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JP2002123037A - 乾式トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

乾式トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2002123037A
JP2002123037A JP2001229675A JP2001229675A JP2002123037A JP 2002123037 A JP2002123037 A JP 2002123037A JP 2001229675 A JP2001229675 A JP 2001229675A JP 2001229675 A JP2001229675 A JP 2001229675A JP 2002123037 A JP2002123037 A JP 2002123037A
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toner
particles
circularity
magnetic
weight average
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JP4789363B2 (ja
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Katsuhisa Yamazaki
克久 山崎
Nobuyuki Okubo
信之 大久保
Tsutomu Konuma
努 小沼
Tsuneo Nakanishi
恒雄 中西
Kaori Hiratsuka
香織 平塚
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication of JP2002123037A5 publication Critical patent/JP2002123037A5/ja
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  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着器の構成に関わらず、定着器部材への付
着を防止し、高湿下及び低湿下で使用しても高い画像品
質が安定して得られ、経時において画像欠陥を生じない
乾式トナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有
するトナー粒子を有する乾式トナーにおいて、遊離した
鉄元素を有する粒子が該トナー粒子10,000個当た
り100〜350個存在し、該トナーの重量平均粒子径
が5μm〜12μmであり、かつ該トナーの3μm以上
の粒子において、下記式(1)より求められる円形度a
が0.900以上の粒子を個数基準で90個数%以上有
し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕且つカット率Z
とトナー重量平均径X、及び、円形度0.950以上の
粒子の個数基準累積値Yとトナー重量平均径Xが特定の
関係を満足することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真,静電荷像
を顕像化するための画像形成方法及びトナージェットに
使用されるトナー,該トナーを使用する画像形成方法及
び該トナーを有するプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ているごとく多数の方法が知られている。一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行っ
て、可視像とし、必要に応じて紙の如き転写材料にトナ
ーを転写させた後、熱,圧力,加熱加圧により転写材上
にトナー画像を定着して複写物又はプリントを得るもの
である。そして転写せず感光体上に残ったトナーは種々
の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返され
る。
【0003】特開昭55−18656号公報においてジ
ャンピング現像方法が提案されている。これはスリーブ
上に磁性トナーを極めて薄く塗布し、これを摩擦帯電
し、次いでこれを静電荷像に極めて近接して現像するも
のである。この方法は、磁性トナーをスリーブ上に薄く
塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を
増やし、充分な摩擦帯電を可能にしている点で優れた方
法である。
【0004】しかしながら、絶縁性磁性トナーを用いる
現像方法には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不安定
要素がある。それは、絶縁性磁性トナー中には微粉末状
の磁性体が相当量混合分散されており、該磁性体の一部
がトナー粒子から遊離、あるいは表面に露出しているた
め、磁性トナーの流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果
として磁性トナーの現像特性、耐久性の如き種々の特性
の変動あるいは劣化を引き起こすというものである。こ
れは、磁性トナー粒子の表面にトナーを構成する樹脂に
比して相対的に抵抗の低い磁性体の微粒子が存在するこ
とにより生じると考えられる。また、トナーの帯電性は
現像及び転写にも大きな影響を与えており、画質との関
連は深い。このため高い帯電量を安定して得ることが出
来る磁性トナーが待望されている。
【0005】さらに、近年このような電子写真法を用い
た機器は、オリジナル原稿を複写するための複写機以外
にも、コンピューターの出力用のプリンター、ファクシ
ミリなどにも使われ始めた。そのため、より小型、より
軽量、そしてより高速、より高信頼性が厳しく追及され
ており、機械はさまざまな点でよりシンプルな要素で構
成されるようになってきている。その結果、トナーに要
求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達
成できなければ、より優れた機械が成り立たなくなって
きている。
【0006】特開平7−230182号公報や特開平8
−286421号公報では、磁性体粉末を外添すること
で、帯電性を安定させるという提案がなされている。こ
の方法によると、確かに帯電性の安定したクリーニング
性の高いトナーが得られるが、近年要求される高速でよ
りシンプルな構成のプリンターにおいては、接触帯電部
材への付着が起こりやすいという問題点がある。
【0007】また、感光体上よりトナー像を転写材に転
写する際、感光体上には転写されずに残ったトナーが存
在する。連続した複写やプリントをおこなっても良好な
トナー像を得るためには、この感光体上の残余トナーを
クリーニングする必要がある。回収された残余トナー
は、本体内に設置した容器又は回収箱へ入れられた後に
廃棄されるか、リサイクルされる。
【0008】廃トナーレスシステムとして本体内部にリ
サイクル機構を設けた設計が必要になる。しかし、市場
で要求される複写機、プリンター及びファクシミリの多
機能化、高速化、またコピー画像の高画質化を達成する
為には、かなり大掛かりなリサイクルシステムが本体内
に必要となり、本体自体が大きくなってしまい、市場で
要求される小型化と逆行してしまう。また、本体内に設
置した容器又は回収箱へ廃トナーを収納する方式や、感
光体と上記の廃トナーを回収する部分とを一体化する方
式においても同様である。
【0009】これらに対応する為には、感光体上よりト
ナー像を転写材に転写する際の転写率を向上させること
が必要である。
【0010】特開平9−26672号公報において、平
均粒子径が0.1〜3μmの転写効率向上剤とBET比
表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉体を含
有させることで、トナーの体積抵抗を低減させ、感光体
上に転写効率向上剤が薄膜層を形成することにより転写
効率を向上させることが開示されている。しかし、粉砕
法で製造されたトナーは一般に粒度分布が広いため、す
べてのトナー粒子に均一に転写率を向上させることは難
しく、更なる改善が必要とされる。
【0011】転写効率を向上させる方法として、トナー
の形状を球形に近付ける方法が挙げられる。その方法と
して噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法といった製造方法
によるトナーが特開平3−84558号、特開平3−2
29268号、特開平4−1766号、特開平4−10
2862号公報により開示されている。しかし、これら
のトナー製造には大掛かりな設備を必要とするばかりで
なく、トナーが真球に近付くが故のクリーニング不良と
いう問題も発生しやすい。
【0012】一般にトナーの製造方法としては、転写材
にトナーを定着させる為の結着樹脂、トナーとしての色
味を出させる着色剤又は磁性体、トナー粒子に電荷を付
与させる為の荷電制御剤等を乾式混合し、しかる後、ロ
ールミル、エクストルーダーの如き混練装置にて溶融混
練し、冷却固化した後、混練物をジェット気流式粉砕
機、機械衝突式粉砕機の如き粉砕装置により微細化し、
得られた微粉砕物を風力分級機に導入して分級を行うこ
とにより、トナー粒子を得、更に、必要に応じて流動化
剤や滑剤をトナー粒子に外添する方法が挙げられる。ま
た、二成分現像剤の場合には、磁性キャリアと上記トナ
ーとで形成されている。
【0013】トナー粒子を得る為のフローの一例を図7
に示す。
【0014】トナー粗砕物は、第1分級手段に連続的又
は逐次供給され、分級された規定粒度以上の粗粒子群を
主成分とする粗粉は粉砕手段に送って粉砕された後、再
度第1分級手段に循環される。
【0015】他の規定粒径範囲内の粒子及び規定粒径以
下の粒子を主成分とするトナー微粉砕品は第2分級手段
に送られ、規定粒度を有する粒子群を主成分とする中粉
体と、規定粒度未満の粒子群を主成分とする微粉体と、
規定粒度を超える粒子群を主成分とする粗粉体とに分級
される。
【0016】粉砕手段としては、各種粉砕装置が用いら
れるが、結着樹脂を主とするトナー粗砕物の粉砕には、
図8に示す如きジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機
が用いられている。
【0017】ジェット気流の如き高圧気体を用いた衝突
式気流粉砕機は、ジェット気流で粉体原料を搬送し、加
速管の出口より噴射し、粉体原料を加速管の出口の開口
面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させ、その
衝撃力により粉体原料を粉砕する。
【0018】例えば、図9に示す衝突式気流粉砕機で
は、高圧気体供給ノズル161を接続した加速管162
の出口163に対向して衝突部材164を設け、加速管
162に供給した高圧気体により、加速管162の中途
に連通させた粉体原料供給口165から加速管162内
に粉体原料を吸引し、粉体原料を高圧気体とともに噴出
して衝突部材164の衝突面166に衝突させ、その衝
撃によって粉砕し、粉砕物を粉砕物排出口167より排
出させる。
【0019】しかしながら、上記の衝突式気流粉砕機は
粉体原料を高圧気体とともに噴出して衝突部材の衝突面
に衝突させ、その衝撃によって粉砕するという構成のた
め、粉砕されたトナーは、不定形で角張ったものとな
り、トナー粒子から離型剤や磁性体粉末の脱落が生じ易
い。
【0020】特開平2−87157号公報では、粉砕法
で製造されたトナーを機械式衝撃(ハイブリタイザー)
により粒子の形状及び表面性を改質することで転写効率
を向上させる方法が開示されている。しかし、この方法
では粉砕後に更に処理工程が入る為、トナー粒子の生産
性及びトナー粒子表面が凹凸のない状態に近付き、現像
面での改良が必要となり、好ましい方法とは言えない。
【0021】また、上記の衝突式気流粉砕で小粒径のト
ナーを生産するためには多量のエアーを必要とする。そ
のため電力消費が極めて多く、エネルギーコストという
面において問題を抱えている。特に近年、環境問題への
対応から、トナー製造装置の省エネルギー化が求められ
ている。
【0022】また、分級手段については、各種の気流式
分級機及び方法が提案されている。この中で、回転翼を
用いる分級機と可動部分を有しない分級機がある。この
うち、可動部分のない分級機として、固定壁遠心式分級
機と慣性力分級機がある。かかる慣性力を利用する分級
機が特公昭54−24745号公報、特公昭55−64
33号公報、特開昭63−101858号公報に提案さ
れている。
【0023】これらの気流式分級機は、図10に示すよ
うに、分級機室の分級域に開口部を有する供給ノズルか
ら高速で気流とともに粉体を分級域内へ噴出し、分級室
内にはコアンダブロック145に沿って流れる湾曲気流
の遠心力によって粗粉と、中粉と、微粉とに分離し、先
端の細くなったエッジ146、147により、粗粉と、
中粉と、微粉の分級を行なっている。
【0024】分級装置127では、微粉砕原料が原料供
給ノズルから導入され、角錐筒148、149内部を流
動する粉粒体は管壁に平行にまっすぐに推進力をもって
流れる傾向を有する。しかし、該原料供給ノズル中では
原料を上部から導入するとき、上部流れと下部流れに分
れて、上部流れには軽い微粉が多く含有し、下部流れに
は重い粗粉が多く含有しやすく、それぞれの粒子が独立
して流れるため、分級機内への導入部位によって、それ
ぞれ異なった軌跡を描くことや、粗粉が微粉の軌跡を撹
乱するために、分級精度の向上に限界がある。
【0025】一般に、トナーには数多くの異なった性質
が要求され、かかる要求性質を得るためには、使用する
原材料は勿論のこと、製造方法によって決まることも多
い。トナーの分級工程においては、分級された粒子がシ
ャープな粒度分布を有することが要求される。また、低
コストで効率良く安定的に品質の良いトナーを作り出す
ことが望まれる。
【0026】更には、近年、複写機やプリンターにおけ
る画質向上の為に、トナー粒子が徐々に微細化の方向に
移ってきている。一般に、物質は細かくなるに従い粒子
間力の働きが大きくなっていくが、樹脂やトナーも同様
で、微粉体サイズになると粒子同士の凝集性が大きくな
っていく。
【0027】特に重量平均径が10μm以下のシャープ
な粒度分布を有するトナーを得ようとする場合には、従
来の装置及び方法では分級収率の低下を引き起こす。更
に、重量平均径が8μm以下のシャープな粒度分布を有
するトナーを得ようとする場合には、特に従来の装置及
び方法では分級収率の低下を引き起こすだけでなく、超
微粉を多量に含有してしまう傾向がある。
【0028】従来方式の下で精緻な粒度分布を有する所
望の製品を得ることができたとしても工程が煩雑にな
り、分級収率の低下を引き起こし、生産効率が悪く、コ
スト高になる傾向がある。この傾向は、所定の粒度が小
さくなればなるほど、顕著になる。
【0029】更に、普通粒径よりも小粒径の磁性トナー
ではカブリの抑制のためトナー粒子に含有される磁性体
の量が多くなり、遊離される磁性体もそれに合わせて増
加する。そのため、高速化に対応した場合、トナーの低
温定着性が低下し、さらに現像性に関しても従来以上に
厳しい制約を受ける傾向にある。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消した乾式トナー、プロセスカートリッジ及
び画像形成方法を提供することにある。
【0031】本発明の目的は、微粒子化に対しても、良
好な現像性を維持できる乾式トナー、プロセスカートリ
ッジ及び画像形成方法を提供することにある。
【0032】本発明の目的は、廃トナーの発生が少な
い、高転写効率の乾式トナー、プロセスカートリッジ及
び画像形成方法を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂及び磁性酸化鉄を有するトナー粒子を有する乾式
トナーにおいて、遊離した鉄元素を有する粒子が該トナ
ー粒子10,000個当たり100〜350個存在し、
該トナーの重量平均粒子径が5μm〜12μmであり、
かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
(1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
を個数基準で90個数%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
/μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]ことを特徴とする乾式トナーに関する。
【0034】さらに、本発明は、静電荷像保持体に静電
荷像を形成し、静電荷像を現像手段に保有されている乾
式トナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナ
ー像を中間転写剤を介して、又は、介さずに転写材へ転
写し、転写材上のトナー像を加熱加圧定着手段によって
転写材に定着する画像形成方法であり、該トナーは、少
なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有するトナー粒子を
有し、遊離した鉄元素を有する粒子が該トナー粒子1
0,000個当たり100〜350個存在し、該トナー
の重量平均粒子径が5μm〜12μmであり、かつ該ト
ナーの3μm以上の粒子において、下記式(1)より求
められる円形度aが0.900以上の粒子を個数基準で
90個数%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
/μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]ことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0035】さらに、本発明は、静電荷像担持体と、該
静電荷像担持体に形成された静電荷像を乾式トナーで現
像するための現像手段と、乾式トナーを保有するための
容器とを少なくとも有し、該静電荷像担持体と該現像手
段と容器とは一体に支持されている構成を有するプロセ
スカートリッジであり、該プロセスカートリッジは、画
像形成装置本体に着脱可能であり、該トナーは、少なく
とも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有するトナー粒子を有
し、遊離した鉄元素を有する粒子が該トナー粒子10,
000個当たり100〜350個存在し、該トナーの重
量平均粒子径が5μm〜12μmであり、かつ該トナー
の3μm以上の粒子において、下記式(1)より求めら
れる円形度aが0.900以上の粒子を個数基準で90
個数%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
/μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]ことを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明者らは、粉砕法により製造
されるトナー中の遊離磁性体の量、形状及びトナー構成
材料に関して検討を進め、トナー中の遊離磁性体量、さ
らには形状と転写性及び現像性には密接な関係があるこ
とを見出した。
【0037】本発明のトナーは、定着性を損なうことな
く転写効率が向上し、高湿下及び低湿下で使用しても高
い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を
生じないということを見出した。
【0038】本発明の乾式トナーは、少なくとも結着樹
脂及び磁性酸化鉄を含有しており、遊離した鉄元素を有
する粒子が該トナー粒子10,000個当たり100〜
350,好ましくは100〜300個、好ましくは12
0〜250個、更に好ましくは120〜200個である
ことが良い。
【0039】遊離した鉄元素を有する粒子の個数が30
0個より多い場合、トナーのチャージのリークが遊離し
た該粒子をとおして起こり易くなり、結果としてトナー
の帯電量が低下してしまう。また、帯電量の低いトナー
はカブリの増加を招くとともに、転写効率が低く、帯電
不良を引き起こすため現像性に悪影響が出る。さらに、
トナー担持体へのトナーの付着が増加し、摩擦帯電、帯
電付与能を阻害し帯電不良を引き起こし、結果として現
像性に悪影響が出る。一方、遊離した鉄元素を有する粒
子の個数が100個よりも少ない場合、トナー中の磁性
酸化鉄粒子は実質遊離していないことを示す。このよう
に遊離がほとんどないトナーは高い帯電量を有するもの
の、高速機による多数枚の画出し、特に低温,低湿下で
の多数枚の画出しによってチャージアップが生じやす
く、その結果画像濃度が低下しやすい。遊離した鉄元素
を有する粒子の個数が100〜300個の範囲に制御す
ることで、帯電コントロールが容易で帯電の均一化と帯
電の耐久安定性のあるトナーが得られる。
【0040】次に本発明における遊離した鉄元素を有す
る粒子の個数の測定方法について述べる。
【0041】ここで、「遊離した鉄元素を有する粒子の
個数」とはパーティクルアナライザー(PT1000:
横河電機(株)製)により測定したものであり、パーテ
ィクルアナライザーはJapan Hardcopy9
7論文集の65〜68頁に記載の原理で測定を行う。具
体的には、該装置はトナーの微粒子を一個ずつプラズマ
へ導入し、微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、
粒子数、粒子の粒径を知ることが出来る装置である。例
えば、トナー粒子をプラズマに導入した場合を考える
が、プラズマに導入した際に、トナー1粒子に対して、
結着樹脂の構成元素である炭素の発光と磁性酸化鉄粒子
中の鉄原子の発光がそれぞれ観察される。1個のトナー
粒子につき1個の発光が得られるので、発光の回数から
トナー粒子の個数を求めることが出来る。その時、炭素
原子の発光から、2.6msec以内に発光した鉄原子
を同時発光した鉄原子とし、それ以降の鉄原子の発光は
鉄原子のみの発光とした。
【0042】本発明のトナーは磁性酸化鉄粒子を含有し
ているため、炭素原子と鉄原子が同時に発光するという
ことはトナー粒子中に磁性酸化鉄粒子が分散しているこ
とを意味し、鉄原子のみの発光は、磁性酸化鉄粒子がト
ナー粒子から遊離していると言える。具体的な方法とし
ては、温度23℃,湿度60%の環境下で一晩放置する
ことで調湿したトナーサンプルを上記環境下で0.1%
酸素含有のヘリウムガスを用いて測定する。チャンネル
1で炭素原子(測定波長247.86nm,Kファクタ
ーは推奨値を使用)、チャンネル2で鉄原子(測定波長
239.56nm,Kファクター3.3764)を測定
し、1回のスキャンで炭素原子の発光数が1000〜1
400個となるようにサンプリングを行い、炭素原子の
発光数が総数で10000以上となるまでスキャンを繰
り返し、発光数を積算する。この時、元素の発光個数を
縦軸に粒子の粒径を表す三乗根電圧を横軸にとった粒度
分布曲線が極大をひとつ持ち、さらに谷が存在しない分
布曲線であることが重要である。そして、その時の鉄原
子のみの発光数をカウントすることで遊離した鉄元素を
有する粒子の個数とした。また、このときのノイズカッ
トレベルは1.50Vとする。また、トナー中に含まれ
る荷電制御剤であるアゾ系の鉄化合物にも鉄原子が含ま
れている場合もあるが、これらの制御剤は有機金属化合
物であるため、鉄原子のみの発光はありえない。
【0043】さらに、荷電制御剤が遊離した場合も考え
られるが、トナー粒子中の結着樹脂、磁性酸化鉄粒子の
添加量に比べて、1〜3%と非常に少ないため無視する
ことができる。従って、本装置で測定した炭素原子及び
鉄原子の発光は、結着樹脂、磁性酸化鉄粒子のみの発光
であると考えることが出来る。
【0044】また、本発明のトナーは例えば後述する製
法でトナーを製造することにより、3μm以上のトナー
粒子の円形度及び遊離した磁性酸化鉄粒子の個数を10
0〜300個の範囲に制御することができる。
【0045】本発明における平均円形度は、粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置
FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒
子の円形度を下式(1)により求め、更に下式(8)で
示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数
で除した値を平均円形度と定義する。
【0046】 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0047】
【数1】
【0048】
【0049】
【数2】
【0050】本発明に用いている円形度はトナー粒子の
凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合
1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小
さな値となる。また、本発明における円形度分布のSD
は、バラツキの指標であり、数値が小さいほどトナー形
状のバラツキが小さいことを表す。
【0051】本発明で用いている測定装置である「FP
IA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円
形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円
形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を61分割
したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均
円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いて
いる。しかしながら、この算出法で算出される平均円形
度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形
度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及
び円形度標準偏差の誤差は、非常に少なく、実質的には
無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の
