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JP2002198255A - 積層型電子部品 - Google Patents

積層型電子部品

Info

Publication number
JP2002198255A
JP2002198255A JP2000396001A JP2000396001A JP2002198255A JP 2002198255 A JP2002198255 A JP 2002198255A JP 2000396001 A JP2000396001 A JP 2000396001A JP 2000396001 A JP2000396001 A JP 2000396001A JP 2002198255 A JP2002198255 A JP 2002198255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal electrode
electrode layer
electronic component
metal
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000396001A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyoshi Yamaguchi
勝義 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000396001A priority Critical patent/JP2002198255A/ja
Publication of JP2002198255A publication Critical patent/JP2002198255A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部電極層の薄層化とともに有効面積の拡大を
図り、静電容量が高く、且つデラミネーション等の内部
欠陥のない積層型電子部品を提供する。 【解決手段】誘電体層7と、Ni金属からなり金属部1
5と無電極部13を備えた内部電極層5とが交互に積層
された電子部品本体1の端部に、前記内部電極層5が接
続される外部電極3を形成してなる積層型電子部品にお
いて、前記内部電極層5の無電極部13を含めた全体面
積をAtとし、金属部の面積をAmとした時、Am/A
t≧0.8の関係を満足する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型電子部品に
関し、特に、積層セラミックコンデンサに用いられる積
層型電子部品に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高密度化に伴
い、積層型電子部品、例えば、積層型電子部品は、小
型、高容量、および高い信頼性が求められており、この
ため、誘電体層の薄層化と積層数の増加、内部電極
層の薄層化、誘電体層の高誘電率化が図られており、
例えば、誘電体層の厚みを13μm以下、誘電体積層数
を100層以上とした高容量の積層型電子部品が開発さ
れている。
【0003】このような積層型電子部品としては、内部
電極層の薄層化に関し、例えば、特開平11−2511
73号公報に開示されるようなものが知られている。
【0004】この公報に開示された積層型電子部品は、
内部電極層として、平均粒径が10〜200nmのNi
金属粉末を含有する導体ペーストを用いて、誘電体グリ
ーンシートの主面に内部電極パターンを形成し、内部電
極層の厚みが0.2〜0.7μmになるように形成する
ことによって、内部電極層の薄層化をはかり、静電容量
の向上とともに、デラミネーションの発生を抑制するよ
うにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平11−251173号公報に開示された積層型電子
部品では、内部電極層が超微粒子のNi金属粉末により
形成されているために、焼成時に、内部電極パターンの
金属粉末が焼成収縮することにより、内部電極層の有効
面積が大きく低下し、静電容量が低下するという問題が
あった。
【0006】また、内部電極層を形成する導体ペースト
に、上記のような超微粒子の金属粉末を用いているため
に、金属粉末の表面が容易に酸化されやすく、金属粉末
自体の導電性が低下し、焼成後においても、その表面酸
化層のために内部電極層の導電性が悪くなるという問題
があった。
【0007】従って、本発明は、内部電極層の薄層化と
ともに有効面積の拡大を図り、静電容量が高く、且つデ
