JP2002191968A - 脱臭剤およびその製造方法 - Google Patents
脱臭剤およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2002191968A JP2002191968A JP2000397743A JP2000397743A JP2002191968A JP 2002191968 A JP2002191968 A JP 2002191968A JP 2000397743 A JP2000397743 A JP 2000397743A JP 2000397743 A JP2000397743 A JP 2000397743A JP 2002191968 A JP2002191968 A JP 2002191968A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- activated carbon
- acid
- iodine
- deodorant
- solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 下水処理施設において発生する悪臭ガスを高
性能で除去できる脱臭剤を、低コストかつ容易に製造し
得る方法を提供する。 【解決手段】 活性炭を攪拌混合しつつヨウ素のオキソ
酸の水溶液をスプレーして、ヨウ素酸を前記活性炭に添
着させる工程と、前記ヨウ素酸が添着された活性炭を乾
燥する工程とを具備することを特徴とする。
性能で除去できる脱臭剤を、低コストかつ容易に製造し
得る方法を提供する。 【解決手段】 活性炭を攪拌混合しつつヨウ素のオキソ
酸の水溶液をスプレーして、ヨウ素酸を前記活性炭に添
着させる工程と、前記ヨウ素酸が添着された活性炭を乾
燥する工程とを具備することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭剤およびその
製造方法に係り、特に、下水道管渠、下水道処理施設ま
たはし尿処理施設から発生する悪臭ガスの悪臭成分を吸
着除去するための脱臭剤およびその製造方法に関する。
製造方法に係り、特に、下水道管渠、下水道処理施設ま
たはし尿処理施設から発生する悪臭ガスの悪臭成分を吸
着除去するための脱臭剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道処理施設などで発生する硫化水
素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、
およびアンモニアなどの悪臭ガスの処理には通常、土壌
脱臭、生物脱臭、薬品洗浄、および活性炭吸着などの処
理技術が用いられている。これらの処理は、単独または
組み合わせて採用される。一般的には、悪臭ガスの濃度
が高い場合は生物脱臭または薬品洗浄により、また悪臭
ガスの濃度が低い場合は活性炭吸着によって、悪臭ガス
が除去される。
素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、
およびアンモニアなどの悪臭ガスの処理には通常、土壌
脱臭、生物脱臭、薬品洗浄、および活性炭吸着などの処
理技術が用いられている。これらの処理は、単独または
組み合わせて採用される。一般的には、悪臭ガスの濃度
が高い場合は生物脱臭または薬品洗浄により、また悪臭
ガスの濃度が低い場合は活性炭吸着によって、悪臭ガス
が除去される。
【0003】悪臭ガス除去用(脱臭用)の脱臭剤として
は活性炭が一般に用いられており、この活性炭は、ヤシ
殻などの炭を賦活処理(高温の水蒸気などにより、炭素
を一酸化炭素ガスに酸化させる)を施すことによって、
微小な細孔を形成させたものである。活性炭は、こうし
て形成された広大な細孔表面の物理的な力(ファンデル
ワールスの力)や細孔内への内部拡散、毛細管凝縮など
の作用により、臭気成分を吸着保持することができる。
しかしながら、通常の活性炭では、下水処理場で発生す
る硫化水素やアンモニアのような低分子量の極性物質に
対しては吸着力が低く、十分な脱臭効果が発揮できな
い。
は活性炭が一般に用いられており、この活性炭は、ヤシ
殻などの炭を賦活処理(高温の水蒸気などにより、炭素
を一酸化炭素ガスに酸化させる)を施すことによって、
微小な細孔を形成させたものである。活性炭は、こうし
て形成された広大な細孔表面の物理的な力(ファンデル
ワールスの力)や細孔内への内部拡散、毛細管凝縮など
