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JP2002128803A - アクリルシラップ及びその製造方法 - Google Patents

アクリルシラップ及びその製造方法

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JP2002128803A
JP2002128803A JP2000326624A JP2000326624A JP2002128803A JP 2002128803 A JP2002128803 A JP 2002128803A JP 2000326624 A JP2000326624 A JP 2000326624A JP 2000326624 A JP2000326624 A JP 2000326624A JP 2002128803 A JP2002128803 A JP 2002128803A
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monomer
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methyl methacrylate
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JP2000326624A
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Tadashi Kawabata
正 川畑
Shinichi Hinagata
真一 日永田
Shojiro Kuwabara
章二郎 桑原
Masahiro Kurokawa
正弘 黒川
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリルシラップを安定に製造する方法を提
供する。 【解決手段】 メタクリル酸メチルを主成分とする単量
体原料の20〜70重量%に、炭素数1〜30の脂肪族
カルボン酸とグリセリンとの部分エステル化合物及び/
又はブタジエンを主成分とする単量体から得られたポリ
マーからなる消泡剤を添加した後、昇温し系内組成物の
温度が沸点に達し還流を開始した時点で連鎖移動剤を添
加し、還流を維持しながら残りの単量体を該沸点での半
減期が10〜300秒である重合開始剤とともに0.1
〜10時間かけて添加し、添加終了後さらに加熱を継続
し、加熱終了後にヒンダードフェノール系重合禁止剤を
加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメタクリル酸メチル
を主成分とする単量体を重合して得られる重合体を含
む、アクリルシラップ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルシラップはメタクリル樹脂注型
板、光伝送繊維や光導波路等の光学材料、アクリル人造
大理石、人工印材、床材、接着剤、粘着剤、文化財・剥
製等修復材料又は医療用材料等の中間原料として用いら
れている。このうちメタクリル酸メチルを主成分とする
メタクリル酸メチルシラップの製造方法は特許、文献等
に多く紹介されており、その製造方法は以下の2つに大
別される。1つは特開昭49−104937号公報、特
開平9−194673号公報等に開示されている、別途
調製した重合体を単量体に溶解する方法である。本発明
とは基本的に異なる製造方法であり、しかも一旦重合体
を取り出した後再度単量体に溶解するため、エネルギー
的にも経済的にも不利である。もう1つは、単量体を部
分的に塊状重合させる方法であり部分重合法とも呼ば
れ、更に部分重合法は回分法と連続法とに分けられる。
【0003】部分重合法のうち回分法による製造方法と
して、例えば特公昭36−3392号公報には、メタク
リル酸メチルを主成分とする単量体及び連鎖移動剤から
なる原料を80℃に昇温し、少量の2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル又は過酸化ベンゾイルを重合開始剤
として加え、同時に100℃に昇温して27〜50分重
合し、所定の粘度になった時点で重合禁止剤としてハイ
ドロキノンを含有する冷たいメタクリル酸メチルを加え
て急冷することによりアクリルシラップを製造する方法
が開示されている。しかしながら、この方法では重合開
始剤が完全に分解しない状態で重合を停止するため、得
られたシラップ中に重合開始剤が残存しており、たとえ
重合禁止剤を加えても貯蔵安定性の劣ったものとなる。
例えば重合開始剤に用いる過酸化ベンゾイルの100℃
での半減期は約22分であるから、所定の粘度に達した
時点では加えた量に対して42〜20%の重合開始剤が
製品中に残存している。また反応に必要な量の重合開始
剤を一度に添加するために一旦重合開始剤を加えた後に
