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JP2002212549A - 蛍光体の製造方法およびそれに用いる製造装置 - Google Patents

蛍光体の製造方法およびそれに用いる製造装置

Info

Publication number
JP2002212549A
JP2002212549A JP2001011873A JP2001011873A JP2002212549A JP 2002212549 A JP2002212549 A JP 2002212549A JP 2001011873 A JP2001011873 A JP 2001011873A JP 2001011873 A JP2001011873 A JP 2001011873A JP 2002212549 A JP2002212549 A JP 2002212549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
heat
resistant
container
carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001011873A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Oshio
祥三 大塩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001011873A priority Critical patent/JP2002212549A/ja
Publication of JP2002212549A publication Critical patent/JP2002212549A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度・高性能の蛍光体を優れた生産効率で
製造できる製造方法を提供する。 【解決手段】 その内壁が耐熱繊維製断熱材4で覆わ
れ、内部空間にはグラファイトヒーター8が配置されて
いる気密容器1を、還元雰囲気9で満たし、前記気密容
器1内に配置されたレール8上に、蛍光体原料粉末7を
充填した耐熱容器6を載置して、前記気密容器1内に搬
入し、前記蛍光体原料粉末7を焼成することによって蛍
光体が製造できる。前記蛍光体原料粉末は、アルミニウ
ム化合物を含むことが好ましく、これによりアルミン酸
塩蛍光体が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体の製造方法
およびそれに用いる製造装置に関し、詳しくは、三波長
域発光形蛍光ランプ、プラズマディスプレイパネル、電
子管等の蛍光体として使用される蛍光体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、三波長域発光形蛍光ランプ用
の蛍光体材料としては、例えば、青色発光、青緑色発
光、緑色発光等を示す材料であるBaMgAl1017
Eu2+(青)、(Ba,Sr)MgAl1017:E
2+,Mn2+(青緑)、Sr4Al1425:Eu2+(青
緑)、CeMgAl1119:Tb3+(緑)等のアルミン
酸塩蛍光体が使用されている。また、プラズマディスプ
レイ用の蛍光体としては、例えば、青色発光、緑色発光
等を示す材料であるBaMgAl1017:Eu
2+(青)、BaAl1219:Mn2+(緑)等のアルミン
酸塩蛍光体が使用され、電子管用の蛍光体としては、例
えば、Y3Al512:Tb3+(緑)等のアルミン酸塩蛍
光体が使用されている。これ以外にも、長残光蛍光体と
して、例えば、CaAl24:Eu2+,Nd3+(青)、
SrAl24:Eu2+,Dy3+(青緑)等のアルミン酸
塩蛍光体が知られている。
【0003】前述のような各種用途に使用されるアルミ
ン酸塩蛍光体は、その発光輝度や発光性能の向上が期待
されており、例えば、反応促進剤である弗素系物質を含
有しない蛍光体原料粉末を、1600〜2000℃の高
温の還元雰囲気中で焼成させる方法が、特開平9−15
1372号公報に開示されている。この方法によれば、
例えば、蛍光体原料粉末の一部として球状または略球状
のアルミナを含有させ、前記反応促進剤を使用せずに焼
成するため、前記アルミナ原料の粒子形状に由来した、
球状または略球状の粒子形状アルミン酸塩蛍光体が得ら
れる。
【0004】このような従来のアルミン酸塩蛍光体の製
造には、ごく一般的な蛍光体焼成用の高温炉が使用され
ている。前記高温炉は、例えば、多孔質アルミナ等の耐
熱煉瓦製断熱材で囲まれる空洞内に、アルミナを主体と
する材料で構成された炉心管が配置され、前記炉心管と
断熱材との間の大気中に、最高発熱温度1900℃の二
珪化モリブデンヒーターが配置された構成となってい
る。また、量産用高温炉の場合、前記炉心管は、一般
に、純度98%以上の高純度アルミナからなる煉瓦状の
耐熱セラミックスが積層され、その積層体の空隙に耐熱
ペーストが充填された構造であり、前記炉心管内部の気
密が保持されるようになっている。なお、前記二珪化モ
リブデンヒーターは、還元雰囲気中で通電加熱すると、
脆弱化する性質を有するため、酸化雰囲気の大気中で発
熱する構造となっている。
【0005】また、従来から、前記アルミン酸塩蛍光体
の焼成に際し、前記炉心管内を窒素−水素混合ガスで充
満させて還元雰囲気とし、この中に、蛍光体原料粉末を
充填したアルミナ製耐熱容器を配置して、前記アルミナ
製耐熱容器を、別のアルミナ製耐熱容器で押し進めるこ
とにより還元雰囲気中を搬送させ、前記蛍光体原料粉末
を1600〜2000℃の高温条件下で所定時間加熱し
て焼成する試みがなされている。アルミン酸塩蛍光体
は、そのほとんどが大気中で酸化して輝度が低下し、性
能が劣化する傾向にあるため、前述のように気密が保持
された構造の炉心管内を還元雰囲気で充満させ、この雰
囲気中で蛍光体原料粉末を焼成することにより、蛍光体
の高輝度・高性能化が可能になる。また、アルミン酸塩
蛍光体の焼成温度は、蛍光体への高性能化の要望に伴っ
て上昇している。特に、前記特開平9−151372号
公報に開示されているような、蛍光体原料粉末の一部と
して、粒子状(例えば、球状、略球状、板状等)のアル
ミナを含有させ、反応促進剤を使用せずに焼成して、前
記アルミナ原料の粒子形状に由来した形状であるアルミ
ン酸塩蛍光体を製造する方法においては、約1600〜
2000℃、好ましくは1650〜1850℃での高温
処理が要求されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように設定する焼成温度を上昇させるに伴い、以下のよ
うな問題が生じている。例えば、炉内温度が、通常の蛍
光体の焼成温度1000〜1400℃、1400〜15
50℃と比較して、1600〜2000℃と高温である
ため、熱衝撃による炉心管の劣化や割れ、断熱材の割
れ、高温使用によるヒーターの消耗や断線等が激しくな
るおそれがある。また、前記通常の焼成温度で焼成する
のに比べて、その半分の炉寿命さえも確保できず、数ヶ
月以上に渡る長期の連続焼成が極めて困難であった。ま
た、熱衝撃に弱い耐熱セラミックスから形成されたアル
ミナ製炉心管を用いるため、前記炉心管が破損して、焼
成中の還元雰囲気が保持しにくく、焼成炉の加熱温度を
200℃以上、上げ下げすることが困難であり、また、
焼成炉の始動−停止を繰り返すことも困難であった。
【0007】このため、例えば、数kg以下の少量のア
ルミン酸塩蛍光体を単発的に焼成することは可能であっ
ても、量産のために長期連続焼成ができないという課題
や、同時に製造したアルミン酸塩蛍光体の品質のばらつ
きも大きいという課題があった。また、焼成温度の最適
値が異なる複数種のアルミン酸塩蛍光体を製造しようと
しても、前述のように加熱温度の上げ下げが困難なた
め、たとえ蛍光体の構成元素が類似した蛍光体であって
も、同一の焼成炉を用いて、各々の最適焼成温度で製造
できないという問題もあった。また、アルミン酸塩蛍光
体の受注量が少なくなり、蛍光体原料粉末の供給を止め
て一時休止する場合でも、一定期間、焼成炉を停止する
と炉心管が破損するため、空運転せざるを得ず、運転コ
ストがかかるという課題もあった。
【0008】そこで、本発明の目的は、高輝度・高性能
の蛍光体を安定した品質、かつ、優れた生産効率で連続
大量処理でき、加熱温度の上げ下げや、焼成炉の始動−
停止を容易にできる蛍光体の製造方法およびそれに用い
る製造装置の提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の蛍光体の製造方法は、蛍光体を製造する方
法であって、その内壁が耐熱繊維製断熱材で覆われ、内
部空間にはグラファイトヒーターが配置されている気密
容器に、蛍光体原料粉末を載置した耐熱トレイを搬入
し、還元雰囲気中で前記蛍光体原料粉末を焼成すること
を特徴とする。
【0010】このように本発明は、まず、グラファイト
(カーボン)から構成されるヒーターを使用するため、
例えば、高温、特に1600〜2000℃での長期間の
使用に十分耐えることができ、ヒーターの短期消耗や断
線等の発生が防止される。また、前記気密容器の内壁を
覆う断熱材として耐熱繊維製断熱材を使用するため、熱
衝撃が全く問題にならず、例えば、前述のような高温焼
成や、加熱温度の上げ下げが原因となる、断熱材の割れ
や破損等が防止される。さらに、本発明は、前記従来の
製造方法のように、温度の上げ下げのような熱衝撃等に
より破損し易い煉瓦状アルミナ製炉心管等を使用するこ
とによって、還元雰囲気を密閉保持するのではない。こ
のため、前記アルミナ製炉心管の破損により還元雰囲気
が維持できなくなるというような問題が回避され、例え
ば、装置費用、メンテナンス頻度の低減が可能になる。
以上のことから、本発明の製造方法によれば、蛍光体原
料粉末を、還元雰囲気を充満した前記気密容器内へ搬入
することが長期的に可能となり、また、高温焼成作業を
