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JP2002214209A - 欠陥診断装置 - Google Patents

欠陥診断装置

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Publication number
JP2002214209A
JP2002214209A JP2001015613A JP2001015613A JP2002214209A JP 2002214209 A JP2002214209 A JP 2002214209A JP 2001015613 A JP2001015613 A JP 2001015613A JP 2001015613 A JP2001015613 A JP 2001015613A JP 2002214209 A JP2002214209 A JP 2002214209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
defect
shape
depth
waveform
resonance frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001015613A
Other languages
English (en)
Inventor
Mayumi Fukuyama
満由美 福山
Sadao Umezawa
貞夫 梅沢
Shinichi Shimoide
新一 下出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2001015613A priority Critical patent/JP2002214209A/ja
Publication of JP2002214209A publication Critical patent/JP2002214209A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性体表面を打撃して内部の欠陥を診断す
る。特にトンネル等のコンクリートの内部の欠陥の深さ
と形状を打撃により機械的・物理的に判定する。 【解決手段】 打撃によって生じる波形には、弾性波が
欠陥で反射することによる波形と、欠陥から表面側の弾
性体の自由振動波形とが特徴的に現れることから、コン
クリート等の弾性体2をインパルスハンマー1で打撃
し、波形検出器3で検出した振動応答波形を基に、反射
時間算定部5で反射時間を算定し、欠陥深さ推定部6で
反射時間と弾性波速度から欠陥深さを推定する。また、
共振振動数算定部7で振動応答波形を周波数分析して共
振振動数を算定し、共振振動数と欠陥形状を対応させる
欠陥形状データベースとから欠陥形状を推定する欠陥形
状推定部8を備えた欠陥診断装置により、欠陥の深さと
形状の推定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性体の表面を打
撃して内部の空隙や亀裂などの欠陥を推定する欠陥診断
装置に係り、特に、トンネルう等のコンクリート内部の
欠陥の深さと形状を診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、弾性体の内部の欠陥診断を行うに
は非破壊検査が一般的に使用されている。非破壊検査で
は、赤外線やX線、電磁波、超音波が利用されている。
【0003】また、本発明の主たる適用対象であるトン
ネル等のコンクリートの欠陥診断には、一般的には打音
調査が行われている。これは、コンクリート壁面を打撃
し、熟練した技術者がその音のこもり具合により、欠陥
の有無や規模を判断するものである。
【0004】打撃による弾性体の欠陥の診断を装置化し
た公知例として、特開平11−108647号公報があ
げられる。この例では、打撃によって弾性体表面に発生
する波動から反射波のみを抽出して、その共振振動数と
弾性波速度から弾性体の厚さや欠陥深さを推定する安価
で手軽な装置を提供している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術で使用
される、赤外線、電磁波、X線、超音波等による非破壊
検査では、測定装置が高価であったり、入射波の振動数
が高く、コンクリート内部の非均一性の影響をうけて精
度が悪くなるという問題があった。
【0006】また、特開平11−108647号公報で
