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JP2002207121A - 光学補償シート、それを用いる液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

光学補償シート、それを用いる液晶表示装置の製造方法

Info

Publication number
JP2002207121A
JP2002207121A JP2001001258A JP2001001258A JP2002207121A JP 2002207121 A JP2002207121 A JP 2002207121A JP 2001001258 A JP2001001258 A JP 2001001258A JP 2001001258 A JP2001001258 A JP 2001001258A JP 2002207121 A JP2002207121 A JP 2002207121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
liquid crystal
layer
optically anisotropic
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001001258A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Umeda
博紀 梅田
Noriyasu Kuzuhara
憲康 葛原
Nobuo Kubo
伸夫 久保
Sota Kawakami
壮太 川上
Nobuyuki Takiyama
信行 滝山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001001258A priority Critical patent/JP2002207121A/ja
Publication of JP2002207121A publication Critical patent/JP2002207121A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TN−TFTなどのTN型LCDの視野角特
性、すなわち、斜め方向から見た場合の画面の着色、明
暗の反転現象を簡便に改善できる光学補償シート、且
つ、それを用いて簡単な構成で著しく視野角が改善され
る液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 支持体上に、重合性液晶性化合物の光学
軸と支持体とのなす角度が、厚さ方向に対して連続的も
しくは段階的に、減少するように重合性液晶性化合物の
配向を固定化して得られた液晶分子を含む光学異方層を
少なくとも1層有する光学補償シートにおいて、配向層
と光学異方層との界面に存在する液晶分子のチルト角α
に対して、平均チルト角θが0<θ<α/2であること
を特徴とする光学補償シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学補償シート及び
それを用いる液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置の視野角拡大のため
に用いられる光学補償シートとしては、下記のような3
種の構成が試みられており、各々、有効な方法として提
案されている。
【0003】(1)負の1軸性を有する化合物であるデ
ィスコティック液晶性化合物を支持体上に担持させる方
法 (2)正の光学異方性を有するネマティック型高分子液
晶性化合物を深さ方向に液晶分子のプレチルト角が変化
するハイブリッド配向をさせたものを支持体上に担持さ
せる方法 (3)正の光学異方性を有するネマティック型液晶性化
合物を支持体上に2層構成にして各々の層の配向方向を
略90度とすることにより擬似的に負の1軸性類似の光
学特性を付与させる方法 上記記載の構成の各々が、下記のような問題点を有して
いる。
【0004】上記(1)に記載の方法では、TNモード
の液晶パネルに適用する場合に斜め方向から見た場合の
画面が黄色く着色するというディスコティック液晶性化
合物特有の欠点が発現する。
【0005】上記(2)に記載の方法では、液晶発現温
度が高く、TAC(セルローストリアセテート)のよう
な等方性の透明支持体上で液晶の配向を固定出来ず、必
ず、一度別の支持体上で配向固定後、TACのような支
持体に転写する必要があり、工程が煩雑化、且つ、極め
て生産性が低下してしまう。
【0006】上記(3)に記載の方法の一例として、例
えば、特開平8−15681号には、棒状の正の1軸性
低分子液晶性化合物を用いた光学異方層として、配向能
を有する配向性層を介して配向させた棒状の正の1軸性
低分子液晶性化合物からなる層を形成し、固定化して、
この層のさらに上に再度配向能をもつ配向性層を介して
再び配向させた棒状の正の1軸性低分子液晶性化合物か
らなる層を形成し固定化する4層構成の光学異方層が開
示されている。この場合、2つの液晶層の平面内に投影
される配向方向を例えば90度ずらして与えることによ
り擬似的に円盤状に近い特性を与えることが可能とな
る。
【0007】よって、上記(3)に記載の方法は、ディ
スコティック液晶性化合物の場合と異なり着色の問題が
ないので、発色再現性が重視される液晶TV(テレビ)
などの用途においては極めて有利な特徴を有している。
【0008】しかしながら、この方法は、ディスコティ
ック液晶性化合物において1層で達成していたものをあ
えて2層の液晶層で達成するものであり、いかにも効率
が悪い。
【0009】しかしながら、これらの方法はいずれもよ
り根本的な、共通する問題点を有している。すなわち、
これらの方式によれば、光学補償能を得るためには必ず
液晶パネルの各々、両面に配置しなければならないと言
う点である。このことは、簡便とされる光学補償フィル
ムによる視野角改善の方式においても非常にコスト高と
なっていることを意味する。これらの方式では、一枚の
みをもちいるときには必ず左右の対称性がくずれて視野
角特性が非対称になる。また、配置する際に例えばラビ
ング軸を45度回転させてずらしても対称性が改善され
る場合があっても視野角特性は改善しない。このよう
に、1枚の光学補償シートで2枚の場合と同等またはそ
れ以上に視野角特性を改善する方法は未だ存在しなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、TN
−TFTなどのTN型LCDの視野角特性、すなわち、
斜め方向から見た場合の画面の着色、明暗の反転現象を
簡便に改善できる光学補償シートを提供し、且つ、それ
を用いて簡単な構成で著しく視野角が改善される液晶表
示装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜15により達成された。
【0012】1.配向層を有する支持体A上の該配向層
を有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設
するか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
もしくは段階的に減少するように、該重合性液晶性化合
物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
おいて、該配向層または該支持体Bと該光学異方層との
界面に存在する該光学異方性化合物のチルト角αに対し
て、平均チルト角θが0<θ<α/2であることを特徴
とする光学補償シート。
【0013】2.配向層を有する支持体A上の該配向層
を有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設