昇温を行うため、僅かな温度変化により製品の重合率、
分子量、引いては製品粘度に大きく影響するため安定し
た製造は行えない。
【0004】特公平1−11652号公報及び特開平9
−67495号公報では、SMC又はBMCの中間原料
としてシラップを製造するに際し、メタクリル酸メチル
89重量%、メタクリル酸5重量%、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート6重量%からなる単量体10
0部に対しn−ドデシルメルカプタン0.4部、2,
2' −アゾビスイソブチロニトリル0.05部を含む原
料を仕込み、80℃で重合を行い、反応液が所定の粘度
に達した時点で重合禁止剤としてハイドロキノン及びp
−メトキシフェノールを加え速やかに室温まで冷却し重
合を停止する方法により、カルボン酸を含むアクリルシ
ラップを製造する方法が開示されている。しかしながら
この方法で得られたシラップ中には重合開始剤が残存し
ており、たとえ重合禁止剤を加えても貯蔵安定性の劣っ
たものとなる。また反応に必要な量の重合開始剤を一度
に添加するために反応の制御が困難であり、重合率、分
子量及び製品粘度が大きく変化するので優れた製造方法
とは言えない。しかも得られたシラップ中に重合開始剤
が残存する可能性が大きく、たとえ重合禁止剤を加えて
も貯蔵安定性の劣ったものとなり、また貯蔵中に着色す
る原因ともなる。重合開始剤が残存しないようにするた
め重合温度での半減期の短い重合開始剤を用いれば良い
が、この場合多量の重合開始剤を必要とするため、重合
反応が急速に進行する結果となり反応を制御することが
はなはだ困難となる。このため回分法で使用可能な重合
開始剤は重合温度での半減期が長いものに制限されると
言うジレンマに陥る。
【0005】一方メルカプタン類により重合が進行する
ことについては、例えば特公昭46−40693号公報
で連鎖移動剤としてメルカプタン類のように活性水素を
有する硫黄化合物を用い、重合開始剤を加えずに65〜
105℃で部分重合を行いアクリルシラップを製造する
方法が開示されている。この方法では所望の重合率まで
重合するためには大量の連鎖移動剤を必要とし、分子量
の高い重合体を含むアクリルシラップを得ることができ
ない。また分子量の高い重合体を含むアクリルシラップ
を得るためには少量の連鎖移動剤を用いて長時間反応す
ることが必要となり、いずれの場合にも実用的ではな
い。
【0006】ところで、上述した回分重合法においては
系内組成物の沸点より低い温度で重合が行われていた。
他方、重合組成物の沸点で重合を行うことにより温度変
化を小さくすることが期待できるが、実際には重合が進
み系内の粘度が上昇するにつれ、発泡による液面上昇又
はこれに起因する槽内付着物の生成等の問題が生じる。
大型装置では反応液の体積に比べ液面の面積が小さくな
ることからこの傾向が顕著になる。そのため、沸点重合
は現実的には不可能と言って良い状況にあった。これら
を解決する手段として、特開昭53−24380号公報
にはメタクリル酸メチル70重量%以上を含むモノマー
を(共)重合する際、オルガノシロキサン類1〜10,
000ppm を添加することを特徴とする重合物製造方法
を開示している。しかしながら、上記特許明細書にも明
記されているように基本的にオルガノシロキサン類はア
クリルモノマー及びポリマーとの相溶性がなく、得られ
た成型品は白濁を呈する。加えて、オルガノシロキサン
類が成型品の表面現れると塗装の際のハジキの原因にな
ったり、ほこり付着の遠因になったりするため使用には
注意を要する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
法の上記のような問題点を解決し、種々の用途に適しか
つ安定した品質のアクリルシラップ及び該アクリルシラ
ップの効率的かつ簡便な製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、特定の製造方法によって種々の用途に適し、か
つ安定した品質のアクリルシラップを効率的、かつ容易
に製造し得ることを見いだし本発明に到った。すなわち
本発明は、(1)メタクリル酸メチルを主成分とする単
量体原料の20〜70重量%に、炭素数1〜30の脂肪
族カルボン酸とグリセリンとの部分エステル化合物及び
/又はブタジエンを主成分とする単量体から得られたポ
リマーからなる消泡剤を添加した後、昇温し、(2)系
内組成物の温度が沸点に達し、還流を開始した時点で連
鎖移動剤の全量を添加し、(3)還流を維持しながら、
残りの単量体を該沸点での半減期が10〜300秒であ
る重合開始剤とともに0.1〜10時間かけて連続的又
は分割して添加し、(4)添加終了後さらに加熱を継続
し、(5)加熱終了後にヒンダードフェノール系重合禁
止剤を加えることを特徴とするアクリルシラップの製造
