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JP2002170675A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法

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Publication number
JP2002170675A
JP2002170675A JP2001282071A JP2001282071A JP2002170675A JP 2002170675 A JP2002170675 A JP 2002170675A JP 2001282071 A JP2001282071 A JP 2001282071A JP 2001282071 A JP2001282071 A JP 2001282071A JP 2002170675 A JP2002170675 A JP 2002170675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
layer
electrode layer
organic light
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001282071A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromichi Nei
太陸 寧
Morio Taniguchi
彬雄 谷口
Masahiro Tamura
政博 田村
Harutoshi Niwa
晴俊 丹羽
Kazunori Takahata
和紀 高畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Name Plate Kk
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Fuji Name Plate Kk
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Name Plate Kk, Japan Science and Technology Corp filed Critical Fuji Name Plate Kk
Priority to JP2001282071A priority Critical patent/JP2002170675A/ja
Publication of JP2002170675A publication Critical patent/JP2002170675A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の発光パターンを容易に形成可能であ
り、しかも、層厚が均一な層を容易に形成して生産効率
の向上や、製造コストの低減が可能な有機エレクトロル
ミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素
子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 陽電極層3と陰電極層5との間に介在す
る有機発光層4をスクリーン印刷法により形成する。有
機発光層4は、電子輸送性材料、正孔輸送性材料、ホス
トポリマー及び蛍光色素を混合し有機溶剤中に均一に溶
解した有機発光性塗料の塗布膜を加熱及び乾燥させたも
のである。また、スクリーン印刷法には、全体が金属に
より一体に形成され、厚さが20μm以下であって網目
状の孔部を有するスクリーン版を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも称する)及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子は、
陽電極層と、該陽電極層上に形成された有機発光材料を
含む発光層(以下、有機発光層とも称する)と、該有機
発光層上に形成された陰電極層とからなり、陽電極層及
び陰電極層に直流電源から所定の電圧を印加すると、有
機発光層内に陽電極層から正孔が注入され、陰電極層か
ら電子が注入される。そして、有機発光層内で電子と正
孔とが再結合して励起子(エキシトン)が生成し、この
励起子が失活する際の光の放出(ルミネッセンス)によ
り発光する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の有機EL素子
は、ガラス、合成樹脂製フィルム等からなる基板上にI
TO(インジウム酸化物膜)等の陽電極層を真空蒸着に
より形成し、この陽電極層上に有機発光層及び陰電極層
を真空蒸着法や、スピンコート法等により順次形成した
構成になっている。有機EL素子は、陽電極層、有機発
光層及び陰電極層等の層厚を均一に形成して順次積層し
ていく必要があるが、真空蒸着やスピンコート法は、各
層の形成に手間や時間がかかる。
【0004】また、有機EL素子の発光部分の形状、す
なわち発光パターンを任意の形状に設定する場合には、
陽電極層を形成した基板上に所定の形状の孔を有するマ
スクを載置し、真空蒸着法等によりこの形状の有機発光
層を形成するパターニング工程を行う必要がある。特
に、複数色で発光する有機EL素子においては、使用す
る有機発光材料、すなわち発光色ごとに異なるマスクを
使用して繰り返し真空蒸着法等によりパターニング工程
を行う必要があることから、製造コストが高く、生産効
率の向上の点で改善が求められている。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であって、任意の発光パターンを容易に形成可能であ
り、しかも、層厚が均一な層を容易に形成して生産効率
の向上や、製造コストの低減が可能な有機エレクトロル
ミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素
子の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による有機エレク
トロルミネッセンス素子は、少なくとも陽電極層と、前
記陽電極層上に積層された正孔輸送層と、前記正孔輸送
層上に積層された有機発光層と、前記有機発光層上に積
層された陰電極層とを有する有機エレクトロルミネッセ
ンス素子、又は、少なくとも陽電極層と、前記陽電極層
上に積層された有機発光層と、前記有機発光層上に積層
