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JP2002138587A - 建築用構造体 - Google Patents

建築用構造体

Info

Publication number
JP2002138587A
JP2002138587A JP2000333284A JP2000333284A JP2002138587A JP 2002138587 A JP2002138587 A JP 2002138587A JP 2000333284 A JP2000333284 A JP 2000333284A JP 2000333284 A JP2000333284 A JP 2000333284A JP 2002138587 A JP2002138587 A JP 2002138587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support member
skeleton
exterior
substrate
frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000333284A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Kaneko
眞二 兼子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Kogyo Co Ltd filed Critical Tokai Kogyo Co Ltd
Priority to JP2000333284A priority Critical patent/JP2002138587A/ja
Publication of JP2002138587A publication Critical patent/JP2002138587A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】外装用部材と躯体との間に通水性を有する建築
用構造体を提供する。 【解決手段】躯体2と、外装用部材4と、支持部材10
とを備えた建築用構造体1は、外装用部材4が、支持部
材10を介して躯体2の外装側に取り付けられている。
支持部材10は、躯体2に固着され、その固着状態にお
いて、躯体2と外装用部材4とに対向する基板部12
a,12bと、基板部12a,12bから突出して形成
される複数の仕切り部14とによって形成される、上下
方向に貫通する流水路16を有する。支持部材10は、
合成樹脂等で一体成形されており、基板部12a,12
bと仕切り部14とが、略均一な厚みに形成されてい
る。この建築用構造体1では、躯体2と外装用部材4と
の間の空間が、支持部材10に上下方向に貫通する流水
路16を通して上下方向に通気性及び通水性を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根や外壁などの
建築用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】外壁や屋根などの建築用構造体では、外
装パネル等が胴縁材や瓦桟等の支持部材を介して躯体に
設けられる。この際、外装パネルと躯体との間に形成さ
れる空間は、通気等の機能を備えている場合がある。こ
こで使用される支持部材は、木材や合成樹脂等によって
形成されるのが一般的である。しかし、支持部材が木材
で形成される場合、通気層に入り込んだ水分や湿気によ
って腐食してしまうことがある。また、支持部材が合成
樹脂で形成される場合、支持部材は水分を通さないた
め、排水経路の確保のために取り付け位置が制限された
り、通気層に長期間水分が保持されることで水分が室内
側に移動してしまったりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
外装用部材と躯体との間に通水性を有する建築用構造体
を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、躯体と、外装用部材と、支持部材とを
備えた建築用構造体であって、前記外装用部材は、前記
支持部材に支持された状態で前記躯体の外装側に取り付
けられ、前記支持部材は、前記躯体に固着され、前記躯
体と前記外装用部材とのうち、少なくとも一方に対向す
る基板部と、該基板部から突出する複数の仕切り部とを
有し、この基板部と仕切り部とで流水路が形成され、前
記支持部材は、前記基板部と前記仕切り部とが、略均一
な厚さ寸法で合成樹脂等により一体成形されている建築
用構造体を提供する。
【0005】この建築用構造体では、支持部材が躯体に
取り付けられた状態で、支持部材に流水路が形成されて
いるため、支持部材の流水路を通して、空気及び水分を
流通させることができる。このため、この建築用構造体
は、良好な通気性及び通水性を備えている。また、支持
部材は、合成樹脂等によって成形されるため耐水性が大
きく、基板部及び仕切り部が略均一な厚みに形成されて
いるため、厚み方向の強度が高い。さらに、支持部材の
成形時に反り、曲がりなどの変形が発生し難いため、狂
いの少ない建築用構造体を得ることができる。なお、本
明細書において、「合成樹脂等」とは、合成樹脂、ゴ
ム、プラスチック等種々の高分子材料を含むものとす
る。
【0006】また、上記建築用構造体であって、前記流
水路は、横断面が正方形状の孔部に形成され、一方の対
辺の長さと他方の対辺の長さとが、1:0.75〜1.
