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JP2002141081A - 平板形固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

平板形固体酸化物形燃料電池

Info

Publication number
JP2002141081A
JP2002141081A JP2000337709A JP2000337709A JP2002141081A JP 2002141081 A JP2002141081 A JP 2002141081A JP 2000337709 A JP2000337709 A JP 2000337709A JP 2000337709 A JP2000337709 A JP 2000337709A JP 2002141081 A JP2002141081 A JP 2002141081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
reaction gas
air
electrode
fuel gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000337709A
Other languages
English (en)
Inventor
Fusayuki Nanjo
房幸 南條
Koichi Takenobu
弘一 武信
Kazuhiro Yoshimoto
和博 吉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000337709A priority Critical patent/JP2002141081A/ja
Publication of JP2002141081A publication Critical patent/JP2002141081A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池構成部材間に発生する熱応力を効果的に
低減し、当該熱応力に起因する構成部材の損傷を効果的
に防止して燃料電池を長期にわたり安定して作動させる
ことのできる平板形固体酸化物形燃料電池を提供するこ
と。 【解決手段】 発電膜2を備える平板形固体酸化物形燃
料電池10において、アノード側に設けられており、ア
ノードに燃料ガスを供給するための燃料ガス入口45a
と、これに対向するように設けられた燃料ガス出口45
bと、カソード側で燃料ガスの流通方向L1に沿って互
いに対抗し合う一対の側縁部のうち、一方の側縁部の燃
料ガス入口側の少なくとも2ヶ所に設けられたカソード
に空気を供給するための空気入口42a及び43bと、
空気入口に対向するカソード側の他方の側縁部の燃料ガ
ス出口側に設けられた第2反応ガス出口44aとを備え
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平板形の固体酸化
物形燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池(FC;Fuel Cells)は、燃料
ガス(アノード反応ガス)と酸化用ガス(カソード反応
ガス)とを電極活物質として利用した電気化学反応によ
って発生する電気エネルギーを直接取り出すものであ
り、カルノー効率の制約を受ける熱機関と比較して高い
発電効率を有する。更に、燃料電池は、電気化学反応に
よって発生する熱エネルギーを、電池本体と電池から排
出される排ガスとから容易に回収することが出来るの
で、高い総合エネルギー効率を得ることが可能である。
【0003】特に、固体酸化物形燃料電池(SOFC;S
olid Oxide Fuel Cells)は、約800〜1000℃と
いう高温で作動させるため、ガスタービン、蒸気タービ
ンなどのボトミングサイクルと組み合わせた複合発電シ
ステムに利用することができる。そして、このような複
合発電システムは、SOFCの排熱を効率よく回収して
発電に利用することで、非常に高い複合発電効率を達成
することが可能となる。このようなSOFCは、円筒型
と平板形の2種類のタイプの開発が進められている。円
筒型SOFCに対して平板形SOFCは、その形状の面
で、電池の積層化による出力密度の向上と大型化とを比
較的容易に図ることが可能であることからその実用化が
期待されている。
【0004】従来、積層化された平板形SOFCとして
は、例えば、国際公開WO99/26304号公報に開
示されている構造ものが知られている。
【0005】すなわち、単位セルとなる平板状の発電膜
(単位セル;active layer)が、インターコネクタ(ガ
スセパレータ)を介して所定数積層された一体構造を有
している。この発電膜とインターコネクタとからなる積
層体は、スタックと呼ばれ、例えば、10個の発電膜を
有するスタックは10段スタックと呼ばれる。そして、
このスタックの両端部には、各単位セル内の電池反応に
より発生する電荷を集電するための集電板が電気的に接
続される。
【0006】また、平板状の発電膜は、O2-イオン伝導
性の固体酸化物からなる固体電解質膜と、当該固体電解
質膜の片面に形成されたアノードと、もう一方の面に形
成されたカソードとから構成されている。更に、インタ
ーコネクタ或いは発電膜とインターコネクタとの間に配
置されるシール材に溝を形成することにより、発電膜の
両側の電極面にはそれぞれ所定のガス流路が形成されて
いる。そして、アノード側のガス流路には還元剤となる
カソード反応ガスが供給され、カソード側のガス流路に