の作用により、臭気成分を吸着保持することができる。
しかしながら、通常の活性炭では、下水処理場で発生す
る硫化水素やアンモニアのような低分子量の極性物質に
対しては吸着力が低く、十分な脱臭効果が発揮できな
い。
【0004】酸性成分やアルカリ成分を含有する臭気ガ
スを吸着するためには、活性炭に薬液(酸・アルカリ
等)を添着保持させた添着活性炭が使用される。この添
着活性炭は、活性炭が有している物理的吸着に加え、添
着物質と臭気成分との化学反応(中和の反応)の吸着効
果で脱臭を行なうものである。
スを吸着するためには、活性炭に薬液(酸・アルカリ
等)を添着保持させた添着活性炭が使用される。この添
着活性炭は、活性炭が有している物理的吸着に加え、添
着物質と臭気成分との化学反応(中和の反応)の吸着効
果で脱臭を行なうものである。
【0005】なお、特公昭62−9377号公報、特公
昭5−64066号公報には、活性炭にヨウ素の酸化物
および/またはヨウ素酸を添着した脱臭剤が記載されて
いる。こうした脱臭剤は、硫化水素による悪臭の脱臭処
理に優れた効果を発揮し、しかも長寿命であるという利
点を有している。
昭5−64066号公報には、活性炭にヨウ素の酸化物
および/またはヨウ素酸を添着した脱臭剤が記載されて
いる。こうした脱臭剤は、硫化水素による悪臭の脱臭処
理に優れた効果を発揮し、しかも長寿命であるという利
点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の脱臭剤は、ヨウ素酸溶液、無機酸溶液、
あるいはヨウ素酸と無機酸との混合溶液などに活性炭を
含浸させた後に、乾燥することによって製造されてい
る。
たような従来の脱臭剤は、ヨウ素酸溶液、無機酸溶液、
あるいはヨウ素酸と無機酸との混合溶液などに活性炭を
含浸させた後に、乾燥することによって製造されてい
る。
【0007】含浸により添着を行なう場合には、活性炭
全体を浸漬させるために相当の量の溶液を用意しなけれ
ばならない。また、添着した後に溶液が残ることは避け
られず、不経済となってしまう。残った溶液を再度添着
に利用する場合には、その溶液の濃度が変化しているた
めに、濃度や液量を再調整することが必要となる。その
ためには、ヨウ素酸濃度の測定、塩酸濃度の測定、添着
操作に伴なって発生した不純物の測定などの煩雑な操作
が発生することになる。しかも残液には、活性炭の粉末
が濃縮されるため、それらの除去という操作も必要であ
る。
全体を浸漬させるために相当の量の溶液を用意しなけれ
ばならない。また、添着した後に溶液が残ることは避け
られず、不経済となってしまう。残った溶液を再度添着
に利用する場合には、その溶液の濃度が変化しているた
めに、濃度や液量を再調整することが必要となる。その
ためには、ヨウ素酸濃度の測定、塩酸濃度の測定、添着
操作に伴なって発生した不純物の測定などの煩雑な操作
が発生することになる。しかも残液には、活性炭の粉末
が濃縮されるため、それらの除去という操作も必要であ
る。
【0008】このように、含浸添着においては、添着物
質溶液を全て利用することは困難であり、利用されない
まま廃棄される量が発生する。
質溶液を全て利用することは困難であり、利用されない
まま廃棄される量が発生する。
【0009】さらに、含浸添着を行なうことによって、
活性炭は水分で大きく湿潤するので、所望の程度まで乾
燥するには極めて長い時間を要してしまう。
活性炭は水分で大きく湿潤するので、所望の程度まで乾
燥するには極めて長い時間を要してしまう。
【0010】本発明は、上述した問題点を解決し、低コ
ストで製造が容易であるとともに、下水処理施設におい
て発生する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤を提供
することを目的とする。
ストで製造が容易であるとともに、下水処理施設におい
て発生する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤を提供
することを目的とする。
【0011】また本発明は、下水処理施設において発生
する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤を、低コスト
かつ容易に製造し得る方法を提供することを目的とす
る。
する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤を、低コスト
