JP2002212333A - 抗血栓性多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents
抗血栓性多孔質膜及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 効率よく製造ができ、抗血栓性が高い疎水性
多孔質膜表面を有する抗血栓性多孔質膜及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 疎水性高分子を用いて形成された多孔質
膜の血液が接触する表面に、重量平均分子量が50万〜
150万の範囲内にある高分子量親水性高分子と、重量
平均分子量が1万〜10万の範囲内にある低分子量親水
性高分子とが、存在することを特徴とする抗血栓性多孔
質膜及びその製造方法。
多孔質膜表面を有する抗血栓性多孔質膜及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 疎水性高分子を用いて形成された多孔質
膜の血液が接触する表面に、重量平均分子量が50万〜
150万の範囲内にある高分子量親水性高分子と、重量
平均分子量が1万〜10万の範囲内にある低分子量親水
性高分子とが、存在することを特徴とする抗血栓性多孔
質膜及びその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜表面が改質され
た抗血栓性多孔質膜及びその製造方法に関し、さらに詳
細には、例えば血液浄化膜として用いることのできる膜
表面が改質されて親水性高分子の溶出が少なく、しかも
抗血栓性に優れた抗血栓性多孔質膜及びその製造方法に
関する。
た抗血栓性多孔質膜及びその製造方法に関し、さらに詳
細には、例えば血液浄化膜として用いることのできる膜
表面が改質されて親水性高分子の溶出が少なく、しかも
抗血栓性に優れた抗血栓性多孔質膜及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多孔質膜は、例えば工業分野で
は、ビール及びジュース等の飲料の濃縮及び精製並びに
水処理等に使用されている。そして、医療分野では、血
液透析療法、血液濾過療法、血液吸着療法、及び血漿交
換療法等の血液浄化療法並び生体要素を分離するバイオ
セパレータ等に使用されている。
は、ビール及びジュース等の飲料の濃縮及び精製並びに
水処理等に使用されている。そして、医療分野では、血
液透析療法、血液濾過療法、血液吸着療法、及び血漿交
換療法等の血液浄化療法並び生体要素を分離するバイオ
セパレータ等に使用されている。
【0003】血液透析療法では、多孔質膜を中空糸状に
紡糸したもの(中空糸膜という)を例えば一万本程度束
ねて、ケーシング内に装填した血液浄化装置が用いられ
ている。血液透析の際には、一般に、中空糸膜の内表面
側に血液を流し、外表面側に透析液を流し、中空糸膜を
介して血液と透析液とを接触させ、拡散により血液中の
尿毒症原因物質を濾別除去する。
紡糸したもの(中空糸膜という)を例えば一万本程度束
ねて、ケーシング内に装填した血液浄化装置が用いられ
ている。血液透析の際には、一般に、中空糸膜の内表面
側に血液を流し、外表面側に透析液を流し、中空糸膜を
介して血液と透析液とを接触させ、拡散により血液中の
尿毒症原因物質を濾別除去する。
【0004】このような中空糸膜は、セルロースに代表
される親水性膜と、ポリスルホン及びポリエステルに代
表される疎水性膜とに大別される。疎水性膜は、膜本来
の性質として機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れるだ
けでなく、生体との適合性及び物質の吸着能に優れるこ
とから、血液浄化膜として利用される。
される親水性膜と、ポリスルホン及びポリエステルに代
表される疎水性膜とに大別される。疎水性膜は、膜本来
の性質として機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れるだ
けでなく、生体との適合性及び物質の吸着能に優れるこ
とから、血液浄化膜として利用される。
【0005】ここで疎水性中空糸膜の製造方法につい
て、簡単に説明する。例えば、ポリアリレート樹脂及び
ポリスルホン樹脂を合計10〜25重量%の割合で、溶
媒、例えばN−メチルピロリドンに溶解し、疎水性膜の
製膜原液を調製する。二重管紡糸口金を用いて、この製
膜原液を内部凝固液(芯液)と共に凝固液中に吐出するこ
とにより、紡糸される。芯液及び凝固液として、樹脂を
溶解するために使用されたのと同じ種類の有機溶媒と水
とを混合した混合溶媒が用いられる。紡糸口金から押し
出して凝固液中に導入することにより中空糸膜が紡糸さ
れる。この中空糸膜は、洗浄、処理をした後、モジュー
ル化されて、血液浄化器に組み込まれる。
て、簡単に説明する。例えば、ポリアリレート樹脂及び
ポリスルホン樹脂を合計10〜25重量%の割合で、溶
媒、例えばN−メチルピロリドンに溶解し、疎水性膜の
製膜原液を調製する。二重管紡糸口金を用いて、この製
膜原液を内部凝固液(芯液)と共に凝固液中に吐出するこ
とにより、紡糸される。芯液及び凝固液として、樹脂を
溶解するために使用されたのと同じ種類の有機溶媒と水
とを混合した混合溶媒が用いられる。紡糸口金から押し
出して凝固液中に導入することにより中空糸膜が紡糸さ
れる。この中空糸膜は、洗浄、処理をした後、モジュー
ル化されて、血液浄化器に組み込まれる。
【0006】疎水性膜は、血液透析において、透析液中
に含まれる人体に悪影響を及ぼす物質例えば、エンドト
キシンを吸着するので、血液中にエンドトキシンが入り
込むことを防止できるという利点を有する。エンドトキ
シンは、透析後の発熱原因となるグラム陰性菌由来の物
質である。
に含まれる人体に悪影響を及ぼす物質例えば、エンドト
キシンを吸着するので、血液中にエンドトキシンが入り
込むことを防止できるという利点を有する。エンドトキ
シンは、透析後の発熱原因となるグラム陰性菌由来の物
質である。
【0007】一方、疎水性膜は、血液透析において、血
液中に含まれる血小板粘着及び凝集を引き起こす血漿タ
ンパク質を吸着するので、中空糸膜表面における血栓の
要因となるという欠点を有する。
液中に含まれる血小板粘着及び凝集を引き起こす血漿タ
ンパク質を吸着するので、中空糸膜表面における血栓の
要因となるという欠点を有する。
【0008】このような欠点を改善するために、製膜原
液にポリビニルピロリドン(PVP)やポリエチレング
リコールのような親水性高分子を付与し、タンパク質を
吸着しにくくすることによって、血栓形成を阻止する方
法が考えられている。しかし、この方法では、全体が親
水化されて疎水性膜のメリットがなくなってしまうこと
や、紡糸後に成形してモジュール化する時に、親水性高
分子が溶出するというデメリットもある。特開2000
−210544号公報では、分子量の異なるPVPを製
膜原液に添加し、紡糸後の洗浄工程で溶出するPVPの
量を減らす試みがなされている。しかし、最終的な膜内
のポリスルホンに対するPVP含有率は3.8重量%で
