101)がAl2O3等の誘電体基板である場
合、III−V族半導体発光素子の中でもV族としてN等
を含む材料を使用することもできる。
だけではなく、エピタキシャル成長の際の結晶性を向上
させる観点から、いわゆるオフ基板(miss oriented su
bstrate)であることもできる。オフ基板は、ステップ
フローモードでの良好な結晶成長を促進する効果を有す
るため、基板として広く使用される。オフ基板として
は、0.5〜2度程度の傾斜を持つものが広く一般的に
用いられるが、量子井戸構造を構成する材料系によって
は傾斜を10°前後にしたものも用いることができる。
D等の結晶成長技術を利用して半導体発光素子を製造す
るために、あらかじめ化学エッチングや熱処理等を施し
ておいてもよい。使用する基板(101)の厚みとして
は、通常350μm程度のものであり、半導体発光素子
の作製プロセスにおける機械的強度が確保される。また
基板(101)は、半導体発光素子の端面を形成するた
めに、通常プロセス途中で薄くポリッシングされる。
の不完全性を緩和し、結晶軸を同一にしたエピタキシャ
ル薄膜の形成を容易にするために設けることが好まし
い。バッファ層(102)は、基板(101)と同一の
化合物で構成するのが好ましい。基板(101)がGa
Asからなる場合には、通常GaAsが使用される。し
かし、超格子層をバッファ層(102)に使用すること
も広く行われており、同一の化合物で形成されない場合
もある。一方、基板(101)が誘電体基板である場合
には、必ずしも基板と同一の物質である必要はなく、所
望の発光波長、デバイス全体の構造から適宜基板(10
1)とは異なる材料を選択することもできる。
〜3μmであることが好ましい。
的には活性層(104)の平均的屈折率より小さな屈折
率を有する材料で構成される。また、第一導電型クラッ
ド層(103)の材料としては、所望の発振波長を実現
するために準備される基板(101)、バッファ層10
2、活性層(104)等により適宜選択することができ
る。例えば、基板(101)としてGaAsを使用し、
バッファ層102としてGaAsを使用する場合には、
第一導電型クラッド層(103)としてAlGaAs系
材料、InGaAs系材料、AlGaInP系材料、I
nGaP系材料等を用いることができる。また第一導電
型クラッド層(103)の全体を超格子構造とすること
もできる。なお、図4の一例では単層からなる第一導電
型クラッド層を示すが、第一導電型クラッド層(10
3)は、2層以上の層からなるものであってもよい。第
一導電型クラッド層(103)の厚みとしては0.05
〜3.5μmであることが好ましい。
キャリア濃度としては、下限は1×1017cm-3以上が
好ましく、3×1017cm-3以上がより好ましく、5×
10 17cm-3以上が最も好ましい。上限は2×1020c
m-3以下が好ましく、2×1019cm-3以下がより好ま
しく、5×1018cm-3以下が最も好ましい。
の効果は、活性層(104)の導電型、材料、構造等の
如何によらず認められるが、材料選択の観点からは、活
性層(104)はInおよび/またはGaを含む系、特
にInを含む系であるものが好ましい。最も好ましいの
はInおよびGaを含む系である。活性層(104)が
InおよびGaを含む系であれば、種々の態様に応用し
たときに、これらの材料系によって実現される波長帯が
長寿命と高出力という相反する特性を要求される可能性
が最も大きい。このため、本発明の半導体発光装置によ
る放熱性が向上することに伴い、本発明の半導体発光素
子の特性の向上にも大きく寄与し得ることが期待でき
る。
しては、AlGaAs、InGaAs、InGaP、A
lGaInP、AlInGaAs、InGaAsP、G
aAsPなどを用いることができ、InxGa1-xAs
(0≦x≦1)または(AlxGa1-x)yIn1-yP(0
≦x≦1,0≦y≦1)であることが好ましい。高出力
レーザを実現するためには、活性層(104)は量子井
戸構造をとることが特に好ましい。量子井戸構造の材料
は、所望する発振波長に応じて適宜選択することができ
る。
なる通常のバルク活性層でもよいが、単一量子井戸(S
QW)構造、二重量子井戸(DQW)構造、多重量子
(MQW)構造等の量子井戸構造も目的に応じて採用す
ることができる。量子井戸構造には、通常、光ガイド層
が併用され、必要に応じて量子井戸の分離のために障壁
層が併用される。活性層(104)の構造としては、量
子井戸の両側に光ガイド層を設けた構造(SCH構
造)、光ガイド層の組成を徐々に変化させることにより
屈折率を連続的に変化させた構造(GRINーSCH構
造)等を採用することができる。また、レーザの特性改
善のために歪み量子井戸構造を用いることもできる。さ
らに活性層(104)全体としては、歪みが打ち消され
るように、光ガイド層の材料等を量子井戸層の有する歪
みと逆の歪みを持つように選択することもできる。活性
層(104)の厚さとしては、量子井戸構造の場合、1
層当たり0.5〜20nmであることが好ましい。
s、AlGaAs、InGaAs、InGaP、AlG
aInP、AlInGaAs、InGaAsP、GaA
sPなどを挙げることができ、活性層(104)の材料
に対応させて適宜選択することができる。また、光ガイ
ド層は前記材料を組み合わせた超格子とすることも可能
である。さらに、量子井戸と光ガイド層の間に意図的に
バンドギャップの大きな材料を挿入して、温度特性の改
善を行うことも可能である。
ラッド層が形成される。本発明の第二導電型クラッド層
は2層以上形成する。以下の説明では、活性層(10
4)に近い方から順に第二導電型第一クラッド層(10
5)と第二導電型第二クラッド層(108)の2層を有
する好ましい態様を例にとって説明する。
