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JP2002138206A - 透湿防水非通気性素材 - Google Patents

透湿防水非通気性素材

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Publication number
JP2002138206A
JP2002138206A JP2000337787A JP2000337787A JP2002138206A JP 2002138206 A JP2002138206 A JP 2002138206A JP 2000337787 A JP2000337787 A JP 2000337787A JP 2000337787 A JP2000337787 A JP 2000337787A JP 2002138206 A JP2002138206 A JP 2002138206A
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JP
Japan
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moisture
water
permeable waterproof
breathable material
waterproof non
Prior art date
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Application number
JP2000337787A
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English (en)
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JP2002138206A5 (ja
Inventor
Hiroyuki Tomita
冨田  浩幸
Tsugio Ebata
亜夫 江端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2000337787A priority Critical patent/JP2002138206A/ja
Publication of JP2002138206A publication Critical patent/JP2002138206A/ja
Publication of JP2002138206A5 publication Critical patent/JP2002138206A5/ja
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い透湿性能を有しながら防水性能に優れ
た、無孔質であって湿分以外は遮断できる、非通気性で
安価なフィルム等からなる透湿防水非通気性素材の提
供。 【解決手段】 厚さ10μmのフィルムの40℃におけ
る透湿度が50g/d・m2以上である熱可塑性樹脂中
に吸水性樹脂粒子を、N−ビニルカルボン酸アミドおよ
び/または(メタ)アクリル酸塩の(共)重合体からな
る熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中0.5〜60質量
%分散させたフィルムまたはシートからなることを特徴
とする透湿防水非通気性素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿防水非通気性
素材に関する。更に詳しくは、高度の透湿性能と防水性
能を併せ持ち、かつ、無孔質で微粒子,細菌およびウィ
ルス等の微細な物質においても通過不能である透湿防水
非通気性素材に関する。
【0002】
【従来の技術】雨衣、外衣、登山衣、トレーニング用衣
類等(本発明においてはこれらを一括して「透湿防水外
衣」という。)において、身体からの発汗による水蒸気
を衣服外に放出し、かつ衣服内に雨が侵入するのを防ぐ
ため、糸を高密度に織り込んだ高密度織物、布帛にポリ
ウレタン樹脂等を薄くコーティングまたはラミネートし
たコーティング布帛、微多孔質膜と貼り合わせた布帛等
が知られている。このうち、高密度織物や微多孔質との
張り合わせ布帛のような有孔のものは優れた透湿性能を
得やすいが、防水性能は不十分であった。一方、コーテ
ィング布帛のような無孔のものは優れた防水性能が得ら
れやすいが、透湿性能は不十分であり、高い透湿性を有
しながら防水性、非通気性のある素材が求められてい
る。
【0003】また、医療用衣,例えば手術用のドレープ
やガウン、手術着および手袋等の医療用に使用する保護
衣または保護具(本発明においてはこれらを一括して
「医療用透湿防水保護衣」という。)においても発汗に
よる蒸れを防止した医療用透湿防水保護衣が求められて
いる。しかし手術用手袋などは通気性の高い有孔のもの
では血液等が沁み込んで感染等を引き起こす恐れがあ
り、また、無孔のものでは透湿性能が不十分であるが感
染の危険を防止するため非通気性の無孔のものが用いら
れている。このため高い透湿性を有しながら防水性、非
通気性のある医療用透湿防水保護衣用の素材が求められ
ている。
【0004】乾燥剤、吸湿剤および湿度保持剤のパッケ
ージングにおいても、適度な水分透過性が要求され、高
密度織物や微多孔湿膜が使用されているが、このような
有孔のパッケージングでは内容物の薬剤が外部に漏出す
る恐れがある。特に薬剤が微粉の場合や潮解性を有する
場合には不適である。この分野においても高い透湿性を
有しながら防水性、非通気性のある素材が求められてい
る。
【0005】更に、農業用フィルムにおいても、ハウス
内部の過湿を防ぎ、内部の湿度を調節するため、ポリビ
ニルアルコールフィルム等の透湿性フィルムが用いられ
ている。しかし、ポリビニルアルコールフィルムはポリ
オレフィンフィルムやポリ塩化ビニルフィルムと比較し
て高価であり、安価で同様の機能を有する材料(本発明
においては「透湿防水農業用フィルム」という。)が求
められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状に鑑み行われたもので、高い透湿性能を有しなが
ら防水性能に優れた、無孔質であって湿分以外は遮断で
きる、非通気性で安価なフィルムまたはシート(以下両
者を一括して「フィルム等」という。)からなる透湿防
水非通気性素材の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、防水性に優れた熱可
塑性樹脂マトリックス中に、透湿性に優れた吸水性樹脂
粒子を分散させることが有効であることを見出し、本発
明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、[1] 熱可塑性樹脂中
