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JP2002226652A - 難燃性芳香族ビニル系重合体組成物 - Google Patents

難燃性芳香族ビニル系重合体組成物

Info

Publication number
JP2002226652A
JP2002226652A JP2001029060A JP2001029060A JP2002226652A JP 2002226652 A JP2002226652 A JP 2002226652A JP 2001029060 A JP2001029060 A JP 2001029060A JP 2001029060 A JP2001029060 A JP 2001029060A JP 2002226652 A JP2002226652 A JP 2002226652A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic vinyl
resin
flame retardant
weight
vinyl polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001029060A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Nishihara
一 西原
Ikuji Otani
郁二 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001029060A priority Critical patent/JP2002226652A/ja
Publication of JP2002226652A publication Critical patent/JP2002226652A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性と品質安定性の優れた難燃性芳香族ビ
ニル系重合体組成物の提供。 【解決手段】 (A)芳香族ビニル系重合体と(B)ハ
ロゲン置換の炭素数が1〜10の脂肪族スルフォン酸塩
とからなる難燃性芳香族ビニル系重合体組成物、とりわ
けハロゲン原子がフッ素であり、スルフォン酸塩がスル
フォン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする難燃性
芳香族ビニル系重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明属する技術分野】本発明は難燃性芳香族ビニル系
重合体組成物に関する。更に詳しくは、難燃性、及び品
質安定性が優れている難燃性芳香族ビニル系重合体組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ビニル系重合体は、成形性に優れ
ることに加え、耐衝撃性に優れていることから、自動車
部品、家電部品、OA機器部品を始めとする多岐の分野
で使用されているが、芳香族ビニル系重合体の易燃性の
ためにその用途が制限されている。芳香族ビニル系重合
体の難燃化の方法としては、ハロゲン系、リン系、無機
系の難燃剤を芳香族ビニル系重合体に添加することが知
られており、それによりある程度難燃化が達成されてい
る。しかしながら、ハロゲン系難燃剤を用いた場合に
は、環境等の問題をも有し、無機系難燃剤を用いた場合
は、衝撃強度及び成形加工流動性が必ずしも満足できる
ものではなく、そして、リン系難燃剤、特に有機リン系
難燃剤の場合には、高い可塑性のために耐熱性の低下が
大きく、工業的使用が狭められる。また、有機硫黄化合
物を難燃剤として使用した従来技術として、芳香族ポリ
カーボネートとアルカリ金属、アルカリ土類金属の芳香
族スルフォン酸塩からなる難燃性樹脂組成物(米国特許
3948851号明細書)が開示されている。しかしな
がら、上記公報の樹脂組成物は難燃性はスチレン系重合
体に関するものではなく、まして特定の脂肪族系スルフ
ォン酸塩については記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち難燃性と
品質安定性の優れた難燃性芳香族ビニル系重合体組成物
の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、難燃性と
品質安定性の向上を鋭意検討した結果、芳香族ビニル系
重合体と特定のスルフォン酸塩からなる組成物が、驚く
べきことに、難燃性と品質安定性を飛躍的に向上させる
ことが可能になることを見出し、本発明に到達した。即
ち、本発明は、(A)芳香族ビニル系重合体と(B)ハ
ロゲン置換の炭素数が1〜10の脂肪族スルフォン酸塩
とからなる難燃性芳香族ビニル系重合体組成物、とりわ
けハロゲン原子がフッ素であり、スルフォン酸塩がスル
フォン酸カリウム塩であることを特徴とする難燃性芳香
族ビニル系重合体組成物を提供するものである。以下、
本発明を詳しく説明する。
【0005】本発明の難燃性芳香族ビニル系重合体組成
物は、(A)芳香族ビニル系重合体と、(B)特定のス
ルフォン酸塩とからなるものである。上記(A)成分
は、本発明の組成物の主成分をなし、成形品の強度保持
の役割を担うための成分である。(B)成分は、(A)
成分に対して難燃性を付与するための成分である。本発
明の(B)は、スルフォン酸塩を有することにより、
(A)に難燃性を付与可能となることを見出した。そし
て、重合体組成物中に残留する芳香族ビニル単量体並び
に芳香族ビニル単量体の2量体及び3量体の合計の含有
量が0.0000001〜1重量%であることが好まし
く、更に好ましくは0.000001〜1重量%、より
好ましくは0.00001〜1重量%、最も好ましくは
0.00001〜0.8重量%、極めて好ましくは0.
