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JP2002174175A - 真空排気装置 - Google Patents

真空排気装置

Info

Publication number
JP2002174175A
JP2002174175A JP2000370714A JP2000370714A JP2002174175A JP 2002174175 A JP2002174175 A JP 2002174175A JP 2000370714 A JP2000370714 A JP 2000370714A JP 2000370714 A JP2000370714 A JP 2000370714A JP 2002174175 A JP2002174175 A JP 2002174175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
vacuum
exhaust
roughing
sealed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000370714A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Ando
清 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Teijin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Seiki Co Ltd filed Critical Teijin Seiki Co Ltd
Priority to JP2000370714A priority Critical patent/JP2002174175A/ja
Publication of JP2002174175A publication Critical patent/JP2002174175A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】差圧による動力を減少させることにより、吸気
側の圧力が到達圧力或はある程度の真空であるときエネ
ルギー効率の高い真空排気装置を提供する。 【解決手段】粗引ポンプBとブースタポンプAとを備え
た多段式真空排気装置100において、シーリングポン
プCを最終段粗引ポンプBの大気側に取り付け構成し、
シーリングポンプCの設計排気速度を、粗引ポンプBの
設計排気速度より小さいがシーリングポンプとして機能
する大きさとし、エネルギー効率の高い真空排気装置と
することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体製造設備の
真空チェンバーなどの排気に用いられる真空排気装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体真空装置においては、被排気チャ
ンバの真空度として0.01Pa程度を得られること、
被排気チャンバに油分子が入り込まないことが特に重要
である。そこで、そのような要求を、満たすことのでき
る真空ポンプとして、スクリュー真空ポンプ、ルーツ式
真空ポンプ、クロー式真空ポンプ、スクロール式真空ポ
ンプ、ダイアフラム式真空ポンプ、ピストン式真空ポン
プなどの大気圧から0.01Pa程度までの真空度を達
成でき、かつオイルフリーであるドライ真空ポンプが提
案されている。
【0003】しかしながら、これらの真空ポンプを単独
で用いただけでは消費電力が大きくなってしまい、その
うえ十分な真空到達圧にすることが困難である。かかる
問題を解決するため、従来、異なる種類の真空ポンプを
2段以上直列に組み合わせることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれら2段以上
の真空ポンプを用いた場合、真空チェンバー側に排気量
の比較的大きなドライ真空ポンプをブースタポンプとし
て用い、大気排気側にはブースタポンプと比較して排気
量の小さな粗引真空ポンプを用いるのが一般的である。
この場合には、次のような固有の問題がある。