短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上
の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式
の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用い
ても良い。
【0052】従来より、トナー形状がトナーの諸特性に
影響を与えることが知られているが、本発明者らは、種
々の検討によって3μm以上のトナーの形状と遊離した
磁性酸化鉄粒子の量が転写性、現像性に大きく影響を与
えていることを見出した。また、本発明者らは3μm未
満の円相当径の粒子群がある一定量を超えると転写性、
現像性を低下させる要因となることも見出した。粒径3
μm未満のトナーの微粉や粒径3μm未満の外添剤があ
る量以上になった場合、粒径3μm以上のトナーの円形
度をより高くしないと所望の性能を得にくいことが明ら
かとなった。
【0053】従って、本発明では、3μm以上の円相当
径の粒子群についての円形度が本発明の効果を発現する
ために重要であるが、本発明において転写性と現像性に
大きく影響を与える3μm以上のトナー粒子の円形度の
作用をより効果的に発揮するためには、以下のように3
μm以下の微粉の存在量により3μm以上のトナー粒子
の円形度を制御する必要がある。
【0054】3μm以下の微粉の存在量により3μm以
上のトナー粒子の円形度を制御することで、転写性,現
像性の優れたトナーを得ることができる。
【0055】FPIA−1000における円形度の測定
においては、粒子径が小さくなるほど粒子像は点に近似
するため、円形度は大きくなる傾向を示す。このため、
粒子径が小さい粒子がトナー中に多量に存在すると、ト
ナーの円形度は大きくなる。逆に、粒子径が小さい粒子
がトナー中に少量しか存在しない場合、トナーの円形度
は小さくなってしまう。そこで、下記式(3)により計
算されたように全測定粒子の粒子濃度に対する3μm以
上の円相当径の粒子群の粒子濃度の割合を100%から
差し引くことにより求めることで表されるカット率Z
と、重量平均粒子径Xとの関係を式(2)または式
(5)の2つに場合分けし、それぞれの場合における、
所望の性能を満足するのに必要なトナーの円形度と重量
平均粒子径との関係を、式(4)または式(6)のよう
に導いた。
【0056】 カット率Z=(1−B/A)×100 (3) [式中、Aは全測定粒子の粒子濃度を示し、Bは3μm
以上の円相当径の粒子群の粒子濃度を示す]
【0057】3μm未満の粒子を少量含有するトナーに
おいては、3μm以上の粒子において、円形度が0.9
50以上の粒子の個数基準の累積値Yは、重量平均径X
に対して、exp5.51×X-0.645(≒247.15
1×X-0.645)以上であれば良いが、3μm未満の粒子
を多量に含有するトナーにおいては、3μm以上の粒子
において、円形度が0.950以上の粒子の個数基準の
累積値Yは、重量平均径Xに対して、より大きめのex
p5.37×X-0.545以上にする必要がある。
【0058】本発明のトナーは該トナーの3μm以上の
粒子における円形度aが0.900以上の粒子を個数基
準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度aが0.9
50以上の粒子が個数基準の累積値で、a)カット率Z
とトナー重量平均径Xの関係がカット率Z≦5.3×X
(好ましくは0<カット率Z≦5.3×X)の式を満た
す場合、個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645
を満足することが好ましい。
【0059】或いは、本発明のトナーは該トナーの3μ
m以上の粒子における円形度aが0.900以上の粒子
を個数基準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度a
が0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、b)カ
ット率Zとトナー重量平均径Xの関係がカット率Z>
5.3×X(好ましくは95≧カット率Z>5.3×
X)の式を満たす場合、個数基準累積値Y≧exp5.
37×X-0.545を満足することが好ましい。[但し、カ
ット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置F
PIA−1000で測定される全測定粒子の粒子濃度A
(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B
(個数/μl)とした時、式(3)で表され、 Z=(1−B/A)×100 (3) トナー重量平均粒子径Xは5.0〜12.0μmであ
る。]
【0060】このような円形度をトナーが有する場合、
トナーは帯電コントロールが容易で帯電の均一化と帯電
の耐久安定性を達成できる。さらに、上記のような円形
度を有する場合、転写効率が高くなることが判明した。
これは、上述されたような円形度を有するトナーの場
合、トナー粒子と感光体との接触面積が小さくなりファ
ンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光体への
付着力が低下するためであると考えられる。さらに、従
来の衝突式気流粉砕機によって粉砕されたトナーと比較
して、この様なトナー粒子は比表面積が小さいので、ト
ナー粒子間の接触面積が減少し、トナー粉体の嵩密度は
密となり、定着時の熱伝導を良くすることができ定着性
向上の効果も得ることが出来る。
【0061】さらに該トナーの3μm以上の粒子におけ
る円形度aが0.900以上の粒子の存在が個数基準の
累積値で90%未満となる場合には、トナーのチャージ
のリークが遊離した磁性酸化鉄粒子をとおして起こり易
くなり、遊離磁性酸化鉄粒子の量を制御しても結果とし
てトナーの帯電量が低下してしまうことがある。また、
トナー粒子と感光体との接触面積が大きくなり、トナー
粒子の感光体への付着力が増すため、十分な転写効率を
得にくくなる。
【0062】また、該トナーの3μm以上の粒子におけ
る円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値
で、a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係がカッ
ト率Z≦5.3×X(好ましくは0<カット率Z≦5.
3×X)の式を満たし、個数基準累積値Y≧exp5.
51×X-0.645を満足しない場合、即ち、個数基準累積
値Y<exp5.51×X-0.645を満足するような場
合;或いは、該トナーの3μm以上の粒子における円形
度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、b
>カット率Zとトナー重量平均径Xの関係がカット率Z
>5.3×X(好ましくは95≧カット率Z>5.3×
X)の式を満たし、個数基準累積値Y≧exp5.37
×X-0.545を満足しない場合、例えば、個数基準累積値
Y<exp5.37×X-0.545を満足するような場合に
は、十分な転写効率が得られないだけでなくトナーの流
動性も低下する傾向であり、さらには所望の定着性能も
得にくいものである。
【0063】また、特定の円形度を有するトナーを製造
する場合、重量平均径が5〜12μmであることが好ま
しい。
【0064】更に好ましくは、重量平均径が5〜10μ
mであり、粒径4.0μm以下の粒子が40個数%以下
であり、粒径10.1μm以上の粒子が25体積%以下
であるトナーであることがよい。
【0065】重量平均径が12μmを上回るトナーを得
る場合には、粉砕機内での負荷を極力減らすか、処理量
を多くすることで粒径的には対応可能であるが、形状は
角張ったものとなり、所望の円形度にすることは難し
く、更に所望の円形度分布にすることは難しくなる。
【0066】重量平均径が5μmを下回るトナーを得る
場合には、粉砕機内での負荷を増大させるか、処理量を
極端に少なくすることで対応は可能であるが、形状は球
形に近似し所望の円形度にすることは難しく、更に所望
の円形度分布にすることは難しくなるばかりでなく、微
粉、超微粉の発生を押さえ切れなくなる。
【0067】本発明のトナーは該トナーの3μm以上の
粒子における円形度aが0.900以上の粒子を個数基
準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度aが0.9
50以上の粒子が個数基準の累積値で、a)カット率Z
とトナー重量平均径Xの関係がカット率Z≦5.3×X
(好ましくは0<カット率Z≦5.3×X)の式を満た
す場合 個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645を満足す
ることを特徴とし、より好ましくは個数基準累積値ex
p4.85×X-0.187≧Y<exp5.51×X-0.645
である。或いは、本発明のトナーは該トナーの3μm以
上の粒子における円形度aが0.950以上の粒子が個
数基準の累積値で、b)カット率Zとトナー重量平均径
Xの関係がカット率Z>5.3×X(好ましくは95≧
カット率Z>5.3×X)の式を満たす場合、個数基準
累積値exp4.85×X-0.187≧Y≧exp5.37
×X-0.545である。このような円形度を有する場合、帯
電コントロールが容易で帯電の均一化と帯電の耐久安定
性のあるトナーを得ることができる。さらに、上記のよ
うな円形度を有する場合、転写効率を高くすることがで
きる。これは上述されたような円形度を有するトナーの
場合、トナー粒子と感光体との接触面積が小さくなりフ
ァンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光体へ
の付着力が低下するためであると考えられる。さらに、
従来の衝突式気流粉砕機によって粉砕されたトナーと比
較して、トナー粒子の比表面積が低減されているため、
トナー粒子間の接触面積が減少し、トナー粉体の嵩密度
は密となり、定着時の熱伝導を良くすることができ定着
性向上の効果も得ることが出来る。
【0068】粒径4.0μm以下の粒子が40個数%を
超えるトナーを得る場合も、粉砕機内での負荷を増大さ
せるか、処理量を極端に少なくすることで対応は可能で
あるが、形状は球形に近似し所望の円形度にすることは
難しく、更に所望の円形度分布にすることは難しくな
る。
【0069】粒径10.1μm以上の粒子が25体積%
を超えるトナーを得る場合、粉砕機内での負荷を極力減
らすか、処理量を多くすることで粒径的には対応可能で
あるが、形状は角張ったものとなり、所望の円形度にす
ることは難しく、更に所望の円形度分布にすることは難
しくなる。
【0070】このような各円形度を有する粒子のバラツ
キの一つの目安として、円形度標準偏差SDを用いるこ
ともできる。本発明においては円形度標準偏差SDが
0.030乃至0.045であれば問題は無い。
【0071】具体的な測定方法としては、予め容器中の
不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤とし
て界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン
酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.
1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音
波(50kHz,120W)を1〜3分間照射し、分散
液濃度を1.2〜2.0万個/μlとして、上記フロー
式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.2
1μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定
する。分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとするこ
とで、カット率が大きくなった場合でも装置の精度が保
てるだけの粒子濃度を維持することができる。
【0072】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されている。以下に測定方法を説明
する。
【0073】試料分散液は、フラットで扁平なフローセ
ル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広が
っている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交
差して通過する光路を形成するように、ストロボとCC
Dカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置
するように装着される。試料分散液が流れている間に、
ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得る
ために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれ
の粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元
画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の
面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径とし
て算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及
び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒
子の円形度を算出する。
【0074】次に、本発明のトナーに使用される結着樹
脂に関して説明する。
【0075】本発明で用いられる結着樹脂の酸価は1〜
100mgKOH/gであることが好ましく、さらに好
ましくは1〜50mgKOH/gが良く、特には2〜4
0mgKOH/gであることが好ましい。
【0076】このような酸価の範囲を有しない場合、ト
ナー製造時の混練工程においてトナー原材料、特に磁性
酸化鉄粒子の分散状態が悪化し、粉砕工程において遊離
磁性酸化鉄粒子が増加しやすい。
【0077】結着樹脂の酸価が1mgKOH/g未満の
場合は、トナー粒子の帯電性が低下し、現像性や耐久安
定性を低下させる。一方、100mgKOH/gを超え
る場合は結着樹脂の吸湿性が強くなり、画像濃度が低下
し、カブリが増加する傾向がある。
【0078】本発明において、結着樹脂の酸価は以下の
方法により求める。
【0079】酸価の測定 基本操作はJIS K−0070に準ずる。 1)結着樹脂の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、
結着樹脂の重さW(g)とする。 2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン
/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え
溶解する。 3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電
位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式
会社製の電位差滴定装置AT−400(win wor
kstation)とABP−410電動ビュレットを
用いての自動滴定が利用できる。) 4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時
にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB
(ml)とする。 5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクタ
ーである。
【0080】酸価(mgKOH/g)=((S−B)×
f×5.61)/W
【0081】結着樹脂としては、カルボキシル基又は酸
無水物基を有するビニル系重合体、ポリエステル樹脂等
を用いることができる。
【0082】結着樹脂として使用するビニル系重合体を
生成するためのモノマーとして以下のものが挙げられ
る。
【0083】例えば、マレイン酸、シトラコン酸、ジメ
チルマレイン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フ
マル酸、メタコン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二
塩基酸及びそれらの無水物。更に上記不飽和二塩基酸の
モノエステル。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸及びこれらの
無水物;上記α,β−不飽和二塩基酸と上記α,β−不
飽和モノ酸との無水物及び、上記不飽和酸と低級脂肪酸
との無水物。アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル
酸、アルケニルアジピン酸及びこれらの無水物及びこれ
らのモノエステル。これらの中でも、マレイン酸、マレ
イン酸ハーフエステル、マレイン酸無水物が本発明の結
着樹脂を得るモノマーとして特に好ましく用いられる。
【0084】更にビニル重合体を生成するためのコモノ
マーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0085】例えばスチレン;o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフ
ィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハ
ロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
の如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸
誘導体もしくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不
飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類。これらの
ビニル系モノマが単独もしくは2つ以上で用いられる。
【0086】これらの中でも、スチレン系共重合体、ス
チレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組
み合わせが好ましい。
【0087】また架橋性モノマーとしては、主として2
個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いら
れる。
【0088】本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応
じて以下に例示する様な架橋性モノマーで架橋された重
合体であってもよい。
【0089】芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコ
ールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメ
タアクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むア
ルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたもの);芳香
族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレー
ト化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,
2−ビス(4−ヒドロキジフェニル)プロパンジアクリ
レート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4
−ヒドロキジフェニル)プロパンジアクリレート及び、
以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代え
たもの);ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例
えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアク
リレート及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリ
レートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリア
リルトリメリテートが挙げられる。
【0090】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、0.01〜5質量部程度(更に好ま
しくは0.03〜3質量部程度)用いることが好まし
い。
【0091】剤の種類及びビニル系モノマーを重合する
ための重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシ
ド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t
−ブチルパーオキシドの如き有機過酸化物;アゾビスイ
ソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼンの如きア
ゾ及びジアゾ化合物が挙げられる。
【0092】結着樹脂を合成する方法としては、塊状重
合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法が利用でき
る。
【0093】本発明のトナーはTHF可溶分のGPCに
よる分子量分布で分子量2,000〜25,000の領
域にメインピークを有していることが好ましく、より好
ましくは分子量5,000〜20,000の領域にメイ
ンピークが存在しているものが良い。さらに、THFの
可溶分は分子量100000以下の成分が50〜90%
であるトナーが好ましい。メインピークの分子量が20
00未満の場合、トナーとして適度な弾性を持てなくな
るため、定着性は向上するもののトナーとしての耐久性
が低下する。従って、耐久後半になるに従って、トナー
粒子中からの磁性酸化鉄粒子の欠落が生じやすくなり、
その結果耐久後半に現像性が低下しやすい。又、メイン
ピークの分子量が2000未満であるとトナーの保存安
定性も低下する。メインピークの分子量が25,000
より大きい場合、定着性が低下する。
【0094】このように、トナーのTHF可溶分のGP
Cによる分子量分布において、この様なピークを有する
トナーは定着性、耐オフセット及び保存安定性がバラン
スよく保たれる。
【0095】所望の分子量分布を持つトナーを製造する
ためには、結着樹脂は分子量が2,000〜25,00
0の領域にメインピークを有していることが好ましい。
【0096】分子量分布において、この様なピークを有
しない場合、樹脂として適度な弾性を持てなくなるた
め、トナー製造時の溶融混練時に混練シェアをかけるこ
とができず、原材料の分散性が低下し、粉砕工程におい
て、磁性酸化鉄粒子のトナー粒子からの遊離が生じ易く
なる。さらに、原材料の分散性が低下することで、定着
性及び耐久安定性ともに低下する。
【0097】本発明において、トナー及び結着樹脂のT
HF可溶成分のTHFを溶媒としたGPCによる分子量
分布は次の条件で測定される。
【0098】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF
を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100
μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては
試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標
準試料により作成された検量線の体数値とカウント値と
の関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン
試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製
の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも
10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当で
ある。検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。カラム
としては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み
合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex
GPCKF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社
製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000
H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(H
XL)、G5000H(H XL)、G6000H(HXL)、
G7000H(HXL)、TSKgurd column
の組み合せを挙げることができる。
【0099】試料は以下のようにして作製する。
【0100】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無
くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時TH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜
0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2
(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものを
GPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.