は酸化剤となるアノード反応ガスが供給される。このよ
うにして、それぞれの電極面上をガス流路の入口から出
口に向けて所定の方向に進行する反応ガスが電極反応を
起すことになる。
【0007】固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」
という)は、その作動温度領域が800〜1000℃と
高いので、特に複数の発電膜(単位セル)を積層してス
タックを構成する場合において、構成部材間に生じる熱
応力に起因する各構成部材の損傷が電池のガスシール性
を低下させてしまうと共に電池の長寿命化を図る上で大
きな問題の一つとなる。このため、インターコネクタ、
シール材等のスタック構成材料は、各々の熱膨張率を発
電膜の熱膨張率にほぼ一致させるようにして形成され
る。このようにすることにより構成部材間に働く熱応力
の低減が図られている。
【0008】しかしながら、固体酸化物形燃料電池は、
その作動温度領域が高いことに加えて電池反応が発熱反
応であるため、作動中の電極において、反応ガス入口付
近では低温域、反応ガス出口付近では高温域となるよう
な温度分布が定常的に生じてしまう。このように、反応
ガス入口付近と反応ガス出口付近との温度差が大きくな
ると、発電膜、インターコネクタ、シール材等の構成部
材間に働く熱応力が大きくなり各構成部材の損傷を招く
危険性があった。更に、大きな熱応力がかかる場合に
は、各構成部材にクラックが生じて発電不能の状態に陥
る場合があった。
【0009】特に、複数の発電膜(単位セル)を積層し
てスタックを構成する場合には、上記の問題は、電池の
ガスシール性の向上を図ると共に電池の長寿命化を図る
上で大きな問題の一つとなっていた。
【0010】そのため、国際公開WO99/26304
号公報には、発電膜の面方向に発生する熱応力を低減す
るために、発電膜のアノード側の面に互いに対向するよ
うに設けられた燃料ガス入口と燃料ガス出口とを有し、
かつ、カソード側の面に燃料ガスの流通方向に沿って互
いに対向する側縁部のうちの一方の側縁部の燃料ガス入
口に近接する側に設けられた空気入口と、他方の側縁部
の燃料ガス出口に近接する側に設けられた空気出口とを
有する平板形SOFCが提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らは、国際公開WO99/26304号公報に記載の
平板形SOFCであっても、発電膜の反応ガス入口付近
の温度と反応ガス出口付近の温度との差が大きくなって
しまい、発電膜、インターコネクタ、シール材等の構成
部材間に働く熱応力が大きくなり各構成部材の損傷を招
く危険性があり、未だ十分なものではないことを見出し
た。
【0012】そこで、本発明は、電池構成部材間に発生
する熱応力を効果的に低減し、当該熱応力に起因する構
成部材の損傷を効果的に防止して燃料電池を長期にわた
り安定して作動させることのできる平板形固体酸化物形
燃料電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の平板形固体酸化
物形燃料電池は、第1の電極と、第2の電極と、第1の
電極と第2の電極との間に配置された固体電解質とを有
する発電膜を備える平板形固体酸化物形燃料電池におい
て、第1の電極側に設けられており、第1の電極に第1
の反応ガスを供給するための第1反応ガス入口と、第1
反応ガス入口と対向するように設けられた第1反応ガス
出口と、第2の電極側で第1の反応ガスの流通方向に沿
って互いに対抗し合う一対の側縁部のうち、一方の側縁
部の第1反応ガス入口側の少なくとも2ヶ所に設けられ
ており、第2の電極に第2の反応ガスを供給するための
第2反応ガス入口と、第2の電極側で第1の反応ガスの
流通方向に沿って互いに対向し合う一対の側縁部のう
ち、他方の側縁部の第1反応ガス出口側に設けられた第
2反応ガス出口とを備えることを特徴とする。
【0014】このように、第2反応ガス入口を少なくと
も2ヶ所設けることにより、第1の電極における第1反
応ガス入口付近と第1反応ガス出口付近との間の温度
差、及び第2の電極における第2反応ガス入口付近と第
2反応ガス出口付近との間の温度差を共に十分に低減す
ることが可能となるので、平板形固体酸化物形燃料電池
の構成部材間に発生する熱応力を効果的に低減すること
ができる。従って、当該熱応力に起因する構成部材の損
傷を効果的に防止して平板形固体酸化物形燃料電池を長
期にわたり安定して作動させることができる。
【0015】また、本発明の平板形固体酸化物形燃料電
池は、第2の電極側で第1の反応ガスの流通方向に沿っ
て互いに対抗し合う一対の側縁部のうち、一方の側縁部
には、各第2反応ガス入口よりも第1反応ガス出口側に
位置するように第2反応ガス出口が更に設けられてお
り、他方の側縁部には、各第2反応ガス出口よりも第1
反応ガス入口側に位置するように第2反応ガス入口が更
に設けられていてもよい。
【0016】このような構成を採用すれば、発電膜と当
該発電膜に接触する構成部材との間に発生する熱応力を
各発電膜ごとに独立に低減することが容易にできるよう
になる。従って、作動中に発生する構成部材間の熱応力
に起因する当該構成部材の損傷を効果的に防止して平板
形固体酸化物形燃料電池を長期にわたり安定して作動さ
せることがより容易にできるようになる。
【0017】更に、また、本発明の平板形固体酸化物形
燃料電池は、第1の電極はアノードであり、第2の電極
はカソードであることが好ましい。このような構成を採
用すれば、作動中に発生する構成部材間の熱応力に起因
する当該構成部材の損傷を効果的に防止することに加え