あり、後工程でPVPが溶出する可能性がある。
液にポリビニルピロリドン(PVP)やポリエチレング
リコールのような親水性高分子を付与し、タンパク質を
吸着しにくくすることによって、血栓形成を阻止する方
法が考えられている。しかし、この方法では、全体が親
水化されて疎水性膜のメリットがなくなってしまうこと
や、紡糸後に成形してモジュール化する時に、親水性高
分子が溶出するというデメリットもある。特開2000
−210544号公報では、分子量の異なるPVPを製
膜原液に添加し、紡糸後の洗浄工程で溶出するPVPの
量を減らす試みがなされている。しかし、最終的な膜内
のポリスルホンに対するPVP含有率は3.8重量%で
あり、後工程でPVPが溶出する可能性がある。
【0009】また、疎水性膜の親水化方法として、血液
接触面のみを親水化するという方法もある。その方法に
は、疎水性膜の紡糸時における芯液中にPVPを添加す
る方法や、疎水性高分子膜の表面にPVP水溶液を接触
させる方法がある(特開平11−169690)。これ
らの方法では血液接触面のみが親水化されているので、
透析液接触面は疎水性のままである。よって疎水性膜の
メリットであるエンドトキシンの吸着能は保持されてい
る。そしてこれらの方法では、製膜原液にPVPを添加
するときよりも少ない添加量で親水化することができる
ため、PVPは溶出しない。
接触面のみを親水化するという方法もある。その方法に
は、疎水性膜の紡糸時における芯液中にPVPを添加す
る方法や、疎水性高分子膜の表面にPVP水溶液を接触
させる方法がある(特開平11−169690)。これ
らの方法では血液接触面のみが親水化されているので、
透析液接触面は疎水性のままである。よって疎水性膜の
メリットであるエンドトキシンの吸着能は保持されてい
る。そしてこれらの方法では、製膜原液にPVPを添加
するときよりも少ない添加量で親水化することができる
ため、PVPは溶出しない。
【0010】しかし、親水化剤としてPVPを添加した
場合に得られる血中タンパク質の吸着や血球の粘着の抑
制効果は満足できるものではなく、より効果的な親水化
方法の開発が求められていた。
場合に得られる血中タンパク質の吸着や血球の粘着の抑
制効果は満足できるものではなく、より効果的な親水化
方法の開発が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記課題を解決することを目的とする。すなわち、PVP
の添加量を増すことなく、親水化の効果を高める親水化
方法を提供することを目的とする。
記課題を解決することを目的とする。すなわち、PVP
の添加量を増すことなく、親水化の効果を高める親水化
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、疎水性高分子を用いて形成された多孔質膜の
血液が接触する表面に、重量平均分子量が50万〜15
0万の範囲内にある高分子量親水性高分子と、重量平均
分子量が1万〜10万の範囲内にある低分子量親水性高
分子とが、存在することを特徴とする抗血栓性多孔質膜
であり、前記抗血栓性多孔質膜の好適な態様において
は、前記多孔質膜の血液が接触する表面に、前記高分子
量親水性高分子が2×10-7〜5×10-6g/cm2の
割合で、また前記低分子量親水性高分子が5×10-8〜
2×10-6g/cm2の割合で存在してなり、前記抗血
栓性多孔質膜の好適な態様においては、前記高分子量親
水性高分子及び低分子量親水性高分子が、ポリビニルピ
ロリドンであり、前記抗血栓性多孔質膜の好適な態様に
おいては、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂と
ポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であり、前記抗
血栓性多孔質膜の好適な態様においては、前記多孔質膜
本体が、その平均ポアサイズが3×10-3〜1×10-2
μmであり、前記課題を解決するための他の手段は、疎
水性高分子を用いて形成された多孔質膜の血液が接触す
る表面に、重量平均分子量が50万〜150万の範囲内
にある高分子量親水性高分子と重量平均分子量が1万〜
10万の範囲内にある低分子量親水性高分子とを含有す
る溶液を接触させることを特徴とする抗血栓性多孔質膜
の製造方法であり、前記抗血栓性多孔質膜の製造方法の
好適な態様では、前記溶液中における前記高分子量親水
性高分子と前記低分子量親水性高分子との割合が、重量
比で、2:1〜5:1であり、前記抗血栓性多孔質膜の
製造方法の好適な態様では、前記溶液における前記高分
子量親水性高分子及び前記低分子量親水性高分子の濃度
が0.01〜1.0重量%であり、前記抗血栓性多孔質
膜の製造方法の好適な態様では、前記高分子量親水性高
分子及び前記低分子量親水性高分子が、ポリビニルピロ
リドンであり、前記抗血栓性多孔質膜の製造方法の好適
な態様では、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂
とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であり、前記
抗血栓性多孔質膜の製造方法の好適な態様では、前記多
孔質膜は、その平均ポアサイズが3×10-3〜1×10
-2μmであり、前記抗血栓性多孔質膜の製造方法の好適
な態様では、前記水溶液を接触させた後の多孔質膜に放
射線を照射する。
の手段は、疎水性高分子を用いて形成された多孔質膜の
血液が接触する表面に、重量平均分子量が50万〜15
0万の範囲内にある高分子量親水性高分子と、重量平均
分子量が1万〜10万の範囲内にある低分子量親水性高
分子とが、存在することを特徴とする抗血栓性多孔質膜
であり、前記抗血栓性多孔質膜の好適な態様において
は、前記多孔質膜の血液が接触する表面に、前記高分子
量親水性高分子が2×10-7〜5×10-6g/cm2の
割合で、また前記低分子量親水性高分子が5×10-8〜
2×10-6g/cm2の割合で存在してなり、前記抗血
栓性多孔質膜の好適な態様においては、前記高分子量親
水性高分子及び低分子量親水性高分子が、ポリビニルピ
ロリドンであり、前記抗血栓性多孔質膜の好適な態様に
おいては、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂と
ポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であり、前記抗
血栓性多孔質膜の好適な態様においては、前記多孔質膜
本体が、その平均ポアサイズが3×10-3〜1×10-2
μmであり、前記課題を解決するための他の手段は、疎
水性高分子を用いて形成された多孔質膜の血液が接触す
る表面に、重量平均分子量が50万〜150万の範囲内
にある高分子量親水性高分子と重量平均分子量が1万〜
10万の範囲内にある低分子量親水性高分子とを含有す
る溶液を接触させることを特徴とする抗血栓性多孔質膜
の製造方法であり、前記抗血栓性多孔質膜の製造方法の