25の比に形成されている建築用構造体を提供する。こ
の建築用構造体では、複数の仕切り部が、流水路の横断
面形状が正方形又はそれに近い形状となるように所定の
間隔で設けられることにより、支持部材の厚み方向の強
度が大きい。また、成形後又は施工状態での支持部材に
反り、曲がり等の歪みが発生し難い。
【0007】あるいは、上記建築用構造体であって、前
記基板部は、前記躯体及び前記外装用部材に沿う少なく
とも二枚の基板部を有し、前記仕切り部は、前記二枚の
基板部間に波板状に形成されている建築用構造体とする
ことができる。この支持部材は、波板状の仕切り部によ
って二枚の基板部間が複数に仕切られて、流水路が形成
されている。このため、複数の流水路が略等間隔で形成
されており、成形後又は施工状態での支持部材の反り、
曲がり等の歪みの発生が抑制される。
【0008】また、上記いずれかの建築用構造体であっ
て、前記支持部材は、二枚の基板部と、前記二枚の基板
部間に設けられる複数の仕切り部とを有し、前記基板部
の厚み及び前記仕切り部の厚みは、前記二枚の基板部に
よって規定される支持部材の厚みに対して5%以上15
%以下である建築用構造体を提供することができる。支
持部材の基板部及び仕切り部の厚みが、支持部材全体の
厚みに対して上記比率に形成されていると、通水性を備
えるとともに、十分な強度を有する軽い支持部材とな
る。また、支持部材を成形後又は施工状態での反りや曲
がりなどの歪みを抑制することができる。
【0009】また、上記建築用構造体であって、前記支
持部材の前記躯体に当接する部位の上端は、前記外装用
部材側に向かって下傾している建築用構造体を提供す
る。この建築用構造体では、躯体に当接する支持部材の
基板部又は仕切り部の上端が外装用部材の方向へ向かっ
て下方に傾斜している。このため、躯体に当接する支持
部材の厚み部分に水が溜まることがなく、躯体内部、す
なわち室内側に水分が移動するおそれがない。
【0010】また、上記いずれかの建築用構造体であっ
て、前記躯体は、壁躯体であり、前記支持部材は、前記
壁躯体に設けられた間柱に水平方向に延びるように固着
されて、前記外装用部材は、外装壁材であり、この外装
壁材から固着具が前記支持部材の前記基板部に貫通され
ることによって取り付けられている建築用構造体を提供
する。あるいは、上記いずれかの建築用構造体であっ
て、前記躯体は、壁躯体であり、前記支持部材は、前記
壁躯体に設けられた間柱に沿って延びるように固着され
て、前記外装用部材は、外装壁材であり、この外装壁材
から固着部が前記支持部材の基板部に貫通されることに
よって取り付けられている建築用構造体を提供する。
【0011】この壁構造体では、支持部材が横胴縁材又
は縦胴縁材として外装壁材を良好に支持するとともに、
流水路によって通水性を備える。このため、水分は流水
路方向に速やかに移動できるため、壁躯体側、特に取り
付け部位に移動し難い。また、外装壁材は、例えば釘な
どの固着具が支持部材の基板部に貫通されることによっ
て固定されるため、外装壁材を支持する力が強い。
【0012】一方、上記建築用構造体は、屋根構造体と
することもできる。すなわち、上記いずれかの建築用構
造体であって、前記躯体は、屋根躯体であり、前記支持
部材は、前記屋根躯体に設けられた野地板に、水平方向
に延びるように、該支持部材の前記基板部を貫通する固
着具によって取り付けられ、前記外装用部材は、屋根材
であり、前記支持部材に係止されることによって取り付
けられている建築用構造体を提供することができる。こ
の屋根構造体では、支持部材は、支持部材の基板部に貫
通される固着具によって屋根躯体に強固に固定されるた
め、瓦等の屋根材が支持部材に係止されて、屋根躯体側
に安定に保持される。また、瓦等屋根材の内側に入り込
んだ雨水等は、支持部材の貫通孔を通って、上方から下
方へ移動することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の建築
用構造体は、壁、屋根等の室内と外界とを構成する部材
である。図1に、本発明の建築用構造体の第1の実施形
態に係る壁構造体を示し、その側断面を図2に示す。壁
構造体1は、躯体2、外装用部材4、及び支持部材10
