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JP2002180104A - シリンダスリーブ及び内燃機関用シリンダブロック - Google Patents

シリンダスリーブ及び内燃機関用シリンダブロック

Info

Publication number
JP2002180104A
JP2002180104A JP2000372074A JP2000372074A JP2002180104A JP 2002180104 A JP2002180104 A JP 2002180104A JP 2000372074 A JP2000372074 A JP 2000372074A JP 2000372074 A JP2000372074 A JP 2000372074A JP 2002180104 A JP2002180104 A JP 2002180104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
silicon
aluminum alloy
cylinder
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000372074A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuhei Adachi
修平 安達
Masahiro Mihashi
正博 三橋
Kenji Araki
健志 荒木
Daisuke Nakao
大介 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2000372074A priority Critical patent/JP2002180104A/ja
Publication of JP2002180104A publication Critical patent/JP2002180104A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】スリーブ内周面とメッキ層との結合面積の増加
で結合性を向上させ、熱伝達面積の増加でメッキ層に加
えられる燃焼ガスの熱を速やかに放熱可能で、メッキ層
の剥離を起こしにくいシリンダースリーブ。 【解決手段】15〜38重量%のシリコン(Si)を加
え平均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末
を凝集固化し、急冷凝固粉末固化押し出し形成材料を用
いてスリーブ3を形成し、平均粒径が20μm以下の初
晶シリコン(Si)とし、このスリーブ3の内周面にア
ルカリエッチング処理をした後、メッキを施しアルミニ
ウム合金鋳造製のシリンダ本体2a内に配置して内燃機
関用シリンダブロック2を構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリンダスリー
ブ及び内燃機関用シリンダブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関には、アルミニウム合金製のス
リーブを、アルミニウム合金鋳造製のシリンダ本体に、
鋳包み、圧入、あるいは焼き嵌めにより配置し、スリー
ブ内面に所定のメッキを施すようにして製造する内燃機
関用シリンダブロックを備えるものがある。このように
スリーブ内周にメッキを施す場合、表面の酸化膜を除去
し、メッキ層のスリーブ内周面への結合性を高めること
がなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スリーブ部材は12Si−3Cu−アルミニウム材等の
材料を使用しており、エッチング処理を実施することに
より酸化膜は除去可能であるが表面は平滑なままであ
り、メッキ層のスリーブ内周面への結合性をより一層高
めることはできなかった。
【0004】この発明は、かかる実情に鑑みてなされた
もので、スリーブ内周面とメッキ層との結合面積の増加
し結合性のより一層の向上が可能で、かつ熱伝達面積の
増加でメッキ層に加えられる燃焼ガスの熱を速やかに放
熱可能で、しかもメッキ層の剥離を起こしにくいシリン
ダスリーブ及び内燃機関用シリンダブロックを提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、この発明は、以下のように構成
した。
【0006】請求項1に記載の発明は、『スリーブ基材
に15〜38重量%のシリコン(Si)を加えた化学組
成をもつ急冷凝固粉末固化押し出し形成材料を用いてス
リーブを形成し、このスリーブの内周面にアルカリエッ
チング処理をした後、メッキを施したことを特徴とする