好適な態様では、前記溶液中における前記高分子量親水
性高分子と前記低分子量親水性高分子との割合が、重量
比で、2:1〜5:1であり、前記抗血栓性多孔質膜の
製造方法の好適な態様では、前記溶液における前記高分
子量親水性高分子及び前記低分子量親水性高分子の濃度
が0.01〜1.0重量%であり、前記抗血栓性多孔質
膜の製造方法の好適な態様では、前記高分子量親水性高
分子及び前記低分子量親水性高分子が、ポリビニルピロ
リドンであり、前記抗血栓性多孔質膜の製造方法の好適
な態様では、前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹脂
とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であり、前記
抗血栓性多孔質膜の製造方法の好適な態様では、前記多
孔質膜は、その平均ポアサイズが3×10-3〜1×10
-2μmであり、前記抗血栓性多孔質膜の製造方法の好適
な態様では、前記水溶液を接触させた後の多孔質膜に放
射線を照射する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る抗血栓性多孔質膜
は、疎水性高分子を用いて形成された多孔質膜を素材と
する。
は、疎水性高分子を用いて形成された多孔質膜を素材と
する。
【0014】前記疎水性高分子としては、たとえば、ポ
リエステル系樹脂、及びポリスルホン系樹脂を挙げるこ
とができる。これらはその一種を使用しても良く、また
二種以上を併用してもよい。ポリエステル系樹脂として
は、例えば、下記の式1で表される繰り返し単位を有す
るポリアリレート樹脂を挙げることができ、ポリスルホ
ン系樹脂としては、下記の式2〜式5で表される繰り返
し単位の少なくともいずれかを有するポリエーテルスル
ホン樹脂を挙げることができる。
リエステル系樹脂、及びポリスルホン系樹脂を挙げるこ
とができる。これらはその一種を使用しても良く、また
二種以上を併用してもよい。ポリエステル系樹脂として
は、例えば、下記の式1で表される繰り返し単位を有す
るポリアリレート樹脂を挙げることができ、ポリスルホ
ン系樹脂としては、下記の式2〜式5で表される繰り返
し単位の少なくともいずれかを有するポリエーテルスル
ホン樹脂を挙げることができる。
【0015】
【化1】 ただし、式中、R1及びR2は炭素数が1〜5の低級アル
キル基である。R1及びR2は互いに同一であっても良
く、あるいは相違していても良い。R1及びR2として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、及びペンチル基を挙げることができる。この発明に
おいては、R1及びR2がメチル基であるのが好ましい。
キル基である。R1及びR2は互いに同一であっても良
く、あるいは相違していても良い。R1及びR2として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、及びペンチル基を挙げることができる。この発明に
おいては、R1及びR2がメチル基であるのが好ましい。
【0016】
【化2】 ただし、式中、R3及びR4は炭素数が1〜5の低級アル
キル基である。R3及びR4は互いに同一であっても良
く、あるいは相違していても良い。R3及びR4として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基を挙げることができる。この発明におい
ては、R3及びR4がメチル基であるのが好ましい。
キル基である。R3及びR4は互いに同一であっても良
く、あるいは相違していても良い。R3及びR4として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基を挙げることができる。この発明におい
ては、R3及びR4がメチル基であるのが好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】中でもポリアリレート樹脂とポリエーテル
スルホン樹脂とを組み合わせたものが特に好ましい。
スルホン樹脂とを組み合わせたものが特に好ましい。
【0021】前記疎水性高分子で形成された多孔質膜自
体は公知である。本発明における多孔質膜の形態として
は例えば中空糸膜又は平膜を挙げることができる。好ま
しい多孔質膜は中空糸膜である。
体は公知である。本発明における多孔質膜の形態として
は例えば中空糸膜又は平膜を挙げることができる。好ま
しい多孔質膜は中空糸膜である。
【0022】前記疎水性高分子を用いて形成された多孔
質膜である中空糸膜は、内側に緻密層が形成され、この
緻密層の外側を覆うように多孔質層が形成されている。
緻密層は、この中空糸膜において、物質の選択透過性及
び透過速度を規定する部位であり、孔直径(平均ポアサ
イズ)30Å〜100Å(3×10-3〜1×10-2μ
m)程度の孔が形成されている。また、多孔質層は、緻
密層を支持すると同時に膜の強度を保つ支持層として機
能し、緻密層よりもかなり粗い孔が形成されている。
質膜である中空糸膜は、内側に緻密層が形成され、この
緻密層の外側を覆うように多孔質層が形成されている。
緻密層は、この中空糸膜において、物質の選択透過性及
び透過速度を規定する部位であり、孔直径(平均ポアサ
イズ)30Å〜100Å(3×10-3〜1×10-2μ
m)程度の孔が形成されている。また、多孔質層は、緻
密層を支持すると同時に膜の強度を保つ支持層として機
能し、緻密層よりもかなり粗い孔が形成されている。
【0023】本発明に係る抗血栓性多孔質膜は、多孔質
膜における血液が接触する表面に、高分子量親水性高分
子と低分子量親水性高分子とが存在する。もっとも、抗
血栓性多孔質膜において血液が接触しない表面にも、前
記高分子量親水性高分子と低分子量親水性高分子とが存
在しても、本発明の目的は阻害されることはない。
膜における血液が接触する表面に、高分子量親水性高分
子と低分子量親水性高分子とが存在する。もっとも、抗
血栓性多孔質膜において血液が接触しない表面にも、前
記高分子量親水性高分子と低分子量親水性高分子とが存
在しても、本発明の目的は阻害されることはない。
【0024】抗血栓性多孔質膜が中空糸膜である場合
に、その中空内部に血液を流通させるときには、中空糸
膜の内表面に前記二種の高分子が存在する。また中空糸
膜の外周面に血液が接触するときには、中空糸膜の外表
面に前記二種の高分子が存在することになる。抗血栓性
多抗質膜が平膜であるときには、血液の接触する表面に
前記二種の高分子が存在する。
に、その中空内部に血液を流通させるときには、中空糸
膜の内表面に前記二種の高分子が存在する。また中空糸
膜の外周面に血液が接触するときには、中空糸膜の外表
面に前記二種の高分子が存在することになる。抗血栓性
多抗質膜が平膜であるときには、血液の接触する表面に
前記二種の高分子が存在する。
【0025】二種の高分子の内、高分子量親水性高分子
は、その分子量、即ち重量平均分子量が、50万〜15
0万であることが好ましい。高分子量親水性高分子の重
量平均分子量が前記上限値を超えると、本発明の目的を