を有している。躯体2の室外側に支持部材(横胴縁材)1
0が固着されており、その外側に、外装用部材4が支持
部材10を介して躯体2側に取り付けられている。
【0014】躯体2は、建築用構造体の本体部を構成す
る部分で、室外側の面に防水性が付与されている。躯体
2は、本実施形態では壁躯体であり、軸組み等を構成す
る複数の柱6及び間柱8を有する。また、図示しない
が、柱6及び間柱8の間に断熱材が充填されて、断熱材
層が形成されており、その室内側に内装用部材など公知
の種々の部材が設けられている。図1に示すように、柱
6は、建築物の土台等から延びており、壁構造体1の角
部及び平面部分の所定の間隔毎に設けられている。間柱
8は、各柱6の間に所定の間隔で複数本設けられてい
る。
【0015】図1に示すように、躯体2の室外側、すな
わち柱6及び間柱8の室外側には、防水シート9が敷設
されることによって、防水性が付与されている。防水シ
ート9は、外装側から躯体2内部へ水分が流通するのを
防ぐ手段である。なお、防水シート9は、防風シートと
しての機能を備えていても良い。また、例えば、気密性
を備えるタイプ、室内側から室外側へ向かう一方向のみ
の通気性を備えるタイプ、双方向に通気性を備えるタイ
プ等種々の防水性シートを用いることができる。
【0016】支持部材10は、躯体2に固着されて設け
られる長尺状部材で、合成樹脂等の一体成形体である。
支持部材10は、本実施形態では横胴縁材となってい
る。図1に示すように、支持部材10は、壁構造体1の
水平方向に延びるように所定の間隔で複数条設けられて
おり、支持部材10を介して外装用部材4が取り付けら
れている。
【0017】図3に支持部材10を示す。支持部材10
は、少なくとも1つの基板部12(12a,12b)
と、この基板部12から突出して形成される複数の仕切
り部14とを有する。
【0018】基板部12は、躯体2に固着された状態に
おいて、躯体2と外装用部材4のうち少なくとも一方に
対向するように設けられる平板状部分である。支持部材
10は、図3に示すように、躯体2の室外側面に最も近
接する内側基板部12aと、外装用部材に最も近接する
外側基板部12bとを有すると、好ましい。この形態で
あると、施工時や取り付け状態において支持部材10に
かかる厚み方向の圧縮力に対する強度が向上される。
【0019】仕切り部14は、基板部12から突出して
形成される部分である。仕切り部14は、典型的には、
少なくとも一枚の基板部12の少なくとも二箇所から突
出するように形成される。仕切り部14の形状は、略均
一な厚みを有する平板状、曲板状、波板状等に形成する
ことができる。
【0020】本発明の支持部材10は、基板部12の厚
みと仕切り部14の厚みとが、互いに略等しくなるよう
に形成される。このように形成されることにより、支持
部材10が一体成形される際に、反りや曲がり等の歪み
が発生するのが良好に抑制される。また、支持部材10
が、基板部として内側基板部12aと外側基板部12b
のみを有する場合、基板部12a,12b及び各仕切り
部14の厚みは、支持部材10の厚みに対して5%以上
15%以下に形成されると、好ましい。ここで支持部材
10の厚みとは、内側基板部12aと外側基板部12b
とで規定される厚みである。本実施形態では、内側基板
部12aの外面から外側基板部12bの外面までの厚さ
のである。この比率で形成されると、成形時の歪みの発
生を抑制しやすいとともに、支持部材の厚み方向の圧縮
力に対する強度を高くすることができる。
【0021】基板部12と仕切り部14とで区画状に形
成される空間は、流水路16に形成されている。流水路
16は、孔状空間又は溝状空間であり、構造体に支持部
材10が固着された状態で水が流下できるように形成さ
れている。図3の支持部材10は、横胴縁材として用い
られるため、長尺状に形成された支持部材10の長手方
向に略直交する方向に貫通する流水路16が複数形成さ
れている。流水路16は、好ましくは、互いに等しい横
断面形状に形成される。また、より好ましくは、流水路
16は、互いに等しい横断面形状に形成されて、等間隔
で配置される。具体的には、流水路16は、横断面が四
角形状や三角形状等に形成される。好ましくは、正方形
状又は正三角形状に形成される。言い換えると、仕切り