5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0101】トナーは、トナーの保存安定性の観点か
ら、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃、好ましく
は50〜70℃であり、トナーのTgが45℃より低い
と高温雰囲気下でトナーが劣化し易く、又、定着時にオ
フセットが発生し易くなる。又、トナーのTgが75℃
を超えると、定着性が低下する傾向にある。
【0102】次に、磁性酸化鉄粒子について説明する。
【0103】本発明に用いられる磁性酸化鉄粒子として
は、その表面に鉄あるいは異種元素の酸化物あるいは水
酸化物を含有するマグネタイト,マグヘマイト,フェラ
イトの如き磁性酸化鉄及びその混合物が挙げられる。こ
のように、磁性酸化鉄粒子の表面に酸化物あるいは水酸
化物を、好ましくは非鉄元素の酸化物あるいは水酸化物
を含有することで、結着樹脂に対し馴染みが良く、非常
に分散性が良くなるため、トナー粒子の製造時の粉砕工
程において遊離磁性酸化鉄粒子を生じにくく、結果とし
て、転写効率が向上し、高湿下及び低湿下で使用しても
高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥
を生じないトナーを得ることができ、また、遊離磁性酸
化鉄粒子の帯電コントロールにも貢献している。中でも
リチウム,ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミ
ニウム,シリコン,リン,ゲルマニウム,チタン,ジル
コニウム,錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,スカ
ンジウム,バナジウム,クロム,マンガン,コバルト,
銅,ニッケル,ガリウム,カドミウム,インジウム,
銀,パラジウム,金,水銀,白金,タングステン,モリ
ブデン,ニオブ,オスミウム,ストロンチウム,イット
リウム,テクネチウム,ルテニウム,ロジウム,ビスマ
スから選ばれる少なくとも一つ以上の元素の酸化物ある
いは水酸化物を含有する磁性酸化鉄粒子であることが好
ましい。
【0104】本発明において、磁性酸化鉄粒子表面の鉄
あるいは異種元素の酸化物あるいは水酸化物の存在量は
磁性酸化鉄粒子の疎水化度で表すことができ、疎水化度
が20%以下の磁性酸化鉄粒子であれば、上記性能を維
持できるだけの鉄あるいは異種元素の酸化物あるいは水
酸化物がその表面に存在しているといえる。
【0105】本発明における磁性酸化鉄粒子の疎水化度
とは以下の方法によって測定されたものである。
【0106】磁性酸化鉄粒子の疎水化度の測定は、メタ
ノール滴定試験により行った。メタノールを用いた疎水
化度測定は次のように行う。磁性酸化鉄粒子0.1gを
蒸留水50mlを入れた容量250mlのビーカーに添
加する。その後メタノールを液中に液底部より1.3m
l/minの速度で供給する。この際、溶液を緩やかに
撹拌しながら供給することが好ましい。磁性酸化鉄粒子
の沈降終了は、液面に磁性酸化鉄粒子の浮遊物が確認さ
れなくなった時点とし、疎水化度は、沈降終了時点に達
した際のメタノール及び水混合液中のメタノールの体積
百分率として表される。
【0107】これらの磁性酸化鉄粒子は粒度分布が揃っ
ていると、結着樹脂への分散性が向上し、トナーの帯電
性を安定化することができる。また近年はトナー粒径の
小径化が進んでおり、重量平均粒径10μm以下のよう
な場合でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も
軽減され、画像濃度の向上やカブリが改善され、現像性
が向上する。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナー
においてはその効果は顕著であり、きわめて高精細な画
像が得られる。重量平均粒径は5μm以上である方が十
分な画像濃度が得られて好ましい。
【0108】これらの異種元素の含有率は磁性酸化鉄粒
子の鉄元素を基準として0.05〜10質量%であるこ
とが好ましい。更に好ましくは0.1〜7質量%であ
り、特に好ましくは0.2〜5質量%、更には0.3〜
4質量%である。0.05質量%より少ないと、これら
元素の含有効果が得られなく、良好な分散性や帯電均一
性が得られなくなる。また、10質量%より多くなる
と、電荷の放出が多くなり帯電不足を生じ、画像濃度が
低くなったり、カブリが増加することがある。
【0109】また、これら異種元素の含有分布におい
て、磁性体粒子の表面に近い方に多く存在しているもの
が好ましい。例えば、磁性酸化鉄粒子の鉄元素溶解率が
20質量%までに存在する異種元素の含有量Bと該磁性
酸化鉄粒子の異種元素の全含有量Aとの比(B/A)×
100が40%以上であることが好ましい。さらには4
0〜80%が好ましく、60〜80%が特に好ましい。
表面存在量を多くすることにより分散効果や電気的拡散
効果を、より向上させることが出来る。また、トナー粒
子中に含有される量としては結着樹脂100質量部に対
して、20〜200質量部、特に好ましくは結着樹脂1
00質量部に対して40〜150質量部が良い。
【0110】本発明のトナーは、磁性酸化鉄粒子のケイ
素元素の含有率が鉄元素を基準にして、0.4〜2.0
質量%(より好ましくは、0.5〜0.9質量%)であ
り、かつ該磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe/Si
の原子比が1.2〜7.0、より好ましくは1.2〜
4.0であることが好ましい。
【0111】磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe/S
iの原子比は、X線光電子分光法(XPS)によって測
定する。
【0112】ケイ素元素の含有率が0.4質量%より少
なくまたはFe/Si原子比が7.0を超える場合に
は、磁性トナーへの改善効果、特に磁性トナーの流動性
の改善の程度が低い。ケイ素元素の含有率が2.0質量
%より多くまたはFe/Si原子比が1.2未満の場合
には、環境特性、特に高湿度下における長期放置におい
て、帯電性が低下する。さらには、磁性トナーの耐久性
や結着樹脂への磁性酸化鉄粒子の分散性も低下し、粉砕
時にトナーからの磁性酸化鉄粒子の遊離を引き起こす原
因となる。
【0113】磁性酸化鉄粒子の最表面のケイ素原子量
は、磁性酸化鉄粒子の流動性及び吸水性と相関性があ
り、該磁性酸化鉄粒子を含有した磁性トナーのトナー物
性に影響を与える。
【0114】さらに好ましくは、磁性酸化鉄粒子の平滑
度が0.3〜0.8、好ましくは0.45〜0.7、よ
り好ましくは0.5〜0.7を満足することである。平
滑度は、磁性酸化鉄粒子の表面の細孔の量に関係し、平
滑度が0.3未満の場合、磁性酸化鉄の表面の細孔が多
く存在し、水の吸着が促進される。このように、吸着水
が脱着しにくい吸着サイトが、より多く存在すること
で、該磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーにおいて、
特に高湿下の長期放置において帯電特性が低下し、さら
には帯電特性の回復が遅くなる。
【0115】さらに好ましくは、該磁性酸化鉄粒子の嵩
密度が0.8g/cm3以上、好ましくは1.0g/c
3以上を満足することである。
【0116】磁性酸化鉄粒子の嵩密度が0.8g/cm
3未満の場合、トナー製造時における他のトナー材料と
の物理的混合性が低下し、磁性酸化鉄粒子の分散性が低
下し製造時のトナー粒子からの磁性酸化鉄粒子の遊離を
引き起こしやすい。
【0117】さらに好ましくは、該磁性酸化鉄粒子のB
ET比表面積が15.0m2/g以下、好ましくは1
2.0m2/g以下を満足することである。磁性酸化鉄
粒子のBET比表面積が15.0m2/gを超える場
合、磁性酸化鉄粒子の水分吸着性が増加し、該磁性酸化
鉄粒子を含有した磁性トナーの吸湿性が高くなり帯電性
が低下する。
【0118】さらに本発明に使用される磁性酸化鉄粒子
は、アルミニウム元素に換算して0.01〜2.0質量
%(より好ましくは、0.05〜1.0質量%)のアル
ミニウム水酸化物等のアルミニウム化合物で処理されて
いることが好ましい。
【0119】理由は明らかではないが、アルミニウム化
合物で磁性酸化鉄粒子表面の処理を行うことにより、よ
り磁性トナーの帯電安定化することが可能であることが
確認された。
【0120】さらに、本発明に使用される磁性酸化鉄粒
子の最表面における、Fe/Al原子比が0.3〜1
0.0(より好ましくは0.3〜5.0、さらに好まし
くは0.3〜2.0)であることが好ましい。磁性酸化
鉄粒子の最表面におけるFe/Al原子比が0.3〜1
0.0であると、高湿下においてもトナーの帯電特性を
良好に維持できる。
【0121】さらに本発明に使用される磁性酸化鉄粒子
は、平均粒径が0.1〜0.4μm、好ましくは0.1
〜0.3μmを有していることが好ましい。
【0122】本発明における各種物性データの測定法を
以下に詳述する。
【0123】(1)磁性トナーの粒度分布 磁性トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
う。測定装置としては、コールターマルチサイザーII
E(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナ
トリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。
例えば、ISOTON(R)−II(コールターサイエ
ンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法
としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料
を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音
波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置
により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを
用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と
個数分布とを算出する。このとき、測定されたデータは
粒径1.59〜64.0μmを256分割したチャンネ
ルで得られる。その256chで得られたデータを16
分割で処理し、本発明に係るところの体積分布から求め
た重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中
央値をチャンネル毎の代表値とする)、個数分布から求
めた個数基準の個数平均粒径(D1)、及び体積分布か
ら求めた重量基準の粗粉量(10.1μm以上)、個数
分布から求めた個数基準の微粉個数(4.00μm以
下)を求める。
【0124】(2)磁性トナーの個数粒度分布における
ピーク粒度xに対する半値幅y 上記磁性トナーの粒度分布で測定したコールターマルチ
サイザーIIE(コールター社製)において得られた2
56chの粒度分布(図23参照)からピーク粒度xの
時の頻度%Aを算出する。
【0125】ピーク粒度xにおける頻度%Aが半値A/
2をとる粒度を粒度分布から算出し、x1,x2とす
る。
【0126】このとき半値幅y=x2−x1で求めるこ
とが出来る。
【0127】コールターカウンターによって256ch
で測定された個数基準の粒度分布において、ピーク粒度
Xに対する半値幅Yの関係が 2.06x−9.113≦y≦2.06x−7.341 (7) を満足することがよい。
【0128】コールターカウンターによって256ch
で測定された個数基準の粒度分布において、ピーク粒度
Xに対する半値幅Yの関係がY>2.06X−7.34
1の場合、このトナーはピーク粒度Xの累積個数に比べ
他の粒度の累積個数が多い、いわゆる粒度分布のブロー
ドなトナーであることを意味する。このようなトナーの
場合、トナーの帯電分布にばらつきが生じ現像性、特に
耐久性が悪化する。又、コールターカウンターによって
256chで測定された個数基準の粒度分布において、
ピーク粒度Xに対する半値幅Yの関係がY<2.06X
−9.113の場合、このトナーは粒度分布が非常にシ
ャープであることを意味する。粒度分布のシャープなト
ナーを得る場合には分級工程で微粉体と粗粉体を大幅に
カットすれば製造することは可能ではあるが、所望の粒
度分布をもつトナーの収率が低くなり製造上現実的とは
いえない。
【0129】(3)Fe/Si原子比、Fe/Al原子
比 磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe/Si原子比なら
びにFe/Al原子比は、XPS測定により求める。そ
の条件は、 XPS測定装置:VG社製ESCALAB,200−X
型 X線光電子分光装置 X線源:Mg Kα(300W) 分析領域:2×3mm とする。
【0130】(4)嵩密度 磁性酸化鉄粒子の嵩密度は、JIS−K−5101の顔
料試験法に準じて測定する。
【0131】(5)平滑度 磁性酸化鉄粒子の平滑度Dは次のように求める。
【0132】
【数3】
【0133】(6)BET比表面積 磁性酸化鉄粒子のBET比表面積の測定は次のようにし
て行う。
【0134】BET比表面積は、湯浅アイオニクス
(株)製、全自動ガス吸着量測定装置:オートソープ1
を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により
求める。サンプルの前処理としては、50℃で10時間
の脱気を行う。
【0135】(7)磁性酸化鉄粒子の平均粒径及び表面
積 平均粒径の測定及び磁性酸化鉄粒子の表面積の算出は次
のように行う。
【0136】磁性酸化鉄粒子の透過型電子顕微鏡写真を
撮影し、4万倍に拡大したものにつき、任意に250個
選定後、投影径の中のMartin径(定方向に投影面
積を2等分する線分の長さ)を測定し、これを個数平均
径で表す。
【0137】表面積の算出には磁性酸化鉄を平均粒径を
直径とした球形と仮定し、通常の方法で磁性酸化鉄の密
度を測定し表面積の値を求める。
【0138】
【数4】
【0139】(8)異種元素量 本発明の磁性酸化鉄粒子中の異種元素量は、蛍光X線分
析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)製)
を使用し、JIS K0119「けい光X線分析通則」
に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定する。
【0140】異種元素を有する磁性酸化鉄粒子は、例え
ば、ケイ素元素である場合は下記方法で製造される。
【0141】第一鉄塩水溶液と、該第一鉄水溶液中のF
2+に対し0.90〜0.99当量の水酸化アルカリ水
溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含
む第一鉄塩反応水溶液に、酸素含有ガスを通気すること
によりマグネタイト粒子を生成させるにあたり、前記水
酸化アルカリ水溶液または前記水酸化第一鉄コロイドを
含む第一鉄塩のいずれかに、あらかじめ水可溶性ケイ酸
塩を鉄元素に対してケイ素元素換算で、全含有量(0.