に吸水性樹脂粒子を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計
中0.5〜60質量%分散させたフィルムまたはシート
からなることを特徴とする透湿防水非通気性素材、
【0009】[2] 熱可塑性樹脂成分として、厚さ1
0μmのフィルムの40℃における透湿度が50g/d
・m2以上である成分を用いた上記[1]に記載の透湿
防水非通気性素材、[3] 熱可塑性樹脂がポリアミ
ド、ポリエステル、低密度ポリエチレンから選ばれた少
なくとも1種の樹脂である上記[1]または[2]に記
載の透湿防水非通気性素材、[4] 吸水性樹脂がN−
ビニルカルボン酸アミドおよび/または(メタ)アクリ
ル酸塩の(共)重合体からなる上記[1]ないし[3]
のいずれかに記載の透湿防水非通気性素材、[5] 吸
水性樹脂粒子の平均分散粒径が透湿防水非通気性素材厚
みの50%〜150%である上記[1]ないし[4]の
いずれかに記載の透湿防水非通気性素材、[6] 透湿
防水非通気性素材を厚さ10μmに換算した時の透湿度
が500g/d・m2以上である上記[1]ないし
[5]のいずれかに記載の透湿防水非通気性素材、
【0010】[7] 透湿防水非通気性素材表面の熱可
塑性樹脂成分を部分的に除去してなる上記[1]ないし
[6]のいずれかに記載の透湿防水非通気性素材、
[8] 透湿防水非通気性素材表面の熱可塑性樹脂を減
量処理してなる上記[7]に記載の透湿防水非通気性素
材、[9] 透湿防水非通気性素材表面がサンディング
されてなる上記[7]に記載の透湿防水非通気性素材、
[10] 透湿防水非通気性素材表面に吸水性樹脂粒子
の露出した面積の割合と透湿防水非通気性素材中の吸水
性樹脂成分の体積分率との比を0.35以上とした上記
[1]ないし[9]のいずれかに記載の透湿防水非通気
性素材、[11] 吸水性樹脂がパーコレーション構造
を形成していることを特徴とした上記[1]ないし[1
0]のいずれかに記載の透湿防水非通気性素材、
【0011】[12] 上記[1]ないし[11]のい
ずれかに記載の透湿防水非通気性素材に、繊維基材を貼
り合わせたことを特徴とする透湿防水非通気性素材、
[13] 繊維基材が不織布または織布である上記[1
2]に記載の透湿防水非通気性素材、
【0012】[14] 熱可塑性樹脂99.5〜40質
量%と吸水性樹脂粒子0.5〜60質量%を溶融混練
し、フィルムまたはシートに成形することを特徴とする
透湿防水非通気性素材の製造方法、[15] 吸水性樹
脂粒子が、あらかじめ分散剤を用いて前処理した吸水性
樹脂である上記[14]に記載の透湿防水非通気性素材
の製造方法、
【0013】[16] 透湿防水非通気性素材表面の熱
可塑性樹脂を減量処理することを特徴とする上記[1
4]または[15]に記載の透湿防水非通気性素材の製
造方法、[17] 透湿防水非通気性素材表面にサンデ
ィングを施すことを特徴とする上記[14]または[1
5]に記載の透湿防水非通気性素材の製造方法、
【0014】[18] 熱可塑性樹脂中に吸水性樹脂の
粒子を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中0.5〜6
0質量%分散させたフィルムまたはシートからなる透湿
防水非通気性素材を表材または裏材に用いたことを特徴
とする透湿防水外衣、[19] 熱可塑性樹脂中に吸水
性樹脂の粒子を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中
0.5〜60質量%分散させたフィルムまたはシートか
らなる透湿防水非通気性素材を用いたことを特徴とする
透湿防水医療用保護衣、および[20] 熱可塑性樹脂
中に吸水性樹脂の粒子を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の
合計中0.5〜60質量%を分散させたフィルムまたは
シートからなる透湿防水非通気性素材を用いた透湿防水
農業用フィルム、を開発することにより上記の目的を達
成した。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における透湿防水非通気性
素材は、熱可塑性樹脂中に吸水性樹脂に分散させたフィ
ルム等によりその透湿防水非通気性能が発現される。本
発明における吸水性樹脂としては、23℃、水中におけ
る平衡吸水率が100%以上のものであれば、任意の吸
水性樹脂を使用することができる。吸水性樹脂のモノマ
ーとしては、例えば(メタ)アクリル酸塩、(メタ)ア
クリルアミド、ビニルスルホン酸塩、N−ビニルカルボ
ン酸アミド等が挙げられ、吸水性樹脂としては前記モノ
マーの単独重合体又はそれと他の重合性モノマーとの共
重合体等、またはポリエチレンオキサイド等の重合体を
挙げることができる。ここで(メタ)アクリルとは、ア
クリルまたはメタクリルの双方を表す。
【0016】吸水性樹脂の性状は、熱可塑性樹脂と吸水
性樹脂の組成物(以下「吸湿防水樹脂組成物」とい
う。)の成形温度における流動性の有無は特に問わない
が、フィルム等中での粒径をコントロールするととも
に、成形時の変形を防止するためには流動性が低い方が
好ましく、例えば分子構造的に架橋された樹脂や高いガ
ラス転移温度を有する樹脂が適している。
【0017】また、吸水性樹脂は繰り返し吸湿・乾燥を
繰り返しても吸水性能が低下しないもの、および熱可塑
性樹脂との混練・成形において熱劣化が生じにくい耐熱
性の高いものが好ましい。このような要求を満たすもの
としては、N−ビニルカルボン酸アミド、(メタ)アク
リル酸塩(例えばLi塩、Na塩、K塩、Ca塩、アン
モニウム塩など)の重合体が挙げられる。さらに無機塩
類が吸収・濃縮されても吸水性能が低下しないものが好
ましく、かかる点からはノニオン性の吸水性樹脂が好ま
しく、具体的には下記式(1) CH2=CH−NR1−COR2 ・・・・・・(1) (但し、式中R1,R2は独立にH、C1〜C5のアルキル
基またはR1とR2とが結合したC4〜C5のアルキレン基
を示す。)で示されるN−ビニルカルボン酸アミドの単
独重合体の架橋物又はN−ビニルカルボン酸アミドと他
の重合性モノマーとの共重合体の架橋物が好適に使用さ
れる。N−ビニルカルボン酸アミドとしては、具体的に
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N
−ビニルピロリドン、N−メチル−N−ビニルホルムア
ミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミドなどが挙げ
られ、これらのうち耐熱性、吸水性の点からN−ビニル
アセトアミドが特に好ましい。
【0018】本発明における、吸湿防水樹脂組成物中に
おける吸水性樹脂の配合量は、好ましくは0.5〜60
質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.
