[go: up one dir, main page]

JP2002116209A - ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法 - Google Patents

ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法

Info

Publication number
JP2002116209A
JP2002116209A JP2000311164A JP2000311164A JP2002116209A JP 2002116209 A JP2002116209 A JP 2002116209A JP 2000311164 A JP2000311164 A JP 2000311164A JP 2000311164 A JP2000311164 A JP 2000311164A JP 2002116209 A JP2002116209 A JP 2002116209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
chelating agent
group
measurement
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000311164A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Asahi
信雄 朝日
Tomoko Tanaka
知子 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wako Pure Chemical Industries Ltd filed Critical Wako Pure Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000311164A priority Critical patent/JP2002116209A/ja
Publication of JP2002116209A publication Critical patent/JP2002116209A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中の共存物質による測定への影響を抑制
し、高感度且つ高回収率に測定が行えるペプチドグリカ
ン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処
理剤及び処理方法、並びに該試料中のPG又は/及びβ
Gの測定方法の提供。 【解決手段】 キレート剤を含んで成る、ペプチドグリ
カン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の
処理剤及びこれを用いた該試料の処理方法、並びに該キ
レート剤の存在下に行う、試料中のペプチドグリカン又
は/及び(1→3)β−D−グルカンの測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キレート剤を含ん
で成る、ペプチドグリカン(以下PGと略記する。)又
は(1→3)β−D−グルカン(以下βGと略記す
る。)含有試料の処理剤及び処理方法、並びに該試料中
のPG又は/及びβGの測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PGは、N−アセチルムラミン酸又はN
−グリコリルムラミン酸とD−アミノ酸を含む糖タンパ
クであり、細菌の細胞壁成分として菌の形状の保持に重
要な働きをしている。また、エンドトキシン(以下、E
Tと略記する。)がグラム陰性菌のみに存在するのに対
して、PGはグラム陽性菌とグラム陰性菌の両方に存在
し、グラム陽性菌では細胞壁の最外殻に分厚い層を、グ
ラム陰性菌では外膜の内側に薄い層を形成している。E
TもPGも持っていない古細菌(例えばメタン細菌、高
度好酸性好熱菌等)を除くと、殆どの原核生物がPGを
その細胞壁に持っている。一方、哺乳動物等の真核生物
の細胞成分中にはPGは存在しないため、PGが存在す
るところには細菌が存在すると考えられる。
【0003】また、βGは、酵母やカビの細胞壁の骨格
構成物、多くの担子菌子実体(キノコ)の主要な多糖成
分、血液透析に使用する膜等からの溶出成分等としてそ
の存在が知られている物質である。βGの生物活性はE
Tほど明らかではないものの、これを測定することによ
って真菌症の早期診断や真菌による医療用具の汚染の検
出を行うことができると考えられている。
【0004】従ってPG及びβGの測定は、これらを細
胞壁の構成成分としている細菌類、藍藻類等の微生物の
微量検出に有用であり、医薬品等の安全性試験、水や食
品等の微生物試験、感染症の診断等への応用が期待され
ている。
【0005】PG及びβGの測定方法としては、昆虫体
液を用いる方法(特公平7ー114707号)等が報告されてい
る。昆虫体液中にはPGやβGにより活性化される酵素
が存在し、試料中のPGやβGによって活性化され、メ
ラニンを生成する(Biochemical and Biophysical Rese
arch Communications Vol.113, No.2, 1983 pp562-56
8)。
【0006】昆虫体液は、各種細菌由来のPG及びβG
に強く反応するが、グラム陰性菌の細胞壁成分であるE
Tには殆ど反応しない。そこで、この反応を利用すれ
ば、リムルス試薬によるET検査では検出できなかった
グラム陽性菌感染症を含めた診断を可能とすることが考
えられる。また、ETに反応するリムルス試薬と、PG
及びβGに反応する昆虫体液の併用で、試料中の微生物
の種類を予測できる可能性が考えられる。
【0007】しかしながら、例えば血漿や血清等の体液
中には、昆虫体液の反応に影響を及ぼす、酵素の活性化
阻害因子等の成分が存在する。そこでこれらの試料中の
PG又は/及びβGを上記昆虫体液を用いて測定するに
は、該試料を適当な方法で処理して、試料中に含まれる
これらの成分による影響を防止する必要がある。
【0008】上記目的で、現在主に使用されている処理
方法としては、過塩素酸法(H.タムラら、Throm.Res.,2
7, 51-57, 1982等)、新過塩素酸法(吉田昌男ら、エン
ドトキシン研究の新しい展開, 織田敏次監修, 羊土社,
35, 1986等)等の酸・アルカリ処理、希釈加熱法(M.S.