安定して実施できるようになる。さらに、例えば、焼成
温度の変更や、製造の開始−停止を繰り返し行っても、
安定に製造を行うことができる。このため、例えば、蛍
光体の大量生産や生産効率の向上に適した製造方法とい
える。
【0011】本発明の製造方法において、前記蛍光体原
料粉末は、アルミニウム化合物を含むことが好ましく、
製造される蛍光体は、アルミン酸塩蛍光体であることが
好ましい。本発明において、前記「アルミン酸塩蛍光
体」とは、アルミニウム化合物と酸素とを主成分元素と
して含む蛍光体をいう。
【0012】本発明の製造方法において、前記アルミニ
ウム化合物の形状が、所望の蛍光体の形状と同一形状ま
たは略同一形状であることが好ましい。このようにアル
ミニウム化合物の形状を設定すれば、前記アルミニウム
化合物の形状に由来する形状のアルミン酸塩蛍光体を、
安定した品質、かつ、優れた生産効率で連続大量生産す
ることが可能である。なお、このようにして蛍光体の形
状を設定する場合はアルミニウム化合物の形状を維持さ
せやすいことから、後述するような反応促進剤を添加せ
ずに焼成することが好ましい。
【0013】本発明の製造方法において、前記アルミニ
ウム化合物の形状が、球状、略球状、板状、六角板状、
針状、粒子状および微粒子状からなる群から選択された
少なくとも一つの形状であることが好ましく、より好ま
しくは球状、略球状である。
【0014】本発明の製造方法において、前記耐熱トレ
イを連続的に前記気密容器に搬入し、前記搬入した耐熱
トレイごとに前記蛍光体原料粉末を焼成することが好ま
しい。このように、連続的に前記耐熱トレイを搬入する
ことにより、より長期的な製造を連続的に行うことがで
き、さらに大量生産や生産効率の向上に適した製造方法
となる。
【0015】本発明の製造方法において、前記蛍光体原
料粉末を耐熱容器に充填し、この耐熱容器を前記耐熱ト
レイに載置して前記気密容器に搬入することが好まし
い。このようにすれば、蛍光体材料を充填した耐熱容器
に対する直接のハンドリング頻度が低減され、また、耐
熱容器同士の接触・衝突も防止できるため、長時間の使
用に耐えることができる。
【0016】本発明の製造方法において、前記気密容器
が、その内部に、さらにグラファイト製炉心管を備え、
前記グラファイト製炉心管内部において、還元雰囲気中
で前記蛍光体原料粉末を焼成することが好ましい。
【0017】蛍光体の焼成時には、例えば、前記蛍光体
原料粉末から酸化性ガス(水や二酸化炭素を含む)等が
発生し、この酸化性ガスによってヒーターや断熱材が消
耗されるおそれがある。しかし、このように、前記気密
容器内に熱衝撃に強いグラファイト製炉心管をさらに配
置して、この内部で焼成を行えば、前記気密容器内壁に
配置された耐熱繊維製断熱材が前記酸化性ガス等に曝さ
れることを防止できる。このため、前述のように高温加
熱等の熱衝撃による劣化だけでなく、前記酸化性ガス等
による劣化をも抑制することができ、より一層、蛍光体
の大量生産や生産効率の向上に適した製造方法とするこ
とができる。また、このような各構成部分の劣化を一層
防止できることにより、さらに低コスト化を図ることも
可能である。
【0018】本発明の製造方法において、前記耐熱繊維
製断熱材が、グラファイト、アルミナ、マグネシア、ジ
ルコニア、ハフニア、チタニア、窒化アルミニウム、窒
化チタン、窒化バナジウム、窒化ジルコニウム、窒化ホ
ウ素、窒化ハフニウム、窒化タンタル、炭化ホウ素、炭
化モリブデン、炭化シリコン、炭化タングステン、炭化
ハフニウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化チタン、
炭化ジルコニウム、ホウ化アルミニウム、ホウ化チタ
ン、ホウ化バナジウム、ホウ化タングステン、ホウ化ハ
フニウム、ホウ化ジルコニウム、金属ハフニウム、金属
イリジウム、金属モリブデン、金属ニオブ、金属タンタ
ルおよび金属タングステン等の物質からなる繊維体から
構成されていることが好ましく、より好ましくはグラフ
ァイト、アルミナ、マグネシア、ジルコニアであり、特
に好ましくはグラファイトである。前記繊維体は、例え
ば、いずれか一種類でもよいし、二種類以上の物質から
形成されてもよい。また、前記断熱材も、例えば、一種
類の繊維体から形成されても、二種類以上の繊維体から
形成されてもよい。
【0019】なお、前記耐熱繊維製断熱材としては、例
えば、前記耐熱繊維体を加圧成形した、耐熱繊維の加圧
成形体やファイバーボード等も使用できる。
【0020】本発明の製造方法において、前記気密容器
内に蛍光体原料粉末を搬入する方法としては、例えば、
以下の方法があげられる。
【0021】第1の方法としては、例えば、前記気密容
器が、前記耐熱トレイの搬入方向に沿って、その内部を
貫通するレールを有しており、複数個の前記耐熱トレイ
が前記レール上に配置され、搬入方向において後方に位
置する前記耐熱トレイにより、前方に位置する耐熱トレ
イを押すことによって移動させ、耐熱トレイを搬入させ
ることが好ましい。
【0022】また、第2の方法としては、例えば、前記
気密容器が、前記耐熱トレイの搬入方向に沿って、その
内部を貫通するレールを有しており、前記耐熱トレイが
前記レールの上に配置され、前記レールが搬入方向に移
動することにより、前記耐熱トレイを搬入させることが
好ましい。なお、「搬入方向に移動する」とは、搬入側
から搬出側へ向っての移動をいう。
【0023】本発明の製造方法において、前記気密容器
が、金属容器であることが好ましく、その材質として
は、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、ニッ
ケル等が好ましい。なお、前記金属は、例えば、一種類
でもよいし、二種類以上であってもよい。
【0024】本発明の製造方法において、焼成温度は、
1600〜2000℃の範囲であることが好ましいが、
本発明は、特に高温状態での焼成に有用な製造方法であ
ることから、より好ましくは1650〜1850℃の範
囲であり、特に好ましくは1700〜1800℃の範囲
である。
【0025】本発明の製造方法において、焼成時間は、
例えば、耐熱トレイ1個あたり0.1〜50時間の範囲
であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10時
間の範囲であり、特に好ましくは1〜5時間の範囲であ
る。また、本発明の製造方法は、例えば、連続作動させ
て蛍光体を製造する場合に有用であるため、連続作動時
間は、1〜10,000時間の範囲が好ましく、より好
ましくは1〜400日の範囲であり、特に好ましくは1
0〜200日の範囲である。
【0026】本発明の製造方法は、前記蛍光体原料粉末
がアルミニウム化合物を40〜90重量%の範囲で含む
ことが好ましく、より好ましくは50〜80重量%の範
囲であり、特に好ましくは60〜70重量%の範囲であ
る。
【0027】つぎに、本発明の蛍光体の製造に使用する
製造装置は、両端に開口部を有する筒状容器、グラファ
イトヒーターおよびレールを備え、前記両開口部の一方
が搬入口、他方が搬出口となり、前記搬入口と前記搬出
口とを貫通するように前記容器内部にレールが配置さ
れ、前記両開口部には、閉じた場合に前記容器内が気密
状態になる開閉可能なシャッターがそれぞれ設けられ、
前記容器の内壁は耐熱繊維製断熱材で覆われているとい
う構成である。
【0028】本発明の製造装置は、前述のように、グラ
ファイトヒーターおよび耐熱繊維製断熱材等を使用し、
前記従来の装置のようにアルミナ製炉心管を使用しない
ため、例えば、高温での長期間の使用、装置の始動−停
止の反復、焼成温度の上げ下げ等によっても、破損する
おそれがない。このため本発明の製造装置によれば、例
えば、連続作動による大量生産や、生産効率の向上、低
コスト化、メンテナンス頻度の低減等が可能になる。し
たがって、このような本発明の製造装置は、前記本発明
の製造方法に使用することが好ましく、特にアルミン酸
塩蛍光体の製造方法に使用することが好ましい。
【0029】本発明の製造装置においては、前記容器内
部にさらにグラファイト製炉心管が配置され、前記グラ
ファイト製炉心管内部に前記レールが配置されているこ
とが好ましい。このような構成によって、前述のよう
に、より一層装置の劣化を防止できる。
【0030】本発明の製造装置において、前記耐熱繊維
製断熱材としては、前述と同様のものが使用でき、好ま
しくは、グラファイト、アルミナ、マグネシア、ジルコ
ニアであり、より好ましくはグラファイトである。
【0031】本発明の製造装置において、前記搬入口に
隣接して前室が配置され、前記搬出口に隣接して後室が
配置されていることが好ましい。このように、前記容器
の両開口部に隣接して前室および後室を設ければ、これ
らを前記容器と同じ還元雰囲気にすることによって、耐
熱トレイを前記容器内に搬入または搬出する際に前記開
口部を開いても、前記容器内の気密性をより一層保持す
ることができる。
【0032】本発明の製造装置は、例えば、連続作動さ
せて蛍光体を製造する場合に有用であるため、連続作動
時間は、1〜10,000時間の範囲が好ましく、より
好ましくは1〜400日の範囲であり、特に好ましくは
10〜200日の範囲である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の蛍光体の製造方法
について、アルミン酸塩蛍光体を製造する例を、図面を
用いて詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施形
態に限定されるものではない。
【0034】(実施形態1)図1から図3に、本発明の
製造方法に使用する製造装置の一例を示す。図1は、前
記製造装置の正面からみた断面図であり、図2は前記製
造装置の上方向から見た断面図であり、図3は前記製造
装置の側面方向から見た断面図である。図示のように、
前記製造装置は、角筒状本体2を有する気密容器(以
下、「焼成炉」ともいう)1、耐熱繊維製断熱材4、グ
