JP2002209582A - 耐熱性グルコキナーゼ遺伝子、それを含有する組換えベクター、その組換えベクターを含有する形質転換体及びその形質転換体を用いた耐熱性グルコキナーゼの製造方法 - Google Patents
耐熱性グルコキナーゼ遺伝子、それを含有する組換えベクター、その組換えベクターを含有する形質転換体及びその形質転換体を用いた耐熱性グルコキナーゼの製造方法Info
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Abstract
製造するための遺伝子操作材料と、この材料を用いた耐
熱性グルコキナーゼの製造方法の提供。 【解決手段】 好熱性バチルス属微生物であるバチルス
・ステアロサーモフィラス(Bacillus ste
arothermophilus)等のDNAライブラ
リーから得られた遺伝子の発現産物のうちの特定のアミ
ノ酸配列からなる耐熱性グルコキナーゼをコードする遺
伝子。
Description
ゼをコードする遺伝子と、この遺伝子を含有する組換え
ベクター、組換えベクターによる形質転換体、並びにこ
の形質転換体による耐熱性グルコキナーゼの製造方法に
関するものである。
では解糖系の第一段階、すなわちATPの導入において
重要な役割を果たす酵素である。一方、検査用組成物の
必須成分として、グルコースを測定する場合、あるいは
サンプル中のグルコースを消去する際、いずれにおいて
も産業上有用な酵素であり、各種検査試薬に用いられて
いる。
に高い基質特異性を示すのに対し、同様な反応を触媒す
る酵素として知られているヘキソキナーゼ[EC.2.7.1.1]
は、多種にわたる糖を基質とする異なる酵素である。さ
らに、これら2種の酵素は、アミノ酸配列の相同性が低
いという点においても、全く異なるタンパク質である。
ス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermop
hilus)より単離したグルコキナーゼが非常に安定であ
ることを見いだし、その効率的な製造方法を提案した
(特開昭56-127086号公報参照)。
現させる方法が、特開昭60−102195号公報、特
開昭61−124390号公報、特開平11−1278
80号公報、特表平10-512762号公報、特開平
6-292485号公報、特表平10-507084号公
報、特表平10-505498号公報、特表平08-50
8398号公報および再表98/012343号公報な
どで開示されているが、これらのグルコキナーゼは安定
性、基質親和性などの点において、本発明に記載される
酵素とは異なるものである。またその発現方法は、酵素
を単離精製して大量生産することには適さず、本発明に
おいて開示する方法とは異なるものである。
上記の製造方法により、熱および保存安定性に優れたグ
ルコキナーゼが得られ、その精製も容易に行うことが可
能となった。しかしながら、上記方法において耐熱性グ
ルコキナーゼを製造する場合には、通常50℃〜60℃
の高温度で生産菌体を培養することにより得ているた
め、多量のエネルギーが必要であった。また、この微生
物のグルコキナーゼ生産量が少量であるために、耐熱性
グルコキナーゼの大量生産が困難であるという問題点は
依然として未解決であった。
ステアロサーモフィラス(Bacillusstearothermophilu
s)に由来する耐熱性グルコキナーゼを遺伝子工学的に
大量製造するための遺伝子操作材料と、この材料を用い
た耐熱性グルコキナーゼの製造方法を提供することを目
的としている。
な課題を解決するために鋭意研究を行った結果、上記の
バチルス・ステアロサーモフィラスが産生する耐熱性グ
ルコキナーゼ遺伝子を単離および構造決定することに成
功し、さらに、耐熱性グルコキナーゼをコードする遺伝
子をベクターDNAに挿入した組換えベクターを得、こ
の組換えベクターをエシェリシア属に属する菌株などに
含ませた該耐熱性グルコキナーゼ生産能を有する菌株を
培地で培養すると、効率よく該耐熱性グルコキナーゼが
生産されること等を見出し、本発明に到達した。
表されるアミノ酸配列からなる耐熱性グルコキナーゼを
コードする遺伝子または配列番号1で表されるアミノ酸
配列において1または数個のアミノ酸が欠失、置換また
