JP2002146557A - 耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼 - Google Patents
耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼Info
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Abstract
ンク用潤滑表面処理ステンレス鋼を提供する。 【解決手段】 樹脂:100重量部とそれに分散された
標準水素電極に対する電化が一0.75V以下である金
属あるいは合金粒子:30〜900重量部からなる厚み
が0.5〜200μmの潤滑被膜を表面に有することを
特徴とする耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タ
ンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。前記金属あるいは合
金粒子が、ZnあるいはZnを含有する合金粒子であ
り、Mg:0.05〜25%、Al:0.05〜25
%、Si:0.05〜25%の1種または2種以上を含
有することが好ましい。
Description
ク用素材として用いられるステンレス鋼に関するもの
で、さらに詳しくは、燃料タンクの成形時の加工性を向
上させると共に、燃料タンクの外面での腐食、応力腐食
割れの発生を防止し、さらに抵抗溶接性をも向上させ
た、耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タンク用
潤滑表面処理ステンレス鋼に関するものである。
付着による塩害、内面側は蟻酸等の有機酸の生成による
酸腐食を受ける厳しい腐食環境で用いられる。現状、燃
料タンク用として使用されている鉛メッキ鋼板は、加工
性に優れると共に内面耐食性にも優れており、外面から
の塩害に対しては塗装によって耐食性を担保している。
しかし、燃料タンクの更なる長寿命化が求められてお
り、塗装だけでは、このような長寿命化を満足すること
は困難である。
タンク用素材として適用する取り組みが行われている
が、ステンレス鋼の耐食性を向上させるために、鋼中の
クロム含有量、モリブデン含有量を増加させた場合、ス
テンレス鋼の加工性の低下を招き、例えば燃料タンクの
プレス加工時に割れを発生する場合がある。ニッケルを
含むオーステナイト系ステンレス鋼は加工性に優れてい
るが、塩化物が付着した場合に、残留応力が作用すると
応力腐食割れを発生する可能性がある。
ト系ステンレス鋼の両者の特性を有する2相ステンレス
鋼については、耐応力腐食割れ性は、オーステナイト系
ステンレス鋼より優れるものの、塩化物応力腐食割れに
対して完全に免疫的ではなくまた、加工性についてはオ
ーステナイト系ステンレス鋼よりも劣る。従って、ステ
ンレス鋼を燃料タンク用素材として用いるには、フェラ
イト系ステンレス鋼では、加工性の向上と共に塩害に対
する耐食性の向上が、オーステナイト系ステンレス鋼で
は、耐応力腐食割れ性の向上が、そして2相ステンレス
鋼では、加工性と耐応力腐食割れ性の向上がそれぞれ不
可欠となる。
するには、その表面に潤滑被膜を形成させ、さらにその
被膜中に炭素を添加することにより導電性を向上させ、
加工性と抵抗溶接性の両者を向上させる方法が提示され
ている(特開2000−178757号公報)が、加工
性と抵抗溶接性と共に、塩害による耐食性を向上させる
方法については開示されていない。
いては、その耐応力腐食割れ性を向上させるために、特
開平6−175032号公報に開示されているように、
ステンレス鋼の表面に亜鉛球を投射し、ステンレス表面
に亜鉛を付着させると共に、さらに硬質金属球を投射
し、ステンレス表面に圧縮応力を作用させ、応力腐食割
れ寿命を長寿命化させる方法が示されているが、このよ
うなステンレス鋼も成形されると、素材段階でステンレ
ス鋼表面に導入された圧縮応力が引張応力へと変化し、
十分な耐応力腐食割れ性を発揮できない場合がある。
解決し、自動車の燃料タンク用素材として特に有効な、
耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タンク用潤滑
表面処理ステンレス鋼の提供を課題とするものである。
ステンレス鋼上に標準水素基準電極に対する電位が−
0.75V下の金属あるいは合金粒子を含む潤滑被膜を
形成させることによって表面処理ステンレス鋼の加工
性、抵抗溶接性および耐食性を向上できることを見いだ
し、本発明に至ったものであり、その要旨とするところ
は以下の通りである。
ライト系ステンレス鋼であって、樹脂:100重量部と
それに分散された標準水素電極に対する電位が−0.7
5V以下である金属あるいは合金粒子:30〜900重
量部からなる厚みが0.5〜200μmの潤滑被膜を表
面に有することを特徴とする耐食性、成形性および溶接
性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。 (2) 基材が、質量%で、 Ti:8×(C%+N%)〜1%、Nb:8×(C%+