かつ容易に製造し得る方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素
の酸化物が添着された活性炭からなる脱臭剤であり、前
記ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素の酸化物は、
ヨウ素のオキソ酸の水溶液をスプレーすることにより前
記活性炭に添着されたことを特徴とする脱臭剤を提供す
る。
に、本発明は、ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素
の酸化物が添着された活性炭からなる脱臭剤であり、前
記ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素の酸化物は、
ヨウ素のオキソ酸の水溶液をスプレーすることにより前
記活性炭に添着されたことを特徴とする脱臭剤を提供す
る。
【0013】また本発明は、活性炭を攪拌混合しつつヨ
ウ素のオキソ酸の水溶液をスプレーして、ヨウ素酸を前
記活性炭に添着させる工程と、前記ヨウ素酸が添着され
た活性炭を乾燥する工程とを具備する脱臭剤の製造方法
を提供する。
ウ素のオキソ酸の水溶液をスプレーして、ヨウ素酸を前
記活性炭に添着させる工程と、前記ヨウ素酸が添着され
た活性炭を乾燥する工程とを具備する脱臭剤の製造方法
を提供する。
【0014】また本発明は、ヨウ素のオキソ酸および/
またはヨウ素の酸化物と、無機酸とが添着された活性炭
からなる脱臭剤であり、前記ヨウ素のオキソ酸および/
またはヨウ素の酸化物と無機酸とは、これらを含有する
溶液をスプレーすることにより前記活性炭に添着された
ことを特徴とする脱臭剤を提供する。
またはヨウ素の酸化物と、無機酸とが添着された活性炭
からなる脱臭剤であり、前記ヨウ素のオキソ酸および/
またはヨウ素の酸化物と無機酸とは、これらを含有する
溶液をスプレーすることにより前記活性炭に添着された
ことを特徴とする脱臭剤を提供する。
【0015】さらに本発明は、活性炭を攪拌混合しつつ
無機酸とヨウ素のオキソ酸との混合溶液をスプレーし
て、無機酸とヨウ素酸とを前記活性炭に添着する工程、
および前記無機酸とヨウ素酸とが添着された活性炭を乾
燥する工程を具備する脱臭剤の製造方法を提供する。
無機酸とヨウ素のオキソ酸との混合溶液をスプレーし
て、無機酸とヨウ素酸とを前記活性炭に添着する工程、
および前記無機酸とヨウ素酸とが添着された活性炭を乾
燥する工程を具備する脱臭剤の製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明においては、まず、原料の活性炭を
ドラムなどの回転容器に収容して、回転させることで揺
すりながら、あるいは攪拌装置(攪拌子、攪拌棒、攪拌
翼など)を用いて攪拌または振動させつつ、ヨウ素のオ
キソ酸の水溶液、またはヨウ素のオキソ酸と無機酸との
混合溶液をスプレー照射する。
ドラムなどの回転容器に収容して、回転させることで揺
すりながら、あるいは攪拌装置(攪拌子、攪拌棒、攪拌
翼など)を用いて攪拌または振動させつつ、ヨウ素のオ
キソ酸の水溶液、またはヨウ素のオキソ酸と無機酸との
混合溶液をスプレー照射する。
【0018】活性炭を回転させる場合には、360度回
転させるのではなく、振り子運動、すなわち、一軸では
なく軸を固定させずに自由自在に振り子運動させること
が望まれる。活性炭は回転により自由に攪拌されるの
で、こうした状態の活性炭に対して、所定の溶液をスプ
レーすることによって、活性炭微粒子の常に新たな面に
均等に、ヨウ素酸、またはヨウ素酸と無機酸とを付着さ
せることができる。しかも、揺らすことにより生じる攪
拌混合によって、活性炭粒子の表面に付着したヨウ素酸
と無機酸との混合溶液が活性炭内部の空隙に浸透してい
く。
転させるのではなく、振り子運動、すなわち、一軸では
なく軸を固定させずに自由自在に振り子運動させること
が望まれる。活性炭は回転により自由に攪拌されるの
で、こうした状態の活性炭に対して、所定の溶液をスプ
レーすることによって、活性炭微粒子の常に新たな面に
均等に、ヨウ素酸、またはヨウ素酸と無機酸とを付着さ
せることができる。しかも、揺らすことにより生じる攪
拌混合によって、活性炭粒子の表面に付着したヨウ素酸
と無機酸との混合溶液が活性炭内部の空隙に浸透してい
く。
【0019】ここで用いられるヨウ素のオキソ酸の水溶
液の濃度は、0.01〜0.5mol/L程度であるこ
とが好ましい。ヨウ素のオキソ酸の水溶液の濃度が0.