達成することができず、具体的には、高分子量親水性高
分子を溶媒である芯液に溶解する際に溶解しにくくなる
という不都合がある。また高分子量親水性高分子の分子
量が前記下限値を下回ると、本発明の目的を達成するこ
とができず、具体的には、後述するように、低分子量親
水性高分子との関係から抗血栓性が発揮できないという
不都合がある。
は、その分子量、即ち重量平均分子量が、50万〜15
0万であることが好ましい。高分子量親水性高分子の重
量平均分子量が前記上限値を超えると、本発明の目的を
達成することができず、具体的には、高分子量親水性高
分子を溶媒である芯液に溶解する際に溶解しにくくなる
という不都合がある。また高分子量親水性高分子の分子
量が前記下限値を下回ると、本発明の目的を達成するこ
とができず、具体的には、後述するように、低分子量親
水性高分子との関係から抗血栓性が発揮できないという
不都合がある。
【0026】前記分子量を有する高分子量親水性高分子
としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ
ール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレング
リコールの共重合体、及びポリアクリルアミドから成る
群から選択される高分子量親水性高分子を挙げることが
できる。これらの高分子量親水性高分子を1種または2
種以上使用することができる。これらの中でも好ましい
高分子量親水性高分子は、ポリビニルピロリドンであ
る。このポリビニルピロリドンは、市販品を使用するこ
とができる。
としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ
ール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピレング
リコールの共重合体、及びポリアクリルアミドから成る
群から選択される高分子量親水性高分子を挙げることが
できる。これらの高分子量親水性高分子を1種または2
種以上使用することができる。これらの中でも好ましい
高分子量親水性高分子は、ポリビニルピロリドンであ
る。このポリビニルピロリドンは、市販品を使用するこ
とができる。
【0027】市販品であるポリビニルピロリドンは、分
子量毎に、いくつかのグレードに分かれており、例えば
BASF製のポリビニルピロリドンは、重量平均分子量
45,000のK−30、重量平均分子量1,200,
000のK−90の他、重量平均分子量29000のK
−25、及び重量平均分子量10000のK−15があ
る。したがって、高分子量親水性高分子として市販品を
使用する場合、K−90のポリビニルピロリドンが採用
される。
子量毎に、いくつかのグレードに分かれており、例えば
BASF製のポリビニルピロリドンは、重量平均分子量
45,000のK−30、重量平均分子量1,200,
000のK−90の他、重量平均分子量29000のK
−25、及び重量平均分子量10000のK−15があ
る。したがって、高分子量親水性高分子として市販品を
使用する場合、K−90のポリビニルピロリドンが採用
される。
【0028】二種の高分子の内、低分子量親水性高分子
は、その分子量、即ち重量平均分子量が、1万〜10万
であることが好ましい。低分子量親水性高分子の分子量
が前記上限値を超えると、本発明の目的を達成すること
ができず、具体的には、後述するように、高分子量親水
性高分子との関係から抗血栓性が発揮できなくなり、不
都合である。また低分子量親水性高分子の分子量が前記
下限値を下回ると、本発明の目的を達成することができ
ず、具体的には、低分子量親水性高分子が脱着しやす
く、中空糸内表面側に溶出することとなり不都合であ
る。
は、その分子量、即ち重量平均分子量が、1万〜10万
であることが好ましい。低分子量親水性高分子の分子量
が前記上限値を超えると、本発明の目的を達成すること
ができず、具体的には、後述するように、高分子量親水
性高分子との関係から抗血栓性が発揮できなくなり、不
都合である。また低分子量親水性高分子の分子量が前記
下限値を下回ると、本発明の目的を達成することができ
ず、具体的には、低分子量親水性高分子が脱着しやす
く、中空糸内表面側に溶出することとなり不都合であ
る。
【0029】前記分子量を有する低分子量親水性高分子
としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリエチレン
グリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピ
レングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドか
ら成る群から選択される親水性高分子を挙げることがで
きる。これらの低分子量親水性高分子を1種または2種
以上使用することができる。これらの中でも好ましい低
分子量親水性高分子は、ポリビニルピロリドンである。
このポリビニルピロリドンは、市販品を使用することが
できる。
としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリエチレン
グリコール、ポリグリコールモノエステル、ポリプロピ
レングリコールの共重合体、及びポリアクリルアミドか
ら成る群から選択される親水性高分子を挙げることがで
きる。これらの低分子量親水性高分子を1種または2種
以上使用することができる。これらの中でも好ましい低
分子量親水性高分子は、ポリビニルピロリドンである。
このポリビニルピロリドンは、市販品を使用することが
できる。
【0030】市販品であるポリビニルピロリドンを使用
する場合、K−30及びK−90のポリビニルピロリド
ンが採用される。
する場合、K−30及びK−90のポリビニルピロリド
ンが採用される。
【0031】多孔質膜の表面に存在する前記高分子量親
水性高分子及び前記低分子量親水性高分子の量は、それ
ぞれ2×10-7〜5×10-6g/cm2、5×10-8〜
2×10-6g/cm2であり、この2つの親水性高分子
の総量は、通常2.5×10- 7〜7×10-6g/c
m2、好ましくは5×10-7〜2×10-6g/cm2であ
る。多孔質膜の表面に存在する前記高分子量親水性高分
子及び前記低分子量親水性高分子の総量が前記範囲外に
あっても一応本願発明の目的を達成することができるも
のの、総量が上記上限値を超えると中空糸内表面からポ
リビニルピロリドンの溶出が起こるという不都合を生じ
ることがあり、総量が上記下限値を下回ると親水化の効
果が少ないため、血液中の凝固成分が中空糸内表面に付
着し、この凝固成分により、中空糸の透過能が、血液成
分が付着しない時より短時間で低下すると言う不都合を
生じることがある。
水性高分子及び前記低分子量親水性高分子の量は、それ
ぞれ2×10-7〜5×10-6g/cm2、5×10-8〜
2×10-6g/cm2であり、この2つの親水性高分子
の総量は、通常2.5×10- 7〜7×10-6g/c
m2、好ましくは5×10-7〜2×10-6g/cm2であ