て、アノード反応ガスの利用率を高いレベルに保持した
状態で平板形固体酸化物形燃料電池を作動させることが
容易にできるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による平板形固体酸化物形燃料電池の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0019】[第一実施形態]図1は、本発明の平板形
固体酸化物形燃料電池の第一実施形態を示す構造展開図
である。同図に示す平板形固体酸化物形燃料電池(以
下、平板形SOFCという)10は、水素を含む燃料ガ
ス(アノード反応ガス)と、酸化剤となる空気(カソー
ド反応ガス)とを利用した電気化学反応によって電気エ
ネルギーを発生する。
【0020】この平板形SOFC10は、単位セルとな
る矩形平板状の発電膜2と、発電膜2の外周部に取り付
けられるシール材3からなるユニットがインターコネク
タ1を介して複数個積層化した構造を有する。この発電
膜2がインターコネクタ1を介して複数個積層された積
層体12を、「スタック」12として以下の説明に記述
する。また、この平板形SOFC10には、各発電膜2
の電池反応により発生する電荷を集電する金属製の集電
板70が、スタック12の両端に配置されるインターコ
ネクタ1の外側の面に設けられている。更に、この集電
板70には、金属製の集電棒80が電気的に接続されて
いる。
【0021】以下、図1に示した平板形SOFC10の
各構成要素について詳細に説明する。図2は、図1に示
す平板形SOFC10のX−X線に沿う断面図である。
【0022】発電膜2は、固体電解質膜20の一方の面
がアノード(第1の電極)24として機能する面であ
り、他方の面がカソード(第2の電極)23として機能
する面である。この平板形SOFC10の場合、スタッ
クを構成する複数の発電膜2は、それぞれのアノード2
4の面、カソード23の面をすべて同方向となるように
積層されている。なお、以下の説明においては、必要に
応じてカソード23の面を「表面」、アノード24の面
を「裏面」として記述する。
【0023】更に、図1及び図2に示すように、発電膜
2は、その両面に凹凸型のディンプル部が形成されてい
る。以下の説明においては、カソード23の面(「表
面」)からみた場合を基準として、「凸ディンプル部2
1」と「凹ディンプル部22」として記述する。この凸
ディンプル部21と凹ディンプル部22は、アノード2
4における燃料ガスの反応サイトとカソード23におけ
る空気の反応サイトを増大させると共に、カソード23
及びアノード24のそれぞれの面上を流れる各反応ガス
の流通方向を制御するためのものである。
【0024】また、図1に示すように、この発電膜2
は、反応ガスの通過する入口および出口の部分を除いて
その周囲をシール材3で囲まれている。このシール材3
は、発電膜2の両面に反応ガス流路を形成すると共に当
該反応ガス流路以外の方向への反応ガスの漏洩を阻止す
るためのものである。そして、図2に示すように、シー
ル材3を取り付けられた各発電膜2がインターコネクタ
1を介して複数個積層化される際に、各発電膜2の両側
のそれぞれの面上には、各発電膜2の両側の面と、イン
ターコネクタ1の面と、シール材3とによって空気流路
40と燃料ガス流路41が形成される。
【0025】更に、図1に示した平板形SOFC10の
各発電膜2には、取り付けられるシール材により、燃料
ガスの流通方向L1に対して異なる流通方向L2を有す
る空気流路が形成された発電膜2aと発電膜2bとがあ
る。そして、発電膜2aと発電膜2bとは互いに交互に
積層されている。
【0026】この異なる流通方向L2を有する2つの空
気流路が形成された発電膜2aと発電膜2bにおける空
気の流れについて図3及び図4を用いて説明する。
【0027】図3(a)は、図1に示す平板形SOFC
10の発電膜2aを有するユニットをカソード23側か
らみた平面図であり、図3(b)は、図3(a)のX1
−X1線に沿う断面図である。また、図3(c)は、図
1に示す平板形SOFC10の発電膜2aを有するユニ
ットをアノード24側からみた平面図であり、図3
(d)は、図3(c)のY1−Y1線に沿う断面図であ
る。
【0028】更に、図4(a)は、図1に示す平板形S
OFC10の発電膜2bを有するユニットをカソード2
3側からみた平面図であり、図4(b)は、図4(a)
のX2−X2線に沿う断面図である。また、図4(c)
は、図1に示す平板形SOFC10の発電膜2aを有す
るユニットをアノード24側からみた平面図であり、図
4(d)は、図4(c)のY2−Y2線に沿う断面図で
ある。
【0029】ここで、図3(a)、図3(c)、図4
(a)及び図4(c)に示す発電膜2aの両側の面及び
発電膜2bの両側の面にそれぞれ形成されるカソード2
3及びアノード24の電極反応を起こす部分は、一般的
には有効発電部と呼ばれ、その面積を有効発電面積と呼
ぶ。
【0030】図3(c)及び図4(c)にそれぞれ示す
ように、発電膜2aと発電膜2bのそれぞれのアノード
24側の面の四辺のうちの一辺には、そのほぼ全長にわ
たって開口した燃料ガス入口(第1反応ガス入口)45
a及び45bがそれぞれ設けられている。そして、これ
らの燃料ガス入口45a及び45bと対向する辺には、
そのほぼ全長にわたり開口した燃料ガス出口(第1反応
ガス出口)46a及び46bがそれぞれ設けられてい
る。更に、発電膜2aと発電膜2bのアノード24側の
面のそれぞれのその他の四周の部分はシール材3で囲ま
れている。
【0031】また、図3(a)及び図4(a)にそれぞ