部14は、互いに類似又は対称的な形状で基板部12か
ら突出するように形成されると好ましく、より好ましく
は同一形状とされる。さらに、仕切り部14は、基板部
12上に等間隔に配置されると好ましい。
【0022】例えば、図3に示すように、二枚の基板部
12a,12bの間に、複数の仕切り部14を各基板部1
2a,12bに対して垂直に形成することによって、正方
形状の流水路16を形成することができる。ここで、正
方形状とは、仕切り部14の厚み方向の長さと仕切り部
14が設けられる間隔、すなわち、流水路16の一方の
対辺と他方の対辺との長さの比が、1:0.75〜1.
25であることを言う。このように形成すると、支持部
材10を一体成形した後の反りや曲がりなどの歪みの発
生が抑制されて真直性が良好に保持され、且つ支持部材
10の厚み方向の圧縮強度が大きくなる。
【0023】また、図4(b)に示す支持部材30のよ
うに、仕切り部24を波板状に形成し、基板部22a又
は22bと、仕切り部24とで形成される孔状の流水路
26を正三角形状に形成することができる。この場合
も、図3の場合と同様、一体成形後の反りや曲がりなど
のひずみが良好に抑制され、支持部材20の厚み方向の
圧縮強度が大きくなっている。なお、正三角形状とは、
各頂点部分の形状や各辺の長さに係らず、概観が正三角
形状に見える三角形状をいう。
【0024】あるいは、図4(a)に示す支持部材20の
ように、内側基板部12aと外側基板部12bとの間に
中間基板部12cを設け、基板部12a,12cの間及
び基板部12c,12bの間のそれぞれに、複数の仕切
り部14を等間隔で形成しても良い。この場合も基板部
12a〜c及び仕切り部14で形成される流水路16
は、横断面正方形状に形成されるのが好ましい。なお、
中間基板部12cは、複数設けられても良い。さらに、
図4(c)に示す支持部材40のように、内側又は外側の
どちらか一方を構成する基板部32を一枚のみ設け、こ
の基板部32から等間隔で複数の仕切り部34を形成し
ても良い。この場合も流水路36は、横断面正方形状に
形成されるのが好ましい。
【0025】なお、支持部材10の流水路16が貫通し
ている端部は、図2、図3に示すように、基板部12
a,12bに対して垂直な方向より傾斜する端面に形成
することができる。このように形成すると、支持部材1
0の躯体2に当接する部分の上端面が外装用部材4側に
下降する傾斜に形成される。
【0026】支持部材10は、流水路16が水が流下で
きる方向に貫通するように、躯体2に種々の方法で固着
される。図2に示すように、支持部材10は、間柱8に
固着されると安定に固定される。また、柱6等の軸組み
を構成する部材に固着しても良い。支持部材10は、図
2に示すように、釘、ねじ、タッカー等、支持部材10
の基板部を貫通できる固着具17によって躯体2に固着
されると、より強固に固定され、好ましい。本実施形態
では、支持部材10は、躯体2に対して水平方向に延び
るように釘17で固着されている。このとき、流水路1
6は、上下方向、すなわち重力方向に貫通している。な
お、図2に示すように、支持部材10は、斜めに形成し
た流水路16の貫通方向の端面の最上端が、躯体2側に
当接するように固着される。
【0027】外装用部材4は、建築用構造体の外装を構
成する部位である。本実施形態では、外装用部材4は、
外装用パネル及びその下地材等から構成されている薄板
状の外装壁材である。外装用部材4は、図2に示すよう
に、支持部材10で支持されるように躯体2側に固着さ
れる。外装用部材4の取り付け形態は、種々の方法を取
り得るが、図示のように釘、ねじ、タッカー等外装用部
材4及び支持部材10の基板部を貫通できる固着具19
によって固着されると、強固に固定されるため、好まし
い。
【0028】この壁構造体1は、躯体2と外装用部材4
との間に通気用の空間が形成されている。そしてこの通
気用空間を横断する支持部材10には、流水路16が設
けられている。このため、壁構造体1の上下方向全体に
わたって空気及び水が流動でき、良好な通気性及び通水
性が確保されている。
【0029】したがって、雨水等が入り込んだ場合も、
流水路16を通して通気用の空間を上から下まで水分が