【0005】大気側粗引きポンプが、これを単段で用い
ている場合と比べて移送室の体積が小さくなるため反応
性ガスを排気した時、該移送室などへの生成物の蓄積に
よるポンプへの悪影響が大きくなり長期連続運転に支障
が出やすくなるという問題が発生する。
【0006】このような問題に対し、従来、次のような
解決手段が提案されている。反応ガスは特定の温度領域
では固化せずに気体のまま排気されるので大気側真空ポ
ンプにヒーターを取り付け、チェンバー内をこの温度領
域に保つようにする。更にポンプの排気側にメンテナン
スがし易いように生成物などを溜めておくごみ入れ空間
を作り問題を解決することができる。
【0007】しかしこの場合粗引きポンプは小さくなっ
ているとはいえこれを温度制御するにはヒーターは比較
的大きくしなければならず製造コスト的にも消費電力的
にも負担は大きなものとなってしまう。このような問題
を解決するのが本発明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の真空排気装置は粗引ポンプとブースタポン
プとを備えた真空排気装置において、粗引ポンプの排気
口に該ポンプ内に大気が逆流するのを封止するための封
止ポンプを装着して構成し、封止ポンプの設計排気速度
(「設計排気速度」とは、入力軸1回転当たりの気体移
送容積と入力軸の単位時間回転数を乗じた値をいうもの
とする。以下同じ。)を、粗引ポンプの設計排気速度よ
り小さいが封止ポンプとして機能する大きさとしたこと
を特徴とする。
【0009】このように粗引ポンプ内に大気が逆流する
のを封止すると共に、該ポンプに比べて設計排気速度の
小さい封止ポンプを用いることにより、反応性ガスの付
着を抑えるためのヒーターを用いるとしても該ヒーター
は封止ポンプに対して装着すればよく、封止ポンプは小
さくできるのでヒーターも小型化できる。たとえ反応ガ
スに侵されたとしても封止ポンプは小型軽量コンパクト
であるので着脱も簡単にできると共に予備の前記封止ポ
ンプとの交換も簡単に行える。従って、メンテナンスの
時間を短縮できる。
【0010】更に、封止ポンプは粗引きポンプに比べて
設計排気速度が小さくなっているので、封止ポンプを動
かすためのモータも小型化できる。ここで定常運転時に
大気側と真空側との差圧による負荷を受けるのは封止ポ
ンプである。従って、定常運転時の消費電力を減らすこ
とができる。
【0011】また本発明の真空排気装置は、前記ブース
タポンプの吸入側圧力が大気から13300Pa程度に
低下するまで前記粗引ポンプと封止ポンプを駆動し、ブ
ースタポンプの吸入側圧力が13300Pa程度以下に
なったところでブースタポンプを駆動することを特徴と
する。この構成により、ブースタポンプ、粗引ポンプ及
び封止ポンプの駆動に必要な動力は小さくてよく、その
駆動電動機は小容量でよい。
【0012】また本発明の真空排気装置は、複数段の真
空ポンプを直列もしくは並列に接続した真空排気装置に
おいて、最終段粗引ポンプの排気口に該ポンプ内に大気
が逆流するの防止するための封止ポンプを装着して構成
し、封止ポンプの設計排気速度を、最終段粗引ポンプの
設計排気速度より小さいが封止ポンプとして機能する大
きさとしことを特徴とする。
【0013】これによっても、反応性ガスの付着を抑え
るためのヒーターを用いるとしても該ヒーターは封止ポ
ンプに対して装着すればよく、封止ポンプは小さくでき
るのでヒーターも小型化できる。たとえ反応ガスに侵さ
れたとしても封止ポンプは小型軽量コンパクトであるの
で着脱も簡単にできると共に予備の前記封止ポンプとの
交換も簡単に行える。また、定常運転時の消費電力を減
らすことができる。
【0014】また本発明の真空排気装置は、最終段粗引
ポンプと排気配管との間に封止ポンプをバイパスするバ
イパスバルブを設け、複数真空ポンプの初段ポンプの被
排気チェンバー側吸入圧力が比較的高い範囲において
は、排気時間短縮のため、バイパスバルブを開いて該バ
ルブからの排気を可能とし、最終段粗引ポンプの吐出側
圧力が到達圧力あるいは比較的低い圧力となったとき
は、バイパスバルブを閉じ封止ポンプのみから排気する
ことを特徴とする。この構成により大気圧からの排気時