る。多孔質膜の表面に存在する前記高分子量親水性高分
子及び前記低分子量親水性高分子の総量が前記範囲外に
あっても一応本願発明の目的を達成することができるも
のの、総量が上記上限値を超えると中空糸内表面からポ
リビニルピロリドンの溶出が起こるという不都合を生じ
ることがあり、総量が上記下限値を下回ると親水化の効
果が少ないため、血液中の凝固成分が中空糸内表面に付
着し、この凝固成分により、中空糸の透過能が、血液成
分が付着しない時より短時間で低下すると言う不都合を
生じることがある。
【0032】前記多孔質膜の表面に存在させる高分子量
親水性高分子と低分子量親水性高分子との割合は、重量
比(高分子量親水性高分子:低分子量親水性高分子)で
2:1〜5:1であり、好ましくは2.5:1〜4:1
である。高分子量親水性高分子と低分子量親水性高分子
とが共存する限り本発明の目的を達成することができる
のであるが、前記重量比の範囲外であると抗血栓性が低
下することがあるので好ましくない。本発明において特
筆するべきことは、多孔質膜の表面に高分子量親水性高
分子及び低分子量親水性高分子のいずれかしか存在しな
いときには抗血栓性がある程度しか改善されないけれ
ど、多孔質膜の表面に高分子量親水性高分子と低分子量
親水性高分子との両方が併存すると、高分子量親水性高
分子又は低分子量親水性高分子が単独で存在するときよ
りもはるかに抗血栓性が向上することである。このよう
なことは、予想外の現象である。
親水性高分子と低分子量親水性高分子との割合は、重量
比(高分子量親水性高分子:低分子量親水性高分子)で
2:1〜5:1であり、好ましくは2.5:1〜4:1
である。高分子量親水性高分子と低分子量親水性高分子
とが共存する限り本発明の目的を達成することができる
のであるが、前記重量比の範囲外であると抗血栓性が低
下することがあるので好ましくない。本発明において特
筆するべきことは、多孔質膜の表面に高分子量親水性高
分子及び低分子量親水性高分子のいずれかしか存在しな
いときには抗血栓性がある程度しか改善されないけれ
ど、多孔質膜の表面に高分子量親水性高分子と低分子量
親水性高分子との両方が併存すると、高分子量親水性高
分子又は低分子量親水性高分子が単独で存在するときよ
りもはるかに抗血栓性が向上することである。このよう
なことは、予想外の現象である。
【0033】多孔質膜の表面に前記高分子量親水性高分
子及び低分子量親水性高分子を併存させる方法は、多孔
質膜が中空糸膜及び平膜のいずれであるかにより決定さ
れる。
子及び低分子量親水性高分子を併存させる方法は、多孔
質膜が中空糸膜及び平膜のいずれであるかにより決定さ
れる。
【0034】多孔質膜が中空糸膜であり、しかも中空糸
膜の中空内表面に高分子量親水性高分子及び低分子量親
水性高分子を併存させる方法としては、例えば(1)疎
水性高分子を主成分とする製膜原液と前記高分子量親水
性高分子及び低分子量親水性高分子を含有する溶液であ
る芯液とを二重口金から凝固液中に吐出する方法、
(2)疎水性高分子を主成分とする製膜原液と前記高分
子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有しな
い公知の芯液とを二重口金から凝固液中に吐出すること
により得られる中空糸膜を束ねて、その中空糸膜の内部
に、前記高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分
子の溶液例えば水溶液を流通させる方法、(3)高分子
量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有しない
公知の芯液を使用して製造された中空糸膜を、前記高分
子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有する
溶液例えば水溶液に浸漬する方法を挙げることができ
る。前記第3の方法(3)を採用すると、中空糸膜の内
表面及び外部表面に、高分子量親水性高分子及び低分子
量親水性高分子を併存させることができる。
膜の中空内表面に高分子量親水性高分子及び低分子量親
水性高分子を併存させる方法としては、例えば(1)疎
水性高分子を主成分とする製膜原液と前記高分子量親水
性高分子及び低分子量親水性高分子を含有する溶液であ
る芯液とを二重口金から凝固液中に吐出する方法、
(2)疎水性高分子を主成分とする製膜原液と前記高分
子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有しな
い公知の芯液とを二重口金から凝固液中に吐出すること
により得られる中空糸膜を束ねて、その中空糸膜の内部
に、前記高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分
子の溶液例えば水溶液を流通させる方法、(3)高分子
量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有しない
公知の芯液を使用して製造された中空糸膜を、前記高分
子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有する
溶液例えば水溶液に浸漬する方法を挙げることができ
る。前記第3の方法(3)を採用すると、中空糸膜の内
表面及び外部表面に、高分子量親水性高分子及び低分子
量親水性高分子を併存させることができる。
【0035】多孔質膜である中空糸膜の外表面に高分子
量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を併存させる
方法としては、例えば高分子量親水性高分子及び低分子
量親水性高分子を含有しない公知の芯液を使用して製造
された中空糸膜を、前記高分子量親水性高分子及び低分
子量親水性高分子を含有する溶液例えば水溶液に浸漬す
る方法を挙げることができる。
量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を併存させる
方法としては、例えば高分子量親水性高分子及び低分子
量親水性高分子を含有しない公知の芯液を使用して製造
された中空糸膜を、前記高分子量親水性高分子及び低分
子量親水性高分子を含有する溶液例えば水溶液に浸漬す
る方法を挙げることができる。
【0036】多孔質膜である平膜の片面に高分子量親水
性高分子及び低分子量親水性高分子を併存させる方法と
しては、例えば疎水性高分子を主たる素材として形成さ
れた平膜状多孔質膜の片面に、前記高分子量親水性高分
子及び低分子量親水性高分子を含有する溶液例えば水溶
液を流延する方法、並びに前記平膜状多孔質膜を、前記
高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有
する溶液例えば水溶液に、浸漬する方法を挙げることが
できる。
性高分子及び低分子量親水性高分子を併存させる方法と
しては、例えば疎水性高分子を主たる素材として形成さ
れた平膜状多孔質膜の片面に、前記高分子量親水性高分
子及び低分子量親水性高分子を含有する溶液例えば水溶