シリンダスリーブ。』である。
【0007】請求項1に記載の発明によれば、スリーブ
基材のシリコン(Si)含有量を15〜38重量%とし
た急冷凝固粉末を固化押し出し成形した材料を用いるこ
とにより、シリコン(Si)粒径を十分小さくできるた
め、メッキの前処理であるアルカリエッチング工程にお
いて、メッキの析出が阻害されずメッキの密着性が確保
される。
【0008】請求項2に記載の発明は、『アルミニウム
合金製のスリーブを、アルミニウム合金鋳造製のシリン
ダ本体内に配置して構成した内燃機関用シリンダブロッ
クであり、前記スリーブを構成するアルミニウム合金に
シリコン(Si)を含有させ、このシリコン(Si)を
平均粒径が20μm以下の初晶シリコン(Si)とし、
前記スリーブの内周面にアルカリエッチング処理をした
後、メッキを施したことを特徴とする内燃機関用シリン
ダブロック。』である。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、スリーブ
を構成するアルミニウム合金にシリコン(Si)を含有
させ、このシリコン(Si)を平均粒径が20μm以下
の初晶シリコン(Si)とし、スリーブの内周面にアル
カリエッチング処理することで、スリーブ内周面のシリ
コン(Si)がアルカリエッチング処理で除去されて、
スリーブ内周面に凹凸が形成され、しかもシリコン(S
i)粒子の平均粒径は小さいので、微細な凹凸を緻密に
形成でき、スリーブ内周面とメッキ層との結合面積が増
加し結合性のより一層の向上が可能で、凹凸によるアン
カー効果があり、さらに結合面積の増加で熱伝達面積が
増加し、メッキ層に加えられる燃焼ガスの熱を速やかに
放熱可能で、メッキ層の剥離を起こしにくい。
【0010】請求項3に記載の発明は、『前記スリーブ
を構成するアルミニウム合金に、シリコン(Si)を1
5〜38重量%含有させたことを特徴とする請求項2に
記載の内燃機関用シリンダブロック。』である。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、スリーブ
を構成するアルミニウム合金に、シリコン(Si)を1
5〜38重量%含有させることで、シリコン(Si)含
有量が多く、かつシリコン(Si)粒子の平均粒径は小
さいので、より微細な凹凸を緻密に形成でき、スリーブ
内周面とメッキ層との結合面積が増加し結合性のより一
層の向上が可能である。
【0012】請求項4に記載の発明は、『前記スリーブ
を平均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末
を凝集固化して形成したことを特徴とする請求項2に記
載の内燃機関用シリンダブロック。』である。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、スリーブ
を平均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末
を凝集固化して形成することで、より微細な凹凸を緻密
に形成でき、スリーブ内周面とメッキ層との結合面積が
増加し結合性のより一層の向上が可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明のシリンダスリー
ブ及び内燃機関用シリンダブロックの実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。
【0015】この発明は、内燃機関用シリンダブロック
を備える水冷式あるいは空冷式の4サイクル内燃機関及
び2サイクル内燃機関に適用され、またスリーブは湿式
構造あるいは乾式構造に適用される。
【0016】図1は水冷式4サイクル内燃機関の断面
図、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。
【0017】この内燃機関の一例として、図1及び図2
にスリーブが乾式構造の水冷式4サイクル内燃機関を示
すが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0018】車両の4サイクルエンジン1は、直列4気
筒エンジンが用いられる。4サイクルエンジン1のシリ
ンダブロック2は、シリンダ本体2aとスリーブ3から
構成され、このスリーブ3にピストン4が往復動可能に
設けられている。このピストン4の往復動でコンロッド
5を介してクランク室7に配置された図示しないクラン
ク軸が回転する。シリンダブロック2にはシリンダヘッ
ド6が設けられ、ボルト8によりシリンダブロック2に
締付固定されている。ピストン4には、ピストンリング
4bが設けられている。シリンダヘッド6にはヘッドカ
バー80が設けられている。