ラファイトヒーター3およびレール8を備えている。
【0035】前記角筒状本体2は、その両端に開口部を
有しており、前記両開口部を塞ぐように、隣接して前室
11および後室12が設けられている。前記前室11お
よび後室12は、前記角筒状本体2の両開口部に対応す
る側面に、開閉自由なシャッター13b、13cがそれ
ぞれ設けられている。これらのシャッター13b、13
cを閉じることによって、気密性が保持された気密容器
1が構成され、また、シャッター13b、13cが開く
ことにより、開口部の一方が搬入口、他方が搬出口とな
る。なお、前室11および後室12には、前記シャッタ
ー13b、13cに対応する側面にも、開閉可能なシャ
ッター13a、13dがそれぞれ設けられている。この
気密容器1の内壁には耐熱繊維製断熱材4が配置されて
いる。そして、気密容器1内の上方および下方には、複
数個のグラファイトヒーター3が、前記内壁の上面およ
び底面からそれぞれ一定間隔をおいて、幅方向に並行に
配置されている。また、前記底面側に配置されたグラフ
ァイトヒーター3の上部には、レール8が配置されてお
り、このレール8はその幅方向両端に凸部が設けられて
いる。この凸部により、使用時にレール8上に耐熱トレ
イ5を置いても、これがレール8からはみ出ることがな
い。また、気密容器1内部は、図2および図3に示す矢
印A方向に沿って、徐熱帯、加熱帯、徐冷帯、冷却帯
(いずれも図示せず)が、この順序で形成されており、
グラファイトヒーター3の配置箇所に対応して、温度が
連続的に変化している。本実施形態においては、グラフ
ァイトヒーター3が設けられた気密容器1の内部中央が
加熱帯となる。なお、後述するように、使用時には蛍光
体原料粉末7を充填した耐熱容器6に蓋10をして耐熱
トレイ5に載置し、この耐熱トレイ5をレール7上に配
置する。
【0036】前記角筒状本体2は、気密容器1の内部を
還元雰囲気9に保持するためのものであり、前述のよう
に、例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、ニッ
ケル等の金属容器で構成されていることが好ましく、よ
り好ましくはステンレス、鉄であり、特に好ましくはス
テンレスである。
【0037】このように気密性に優れる容器を用いれ
ば、気密容器1内が十分に気密状態になるため、内部に
充填した還元雰囲気9を十分に保持できる。これによ
り、例えば、酸化して脆弱化するおそれがあるグラファ
イトヒーター3が、酸化により劣化するおそれもなくな
る。また、グラファイトヒーター3の発熱により、気密
容器1の中心部を、還元雰囲気下で、例えば、1600
〜2000℃の高温に長期間保持することも可能にな
る。製造時においては、十分に還元雰囲気が保持された
状態で、蛍光体原料粉末の化学反応を行うことができる
ため、高輝度・高性能のアルミン酸塩蛍光体を製造でき
る。
【0038】なお、本発明において、角筒状本体2の形
状および大きさ等は特に限定されないが、例えば、高さ
10〜100cmの範囲であり、幅10〜100cmの
範囲であり、奥行きの長さ1〜50mの範囲である。
【0039】耐熱繊維製断熱材4は、グラファイトヒー
ター3と気密容器1との間を断熱し、グラファイトヒー
ター3の発熱による気密容器1の溶融や異常加熱を防止
するものである。例えば、1600〜2000℃の高温
に焼成温度を設定する場合は、これに耐え得る耐熱繊維
体から形成されることが好ましい。前記耐熱繊維体の材
料としては、例えば、グラファイト、アルミナ、マグネ
シア、ジルコニア、ハフニア、チタニア、窒化アルミニ
ウム、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化ジルコニウ
ム、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、窒化タンタル、炭化
ホウ素、炭化モリブデン、炭化シリコン、炭化タングス
テン、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭
化チタン、炭化ジルコニウム、ホウ化アルミニウム、ホ
ウ化チタン、ホウ化バナジウム、ホウ化タングステン、
ホウ化ハフニウム、ホウ化ジルコニウム、金属ハフニウ
ム、金属イリジウム、金属モリブデン、金属ニオブ、金
属タンタルおよび金属タングステン等が好ましく、より
好ましくはグラファイト、アルミナ、マグネシア、ジル
コニアであり、特に好ましくはグラファイトである。
【0040】このような耐熱繊維製断熱材4は繊維体か
ら形成されるため、熱衝撃等を全く問題にせず、例え
ば、1600〜2000℃の高温下であっても破損する
ことがなく、さらに急激な温度の上げ下げに対しても破
損することはない。本発明においては、このような耐熱
繊維体から形成された断熱材を使用するため、前記高温
条件下で、数ヶ月以上に渡る長期間の焼成をしても、ま
たは焼成炉1の始動−停止を伴う断続的な焼成を行って
も、前記断熱材が破損することはない。
【0041】耐熱繊維製断熱材4の厚みは特に制限され
ないが、例えば、断熱効果を示す範囲で、極力薄く安価
であることから、30〜150mmの範囲であることが
好ましく、より好ましくは50〜100mmの範囲であ
る。また、耐熱繊維製断熱材4として、前述のような耐
熱繊維の加圧成形体も使用でき、このような加圧成形体
は、例えば、前記各種繊維体を、圧力10〜1000k
g/m3の範囲、処理時間1〜100分の条件で加圧成
形することに製造できる。具体的には、前記繊維体がグ
ラファイト繊維の場合、例えば、圧力100〜200k
g/m3の範囲、処理時間1〜60分の条件で加圧処理
すればよい。
【0042】グラファイトヒーター3は、所望するアル
ミン酸塩蛍光体の合成を目的として蛍光体原料粉末7を
加熱するための発熱体であり、通電により、最高約30
00℃の高温に発熱する。このグラファイトヒーター3
は、図1に示すように、耐熱繊維製断熱材4で覆われた
焼成炉1内部の上面側および底面側にそれぞれ内設され
ており、例えば、通電によって約1700〜2100℃
に発熱するように設定すると、焼成炉1内の空間中心
部、すなわち加熱帯(図示せず)が、高輝度・高性能の
アルミン酸塩蛍光体の製造に適している温度1600〜
2000℃に設定できる。また、グラファイトヒーター
3は、耐久性を高めるために、例えば、窒化ホウ素や炭
化シリコン等の耐熱材料で、その表面をコートしたもの
であってもよい。なお、グラファイトヒーター3の形
状、寸法、焼成炉1内の配置の仕方等は、特に制限され
ない。
【0043】トレイ5は、例えば、蛍光体原料粉末をそ
のまま、もしくは蛍光体原料粉末7を充填した耐熱容器
6を載せるためのものである。その材料としては、設定
する焼成温度に耐え得るものであれば特に制限されず、
例えば、焼成炉の構成や、焼成温度等により適宜決定で
きる。具体的には、例えば、1600〜2000℃の高
温に焼成温度を設定する場合、これに耐え得る材料であ
ることが好ましく、アルミナ、マグネシア、ジルコニア
等の高融点無機化合物や、白金、タングステン、モリブ
デン等の高融点金属、グラファイト、炭化シリコン等が
使用できる。これらの中でも好ましくは、アルミナ、ジ
ルコニア、グラファイト(黒鉛)であり、例えば、20
00℃以上の高温の還元雰囲気中で使用でき、安価で、
熱衝撃に強く、加工が容易であることから、グラファイ
トが特に好ましい。また、このグラファイト製トレイ
は、例えば、その表面を窒化ホウ素や炭化シリコンでコ
ートしたトレイであってもよい。このようにコーティン
グすることによって、焼成により発生する前記蛍光体原
料からの酸化性ガスや還元雰囲気中の水素ガスと、グラ
ファイトとの反応を抑制でき、より一層トレイの劣化を
防止できる。なお、前記コーティング層の厚みは、例え
ば、1〜1000μmの範囲である。
【0044】このように、耐熱性、耐熱衝撃性に優れた
トレイ5に、蛍光体原料粉末を充填した耐熱容器6を載
せ、前述のように、搬入方向の後方に位置するトレイで
前方のトレイを押して、レール8上を滑らせていくこと
により、蛍光体原料粉末7を連続して搬送できる。この
ようにすると、耐熱容器6同士が接触せず、搬送中の耐
熱容器6に外部からの物理的な力が加わらないので、耐
熱容器6の破損を防止できる。
【0045】トレイ5の形状としては、特に制限され
ず、例えば、焼成炉1の仕様やレール8の形状、原料を
充填する耐熱容器の形状等に応じて適宜決定でき、例え
ば、円板状、四角板状等があげられる。この他にも、例
えば、升状や蓋付るつぼ状、有底箱状、有底筒状等の容
器をトレイ5として使用することもできる。
【0046】耐熱容器6は、所望とするアルミン酸塩蛍
光体を得るために必要な材料を調合・混合した蛍光体原
料粉末7を仕込むための耐熱容器である。その材料とし
ては、設定する焼成温度に耐え得るものなら特に制限さ
れず、例えば、焼成炉の構成や、焼成温度等により適宜
決定できる。また、本発明は、例えば、1600〜20
00℃の高温での焼成を行う場合に、特に有用であるこ
とから、前述のトレイ5と同様に、前記温度条件下での
使用に耐え得る耐熱材料であることが好ましい。具体的
には、例えば、アルミナ、マグネシア、ジルコニア等の
高融点無機化合物やこれらの焼結体、白金、タングステ
ン、モリブデン等の高融点金属、グラファイト、炭化シ
リコン等が使用できる。この中でも、例えば、焼成後の
アルミン酸塩蛍光体を汚さず、入手が容易であることか
ら、高純度アルミナ焼結体が好ましい。このように耐熱
容器6の材質を、アルミン酸塩蛍光体原料の一部と同じ
にすると、例えば、焼成後に得られるアルミン酸塩蛍光
体に不純物元素が混入するおそれもないので、高純度の
蛍光体が得られ、高輝度・高性能を示すようになる。ま
た、グラファイト製の耐熱容器の場合は、例えば、窒化
ホウ素や炭化シリコン等で表面をコーティングしたもの
も使用できる。
【0047】耐熱容器6の形状等は、特に制限されず、
例えば、升状やるつぼ状等から、使い勝手の良いもの
や、耐熱衝撃性の強い形状のものを選択することができ