間を短縮することが出来る。
【0015】また本発明の真空排気装置は、前記封止ポ
ンプの設計排気速度が、前記粗引真空ポンプの設計排気
速度の1/5〜1/100であることを特徴とする。こ
の構成により、従来に比べてエネルギー効率が高い真空
排気装置をより確実に得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面に基づいて説明する。
【0017】(第1実施形態)図1を用いて本発明の第1
実施形態に係る真空排気装置100について説明する。
【0018】真空排気装置100は、メカニカルブース
タポンプとしてのスクリュー式真空ポンプAと粗引ポン
プとしてのスクリュー式真空ポンプBと封止ポンプとし
てのスクリュー式真空ポンプCから構成されている。
【0019】以下の用語において「メイン」は「ブース
タスクリュー真空ポンプ」を意味し、「サブ」は「粗引
スクリュー真空ポンプ」を意味し「シール」は「封止ス
クリューポンプ」を意味する。
【0020】真空排気装置100は、メインスクリュー
ロータ130(ブースタスクリュー真空ポンプのスクリ
ューロータ)と、メインスクリューロータ130より外
径が小さいサブスクリューロータ150(粗引スクリュ
ー真空ポンプのスクリューロータ)と、サブスクリュー
ロータ150より外径が小さいシールスクリューロータ
200(シーリングスクリュー真空ポンプのスクリュー
ロータ)と、を備えている。メインスクリューロータ1
30は、雌雄スクリューロータ130f及び130mか
ら構成され、サブスクリューロータ150は、雌雄スク
リューロータ150f及び150mから構成され、シー
ルスクリューロータ200は、雌雄スクリューロータ2
00f及び200mから構成されている。
【0021】メインスクリューロータ130は、ハウジ
ング110の内部に形成されたメインロータ収納室11
0bに収納されている。詳述すると、雌ロ一夕130f
は軸受131及び132によってハウジング110に回
転可能に支持され、雄ロータ130mは軸受133及び
134によってハウジング110に回転可能に支持され
ている。ここで、シール137及び138は軸受13
1、132、133及び134とメインロータ収納室1
10bとを隔離し、軸受131、132、133及び1
34の潤滑油がメインロータ収納室110bに漏洩する
ことを防止するとともに、メインロータ収納室110b
から軸受131、132、133及び134に異物が侵
入することを防止している。
【0022】サブスクリューロータ150は、ハウジン
グ110の内部に形成されたサブロータ収納室110d
に収納されている。詳述すると、雌ロータ150fは軸
受161、162及び163によってハウジング110
に回転可能に支持され、雄ロータ150mは軸受16
4、165及び166によってハウジング110に回転
可能に支持されている。ここで、シール167、16
8、169及び170は軸受161、162、163、
164、165及び166とサブロータ収納室110d
とを隔離し、軸受161、162、163、164、1
65及び166の潤滑油がサブロータ収納室110dに
漏洩することを防止するとともに、サブロータ収納室1
10dから軸受161、162、163、164、16
5及び166に異物が侵入することを防止している。
【0023】シールスクリューロータ200は、ハウジ
ング110の内部に形成されたシールロータ収納室11
0fに収納されている。詳述すると、雌ロータ200f
は軸受211、212及び213によってハウジング2
00に回転可能に支持され、雄ロータ200mは軸受2
14、215及び216によってハウジング110に回
転可能に支持されている。ここで、シール217、21
8、219及び220は軸受211、212、213、
214、215及び216とサブロータ収納室110e
とを隔離し、軸受211、212、213、214、2
15及び216の潤滑油がサブロータ収納室110eに
漏洩することを防止するとともに、サブロータ収納室1
10eから軸受211、212、213、214、21
5及び216に異物が侵入することを防止している。
【0024】封止ポンプとしてのスクリュー式真空ポン