方法に関する。また本発明は、(A)メタクリル酸メチ
ルを主成分とする単量体39〜90重量%、(B)メタ
クリル酸メチル単位を主成分とする単量体から得られ、
GPCで測定した重量平均分子量が2万〜50万である
重合体60〜9重量%、(C)炭素数4〜20のメルカ
プタン0.0005〜3.0重量%、(D)炭素数1〜
30の脂肪族カルボン酸とグリセリンとの部分エステル
化合物及び/又はブタジエンを主成分とする単量体から
得られたポリマー0.0001〜0.3重量%及び
(E)ヒンダードフェノール系重合禁止剤0.001〜
1.0重量%(合計100重量%)からなり、25℃に
おける粘度が10〜500,000mPa・sであるこ
とを特徴とするアクリルシラップに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明のアクリルシラップ
及びその製造方法について具体的に説明する。本発明で
は単量体成分としてメタクリル酸メチルを必須成分と
し、メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル性単
量体成分を任意に加えて用いることができる。この単量
体成分はメタクリル酸メチルと共重合可能な単量体であ
れば特に限定されず、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸及びフマル酸等の不飽和カルボン酸;前記不飽和
カルボン酸のエステル、ニトリル、アミド、イミド及び
酸無水物;スチレン等の芳香族ビニル;酢酸ビニル等の
カルボン酸ビニル等のエチレン性二重結合を有する化合
物が挙げられる。
【0010】本発明ではメタクリル酸メチルを必須成分
とする単量体原料の初めの仕込み分に消泡剤を添加した
後、単量体原料の沸点まで昇温する。消泡剤添加後で昇
温する前に、初期仕込原料に対し200〜1000vo
l%の不活性ガスを仕込原料に接触させて溶存酸素濃度
を置換したのち昇温してもよい。不活性ガスとしては窒
素が例示できる。消泡剤としては、重合反応及び得られ
た製品に悪影響を及ぼさず、気泡を安定化させる物質の
活動を抑制し、液体の泡抜けをよくするもの、表面の泡
を破泡するもの、かつ液体粘度を低下させる性質を有す
る物質が選択される。この様な消泡剤として本発明では
炭素数1〜30の脂肪族カルボン酸とグリセリンとの部
分エステル化合物及び/又はブタジエンを主成分とする
単量体から得られたポリマーからなる消泡剤が用いられ
る。具体的にはビックケミー・ジャパン(株)「プラス
チック添加剤」や、花王(株)「花王のプラスチック用
滑剤」等に記載されているカプリル酸モノグリセリド、
ラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリ
ド、パルミチン酸モノグリセリド、リノレン酸モノグリ
セリド、オレイン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノ
グリセリド及びベヘニン酸モノグリセリド等の炭素数1
〜30の脂肪酸とグリセリンとの部分エステル化合物;
ブタジエンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンエラストマー等
のブタジエンを主成分とする単量体のポリマーである。
【0011】消泡剤添加量は、必要な性能を発揮するた
めに単量体原料全量(初めに仕込む単量体と後に加える
単量体との合計量)に対して0.0001〜0.3重量
%添加することが望ましい。0.3%を超えて添加して
も消泡効果に大きな違いは見られない。添加した消泡剤
は最終製品を製造する際に気泡の内包を抑制し、成型時
の脱泡を良くするために、注型板、光伝送繊維や光導波
路等の光学材料、アクリル人造大理石、人工印材、床
材、接着剤、粘着剤、文化財・剥製等修復材料又は医用
材料等の最終製品においても外観不良率又は機械的欠陥
を低減させると言う効果も期待できる。
【0012】本発明では単量体原料の初めの仕込み分に
消泡剤を添加した後、単量体原料の沸点まで昇温する。
沸点に達したら、還流を開始する。還流の目的は追加原
料の添加により系内にもたらされる酸素を系外へ除去す
ることであり、それにより重合反応を安定に行うことが
出来る。
【0013】還流を開始した時点で全量添加される連鎖
移動剤としては重合反応を阻害せず所望の分子量の製品
が得られるメルカプタン類が用いられ、例えば、1−ブ
タンチオール、2,2−ジメチルエタンチオール、1−
オクタンチオール、2,2−ジメチルヘキサンチオー
ル、1−ドデカンチオール、2,2−ジメチルデカンチ
オール、1−ヘキサデカンチオール、1−オクタデカン
チオール、ベンゼンチオール、チオクレゾール、チオナ
フトール等炭素数4〜20のメルカプタン類の少なくと
も1種を使用する。連鎖移動剤の添加量は単量体原料全
量に対し0.0005〜3.0重量%、好ましくは0.