れ示すように、発電膜2aと発電膜2bのそれぞれのカ
ソード23側の面には、燃料ガスの流通方向L1に沿っ
て互いに対抗し合う一対の側縁部のうちの一方の側縁部
の燃料ガス入口45a及び45b側の2ヶ所に、空気入
口(第2反応ガス入口)42a、43a、42b、及び
43bが仕切を隔ててそれぞれ設けられている。そし
て、これらの空気入口42a、43a、42b、及び4
3bと対向する辺には、燃料ガス出口46a及び46b
の側に、空気出口(第2反応ガス出口)44a及び44
bがそれぞれ設けられている。また、カソード23側の
面の上記の開口部以外の四周の部分はシール材3で囲ま
れている。
【0032】更に、発電膜2aのカソード23の面上に
供給される空気は、図3(a)中、アノード24の面を
流れる燃料ガスの流通方向L1に対して上流側に位置す
る空気入口42aとその下流側に位置する43aとから
導入され、アノード24の面を流れる燃料ガスの流通方
向L1に対して下流側に位置する空気出口44aに向け
て導かれる。同様に、発電膜2bのカソード23の面上
に供給される空気は、図4(a)中、アノード24の面
を流れる燃料ガスの流通方向L1に対して上流側に位置
する空気入口42bとその下流側に位置する43bとか
ら導入され、アノード24の面を流れる燃料ガスの流通
方向L1に対して下流側に位置する空気出口44bに向
けて導かれる。一方、図3(c)、及び、図4(c)に
示すように、発電膜2aおよび発電膜2bのそれぞれの
アノード24側の面上に供給される燃料ガスは、いずれ
も図中上方に位置する燃料ガス入口45a及び45bか
ら導入され、下方に位置する燃料ガス出口46a及び4
6bへ導かれる。
【0033】すなわち、発電膜2aおよび発電膜2bの
それぞれのカソード23側の面上に供給される空気は、
固体電解質膜20を介し、いずれもアノード24側の面
上に供給される燃料ガスの流通方向L1に対して、その
燃料ガスの一方の縁の上流側のから他方の縁の下流側へ
向けて斜めに横断するように、その流通方向L2を設定
されている。然も、発電膜2aの空気の流れと発電膜2
bの空気の流れは、互いに燃料ガスの流通方向L1につ
いて略対称となっている。つまり、図3(a)と図4
(a)に示すように、発電膜2aおよび2bは、燃料ガ
ス流路42は同じ構造であり、空気流路41が燃料ガス
の流通方向L1の軸に対して、左右対称となる2種類の
構造を有している。
【0034】図5は、図1に示す平板形SOFC10に
ガス供給、排出のためのマニホールドを取り付けた場合
の斜視図である。
【0035】第5図中、 空気入口マニホールド53a
は、発電膜2aのカソード側へ全投入空気量の略1/2
の空気が供給されるよう取り付けられており、一方の空
気出口マニホールド54aは、発電膜2aを通過した空
気がすべて排出されるように取り付けられている。同様
に、発電膜2bのカソード23側には全投入空気量の残
り、略1/2の量の空気が、供給、排出されるように空
気入口マニホールド53bおよび空気出口マニホールド
54bが取り付けられている。一方、発電膜2aおよび
2bのすべての発電膜のアノード24側へは全投入燃料
ガスが供給されるように燃料入口ガスマニホールド55
が取り付けられ、燃料出口ガスマニホールド56は、電
池反応を行なった後の燃料排ガスがすべて排出されるよ
う取り付けられている。
【0036】図5に示すように、この平板形SOFCは
横置型であり、燃料ガス入口マニホールド55が、横置
型スタック12(図1参照)の下部(地側)に取り付け
られ、燃料ガス出口マニホールド56が横置型スタック
12の上部(天側)に取り付けられ、空気入口マニホー
ルド53a、53bは横置型スタック12の側面の燃料
ガス入口マニホールド55に近い、下部側の略1/2の
部分に、空気出口マニホールド54a、54bは横置型
スタック12の側面の燃料ガス出口マニホールド56に
近い上部側の略1/2の部分に取り付けられている。
【0037】この平板形SOFC10を作動させるに
は、従来のSOFCと同様に800℃〜1000℃の温
度条件下に保持し、空気および燃料ガスをそれぞれの流
路へ流せばよい。
【0038】図1、図2、図3及び図5で示した発電膜
2aの場合には、空気は空気入口マニホールド53aか
ら供給され、空気入口42a及び43aを通って、発電
膜2aの両電極を形成した有効発電部で発熱を伴う電池
反応をした後、残りの空気(以下排空気)は空気出口4
4aを通過して、空気出口マニホールド54aへ排出さ
れる。
【0039】次に、図1、図2、図4及び図5で示した
発電膜2bの場合には、空気は、空気入口マニホールド
53bから供給され、空気入口42b及び43bを通っ
て、発電膜2bの両電極を形成した有効発電部で発熱を
伴う電池反応をした後、排空気は空気出口44bを通過
して、空気出口マニホールド54bへ排出される。
【0040】一方、燃料ガスは、燃料ガス入口マニホー
ルド55から供給され、燃料ガス入口45a及び45b
を通って、発電膜2a及び発電膜2bの有効発電部で発
熱を伴う電池反応をした後、燃料排ガスは燃料ガス出口
46a及び46bを経て、燃料ガス出口マニホールド5
6へと排出される。
【0041】このように、発電膜2a及び発電膜2bの
有効発電部に各反応ガスがそれぞれ供給されて電極反応
が進行すると、この電池反応による発熱に伴い各発電膜
2毎にその面方向に温度分布が生じ、反応ガス供給部近
傍が低温、反応ガス排出部近傍が高温となる。この温度
分布は、電極の特性、各々の反応ガスの投入温度、投入
量によって異なるが、その典型的な一例を以下、図6
(a)〜図6(c)を用いて説明する。