5質量%未満では透湿性が十分に発揮されない。一方6
0質量%を超えると透湿防水非通気性素材フィルム等の
物性が低下し、マトリックスである熱可塑性樹脂の良好
な物性が生かせない。
【0019】透湿防水非通気性素材として十分な透湿性
能を発現するためには、吸水性樹脂に比べて透湿性能の
劣るマトリックスを形成する熱可塑性樹脂部分による透
湿性の阻害をできる限り抑制しなければならない。その
ためには透湿性が比較的良好な熱可塑性樹脂を使用して
マトリックス部分での透湿性を向上させることが好まし
いが、熱可塑性樹脂は通常透湿性は不十分である。従っ
て湿分がマトリックス部分をわずかしか通過しなくても
熱可塑性樹脂中に不均一に分散させた吸水性樹脂部分を
通過して十分に水分が透過できる構造にすればよい。こ
の手段としては、比較的粒子径の大きい吸水性樹脂粒子
を使用し、吸水性樹脂粒子を透湿防水非通気性素材フィ
ルム等に貫通させるか、または吸水性樹脂粒子が相互に
接触して網目状に連結されたパーコレーション構造が透
湿防水非通気性素材フィルム等の上下に露出した構造を
形成させること等によることができる。
【0020】本発明で用いられる熱可塑性樹脂として
は、任意の熱可塑性樹脂を用いることができ、特に制限
されない。例えば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィ
ン、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂
等の汎用樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカー
ボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル
等のエンジニアリングプラスチック、フッ素樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等のスーパ
ーエンジニアリングプラスチック、アイオノマーおよび
各種熱可塑性エラストマーを使用することができる。
【0021】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン
(低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン)、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリー4−メチルペンテンー1
等のポリオレフィンの単独重合体、エチレンープロピレ
ン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体等のエチレン系共重合体、更にはこれらに少量のジ
エンを含む共重合体等を挙げることができる。これらの
ポリオレフィンのうち、結晶性の低いものが透湿度が高
いため好ましく、具体的には低密度ポリエチレン、エチ
レン系共重合体が好ましい。
【0022】変性ポリオレフィンとしては、カルボン酸
基(アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸
に由来する基等)、カルボン酸塩基(ナトリウム塩、カ
ルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩等)、カルボン酸
エステル基(メチルエステル基、エチルエステル基、プ
ロピルエステル基、ブチルエステル基、ビニルエステル
基等)、酸無水物基(無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2,2,
1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物
などに由来する基等)、エポキシ基およびオキサゾリン
基から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するポリオ
レフィンが挙げられる。また変性ポリオレフィンがグラ
フト共重合体のときの原料となるポリオレフィンとして
は、上記ポリオレフィン等が挙げられる。
【0023】このような変性ポリオレフィンの具体例と
しては、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メ
タクリル酸共重合体、エチレン/フマル酸共重合体、エ
チレン/メタクリル酸/メタクリル酸亜鉛共重合体、エ
チレン/アクリル酸/メタクリル酸ナトリウム共重合
体、エチレン/アクリル酸イソブチル/メタクリル酸/
メタクリル酸亜鉛共重合体、エチレン/アクリル酸イソ
ブチル/メタクリル酸/メタクリル酸マグネシウム共重
合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン
/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビ
ニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、無水マレイン
酸グラフト−ポリエチレン、アクリル酸グラフト−ポリ
エチレン、無水マレイン酸グラフト−ポリプロピレン、
アクリル酸グラフト−ポリプロピレン、無水マレイン酸
グラフト−エチレン/プロピレン共重合体、アクリル酸
グラフト−エチレン/プロピレン共重合体、フマル酸グ
ラフト−エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/1
−ヘキセン/イタコン酸共重合体、エチレン/プロピレ
ン−エンドビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−
2,3−無水ジカルボン酸共重合体、マレイン酸グラフ
ト−エチレン/プロピレン/ノルボルナジエン共重合
体、アクリル酸グラフト−エチレン/酢酸ビニル共重合
体、無水マレイン酸グラフト−SEBS(スチレン/エ
チレン/ブチレン/スチレン)共重合体等であり、これ
らの変性ポリオレフィンを単独、または2種以上を併用
してもよい。
【0024】また、スチレン系樹脂としては、スチレン
単独重合体、耐衝撃ポリスチレン等のポリスチレン、ス
チレンを主成分として含むスチレン/アクリロニトリル
共重合体、スチレン/アクリロニトリル/ブタジエン共
重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体等のス
チレン系共重合体を例示することができる。
【0025】また、ポリアミドとしては各種使用可能で
あるが、具体的には、ポリアミド6、ポリアミド11、
ポリアミド12等のポリラクタム類、ポリアミド66、
ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド46
等のジカルボン酸とジアミンとから得られるポリアミド