01mol/L未満の場合には、活性炭に添着されるヨ
ウ素のオキソ酸の量が少なく、活性炭の吸着性能を十分
に向上させることが困難となる。一方、0.5mol/
Lを越えると、活性炭の細孔の多くがヨウ素のオキソ酸
によって塞がれ、活性炭の吸着能が低下するおそれがあ
る。このヨウ素酸溶液の活性炭へのスプレー照射は、活
性炭微細孔内へのヨウ素酸の十分な浸透を図るために、
40分程度行なうことが望まれる。
液の濃度は、0.01〜0.5mol/L程度であるこ
とが好ましい。ヨウ素のオキソ酸の水溶液の濃度が0.
01mol/L未満の場合には、活性炭に添着されるヨ
ウ素のオキソ酸の量が少なく、活性炭の吸着性能を十分
に向上させることが困難となる。一方、0.5mol/
Lを越えると、活性炭の細孔の多くがヨウ素のオキソ酸
によって塞がれ、活性炭の吸着能が低下するおそれがあ
る。このヨウ素酸溶液の活性炭へのスプレー照射は、活
性炭微細孔内へのヨウ素酸の十分な浸透を図るために、
40分程度行なうことが望まれる。
【0020】ヨウ素酸と無機酸との混合溶液を活性炭に
スプレーする場合には、無機酸としては塩酸を用いるこ
とが望ましい。この無機酸の濃度は0.1〜5Nが好ま
しく、0.5〜2Nがより好ましい。濃度が0.1N未
満の場合には、活性炭にヨウ素化合物と無機酸とをとも
に添着させた相乗効果を充分に発揮させることが困難と
なる。一方、酸の濃度が2Nを越えた場合には、酸濃度
が高くなりすぎて弱酸であるヨウ素酸がヨウ素に分解さ
れるおそれがある。この場合、用いられるヨウ素のオキ
ソ酸の濃度および添着時間は、上述したとおりである。
スプレーする場合には、無機酸としては塩酸を用いるこ
とが望ましい。この無機酸の濃度は0.1〜5Nが好ま
しく、0.5〜2Nがより好ましい。濃度が0.1N未
満の場合には、活性炭にヨウ素化合物と無機酸とをとも
に添着させた相乗効果を充分に発揮させることが困難と
なる。一方、酸の濃度が2Nを越えた場合には、酸濃度
が高くなりすぎて弱酸であるヨウ素酸がヨウ素に分解さ
れるおそれがある。この場合、用いられるヨウ素のオキ
ソ酸の濃度および添着時間は、上述したとおりである。
【0021】スプレー照射するヨウ素のオキソ酸の水溶
液、またはヨウ素酸と無機酸との混合溶液の量は、活性
炭内部の空隙量+活性炭粒子の表面をぬらす程度の量と
することが好ましい。スプレーする溶液の量が多すぎる
場合には、含浸による添着の場合と同様に活性炭が水分
で大きく湿潤してしまうという不都合が生じる。一方、
少なすぎる場合には、活性炭に均一に添着することが困
難となる。
液、またはヨウ素酸と無機酸との混合溶液の量は、活性
炭内部の空隙量+活性炭粒子の表面をぬらす程度の量と
することが好ましい。スプレーする溶液の量が多すぎる
場合には、含浸による添着の場合と同様に活性炭が水分
で大きく湿潤してしまうという不都合が生じる。一方、
少なすぎる場合には、活性炭に均一に添着することが困
難となる。
【0022】具体的には、スプレー照射されるヨウ素の
オキソ酸の水溶液、またはヨウ素酸と無機酸との混合溶
液の量は、必要添着量を溶液量で除することによって決
定することができる。
オキソ酸の水溶液、またはヨウ素酸と無機酸との混合溶
液の量は、必要添着量を溶液量で除することによって決
定することができる。
【0023】ヨウ素のオキソ酸の水溶液、またはヨウ素
酸と無機酸との混合溶液をスプレー照射する速度は、活
性炭内部の空隙に浸透していく速度と同程度、またはそ
れ以下であることが望ましい。また、こうした溶液をス
プレーする範囲は、活性炭が二次元的に分散広がってい
る範囲に均等であることが望ましいが、攪拌を十分に行
なうことによって補うことができる。
酸と無機酸との混合溶液をスプレー照射する速度は、活
性炭内部の空隙に浸透していく速度と同程度、またはそ
れ以下であることが望ましい。また、こうした溶液をス
プレーする範囲は、活性炭が二次元的に分散広がってい
る範囲に均等であることが望ましいが、攪拌を十分に行
なうことによって補うことができる。
【0024】さらに、混合溶液のスプレー照射が終わっ
た後も、活性炭を揺らすことにより攪拌混合して、活性
炭微粒子の表面に付着したヨウ素酸と無機酸との混合溶
液が活性炭内部の空隙の中に浸透を進めることが望まれ
る。
た後も、活性炭を揺らすことにより攪拌混合して、活性
炭微粒子の表面に付着したヨウ素酸と無機酸との混合溶
液が活性炭内部の空隙の中に浸透を進めることが望まれ