流下し、水分が溜まったままになることがない。このた
め、間柱8、固着具17,19、外装用部材4、躯体2
の内部などが腐食し難い。なお、支持部材10は、合成
樹脂等によって形成されているため、腐食のおそれがな
い。また、室内側から水分が移動してきたり、室内と室
外との気温差による結露等によって水分、湿気が増大す
る場合でも、この通気用空間を通して空気、湿気が移動
するため、良好な乾燥状態を維持することができる。こ
のため、躯体2内の断熱材層に湿気が溜まって機能が低
下したり、室内側に湿気が移動したりすることが抑制さ
れている。
【0030】また、図2に示すように、支持部材10の
躯体2に当接する部分(基板部12a)の上端が外装用
部材4側に向かって下傾しているため、上方から下方に
向かって流れる水分が支持部材10の上端に溜まること
がなく、スムーズに下方まで流れ落ちる。このため、躯
体2に水分が接する期間が短く、躯体2の内部に水分が
浸透することが良好に抑制されている。また、水分が溜
まって湿気が溜まるのが抑制されている。
【0031】なお、支持部材10の躯体2に当接する部
分の上端が外装用部材4側に下傾された形状は、基板部
12aの厚み部分のみを外装用部材4(流水路16)側
に向かって下方へ傾斜する面に形成することでも得られ
る。躯体2に当接する支持部材10部分、すなわち内側
基板部12a又は仕切り部14の上端が外装用部材4側
に向かって下方に傾斜する面に形成されることで、躯体
2に当接する支持部材10の上端に水が溜まらない形状
となる。また、支持部材10の外装用部材4に当接する
部分を、同様に躯体2(流水路16)側に向かって下傾
する形状とすることにより、外装用部材4と当接する支
持部材10部分に水が溜まらないように形成することが
でき、湿気が溜まるのを抑制することができる。
【0032】ここで、本発明の支持部材を製造する方法
について、説明する。支持部材は、合成樹脂等、すなわ
ちプラスチックやゴムなど種々の高分子材料で形成され
る。好ましくは、硬質のポリオレフィン樹脂を含有する
材料で形成されていると、支持部材10の剛性及び靭性
が高くなる。この場合、支持部材10の基板部に釘等の
固着具17等を貫通させる際に、支持部材10にひびが
入ったり裂けたりして破壊されるのが抑制される。より
好ましくは、ポリプロピレン樹脂を主成分とする樹脂材
料を用いる。
【0033】支持部材10は、一体成形で形成されるの
が好ましく、射出成形や押し出し成形によって形成する
ことができる。合成樹脂やゴム等で一体成形すると、流
水路16を成形と同時に形成しておくことができる。よ
り好ましくは、押し出し成形によって形成されると、建
築用構造体の大きさに見合う長さに形成するのが容易と
なる。
【0034】例えば、図5に示すように、押し出し成形
によって流水路16を備えた支持部材原反11を成形
後、所定の方向に切断等によって分離して支持部材を形
成することが好ましい。この方法では、流水路16の支
持部材10の形状に対する貫通方向は、支持部材原反1
1を分離する方向によって決定される。例えば、押し出
し成形の押し出し方向に垂直な方向(図5中、X方向)に
分離すると、図3に示すように、支持部材の長手方向に
対して垂直な方向に貫通する流水路を備えた支持部材が
製造される。また、押し出し成形の押し出し方向に平行
な方向(図5中Y方向)で分離すると、後述する図8に示
すように、支持部材の長手方向に平行な方向に貫通する
流水路を備えた支持部材が製造される。
【0035】なお、支持部材原反11の分離方向は、押
し出し成形の押し出し方向に垂直な方向又は平行な方向
に限定されず、斜めに切断しても良い。この場合でも、
流水路16は、支持部材10の一方側から他方側へ貫通
されており、流水可能な構成となっている。
【0036】また、基板部12を構成する面に対して流
水路16が貫通する端面が鋭角を成すように支持部材原
反11を切断することにより、基板部12の厚み部分を
外側面から流水路側に入り込む形状に形成することがで
きる。この方法では、支持部材原反から支持部材を成形
すると同時に基板部12の躯体に当接する部位の上端を
外装用部材側に下傾する形状に、容易に形成することが
できる。また、切削する場合のように材料の無駄がない