4〜2.0質量%)の50〜99%を添加し、85〜1
00℃の温度範囲で加熱しながら、酸素含有ガスを通気
して酸化反応することにより、前記水酸化第一鉄コロイ
ドからケイ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成させ
る。その後、酸化反応終了後の懸濁液中に残存するFe
2+に対して1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液及
び残りの水可溶性ケイ酸塩〔全含有量(0.4〜2.0
質量%)の1〜50%〕を添加してさらに85〜100
℃の温度範囲で加熱しながら、酸化反応してケイ素元素
を含有した磁性酸化鉄粒子を生成させる。他の元素の場
合は同様な方法で相当する元素の水溶塩を用いることで
得られる。
【0142】次いで、アルミニウム水酸化物で処理する
場合は、磁性酸化鉄粒子が生成しているアルカリ性懸濁
液中に、水可溶性アルミニウム塩を生成粒子に対してア
ルミニウム元素換算で0.01〜2.0質量%になるよ
うに添加した後、pHを6〜8の範囲に調整して、磁性
酸化鉄粒子表面にアルミニウム水酸化物として析出させ
る。次いでろ過、水洗、乾燥、解砕することにより、本
発明に係る磁性酸化鉄粒子を得る。さらに、平滑度、比
表面積を好ましい範囲に調整する方法として、ミックス
マーラーまたはらいかい機等を用いて圧縮、せん断及び
へらなですることが好ましい。
【0143】本発明に使用する磁性酸化鉄粒子に添加す
るケイ酸化合物は、市販のケイ酸ソーダの如きケイ酸塩
類、加水分解で生じるゾル状ケイ酸の如きケイ酸が例示
される。
【0144】添加する水可溶性アルミニウム塩として
は、硫酸アルミニウムが例示される。
【0145】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造で副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能である。さらに塩化鉄の使用も可
能である。
【0146】磁性トナーに使用し得るその他の着色剤と
しては、任意の適当な顔料または染料が挙げられる。
【0147】例えば顔料としてカーボンブラック,アニ
リンブラック,アセチレンブラック,ナフトールイエロ
ー,ハンザイエロー,ローダミンレーキ,アリザリンレ
ーキ,ベンガラ,フタロシアニンブルー,インダンスレ
ンブルーが挙げられる。これらは定着画像の光学濃度を
維持するのに充分な量が用いられる。樹脂100質量部
に対し0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部
の顔料を使用することが好ましい。同様の目的で、さら
に染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノ
ン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり、樹
脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは
0.3〜10質量部の染料を使用することが好ましい。
【0148】本発明のトナーに用いられるワックスには
次のようなものがある。例えば、低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合
物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュ
ワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエ
チレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化
物;または、それらのブロック共重合物;キャンデリラ
ワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如
き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き
動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラク
タムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワック
ス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分と
するワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エ
ステルを一部又は全部脱酸化したものが挙げられる。さ
らに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ある
いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボ
ン酸の如き飽和直鎖;ブラシジン酸、エレオステアリン
酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアル
コール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、
カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシル
アルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長
鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビト
ールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイ
ン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン
酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチ
レンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミ
ド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸
アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き
不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸
アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの
如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラ
ウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんと
いわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチ
レンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラ
フト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如
き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性
油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル
基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0149】好ましく用いられるワックスとしては、オ
レフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;
高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生
成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触
媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオ
レフィン;放射線、電磁波又は光を利用して重合したポ
リオレフィン;高分子ポリオレフィンを熱分解して得ら
れる低分子量ポリオレフィン;パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュ
ワックス;ジンドール法、ヒドロコール法、アーゲ法等
により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数1個の
化合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基又はカル
ボキシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;
炭化水素系ワックスと官能基を有するワックスとの混合
物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン
酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレ
イン酸の如きビニルモノマーをグラフト変性したワック
スが挙げられる。
【0150】また、これらのワックスをプレス発汗法、
溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は
融液晶法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、
低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子
量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好まし
く用いられる。
【0151】本発明に使用するワックスは、定着性と耐
オフセット性のバランスを取るために融点が65〜16
0℃であることが好ましく、更には65〜130℃であ
ることが好ましく、特には70℃〜120℃であること
が好ましい。65℃未満では耐ブロッキング性が低下
し、160℃を超えると耐オフセット効果が発現し難く
なる。
【0152】本発明のトナーにおいては、これらのワッ
クス総含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.2
〜20質量部で用いられ、好ましくは0.5〜10質量
部で用いるのが効果的である。また、悪影響を与えない
限り他のワックス類と併用しても構わない。
【0153】ワックスの融点は、DSCにおいて測定さ
れるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップ
の温度をもってワックスの融点とする。
【0154】本発明において、ワックス又はトナーの示
差走査熱量計によるDSC測定では例えば、パーキンエ
ルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0155】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min、
温度0〜200℃の範囲で降温させた後、昇温させた時
に測定されるDSC曲線を用いる。
【0156】本発明のトナーは、荷電制御剤を添加して
使用することが好ましい。
【0157】負荷電制御剤としては、特公昭41−20
153号公報、特公昭42−27596号公報,特公昭
44−6397号公報,特公昭45−26478号公報
に記載されているモノアゾ染料の金属錯体;さらには特
開昭50−133838号公報に記載されているニトロ
フミン酸及びその塩或いはC.I.14645の如き染
顔料;特公昭55−42752号公報,特公昭58−4
1508号公報,特公昭58−7384号公報,特公昭
59−7385号公報に記載されているサリチル酸、ナ
フトエ酸、ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,
Fe又はZrの金属錯体;スルホン化した銅フタロシア
ニン顔料;ニトロ基,ハロゲンを導入したスチレンオリ
ゴマー;塩素化パラフィンを挙げることができる。特に
分散性に優れ、画像濃度の安定性やカブリの低減に効果
のある、一般式(I)で表されるアゾ系金属錯体や一般
式(II)で表される塩基性有機酸金属錯体が好まし
い。
【0158】
【化5】
【0159】
【化6】
【0160】そのうち上記式(I)で表されるアゾ系金
属錯体がより好ましく、とりわけ、中心金属がFeであ
る下記式(III)あるいは(IV)で表されるアゾ系
鉄錯体が最も好ましい。
【0161】
【化7】
【0162】
【化8】
【0163】次に、上記式(III)で示されるアゾ系
鉄錯体の具体例を下記に示す。
【0164】
【化9】
【0165】
【化10】
【0166】
【化11】
【0167】また、上記式(I),(II),(IV)
で示される荷電制御剤の具体例を以下に示す。
【0168】
【化12】
【0169】
【化13】
【0170】
【化14】
【0171】これらの金属錯化合物は、単独でも或いは
2種以上組み合わせて用いることが可能である。
【0172】これらの帯電制御剤の使用量は、トナーの
帯電量の点から結着樹脂100質量部あたり0.1〜
5.0質量部が好ましい。
【0173】一方、トナーを正荷電性に制御するものと
して下記物質がある。
【0174】ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるニグロ
シンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−
ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチル
アンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモ
ニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の
オニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタ
ン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、
りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングス
テンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子
酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級
脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチル
スズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如
きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、
ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレー
トの如きジオルガノスズボレート類。これらを単独で或
いは2種類以上組合せて用いることができる。
【0175】また、本発明のトナーには、トナー粒子に
無機微粉体または疎水性無機微粉体が外添されることが
好ましい。例えば、シリカ微粉末を添加して用いること
が好ましい。
【0176】本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法
またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及び水ガ
ラスから製造される湿式シリカの両方が使用可能であ
る。表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残
渣のない乾式シリカの方が好ましい。
【0177】さらに本発明に用いるシリカ微粉体は疎水
化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ
素化合物で化学的に処理することによって付与される。
好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相
酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカップ
リング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤
で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素
化合物で処理する方法が挙げられる。
【0178】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシ
ラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジク
ロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメル
カプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガ
ノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラ
ン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロ
キサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、
1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げら
れる。
【0179】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ3×10-5〜1×10
-32/sのものが用いられる。ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルス
チレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコー
ンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましい。
【0180】シリコーンオイル処理の方法はシランカッ
プリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混
合しても良いし、べースとなるシリカへシリコーンオイ
ルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤
にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、べ
ースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製し
ても良い。
【0181】本発明のトナーには、必要に応じてシリカ
微粉体以外の外添剤を使用しても良い。
【0182】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤又は研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子で
ある。
【0183】例えば弗素樹脂,ステアリン酸亜鉛,ポリ
弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビニリデン
が好ましい。酸化セリウム,炭化ケイ素,チタン酸スト
ロンチウムの如き研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウ
ムが好ましい。酸化チタン,酸化アルミニウムの如き流
動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケー
キング防止剤。カーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アン
チモン,酸化スズの如き導電性付与剤。トナー粒子と摩
擦帯性が逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向
上剤として少量用いることもできる。
【0184】トナーと混合される無機微粉体または疎水
性無機微粉体は、トナー100質量部に対して0.1〜
5質量部(好ましくは0.1〜3質量部)使用するのが
良い。
【0185】さらに本発明の磁性トナーはCarrの噴
流性指数が80より大きい値であることが好ましく、よ
り好ましくはCarrの流動性指数が60より大きい値
である。
【0186】さらに、本発明の磁性トナーはCarrの
噴流性指数が81〜89であるのがより好ましい。さら
に、本発明の磁性トナーはCarrの流動性指数が61
〜79であるのがより好ましい。
【0187】磁性トナーの流動性指数及び噴流性指数に
ついては、以下の方法で測定する。パウダテスタP−1
00(ホソカワミクロン社製)を使用し、安息角、崩潰
角、差角、圧縮度、凝集度、スパチュラ角、分散度の各
パラメーターを測定する。それぞれについて求められた
値をCarrの流動性指数表,噴流性指数表に当ては
め、各25以下のそれぞれの指数に換算し、各パラメー
ターから求められた指数の合計を流動性指数・噴流性指
数として算出した。以下に各パラメーターの測定方法を
示す。
【0188】安息角 トナー150gを目開き710μmのメッシュを通して
直径8cmの円形テーブルの上にトナーを堆積させる。
このとき、テーブルの端部からトナーがあふれる程度に
堆積させる。このときのテーブル上に堆積したトナーの
稜線と円形テーブル面との間に形成された角度をレーザ
ー光で測定することで安息角とした。
【0189】圧縮度 疎充填かさ密度(緩み見かけ比重A)と、タッピングか
さ密度(固め見かけ比重P)から圧縮度を求めることが
できる。 圧縮度(%)=100(P−A)/P ○緩み見かけ比重測定法 直径5cm、高さ5.2c
m、容量100ccのカップにトナー150gを静かに
流し込む。測定用カップにトナーが山盛りに充填された
ところで、トナー表面をすりきり、カップに充填されて
いるトナーの量から、緩み見かけ比重を算出する。 ○固め見かけ比重測定法 緩み見かけ比重で使用した測
定用カップに、付属のキャップを継ぎ足す。トナーをカ
ップに充填し、カップを180回タップさせる。タッピ
ングが終了した時点でキャップを外し、カップに山盛り
になっている余分なトナーをすりきる。カップに充填さ
れているトナーの量から固め見かけ比重を算出する。 両見かけ比重値を圧縮度の式に挿入し、圧縮度を求め
る。
【0190】スパチュラ角 10cm×15cmのバットの底が3cm×8cmのス
パチュラに接するように置く。スパチュラの上にトナー
を堆積させる。このとき、トナーがスパチュラの上に盛
り上がるように堆積させる。その後、バットだけを静か
に下ろし、スパチュラ上に残ったトナー側面の傾斜角を
レーザー光により測定する。
【0191】その後、スパチュラに取り付けたショッカ
ーで一回衝撃を加えた後、再度スパチュラ角を測定す
る。この測定値と衝撃を与える前の測定値の平均をスパ
チュラ角として算出した。
【0192】凝集度 振動台の上に、上から目開き250μm、150μm、
75μmの順でふるいをセットする。振動振り巾を1m
m、振動時間を20秒とし、トナー5gを静かにのせて
振動させる。振動停止後、それぞれのふるいに残った重
量を測定する。 (上段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100・・・a (中段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.6・・・b (下段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.2・・・c a+b+c=凝集度(%)として算出する。
【0193】パラメーターから求められた値をCarr
の流動性指数、噴流性指数の表(Chemical E
ngineering.Jan.18.1965)によ
り25以下の指数に換算し、それらの値の合計++
+=Carrの流動性指数となる。
【0194】崩潰角 安息角測定後、測定用円形テーブルを乗せているバット
にショッカーで3回衝撃を加える。その後、テーブルに
残ったトナーの角度をレーザー光を用いて想定し、崩潰
角とする。
【0195】差角 安息角と崩潰角の差が差角となる。
【0196】分散度 トナー10gを約60センチの高さから直径10cmの
ウォッチグラス上に一塊として落とす。そして、ウォッ
チグラス上に残ったトナーを測り、次の式により分散度
を求める。 分散度(%)=((10−(皿上に残ったトナー量))
×10
【0197】、、の値から換算できる指数を、上
記で求めた流動性指数値が対応する指数との合計を前述
のCarrの表により噴流性指数として求めることがで
きる。
【0198】上記の測定を行った結果、噴流性指数が8
0よりも大きな値(さらに好ましくは、81〜89)、
より好ましくはCarrの流動性指数が60より大きい
値(さらに好ましくは、61〜79)を示すような磁性
トナーであれば、カートリッジ内に高い充填率で磁性ト
ナーが充填されても、撹拌部材で撹拌時に、高い流動性
が再現されるため、カートリッジ内のトナー収容部から
現像スリーブへ向かって磁性トナーが一定に搬送されや
すく、高速化したプリンターや大容量のカートリッジに
充填した場合においても安定した現像特性を得ることが
出来る。本発明の磁性トナーにおいては、磁性トナー粒
子の粒径や形状、外添剤の量や付着状態を変化させるこ
とで適正な噴流性指数、流動性指数を達成することが可
能となる。前述したように磁性トナー中において、遊離
した鉄元素を有する粒子を該トナー粒子10,000個
当たり100〜350個にコントロールすることによっ
て、遊離した磁性酸化鉄粒子の凝集に起因する流動性の
低下を抑えることが出来、さらに、外添時に使用する撹
拌羽の形状や混合装置への充填量、撹拌モードを変えて
撹拌状態を変えることにより、上記の噴流性指数、流動
性指数を達成することができる。
【0199】磁性トナーの噴流性指数が80以下の場
合、高い流動性は得られても、一度詰まってしまうと力
を加えてもなかなか流動しにくいため、撹拌部材で磁性
トナーを搬送しようとしても、なかなか搬送されない。
その結果、磁性トナーが現像スリーブまで搬送されにく
く、現像スリーブ上に不均一に磁性トナーがのった状態
で帯電されるため、磁性トナーの帯電も不均一になりや
すく画像にムラが生じ易い。
【0200】また、磁性トナーの噴流性指数が80以下
で、トナーの流動性指数が60以下の場合、磁性トナー
同志が凝集しやすく、また流動しにくいためカートリッ
ジ内の摺動部への磁性トナーの融着が生じやすい。
【0201】さらに本発明の磁性トナーは鉄粉キャリア
に対する摩擦帯電量の絶対値の値を│Qd│としたと
き、 70≧│Qd│≧20μC/g であることが好ましい。摩擦帯電量の値は磁性トナーの
表面形状、磁性トナー粒子表面への磁性酸化鉄粒子の露
出状態によって大きく変化することから、本発明におい
て所望の摩擦帯電量を得るためには前述したように円形
度、トナー粒子からの磁性酸化鉄粒子の遊離率をコント
ロールするとともに外添剤の種類や量を変化させ、さら
に、外添時に使用する撹拌羽の形状や混合装置への充填
量、撹拌モードを変えて撹拌状態を変えることが重要と
なる。
【0202】Qdの測定法を以下に示す。
【0203】測定には図19に示す帯電量測定装置を用
いる。温度23℃,相対湿度60%環境下、鉄粉キャリ
アとして粒径106〜150μmの範囲に50〜70質
量%、粒径75〜106μmの範囲に20〜50質量%
の分布を持つような鉄粉キャリア(例えばDSP138
(同和鉄粉社製))を用い、鉄粉キャリア9.0gに磁
性トナー1.0gを加えた混合物を50〜100ml容
量のポリエチレン製の瓶に入れ50回手で振盪する。
【0204】次いで、底に500メッシュのスクリーン
903のある金属製の測定容器902に前記混合物1.
0〜1.2gを入れ、金属製のフタ904をする。この
時の測定容器902全体の重量を秤りW1(g)とす
る。次に吸引機901(測定容器902と接する部分は
少なくとも絶縁体)において、吸引口907から吸引し
風量調節弁906を調節して真空計905の圧力を2k
Paとする。
【0205】この状態で1分間吸引を行ない、現像剤を
吸引除去する。この時の電位計909の電位をV(ボル
ト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC
(μF)とする。また、吸引後の測定機全体の重量を秤
りW2(g)とする。磁性トナーの摩擦帯電量Qd(μ
C/g)は下式の如く計算される。 Qd=CV/(W1−W2)
【0206】鉄粉キャリアに対する磁性トナーの摩擦帯
電量の絶対値が70μC/g≦│Qd│の場合、特に低
湿下においてチャージアップによる現像性の低下が見ら
れる。│Qd│≦20μC/gの場合、帯電量の低さが
原因となり現像剤担持体上の磁性トナーの適切な静電的
凝集力と現像剤担持体への適切な磁気拘束力が得られ
ず、磁性トナーが静電潜像へ忠実に移行できなくなり現
像性の低下が見られる。
【0207】また、本発明の磁性トナーは、トナーの示
差走査熱量計により測定されるDSC曲線の最大吸熱ピ
ークが60〜120℃に有することが好ましい。最大吸
熱ピークが60℃未満である場合、耐オフセット性及び
耐ブロッキング性が低下する。最大吸熱ピークが120
℃を超える場合には定着性が低下する。
【0208】さらに、本発明のトナーは示差走査熱量計
により測定されるDSC曲線のサイぢあ吸熱ピークが6
0〜120℃であり、吸熱サブピークが60〜160℃
にあり、それぞれの吸熱ピークの間が20℃以上離れて
いることがより好ましい。
【0209】それぞれの吸熱ピークの差が20℃未満の
場合、定着性と離型性の機能分離効果が発現しにくくな
る。このように上記のような吸熱ピークが存在すること
で磁性トナーを可塑化する効果と離型作用を与える効果
が程よく調整出来、定着性と耐オフセット性、耐ブロッ
キング性をバランス良く両立できるようになる。更に、
本発明の円形度を有することで可塑効果をより効果的に
発揮でき、幅広い温度領域で離型作用を発揮できる。
【0210】以下、本発明のトナーの好ましい製造方法
の実施の形態を添付図面を参照しながら具体的に説明す
る。図1は、本発明のトナーの製造方法の概要を示すフ
ローチャートの一例である。本発明の製造方法は、フロ
ーチャートに示されている様に、粉砕処理前の分級工程
を必要とせず、粉砕工程及び分級工程が1パスで行われ
ることが好ましい。
【0211】トナーの製造方法においては、特定のトナ
ー構成材料を用い、製造条件を種々選択しトナーを製造
することで、遊離磁性酸化鉄の個数やトナーの円形度を
制御することが可能となる。一般には、結着樹脂、着色
剤及びワックスを少なくとも含有する混合物を溶融混練
し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段に
よって粉砕して得られた粗粉砕物が粉体原料として使用
される。そして、所定量の粉砕原料を少なくとも中心回
転軸に取り付けられた回転体からなる回転子と、該回転
子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されて
いる固定子とを有し、且つ該間隔を保持することによっ
て形成される環状空間が気密状態となるように構成され
ている機械式粉砕機に導入し、該機械式粉砕機の上記回
転子を高速回転させることによって被粉砕物を微粉砕す
る。次に、微粉砕された粉砕原料は分級工程に導入され
分級されて、好ましい粒度を有する粒子群からなるトナ
ー粒子が得られる。この際、分級工程では、少なくとも
粗粉領域、中粉領域及び微粉領域を有する多分割気流式
分級機が好ましく用いられる。例えば、3分割気流式分
級機を使用した場合には、粉体原料は少なくとも微粉
体、中粉体及び粗粉体の3種類に分級される。このよう
な分級機を用いる分級工程で、好ましい粒度よりも粒径
の大きな粒子群からなる粗粉体及び好ましい粒度未満の
粒子群からなる超微粉体は除かれ、中粉体がトナー粒子
としてそのままトナーとして使用されるか、又は、疎水
性コロイダルシリカの如き外添剤と混合された後、トナ
ーとして使用される。
【0212】上記の分級工程で分級された好ましい粒度
未満の粒子群からなる超微粉は、一般的には、粉砕工程
に導入されてくるトナー材料からなる粉体原料を生成す
る為の溶融混練工程に供給されて再利用されるか、或い
は廃棄される。
【0213】図2にトナーの製造装置システムの一例を
示す。この装置システムに導入されるトナー原料である
粉体原料には結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくと
も含有する着色樹脂粒子粉体が用いられるが、該粉体原
料は、例えば、結着樹脂、磁性酸化鉄及びワックスから
なる混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却し、更
に冷却物を粉砕手段によって粗粉砕したものが用いられ
る。
【0214】この装置システムにおいて、トナー粉原料
となる粉砕原料は、粉砕手段である機械式粉砕機301
に第1定量供給機315を介して所定量導入される。導
入された粉砕原料は、機械式粉砕機301で瞬間的に粉
砕され、補集サイクロン229を介して第2定量供給機
2に導入される。次いで振動フィーダー3を介し、更に
原料供給ノズル16を介して分級手段である多分割気流
式分級機1内に供給される。
【0215】また、この装置システムにおいて、第1定
量供給機315から粉砕手段である機械式粉砕機301
に導入される所定量と、第2定量供給機2から分級手段
である多分割気流式分級機1に導入される所定量との関
係を、第1定量供給機315から機械式粉砕機301に
導入される所定量を1とした場合、第2定量供給機2か
ら多分割気流式分級機1に導入される所定量を好ましく
は0.7〜1.7、より好ましくは0.7〜1.5、更
に好ましくは1.0〜1.2とすることがトナーの生産
性及び生産効率という点から好ましい。
【0216】通常、本発明の気流式分級機は、相互の機
器をパイプの如き連通手段で連結し、装置システムに組
み込まれて使用される。そうした装置システムの好まし
い例を図2は示している。図2に示す一体装置システム
は、多分割分級装置1(図6に示される分級装置)、定
量供給機2、振動フィーダー3、補集サイクロン4、補
集サイクロン5、補集サイクロン6を連通手段で連結し
てなるものである。
【0217】この装置システムにおいて、粉体は、適宜
の手段により、定量供給機2に送り込まれ、次いで振動
フィーダー3を介し、原料供給ノズル16により3分割
分級装置1内に導入される。導入に際しては、10〜3
50m/秒の流速で3分割分級機1内に粉体を導入す
る。3分割分級機1の分級室を構成する大きさは通常
[10〜50cm]×[10〜50cm]なので、粉体
は0.1〜0.01秒以下の瞬時に3種類以上の粒子群
に分級し得る。そして、3分割分級機1により、大きい
粒子(粗粒子)、中間の粒子、小さい粒子に分級され
る。その後、大きい粒子は排出導管11aを逝って、補
集サイクロン6に送られ機械式粉砕機301に戻され
る。中間の粒子は排出導管12aを介して系外に排出さ
れ補集サイクロン5で補集されトナーとなるべく回収さ
れる。小さい粒子は排出導管13aを介して系外に排出
され補集サイクロン4で補集され、トナー材料からなる
粉体原料を生成する為の溶融混練工程に供給されて再利
用されるか、或いは廃棄される。補集サイクロン4、
5、6は粉体を原料供給ノズル16を介して分級室に吸
引導入する為の吸引減圧手段としての働きをすることも
可能である。また、この際分級される大きい粒子は、第
1定量供給機315に再導入し、粉体原料中に混入させ
て、機械式粉砕機301にて再度粉砕することが好まし
い。
【0218】また、多分割気流式分級機1から機械式粉
砕機301に再導入される大きい粒子(粗粒子)の再導
入量は、第2定量供給機2から供給される微粉砕品の質
量を基準として、0乃至10.0質量%、更には0乃至
5.0質量%とすることがトナー生産上好ましい。多分
割気流式分級機1から機械式粉砕機301に再導入され
る大きい粒子(粗粒子)の再導入量が10.0質量%を
超えると、機械式粉砕機301内の粉塵濃度が増大し、
装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉
砕され熱によるトナーの表面変質や磁性酸化鉄のトナー
粒子からの遊離、機内融着を起こしやすいのでトナー生
産性という点から好ましくない。
【0219】この装置システムにおいて、粉体原料の粒
度は、18メッシュパス(ASTME−11−61)が
95質量%以上であり、100メッシュオン(ASTM
E−11−61)が90質量%以上であることが好まし
い。
【0220】また、この装置システムにおいて、重量平
均粒径が10μm以下(更には8μm以下)のシャープ
な粒度分布を有するトナーを得る為には、機械式粉砕機
で微粉砕された微粉砕物の重量平均粒径が5乃至10μ
m、4.0μm以下が70個数%以下、更には65個数
%以下、10.1μm以上が25体積%以下、更には2
0体積%以下であることが好ましい。また、分級された
中粉体の粒度は、重量平均粒径が5乃至10μm、4.