は、打撃により検査を行うため、安価な装置は提供でき
るが、弾性体内部の欠陥の深さの推定は可能なものの欠
陥の大きさ等、形状の推定への適用方法は記載されてい
ない。
【0007】本発明の主たる適用対象であるトンネルの
コンクリートの欠陥診断で、広く行われている打音調査
では、技術者が欠陥の有無や規模を、その音のこもり具
合により判断しており、比較的信頼性が高いものの、人
手がかかり、熟練した技術者が必要であるという問題が
あった。
【0008】本発明の目的は、主にトンネルのコンクリ
ート内部の欠陥診断のために、熟練技術者による打音調
査法の代替となる安価な装置を提供することが動機とな
っており、弾性体の表面の打撃により、その内部の欠陥
の深さと形状を推定することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、弾性体を打
撃して発生する弾性波の振動応答波形から共振振動数を
算定する共振振動数算定手段と、前記振動応答波形から
前記弾性体に内在する欠陥の深さを推定する欠陥深さ推
定手段と、前記弾性体の任意の共振振動数および欠陥の
深さに対応する欠陥形状を予めデータとして記憶した欠
陥形状データ記憶手段と、前記共振振動数算定手段で算
定した共振振動数および前記欠陥深さ推定手段で推定し
た欠陥の深さに対応する欠陥形状を、前記データを参照
して推定する欠陥形状推定手段とを有してなる欠陥診断
装置により達成される。
【0010】あるいは、上記目的は、弾性体を打撃して
発生する弾性波の振動応答波形を検出する波形検出手段
と、前記弾性体の任意の欠陥の深さおよび形状に対応す
る振動応答サンプル波形を、予めデータとして記憶する
振動応答波形データ記憶手段と、前記振動応答サンプル
波形と前記波形検出手段で検出した振動応答波形との相
関を演算して、前記弾性体に内在する欠陥の深さおよび
形状を推定する相関演算手段とを有してなる欠陥診断装
置により達成される。
【0011】本発明によれば、コンクリートなどの弾性
体を機械的に打撃し、その物理的現象に基づいて、内部
の欠陥の深さや形状を自動的に診断することが可能とな
る。そのため、診断作業がきわめて容易であり、しかも
高精度の診断が可能であり、コストも低い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1に、本発明の一実施形態で
ある欠陥診断装置の構成を示す。本装置は、例えばコン
クリート内部の欠陥の深さと形状を診断する装置であ
り、従来の熟練した技術者により行われた打音調査を基
に、その機械的、物理的現象の解明に基づいて考案され
た装置である。
【0013】本装置は、図1に示すように、診断対象で
あるコンクリート2などの弾性体の表面11を打撃する
インパルスハンマー1と、打撃によって発生する振動応
答波形を検出する波形検出器3と、検出した振動応答波
形に基づいて、コンクリート内部の欠陥12の深さと形
状を分析する分析装置4などから構成される。
【0014】分析装置4は、反射時間算定部5、欠陥深
さ推定部6、共振振動数算定部7、欠陥形状推定部8、
欠陥形状データベース9などを有し、ディスプレイ10
を備えている。
【0015】反射時間算定部5は、振動応答波形に基づ
いて、打撃により発生した弾性波のコンクリート表面な
いし欠陥間の反射時間を算定する。欠陥深さ推定部6
は、算定した反射時間と予め入力した診断対象固有の弾
性波速度とから欠陥の深さを推定する。
【0016】共振振動数算定部7は、振動応答波形を基
に周波数分析を行ない、コンクリート表面ないし欠陥間
の共振振動数を算定する。欠陥形状推定部8は、共振振
動数算定部7により算定された局所共振振動数と、欠陥
深さ推定部6で推定された欠陥深さとから、欠陥形状デ
ータベース9を参照して欠陥12の形状を推定する。
【0017】欠陥形状データベース9には、予め、欠陥
の深さと形状、および、その欠陥による共振振動数の関
係が多数記憶されている。ディスプレイ10は、分析装
置4にて分析された欠陥の深さや形状を表示する。
【0018】以下、本装置についてさらに詳述する。図
1において、インパルスハンマー1は診断対象であるコ
ンクリート2の表面を打撃し、コンクリート2の表面の
振動応答波形が波形検出器3によって検出される。イン
パルスハンマー1の代わりに、例えば、鋼球、圧電性バ
イブレータ等を使用してもよい。
【0019】なお、インパルスハンマー1による打撃の
印加時間は可変であることが望ましい。波形検出器3
