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JP2002217992A - 復調装置および復調方法 - Google Patents

復調装置および復調方法

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Publication number
JP2002217992A
JP2002217992A JP2001008474A JP2001008474A JP2002217992A JP 2002217992 A JP2002217992 A JP 2002217992A JP 2001008474 A JP2001008474 A JP 2001008474A JP 2001008474 A JP2001008474 A JP 2001008474A JP 2002217992 A JP2002217992 A JP 2002217992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
output
frequency
signal
pll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001008474A
Other languages
English (en)
Inventor
Ippei Jinno
一平 神野
Mikihiro Ouchi
幹博 大内
Hisaya Kato
久也 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001008474A priority Critical patent/JP2002217992A/ja
Publication of JP2002217992A publication Critical patent/JP2002217992A/ja
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信状態や変調方式にかかわらず、また固定
劣化の増加を招くことなくチューナの局部発振器の位相
雑音の影響を補正する。 【解決手段】 チューナのVCO901を制御するPL
L9において、基準発振器905の出力とVCO901
の出力とを位相比較器909で位相比較した結果からV
CO901の瞬時位相ずれを検出し、位相変換器10で
搬送波の位相角度に変換し、その位相角度をAFCルー
プのNCO16に帰還することで、VCO901の瞬時
位相ずれをフィードフォワード形式で補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星・地上・CA
TVのディジタル放送における復調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、復調装置は、特許第276626
7号に記載されたものが知られている。図13はその構
成を示すもので、入力信号はPSK変調波である。この
入力信号は2分配され、一方は位相比較器101、ルー
プフィルタ102、VCO(電圧制御発振)回路103
で構成される一般的なキャリア再生PLL(位相同期ル
ープ)回路に導かれ、他方は位相雑音検出器104に導
かれる。但し、ここで用いるループフィルタ102は帯
域を設定する時定数を調整できるようになっている。上
記PLL回路は、位相比較器101で入力信号とVCO
回路103からの局部発振信号とを位相比較して位相差
を求め、この位相差信号をループフィルタ102で電圧
信号に変換し、この電圧信号でVCO回路103の発振
周波数を制御するものである。VCO回路103の発振
周波数信号はキャリア再生信号として出力され、同時に
位相雑音検出器104に送られる。この位相雑音検出器
104に入力信号及びキャリア再生信号から相対的な位
相雑音強度を求め、この位相雑音強度に応じて上記ルー
プフィルタ102の帯域を制御するものである。このル
ープフィルタ102の帯域は位相雑音が大きいときには
広帯域に、位相雑音が小さいときには狭帯域に制御され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】復調装置に入力される
変調信号の位相雑音劣化の要因としては、復調装置の前
段に接続されるチューナにおいて選局のために使用され
る局部発振器の位相雑音の影響が支配的である。従来例