【0042】図6(a)は、発電膜2aの面方向の温度
分布を示す等温線図であり、図6(b)は、発電膜2b
の面方向の温度分布を示す等温線図であり、図6(c)
は、図6(a)と図6(b)との等温線図を合成した場
合の等温線図である。なお、この図6(c)は、スタッ
ク12全体の中の一つの発電膜2に注目した場合のその
面方向の温度分布に相当する。
【0043】図6(a)中の発電膜2aの面方向の温度
分布を示す等温線の%表示はガス入口と出口の温度差が
100%とした場合の割合を示し、供給されるガスの流
量や温度等の条件が変化して温度差が異なっても等温線
図の形状は略相似となる。一方、図6(b)に示す発電
膜2bの面方向の温度分布を示す等温線図は、燃料ガス
の流れは発電膜2aと同一方向であり、空気流路が、発
電膜2aに対し、燃料ガスの流通方向L1を対称軸とし
て左右対称となる。
【0044】これら図6(a)、図6(b)に示した等
温線図は、例えば、国際公開WO99/26304号公
報に開示されている平板形SOFCの燃料ガス及び空気
の流通方式に比べて各反応ガスの入口付近(低温部)と
各反応ガスの出口付近(高温部)との間に生じる温度勾
配が小さくなり、発生する熱応力を低減できる。そのた
め、平板形SOFC10は、各発電膜2と各インターコ
ネクタの電気的接合やシール部のずれ、剥離等による電
池性能の低下を抑制できる。また、局部的な熱応力によ
る発電膜2やインターコネクタ1の割れ等の損傷も抑制
できるため、電池の健全性が向上し電池の長寿命化が可
能となる。
【0045】更に、この平板形SOFC10内の発電膜
2aおよび発電膜2bは、それぞれの発電膜へ供給する
ガスの流量や温度等の条件を同一とすれば、図6(a)
と図6(b)に示した等温線図は、燃料ガスの流通方向
L1を対称軸として左右を逆転させたものと等しくなる
ことから、図1、図5の如く、発電膜2a及び発電膜2
bをインターコネクタ1を介して交互に積層したスタッ
ク12を電池反応させた場合、積層方向(高さ方向)の
熱交換を捉し、スタック12全体の温度が平均化され
る。
【0046】すなわち、図1、図5の如く発電膜2a及
び発電膜2bが積層されたスタック12全体において
は、図6(c)に示す等温線図が描け、図6(a)と図
6(b)に示した等温線図に比べ、更に各発電膜2の面
方向発生する熱応力も小さくなり、平板形SOFC10
の健全性を確保できる。
【0047】ところで、この平板形SOFC10におい
ては、各発電膜2の面方向には、燃料ガスの流れの方向
に沿って、図6(a)又は図6(b)に示すような温度
勾配を有する温度分布が以前として存在することにな
る。同様に、各発電膜2を積層したスタック12全体に
も、燃料ガスの流通方向L1に沿って、図6(a)又は
(b)に示すような温度勾配を有する温度分布が以前と
して存在することになる。しかしこの平板形SOFC1
0の場合には、前述した各反応ガスの流通構造を採用し
ているので、各反応ガスの入口付近(低温部)と各反応
ガスの出口付近(高温部)との間に生じる温度勾配が従
来の平板形SOFCよりも小さくなり、発生する熱応力
を低減できる。その典型的な例を以下図7に示す。
【0048】図7は、発電膜2aの温度分布を、ガス入
口45aからガス出口46aまでの燃料ガスの流通方向
L1に沿った温度プロフィールとして模式的に示したグ
ラフである。ここで、発電膜2の温度分布を示す温度プ
ロフィールLUC2は、複数の発電膜2を積層化したス
タック12を構成する場合においては、発電膜2と同等
の熱膨張率を有するインターコネクタ1、シール材3等
のスタック構成部材も含めた温度分布を示すものとす
る。
【0049】図7に示すように、反応ガスの電極反応は
反応ガス流路の下流側の領域においてより活発に進行す
るようになるので、発電膜2の温度分布を示す温度プロ
フィールLUC2及び従来の平板形SOFCの発電膜の
温度分布を示す温度プロフィールLUC1は、各反応ガ
ス入口から各反応ガス出口にかけてともに上昇する。し
かし、従来の平板形SOFCの発電膜の温度プロフィー
ルLUC1に比較して、本実施形態の平板形SOFC1
0の発電膜2の温度プロフィールLUC2は、各反応ガ
スの入口付近と各反応ガスの出口付近との間に生じる温
度勾配が従来の平板形SOFCよりも小さくなり温度勾
配が低減されることになる。そして発電膜2の面方向に
発生する熱応力を低減できることになる。
【0050】更に、上記の平板形SOFC10の発電膜
2の面方向の温度分布の各反応ガスの入口付近と各反応
ガスの出口付近との間に生じる温度勾配は、カソード2
2側の空気入口42a、43a、42b、及び43bに
供給する空気の流量、圧力を制御することにより精密に
制御することができる。
【0051】例えば、図8(a)に示すように、発電膜
2aにおいての空気入口42a及び43aからそれぞれ
導入する空気の圧力をそれぞれ独立に制御する場合に
は、空気入口42a及び43aの開口面積を同じにして
発電膜2aの各反応ガスの入口付近と各反応ガスの出口
付近との間に生じる温度勾配が最小となるように空気入
口42aに供給する空気の圧力P42と空気入口43a
に供給する空気の圧力P43との比を設定する。この場
合、P42とP43との比がP42:P43=1.5:
1となるように設定することが好ましい。一方、例え
ば、図8(b)に示すように、発電膜2aにおいての空
気入口42a及び43aからそれぞれ導入する空気の圧
力を等しく一定に制御する場合には、空気入口42aの
開口面積の大きさS42と空気入口43aの開口面積の
大きさS43との比を変化させて発電膜2aの各反応ガ