ラミネーション等の内部欠陥のない積層型電子部品を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型電子部品
は、誘電体層と、Ni金属膜からなり金属部と無電極部
を備えた内部電極層とが交互に積層された電子部品本体
の端部に、前記内部電極層が接続される外部電極を形成
してなる積層型電子部品において、前記内部電極層の無
電極部を含めた全体面積をAtとし、金属部の面積をA
mとした時、Am/At≧0.8の関係を満足するもの
である。
【0009】このような構成によれば、内部電極層の厚
みを1.5μm以下と薄くしても、電気的導通が確実に
得られ、内部構造欠陥が殆どないNi内部電極層を備え
る積層型電子部品を得ることができる。また、電子部品
本体の内部電極層の金属占有比を高めることにより、積
層型電子部品の内部電極層の有効面積を高め、静電容量
を向上することができる。
【0010】上記積層型電子部品では、内部電極層の主
面のX線回折において、結晶面(200)のピーク強度
をI(200)、結晶面(111)のピーク強度をI
(111)とした時、I(200)/I(111)≧
0.7の関係を満足することが望ましい。
【0011】上記のように、膜面に対して結晶面が揃う
ように形成された金属膜は、結晶粒子が配向しており、
一般に高温下でも高い降伏応力を有するため、焼成時の
高温下において金属膜が収縮し難くなり、展性や焼成収
縮に対して高い耐性を有し、内部電極層は高い連続層を
維持することができ、薄層化しても高強度の内部電極層
が得られる。こうして、電子部品本体の焼成温度を高く
できるため、誘電体層の緻密化を促進し、積層型電子部
品の静電容量および絶縁性を高めることができ、デラミ
ネーションを抑制できる。
【0012】上記積層型電子部品は、内部電極層が圧延
金属膜を用いて形成されていることが望ましい。内部電
極層が予め圧延して形成された金属膜を用いて形成され
ているために、超微粒子の金属粉末からなる従来の導体
材料よりも、耐酸化性に優れており、高い導電性を得る
ことができる。
【0013】また、圧延することにより、短時間で大面
積の金属膜を形成することができるため、有効面積の大
きな内部電極層を容易に形成でき、積層型電子部品の静
電容量を容易に高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(構造)本発明の積層型電子部品
である積層セラミックコンデンサの一形態について、図
1の概略断面図をもとに詳細に説明する。
【0015】本発明の積層セラミックコンデンサは、直
方体状の電子部品本体1の両端部に外部電極3を形成し
て構成されている。
【0016】また、電子部品本体1は、内部電極層5と
誘電体層7を交互に積層し、さらに、誘電体層7と同一
材料からなる絶縁層9を積層して構成されている。
【0017】内部電極層5は、メッキ法や圧延法のよっ
て形成されたものであり、図2(a)に示すように、平
面的に金属が欠損した部分がほとんど無い均一なNi金
属膜から構成されている。
【0018】また、メッキ法により形成された内部電極
層5は、図2(b)に示すように、金属の結晶粒子11
が連続的に連結され、無電極部13等の内部構造欠陥が
殆ど無い。
【0019】また、圧延法により形成された内部電極層
5はさらには、図2(c)に示すように、断面的に見
て、結晶粒子11が扁平形状であり、その結晶粒子11
の長径方向が内部電極層5の主面に対して、平行に配列
して形成されている。
【0020】このようなメッキ法や圧延法により形成さ
れた内部電極層5では、有効面積を広くでき、静電容量
を大きく且つ安定化できる。
【0021】そして、本発明の積層セラミックコンデン
サでは、この内部電極層5の無電極部13を含めた全体
面積をAtとし、金属部15の面積をAmとした時、金
属占有比(Am/At)が、Am/At≧0.8の関係
を満足することが重要である。
【0022】一方、Am/At<0.8の場合には、内
部電極層5の無電極部13が多くなり、内部電極層5の
有効面積の減少とともに、積層セラミックコンデンサの
静電容量が低下するからである。
【0023】このような構成によれば、積層型電子部品
の誘電体層7とともに内部電極層5が薄層高積層化して
も、電気的導通が確実に得られ、内部構造欠陥が皆無の
Ni金属からなる内部電極層5を備える積層型電子部品
を形成することができる。また、電子部品本体1の内部
電極層5の金属占有比を高めることにより、積層型電子
部品の内部電極層5の有効面積を高めることができ、静
電容量を向上することができる。