プCの設計排気速度(入力軸1回転当たりの気体移送容
積と入力軸の単位時間回転数を乗じた値)は5リットル
/min(モータ223の定格回転数3000rpm)に、
粗引ポンプとしてのスクリュー式真空ポンプBの設計排
気速度は420リットル/min(モータ173の定格回転
数4500rpm)に、メカニカルブースタポンプとし
てのスクリュー式真空ポンプAの設計排気速度は850
0リットル/min(モータ143の定格回転数6800r
pm)にそれぞれ設計されている。すなわち、封止ポン
プCの設計排気速度は粗引ポンプBの約1/100に、
粗引ポンプBの設計排気速度はブースタポンプAの約1
/20に設計されている。このように、封止ポンプCの
設計排気速度が粗引ポンプBに比べ小さくなるというこ
とは、第2図に示すように、封止ポンプCの大気に連通
する排気側移送室200Aの容積もそれに相応して小さ
くなるということである。したがって、封止ポンプCの
排気側移送室200Aの容積は、粗引ポンプBの吸気側
移送室150Aより十分に小さくなっている。封止ポン
プCの大気に連通する排気側移送室200Aの図2にお
ける右端面と、排気口110gの図2における左端面
(ハウジング内壁)との関係は、必要な排気通路面積を
確保しつつ、大気に連通する排気側移送室200Aの容
積が最小となるよう設計されている。具体的には、排気
側移送室200Aの容積は、粗引ポンプ自体の吸気側移
送室150B容積の約1/5程度まで小さくすることが
できる。
【0025】また、メインロータ収納室110bは、ハ
ウジング110の壁部に形成され、ハウジング110の
外部からハウジング110の内部に圧縮性流体を吸入す
るための吸気口110aによってハウジング110の外
部と連通し、メインロータ収納室110bとサブロータ
収納室110dは、ハウジング110の内部に形成され
た連通路110cによって連通され、サブロータ収納室
110dとシールロータ収納室110fは、ハウジング
110の内部に形成された連通路110eによって連通
され、シールロータ収納室110fは、ハウジング11
0の壁部に形成され、ハウジング110の内部からハウ
ジング110の外部に圧縮性流体を排出するための排気
口110gによってハウジング110の外部と連通して
いる。ここで、吸気口110aは図示していない一定容
積の被真空容器に連通していて、排気口110gは大気
に連通している。
【0026】メインスクリューロータ130の雌雄ロー
タ130f及び130mの一端部には、それらの一方の
回転に伴ってそれらの他方を回転させるタイミングギア
141及び142が、それぞれ互いに噛み合うように固
定されている。更に、雄ロータ130mの一端部には、
メインモータ143が一体的に連結している。
【0027】サブスクリューロータ150の雌雄ロータ
150f及び150mの一端部には、それらの一方の回
転に伴ってそれらの他方を回転させるタイミングギア1
71及び172が、それぞれ互いに噛み合うように固定
されている。更に、雌ロータ150fの一端部には、サ
ブモータ173が一体的に連結している。
【0028】シールスクリューロータ200の雌雄ロー
タ200f及び200mの一端部には、それらの一方の
回転に伴ってそれらの他方を回転させるタイミングギア
221及び222が、それぞれ互いに噛み合うように固
定されている。更に、雌ロータ200fの一端部には、
サブモータ223が一体的に連結している。
【0029】ハウジング110は、メインハウジング第
一部材111、メインハウジング第二部材112、メイ
ンハウジング第三部材113、メインハウジング第四部
材114、サブハウジング第一部材115、サブハウジ
ング第二部材116、サブハウジング第三部材117、
サブハウジング第四部材118、シールハウジング第一
部材119、シールハウジング第二部材120、シール
ハウジング第三部材121及びシールハウジング第四部
材122から形成されている。
【0030】本実施例ではメイン側雌雄ロータ130
f、130mのスクリュー歯数比は6対5に、サブ側雌
雄ロータ150f、150mのスクリュー歯数比も6対
5に、シール側雌雄ロータ200f、200mのスクリ