は付加されたアミノ酸配列からなる耐熱性グルコキナー
ゼをコードする遺伝子を要旨とするものである。また、
本発明の第二は、配列番号2の塩基配列からなるDNA
を有し、かつ耐熱性グルコキナーゼをコードする遺伝子
または配列番号2の塩基配列において1または数個の塩
基が欠失、置換または付加された塩基配列からなる耐熱
性グルコキナーゼをコードする遺伝子を要旨とするもの
である。さらに、本発明の第三は、第一または第二の発
明の遺伝子を含有する組換えベクターを要旨とするもの
である。本発明の第四は、第三の発明の組換えベクター
を含む形質転換体を要旨とするものである。本発明の第
五は、第四の形質転換体を培地中で培養し、培養物から
耐熱性グルコキナーゼを採取することを特徴とする耐熱
性グルコキナーゼの製造方法を要旨とするものである。
ゼは、配列番号1に表したアミノ酸配列を有するタンパ
ク質であり、さらにグルコキナーゼ活性を失わない限
り、該アミノ酸配列における1もしくは複数個のアミノ
酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有す
るタンパク質も含むものである。本発明の遺伝子は、上
記アミノ酸配列をコードする遺伝子であって、具体的に
は、配列番号2の塩基配列からなるDNAに代表される
遺伝子であり、場合により、配列番号2の塩基配列にお
ける1もしくは複数の塩基が欠失、置換もしくは付加さ
れた塩基配列からなる遺伝子である。
の一部配列を合成し、この合成DNAをプローブとして
DNAライブラリーから単離する方法、配列番号2の両
端部分の合成DNAをプライマーとし、染色体DNAを
鋳型とするPCR法によって目的遺伝子を増幅する方法
等によって取得することもできる。
与微生物としては、好熱性バチルス属微生物が好まし
く、中でもバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillu
s stearothermophilus)が好適であり、それらの具体例
としては、UK-563(FERM P-7275)、ACTT-7953 (FERM P-4
775)、ACTT-8005(FERM P-4776)、ACTT-10149(FERM P-47
77)、NCA-1503(FERM P-4778)、SP-43(FERM P-12754)等
が挙げられる。
菌からの耐熱性グルコキナーゼ遺伝子の単離、この遺伝
子を含有する組換えDNAおよび組換えDNAによる形
質転換体の作成、並びに形質転換体の培養等は、公知の
方法、例えばモレキュラー・クローニング(Molecular
Cloning)(Sambrook, J., et al.,コールドスプリング
ハーバー出版社, Cold Spring Harbor, 1989)に記載さ
れている方法を組み合わせて行なうことができる。
のものでは、pUC19, pKK223-3, pPL-λなどが挙げられ
るが、pUC19など多コピーベクター由来のoriとtacプロ
モータを組み合わせて作製したベクターが好ましい。
M109, TG1, BL21, N4830−1などが挙
げられ、特にTG1若しくはBL21が好ましい。
いて耐熱性グルコキナーゼを製造する方法としては、ま
ず、形質転換体を培養し、集菌した形質転換体の菌体を
超音波、あるいはリゾチーム等で溶菌し遠心分離した
後、遠心上清を市販のイオン交換樹脂、アフィニティー
樹脂等を用いて分取することにより製造できる。
活性表示法は以下の通りである。すなわち、活性測定は
トリス塩酸緩衝液(pH9.0)50mM、アデノシン3リ
ン酸(ATP)4mM、塩化マグネシウム20mM、NAD
P0.9mM、グルコース12mM、グルコース6リン
酸脱水素酵素(ロッシュダイアグノスティック社製)
0.5ユニットを含む溶液1.0mlに酵素液10μlを混合
し、30℃にて340nmにおける吸光度変化の初速度
を測定することにより行った。また、酵素活性の単位は
前述の条件下で1分間に1μmolのATPが脱リン酸化
されるのに要する酵素量を1ユニットとした。
つ具体的に説明する。 実施例1:グルコキナーゼのN末端アミノ酸配列の解析 精製グルコキナーゼのN末端アミノ酸配列を、エドマン
分解法により決定した。決定されたN末端アミノ酸配列