活性層(104)よりも屈折率の小さい材料で形成され
る。第二導電型第一クラッド層(105)の材料は、基
板(101)、バッファ層102、活性層(104)等
の材料に応じて適宜選択される。例えば、基板(10
1)およびバッファ層102としてGaAsが使用され
ている場合には、これらのクラッド層の材料としてAl
GaAs、InGaAs、InGaP、AlGaIn
P、AlInGaAs、InGaAsP、GaAsP等
を用いることができる。
ャリア濃度は、下限は1×1017cm-3以上が好まし
く、3×1017cm-3以上がより好ましく、5×1017
cm-3以上が最も好ましい。上限は5×1018cm-3以
下が好ましく、3×1018cm -3以下がより好ましく、
2×1018cm-3以下が最も好ましい。厚さの下限とし
ては0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上が
より好ましく、0.07μm以上が最も好ましい。上限
としては、0.5μm以下が好ましく、0.4μm以下
がより好ましく、0.2μm以下が最も好ましい。
入される電流をブロックして下層方向に電流が実質的に
流れないようにすることが要求される。このため電流ブ
ロック層の導電型は、第一導電型クラッド層(103)
と同一かまたはアンドープとすることが好ましい。
ついては、電流をブロックして下層方向に電流が実質的
に流れないようできれば特に限定はない。電流ブロック
層(106)の厚さとしては、0.1〜2μmであるこ
とが好ましい。
aAsで形成される場合には、Al yGa1-yAs(0<
y≦1)で形成される第二導電型第二クラッド層(10
8)の屈折率よりも電流ブロック層(106)の屈折率
の方が小さいことが好ましい。そして、電流ブロック層
(106)がAlzGa1-zAs(0≦z≦1)からなる
場合であれば、混晶比がz>yとなることが好ましい。
に横方向の光分布)を制御したり電流阻止の機能を向上
させるために、屈折率、キャリア濃度または導電型が異
なる2つ以上の層から形成してもよい。電流ブロック層
の(106)上には、後述するキャップ層(107)を
形成して表面酸化の抑制あるいはプロセス上の表面保護
を図ることができる。
において電流ブロック層(106)の保護層として用い
られると同時に第二導電型第二クラッド層(108)の
成長を容易にするために用いられる。キャップ層(10
7)の導電型は特に規定されないが、第一導電型とする
ことにより電流阻止機能の向上を図ることができる。な
お、キャップ層(107)は、最終的な半導体発光素子
構造が形成される前に一部または全部が除去される。
ャップ層(107)の上側層として、第二導電型第二ク
ラッド層(108)が形成される。第二導電型第二クラ
ッド層(108)は、電流ブロック層(106)の間に
形成される開口部の上側表面をすべて覆い且つこの開口
部の両脇の電流ブロック層(106)上の一部に延在さ
れるように形成される。
ャリア濃度は、下限は5×1017cm-3以上が好まし
く、7×1017cm-3以上がより好ましく、9×1017
cm-3以上が最も好ましい。上限は1×1019cm-3以
下が好ましく、5×1018cm -3以下がより好ましく、
3×1018cm-3以下が最も好ましい。
さは、薄くなりすぎると光閉じ込めが不十分となり、厚
くなりすぎりと通過抵抗が増加してしまうことを考慮し
て、下限は0.5μm以上が好ましく、上限は3.5μ
m以下が好ましい。また、第二導電型第二クラッド層
(108)の屈折率は、通常、活性層(104)の屈折
率より小さい。
は電極(110)との接触抵抗率を下げる等の目的で、
コンタクト層(109)を設けるのが好ましい。コンタ
クト層(109)の材料は、通常はクラッド層よりバン
ドギャップが小さい材料の中から選択し、金属電極との
オーミック性を取るため低抵抗で適当なキャリア密度を
有するのが好ましい。キャリア密度の下限は、1×10
18cm-3以上が好ましく、3×1018cm-3以上がより
好ましく、5×1018cm-3以上が最も好ましい。上限
は、2×1020cm-3以下が好ましく、5×1019cm
-3以下がより好ましく、2×1019cm-3以下が最も好
ましい。コンタクト層の厚みは、0.1〜10μmが好
ましく、1〜8μmがより好ましく、2〜6μmがもっ
とも好ましい。
素子は、単一横モード発振する高出力半導体レーザであ
る。このため、電流ブロック層(106)と第二導電型
第二クラッド層(108)で形成される実効的屈折率差
と、電流ブロック層(106)中に形成される第二導電
型第二クラッド層(108)の幅(図4のWb)は、高
次モードがカットオフとなるように選択することが好ま
しい。単一横モード発振する半導体レーザでは、一般に
その発光点の大きさが数μmとなる。したがって、高性
能化のためには局所的な発熱を解消することが必要とな
る。このよう観点からWbの幅は1.0〜3.0μmで
あることが好ましい。また、実効屈折率差は1×10-3
〜1×10-2であることが望ましい。
タクト層109の上側層に電極(110)が形成され
る。電極(110)がp型である場合、コンタクト層1
09表面に例えばTi/Pt/Auを順次に蒸着するこ
とによって形成され得る。
1)は、その厚みを100〜150μm程度にポリッシ
ングされる。この工程における厚み誤差は、1枚の基板
内またはポリッシング毎に5〜15μm程度であること
が望ましい。
1)を形成して完成される。電極(111)がn型電極
である場合、例えば、AuGe/Ni/Auを基板表面
に順に蒸着した後、合金化処理することによって形成す
ることができる。
クとの接合を前提に、電極構造における歪みの発生を抑
制することが好ましい。これはヒートシンクと半導体発
光素子とが、特に、ハンダ材によって接合される際に発