の構成では、このチューナの位相雑音が大きい場合に
は、復調装置のVCO103を制御するPLLのループ
フィルタ102の帯域幅が広帯域に設定されるので、位
相雑音によって発生する復調信号の位相方向ジッタを抑
えこむことはできる。但し、PLLループの雑音帯域幅
も広がるために位相雑音が小さい場合、すなわちループ
フィルタが狭帯域の場合に比べると受信性能が悪化する
(固定劣化が大きくなる)という問題点があった。
【0004】また、位相雑音量の判定の基準点として、
復調後の信号を符号点に識別した結果を用いるために、
C/N劣化等で受信状態が劣化した場合や、N値PS
K、M値QAM等で多値化された場合に位相雑音量の検
出が困難になるという問題点があった。
【0005】本発明は、受信状態や変調方式にかかわら
ず、また固定劣化の増加を招くことなくチューナで発生
する位相雑音を除去することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、チューナの局部発振器を制御するPLLに
おいて、PLL内部の基準発振器出力と局部発振器出力
との位相比較出力から局部発振器の瞬時位相ずれを検出
し、検出した瞬時位相ずれを位相変換器で搬送波の位相
角度に変換し、その位相角度をAFCループまたは搬送
波再生ループのNCO(数値制御発振器)に帰還するこ
とで、局部発振器の瞬時位相ずれをフィードフォワード
形式で除去する構成を備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1〜12を用いて説明する。図1は、本発明の復
調装置のブロック図である。図1において、1はアン
プ、2、3はミキサ、4、5はLPF(低域通過フィル
タ)、6、7はADC(A/Dコンバータ)、8は移相
器、9はPLL、10は位相変換器、11は複素乗算
器、12、13はRRCF(ルートレイズドコサインフ
ィルタ)、14は周波数誤差検出器、15はループフィ
ルタ、16はNCO、17は複素乗算器、18は位相誤
差検出器、19はループフィルタ、20はNCO、21
は変調信号入力端子、22はI軸復調信号出力端子、2
3はQ軸復調信号出力端子である。
【0008】変調信号入力端子21には、搬送波周波数
1500MHzのCSデジタル放送仕様のQPSK変調
信号が入力されるとする。変調信号入力端子21から入
力されたQPSK変調信号は、アンプ1により増幅され
2分配されてそれぞれミキサ2,3に入力される。搬送
波周波数1500MHzのQPSK変調信号を受信する
場合には、選局PLL9では1500MHzの局部発振
信号を生成する。ミキサ2,3では選局PLL9で発生
した1500MHzの局部発振信号をミキサ3には直接
入力し、ミキサ2には移相器8で90度移相して入力す
る。これにより、ミキサ2,3で直交検波が行われ、同
相軸(I軸)および直交軸(Q軸)からなる複素ベース
バンド信号になる。
【0009】このベースバンド信号は、LPF4,5に
て次段のA/Dコンバータのサンプリング周波数の1/
2以上の周波数成分を除去し、ADC6,7でデジタル
化され、複素乗算器11に入力される。複素乗算器11
は、受信したQPSK信号の搬送波周波数とPLL9内
部の局部発振器の発振周波数の差を補正するAFCルー
プを実現する。
【0010】複素乗算器11の出力は、RRCF12,
13にて、I軸とQ軸に独立に同じルートロールオフ特
性のフィルタ処理が施され符号間干渉が除去される。R
RCF12,13の出力は複素乗算器17に入力され
る。複素乗算器17は、AFCループで除去できなかっ
た微少な周波数誤差成分と位相誤差成分を高速に補正す
る搬送波再生ループを実現するものである。複素乗算器
17の出力は、復調信号としてI軸復調信号出力端子2
2、Q軸復調信号出力端子23から出力される。出力さ
れた復調信号は誤り訂正回路に入力されて元のデータが
復元される。
【0011】次にAFCループについて説明する。RR
CF12,13から出力された信号は、分岐されて周波
数誤差検出器14に入力される。周波数誤差検出器14
では受信信号の搬送波周波数とPLL9の局部発振器の
周波数との誤差を検出する。周波数誤差検出器14の原
理は、まず受信ベクトル(RRCF12,13の出力)
の極座標上における角度を求め、逐次n番目のシンボル
の受信ベクトルの角度と(n+1)番目のシンボルの受