る。
【0025】ヨウ素酸、またはヨウ素酸と無機酸とが添
着された活性炭は、80〜160℃の雰囲気で乾燥され
る。この乾燥処理温度が低いと、乾燥処理に長時間を要
し、一方、乾燥処理温度が高いと、添着させたヨウ素化
合物等が活性炭から脱離してしまうといった不都合が生
じるおそれがある。特に、120℃以下で乾燥して、乾
燥後の活性炭における含水率が5%以下とすることが好
ましい。
着された活性炭は、80〜160℃の雰囲気で乾燥され
る。この乾燥処理温度が低いと、乾燥処理に長時間を要
し、一方、乾燥処理温度が高いと、添着させたヨウ素化
合物等が活性炭から脱離してしまうといった不都合が生
じるおそれがある。特に、120℃以下で乾燥して、乾
燥後の活性炭における含水率が5%以下とすることが好
ましい。
【0026】こうした乾燥処理の際、活性炭に添着され
ていたヨウ素のオキソ酸(HIO3、HIO4)の一部
は、脱水されて、五酸化二ヨウ素(I2O5)になると考
えられる。
ていたヨウ素のオキソ酸(HIO3、HIO4)の一部
は、脱水されて、五酸化二ヨウ素(I2O5)になると考
えられる。
【0027】
【実施例】以下に、実施例に沿って本発明の脱臭剤およ
びその製造方法をさらに詳細に説明する。
びその製造方法をさらに詳細に説明する。
【0028】市販のヤシガラ活性炭に、ヨウ素酸と無機
酸との混合溶液をスプレー照射することにより添着し、
次いで乾燥して本発明の脱臭剤を調製した。
酸との混合溶液をスプレー照射することにより添着し、
次いで乾燥して本発明の脱臭剤を調製した。
【0029】さらに、同様の市販のヤシガラ活性炭にヨ
ウ素酸等を含浸添着して、比較例の脱臭剤を得た。
ウ素酸等を含浸添着して、比較例の脱臭剤を得た。
【0030】それぞれの脱臭剤の製造条件を、下記表1
にまとめる。
にまとめる。
【0031】
【表1】
【0032】なお、添着後の乾燥工程の乾燥温度は、実
施例および比較例とも同一であり、乾燥後の水分はいず
れも4.8%であった。
施例および比較例とも同一であり、乾燥後の水分はいず
れも4.8%であった。
【0033】こうして得られた本発明の脱臭剤および比
較例の脱臭剤について、図1に示す装置を用いて悪臭物
質に対する吸着性能を測定した。
較例の脱臭剤について、図1に示す装置を用いて悪臭物
質に対する吸着性能を測定した。
【0034】図示する装置においては、コンプレッサー
1、減圧弁4、流量調整弁5および流量計6を経て、吸
収瓶7を通過させることによって、コンプレッサー導入
空気(湿度100%)が得られる。一方、空気ボンベ2
および悪臭標準ガスボンベ3からは、それぞれ減圧弁4
および流量計6を経て空気および悪臭標準ガスが導入さ
れ、前述のコンプレッサー導入空気とともに、活性炭1
1が収容されたカラム10に供給する。この際、コンプ
レッサー導入空気(湿度100%)と空気ガス(乾燥空
気)とを4:1で混合することによって、相対湿度80
%のガスを生成させる。
1、減圧弁4、流量調整弁5および流量計6を経て、吸
収瓶7を通過させることによって、コンプレッサー導入
空気(湿度100%)が得られる。一方、空気ボンベ2
および悪臭標準ガスボンベ3からは、それぞれ減圧弁4
および流量計6を経て空気および悪臭標準ガスが導入さ
れ、前述のコンプレッサー導入空気とともに、活性炭1
1が収容されたカラム10に供給する。この際、コンプ
レッサー導入空気(湿度100%)と空気ガス(乾燥空
気)とを4:1で混合することによって、相対湿度80
%のガスを生成させる。
【0035】カラム10の入口側および出口側には、サ
ンプリング口9aおよび9bがそれぞれ設けられてい
る。これらのサンプリング口からガスサンプルを採取し
て、入口ガス濃度および出口ガス濃度を、ガスクロマト
グラフおよび検知管により測定する。
ンプリング口9aおよび9bがそれぞれ設けられてい
る。これらのサンプリング口からガスサンプルを採取し
て、入口ガス濃度および出口ガス濃度を、ガスクロマト
グラフおよび検知管により測定する。
【0036】ここで、吸収性能の測定条件を下記表2に
示す。
示す。
【0037】
【表2】
【0038】本発明および比較例の脱臭剤を、それぞれ
カラム10内に収容して、図1に示した装置において上
述した条件で原臭ガスを吸収させ、入口ガス濃度および
出口ガス濃度を測定した。
カラム10内に収容して、図1に示した装置において上