された電子輸送層と、前記電子輸送層上に積層された陰
電極層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子、
又は、少なくとも陽電極層と、前記陽電極層上に積層さ
れた正孔輸送層と、前記正孔輸送層上に積層された有機
発光層と、前記有機発光層上に積層された電子輸送層
と、前記電子輸送層上に積層された陰電極層とを有する
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機
発光層は、スクリーン印刷法により形成されているもの
である。
【0007】また、前記有機発光層は、電子輸送性材
料、正孔輸送性材料、ホストポリマー及び蛍光色素を混
合して有機溶剤中に溶解した有機発光性塗料の塗布膜か
らなるものである。
【0008】また、前記正孔輸送層は、スクリーン印刷
法、グラビア印刷法及びオフセット印刷法から選択する
少なくとも1以上の方法により形成され、正孔輸送性材
料及び電子受容性アクセプタを有機溶剤中に溶解した正
孔輸送性塗料の塗布膜からなるものである。
【0009】また、前記電子輸送層は、スクリーン印刷
法、グラビア印刷法及びオフセット印刷法から選択する
少なくとも1以上の方法により形成され、電子輸送性材
料を有機溶剤中に溶解した電子輸送性塗料の塗布膜から
なるものである。
【0010】また、前記有機溶剤は、25℃における蒸
気圧が、0.1mmHg乃至20mmHgであって、沸
点が100℃乃至300℃の範囲内にあるものである。
【0011】また、前記有機発光層、前記正孔輸送層及
び前記電子輸送層は、層厚が0.03μm乃至5μmの
範囲内にあるものである。
【0012】また、本発明による有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法は、基板上に仕事関数が大きい
金属、合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物から
なる陽電極層を形成し、前記陽電極層上に正孔輸送性材
料及び電子受容性アクセプタからなる正孔輸送層を形成
し、電子輸送性材料、正孔輸送性材料、ホストポリマー
及び蛍光色素を混合して有機溶剤中に均一に溶解した有
機発光性塗料を作成し、前記正孔輸送層上にスクリーン
印刷法によって前記有機発光性塗料の塗布膜を形成して
加熱及び乾燥させて有機発光層を形成し、前記有機発光
層上に仕事関数が小さい金属、合金、電気導電性化合物
及びこれらの混合物からなる陰電極層を形成するもので
ある。
【0013】また、本発明による有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法は、基板上に仕事関数が大きい
金属、合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物から
なる陽電極層を形成し、電子輸送性材料、正孔輸送性材
料、ホストポリマー及び蛍光色素を混合して有機溶剤中
に均一に溶解した有機発光性塗料を作成し、前記陽電極
層上にスクリーン印刷法によって前記有機発光性塗料の
塗布膜を形成して加熱及び乾燥させて有機発光層を形成
し、前記有機発光層上に電子輸送性材料からなる電子輸
送層を形成し、前記電子輸送層上に仕事関数が小さい金
属、合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物からな
る陰電極層を形成するものである。
【0014】また、本発明による有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法は、基板上に仕事関数が大きい
金属、合金、電気導電性化合物及びこれらの混合物から
なる陽電極層を形成し、前記陽電極層上に正孔輸送性材
料及び電子受容性アクセプタからなる正孔輸送層を形成
し、電子輸送性材料、正孔輸送性材料、ホストポリマー
及び蛍光色素を混合して有機溶剤中に均一に溶解した有
機発光性塗料を作成し、前記正孔輸送層上にスクリーン
印刷法によって前記有機発光性塗料の塗布膜を形成して
加熱及び乾燥させて有機発光層を形成し、前記有機発光
層上に電子輸送性材料からなる電子輸送層を形成し、前
記電子輸送層上に仕事関数が小さい金属、合金、電気導
電性化合物及びこれらの混合物からなる陰電極層を形成
するものである。
【0015】また、前記スクリーン印刷法は、全体が金
属により一体に形成され、網目状の孔部を有するスクリ
ーン版を使用するものである。
【0016】また、前記スクリーン版は、厚さが20μ
m以下であるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明によ
る有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法について説明する。
【0018】まず、本発明による有機エレクトロルミネ
ッセンス素子(有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法を含む)の第1の実施の形態について、図1
(a)を参照して説明する。図1(a)は、本発明によ
る第1の実施の形態としての有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を示す断面図である。
【0019】図1(a)に示すように、有機エレクトロ
ルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも称する)
1aは、基板2と、陽電極層3と、正孔(ホール)輸送
層6と、有機材料を含む発光層(以下、有機発光層とも
称する)4と、陰電極層5とを有し、本実施の形態で
は、基板2上に陽電極層3が形成され、陽電極層3上に
正孔(ホール)輸送層6が形成され、正孔輸送層6上に
有機発光層4が形成され、次いで有機発光層4上に陰電
極層5が順次積層されている。そして、陽電極層3及び
陰電極層5に直流電源から所定の電圧を印加すると有機
発光層4が発光する。なお、各層を積層する順序は、こ
れに限らず、基板2上に陰電極層5を形成し、次いで有
機発光層4、正孔輸送層6及び陽電極層3を順次積層し
た構成であってもよい。
【0020】基板2は、平板状に形成され、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル等
の合成樹脂、ガラス、石英等から選択する1以上の素材