信ベクトルの角度の差を求める。これは、単位時間(1
シンボル期間)の間の位相回転であるので周波数誤差に
相当する。すなわち、受信信号の搬送波周波数とPLL
9の局部発振器の周波数との周波数誤差に相当する。な
お、n相PSKの受信信号には2π/nの整数倍の角度
の位相変調成分がある。このため1シンボル間に±2π
/2nを超える搬送波の周波数誤差による位相回転は、
変調成分と分離ができなくなるので検出できない。すな
わちシンボル周波数fsymに対して、±fsym/2
nが周波数誤差検出限界である。例えば、シンボル周波
数20MHzのQPSK変調信号では、±2.5MHz
が検出限界となる。
【0012】周波数誤差検出器14で得られた周波数誤
差はループフィルタ15で平均化されてNCO16に入
力される。NCO16は入力信号の値に応じて出力周波
数が変化する発振器であり、ループフィルタ15の出力
に応じて直交正弦波exp(−j(ω0・t))を複素
乗算器11に出力する。
【0013】以上より、複素乗算器11、RRCF1
2,13、周波数誤差検出器14、ループフィルタ1
5、NCO16によりAFCループが構成され搬送波の
周波数同期が得られる。
【0014】AFCループの動作を数式を用いて説明す
る。第n番目のベースバンド信号を、(In+jQn)
とし、複素乗算器11に入力される周波数オフセットを
含むベースバンド信号の角周波数誤差成分をω0、位相
誤差成分をθ0とすると、複素乗算器11に入力される
信号は、(In+jQn)exp(j(ω0・t+θ
0))と表現できる。ここでNCO16の出力は定常状
態では、 exp(−j(ω0・t))に収束するの
で、結局複素乗算器11の出力は、周波数誤差が除去さ
れる。
【0015】図11は、ループフィルタ15のブロック
図である。ループフィルタ15は乗算器1501、加算
器1502、ラッチ回路(D)1503を含んで構成さ
れる。ラッチ回路1503はシンボルクロックに同期し
て加算器1502の出力を保持するラッチ回路である。
周波数誤差検出器14の出力が乗算器1501に入力さ
れると、乗算器1501では定数γが乗算されて加算器
1502に入力される。加算器1502はラッチ回路1
503とで累積加算器を構成している。ラッチ回路15
03の出力はループフィルタ15の出力となってNCO
16に入力される。なお、乗算器1501の機能は、定
数γの値が2のべき乗の場合、乗算器への入力信号をビ
ット単位でシフトして出力することで容易に実現でき
る。
【0016】図7はNCO16のブロック図である。N
CO16は加算器1601、ラッチ回路(D)160
2、加算器1604、データ変換回路1605,160
6を含んで構成される。また、加算器1601とラッチ
回路1602とで累積加算器1603を構成する。累積
加算器1603はオーバーフローを禁止しない加算器で
構成され、その積分動作により瞬時周波数から瞬時位相
への変換を行う。加算器1604では、累積加算器16
03出力の瞬時位相と位相変換器10の出力を加算す
る。位相変換器10については後程説明する。加算器1
604の出力信号はコサインおよびサイン特性を有する
データ変換回路1605および1606にて、直交正弦
波となり複素乗算器11に出力される。なお、データ変
換回路1605、1606はROMまたは関数近似によ
る演算回路などで実現できる。
【0017】次に搬送波再生ループについて説明する。
複素乗算器17の出力は分岐されて位相誤差検出器18
に入力される。NCO20の出力と、RRCF12,1
3の出力である複素ベースバンド信号の搬送波との位相
誤差が、I,Q平面上の各受信シンボル点と最も近い理
想受信点(符号点)との誤差として検出される。
【0018】位相誤差検出器18からの位相誤差情報
は、搬送波再生のためにループフィルタ19を介してN
CO20に入力される。NCO20は入力信号の値に応
じて出力周波数が変化する発振器であり、ループフィル
タ19の出力に応じて直交正弦波exp(−j(ω1・
t))を複素乗算器17に出力する。
【0019】以上より、複素乗算器17、位相誤差検出
器18、ループフィルタ19、NCO20により搬送波
再生ループが構成され搬送波の位相同期が得られる。
【0020】搬送波再生の過程を数式を用いて説明す
る。すなわち第n番目のベースバンド信号を、(In+
jQn)とし、複素乗算器17に入力される微小周波数