【0024】特に、この内部電極層5の金属占有率(A
m/At)は、積層セラミックコンデンサの静電容量を
向上させる上では高いことが望ましいが、内部電極層5
を挟んで接合される誘電体層7と内部電極層5との接合
を強化するために、内部電極層5の一部に誘電体層同士
の結合箇所が形成されることが望ましく、金属占有率は
0.8〜0.95の範囲がより好ましい。
【0025】そして、この内部電極層5は、Ni金属か
ら形成されており、その結晶構造は、その内部電極層5
の主面を回折面とした場合に、図3に示すようなX線回
折パターンによって表される。
【0026】また、この内部電極層5の主面のX線回折
パターンにおいて、結晶面(200)のピーク強度をI
(200)、結晶面(111)のピーク強度をI(11
1)としたときのX線回折ピーク強度比I(200)/
I(111)が、I(200)/I(111)≧0.7
の関係を満足することが望ましい。
【0027】この関係を満足することにより結晶粒子1
1が膜面に平行に配向した内部電極層5を形成できる。
【0028】一般に高温下でも高い降伏応力を有するた
め、焼成時の高温下において金属膜が収縮し難くなり、
展性や焼成収縮に対して高い耐性を有し、内部電極層は
高い連続層を維持することができる。
【0029】また、Ni金属からなる内部電極層5の結
晶粒子11の結晶面(200)のピークは、X線源とし
てCu−kα線を用いた場合のX線回折図において、2
θ=52°付近に生じ、また、結晶面(111)のピー
クは、2θ=45°付近に生じる。そして、これらのX
線回折ピークの高さをX線回折強度として捕らえ、これ
ら2つのX線回折強度比を上記のような関係によって導
くことにより、金属膜の結晶配向性を評価することがで
きる。
【0030】本発明の積層型電子部品では、X線回折ピ
ーク強度比は、特に、結晶粒子の配向性の点から1.0
〜2.0の範囲であることが望ましい。
【0031】また、この内部電極層5の厚みは、上記の
ように、積層型電子部品の小型化、薄層化という点から
1.5μm以下が好ましく、内部電極層5によるデラミ
ネーションを防止し、内部電極層5の切断や穴の形成を
抑制し、さらに信頼性を高める上で、特には0.4〜
1.2μmの範囲であることが望ましい。
【0032】また、この内部電極層5の厚みばらつき
は、静電容量の安定化と絶縁抵抗の向上および安定化の
ために0.15μm以下が好ましい。
【0033】メッキ法による内部電極層5は、Am/A
tを0.8以上、X線ピーク強度比を0.7以上、厚み
を0.4〜0.6μm、厚みばらつきを0.004μm
とでき、圧延法による場合は、Am/Atを0.9以
上、X線ピーク強度比を1以上、厚みを0.4〜0.6
μm、厚みばらつきを0.007μmとできる。特に、
X線ピーク強度比を1という点から圧延法により形成す
ることが望ましい。
【0034】(製法・材料)次に、本発明の積層セラミ
ックコンデンサからなる積層型電子部品の製法について
説明する。
【0035】誘電体材料としては、例えば、BaTiO
3−MnO−MgO−Y23等の誘電体粉末と焼結助剤
が好適に使用できるがこれに限定されるわけではない。
これらの誘電体材料のうち、主原料のBaTiO3
は、固相法、液相法(シュウ酸塩を経過する方法等)、
水熱合成法等により合成されるが、そのうち粒度分布が
狭く、結晶性が高いという理由から水熱合成法が好適に
用いられる。そして、BaTiO3粉の比表面積は1.
7〜6.6(m2/g)が好ましい。
【0036】また、このように大きな比表面積を有する
原料粉末を用いて誘電体グリーンシートを形成する方法
として、ドクターブレード法、引き上げ法、リバースロ
ールコータ法、グラビアコータ法、スクリーン印刷法が
好適に用いられる。薄層化した誘電体グリーンシートを
形成するために、特に、ドクターブレード法が用いられ
ている。
【0037】具体的には、これらの誘電体材料の粉末、
バインダおよび溶媒を含有するセラミックスラリをキャ
リアフィルム上に塗布し、高速でキャスティングし、乾
燥することによって形成される。
【0038】このような工法で形成された誘電体グリー
ンシートの厚みは12μm以下であり、特に、積層型電
子部品の小型、大容量化という理由から1.5〜5μm
の範に形成されることが望ましい。
【0039】また、本発明の積層型電子部品に用いられ
るメッキ法による内部電極層5は、予め表面処理された
フィルム上に、パラジウム活性化処理液を塗布し、活性
化処理を行い、次に、ヒドラジンあるいはホウ素系の還
元剤を用いた無電解NiメッキによりNiの金属膜をフ
ィルム上に形成する。