からなり、基板2側から有機EL素子の発光を取り出す
場合には、可視光の透過率が70%以上であることが好
ましい。
【0021】陽電極層3は、仕事関数が大きい(4eV
以上)金属、合金、電気導電性化合物及びこれらの混合
物等から選択する1以上の物質からなり、例えば、金、
白金等の金属、Mg−Ag合金、もしくは、CuI、I
TO(インジウム酸化物膜)、SnO2、ZnO等の電
気導電性透明材料等から選択する1以上の物質が使用可
能である。なお、陽電極層3側から有機EL素子1aの
発光を取り出す場合には、陽電極層3の可視光の透過率
を10%以上に設定することが好ましい。また、陽電極
層3の抵抗値は、数百Ω/sq.以下であることが好ま
しく、陽電極層3の層厚は、10nm〜1μm、好まし
くは50〜200nmの範囲内に設定することが好まし
い。
【0022】陽電極層3を形成する方法に特に制限はな
いが、例えば、真空蒸着法、直流(DC)スパッタ法、
高周波(RF)スパッタ法、スピンコート法等により、
基板2上に形成される。
【0023】次に、陽電極層3上に正孔(ホール)輸送
層6を形成する。正孔輸送層6は、有機発光層4に正孔
を注入しやすくする機能を有し、正孔輸送性材料、電子
受容性アクセプタを混合した正孔輸送層原料を有機溶剤
中に均一に溶解して正孔輸送性塗料を作成し、この正孔
輸送性塗料を陽電極層3上にスクリーン印刷法、凹版印
刷(グラビア印刷)法及び凸版印刷(オフセット印刷)
法から選択する1以上の方法により塗布して塗布膜を形
成し、加熱及び乾燥させて形成したものである。
【0024】有機溶剤に対する前記正孔輸送層原料の濃
度は、1質量%〜15質量%の範囲にあることが好まし
く、3質量%〜8質量%の範囲にあることがより好まし
い。有機溶剤は、前記正孔輸送層原料を溶解可能であれ
ば、特に制限はないが、有機溶剤の蒸発速度が速いと作
成する正孔輸送性塗料の粘度の上昇や、印刷用版に正孔
輸送性塗料が固着しやすくなることから、該有機溶剤の
25℃における蒸気圧が、0.1〜20mmHgの範囲
内であって、沸点が100〜300℃の範囲内にあるこ
とが好ましい。このような有機溶剤の例として、シクロ
ヘキサノン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、
テトラリン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,
1,2,2−テトラクロロエタン、テトラリン、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジエチルカルビトール等から
選択する1以上物質を使用することができる。
【0025】正孔(ホール)輸送性材料としては、テト
ラアリールベンジシン化合物、芳香族アミン類、ピラゾ
リン誘導体、トリフェニレン誘導体等から選択する1以
上の物質を使用可能であり、例えば、テトラフェニルジ
アミン(TPD)が好適である。
【0026】電子受容性アクセプタは、正孔輸送性を向
上させるものであり、正孔輸送性材料を酸化するもので
あれば、特に制限はない。例えば、ハロゲン化金属、ル
イス酸、有機酸及びアリールアミンとハロゲン化金属と
の塩、有機酸及びアリールアミンとルイス酸との塩の中
から選択する少なくとも一種であることが好ましく、こ
れらを二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0027】ハロゲン化金属やルイス酸の好ましい例と
しては、FeCl3、AlCl3、SbCl5、AsF5
BF3などをあげることができる。
【0028】有機酸の例としては、下記の一般式(1)
で表される化合物をあげることができる。
【0029】
【化1】
【0030】上記の一般式(1)において、Aはスルホ
ン酸基、リン酸基、ホウ酸基、カルボン酸基などの酸基
である。Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基、炭素数2〜20のアルコキシア
ルキル基、アルキルチオアルキル基、アルケニル基、炭
素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数7〜20のアルカリール基、アラルキ
ル基、さらには、ピリジル基、キノリル基、フラニル
基、ピロリル基、チエニル基などの複素環式基、または
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、エポキシ基などで
ある。mは0〜5の正数である。mが2以上の場合に
は、Rは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0031】さらに、有機酸の別の例としては、スルホ
ン化ポリスチレン、スルホン化ポリエチレン、スルホン
化ポリカーボネートなどのポリマー酸、アクリル酸ポリ
マーなどのポリマー酸をあげることができる。
【0032】アリールアミンとハロゲン化金属との塩、
及びアリールアミンとルイス酸との塩の例としては、下
記の一般式(2)で表される塩をあげることができる。
【0033】
【化2】
【0034】上記の一般式(2)において、Lは、ハロ
ゲン化金属またはルイス酸であり、例えば、FeC
3、AlCl3、SbCl5、AsF5、BF3などをあ
げることができる。X-は、好ましくはハロゲンイオン
である。Ar11〜Ar13は、それぞれ独立に、置換もし
くは無置換の炭素数5〜30の芳香族基または複素環式
基である。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素
数6〜24のアリール基、炭素数7〜24のアラルキル
基、炭素数1〜24のアルコキシ基、炭素数6〜24の
アリールオキシ基、アルキル基の炭素数が1〜24のモ
ノまたはジアルキルアミノ基、アリール基の炭素数が6
〜24のモノもしくはジアリールアミノ基などをあげる
ことができる。
【0035】上記の一般式(2)で表される塩の中で好
ましいモノとしては、下記の構造式で表されるトリス
(4−ブロモフェニル)アンモニウムヘキサクロロアン
チモネート(以下、TBAHAという)をあげることが
できる。
【0036】
【化3】
【0037】正孔輸送層6は、スクリーン印刷法、凹版
印刷法(グラビア印刷法)、凸版印刷法(オフセット印
刷法)から選択する1以上の方法により形成すれば、層
厚が均一な層を容易に形成可能であるが、本発明による
有機EL素子の製造方法が含むスクリーン印刷法によれ