00001〜0.5重量%である。上記範囲内にある場
合のみ、難燃性と品質安定性が向上することを見出し、
本発明を完成した。本発明における上記(A)成分は、
ゴム変性芳香族ビニル系樹脂、ゴム非変性芳香族ビニル
系樹脂、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーから選ば
れる一種以上の芳香族ビニル系重合体である。
【0006】上記ゴム変性芳香族ビニル系樹脂は、芳香
族ビニル系樹脂のマトリックス及びその中に分散したゴ
ム粒子よりなり、該芳香族ビニル系樹脂は、ゴム状重合
体の存在下に芳香族ビニル単量体及び所望ならばこれと
共重合可能なビニル単量体を加えて、単量体(又はその
混合物)を公知の塊状重合法、塊状懸濁重合法、溶液重
合法、または乳化重合法により、ゴム状重合体にグラフ
ト重合することにより得ることができる。このような重
合体の例としては、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−
スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−
エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げ
られる。ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移温度
(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、−3
0℃を越えると耐衝撃性が低下する。このようなゴム状
重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン
−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエ
ン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水素添加し
た飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリ
アクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチレン−プ
ロピレン−ジエンモノマー三元共重合体(EPDM)等
を挙げることができ、特にジエン系ゴムが好ましい。上
記のゴム状重合体の存在下に重合させるグラフト重合可
能な単量体混合物中の必須成分の芳香族ビニル単量体
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチ
ルスチレン等であり、スチレンが最も好ましいが、スチ
レンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共重合して
もよい。また、(A)の中のゴム変性芳香族ビニル系樹
脂の成分として必要に応じて、芳香族ビニル単量体に共
重合可能な単量体成分を一種以上導入することができ
る。耐油性を高める必要のある場合は、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単量体を用
いることができる。
【0007】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させ
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基から
なるアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に、樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重
合してもよい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香
族単量体と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40
重量%である。ゴム変性芳香族ビニル系樹脂におけるゴ
ム状重合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好まし
くは10〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合
物は、好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは9
0〜50重量%の範囲にある。この範囲内では、目的と
する樹脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが向上す
る。更には、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1
〜5.0μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが好
適である。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上する。
【0008】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の分子量の尺
度である樹脂部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/d
l、30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場
合はトルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル
−芳香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)