0μm以下が40個数%以下、更には35個数%以下、
10.1μm以上が25体積%以下、更には20体積%
以下であることが好ましい。
【0221】本発明のトナーの製造方法を適用した上記
装置システムにおいては、粉砕処理前の第1分級工程を
必要とせず、粉砕工程及び分級工程を1パスで行うこと
ができる。
【0222】本発明のトナーの製造方法に使用される粉
砕手段として好ましく用いられる機械式粉砕機について
説明する。機械式粉砕機としては、例えば、川崎重工業
(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミル
を挙げることができる。これらの装置をそのまま、或い
は適宜改良して使用することが好ましい。
【0223】これらの中でも図3、図4及び図5に示し
たような機械式粉砕機を用い、トナー構成材料として特
定の原材料を使用してトナーを製造することが、トナー
粒子の形状と遊離磁性酸化鉄粒子の個数をコントロール
して製造できる方法として好ましい。さらに、粉体原料
の粉砕処理を容易に行うことができるので効率向上が図
られ好ましい。
【0224】従来行われていた衝突式気流粉砕では、衝
突部材の衝突面にトナー粒子を衝突させ、その衝撃によ
って粉砕するという構成のため、衝突時に遊離磁性酸化
鉄粒子が発生しやすい。さらに粉砕されたトナーは、不
定形で角張ったものとなるため、トナー粒子からの磁性
酸化鉄粒子の脱落が生じやすい。また、衝突式気流粉砕
で製造されたトナー粒子を機械式衝撃(ハイブリタイザ
ー)により粒子の形状及び表面性を改質することも可能
ではあるが、衝突式粉砕では衝突部材の衝突面にトナー
粒子を衝突させ、その衝撃によって粉砕するという構成
のため、衝突時に遊離磁性酸化鉄粒子が発生しやすい。
その後、機械式衝撃で粒子の形状を改質させ形状を球形
に近づけることにより不定形のトナーに比ベトナーから
の磁性酸化鉄粒子の脱落が生じにくくはなるものの、機
械式粉砕機を用いたトナーの製造方法に比べ、トナーの
形状と遊離磁性酸化鉄粒子の個数をコントロールするこ
とは困難である。
【0225】以下、図3、図4及び図5に示した機械式
粉砕機について説明する。図3は、機械式粉砕機の一例
の概略断面図を示しており、図4は図3におけるD−
D’面での概略的断面図を示しており、図5は図3に示
す回転子314の斜視図を示している。該装置は、図3
に示されているように、ケーシング313、ジャケット
316、ディストリビュータ220、ケーシング313
内にあって中心回転軸312に取り付けられた回転体か
らなる高速回転する表面に多数の溝が設けられている回
転子314、回転子314の外周に一定間隔を保持して
配置されている表面に多数の溝が設けられている固定子
310、更に、被処理原料を導入する為の原料投入口3
11、処理後の粉体を排出する為の原料排出口302と
から構成されている。
【0226】機械式粉砕機での粉砕操作は、例えば次の
様にして行う。即ち、図3に示した機械式粉砕機の粉体
入口311から、所定量の粉体原料が投入されると、粒
子は、粉砕処理室内に導入され、該粉砕処理室内で高速
回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314
と、表面に多数の溝が設けられている固定子310との
間に発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速渦
流、並びにこれによって発生する高周波の圧力振動によ
って瞬時に粉砕される。その後、原料排出口302を通
り、排出される。トナー粒子を搬送しているエアー(空
気)は粉砕処理室を経由し、原料排出口302、パイプ
219、補集サイクロン229、バグフィルター22
2、及び吸引フィルター224を通って装置システムの
系外に排出される。本発明においては、粉体原料の粉砕
が行われる為、微粉及び粗粉を増やすことなく所望の粉
砕処理を容易に行うことができる。
【0227】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に、冷風発生手段321により、粉体原料と共に、機
械式粉砕機内に冷風を送風し、機械式粉砕機本体をジャ
ケット構造316を有する構造とし、冷却水(好ましく
はエチレングリコールの如き不凍液)を通水することに
より、粉砕機内の雰囲気温度を0℃以下、より好ましく
は−5〜−15℃、更に好ましくは−7〜−12℃とす
ることがトナー生産性という点から好ましい。粉砕機内
の渦巻室の室温を0℃以下、より好ましくは−5〜−1
5℃、更に好ましくは−7〜−12℃とすることによ
り、熱によるトナー粒子の表面変質、特にトナー粒子表
面に存在する磁性酸化鉄粒子の遊離を抑えることがで
き、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。粉砕機
内の雰囲気温度が0℃を超える場合、粉砕時に熱による
トナー粒子の表面変質、特にトナー粒子表面に存在する
磁性酸化鉄粒子の遊離や機内融着を起こしやすいのでト
ナー生産性という点から好ましくない。また、粉砕機内
の雰囲気温度を−15℃より低い温度で運転しようとす
ると、上記冷風発生手段321で使用している冷媒(代
替フロン)をフロンに変更しなければならない。
【0228】現在、オゾン層保護の観点からフロンの撤
廃が進められている。上記冷風発生手段321の冷媒に
フロンを使用することは地球全体の環境問題という点か
ら好ましくない。
【0229】冷却水(好ましくはエチレングリコールの
如き不凍液)は、冷却水供給口317よりジャケット内
部に供給され、冷却水排出口318より排出される。
【0230】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に、機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1と後室3
21の室温T2の温度差ΔT(T2−T1)を30〜8
0℃とすることが好ましく、より好ましくは35〜75
℃、更に好ましくは37〜72℃とすることにより、熱
によるトナー粒子の表面変質、特にトナー粒子表面に存
在する磁性酸化鉄粒子の遊離を抑えることができ、効率
良く粉砕原料を粉砕することができる。機械式粉砕機の
温度T1(入口温度)と温度T2(出口温度)とのΔT
が30℃より小さい場合、粉砕されずにショートパスを
起こしている可能性があり、トナーの性能という点から
好ましくない。また、80℃より大きい場合、粉砕時に
過粉砕されている可能性があり、それによる磁性酸化鉄
粒子の遊離や熱によるトナー粒子の表面変質、特にトナ
ー粒子表面に存在する磁性酸化鉄粒子の遊離や機内融着
を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ましく
ない。
【0231】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に機械式粉砕機の入口温度は、結着樹脂のガラス転移
点(Tg)に対して、0℃以下であり且つTgよりも6
0乃至75℃低くすることがトナー生産性という点から
好ましい。機械式粉砕機の入口温度を0℃以下であり且
つTgよりも60乃至75℃低くすることにより、熱に
よるトナー粒子の表面変質、特にトナー粒子表面に存在
する磁性酸化鉄の遊離を抑えることができ、効率良く粉
砕原料を粉砕することができる。また、出口温度は、T
gよりも5乃至30℃、更には10乃至20℃低いこと
が好ましい。機械式粉砕機の出口温度をTgよりも5乃
至30℃低くすることにより、熱によるトナー粒子の表
面変質、特にトナー粒子表面に存在する磁性酸化鉄粒子
の遊離を抑えることができ、効率良く粉砕原料を粉砕す
ることができる。
【0232】また、回転する回転子314の先端周速と
しては、80〜180m/sであることが好ましく、よ
り好ましくは90〜170m/s、更に好ましくは10
0〜160m/sとすることがトナー生産性という点か
ら好ましい。回転する回転子314の周速を80〜18
0m/sであることが好ましく、より好ましくは90〜
170m/s、更に好ましくは100〜160m/sと
することで、トナー粒子の粉砕不足や過粉砕、さらに過
粉砕による磁性酸化鉄粒子の遊離を抑えることができ、
効率良く粉砕原料を粉砕することができる。回転子の周
速が80m/sより遅い場合、粉砕されずにショートパ
スを起こしやすいのでトナー性能という点から好ましく
ない。また、回転子314の周速が180m/sより速
い場合、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕
時に過粉砕されて磁性酸化鉄粒子が遊離しやすい。さら
に、過粉砕されることにより、熱によるトナー粒子の表
面変質、特にトナー粒子表面に存在する磁性酸化鉄粒子
の遊離や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性とい
う点から好ましくない。
【0233】また、回転子314と固定子310との間
の最小間隔は0.5〜10.0mmであることが好まし
く、より好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましく
は1.0〜3.0mmとすることが好ましい。回転子3
14と固定子310との間の間隔を0.5〜10.0m
mであることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.
0mm、更に好ましくは1.0〜3.0mmとすること
で、トナーの粉砕不足や過粉砕、さらに過粉砕による磁
性酸化鉄粒子の遊離を抑えることができ、効率良く粉砕
原料を粉砕することができる。回転子314と固定子3
10との間の間隔が10.0mmより大きい場合、粉砕
されずにショートパスを起こしやすいのでトナーの性能
という点から好ましくない。また回転子314と固定子
310との間の間隔が0.5mmより小さい場合、装置
自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕さ
れて磁性酸化鉄粒子が遊離しやすい。さらに、過粉砕さ
れることにより、熱によるトナー粒子の表面変質や機内
融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ま
しくない。
【0234】また、粉砕機は、回転子及び固定子の粉砕
面の表面粗さを適切な状態に制御することで、遊離磁性
酸化鉄粒子の発生を制御し、良好な現像性、転写性なら
びに帯電性を有する磁性トナーを得ることが出来る。即
ち、回転子314と固定子310の粉砕面の中心線平均
粗さRaを10.0μm以下、より好ましくは2.0乃
至10.0μm、また、最大粗さRyを60.0μm以
下、より好ましくは25.0乃至60.0μm、また、
十点平均粗さRzを40.0μm以下、より好ましくは
20.0乃至40.0μmとすることが良い。回転子及
び固定子の粉砕面の中心線平均粗さRaが10.0μm
超、また、最大粗さRyが60.0μm超、また、十点
平均粗さRzが40.0μm超の場合、粉砕時に過粉砕
されて磁性酸化鉄粒子が遊離しやすい。さらに、過粉砕
されることにより、熱によるトナー粒子の表面変質、特
にトナー粒子表面に存在する磁性酸化鉄粒子の遊離や機
内融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好
ましくない。
【0235】また、表面粗さの各解析パラメータの値
は、非接触で測定が可能なレーザーフォーカス変位計L
T−8100((株)キーエンス製)及び表面形状計測
ソフトTres−Valle Lite(三谷商事
(株)社製)を使用して測定し、測定ポイントをランダ
ムにずらしてそれぞれ数回測定し、その平均値から求め
る。また、このとき、基準長さの設定を8mm、カット
オフ値の設定を0.8mm、移動速度の設定を90μm
/secとして測定する。
【0236】表面粗さの解析パラメータの中で、中心線
粗さRaは、粗さ曲線からその中心線の方向に基準長さ
Lの部分を抜き取り、その抜き取り部分の中心線をX
軸、縦倍率の方向をZ軸とし、粗さ曲線をZ=f(x)
で表した時、以下の式で求めることにより決定する。
【0237】
【数5】
【0238】また、最大粗さRyは、粗さ曲線からその
平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部
分の山頂部と谷底部との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向
に測定することによって決定する。また、十点平均粗さ
Rzは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ
抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向
に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂標高の
絶対値の平均値と、最も低い谷底部から5番目までの谷
底標高の絶対値の平均との和を求めることによって決定
する。
【0239】回転子及び/又は固定子の粉砕面の粗面化
処理としては、公知の方法が用いられる。
【0240】しかしながら、回転子及び/又は固定子の
粉砕面の母材を粗面化処理しただけの機械式粉砕機で
は、回転子及び/又は固定子の粉砕面の摩耗が短時間で
発生し、トナー生産効率上好ましくなく、回転子及び/
又は固定子の粉砕面の耐摩耗処理が必要となる。
【0241】回転子及び/又は固定子の粉砕面の母材を
前工程として粗面化処理し、後工程として母材を耐摩耗
処理することにより、容易に遊離磁性酸化鉄の発生を抑
え、良好な現像性を維持できるトナーが得られるととも
に、回転子及び固定子の粉砕面の摩耗を低下させ、長期
に渡り安定的にトナーを粉砕することが可能である。
【0242】前記回転子及び/又は固定子の粉砕面の耐
摩耗処理としては、公知の方法が用いられるが、この中
で窒化による処理が最も好ましい。
【0243】前記窒化とは、加工材料の耐摩耗性と耐疲
労性を向上させることを目的とする表面硬化処理法で、
適当な温度で適当な時間加熱し、加工材料の表面全体ま
たは部分的に窒素を拡散させ、窒化層を形成させる熱処
理である。
【0244】回転子及び/又は固定子の粉砕面の母材を
前処理として粗面化処理し、後工程として母材を窒化処
理することにより、容易に遊離磁性酸化鉄粒子の発生を
抑えることができ、良好な現像性を維持できるトナーが
得られるとともに、回転子及び固定子の粉砕面の摩耗を
低下させ、長期に渡り安定的に混練物を粉砕することが
可能となり、トナー生産効率において好ましい。
【0245】混練物の粉砕方法は、粉砕工程前の第1分
級工程を必要としない為、トナー粒子が微粒子化される
ことにより粒子間の静電凝集が高まり、本来は第2分級
手段に送られるトナー粒子が再度第1分級手段に循環さ
れることにより過粉砕となった微粉及び超微粉が発生し
ない。更に、シンプルな構成に加え、粉砕原料を粉砕す
るのに多量のエアーを必要としない為、電力消費が低
く、エネルギーコストを低く抑えることができる。
【0246】次に、トナー製造方法を構成している分級
手段として好ましく用いられる気流式分級機について説
明する。
【0247】本発明に使用される好ましい多分割気流式
分級機の一例として、図6(断面図)に示す形式の装置
を一具体例として例示する。
【0248】図6において、側壁22及びGブロック2
3は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック24及
び25は分級エッジ17及び18を具備している。Gブ
ロック23は左右に設置位置をスライドさせることが可
能である。また、分級エッジ17及び18は、軸17a
及び18aを中心にして、回動可能であり、分級エッジ
を回動して分級エッジ先端位置を変えることができる。
各分級エッジブロック24及び25は左右に設置位置を
スライドさせることが可能であり、それに伴ってそれぞ
れのナイフエッジ型の分級エッジ17及び18も左右に
スライドする。この分級エッジ17及び18により、分
級室32の分級域30は3分割されている。
【0249】原料粉体を導入する為の原料供給口40を
原料供給ノズル16の最後端部に有し、該原料供給ノズ
ル16の後端部に高圧エアーノズル41と原料粉体導入
ノズル42とを有し、且つ分級室32に開口部を有する
原料供給ノズル16を側壁22の右側に設け、該原料供
給ノズル16の下部接線の延長方向に対して長楕円弧を
描く様にコアンダブロック26が設置されている。分級
室32の左部ブロック27は、分級室32の右側方向に
ナイフエッジ型の入気エッジ19を具備し、更に分級室
32の左側には分級室32に開口する入気管14及び1
5を設けてある。また、図6に示すように、入気管14
及び15には、ダンパーの如き第1気体導入調節手段2
0及び第2気体導入調節手段21と静圧計28及び29
を設けてある。
【0250】分級エッジ17、18、Gブロック23及
び入気エッジ19の位置は、被分級処理原料であるトナ
ーの種類及び所望の粒径により調整される。
【0251】また、分級室32の上面にはそれぞれの分
画域に対応させて、分級室内に開口する排出口11、1
2及び13を有し、排出口11、12及び13にはパイ
プの如き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ
手段の如き開閉手段を設けて良い。
【0252】原料供給ノズル16は直角筒部と角錘筒部
とからなり、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い個所
の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1
から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
【0253】以上の様に構成してなる多分割分級域での
分級操作は、例えば次の様にして行う。即ち、排出口1
1、12及び13の少なくとも一つを介して分級室内を
減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル16
中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供給ノズ
ル41から噴射される圧縮エアーのエゼクター効果によ
り、好ましくは流速10〜350m/sの速度で粉体を
原料供給ノズル16を介して分級室に噴射し、分散す
る。
【0254】分級室に導入された粉体中の粒子は、コア
ンダブロック26のコアンダ効果による作用と、その際
流入する空気の如き気体の作用とにより湾曲面を描いて
移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応じ
て、大きい粒子(粗粒子)は気流の外側、すなわち分級
エッジ18の外側の第1分画、中間の粒子は分級エッジ
18と17の間の第2分画、小さい粒子は分級エッジ1
7の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒子
は排出口11より排出され、分級された中間の粒子は排
出口12より排出され、分級された小さい粒子は排出口
13よりそれぞれ排出される。
【0255】上記の粉体の分級において、分級点は、粉
体が分級室32内へ飛び出す位置であるコアンダブロッ
ク26の下端部分に対する分級エッジ17及び18のエ
ッジ先端位置によって主に決定される。更に、分級点
は、分級気流の吸引流量或いは原料供給ノズル16から
の粉体の噴出速度等の影響を受ける。
【0256】また、トナーの製造方法及び製造システム
においては、粉砕及び分級条件をコントロールすること
により、重量平均径が5〜12μm(特に、5〜10μ
m)である粒径のシャープな粒度分布を有するトナーを
効率良く生成することができる。
【0257】混合機としては、ヘンシェルミキサー(三
井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボ
コーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、ター
ビュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社
製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レ
ーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機
としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・
コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機
(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社
製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミ
ル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社
製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニー
ダー、ニダールーター(森山製作所社製);バンバリー
ミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機として
は、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノ
マイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJ
Mジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);ク
ロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス
(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・
ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業
社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げられ、分
級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファ
イアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業
社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリ
ング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス
(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社
製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパー
ジョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);Y
Mマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒な
どをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、
ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジ
ャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシ
ステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社
製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロ
シフター(槙野産業社製);円形振動篩いが挙げられ
る。
【0258】本発明のトナーを製造するに際しては、こ
の粉砕工程及び分級工程に、上記で説明した構成の装置
システムを用いることが好ましい。
【0259】次に、図11を参照しながら、本発明の画
像形成方法の一例を説明する。
【0260】一次帯電器702で感光ドラム1の表面を
負極性に帯電し、レーザ光による露光705によりイメ
ージスキャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブ
レード711及び磁石714を内包している現像スリー