ため、好ましい。
【0037】この製造方法では、成形工程と切断工程の
みによって、流水路を備え、且つ所定形状に形成された
支持部材を得ることができる。このため、別工程で流水
路を形成する必要がなく、製造工程が少なく、無駄にな
る原材料の量を抑制して支持部材を製造することができ
る。このため、低コストで通水性及び耐水性を備えた支
持部材を製造することができる。また、板状の支持部材
原反を成形し、これを所定の大きさに切断することによ
って、所定の形状の支持部材が得られるため、一度の成
形で多数の支持部材を製造したり、複数形状の支持部材
を製造したりすることができる。
【0038】次に、本発明の第2の実施形態に係る壁構
造体について説明する。図6に、壁構造体50を示し、
図7に、その横断面を示す。壁構造体50は、壁躯体5
2を有し、その室外側に支持部材(縦胴縁材)60が固
着されており、その外側に外装用部材54が設けられて
いる。なお、壁躯体52及び外装用部材54は、第一の
実施の形態の壁躯体2及び外装用部材4とそれぞれ同様
であるため、詳細な説明は省略する。
【0039】支持部材60は、図8に示すように、内側
基板部62a、外側基板部62b、及び複数の仕切り部
64を有している。支持部材60では、仕切り部64
は、支持部材60の長手方向に平行に延びるように形成
されている。基板部62a,62b及び隣合う仕切り部
64とで形成される流水路66は、支持部材60の長手
方向に延びるように形成されており、その横断面形状は
正方形状である。また、図8に示すように、基板部62
aの端面が流水路66に向かって下方に傾斜するよう
に、支持部材60の端部を傾斜した面に形成することが
できる。
【0040】支持部材60は、支持部材60の基板部を
貫通する固着具57で躯体52に固着することができ
る。支持部材60は、流水路66が略上下方向(重力方
向)に貫通するように躯体52に固着される。図6、7
に示すように、本実施形態の支持部材60は、各柱56
及び各間柱58に沿って延びるように設けられており、
縦胴縁材と同様な構成とされている。また、外装用部材
54も、外装用部材4と同様、支持部材60の基板部6
2a,62bに貫通される固着具59によって躯体52
側に取り付けられる。
【0041】壁構造体50では、外装用部材54が支持
部材60で支持されるように躯体52に取り付けられ
て、外装用部材54と躯体52との間に通気用の空間が
形成されている。そして、通気用空間を縦断する支持部
材60には流水路66が形成されている。このため、第
1の実施形態の壁構造体1と同様、壁構造体50の上下
方向全体にわたって通気性及び通水性が良好に確保され
ている。また、支持部材60の躯体52に当接する部分
の上端が外装用部材54側に向かって下傾しているた
め、支持部材60の上端に水分が溜まることがなく、水
分が上から下までスムーズに流れ落ちる。このため、躯
体2に水分が接する期間が短く、躯体2の内部に水分が
浸透することが良好に抑制されている。
【0042】また、本発明の第3の実施形態に係る屋根
構造体を図9、及び図10に示す。屋根構造体70は、
屋根躯体72、外装用部材74、及び複数の支持部材8
0を有している。屋根躯体72の室外側には、支持部材
(瓦桟)80が固着されており、その室外側に外装用部
材74が支持部材80を介して屋根躯体72に取り付け
られている。
【0043】屋根躯体72は、垂木76と、垂木76の
室外側に敷設されて屋根面を構成する野地板78とを有
し、他の公知の種々の屋根構成部材を備えている。ま
た、野地板78の室外側には防水ルーフィング79が設
けられて、屋根躯体72の室外側面に防水性が付与され
ている。外装用部材74は、屋根材である。屋根材に
は、瓦や金属製、合成樹脂製等の屋根用パネル等があ
る。図9では、外装用部材74は瓦である。
【0044】支持部材80は、第1の実施形態の支持部
材10と同様の構成とすることができる。本実施形態で
は、支持部材80は、内側基板部82aと外側基板部8
2bとを有し、両基板部82a,82b間に複数の平板
状の仕切り部84が等間隔で形成された形状とされてい
る。流水路86は、横断面正方形状に形成されており、
支持部材80の短手方向に延びるように形成されてい