【0019】シリンダブロック2のスリーブ3、ピスト
ン4の頭部4aと、シリンダヘッド6とで燃焼室12が
形成されている。シリンダヘッド6には燃焼室12に臨
むように点火プラグ86が取り付けられている。
【0020】また、シリンダヘッド6には吸気通路13
と排気通路14が形成され、吸気通路13には集合吸気
管15が接続される。また、排気通路14には集合排気
管16が接続される。
【0021】吸気通路13の燃焼室12に臨む開口部は
吸気弁18で開閉され、排気通路14の燃焼室12に臨
む開口部は排気弁19で開閉される。吸気弁18及び排
気弁19のタペット30,31には、カム軸32,33
のカム32a,33aが当接しており、カム軸32,3
3の回転によってカム32a,33aがタペット30,
31を介して吸気弁18及び排気弁19を押動し、これ
により吸気通路13と排気通路14を開閉する。
【0022】シリンダブロック2のシリンダ本体2aに
は水ジャケット20が形成され、この水ジャケット20
に連通してシリンダヘッド6に水ジャケット21が形成
されている。この水ジャケット20,21の冷却水によ
り燃焼室12の周りを冷却するようになっており、スリ
ーブ3が乾式構造である。
【0023】図3にスリーブが湿式構造の水冷式4サイ
クル内燃機関を示し、水ジャケット20の冷却水により
燃焼室12の周りを冷却すると共に、冷却水によりスリ
ーブ3を直接冷却するようになっている。水ジャケット
20の下部には、シリンダ本体2aとスリーブ3との間
にOリング85を設けてシールしている。
【0024】次に、内燃機関用シリンダブロックの製造
について説明する。図4は内燃機関用シリンダブロック
の製造工程を示す図である。
【0025】急冷凝固粉末材料を形成し(ステップS
1)、この急冷凝固粉末材料を冷間静水圧プレスしてス
リーブ素材(ビレット)を成形し(ステップS2)、真
空焼結する(ステップS3)。その後、加熱・熱間押し
出し、スリーブ中空素形材を形成し、冷却する(ステッ
プS4)。必要に応じて熱処理し、このスリーブ中空素
形材を切断・加工し(ステップS5)、スリーブ3を形
成する。このスリーブ3をシリンダ本体2aに鋳包み
(ステップS6)、焼鈍(ステップS7)、メッキを行
ない(ステップS8)、ホーニング処理する(ステップ
S9)。
【0026】ステップS1における急冷凝固粉末材料
は、例えばアルミニウム(A1)の基材に対してシリコ
ン(Si)、鉄(Fe)及びその他の成分を含有させた
アルミニウム合金のインゴットを準備して、これを約7
00℃以上で溶解してから、霧状に散布して冷却速度1
00℃/sec以上で急激に冷やして凝固させること
で、アルミニウム合金の急冷凝固粉末(パウダーメタ
ル)として形成する。
【0027】スリーブ素材(ビレット)を形成するため
のアルミニウム合金粉末材料としては、例えば、初晶シ
リコンの平均粒径が20μm以下であるシリコン(S
i)を15〜38重量%の範囲で含むようなアルミニウ
ム合金の急冷凝固粉末が使用される。
【0028】このようなアルミニウム合金の急冷凝固粉
末として、アルミニウム(Al)を基材とし、全体中
に、シリコン(Si)を15〜38重量%、鉄(Fe)
を1.5重量%以下、銅(Cu)を6.8重量%以下、
マグネシウム(Mg)を0.2〜2重量%、マンガン
(Mn)を1.5重量%以下、クロム(Cr)を0.4
重量%以下、亜鉛(Zn)を0.3重量%以下の範囲で
含むようなものがある。
【0029】このようなJISに規定の2000番台あ
るいは6000のアルミニウム合金をベースにSi含有
量を増加させて15〜38重量%としたアルミニウム合
金の急冷凝固粉末の含有成分において、シリコン(S
i)は、金属組織中に硬質の初晶や共晶のシリコン粒を
晶出させることで耐摩耗性及び耐焼付性を高めるために
添加され、鉄(Fe)は、金属組織を分散強化して20
0℃以上で高い強度を得るために添加され、また、銅
(Cu)及びマグネシウム(Mg)は、200℃以下で
の強度を高めるために添加されるものであって、それら
の添加量については、前記の範囲で所望の耐摩耗性や耐
焼付性及び高温での必要な強度を得ることができる。
【0030】前記のようなアルミニウム合金の急冷凝固
粉末を固化したスリーブ素材では、溶解したアルミニウ
ム合金を霧状に散布して急冷凝固させることにより粉末
化しているため、アルミニウム合金粉末は平均粒径で約
20〜100μm程度となり、その中に含まれているシ
リコン(Si)は、粉末化しつつ凝固するアルミニウム
合金の金属組織中に晶出させた硬質の初晶シリコン(S
i)が平均粒径が20μm以下となるように微細化され
ていて、各アルミニウム合金粒子毎に分散されている。
【0031】ステップS2において、一方あるいは複数