生する外因的歪みが活性層近傍に加わり、これによって
素子の寿命特性が劣化することを防ぐ目的で行なわれ
る。この歪みの原因の一つとして、最表面層にあるAu
電極層がハンダ材中に溶け出すことが挙げられる。例え
ば、AuSnハンダを使用した場合には、このハンダ材
の中にAu電極が溶け出し、ハンダ中のAuの組成比が
上昇し、これが外因的歪みの一因となる。これを回避す
るためには、上記電極の最表面層に当たるAu層を薄く
することで、接合時にハンダ材中に溶け出すAu電極の
量を低下させ、外因的歪みの発生を抑制することが可能
である。しかしAu層が全く存在しない場合には十分な
接着強度が得られないため、その厚みは30nmよりも
厚く100nmより薄いことが好ましく、50nmより
も厚く70nmより薄いことがさらに好ましい。
形成する。共振器端面は半導体発光素子の製造工程で通
常用いられている方法によって形成することができ、そ
の具体的な方法は特に制限されない。好ましいのは、劈
開により端面を形成していわゆるレーザバーの状態にす
る方法である。劈開は端面発光型レーザの場合に広く用
いられており、劈開によって形成される端面は使用する
基板の方位によって異なる。例えば、好適に利用される
ノミナリー(nominally)(100)と結晶学的に等価な
面をもつ基板を使用して端面発光型レーザ等の素子を形
成する際には、(110)またはこれと結晶学的に等価
な面が共振器を形成する面となる。一方、オフ基板を使
用するときには、傾斜させた方向と共振器方向の関係に
よっては端面が共振器方向と90°にならない場合もあ
る。例えば(100)基板から、[1−10]方向に向
けて角度を2°傾けた基板を使用した場合には、端面も
2°傾くことになる。
る。一般に共振器長は長い方が高出力動作に適するが、
本発明の好適な実施態様である半導体発光素子において
は、共振器長の下限としては600μm以上であること
が好まく、900μm以上であることがより好ましい。
共振器長が極端に長い半導体発光素子では、しきい値電
流の上昇、効率の低下などの特性劣化が発生してしま
う。このため共振器長の上限は、3000μm以下であ
ることが好ましい。
導体端面上さらに誘電体または誘電体および半導体の組
合せからなるコーティング層を形成するのが好ましい。
コーティング層は、主に半導体発光素子からの光の取出
効率を上げ、端面の保護を強化するという2つの目的の
ために形成される。特に高出力を達成するためには、発
振波長に対して低反射率のコーティング層を前端面に施
し、発振波長に対して高反射率のコーティング層を後端
面に施す非対称コーティングを行うのが好ましい。
ことができる。例えば、AlOx、TiOx、SiOx、
SiN、SiおよびZnSからなる群から選ばれる1種
または2種以上の組合せを用いることが好ましい。低反
射率のコーティング層としてはAlOx、TiOx、Si
Ox等が、また高反射率のコーティング層としてはAl
Ox/Siの多層膜、TiOx/SiOxの多層膜等が用
いられる。それぞれの膜厚を調節することによって、所
望の反射率を実現することができる。一般に低反射率の
コーティング層とするAlOx、TiOx、SiOx等の
膜厚は、その波長λでの屈折率の実数部分をnとした場
合、λ/4n近傍になるように調整するのが好ましい。
また、高反射多層膜もそれを構成する各材料がλ/4n
近傍になるように調整するのが好ましい。
らに各素子を再度劈開によって分離し、半導体発光素子
が完成する。
発光素子の製造方法は特に制限されない。いかなる方法
により製造されたものであっても、本発明の要件を満た
すものであれば本発明の範囲に含まれる。
際には、従来から用いられている方法を適宜選択して使
用することができる。結晶の成長方法は特に限定される
ものではなく、ダブルヘテロ構造の結晶成長や電流ブロ
ック層等の選択成長には、有機金属気相成長法(MOC
VD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイド
ライドあるいはハライド気相成長法(VPE法)、液相
成長法(LPE法)等の公知の成長方法を適宜選択して
用いることができる。
としては、まず基板(101)上にバッファー層10
2、第1導電型クラッド層(103)、活性層(10
4)および第二導電第一クラッド層(105)を有する
ダブルヘテロ構造を形成後、第二導電型第一クラッド層
(105)上に電流ブロック層(106)を形成し、電
流ブロック層(106)を開口した後、第二導電型第二
クラッド層(108)、コンタクト層(109)および
電極(110,111)を形成する工程を例示すること
ができる。この例を始めとする様々なレーザの基本的エ
ピタキシャル構造の製法については、例えば特開平8−
130344号公報を参考にすることができる。この種
のレーザは光通信に用いられる光ファイバー増幅器用の
光源や、情報処理用の大規模光磁気メモリーのピックア
ップ光源として用いられ、層構成や使用材料等を適宜選
択することによってさらに様々な用途へ応用することも
できる。
第一ヒートシンクに、またそのn側電極を第二ヒートシ
ンクに接するように接合することが好ましい。この際に
第一ヒートシンクと第二ヒートシンクがその一部で接し
ていることが必須である。この接触は、図1に示される
様に、半導体発光素子の共振器を形成しない二つの側面
のうち一方の側面のみを見込む空間(光結合に影響を及
ぼさない限り半導体発光素子を構成する他の面も見込め
てもよい)においてなされることが重要である。これは
以下の様な理由による。
する時に発生する、例えばレーザ搭載面からのAの部分
の高さ(図1参照)の誤差、あるいは、前述の様な半導
体発光素子ごとの厚みの誤差があるため、Aの部分の高
さを常に半導体発光素子(14)の高さと同様に作製す