は、例えば加速度計などを使用する。波形検出器3によ
り検出された振動応答波形は、分析装置4に入力され
る。
【0020】分析装置4は、入出力機能、計算機能、記
憶機能を有し、例えば計算機等が使用でき、入出力機能
は波形検出器3により検出された振動応答波形を、デジ
タル処理する機能を有することが望ましい。あるいは、
分析装置4と波形検出器3との間にデジタル処理機能部
を介在させてもよい。
【0021】反射時間算定部5は、分析装置4にとりこ
まれた振動応答波形を基に、打撃により発生した弾性波
が、表面11、欠陥12、表面11の順に1回反射する
のに要する反射時間t0を算定する。
【0022】欠陥深さ推定部6は、反射時間算定部5に
より算定された反射時間t0と、予め入力された弾性波
速度v0とから、下記数式1にしたがって、表面11な
いし欠陥12間の距離である深さDを推定する。
【0023】
【数1】
【0024】次に、共振振動数算定部7は、分析装置4
にとりこまれた振動応答波形を基に周波数分析を行い、
共振振動数を算定する。ここで得られる共振振動数は、
打撃によって生じた弾性波が、表面11と欠陥12との
間を往復する時間に相当する欠陥での反射に関わる振動
数f0、診断対象であるコンクリートの全厚さ方向の振
動モードに関わる全体共振振動数f1、欠陥12より表
面側のコンクリートの自由振動モードに関わる局所共振
振動数fが含まれる。
【0025】この、局所共振振動数fは、図2に示すよ
うな、欠陥12から表面側のコンクリートが振動する振
動モードに対応し、欠陥12の深さや形状に依存して変
化する値である。このため、共振振動数算定部7は、こ
の値を判断して選択する機能を有する必要があり、図3
に示す構成であってもよい。
【0026】図3において、周波数分析部71は振動応
答波形から共振振動数を算定し、反射に関わる振動数f
0算定部72は、下記数式2にしたがって、欠陥12で
の反射に関わる振動数f0を算定する。
【0027】
【数2】
【0028】次に、全体共振振動数f1算定部73は、
診断対象であるコンクリートの厚さをD1として、下記
数式3により全体共振振動数f1を算定する。
【0029】
【数3】
【0030】局所共振振動数f選択部74は、周波数分
析部71より算定された共振振動数から、反射に関わる
振動数f0および全体共振振動数f1を除いて局所共振
振動数fを得てもよい。
【0031】図1に示した欠陥形状推定部8は、共振振
動数算定部7により算定された局所共振振動数fと深さ
Dとから、欠陥形状データベース9を参照して欠陥12
の形状を推定する。
【0032】欠陥形状データベース9には、予め、欠陥
の深さ、形状、共振振動数の関係が記載されている。欠
陥形状データベース9は、分析装置4を搭載する計算機
の内部の記憶装置であってもよいし、外付けの記憶装置
であってもよい。また、ディスプレイ10は分析装置4
にて推定された欠陥の深さと形状を表示し、例えば分析
装置4に接続される。
【0033】次に、本実施形態において、欠陥の深さと
形状の推定に関する振動現象について、打音調査の原理
との関わりから説明する。本発明は、前述のように熟練
技術者に依存していた打音調査によるコンクリートの欠
陥診断の原理を物理的に明らかにし、これに変わる安価
で精度のよい欠陥診断を提供するものである。
【0034】以下、図4〜図6を用いて欠陥の深さと形
状の推定に関わる振動現象を、数値シミュレーション結
果を引用して説明する。図4は、数値シミュレーション
で想定した内部に欠陥12のある診断対象の弾性体2の
モデル図である。
【0035】弾性体の表面11の矢印の位置を、印加時
間0.0001秒の矩形波形で加振すると、弾性体の表
面11には、図5に示すような変位応答波形が生じる。
図6は、内部に欠陥が無い場合を対象に、同様の数値シ
ミュレーションを行って得られた表面11での変位応答
波形を示す。
【0036】欠陥の無い場合の図6では、打撃開始から
印加時間まで、表面は打撃方向に大きく変形するが、そ
の後は初期の変位に戻っている。一方、欠陥の有る図5
では、次の二点が図6との相違点として現れている。
【0037】第一点は、印加終了直後に変位が急峻に上
向きになるが、0.00026秒で再び急峻に下向きと
なっている点であり、第二点は、変位波形に低振動数の
応答が、1.5〜2サイクル程度現れている点である。
【0038】まず、第一点めについては、打撃によって
生じた圧縮波が欠陥で反射されて表面に戻り、さらに表