【0040】または、所定のパターン状に内部電極層5
に寄与する部分にのみ穴を形成したマスクを準備し、フ
ィルムと重ね合わせ、この重ね合わせた2枚組のフィル
ムのマスク側からパラジウム活性化処理を行い、それに
続いて無電解Niメッキを行うこともできる。
【0041】また、内部電極層5となる金属膜を形成す
る方法として、無電解Niメッキ法等の化学的成膜法の
他に、スパッタ法や蒸着法といった物理的成膜法により
金属膜を形成することも可能である。
【0042】さらには、このような方法の他に、圧延に
よって形成された金属膜を用いて膜状の内部電極層5形
成することもできる。このように圧延されて形成された
圧延金属膜は、金属本来の性質である展性を利用して、
圧下率約50%で、金属板を繰り返し圧延処理すること
によって形成され、このような圧延処理によって、結晶
粒子を圧延面に対して平行に配向させることができる。
【0043】また、このような圧延金属膜は、金属膜の
圧延と積層を繰り返すことによって、形成されるため、
金属膜が積層構造となり、金属膜の積層界面にNiO等
の酸化膜が形成される。即ち、Ni金属とその金属酸化
物が、層状にNi/NiO/Ni/NiO・・・の繰り
返しの構造となっていることが望ましい。この酸化膜は
金属Niの融点(1543℃)に比較して高く、その融
点が1960℃であり、このような複合成分の効果によ
り内部電極層5の耐熱性が高くなり、熱変形が小さくな
る。
【0044】そして、このような金属膜をフィルム上に
形成した内部電極パターンを誘電体グリーンシートに転
写することにより、内部電極パターンが形成された誘電
体グリーンシートを形成する。
【0045】転写の方法は、フィルム上に接着剤を使用
する方法や、内部電極パターンに相当する凸部を有する
金型で打ち抜いて誘電体グリーンシートに転写する方法
が好適に採られる。
【0046】尚、このような金属膜は、上記のように、
一旦フィルム上に形成した後に誘電体セラミックグリー
ンシート上に転写することの他に、誘電体グリーンシー
ト上に直接形成することもできる。
【0047】また、内部電極層5の金属材料としては、
電子部品本体1を構成する誘電体材料の焼成温度とのマ
ッチング、金属の導電性、および価格の面からNi金属
が用いられる。
【0048】また、このような内部電極パターンは、通
常の導体ペーストで形成する内部電極パターンのように
有機樹脂を含んでいないことから、誘電体グリーンシー
トとの密着性を高め、積層圧着後に誘電体層7と内部電
極層5との一体化できるようにするために、フィルム上
に形成された内部電極パターンの金属膜側の表面が粗化
されていることが望ましい。
【0049】また、金属膜の表面粗さ(Ra)は0.0
03〜0.015μmであることが好ましい。
【0050】また、フィルム上の金属膜の表面に、誘電
体グリーンシートに含まれる有機樹脂を溶解する溶媒や
有機樹脂からなる密着液を塗布することにより、内部電
極パターンと誘電体グリーンシートとの密着性を高める
こともできる。
【0051】次に、このように形成した内部電極パター
ンを形成した通電耐グリーンシートを積層し、さらに、
その上下面に内部電極パターンが形成されていない複数
の誘電体シートを積層して積層成形体を形成する。
【0052】次に、この積層成形体を所定の寸法毎に切
断して電子部品本体成形体を形成する。
【0053】次にこの電子部品本体成形体を大気中25
0〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸素雰
囲気中500〜800℃で脱バイした後、非酸化性雰囲
気で1100〜1400℃で2〜3時間焼成し、電子部
品本体1を作製する。
【0054】このように、Am/Atが0.8以上の内
部電極層5を用いることにより、導体ペーストを用いて
形成する通常の電子部品本体1を作製する温度よりも高
い温度において焼成ができる。特に、展性や焼成収縮に
高い耐性を有する圧延金属膜を内部電極層5として使用
する場合には、高温に焼成しても内部電極層5の焼成収
縮を小さくし、誘電体層7の密度を高め、内部電極層5
との接合性を強固なものにできる。
【0055】そのため、誘電体層7と内部電極層5とを
交互に積層した電子部品本体1を焼成した際に、一般的
な金属粉末を含有する導体ペーストを用いて形成した内
部電極層5に比較して、高い温度での焼成が可能とな
り、このため誘電体層7の高密度化が図れるとともに、
有効面積の大きな内部電極層5を形成することができ、
積層型電子部品の静電容量を高め、耐湿性を向上するこ
とができる。
【0056】さらには、上記のように、展性や焼成収縮