は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度η
sp/cに関する上記要件を満たすための手段として
は、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量の調整等を
挙げることができる。重合体組成物中に残留する芳香族
ビニル単量体並びに芳香族ビニル単量体の2量体及び3
量体量の制御は、重合温度と連鎖移動剤量を変更するこ
とにより、または真空蒸留法あるいは溶剤抽出法で精製
することにより行った。
【0009】ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法と
しては、特に、ゴム状重合体、単量体(又は単量体混合
物)、及び重合溶媒よりなる均一な重合原液を撹はん機
付き連続多段式塊状重合反応機に供給し、連続的に重
合、脱揮する塊状重合法が好ましい。塊状重合法により
ゴム変性スチレン重合体を製造する場合、還元粘度ηsp
/cの制御は、重合温度、開始剤種と量、溶剤、及び連鎖
移動剤量により行なうことができる。又、単量体混合物
を用いる場合、共重合組成の制御は、仕込み単量体組成
により行なうことができる。そして、ゴム粒子径の制御
は、撹はん回転数で行なうことができる。即ち、小粒子
化は回転数を上げ、大粒子化は回転数を下げることによ
り達成できる。
【0010】本発明において用いられる(A)としての
ゴム非変性芳香族ビニル系樹脂は、ポリスチレン、ポリ
(スチレンーアクリロニトリル)、ポリ(スチレンーメ
チルメタクリレート)等が挙げられる。本発明において
用いられる(A)としての芳香族ビニル系熱可塑性エラ
ストマ−は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からな
るブロック共重合体、または上記共役ジエン単位部分が
部分的に水素添加されたブたブロック共重合体である。
上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル単量体
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチ
ルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレ
ン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチレ
ンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香族
ビニル単量体を共重合してもよい。また、上記ブロック
共重合体を構成する共役ジエン単量体は、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン等を挙げることができる。そして、
ブロック共重合体のブロック構造は、芳香族ビニル単位
からなる重合体ブロックをSで表示し、共役ジエン及び
/またはその部分的に水素添加された単位からなる重合
体ブロックをBで表示する場合、SB、S(BS)n、
(但し、nは1〜3の整数)、S(BSB)n、(但
し、nは1〜2の整数)のリニア−ブロック共重合体
や、(SB)nX(但し、nは3〜6の整数。Xは四塩
化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物等のカップ
リング剤残基。)で表示される、B部分を結合中心とす
る星状(スタ−)ブロック共重合体であることが好まし
い。なかでもSBの2型、SBSの3型、SBSBの4
型のリニア−ブロック共重合体が好ましい。
【0011】本発明における前記(B)は、ハロゲン置
換の炭素数が1〜10の脂肪族スルフォン酸塩である。
ハロゲンはフッ素であることが好ましく、スルフォン酸
塩がスルフォン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類
金属塩、あるいはホスホニウム塩等であり、好ましくは
アルカリ金属塩であり、とりわけカリウムである。例え
ば、トリフルオロメタンスルフォン酸カリウム、パーフ
ルオロブタンスルフォン酸カリウムが挙げられる。ハロ
ゲンの置換基の数は1以上であり、脂肪族炭化水素の水
素をすべてハロゲン、とりわけフッ素で置換されたもの
が好ましい。またスルフォン酸塩の(B)中での置換数
は1以上であり、好ましくは1である。本発明における
(B)の量は、(A)100重量部に対して、0.1〜
100重量部であり、好ましくは1〜50重量部、更に
好ましくは、2〜30重量部であり、最も好ましくは、
2〜10重量部である。本発明において、(A)(B)
成分からなる組成物に、必要に応じて、(A)以外の、
ゴム状重合体、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂等の
重合体(C)を、(A)(B)からなる樹脂成分100
重量部に対して、好ましくは1〜500重量部、更に好
ましくは、10〜300重量部、最も好ましくは、10
〜100重量配合することができ、その中でも熱可塑性
樹脂が好ましい。
【0012】本発明において(C)の中のでも最も好ま
しい重合体である熱可塑性樹脂は、例えば、ポリカーボ
ネート系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン
系、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル
系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリメタクリレート
系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用する