するか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
もしくは段階的に増加するように、該重合性液晶性化合
物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
おいて、該光学異方層と空気界面に存在する該光学異方
性化合物のチルト角βに対し、平均チルト角θが0<θ
<β/2であることを特徴とする光学補償シート。
【0014】3.配向層を有する支持体A上の該配向層
を有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設
するか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
もしくは段階的に減少するように、該重合性液晶性化合
物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
おいて、該光学異方層内で配向を固定化した該光学異方
性化合物(の光学軸)と該光学補償シート面とのなす角
が40°〜50°である範囲に該光学異方性化合物が少
なくとも5%含まれることを特徴とする光学補償シー
ト。
【0015】4.配向層を有する支持体A上の該配向層
を有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設
するか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
もしくは段階的に増加するように、該重合性液晶性化合
物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
おいて、該光学異方層内で配向を固定化した該光学異方
性化合物の光学軸と該光学補償シート面とのなす角が4
0°〜50°である範囲に該光学異方性化合物が少なく
とも5%含まれることを特徴とする光学補償シート。
【0016】5.支持体(支持体A、Bの両方を含む、
単に支持体という)の片面または両面に、光学異方層を
少なくとも2層有し、該光学異方層の光学補償シート面
内における光学遅相軸が80°〜100°で交差してい
ることを特徴とする前記1または3に記載の光学補償シ
ート。
【0017】6.支持体(支持体A、Bの両方を含む、
単に支持体という)の片面または両面に、光学異方層を
少なくとも2層有し、該光学異方層の光学補償シート面
内における光学遅相軸が80°〜100°で交差してい
ることを特徴とする前記2または4に記載の光学補償シ
ート。
【0018】7.支持体(支持体A、Bの両方を含む、
単に支持体という)の片面及び両面に、光学異方層を各
々、少なくとも1層ずつ有し、該光学異方層の光学補償
シート面内における光学遅相軸が80°〜100°で交
差していることを特徴とする前記3または4に記載の光
学補償シート。
【0019】8.支持体(支持体A、Bの両方を含む、
単に支持体という)として光学的に2軸性のセルロース
エステルフィルムを用いることを特徴とする前記1〜7
のいずれか1項に記載の光学補償シート。
【0020】9.支持体(支持体A、Bの両方を含む、
単に支持体という)として光学的に2軸性のセルロース
エステルフィルムを用い、該支持体の光学補償シート面
内の屈折率が最大となる方向と、光学異方層の光学補償
シート面内の屈折率が最大となる方向が80°〜100
°で交差していることを特徴とする前記1〜7のいずれ
か1項に記載の光学補償シート。
【0021】10.支持体(支持体A、Bの両方を含
む、単に支持体という)として光学的に2軸性のセルロ
ースエステルフィルムを用い、該支持体の光学補償シー
ト面内の屈折率が最大となる方向と、少なくとも1層の
光学異方層の光学補償シート面内の屈折率が最大となる
方向が80°〜100°で交差していることを特徴とす
る前記1〜9のいずれか1項に記載の光学補償シート。
【0022】11.重合性液晶性化合物として、棒状の
液晶性化合物を用いることを特徴とする前記1〜10の
いずれか1項に記載の光学補償シート。
【0023】12.支持体(支持体A、Bの両方を含
む、単に支持体という)が光学的に二軸性のセルロース
エステルフィルムであり、該支持体の面内方向のリター
デーション値(R0)が5〜95nmの範囲内であっ
て、厚さ方向のリターデーション値(Rt)が15〜3
00nmの範囲内であることを特徴とする前記1〜11
のいずれか1項に記載の光学補償シート。
【0024】13.支持体と光学異方層の間に、少なく
とも1層の配向層および少なくとも1層の溶出ブロック
層を有することを特徴とする前記1〜12のいずれか1
項に記載の光学補償シート。
【0025】14.溶出ブロック層が水溶性ポリマーを
含有することを特徴とする前記13に記載の光学補償シ
ート。
【0026】15.液晶表示装置を製造するに当たり、
前記1〜14のいずれか1項に記載の光学補償シートを
該液晶ディスプレイの片面のみに用いて製造することを
特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0027】以下、本発明を詳細に説明する。従来の光
学補償シートにおいては、液晶セルの両面に配置するこ
とにより始めて実用に耐える光学補償能を得られてい
た。しかし、今回本発明者らは、前述の構成の光学異方
層を形成した光学補償シートを作製することにより、驚
くべきことにたった1枚のみのシートを液晶セルと偏光
板の間に片面側だけに配置するのみで、極めて優れた光
学補償能が得られることを見出した。
【0028】本発明の光学補償シートは、斜め方向から
見た場合のコントラストが高くいわゆる視野角が広いだ
けではなく、斜め方向から見た場合の画面の着色もな
く、反転領域も非常に狭くなるなど優れた光学補償能を
示した。本発明の光学補償シートは、液晶セル1枚に対
して1枚しか使用しないことから、コストは半分とな
り、同じ面積の光学補償シートを用いて、従来よりも2
倍量の液晶セルに対して供給することが可能となる。
【0029】また、偏光板は通常表面側(観察者側)と
液晶セルの背面側とでは表面加工状態がことなり、例え
ば表面側ではAG(アンチグレア)などの処理がなされ
た特殊な偏光板が用いられている。この場合、表面側の
偏光板と裏面側の偏光板は異なる種類となるため、各々
に光学補償シートを貼合したものを調製せざるを得ず、
さらには、表面加工済み偏光板との貼合過程で異常が発
生すると、その表面加工済みの偏光板を廃棄せざるを得
ないなど、コスト高にならざるをえなかった。しかし本
発明によれば、特段の表面加工をしない側の偏光板と貼
合することによりそのような付加機能を有する偏光板を
無駄にすることはなくなる。また、光学補償シートに用
いるトリアセチルセルロースや、例えばディスコティッ
ク液晶性化合物の波長分散特性に起因する黄色味の着色
は、本発明の光学補償シートを用いることにより枚数が
1枚減らせるため抑えることが可能になる。
【0030】本発明は、1枚だけで補償可能な光学補償
シート、該光学補償シートを用いた偏光板及び液晶表示
装置の提供を可能にしたものであり、更に詳しくは、ね
じれネマティック(TN)型の液晶特有の視野角による
コントラストの変化、特にフルカラー表示ディスプレー
として用いられるアクティブマトリックス型TN型液晶
表示装置の表示の視野角依存性を改善したものである。
【0031】本発明に係る液晶性化合物の液晶層中にお
ける配向形態に関して説明する。本発明の光学補償シー
トとしては、複屈折性を有する材質を配向させた層が2
層以上積層の場合も好ましく用いられる。それら2層の
配向方向は、面内においては互いに略直交していること
が特徴である。ここで、略直交とは干渉による着色など
があまり問題にならない範囲で90度から一定の幅を有
してもよいが、実質的には80〜100度が好ましく、
さらに好ましくは85〜95度の範囲であり、90度が