N%)〜1% の1種または2種を、さらに含有することを特徴とする
前記(1)に記載の耐食性、成形性および溶接性に優れ
た燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。 (3) 基材が、質量%で、Mo:0.5〜5%を、さ
らに含有することを特徴とする前記(1)または(2)
に記載の耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タン
ク用潤滑表面処理ステンレス鋼。
ステナイト系ステンレス鋼であって、樹脂:100重量
部とそれに分散された標準水素電極に対する電位が−
0.75V以下である金属あるいは合金粒子:100〜
900重量部からなる厚みが0.5〜200μmの潤滑
被膜を表面に有することを特徴とする耐食性、成形性お
よび溶接性に優れた燃料タンク用の潤滑表面処理ステン
レス鋼。
ステンレス鋼であって、樹脂:100重量部とそれに分
散された標準水素電極に対する電位が−0.75V以下
である金属あるいは合金粒子:60〜900重量部から
なる厚みが0.5〜200μmの潤滑被膜を表面に有す
ることを特徴とする耐食性、成形性および溶接性に優れ
た燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。
する前記(4)または(5)に記載の耐食性、成形性お
よび溶接性に優れた燃料タンク用の潤滑表面処理ステン
レス鋼。 (7) 前記金属あるいは合金粒子が、ZnあるいはZ
nを含有する合金粒子であることを特徴とする前記
(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の耐食性、成形
性および溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステ
ンレス鋼。 (8) 前記金属あるいは合金粒子が、 Mg:0.05〜25%、 Al:0.05〜25%、 Si:0.05〜25% の1種または2種以上を含有することを特徴とする前記
(7)に記載の耐食性、成形性および溶接性に優れた燃
料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。
ンクの素材として使用されるステンレス鋼の加工性およ
び抵抗溶接性の向上ならびに耐食性を向上すべく鋭意検
討した結果、ステンレス鋼表面に厚みが0.5〜200
μmの潤滑被膜を形成させ、かつ潤滑被膜中に標準単極
に対する電位が−0.75V以下である金属あるいは合
金粒子を適量添加することによって、上記目的を達成す
る潤滑表面処理ステンレス鋼が得られることを見いだし
たものである。
材のフェライト系ステンレス鋼の成分について説明す
る。 C:炭素はフェライト系ステンレス鋼中の固溶度が低い
ため、炭化物として析出し、伸びの低下を引き起こす。
従って、鋼中の炭素濃度は、0.03%以下にする必要
がある。
として析出し、フェライト系ステンレス鋼の加工性を劣
化させる。従って、鋼中の窒素濃度は0.02%以下に
する必要がある。
として使用されているが、シリコンもフェライト系ステ
ンレス鋼の加工性を低下させる。従って、その含有量は
0.5%以下にする必要がある。
に伴ってステンレス鋼の加工性を低下させるが、本元素
はステンレス鋼の耐食性向上に不可欠な元素であり、そ
の含有量は少なくとも8%以上必要となる。なお、35
%を超えて添加した場合は、耐食性向上の効果がほぼ飽
和し、逆に加工性の低下が顕著であることから、35%
をクロム含有量の上限とする。なお、加工性と耐食性と
を鑑みると、好ましくは18%以下の含有量とするのが
望ましい。
成し、孔食発生の起点となり耐食性の劣化を生じるた
め、その含有量は1%以下とする。
ト系ステンレス鋼表面に潤滑作用を有する潤滑被膜を形
成させる。潤滑樹脂被膜は、可溶型、非可溶型のいずれ
の方式でもよく、例えばポリエチレングリコール系、ポ
リプロピレングリコール系、アクリル系、ポリエステル
系、ウレタン系などがある。潤滑剤としては、潤滑性能
を付与できるものであればよいが、ポレオレフィン系、
フッ素系、パラフィン系、ステアリン酸系ワックス、コ
ロイダルシリカと二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ンのうちの1種または2種以上からなるものが望まし
い。また、潤滑被膜の形成方法としてはロールコーター
塗布法、スプレー法など従来公知な方法で、塗布・焼き
付けして形成することができる。
与するために、少なくとも0.5μm以上は必要とな
る。ただし200μmを超えると、プレス加工時の塗膜
剥離粉の発生が増加し金型の手入れを頻繁に実施する必
要があるため、生産性を低下させる。従って、200μ
mを潤滑被膜厚みの上限値とする。
の抵抗溶接性および耐食性を向上させるために、潤滑被
膜中に標準水素基準電極に対する電位が、−0.75V
以下の金属あるいは合金粒子を潤滑被膜中に、樹脂の1
00重量部に対して30から900重量部添加する。金
属あるいは合金粒子の標準単極に対する電位が、−0.