ことができる。特にポリカーボネート系、ポリフェニレ
ンエーテル系の熱可塑性樹脂が極めて好ましい。本発明
において前記(C)成分として使用する芳香族ポリカー
ボネートは、芳香族ホモポリカーボネートと芳香族コポ
リカーボネートより選ぶことができる。製造方法として
は、2官能フェノール系化合物に苛性アルカリ及び溶剤
の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは、
例えば、二官能フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを
触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法を挙
げることができる。該芳香族ポリカーボネートは粘度平
均分子量が1万〜10万の範囲が好適である。ここで、
上記2官能フェノール系化合物は、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェ
ニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン等であり、特に2,
2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビス
フェノールA〕が好ましい。本発明において、2官能フ
ェノール系化合物は、単独で用いてもよいし、あるいは
それらを併用してもよい。
【0013】前記必要に応じて配合可能な熱可塑性樹脂
の一つのポリフェニレンエーテルは、主鎖に芳香環を有
し、それらがエーテル結合で結合された単独重合体及び
/又は共重合体であり、具体的には、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメ
チルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールと
の共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。かかる
ポリフェニレンエ−テルの製造方法は特に限定されるも
のではなく、例えば、米国特許第3,306,874号
明細書記載の方法による第一銅塩とアミンのコンプレッ
クスを触媒として用い、例えば2,6キシレノールを酸
化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米
国特許第3,306,875号明細書、米国特許第3,
257,357号明細書、米国特許3,257,358
号明細書、及び特公昭52−17880号公報、特開昭
50−51197号公報に記載された方法で容易に製造
できる。本発明にて用いる上記ポリフェニレンエ−テル
の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、クロロホルム
溶液、30℃測定)は、0.20〜0.70dl/gの
範囲にあることが好ましく、0.30〜0.60dl/
gの範囲にあることがより好ましい。ポリフェニレンエ
−テルの還元粘度ηsp/cに関する上記要件を満たす
ための手段としては、前記ポリフェニレンエ−テルの製
造の際の触媒量の調整などを挙げることができる。
【0014】本発明の樹脂組成物において、必要に応じ
て、(B)以外の難燃剤(D)として、(B)以外の有
機硫黄系、ハロゲン系、珪素系、リン系、窒素系、無機
系難燃剤、あるいは繊維状難燃剤、チャー形成性難燃剤
等を、(A)(B)からなる樹脂成分100重量部に対
して、好ましくは0.01〜200重量部、更に好まし
くは、0.1〜100重量部、最も好ましくは、1〜5
0重量配合することができる。上記(D)としての有機
硫黄系難燃剤は、(B)以外の脂肪族系有機硫黄系難燃
剤または芳香族系有機硫黄系難燃剤であり、例えば、ト
リクロロベンゼンスルフォン酸カリウム、ジフェニルス
ルフォンー3ースルフォン酸カリウム等の有機スルフォ
ン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド金属塩、あるいは
スチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル等の芳香族
基含有重合体の芳香環に、スルフォン酸金属塩、硫酸金
属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩あるいは上記酸のア
ンモニウム塩、フォスフォニウム塩等が結合した、ポリ
スチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等の硫黄系難燃剤
である。このような硫黄系難燃剤は、特に重合体として
ポリカーボネートの場合には、燃焼時に脱炭酸反応を促
進して難燃性を向上させる。更にポリスチレンスルフォ
ン酸アルカリ金属塩等のポリスチレンスルフォン酸塩基
では、自らスルフォン酸金属塩が燃焼時に架橋点となり
炭化被膜形成に大きく寄与する。
【0015】前記(D)としてのハロゲン系難燃剤は、
ハロゲン化ビスフェノ−ル、芳香族ハロゲン化合物、ハ
ロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系
重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリ
フェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはデカブロ
モジフェニルオキサイド、テトラブロムビスフェノール
A、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロ
ム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフ
ェノール系ポリカ−ボネ−ト、ブロム化ポリスチレン、
ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオ
キサイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブ
ロムジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハ
ロゲンリン酸エステル及びフッ素系樹脂等である。前記
(D)としての珪素系難燃剤は、中でも、有機珪素系化
合物が好ましく、シリコーンまたは有機シリケート等で
代表されるポリオルガノシロキサンがさらに好ましい。
【0016】上記ポリオルガノシロキサンは、性状から
オイル、樹脂、ゴムに分類される。オイルは直鎖状のポ
リジオルガノシロキサンであり、樹脂は単官能のR3
iO 1/2 で表されるM単位、二官能のR2 SiOで表さ
れるD単位、三官能のRSiO3/2 で表されるT単位、
四官能のSiO2 で表されるQ単位、アルコキシまたは
アリーロキシを含有したR(RO)SiO2.0 (X単
位)、(RO)2 SiO 3.0(Y単位)の構造単位を組み
合わせてできる、分岐構造を含有した直鎖状ポリオルガ
ノシロキサンまたは三次元網状構造を有するシリコーン
樹脂であり、ゴムは高分子量タイプのガム状直鎖状のポ
リジオルガノシロキサンの加硫体等である。その他のポ
リオルガノシロキサンとしては、エポキシ、アミノ、メ
ルカプト、メタクリル基等で変性した変性ポリオルガノ
シロキサン、またはポリカーボネート(PC)ーシリコ
ーン共重合体、アクリルゴムーシリコーン複合体等があ
る。
【0017】本発明において、好ましい有機珪素系難燃
剤の一つの直鎖状のポリジオルガノシロキサンは、中で
も芳香族基を含有し、JIS−K2410規定の25℃
における動粘度が10センチストークス以上であること
が好ましく、より好ましくは100センチストークス以
上、更に好ましくは1000センチストークス以上であ
る。本発明において、もう一つの好ましい有機珪素難燃
剤は、分岐構造を含有したポリオルガノシロキサン(分
岐シリコーン)または三次元網状構造を有するシリコー
ン樹脂(架橋シリコーン樹脂)である。このようなシリ
コーンは、RSiO 1.5 (T単位)及び/またはRSi
1.0(D単位)からなり、必要に応じて、R 3 SiO
0.5(M単位)、SiO2.0 (Q単位)、R(RO)Si
2.0 (X単位)、(RO)2 SiO3.0 (Y単位)を
含有しても良い。ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水
素であり、メチル基、エチル基、ブチル基、フェニル
基、ベンジル基が好ましく、特にメチル基とフェニル基
を含有するものが好ましい。フェニル基が10重量%以
上含有する場合には、耐水性、熱安定性、芳香族系樹脂
との相溶性が向上する。
【0018】前記(D)としてのリン系難燃剤は、有機
リン系、赤リン系、無機リン系難燃剤が挙げられる。上
記有機リン系難燃剤の例としては、ホスフィン、ホスフ
ィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフ
ィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル等であ
る。より具体的には、トリフェニルフォスフェート、メ
チルネオペンチルフォスファイト、ペンタエリスリトー
ルジエチルジフォスファイト、メチルネオペンチルフォ
スフォネート、フェニルネオペンチルフォスフェート、
ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェート、ジ
シクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオペンチ
ルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコールフォ
スファイト、エチルピロカテコールフォスフェート、ジ
ピロカテコールハイポジフォスフェートである。ここ
で、特に有機リン化合物として、芳香族系リン酸エステ
ル単量体、芳香族系リン酸エステル縮合体が好ましい。
前記(D)において、リン系難燃剤の一つの赤リンは、
一般の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化
チタンよりえらばれる金属水酸化物の被膜で被覆処理さ
れたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及
び熱硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理されたもの、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、
水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜の上に熱
硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたものなどであ
る。前記(D)において、リン系難燃剤の一つの無機リ
ン系難燃剤は、ポリリン酸アンモニウムまたはそれと窒
素化合物との複合難燃剤またはフォスファゼンである。
【0019】上記フォスファゼンは、リン原子と窒素原
子が二重結合で結ばれた構造を有する化合物であり、例
えば環状フォスファゼンまたは直鎖状フォスファゼンが
挙げられる。フォスファゼンの中でも、芳香族ビニル系
重合体との相溶性の観点から、置換基としてフェニル
基、クレジル基、キシリル基、ビスフェニル基等の芳香
族基を含有するものが好ましい。具体的には、フェノキ
シプロポキシフォスファゼン、ジフェノキシフォスファ