ば、正孔輸送層6の層厚を0.03〜5μmの範囲で任
意に設定可能である。
【0038】次に、正孔(ホール)輸送層6上に有機発
光層4を形成する。有機発光層4は、電子輸送性材料、
正孔(ホール)輸送性材料、ホストポリマー及び蛍光色
素を混合した有機発光材料を有機溶剤中に均一に溶解し
て有機発光性塗料を作成し、この有機発光性塗料を正孔
輸送層6上にスクリーン印刷法により塗布して塗布膜を
形成し、加熱及び乾燥させて形成したものである。な
お、有機EL素子1aは、正孔輸送層6を有することか
ら、正孔輸送性材料を混合せず、電子輸送性材料、ホス
トポリマー及び蛍光色素から有機発光層4を形成しても
よい。
【0039】有機溶剤に対する前記有機発光材料の濃度
は、1質量%〜15質量%の範囲にあることが好まし
く、3質量%〜8質量%の範囲にあることがより好まし
い。有機溶剤は、前記有機発光材料を溶解可能であれ
ば、特に制限はないが、有機溶剤の蒸発速度が速いと作
成する有機発光性塗料の粘度の上昇や、スクリーン版に
有機発光性塗料が固着しやすくなることから、該有機溶
剤の25℃における蒸気圧が、0.1〜20mmHgの
範囲内であって、沸点が100〜300℃の範囲内にあ
ることが好ましい。このような有機溶剤の例として、シ
クロヘキサノン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ン、テトラリン、1,2,4−トリクロロベンゼン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラリン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルカルビトール
等から選択する1以上物質を使用することができる。
【0040】また、電子輸送性材料としては、1,3,
4−オキサジアゾール誘導体(OXD)、1,2,4−
トリアゾール(TAZ)、トリス(8−ヒドロキシキノ
リナート)アルミニウム(Alq3)、オキサジアゾー
ル・チアジアゾール・フェニルピリジン・フェニルベン
ゾイルイミダゾール・キノリン等の配位子を持つ亜鉛の
キレート金属錯体、ポリ1,3,4−オキサジアゾール
誘導体、ポリフルオレン系化合物、ポリチオフェン系化
合物、ポリパラフェニレンビニレン誘導体等から選択す
る1以上の物質が使用可能である。
【0041】正孔(ホール)輸送性材料としては、正孔
輸送層6と同一の物質を使用可能であり、テトラアリー
ルベンジシン化合物、芳香族アミン類、ピラゾリン誘導
体、トリフェニレン誘導体等から選択する1以上の物質
を使用可能であり、例えば、テトラフェニルジアミン
(TPD)が好適である。
【0042】ホストポリマーは、ポリスチレン、ポリメ
チルメタリレート(PMMA)、ポリビニルカルバゾー
ル(PVCz)、ポリテトラフェニルベンジン誘導体
(p−TPD)、ポリフルオレン系化合物、ポリチオフ
ェン系化合物、ポリパラフェニレンビニレン誘導体等か
ら選択する1以上の物質を使用可能であり、芳香族環を
2個以上(好ましくは3個以上)含む正孔輸送単位を有
する重合体であって、主鎖に非共役基を含むものである
ことが好ましい。芳香族環を2個含み主鎖に非共役基を
含む化合物としては、ポリビニルカルバゾール(PVC
z)が好適である。
【0043】また、芳香族環を3個以上含み、主鎖に非
共役基を含む化合物の例としては、ジアミン、トリアリ
ールアミンオリゴマー、チオフェンオリゴマー、アリー
レンビニレンオリゴマー及びスチリルアミンの中から選
ばれた化合物由来の単位からなる芳香族環を3個以上含
む有機化合物(正孔輸送単位ともいう)をエステル基、
エーテル基、カーボネート基、ウレタン基、アミド基、
スルホン基、ケトン基などの非共役基を有する連結基で
連結してなる重合体などをあげることができ、例えば、
下記の構造式で表されるコポリ[3,3’−ハイドロキ
シテトラフェニルベンジン/ジエチレングリコール]カ
ーボネート(以下、PC−TPD−DEGという)、コ
ポリ[3,3’−ハイドロキシテトラフェニルベンジン
/ヘキサメチレン]カーボネート(以下、PC−TPD
−HMという)をあげることができる。
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】蛍光色素としては、クマリン、DCM誘導
体、キナクリドン、ペリレン、ルブレン、テトラフェニ
ルブタジエン、ジスチリルアントラセン等から選択する
1以上の物質を使用可能であり、これらの蛍光色素を適
宜選択することにより、所定の発光色を得ることができ
る。
【0047】そして、電子輸送性材料、正孔輸送性材
料、ホストポリマー及び蛍光色素を混合して有機発光材
料を作成し、この有機発光材料を有機溶剤中に均一に溶
解することにより有機発光性塗料が得られる。
【0048】また、有機発光層4の層厚は、実用的な発
光効率を得るために0.03〜5μmの範囲に形成する
ことが好ましい。有機発光層4は、スクリーン印刷法に
よって形成されているが、通常、スクリーン印刷法によ
り得られる層の厚みは、1μm程度であり、本発明によ
る有機EL素子1aは、スクリーン印刷法によって、比
較的薄肉の層を容易に、しかも均一に形成したものであ
る。すなわち、有機発光層4を薄肉に形成することによ
り、発光効率を向上可能であることから、本発明による
有機EL素子1aは、発光効率が高く、製造コストが安
価であり、しかも任意の発光パターンを容易に形成可能
である。
【0049】次に、有機発光層4上に陰電極層5を形成
する。陰電極層5は、仕事関数が小さい(4eV以下)
金属、合金、電気導電性化合物及び/又はこれらの混合
物等から選択する1以上の物質からなり、例えば、N
a、K、Mg、Li、In、希土類金属、Na・K合
金、Mg・Ag合金、Mg・Cu合金、Al・Li合
金、Al/Al23混合物などから選択する1以上の物
質が使用可能である。なお、陰電極層5側から有機EL
素子1aの発光を取り出す場合には、陰電極層5の可視
光の透過率を10%以上に設定することが好ましい。ま
た、陰電極層5の抵抗値は、数百Ω/sq.以下である
ことが好ましく、陰電極層5の層厚は、10nm〜1μ
m、好ましくは50〜200nmの範囲内に設定するこ
とが好ましい。
【0050】陰電極層5を形成する方法に特に制限はな
いが、例えば、真空蒸着法、直流(DC)スパッタ法、
高周波(RF)スパッタ法、スピンコート法等により、
基板2上に形成される。