最も好ましい。さらに、その複屈折性を有する材質の構
成単位はその屈折率楕円体における屈折率の最大値を示
す方向が、第一の層とシート面とのなす角がシートの一
方の面(A面)から他方の面(B面)に向かって当該シ
ートの厚さ方向に対して増加するように配置され、第二
の層とシート面とのなす角が同様にA面からB面に向か
って厚さ方向に対して減少するように配置されているこ
とを特徴とする。
【0032】ここで言う複屈折性を有する材質の構成単
位とは、光軸を有する単位と理解することができ、例え
ば複屈折性を有する液晶化合物の分子のことをいうが、
必ずしも分子単位に限定されるものではなく、複数分子
の集合体が一定の光軸を有する場合はその集合体を指す
こともできる。また、シート面とのなす角度が増加また
は減少するとは、当該各層が各々、に層全体としては光
軸を持たないことを意味しており、当該角度の増加また
は減少は、シートの厚さ方向に対して連続的に変化して
もよく断続的に変化してもよい。このようなシートの厚
さ方向に対する配向形態を以後ハイブリッド配向と呼ぶ
ことがある。本発明に有効な厚さ方向のハイブリッド配
向の形態は、2層の積層の場合で説明すると、前述のA
面側からB面側に向かって、シート面とのなす角が1層
目は増加し2層目では減少する場合もしくは1層目は減
少し2層目では増加する場合が好ましく、いずれの層に
おいても増加する場合や減少する場合、または一定の角
度である場合には本発明の効果は生じない。このシート
面とのなす角は、0度から90度の間で変化することが
できる。好ましくは5度から85度でありこの角度の変
化の幅は広い方が一般的には好ましいが、これは液晶セ
ル側の設計の仕方によっても変化する。この角度の変化
の形状(ハイブリッド形態)は1層目と2層目でシート
断面を見た場合に、同様の形態をしていることが好まし
い。
【0033】液晶性化合物を含む塗工液を塗設し、塗設
された液晶性化合物の配向を制御することにより上記に
記載のような光学異方層を具現化するために好適に用い
ることが出来る。本発明においては、液晶性化合物とし
て重合性液晶性化合物が用いられる。以下、本発明に係
る重合性液晶性化合物について説明する。
【0034】本発明に係る重合性液晶性化合物は、低分
子の重合性液晶性化合物でもよいし、重合性を有する高
分子液晶性化合物でもよい。重合性液晶性化合物の光学
的な特性としては、正の一軸性の棒状の重合性液晶性化
合物、二軸性の重合性液晶性化合物が好ましく用いられ
る。また、負の一軸性を示すものであってもよく、例え
ば代表的には、重合性を有するディスコチック液晶性化
合物を用いることもできる。二軸性の重合性液晶性化合
物については、棒状の分子形態をとることができるが、
ディスコティック化合物のようにやや広がりを持った円
盤に近い形態のものがある。
【0035】本発明に係る負の一軸性を示す重合性液晶
性化合物として、典型的にはディスコチック液晶性化合
物が挙げられ、例えば、液晶の化学:季刊;化学総説N
o.22,1994、日本化学会編(学会出版センタ
ー)、60〜72頁に記載されているような化合物であ
り、具体的には、前記総説の62頁に記載のような分子
構造1〜46を有する液晶性化合物である。また、特許
公報第2587398号、同第2640083号、同第
2641086号、同第2692033号、同第269
2035号、同第2767382号、同第274778
9号等に記載されているような液晶性化合物に重合性を
付与した化合物も重合性ディスコチック液晶性化合物の
範疇に入る。
【0036】ここで、正の一軸性の光学異方性を有する
(単に、正の一軸性を有するともいう)重合性液晶性化
合物や、棒状液晶性化合物に近い光学的な特性を示す二
軸性の重合性液晶性化合物は、棒状液晶性化合物の光学
特性として扱うことができる。ここで、正の一軸性を有
する(光学的に一軸性である)とは、光学異方性を有す
る異方性素子における三軸方向の屈折率の値nx、n
y、nzのうち2つのみが等しい値を示し、その2つの
屈折率が残る1つの軸の屈折率よりも小さいことを示
し、二軸性を有するとは、三軸方向の屈折率の値nx、
ny、nzのいずれもが各々異なる値を示す場合を表
す。
【0037】本発明に係る正の一軸性の棒状の重合性液
晶性化合物については、さらに詳しくは、誘電率異方性
が正のものでも負のものであっても良いが、後に述べる
シートの厚み方向における傾斜制御の容易性からは、正
の誘電率異方性のものが好ましい。
【0038】棒状の重合性液晶性化合物の誘電率異方性
(Δε)とは、分子の長軸が電解と平行に配向した状態
の誘電率(ε//)と分子の短軸が電解と平行に配向し
た状態の誘電率(ε⊥)との値の差、Δε(=ε//−
ε⊥≠0)で表される。誘電率異方性(Δε)は、液晶
分子内を通過する光の屈折率の異方性に影響を与え、両
者の関係は、Δε=n//2−n⊥2(ここで、Δn=
n//−n⊥=ne−no;neは異常光屈折率、no
は常光屈折率、n//は液晶分子の配向ベクトルの方向
に偏っている光に対する屈折率、n⊥は配向ベクトルに
垂直な方向に偏っている光に対する屈折率である)とな
る。
【0039】なお、このΔεおよびΔnの値は、通常の
TN液晶セルなどを駆動させるために用いる液晶性化合
物の場合は正の値である。
【0040】重合性液晶性化合物の光学異方性(具体的
には、屈折率の異方性)は、低分子の重合性液晶性化合
物の場合には分子全体で規定され、重合性を有する高分
子液晶性化合物の場合は、大別して、主鎖型液晶、側鎖
型液晶があるが、いずれの場合においてもメソゲン基部
分について低分子液晶性化合物に準じて規定される。
【0041】上記記載のメソゲン基(メソゲン単位)と
は、液晶性化合物中において液晶性をもたせるために必
須の部分を表し、通常メソゲン基(メソゲン単位)とは
剛直な部分のコア、柔軟な部分のスペーサー、末端に位
置する末端基からなるが、液晶性化合物に液晶相を発現
させる構造であれば必ずしも上記の3つの部分を全て有
している必要はない。
【0042】正の1軸性棒状の重合性液晶性化合物の具
体例としては、液晶の化学:季刊化学総説No.22,
1994、日本化学会編(学会出版センター),42、
44頁に挙げられている化合物を参照して合成すること
が出来る。また、TNセルに使用する通常の棒状ネマテ
ィック液晶に重合性を付与した化合物等も好適に用いる
ことが出来る。更に、本発明に係る棒状の重合液晶性化
合物としては、ネマティック液晶相を発現するものが好
ましく用いられる。
【0043】二軸性の重合性液晶性化合物は、例えば、
有機合成化学、第49巻;第5号(1991)の124
〜143頁に記載の化合物、D.W.Bruceらの研
究報告〔AN EU−SPONSORED’OXFOR
D WORKSHOP ONBIAXIAL NEMA
TICS’(St Benet’s Hall、Uni
versity of Oxford 20−22 D
ecember、1996)、p157−293〕、
S.CHANDRASEKHAR等の研究報告〔A T
hermotropic Biaxial Nemat
ic Liquid Crystal;Mol.Cry
st.Liq.Cryst.,1988,Vol.16
5,pp.123−130〕、D.Demus,J.G
oodby等著〔Handbook of Liqui
d Crystals Vol.2B:Low Mol
ecular Weight Liquid Crys
tals II、pp933−943:WILEY−VC
H社刊〕等に記載の化合物に重合性を付与する(例え
ば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基等を置換す
る)ことにより合成することが出来る。
【0044】本発明に用いられる液晶性高分子について
は、特に制限はないが、正または負の固有複屈折値を有