ることは不可能である。このため、半導体発光素子(1
4)を第一ヒートシンク(11)と第二ヒートシンク
(12)によって挟み、密着性よく熱的に接触させるた
めには、COS作製上で、50〜100μm程度の厚み
の誤差を吸収する機構が不可欠である。
高さを半導体発光素子(14)で想定される高さよりも
意図的に低く設定し、かつ、Aの部分と第二ヒートシン
ク(12)の上に搭載した素子(14)の高さとの間の
誤差を吸収できるように20〜400μm程度の厚みを
有する例えばハンダ箔をこのA上に配置する。さらに、
LD(14)を配置し、第一ヒートシンク(11)の一
部をハンダ箔上に、またその一部をLD電極部に乗せ
る。この結果、初期的には、LDの光の出射方向から見
た際には第一ヒートシンク(11)はLD(14)側が
低くなるように斜に搭載された状態となる。この後に、
例えば第一ヒートシンク(11)上から荷重を掛け、ハ
ンダ箔を圧着加熱しながら、第一ヒートシンク(1
1)、半導体発光素子(14)、第二ヒートシンク(1
2)を一体化することが望ましい。また、第一ヒートシ
ンク(11)、半導体発光素子(14)、第二ヒートシ
ンク(12)を一体化する方法としては、まず、半導体
発光素子(14)、第二ヒートシンク(12)のみを圧
着加熱して一体化し、そのあとに、第一ヒートシンク
(11)のみを再度付加する事も可能である。
素子の共振器を形成しない二つの側面のうち一方の側面
のみを見込む空間において第一ヒートシンク(11)と
第二ヒートシンク(12)が接するようにすることによ
って、例えば第一ヒートシンク(11)上から加圧しか
つハンダ材(15)を加熱し溶かす前に、当該ハンダ
箔、半導体発光素子(14)、第一ヒートシンク(1
1)、第二ヒートシンク(12)は、接する部分を必ず
持つことになり、容易に部材、素子の寸法誤差を打ち消
し、半導体発光素子(14)、第一ヒートシンク(1
1)、第二ヒートシンク(12)の良好な接触を実現す
ることが可能となる。
が、ともに第一ヒートシンク(11)と第二ヒートシン
ク(12)が接する部分を有する場合では、第一ヒート
シンク(11)と第二ヒートシンク(12)のみの接触
となるか、あるいは第一ヒートシンク(11)と半導体
発光素子(14)のみの接触となる可能性が高く、安定
した組み立ては不可能である。このように、素子(1
4)を第一ヒートシンク(11)と第二ヒートシンク
(12)で挟み、かつ、素子の共振器を形成しない二つ
の側面のうち一方の側面のみを見込む空間において、第
一ヒートシンク(11)と第二ヒートシンク(12)を
接触させることにより、安定した組み立てが可能とな
り、半導体発光素子のエピタキシャル成長を行なった表
面側であるp側と基板側であるn側とから同時に熱を取
り除くことが現実的に可能となる。この方法は、原理的
に、いわゆるジャンクションアップ、あるいは、ジャン
クションダウンよりも優れている。
ンク(11)と第二ヒートシンク(12)が接触してお
り、半導体発光素子の発熱を2方向から取り除くもの
の、最終的にはその一方からこれを逃がすことができる
点で有用である。例えば、p側から第一ヒートシンク
(11)を用いて取り除いた熱を第二ヒートシンク(1
2)側の熱的なポテンシャルを下げることで、第二ヒー
トシンク(12)側に逃がすことができる。このように
することで、半導体発光素子の2方向から取り除いた熱
を、最終的には第二ヒートシンク(12)側一方から取
り除くことが可能となる。これは、一方向から熱を逃が
すための通常の各種半導体発光素子パッケージに対して
も、整合性を有することから、非常に望ましい。
子の共振器を形成しない二つの側面のうち一方の側面の
みを見込む空間において第一ヒートシンク(11)と第
二ヒートシンク(12)の接触をとるため、電流導入を
光の出射方向に対して、左右から行なうことができるた
め、各種半導体レーザパッケージに対しても整合性を有
し、この点も望ましい。さらにこのような素子の搭載方
法では素子の後端面から出射される光の妨げになるもの
がなくPDによるモニタリング機能も保存された上で、
素子の放熱性を向上できるという利点がある。
るためには、図1に示されている様に第二ヒートシンク
(12)側の一部には、さらに第三のヒートシンク(1
3)を置くことが望ましい。この第三のヒートシンク
(13)は第一、第二ヒートシンク(11,12)より
も大形で、放熱性にすぐれていることが望ましい。これ
は第一、第二ヒートシンク(11,12)から伝導され
る熱を素子(14)の外側の、例えば匡体などに素早く
放熱させることができるからである。第三のヒートシン
ク(13)はこのように、その一方を第二ヒートシンク
(12)と、さらにその一方を匡体、あるいは、いわゆ
る熱電半導体などで構成されたペルチェ素子と接触して
いる場合が望ましい。またこの第三のヒートシンク(1
3)は半導体レーザモジュールの様な半導体発光装置を
考えた際には、放熱の機能のみならず、光出力をモニタ
ーするフォトダイオードと、半導体レーザ/第一ヒート
シンク/第二ヒートシンクを一体としたCOSを同時に
搭載でき、かつ、位置決め等の機能を合わせ持つ場合も
ある。
して第一ヒートシンク(11)、第二ヒートシンク(1
2)を利用して二方向から放熱させ、さらに第一ヒート
シンク(11)、第二ヒートシンク(12)を結合する
ことで、最終的にはその一方から放熱させる構造におい
ては、図2に示されるように、その一方のヒートシンク
を半導体発光素子(14)の片方の電極の端面近傍には
接触しない構造としても放熱性を確保できる。
と光ファイバーとの結合を両立させることが必要なGa
Asを基板としたInGaAs系の高出力半導体レーザ
において特に有効である。このようなレーザが使用され
る半導体発光装置である半導体レーザモジュールにおい
ては、この半導体レーザ前端面と、光ファイバーとを光