方向に開放口を有する型内に上記アルミニウム合金の急
冷凝固粉末材を込め、エアー抜きしつつプランジャーを
開放口から型内に挿入し、しかる後プランジャーと型と
を水密状態に保ったまま、プランジャーに静水圧を負荷
する、静水圧プレスが実施され、急冷凝固粉末材料が固
められる。
【0032】ステップS3において、予固めされた急冷
凝固粉末材料が燒結型内に収容され、型内部の真空引き
が実施されるとともに加熱加圧され、空気の混入のほと
んど無いより緻密な固形塊とされる。
【0033】ステップS4において、押し出し型に固形
塊が収容されて加熱され、押し出し型の口金部から中空
の丸棒状すなわち中空素形状に押し出され、冷却された
部分で切断されて、所定長の中空丸棒とされる。なお、
このステップS4において、押し出し・冷却後のスリー
ブ中空素形材の硬度をロックウェル硬度(HRB)40
以上となるように工程上のパラメータを調整する。
【0034】ステップS5において、スリーブ素材長さ
に切断され、内外形及び端部が加工されて、鋳包み用ス
リーブが形成される。
【0035】ステップS6におけるスリーブ3のシリン
ダ本体2aへの鋳包みは、スリーブ3を鋳包むシリンダ
ダイカスト成形が実施される。この場合の鋳包みはスリ
ーブ3を金型内に収容し、スリーブ内周の一部を支持部
材で支えた状態で、金型とスリーブ外周との間の空隙
に、所定のアルミニウム合金の溶湯を高圧で導くことに
より行う。そしてシリンダブロック2の各部及びシリン
ダボアの機械加工が実施される。
【0036】スリーブの鋳包み前にスリーブ外周面に凹
凸を形成することにより、運転中の母材とスリーブの熱
膨張率の違いにより締め付け力が低下しても、スリーブ
の抜けを確実に防止できる。このようなスリーブ外周面
の凹凸は、ビレットを押し出し成形する際は、押し出し
速度と温度などの成形条件を調整することにより、人工
的に微細なクラックを形成することができる。またショ
ットブラストを用いることも可能である。ショットブラ
スト以外にも他の機械加工あるいはスリーブ全体の酸洗
い(エッチング)等により形成することができる。ま
た、ショットブラスト等によりスリーブ外周に凹凸を形
成して母材との接合性を高める方法に代えて、低融点半
田を用いてスリーブと母材とを接合しスリーブの抜け防
止を図ってもよい。
【0037】ここでショットブラストとは、粒径が50
〜150μmの鋼球、超硬ビーズ、ステンレス鋼球、亜
鉛ビーズ、ガラスビーズや、粒径はもう少し大きい石英
を多く含む川砂等を、投射機で、例えば40〜80m/
sの投射速度でワークを投射するものを言う。
【0038】ステップS7において焼鈍が実施される。
この焼鈍後のスリーブ3の硬度をロックウェル硬度(H
RB)40以上となるように熱処理条件を調整する。
【0039】ステップS8におけるメッキ処理は、スリ
ーブ内面のメッキであり、基本的には、脱脂処理、アル
カリエッチング処理、混酸エッチング処理からなる前処
理と、下地処理のアルマイト処理と、複合メッキ処理の
5つの工程からなり、各工程の後に水洗処理が施され
る。
【0040】水洗処理は各工程ごとに別々の2つの水槽
を用いて、シリンダブロック全体を順番に2つの水槽内
に浸漬し上下に動かして前工程の処理液を除去する。水
槽内の水は定期的に新しい清浄な水と交換される。各水
洗処理終了後に次の工程への移動はできるだけ速やかに
行い、表面に水膜がついている状態で次の処理を行い、
処理部への塵挨等の付着や空気中の酸素が直接触れるこ
とを防止して酸化膜の形成等を防止し、後の工程での処
理の信頼性を高めることができる。
【0041】そして以上のメッキ処理(ステップS8)
の後、ホーニング(ステップS9)でスリーブ内周面の
メッキ層にホーニング仕上げを施し、メッキ皮膜の厚み
を望ましくは約50μm、場合によっては20μm〜1
00μmとするとともに、メッキ層の面粗さを1.0μ
mRz以下にする。これにより、確実にメッキ層表面を
滑らかにすることができてピストン4及びピストンリン
グ4bの摺動時の摩擦係数を小さくすることができると
ともに、エンジンオイルの保持性が向上し潤滑性を向上
させることができる。なお、RzとはJIS規格のB0
601に定められたものである。
【0042】この発明の実施の形態では、アルミニウム
合金製のスリーブ3を、アルミニウム合金鋳造製のシリ
ンダ本体2aに鋳包んだ内燃機関用シリンダブロック2
であるが、圧入、焼き嵌めによって配置しても良い。
【0043】従来のスリーブ基材には、溶製押し出し材
が用いられ、この溶製押し出し材は比較的低いシリコン
含有量をもち、熱膨張係数は周囲のシリンダ本体のアル
ミニウム鋳物材料と同等かそれ以下であり、このシリン