ブ704を具備する現像器709の乾式磁性トナー(一
成分系磁性現像剤)710で該潜像を反転現像する。現
像部において感光ドラム1の導電性基体は接地され、現
像スリーブ704にはバイアス印加手段712により交
互バイアス、パルスバイアス及び/または直流バイアス
が印加されている。転写紙Pが搬送されて、転写部にく
るとローラ転写手段702により転写紙Pの背面(感光
ドラム側と反対面)から電圧印加手段723で帯電する
ことにより、感光ドラム701の表面上のトナー像が接
触転写手段702によって転写紙P上へ転写される。感
光ドラム701から分離された転写紙Pは、加熱加圧ロ
ーラ定着器707により転写紙P上のトナー画像を定着
するために定着処理される。トナー像は、感光ドラム7
01から中間転写体を介して転写紙Pに転写されても良
く、中間転写体を介さなくて転写紙Pに転写されても良
い。
【0261】転写工程後の感光ドラム701に残留する
乾式磁性トナーは、クリーニングブレードを有するクリ
ーニング手段708で除去される。残留する乾式磁性ト
ナーが少ない場合、クリーニング工程を省くことも可能
である。クリーニング後の感光ドラム701は、イレー
ス露光706により除電され、再度、一次帯電器702
による帯電工程から始まる工程が繰り返される。
【0262】感光ドラム701(すなわち、静電荷像担
持体)は感光層及び導電性基体を有し、矢印方向に動
く。トナー担持体である非磁性円筒の現像スリーブ70
4は、現像部において感光ドラム701の表面と同方向
に進むように回転する。現像スリーブ704の内部に
は、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネットロー
ル)が回転しないように配されている。現像器709内
の絶縁性の乾式磁性トナー710は非磁性円筒面上に塗
布され、かつ現像スリーブ704の表面と磁性トナーと
の摩擦によって、磁性トナーは、例えばマイナスのトリ
ボ電荷が与えられる。さらに鉄製の磁性ドクターブレー
ド711を円筒表面に近接して(間隔50μm〜500
μm)、多極永久磁石の一つの磁極位置に対向して配置
することにより、磁性トナー層の厚さを薄く(30μm
〜300μm)かつ均一に規制して、現像部における感
光ドラム701と現像スリーブ704の間隙よりも薄い
磁性トナー層を形成する。現像スリーブ704の回転速
度を調整することにより、スリーブ表面速度が感光ドラ
ム表面の速度と実質的に当速、もしくはそれに近い速度
となるようにする。磁性ドクターブレード711として
鉄のかわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよ
い。現像部において現像スリーブ704に交流バイアス
またはパルスバイアスをバイアス手段712により印加
しても良い。この交流バイアスはfが200〜4,00
0Hz,Vppが500〜3,000Vであれば良い。
【0263】現像部における磁性トナーの移転に際し、
感光ドラム表面の静電的力及び交流バイアスまたはパル
スバイアスの作用によって磁性トナー粒子は静電像側に
移転する。
【0264】磁性ドクターブレード711のかわりに、
シリコーンゴムのごとき弾性材料で形成された弾性ブレ
ードを用いて押圧によって磁性トナー層の層厚を規制
し、現像スリーブ上に磁性トナーを塗布しても良い。
【0265】図12には、バイアス印加手段743から
電圧を印加されている接触帯電手段742及びコロナ転
写手段733を有する画像形成装置が示されている。
【0266】図13には、接触帯電手段742及び接触
転写手段702を有する画像形成装置が示されている。
【0267】図14においては、702は転写ローラー
であり、中心の芯金702aとその外周を形成した導電
性弾性層702bとを基本構成とするものである。転写
ローラー702は、感光ドラム701の表面に押圧力を
もって転写材を圧接し、感光ドラム701の周速度と等
速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材はカ
イド744を通って感光ドラム701と転写ローラー7
02との間に搬送され、転写ローラー702にトナーと
逆極性のバイアスを転写バイアス印加手段723から印
加することによって感光ドラム701上のトナー像が転
写材の表面側に転写される。次いで、転写材はガイド7
45上に送られる。
【0268】導電性弾性層702bは、カーボン等の導
電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン
−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗10
6〜1010Ωcmの弾性体でつくられている。
【0269】好ましい転写プロセス条件としては、ロー
ラーの当接圧が0.16×10-2〜24.5×10-2
Paで、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
【0270】一方、図15は接触帯電手段を示し、図1
5において、701は回転ドラム型の静電荷像担持体
(以下、感光ドラムと記す)であり、該感光ドラム70
1はアルミニウム等の導電性基層701aと、その外面
に形成した光導電層701bとを基本構成層とするもの
であり、図面上時計方向に所定の周速度(プロセススピ
ード)で回転される。
【0271】742は帯電ローラーであり、中心の芯金
742aとその外周を形成した導電性弾性層742bと
表面層742cとを基本構成とするものである。帯電ロ
ーラー742は、感光ドラム701の表面に押圧力をも
って圧接され、感光ドラム701の回転に伴い従動回転
する。帯電ローラー742は、バイアス印加手段Eによ
り電圧が印加され、帯電ローラー742にバイアスが印
加されることで感光ドラム701の表面が所定の極性・
電位に帯電される。次いで画像露光によって静電荷像が
形成され、現像手段により静電荷像はトナー像として順
次可視化されていく。
【0272】帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセ
ス条件としては、ローラーの当接圧が0.49×10-2
〜98×10-2MPaで、直流電圧に交流電圧を重畳し
たものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVp
p、交流周波数=50〜5kHz、直流電圧=±0.2
〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流
電圧=±0.2〜±5kVである。
【0273】帯電ローラー及び帯電ブレードの材質とし
ては導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設
けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、P
VDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化
ビニリデン)が適用可能である。
【0274】図16に、本発明のプロセスカートリッジ
の一具体例を示す。プロセスカートリッジは、現像手段
と静電荷像担持体とを少なくとも一体的にカートリッジ
化し、プロセスカートリッジは、画像形成装置本体(例
えば、複写機、レーザービームプリンター)に着脱可能
なように形成される。
【0275】図16では、現像手段709、ドラム状の
静電荷像担持体(感光体ドラム)701、クリーニング
ブレード708aを有するクリーナ708、一時帯電器
(帯電ローラー)742を一体としたプロセスカートリ
ッジ750が例示される。
【0276】本実施例では、現像手段709は磁性ブレ
ード711とトナー容器760内に磁性トナー710を
有し、該磁性トナー710を用い、現像時には、バイア
ス印加手段からのバイアスにより感光ドラム701と現
像スリーブ704との間に所定の電界が形成され、現像
工程が好適に実施されるためには、感光ドラム701と
現像スリーブ704との間の距離は非常に大切である。
【0277】図17では、現像手段709は弾性ブレー
ド711aとトナー容器760内に磁性トナー710を
有し、該磁性トナー710を用い、現像時には、バイア
ス印加手段からのバイアスにより感光ドラム1と現像ス
リーブ704との間に所定の電界が形成され、現像工程
が好適に実施されるためには、感光ドラム1と現像スリ
ーブ704との間の距離は非常に大切である。
【0278】図18において使用される注入帯電工程を
有するプロセスカートリッジの1具体例を示す。現像剤
としては磁性トナーを使用し、現像剤担持体上の現像剤
層と像担持体が非接触となるよう配置される非接触現像
の画像形成装置の例である。801は像担持体としての
回転ドラム型OPC感光体であり、時計方向(矢印の方
向)に回転駆動される。802は接触帯電部材としての
帯電ローラーである。帯電ローラ802は感光体801
に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し
てある。nは感光体801と帯電ローラ802のニップ
部である帯電ニップ部である。本実施例では、帯電ロー
ラ802は感光体801との接触面である帯電ニップ部
nにおいて対向方向(感光体表面の移動方向と逆方向)
に回転駆動されている。また、帯電ローラ802の表面
には、塗布量がおよそ一層で均一になるように前記導電
性微粉末mが塗布される。
【0279】また帯電ローラ802の芯金802aに
は、図示しない帯電バイアス印加電源S1から−700
Vの直流電圧を帯電バイアスとして印加する。本実施例
では感光体801の表面は帯電ローラ802に対する印
加電圧とほぼ等しい電位(−680V)に直接注入帯電
方式によって一様に帯電処理される。
【0280】803はレーザダイオード、ポリゴンミラ
ー等を含むレーザビームスキャナ(露光器)である。こ
のレーザビームスキャナは目的の画像情報の時系列電気
デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光
(波長740nm)を出力し、該レーザ光Lで感光体1
の一様帯電面を走査露光する。この走査露光により回転
する感光体801に目的の画像情報に対応した静電潜像
が形成される。
【0281】804は現像装置である。感光体804の
表面の静電潜像がこの現像装置によりトナー像として現
像される。実施例の現像装置804は、絶縁性の負帯電
性磁性トナーを用いた、非接触型の反転現像装置であ
る。磁性トナー4dには磁性トナー粒子(t)及び導電
性微粉末(m)が含有されている。
【0282】804aは現像剤担持搬送部材としての、
マグネットロール804bを内包させた直径16mmの
非磁性現像スリーブである。この現像スリーブ804a
は感光体1に対して320μmの離間距離をあけて対向
配設し、感光体801との対向部である現像部(現像領
域部)aにて感光体801の回転方向と順方向に感光体
801の周速の120%の周速比で回転される。
【0283】この現像スリーブ804a上に、磁性トナ
ー804dが弾性ブレード804cによって薄層にコー
トされる。磁性トナー804dは、弾性ブレード804
cによって現像スリーブ804a上での層厚が規制され
るとともに電荷が付与される。
【0284】現像スリーブ804aにコートされた磁性
トナー804dは、現像スリーブ804aが回転するこ
とによって、感光体801と該現像スリーブ804aの
対向部である現像部aに搬送される。
【0285】また、現像スリーブ804aには現像バイ
アス印加電源S2により現像バイアス電圧が印加され
る。現像バイアス電圧は、−420Vの直流電圧と、周
波数1500Hz、ピーク間電圧1600V(電界強度
5×106V/m)の矩形の交流電圧とを重畳したもの
を用いて、現像スリーブ804aと感光体801の間で
一成分ジャンピング現像を行なわせる。本発明において
は、導電性微粉末mは帯電ローラーに塗布されるだけで
はなく、磁性トナーに外添させておいても良い。
【0286】導電性微粉末mの存在により、帯電ローラ
802の感光体801への緻密な接触性と接触抵抗を維
持できるため、該帯電ローラ802による感光体801
の直接注入帯電を行なわせることができる。
【0287】帯電ローラ802が導電性微粉末mを介し
て密に感光体801に接触し、導電性微粉末mが感光体
801表面を隙間なく摺擦する。これにより、帯電ロー
ラ802による感光体801の帯電を、放電現象を用い
ない、安定かつ安全な直接注入帯電が支配的とすること
が可能になり、従来のローラ帯電等では得られなかった
高い帯電効率が得られる。従って、帯電ローラ802に
印加した電圧とほぼ同等の電位を感光体801に与える
ことができる。
【0288】感光ドラム801上のトナー像は転写部b
で転写バイアス印加電源S3による転写バイアスを印加
されている転写ローラ805により転写材Pへ転写され
る。転写ローラ805は転写時には転写材Pを線圧1〜
80g/cmで押圧している。
【0289】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明につい
て説明する。しかしながら、これによって本発明の実施
の態様がなんら限定されるものではない。実施例中の部
数は質量部である。
【0290】実施例に用いられる樹脂を表1に、ワック
スを表2に、磁性酸化鉄粒子を表3に記す。スチレン系
樹脂は溶液重合又は懸濁重合により合成し、ポリエステ
ル樹脂は脱水縮合法により合成した。以下に磁性酸化鉄
粒子の製造法を示す。
【0291】・磁性酸化鉄粒子の製造例1 硫酸第一鉄溶液中に、Fe2+に対して0.95当量の水
酸化ナトリウム水溶液を混合した後、Fe(OH)2
含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。その後、ケイ酸ソ
ーダを鉄元素に対してケイ素元素換算で、1.0質量%
となるように添加した。次いでFe(OH)2を含む第
一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気してpH
6〜7.5の条件下で酸化反応をすることにより、ケイ
素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成した。さらにこ
の懸濁液に(鉄元素に対してケイ素元素換算)0.1質
量%のケイ酸ソーダを溶解した水酸化ナトリウム水溶液
を残存Fe2+に対して1.05当量添加して、さらに温
度90℃で加熱しながら、pH8〜11.5の条件下で
酸化反応してケイ素元素を含有した磁性酸化鉄粒子を生
成させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄・
ろ過・乾燥した。
【0292】得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子は、凝
集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラー
(新東工業株式会社製)を使用して磁性酸化鉄粒子の凝
集体に圧縮力及びせん断力を付与して、該凝集体を解砕
して磁性酸化鉄粒子を一次粒子にするとともに、磁性酸
化鉄粒子の表面を平滑にし、表3に示すような特性を有
する磁性酸化鉄粒子1を得た。磁性酸化鉄粒子の平均粒
径は0.21μmであった。磁性酸化鉄粒子1の表面
は、酸化鉄と酸化ケイ素とで形成されていた。
【0293】・磁性酸化鉄粒子の製造例2 製造例1と同様、ケイ素元素量を変え製造例2の磁性酸
化鉄粒子2を得た。磁性酸化鉄粒子2の表面は、酸化鉄
と酸化ケイ素とで形成されていた。
【0294】・磁性酸化鉄粒子の製造例3,4 製造例2で得られた磁性酸化鉄粒子のろ過工程前に、ス
ラリー液中に硫酸アルミニウムを所定量加え、pHを6
〜8の範囲に調整して、水酸化アルミニウムとして、磁
性酸化鉄粒子の表面処理を行い製造例3,4の磁性酸化
鉄粒子3,4を得た。製造例3,4の磁性酸化鉄は、製
造例1と同様、ミックスマーラーによって圧密解砕処理
を行った。磁性酸化鉄粒子3及び4の表面は、酸化鉄と
酸化ケイ素と酸化アルミと水酸化アルミとで形成されて
いた。
【0295】・磁性酸化鉄粒子の製造例5,6 製造例1の第一段階の反応時に所定の全ケイ素含有量を
投入し、さらに、投入する水酸化ナトリウム水溶液をF
2+に対し1当量を超える量にし、pH調整を変えるこ
とにより製造例5,6の磁性酸化鉄粒子5,6を得た。
磁性酸化鉄粒子5及び6の表面は、酸化鉄と酸化ケイ素
とで形成されていた。
【0296】・磁性酸化鉄粒子の製造例7 硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有
率が、1.8%となるようにケイ酸ソーダを添加した
後、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の水酸化アル
カリ水溶液を混合し、Fe(OH)2を含む第一鉄塩水
溶液の生成を行った。次いで、水溶液のpHを9に維持
しながら、温度85℃において空気を通気して、酸化反
応をすることにより、ケイ素元素を含有した磁性酸化鉄
粒子を生成した。さらに、この懸濁液に当初のアルカリ
量(ケイ酸ソーダのナトリウム成分及び水酸化アルカリ
のナトリウム成分)に対し、1.1当量となるように硫
酸第一鉄水溶液を加えた後、溶液のpHを8に維持し
て、空気を吹き込みながら酸化反応をすすめ、酸化反応
の終期にpHを弱アルカリ側になるように調整し、磁性
酸化鉄粒子を得た。
【0297】生成した磁性酸化鉄粒子を常法により、洗
浄・ろ過・乾燥し、次いで凝集している磁性酸化鉄粒子
を通常の解砕処理し、磁性酸化鉄粒子7を得た。磁性酸
化鉄粒子7の表面は、酸化鉄と酸化ケイ素とで形成され
ていた。
【0298】 実施例1 ・結着樹脂A 100部 ・磁性酸化鉄粒子3 90部 ・ワックスc 4部 ・アゾ系鉄錯体化合物A 2部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130
℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練し
た。
【0299】得られた混練物を冷却し、カッターミルに
て1mm以下に粗粉砕し、粗粉砕物を得た。得られた粗
粉砕物を図2に示す機械式粉砕機301で微粉砕し、得
られた微粉砕品を図2に示す多分割分級機を用いて分級
し、重量平均粒径6.5μmの磁性トナー粒子を得た。
本実施例では、機械式粉砕機301の回転子314及び
固定子310の粉砕面を窒化により耐摩耗処理を行った
ものを使用した。処理後の表面粗さは中心線粗さRaが
1.1μm、最大粗さRyを20.6μm、十点平均粗
さを12.3μmであった。回転子314の周速を11
7m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は42℃であった。
【0300】得られた磁性トナー粒子100部に対し、
ヘキサメチルジシラザン15質量%とジメチルシリコー
ン15質量%で疎水化処理したメタノールウェッタビリ
ティ80%,BET比表面積120m2/gの負帯電性
疎水性シリカ微粉体を1.2部とチタン酸ストロンチウ
ム1.0部をヘンシェルミキサーFM10C/l(三井
鉱山株式会社製)にて、乾式磁性トナーの見掛け体積充
填率が12%となるように磁性トナーを充填し図24に
示したY0羽根とS0羽根を用いて、回転数45.00
-1で1分間撹拌し、その後続けて50.00s-1で2
分間撹拌処理を行い磁性トナーNo.1を調製した。
【0301】トナー内添処方、粉砕条件及び物性値を表
4に記し、磁性トナーNo.1の円形度と平均粒子径の
関係を図20に示し、重量平均径Xとピーク粒度に対す
る半値幅の関係を図22に示す。
【0302】磁性トナーNo.1を、図13の形式の市
販のLBPプリンター(LBP−930,キヤノン社
製)をプロセススピード235mm/secに相当する
1.5倍のプリントスピードに改造し、常温常湿(23
℃,65%RH)の環境と低温低湿(15℃,10%R
H)の環境と高温高湿(30℃,80%RH)の環境で
それぞれ1万5千枚のプリント試験を行った。
【0303】画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社
製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行
い、5mm角の画像を測定した。カブリは反射濃度計
(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電
色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最
悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDr
とし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行っ
た。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。
【0304】これらの評価を、初期、15000枚時、
機外に一日放置した後に行った。
【0305】転写効率の評価については、市販のLBP
プリンター(LBP−950,キヤノン社製)で23
℃,65%RHの環境下で、初期及び1万枚耐久後の転
写性変動を評価した。転写紙としては75g/cm2
普通紙を使用した。転写性はベタ黒の6PC感光体上の
転写残トナー及び転写前トナーをポリエステルテープに
よりテーピングして剥ぎ取り、紙上に貼ったもののマク
ベス濃度からテープのみを貼ったもののマクベス濃度を
差し引いた数値から計算して評価した。
【0306】磁性トナーの消費量、ライン幅の評価につ
いては、キヤノン製レーザービームプリンターLBP−
1760を16枚/分から24枚/分に改造した画像形
成装置を用いて、常温常湿環境(23℃,65%RH)
で1000枚画出し後、600dpiの10ドット横線
パターンで潜像ライン幅が約420μmになるように設
定し、A4サイズ紙に印字率4%の画像を5000枚出
力し、現像器内の磁性トナー量の変化から消費量を求め
た。さらにベタ黒画像を出力し、このときの画像濃度を
確認した。
【0307】さらに、600dpiの10ドット横線パ
ターン潜像(潜像ライン幅約420μm)を1cm間隔
で書かせ、これを現像し、PET製のOHP上に転写、
定着させた。得られた横線パターン画像を表面粗さ計サ
ーフコーダーSE−30H(小坂研究所製)を用い、横
線ラインのトナーの載り方を表面粗さのプロフィールと
して得、このプロフィールの幅からライン幅を求めた。
ライン幅は潜像ライン幅よりもわずかに太い時に、最も
鮮鋭性の高い画像が得られ、潜像ライン幅よりも細くな
るに従い細線の再現性などが低下する。
【0308】画像濃度が高く、ライン幅も適正でトナー
消費量が少ない磁性トナーが好ましいものであり、画像
濃度が低くてトナー消費量の少ない磁性トナーや、ライ
ン幅が細くてトナー消費量の少ない磁性トナーは好まし
い形態ではない。
【0309】画質の評価については上記画出し試験機を
用いて、孤立した1ドットのパターンを画出しし、光学
顕微鏡で画像を観察してドット再現性を評価した。 A:潜像からの磁性トナーのはみ出しが全く無く、ドッ
トを完全に再現している B:潜像からの磁性トナーのはみ出しがところどころあ
る。 C:潜像からの磁性トナーのはみ出しが少しある D:潜像からの磁性トナーのはみ出しが多い
【0310】尾引きの評価については、上記画出し試験
機を用いて、4ドットの横ラインを175ドットスペー
スに印字した長さ約20cmのパターンを画出しし、5
0本中のライン上で目視で尾引いたラインの数を数え
た。 A:発生なし B:2本以下 C:3〜6本 D:7〜14本 E:15本以上
【0311】評価結果を表8〜12に示す。
【0312】実施例2 表4に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
2を作製した。但し、回転子314の周速を125m/
s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmと
して粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口
温度T2は37℃であった。得られた磁性トナーNo.
2の物性値を表4に示し、磁性トナーNo.2の円形度
と平均粒子径の関係を図20に示し、重量平均径Xとピ
ーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例