述した条件で原臭ガスを吸収させ、入口ガス濃度および
出口ガス濃度を測定した。
【0039】ここでは、出口ガス濃度が入口ガス濃度の
5%となったときを破過とし、そのときまでの積算吸着
量を吸着量として下記表3に示した。
5%となったときを破過とし、そのときまでの積算吸着
量を吸着量として下記表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】表3に示されるように、溶液をスプレーす
ることによりヨウ素酸および無機酸が添着された本発明
の脱臭剤は、含浸添着により製造された比較例の活性炭
と同程度の量の硫化水素を吸着することができる。ま
た、前記表2に示されたように、本発明の脱臭剤に当た
っては、添着に用いられる薬品の使用量を大幅に低減し
て、その後の乾燥時間を短縮することが可能である。
ることによりヨウ素酸および無機酸が添着された本発明
の脱臭剤は、含浸添着により製造された比較例の活性炭
と同程度の量の硫化水素を吸着することができる。ま
た、前記表2に示されたように、本発明の脱臭剤に当た
っては、添着に用いられる薬品の使用量を大幅に低減し
て、その後の乾燥時間を短縮することが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低コストで製造が容易であるとともに、下水処理施設に
おいて発生する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤が
提供される。また本発明によれば、下水処理施設におい
て発生する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤を、低
コストかつ容易に製造し得る方法が提供される。
低コストで製造が容易であるとともに、下水処理施設に
おいて発生する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤が
提供される。また本発明によれば、下水処理施設におい
て発生する悪臭ガスを高性能で除去できる脱臭剤を、低
コストかつ容易に製造し得る方法が提供される。
【0043】本発明により、ヨウ素のオキソ酸および/
またはヨウ素の酸化物を添着・保持した活性炭の製造に
おいて、薬品の使用量の低減や乾燥時間の短縮を図るこ
とが可能となり、しかも、従来の含浸添着により製造さ
れた脱臭剤と同等の吸着性能を維持した脱臭剤が得られ
る。かかる本発明は、下水道管渠、下水道処理施設また
はし尿処理施設から発生する悪臭ガスの悪臭成分の吸着
除去に有効であり、その工業的価値は大きい。
またはヨウ素の酸化物を添着・保持した活性炭の製造に
おいて、薬品の使用量の低減や乾燥時間の短縮を図るこ
とが可能となり、しかも、従来の含浸添着により製造さ
れた脱臭剤と同等の吸着性能を維持した脱臭剤が得られ
る。かかる本発明は、下水道管渠、下水道処理施設また
はし尿処理施設から発生する悪臭ガスの悪臭成分の吸着
除去に有効であり、その工業的価値は大きい。
【図1】本発明の脱臭剤を用いた脱臭装置の構成を表わ
す概略図。
す概略図。
【符号の説明】 1…コンプレッサー 2…空気ボンベ 3…悪臭標準ガス 4…減圧弁 5…流量調整弁 6…流量計 7…吸収瓶 8…恒温槽 9a,9b…サンプリング口 10…カラム 11…活性炭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/81 B01D 53/34 116B B01J 20/30 (72)発明者 長藤 雅則 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 土屋 倭章 東京都多摩市貝取1−52−7 ダイヤテッ ク株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA06 AA07 BB02 CC04 CC05 CC08 CC13 HH09 JJ04 KK08 LL10 MM01 NN05 QQ03 4D002 AA03 AA06 AA13 AB02 AC10 BA04 CA07 DA17 DA41 4G066 AA05B AA05C AA31B AA34D CA02 CA24 CA25 CA29 DA02 FA03 FA12 FA21
Claims (4)
- 【請求項1】 ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素