面で反射しているために生じた波形である。したがっ
て、印加終了時刻と、変位が再び下向きになる時刻との
差が、反射時間t0となる。
【0039】反射時間t0は、振動応答波形の変位成分
から直接算定してもよいし、速度成分、加速度成分、あ
るいは変位、速度、加速度成分のうちの二つ以上を併用
して算定してもよい。なお、振動応答波形から変位、速
度、加速度の任意の成分を得るためには、分析装置4に
微積分を行う演算装置が備わっている必要がある。
【0040】反射時間t0が得られれば、数式1にした
がって、欠陥までの深さDを算定できる。なお、図5に
示す例では、印加終了時刻が0.0001秒、変位が再
び下向きになる時刻が0.00026秒であり、反射時
間t0は0.00016秒となる。
【0041】弾性波速度が3270m/sの材質を仮定
しているので、欠陥までの深さDは0.262mと算定
される。図4の解析モデルの欠陥深さは0.27mに設
定しており、反射時間より算定される深さと概ね一致し
ていることから、本発明による深さ推定方法が妥当であ
ることがわかる。
【0042】次に、第2点めについては、図2に示すよ
うな欠陥から表面側の弾性体の自由振動により生じた波
形である。したがって、欠陥から表面側の弾性体の自由
振動の局所共振振動数は、振動応答波形を周波数分析す
ることにより得られ、欠陥の深さと形状に依存して変化
する。
【0043】なお、図5の変位波形を周波数分析した結
果が図7であり、1400〜1500Hzに共振振動数
が存在している。一方、図4の解析モデルを用いて固有
振動解析を行ったところ、図2のような振動モードが1
497Hzにあり、図7の共振振動数と概ね一致してい
ることから、本発明の局所共振振動数に着目した欠陥の
形状の推定の方法は妥当であるといえる。
【0044】なお、欠陥から表面側の弾性体の自由振動
の局所共振振動数fは、反射時間に関わる振動数f0よ
り一般的には大きくなることや、全体共振振動数f1は
反射時間に関わる振動数f1より小さくなることも、局
所共振振動数の選択の根拠としてもよい。
【0045】局所共振振動数と欠陥の形状との関係につ
いては、予め、欠陥の深さおよび形状を変えたサンプル
を作成して打撃実験データを取得しておく。あるいは、
より手軽に数値シミュレーションを活用して、欠陥の深
さおよび形状と局所共振振動数との関係を得て、欠陥形
状データベース9として備えておくことが必要となる。
【0046】本実施形態によれば、コンクリートなどの
弾性体の表面を打撃して発生する反射波および自由振動
波形を分析することにより、従来の打音調査の原理の活
用を可能とし、欠陥の深さだけでなく形状までも推定で
きる安価で精度の良い欠陥診断装置を提供できる。
【0047】次に、図8を用いて、図1に示す欠陥形状
推定部8の一実施形態を説明する。図4〜図6を用いて
説明した本発明における欠陥深さおよび形状の推定の原
理によると、欠陥が3次元的に広がっていても、同一欠
陥の直上の弾性体表面における局所共振振動数は一定で
あると考えられる。
【0048】一方、欠陥の深さ分布は、同一欠陥であっ
ても一定とは限らない。図8は上記のような原理を用い
て3次元的な欠陥形状を推定するための一構成例で、図
1に示した欠陥形状推定部8は、欠陥範囲概略推定部8
1、欠陥形状候補推定部82、欠陥形状詳細推定部83
から構成される。
【0049】欠陥範囲概略推定部81は、前記振動応答
波形が検出された複数の検出位置ごとの前記局所共振振
動数分布を調べて、局所共振振動数が同一である検出位
置の座標範囲から欠陥範囲の概略を推定する。
【0050】欠陥形状候補推定部82は、局所共振振動
数と一致する欠陥形状の複数の候補を欠陥形状データベ
ース9から選び出す。欠陥形状詳細推定部83は、欠陥
形状候補推定部82により選択された複数の欠陥形状候
補の中から、欠陥範囲概略推定部81により選択された
欠陥範囲の概略、および、例えば欠陥の深さの分布に最
も良く一致する欠陥形状を選択する。図8で説明した実
施形態によれば、欠陥の3次元的な形状の推定が可能と
なる。
【0051】次に、図9を用いて本発明の他の実施形態
を説明する。本装置は、図1に示した実施形態と同様
に、診断対象であるコンクリート2などの弾性体の表面
11を打撃するインパルスハンマー1と、打撃によって
発生する振動応答波形を検出する波形検出器3と、検出
した振動応答波形に基づいて、コンクリート内部の欠陥
12の深さと形状を分析する分析装置4などから構成さ