75Vよりも高い場合は、何らかの理由によって素地の
ステンレス鋼が露出した場合に、十分な犠牲防食作用を
発揮することができない。また、金属あるいは合金粒子
の含有量が樹脂100重量部に対して30重量部未満で
は、十分な犠牲防食作用を発現することができない。一
方、含有量が900重量部を超える場合は、潤滑特性の
劣化を引き起こすため好ましくない。なお、有機被膜中
での金属粒子の分散状態を均一にするため、界面活性剤
を添加することは好ましい効果を有するものである。
てほぼ同じか、あるいは大きい場合は、十分な導電性が
確保されやすく好ましい。ただし、このような大きな粒
子を多量に潤滑被膜中に入れると潤滑性の低下を招く場
合がある。従って、このような場合には、樹脂部100
重量部に対する金属粒子の添加分は200重量部以下に
することが好ましい。
および窒素の固溶量が極めて低いため、溶接部近傍にお
いて粒界にクロムの炭窒化物として析出し、クロム欠乏
層の形成に伴い耐粒界腐食性を低下させる。耐粒界腐食
性を向上させるには、炭素、窒素と親和力の強いチタン
およびニオブの添加が有効であり、1種あるいは2種と
も添加することができる。添加量は、それぞれ鋼中の炭
素と窒素の和の含有量の少なくとも8倍以上は必要であ
る。ただし、1%を超えて添加すると鋼材の加工性を低
下させるので、1%を上限とする。
には、鋼中へのモリブデンの添加が有効となる。特に犠
牲防食作用を潤滑被膜との組み合わせによって、モリブ
デンの添加による耐食性の向上は極めて有効に作用す
る。モリブデンは、ステンレス鋼表面の不働態皮膜の破
壊された部位で、インヒビター的役割をすると考えられ
ているが、潤滑被膜中に含まれる金属粒子あるいは合金
粒子によって、その効果が増幅されるのもと推察され
る。従って、モリブデン含有量は0.5%以上添加する
ことによって著しく向上する。ただしその含有量が5%
を超えると、耐食性の向上への寄与がほぼ飽和すること
から、5%を上限とする。
鋼を用いる場合について、説明を行う。 C:オーステナイト系ステンレス鋼中の炭素の固溶度
は、前述のフェライト系ステンレス鋼に比べて比較的大
きいが、溶接熱影響部ではクロム炭化物として析出し、
その周囲にクロム欠乏層を形成し、耐食性の低下を生じ
る。従って、その含有量は0.06%以下とする。
成し孔食の発生起点となるため、Mnの含有量は1.5
%以下とする。
ンレス鋼と同様な理由により、その含有量を8%以上3
5%以下とする。
不可欠な元素であり、かつ加工性の向上に有効に作用す
るため、少なくともその含有量は6%以上が必要とな
る。また、ニッケル量の増加は耐応力腐食割れ性の向上
に有効に作用するため、その含有量は高い方が望ましい
が、ニッケル含有量の増加は、素材コストの上昇を招
く。さらに本発明では、表面処理によってオーステナイ
ト系ステンレス鋼の応力腐食割れの発生を防止しうるこ
とから、ニッケルの含有量の上限は30%とする。
ナイト系ステンレス鋼上に被覆する潤滑被膜に関して
は、フェライト系ステンレス鋼の場合と同様であるが、
オーステナイト系ステンレス鋼については、特に応力腐
食割れの発生を防止することが重要となる。従って応力
腐食割れの発生を防止するために、割れ先端の電位を十
分、卑な方向に下げる必要があり、潤滑被膜中における
金属あるいは合金粒子の含有率を増加させる必要があ
る。このような効果を得るには、少なくとも樹脂の10
0重量部に対して100重量部は必要となる。一方、上
限値はフェライト系ステンレス鋼の場合と同じく900
重量部となる。また、潤滑被膜の厚みの規定理由につい
ては、フェライト系ステンレス鋼の場合と同様である。
合について説明する。 C:2相ステンレス鋼中のフェライト相においては、前
述のフェライト系ステンレス鋼の場合と同様に炭素の固
溶限が低いため、鋼中の炭素濃度を低減する必要があ
る。ただし2相ステンレス鋼では、オーステナイト相中
に相当量の炭素を固溶することができるため、フェライ
ト系ステンレス鋼ほど炭素濃度を厳しく規定する必要は
なく、その含有量は0.04%以下とする。
孔食発生の起点となり、耐食性を劣化させるので、その
含有量は1.5%以下とする。
元素であり、かつオーステナイトとフェライトの2相組
織を得るためにも、少なくとも15%以上の含有率が必
要となる。ただし35%を超えて添加すると、耐食性の
向上への寄与がほぼ飽和するため、35%をその上限値
とする。
腐食割れ性の向上ならびに2相組織を得るために、少な
くとも4%以上は必要となる。ただし、25%を超える
添加は2相組織を不安定にすることから、25%をニッ
ケル含有量の上限値とする。