に対して、高い耐性を有する高配向性の金属膜を用いる
ことにより、内部電極層5を薄層化しても高い強度を有
するため、内部電極層5の断裂やボイドの発生が少な
く、静電容量の低下や容量のばらつき、デラミネーショ
ン等の内部欠陥の発生を抑制することができる。
【0057】次に、所望の誘電特性を得るために、酸素
分圧が0.1〜10-4Pa程度の低酸素分圧下、900
〜1100℃で3〜10時間熱処理を施すこともある。
【0058】次に、この電子部品本体1にCuやNi等
の卑金属を含む外部電極ペーストを塗布、乾燥、焼き付
けを行い外部電極3を形成し、さらに、その表面には、
例えば、順にNiメッキ層、Snメッキ層もしくはSn
−Pb合金メッキ層を形成し、本発明の積層型電子部品
を得ることができる。これらは外部電極3のハンダ食わ
れ防止やハンダ濡れ性を補うものである。
【0059】(作用)以上のように構成された積層型電
子部品では、内部電極層5をメッキ法や圧延法により形
成し、この内部電極層5の無電極部13を含めた全体面
積をAtとし、金属部11の面積をAmとしたとき、金
属占有比がAm/At≧0.8の関係を満足せしめたの
で、電気的導通が確実に得られ、内部構造欠陥が殆どな
いNi金属からなる内部電極層5を形成し、薄層高積層
化した積層型電子部品の内部電極層5の有効面積を高め
ることができ、静電容量を向上することができる。
【0060】また、この内部電極層5の主面のX線回折
において、結晶面(111)のピーク強度をI(11
1)、結晶面(200)のピーク強度をI(200)と
したときのX線回折ピーク強度比が、I(200)/I
(111)≧0.7の関係を満足するような金属膜を形
成することにより、この膜面に対して、配向した結晶粒
子11が形成されているために、展性や焼成収縮に高い
耐性を有する内部電極層5が形成され、高温焼成が可能
となり、より高密度の誘電体層を形成でき、このため積
層型電子部品の静電容量を高め、絶縁性を向上でき、デ
ラミネーションを抑制できる。
【0061】
【実施例】まず、BaTiO3、MgCO3、MnCO3
およびY23粉末と、粒界相成分として、CaO、Si
2等と、有機成分として、ブチラール樹脂、およびト
ルエンからなるセラミックスラリーを作製し、これをド
クターブレード法によりPETフィルム上に塗布するこ
とによって、厚み9μmの誘電体グリーンシートを作製
した。
【0062】次に、この誘電体グリーンシートをPET
フィルムから剥離し、これを10枚積層して端面グリー
ンシート層を形成し、この端面グリーンシート層を乾燥
した後、台板上に配置し、プレス機により圧着して台板
上にはりつけた。
【0063】一方、PETフィルム上に、上記と同一の
セラミックスラリーをドクターブレード法により塗布
し、乾燥後、厚み3.5μmの誘電体グリーンシートを
作製した。
【0064】また、PETフィルム上に、無電解メッキ
法によりNi薄膜パターンを形成し、これをセラミック
グリーンシート上に転写した後、剥離し、膜状の内部電
極パターンが形成された誘電体グリーンシートを作製し
た。
【0065】さらに、無電解メッキ膜と同様に、フィル
ム上に粘着剤を用いて貼り付けた厚み0.6μmのNi
圧延金属膜をエッチングによりパターン加工して圧延金
属膜からなる内部電極パターンを形成し、これも無電解
メッキ膜と同様、セラミックグリーンシート上に転写し
た後、剥離し、厚み0.6μmの膜状の内部電極パター
ンを形成した誘電体グリーンシートを作製した。
【0066】この後、端面グリーンシート層の上に、こ
れらの膜状内部電極シートを積層し、この後、さらに、
端面グリーンシート層を積層し、仮積層体を作製した。
【0067】次に、この仮積層体を金型上に載置し、積
層方向からプレス機の加圧板により圧力を段階的に増加
して圧着し積層成形体を作製した。この後、この積層成
形体を所定のチップ形状にカットし、電子部品本体成形
体を作製した。
【0068】次に、大気中300℃または0.1Paの
酸素/窒素雰囲気中500℃に加熱し、脱バイを行っ
た。さらに、10-7Paの酸素/窒素雰囲気中、表1に
示す温度で2時間焼成し、さらに、10-2Paの酸素/
窒素雰囲気中にて1000℃で熱処理を行い電子部品本
体1を得た。
【0069】その後、電子部品本体1の端面にCuペー
ストを塗布し、900℃で焼き付け、さらにNi/Sn
メッキを施し、内部電極層5と接続する外部電極3を形
成し積層型電子部品を作製した。
【0070】また、内部電極層5を導体ペーストで形成
した積層型電子部品も比較試料として作製した。尚、こ
の内部電極層5については、内部電極層5の金属面の構