するものが好ましい。これらの詳細については、「LI
QUID CRYSTALS,1989,Vol.5,
NO.1,pp.159−170」に記載されている。
【0045】本発明に用いられる液晶性高分子は大きく
分けると、前述の通りメソゲン基の組み込まれ型とし
て、主鎖型、側鎖型がある。また、サーモトロピックと
ライオトロピックにも分類できる。
【0046】本発明に用いられる液晶性高分子として
は、特に制限はないが、ネマチック液晶を形成すること
が好ましい。また、配向性の点で側鎖型が好ましく、配
向固定の点でサーモトロピックが好ましい。側鎖型液晶
性高分子で用いられる骨格は、ビニル型のポリマー、ポ
リシロキサン、ポリペプチド、ポリホスファゼン、ポリ
エチレンイミン、セルロース等が好ましい。
【0047】本発明に係る配向層について説明する。本
発明に係る配向層及び/または配向性を有する支持体
は、後述する光学異方層に隣接して、前記光学異方層中
の液晶化合物の配向を固定化するために用いられる。
【0048】ここで、配向層を構成する材料について説
明する。具体的には、以下の樹脂や基板が挙げられるが
これらに限定されない。例えば、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン
サルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロー
ス系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等
が挙げられる。
【0049】上記配向層を本発明の透明樹脂基板上に塗
布、乾燥して層を設置した後、ラビング処理することに
よって配向層を得ることができる。また、特開平9−2
81331号に記載の支持体や透明樹脂自体を配向処理
することも可能である。
【0050】本発明においては、液晶化合物の配向のた
めの配向層として広く用いられているポバール膜を配向
膜として好ましく用いることが出来る。前記ポバールに
は完全ケン化型(例えば、クラレポバールPVA−10
5)やアルキル変性した変性ポバール(例えば、クラレ
ポバールMP−203)等があるが、液晶分子のチルト
角を制御するのには変性ポバールの方がより好ましく用
いられる。
【0051】前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処
理工程として広く採用されている処理方法を利用するこ
とができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェ
ルト、ゴム或いはナイロン、ポリエステル繊維などを用
いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いる
ことができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維
を平均的に植毛した布などを用いてラビングを行うこと
により実施される。
【0052】本発明に係る光学異方層について説明す
る。本発明に係る光学異方層は、上述の重合性液晶性化
合物を含む塗工液を塗設後、配向能を有する支持体、ま
たは支持体上の配向層によって前記重合性液晶性化合物
を配向させ、配向と同時に或いは配向後に光または熱に
よる重合反応を行い、配向を固定化して得られた光学異
方性化合物を含む層である。
【0053】次に、本発明に係る重合性液晶性化合物の
配向の固定化について説明する。本発明の光学補償シー
トの光学異方性層(光学補償層ともいう)をより安定な
ものにするため、重合性液晶性化合物を配向後、光また
は熱などを用いて重合反応を行い、配向の固定化を安定
化させることが好ましい。本発明に係る重合性液晶性化
合物は、重合性を有する低分子液晶同士で重合反応を行
う以外に、高分子マトリクスと重合性を有する低分子液
晶化合物との架橋反応をにより配向の固定化が行われて
も良い。
【0054】本発明に係る重合性液晶性化合物の配向状
態を固定化するための方法として、通常知られる全ての
方法を採ることができる。例えば、本発明に係る重合性
液晶性化合物(低分子の重合性液晶性化合物、重合性を
有する高分子液晶性化合物を含む)を液晶相発現温度
(例えば、室温以上、100℃以下など、液晶の種類に
よる)の範囲に維持して液晶層を形成し、これを基板上
で配向させると同時に、または配向させる前に予め、光
重合開始剤或いは熱重合開始剤を添加し、重合(光、熱
による場合を含む)させ、液晶分子の配向を固定化する
方法が好ましく用いられる。
【0055】または、本発明に係る重合性液晶性化合物
や重合開始剤(光、熱の両方の場合を含む)を溶剤に溶
解した溶液を配向層上に塗布し、乾燥し、次いでネマチ
ック相形成温度まで加熱、重合(熱、UV光の照射等に
より)、次いで冷却して、配向状態(ネマチック相)を
固定化することが出来る。
【0056】また、その他に配向を固定する方法として
は、重合性液晶性化合物分子の末端に活性水素を有する
置換基のような反応性の置換基を持たせ、該反応性の置
換基を有する重合性液晶性化合物と高分子マトリクスを
熱、光またはpH変化により反応させて配向を固定化す
る方法、反応性の置換基を有する重合性液晶性化合物同
士を個々の液晶ドメインの中で架橋することにより配向
を固定する方法等を併用しても良く、本発明は上記記載
の方法に限定されず、様々な従来公知の固定化技術を適
用することができる。
【0057】上記記載の熱重合開始剤の例としては、ア
ゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、スルフィン酸
類等が挙げられ、また、光重合開始剤の例としては、ベ
ンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チ
オキサントン類等が挙げられる。
【0058】本発明の光学補償シートに係る層構成につ
いて説明する。本発明に係る層構成としては、支持体上
に前述の配向形態を満たす少なくとも一層を有している
が、本発明においては、支持体の片面または両面に前述
のような配向形態を満たす層を少なくと2層有すること
が好ましい。
【0059】前述の配向形態を満たす少なくとも2層を
有する場合の代表例として、例えば、以下のような構成
が挙げられる。説明のため、複屈折性を有する層である
光学異方層は、配向された光学的に正の一軸性である棒
状液晶性化合物からなるものとし、分子の光軸の向きが
シート面となす角の変化を説明する場合にはシートのA
面からB面へ一定方向で考えて「増加」するものと「減
少」するものを各々、「増加」、「減少」と記載する。
その場合、シートの片側の面(A面)から、 (1) 支持体−「増加」する層−「増加」する層 (2) 支持体−「減少」する層−「減少」する層 (3) 「増加」する層−支持体−「増加」する層 (4) 「減少」する層−支持体−「減少」する層 (5) 支持体−「減少」する層−「減少」する層−支
持体 (6) 支持体−「増加」する層−「増加」する層−支
持体 等が考えられる。
【0060】「増加」する層、「減少」する層は各々、
単層でも複数層あってもよいが、「増加」する層は常に
「増加」する層との組み合わせ、「減少」する層は常に
「減少」する層との組み合わせで用いられることが必要
であり、一枚の光学補償フィルム上に「増加」する層と
「減少」する層とが組み合わされて用いられることはな
い。
【0061】前記(1)および前記(2)は、支持体上
に通常のプレチルト角(0度より大きく40度以下)を
与える配向膜を介して液晶性化合物を配向させた層の上
に、別の支持体上で同様に形成させた第二の液晶性化合
物を配向させた層を、例えば粘着剤を介して転写するこ
とにより達成される。また、前記(5)、前記(6)
は、この方法で支持体ごと転写した場合である。
【0062】例えば、この支持体ごと転写する方法は、