の酸化物が添着された活性炭からなる脱臭剤であり、前
記ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素の酸化物は、
ヨウ素のオキソ酸の水溶液をスプレーすることにより前
記活性炭に添着されたことを特徴とする脱臭剤。 - 【請求項2】 活性炭を攪拌混合しつつヨウ素のオキソ
酸の水溶液をスプレーして、ヨウ素酸を前記活性炭に添
着させる工程と、 前記ヨウ素酸が添着された活性炭を乾燥する工程とを具
備する脱臭剤の製造方法。 - 【請求項3】 ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素
の酸化物と、無機酸とが添着された活性炭からなる脱臭
剤であり、前記ヨウ素のオキソ酸および/またはヨウ素
の酸化物と無機酸とは、これらを含有する溶液をスプレ
ーすることにより前記活性炭に添着されたことを特徴と
する脱臭剤。 - 【請求項4】 活性炭を攪拌混合しつつ無機酸とヨウ素
のオキソ酸との混合溶液をスプレーして、無機酸とヨウ
素酸とを前記活性炭に添着する工程、および前記無機酸
とヨウ素酸とが添着された活性炭を乾燥する工程を具備
する脱臭剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000397743A JP2002191968A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 脱臭剤およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000397743A JP2002191968A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 脱臭剤およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002191968A true JP2002191968A (ja) | 2002-07-10 |
Family
ID=18862834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000397743A Pending JP2002191968A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 脱臭剤およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002191968A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012020229A (ja) * | 2010-07-14 | 2012-02-02 | Kao Corp | 活性炭粒子の製造方法 |
KR20230008134A (ko) | 2020-04-23 | 2023-01-13 | 리켄 코료 호루딩구스 가부시키가이샤 | 소취제 |
CN116492820A (zh) * | 2023-06-01 | 2023-07-28 | 宣城亨泰电子化学材料有限公司 | 一种无水氟化氢生产尾气吸收装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59199039A (ja) * | 1983-04-25 | 1984-11-12 | Shimizu Constr Co Ltd | 脱臭剤およびその製造方法 |
JPS62161372A (ja) * | 1986-01-13 | 1987-07-17 | 清水建設株式会社 | 脱臭剤およびその製造方法 |
JPH06369A (ja) * | 1991-07-22 | 1994-01-11 | Takeda Chem Ind Ltd | 活性炭ハニカムおよびその用途 |
JP2000107555A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-04-18 | Takeda Chem Ind Ltd | 脱臭方法 |
-
2000
- 2000-12-27 JP JP2000397743A patent/JP2002191968A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59199039A (ja) * | 1983-04-25 | 1984-11-12 | Shimizu Constr Co Ltd | 脱臭剤およびその製造方法 |