オフセットおよび位相オフセットを含むベースバンド信
号の角周波数誤差成分をω1、位相誤差成分をθ1とす
ると、複素乗算器17に入力される信号は、(In+j
Qn)exp(j(ω1・t+θ1))と表現できる。
ここでNCO20の出力は定常状態では、exp(−j
(ω1・t+θ1))に収束するので、結局複素乗算器
17の出力は、ベースバンド信号(In+jQn)が得
られることになる。
【0021】図10は、ループフィルタ19のブロック
図である。この構成は所謂完全積分型のLPFである。
ループフィルタ19は乗算器1901、1902、加算
器1903、1905、ラッチ回路(D)1904を含
んで構成される。ラッチ回路1904はシンボルクロッ
クに同期して加算器1903の出力を保持するラッチ回
路であり、その出力は加算器1905と1903に与え
られる。位相誤差検出器18の出力が乗算器1901、
1902に入力されると、乗算器1901では定数αが
乗算されて加算器1905に入力され、乗算器1902
では定数βが乗算され、加算器1903に入力される。
加算器1903はラッチ回路1904とで累積加算器を
構成している。加算器1905での加算結果はループフ
ィルタ19の出力となってNCO20に入力される。な
お、乗算器1901、1902の機能は、定数α、βの
値が2のべき乗の場合、乗算器への入力信号をビット単
位でシフトして出力することで容易に実現できる。
【0022】図9はNCO20のブロック図である。N
CO20は加算器2001、ラッチ回路(D)200
2、データ変換回路2004,2005を含んで構成さ
れる。また、加算器2001とラッチ回路2002で累
積加算器2003を構成する。累積加算器2003はオ
ーバーフローを禁止しない加算器で構成され、その積分
動作により瞬時周波数から瞬時位相への変換を行う。累
積加算器2003の出力信号はコサインおよびサイン特
性を有するデータ変換回路2004および2005に
て、直交正弦波となり複素乗算器17に出力される。な
お、データ変換回路2004、2005はROMまたは
関数近似による演算回路などで実現できる。
【0023】次に本発明のポイントであるPLL9、位
相変換器10、NCO16で構成される位相雑音除去の
しくみを説明する。まず、PLL9の詳細を説明する。
図4はPLL9のブロック図である。901はVCO
(電圧制御発振器)、902はN分周器、903は位相
比較器、904はM分周器、905は基準発振器、90
6はループフィルタ、907,908はL分周器、90
9は位相比較器である。
【0024】デジタル放送受信用チューナでは、選局P
LLの基準発振器として4MHzの水晶発振器が一般に
使用される。従って、基準発振器905の発振周波数は
4MHzとする。またPLLの位相比較周波数は選局周
波数の設定分解能により決定されるが、ここでは250
kHzとする。これにより位相比較器903は250k
Hzで位相比較を行うことになり、M分周器904の分
周比Mの値は16で固定となる。
【0025】一方、受信チャンネルに応じてVCO90
1の発振周波数は変化するが、この図1の形態のダイレ
クトコンバージョン形式の受信方式では、VCO901
の発振周波数は受信する変調信号の搬送波周波数に合わ
せる必要がある。ここでは、仮に受信信号の搬送波周波
数を1500MHzとしたので、位相比較器903の位
相比較周波数250kHzまで分周するためには、N分
周器902の分周比Nの値は6000となる。このよう
にNの値を変更することにより、VCO901の周波数
可変範囲内で任意の周波数の信号を受信することができ
る。位相比較器903で検出されたVCO901の基準
発振器905に対する位相誤差信号はループフィルタ9
06で平滑化された後VCO901の周波数を制御す
る。このPLLループ(VCO901、N分周器90
2、位相比較器903、ループフィルタ906)により
VCO901の発振周波数が設定された周波数(この場
合は1500MHz)になるように制御される。
【0026】VCO901の設定周波数からの揺らぎが
位相雑音であり、基準発振器905の発振周波数との差
をモニタすることで観測することができる。すなわち、
位相比較器903の出力がVCO901の位相雑音を表
していることになる。位相比較周波数は250kHzに
設定しており、VCO901の出力を分周しているので
分周比の値のN周期分のVCO901の出力を平均化し