クーハ゜ーストックら, Lancet, 1, 1272, 1985)等による処理
方法が挙げられるが、これらの方法は種々の問題を有し
ており、必ずしも好ましい方法とは言い難い。
【0009】例えば過塩素酸法は、血漿に過塩素酸を加
え、37℃で20分間加温し、変性物の沈澱を3000 rpm、15
分間遠心して除去した後、その上清に水酸化ナトリウム
を加えて中和し、測定に供する方法である。この処理法
は、操作が煩雑であることや、生じる沈澱中にPGやβ
Gの一部が取り込まれこれらの回収率が低下する場合が
ある等の問題点が指摘されている。
【0010】また、新過塩素酸法は、血漿に水酸化ナト
リウムを加え37℃で5分間加温したものに、過塩素酸を
加え37℃で10分間加温した後、生じた沈澱を水酸化ナト
リウムで溶解し、得られた溶液にトリス緩衝液を加えて
pHを補正して測定に供する方法である。この処理方法
も過塩素酸法同様、操作が煩雑であると言う問題を有し
ている。
【0011】これに対し、希釈加熱法は、血漿を蒸留水
で10倍に希釈し、100℃10分間加熱後、測定に供すると
いう方法で、操作が簡単であり、最も有効な方法ではあ
る。しかし、血漿へのPG又は/及び又はβG添加回収
試験を行った時に、回収率が低い場合が多いという問題
点がある。また、昆虫体液とβG又は/及びβGとの反
応に影響を及ぼさないようにするためには、試料を数百
倍に希釈する必要もあり、PG又は/及びβGを高感度
に測定することが困難であるという問題点も有してい
た。
【0012】上記の方法以外にも、Tween80添加法とい
う処理方法が報告されている(福井博ら、第8回エンド
トキシン臨床研究会記録, 羊土社, 59-66, 1989)。こ
の方法は、血漿を希釈、加熱した後、界面活性剤である
Tween80を終濃度が1%となるように添加し、氷冷下で
超音波処理機で5分間撹拌し測定に供する方法である。
この方法も操作がやや煩雑になる上に、超音波処理機と
いう特殊な装置が必要となるという問題点を有してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
状況に鑑みなされたもので、簡便な操作により実施可能
で、且つPG又は/及びβGの回収率が良好で、しかも
PG又は/及びβGの測定を高感度に行える、PG又は
/及びβG含有試料(主として血漿、血清等)の処理剤
及びこれを用いる処理方法、並びに該試料中のPG又は
/及びβGの測定方法を提供することをその目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はキレート剤を含
んで成る、PG又は/及びβG含有試料の処理剤の発明
である。また、本発明はキレート剤を含んで成る、PG
又は/及びβG測定に於ける、試料中に含有される他成
分による影響回避剤の発明である。更に、本発明はPG
又は/及びβG含有試料にキレート剤を共存させること
を特徴とする、該試料の処理方法の発明である。更にま
た本発明は、キレート剤の存在下に行う、試料中のPG
又は/及びβGの測定方法の発明である。また、本発明
は、キレート剤の存在下に、試料を、昆虫体液由来のP
G又は/及びβG測定用試薬(以下、昆虫体液由来試薬
と略記する。)と反応させることを特徴とする、試料中
に存在するPG又は/及びβGの測定方法の発明であ
る。
【0015】即ち、本発明者らは、PG又は/及びβG
測定に影響を及ぼす成分(以下、測定阻害因子と略記す
る場合がある。)を含む血漿や血清等の試料中のPG又
は/及びβGを測定する際に有効で、上記成分による影
響を除去し得、且つ簡便な操作により実施可能で、更に
PG又は/及びβGの回収率の良好な該試料の処理方法
を開発すべく鋭意研究の途上、試料中に予め試料中にキ
レート剤を存在させることにより、従来法と同等若しく
はそれ以上に試料中のPG又は/及びβGの回収率が向
上すること、更には、該方法によれば、単に緩衝剤溶液
のみで希釈加熱処理した場合には測定時に非特異的な濁
りの生ずる検体についても、非特異的な濁りが生じなく
なること等を見出し、本発明を完成するに到った。
【0016】本発明に於いて用いられるキレート剤は、
本発明の方法により処理した試料を用いて、昆虫体液由
来試薬と、PG又は/及びβGとを反応させる際に、当
該反応を阻害又は促進する性質を有さないものであっ
て、該反応時に非特異的な濁りを生じさせることのない
ものであれば特に限定されないが、その金属配位原子が
硫黄原子、窒素原子又は酸素原子であるもの、中でも窒
素原子又は酸素原子であるものが好ましい。