03〜1.5重量%である。
【0014】連鎖移動剤を添加したのち、残りの単量体
を該沸点での半減期が10〜300秒である重合開始剤
とともに0.1〜10時間かけて連続的又は分割して添
加する。本発明で使用する重合開始剤は、反応温度での
半減期が10〜300秒になるような重合開始剤であ
り、この様な重合開始剤を用いることにより重合開始剤
を完全に消費させ、得られるシラップの貯蔵安定性を向
上させることができる。この様な重合開始剤は日本油脂
(株)「有機過酸化物」資料第13版、アトケム吉富
(株)技術資料 及び和光純薬工業(株)「Azo P
olymerization Initiators」
等に記載の諸定数等により容易に求めることができ、例
えば2,2' −アゾビスイソブチロニトリル、2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2' −アゾビス(2,4ジメチル−4−メトキシバレロ
ニトリル)、1,1' −アゾビスシクロヘキサンカルボ
ニトリル、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、t−ブチルピバレート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート及びビス( 4−t−ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート等が例示される。
【0015】重合開始剤は、単独あるいは2種以上組み
合わせて用いることができ、所望の重合率を得るために
必要な量が添加される。そして重合開始剤は単独で添加
する方法、又は単量体原料と混合して添加する方法のい
ずれも用いることができる。本発明により製造されたア
クリルシラップの粘度は重合率、分子量及び重合体中の
メタクリル酸メチルと共重合可能な不飽和単量体単位の
組成により影響を受けるが、必要な粘度範囲を満足する
ためには、単量体原料全量に対する重合開始剤の使用量
は5 .0×10-5〜2.0重量%が好ましく、5 .0×
10-4〜1.0重量%がさらに好ましい。
【0016】追加の単量体と重合開始剤との添加時間が
10時間を超えることも可能であるが、仕込から製品取
出までの工程時間が長くなり生産性の点から好ましくな
い。また、連鎖移動剤としてメルカプタン類を用いた場
合には僅かずつ重合が進行することが知られている。最
初に仕込む原料中にメルカプタン類を加えた状態で昇温
すると、昇温速度の長短により重合率が変動するため安
定した製造が行えない。また、重合開始剤と同時に連鎖
移動剤を調合すると、重合開始剤と連鎖移動剤とのレド
ックス反応による原料槽内での重合が起こる虞があり好
ましくない。
【0017】本発明においては追加の単量体と重合開始
剤との添加終了後、一定時間加熱を継続し重合反応を完
結させた後、重合禁止剤を添加した後冷却し製品を取り
出す。加熱終了時に重合禁止剤を加えることにより、冷
却操作中にメルカプタン類による重合を完全に防止し、
さらに安全に製造でき、安定した製品品質のアクリルシ
ラップを製造することができる。また加熱終了時に重合
禁止剤を加えることによりアクリルシラップの貯蔵安定
性は良好となるため、アクリルシラップ中に残存するメ
ルカプタン類の不活性化処理を行う必要はない。
【0018】得られたシラップの重合及び着色をさける
ため、本発明ではヒンダードフェノール系重合禁止剤を
用いる。ヒンダードフェノール系重合禁止剤としては、
例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール、
4,4' −チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフ
ェノール)及び/又は2,2' −メチレンビス−(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
これらのヒンダードフェノール系重合禁止剤は単独で、
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。ヒ
ンダードフェノール系重合禁止剤の添加量は単量体原料
全量に対して0.001〜1.0重量%が好ましく、
0.005〜0.3重量%がより好ましい。
【0019】以上のようにして得られたアクリルシラッ
プは、(A)メタクリル酸メチルを主成分とする単量体
39〜90重量%、(B)メタクリル酸メチル単位を主
成分とする単量体から得られ、GPCで測定した重量平
均分子量が2万〜50万である重合体60〜9重量%、
(C)炭素数4〜20のメルカプタンから選ばれる少な
くとも1種の化合物0.0005〜3.0重量%、
(D)炭素数1〜30の脂肪族カルボン酸とグリセリン
との部分エステル化合物及び/又はブタジエンを主成分
とする単量体から得られたポリマー0.0001〜0.