学的に結合することが必要となる。このため活性層に近
い側にある第一ヒートシンク(11)はファイバー(2
0)端と干渉することが無いように、図3に示されてい
る様に、半導体レーザ(14)前端面部分から後退した
部分に、その端が存在するように配置することが望まし
い。このようにすることで素子からの良好な放熱性の確
保と光ファイバー(20)との容易な結合を両立させる
ことが可能である。この際、放熱性の観点からは、第二
ヒートシンク(12)の端部と半導体レーザ(14)の
前端面はそろっているか、もしくは半導体レーザ(1
4)の前端面が若干後退していることが望ましい。また
光ファイバー(20)の調芯の観点からは第一ヒートシ
ンク(11)の端部は半導体レーザ(14)の前端面か
ら15μm以上離れていることが調芯の観点から望まし
い。また光ファイバー(20)はその半導体レーザ(1
4)の前端面側が半導体レーザからの光を効率良く受光
するためのレンズの効果を有するものであることが望ま
しい。なお、この図3は光の出射方向を紙面左側とした
ものである。
一ヒートシンク(11)、第二ヒートシンク(12)相
互には放熱性を十分に確保する観点から接合されている
ことが望ましく、また、接合には有機物を含む接着剤も
用いることができるが、無機物のみから構成される金属
単体、あるいは合金のハンダが好適に利用される。ハン
ダ材としてはAuGe、AuSn、AgSn、PbS
n、InSn、SnBi、In等材料を含むハンダが好
適である。特にAuSnの共晶ハンダはその安定度から
半導体発光素子(14)と第一、第二ヒートシンク(1
1,12)を接合させるために最も好ましく利用され
る。
(11)と第二ヒートシンク(12)の接合部分の近傍
には互いのヒートシンクが接触しない部分が存在し、こ
こに余分なハンダ材(15)が流れ込む様にしておくこ
とが望ましく、またこの部分に流れ込んだハンダ材(1
5)が半導体発光素子(14)に接触しないようにして
おくことが望ましい。具体的には、第一ヒートシンク
(11)と第二ヒートシンク(12)の接合部分の近傍
に半導体発光素子(14)に通じていない空間を設けて
おき、接合時に余分のハンダ材(15)が該空間に流れ
込むようにしておくことが好ましい。
子そのものの厚み、またヒートシンクの厚みは誤差をも
っており、図1の様な搭載、すなわち、半導体発光素子
(14)、第一ヒートシンク(11)、第二ヒートシン
ク(12)が互いに平行であるようにするためには、各
部品の厚みの誤差を吸収でき、かつそれぞれを一体にで
きる機能が必要である。このためには意図的にハンダ材
の厚みを厚くしておき、これによって、各部品の誤差を
吸収することが効果的であって、結果として余ったハン
ダ材を素子(14)に触れさせることなく分離して溜め
てしまう空間が存在することが望ましい。図1に示す態
様では、当初、第二ヒートシンク(12)の一部である
部分Aにハンダ箔が搭載されており、第一ヒートシンク
(11)、第二ヒートシンク(12)、半導体発光素子
(14)を一体化した際に第二ヒートシンク(12)の
部分Bに接合のために加熱され溶け出したハンダ(1
5)の一部が流れ込んだ様子を示している。ハンダ溜め
のための空間は、第二ヒートシンク(12)に凹部とし
て形成してもよいし、第一ヒートシンク(11)に凹部
として形成してもよいし、第一ヒートシンク(11)と
第二ヒートシンク(12)の両方に凹部として形成して
もよい。その形状は、特に限定されないが、余分なハン
ダが流れ込みやすく、逆流しない構造であることが好ま
しい。好ましいのは、少なくとも第二ヒートシンク(1
2)の一部に凹部を形成した態様である。
体発光素子(14)と接触してしまわないようにするた
めには、前記のハンダ溜まりを構造的に作りこむ方法だ
けでなく、ヒートシンクの一部に意図的にハンダの濡れ
性を低下させる部分を設けておき、これによって、第一
ヒートシンク(11)と第二ヒートシンク(12)を接
合するハンダ(15)が、半導体発光素子(14)が搭
載される部分に流れ込まないようにすることも可能であ
る。具体的には、ヒートシンクの多くはセラミック材で
あるため、図1に示すように金属層からなる濡れ性改善
層(19)を設け、この層の上にハンダ(15)が搭載
されるようにするのが一般的である。セラミック部分が
表面に露出している場所では、金属層が表面となってい
る部分と比較してハンダの濡れ性が極端に低下する。そ
こで、このような特徴を利用して、第一ヒートシンク
(11)と第二ヒートシンク(12)を接合するための
ハンダ(15)が半導体発光素子(14)が搭載される
部分に流れ込まないようにすることができる。
がハンダ材を流入させるための空間に流れ込むのを促進
しうる位置に適用する。特に、ハンダ材が確実に空間に
流れ込み、半導体発光素子側に流れ出ないように適用す
ることが好ましい。その具体的な態様としては、図1に
示すものの他に、図5に示すものを例示することができ
る。図5(A)は、余分なハンダ材(15)が図面の左
側方向に傾斜伝いに流れ込むようにするために、傾斜に
沿って濡れ性改善層(19)を設けたものである。ここ
では、半導体発光素子(14)に近い側である傾斜の上
端部近傍には、敢えて濡れ性改善層(19)を設けず、
ハンダ材(15)が半導体発光素子(14)方向に流れ
ないようにしてある。図5(B)〜(D)についても、
同様に濡れ性改善層(19)を形成した部分に余分なハ
ンダ材(15)が溜まるか、あるいはその部分を伝って
ハンダ溜めに流れ込むように構成されている。これらの
構造は、1つのヒートシンクに複数個形成してもよい。
その場合は、複数の構造がそれぞれの異なる態様であっ
ても構わない。
側の電極の少なくとも一部が第一の接着剤(好ましくは
ハンダ材)を介して第一ヒートシンク(11)に接し、