て位相誤差を観測していることになる。また、通常は位
相雑音の周波数成分として一般に数10kHz程度まで
が問題となる。位相比較周波数を250kHzに設定し
ているので、さらに平均化することが可能で、N分周器
902、M分周器904の出力をそれぞれさらにL分周
するとして、L分周器907,908に接続する。ここ
では、例としてL=4として位相比較器909の位相比
較周波数を62.5kHzとする。
【0027】次に位相比較器909の構成例を図6に示
す。図6は位相比較器909のブロック図である。位相
比較器909は、カウンタ90901とラッチ回路90
902から構成される。
【0028】位相比較器909の動作を図12を用いて
説明する。カウンタ90901とラッチ回路90902
はクロックCLKに同期して動作する。このCLKはこ
こではADC6,7のサンプリング周波数に一致するも
のとする。衛星デジタル放送の受信ではサンプリング周
波数を60MHzに設定することが多い。
【0029】カウンタ90901はCLKに同期して1
ずつインクリメント動作を行う。カウンタ90901は
clear端子があり、L分周器908の出力が接続さ
れている。L分周器908の出力は、基準発振器905
の発振周波数fREFに対してfREF/M/Lの周波数とな
るが、さらにその波形の立下りでCLKの1周期分の負
極性パルスを出力するものとする(図12の(b)の波
形)。カウンタ90901はclearパルスが入力さ
れると、カウント値が0に戻る。この例ではfREF/M
/L=62.5kHzとなり、60MHzのCLKで動
作するカウンタ90901のカウント出力は、0〜95
9となり(図12の(d)の波形)、このカウント出力
はラッチ回路90902に入力される。
【0030】ラッチ回路90902にはen端子があ
り、L分周器907の出力が接続されている。L分周器
907の出力は、VCO901の発振周波数fVCOに対
してfVCO/N/Lの周波数となるが、さらにその波形の
立上がりでCLKの1周期分の負極性パルスを出力する
ものとする(図12の(a)の波形)。ラッチ回路90
902は、このenパルスが入力された時刻にカウンタ
90901から入力されたデータを取り込んで次のen
パルスまで保持する動作をする(図12の(e)の波
形)。
【0031】PLL9がロック状態にある場合は、fRE
F/M/LとfVCO/N/Lは位相同期がとれているの
で、これらの波形のデューティが50%になるように分
周を行っていれば、波形の立下りで発生するclear
パルスと波形の立ち上がりで発生するenパルスの関係
から、0〜959のカウント動作のほぼ中心でenパル
スが発生して、ラッチ90902の出力は480前後の
値となる。
【0032】VCO901の位相雑音が発生している状
態では、PLL9の位相同期は保持しているものの、基
準位相のfREF/M/Lに対してfVCO/N/Lの位相が
変動するためにラッチ90902の出力は480からず
れた値が検出される。これによりVCO901の瞬時位
相ずれ(波形N×L周期分の平均)を定量的に検出する
ことができる。
【0033】ラッチ90902の出力は位相変換器10
に入力される。位相変換器10では、(式1)の演算を
行って正負の符号を有する位相角θに変換する。
【0034】 θ=2π×(CT−((CTmax+1)/2))/(CTmax+1) (式1) ここで、CTはラッチ90902の出力の値、CTmax
はカウンタ90901のカウント値の最大値(この例で
は959)である。
【0035】計算された位相角θは、図7のNCO16
内部の加算器1604に入力される。加算器1604で
は、AFCループとしてのトラッキングを行う累積加算
器1603から出力される位相信号に、VCO901の
瞬時位相ずれ量に対応する位相角θをその位相ずれを補
正する向きの符号で加算する。加算器1604出力の位
相信号によりデータ変換回路1605,1606で直交
正弦波を生成し、VCO901の瞬時位相ずれの影響を
搬送波位相に受けたベースバンド信号と複素乗算器11
で複素乗算される。以上説明したPLL9、位相変換器
10、NCO16によるフィードフォワード型の動作に
より、VCO901の位相揺らぎをNCO16と複素乗
算器11からなる搬送波回転手段により精度良く補正す
ることができる。なお、位相角θを加算器1604で加