る。また、耐熱容器6には蓋がなくてもよいが、例え
ば、焼成により発生するおそれがある微量のカーボンす
す等の混入を防いで、より一層純度に優れる蛍光体を得
ることができることから、蓋10付きであることが好ま
しい。
【0048】レール8は、蛍光体原料粉末7を充填した
耐熱容器6を置いたトレイ5を、図2および図3の矢印
A方向に向って、焼成炉1内部の前記徐熱帯、加熱帯、
徐冷帯および冷却帯(いずれも図示せず)を順次通過さ
せるためのものである。このようなレール8を設けれ
ば、例えば、焼成炉1内に先に搬入した第一番目のトレ
イを次の第二番目のトレイで前方へ押すことによって、
前記第一番目のトレイがレール8上を滑り前方に進むこ
とになる。このようにして、複数のトレイを順次焼成炉
1内に押し込むことにより、トレイが数珠繋ぎになっ
て、内部を通過することになる。この結果、複数の耐熱
容器6に充填した蛍光体原料粉末7がそれぞれ連続的に
加熱処理されて反応し、次々とアルミン酸塩蛍光体が生
成されるため、連続的に量産が可能になる。
【0049】このように、レール8の上をトレイ5が移
動する場合、レール8とトレイ5との間の摩擦を減少さ
せ、レール8上を滑らせるトレイ5の滑り性を向上させ
ることにより、トレイ5の搬送をスムーズにすることが
好ましい。また、レールを複数のローラーで構成した
り、レール8の表面に半球状の窪みを設けて、前記窪み
の中に耐熱性材料で構成したボールを配置し、前記窪み
の中でボールが回転するようにした板で構成してもよ
い。このような構成によれば、例えば、前記ローラーの
回転や前記ボールの回転に伴い、その上に載置されたト
レイ5が容易に搬送できる。一方、レール8上のトレイ
を移動させるのではなく、前記レールとして、例えば、
コンベアのような搬送装置を使用し、レール自体を動か
すことによって自動的にトレイ5を搬送してもよい。
【0050】レール8の材質は、前述のように還元雰囲
気における加熱条件に耐え得るものであれば、特に制限
されないが、例えば、1600〜2000℃の高温の焼
成温度の条件に耐え得るものが好ましく、グラファイ
ト、マグネシア、ジルコニア、ハフニア、チタニア、窒
化アルミニウム、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化ジ
ルコニウム、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、窒化タンタ
ル、炭化ホウ素、炭化モリブデン、炭化シリコン、炭化
タングステン、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化タン
タル、炭化チタン、炭化ジルコニウム、ホウ化アルミニ
ウム、ホウ化チタン、ホウ化バナジウム、ホウ化タング
ステン、ホウ化ハフニウム、ホウ化ジルコニウム、金属
ハフニウム、金属イリジウム、金属モリブデン、金属ニ
オブ、金属タンタルおよび金属タングステン等があげら
れる。この中でも、2000℃以上の高温条件において
も使用でき、安価で加工が容易、さらに熱衝撃にも優れ
ることから、グラファイトが好ましい。また、グラファ
イト製レールの場合は、例えば、窒化ホウ素や炭化シリ
コン等で表面をコーティングしたものも使用できる。
【0051】レール8上のトレイ5の搬送速度等につい
ては、特に制限されず、例えば、焼成条件や、気密容器
内の加熱帯の長さ等により適宜決定でき、焼成時間、気
密などについても特に限定されるものではない。
【0052】前記シャッター13a、b、c、dを備え
る前室11および後室12は、前述のように前記角筒状
本体2に隣接して配置することにより、前記角筒状本体
2を気密容器1にするものであり、また、トレイ5を仮
置きする気密室でもある。材質としては、例えば、前述
の角筒状本体の材料と同様のものが使用でき、シャッタ
ーの材質も同様である。
【0053】前室および後室の大きさは、特に制限され
ないが、例えば、高さ10〜100cmの範囲、幅10
〜100cmの範囲、奥行きの長さ10〜100cmの
範囲である。
【0054】この製造装置を用いて、例えば、以下のよ
うにしてアルミン酸塩蛍光体を製造できる。
【0055】まず、蛍光体原料粉末7を調製し、これを
耐熱容器6に充填する。前記蛍光体原料としては、例え
ば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アル
ミニウム、硫酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、
炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ土類金
属化合物、酸化ユーロピウム、酸化セリウム、酸化テル
ビウム、弗化セリウム、弗化ユーロピウム、リン酸ラン
タン等の希土類化合物、塩基性炭酸マグネシウム等のマ
グネシウム化合物、炭酸マンガン等のマンガン化合物、
酸化亜鉛等の亜鉛化合物等があげられる。これらの原料
は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、
その添加割合も、製造する所望のアルミン酸塩蛍光体の
種類に応じて適宜決定できる。
【0056】また、これらの蛍光体原料の粒子のうち大
部分は、その形状が、例えば、球状、略球状、板状、六
角板状、針状、粒子状、微粉末状等であることが好まし
く、その中心粒径が、例えば、0.1〜10μm程度の
範囲であることが好ましい。
【0057】なお、本発明において、前記蛍光体原料の
種類、粒子サイズ、粒子の形状、混合割合等は特に限定
されないが、例えば、蛍光体原料のうちアルミニウム化
合物は、その形状が球状、略球状、板状、六角板状、針
状、粒子状、微粉末状等の酸化アルミニウムであること
が好ましく、より好ましくは球状または略球状の酸化ア
ルミニウムである。このような形状のアルミニウム化合
物を用いれば、比表面積が小さく、大部分の粒子の形状
が、耐酸化特性や耐イオン衝撃特性等の耐劣化特性に優
れる球状または略球状であるアルミン酸塩蛍光体を得る
ことができ、このような蛍光体は、高輝度・高性能を示
す。前記粒子状の酸化アルミニウムの具体例としては、
例えば、前記住友化学工業株式会社製の商品名スミコラ
ンダムがあげられる。
【0058】前述のように、例えば、アルミニウム化合
物原料の形状に由来した形状の蛍光体を製造する場合
は、焼成の際に反応促進剤を使用することなく、焼成を
行うことが好ましいが、これには制限されず、例えば、
原料に、前記各原料同士の反応性を高める反応促進剤
(フラックス)等を含有させてもよい。前記反応促進剤
としては、例えば、弗化アルミニウム、弗化マグネシウ
ム、弗化バリウム、ホウ酸、酸化ホウ素等があげられ
る。また、反応促進剤以外の物質を含んでもよい。これ
らの物質の添加割合は、本発明の製造方法に支障をきた
さない範囲であれば特に制限されない。
【0059】前記蛍光体原料粉末の混合手段は、前記各
原料が混合できればよく、特に制限されないが、例え
ば、自動乳鉢、ボールミル等の各種混合手段が採用でき
る。
【0060】つぎに、シャッター13b、13cを閉じ
た状態で気密容器1内を還元雰囲気にする。還元雰囲気
の状態にすれば、例えば、グラファイトヒーター3の酸
化による劣化や断線を防止し、同時に、蛍光体原料粉末
7を還元しながら加熱して反応させ、高輝度・高性能の
アルミン酸塩蛍光体を製造できる。
【0061】前記還元雰囲気9としては、例えば、窒素
水素混合ガス雰囲気、一酸化炭素ガス雰囲気等があげら
れるが、本発明においては還元状態であればその種類は
特に制限されない。この他にも、例えば、高温状態、特
に1600〜2000℃の高温状態における、真空雰囲
気、窒素ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気、窒素ガスや不
活性ガスの減圧雰囲気の各高温雰囲気等も還元性を有す
るので、前記還元雰囲気に含まれる。
【0062】これらの中でも、水素ガスを含む還元雰囲
気は、例えば、強い還元力を有することから、より高輝
度・高性能のアルミン酸塩蛍光体の製造に適しており、
一酸化炭素ガス雰囲気は、例えば、グラファイトヒータ
ー3の劣化がより一層抑制されるため、長期に渡る連続
焼成に適している。また、前記高温状態における、真空
雰囲気、窒素ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気、窒素ガス
や不活性ガスの減圧雰囲気等の各雰囲気は、例えば、グ
ラファイトヒーター3やグラファイト製耐熱繊維体を傷
めることがなく、より長期間に渡るアルミン酸塩蛍光体
の連続焼成に適している。
【0063】還元雰囲気9を、前述のような窒素水素混
合ガス雰囲気、一酸化炭素雰囲気、高温の窒素ガス雰囲
気、高温の不活性ガス雰囲気等にする場合は、前記ガス
が焼成炉1内を流れるようにして焼成しても良いし、前
記ガスを焼成炉1内に溜め込んで焼成することもでき
る。この場合のガスの流量や溜め込み量、焼成炉1内の
圧力等の条件については特に限定されないが、具体的な
ガス流量は、常圧下において、例えば、窒素10〜10
00cm3/分、水素0.1〜100cm3/分、一酸化
炭素10〜1000cm3/分の範囲である。
【0064】前述のようにして調製した蛍光体原料粉末
7を耐熱容器6に充填し、蓋10をしてから耐熱トレイ
5に載せ、これを前室11のシャッター13aを開い
て、内部のレール上に送り込んだ後、シャッター13a
を閉じる。そして、バルブ14aを介して前記前室11
を真空引きもしくは前述のようなガス置換等を行ってか
ら、前記気密容器1内と同様の還元雰囲気にしておく。
このように前室11を気密容器1内部と同じ条件にすれ
ば、後述するように、前室11と気密容器1との間に位
置するシャッター13bを開いても、気密容器1の還元
雰囲気を十分に保持できる。
【0065】次に、グラファイトヒーター3に通電し
て、気密容器1内を加熱する。気密容器1内の温度は、
所望の蛍光体の種類等により適宜決定できるが、特に本