ゼン、フェノキシアミノフォスファゼン、フェノキシフ
ルオロアルキルフォスファゼン等であり、これらのフォ
スファゼン化合物はクロロフォスファゼンをアルコール
類またはフェノール類で置換することにより製造され
る。
【0020】前記(D)としての窒素系難燃剤は、トリ
アジン骨格含有化合物が代表的であり、リン系難燃剤の
難燃助剤として一層の難燃性を向上させるための成分で
ある。その具体例としては、メラミン、メラム、メレ
ム、メロン(600°C以上でメレム3分子から3分子
の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレ−
ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポグア
ナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹脂、B
Tレジン を挙げることができるが、低揮発性の観点か
ら特にメラミンシアヌレ−トが好ましい。そして、前記
(D)としての無機系難燃剤は、シリカ、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタ
ルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性
炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水
和物等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、
酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸
化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸
化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステ
ン等の金属酸化物、アルミニウム、鉄、チタン、マンガ
ン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、
ニッケル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の金
属粉、そしてホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸
バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種でも
2種以上を併用してもよい。この中で特に、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれたものが
難燃効果が良く、経済的にも有利である。
【0021】前記(D)としての繊維状難燃剤は、火種
の滴下防止のために用いられる難燃剤であり、添加時も
しくは加工時に繊維状となる。その具体例として、アラ
ミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、フッ素系樹脂等
が上げられる。上記アラミド繊維は、平均直径が1〜5
00μmで平均繊維長が0.1〜10mmであることが
好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラフェニレ
ンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または硫酸に溶
解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することにより製造
することができる。前記繊維状難燃剤としてのポリアク
リロニトリル繊維は、平均直径が1〜500μmで平均
繊維長が0.1〜10mmであることが好ましく、ジメ
チルホルムアミド等の溶媒に重合体を溶解し、400°
Cの空気流中に乾式紡糸する乾式紡糸、または硝酸等の
溶媒に重合体を溶解し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法に
より製造される。
【0022】前記繊維状難燃剤としてのフッ素系樹脂
は、樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂である。その具
体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフルオ
ロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体等を挙げることができる。ま
た、必要に応じて上記含フッ素モノマ−と共重合可能な
モノマ−とを併用してもよい。前記(D)としてのチャ
ー形成性難燃剤は、ノボラック樹脂等が好ましく、フェ
ノ−ル類とアルデヒド類を硫酸または塩酸のような酸触
媒の存在下で縮合して得られるフェノールノボラック樹
脂が特に好ましい。
【0023】本発明において、必要に応じて、熱可塑性
エラストマ−を配合することができ、例えば、ポリオレ
フィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、1,2−
ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系等である。上記熱
可塑性エラストマ−の量は、(A)(B)からなる樹脂
成分100重量部に対して、好ましくは1〜30重量
部、更に好ましくは、2〜20重量部、最も好ましく
は、2〜10重量部である。本発明において、耐光性が
要求される場合には、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒ
ンダ−ドアミン系光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉
剤、遮光剤、金属不活性剤、または消光剤から選ばれる
一種または二種以上の耐光性改良剤を配合することがで
きる。本発明において、特に難燃樹脂組成物の好ましい
組成の一例としては次のものを挙げることができる。
【0024】(A)ゴム変性ポリスチレン 100重量
部、(B)トリフルオロメタンスルフォン酸カリウムま
たはパーフルオロブタンスルフォン酸カリウム 0.0
1〜100重量部、及び残留する芳香族ビニル単量体並
びに芳香族ビニル単量体の2量体及び3量体の合計の含
有量が0.0000001〜1重量%。上記組成の場合
には、難燃性と品質安定性が優れている。このようにし
て得られた組成物を例えば、射出成形機または押出成形
機を用いて長期間連続成形することが可能であり、そし
て得られた成形品は難燃性及び品質安定性が優れてい
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。尚、実施例、比較例における測定は、以下の方
法もしくは測定機を用いて行なった。
【0026】(1)組成物の分析 樹脂組成物5gを100mlのメチルエチルケトンに溶
解し、超遠心分離機を用いて分離する。(20000r
pm、1時間)次いで、分離して得られた上澄み液に2
倍量のメタノールを添加して樹脂成分を析出させ、溶液
部分と樹脂部分を超遠心分離機を用いて分離した。溶液
部分については、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)〔日本国東ソー(株)製、装置本体(R
I屈折率検出器付き) HLC−8020;カラム 東
ソ−(株)製、G1000HXL2本;移動相 テトラ
ヒドロフラン;流量 0.8ml/分;圧力 60kg
f/cm2 ;温度 INLET 35℃,OVEN 4
0℃,RI 35℃;サンプルル−プ 100ml;注
入サンプル量 0.08g/20ml 〕で分析し、ク
ロマトグラム上の各成分の面積比を各成分の重量分率と
仮定し、面積比からリン酸エステル及び残留する芳香族
ビニル単量体並びに芳香族ビニル単量体の2量体及び3
量体の組成と量を求めた。一方、上記の樹脂部分につい
ては、フーリエ変換核磁気共鳴装置(プロトン−FT−
NMR)を用いて、芳香族プロトンまたは脂肪族プロト
ンの積分値の比を求め、ゴム変性スチレン系樹脂及びポ
リフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂の量を求めた。
【0027】(2)押出安定性(品質の安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物のアイゾット衝撃
強度を測定し、その平均強度に対する最大変化率(%)
から連続生産性(品質の安定性)を評価した。尚、アイ
ゾット衝撃強さはASTM−D256に準拠した方法で
23℃で測定した。 (Vノッチ、1/8インチ試験
片)
【0028】(3)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により、自己消火性の評価を行った。(1
/8インチ厚み試験片) ◎ 20秒未満内に自己消火 ○ 20〜40秒以内に自己消火 △ 40秒を越えて自己消火 × 全焼 実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。
【0029】(イ)芳香族ビニル系重合体 (1)ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) ポリブタジエン{(シス1,4結合/トランス1,4結
合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3)(日本ゼ
オン(株)製、商品名Nipol 122 OSL)}
を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。 ポリブタジエン 10.5重量% スチレン 74.2重量% エチルベンゼン 15.0重量% α−メチルスチレン2量体 0.27重量% t−ブチルパーオキシイソプロピルカ−ボネ−ト 0.03重量% 次いで、上記混合液を撹拌機付の直列4段式反応機に連
続的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126
°C、第2段は50rpm、133°C、第3段は20
rpm、140°C、第4段は20rpm、155°C
で重合を行った。引き続きこの固形分73%の重合液を
脱揮装置に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム
変性芳香族ビニル樹脂を得た。(HIPSと称する) (2)ポリスチレン(GPPS) 旭化成(株)製〔ポリスチレン (GPPSと称す
る)〕 (3)ABS樹脂(ABS) 旭化成(株)製〔アクリロニトリル/ポリブタジエン/
スチレン(24/20/56:重量比)(ABSと称す
る)〕 (4)スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合
体(SEBS) 旭化成(株)製(SEBSと称する) (5)無水マレイン酸変性スチレンーエチレンーブチレ
ンースチレン共重合体(mーSEBS) 旭化成(株)製(mーSEBSと称する) (6)スチレンーブタジエン共重合体(SB) 旭化成(株)製(SBと称する) (7)エポキシ変性スチレンーブタジエン共重合体(E
SB) ダイセル化学工業(株)製〔商品名 エポフレンド(E
SBと称する)〕 (8)ポリスチレンにポリメチルメタクリレートがグラ
フトしたグラフト共重合体(SGM) 東亞合成化学工業(株)製〔商品名 レゼダ(SGMと