算することによる本来のAFCループへの影響はθの値
の変化点以外では発生しないため無視可能であるが、安
全のためAFCループが引き込みを完了してループフィ
ルタ15の出力を固定するまで加算しないように制御し
ても良い。
【0036】図5にPLL9の別の構成例を示す。図4
の位相比較器903が位相比較器909と共用できる場
合である。異なる点は、L分周器907,908と位相
比較器909が削除され、ADC910とLPF911
が追加されている点である。位相比較器903がEXO
R形式の場合、出力はパルス幅の変化する2値信号にな
るので、ADC910ではパルス幅をカウントすること
で、位相ずれ量を容易にデジタル値に変換できる。位相
比較器903の出力がアナログ値の場合は通常のA/D
コンバータを用いる。ADC910の出力はLPF91
1で平滑化されて位相変換器10へ送られる。
【0037】図8には、NCO16の別の構成例を示
す。図7に比べて、加算器1604が削除されて、乗算
器1607と加算器1608が追加された点が異なる。
位相変換器10の出力は乗算器1607で定数μが乗算
された後、加算器1608でループフィルタ15の出力
と加算されて累積加算器1603に入力される。図7の
構成では、位相変換器10の出力により直接直交正弦波
の位相を制御するため位相が不連続に変化する。これに
対して図8の構成は位相変換器10の出力を周波数情報
として入力して累積加算器1603で積分して位相情報
とするために直交正弦波の位相は連続的に変化すること
になる。
【0038】以上が図1の説明である。変形例として図
2がある。図1と異なる点は、位相変換器10の出力信
号が、AFCループのNCO16に接続されずに搬送波
再生ループのNCO20に接続されている点である。但
し、図2においては、NCO16の構成は図9であり、
NCO20の構成は図7または図8となる。図1で説明
したように、位相変換器10の出力信号によりVCO9
01の位相揺らぎの影響を受けた複素ベースバンド信号
の搬送波位相を補正することが発明の本質であり、実際
に搬送波位相を補正するブロックはAFCループでも、
搬送波再生ループでも、またはそれ以外のループでも同
等の効果を得ることができる。
【0039】以上説明したように、本発明ではチューナ
の局部発振器を制御するPLLにおいて、PLL内部の
基準発振器出力と局部発振器出力との位相比較出力から
局部発振器の瞬時位相ずれを検出し、検出した瞬時位相
ずれを位相変換器で搬送波の位相角度に変換し、その位
相角度をAFCループまたは搬送波再生ループのNCO
に帰還することで、局部発振器の瞬時位相ずれをフィー
ドフォワード形式で除去することができる。
【0040】本発明の位相雑音除去方法は、チューナの
PLLにて瞬時位相ずれを検出するため位相雑音の検出
および補正が変調方式や伝送路条件に依存しない。従っ
て、図1と図2では、CSデジタル放送のQPSK変調
信号の復調装置について説明したが、主要な構成要素で
あるチューナのPLLとAFCループまたは搬送波再生
ループは他の変調方式用の復調装置でも共通に備えたも
のであり、BSデジタル放送の8PSKや地上デジタル
放送のOFDM,8VSBやCATVのQAMなどの他
の変調信号にも適用可能である。位相雑音の検出が伝送
路条件に依存しないことから、低C/Nや反射波の存在
する条件下でも、位相雑音を誤検出することがないため
AFCや搬送波再生ループが誤動作することもない。ま
た、従来例のように搬送波再生ループの帯域幅を制御す
る必要がないので、固定劣化が増加することもない。
【0041】次に以上の説明と異なるタイプのチューナ
を用いた場合の変形例について説明する。地上デジタル
放送のOFDM,8VSBやCATVのQAMなどで
は、チューナとしてダブルスーパーヘテロダイン形式が
使用されることがある。シングルスーパーヘテロダイン
形式のチューナも使用される場合があるが、図1に示し
たRF段で直接直交検波するダイレクトコンバージョン
方式のチューナと周波数変換が1回のみ行われてチュー
ナのPLLが1個のみである点で共通であり、図1で説
明した方法で同様に位相雑音を除去することができる。
【0042】ダブルスーパーヘテロダインチューナの場
合のチューナの構成を図3に示す。図3において、51
はアンプ、52はミキサ、53はBPF(帯域通過フィ
ルタ)、54はミキサ、55はBPF、56,57はP