テンレス鋼と比較して、塩化物溶液中での耐応力腐食割
れ性に優れているが、フェライト系ステンレス鋼のよう
に全く免疫的と言えるまでの特性はない。従って、オー
ステナイト系ステンレス鋼と同様に、応力腐食割れの防
止が重要な因子となる。そのためには、樹脂被膜中の金
属あるいは合金粒子の含有率が重要な因子となる。すな
わちその含有率は、樹脂の100重量部に対して少なく
とも60重量部以上は必要となる。一方、上限値は、フ
ェライト系ステンレス鋼の場合と同じく900重量部と
なる。また、潤滑被膜の厚みの規定理由については、フ
ェライト系ステンレス鋼の場合と同様である。
合金粒子について、さらに詳しく説明する。潤滑被膜中
に添加する金属あるいは合金粒子は、その標準水素電極
に対する電位が−0.75V以下である必要があるが、
その中で特にZnあるいはZn合金の粒子を用いる場合
は、抵抗溶接部での耐食性の劣化を有効に防止すること
ができる。これは、溶接時に生成するZnの酸化物が、
基材のステンレス鋼の腐食に伴って生じる溶液pHの低
下に対して緩衝作用を有することに起因すると推察され
る。勿論、抵抗溶接部をジンクリッチペイント等を用い
て補修することは、耐食性の確保に有効に働くのは言う
までもないが、特別な補修を行わなくとも、潤滑被膜中
への溶接部の耐食性劣化を防止することができる。
らにMg,Al,Siの1種以上を添加することによっ
てより顕著に発現させることができる。その理由は不明
な点が多いが、このような効果を得るには、少なくとも
これらの元素の含有率は0.05%以上必要となる。た
だし含有率が25%を超えると、Zn本来のpHの緩衝
作用を損なうことから、25%を上限値とする。
テナイト系ステンレス鋼あるいは2相ステンレス鋼の場
合について、応力腐食割れに及ぼす鋼中成分の影響に関
してさらに詳しく説明する。基材がオーステナイト系ス
テンレス鋼および2相ステンレス鋼の場合、鋼中へのS
i,MoあるいはCuの添加によって、潤滑表面処理ス
テンレス鋼の耐応力腐食割れ性を極めて効果的に改善す
ることができる。
解明されていないが、Moについては、応力腐食割れの
起点となる孔食発生を極めて有効に防止すること、一
方、Si,Cuについて応力腐食割れ先端部でのステン
レス鋼の溶出速度を低減し、割れ部での再不働態化を促
進し、割れの進行を抑制するものと考えており、さらに
本発明に従ってステンレス鋼に表面処理を施すことによ
って、一段とこのような効果を発現することができると
考えられる。
れらの元素の成分濃度は0.5%以上が必要となる。そ
れぞれ単独で添加しても良いが、望ましくはSiとCu
のように2種以上を組み合わせることが好ましい。ま
た、これらの元素の添加効果は5%を超えると飽和する
ことから、添加量の上限値は5%とする。
発明では、冷延・焼鈍後、酸洗処理を施したいわゆる2
B仕上げ材を実験に用いた。各試験片ともそれぞれ10
本の試験片を用いた。表1に、ステンレス鋼中の成分元
素濃度を示す。また樹脂被膜の種類、厚み、樹脂被膜中
の金属あるいは合金粒子の含有率を示すと共に、このよ
うな試験片よりUベンド試験片を作成し、人工海水を用
いた乾湿繰り返し試験を400サイクルまで実施するこ
とによって、応力腐食割れの発生の有無を調べた結果を
併記した。
間、そして、50℃での湿潤工程が2時間の計8時間が
1サイクルである。このようなサイクルで400サイク
ルまで試験を実施した場合、海浜地区においても少なく
とも数10年に及ぶ実暴露に相当すると考えられるが、
本発明法に従ったものは優れた耐応力腐食割れ性を示す
ことが分かる。
および抵抗溶接性の評価試験結果を併記する。それぞれ
の試験方法は下記に示す。プレス成形性の評価は、円筒
ポンチの油圧成型試験機により下記条件で成形試験を行
い、限界絞り比(LDR)および加工後外観による型か
じり性を評価した。成形試験の温度条件として、室温お
よび昇温条件下(100℃)の2水準で評価を行った。 ・ポンチ径:40mmφ ・ブランク径:68〜97.5mm ・ダイス径:43mmφ ・しわ押さえ荷重:1ton ・素材は潤滑油ジョンソンワックス#122塗布、潤滑
被膜処理材は無塗油 抵抗溶接性の評価試験は、潤滑被膜付きのステンレス鋼
板2枚と無処理のステンレス鋼板2枚とをスポット溶接
によって接合し、その後、引張剪断試験により評価を行
った。電極形状は、CFR型(直径4mmのR40、材質
はCr−Cu合金)で、加圧力は1960Nで、溶接電
流は4.5KAの条件で行った。
性、成形性および溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面
処理ステンレス鋼は、加工性、溶接性および耐食性とも