【0051】次に、本発明による有機EL素子の製造方
法が含むスクリーン印刷法ついて説明する。
【0052】本発明による有機EL素子の製造方法に適
用したスクリーン版は、全体が金属(例えば、銅、ニッ
ケル、ステンレス等)により一体に形成され、少なくと
も厚さが20μm以下であって、網目状の孔部を有する
ものである。スクリーン印刷法は、通常、ポリエステ
ル、ナイロン等からなる糸を編んで網目状に形成した紗
と称されるスクリーン版を使用するが、この紗は、糸を
交差させて編み上げた構造であることから、全体の厚み
が厚く、糸同士の交差部の厚みがさらに厚くなってい
る。すなわち、通常使用されるスクリーン版は、比較的
厚さが大きく、表裏両面が平滑でないことから、有機E
L素子の製造に適用しても十分な精度を得ることが難し
く、特に、薄い層を形成することが難しい。これに対し
て、本発明によるスクリーン版は、繊維状のものを互い
に交差させて編み上げた構成ではないことから、スクリ
ーン版の表裏両面が平滑に形成され、全体の厚みが薄肉
化されたものである。
【0053】本発明によるスクリーン版の材質は、硬度
や孔部の寸法安定性の点からニッケルにより形成するこ
とが特に好ましく、孔部の寸法については、5μm〜3
7μm程度の範囲で適宜設定可能であるが、厚さ4μm
±1μm、孔寸法10μm、開口率35%で1500メ
ッシュ、すなわち1インチ平方あたり、1500個の孔
部を有するスクリーン版を使用すれば、有機発光層4の
層厚を薄く、かつ高精度に形成可能である。
【0054】そして、所定の発光パターンを形成したス
クリーン版を基板2上に形成された正孔輸送層6上に配
置し、作成した有機発光性塗料をスクリーン版上に乗せ
てスキージと称する厚みのあるヘラ状のゴムで加圧すれ
ば、有機発光性塗料の塗布膜を形成することができ、こ
の塗布膜を加熱及び乾燥すれば所定の発光パターンに形
成され、均一な厚みを有する有機発光層4を容易に形成
することができる。したがって、有機EL素子1aは、
スクリーン印刷法により、層厚が均一な層を任意の発光
パターン形状に容易に形成可能であり、しかも、層厚を
薄く設定することも可能であることから、生産効率が高
く、製造コストの低減が可能である。
【0055】また、スクリーン印刷法による有機発光層
4の形成は、スクリーン印刷機を使用して自動化が可能
であるが、一般的なスクリーン印刷機は、カラー印刷を
行うために、一台の印刷機に複数の刷版を有する。した
がって、複数色で発光する有機EL素子1aを作成する
場合には、発光させる各色を呈する有機発光性塗料と、
その発光色に対応するパターン形状のスクリーン版とを
各々設け、スクリーン印刷機を使用して印刷を行えば、
一度の印刷工程により複数色で発光する有機EL素子1
aを形成することができる。
【0056】また、有機発光層4に加えて、正孔輸送層
6を本発明のスクリーン印刷法により形成すれば、一つ
のスクリーン印刷機を使用して正孔輸送層6及び有機発
光層4を全自動で形成することが可能であり、好適であ
る。
【0057】なお、有機発光層4の形成時に有機発光性
塗料を加圧する強さや、スクリーン版の孔部の寸法を適
宜可変すれば、有機発光層4の厚さを適宜設定可能であ
るが、有機発光層4の厚さは、実用的な発光効率を得る
ために0.03〜5μmの範囲に形成することが好まし
い。
【0058】次に、本発明による第2の実施の形態とし
ての有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法について、図1
(b)を参照して説明する。図1(b)は、本発明によ
る第2の実施の形態としての有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を示す断面図である。なお、図1(b)に示す
本発明による第2の実施の形態としての有機EL素子
は、図1(a)に示す第1の実施の形態としての有機E
L素子と基本構成が同一であることから、以下の説明で
は相違点を中心に説明し、他の部分については要部のみ
の説明とする。また、図1(b)において、図1(a)
に示す有機EL素子と同一の構成及び作用を有する部分
には、同一の符号を付している。
【0059】図1(b)に示すように、本発明による第
2の実施の形態としての有機EL素子1bは、基板2
と、陽電極層3と、有機材料を含む発光層(有機発光
層)4と、電子輸送層7と、陰電極層5とを有し、本実
施の形態では、基板2上に陽電極層3が形成され、陽電
極層3上に有機発光層4が形成され、有機発光層4上に
電子輸送層7が形成され、次いで電子輸送層7上に陰電
極層5が順次積層されている。そして、陽電極層3及び
陰電極層5に直流電源から所定の電圧を印加することに
より有機発光層4が発光する。したがって、本発明によ
る第2の実施の形態としての有機EL素子1bは、第1
の実施の形態としての有機EL素子1aが有する正孔輸
送層6にかえて、有機発光層4と陰電極層5との間に電
子輸送層7を介装したものであり、他の構成については
同一である。
【0060】電子輸送層7は、有機発光層4に電子を注
入しやすくする機能を有し、電子輸送性材料を有機溶剤
中に均一に溶解して電子輸送性塗料を作成し、この電子
輸送性塗料を有機発光層4上にスクリーン印刷法、凹版
印刷(グラビア印刷)法及び凸版印刷(オフセット印
刷)法から選択する1以上の方法により塗布して塗布膜
を形成し、加熱及び乾燥させて形成したものである。
【0061】有機溶剤に対する前記電子輸送性材料の濃
度は、1質量%〜15質量%の範囲にあることが好まし
く、3質量%〜8質量%の範囲にあることがより好まし
い。有機溶剤は、前記電子輸送性材料を溶解可能であれ
ば、特に制限はないが、有機溶剤の蒸発速度が速いと作
成する電子輸送性塗料の粘度の上昇や、印刷用版に電子
輸送性塗料が固着しやすくなることから、該有機溶剤の
25℃における蒸気圧が、0.1〜20mmHgの範囲
内であって、沸点が100〜300℃の範囲内にあるこ
とが好ましい。このような有機溶剤の例として、シクロ
ヘキサノン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、
テトラリン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,
1,2,2−テトラクロロエタン、テトラリン、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジエチルカルビトール等から