かつ、第一ヒートシンク(11)の少なくとも一部が第
二の接着剤(好ましくはハンダ材)を介して第二ヒート
シンク(12)に接しており、かつ、前記第二の接着剤
の総重量が、前記第一の接着剤の総重量の2倍以上であ
ることが好ましく、5倍以上であることがより好まし
い。このように接着剤の重量に差をつけることによっ
て、上述のように製造時に半導体発光素子(14)、第
一ヒートシンク(11)、第二ヒートシンク(12)が
互いに平行であるように調節しやすいという利点があ
る。
半導体発光素子等の素子と熱膨張係数等が近いものが望
まれ、具体的にはAlN、SiC、CuW、Cu、ダイ
ヤモンド、BN、コバールを含むことが望ましい。一般
にはヒートシンクの母材となるような上記材料の中には
導電性を有するものと、絶縁物があり、これら材質は必
要に応じて使い分けることが可能である。また、絶縁物
であっても、そのヒートシンクの外面全体を金属などの
導電性物質で被うことによって、実効的な導電性を持た
せることも可能となる。
ヒートシンク(13)との間で電気的絶縁を持たせた方
が良く、第一また、第二ヒートシンクの素子の搭載面内
では素子(14)との間で導電性を持たせた方が望まし
い。さらに第一ヒートシンク(11)は素子(14)の
接触面以外の面と接触面の間で、導通が確保されている
ことが望ましい。これは図1の様に第二ヒートシンク
(12)の素子(14)搭載面上面にワイヤー(18)
を張ることによって、電流を容易に半導体発光素子(1
4)に注入することが可能であり、かつ、半導体発光素
子(14)の接地を第三ヒートシンク(13)等と分離
することが可能であるからである。図1に示された例で
は(17)→(11)→(14)→第二ヒートシンク
(14)に接している部分である(16)→(18)の
順に電流を流すことが可能となる。
されるが、このため、大電流を半導体発光素子に注入で
きるほどの導線が必要である。この導線はCOSと外部
を電気的に接続するもので、COS上では超音波による
融着によって電気的接触がとられることが望ましい。一
般に大電流を流すためにこの導線は、その直径が太いこ
とが望ましいが、例えば半導体発光素子上の第一ヒート
シンク上に大口径の導線を融着させるためには、強力な
超音波が必要である。このため、このような工程によっ
て、半導体発光素子が破壊、あるいはその寿命特性に悪
影響が与えられてしまう可能性がある。
る導線は、素子にダメージを与える事のない超音波強度
で融着が可能な、直径が30μm以下のものであること
が望ましく、さらに大電流の注入にたえるために、少な
くとも複数本の導線が、1対の短絡されていない部分同
士を短絡するために用いられることが望ましい。
含む金線であることが望ましい。一般に金線には、その
強度を確保するために銅等の不純物が意図的に混入され
ているのが普通であり、このため導線であるいわゆる金
線が純粋に金である場合はまれである。このようないわ
ゆる金線においては25μm径のもので、電流注入によ
る破断は0.5〜1A程度で起る事が有り、高出力レー
ザにおいては、複数本の導線で電流注入経路を確保する
ことが望ましい。例えば2A程度の電流注入が見込まれ
る素子であれば25μm径の金線3本を用いて導通を確
保することが望ましい。
をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨
を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。また、以下の実施例におい
て参照している図面は、構造を把握しやすくするために
敢えて寸法を変えている部分があるが、実際の寸法は以
下の文中に記載されるとおりである。
の断面図、図2にそのp側電極からの模式図が示されて
いる、半導体発光装置を以下の手順で作製した。先ず、
図4に示されたグルーブ型のレーザ素子を作製した。キ
ャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs基板(10
1)の(100)面上に、MBE法にて、バッファ層
(102)として厚さ1μmでキャリア濃度1×1018
cm-3のn型GaAs層;第一導電型クラッド層(10
3)として厚さ2.2μmでキャリア濃度1×1018c
m-3のn型Al0.35Ga0.65As層;次いで、厚さ30
nmのアンドープのGaAs光ガイド層上に、厚さ6n
mのアンドープIn0.16Ga 0.84As層2層が、厚さ1
0nmのアンドープGaAsで分離された二重量子井戸
(DQW)、さらにその上に厚さ30nmのアンドープ
GaAs光ガイド層を有する活性層(104);第二導
電型第一クラッド層(105)として厚さ0.1μmで
キャリア濃度9×1017cm-3のp型Al0.35Ga0.65
As層;電流ブロック層(106)として厚さ0.5μ
mでキャリア濃度5×1017cm-3のn型Al0.39Ga
0.61As層;キャップ層(107)として厚さ10nm
でキャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層を順
次積層した。
化シリコンのマスクを設けた。このとき、窒化シリコン
マスクの開口部の幅は1.5μmとした。これをマスク
として25℃で32秒間エッチングを行い、電流注入領
域部分のキャップ層(107)と電流ブロック層(10
6)を除去した。エッチング剤は、硫酸(98wt
%)、過酸化水素(30wt%水溶液)および水を体積
比で1:1:5で混合した混合液を使用した。
クラッド層(108)としてキャリア濃度1×1018c
m-3のp型Al0.35Ga0.65As層を埋め込み部分(電
流注入領域部分)の厚さが2.2μmになるように成長
させた。さらに、電極との良好な接触を保つためのコン
タクト層(109)として、キャリア濃度1×1019c