造から、網目状の内部電極層5であった。
【0071】このようにして得られた積層セラミックコ
ンデンサの内部電極層5間に介在する誘電体層7の厚み
は約3μm、内部電極層5の厚みは約0.6μmであ
り、誘電体層7の有効積層数は199層とした。
【0072】次に、作製した試料について条件ごとに、
各10個抽出し、積層型電子部品の内部電極層5と誘電
体層7との界面で剥離破断し、内部電極層5面を露出さ
せ、その表面のSEM観察を行い、SEM写真から金属
部15と誘電体層7との1mm2あたりの金属占有比
(Am/At)を求めた。また、同じ試料についてX線
回折を行い、結晶面(200)ピークと結晶面(11
1)ピークのX線回折強度の測定を行い、結晶面(20
0)のX線ピーク強度比を前述の関係式を用いて求め
た。
【0073】次に、作製した各1000個のサンプルに
ついて、静電容量計を用いて周波数1kHz、交流電圧
1Vでの静電容量を測定した。
【0074】また、温度125℃、印加電圧10Vにて
500時間の高温加速試験を行った後、絶縁抵抗計にて
絶縁抵抗を測定し、108Ω以下を不良とし、不良数を
計数した。結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】この表1の結果から明らかなように、内部
電極層5を形成して作製した試料No.1〜6では、金
属占有比が0.8以上、X線ピーク強度比が0.7以上
で、積層セラミックコンデンサの特性を改善できた。特
に、内部電極層5として、圧延膜を用いた試料No.4
〜6では1280℃よりも高い焼成温度においても高い
X線ピーク強度比を示し、結晶配向度が高く維持され、
静電容量が高かった。図3に試料No.5のX線回折図
を示す。
【0077】一方、内部電極層5を導体ペーストで形成
し、網目状の内部電極層が形成された試料No.7、8
では、金属占有比が低いため、静電容量が、膜状の内部
電極層を形成した試料に比較して低く、高温加速試験で
の不良数も多かった。
【0078】
【発明の効果】本発明の積層型電子部品は、内部電極層
として、Ni金属からなり無電極部を備えた膜状の内部
電極層を使用し、この内部電極層の金属占有比高めるこ
とにより、薄層高積層化した積層型電子部品の内部電極
層の有効面積を高めることができ、静電容量を向上し、
デラミネーションを抑制することができる。
【0079】また、この膜状の内部電極層に結晶配向し
た金属膜を用いることにより、展性や焼成収縮に高い耐
性を有する内部電極層が形成され、高温焼成が可能とな
り、より高密度の誘電体層を形成でき、このため積層型
電子部品の静電容量を高め、耐湿性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜状の内部電極層を用いて形成した本発明の積
層型電子部品を示す断面図である。
【図2】(a)は誘電体層に形成した膜状の内部電極層
を示す概略平面図、(b)は誘電体層とともに積層され
た膜状の内部電極層を示す概略平面図である。(c)は
誘電体層とともに積層され結晶配向した金属膜からなる
内部電極層を示す概略平面図である。
【図3】試料No.5のX線回折図である。
【符号の説明】
1 電子部品本体 3 外部電極 5 内部電極層 7 誘電体層 9 絶縁層 11 結晶粒子 13 無電極部 15 金属部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層と、Ni金属膜からなり金属部と
    無電極部を備えた内部電極層とが交互に積層された電子
    部品本体の端部に、前記内部電極層が接続される外部電
    極を形成してなる積層型電子部品において、前記内部電
    極層の無電極部を含めた全体面積をAtとし、金属部の
    面積をAmとした時、Am/At≧0.8の関係を満足
    することを特徴とする積層型電子部品。
  2. 【請求項2】内部電極層の主面のX線回折において、結
    晶面(200)のピーク強度をI(200)、結晶面
    (111)のピーク強度をI(111)とした時、I
    (200)/I(111)≧0.7の関係を満足するこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
  3. 【請求項3】内部電極層が圧延金属膜を用いて形成され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の積層型
    電子部品。
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