液を流延する方法、並びに前記平膜状多孔質膜を、前記
高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を含有
する溶液例えば水溶液に、浸漬する方法を挙げることが
できる。
【0037】次に中空糸膜の内表面に、高分子量親水性
高分子及び低分子量親水性高分子を併存させる方法を、
更に詳述する。
高分子及び低分子量親水性高分子を併存させる方法を、
更に詳述する。
【0038】まず、疎水性高分子を主たる原料とする製
膜原液を調製する。製膜原液は、既述した疎水性高分子
を有機溶媒に溶解して成る。
膜原液を調製する。製膜原液は、既述した疎水性高分子
を有機溶媒に溶解して成る。
【0039】前記有機溶媒としては、例えば、N−メチ
ルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが用いられ
る。これらの中でN−メチルピロリドンが特に好まし
い。好適な製膜原液は、前記有機溶媒に10〜25重量
%のポリエステル系樹脂又はポリスルホン系樹脂を溶解
してなる。
ルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが用いられ
る。これらの中でN−メチルピロリドンが特に好まし
い。好適な製膜原液は、前記有機溶媒に10〜25重量
%のポリエステル系樹脂又はポリスルホン系樹脂を溶解
してなる。
【0040】この製膜原液を二重管紡糸口金を用いて芯
液とともに凝固液中に吐出することにより、中空糸膜が
製造される。ここで、芯液及び凝固液は、製造原液を中
空糸膜に成形するためのものである。芯液及び凝固液
は、水単独でもよいが、製膜原液を調製するのに使用さ
れたのと同じ種類の有機溶媒と水とを混合してなる混合
溶液が好ましい。このような混合溶液を採用すると、得
られる中空糸膜に均一なフイブリル構造が形成されやす
いからである。
液とともに凝固液中に吐出することにより、中空糸膜が
製造される。ここで、芯液及び凝固液は、製造原液を中
空糸膜に成形するためのものである。芯液及び凝固液
は、水単独でもよいが、製膜原液を調製するのに使用さ
れたのと同じ種類の有機溶媒と水とを混合してなる混合
溶液が好ましい。このような混合溶液を採用すると、得
られる中空糸膜に均一なフイブリル構造が形成されやす
いからである。
【0041】さらに、芯液は、高分子量親水性高分子及
び低分子量親水性高分子からなる親水性高分子が添加さ
れて所定濃度に調製される。この親水性高分子は、中空
糸膜の内表面に親水性を付与し、中空糸膜の凝固時にお
いて、この中空糸膜の内表面に付着、保持される。
び低分子量親水性高分子からなる親水性高分子が添加さ
れて所定濃度に調製される。この親水性高分子は、中空
糸膜の内表面に親水性を付与し、中空糸膜の凝固時にお
いて、この中空糸膜の内表面に付着、保持される。
【0042】芯液を調製するために添加されるところ
の、それぞれの親水性高分子の添加量は、親水性高分子
の種類及びグレードにより適宜に、変化する。高分子量
親水性高分子及び低分子量親水性高分子の全添加量は、
芯液の粘度が高くなって、中空糸膜の製造に支障のでな
い量を上限とする。芯液の粘度、得られた中空糸膜の抗
血栓性を考慮すると、芯液における高分子量親水性高分
子及び低分子量親水性高分子の濃度が、0.01〜2.
0重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%となるよ
うに、芯液における高分子量親水性高分子及び低分子量
親水性高分子の添加量が適宜に決定される。
の、それぞれの親水性高分子の添加量は、親水性高分子
の種類及びグレードにより適宜に、変化する。高分子量
親水性高分子及び低分子量親水性高分子の全添加量は、
芯液の粘度が高くなって、中空糸膜の製造に支障のでな
い量を上限とする。芯液の粘度、得られた中空糸膜の抗
血栓性を考慮すると、芯液における高分子量親水性高分
子及び低分子量親水性高分子の濃度が、0.01〜2.
0重量%、好ましくは0.05〜1.5重量%となるよ
うに、芯液における高分子量親水性高分子及び低分子量
親水性高分子の添加量が適宜に決定される。
【0043】添加する高分子量親水性高分子と低分子量
親水性高分子との比率は、主に、得られる中空糸膜の抗
血栓性の向上を考慮すると、2:1〜5:1が望まし
く、2.5:1〜4:1が特に望ましい。
親水性高分子との比率は、主に、得られる中空糸膜の抗
血栓性の向上を考慮すると、2:1〜5:1が望まし
く、2.5:1〜4:1が特に望ましい。
【0044】こうして得られた中空糸膜は、外表面から
断面方向に均一なフィルブリル構造を有し、内表面に
は、外表面に比べて微細な緻密層が形成された非対象構
造を有する。この緻密層が物質の選択透過性及び透過速
度を規定する部分であり、一般に直径30Å〜100Å
(3×10-3〜1×10-2μm)の孔が形成されてい
る。外表面のフィルブリル構造部分は、緻密層よりも大
きい孔が形成されている。
断面方向に均一なフィルブリル構造を有し、内表面に
は、外表面に比べて微細な緻密層が形成された非対象構
造を有する。この緻密層が物質の選択透過性及び透過速
度を規定する部分であり、一般に直径30Å〜100Å
(3×10-3〜1×10-2μm)の孔が形成されてい
る。外表面のフィルブリル構造部分は、緻密層よりも大
きい孔が形成されている。
【0045】そして、芯液中に存在する高分子量親水性
高分子及び低分子量親水性高分子が、膜の凝固過程で緻
密層に保持されると考えられる。
高分子及び低分子量親水性高分子が、膜の凝固過程で緻
密層に保持されると考えられる。
【0046】前述したように、本発明において、単独で
高分子量親水性高分子を付着させた場合及び単独で低分
子量親水性高分子を付着させた場合に比べて、両者を同
時に付着させた場合の方が、抗血栓性が高くなる理由と
しては、次の仮定ができる。本来、低分子量親水性高分
子の方が、高分子量親水性高分子よりも抗血栓性が高い
のであるが、分子自体が小さく、分子自体の吸着力が弱
いことから、中空糸膜を透過したり、膜の内部に保持さ
れ、内表面の抗血栓性に影響しにくい。高分子量親水性
高分子と一緒に付着させることで、高分子量親水性高分
子の表面に低分子量親水性高分子が吸着、保持されるこ
とで、中空膜を透過することなく、また、膜内部に保持
されにくくなる。このため、内部表面に存在する低分子
量親水性高分子が増加し、抗血栓性が高くなると仮定で
きる。
高分子量親水性高分子を付着させた場合及び単独で低分
子量親水性高分子を付着させた場合に比べて、両者を同
時に付着させた場合の方が、抗血栓性が高くなる理由と
しては、次の仮定ができる。本来、低分子量親水性高分
子の方が、高分子量親水性高分子よりも抗血栓性が高い
のであるが、分子自体が小さく、分子自体の吸着力が弱
いことから、中空糸膜を透過したり、膜の内部に保持さ
れ、内表面の抗血栓性に影響しにくい。高分子量親水性
高分子と一緒に付着させることで、高分子量親水性高分
子の表面に低分子量親水性高分子が吸着、保持されるこ
とで、中空膜を透過することなく、また、膜内部に保持