1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0313】実施例3 表4に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
3を作製した。但し、回転子314の周速を150m/
s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmと
して粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口
温度T2は53℃であった。得られた磁性トナーNo.
3の物性値を表4に示し、磁性トナーNo.3の円形度
と平均粒子径の関係を図20に示し、重量平均径Xとピ
ーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例
1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0314】実施例4 表4に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
4を作製した。但し、回転子314の周速を114m/
s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmと
して粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口
温度T2は45℃であった。得られた磁性トナーNo.
4の物性値を表4に示し、磁性トナーNo.4の円形度
と平均粒子径の関係を図21に示し、重量平均径Xとピ
ーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例
1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0315】実施例5 表4に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
5を作製した。但し、回転子314の周速を115m/
s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmと
して粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口
温度T2は40℃であった。得られた磁性トナーNo.
5の物性値を表4に示し、磁性トナーNo.5の円形度
と平均粒子径の関係を図20に示し、重量平均径Xとピ
ーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例
1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0316】実施例6 表4に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
6を作製した。但し、回転子314の周速を144m/
s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmと
して粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口
温度T2は55℃であった。得られた磁性トナーNo.
6の物性値を表4に示し、磁性トナーNo.6の円形度
と平均粒子径の関係を図21に示し、重量平均径Xとピ
ーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例
1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0317】実施例7 表4に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
7を作製した。但し、粉砕工程の前に図2に示す機械式
粉砕機301で中粉砕を行った。この時の粉砕条件は粉
砕工程と同様の条件で行った。但し、回転子314と固
定子310の間隙を2.0mmとして粉砕した。その
後、回転子314の周速を144m/s、回転子314
と固定子310の間隙を1.3mmとして粉砕した。こ
の際、入口温度T1は−10℃、出口温度T2は55℃
であった。得られた磁性トナーNo.7の物性値を表4
に示し、磁性トナーNo.7の円形度と平均粒子径の関
係を図20に示し、重量平均径Xとピーク粒度に対する
半値幅の関係を図22に示す。実施例1と同様の試験を
した結果を表8〜12に示す。
【0318】実施例8 表4に記載の処方で実施例7と同様に磁性トナーNo.
8を作製した。得られた磁性トナーNo.8の物性値を
表4に示し、磁性トナーNo.8の円形度と平均粒子径
の関係を図20に示し、重量平均径Xとピーク粒度に対
する半値幅の関係を図22に示す。実施例1と同様の試
験をした結果を表8〜12に示す。
【0319】実施例9 表4に記載の処方で実施例7と同様に磁性トナーNo.
9を作製した。得られた磁性トナーNo.9の物性値を
表4に示し、磁性トナーNo.9の円形度と平均粒子径
の関係を図21に示し、重量平均径Xとピーク粒度に対
する半値幅の関係を図22に示す。実施例1と同様の試
験をした結果を表8〜12に示す。
【0320】実施例10 表5に記載の処方で実施例7と同様に磁性トナーNo.
10を作製した。得られた磁性トナーNo.10の物性
値を表5に示し、磁性トナーNo.10の円形度と平均
粒子径の関係を図21に示し、重量平均径Xとピーク粒
度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例1と同
様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0321】実施例11 表5に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
11を作製した。但し、回転子314の周速を90m/
s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mmと
して粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口
温度T2は30℃であった。得られた磁性トナーNo.
11の物性値を表5に示し、磁性トナーNo.11の円
形度と平均粒子径の関係を図21に示し、重量平均径X
とピーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実
施例1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0322】実施例12 表5に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
12を作製した。但し、回転子314の周速を120m
/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mm
として粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出
口温度T2は50℃であった。得られた磁性トナーN
o.12の物性値を表5に示し、磁性トナーNo.12
の円形度と平均粒子径の関係を図20に示し、重量平均
径Xとピーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示
す。実施例1と同様の試験をした結果を表8〜12に示
す。
【0323】実施例13 表5に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
13を作製した。但し、その表面粗さ、中心線粗さRa
を1.7μm、最大粗さRyを35.6μm、十点平均
粗さを21.3μmとした。回転子314の周速を15
5m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は46℃であった。得られた磁性トナ
ーNo.13の物性値を表5に示し、磁性トナーNo.
13の円形度と平均粒子径の関係を図20に示し、重量
平均径Xとピーク粒度に対する半値幅の関係を図22に
示す。実施例1と同様の試験をした結果を表8〜12に
示す。
【0324】実施例14 表5に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
14を作製した。但し、回転子314の周速を135m
/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mm
として粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出
口温度T2は33℃であった。得られた磁性トナーN
o.14の物性値を表5に示し、磁性トナーNo.14
の円形度と平均粒子径の関係を図21に示し、重量平均
径Xとピーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示
す。実施例1と同様の試験をした結果を表8〜12に示
す。
【0325】実施例15 表5に記載の処方で実施例1と同様に磁性トナーNo.
15を作製した。但し、回転子314の周速を115m
/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3mm
として粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出
口温度T2は48℃であった。得られた磁性トナーN
o.15の物性値を表5に示し、磁性トナーNo.15
の円形度と平均粒子径の関係を図21に示し、重量平均
径Xとピーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示
す。実施例1と同様の試験をした結果を表8〜12に示
す。
【0326】比較例1 表5に記載の処方で実施例1と同様に比較磁性トナー
(i)を作製した。但し、回転子及び固定子を鏡面処理
にしその後窒化により耐摩耗処理を行ったものを使用し
た。処理後の粉砕面の粗さは中心線粗さRaが0.9μ
m、最大粗さRyが9.0μm、十点平均粗さが6.4
μmであった。回転子314の周速を150m/s、回
転子314と固定子310の間隙を1.3mmとして粉
砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口温度T
2は53℃であった。得られた比較磁性トナー(i)の
物性値を表5に示し、比較磁性トナー(i)の円形度と
平均粒子径の関係を図20に示し、重量平均径Xとピー
ク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。実施例1
と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0327】比較例2 表5に記載の処方で実施例1と同様に比較磁性トナー
(ii)を作製した。但し、回転子,固定子をブラスト
処理しその後窒化により耐摩耗処理を行ったものを使用
した。処理後の粉砕面の粗さは中心線粗さRaが3.2
μm、最大粗さRyが43.5μm、十点平均粗さが3
5.4μmであり、回転子314の周速を90m/s、
回転子314と固定子310の間隙を1.0mmとして
粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口温度
T2は31℃であった。得られた比較磁性トナー(i
i)の物性値を表5に示し、比較磁性トナー(ii)の
円形度と平均粒子径の関係を図21に示し、重量平均径
Xとピーク粒度に対する半値幅の関係を図22に示す。
実施例1と同様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0328】比較例3 表5に記載の処方で比較磁性トナー(iii)を作製し
た。粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕
し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分
割分級機を用いて分級した。得られた比較磁性トナー
(iii)の物性値を表5に示し、比較磁性トナー(i
ii)の円形度と平均粒子径の関係を図20に示し、重
量平均径Xとピーク粒度に対する半値幅の関係を図22
に示す。実施例1と同様の試験をした結果を表8〜12
に示す。
【0329】比較例4 表5に記載の処方で比較磁性トナー(iv)を作製し
た。粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕
し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分
割分級機を用いて分級し、分級後にハイブリタイザーに
より粒子の形状及び表面性を改質した。得られた比較磁
性トナー(iv)の物性値を表5に示す。実施例1と同
様の試験をした結果を表8〜12に示す。
【0330】実施例16〜20 実施例1,2,12,13,15で用いた磁性トナーN
o.1,2,12,13及び15を使用し、市販のLB
Pプリンター(LBP−250,キヤノン社製)に使用
されるカートリッジを図18において説明した注入帯電
工程を有するカートリッジに改造したものを使用して画
出し評価をおこなった。改造内容は、帯電ローラーにア
ルミニウム元素を含有する抵抗が100Ω・cmの酸化
亜鉛微粉末を導電性微粉末を均一に塗布し、帯電ローラ
には帯電バイアス印加電源S1から−700Vの直流電
圧を帯電バイアスとして印加した。
【0331】本実施例ではOPC感光体1の表面は帯電
ローラ2に対する印加電圧とほぼ等しい電位(−680
V)に直接注入帯電方式によって一様に帯電処理され
た。現像バイアス電圧は、−420Vの直流電圧と、周
波数1500Hz、ピーク間電圧1600V(電界強度
5×106V/m)の矩形の交流電圧とを重畳したもの
を用いて、現像スリーブ4aとOPC感光体1の間で一
成分ジャンピング現像を行わせた。
【0332】このカートリッジを用い、市販のLBPプ
リンター(LBP−250,キヤノン社製)をプロセス
スピード120mm/secとなるように改造し実施例
1と同様にトナー消費量,画像濃度,ライン幅,ドット
再現性,尾引きの評価を行った。その結果を表13に示
す。
【0333】
【表1】
【0334】
【表2】
【0335】
【表3】
【0336】
【化15】
【0337】
【表4】
【0338】
【表5】
【0339】
【表6】
【0340】
【表7】
【0341】
【表8】
【0342】
【表9】
【0343】
【表10】
【0344】
【表11】
【0345】
【表12】
【0346】
【表13】
【0347】 実施例21 ・結着樹脂B 100部 ・磁性酸化鉄粒子3 90部 ・ワックスc 4部 ・アゾ系鉄錯体化合物A 2部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130
℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練し
た。
【0348】得られた混練物を冷却し、カッターミルに
て1mm以下に粗粉砕し、トナー製造用粉体原料である
粗粉砕物を得た。得られた粉体原料を図2に示す機械式
粉砕機301で微粉砕し、得られた微粉砕品を図2に示
す多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.5μ
mの磁性トナー粒子を得た。本実施例では、機械式粉砕
機301の回転子314及び固定子310の粉砕面を粗
面化処理することによりその表面粗さを、中心線粗さR
a=5.9μm、最大粗さRy=32.4μm、十点平
均粗さ=21.4μmとし、窒化により耐摩耗処理を行
った。また、回転子314の周速を117m/s、回転
子314と固定子310の間隙を1.3mmとして粉砕
した。この際、入口温度T1は−10℃、出口温度T2
は42℃であった。
【0349】得られた磁性トナー粒子100部に対し、
ヘキサメチルジシラザン15質量%とジメチルシリコー
ン15質量%で疎水化処理したメタノールウェッタビリ
ティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水性シ
リカ微粉体1.2部とチタン酸ストロンチウム1.0部
を外添混合して磁性トナーNo.16を調製した。
【0350】トナー内添処方、粉砕条件及び物性値を表
14及び表15に記し、磁性トナーNo.16の円形度
と平均粒子径の関係を図25に示す。
【0351】磁性トナーNo.16を、図13の形式の
市販のLBPプリンター(LBP−930,キヤノン社
製)を1.5倍のプリントスピードに改造し、23℃,
65%RHの環境と、15℃,10%RHの環境と30
℃,80%RHの環境で1万5千枚のプリント試験を行
った。評価結果を表16〜18に示す。
【0352】画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社
製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行
い、5mm角の画像を測定した。カブリは反射濃度計
(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電
色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最
悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDr
とし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行っ
た。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。
【0353】これらの評価を、初期、15000枚時、
機外に一日放置した後に行った。
【0354】転写効率の評価については、市販のLBP
プリンター(LBP−930,キヤノン社製)で23
℃,65%RHの環境下で、初期及び1万枚耐久後の転
写性変動を評価した。転写紙としては75g/cm2
普通紙を使用した。転写性はベタ黒の感光体上の転写残
トナー及び転写前トナーをポリエステルテープによりテ
ーピングして剥ぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃
度からテープのみを貼ったもののマクベス濃度を差し引
いた数値から計算して評価した。評価結果を表19に示
す。
【0355】実施例22 表14に記載の処方で実施例21と同様に磁性トナーN
o.17を作製した。但し、回転子314の周速を12
5m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は37℃であった。得られた磁性トナ
ーNo.17の物性値を表14及び表15に示し、磁性
トナーNo.17の円形度と平均粒子径の関係を図25
に示す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表
16〜19に示す。
【0356】実施例23 表14に記載の処方で実施例21と同様に磁性トナーN
o.18を作製した。但し、回転子314の周速を15
0m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は63℃であった。得られた磁性トナ
ーNo.18の物性値を表14及び表15に示し、磁性
トナーNo.18の円形度と平均粒子径の関係を図25
に示す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表
16〜19に示す。
【0357】実施例24 表14に記載の処方で実施例21と同様に磁性トナーN
o.19を作製した。但し、回転子314の周速を11
4m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は45℃であった。得られた磁性トナ
ーNo.19の物性値を表14及び表15に示し、磁性
トナーNo.19の円形度と平均粒子径の関係を図26
に示す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表
16〜19に示す。
【0358】実施例25 表14に記載の処方で実施例21と同様に磁性トナーN
o.20を作製した。但し、回転子314の周速を11
5m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は40℃であった。得られた磁性トナ
ーNo.20の物性値を表14及び表15に示し、磁性
トナーNo.20の円形度と平均粒子径の関係を図25
に示す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表
16〜19に示す。
【0359】実施例26 表14に記載の処方で実施例21と同様に磁性トナーN
o.21を作製した。但し、回転子314の周速を14
4m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3
mmとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10
℃、出口温度T2は60℃であった。得られた磁性トナ
ーNo.21の物性値を表14及び表15に示し、磁性
トナーNo.21の円形度と平均粒子径の関係を図26
に示す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表
16〜19に示す。
【0360】実施例27 表14に記載の処方で実施例21と同様に磁性トナーN
o.22を作製した。但し、回転子314の周速を90
m/s、回転子314と固定子310の間隙を1.3m
mとして粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、
出口温度T2は30℃であった。得られた磁性トナーN
o.22の物性値を表14及び表15に示し、磁性トナ
ーNo.22の円形度と平均粒子径の関係を図26に示
す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表16
〜19に示す。
【0361】比較例5 表14に記載の処方で実施例21と同様に比較磁性トナ
ー(v)を作製した。但し、粉砕面の表面粗さを、中心
線粗さRa=1.8μm、最大粗さRy=13.5μ
m、十点平均粗さ=9.8μmとし、窒化により耐摩耗
処理を行った。回転子314の周速を150m/s、回
転子314と固定子310の間隙を1.3mmとして粉
砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口温度T
2は63℃であった。得られた比較磁性トナー(v)の
物性値を表14及び表15に示し、比較磁性トナー
(v)の円形度と平均粒子径の関係を図25に示す。ま
た、実施例21と同様の試験をした結果を表16〜19
に示す。
【0362】比較例6 表14に記載の処方で実施例21と同様に比較磁性トナ
ー(vi)を作製した。但し、粉砕面の表面粗さを、中
心線粗さRa=12.3μm、最大粗さRy=70.8
μm、十点平均粗さ=41.3μmとし、窒化により耐
摩耗処理を行った。回転子314の周速を90m/s、
回転子314と固定子310の間隙を1.3mmとして
粉砕した。この際、入口温度T1は−10℃、出口温度
T2は31℃であった。得られた比較磁性トナー(v
i)の物性値を表14及び表15に示し、比較磁性トナ
ー(vi)の円形度と平均粒子径の関係を図26に示
す。また、実施例21と同様の試験をした結果を表16
〜19に示す。
【0363】比較例7 表14に記載の処方で比較磁性トナー(vii)を作製
した。粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉
砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多
分割分級機を用いて分級した。得られた比較磁性トナー
(vii)の物性値を表14及び表15に示し、比較磁
性トナー(vii)の円形度と平均粒子径の関係を図2
5に示す。また、実施例21と同様の試験をした結果を
表16〜19に示す。
【0364】比較例8 表14に記載の処方で比較磁性トナー(viii)を作
製した。粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で
粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した
多分割分級機を用いて分級し、分級後にハイブリタイザ
ーにより粒子の形状及び表面性を改質した。得られた比