発明は、高温での焼成に有用であることから、例えば、
加熱帯の温度が1600〜2000℃の範囲であること
が好ましく、より好ましくは1650〜1850℃の範
囲である。
【0066】そして、搬入口のシャッター13bを開
き、前室11のレール8上に配置した耐熱トレイ5を押
し進め、気密容器1内に搬入させる。なお、耐熱トレイ
5は、前述のようにして移動させればよい。すると、気
密容器1内に搬入させた耐熱トレイ5上の蛍光体原料粉
末7が化学反応して蛍光体が製造される。焼成時間は、
例えば、所望の蛍光体の種類、焼成温度等によって適宜
決定される。
【0067】一方、後室12も前室11と同様にして、
バルブ14bを介して気密容器1内と同じ還元雰囲気に
しておく。これにより、後述するように、後室12と気
密容器1との間に位置するシャッター13cを開いて
も、気密容器1内の還元雰囲気を保持することができ
る。
【0068】新たに前室11に、蛍光体原料粉末7を充
填した耐熱容器6を載置したトレイ5を配置し、搬入口
および搬出口のシャッター13b、13cを開いてか
ら、新たな前記トレイを気密容器内に押し進め、同時に
これにより焼成処理された耐熱トレイ5を搬出口から後
室12に押し出す。そして、再度シャッター13b、1
3cを閉じてから後室12に大気を導入して大気雰囲気
に戻し、シャッター13dを開いて耐熱トレイ5を取出
し、耐熱容器6内の蛍光体を回収する。なお、トレイ5
を取出した後は、後室のシャッター13dを閉じて、真
空引きまたは前述のようなガス置換を行うことが好まし
い。
【0069】以上の工程を繰り返し行うことにより、熱
衝撃等の影響を受けることなく、連続的に蛍光体を製造
することができる。
【0070】(実施形態2)図4から図6に、本発明の
製造方法に使用する、気密容器内にグラファイト製炉心
管が配置された製造装置の一例を示す。図4は、前記製
造装置の正面からみた断面図であり、図5は前記製造装
置の上方向から見た断面図であり、図6は前記製造装置
の側面方向から見た断面図である。なお、図4から図6
において、図1から図3と同一部分には同一符号を付し
ている。
【0071】前記製造装置は、気密容器1内部のほぼ中
央にグラファイト製炉心管15が配置され、このグラフ
ァイト製炉心管15内部にトレイ6を搬送するレール8
が配置されている。なお、グラファイトヒーター3は、
グラファイト製炉心管15の外部に配置されている。そ
して、気密容器1、前室11および後室12が、架台1
6の上に配置されている以外は、前記実施形態1に示す
製造装置と同様の構成である。図4において架台16は
図示していない。
【0072】前記グラファイト製炉心管15は、前述の
ように、従来のアルミナ製炉心管と異なり、例えば、耐
熱衝撃に優れており、温度変化等による影響を受け難
い。また、前記グラファイト製炉心管は、例えば、加工
も容易であり、一体物の大型炉心管であっても容易に製
造し得る。したがって、このグラファイト製炉心管を前
記気密容器内に配置し、その内部で還元雰囲気下、焼成
を行えば、例えば、焼成時に酸化性ガス等が発生して
も、前記酸化性ガスはグラファイト製炉心管の内部のみ
と接触するため、前記気密容器内壁の耐熱繊維製断熱材
が酸化性ガスとの接触により劣化することを防止でき
る。
【0073】グラファイト製炉心管の大きさは、例え
ば、前記気密容器の大きさ等により適宜決定できるが、
例えば、高さ10〜80cmの範囲、幅10〜80cm
の範囲、奥行きの長さ1〜50mの範囲、厚み1〜10
cmの範囲である。なお、グラファイト製炉心管の形状
は特に限定されるものではなく、例えば、中空の角柱
形、中空の円柱形等があげられる。
【0074】架台16は、本実施形態において、製造装
置を支持するものであり、例えば、大きさ、材質等は特
に制限されないが、例えば、高さ10〜150cmの範
囲、幅10〜200cmの範囲、奥行きの長さ1〜50
cmの範囲である。その材質としては、例えば、鉄、ス
テンレス等の金属があげられる。
【0075】本実施形態の製造装置を用いて蛍光体を製
造する場合は、グラファイト製炉心管15内部を、前述
のような還元雰囲気および焼成温度として、蛍光体原料
粉末を焼成し、一方、気密容器内部を、例えば、真空、
窒素、不活性ガス等の雰囲気にする以外は、前記実施形
態1と同様にして製造できる。気密容器内部の条件とし
ては、より好ましくは1Pa〜10-8Paの真空であ
る。
【0076】
【実施例】つぎに、本発明の実施例について、比較例と
併せて説明する。
【0077】(実施例1)前記図1に示す製造装置を作
製して、連続焼成によりアルミン酸塩蛍光体を製造し
た。厚み2cmのステンレス板を組み合わせた、長さ1
0m、幅60cm、高さ50cmの中空のステンレス角
筒体を気密容器本体2として使用し、その両端の開口部
に、開閉可能に制御されたステンレス製のシャッターを
有する前室11および後室12をそれぞれ設けることに
より、気密容器1を作製した。気密容器1の内壁には、
グラファイト繊維を約160kg/m3の圧力で加圧成
型した厚み7.5cmの耐熱繊維製断熱材4を配置し
た。そして、ヒーターとして、外径直径(φ)1.2c
m、長さ30cmの丸棒状のグラファイトヒーター3を
使用し、これらを、気密容器1の上面および底面から一
定距離(10cm)をおいて、奥行き方向6cm間隔と
なるように配置した。そして、気密容器1の底面上のヒ
ーター上部に、奥行き方向に向って、厚み5cm、幅2
5cm、長さ25cmのグラファイト製四角形平板を複
数枚連結するように並べて、幅約25cm、長さ9.6
mのレール8を形成した。なお、レール8の両端には、
図1に示すように縁を設け(高さ1cm、幅2cm)、
搬送するトレイ5がレール8からはみ出ないようにし
た。
【0078】トレイ5としては、内容量3Lのグラファ
イト製容器(純度99%、蓋付き升状容器)を、耐熱容
器6としては、内容量1Lの高純度アルミナ製耐熱容器
(純度99.8%以上、蓋付き升状容器)をそれぞれ準
備した。
【0079】気密容器2の搬入口および搬出口に隣接す
るように配置した密閉構造の前室11と後室12は、前
述のように気密容器1内と同じ還元雰囲気にした後に、
トレイ5を気密容器1内に搬入させ、また、気密容器1
外へ搬出させることにより、気密容器1内の還元雰囲気
を保持するために設けた。
【0080】気密容器1、前室11および後室12の還
元雰囲気は、常圧の窒素水素混合ガス雰囲気とし、窒素
380cm3/分、水素20cm3/分の流量ならびに流
量比の条件で行った。
【0081】また、前記前室11には、プッシャーと呼
ばれる搬入装置(図示せず)を配置した。これは、ピス
トン構造を有しており、油圧や気圧等によってシリンダ
ー内のピストンを動作させ、このピストンによってトレ
イ5を前室11から気密容器1内に押し込むことができ
る。
【0082】また、トレイ5の搬送速度は40cm/時
間、搬入口側から気密容器(焼成炉)1の徐熱帯の長さ
は3.2m、加熱帯の長さは1.6m、徐冷帯の長さは
3.2m、冷却帯の長さは1.6mとした。
【0083】焼成温度は、気密容器1内に設けた設置し
た複数個の赤外線放射温度計でモニターし、気密容器1
内部の加熱帯の実測温度が所定の温度(1400〜20
00℃の範囲)になるように設定した。また、焼成時
は、前記気密容器本体2(中空のステンレス製角柱)の
外周部に設けた水冷パイプ(図示せず)に水道水を流
し、気密容器1の外壁を冷却して、温度調節を行った。
【0084】以下に示すようにして、前記製造装置を用
いて(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+
ルミン酸塩蛍光体を製造した。
【0085】まず、蛍光体原料粉末7を準備した。これ
は、炭酸バリウム粉末(純度99.95%、粒径2‐3
μm)、炭酸ストロンチウム粉末(純度99.9%、粒
径2‐3μm)、塩基性炭酸マグネシウム粉末(純度9
9.9%、粒径2‐3μm)、酸化アルミニウム粉末
(純度99.999%)、酸化ユーロピウム粉末(純度
99.9%、粒径2‐3μm)、炭酸マンガン粉末(純
度99.9%、粒径2‐3μm)の各粉末を、重量割合
が7.89:7.38:9.50:51.0:1.7
6:0.115になるように調合し、これらを回転ミル
で混合して所定量の混合粉末を調製し、これを前記量産
試作用の蛍光体原料粉末7とした。前記酸化アルミニウ
ム粉末としては、中心粒径3μmの擬球状のα−Al2
3(商品名アドバンストアルミナ「スミコランダム」
AA−3;住友化学工業株式会社製)を使用し、また、
弗化アルミニウム(AlF3)、弗化マグネシウム(M
gF2)等の反応促進剤は一切使用しなかった。
【0086】次に、前記蛍光体原料粉末1kgを、内容
量1Lの高純度アルミナ製耐熱容器6(純度99.8%
以上、蓋付き升状容器)に充填し、焼成に伴い発生する
微量のカーボンすすが混入しないように、前記容器に高
純度アルミナ製の蓋10をした。このようにして蛍光体
原料粉末7を充填した高純度アルミナ製耐熱容器6を、
トレイ5として準備した内容量3Lのグラファイト容器
(純度99%、蓋付き升状容器)の中に入れ、さらにト
レイにグラファイト製の専用蓋で蓋をした。
【0087】このようにして、耐熱容器6を配置したト
レイ5を多数準備し、(Ba,Sr)MgAl1017
Eu2+,Mn2+アルミン酸塩蛍光体の製造に用いた。
【0088】次に、前記複数個のトレイ5のうち一つ
を、まず、前記前室11のレール8上に配置し、前記前
室11を真空引きした後、ここに前記条件で窒素水素混
合ガスを充満させ、常圧の窒素水素雰囲気にした。その
後、前記前室11と気密容器1との間に設けた前記シャ
ッター13bを開き、トレイ5を、前記搬入装置を用い
て気密容器(焼成炉)1に搬入した。
【0089】つぎに、搬入したトレイの後ろに新たなト
レイを隣接させ、この新たなトレイを前記搬入装置で押
すことにより、前記前のトレイをさらに奥へと押し進
め、前記新たなトレイを気密容器1内に搬入した。この