ダブロックを製造する際、スリーブ基材をアルミニウム
ダイカスト鋳物によって鋳込む際に、鋳物材が凝固する
過程において、スリーブ基材とアルミニウム鋳物の間に
隙間が生じ、このために後工程における内径研削加工時
の精度が悪化することがあリ、さらに隙間の存在は、熱
伝導性が部分的に悪くなることから、スリーブの円筒
度、真円度などの形状の悪化を招き、オイル消費の増
大、性能の劣化の原因となっている。
【0044】このようにシリコン(Si)含有量を15
〜38重量%としたアルミニウム合金鋳物を使用するこ
とがスリーブ基材とアルミニウム鋳物の間に隙間が生じ
させないことで有効であるが、通常の鋳物材料では初晶
Si粒が数10μm以上にもなってしまうため、表面に
めっき層を形成しようとしても、密着性が悪く、加工時
にめっき剥離を生じることがあるだけでなく、運転中に
もめっき剥離を生じるなど充分な耐久性が得られない。
【0045】このためスリーブ3は平均粒径が20〜1
00μmのアルミニウム合金粉末を凝集固化して形成す
ることで、このシリコン(Si)を平均粒径が20μm
以下の初晶シリコン(Si)としている。メッキの前処
理であるアルカリエッチング工程において、シリコン
(Si)粒径が20μm以下と十分小さいために、Ni
−Pメッキの析出が阻害されない。このためメッキの密
着性を確保することができる。
【0046】このように、スリーブ3を構成するアルミ
ニウム合金にシリコン(Si)を含有させ、このシリコ
ン(Si)を平均粒径が20μm以下の初晶シリコン
(Si)とし、スリーブ3の内周面にアルカリエッチン
グ処理することで、スリーブ内周面のシリコン(Si)
がアルカリエッチング処理で除去されて、スリーブ内周
面に凹凸が形成され、しかもシリコン(Si)粒子の平
均粒径は小さいので、微細な凹凸を緻密に形成でき、ス
リーブ内周面とメッキ層との結合面積が増加し結合性の
より一層の向上が可能で、凹凸によるアンカー効果があ
り、さらに結合面積の増加で熱伝達面積が増加し、メッ
キ層に加えられる燃焼ガスの熱を速やかに放熱可能で、
メッキ層の剥離を起こしにくい。
【0047】また、スリーブ3を構成するアルミニウム
合金に、シリコン(Si)を15〜38重量%含有させ
ることで、シリコン(Si)含有量が多く、かつシリコ
ン(Si)粒子の平均粒径は小さいので、より微細な凹
凸を緻密に形成でき、スリーブ内周面とメッキ層との結
合面積が増加し結合性のより一層の向上が可能である。
【0048】また、スリーブ3を構成するアルミニウム
合金には、前記したようにシリコン(Si)を15〜3
8重量%含有させ、スリーブ3の線膨張係数を15〜2
2(200℃にて)とし、シリンダ本体2aの線膨張係
数より小さく(例えば、JISダイカスト用アルミニウ
ム合金ADC12の線膨張係数20(200℃にて)
と)し、スリーブ3の線膨張係数をシリンダ本体2aの
線膨張係数より少なくとも10%小さな値にしている。
【0049】したがって、アルミニウム合金製のスリー
ブ3を、アルミニウム合金鋳造のシリンダ本体2aに鋳
包む場合、スリーブ3の外周にシリンダ本体2a側の溶
湯が取り囲み、スリーブ3が加熱されて熱膨張する一
方、シリンダ本体2aが湯込め後次第に冷却されるに伴
ってスリーブ3も冷却されて熱収縮し、シリンダ本体2
a側の溶湯は、冷却凝固するとき収縮し、さらに温度が
低下するに伴って熱収縮するが、シリコン(Si)を1
5〜38重量%含有させ、スリーブ3の線膨張係数をシ
リンダ本体2aの線膨張係数より少なくとも10%小さ
な値であり、シリンダ本体2a側の凝固収縮及び凝固後
の熱収縮によるスリーブ締め付け力が緩和されず、スリ
ーブ3とシリンダ本体2aとの間に隙間が生じない。
【0050】また、スリーブ基材に、アルミニウム合金
にシリコン(Si)を加えた化学組成をもつ急冷凝固粉
末固化押し出し形成材料を用いて押出加工により形成
し、この押出加工条件、例えば押出速度、温度等を調整
することによって中空丸棒、高さ0.1〜2mmの長さ
方向に平行な連続した突起を形成する、あるいは及び、
表面に深さ10μm〜1mmの微小クラックを一様に分
布させ、スリーブに加工した後も外周表面に突起、ある
いは及び微小クラックを残すようにすることで、シリン
ダ本体2aとの接合を強固にし、かつ熱の伝達を均一に
することができる。
【0051】また、運転状態においてもスリーブ3の温
度は鋳包む時の温度(アルミニウム合金の溶融温度に近
い値)より低くなるが(空冷、水冷がなされるので、1
00℃〜300℃程度)、シリコン(Si)を15〜3
8重量%含有させ、スリーブ3の線膨張係数をシリンダ
本体2aの線膨張係数より少なくとも10%小さな値で
あり、スリーブ締め付け力が維持され、スリーブ3とシ