LL、58,59は位相変換器、60は加算器、61は
RF信号入力端子、62はIF信号出力端子である。
【0043】RF信号入力端子61から入力された変調
信号はアンプ51で増幅されてミキサ52で第1の中間
周波数(fIF1)に変換される。第1の中間周波数はそ
の受信機が受信可能な受信帯域よりも高い周波数に設定
される。この周波数変換に使用される局部発振器がPL
L56である。PLL56の構成は、図4または図5に
示したPLL9の構成と同じである。受信したい変調信
号の搬送波周波数をfRFとすると、PLL56のVCO
901の発振周波数fLO1は、fLO1=fRF+fIF1とな
るようにN分周器902のNの値を変更することにより
設定する。ミキサ52の出力はBPF53により、搬送
波fIF1を含む受信チャンネルの信号のみを通過させ隣
接チャンネルの信号は除去する。BPF53の出力はミ
キサ54に入力される。ミキサ54では選局されたfIF
1の変調信号を、この受信機が受信可能な受信帯域より
も低い第2の中間周波数(fIF2)に周波数変換する。
この周波数変換に使用される局部発振器がPLL57で
ある。PLL57の構成は、図4または図5に示したP
LL9の構成と同じである。PLL57のVCO901
の発振周波数fLO2は、fLO2=fIF1−fIF2となるよう
にN分周器902のNの値を変更することにより設定す
る。ミキサ54の出力はBPF55により、fIF2を含
む受信チャンネルのみの信号を通過させ隣接チャンネル
の信号は除去してIF信号出力端子62から出力され
る。この後は図示しないが、さらにA/Dコンバータで
サンプリングしやすいように低い搬送波周波数に変換す
る第3の周波数変換が行われる場合がある。この第3の
周波数変換に使用されるVCOは一般に共振器に水晶振
動子が使用されるため位相雑音は問題にならない。この
第3の周波数変換の後、A/Dコンバータでデジタル化
された後、デジタル信号処理で直交検波が行われる。こ
の後、AFCループや搬送波再生ループにより復調処理
が行われるのは、図1、図2と同様である。
【0044】以上より、ダブルスーパーヘテロダインチ
ューナではVCOを2個含むためにそれぞれの瞬時位相
の揺らぎを合算してAFCループまたは搬送波再生ルー
プのNCO16へフィードフォワードする必要がある。
PLL56,57内部の位相比較器で検出されたそれぞ
れのVCOの瞬時位相の揺らぎを位相角θに変換するの
が位相変換器58,59である。その動作は図1の位相
変換器10と同じである。位相変換器58,59で得ら
れた位相角は加算器60で加算されてNCO16へ出力
される。なお、位相角の符号については、VCOの発振
周波数がミキサで周波数変換を行う入力信号周波数の上
か下かによって変化するので、その点を考慮して設定す
るものとする。
【0045】なお、説明した位相比較器909の構成は
一例であり、位相誤差情報をデジタル化できる方法であ
れば他の構成でも良い。また、説明に使用したL,M,
Nの値や周波数の値は一例であり、この値に限定される
ものではない。また、位相比較器909の出力に平滑化
のためのLPFを挿入しても良い。また、PLL9、ミ
キサ2,3、LPF4,5、ADC6,7、複素乗算器
11の系の遅延と、PLL9、位相変換器10、NCO
16、複素乗算器11の系の相対遅延が無視できない場
合は、適切な遅延調整を入れても良い。また図3の構成
では、PLL56を含む系とPLL57を含む系でそれ
ぞれ適切な遅延調整を入れても良い。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではチュー
ナの局部発振器を制御するPLLにおいて、PLL内部
の基準発振器出力と局部発振器出力との位相比較出力か
ら局部発振器の瞬時位相ずれを検出し、検出した瞬時位
相ずれを位相変換器で搬送波の位相角度に変換し、その
位相角度をAFCループまたは搬送波再生ループのNC
Oに帰還することで、局部発振器の瞬時位相ずれをフィ
ードフォワード形式で除去することができる。
【0047】本発明の位相雑音除去方法は、チューナの
PLLにて瞬時位相ずれを検出するため位相雑音の検出
および補正が変調方式や伝送路条件に依存しない。ま
た、搬送波再生ループの帯域幅を制御する必要がないの
で、固定劣化が増加することもない。
【0048】またチューナとの連携により位相雑音を除
去する方法のため、チューナと後段のデジタル信号処理