スの入口付近と各反応ガスの出口付近との間に生じる温
度勾配が最小となるように空気入口42aに供給する空
気の流量と空気入口43aに供給する空気の流量とを設
定する。この場合、S42とS43との比がS42:S
43=1.5:1となるように設定することが好まし
い。なお、このように空気の圧力を等しく一定に制御す
る場合には、空気入口42aと空気入口43aは、仕切
りを隔てずに連結されて形成されていてもよい。
【0052】また、平板形SOFC10においては、発
生する熱応力をさらに低減し、電池の健全性を高めるに
は、積層方向の熱交換をより促進させることが有効であ
ることから、インターコネクタ1は図1に示す如く平板
状で薄い方が望ましいが、例えばインターコネクタを溝
加工するなど、反応ガスと直接的に接する表面積を増加
させて熱交換を促進する手段をとることで、本発明にお
ける熱応力の低減効果が顕著に得られる。
【0053】更に、平板形SOFC10においては、い
わゆる従来の並行流方式のSOFCに比べ、ガス整流の
ための発電に寄与しないヘッダを必要としないため、固
体電解質の広範囲にカソード、アノードを施工でき、発
電可能な有効面積を増加させることができる。すなわ
ち、ヘッダに要するスペースの範囲が発電有効面積に転
用可能となり、本実施形態の平板形SOFC10は、ヘ
ッダを有する並行流方式に対し、10%〜25%増の発
電有効面積が確保できる。よって、この平板形SOFC
10は、ヘッダを有する並行流方式と同じ発電出力を得
るには略80%〜90%の量の単位セルで可能となる。
従って、図5及び図2で示した如く、平板形SOFC1
0においては、コンパクト性に優れたスタック12に、
マニホールド、集電部品を設けた場合にも充分なコンパ
クト性を確保可能であり、経済性に優れた平板形SOF
Cを提供できる。
【0054】更に、上記の説明において、平板形SOF
C10は図5に示したように横置型としたが、いわゆる
縦置き型としてもよい。平板形SOFC10を横置型と
した場合には、図2に示すように低温部となる反応ガス
入口(図1の42a、42b、43a、43b、45a
及び45b)を横置型スタック12の下部側(天地のう
ちの地方向)に、発熱を伴う電池反応により高温部とな
る反応ガス出口(図1の44a、44b、46a及び4
6b)を横置型スタック12の上部側(天地のうちの天
方向)に配置している。このような配置とした場合、空
気は全投入量の略1/2の量が空気入口マニホールド5
3aから、発電膜2aのカソード側に供給され、電池反
応による発電膜2aの発熱によって徐々に加熱された
後、空気出口マニホールド54aへと排出される。同様
に、全投入空気量の残りの略1/2の量は、空気入口マ
ニホールド53bから発電膜2bのカソード側へ供給さ
れ、電池反応によって徐々に加熱された後、空気出口マ
ニホールド54bへと排出される。一方、燃料ガスも空
気と同様に、燃料ガス入口マニホールド55から、発電
膜2a、2bのアノード側に供給され、電池反応によっ
て徐々に加熱された後、燃料出口マニホールド56へと
排出される。
【0055】すなわち、図2で示したように、縦置き型
にくらべ、平板形SOFC10を横置型とした場合に
は、空気および燃料ガスが下部から上部へと導かれるよ
うにガス流路が形成されており、電池反応によって生ず
る発熱により加熱され、温度上昇した空気および燃料ガ
スは比重が小さくなることで浮力が生じるので、下部か
ら上部へと流れるガス流れを、縦置式に比べて、よりス
ムーズにする効果がある。従って、横置型とする場合に
は、本発明の平板形SOFCは、縦置型に比べて、電池
に発生する各反応ガス入口付近と出口付近との間の温度
差を低減し、発生する熱応力を抑制でき、さらに信頼性
の高い平板形SOFCを提供できるばかりでなく、ガス
供給に必要なエネルギーを低く抑えることができるた
め、さらに経済性に優れた平板形SOFCを提供でき
る。
【0056】以上の如く、平板形SOFC10は、電池
反応による発熱によって発生する発電膜の面方向の温度
分布を従来の平板形SOFCに比べて十分に抑制できる
ため、発電膜とインターコネクタの電気的接合部やシー
ル部の損傷、発電膜やインターコネクタの割れ等を低減
することが可能であり、信頼性の高いSOFCを提供で
きる。また、平板形SOFC10は、並行流方式の問題
点であるガス流れを整流させるための区間(非発電部
分)を必要とせず、いわゆる直交流方式と同等の発電有
効面積が確保できることから、コンパクト性、経済性に
優れた平板形SOFCを提供できる。
【0057】以上、本発明の第一実施形態について説明
したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。例えば、上記の第一実施形態においては、図1に示
すように発電膜のカソードを第2の電極とし、アノード
を第1の電極とする構造について説明したが、本発明の
平板形SOFCはこれに限定されるものではなく、発電
膜のカソードを第1の電極とし、アノードを第2の電極
とする構造を有していてもよい。この場合にも同等の作
用効果が得られる。
【0058】更に、平板形SOFC10は、図1に示す
全面に凹凸ディンプル部を形成した発電膜を例示して説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、い
かなる形式の燃料電池においても適用するこができるこ
とはいうまでもない。例えば、インタコネクタに溝を形
成したものを介して発電膜を積層したものであってもよ
い。また、図5に示す平板形SOFC10を一つのユニ
ットとし、そのユニットを複数個連結した平板形SOF