操作を繰り返すことにより、図2に示すように、複数の
トレイ5を数珠繋ぎにして、気密容器1の搬出側へと順
次押し込み、トレイ5を、気密容器(焼成炉)1内にお
ける前徐熱帯、加熱帯、徐冷帯、冷却帯を順次通過させ
た。これにより、耐熱容器内の蛍光体原料粉末が加熱し
て反応し、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,M
2+アルミン酸塩蛍光体が合成された。なお、一つのト
レイが焼成される焼成時間は、4時間とした。その後、
気密容器1の搬出側の端に押し進められたトレイ5を、
搬出口を開いてから、気密容器1内と同じ還元雰囲気を
充満した前記後室12へと送り込んだ。そして、再度、
シャッター13cを閉めてから、前記後室12を大気雰
囲気にした後、シャッター13dを開いてトレイ5を取
り出し、耐熱容器6内にある前記アルミン酸塩蛍光体を
回収した。
【0090】この操作を繰り返すことによって、(B
a,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+アルミン酸
塩蛍光体を、約40kg/日の生産速度(約1.2トン
/月に相当)で量産できた。
【0091】得られた焼成後の(Ba,Sr)MgAl
1017:Eu2+,Mn2+アルミン酸塩蛍光体は、粉体同
士の焼結が若干認められる弱焼結体であったので、その
後、ボールミルによる解砕の後、振動ふるいによる分級
によって12μm以上の粗粒子を除去し、さらに水洗し
て1μm以下の微粒子も除去した。このようにして、蛍
光ランプやプラズマディスプレイ用の蛍光体として適す
る所定の粒子サイズ分布(1〜12μm)を有する、中
心粒径約6μmのアルミン酸塩蛍光体が得られた。
【0092】(実施例2、比較例1)実施例1の製造装
置を用いて、還元雰囲気中における高温連続焼成を行っ
た。これは、気密容器(焼成炉)1における加熱帯の加
熱温度を、昇温速度200〜250℃/時間の条件で、
8時間かけて室温から所定温度(1600℃、1800
℃、2000℃)に昇温した以外は、前記実施例1と同
様にして、アルミン酸塩蛍光体の製造を行った。図7
に、本実施例における、気密容器(焼成炉)1の加熱帯
の温度履歴を示す。
【0093】また、比較例1として、量産レベルでの従
来のアルミン酸塩蛍光体の製造方法により、還元雰囲気
下でアルミン酸塩蛍光体を製造した。この場合の加熱帯
の温度履歴を、図7に点線で示す。なお、比較例1は、
気密容器の代りにアルミナレンガで構成した炉心管を、
グラファイトヒーターの代りに二珪化モリブデンヒータ
ーをそれぞれ使用した。そして、前記ヒーターが大気中
で発熱するように前記アルミナ製炉心管内に配置し、前
記内部に窒素水素混合ガスを充満させて、蛍光体原料粉
末を載せたトレイを搬送させた以外は、前記実施例2と
同様の条件で蛍光体の製造を行った。
【0094】図示のように、実施例2によれば、加熱帯
の温度を室温から1600℃、1800℃、2000℃
まで、それぞれ昇温することができ、さらに、前記温度
を数時間以上保つことも可能であった。また、実施例2
においては、グラファイトヒーター3の断線や顕著な消
耗、耐熱繊維製断熱材4の破損、気密容器1の破損、耐
熱容器6およびトレイ5の破損等、気密容器(焼成炉)
の構成部材における消耗や破損は全く認められなかっ
た。これに対して、比較例1によれば、1600℃の温
度では、数10時間程度以上の連続焼成ができたが、1
600℃を越える温度で連続焼成を試みると、1650
℃程度の温度でヒーターが断線し、連続焼成は不可能で
あった。
【0095】このように、本発明のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法によれば、従来の製造方法ではできなかっ
た、還元雰囲気を保った状態における1600〜200
0℃での連続焼成が可能になり、特に1600℃より超
え2000℃以下での連続焼成に優れていた。
【0096】(実施例3、比較例2)前記実施例1の製
造装置を用いて、還元雰囲気中における長時間の高温連
続焼成を行った。これは、気密容器(焼成炉)1におけ
る加熱帯の加熱温度を、昇温速度200〜250℃/時
間の条件で、8時間かけて室温から所定温度(1600
℃、1800℃、2000℃)まで昇温し、連続焼成を
720時間行った以外は、前記実施例2と同様にして行
った。図8に、実施例2における気密容器(焼成炉)1
の加熱帯の温度履歴を実線で示す。
【0097】また、比較例2としては、連続焼成を72
0時間行った以外は、前記比較例1と同様にして行っ
た。なお、前記比較例1の結果から、従来の製造方法で
は1800℃および2000℃での焼成は不可能である
ことがわかったので、比較例2では、焼成温度を160
0℃に設定した。この比較例における加熱帯の温度履歴
を、図8に点線で示す。
【0098】図示のように、実施例3によれば、160
0℃、1800℃、2000℃の各焼成温度まで昇温し
た後、この焼成温度を還元雰囲気を保ったままで、50
0時間(約21日)以上保持し続けることができた。ま
た、前記実施例2と同様に、長時間、前記高温での焼成
を行っても、気密容器(焼成炉)の各構成部材における
消耗や破損は全く認められなかった。これに対して、比
較例2によると、1600℃の焼成温度であっても、実
施例3のように500時間以上の連続焼成をすることが
困難であり、約200時間(約8日)で二珪化モリブデ
ンヒーターが断線し、連続焼成することができなくなっ
た。
【0099】このように、本発明のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法によれば、従来の製造方法では不可能であっ
た、500時間以上に渡る、1600〜2000℃での
還元雰囲気における高温連続焼成を無理なく行うことが
可能になった。
【0100】(実施例4、比較例3)前記実施例1の製
造装置を用いて、焼成炉の始動−停止を繰り返し行っ
た。これは、加熱帯の温度を、8時間かけて昇温速度2
00〜250℃/時間の条件で、室温から所定の焼成温
度(1600℃、1800℃、2000℃)まで昇温さ
せ、前記焼成温度を4時間保持した後、200〜250
℃/時間の条件で温度を200℃程度まで冷却する操作
を、数回繰り返して行った。図9に、実施例4におけ
る、気密容器(焼成炉)1の加熱帯の温度履歴を実線で
示す。
【0101】また、比較例3は、前記実施例4と同様の
温度変化を行う以外は、前記比較例1と同様にして行っ
た。なお、前記比較例1の結果から、従来の製造方法で
は1800℃および2000℃での焼成は不可能である
ことがわかったので、比較例2では、焼成温度を160
0℃に設定した。この比較例における加熱帯の温度履歴
を、図9に点線で示す。
【0102】図示のように、実施例4によれば、160
0℃、1800℃、2000℃の各焼成温度までの昇温
と冷却とを繰り返し行えることがわかった。また、前記
実施例2と同様に、長時間、高温での焼成を行っても、
焼成炉の各構成部材における消耗や破損は全く認められ
なかった。これに対して比較例3によると、焼成温度が
1600℃と比較的低い温度条件でさえ、アルミン酸塩
蛍光体の製造−休止、すなわち、焼成炉1の始動−停止
を繰り返すことが不可能であった。具体的には、一度1
600℃まで昇温すると、降温の途中の1400℃付近
で炉心管が破損し、還元雰囲気を保持できなくなり、焼
成炉の始動−停止を繰り返すことは一回もできなかっ
た。
【0103】このように、本発明のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法によれば、従来の製造方法ではできなかっ
た、還元雰囲気を保った状態における、アルミン酸塩蛍
光体の製造−休止、すなわち、焼成炉1の始動−停止を
問題なく繰り返すことが可能になった。
【0104】(実施例5、比較例4)前記実施例1の製
造装置を用いて、焼成炉における加熱帯の温度を140
0℃から2000℃の間で繰り返し昇降させた。これ
は、加熱帯の温度を、昇温速度250℃/時間の条件で
室温から焼成温度2000℃まで昇温させ、前記焼成温
度を4時間保持した後、250℃/時間の条件で140
0℃程度まで降温して4時間保持し、再度2000℃に
昇温する操作を、数回繰り返して行った。図10に、実
施例5における、気密容器(焼成炉)1の加熱帯の温度
履歴を実線で示す。
【0105】また、比較例4は、加熱帯の温度を、昇温
速度250℃/時間の条件で室温から焼成温度1600
℃まで昇温させ、前記焼成温度を4時間保持した後、2
50℃/時間の条件で1400℃程度まで降温して4時
間保持し、再度1600℃に昇温する操作を、数回繰り
返す以外は、前記比較例1と同様にして行った。この比
較例における加熱帯の温度履歴を、図10に点線で示
す。
【0106】図示のように、実施例5によれば、200
0℃と1400℃との間の昇降を繰り返し行うことがで
きた。また、前記実施例2と同様に、長時間、高温での
焼成を行っても、焼成炉の各構成部材における消耗や破
損は全く認められなかった。これに対して比較例4で
は、一回目に1600℃から1400℃に下げる途中で
炉心管が破損したため、還元雰囲気を保持することがで
きず、比較的低い温度領域1600℃と1400℃との
間でさえも、焼成温度の昇降が不能であったことがわか
る。
【0107】このように、本発明のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法によれば、従来の製造方法ではできなかっ
た、還元雰囲気を保った状態において、1400〜20
00℃の間での焼成温度の上げ下げが、問題なく行える
ようになった。
【0108】(実施例6)前記実施例1の製造装置を用
いて、約2ヶ月間、還元雰囲気中、1700℃の高温で
長時間連続焼成した以外は、実施例2と同様にして(B
a,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+アルミン酸