称する)〕 (ロ)ハロゲン置換脂肪族スルフォン酸塩 公知の方法により炭素数が1〜10の標記スルフォン酸
塩を製造した。
【0030】(ハ)その他の重合体 (1)芳香族ポリカーボネート 住友ダウ(株)製 〔ビスフェノールA型 商品名 カ
リバー13(PCと称する)〕 (2)ポリフェニレンエーテル(PPE) 旭化成工業(株)製〔商品名 ザイロン(PPEと称す
る)〕 (3)ポリプロピレン(PP) 日本ポリケム(株)製(PPと称する) (4)エチレンーオクテン共重合体(EO) デュポンダウエラストマー製〔商品名 エンゲージ(E
Oと称する)〕 (5)EO−PP架橋体(TPV) EO/PP=50/50(重量比)に有機過酸化物とジ
ビニルベンゼンを用いて二軸押出機で動的に架橋された
熱可塑性ポリプロピレンを用いた。(TPVと称する) (6)ポリブチレンテレフタレート(PBT) 東レ(株)製(PBTと称する) (7)エポキシ樹脂(EP) 旭チバ(株)製 熱可塑性非ハロゲン樹脂グレード(E
Pと称する) (8)ポリアミド6(PA6) 東レ(株)製(PA6と称する) (実施例1〜41)、(比較例 1〜2)
【0031】重合温度と連鎖移動剤量を変更することに
より、残留スチレンモノマ−、オリゴマ−(スチレンの
2量体及び3量体)を多量含有するポリスチレンを製造
し、それを上記HIPSを精製して得られたゴム変性ポ
リスチレンに配合することにより、残留スチレンモノマ
−、オリゴマ−量の異なったゴム変性ポリスチレンを製
造した。また上記HIPS以外の芳香族ビニル系重合体
については、スチレンモノマー、オリゴマーを芳香族ビ
ニル重合体に添加したり、あるいは芳香族ビニル系重合
体を精製する事によりスチレンモノマー、オリゴマーを
調整した。(尚、このスチレンモノマー、オリゴマーを
調整した後のHIPS等も、表1〜4では同様にHIP
S等と表記した。) 次いで、表1〜4記載の組成比で配合し、サイドフィー
ド可能な二軸押出機(シリンダ−内径D=40mmΦ、
L/D=46)を用い、230℃で溶融押出しを行なっ
た。
【0032】その際に品質安定性の評価のために、10
時間連続溶融押出しを行い、1時間毎に得られた組成物
のアイゾット衝撃強度を測定し、その平均強度に対する
最大変化率(%)から押出安定性(品質の安定性)を評
価した。このようにして得られたペレットを射出成形機
(東芝機械(株)製 型式IS80A)で、シリンダ−
温度230℃、金型温度60℃の条件で試験片を作製
し、難燃性評価を行なった。その結果を表1〜4に記載
した。
【0033】表1〜4によると、本発明の要件を満足す
るスルフォン酸塩を添加することにより優れた難燃性と
押出安定性(品質安定性)が向上するが、とりわけ組成
物中の残留スチレンモノマー、オリゴマーが0.000
0001〜1重量%である場合には、更に上記特性が向
上することが分かる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明は、難燃性と品質安定性の優れた
難燃性芳香族ビニル系重合体組成物に関する。
【0039】本発明の組成物は、VTR、分電盤、テレ
ビ、オ−ディオプレ−ヤ−、コンデンサ、家庭用コンセ
ント、ラジカセ、ビデオカセット、ビデオディスクプレ
イヤ−、エアコンディショナ−、加湿機、電気温風機械
等の家電ハウジング、シャ−シまたは部品、CD−RO
Mのメインフレ−ム(メカシャ−シ)、プリンタ−、フ
ァックス、PPC、CRT、ワ−プロ複写機、電子式金
銭登録機、オフィスコンピュ−タ−システム、フロッピ
−(登録商標)ディスクドライブ、キ−ボ−ド、タイ
プ、ECR、電卓、トナ−カ−トリッジ、電話等のOA
機器ハウジング、シャ−シまたは部品、コネクタ、コイ
ルボビン、スイッチ、リレ−、リレ−ソケット、LE
D、バリコン、ACアダップタ−、FBT高圧ボビン、
FBTケ−ス、IFTコイルボビン、ジャック、ボリュ
ウムシャフト、モ−タ−部品等の電子・電気材料、そし
て、インスツルメントパネル、ラジエ−タ−グリル、ク
ラスタ−、スピ−カ−グリル、ル−バ−、コンソ−ルボ
ックス、デフロスタ−ガ−ニッシュ、オ−ナメント、ヒ
ュ−ズボックス、リレ−ケ−ス、コネクタシフトテ−プ
等の自動車材料等に好適であり、これら産業界に果たす
役割は大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ビニル系重合体と(B)ハ
    ロゲン置換の炭素数が1〜10の脂肪族スルフォン酸塩
    とからなる難燃性芳香族ビニル系重合体組成物。
  2. 【請求項2】 ハロゲン原子がフッ素であり、スルフォ
    ン酸塩がスルフォン酸カリウム塩であることを特徴とす
    る請求項1記載の難燃性芳香族ビニル系重合体組成物。
  3. 【請求項3】 重合体組成物中に残留する芳香族ビニル
    単量体並びに芳香族ビニル単量体の2量体及び3量体の
    合計の含有量が0.0000001〜1重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の難燃性芳香
    族ビニル系重合体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011108486A1 (ja) * 2010-03-05 2011-09-09 日本エイアンドエル株式会社 車両用ランプハウジング用熱可塑性樹脂組成物
JP2014015569A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Riken Vitamin Co Ltd スチレン系樹脂組成物および該樹脂組成物成形品並びにスチレン系樹脂用マスターバッチ

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