は、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列の内、
1から65で表される。
コキナーゼ遺伝子の塩基配列を予想した。この配列を基
に設計されるオリゴヌクレオチドプローブには複数の形
状があるが、本発明では、配列表の配列番号3および4
で表される塩基配列を有するGKD1およびGKU1と
命名したオリゴヌクレオチドを、外部機関(アマシャム
ファルマシア社)に合成依託して作成しオリゴヌクレオ
チドプライマーとした。
ラス染色体DNAライブラリーの作製 好熱性バチルス属細菌バチルス・ステアロサーモフィラ
スUK-563(FERM P-7275)の菌体1gを公知の方法(Saito &
Miura, Biochim. Biophys., Acta, vol.72,p619, 196
3)に従いリゾチーム(生化学工業社製)により溶菌後、
SDS含有アルカリ性緩衝液とフェノールでDNAを抽
出した。さらに、RNAをRNアーゼで分解して染色体
DNAを1 mg精製した。
酵素Sau3AI(東洋紡社製)で部分分解して染色体DNA
断片80 μgを得た。それとは別にベクターpUC19 1μg
(宝酒造社製)を制限酵素BamH I(東洋紡社製)で完全分
解し、細菌由来のアルカリファスファターゼ(宝酒造社
製)で処理してベクターDNA断片0.8μgを得た。得ら
れた染色体DNA断片0.28μgとベクターDNA断片0.1
μgとをT4ファージ由来のDNAリガーゼ(宝酒造社
製)を用い16℃、30分間連結反応を行い、組換え体DN
Aを得た。得られた組換え体を大腸菌JM109コンピテン
トセル200μg(東洋紡社製)に混合し、氷上で1時間静
置した後、42℃、120秒間加温することにより、形質転
換を行なった。
37℃下で1時間培養後、培養液をアンピシリンを含むL
寒天平板培地に塗抹したところアンピシリン耐性菌株が
得られた。これら菌株をアンピシリン50μg/mlを含むL
培地に植菌後一晩培養し、集菌後プラスミドをアルカリ
-SDS法により調製し、バチルス・ステアロサーモフ
ィラス染色体DNAライブラリーとした。
する遺伝子の単離 実施例3で得た染色体DNAライブラリーを鋳型とし
て、グルコキナーゼ遺伝子がN末端部、およびC末端部
それぞれ増幅されるような2種のプライマーの組み合わ
せ、すなわち実施例2で作成したプライマーGKD1と
M13−20(宝酒造社製)の組み合わせおよび、実施
例2で作成したプライマーGKU1とM13−20(宝
酒造社製)の組み合わせを用い、PCR法によりバチル
ス・ステアロサーモフィラスのグルコキナーゼをコード
する遺伝子断片を増幅した。
条件にて行った。 <反応液組成>Taq DNA ポリメラーゼ(サワディー社
製)5U/100μl 10倍濃度Taq DNA ポリメラーゼ用バ
ッファー 10μl/100μl 染色体DNA(鋳型DN
A) 0.01μg/100μl dATP, dTTP, dGTP, dCTP 各0.2 m
M プライマー 各1μM <増幅条件> (1) 94℃、2分間(変性) (2) 94℃、45秒間(変性) (3) 55℃、30秒間(アニーリング) (4) 74℃、2分間(反応) (上記(1)〜(4)のサイクルを計30サイクル実施)
pT7Blueを混合し、T4ファージ由来のDNAリガ
ーゼ(宝酒造社製)を用い16℃、30分間連結反応を行
い、組換え体DNAを得た。得られた組換え体を大腸菌
JM109コンピテントセル200μg(東洋紡社製)に混合
し、氷上で1時間静置した後、42℃、120秒間加温する
ことにより、形質転換を行なった。
37℃下で1時間培養後、培養液をアンピシリンを含むL
寒天平板培地に塗抹したところアンピシリン耐性菌株が
得られた。生育したコロニーの中から白色のものについ
て、アンピシリン50μg/mlを含むL培地に植菌後一晩培
養し、集菌後プラスミドをアルカリ-SDS法により調
製し、グルコキナーゼ構造遺伝子部分についてジデオキ
シ法により塩基配列を決定した。
る塩基配列を基に、グルコキナーゼをコードする遺伝子
の全長が増幅されるように設計された2種のプライマ
ー、GKD2とGKU2を外部機関(アマシャムファル
マシア社)に合成依託して作成しオリゴヌクレオチドプ
ライマーとした。GKD2の配列は、配列表の配列番号
2で表される塩基配列の内、1から21であり、またG