本発明の光学補償シートをさらに容易に作製することを
可能にする。すなわち、支持体上に1層の光学異方層を
形成した後、これをシート面内における配向方向に対し
て45度の軸を中心に二つ折りして貼合することにより
作製することができる。
【0063】また、前記(1)は、別の方法によっても
達成できる。例えば、支持体上に通常のプレチルト角を
与える前出の配向膜を介して液晶性化合物を配向させた
層の上に、次にホメオトロピック配向を与える配向膜を
介して液晶性化合物を配向させることにより達成され
る。
【0064】前記(2)についても、同様に第一の液晶
性化合物を配向させた層と第二の層とを逆にすることに
より達成される。
【0065】前記(3)、前記(4)は、支持体の両面
に同一の性質の配向膜を介して液晶性化合物を配向させ
た層を形成したものであり、各々、ホメオトロピック配
向を与える配向膜、通常のプレチルト角を与える配向膜
同士を用いた場合である。これは、典型的には、支持体
の両面に液晶性化合物を塗設し配向させることにより達
成されるが、例えば他の方法として、支持体上に1層の
光学異方層を形成した後、これをシート面内における配
向方向に対して45度の軸を中心に支持体を内側にして
二つ折りして貼合することによっても作製することがで
きる。いずれの層構成をとる場合であっても、平面内に
おける各々の層のなす配向方向の角度は略90度であ
る。
【0066】本発明の光学補償シートを液晶セルに貼合
して使用する場合の配置方法について説明する。
【0067】配置方向としては、偏光板の透過軸に対し
て、少なくとも1層の光学異方層の配向方向に合わせて
配置する(略平行にするともいう)ことが好ましい。前
記の光学異方層の配向方向と偏光板の透過軸とのずれは
多少であれば大きくは影響しないが、本発明に記載の効
果を維持するためには±5度程度のずれに抑えることが
好ましい。
【0068】光学補償シートと液晶セルの配置の関係
は、液晶セルの手前側(観察者側)のラビング方向がパ
ネルの右上−左下方向に45度の傾斜方向である場合
に、液晶セルの手前側に配置した光学補償シートの光学
異方性化合物のチルト角は、シート面の手前から順に、
第一の層が面内で右上から左下に向かってシート面との
なす角が減少していき、第二の層が面内で左上から右下
に向かってシート面とのなす角が増加していくような配
置方法を一例として挙げることが出来るが、本発明では
これらの配置に限定されない。
【0069】次に、本発明に係る光学異方層と支持体と
の間に配置できる接着層に関して説明する。
【0070】本発明の光学補償シートの構成において
は、偏光子(液晶層)と支持体のとの接着性を向上させ
るために、接着性層を設けることが好ましい。本発明の
光学補償シートの構成においては、好ましくは支持体の
一方の側に紫外線硬化塗膜層を設け、その反対側に偏光
膜(液晶層)と接着性を向上させるための接着性層が設
けられる。
【0071】接着性層は1層であってもよく、2層以上
であってもよく、接着性層の易接着性を持たせるために
は、親水性高分子化合物が好ましく用いられる。親水性
高分子化合物としては、例えば−COOH基含有高分子
化合物、好ましくは−COOH基含有の酢酸ビニル−マ
レイン酸共重合体、又は親水性セルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコール誘導体、天然高分子化合物、親水性ポ
リエステル誘導体、ポリビニル誘導体等が挙げられる。
【0072】本発明の光学補償シートに係る支持体につ
いて説明する。本発明に係る支持体は、好ましくは透明
支持体が用いられ、更に好ましく用いられるのは、光透
過率が80%以上の透明支持体である。
【0073】また、本発明に係る支持体としては、支持
体自体が上記記載の配向層としての機能、すなわち、支
持体上に塗設された重合性液晶性化合物を配向させる能
力を付与された支持体を用いても良い。
【0074】上記のような重合性液晶性化合物を配向さ
せる能力を付与された支持体は、例えば、特開平9−2
81331号に記載の支持体を用いることが出来る。
【0075】これらの素材としてはトリアセチルセルロ
ースなど、固有複屈折値が小さい素材から形成された素
材が好ましく、トリアセチルセルロースフィルム(コニ
カ(株)製)などを用いることができる。
【0076】但し、光透過率が良好であれば、固有屈折
率が大きい素材でも製膜時に特に正面から見たときに光
学的等方性を有するものが好ましい。この様な材料とし
ては、ゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTO
N(日本合成ゴム(株)製)などの市販品を使用するこ
とができる。更に、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルフォン及びポリエーテルスルフォンなどの
固有複屈折率の大きい素材であっても、溶液流延、溶融
押し出し等の条件、更には縦、横方向に延伸条件等を適
宜設定することにより、得ることが出来る。
【0077】本発明に係る支持体は、透明な材料であれ
ば特に限定されるものではないが、光学的に実質的に等
方性のものであればシート全体の光学異方性を液晶層で
コントロールしやすいため好ましい。
【0078】また、TN型液晶セルは黒表示の時に液晶
層中間部の液晶分子が垂直に配列するため正の1軸性を
示すが、この部分の補償を助けるために、支持体自身が
法線方向に光軸を有する負の1軸性を有するか、さらに
は面内の屈折率異方性が異なる2軸性を有しかつ支持体
面の法線方向の屈折率がさらに小さい値であることがさ
らに有効である(nx≠ny>nz、ここでnx;支持
体平面内の一方向、ny;支持体平面内のnxに直交す
る方向、nz;支持体の厚み方向)。このような特性を
得やすい材料としては、アセチルセルロースプロピオネ
ートが挙げられる。これは、アセチル置換度2.0、プ
ロピオニル置換度0.8が好ましい。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが本発明
はこれらに限定されない。
【0080】実施例1 《透明支持体1および2の作製》下記のドープ組成物1
を用いて、透明支持体1、2を作製した。
【0081】 (ドープ組成物1の調製) 綿花リンターから合成したセルローストリアセテート(酢化度61.0%) 50部 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート(酢化度61.0%) 50部 チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5部 チヌビン328(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5部 トリフェニルホスフェート(可塑剤A) 12部 アエロジル200(微粒子シリカ、日本アエロジル社製、0.016μm) 0.1部 メチレンクロライド 460部 エタノール 40部 上記のドープ組成物1を密閉容器に投入し、加圧下で8
0℃に保温、攪拌しながら完全に溶解させた。次に、こ
のドープを濾過し、冷却して31℃に保ち、2つのドラ
ムに張られた回転する長さ6m(有効長5.5m)のエ
ンドレスステンレスバンド上に均一に流延し、剥離残留
溶媒量が50%になるまで溶媒を蒸発させた時点でステ
ンレスバンド上から剥離張力9.8N/mで剥離し、多
数のロールで搬送張力127N/mで搬送させながら乾
燥させ、膜厚80μmの透明支持体1(セルローストリ
アセテート(TAC)フィルム)を得た。また、膜厚を
40μmに調整する以外は、同様にして透明支持体2を
作製した。
【0082】《透明支持体3の作製》セルロース樹脂
(アセチル基置換度2.92のセルロースアセテート
(数平均分子量200000)とアセチル基置換度2.