ュー歯数比も6対5に、それぞれ構成されている。メイ
ン側雌雄ロータ130f、130mのスクリュー巻数は
1(ここにいう「巻数1」は、雌スクリュー130f
(歯数6)の巻数を意味する。「巻数」とは、雌雄スク
リューの歯数が異なる場合、歯数の多い方のスクリュー
の巻数をいう、との前記定義参照。)に、サブ側雌雄ロ
ータ150f及び150mのスクリュー巻数は5に、シ
ール側雌雄ロータ200f及び200mのスクリュー巻
数は3に、それぞれ構成されている。メイン側雌ロータ
120fのスクリューリード角は約45度に、サブ側雌
ロータ150fのスクリューリード角は約12度に、シ
ール側雌ロータ200fのスクリューリード角は約12
度に、それぞれ構成されている。
【0031】ここで、上述したメイン側雌雄ロータ12
0f、120mのスクリュー巻数は、略1あるいは、吸
気口110a及び排気口110cのいずれとも連通しな
い気体移送室(例えば、図3に120Bで示すような圧
縮工程にある閉塞された室)が少なくとも一つ形成され
る巻数でよい。本実施形態におけるブースタポンプA
は、粗引ポンプBの設計排気速度とシール性との関係
上、シール性をよくしなくともよいからである。また、
粗引ポンプBについても、シールポンプCの設計排気速
度とシール性との関係上、シール性をそれほどよくしな
くともよい。
【0032】次に、本実施形態に係る真空排気装置10
0の作用について説明する。まず、被真空容器(図示せ
ず)内の圧力が大気圧近辺から13300Pa近辺にな
るまで当該室の気体を粗引スクリュー真空ポンプBで排
気する場合について説明する。サブモータ173を駆動
することにより、雌雄ロータータ150f、150mが
回転し、被真空排気室の気体を排気する。このとき、被
真空排気室の気体は、ブースタポンプAの吸気口110
a、ブースタポンプAおよびブースタポンプAと粗引ポ
ンプBとの連通路110c、粗引ポンプBおよび粗引ポ
ンプBと封止ポンプCとの連通路110eを介して封止
ポンプCに吸引され、排気口110fから大気中に排出
される。この時、封止ポンプはサブモータ223の駆動
と同時にシールモータ223を駆動することにより、雌
雄ロータータ200f、200mが回転し大気側から被
真空排気室内に気体が逆流するのを防止する。この時点
では排気する気体の量が多いのでシールポンプの排気量
では短時間で排気することが出来ない。そこで、封止ポ
ンプの吸気側圧力が13300Pa程度より大きいとき
は封止ポンプだけでなくバイパスバルブ250を通して
粗引ポンプからも排気する。
【0033】かかる排気によりブースタスクリュー真空
ポンプAの吸入側圧力が13300Pa程度以下になっ
た時点で、粗引スクリュー真空ポンプBのロータ150
f、150mの回転を維持したままで、ブースタポンプ
Aを駆動し始める。すなわち、メインモータ143を駆
動することにより、雌雄ロータ130m及び130fを
回転させ、希薄になっている被真空排気室の気体を粗引
ポンプB側に移送・排気する。粗引ポンプBは、このブ
ースタポンプAから移送されてきた気体を、さらに封止
ポンプC側に移送・圧縮して排気口110gから大気中
に排出する。以上のようにして、被真空容積の容器の気
圧は、到達圧力まで下げられる。ここで、ブースタポン
プAは、圧力の低い気体を排出するので、ブースタポン
プAを駆動するのに必要な動力は小さくてよいため、そ
の駆動電動機は小容量のものとすることができる。また
粗引ポンプBも、定常運転下では圧力の低い気体を排出
するので、モータに対する負荷が小さくなり、その消費
電力は少なくすることができる。
【0034】本実施例の、真空ポンブ100の封止ポン
プとしてのスクリュー式真空ポンプCの設計排気速度は
5リットル/min(モータ173の定格回転数3000r
pm)に、粗引ポンプとしてのスクリュー式真空ポンプ
Bの設計排気速度を420L/min(モータ173の定格
回転数4500rpm)に、ブースタポンプとしてのス
クリュー式真空ポンプAの設計排気速度は8500L/m
in(モータ143の定格回転数6800rpm)にそれ
ぞれ設計されている。すなわち、封止ポンプCの設計排
気速度は粗引ポンプBの約1/100に、粗引きポンプ