類、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12、ポリア
ミド6/66/610等の共重合体ポリアミド類、ポリ
アミド6/6T(T:テレフタル酸成分)、ポリアミド
MXD6のような半芳香族ポリアミド類、ポリエステル
アミド、ポリエーテルアミド、ポリエステルエーテルア
ミドを挙げることができる。特にポリアミド6、ポリア
ミド66、ポリアミド46などアミド基の比率の高い脂
肪族ポリアミドは吸水性が高く、吸湿性に優れるので好
ましい。なお、上記各種のポリアミドは単独で用いても
よく、またこれらを2種以上を併用してもよい。
【0026】ポリエステルとしては、テレフタル酸のご
とき芳香族ジカルボン酸またはそのジアルキルエステル
と脂肪族グリコール類とのエステル化反応によって得ら
れるポリエステルあるいはこれを主体とする他の異種コ
モノマーとの共重合体が挙げられる。上記脂肪族グリコ
ール類としてはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール等が挙げられる。このようなポリエステルの代表
的な例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙
げられる。
【0027】また、熱可塑性エラストマーとしてはエチ
レン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体等の
オレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラ
ストマー等の熱可塑性エラストマーを使用することがで
きる。
【0028】前述のように、透湿防水非通気性素材の透
湿性を向上させるにはマトリックス部分は透湿性が高い
方が好ましい。従って、熱可塑性樹脂成分は厚さ10μ
mのフィルムにおける40℃における透湿度が50g/
d・m2以上が好ましく、より好ましくは100g/d
・m2以上である熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、上
記の透湿度を有するポリアミド、変性ポリオレフィン
類、酢酸ビニルやビニルアルコール成分等を含むオレフ
ィン系共重合体、ポリエステル、低密度ポリエチレン等
が好適に使用でき、特にポリアミド、ポリエステルまた
は低密度ポリエチレンがより好適に使用される。
【0029】一方、吸水性樹脂の平均分散粒径について
は、特に制限されるものではないが、好ましくは熱可塑
性樹脂フィルム等厚みの50%〜150%、更に好まし
くは80%〜120%である。各粒子は吸水性樹脂の1
次粒子であってもよいし複数の粒子からなる凝集体であ
ってもよい。ただし、多数の1次粒子からなる凝集体は
フィルム等の表面に露出すると、水に接した時にフィル
ム等の面からから突出し、吸水性樹脂粒子が脱落しやす
いため表面に露出させないことが好ましい。
【0030】このように、吸水性樹脂粒子の粒径をフィ
ルム等の厚みと同程度あるいはそれよりも大きく制御し
た場合においても、吸水性樹脂に熱可塑性のない場合
は、吸水性樹脂の表面が薄い熱可塑性樹脂の層に覆われ
やすく、結果的に吸水性樹脂はフィルム等の両面を貫通
しない状態となる。これは以下のような理由と考えられ
る。
【0031】すなわち、フィルム等成形においては溶融
樹脂が成形機ダイス部のリップの間隙から吐出された
後、溶融状態で引き伸ばされてフィルム状に賦形され
る。この際、一般にはリップの間隙はフィルム等の厚み
より顕著に大きいので、溶融樹脂は主に引取方向に大き
く引き伸ばされながらその厚みを減少させる。したがっ
て、吸水性樹脂粒子の粒径より薄いフィルム等を成形す
る場合においても、吐出直後で引き伸ばされる以前にで
は、ほとんどの吸水性樹脂粒子は熱可塑性樹脂マトリッ
クス中に分散しており、表面に露出しているものは僅か
である。その後、溶融状態において引き伸ばされると、
マトリックスの熱可塑性樹脂のみが薄く引き伸ばされ、
熱可塑性樹脂マトリックス中に分散していた吸水性樹脂
は、熱可塑性樹脂の薄い層に覆われた状態でフィルムと
なる。
【0032】上記の理由により、一般には透湿防水非通
気性素材フィルム等の表面において吸水性樹脂が露出し
ている割合は、その組成比より大幅に低下する。従って
高い透湿性能を得るためには、透湿防水非通気性素材フ
ィルム等表面において、吸水性樹脂粒子が露出している
ことが好ましい。そのためには、吸水性樹脂粒子表面を
薄く覆っている熱可塑性樹脂層を除去し、フィルム等表
面における吸水性樹脂の露出割合を高めることが望まし
い。除去はフィルム等表面全体に対して行っても良い
し、また目的に応じて部分的に除去する方法を用いるこ
とができる。
【0033】吸水性樹脂をフィルム等表面に露出させる
方法としては、化学的な方法、機械的な方法等各種の方
法が使用できる。例えば、化学的な方法としては、吸水
性樹脂表面を覆っている薄い熱可塑性樹脂層を溶解させ
る方法(本発明ではこの方法を「減量処理」と呼ぶ。)
がある。マトリックス樹脂がポリエチレンテレフタレー
ト,ボリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂
の場合、アルカリ溶解性を有するため、水酸化ナトリウ
ム溶液等で透湿防水非通気性素材層全面をアルカリ減量
処理を行うことで表面のマトリックス樹脂薄層を除去す
ることができる。同様に、ポリアミド等酸に溶解するも
の、ポリオレフィン等有機溶媒に溶解するものにおいて
も同様の減量処理が可能である。
【0034】また、機械的な方法としては、フィルム等
表面にサンディングを施すことが挙げられる。かかるサ
ンディングはサンドペーパーやエメリー紙などの研摩紙
を回転ロール表面に巻き付けて擦過する方法、回転ベル
トで同様に擦過する方法、湿潤下においてバフロールで
擦過する方法等により、吸水性樹脂表面の熱可塑性樹脂
を機械的に除去する方法が挙げられる。
【0035】露出面積の測定方法としては、吸水性樹脂
のみ染色できるような染色液等で染色し、染色されてい
る面積の割合を画像処理などで求める。例えばマトリッ
クス樹脂がポリオレフィン樹脂で、吸水性樹脂がポリN
−ビニルアセトアミドの場合には酸性染料を使用すれば
よい。この場合、薄いマトリックス樹脂で被覆されてい
るときには吸水性樹脂は染色されない。本発明の樹脂組
成物を押出成形などにより成形したフィルムにおいて、
吸水性樹脂粒子をフィルム等表面に露出させる手段とし
て吸水性樹脂粒子のサイズを変えることによっても良い
が、減量処理またはサンディング等により行うことが粒
子サイズに影響を受けないため有利である。この場合の
適切な露出割合としては、フィルム表面へ露出した面積
の割合(A%)と透湿防水非通気性素材中の吸水性樹脂
成分の体積分率(B%)との比(A/B)が少なくとも
0.35,好ましくは0.5以上、より好ましくは0.