3重量%及び(E)ヒンダードフェノール系重合禁止剤
0.001〜1.0重量%(合計100重量%)からな
り、25℃における粘度が10〜500,000mPa
・sである。
【0020】本発明の方法により得られたアクリルシラ
ップは注型板、光伝送繊維や光導波路等の光学材料、ア
クリル人造大理石、人工印材、床材、接着剤、粘着剤、
文化財・剥製等修復材料又は医用材料等の中間原料とし
て用いることができる。必要に応じ充填材、繊維補強
材、低収縮剤、滑剤、可塑剤、増粘剤、有機溶剤等の希
釈剤、架橋剤、レベリング剤、沈降防止剤、離型剤、酸
化防止剤、UV吸収剤、顔料及び/又は染料等の公知の
添加剤を混合し用いることもできる。本発明をさらに具
体的に例示するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0021】
【実施例】重合率は重量法により、試料を大量の冷ヘキ
サン中に投入し生じた沈澱物を精製・減圧乾燥し求め
た。重合体の分子量は東ソー(株)製8010型ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測
定した。粘度はB型粘度計を用い25℃で測定した。 実施例1 温度計、還流冷却器、定量ポンプ、撹拌装置を取り付け
た1.5リットルセパラブル四つ口フラスコに、メタク
リル酸メチル458g、メタクリル酸10.9g及びブ
タジエンを主成分とする単量体のポリマー(ビックケミ
ー社、商品名BYK−A515)0.090gからなる
混合物を投入し、100rpmで攪拌しながら昇温し
た。温度が100℃に達したところで連鎖移動剤として
の1−ドデカンチオール2.6gをすばやく加え、次い
で重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)0.058gを溶解したメタク
リル酸メチル472gを3時間かけて定量ポンプを用い
て2.6g/分で滴下した。滴下終了後0.15時間加
熱を継続し重合禁止剤としての2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール0.2gを加え重合を停止し
た。その後室温まで冷却し、無色透明なアクリルシラッ
プを得た。重合の進行に伴い反応溶液の粘度が高くなり
泡が発生したが、界面に於いて直ちに破泡し、重合後期
及び終了時に於いても泡の相はみられなかった。得られ
たシラップの重合率は31.3%で、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量
平均分子量(Mw)は10.3万であった。また、25
℃における粘度は4,200mPa・sであった。
【0022】実施例2 実施例1におけるBYK−A515の0.09gをBY
K−A515の0.045gに変更した以外は、実施例
1と同様の反応を行いアクリルシラップを得た。重合の
進行に伴い反応溶液中に泡が生じたが、気相部への泡抜
けが良く、重合終了時でも泡の相はみられなかった。得
られたアクリルシラップは無色透明であり、重合率は3
1.4%で、重量平均分子量(Mw)は10.0万であ
った。25℃における粘度は4,700mPa ・sであ
った。
【0023】実施例3 実施例1におけるBYK−A515をステアリン酸モノ
グリセリド2.83gに変更する以外は、実施例1と同
様の反応を行いアクリルシラップを得た。重合の進行に
伴い反応溶液中に泡が生じたが、気相部への泡抜けが非
常に良く、重合終了時でも泡の相はみられなかった。得
られたアクリルシラップは無色透明で、重合率は32.
2%、重量平均分子量(Mw)は10.0万で、25℃
における粘度は6,100mPa ・sであった。
【0024】実施例4 実施例1におけるBYK−A515をカプリル酸モノグ
リセリド2.83gに変更する以外は、実施例1と同様
の反応を行いアクリルシラップを得た。重合の進行に伴
い反応溶液中に泡が生じたが、気相部への泡抜けが良
く、重合終了時でも泡の相はみられなかった。得られた
アクリルシラップは無色透明であり、重合率は33.0
%で、重量平均分子量(Mw)は10.0万であった。
25℃における粘度は6,000mPa ・sであった。
【0025】実施例5 実施例1と同様の装置にメタクリル酸メチル458g、
メタクリル酸10.9g及びBYK−A515の0.0
90gを仕込み、100rpmで攪拌しながら昇温し
た。温度が101℃に達したところで連鎖移動剤として
の1−ドデカンチオール1.1gをすばやく加え、次い
で重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)0.030gを溶解したメタク
リル酸メチル472gを3時間かけて定量ポンプより加
えた。滴下終了後0.25時間加熱を継続し重合禁止剤
としての6−t−ブチル−2,4−ジメチルフェノール
0.2gを加え重合を停止した。その後室温まで冷却
し、無色透明なアクリルシラップを得た。重合の進行に
伴い反応溶液の粘度が高くなり泡が発生したが、界面に
於いて直ちに破泡し、重合後期及び終了時に於いても泡
の相はみられなかった。得られたシラップの重合率は2
4.3%で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)は2
0.3万であった。また、25℃における粘度は6,1
00mPa ・sであった。
【0026】実施例6 実施例1と同様の装置にメタクリル酸メチル472gと
オレイン酸モノグリセリド2.83gを仕込み、80r
pmで攪拌しながら昇温した。温度が101℃に達した
ところで連鎖移動剤としての1−ドデカンチオール3.