45のセルロースアセテート(数平均分子量10000
0)を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.6
5となるように調製)を100質量部、エチルフタリル
エチルグリコレート5質量部、トリフェニルホスフェー
ト3質量部、塩化メチレン290質量部、エタノール6
0質量部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しな
がら徐々に昇温し、60分かけて45℃まで上げ溶解し
た。容器内は1.2気圧となった。
【0083】このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過した後、24時間静置しド
ープ中の泡を除いた。また、これとは別に、セルロース
アセテートプロピオネート5質量部、チヌビン326
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)6質量
部、チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ(株)製)及びAEROSIL
R972V(日本アエロジル(株)製)をそれぞれ1質
量部を塩化メチレン94質量部とエタノール8質量部を
混合し撹拌溶解し、紫外線吸収剤溶液を調製した。上記
ドープ100質量部に対して前記紫外線吸収剤溶液を2
質量部の割合で加え、スタチックミキサーにより十分混
合した後、ダイからステンレスベルト上にドープ温度3
0℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から25℃の
温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベル
ト上で1分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面
に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、ス
テンレスベルトから剥離した。剥離時のウェブ中の残留
溶媒量は100質量%であった。
【0084】次いで、同時二軸延伸テンターを用いて剥
離したウェブの両端をクリップで掴み、クリップ間隔を
巾方向と流延方向(長さ方向)に同時に変化させること
で、120℃で巾方向に1.05倍、流延方向(長さ方
向)に1.2倍延伸した。延伸終了後、一旦、フィルム
温度を80℃まで冷却した後、周速の異なるローラーを
用いて130℃で長さ方向に1.05倍延伸した。更に
ローラー搬送しながら130℃で10分間乾燥させ、膜
厚100μmのセルロースエステルフィルムを得た。
【0085】このセルロースエステルフィルムは、コア
径200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、
長さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンショ
ン法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度250
℃のエンボスリングを押し当て、厚みだし加工を施し
て、フィルム同士の密着を防止した。
【0086】《支持体のリターデーション(R0(n
m)、Rt(nm)、Rt/R0)測定》上記で得られた
透明支持体1〜3の各々について、自動複屈折計KOB
RA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、
23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにお
けるリターデーションの角度特性を測定した。
【0087】透明支持体1、2、3の物性値は下記に示
す。 膜厚 R0t 透明支持体1 80μm 2.0nm 52.2nm 透明支持体2 40μm 2.0nm 31.0nm 透明支持体3 100μm 65.0nm 72.1nm ここで、R0およびRtは下記式(a)、(b)で定義さ
れる透明支持体のリターデーション値を示す。
【0088】(a)R0=(nx−ny)×d (b)Rt=((nx+ny)/2−nz)×d 式中、nxは支持体の面内での最大屈折率方向であるx
方向、nyはx方向に垂直な該支持体面内の方向である
y方向の屈折率である。nzは厚み方向での該支持体の
屈折率、dは該支持体の厚み(nm)である。
【0089】《配向膜(配向層ともいう)の作製》以下
の方法により、上記で作製した透明支持体上に配向膜を
塗設して、さまざまな配向を与える配向膜を作製した。
尚、配向膜作製に当たり、各々の透明支持体上に0.1
μmの膜厚を有するゼラチン下引き層を塗設した。
【0090】(配向膜A−1の作製)上記透明支持体1
のゼラチン下引き層の上に1gの直鎖アルキル変性ポリ
ビニルアルコール(MP−203;クラレ(株)製)を
メタノール:水=1:4の混合比を有する溶媒100m
lに溶解後、ワイヤバー#3により塗布した。次いで、
80℃温風にて乾燥させた後、ラビング処理を行い配向
膜A−1を作製した。
【0091】(配向膜A−2の作製)上記透明支持体1
のゼラチン下引き層の上に1gの下記構造のアルキル変
性ポリビニルアルコールをメタノール:水=1:4の混
合比を有する溶媒100mlに溶解後ワイヤバー#3に
より塗布した。これを80℃温風にて乾燥させた後ラビ
ング処理を行い配向膜A−2を作製した。
【0092】
【化1】
【0093】(配向膜A−3の作製)配向膜A−1の透
明支持体1を透明支持体3に変えた以外は同様の方法に
より配向膜A−3を作製した。尚、ラビング方向は透明
支持体の面内屈折率が最大となる方向と略直交するよう
にした。
【0094】(配向膜A−4の作製)配向膜A−2の透
明支持体1を透明支持体3に変えた以外は同様の方法で
配向膜A−4を作製した。尚、ラビング方向は透明支持
体の面内屈折率が最大となる方向と略直交するようにし
た。
【0095】尚、上記記載のラビング処理の方向につい
ては、配向膜を塗布した支持体を配向膜側から見て直線
上にラビングした方向をY軸の+方向と見なし、それに
直交するX軸を同様に支持体面内に設定し、基準軸(基
準配置ともいう)とした。以後、特に断らない限り、ラ
ビング処理の方向については、前記の基準軸(基準配
置)を用いるものとする。
【0096】《液晶性化合物の配向特性の評価方法》本
発明の光学補償シートに係る配向膜の特性と液晶性化合
物の組み合わせによって得られる重合性液晶性化合物の
配向特性は以下の手順で決定した。
【0097】上記で作製した各配向膜4種類と下記に示
す溶液LC−1、溶液LC−2を用いて各配向膜の特性
を検討した。溶液LC−1、LC−2中の各々の重合性
液晶性化合物の液晶性は、いずれもエナンチオトロピッ
クなネマティック層を発現する。
【0098】 (溶液LC−1の組成) MEK(メチルエチルケトン) 89.5部 化合物1 3部 化合物2 4部 化合物3 3部 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1.5部
【0099】
【化2】
【0100】
【化3】
【0101】
【化4】
【0102】 (溶液LC−2の組成) MEK 88.5部 化合物1 5部 化合物2 3部 化合物3 3部 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1.5部 (溶液LC−3の組成) MEK(メチルエチルケトン) 93.5部 化合物1 1.5部 化合物2 2部 化合物3 1.5部 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1.5部 (溶液LC−4の組成) MEK 93部 化合物1 2.5部 化合物2 1.5部 化合物3 1.5部 イルガキュアー369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製) 1.5部 光学異方層の配向膜界面及び空気界面のチルト角測定は
クリスタルローテーション法を用いて行った。その結
果、各々の液晶材料の配向膜及び空気界面のチルト角は
以下の表1、表2に示すような特性を示した。
【0103】まず、配向膜を塗布したスライドグラスを
用いて各々、配向処理(ラビング処理)を行い、溶液L
C−1、LC−2を配向膜上に塗布後、溶剤を乾燥さ
せ、配向膜がアンチパラレルになるよう合わせた。次い
で、液晶層の厚さを調整して液晶層の厚みを2μm、5
μm次いで10μmと変化させ、ホットステージを用
い、液晶温度範囲でオルソスコープ像、コノスコープ像
の観察を行い、さらにアンチパラレル処理を行った際の
それぞれの試料の平均チルト角を自動複屈折計を用いて
測定した。得られた結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】表1から、配向膜A−1に挟まれた状態の
液晶溶液LC−1から作製した液晶性化合物、液晶溶液
LC−2から作製した液晶性化合物共にチルト角が小さ
い、即ち、配向膜に挟まれた棒状の液晶分子が各々、横
たわった状態であることを示している。それとは逆に、
配向膜A−2に挟まれた状態の液晶溶液LC−1、LC
−2から各々作製された液晶性化合物は共にチルト角が
大きい、即ち、配向膜A−2に挟まれた棒状の液晶分子
が各々、立っている状態であることを示す。
【0106】更に、上記とは別途に、各々の配向膜に溶
液LC−1、LC−2を塗布、乾燥、熱処理を行い、液
晶性化合物の片面のみに配向膜を配置し、もう片面は空
気界面となるような、様々な膜厚の試料を作製し、同様
の観察、測定を行った。得られた結果を表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】表2から、配向膜A−1、A−2のプレチ
ルト角は、LC−1、LC−2を用いる場合には各々約
1°、約65°であり、溶液LC−1は空気界面で高い
チルト角を、溶液LC−2は空気界面で低いチルト角を
示すことがわかった。