9以上である。0.35未満においては吸水性樹脂によ
る改善が小さく、透湿防水非通気性素材としての透湿度
が不十分となりやすい。
【0036】また、本発明による透湿防水非通気性素材
フィルム等において、吸水性樹脂がパーコレーション構
造を形成することも透湿性を高める上で有効である。こ
の場合ではフィルム等の厚みに比べ粒子径の微細な吸水
性樹脂を使用できるため、機械的物性や外観が良好なフ
ィルム等が得られやすい特徴を有する。
【0037】本発明における「パーコレーション構造」
とは、マトリックス中で吸水性樹脂粒子が3次元的に網
目構造を形成したものである。パーコレーション構造は
吸水性樹脂粒子が部分的に互着することにより形成され
る。したがって、吸水性樹脂粒子の分散性がよすぎて
も、また悪すぎてもパーコレーション構造は形成されな
いので、吸水性樹脂粒子を適度な分散性が得られるよう
制御することが必要である。
【0038】吸水性樹脂粒子の分散性を制御する方法と
しては、吸水性樹脂の表面を界面活性剤等の分散剤で処
理し、マトリックス樹脂との濡れ性を変えることが挙げ
られる。分散剤の配合は、熱可塑性樹脂の存在しない状
態で吸水性樹脂と均一に混合する方法が好ましい。前記
の方法においては熱可塑性樹脂の存在下で混合するとき
に比べて、分散剤は吸水剤を被覆しない分散剤が減少
し、吸水性樹脂のみを被覆するため、パーコレーション
構造をとり易くなる。
【0039】本発明に使用する分散剤は、分子中に親水
部と疎水部の両方を持った界面活性剤を使用することが
できる。更に分散剤に対する要求特性として、溶融混練
または成形時の温度(約180〜300℃)で熱的に安
定であり、更に分散剤をコーティングした吸水性樹脂粒
子の互着を防止するために常温で固体であるものが好ま
しい。
【0040】具体的に分散剤としては、第1級アミン
塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム化合物、ピリ
ジン誘導耐等の陽イオン界面活性剤、硫酸化油、石鹸、
硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸
エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩、アル
キル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アル
キルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エ
ステル塩等の陰イオン界面活性剤、多価アルコールの部
分的脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪族アルコ
ールのエチレンオキサイド付加物、ステアリン酸などの
脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸のエチレンオキサイド
付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加
物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、
多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキ
サイド付加物、ポリエチレンオリゴマーの酸化物等の非
イオン系界面活性剤等常温で固体のものを挙げることが
でき、これらは1種または必要に応じて2種以上を用い
ることができる。
【0041】更に必要に応じて相溶化剤を配合すること
も効果的である。相溶化剤は吸水性樹脂粒子またはそれ
を取り囲んでいる分散剤と熱可塑性樹脂マトリックスと
の接着強度を増すために用いられ、両者と相溶する部位
を有している化合物が用いられる。また、吸水性樹脂粒
子は成形時の熱等で軟化すると互着しやすくなるので、
適度な成形温度で成形することも重要である。すなわ
ち、吸水性樹脂がガラス転移温度付近までの適度に高い
温度においては適度に互着してパーコレーション構造を
得やすくなるが、吸水性樹脂のガラス転移温度を大きく
上回るような高温になると、吸水性樹脂粒子が凝集して
大きな塊になってしまい、パーコレーション構造を形成
することができ難くなる。
【0042】本発明における透湿防水非通気性素材は、
熱可塑性樹脂の一般的な成形方法によって成形すること
ができる。本発明の透湿防水非通気性素材を構成するフ
ィルム等の成形方法としてはT−ダイによる押出成形や
インフレーション成形等が挙げられる。また、目的に応
じて染料や顔料などの着色剤、安定剤、耐電防止剤、平
滑剤、柔軟剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑
剤などを配合することができる。
【0043】さらに透湿防水非通気性素材フィルム等の
強度向上のために、電子線による架橋や他の繊維基材と
の貼り合わせを行うことができる。貼り合わせには一般
的な方法を用いることができ、例えば液状接着剤やホッ
トメルト接着剤によるラミネートや熱圧着ラミネート,
溶融ラミネート等が挙げられる。上記において透湿防水
非通気性素材フィルムと貼り合わせる繊維基材として
は、透湿防水非通気性素材の用途に応じて従来公知のポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポ
リアミド、ポリエステル、ビニロン、ポリアクリロニト
リルなどの合成繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート
などの人造繊維、また絹、綿、羊毛、麻などの天然繊維