る。
【0045】支持部材80は、屋根躯体72側に支持部
材80の基板部を貫通するねじ、釘、タッカー等の固着
具77によって固着されている。支持部材80は、野地
板78に取り付けられても良いし、図9に示すように垂
木76まで通る固着具77によって固定されていても良
い。支持部材80は、屋根躯体72の室外側の面に水平
方向に延びるように固着され、流水路86が屋根面に沿
って上側から下側まで貫通するように設けられる。
【0046】図10に示すように、支持部材80は、屋
根躯体72の水平方向全体に延びるように、屋根面に沿
う上下方向に所定の間隔をあけて複数本設けられる。支
持部材80の長さが屋根躯体72の水平方向の長さに満
たない場合は、支持部材80の側端どうしを突き合わせ
て連結状に屋根躯体72上に取り付けることができる。
【0047】外装用部材74は、本実施形態では、図9
に示すように、支持部材80の上端に瓦7の上端に形成
された突起75aが係止されることによって取り付けら
れる。瓦75は、より上方の瓦75の下端部が直下の瓦
75の上端の上に積み重ねられるため、釘等の固着具を
用いることなく、良好に屋根躯体72の室外側に設置さ
れる。
【0048】屋根構造体70では、屋根躯体72と外装
用部材74との間に隙間が形成されており、この隙間に
外装用部材74を係止して支持するための支持部材80
が設けられている。この支持部材80は、屋根躯体72
と外装用部材74との間の隙間を横断しているが、流水
路86が形成されているため、屋根躯体72と外装用部
材74との間の隙間は、良好な通気性及び通水性を備え
ている。したがって、例えば、屋根躯体72と外装用部
材74との間の隙間に雨水が入り込んでも、雨水は流水
路86を通って下方に移動することができる。このよう
に、支持部材80の上端部分に水分が溜まることがな
く、屋根構造体70全体にわたって上方から下方まで水
分が良好に流れ落ちる。この結果、屋根躯体72に水分
が染み込んだり、屋根躯体72と外装用部材74との間
に湿気が溜まったりすることが抑制されており、屋根躯
体72側の腐食が抑制されている。
【0049】なお、本実施形態では、木造家屋の壁躯
体、屋根躯体を例に挙げて説明したが、これに限定され
るものではなく、種々の形態の建築用構造体に適用する
ことが可能である。例えば、屋根構造体では、外装用部
材が支持部材に係止によって取り付けられる形態に限定
されず、壁構造体と同様、支持部材を介して取り付けら
れる形態であっても良い。
【0050】
【発明の効果】本発明では、外装用部材と躯体との間に
通水性を有する建築用構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の建築用構造体の第1の実施形
態に係る壁構造体を示す一部を破断した斜視図である。
【図2】図2は、図1の壁構造体の側断面図である。
【図3】図3は、図1の壁構造体に用いられている支持
部材を示す斜視図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、支持部材の他の実施形
態を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明の支持部材の製造方法の一実施
の形態を示す模式図である。
【図6】図6は、本発明の建築用構造体の第2の実施形
態に係る壁構造体を示す一部を破断した斜視図である。
【図7】図7は、図6の壁構造体の横断面図である。
【図8】図8は、図6の壁構造体に用いられている支持
部材を示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明の建築用構造体の第三の実施形
態に係る屋根構造体を示す側断面図である。
【図10】図10は、図9の屋根構造体の外装用部材を
取り除いた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1,50 壁構造体 2,52 躯体(壁躯体) 4,54,74 外装用部材 6,56 柱 8,58 間柱 9,59 防水シート 10,20,30,40,60,80 支持部材 11 支持部材原反 12,22,32,42,62,82 基板部 14,24,34,44,64,84 仕切り部 16,26,36,46,66,86 流水路 17,19,57,59,77 固着具 70 屋根構造体 72 屋根躯体 75 瓦 76 垂木 78 野地板 79 防水ルーフィング