Bの設計排気速度はブースタポンプAの約1/20に設
計されているので、従来に比べ差圧による動力を減少さ
せることができ、吸気側の圧力が到達圧力或はある程度
の真空であるときエネルギー効率を高くすることができ
る。
【0035】ここで、粗引ポンプBの設計排気速度に対
して、封止ポンプCの設計排気速度が小さければ小さい
ほど消費電力を低く押さえることができるが、前記封止
ポンプの設計排気速度を小さくし過ぎると、被真空容器
を大気圧から到達圧力にするまでの過渡期において排気
時間が長くなってしまうという弊害が生じる。この弊害
を解決するため粗引ポンプと封止ポンプの間に大気圧か
ら13300Pa程度の真空圧になるまで粗引ポンプか
ら直接排気するためのバイパスバルブが取り付けられて
いる。しかし、バイパスバルブを取り付けたとはいえ無
制限に封止ポンプの設計排気速度を小さくすることはで
きず、消費電力及び排気時間の両方を考慮して、粗引ポ
ンプBの設計排気速度に対する封止ポンプCの設計排気
速度は、1/5〜1/100とするのが好ましい。
【0036】このように、封止ポンプCの設計排気速度
を上述したように十分小さくしているので、流体移送空
間も狭くすることができ、そのスクリュー径を小さくす
ることができる。従って、半径方向の熱膨張による隙間
変動も小さくなるので、当該半径方向隙間をより小さく
することができる。その結果、気体の漏れ総空間が小さ
くなりシール性を良好にすることができる。従って、封
止ポンプCはシール性向上のための大掛かりな工夫をす
る必要がなく、その軸全体のサイズを小さく押さえるこ
とができる。さらに、封止ポンプCのシール性により粗
引ポンプBのスクリューとハウジングとの間の隙間等の
精度が多少良くなくとも、高い真空度を得ることができ
ると共に、ブースタスクリューポンプAの軸方向長を短
くすることができる。
【0037】ここで、ブースタスクリューポンプAの雌
雄スクリュー130f、130mの巻数は、到達真空度
と軸方向サイズを考慮すると、略1あるいは、該ブース
タポンプの吸気口及び排気口のいずれとも連通しない気
体移送室が少なくとも一つ形成される巻数でよい。粗引
スクリューポンプBの雌雄スクリュー130f、130
mの巻数は、本発明のものは上述したようにシール性が
良好となるので、3〜10程度でよい。また、封止ポン
プCの雌雄スクリュー170f、170mの巻数は、シ
ール性との関係では多ければ多いほどよいが、本発明の
ものは上述したようにシール性が良好となるので、3〜
10程度でよい。
【0038】このように、ブースタポンプAの軸方向長
を短く押さえることができるので、ブースタポンプAの
スクリューのリード角を大きくしてコンダクタンスを大
きくするようにしても、軸方向長が過大になることもな
い。
【0039】ここで、ブースタスクリューポンプAの雌
スクリュー130fのリード角は、吸気側気体分子がス
クリュー溝に入り易くするため、30°〜60°程度と
するのが好ましい。特に、吸気側気体分子のスクリュー
歯面によるたたき出し効果をよくするためには、45°
近辺とするのが好ましい。粗引きスクリューポンプBの
雌スクリュー150fのリード角は、大きくする必要は
なく、加工と軸方向長さとを考慮すると8°〜15°程
度でよい。封止ポンプCについてもスクリュー200f
のリード角は、大きくする必要はなく、加工と軸方向長
さとを考慮すると8°〜15°程度でよい。
【0040】また、封止ポンプとして構造の簡単なスク
リュー真空ポンプを採用した場合は、排気通路がシンプ
ルかつ短くなる。したがって、反応生成物が排気通路に
詰まりにくいと共に、仮に詰まったり付着したとして
も、その除去等、保守が容易となる。さらにスクリュー
式真空ポンプも含め他の真空ポンプを用いた場合でも前
記封止ポンプは小型軽量コンパクトであるので製造コス
トは安くなり着脱も簡単にできるので予備の前記封止ポ
ンプとの交換も簡単に行える。
【0041】また、本実施形態に係る真空排気装置10
0は、メインスクリューロータ130の回転軸、サブス
クリューロータ150の回転軸およびシールスクリュー
ロータ200の回転軸が異なっているので、それらロー
タを図5に示す従来例に比べて自由に設計することがで