から得られる編布、織布、不織布あるいはこれらにポリ
ウレタンを主体とする弾性重合体を含有させた基布等の
いずれも使用することができる。
【0044】本発明の透湿防水非通気性素材は、前記し
たように吸水性樹脂粒子の表面露出割合が適切であれ
ば、フィルム等としても機械的強度を十分保持してお
り、かつ耐水性、非通気性を有したものが得られ、この
フィルム等はフィルム等の厚みを10μmに換算したと
きの透湿性の値が500g/m・24hr以上、好まし
くは1500g/m・24hr以上を確保することが好
ましい。もし単に耐水性を有する熱可塑性樹脂のみのフ
ィルムであるときは500g/m・24hrを確保する
ことは容易ではない。一方親水性樹脂のフィルム等の場
合には透湿度は500g/m・24hrは容易に得られ
るが、耐水性がなくまた通気性においても不十分となり
易い。
【0045】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例で示した物性等は以下の
方法により測定した。
【0046】[透湿性]リッシー社全自動水蒸気透過度
テスターL80−4000型(JIS K 7129
A法)を用いて測定した。また、フィルム厚み10μm
換算時の透湿性は、上記により測定された透湿度とフィ
ルム厚みの積の1/10の値である。
【0047】[耐水性]JIS L 1092 高水圧
法に準じた試験器により2000mmH2O,24hr
の耐水圧試験を行った。1箇所以上水漏れが生じた試験
片を×、水漏れのなかった試験片を○とした。
【0048】[非通気性]内径60mm,深さ21mm
で底部に吸引口と弁を有するアルミニウム製のカップの
口を試験片のフィルムで密閉した後、吸引口から注射器
を用いてその目盛りが30ccとなるように空気を吸引
し弁を閉じた。この時、カップ内が減圧されて試験片の
フィルムが内側に凹むのでその凹部の高さを測定した。
この状態で23℃,RH50%雰囲気下で24hr放置
した後、再度凹部の高さを測定した。24hr後の凹部
の高さが初期の80%以上を保持していた場合は○,8
0%未満の場合は×とした。
【0049】[吸水性樹脂粒子の分散性]フィルム表面
を#600のサンドペーパーで研摩した後、酸性染料で
染色し、キーエンス社製マイクロスコープVH−630
0型で観察した。
【0050】(実施例1)ポリアミド6樹脂(三菱エン
ジニアリングプラスチックス社製ノバミッド1020)
95質量%、および、吸水性樹脂としてポリーN−ビニ
ルアセトアミド(昭和電工製NA−010F;平均粒径
13μm)5質量%をヘンシェルミキサーに投入し、1
5分間,80℃で混合した後、得られた混合物をベント
付き同方向2軸押出機(内径30mm,L/D=42)
にて230℃で溶融混練し、ペレットを製造した。さら
にT−ダイを取り付けた単軸押出機(内径30mm,L
/D=36)にて250℃でフィルム成形を行い、厚さ
35μmのフィルムを得た。得られたフィルムには図1
に示すように10〜40μmの吸水性樹脂が分散してお
り、一部吸水性樹脂粒子は40μm程度の凝集体となっ
ていた。
【0051】(実施例2)230℃でフィルム成形を行
い、厚さ15μmのフィルムを得た以外は実施例1と同
様に行った。得られたフィルムは図2に示すように吸水
性樹脂粒子は10〜20μmで分散しており、ほぼ、1
次粒子が凝集せずに分散していた。
【0052】(比較例1)フィルム成形用ペレットに、
吸水性樹脂を含まないポリアミド6樹脂を使用した以外
は実施例1と同様に行った。 (比較例2)フィルム成形用ペレットに、吸水性樹脂を
含まないポリアミド6樹脂を使用した以外は実施例2と
同様に行った。
【0053】(実施例3)吸水性樹脂としてポリーN−
ビニルアセトアミド(昭和電工製NA−010F;平均
粒径13μm)5質量%およびステアリン酸0.5質量
部をヘンシェルミキサーに投入し、5分間,80℃で混
合した後、さらにポリエチレンテレフタレート樹脂(デ
ュポン製ライナイト530)95質量%を投入して10
分間80℃で混合した。得られた混合物をベント付き同
方向2軸押出機(内径30mm,L/D=42)にて2
80℃で溶融混練し、ペレットを製造した。さらにT−
ダイを取り付けた単軸押出機(内径30mm,L/D=
36)にて280℃でフィルム成形を行い、厚さ15μ
mのフィルムを得た。得られたフィルムには分散粒径1
0〜20μmの吸水性樹脂が分散していた。
【0054】(実施例4)実施例3で得られたフィルム
に対し、3質量%の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ
減量処理を行った。 (実施例5)実施例3で得られたフィルムを鋼製の平板
上に両面接着テープで固定し、直方体状の木片に巻き付
けた#600のサンドペーパーを用いて水の噴霧下でサ
ンディング処理を施した。 (比較例3)吸水性樹脂を添加しなかった以外は実施例
3と同様に行った。
【0055】(実施例6)吸水性樹脂としてポリーN−
ビニルアセトアミド(昭和電工製NA−010F;平均
粒径13μm)5質量%およびステアリン酸0.5質量
部をヘンシェルミキサーに投入し、5分間,80℃で混
合した後、さらに低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリオ
レフィン製ジェイレックスJZ430S)95質量%を
投入して10分間80℃で混合した。得られた混合物を
ベント付き同方向2軸押出機(内径30mm,L/D=
42)にて160℃で溶融混練し、ペレットを製造し
た。さらにT−ダイを取り付けた単軸押出機(内径30
mm,L/D=36)にて160℃でフィルム成形を行