Cモジュールとしてもよい。
【0059】[第二実施形態]以下、図9を参照しなが
ら、本発明の平板形固体酸化物形燃料電池の第二実施形
態について説明する。なお、上述した第一実施形態に関
して説明した要素と同一の要素については同一の符号を
付し、重複する説明は省略する。
【0060】図9は、本発明の平板形固体酸化物形燃料
電池の第二実施形態を示す構造展開図である。この平板
形固体酸化物形燃料電池の第二実施形態の平板形SOF
C11は、各発電膜2に形成する各反応ガスの入口と出
口の配置以外の構造を上述した第一実施形態の平板形S
OFC10と同様にするものである。
【0061】スタック12を構成する複数の発電膜2
は、それぞれのアノード24の面、カソード23の面を
すべて同方向となるように積層されている。各発電膜2
には、取り付けられるシール材により、燃料ガスの流通
方向L1に対して流通方向L2を有する空気流路が形成
されている。
【0062】この流通方向L2を有する空気流路が形成
された発電膜2における空気の流れについて図10を用
いて説明する。図10(a)は、図9に示す平板形SO
FC11の発電膜2を有するユニットをカソード23側
からみた平面図であり、図10(b)は、図10(a)
のX3−X3線に沿う断面図である。また、図10
(c)は、図9に示す平板形SOFC11の発電膜2を
有するユニットをアノード24側からみた平面図であ
り、図10(d)は、図10(c)のY3−Y3線に沿
う断面図である。
【0063】図10(c)に示すように、発電膜2のア
ノード24側の面の四辺のうちの一辺には、そのほぼ全
長にわたって開口した燃料ガス入口(第1反応ガス入
口)45が設けられている。そして、これらの燃料ガス
入口45と対向する辺には、そのほぼ全長にわたり開口
した燃料ガス出口(第1反応ガス出口)46が設けられ
ている。更に、発電膜2のアノード24側の面のそれぞ
れのその他の四周の部分はシール材3で囲まれている。
【0064】また、図10の(a)に示すように、発電
膜2のカソード23側の面には、燃料ガスの流通方向L
1に沿って互いに対抗し合う一対の側縁部のうちの一方
の側縁部の燃料ガス入口45側の2ヶ所に、空気入口
(第2反応ガス入口)42及び43が仕切を隔ててそれ
ぞれ設けられている。そして、これらの空気入口42及
び43よりも燃料ガス出口46側に位置するように空気
出口49が更に設けられている。一方、発電膜2のカソ
ード23側の面の空気入口42及び43と対向する辺に
は、燃料ガス入口45側の2ヶ所に、空気入口(第2反
応ガス入口)47及び48が仕切を隔ててそれぞれ設け
られている。そして、これらの空気入口47及び48よ
りも燃料ガス出口46側に位置するように空気出口44
が更に設けられている。更に、カソード23側の面の上
記の開口部以外の四周の部分はシール材3で囲まれてい
る。
【0065】更に、発電膜2のカソード23の面上に供
給される空気は、図10(a)中、アノード24の面を
流れる燃料ガスの流通方向L1に沿って互いに対抗し合
う一対の側縁部の燃料ガス入口45側に設けられた空気
入口42、43、47及び48から導入され、側縁部の
燃料ガス出口46側に設けられた空気出口44及び46
に向けて導かれる。一方、図10(c)に示すように、
発電膜2のアノード24側の面上に供給される燃料ガス
は、図中上方に位置する燃料ガス入口45から導入さ
れ、下方に位置する燃料ガス出口46へ導かれる。
【0066】すなわち、発電膜2のカソード23側の面
上に供給される空気のうち、空気入口42及び43から
導入される空気は、発電膜2のカソード23の面内にお
いて図10(a)に示す流通方向L2に沿って進行し、
空気入口42及び43と同じ側の縁部に設けられた空気
出口49から排出される。同様に、発電膜2のカソード
23側の面上に供給される空気のうち空気入口47及び
48から導入される空気は、発電膜のカソードの面内に
おいて図10(a)に示す流通方向L2に沿って進行
し、空気入口47及び48と同じ側の縁部に設けられた
空気出口44から排出される。然も、空気入口42及び
43から導入される空気の流れと空気入口47及び48
から導入される空気の流れは、互いに燃料ガスの流通方
向L1について略対称となっている。
【0067】このように、発電膜2の有効発電部に各反
応ガスがそれぞれ供給されて電極反応が進行すると、こ
の電池反応による発熱に伴い各発電膜2毎にその面方向
に温度分布が生じ、ガス供給部近傍が低温、ガス排出部
近傍が高温となる。この温度分布は、電極の特性、各々
のガスの投入温度、投入量によって異なるが、その典型
的な一例を以下、図11を用いて説明する。
【0068】図11は、発電膜2の面方向の温度分布を
示す等温線図である。図示した等温線図は、例えば、国
際公開WO99/26304号公報に開示されている平
板形SOFCの燃料ガス及び空気の流通方式に比べて各
反応ガスの入口付近(低温部)と各反応ガスの出口付近
(高温部)との間に生じる温度勾配が小さくなり、発生
する熱応力を低減できる。然も、平板形SOFC11は
各発電膜2毎に独立に当該発電膜2に接触する構成部材
との間に発生する熱応力を低減することができる。そし
て、平板形SOFC11は、平板形SOFC10と同様
に各発電膜2と各インターコネクタの電気的接合やシー
ル部のずれ、剥離等による電池性能の低下を抑制でき
る。また、局部的な熱応力による発電膜2やインターコ
ネクタ1の割れ等の損傷も抑制できるため、電池の健全
性が向上し電池の長寿命化が可能となる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平板形固