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】躯体と、外装用部材と、支持部材とを備え
    た建築用構造体であって、 前記外装用部材は、前記支持部材に支持された状態で前
    記躯体の外装側に取り付けられ、 前記支持部材は、前記躯体に固着され、前記躯体と前記
    外装用部材とのうち、少なくとも一方に対向する基板部
    と、該基板部から突出する複数の仕切り部とを有し、こ
    の基板部と仕切り部とで流水路が形成され、 前記支持部材は、前記基板部と前記仕切り部とが、略均
    一な厚さ寸法で合成樹脂等により一体成形されている建
    築用構造体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の建築用構造体であって、 前記流水路は、横断面が正方形状の孔部に形成され、一
    方の対辺の長さと他方の対辺の長さとが、1:0.75
    〜1.25の比に形成されている建築用構造体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の建築用構造体であって、 前記基板部は、前記躯体及び前記外装用部材に沿う少な
    くとも二枚の基板部を有し、 前記仕切り部は、前記二枚の基板部間に波板状に形成さ
    れている建築用構造体。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載の建築用構造体であ
    って、 前記支持部材は、二枚の基板部と、前記二枚の基板部間
    に設けられる複数の仕切り部とを有し、 前記基板部の厚み及び前記仕切り部の厚みは、前記二枚
    の基板部によって規定される支持部材の厚みに対して5
    %以上15%以下である建築用構造体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の建築用構
    造体であって、前記支持部材の前記躯体に当接する部位
    の上端は、前記外装用部材側に向かって下傾している建
    築用構造体。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の建築用構
    造体であって、 前記躯体は、壁躯体であり、 前記支持部材は、前記壁躯体に設けられた間柱に水平方
    向に延びるように固着されて、 前記外装用部材は、外装壁材であり、この外装壁材から
    固着具が前記支持部材の前記基板部に貫通されることに
    よって取り付けられている建築用構造体。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載の建築用構
    造体であって、 前記躯体は、壁躯体であり、 前記支持部材は、前記壁躯体に設けられた間柱に沿って
    延びるように固着されて、 前記外装用部材は、外装壁材であり、この外装壁材から
    固着部が前記支持部材の基板部に貫通されることによっ
    て取り付けられている建築用構造体。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載の建築用構
    造体であって、 前記躯体は、屋根躯体であり、 前記支持部材は、前記屋根躯体に設けられた野地板に、
    水平方向に延びるように、該支持部材の前記基板部を貫
    通する固着具によって取り付けられ、 前記外装用部材は、屋根材であり、前記支持部材に係止
    されることによって取り付けられている建築用構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013234533A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Toyota Home Kk 屋根の通気構造

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