い、厚さ15μmのフィルムを得た。得られたフィルム
には分散粒径10〜20μmの吸水性樹脂が分散してい
た。
【0056】(実施例7)吸水性樹脂にポリアクリル酸
ナトリウム(日本触媒製アクアリックCS−6;平均粒
径15μm)を使用した以外は実施例6と同様に行っ
た。 (比較例4)吸水性樹脂を配合しなかった以外は実施例
6と同様に行った。 (比較例5)市販のポリエチレン系無機フィラー添加延
伸フィルム(トクヤマ社製ポーラムPH−35,厚さ3
5μm)を使用した。
【0057】(実施例8)実施例6で得られたペレット
を用い、ポリプロピレン製不織布に溶融ラミネート成形
を行った。溶融ラミネート成形はシリンダー温度160
℃,T−ダイ温度240℃で行い。15μmの厚みでラ
ミネートを行った。 (比較例6)吸水性樹脂を配合しなかった以外は実施例
8と同様に行った。
【0058】(実施例9)吸水性樹脂としてポリーN−
ビニルアセトアミド(昭和電工製NA−010F;平均
粒径13μm)20質量%およびステアリン酸2質量部
をヘンシェルミキサーに投入し、5分間,80℃で混合
した後、さらに低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリオレ
フィン製ジェイレックスJZ430S)80質量%を投
入して10分間80℃で混合した。得られた混合物をベ
ント付き同方向2軸押出機(内径30mm,L/D=4
2)にて180℃で溶融混練し、ペレットを製造した。
さらにT−ダイを取り付けた単軸押出機(内径30m
m,L/D=36)にて180℃でフィルム成形を行
い、厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィル
ムでは図3のように吸水性樹脂がパーコレーション構造
を形成していた。
【0059】(実施例10)低密度ポリエチレン樹脂
(日本ポリオレフィン製ジェイレックスJZ430S)
80質量%および、吸水性樹脂としてポリーN−ビニル
アセトアミド(昭和電工製NA−010F;平均粒径1
3μm)20質量%をヘンシェルミキサーに投入し、1
5分間,80℃で混合した。得られた混合物をベント付
き同方向2軸押出機(内径30mm,L/D=42)に
て260℃で溶融混練し、ペレットを製造した。さらに
T−ダイを取り付けた単軸押出機(内径30mm,L/
D=36)にて260℃でフィルム成形を行い、厚さ1
00μmのフィルムを得た。得られたフィルムでは図4
のように吸水性樹脂が100μmを上回る凝集物を形成
していた。耐水性試験においては約12時間後膨潤した
吸水性樹脂がフィルムを破り、大きな穴を生じさせた。 (比較例7)吸水性樹脂を配合しなかった以外は実施例
9と同様に行った。
【0060】
【表1】 R:素材表面において吸水性樹脂成分の面積が示す割合
と、該組成物中の吸水性樹脂成分の体積分率との比
【0061】
【発明の効果】本発明においては、防水性に優れた熱可
塑性樹脂マトリックス中に、透湿性に優れた吸水性樹脂
粒子を分散させることにより、防水性,非通気性と透湿
性を兼ね備えた透湿防水非通気性素材を得ることができ
る。このような透湿防水非通気性素材は発汗による蒸れ
防止、過湿防止、結露防止、落滴防止、調湿等の用途に
好適に使用される。例えば、衣料分野においては、雨
具,ジャンパー,スポーツウエア,作業衣,簡易用(使
い捨て)衣料等、衛生用品分野においては、紙オムツ,
ナプキンなどの防水シート,包材においては乾燥剤,除
湿材等の包材,医療分野においては手術衣,手袋,シー
ツ等,建材分野においては防水・防風シート,結露防止
用フィルム等,調湿壁紙等、農業資材分野においては農
園芸ハウス内張りカーテン等幅広い分野に適性を有して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた透湿防水非通気性素材
フィルム中の吸水性樹脂の分散状態を示す顕微鏡写真。
【図2】 実施例2で得られた透湿防水非通気性素材
フィルム中の吸水性樹脂の分散状態を示す顕微鏡写真。
【図3】 実施例9で得られた透湿防水非通気性素材
フィルム中の吸水性樹脂の分散状態を示す顕微鏡写真。
【図4】 実施例10で得られた透湿防水非通気性素
材フィルム中の吸水性樹脂の分散状態を示す顕微鏡写
真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 13/00 A41D 13/00 E 4F071 31/00 31/00 F 4F073 501 501B 4F100 502 502F 4J002 504 504A B32B 27/18 B32B 27/18 Z C08J 5/18 CFG C08J 5/18 CFG 7/00 7/00 Z C08L 23/04 C08L 23/04 33/02 33/02 39/02 39/02 67/00 67/00 77/00 77/00 101/14 101/14 Fターム(参考) 2B024 DB01 2B029 EB01 EB16 EC02 EC03 EC04 EC05 EC06 EC09 EC20 3B011 AA01 AB01 AC08 AC18 3B030 AB01 3B031 AA14 AB02 AE05 4F071 AA18 AA32 AA37 AA43 AA54 AF09 AG25 AG36 AH01 AH19 BB06 BC01 BC12 4F073 AA01 BA18 BA29 BA34 BA52 BB01 EA03 GA05 4F100 AK01A AK06A AK26A AK41A AK46A AK70A BA02 BA07 BA10A CA30A DE01A DG01B DG12B DG15B EJ34 GB01 GB15 GB72 GB90 JB07 JB16A JD02 JD04 JD15A YY00A 4J002 BB00W BB03W BB20W BB23W BC03W BD04W BD12W BG00W BG01X BG13X BJ00X BQ00X CB00W CF00W CF18W CG00W CH07W CL00W CN01W GA01 GB00 GC00