されにくくなる。このため、内部表面に存在する低分子
量親水性高分子が増加し、抗血栓性が高くなると仮定で
きる。
【0047】こうして、紡糸した中空糸膜を、有機溶媒
を除去するために水洗し、その後、乾燥して中空糸膜を
得る。このようにして得られた中空糸膜は、その内表面
に高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子が併
存状態となって保持されている。さらに、この高分子量
親水性高分子及び低分子量親水性高分子は、内表面から
外表面に向かって透過しないので、外表面には、中空糸
膜本来の疎水性が残っている。すなわち、中空糸膜は、
外表面の疎水性を維持しながら、内表面に親水性が付与
されており、外表面は、人体に悪影響を及ぼす物質の一
種であるエンドトキシンの吸着性に優れ、内表面は、抗
血栓性に優れるという表面毎に特性の異なる膜となって
いる。
を除去するために水洗し、その後、乾燥して中空糸膜を
得る。このようにして得られた中空糸膜は、その内表面
に高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子が併
存状態となって保持されている。さらに、この高分子量
親水性高分子及び低分子量親水性高分子は、内表面から
外表面に向かって透過しないので、外表面には、中空糸
膜本来の疎水性が残っている。すなわち、中空糸膜は、
外表面の疎水性を維持しながら、内表面に親水性が付与
されており、外表面は、人体に悪影響を及ぼす物質の一
種であるエンドトキシンの吸着性に優れ、内表面は、抗
血栓性に優れるという表面毎に特性の異なる膜となって
いる。
【0048】さらに、表面に付着保持された高分子量親
水性高分子及び低分子量親水性高分子の定着性を向上さ
せるために放射線例えばガンマ線及び電子線を照射し
て、これら二種の親水性高分子を不溶化させてもよい。
水性高分子及び低分子量親水性高分子の定着性を向上さ
せるために放射線例えばガンマ線及び電子線を照射し
て、これら二種の親水性高分子を不溶化させてもよい。
【0049】そして、この中空糸膜を血液浄化療法に使
用する場合は、血液浄化器を作成する。まず、中空糸膜
は例えば一万本程を束にするバンドル化処理がなされ
る。このとき、中空糸膜は、円筒状のケーシングの内径
に合った外径に調製される。
用する場合は、血液浄化器を作成する。まず、中空糸膜
は例えば一万本程を束にするバンドル化処理がなされ
る。このとき、中空糸膜は、円筒状のケーシングの内径
に合った外径に調製される。
【0050】次に、この中空糸膜をケーシング内に装填
し、ポッティングを行ってモジュール化する。ポッティ
ング工程においては、ケーシングの内部空間の両端面に
シーリング材を封止し、シーリング材が硬化したなら
ば、ケーシング端部より外側にはみ出した部分の中空糸
の束およびシーリング材をケーシングの開口部と同一平
面になるように切断する。これによりケーシング内に中
空糸束が装填されたモジュールが作成される。
し、ポッティングを行ってモジュール化する。ポッティ
ング工程においては、ケーシングの内部空間の両端面に
シーリング材を封止し、シーリング材が硬化したなら
ば、ケーシング端部より外側にはみ出した部分の中空糸
の束およびシーリング材をケーシングの開口部と同一平
面になるように切断する。これによりケーシング内に中
空糸束が装填されたモジュールが作成される。
【0051】上記した中空糸膜の製造方法では、芯液に
高分子量及び低分子量の親水性高分子が含有されている
ので、膜製造工程において凝固液中に低分子量の親水性
高分子が漏出したり、膜形成後に親水性高分子が溶出し
たりすることがなく、芯液中の粘度が高くなりすぎず、
容易に効率よく製造することができる。
高分子量及び低分子量の親水性高分子が含有されている
ので、膜製造工程において凝固液中に低分子量の親水性
高分子が漏出したり、膜形成後に親水性高分子が溶出し
たりすることがなく、芯液中の粘度が高くなりすぎず、
容易に効率よく製造することができる。
【0052】
【実施例】次に本発明の実施例を示して、本発明を更に
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0053】(実施例1)N−メチルピロリドン中にポリ
アリレート樹脂((株)ユニチカ製、商品名Uポリマ
ー)とポリエーテルスルホン樹脂(住友化学(株)製、商
品名スミカエクセルPES)とをそれぞれ7.5重量%
となるように溶解し、製膜原液とした。また、N−メチ
ルピロリドンの50%水溶液をそれぞれ、芯液及び凝固
液とした。さらに、この芯液に、ポリビニルピロリドン
が液中濃度の0.1%となるようにK−90:K−30
を75:25の割合で添加した。
アリレート樹脂((株)ユニチカ製、商品名Uポリマ
ー)とポリエーテルスルホン樹脂(住友化学(株)製、商
品名スミカエクセルPES)とをそれぞれ7.5重量%
となるように溶解し、製膜原液とした。また、N−メチ
ルピロリドンの50%水溶液をそれぞれ、芯液及び凝固
液とした。さらに、この芯液に、ポリビニルピロリドン
が液中濃度の0.1%となるようにK−90:K−30
を75:25の割合で添加した。
【0054】ここで、K−90は、重量平均分子量11
00,000のBASF社製ポリビニルピロリドン(商
品名コリドンK−90)であり、K−30は、重量平均
分子量4,5000のBASF社製ポリビニルピロリド
ン(商品名コリドンK−30)である。そして、製膜原
液を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中へ吐
出して中空糸膜を作成した。
00,000のBASF社製ポリビニルピロリドン(商
品名コリドンK−90)であり、K−30は、重量平均
分子量4,5000のBASF社製ポリビニルピロリド
ン(商品名コリドンK−30)である。そして、製膜原
液を二重管紡糸口金を用いて芯液とともに凝固液中へ吐
出して中空糸膜を作成した。
【0055】(比較例1)芯液に、液中濃度が0.1%と
なるようにK−90のみを添加した点を除き、実施例1
と同様に中空糸膜を作成した。
なるようにK−90のみを添加した点を除き、実施例1
と同様に中空糸膜を作成した。
【0056】(比較例2)芯液に、液中濃度が0.1%
となるようにK−30のみを添加した点を除き、実施例
1と同様に中空糸膜を作成した。
となるようにK−30のみを添加した点を除き、実施例
1と同様に中空糸膜を作成した。
【0057】実施例1、比較例1及び比較例2で作成し
た中空糸膜について、この中空糸膜をバンドル化して中
空糸束とし、中空糸束を円筒状のケーシング内に装填
し、ウレタン系樹脂の一種であるポリウレタン樹脂にて
端部を接着してモジュール化し、このモジュールの両端
部に血液ポートを接続して、膜面積0.01m2の血液
浄化器を作成した。
た中空糸膜について、この中空糸膜をバンドル化して中
空糸束とし、中空糸束を円筒状のケーシング内に装填
し、ウレタン系樹脂の一種であるポリウレタン樹脂にて
端部を接着してモジュール化し、このモジュールの両端