選択する1以上物質を使用することができる。
【0062】電子輸送性材料としては、1,3,4−オ
キサジアゾール誘導体(OXD)、1,2,4−トリア
ゾール(TAZ)、トリス(8−ヒドロキシキノリナー
ト)アルミニウム(Alq3)、オキサジアゾール・チ
アジアゾール・フェニルピリジン・フェニルベンゾイル
イミダゾール・キノリン等の配位子を持つ亜鉛のキレー
ト金属錯体、ポリ1,3,4−オキサジアゾール誘導
体、ポリフルオレン系化合物、ポリチオフェン系化合
物、ポリパラフェニレンビニレン誘導体等から選択する
1以上の物質が使用可能である。
【0063】そして、電子輸送性材料を有機溶剤中に均
一に溶解することにより電子輸送性塗料が得られる。ま
た、電子輸送層7は、スクリーン印刷法、凹版印刷法
(グラビア印刷法)、凸版印刷法(オフセット印刷法)
から選択する1以上の方法により形成すれば、層厚が均
一な層を容易に形成可能であるが、有機EL素子1aの
正孔輸送層6と同様に、本発明による有機EL素子の製
造方法が含むスクリーン印刷法によれば、電子輸送層7
の層厚を0.03〜5μmの範囲で任意に設定可能であ
る。
【0064】また、有機発光層4は、有機EL素子1a
と同一の成分及び製法により形成すればよい。したがっ
て、有機EL素子1bは、スクリーン印刷法により、層
厚が均一な層を任意の発光パターン形状に容易に形成可
能であり、しかも、層厚を薄く設定することも可能であ
ることから、発光効率や生産効率が高く、製造コストの
低減が可能である。なお、有機EL素子1bは、電子輸
送層7を有することから、有機発光層4に電子輸送性材
料を混合せず、正孔輸送性材料、ホストポリマー及び蛍
光色素のみから形成してもよい。また、有機発光層4に
加えて、正孔輸送層6を本発明のスクリーン印刷法によ
り形成すれば、一つのスクリーン印刷機を使用して正孔
輸送層6及び有機発光層4を全自動で形成することが可
能であり、好適である。
【0065】次に、本発明による第3の実施の形態とし
ての有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法について、図1
(c)を参照して説明する。図1(c)は、本発明によ
る第3の実施の形態としての有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を示す断面図である。なお、図1(c)に示す
本発明による第3の実施の形態としての有機EL素子
は、図1(a)及び図2(b)に示す第1の実施の形態
及び第2の実施の形態としての有機EL素子と基本構成
が同一であることから、以下の説明では相違点を中心に
説明し、他の部分については要部のみの説明とする。ま
た、図1(c)において、図1(a)及び図1(b)に
示す有機EL素子と同一の構成及び作用を有する部分に
は、同一の符号を付している。
【0066】図1(c)に示すように、本発明による第
3の実施の形態としての有機EL素子1cは、基板2
と、陽電極層3と、正孔(ホール)輸送層6と、有機材
料を含む発光層(有機発光層)4と、電子輸送層7と、
陰電極層5とを有し、本実施の形態では、基板2上に陽
電極層3が形成され、陽電極層3上に正孔輸送層6が形
成され、正孔輸送層6上に有機発光層4が形成され、有
機発光層4上に電子輸送層7が形成され、次いで電子輸
送層7上に陰電極層5が順次積層されている。そして、
陽電極層3及び陰電極層5に直流電源から所定の電圧を
印加することにより有機発光層4が発光する。したがっ
て、本発明による第3の実施の形態としての有機EL素
子1cは、第1の実施の形態としての有機EL素子1a
の構成に加えて、第2の実施の形態としての有機EL素
子1bが有する電子輸送層7を形成したものであり、陽
電極層3と有機発光層4との間に正孔輸送層6が介装さ
れ、有機発光層4と陰電極層5との間に電子輸送層7が
介装されている。
【0067】すなわち、有機EL素子1cは、基板2、
陽電極層3、正孔輸送層6、有機発光層4及び陰電極層
5を図1(a)に示す有機EL素子1aと同一の成分及
び製法により形成し、電子輸送層7を図1(b)に示す
有機EL素子1bと同一の成分及び製法により形成すれ
ばよく、有機発光層4をスクリーン印刷法で形成するこ
とにより、層厚が均一な層を任意の発光パターン形状に
容易に形成し、しかも、層厚を薄く設定することも可能
であることから、発光効率や生産効率が高く、製造コス
トの低減が可能である。なお、有機発光層4に加えて、
正孔輸送層6及び電子輸送層7を本発明のスクリーン印
刷法により形成すれば、一つのスクリーン印刷機を使用
して正孔輸送層6、有機発光層4及び電子輸送層7を全
自動で形成することが可能であり、好適である。
【0068】
【実施例】(実施例1)厚さ1100μmのガラス基板
2上に、ITO薄膜を厚さ0.15μm、表面抵抗10
Ω/sqになるように真空蒸着法により作成し、陽電極
層3を形成した。次に、正孔輸送層6をスクリーン印刷
法により形成するために、CTP−5、TBAHAを混
合して正孔輸送層原料を調整し、o−ジクロロベンゼン
と、1,2,4−トリクロロベンゼンとを重量比1:1
で混合した有機溶剤に溶解して正孔輸送性塗料を作成し
た。各物質の重量比は、CTP−5:TBAHA:有機
溶剤=9:1:190である。
【0069】次に、厚さ20μmのスクリーン版をスク
リーン印刷機に装着し、調整した正孔輸送性塗料を供給
してITO薄膜からなる陽電極層3上に正孔輸送性塗料
の塗布膜をスクリーン印刷により形成した。そして、こ
の塗布膜を真空中において80℃で加熱乾燥して正孔輸
送層6を形成した。形成された正孔輸送層6の厚さは、
0.13μmであった。
【0070】次に、有機発光層4をスクリーン印刷法に
より形成するために、CTP−5、PBD、クマリン6
を混合して有機発光材料を調整し、o−ジクロロベンゼ
ンと、1,2,4−トリクロロベンゼンとを重量比1:
1で混合した有機溶剤に溶解して有機発光性塗料を作成
した。各物質の重量比は、CTP−5:PBD:クマリ
ン6:有機溶剤=3:2:0.05:105である。
【0071】次に、厚さ20μmのスクリーン版をスク
リーン印刷機に装着し、調整した有機発光性塗料を供給
して正孔輸送層6上に有機発光性塗料の塗布膜をスクリ
ーン印刷により形成した。そして、この塗布膜を真空中
において80℃で加熱乾燥して有機発光層4を形成し
た。形成された有機発光層4の厚さは、0.12μmで