KU2の配列は、配列表の配列番号2で表される塩基配
列の内、932から954である。なおプライマーGK
D2は、増幅断片のN端側に制限酵素NcoIによる切
断部位が創出されるように、5’末端にCCを付加する設
計とした。
て、プライマーGKD2とGKU2を用い、PCR法に
よりバチルス・ステアロサーモフィラスのグルコキナー
ゼをコードする遺伝子全長を増幅した。
条件にて行った。 <反応液組成>Taq DNA ポリメラーゼ(サワディー社
製) 5 U/100 μl 10倍濃度Taq DNA ポリメラーゼ用バ
ッファー 10 μl/100μl 染色体DNA(鋳型DNA)
0.01 μg/100μl dATP, dTTP, dGTP, dCTP 各0.2 mM プ
ライマー 各1μM <増幅条件> (1) 94℃、2分間(変性) (2) 94℃、45秒間(変性) (3) 55℃、30秒間(アニーリング) (4) 74℃、2分間(反応) (上記(1)〜(4)のサイクルを計30サイクル実施)
ueをT4ファージ由来のDNAリガーゼ(宝酒造社製)
を用い16℃、30分間連結反応を行い、組換えDNA
を得た。得られた組換えDNAを大腸菌JM109コンピテント
セル200μg(東洋紡社製)に混合し、氷上で1時間静置
した後、42℃、120秒間加温することにより、形質転換
を行なった。
37℃下で1時間培養後、培養液をアンピシリンを含む
L寒天平板培地に塗抹したところアンピシリン耐性菌株
が得られた。生育したコロニーの中から白色のものにつ
いて、アンピシリン50μg/mlを含むL培地に植菌後一
晩培養し、集菌後プラスミドをアルカリ-SDS法によ
り調製し、グルコキナーゼ構造遺伝子部分についてジデ
オキシ法により塩基配列を決定した。この塩基配列を、
配列表の配列番号2に示す。
成 pKK223-3(アマシャムファルマシア社製)を、NaeI
(東洋紡社製)および、PvuI(東洋紡社製)認識部
位で切断し、切断した直鎖状プラスミドをアガロースゲ
ル電気泳動で分離し、Tacプロモータを含むDNA断片
を回収した。一方、pUC19(宝酒造社製)を、Ea
eI((宝酒造社製)認識部位で切断し、T4ファージ由
来DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)によって平滑末端
化した後、PvuI(東洋紡社製)認識部位で切断し、
切断した直鎖状プラスミドをアガロースゲル電気泳動で
分離し、oriを含むDNA断片を回収した。
μgとoriを含むDNA断片0.1μgを混合し、T4ファ
ージ由来のDNAリガーゼ(宝酒造社製品)を用い16℃、3
0分間連結反応を行い、発現用プラスミドベクターpU
Ctacを得た。
ら25残基に対応するコドンを大腸菌において出現頻度
の高いものに置き換えた、配列番号5で表される85b
pのDNAを、外部機関(アマシャムファルマシア社)に
依託し合成した。5’末端には、NcoI認識部位を導入す
るため、シトシンを2塩基付加した。このDNA断片、お
よび上記実施例4で得たグルコキナーゼ遺伝子を含むプ
ラスミドを、グルコキナーゼ遺伝子のN末端部に位置す
るNcoI認識部位およびClaI認識部位で切断し、それ
ぞれをアガロースゲル電気泳動で分離し、前者からは、
グルコキナーゼ遺伝子N末端部を、また後者からはC末端
部を含むDNA断片を回収した。これらのDNA断片そ
れぞれ0.1μgを混合し、T4ファージ由来のDNAリガー
ゼ(宝酒造社製品)を用い16℃、30分間連結反応を行
い、N末端部25残基のコドンが大腸菌に至適化された
耐熱性グルコキナーゼ遺伝子を含有する組換えプラスミ
ドpTVOGKを得た。
キナーゼ遺伝子のN末端部に位置するNcoI認識部位
で切断して直鎖状とし、T4ファージ由来DNAポリメラ
ーゼ(宝酒造社製)によって平滑末端化した後、さらに
C末端下流に位置するHindIII認識部位で切断した。切
断した直鎖状プラスミドをアガロースゲル電気泳動で分
離し、グルコキナーゼ遺伝子を含むDNA断片を回収し
た。一方、上記実施例5で得た発現用プラスミドベクタ
ーpUCtacを、SD配列下流5塩基に位置するEcoRI認
識部位で切断して直鎖状とし、S1ヌクレアーゼ(宝酒造
社製)によって平滑末端化した後、さらにマルチクロー