【0109】また、液晶溶液LC−3は上記の液晶溶液
LC−1と同様な挙動を示し、液晶溶液LC−4は上記
のLC−2と同様な挙動を示す。
【0110】《光学補償シートの作製》 (光学補償シート1の作製)前述の配向膜A−2上に上
記の溶液LC−2をワイヤバー#4を用いて塗設した。
更に、これを30秒間75℃、20秒間55℃の順に無
風状態で乾燥を行った後、98kPaで60秒間窒素パ
ージを行い酸素濃度0.1%条件下で450mJの紫外
線により硬化させた膜を作製した。こうして得られた1
層の光学異方層を有するシートをS−1とした。
【0111】次に、S−1上に配向膜A−2を前述の方
法に従い作製した。この時ラビング方向は、S−1で定
義した方向に対して+X方向に行った。そして、この配
向膜上に前述の溶液LC−2をワイヤバー#4を用いて
塗設した。これを10秒間室温で、次いで30秒間75
℃、20秒間55℃の順に無風状態で乾燥を行った後、
98kPaで60秒間窒素パージを行い酸素濃度0.1
%条件下で450mJの紫外線により硬化させ、図1に
示すような、透明支持体1の片面に、2層の液晶性化合
物の配向を固定化した光学異方層を有する光学補償シー
ト1を得た。
【0112】(光学補償シート2の作製)上記記載の配
向膜A−1上に、溶液LC−1をワイヤバー#4を用い
て塗設した。これを10秒間室温で、次いで30秒間7
5℃、20秒間55℃の順に無風状態で乾燥を行った
後、98kPaで60秒間窒素パージを行い酸素濃度
0.1%条件下で450mJの紫外線により硬化させた
膜を作製した。こうして、1層の光学異方層を有するシ
ートS−2を得た。次に、S−2上に配向膜A−1を前
述の方法に従い作製した。この時ラビング方向は、S−
2で定義した方向に対して+X方向に行った。そして、
この配向膜上に前述の溶液LC−1をワイヤバー#4を
用いて塗設した。これを10秒間室温で、次いで30秒
間75℃、20秒間55℃の順に無風状態で乾燥を行っ
た後、98kPaで60秒間窒素パージを行い酸素濃度
0.1%条件下で450mJの紫外線により硬化させ、
透明支持体1の片面に、2層の液晶性化合物の配向を固
定化した光学異方層を有する光学補償シート2を得た。
【0113】(光学補償シート3の作製)前述の配向膜
A−3上に、溶液LC−1をワイヤバー#4を用いて塗
設した。これを10秒間室温で、次いで30秒間75
℃、20秒間55℃の順に無風状態で乾燥を行った後、
98kPaで60秒間窒素パージを行い酸素濃度0.1
%条件下で450mJの紫外線により硬化させ図2に示
すような光学補償シート3を作製した。
【0114】(光学補償シート4の作製)前述の配向膜
A−4上に、溶液LC−2をワイヤバー#4を用いて塗
設した。これを10秒間室温で、次いで30秒間75
℃、20秒間55℃の順に無風状態で乾燥を行った後、
98kPaで60秒間窒素パージを行い酸素濃度0.1
%条件下で450mJの紫外線により硬化させ光学補償
シート4を作製した。
【0115】(光学補償シート5の作製)透明支持体1
を透明支持体2にする以外は光学補償シート1と同様の
方法で光学補償シート5を作製した。
【0116】(光学補償シート6の作製)透明支持体1
を透明支持体3にする以外は光学補償シート1と同様の
方法で光学補償シート6を作製した。
【0117】《比較の光学補償シートの作製》(比較の
光学補償シート1の作製)前述の方法で作製したシート
S−2上に配向膜A−2を前述の方法に従い作製し、更
に上記記載の方法でLC−2を塗設し、比較の光学補償
シート1を得た。
【0118】(比較の光学補償シート2の作製)前述の
方法で作製したシートS−1上に配向膜A−1を前述の
方法に従い作製し、この配向膜上に溶液LC−2をワイ
ヤバー#4を用いて塗設した。これを10秒間室温で、
次いで30秒間75℃、20秒間55℃の順に無風状態
で乾燥を行った後、98kPaで60秒間窒素パージを
行い酸素濃度0.1%条件下で450mJの紫外線によ
り硬化させ、比較の光学補償シート2を得た。
【0119】(比較の光学補償シート3の作製)上記記
載の光学補償シート1において溶液LC−2を溶液LC
−4とし、ワイヤバーを♯4から♯3に変更(光学異方
層の膜厚を減少させる)した以外は、同様にして、比較
の光学補償シート3を作製した。
【0120】(比較の光学補償シート4の作製)上記記
載の比較の光学補償シート1の作製において、溶液LC
−1を溶液LC−3、溶液LC−2を溶液LC−4と
し、ワイヤバーを#4から#3に変更した以外は同様に
して、比較用の光学補償シート4を作製した。
【0121】尚、LC−1、2をワイヤバー#4で塗布
した際、乾燥膜厚は0.8μmに、LC−3、4をワイ
ヤバー#3で塗布した際に乾燥膜厚は0.5μmになる
ことを確認した。
【0122】作製した光学補償シート1〜6、比較の光
学補償シート1〜4の各々の特性を下記の表3に示す。
【0123】
【表3】
【0124】《視野角評価方法》上記で作製した、光学
補償シート1〜6および比較の光学補償シート1〜4の
各々について下記のようにして視野角測定を行った。
【0125】具体的には、光学補償シートの軸が偏光板
の透過軸(光透過軸)と一致するように貼合し、例え
ば、光学補償シート1の場合ならば、液晶性化合物の配
向方向が、NEC製15インチディスプレイMulti
Sync LCD1525Jに、あらかじめ貼合され
ていた光学補償シートを剥がしてからそこに貼り付け
て、ELDIM社製EZ−contrastにより視野
角を測定した。視野角は、液晶パネルの白表示と黒表示
時のコントラスト比が10以上を示すパネル面に対する
法線方向からの傾き角の範囲で表した。
【0126】図3に示す光学補償シート1、図4に示す
光学補償シート2は各々、液晶セルに張り合わせた状態
での光学補償シートを表す説明図である(但し、液晶セ
ルは図示されていない)。
【0127】各々の図において、図3(a)、図4
(a)は光学補償シートを液晶セルに貼り付けた状態で
の正面図をあらわし、図3(b)、図4(b)は、光学
補償シートの一辺5に平行な状態から、光学補償シート
を観察したときの断面図を表す。
【0128】実線で示される矢印3は、観察者側から見
て、手前に位置する液晶性化合物の配向方向を示し、点
線で示される矢印2は、観察者から見て奥に位置する液
晶性化合物の配向方向を示す。さらに、図3(c)は図
3(b)の模式図を示すものであり、屈折率楕円体単位
(重合性液晶性化合物を表す、但し、重合反応後に配向
が固定化された後は、光学異方性化合物となる)のフィ
ルム面となす角度が上(光学補償シートの表面側)に行
くに従い小さくなる、いわゆるハイブリッド配向である
ことを示したものである。
【0129】図3(a)、図4(a)の各々の正面図
は、本発明の光学補償シートにおいて、2層の液晶性化
合物の配向方向が各々、交差していることを示す説明図
であり、また、図3(b)および図4(b)の断面図
は、光学補償シートの厚さ方向に対して、各2層の液晶
性化合物の配向方向とシート面とのなす角度が連続的ま
たは段階的に増加または減少するが、その減少または増
加が2層の液晶化合物が互いに同じ方向に変化すること
を示す説明図である。
【0130】視野角測定の結果、本発明の光学補償シー
トは、いずれも左右の視野角が60°以上、上45°以
上、下35°以上の良好な値を示した。一方、比較の4
種の光学補償シート1〜4は、いずれも左右方向からの
視野角特性が著しく異なり、いずれも本発明の光学補償
シートの視野角と比較して著しく劣っていた。
【0131】
【発明の効果】本発明により、TN−TFTなどのTN
型LCDの視野角特性、すなわち、斜め方向から見た場
合の画面の着色、明暗の反転現象を簡便に改善できる光
学補償シートを提供し、且つ、それを用いて簡単な構成
で著しく視野角が改善される液晶表示装置を提供するこ
とが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学補償シートの一例を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の光学補償シートの一例を示す概略図で
ある。
【図3】(a)は、光学補償シート1を液晶セルに貼合
し、正面から見たときの概略図(液晶セルは省略)、
(b)は、光学補償シート1を正面に対して側面から見
たときの断面図であり、(c)は、屈折率楕円体のシー
ト面とのなす角度がシート表面に行くに従い小さくな
る、ハイブリッド方向であることを示す模式図である。
【図4】(a)は、光学補償シート2を液晶セルに貼合
し、正面から見たときの概略図(液晶セルは省略)、
(b)は、光学補償シート2を正面に対して側面から見
たときの断面図である。
【符号の説明】 1 光学補償シート 2 観察者から見て奥に位置する液晶性化合物の配向方
向 3 観察者側から見て、手前に位置する重合性液晶性化
合物の配向方向 4 光学補償シートの一辺
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 滝山 信行 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB03 BB49 BC03 BC04 BC05 BC22 2H091 FA11X FA11Z FB02 FD10 FD15 GA06 HA07 KA05 LA18 LA20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向層を有する支持体A上の該配向層を
    有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設す
    るか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
    う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
    化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