リンダ本体2aとの間で隙間が発生することがなく、ス
リーブ内周の円筒度、真円度が維持され、スリーブ3円
周表面からの熱は、メッキ層、スリーブ3本体内を経て
シリンダ本体側へ良好に熱伝達されるのでホットスポッ
トができにくく、ピストン4との焼き付きを防止するこ
とができる。
【0052】また、鋳包み完了後(常温状態)、所定の
メッキを施し、ホーニング仕上げをしてスリーブ3内周
の円筒度、真円度を上げて、シリンダブロック2にクラ
ンク軸やピストン等を組み付け、さらにシリンダヘッド
6をボルト8により締結して内燃機関として組み立て完
了した後、内燃機関を運転すると、スリーブ3が熱膨張
し、この時シリンダヘッド6がボルト締結されるスリー
ブ外周のシリンダ本体2の複数のボルト穴回りは剛性が
上がり、熱膨張に抵抗する一方、スリーブ外周のボルト
穴の中間部となるシリンダ本体2aは熱膨張に対しての
抵抗性は小さいが、シリコン(Si)を15〜38重量
%含有させ、スリーブ3の線膨張係数をシリンダ本体2
aの線膨張係数より10%小さな値であり、スリーブ3
が熱膨張が小さくてスリーブ内周の円筒度、真円度が維
持され、ピストンリング4bによる燃焼室12とクラン
ク室7との隔離性が向上し、オイル消費量の増大、燃焼
ガスの吹き抜けによる燃費悪化、オイル劣化を防止する
ことができる。
【0053】実施例としては、スリーブ基材に、JIS
2000系またはJIS6000系の基本化学成分に2
5重量%のシリコン(Si)を加えた化学組成をもつ急
冷凝固粉末固化押し出し形成材料を用いるときの製造工
程を、図4の工程によって製造した。
【0054】このJIS2000系をベースとし過共晶
組成となる量のシリコン(Si)を加えたアルミニウム
合金の急冷凝固粉末は、アルミニウム(Al)を基材と
し、全体中に、シリコン(Si)を15〜38重量%、
鉄(Fe)を1.5重量%以下、銅(Cu)を1.5〜
6.8重量%、マグネシウム(Mg)を1.8重量%以
下、マンガン(Mn)を0.2〜1.2重量%、クロム
(Cr)を0.1重量%以下、亜鉛(Zn)0.3重量
%以下、チタン(Ti)0.2重量%以下とした。
【0055】このJIS6000系をベースとし過共晶
組成となる量のシリコン(Si)を加えたアルミニウム
合金の急冷凝固粉末は、アルミニウム(Al)を基材と
し、全体中に、シリコン(Si)を15〜38重量%、
鉄(Fe)を1.0重量%以下、銅(Cu)を0.4重
量%以下、マグネシウム(Mg)を0.35〜1.5重
量%以下、マンガン(Mn)を0.8重量%以下、クロ
ム(Cr)を0.35重量%以下、亜鉛(Zn)0.2
5重量%以下、チタン(Ti)0.15重量%以下とし
た。
【0056】実施例1は、JIS6000系で6061
−25Si急冷凝固粉末固化押し出し材をスリーブ基材
として、この内面にNi−P−SiC分散複合メッキを
施した。
【0057】実施例2は、JIS6000系で6061
+2〜4Fe−25Si急冷凝固粉末固化押し出し材を
スリーブ基材として、この内面にNi−P−SiC分散
複合メッキを施した。
【0058】実施例3は、JIS2000系で2017
または2024−25Si急冷凝固粉末固化押し出し材
をスリーブ基材として、この内面にNi−P−SiC分
散複合メッキを施した。
【0059】この実施例では、オイル消費量低減はシリ
ンダ変形の改善であり、これに鋳包み後スリーブ密着を
改善することに着目した。スリーブ密着の改善には、低
線膨張係数スリーブ材へ変更することに着目し、通常の
低線膨張係数材は鉄系から軽量、熱伝達良好材の選定を
行ない、アルミニウム複合材とした。
【0060】このスリーブ材の物性、機械的性質を比較
して表1に示し、低線膨張係数アルミニウムを基材と
し、内表面に硬質皮膜を形成したスリーブであり、表1
に示すようにスリーブ基材の線膨張係数αを12Si−
3Cuのアルミニウム合金材、シリンダ本体ADC12
と比較して低減した。鋳包み材であるシリンダ本体AD
C12の線膨張係数との比率は0.85であり、スリー
ブの鋳包み時の締め付け変形が改善された。
【0061】
【表1】 また、250℃×1時間の加熱後除冷する焼鈍により鋳
包み時の界面隙間が表2に示すように減少する。スリー
ブの円周方向に8箇所でスリーブとシリンダ本体との界
面隙間を測定した。ボアNo4のものは異常として金型
冷却を停止する。
【0062】
【表2】 鋳包み時の界面隙間が減少すると、表1に示すように、
ライナー基材のヤング率が向上し、ホーニング後のシリ
ンダの真円度、円筒度が改善され、ピストンリングの追
従性、シール性が改善される。
【0063】また、鋳包み時の界面隙間が減少すると、
熱伝達性の均一化と改善が行なわれ、運転中の局部変形