ニングサイトのHindIII認識部位で切断した。切
断した直鎖状プラスミドをアガロースゲル電気泳動で分
離し、Tacプロモータを含むDNA断片を回収した。こ
れら、グルコキナーゼ遺伝子を含むDNA断片0.1μgと
ベクタープラスミド断片0.1μgを混合し、T4ファージ由
来のDNAリガーゼ(宝酒造社製品)を用い16℃、30分
間連結反応を行い、耐熱性グルコキナーゼ遺伝子を含有
する組換えベクターpUtOGKsを得た。
成12年11月29日付けで工業技術院生命工学工業技
術研究所に寄託した(受託番号:FERM P-1813
0)。図1はこの組換えベクターpUtOGKsの作製
概要図である。
ゼの製造 実施例6で作成したpUtOGKsを、カルシウム法で
作製した大腸菌TG1コンピテントセル200μgに混合し、
氷上で1時間静置後、42℃、120秒間加温し、形質転換
を行なった。得られた形質転換体に1mlのL培地を加え
37℃下で1時間培養後、培養液をアンピシリンを50μg/
ml含むL寒天平板に塗抹したところ、耐熱性グルコキナ
ーゼ遺伝子を含む形質転換大腸菌100個のコロニーを
得、これをTG1/pUtOGKsとした。形質転換大腸
菌TG1/pUtOGKsをアンピシリン50μg/mlを含む
L培地300mlに植菌後、37℃にて一晩前培養を行なっ
た。前培養液をアンピシリン50μg/mlを含むL培地20
リットルに植菌し、37℃にて10時間培養後イソプロ
ピルβチオガラクトピラノシドを1mM加え、さらに15
時間培養した後集菌した。得られた菌体には、100万
ユニットのグルコキナーゼ活性が含まれていた。菌体を
1000mlの25mMリン酸緩衝液(pH8.0)に懸濁後、
超音波処理した。菌体破砕物を除いた上澄より、Blue-
セファロースを用いたアフィニティークロマトグラフィ
ーおよびDEAE-セファロースを用いたイオン交換クロマ
トグラフィーにてグルコキナーゼの精製を行なったとこ
ろ、グルコキナーゼを36万ユニット回収した。これ
は、バチルス・ステアロサーモフィラスUK-563(FERM
P-7275)を20リットル培養した場合に得られるグ
ルコキナーゼの50倍の酵素量である。
ころ、60℃、1時間処理後の残存活性は100%、至
適作用pHはpH8.0、グルコースに対するKmは0.1mMで
あった。これらの結果から、本発明の方法によって得ら
れたグルコキナーゼが、バチルス・ステアロサーモフィ
ラスUK-563(FERM P-7275)由来のグルコキナーゼ
と同じ性質を有するものであることが確認された。
を簡便な方法で大量に、しかも低コストで製造すること
が可能となる。
含む組換えベクターの作製概念図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 配列番号1で表されるアミノ酸配列から
なる耐熱性グルコキナーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項2】 配列番号1で表されるアミノ酸配列にお
いて1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加さ
れたアミノ酸配列からなる耐熱性グルコキナーゼをコー
ドする遺伝子。 - 【請求項3】 配列番号2の塩基配列からなるDNAを
有し、かつ耐熱性グルコキナーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項4】 配列番号2の塩基配列において1または
数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列から
なる耐熱性グルコキナーゼをコードする遺伝子。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載の遺伝子を含有する組換えベクター。 - 【請求項6】 請求項5に記載の組換えベクターを含む
形質転換体。 - 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体を培地中で培
養し、培養物から耐熱性グルコキナーゼを採取すること
を特徴とする耐熱性グルコキナーゼの製造方法。
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