きる。従って、メインスクリューロータ130は、吸入
コンダクタンスが大きくなるよう、スクリューの外径及
びリードが共に大きく設計できる。また、シールスクリ
ューロータ200は、差圧による動力が小さくなるよ
う、つまり、排気側移送室200Aが小容積となるよ
う、且つシール性、加工性、回転バランス等も考慮し
て、小さい外径であって、そのリード角θ1も最も加工
に適した値に設計することができる。
【0042】このような構成にすることにより吸入側と
排気側の圧力差によるモータへのトルク負荷が最もかか
るのは大気側に排気する封止ポンプとなる。大気からの
同じ差圧によるトルク負荷はポンプの容積が小さいほど
小さく出来る。容積の小さな封止ポンプを用いることは
定常運転時の圧力差による消費電力を減少させ、振動も
小さくなり騒音も抑えることができる。
【0043】(第2実施形態)図4は本件封止ポンプに
粘性ポンプを用いた場合の粘性ポンプ部分の実施例を示
すものである。図4において、41はハウジング、42
はスクリュー、43はバイパスバルブである。
【0044】(第3実施形態)図5に示すように第3実
施形態に係る真空排気装置300においては、ブースタ
ポンプAをスクリュー式ポンプ、粗引ポンプBをスクロ
ール式ポンプ、シーリングポンプCをスクリュー式ポン
プとしたことを特徴としている。図5を用いて本発明の
第3実施形態に係る真空排気装置300について説明す
る。ただし、第1実施形態との実質的に相違する点につ
いてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成については
説明を省略する。
【0045】図5は、本実施例の真空ポンプの全体構造
を示したものである。図5に示す粗引スクロール式真空
ポンプBは、第1フレーム1および第2フレーム2と軸
心を一致させラップをそれぞれ向かい合わせに向けて前
記第1フレーム2および第2フレーム3にそれぞれ嵌装
された第1固定スクロール3および第2固定スクロール
4と、該第1固定スクロール3および第2固定スクロー
ル4にサンドイッチ状に挾持されるようにラップを対向
させて軸心の偏心円運動可能に配置された旋回スクロー
ル5と、前記第1固定スクロール3および第2固定スク
ロール4と軸心を一致させて配置された旋回スクロール
5駆動用のモータ6および軸受7,8を介して回転駆動
するクランク軸9と、吸入管10と吐出口11などから
構成されている。
【0046】圧縮率の非常に高いスクロールポンプを粗
引ポンプとして用いることにより、圧縮率の低いブース
タポンプを本件構成に用いることが出来るようになる。
また、スクロールポンプは比較的回転数が低い状態で定
常運転されるので振動・騒音も抑えることができるよう
になる。
【0047】上述した各実施形態においては、ブースタ
ポンプとしてスクリュポンプを用い、粗引ポンプとして
スクリュ式又はスクロール式のポンプを用い、封止ポン
プとしてスクリュ式又は粘性のポンプを用いた場合につ
いて説明したが、本発明においてはブースタポンプとし
てルーツ式、クロー式、スクロール式、ダイアフラム
式、ピストン式のポンプを用いてもよい。また粗引真空
ポンプとしてはルーツ式、クロー式、ダイアフラム式、
ピストン式などのポンプや、拡散ポンプの他に油回転ポ
ンプもブースタポンプ側に油が逆流しないような運転の
仕方を行えば使用することが可能である。これらの真空
ポンプで構成された2段式もしくは複数段式の真空ポン
プに取り付ける封止ポンプについても、ルーツ式、クロ
ー式、スクロール式、ダイアフラム式、ピストン式な
ど、または油回転式などのポンプを使用できる。
【0048】
【発明の効果】上述したように本発明の真空排気装置
は、粗引ポンプとブースタポンプで構成される多段式真
空ポンプに対して前記最終段粗引ポンプ内に大気が逆流
するのを封止するため前記粗引ポンプの排気口に封止ポ
ンプを装着して構成し、封止ポンプの設計排気速度を、
粗引ポンプの設計排気速度より十分小さいが封止ポンプ
として機能する大きさとし、構造が簡単で、消費電力が
少なく、振動・騒音も小さく、高い真空到達圧が得ら