による復調ブロックとを同一のモジュールや同一パッケ
ージのLSIに構成する場合に特に有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における復調装置のブロッ
ク図
【図2】本発明の実施の形態の第1の変形における復調
装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態の第2の変形における復調
装置のブロック図
【図4】復調装置で用いられるPLLの第1の構成例を
示すブロック図
【図5】復調装置で用いられるPLLの第2の構成例を
示すブロック図
【図6】復調装置のPLLで用いられる位相比較器の構
成例を示すブロック図
【図7】復調装置で用いられるNCOの第1の構成例を
示すブロック図
【図8】復調装置で用いられるNCOの第2の構成例を
示すブロック図
【図9】復調装置で用いられる通常のNCOの構成例を
示すブロック図
【図10】復調装置の搬送波再生ループで用いられるル
ープフィルタの構成例を示すブロック図
【図11】復調装置のAFCループで用いられるループ
フィルタの構成例を示すブロック図
【図12】位相比較器の動作を説明する波形図
【図13】従来の復調装置の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
1,51 アンプ 2,3,52,54 ミキサ 4,5,911 LPF 6,7 ADC 8 移相器 9,56,57 PLL 10,58,59 位相変換器 11,17 複素乗算器 12,13 RRCF 14 周波数誤差検出器 15,19,906 ループフィルタ 16,20 NCO 18 位相誤差検出器 21 変調信号入力端子 22 I軸復調信号出力端子 23 Q軸復調信号出力端子 53,55 BPF 60,1601 加算器 61 RF信号入力端子 62 IF信号出力端子 101,903,909 位相比較器 102 帯域可変ループフィルタ 103,901 VCO 104 位相雑音検出器 902 N分周器 904 M分周器 905 基準発振器 907,908 L分周器 910 ADC 90901 カウンタ 1503,1602,1904,2002,90902
ラッチ回路 1603,2003 累積加算器 1502,1604,1608,1903,1905,
2001 加算器 1605,1606,2004,2005 データ変換
回路 1501,1607,1901,1902 乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 久也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5K004 AA01 BA02 BB02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信したディジタル変調信号の周波数変換
    または検波を行うミキサと、 前記ミキサに入力する選局用の局部発振信号を生成する
    PLL手段と、 前記PLL手段で生成される前記局部発振信号の瞬時位
    相ずれを、前記PLL手段内部の基準発振信号との位相
    比較で検出する位相比較手段と、 前記瞬時位相ずれを搬送波の位相角度に変換する位相変
    換器と、 前記ミキサの出力に対して搬送波の位相を変更する搬送
    波回転手段と、を備え、 前記局部発振信号の前記瞬時位相ずれを前記位相変換器
    の出力により補正するように、前記搬送波回転手段によ
    り前記搬送波の位相を制御することを特徴とする復調装
    置。
  2. 【請求項2】受信したディジタル変調信号と選局用の局
    部発振信号とを乗算することにより周波数変換または検
    波を行ってベースバンド信号を出力する復調方法であっ
    て、 前記局部発振信号はPLLにより生成し、 前記局部発振信号の瞬時位相ずれを前記PLL内部の基
    準発振信号との位相比較で検出し、 検出した前記瞬時位相ずれを搬送波の位相角度に変換
    し、 前記ベースバンド信号に対して、前記局部発振信号の前
    記瞬時位相ずれを補正するように、前記位相角度分だけ
    搬送波に位相回転を与えることを特徴とする復調方法。
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