塩蛍光体を量産した。この連続焼成により、前記蛍光体
原料粉末1kgを充填した前記高純度アルミナ製耐熱容
器を2500回にわたって気密容器(焼成炉)1に搬入
させ、結果として約40kg/日の生産速度で2.4ト
ンのアルミン酸塩蛍光体が製造できた。
【0109】この長時間にわたる連続焼成により得られ
た蛍光体について、発光スペクトルおよび色度の測定を
253.7nmの紫外線照射の下で行った。前記色度の
測定は、発色スペクトルの5nm毎のデータから算出し
た。この発光スペクトルの結果を図11のグラフに実線
で示し、相対輝度およびCIE色度座標による色度の結
果を下記表1に示す。なお、前記図11における「任意
単位」とは、最大の発光強度を100%とした場合の相
対値(%)を示す。
【0110】なお、参考例として、従来のアルミン酸塩
蛍光体の製造方法により、焼成温度1600℃、焼成時
間4時間の条件で単発製造した(Ba,Sr)MgAl
10 17:Eu2+,Mn2+アルミン酸塩蛍光体について
も、前述と同様にして各測定を行った。この発光スペク
トルの結果を図11に点線で示し、相対輝度およびCI
E色度座標による色度の結果を下記表1にあわせて示
す。
【0111】
【0112】図示のように、実施例6の高温での連続焼
成により得られた蛍光体は、参考例の単発製造による蛍
光体と、ほぼ同一の発光スペクトルを示した。より詳細
に考察すると、以下のようなことがわかる。
【0113】同図において、波長450nm付近のピー
クは、Eu2+イオンの発光を示し、波長510nm付近
のピークは、Mn2+イオンの発光をそれぞれ示してい
る。参考例の蛍光体に比べて、実施例6の蛍光体の方
が、幾分、Eu2+イオンの長波長側成分の発光強度と、
Mn2+イオンの発光強度とが弱くなった。これは、17
00℃の高い焼成温度で焼成したことにより、蛍光体原
料粉末同士の反応が十分に行われ、500nm付近に発
光ピークを持つ(Ba,Sr)Al24:Eu2+蛍光体
のような不純蛍光体の混在を防止できたこと、および、
参考例よりも100℃高い1700℃の焼成によりMn
元素が蒸発し、製造した蛍光体中のMn2+イオン発光中
心濃度が低下したことによると考えられる。なお、この
ような、Eu 2+イオンの長波長側成分とMn2+イオン
は、いずれも視感度が高い発光成分であることから、前
記両者の発光強度の低下により、実施例6の蛍光体の発
光における、色度のy値は、前記表1に示すように、参
考例の色度のy値よりも幾分小さくなっていた。
【0114】一方、実施例6の蛍光体の輝度は、前記表
1に示すように、参考例の蛍光体の輝度よりも約1%高
かった。一般に、青色蛍光体では、色度のy値が大きい
蛍光体ほど、視感度の影響のために、発光効率が低くと
も輝度は高くなるものである。こうした視感度の影響を
考慮すると、実施例6の蛍光体の発光効率は、参考例の
蛍光体の発光効率よりも、約4%高いとみなすことがで
きる。そこで、蛍光体原料の組成を微妙に調整して、参
考例の蛍光体の発光スペクトルと同じ発光スペクトルで
ある(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+
ルミン酸塩蛍光体を、本実施例6と同様の方法によって
製造したとすると、その輝度は、参考例の蛍光体の輝度
よりも、約4%高いとみなすことができる。
【0115】このように実施例6の製造方法によれば、
参考例の従来の製造方法よりも100℃高い、1700
℃の焼成温度で長期間連続焼成を行っても、焼成炉が消
耗・破損することなく、実用レベルを満たす高輝度の
(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+アルミ
ン酸塩蛍光体を量産することができたことがわかる。
【0116】なお、以上の実施例においては、(Ba,
Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+アルミン酸塩蛍
光体の場合を説明したが、同様にして、BaMgAl10
17:Eu2+、Sr4Al1425:Eu2+、CeMgA
1119:Tb3+、BaAl1 219:Mn2+、Y3Al5
12:Tb3+、CaAl24:Eu2+,Nd3+、SrA
24:Eu2+,Dy3+等のアルミン酸塩蛍光体につい
ても、実用レベルを満たす高輝度蛍光体を量産レベルで
製造することができた。
【0117】(実施例7、比較例5)前記実施例1の製
造装置を用いて、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu
2+(Ba0.5Sr0.4Eu0.1MgAl1017)、CaA
24:Eu2+,Nd3+(Ca0.96Eu0.02Nd0.02
24)およびSr4Al1425:Eu2+(Sr3.8Eu
0.2Al1425)の三種類のアルミン酸塩蛍光体を製造
した。なお、特に示さない限り、前記実施例1と同様の
焼成手順・焼成条件により行った。
【0118】蛍光体原料粉末としては、炭酸バリウム、
炭酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、酸化ユーロピウム、酸化
ネオジウムの各粉末の中から、下記表2に示す所定の重
量割合になるように適宜選択して混合したものを使用し
た。前記各粉末の純度は、いずれも99.9%以上のも
のを用い、その大きさは、粒径2〜3μm程度の粉末を
用いた。なお、前記酸化アルミニウム粉末は、実施例1
と同様の中心粒径3μmの擬球状α−Al23(商品名
アドバンストアルミナ)を使用し、弗素化合物や硼素化
合物などの反応促進剤は一切使用しなかった。
【0119】
【0120】焼成炉の加熱帯の温度を、(Ba,Sr)
MgAl1017:Eu2+蛍光体に適する1700℃、C
aAl24:Eu2+,Nd3+蛍光体に適する1450
℃、Sr4Al1425:Eu2+蛍光体に適する1550
℃へと順次段階的に変化させ、それぞれ、24時間、1
2時間、12時間の焼成を行い、前記三種類の蛍光体を
連続的に製造した。図12に、実施例7における、気密
容器(焼成炉)1の加熱帯の温度履歴を実線で示す。
【0121】また、比較例5は、前記実施例4と同様の
温度変化を行う以外は、前記比較例1と同様にして行っ
た。なお、前記比較例1の結果から、従来の製造方法で
は1600℃を越える温度での焼成が不可能であること
がわかったので、比較例5では(Ba,Sr)MgAl
1017:Eu2+蛍光体の焼成温度を1600℃で行っ
た。この比較例5における加熱帯の温度履歴を、図12
に点線で示す。
【0122】前記三種類のアルミン酸塩蛍光体は、蛍光
体構成元素の性質が似ており、同一の焼成炉を用いて製
造しても、互いに悪影響を殆ど及ぼさない蛍光体であ
り、また、これらの蛍光体の最適焼成温度は、各々、1
700℃、1450℃、1550℃付近である。いずれ
のアルミン酸塩蛍光体も、現在では受注量の少ない蛍光
体であり、それぞれ別個に製造するとコストが高くな
る。また、焼成温度の最適値が各々異なるために、焼成
炉の加熱温度の上げ下げが困難な従来のアルミン酸塩蛍
光体の製造方法では、同じ焼成炉を用いて、前記各種蛍
光体全てを各最適焼成温度において製造することができ
なかった。
【0123】しかし、図12に示すように、実施例7に
よれば、焼成温度を1700℃、1450℃、1550
℃へと順次変更でき、これに伴う焼成炉の消耗・破損も
起こらず、焼成反応を完了でき、三種類の蛍光体を製造
できた。これに対して、比較例5では、焼成温度を16
00℃から1450℃に降温して、二種類目のCaAl
24:Eu2+,Nd3+蛍光体の製造が始まった時点で炉
心管が破損し、それ以上の連続焼成はできなかった。こ
のため、一種類目の(Ba,Sr)MgAl1017:E
2+蛍光体を製造できたのみであり、CaAl24:E
2+,Nd3+蛍光体およびSr4Al1425:Eu2+
光体の製造はできなかった。
【0124】このように、本発明の蛍光体の製造方法に
よれば、温度変化を容易に行うことができるため、従来
の製造方法ではできなかった。焼成温度の最適値が異な
る複種類のアルミン酸塩蛍光体を、同じ焼成炉を用いて
各々の最適焼成温度で製造することができることがわか
る。なお、グラファイト製炉心管を備えた前記実施形態
2に示す本発明の製造装置に関する実施例については省
略したが、前記実施例1〜7と同様の結果が得られた。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蛍光体の
製造方法によれば、例えば、ヒーター、耐熱材、耐熱容
器等の部材を、消耗あるいは破損させることなく、高温
条件、特に1600〜2000℃の高温条件下、還元雰
囲気中で、蛍光体を長期間、安定に焼成できる。このた
め、高輝度・高性能の蛍光体、特にアルミン酸塩蛍光体
の量産が可能である。また、焼成温度の昇降や、製造に
開始−停止を繰り返し行っても、同様に各種部材に影響
を与えないため、例えば、蛍光体の受注量にあわせて生
産効率良く、アルミン酸塩蛍光体等の蛍光体を製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体製造装置の一例を示す正面断面
図である。
【図2】前記蛍光体製造装置の上方向断面図である。
【図3】前記蛍光体製造装置の側面断面図である。
【図4】本発明の蛍光体製造装置のその他の例を示す正
面断面図である。
【図5】前記蛍光体製造装置の上方向断面図である。
【図6】前記蛍光体製造装置の側面断面図である。
【図7】本発明の製造方法の実施例における、焼成炉の
加熱帯の温度履歴を示すグラフ。
【図8】本発明の製造方法のその他の実施例における、
焼成炉の加熱帯の温度履歴を示すグラフ。
【図9】本発明の製造方法のさらにその他の実施例にお
ける、焼成炉の加熱帯の温度履歴を示すグラフ。
【図10】本発明の製造方法のさらにその他の実施例に
おける、焼成炉の加熱帯の温度履歴を示すグラフ。
【図11】本発明の製造方法のさらにその他の実施例に
おける、アルミン酸塩蛍光体の発光スペクトルを示すグ