あった。
【0072】次に、形成した有機発光層4上に、陰電極
層5を形成する部位のみを露出させるステンレス製の薄
板をマスクとして載置し、その上からMg・Ag合金を
200nmの厚さに真空蒸着した後に該マスクを取り除
いて陰電極層5を形成した。電圧20Vにおける輝度は
120cd/平方メートルであった。
【0073】なお、CTP−5は、テトラフェニルベン
ジン誘導体の一種であり、以下の構造式で示される。
【0074】
【化6】
【0075】(実施例2)厚さ125μmのポリエステ
ルフィルム基板2上に、ITO薄膜を厚さ0.15μ
m、表面抵抗50Ω/sqになるように真空蒸着法によ
り作成し、陽電極層3を形成した。次に、正孔輸送層6
をグラビア印刷法により形成するために、CTP−5、
TBAHAを混合して正孔輸送層原料を調整し、o−ジ
クロロベンゼンと、1,2,4−トリクロロベンゼンと
を重量比1:1で混合した有機溶剤に溶解して正孔輸送
性塗料を作成した。各物質の重量比は、CTP−5:T
BAHA:有機溶剤=9:1:190である。
【0076】次に、深さ10μmの正孔輸送層のパター
ン(凹部)が設けられた凹版をグラビア印刷機に装着
し、調整した正孔輸送性塗料を供給してITO薄膜から
なる陽電極層3上に正孔輸送性塗料の塗布膜をグラビア
印刷により形成した。そして、この塗布膜を真空中にお
いて80℃で加熱乾燥して正孔輸送層6を形成した。形
成された正孔輸送層6の厚さは、0.1μmであった。
【0077】次に、有機発光層4をスクリーン印刷法に
より形成するために、CTP−5、PBD、クマリン6
を混合して有機発光材料を調整し、o−ジクロロベンゼ
ンと、1,2,4−トリクロロベンゼンとを重量比1:
1で混合した有機溶剤に溶解して有機発光性塗料を作成
した。各物質の重量比は、CTP−5:PBD:クマリ
ン6:有機溶剤=3:2:0.05:105である。
【0078】次に、厚さ20μmのスクリーン版をスク
リーン印刷機に装着し、調整した有機発光性塗料を供給
して正孔輸送層6上に有機発光性塗料の塗布膜をスクリ
ーン印刷により形成した。そして、この塗布膜を真空中
において80℃で加熱乾燥して有機発光層4を形成し
た。形成された有機発光層4の厚さは、0.13μmで
あった。
【0079】次に、形成した有機発光層4上に、陰電極
層5を形成する部位のみを露出させるステンレス製の薄
板をマスクとして載置し、その上からMg・Ag合金を
200nmの厚さに真空蒸着した後に該マスクを取り除
いて陰電極層5を形成した。電圧20Vにおける輝度は
90cd/平方メートルであった。
【0080】(実施例3)厚さ1100μmのガラス基
板2上に、ITO薄膜を厚さ0.15μm、表面抵抗1
0Ω/sqになるように真空蒸着法により作成し、陽電
極層3を形成した。次に、正孔輸送層6をスクリーン印
刷法により形成するために、CTP−5、TBAHAを
混合して正孔輸送層原料を調整し、o−ジクロロベンゼ
ンと、1,2,4−トリクロロベンゼンとを重量比1:
1で混合した有機溶剤に溶解して正孔輸送性塗料を作成
した。各物質の重量比は、CTP−5:TBAHA:有
機溶剤=14:1:360である。
【0081】次に、厚さ15μmのスクリーン版をスク
リーン印刷機に装着し、調整した正孔輸送性塗料を供給
してITO薄膜からなる陽電極層3上に正孔輸送性塗料
の塗布膜をスクリーン印刷により形成した。そして、こ
の塗布膜を真空中において80℃で加熱乾燥して正孔輸
送層6を形成した。形成された正孔輸送層6の厚さは、
0.08μmであった。
【0082】次に、有機発光層4をスクリーン印刷法に
より形成するために、CTP−5、PVMOXD、ルブ
レンを混合して有機発光材料を調整し、o−ジクロロベ
ンゼンと、1,2,4−トリクロロベンゼンとを重量比
1:1で混合した有機溶剤に溶解して有機発光性塗料を
作成した。各物質の重量比は、CTP−5:PVMOX
D:ルブレン:有機溶剤=3:3:0.05:145で
ある。
【0083】次に、厚さ15μmのスクリーン版をスク
リーン印刷機に装着し、調整した有機発光性塗料を供給
して正孔輸送層6上に有機発光性塗料の塗布膜をスクリ
ーン印刷により形成した。そして、この塗布膜を真空中
において80℃で加熱乾燥して有機発光層4を形成し
た。形成された有機発光層4の厚さは、0.08μmで
あった。
【0084】次に、形成した有機発光層4上に、陰電極
層5を形成する部位のみを露出させるステンレス製の薄
板をマスクとして載置し、その上からMg・Ag合金を
200nmの厚さに真空蒸着した後に該マスクを取り除
いて陰電極層5を形成した。電圧20Vにおける輝度は
60cd/平方メートルであった。
【0085】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による有
機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法によれば、任意の発光パタ
ーンを容易に形成可能であり、しかも、層厚が均一な層
を容易に形成して生産効率の向上や、製造コストの低減
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明による第1の実施の形態とし
ての有機エレクトロルミネッセンス素子を示す断面図、
(b)は、本発明による第2の実施の形態としての有機
エレクトロルミネッセンス素子を示す断面図、(c)
は、本発明による第3の実施の形態としての有機エレク
トロルミネッセンス素子を示す断面図である。
【符号の説明】
1a 有機EL素子(第1の実施の形
態) 1b 有機EL素子(第2の実施の形
態) 1c 有機EL素子(第3の実施の形
態) 2 基板 3 陽電極層 4 有機発光層 5 陰電極層 6 正孔(ホール)輸送層 7 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寧 太陸 長野県諏訪市大字四賀238番地2 富士ネ ームプレート株式会社内 (72)発明者 谷口 彬雄 長野県上田市中央3−14−2 メナージュ うえだ602 (72)発明者 田村 政博 長野県諏訪市大字四賀238番地2 富士ネ ームプレート株式会社内 (72)発明者 丹羽 晴俊 長野県諏訪市大字四賀238番地2 富士ネ ームプレート株式会社内 (72)発明者 高畑 和紀 長野県諏訪市大字四賀238番地2 富士ネ ームプレート株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも陽電極層と、前記陽電極層上