4gを加え、次いで重合開始剤としての2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.041g
を溶解したメタクリル酸メチル472gを3時間かけて
定量ポンプより加えた。滴下終了後0.25時間加熱を
継続し重合禁止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール0.5gを加え重合を停止した。そ
の後室温まで冷却し、無色透明なアクリルシラップを得
た。重合の進行に伴い反応溶液の粘度が高くなり泡が発
生したが、界面に於いて直ちに破泡し、重合後期及び終
了時に於いても泡の相はみられなかった。得られたシラ
ップの重合率は27.6%で、GPCにより測定したM
wは7.9万であった。また、25℃における粘度は5
00mPa ・sであった。
【0027】実施例7 実施例1と同様の装置にメタクリル酸メチル472gと
BYK−A515の0.090gを仕込み、100rp
mで攪拌しながら昇温した。温度が101℃に達したと
ころで連鎖移動剤としての1−ドデカンチオール3.4
gを加え、次いで重合開始剤としての2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.102gを
溶解したメタクリル酸メチル472gを3時間かけて定
量ポンプより加えた。滴下終了後0.25時間加熱を継
続し重合禁止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール1.0gを加え重合を停止した。その
後室温まで冷却し、無色透明なアクリルシラップを得
た。重合の進行に伴い反応溶液の粘度が高くなり泡が発
生したが、界面に於いて直ちに破泡し、重合後期及び終
了時に於いても泡の相はみられなかった。得られたシラ
ップの重合率は40.4%で、GPCにより測定したM
wは8.0万であった。また、25℃における粘度は5
0,000mPa ・sであった。
【0028】比較例1 実施例1におけるBYK−A515を添加しない以外
は、実施例1と同様の反応を行った。重合の進行に伴
い、反応溶液の粘度上昇により泡が生じ、重合反応の進
行と共に界面より泡立ちはじめ、高さ約5mmの泡の相
ができたが重合反応を停止するまでには至らなかった。
得られたシラップの重合率は32.1%で、GPCによ
り測定したMwは10.1万であった。また、25℃に
おける粘度は5,000mPa ・sであった。
【0029】
【発明の効果】本発明により所望の特性を有するアクリ
ルシラップを安定に製造することができ、かつ得られた
シラップは成型性に優れたものであり、工業的意義は大
きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 正弘 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA05 AB01 AC03 BB01 BB02 BB07 BB11 NA18 NA25 NB02 NB04 NC02 PA30 PA69 PA76 PB40 PC02 QA01 QA03 QA06 UA01 VA01 WA01 4J026 AA45 BA27 DB26 DB29 FA04 GA06 4J100 AB00Q AG00Q AJ02Q AJ09Q AK00Q AL00Q AL03P AM01Q AM15Q AM41Q CA01 CA04 DA01 DA09 EA01 FA02 FA03 FA04 FA06 JA03 JA32 JA35 JA51 JA67

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)メタクリル酸メチルを主成分とす
    る単量体原料の20〜70重量%に、炭素数1〜30の
    脂肪族カルボン酸とグリセリンとの部分エステル化合物
    及び/又はブタジエンを主成分とする単量体から得られ
    たポリマーからなる消泡剤を添加した後、昇温し、
    (2)系内組成物の温度が沸点に達し、還流を開始した
    時点で連鎖移動剤の全量を添加し、(3)還流を維持し
    ながら、残りの単量体を該沸点での半減期が10〜30
    0秒である重合開始剤とともに0.1〜10時間かけて
    連続的又は分割して添加し、(4)添加終了後さらに加
    熱を継続し、(5)加熱終了後にヒンダードフェノール
    系重合禁止剤を加えることを特徴とするアクリルシラッ
    プの製造方法。
  2. 【請求項2】 初めに仕込む単量体と後に添加する単量
    体との合計量に対し0.0001〜0.3重量%の消泡
    剤を添加する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 連鎖移動剤が炭素数4〜20のメルカプ
    タンから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項
    1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 (A)メタクリル酸メチルを主成分とす
    る単量体39〜90重量%、(B)メタクリル酸メチル
    単位を主成分とする単量体から得られ、GPCで測定し
    た重量平均分子量が2万〜50万である重合体60〜9
    重量%、(C)炭素数4〜20のメルカプタン0.00
    05〜3.0重量%、(D)炭素数1〜30の脂肪族カ
    ルボン酸とグリセリンとの部分エステル化合物及び/又
    はブタジエンを主成分とする単量体から得られたポリマ
    ー0.0001〜0.3重量%及び(E)ヒンダードフ
    ェノール系重合禁止剤0.001〜1.0重量%(合計
    100重量%)からなり、25℃における粘度が10〜
    500,000mPa・sであることを特徴とするアク
    リルシラップ。
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