    む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
    該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
    もしくは段階的に減少するように、該重合性液晶性化合
    物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
    ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
    おいて、該配向層または該支持体Bと該光学異方層との
    界面に存在する該光学異方性化合物のチルト角αに対し
    て、平均チルト角θが0<θ<α/2であることを特徴
    とする光学補償シート。
  2. 【請求項2】 配向層を有する支持体A上の該配向層を
    有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設す
    るか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
    う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
    化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
    む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
    該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
    もしくは段階的に増加するように、該重合性液晶性化合
    物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
    ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
    おいて、該光学異方層と空気界面に存在する該光学異方
    性化合物のチルト角βに対し、平均チルト角θが0<θ
    <β/2であることを特徴とする光学補償シート。
  3. 【請求項3】 配向層を有する支持体A上の該配向層を
    有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設す
    るか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
    う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
    化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
    む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
    該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
    もしくは段階的に減少するように、該重合性液晶性化合
    物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
    ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
    おいて、該光学異方層内で配向を固定化した該光学異方
    性化合物の光学軸と該光学補償シート面とのなす角が4
    0°〜50°である範囲に該光学異方性化合物が少なく
    とも5%含まれることを特徴とする光学補償シート。
  4. 【請求項4】 配向層を有する支持体A上の該配向層を
    有する側に、重合性液晶性化合物を含む塗工液を塗設す
    るか、または、配向性を有する支持体(支持体Bとい
    う)上に該塗工液を塗設し、塗設された該重合性液晶性
    化合物の光学軸と該支持体面(支持体A、Bの両方を含
    む、単に支持体という)とのなす角度が、該支持体から
    該塗工液により塗設された層の厚さ方向に対して連続的
    もしくは段階的に増加するように、該重合性液晶性化合
    物の配向を固定化して得られた光学異方性化合物を含む
    ように光学異方層の全てが調整された光学補償シートに
    おいて、該光学異方層内で配向を固定化した該光学異方
    性化合物の光学軸と該光学補償シート面とのなす角が4
    0°〜50°である範囲に該光学異方性化合物が少なく
    とも5%含まれることを特徴とする光学補償シート。
  5. 【請求項5】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、単
    に支持体という)の片面または両面に、光学異方層を少
    なくとも2層有し、該光学異方層の光学補償シート面内
    における光学遅相軸が80°〜100°で交差している
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の光学補償シ
    ート。
  6. 【請求項6】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、単
    に支持体という)の片面または両面に、光学異方層を少
    なくとも2層有し、該光学異方層の光学補償シート面内
    における光学遅相軸が80°〜100°で交差している
    ことを特徴とする請求項2または4に記載の光学補償シ
    ート。
  7. 【請求項7】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、単
    に支持体という)の片面及び両面に、光学異方層を各
    々、少なくとも1層ずつ有し、該光学異方層の光学補償
    シート面内における光学遅相軸が80°〜100°で交
    差していることを特徴とする請求項3または4に記載の
    光学補償シート。
  8. 【請求項8】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、単
    に支持体という)として光学的に2軸性のセルロースエ
    ステルフィルムを用いることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  9. 【請求項9】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、単
    に支持体という)として光学的に2軸性のセルロースエ
    ステルフィルムを用い、該支持体の光学補償シート面内
    の屈折率が最大となる方向と、光学異方層の光学補償シ
    ート面内の屈折率が最大となる方向が80°〜100°
    で交差していることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の光学補償シート。
  10. 【請求項10】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、
    単に支持体という)として光学的に2軸性のセルロース
    エステルフィルムを用い、該支持体の光学補償シート面
    内の屈折率が最大となる方向と、少なくとも1層の光学
    異方層の光学補償シート面内の屈折率が最大となる方向
    が80°〜100°で交差していることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  11. 【請求項11】 重合性液晶性化合物として、棒状の液
    晶性化合物を用いることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれか1項に記載の光学補償シート。
  12. 【請求項12】 支持体(支持体A、Bの両方を含む、
    単に支持体という)が光学的に二軸性のセルロースエス
    テルフィルムであり、該支持体の面内方向のリターデー
    ション値(R0)が5〜95nmの範囲内であって、厚
    さ方向のリターデーション値(Rt)が15〜300n
    mの範囲内であることを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれか1項に記載の光学補償シート。
  13. 【請求項13】 支持体と光学異方層の間に、少なくと
    も1層の配向層および少なくとも1層の溶出ブロック層
    を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1
    項に記載の光学補償シート。
  14. 【請求項14】 溶出ブロック層が水溶性ポリマーを含
    有することを特徴とする請求項13に記載の光学補償シ
    ート。
  15. 【請求項15】 液晶表示装置を製造するに当たり、請
    求項1〜14のいずれか1項に記載の光学補償シートを
    該液晶ディスプレイの片面のみに用いて製造することを
    特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004145327A (ja) * 2002-10-04 2004-05-20 Dainippon Printing Co Ltd 光学素子およびそれを用いた液晶表示装置
JP2010503878A (ja) * 2006-09-13 2010-02-04 ロリク アーゲー ボリューム光アラインされたリターダ
US7843531B2 (en) 2004-09-13 2010-11-30 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and manufacturing method therefor

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