の改善が可能になり、ホーニング後のシリンダの真円
度、円筒度が改善され、ピストンリングの追従性、シー
ル性が改善され、オイル消費の改善された。
【0064】前記実施例1乃至実施例3において、急冷
凝固粉末固化押し出し形成材料を用いて押出加工し、こ
の押出加工条件、例えば押出速度、温度等を調整するこ
とによって、図5に示すように、スリーブ基材の外表面
に、高さ0.1〜2mmの長さ方向に平行な連続した突
起100を形成すると共に、表面に深さ10μm〜最大
でスリーブ基材厚さの20%の微小クラック101を一
様に分布させた。
【0065】図6はスリーブ表面き烈深さとスリーブ強
度及び界面隙間の関係を示す図であり、表面に深さ10
μm〜1mmがスリーブ強度が大きく、界面隙間を小さ
くすることができ烈深さの最適範囲であり、この深さ1
0μm〜1mmの微小クラック101を一様に分布させ
ることで、鋳物のシリンダ本体2aとの接合を強固に
し、かつ熱の伝達を均一にすることができる。
【0066】前記実施例1乃至実施例3において、リン
及び共析物を含むニッケル系の分散メッキを高速で行な
い、ニッケル(Ni)−リン(P)−シリコンカーバイ
ト(SiC)の分散メッキを高速で行うものであるが、
このNi−P−SiC分散メッキは、次のような性質を
有する。
【0067】スリーブ3の内周面にNi−P−SiC分
散メッキを施した場合に、スリーブ3の内周面に、図7
に示すようなNi−Pマトリックス51及びSiCの共
析粒子52を含むメッキ膜50が形成される。このメッ
キ膜50の表面には、潤滑のためにホーニング目からな
るオイルポケット53が形成される(図7(a))が、
さらに、運転によるピストン5の摺動が繰り返される
と、図7(b)のように、硬いシリコンカーバイト(S
iC)の共析粒子52は残つてNi−Pマトリックス5
1が摩耗することにより、新たなオイルポケット54が
生じる。従つて、長期間にわたつてオイル潤滑を良好に
行わせることができる。
【0068】また、温度とメッキ硬度との関係を、上記
のNi−P−SiC分散メッキと、Ni−SiC分散メ
ッキと、ハードクロムメッキとについて調べると、Ni
−P−SiC分散メッキは、とくに350℃程度で熱処
理すれば、ハードクロムメッキよりも硬度が高く、リン
(P)を含まないNi−SiC分散メッキと比べると硬
度が大幅に高められる。このことから、リンを含有させ
ることで熱処理後の硬度が高められることがわかる。
【0069】この実施例では、板状試験片にメッキを施
したものについてやすり試験、ドリル孔あけ試験、加熱
急冷試験等によりメッキの密着性を評価したところ、溶
製材に比べ明らかに密着性が向上していることが確認さ
れた。また、内燃機関の耐久試験を行なったところ、出
力性能を維持したまま、オイル消費量が、従来の約1/
2に低減することが確認され、メッキ剥離等のトラブル
はまったく発生しなかった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明では、スリーブ基材のシリコン(Si)含有量を1
5〜38重量%とした急冷凝固粉末を固化押し出し成形
した材料を用いることにより、シリコン(Si)粒径を
十分小さくできるため、メッキの前処理であるアルカリ
エッチング工程において、メッキの析出が阻害されずメ
ッキの密着性が確保される。
【0071】請求項2に記載の発明では、スリーブを構
成するアルミニウム合金にシリコン(Si)を含有さ
せ、このシリコン(Si)を平均粒径が20μm以下の
初晶シリコン(Si)とし、スリーブの内周面にアルカ
リエッチング処理することで、スリーブ内周面のシリコ
ン(Si)がアルカリエッチング処理で除去されて、ス
リーブ内周面に凹凸が形成され、しかもシリコン(S
i)粒子の平均粒径は小さいので、微細な凹凸を緻密に
形成でき、スリーブ内周面とメッキ層との結合面積が増
加し結合性のより一層の向上が可能で、凹凸によるアン
カー効果があり、さらに結合面積の増加で熱伝達面積が
増加し、メッキ層に加えられる燃焼ガスの熱を速やかに
放熱可能で、メッキ層の剥離を起こしにくい。
【0072】請求項3に記載の発明では、スリーブを構
成するアルミニウム合金に、シリコン(Si)を15〜
38重量%含有させることで、シリコン(Si)含有量
が多く、かつシリコン(Si)粒子の平均粒径は小さい
ので、より微細な凹凸を緻密に形成でき、スリーブ内周
面とメッキ層との結合面積が増加し結合性のより一層の
向上が可能である。
【0073】請求項4に記載の発明では、スリーブを平
均粒径が20〜100μmのアルミニウム合金粉末を凝
集固化して形成することで、より微細な凹凸を緻密に形
成でき、スリーブ内周面とメッキ層との結合面積が増加