部に血液ポートを接続して、膜面積0.01m2の血液
浄化器を作成した。
【0058】これらの血液浄化器について、血液ポート
から血液サンプルを流速2.5ml/minで5分間流
した後、モジュールを解体し、中空糸膜に吸着した血小
板の個数をSEM写真で計数した。その結果を図1に示
す。
から血液サンプルを流速2.5ml/minで5分間流
した後、モジュールを解体し、中空糸膜に吸着した血小
板の個数をSEM写真で計数した。その結果を図1に示
す。
【0059】K−90、K−30をそれぞれ単独で添加
した芯液を用いて形成した血液浄化膜に比べて、K−9
0を75%、K−30を25%の割合で添加した芯液を
用いて形成した血液浄化膜の方が血小板吸着量が少なか
った。K−90、K−30単独の場合よりもK−90:
K−30=3:1の割合で混合したPVP水溶液を芯液
として親水化処理を行う方がより抗血栓性が向上する。
した芯液を用いて形成した血液浄化膜に比べて、K−9
0を75%、K−30を25%の割合で添加した芯液を
用いて形成した血液浄化膜の方が血小板吸着量が少なか
った。K−90、K−30単独の場合よりもK−90:
K−30=3:1の割合で混合したPVP水溶液を芯液
として親水化処理を行う方がより抗血栓性が向上する。
【0060】
【発明の効果】この発明に係る抗血栓性多孔質膜は、疎
水性高分子からなる多孔質膜の表面に高分子量及び低分
子量の親水性高分子が付着保持されているので、高分子
量の親水性高分子、低分子量の親水性高分子をそれぞれ
単独に付着保持する場合に比べて、多孔質膜表面の抗血
栓性が向上する。
水性高分子からなる多孔質膜の表面に高分子量及び低分
子量の親水性高分子が付着保持されているので、高分子
量の親水性高分子、低分子量の親水性高分子をそれぞれ
単独に付着保持する場合に比べて、多孔質膜表面の抗血
栓性が向上する。
【0061】この発明に係る方法は、多孔質膜の表面
に、高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を
含有する溶液を接触させるので、抗血栓性に優れた抗血
栓性多抗質膜を容易に製造することができる。
に、高分子量親水性高分子及び低分子量親水性高分子を
含有する溶液を接触させるので、抗血栓性に優れた抗血
栓性多抗質膜を容易に製造することができる。
【図1】図1はポリビニルピロリドン配合比と血小板吸
着量との関係を示すグラフである。
着量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/68 C08L 101:00 // C08L 101:00 A61L 33/00 B C P Fターム(参考) 4C077 AA05 AA12 BB01 BB02 BB03 KK04 KK11 LL02 LL05 LL13 LL17 LL23 MM04 MM07 MM09 NN02 PP07 PP09 PP10 PP12 PP13 PP15 PP19 PP21 4C081 AC15 BA03 BB02 BC02 CA062 CA161 CA181 CA281 CB011 CB012 CC06 DA03 DA06 DB03 DB06 DB07 DC03 DC04 DC05 DC06 EA02 EA06 EA14 4D006 GA06 GA07 GA13 MA01 MA22 MB09 MB10 MB19 MC40X MC48X MC62X MC63X MC85 MC88 NA10 NA12 NA25 NA32 PB09 PC41 PC44 PC47 4F074 AA54 AA65 AA87 AB01 CA01 CC02Y CE15 CE43 CE84 CE98 DA53
Claims (12)
- 【請求項1】 疎水性高分子を用いて形成された多孔質
膜の血液が接触する表面に、重量平均分子量が50万〜
150万の範囲内にある高分子量親水性高分子と、重量
平均分子量が1万〜10万の範囲内にある低分子量親水
性高分子とが、存在することを特徴とする抗血栓性多孔
質膜。 - 【請求項2】 前記多孔質膜の血液が接触する表面に、
前記高分子量親水性高分子が2×10-7〜5×10-6g
/cm2の割合で、また前記低分子量親水性高分子が5
×10-8〜2×10-6g/cm2の割合で存在してなる
前記請求項1に記載の抗血栓性多孔質膜。 - 【請求項3】 前記高分子量親水性高分子及び低分子量
親水性高分子が、ポリビニルピロリドンであることを特
徴とする請求項1又は2に記載の抗血栓性多孔質膜。 - 【請求項4】 前記疎水性高分子が、ポリエステル系樹
脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗血
栓性多孔質膜。 - 【請求項5】 前記多孔質膜は、その平均ポアサイズが
3×10-3〜1×10-2μmである前記請求項1〜4の
いずれか一項に記載の抗血栓性多孔質膜。 - 【請求項6】 疎水性高分子を用いて形成された多孔質
膜の血液が接触する表面に、重量平均分子量が50万〜
150万の範囲内にある高分子量親水性高分子と重量平
均分子量が1万〜10万の範囲内にある低分子量親水性
高分子とを含有する溶液を接触させることを特徴とする
抗血栓性多孔質膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記溶液中における前記高分子量親水性
高分子と前記低分子量親水性高分子との割合が、重量比
で、2:1〜5:1である前記請求項6に記載の抗血栓
性多孔質膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記溶液における前記高分子量親水性高
分子及び前記低分子量親水性高分子の濃度が0.01〜
1.0重量%である前記請求項6又は7に記載の抗血栓
性多孔質膜の製造方法。 - 【請求項9】 前記高分子量親水性高分子及び前記低分
子量親水性高分子が、ポリビニルピロリドンである前記
請求項6〜8のいずれか一項に記載の抗血栓性多孔質膜
の製造方法。 - 【請求項10】 前記疎水性高分子が、ポリエステル系
樹脂とポリスルホン系樹脂との少なくとも一方であるこ
とを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の抗
血栓性多孔質膜の製造方法。 - 【請求項11】 前記多孔質膜は、その平均ポアサイズ
が3×10-3〜1×10-2μmである前記請求項6〜1
0のいずれか一項に記載の抗血栓性多孔質膜の製造方
法。 - 【請求項12】 前記溶液を接触させた後の多孔質膜に
放射線を照射する前記請求項6〜11のいずれか一項に
記載の抗血栓性多孔質膜の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2001014364A JP2002212333A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 抗血栓性多孔質膜及びその製造方法 |
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