燃料タンクの素材として優れた特性を示し、燃料タンク
の長寿命化に十分対応できるものであり、その産業上の
価値は極めて高いといえる。
Claims (8)
- 【請求項1】 基材が、質量%で、 C :0.03%以下、 N :0.02%以下、 Si:0.5%以下、 Mn:1%以下、 Cr:8〜35% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェ
ライト系ステンレス鋼であって、樹脂:100重量部と
それに分散された標準水素電極に対する電位が−0.7
5V以下である金属あるいは合金粒子:30〜900重
量部からなる厚みが0.5〜200μmの潤滑被膜を表
面に有することを特徴とする耐食性、成形性および溶接
性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。 - 【請求項2】 基材が、質量%で、 Ti:8×(C%+N%)〜1%、 Nb:8×(C%+N%)〜1% の1種または2種を、さらに含有することを特徴とする
請求項1に記載の耐食性、成形性および溶接性に優れた
燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。 - 【請求項3】 基材が、質量%で、 Mo:0.5〜5% を、さらに含有することを特徴とする請求項1または2
に記載の耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タン
ク用潤滑表面処理ステンレス鋼。 - 【請求項4】 基材が、質量%で、 C :0.06%以下、 Mn:1.5%以下、 Cr:8〜35%、 Ni:6〜30% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるオー
ステナイト系ステンレス鋼であって、樹脂:100重量
部とそれに分散された標準水素電極に対する電位が−
0.75V以下である金属あるいは合金粒子:100〜
900重量部からなる厚みが0.5〜200μmの潤滑
被膜を表面に有することを特徴とする耐食性、成形性お
よび溶接性に優れた燃料タンク用の潤滑表面処理ステン
レス鋼。 - 【請求項5】 基材が、質量%で、 C :0.04%以下、 N :0.03%以下、 Mn:1.5%以下、 Cr:15〜35%、 Ni:4〜25%を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物からなる2相ステンレス鋼であって、樹脂:100
重量部とそれに分散された標準水素電極に対する電位が
−0.75V以下である金属あるいは合金粒子:60〜
900重量部からなる厚みが0.5〜200μmの潤滑
被膜を表面に有することを特徴とする耐食性、成形性お
よび溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレ
ス鋼。 - 【請求項6】 基材が、質量%で、 Si:0.5〜5%、 Mo:0.5〜5%、 Cu:0.5〜5% の1種または2種以上を、さらに含有することを特徴と
する請求項4または5に記載の耐食性、成形性および溶
接性に優れた燃料タンク用の潤滑表面処理ステンレス
鋼。 - 【請求項7】 前記金属あるいは合金粒子が、Znある
いはZnを含有する合金粒子であることを特徴とする請
求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐食性、成形性お
よび溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレ
ス鋼。 - 【請求項8】 前記金属あるいは合金粒子が、 Mg:0.05〜25%、 Al:0.05〜25%、 Si:0.05〜25% の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項7に記載の耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料
タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼。
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JP2000339795A JP2002146557A (ja) | 2000-11-08 | 2000-11-08 | 耐食性、成形性および溶接性に優れた燃料タンク用潤滑表面処理ステンレス鋼 |
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