れ、保守が容易な真空排気装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る真空排気装置の断
面図である。
【図2】図1に示した真空排気装置のスクリュー式封止
ポンプの拡大断面図である。
【図3】図1に示した真空排気装置の粗引ポンプと封止
ポンプのスクリュー部分展開図である。
【図4】図1に示した真空排気装置の粘性ポンプ式封止
ポンプの拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る真空排気装置の断
面図である。
【符号の説明】
A 粗引ポンプ B ブースタポンプ C 封止ポンプ 100、300 真空排気装置 110a 吸気口 110f 排気口 130A 吸気側移送室 150A 排気側移送室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗引ポンプとブースタポンプとを備えた
    真空排気装置において、粗引ポンプの排気口に該ポンプ
    内に大気が逆流するのを封止するための封止ポンプを装
    着して構成し、封止ポンプの設計排気速度を、粗引ポン
    プの設計排気速度より小さいが封止ポンプとして機能す
    る大きさとしたことを特徴とする真空排気装置。
  2. 【請求項2】 前記粗引ポンプと排気配管との間に前記
    封止ポンプをバイパスするバイパスバルブを設け、ブー
    スタポンプの被排気チェンバー側吸入圧力が比較的高い
    範囲においては、排気時間短縮のため、バイパスバルブ
    を開いて該バルブからの排気を可能とし、前記粗引ポン
    プの吐出側圧力が到達圧力あるいは比較的低い圧力とな
    ったときは、バイパスバルブを閉じ前記封止ポンプのみ
    から排気することを特徴とする請求項1に記載の真空排
    気装置。
  3. 【請求項3】 前記粗引ポンプと排気配管との間に前記
    封止ポンプをバイパスするバイパスバルブを設け、ブー
    スタポンプの被排気チェンバー側吸入圧力が比較的高い
    範囲においては、排気時間短縮のため、バイパスバルブ
    を開いて該バルブからの排気を可能とし、前記粗引ポン
    プの吐出側圧力が到達圧力あるいは比較的低い圧力とな
    ったときは、バイパスバルブを閉じ前記封止ポンプのみ
    から排気することを特徴とする請求項1に記載の真空排
    気装置。
  4. 【請求項4】 複数段の真空ポンプを直列もしくは並列
    に接続した真空排気装置において、最終段粗引ポンプの
    排気口に該ポンプ内に大気が逆流するの防止するための
    封止ポンプを装着して構成し、封止ポンプの設計排気速
    度を、最終段粗引ポンプの設計排気速度より小さいが封
    止ポンプとして機能する大きさとしことを特徴とする真
    空排気装置。
  5. 【請求項5】 前記最終段粗引ポンプと排気配管との間
    に前記封止ポンプをバイパスするバイパスバルブを設
    け、初段ポンプの被排気チェンバー側吸入圧力が比較的
    高い範囲においては、排気時間短縮のため、バイパスバ
    ルブを開いて該バルブからの排気を可能とし、最終段粗
    引ポンプの吐出側圧力が到達圧力あるいは比較的低い圧
    力となったときは、バイパスバルブを閉じ封止ポンプの
    みから排気することを特徴とする請求項4に記載の真空
    排気装置。
  6. 【請求項6】 前記封止ポンプの設計排気速度が、前記
    粗引真空ポンプの設計排気速度の1/5〜1/100で
    あることを特徴とする請求項1、2,3、4または5に
    記載の真空排気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101193479B1 (ko) 2008-09-10 2012-10-22 가부시키가이샤 아루박 진공 배기 장치
WO2025008605A1 (en) * 2023-07-05 2025-01-09 Edwards Limited Multistage vacuum pumping system

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