m-3のp型GaAs層を厚さ3.5μmになるように成
長させた。p型電極(110)としてTi/Pt/Au
それぞれを70nm/70nm/80nm蒸着させ、こ
の後に350μm厚であった基板を120μmになるよ
うにポリッシングし、さらに、基板側にはn型電極(1
11)としてAuGeNi/Auそれぞれを150nm
/80nm蒸着させ、400℃で合金化を5分間行って
半導体レーザ用のウエハーを完成させた。なお、完成し
た半導体レーザの電流注入領域の幅Wbは2.2μmで
あった。
のレーザバーの状態に劈開して端面を露出させ、AlO
x膜を発振波長980nmにおいて前端面の反射率が
2.5%になるように165nm製膜し、コーティング
層を形成した。さらに後端面側の処理を行うために、厚
さ170nmのAlOx層/厚さ60nmのアモルファ
スSi層/厚さ170nmのAlOx層/厚さ60nm
のアモルファスSi層の4層からなるコーティング層を
形成し、反射率92%の後端面を作製した。
次劈開し、この後に、図1、図2に示されているように
半導体レーザに対して以下の手順で電流注入と放熱性の
機能を付加し、半導体発光装置を完成させた。第二ヒー
トシンク(12)として、厚み方向には導電性をもたな
いAlNサブマウントを準備した。この第二ヒートシン
クの濡れ性改善層部分(19)、レーザ搭載面内と、さ
らに、これに平行な面には、あらかじめ面内だけの導電
性を確保するためにTi/Pt/Au層(16)を蒸着
し、さらに、レーザ搭載部分のみにはAuSnハンダ
(15)をこのTi/Pt/Au層(16)の上から蒸
着しておいた。一方、第一ヒートシンク(11)として
は厚み方向に導電性を持たせるためにTi/Pt/Au
層(16)で全ての面を被ったAlNサブマウントを準
備し、レーザ接触面全体にはAuSnハンダ(15)を
このTi/Pt/Au層(16)の上から蒸着しておい
た。
4)のn側電極が第二ヒートシンク(12)と接触する
ように、その端と半導体レーザ(14)の前端面をそろ
えて搭載し、次いで、濡れ性改善層(19)上に厚みが
85μmのAuSnハンダを置き、さらに第一ヒートシ
ンク(11)を、その端部が図2の様に半導体レーザ
(14)の端面から25μm後方になるように配して、
85μmのAuSnハンダ、またp側電極の一部と接触
させるように搭載し、30gの過重をかけたまま温度を
290度に昇温させ、第一ヒートシンク(11)、第二
ヒートシンク(12)、半導体レーザ(14)を一体化
し半導体発光装置であるCOSを作製した。この際に、
第一ヒートシンク(11)と第二ヒートシンク(12)
の接触部分から余分なAuSnハンダが図1(15)の
様に非接触部分に流れこむことを確認した。さらに、第
三のヒートシンク(13)としてCuWを含む電流導入
用のステムを準備しCOSを第二ヒートシンク(12)
の底部が第三のヒートシンク(13)に接触するように
再度AuSnハンダ(15)を使用して接合した。この
後にp側にはTi/Pt/Au層(16)で被われた第
一ヒートシンク(11)上に3本づつ25μm径の金線
(17)を超音波融着し、またn側においては第二ヒー
トシンク(12)のTi/Pt/Au(16)部分に同
様に、3本づつ25μm径の金線(18)を超音波融着
し、電流導入が可能であるようにした。さらに窒素雰囲
気において封止を行い、半導体発光装置であるキャンパ
ッケージを完成させた。図6に、25℃における1.5
Aまで電流を注入した際の本キャンパッケージの電流光
出力特性を示す。しきい値電流20.7mA、スロープ
効率0.91mW/mA、最大光出力674mW、最大
光出力を与える電流値1115mAであった。
ートシンク(13)としてCuWの薄板を準備し、この
下にはペルチェ素子を配し、また半導体レーザの前端面
側に先端が楔型をしたファイバーレンズ(21)を有す
る光ファイバー(20)を実装し、バタフライパッケー
ジとし、また第二ヒートシンクに対する半導体レーザの
搭載位置を10μmほど後端面側とした以外は実施例1
同様にして半導体発光装置を作製した。25℃におい
て、ファイバー端から出射される光に対して、しきい値
電流18.5mA、スロープ効率0.71mW/mAで
あった。
用い、第一ヒートシンクをダイヤモンドとした以外は、
実施例1と同様の半導体発光装置を完成させた。用いた
半導体発光素子は,共振器長を1200μmとし、作製
プロセス中に用いた窒化シリコンマスクの開口部を、素
子前端面から後端面側に向かって250μmは5.1μ
m幅のストライプ状とし、そこからさらに後端面側に向
かって450μmはストライプ幅を徐々に狭め、最終的
に、素子後端面側500μmに渡っては1.5μm幅の
ストライプ状とした以外は、実施例1と同様に半導体発
光装置を作製した。図7に、25℃において2.0Aま
で電流を注入した際の本キャンパッケージの電流光出力
特性を示す。しきい値電流23.1mA、スロープ効率
0.84mW/mA、最大光出力1052mW、最大光
出力を与える電流値1883mAであった。また2Aま
での電流注入を行っても素子の破壊は観測されなかっ
た。
第一導電型導線を直接半導体レーザのp側電極に融着し
た以外は実施例1と同様にして、半導体発光装置を完成
させた。25℃における1.5Aまで電流を注入した際
の本キャンパッケージの電流光出力特性を図6に示す。
しきい値電流20.8mA、スロープ効率0.83mW
/mA、最大光出力626mW、最大光出力を与える電
流値970mAであった。
第一導電型導線を直接半導体レーザのp側電極に融着し
た以外は実施例2と同様にして、半導体発光装置を完成
させた。25℃において、ファイバー端から出射される
光に対して、しきい値電流18.9mA、スロープ効率
0.65mWであった。
第一導電型導線を直接半導体レーザーのp側電極に融着