ラフ。
【図12】本発明の製造方法のさらにその他の実施例に
おける、焼成炉の加熱帯の温度履歴を示すグラフ。
【符号の説明】 1 … 気密容器 2 … 気密容器本体 3 … グラファイトヒーター 4 … 耐熱繊維製断熱材 5 … トレイ 6 … 耐熱容器 7 … 蛍光体原料粉末 8 … レール 9 … 還元雰囲気 10 … 蓋 11 … 前室 12 … 後室 13a、b、c、d … シャッター 14a、b … バルブ 15 … グラファイト製炉心管 16 … 架台

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内壁が耐熱繊維製断熱材で覆われ、
    内部空間にはグラファイトヒーターが配置されている気
    密容器に、蛍光体原料粉末を載置した耐熱トレイを搬入
    し、還元雰囲気中で前記蛍光体原料粉末を焼成する蛍光
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記耐熱トレイを連続的に前記気密容器
    に搬入し、前記搬入した耐熱トレイごとに前記蛍光体原
    料粉末を焼成する請求項1記載の蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体原料粉末を耐熱容器に充填
    し、この耐熱容器を前記耐熱トレイに載置して前記気密
    容器に搬入する請求項1または2記載の蛍光体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記気密容器が、その内部に、さらにグ
    ラファイト製炉心管を備え、前記グラファイト製炉心管
    内部において、還元雰囲気中で前記蛍光体原料粉末を焼
    成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記耐熱繊維製断熱材が、グラファイ
    ト、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ハフニア、チ
    タニア、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化バナジウ
    ム、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、
    窒化タンタル、炭化ホウ素、炭化モリブデン、炭化シリ
    コン、炭化タングステン、炭化ハフニウム、炭化ニオ
    ブ、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ジルコニウム、ホ
    ウ化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化バナジウム、
    ホウ化タングステン、ホウ化ハフニウム、ホウ化ジルコ
    ニウム、金属ハフニウム、金属イリジウム、金属モリブ
    デン、金属ニオブ、金属タンタルおよび金属タングステ
    ンからなる群から選択された少なくとも一つの物質から
    なる繊維体から構成されている請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記気密容器が、前記耐熱トレイの搬入
    方向に沿って、その内部を貫通するレールを有してお
    り、複数個の前記耐熱トレイが前記レール上に配置さ
    れ、搬入方向において後方に位置する前記耐熱トレイに
    より、前方に位置する耐熱トレイを押すことによって移
    動させ、耐熱トレイを搬入させる請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載の蛍光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記気密容器が、前記耐熱トレイの搬入
    方向に沿って、その内部を貫通するレールを有してお
    り、前記耐熱トレイが前記レールの上に配置され、前記
    レールが搬入方向に移動することにより、前記耐熱トレ
    イを搬入させる請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍
    光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記気密容器が、金属容器である請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金属容器の材料が、ステンレス、
    鉄、アルミニウム、銅およびニッケルからなる群から選
    択された少なくとも一つの金属である請求項8記載の蛍
    光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 焼成温度が、1600〜2000℃の
    範囲である請求項1〜9のいずれか一項に記載の蛍光体
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 焼成時間が、耐熱トレイ1個あたり
    0.1〜50時間の範囲である請求項1〜10のいずれ
    か一項に記載の蛍光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記蛍光体原料粉末が、アルミニウム
    化合物を40〜90重量%の範囲で含む請求項1〜11
    のいずれか一項に記載の蛍光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記蛍光体がアルミン酸塩蛍光体であ
    る請求項1〜12のいずれか一項に記載の蛍光体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記アルミニウム化合物の形状が、所
    望の蛍光体の形状と同一形状または略同一形状である請
    求項12または13記載の蛍光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記アルミニウム化合物の形状が、球
    状、略球状、板状、六角板状、針状、粒子状および微粒
    子状からなる群から選択された少なくとも一つの形状で
    ある請求項12〜14のいずれか一項に記載の蛍光体の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 両端に開口部を有する筒状容器、グラ
    ファイトヒーターおよびレールを備え、前記両開口部の
    一方が搬入口、他方が搬出口となり、前記搬入口と前記
    搬出口とを貫通するように前記容器内部にレールが配置
    され、前記両開口部には、閉じた場合に前記容器内が気
    密状態になる開閉可能なシャッターがそれぞれ設けら
    れ、前記容器の内壁は耐熱繊維製断熱材で覆われている
    蛍光体の製造装置。
  17. 【請求項17】 前記容器内部にさらにグラファイト製
    炉心管が配置され、前記グラファイト製炉心管内部に前
    記レールが配置されている請求項16記載の蛍光体の製
    造装置。
  18. 【請求項18】 前記耐熱繊維製断熱材が、グラファイ
    ト、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ハフニア、チ
    タニア、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化バナジウ
    ム、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、
    窒化タンタル、炭化ホウ素、炭化モリブデン、炭化シリ
    コン、炭化タングステン、炭化ハフニウム、炭化ニオ
    ブ、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ジルコニウム、ホ
    ウ化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化バナジウム、
    ホウ化タングステン、ホウ化ハフニウム、ホウ化ジルコ
    ニウム、金属ハフニウム、金属イリジウム、金属モリブ
    デン、金属ニオブ、金属タンタルおよび金属タングステ
    ンからなる群から選択された少なくとも一つの物質から
    なる繊維体から構成されている請求項16または17記
    載の蛍光体の製造装置。
  19. 【請求項19】 前記搬入口に隣接して前室が配置さ
    れ、前記搬出口に隣接して後室が配置されている請求項
    16〜18のいずれか一項に記載の蛍光体の製造装置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜15のいずれか一項に記載
    の蛍光体の製造方法に使用する請求項16〜19のいず
    れか一項に記載の蛍光体の製造装置。
  21. 【請求項21】 前記蛍光体がアルミン酸塩蛍光体であ
    る請求項16〜20のいずれか一項に記載の蛍光体の製
    造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088257A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dowa Electronics Materials Co Ltd 蛍光体、蛍光体シート及び蛍光体の製造方法、並びに当該蛍光体を用いた発光装置
JP2013112739A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 希土類添加硫化物蛍光体の製造方法
KR101826174B1 (ko) * 2016-10-20 2018-03-22 (주)써모니크 복수개의 그라파이트 히터를 이용하는 연속식 초고온 열처리로

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