れる。
【0052】本実施形態が、図1の実施形態と相違する
ところは、分析装置4が、図1に示した反射時間算定部
5、欠陥深さ推定部6、共振振動数算定部7、欠陥形状
推定部8に代えて、図9に示すように、相関演算部14
と振動応答波形データベース13などを有している点で
ある。
【0053】すなわち、分析装置4には、振動応答サン
プル波形と欠陥の深さと形状データとの対応をセットに
して、このようなセットの多数が記憶されている振動応
答波形データベース13が備えられている。振動応答波
形データベース13は分析装置4を搭載する計算機の内
部の記憶装置であってもよい。
【0054】予め、欠陥の深さおよび形状を変えたサン
プルを作成して打撃実験データを取得しておく。あるい
は、より手軽に数値シミュレーションを活用して欠陥の
深さおよび形状と振動応答波形との関係を得て、振動応
答波形データベース13を備えておくことが必要とな
る。
【0055】相関演算部14は、検出器3により検出さ
れた振動応答波形と、振動応答波形データベース13に
記憶されている振動応答サンプル波形の相関を演算し、
最も相関度合いの高い振動応答サンプル波形を選択す
る。
【0056】選択された振動応答サンプル波形と対応づ
けられている欠陥の深さと形状のデータを基に、弾性体
2の内部の欠陥の深さおよび形状を推定する。ディスプ
レイ10は分析装置4にて推定された欠陥の深さと形状
を表示し、例えば分析装置4に接続される。
【0057】本実施形態は、前述のように熟練技術者に
依存していた打音調査によるコンクリート欠陥診断原理
を物理的に明らかにし、これに代わる安価で精度のよい
欠陥診断を提供するものであって、内部に欠陥のあるコ
ンクリート等の弾性体表面を打撃したときの弾性体表面
で検出される振動応答波形には、打撃によって生じた圧
縮波が欠陥で反射されて表面に戻り、さらに表面で反射
して生じる波形と、欠陥から表面側の弾性体の自由振動
により生じる波形が現れる特徴を活用しているものであ
る。
【0058】前者の反射波形は、打撃開始後に比較的短
時間のうちに現れ、後者の自由振動波形は、数サイクル
の自由振動の波形として現れる。このことより、相関演
算部14は、次の図10のような構成であってもよい。
【0059】図10において、反射時間に関わる相関演
算部15は、打撃開始時刻から弾性波が弾性体の全厚さ
方向を往復するのに要する時刻までの区間の振動応答波
形の相関を演算し、欠陥から表面側の弾性体の自由振動
に関わる相関演算部16は、振動応答波形全体を対象に
相関を演算する。
【0060】反射時間に関わる相関の度合いと、欠陥か
ら表面側の弾性体の自由振動に関わる相関の度合いとが
高い振動応答サンプル波形を選択し、振動応答波形デー
タベース13を参照して欠陥の深さおよび形状を推定す
ることもできる。
【0061】本実施形態によれば、コンクリートなどの
弾性体の表面の打撃により発生する反射波形と、自由振
動波形を分析することで、従来の打音調査の原理の活用
を可能とし、欠陥の深さだけでなく、欠陥の形状までも
推定できる安価で精度の良い欠陥診断装置を提供でき
る。
【0062】なお、以上の実施形態では、弾性体として
コンクリートを例示して説明したが、本発明はこれに限
定されない。打撃によって弾性波を発生するものであれ
ばよく、例えば鉄鋼、陶磁器、合成樹脂材、木材などに
適用可能である。また、欠陥としては、これらの固体内
に形成された空洞や空隙あるいは亀裂などを対象にでき
る。
【0063】
【発明の効果】上述のとおり本発明によると、弾性体の
表面を打撃して内部の欠陥の深さと形状を推定すること
ができる。特に、トンネル等のコンクリート内部の欠陥
の深さおよび形状が診断可能となる。また、打撃を利用
するため安価に欠陥診断ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す構成図。
【図2】欠陥より表面側の弾性体の自由振動モードを示
す図。
【図3】図1の実施形態における共振振動数算定部の一
構成例を示す図。
【図4】本発明の原理を説明するための内部に欠陥を有
する弾性体の解析モデル図。
【図5】内部に欠陥を有する弾性体の表面を打撃したと
きの表面の変位波形を示す図。
【図6】内部に欠陥の無い弾性体の表面を打撃したとき
の表面の変位波形を示す図。
【図7】内部に欠陥を有する弾性体の表面を打撃したと
きの表面の変位波形の周波数分析結果を示す図。
【図8】図1の実施形態における欠陥形状推定部の一構