体酸化物形燃料電池によれば、作動中の平板形固体酸化
物形燃料電池の電極において定常的に発生する反応ガス
入口付近と反応ガス出口付近との温度差を十分に低減す
ることができるので、平板形固体酸化物形燃料電池の構
成部材間に発生する熱応力を効果的に低減することがで
きる。従って、当該熱応力に起因する構成部材の損傷を
効果的に防止して平板形固体酸化物形燃料電池を長期に
わたり安定して作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平板形固体酸化物形燃料電池の第一実
施形態を示す構造展開図である。
【図2】図1に示す平板形SOFCのX−X線に沿う断
面図である。
【図3】(a)は、図1に示す平板形SOFCの発電膜
2aを有するユニットをカソード23側からみた平面図
であり、(b)は、(a)のX1−X1線に沿う断面図
であり、(c)は、図1に示す平板形SOFCの発電膜
2aを有するユニットをアノード24側からみた平面図
であり、(d)は、(c)のY1−Y1線に沿う断面図
である。
【図4】(a)は、図1に示す平板形SOFCの発電膜
2bを有するユニットをカソード23側からみた平面図
であり、(b)は、(a)のX2−X2線に沿う断面図
であり、(c)は、図1に示す平板形SOFCの発電膜
2aを有するユニットをアノード24側からみた平面図
であり、(d)は、(c)のY2−Y2線に沿う断面図
である。
【図5】図1に示す平板形SOFCにガス供給、排出の
ためのマニホールドを取り付けた場合の斜視図である。
【図6】(a)は、図1の発電膜2aの面方向の温度分
布を示す等温線図であり、(b)は、発電膜2bの面方
向の温度分布を示す等温線図であり、(c)は、(a)
と(b)との等温線図を合成した場合の等温線図であ
る。
【図7】それぞれ図1に示す平板形SOFCの発電膜の
温度分布を、ガス導入口からガス排出口までのアノード
反応ガスの流れ方向に沿った温度プロフィールとして模
式的に示したグラフである。
【図8】(a)は、図1に示す平板形SOFCの発電膜
に導入する空気の圧力を各空気入口ごとに独立に制御す
る場合の2つの空気入口の構造を示す断面図、(b)
は、導入する空気の圧力を等しく一定に制御する場合の
2つの空気入口の構造を示す断面図である。
【図9】本発明の平板形固体酸化物形燃料電池の第二実
施形態を示す構造展開図である。
【図10】(a)は、図9に示す平板形SOFCの発電
膜2を有するユニットをカソード23側からみた平面図
であり、(b)は、(a)のX3−X3線に沿う断面図
であり、(c)は、図9に示す平板形SOFCの発電膜
2を有するユニットをアノード24側からみた平面図で
あり、(d)は、(c)のY3−Y3線に沿う断面図で
ある。
【図11】図9の発電膜2の面方向の温度分布を示す等
温線図である。
【符号の説明】
1…インターコネクタ、2,2a,2b…発電膜、3…
シール材、10,11…平板形SOFC、12…スタッ
ク、20…固体電解質膜、21…凸ディンプル部、22
…凹ディンプル部、23…カソード、24…アノード、
40…空気流路、41…燃料ガス流路、42,42a,
42b…空気入口、43,43a,43b…空気入口、
44,44a,44b…空気出口、45,45a,45
b…燃料ガス入口、46,46a,46b…燃料ガス出
口、47…空気入口、48…空気入口、49…空気出
口、70…集電板、80…集電棒、L1…燃料ガスの流
通方向、L2…空気の流通方向。
フロントページの続き (72)発明者 吉本 和博 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と、第2の電極と、前記第1
    の電極と前記第2の電極との間に配置された固体電解質
    とを有する発電膜を備える平板形固体酸化物形燃料電池
    において、 前記第1の電極側に設けられており、前記第1の電極に
    第1の反応ガスを供給するための第1反応ガス入口と、 前記第1反応ガス入口と対向するように設けられた第1
    反応ガス出口と、 前記第2の電極側で前記第1の反応ガスの流通方向に沿
    って互いに対抗し合う一対の側縁部のうち、一方の側縁
    部の前記第1反応ガス入口側の少なくとも2ヶ所に設け
    られており、前記第2の電極に第2の反応ガスを供給す
    るための第2反応ガス入口と、 前記第2の電極側で前記第1の反応ガスの流通方向に沿
    って互いに対向し合う一対の側縁部のうち、他方の側縁
    部の前記第1反応ガス出口側に設けられた第2反応ガス
    出口とを備えることを特徴とする平板形固体酸化物形燃
    料電池。
  2. 【請求項2】 前記一方の側縁部には、前記各第2反応
    ガス入口よりも前記第1反応ガス出口側に位置するよう
    に第2反応ガス出口が更に設けられており、前記他方の
    側縁部には、前記各第2反応ガス出口よりも前記第1反
    応ガス入口側に位置するように第2反応ガス入口が更に
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平板
    形固体酸化物形燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極はアノードであり、前記
    第2の電極はカソードであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の平板形固体酸化物形燃料電池。
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