JPS62161372A (ja) * | 1986-01-13 | 1987-07-17 | 清水建設株式会社 | 脱臭剤およびその製造方法 |
JPH06369A (ja) * | 1991-07-22 | 1994-01-11 | Takeda Chem Ind Ltd | 活性炭ハニカムおよびその用途 |
JP2000107555A (ja) * | 1998-10-05 | 2000-04-18 | Takeda Chem Ind Ltd | 脱臭方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012020229A (ja) * | 2010-07-14 | 2012-02-02 | Kao Corp | 活性炭粒子の製造方法 |
KR20230008134A (ko) | 2020-04-23 | 2023-01-13 | 리켄 코료 호루딩구스 가부시키가이샤 | 소취제 |
CN116492820A (zh) * | 2023-06-01 | 2023-07-28 | 宣城亨泰电子化学材料有限公司 | 一种无水氟化氢生产尾气吸收装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN111715189A (zh) | 一种高效甲醛吸附特性的氨基酸改性纤维素复合膜的制备 | |
JP3634263B2 (ja) | 脱臭剤の製造方法 | |
JP2002191968A (ja) | 脱臭剤およびその製造方法 | |
JP4885114B2 (ja) | 吸着剤基本構造体及びそれを用いた吸着剤 | |
JPH03161050A (ja) | 吸着シートの製造方法 | |
CN101081307A (zh) | 一种提高光催化空气净化效果的方法 | |
JP3624156B2 (ja) | 脱臭剤の製造方法 | |
JP3050139B2 (ja) | 活性炭の改質方法 | |
JP4278495B2 (ja) | 複合臭気脱臭剤 | |
JPS62238866A (ja) | 消臭性セルロ−ス繊維の製造方法 | |
JP2023004943A (ja) | 脱臭フィルタ及びこれを含む空気清浄装置 | |
JPH11285633A (ja) | 低級脂肪族アルデヒド類の吸着除去剤 | |
CN101307578A (zh) | 一种造纸污泥除臭方法 | |
KR101624935B1 (ko) | 악취 제거용 에어필터의 제조방법 | |
JP2000246050A (ja) | 脱臭装置 | |
JPS6245313A (ja) | 消臭フイルタ− | |
JP5069838B2 (ja) | 脱臭剤用活性炭の製造方法および脱臭剤用活性炭 | |
JPH03188923A (ja) | 脱臭フィルターの製造方法 | |
JP4138289B2 (ja) | コンポスト装置より発生する悪臭物質の除去方法 | |
JP4606013B2 (ja) | 複合臭気脱臭剤 | |
JPH09192484A (ja) | 塩基性ガス吸着用繊維状活性炭 | |
JP2009240889A (ja) | ガス吸着体およびこれを用いたガス吸着フィルター | |
JPH0767947A (ja) | 海生物より発生する臭気の処理方法及びそれに使用される装置並びに吸着材 | |
TWI314473B (en) | High activity chemical filter, its preparation and use in removing hazard gas by adsorption | |
KR100290067B1 (ko) | 공기 청정제로 사용되는 이산화티타늄을 테프론 필름에고정시키는 방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070411 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091006 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091124 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100406 |