    に積層された正孔輸送層と、前記正孔輸送層上に積層さ
    れた有機発光層と、前記有機発光層上に積層された陰電
    極層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子、 又は、少なくとも陽電極層と、前記陽電極層上に積層さ
    れた有機発光層と、前記有機発光層上に積層された電子
    輸送層と、前記電子輸送層上に積層された陰電極層とを
    有する有機エレクトロルミネッセンス素子、 又は、少なくとも陽電極層と、前記陽電極層上に積層さ
    れた正孔輸送層と、前記正孔輸送層上に積層された有機
    発光層と、前記有機発光層上に積層された電子輸送層
    と、前記電子輸送層上に積層された陰電極層とを有する
    有機エレクトロルミネッセンス素子であって、 前記有機発光層は、スクリーン印刷法により形成されて
    いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  2. 【請求項2】 前記有機発光層は、電子輸送性材料、正
    孔輸送性材料、ホストポリマー及び蛍光色素を混合して
    有機溶剤中に溶解した有機発光性塗料の塗布膜からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  3. 【請求項3】 前記正孔輸送層は、スクリーン印刷法、
    グラビア印刷法及びオフセット印刷法から選択する少な
    くとも1以上の方法により形成され、正孔輸送性材料及
    び電子受容性アクセプタを有機溶剤中に溶解した正孔輸
    送性塗料の塗布膜からなることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】 前記電子輸送層は、スクリーン印刷法、
    グラビア印刷法及びオフセット印刷法から選択する少な
    くとも1以上の方法により形成され、電子輸送性材料を
    有機溶剤中に溶解した電子輸送性塗料の塗布膜からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか
    1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】 前記有機溶剤は、25℃における蒸気圧
    が、0.1mmHg乃至20mmHgであって、沸点が
    100℃乃至300℃の範囲内にあることを特徴とする
    請求項2乃至請求項4のうちいずれか1記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 前記有機発光層、前記正孔輸送層及び前
    記電子輸送層は、層厚が0.03μm乃至5μmの範囲
    内にあることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち
    いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】 基板上に仕事関数が大きい金属、合金、
    電気導電性化合物及びこれらの混合物からなる陽電極層
    を形成し、 前記陽電極層上に正孔輸送性材料及び電子受容性アクセ
    プタからなる正孔輸送層を形成し、 電子輸送性材料、正孔輸送性材料、ホストポリマー及び
    蛍光色素を混合して有機溶剤中に均一に溶解した有機発
    光性塗料を作成し、前記正孔輸送層上にスクリーン印刷
    法によって前記有機発光性塗料の塗布膜を形成して加熱
    及び乾燥させて有機発光層を形成し、 前記有機発光層上に仕事関数が小さい金属、合金、電気
    導電性化合物及びこれらの混合物からなる陰電極層を形
    成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上に仕事関数が大きい金属、合金、
    電気導電性化合物及びこれらの混合物からなる陽電極層
    を形成し、 電子輸送性材料、正孔輸送性材料、ホストポリマー及び
    蛍光色素を混合して有機溶剤中に均一に溶解した有機発
    光性塗料を作成し、前記陽電極層上にスクリーン印刷法
    によって前記有機発光性塗料の塗布膜を形成して加熱及
    び乾燥させて有機発光層を形成し、 前記有機発光層上に電子輸送性材料からなる電子輸送層
    を形成し、 前記電子輸送層上に仕事関数が小さい金属、合金、電気
    導電性化合物及びこれらの混合物からなる陰電極層を形
    成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上に仕事関数が大きい金属、合金、
    電気導電性化合物及びこれらの混合物からなる陽電極層
    を形成し、 前記陽電極層上に正孔輸送性材料及び電子受容性アクセ
    プタからなる正孔輸送層を形成し、 電子輸送性材料、正孔輸送性材料、ホストポリマー及び
    蛍光色素を混合して有機溶剤中に均一に溶解した有機発
    光性塗料を作成し、前記正孔輸送層上にスクリーン印刷
    法によって前記有機発光性塗料の塗布膜を形成して加熱
    及び乾燥させて有機発光層を形成し、 前記有機発光層上に電子輸送性材料からなる電子輸送層
    を形成し、 前記電子輸送層上に仕事関数が小さい金属、合金、電気
    導電性化合物及びこれらの混合物からなる陰電極層を形
    成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記スクリーン印刷法は、全体が金属
    により一体に形成され、網目状の孔部を有するスクリー
    ン版を使用することを特徴とする請求項7乃至請求項9
    のうちいずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス
    素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記スクリーン版は、厚さが20μm
    以下であることを特徴とする請求項10記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子の製造方法。
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