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂中に吸水性樹脂粒子を、熱
    可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中0.5〜60質量%分
    散させたフィルムまたはシートからなることを特徴とす
    る透湿防水非通気性素材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂成分として、厚さ10μm
    のフィルムの40℃における透湿度が50g/d・m2
    以上である成分を用いた請求項1に記載の透湿防水非通
    気性素材。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂がポリアミド、ポリエステ
    ル、低密度ポリエチレンから選ばれた少なくとも1種の
    樹脂である請求項1または2に記載の透湿防水非通気性
    素材。
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂がN−ビニルカルボン酸アミ
    ドおよび/または(メタ)アクリル酸塩の(共)重合体
    からなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の透湿
    防水非通気性素材。
  5. 【請求項5】 吸水性樹脂粒子の平均分散粒径が透湿防
    水非通気性素材厚みの50%〜150%である請求項1
    ないし4のいずれか1項に記載の透湿防水非通気性素
    材。
  6. 【請求項6】 透湿防水非通気性素材を厚さ10μmに
    換算した時の透湿度が500g/d・m2以上である請
    求項1ないし5のいずれか1項に記載の透湿防水非通気
    性素材。
  7. 【請求項7】 透湿防水非通気性素材表面の熱可塑性樹
    脂成分を部分的に除去してなる請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載の透湿防水非通気性素材。
  8. 【請求項8】 透湿防水非通気性素材表面の熱可塑性樹
    脂を減量処理してなる請求項7に記載の透湿防水非通気
    性素材。
  9. 【請求項9】 透湿防水非通気性素材表面がサンディン
    グされてなる請求項7に記載の透湿防水非通気性素材。
  10. 【請求項10】 透湿防水非通気性素材表面に吸水性樹
    脂粒子の露出した面積の割合と透湿防水非通気性素材中
    の吸水性樹脂成分の体積分率との比を0.35以上とし
    た請求項1ないし9のいずれか1項に記載の透湿防水非
    通気性素材。
  11. 【請求項11】 吸水性樹脂がパーコレーション構造を
    形成していることを特徴とした請求項1ないし10のい
    ずれか1項に記載の透湿防水非通気性素材。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載の透湿防水非通気性素材に、繊維基材を貼り合わせ
    たことを特徴とする透湿防水非通気性素材。
  13. 【請求項13】 繊維基材が不織布または織布である請
    求項12に記載の透湿防水非通気性素材。
  14. 【請求項14】 熱可塑性樹脂99.5〜40質量%と
    吸水性樹脂粒子0.5〜60質量%を溶融混練し、フィ
    ルムまたはシートに成形することを特徴とする透湿防水
    非通気性素材の製造方法。
  15. 【請求項15】 吸水性樹脂粒子が、あらかじめ分散剤
    を用いて前処理した吸水性樹脂である請求項14に記載
    の透湿防水非通気性素材の製造方法。
  16. 【請求項16】 透湿防水非通気性素材表面の熱可塑性
    樹脂を減量処理することを特徴とする請求項14または
    15に記載の透湿防水非通気性素材の製造方法。
  17. 【請求項17】 透湿防水非通気性素材表面にサンディ
    ングを施すことを特徴とする請求項14または15に記
    載の透湿防水非通気性素材の製造方法。
  18. 【請求項18】 熱可塑性樹脂中に吸水性樹脂の粒子
    を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中0.5〜60質
    量%分散させたフィルムまたはシートからなる透湿防水
    非通気性素材を表材または裏材に用いたことを特徴とす
    る透湿防水外衣。
  19. 【請求項19】 熱可塑性樹脂中に吸水性樹脂の粒子
    を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中0.5〜60質
    量%分散させたフィルムまたはシートからなる透湿防水
    非通気性素材を用いたことを特徴とする透湿防水医療用
    保護衣。
  20. 【請求項20】 熱可塑性樹脂中に吸水性樹脂の粒子
    を、熱可塑性樹脂と吸水性樹脂の合計中0.5〜60質
    量%を分散させたフィルムまたはシートからなる透湿防
    水非通気性素材を用いた透湿防水農業用フィルム。
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