した以外は実施例3と同様にして、半導体発光装置を完
成させた。図7に、25℃において2.0Aまで電流を
注入した際の本キャンパッケージの電流光出力特性を示
す。しきい値電流24.9mA、スロープ効率0.83
mW/mA、最大光出力821mW、最大光出力を与え
る電流値1329mAであった。また、素子は約1.7
Aの電流注入によって破壊した。
素子に対して優れた放熱機能が与えられており、半導体
発光装置を構成する部材あるいは素子に寸法誤差が存在
していても容易にかつ非常に再現性よく組み立てること
が可能である。また、光ファイバー等との光学的結合も
容易であることから、本発明の半導体発光装置は半導体
モジュール等として広範囲に応用することが可能であ
る。
方向から見た模式図である。
態様を第一導電型用電極側から見た模式図である。
方向を紙面左側にとり、描いた模式図である。
す断面図である。
例を示す模式図である。
の電流光出力特性を比較したグラフである。
の電流光出力特性を比較したグラフである。
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくとも、一つの端面発光型の半導体
発光素子、第一ヒートシンク、第二ヒートシンクを有す
る半導体発光装置において、当該半導体発光素子の第一
導電型側の電極の少なくとも一部が第一ヒートシンクに
接し、かつ、当該半導体発光素子の第二導電型側の電極
の少なくとも一部が第二ヒートシンクに接し、かつ、半
導体発光素子の共振器を形成しない二つの側面のうち一
方の側面のみを見込む空間において、第一ヒートシンク
と第二ヒートシンクが接していることを特徴とする半導
体発光装置。 - 【請求項2】 前記半導体発光素子の第一導電型側の電
極の前端面近傍が第一ヒートシンクに接しておらず、か
つ、前記半導体発光素子の第二導電型側の電極の前端面
近傍が第二ヒートシンクに接していることを特徴とする
請求項1に記載の半導体発光装置。 - 【請求項3】 前記第一ヒートシンクの半導体発光素子
と接する面が、半導体発光素子と接しない少なくとも1
つの面との間に実効的な導電性を有することを特徴とす
る請求項1または2に記載の半導体発光装置。 - 【請求項4】 前記第二ヒートシンクの半導体発光素子
と接する面が、半導体発光素子と接しない全ての面との
間に導電性を有しないことを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項5】 少なくとも前記半導体発光素子、前記第
一ヒートシンク、前記第二ヒートシンクのいずれかに接
している、半導体発光素子に対して電流導入するための
導線の直径が35μm以下であり、かつ、1対の短絡さ
れていない部分同士が複数本の導線によって短絡されて
いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
半導体発光装置。 - 【請求項6】 前記第一ヒートシンクと前記第二ヒート
シンクとの接合部近傍に、第一ヒートシンクと第二ヒー
トシンクとの接合時に接着剤が流れ込むことができ、該
流れ込んだ接着剤が前記半導体発光素子に到達しないよ
うに構成されている空間が確保されていることを特徴と
する請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項7】 前記半導体発光素子の第一導電型側の電
極の少なくとも一部が第一の接着剤を介して第一ヒート
シンクに接し、かつ、第一ヒートシンクの少なくとも一
部が第二の接着剤を介して第二ヒートシンクに接し、か
つ、前記第二の接着剤の総重量が、前記第一の接着剤の
総重量の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項8】 前記第二の接着剤の総重量が、前記第一
の接着剤の総重量の5倍以上であることを特徴とする請
求項7に記載の半導体発光装置。 - 【請求項9】 前記半導体発光素子の少なくとも一方の
電極がAu層を有しており、該Au層の厚みが30〜1
00nmあることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
に記載の半導体発光装置。 - 【請求項10】 前記第一導電型がp型で、前記第二導
電型がn型であることを特徴とする請求項1〜9のいず
れかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項11】 前記半導体発光素子が半導体レーザで
あり、かつ、その前端面側に光ファイバーを具備する半
導体レーザモジュールであることを特徴とする請求項1
〜10のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項12】 前記光ファイバーの先端が、集光機能
を有し、かつ、前記半導体レーザの前端面と光学的に直
接結合する様に加工されていることを特徴とする請求項
11に記載の半導体発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001360955A JP2002232068A (ja) | 2000-11-29 | 2001-11-27 | 半導体発光装置 |
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JP2000-362511 | 2000-11-29 | ||
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- 2001-11-27 JP JP2001360955A patent/JP2002232068A/ja active Pending
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