成例を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図。
【図10】図9の実施形態における相関演算部の一構成
例を示す図。
【符号の説明】
1 インパルスハンマー 2 コンクリート等の弾性体 3 波形検出器 4 分析装置 5 反射時間算定部 6 欠陥深さ推定部 7 共振振動数算定部 8 欠陥形状推定部 9 欠陥形状データベース 10 ディスプレイ 11 表面 12 欠陥 13 振動応答波形データベース 14 相関演算部 15 反射時間に関わる相関演算部 16 欠陥から表面側の弾性体の自由振動に関わる相関
演算部 71 周波数分析部 72 反射に関わる振動数f0算定部 73 全体共振振動数f1算定部 74 局所共振振動数f選択部 81 欠陥範囲概略推定部 82 欠陥形状候補推定部 83 欠陥形状詳細推定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下出 新一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 2G047 AA10 BA04 BC02 BC04 BC10 CB01 EA10 EA16 GG10 GG36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体を打撃して発生する弾性波の振動
    応答波形から共振振動数を算定する共振振動数算定手段
    と、前記振動応答波形から前記弾性体に内在する欠陥の
    深さを推定する欠陥深さ推定手段と、前記弾性体の任意
    の共振振動数および欠陥の深さに対応する欠陥形状を予
    めデータとして記憶した欠陥形状データ記憶手段と、前
    記共振振動数算定手段で算定した共振振動数および前記
    欠陥深さ推定手段で推定した欠陥の深さに対応する欠陥
    形状を、前記データを参照して推定する欠陥形状推定手
    段とを有してなる欠陥診断装置。
  2. 【請求項2】 弾性体の表面を打撃して弾性波を発生さ
    せる打撃手段と、前記弾性体の振動応答波形を前記弾性
    体の表面で検出する波形検出手段と、前記振動応答波形
    に基づいて、前記弾性体に内在する欠陥の深さおよび形
    状を分析する分析手段と、前記分析した欠陥の深さおよ
    び形状を表示する表示手段とを備え、前記分析手段は、
    前記弾性体表面と前記欠陥との間を伝播する弾性波の反
    射時間を算定する反射時間算定手段と、前記反射時間と
    弾性波速度とから前記欠陥の深さを推定する欠陥深さ推
    定手段と、前記振動応答波形から共振振動数を算定する
    共振振動数算定手段と、前記弾性体の任意の共振振動数
    および欠陥深さに対応する欠陥形状を予めデータとして
    記憶する欠陥形状データ記憶手段と、前記欠陥深さ推定
    手段で推定した欠陥深さおよび前記共振振動数算定手段
    で算定した共振振動数に対応する欠陥形状を、前記デー
    タを参照して推定する欠陥形状推定手段とを有してなる
    欠陥診断装置。
  3. 【請求項3】 前記欠陥形状推定手段は、前記振動応答
    波形を検出した複数の位置ごとの共振振動数および欠陥
    の深さの分布を用いて、前記欠陥形状データ記憶手段か
    ら前記欠陥形状を推定する請求項1または2に記載の欠
    陥診断装置。
  4. 【請求項4】 前記振動応答波形を複数の位置で検出
    し、前記欠陥形状推定手段は、前記振動応答波形が検出
    された複数の位置ごとの共振振動数および欠陥深さの分
    布を用いて、前記欠陥形状データ記憶手段のデータを参
    照して前記欠陥の形状を推定する請求項1または2に記
    載の欠陥診断装置。
  5. 【請求項5】 弾性体を打撃して発生する弾性波の振動
    応答波形を検出する波形検出手段と、前記弾性体の任意
    の欠陥の深さおよび形状に対応する振動応答サンプル波
    形を、予めデータとして記憶する振動応答波形データ記
    憶手段と、前記振動応答サンプル波形と前記波形検出手
    段で検出した振動応答波形との相関を演算して、前記弾
    性体に内在する欠陥の深さおよび形状を推定する相関演
    算手段とを有してなる欠陥診断装置。
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