較磁性トナー(viii)の物性値を表14及び表15
に示し、比較磁性トナー(viii)の円形度と平均粒
子径の関係を図25に示す。また、実施例21と同様の
試験をした結果を表16〜19に示す。
【0365】
【表14】
【0366】
【表15】
【0367】
【表16】
【0368】
【表17】
【0369】
【表18】
【0370】
【表19】
【0371】
【発明の効果】本発明によれば、特定の磁性酸化鉄の遊
離数をもつトナーによって定着器の構成に関わらず定着
器部材への付着を防止し、高湿下及び低湿下で使用して
も高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠
陥を生じず、さらに定着性を損なうことなく転写効率が
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの製造方法の一例を説明する為
のフローチャートである。
【図2】本発明のトナーの製造方法の一例を実施する為
の装置システムの一具体例を示す概略図である。
【図3】本発明のトナーの粉砕工程において使用される
一例の機械式粉砕機の概略断面図である。
【図4】図3におけるD−D’面での概略的断面図であ
る。
【図5】図3に示す回転子の斜視図である。
【図6】本発明のトナーの分級工程に用いられる多分割
気流式分級装置の概略断面図である。
【図7】従来の製造方法を説明する為のフローチャート
である。
【図8】従来の製造方法を示すシステム図である。
【図9】従来の衝突式気流粉砕機の概略断面図である。
【図10】従来の第2分級手段に用いられる多分割気流
式分級装置の概略断面図である。
【図11】本発明の磁性トナーを用いて画像形成を行う
のに好適な画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図12】好適な画像形成装置の一例を示す概略図であ
る。
【図13】好適な画像形成装置の他の例を示す概略図で
ある。
【図14】転写装置の概略を示した図である。
【図15】帯電ローラーの概略を示した図である。
【図16】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す
説明図である。
【図17】本発明の弾性ブレードを用いたプロセスカー
トリッジの一例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施例において用いられる注入帯電
工程を有するプロセスカートリッジの一例を示す説明図
である。
【図19】トナーの帯電量測定に用いられる装置の説明
図である。
【図20】円形度と平均粒子径の関係を説明するための
図である。
【図21】円形度と平均粒子径の関係を説明するための
図である。
【図22】重量平均径Xとピーク粒度に対する半値幅Y
の関係を説明するための図である。
【図23】重量平均径Xとピーク粒度に対する半値幅Y
の関係表す粒度分布のデータである。
【図24】本発明の実施例において用いた添混合時の撹
拌翼の説明図である。
【図25】円形度と平均粒子径の関係を説明するための
図である。
【図26】円形度と平均粒子径の関係を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 多分割分級機 2 第2定量供給機 3 振動フィーダー 4,5,6 補集サイクロン 11,12,13 排出口 11a,12a,13a 排出導管 14,15 入気管 16 原料供給ノズル 17,18 分級エッジ 19 入気エッジ 20 第1気体導入調節手段 21 第2気体導入調節手段 22,23 側壁 24,25 分級エッジブロック 26 コアンダブロック 27 左部ブロック 28,29 静圧計 30 分級域 32 分級室 40 原料供給口 41 高圧エアーノズル 42 原料粉体導入ノズル 122 第1分級機 123 補集サイクロン 124 第2定量供給機 125 振動フィーダー 127 多分割分級機(第2分級機) 128 気流式粉砕機 129,130,131 補集サイクロン 135 インジェクションフィーダー 141,142 側壁 143,144 分級エッジブロック 145 コアンダブロック 146,147 分級エッジ 148,149 原料供給管 150 分級室上部壁 151 入気エッジ 153,153 入気管 154,155 気体導入調節手段 156,157 静圧計 158,159,160 排出口 161 高圧気体供給ノズル 162 加速管 163 加速管出口 164 衝突部材 165 原料供給口 166 衝突面 167 粉砕物排出口 212 渦巻室 219 パイプ 220 ディストリビュータ 222 バグフィルター 224 吸引フィルター 229 補集サイクロン 301 機械式粉砕機 302 粉体排出口 310 固定子 311 粉体投入口 312 回転軸 313 ケーシング 314 回転子 315 第1定量供給機 316 ジャケット 317 冷却水供給口 318 冷却水排出口 320 後室 321 冷風発生手段 331 第3定量供給機 701 潜像担持体(感光体) 702 転写ローラー 702a 芯金 702b 導電性弾性層 704 現像スリーブ(現像剤担持体) 705 露光 709 現像器 711 磁性ブレード 723 定電圧電源 742 帯電ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/02 101 G03G 9/08 301 15/08 504 325 507 346 21/18 381 15/08 507L 15/00 556 (72)発明者 小沼 努 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中西 恒雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平塚 香織 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AB04 CA05 CA14 CA22 CB01 CB02 CB03 CB06 DA02 EA01 EA03 EA05 EA06 EA10 FA01 2H071 BA05 BA27 DA06 DA08 DA09 DA15 2H077 AD06 AD13 AD23 EA13 2H200 FA12 GA23 GA46 GB41 HA03 HA28 JC00

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有
    するトナー粒子を有する乾式トナーにおいて、 遊離した鉄元素を有する粒子が該トナー粒子10,00
    0個当たり100〜350個存在し、 該トナーの重量平均粒子径が5μm〜12μmであり、
    かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
    (1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
    を個数基準で90個数%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
    (2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
    /μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
    /μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
    (5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]ことを特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 該磁性酸化鉄粒子が、結着樹脂100質
    量部に対し20〜200質量部含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 該磁性酸化鉄粒子が鉄元素基準で異種元
    素を0.05〜10質量%で含有している磁性酸化鉄微
    粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾
    式トナー。
  4. 【請求項4】 該磁性酸化鉄粒子は最表面におけるFe
    /Si原子比が1.2〜7.0であることを特徴とする
    請求項3に記載の乾式トナー。
  5. 【請求項5】 該磁性酸化鉄粒子の平滑度が0.3〜
    0.8であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の乾式トナー。
  6. 【請求項6】 該磁性酸化鉄粒子の比表面積が15.0
    2/g以下であることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の乾式トナー。
  7. 【請求項7】 該磁性酸化鉄粒子がアルミニウム元素に
    換算して0.01〜2.0質量%のアルミニウム化合物
    を含有していることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  8. 【請求項8】 該磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe
    /Al原子比が0.3〜10.0であることを特徴とす
    る請求項7に記載の乾式トナー。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂がカルボキシル基又は酸無水
    物基を有し、その酸価が1〜100mgKOH/gであ
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の
    乾式トナー。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂のカルボキシル基又は酸無
    水物基が、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、無
    水マレイン酸の少なくとも1種以上から選択される酸モ
    ノマーから生成されたものであることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載の乾式トナー。
  11. 【請求項11】 該結着樹脂がスチレン系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載
    の乾式トナー。
  12. 【請求項12】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (I)式で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の乾
    式トナー。 【化1】
  13. 【請求項13】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (II)式で示される塩基性有機金属化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の
    乾式トナー。 【化2】
  14. 【請求項14】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (III)式で示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の
    乾式トナー。 【化3】
  15. 【請求項15】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (IV)式で示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の乾
    式トナー。 【化4】
  16. 【請求項16】 該トナーが離型剤を結着樹脂100質
    量部に対し0.2〜20質量部含有してることを特徴と
    する請求項1乃至15のいずれかに記載の乾式トナー。
  17. 【請求項17】 該離型剤の融点が65〜160℃であ
    ることを特徴とする請求項16に記載の乾式トナー。
  18. 【請求項18】 磁性酸化鉄粒子は、表面が酸化物又は
    /及び水酸化物で形成されていることを特徴とする請求
    項1乃至17のいずれかに記載の乾式トナー。
  19. 【請求項19】 磁性酸化鉄粒子は、疎水化度が20%
    以下であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれ
    かに記載の乾式トナー。
  20. 【請求項20】 該磁性酸化鉄粒子は珪素の含有率が鉄
    元素を基準として0.4〜2.0質量%であり、かつ該
    磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe/Si原子比が
    1.2〜4.0であることを特徴とする請求項1乃至1
    9のいずれかに記載の乾式トナー。
  21. 【請求項21】 遊離した鉄元素を有する粒子が該トナ
    ー粒子10,000個当り100〜300個存在し、磁
    性酸化鉄粒子は、表面が酸化物又は/及び水酸化物で形
    成されていることを特徴とする請求項1乃至20のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  22. 【請求項22】 トナーのテトロヒドロフラン(TH
    F)の可溶成分は、ゲルクロマトグラフィ(GPC)に
    よって測定される分子量分布において、分子量2,00
    0〜25,000の領域にメインピークを有することを
    特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の乾式ト
    ナー。
  23. 【請求項23】 トナーはCarrの噴流性指数が80
    よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至22のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  24. 【請求項24】 トナーはCarrの流動性指数が60
    よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至23のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  25. 【請求項25】 トナーはCarrの噴流性指数が81
    〜89であることを特徴とする請求項1乃至24のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  26. 【請求項26】 トナーはCarrの流動性指数が61
    〜79であることを特徴とする請求項1乃至25のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  27. 【請求項27】 該トナーはコールターカウンターによ
    って256chで測定された個数基準の粒度分布におい
    て、ピーク粒度xに対する半値幅yが下記式(7)を満
    足することを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに
    記載の乾式トナー。 2.06x−9.113≦y≦2.06x−7.341 (7)
  28. 【請求項28】 該トナーは鉄粉キャリアに対する摩擦
    帯電量の絶対値の値を│Qd│としたとき、70≧│Q
    d│≧20μC/gであることを特徴とする請求項1乃
    至27のいずれかに記載の乾式トナー。
  29. 【請求項29】 トナーは、 a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が0<カッ
    ト率Z≦5.3×Xの式を満足し、 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式を満足することを
    特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載の乾式ト
    ナー。 exp4.85×X-0.187≧Y≧exp5.51×X
    -0.645
  30. 【請求項30】 トナーは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が95≧カ
    ット率Z>5.3×Xの式を満足し、 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式を満足することを
    特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナ
    ー。 exp4.85×X-0.187≧Y≧exp5.37×X
    -0.545
  31. 【請求項31】 トナーの示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線の最大吸熱ピークが60〜120℃にあ
    ることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載
    の乾式トナー。
  32. 【請求項32】 トナーの示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線の最大吸熱ピークが60〜120℃にあ
    り、サブ吸熱ピークが60〜160℃にあり、最大吸熱
    ピークの温度Tmaxとサブ吸熱ピークの温度Tsubとの差
    が20℃以上であることを特徴とする請求項1乃至31
    のいずれかに記載の乾式トナー。
  33. 【請求項33】 トナーの重量平均粒径が5〜10μm
    であることを特徴とする請求項1乃至32のいずれかに
    記載の乾式トナー。
  34. 【請求項34】 遊離した鉄元素を有する粒子は、磁性
    酸化鉄粒子であり、磁性酸化鉄粒子は平均粒径が0.1
    〜0.4μmであることを特徴とする請求項1乃至33
    のいずれかに記載の乾式トナー。
  35. 【請求項35】 磁性トナー粒子は、結着樹脂,磁性酸
    化鉄粒子及びワックスを少なくとも含有する混合物を溶
    融混練し、混練物を冷却し、冷却物を粗粉砕し、得られ
    た粗粉砕物を機械式粉砕機により微粉砕することにより
    得られたものであることを特徴とする請求項1乃至34
    のいずれかに記載の乾式トナー。
  36. 【請求項36】 静電荷像保持体に静電荷像を形成し、
    静電荷像を現像手段に保有されている乾式トナーで現像
    してトナー像を形成し、 形成されたトナー像を中間転写体を介して、又は、介さ
    ずに転写材へ転写し、 転写材上のトナー像を加熱加圧定着手段によって転写材
    に定着する画像形成方法であり、 該トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有す
    るトナー粒子を有し、遊離した鉄元素を有する粒子が該
    トナー粒子10,000個当たり100〜350個存在
    し、 該トナーの重量平均粒子径が5μm〜12μmであり、
    かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
    (1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
    を個数基準で90個数%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
    (2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
    /μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
    /μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
    (5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]ことを特徴とする画像形成方法。
  37. 【請求項37】 静電荷像保持体はバイアスが印加され
    ている接触帯電手段により帯電され、帯電された静電荷
    像保持体を露光することよりデジタル潜像を形成し、デ
    ジタル潜像を現像手段に保有されている乾式磁性トナー
    で現像して磁性トナー像を形成し、磁性トナー像を中間
    転写体を介して、又は、介さずに転写材へバイアスが印
    加されている当接転写手段によって転写することを特徴
    とする請求項36に記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 現像手段は、磁界発生手段を内包して
    いる現像スリーブを有し、現像スリーブ上に磁性トナー
    層を形成するための弾性ブレードを有していることを特
    徴とする請求項36又は37に記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 静電荷像保持体は接触帯電手段により
    注入帯電され、磁性トナー粒子には導電性微粉末が外添
    されていることを特徴とする請求項36乃至38のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 トナーは、請求項2乃至35のいずれ
    かに記載の乾式トナーであることを特徴とする請求項3
    6乃至39のいずれかに記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 静電荷像担持体と、該静電荷像担持体
    に形成された静電荷像を乾式トナーで現像するための現
    像手段と、乾式トナーを保有するための容器とを少なく
    とも有し、 該静電荷像担持体と該現像手段と容器とは一体に支持さ
    れている構成を有するプロセスカートリッジであり、 該プロセスカートリッジは、画像形成装置本体に着脱可
    能であり、 該トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性酸化鉄を有す
    るトナー粒子を有し、遊離した鉄元素を有する粒子が該
    トナー粒子10,000個当たり100〜350個存在
    し、 該トナーの重量平均粒子径が5μm〜12μmであり、
    かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
    (1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
    を個数基準で90個数%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
    (2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
    /μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
    /μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
    (5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  42. 【請求項42】 静電荷像担持体が感光ドラムであるこ
    とを特徴とする請求項41に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  43. 【請求項43】 プロセスカートリッジは、さらに、接
    触帯電手段を有していることを特徴とする請求項41又
    は42に記載のプロセスカートリッジ。
  44. 【請求項44】 プロセスカートリッジは、さらに、中
    間転写体を有していることを特徴とする請求項41乃至
    43のいずれに記載のプロセスカートリッジ。
  45. 【請求項45】 トナーは、請求項2乃至35のいずれ
    かに記載の乾式トナーであることを特徴とする請求項4
    1乃至44のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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