し結合性のより一層の向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリーブが乾式構造の水冷式4サイクル内燃機
関の断面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】スリーブが湿式構造の水冷式4サイクル内燃機
関の断面図である。
【図4】内燃機関用シリンダブロックの製造工程を示す
図である。
【図5】スリーブ基材の外表面の状態を示す図である。
【図6】スリーブ表面き烈深さとスリーブ強度及び界面
隙間の関係を示す図である。
【図7】Ni−P−SiC分散複合メッキを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 水冷式4サイクル内燃機関 2 内燃機関用シリンダブロック 2a シリンダ本体 3 スリーブ 4 ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 21/02 C22C 21/02 C25D 15/02 C25D 15/02 F F02F 1/00 F02F 1/00 C G F (72)発明者 荒木 健志 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (72)発明者 中尾 大介 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3G024 AA22 AA25 AA26 AA28 FA01 GA02 GA08 GA14 GA16 HA07 HA19 HA20 4K018 AA16 BA08 BD10 EA33 FA14 FA23 HA03 JA34 KA02 KA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリーブ基材に15〜38重量%のシリコ
    ン(Si)を加えた化学組成をもつ急冷凝固粉末固化押
    し出し形成材料を用いてスリーブを形成し、このスリー
    ブの内周面にアルカリエッチング処理をした後、メッキ
    を施したことを特徴とするシリンダスリーブ。
  2. 【請求項2】アルミニウム合金製のスリーブを、アルミ
    ニウム合金鋳造製のシリンダ本体内に配置して構成した
    内燃機関用シリンダブロックであり、 前記スリーブを構成するアルミニウム合金にシリコン
    (Si)を含有させ、このシリコン(Si)を平均粒径
    が20μm以下の初晶シリコン(Si)とし、 前記スリーブの内周面にアルカリエッチング処理をした
    後、メッキを施したことを特徴とする内燃機関用シリン
    ダブロック。
  3. 【請求項3】前記スリーブを構成するアルミニウム合金
    に、シリコン(Si)を15〜38重量%含有させたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用シリンダブ
    ロック。
  4. 【請求項4】前記スリーブを平均粒径が20〜100μ
    mのアルミニウム合金粉末を凝集固化して形成したこと
    を特徴とする請求項2に記載の内燃機関用シリンダブロ
    ック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7216612B2 (en) 2005-08-05 2007-05-15 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Internal combustion engine having cylinder formed with water jacket and vehicle provided with the same
US7412955B2 (en) 2004-02-27 2008-08-19 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Engine component part and method for producing the same
EP2138695A3 (en) * 2008-06-27 2010-02-17 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Cylinder block, internal combustion engine, transportation apparatus, and method for producing cylinder block

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