【0017】具体的には、例えば下記一般式[I]
【0018】
【化7】
【0019】[式中、R1,R2,R4及びR5は夫々独立
して水素原子又は、水酸基,カルボキシル基若しくはホ
スホン酸基を置換基として有するアルキル基(但し、R
1とR2が共に水素原子である場合を除く。)を表し、R
3はカルボキシル基又は
【0020】
【化8】
【0021】〔但し、R6及びR7は夫々独立して水素原
子、又はカルボキシル基若しくはホスホン酸基を置換基
として有するアルキル基を表す。〕を表す。mは1〜3
の整数を示す。nは0又は1を示す。]で表される化合
物が好ましい。式中、R1,R2,R4〜R7に於ける、カ
ルボキシル基若しくはホスホン酸基を置換基として有す
るアルキル基のアルキル基としては、直鎖状、分枝状、
環状のいずれでもよいが、炭素数が1〜6の低級アルキ
ル基が好ましい。具体的には、例えばメチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチ
ル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル
基, イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。これらの中でも炭素数1〜6の直鎖状の低級アルキ
ル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0022】R1,R2,R4〜R7に於ける、アルキル基
の置換基であるカルボキシル基若しくはホスホン酸基は
当該アルキル基の末端(ω-位)に置換している場合が
好ましく、その置換基の数は、アルキル基一個当たり、
1〜2、より好ましくは1である。又、上記のような置
換基を有するアルキル基の総数は上記一般式[I]で示
される化合物一分子当たり通常2〜6である。
【0023】一般式[I]で表されるキレート剤の具体
例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
エチレンジアミン二プロピオン酸(EDDP)、エチレンジ
アミン二酢酸(EDDA)、ニトリロ三プロピオン酸(NT
P)、エチレンジアミン-N,N-ビス(メチレンホスホン酸)
(EDDPO)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホス
ホン)酸(EDTPO)、N、N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グ
リシン(DHEG)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTH
A)等が挙げられる。その中でもEDDP、EDDA、NTP、TTHA
が好ましく、特にEDDP、EDDA、TTHAが好ましい。
【0024】また、一般式[I]で示されるキレート剤
以外のキレート剤として、8-キノリノール又はベンゾイ
ルアセトン等も、本発明に使用可能である。これらのキ
レート剤は単独で用いても、適宜組み合わせて用いても
何れにてもよい。
【0025】本発明に係るPG又は/及びβG含有試料
の処理方法を実施するには、例えば以下の如く行えばよ
い。即ち、本発明に係るキレート剤を所定濃度となるよ
うに、PG又は/及びβG含有試料中に共存させればよ
い。
【0026】PG又は/及びβGを含む試料中にキレー
ト剤を共存させる方法としては、例えば以下の方法が挙
げられる。
【0027】1)該キレート剤を試料に適当量添加、溶
解する方法。 2)該キレート剤を含む溶液を試料に適当量添加する方
法(試料を適宜希釈する方法。) 3)該キレート剤を含む溶液で試料の凍結乾燥品を溶解
する方法。
【0028】上記方法に於いて用いられるキレート剤の
使用濃度としては、キレート剤の種類や、処理する試料
により異なり、試料中のPG又は/及びβGの測定に影
響を及ぼす他成分の影響を防止し得る濃度であって、昆
虫体液由来試薬とPG又は/及びβGとの反応を阻害も
促進もしない濃度であれば、特に限定されない。通常
は、試料を処理する際の溶液中の濃度として、0.01〜10
0mM、好ましくは0.1〜20mM、更に好ましくは0.2〜10mM
の範囲から適宜選択して用いられる。
【0029】これらキレート剤は、夫々単独で用いても
充分に効果があるが、適宜2種以上組み合わせて用いて
も良い。
【0030】上記方法に於いて用いられるキレート剤
は、当然のことながらPG及びβGの測定に影響を与え
る量のPGやβGを含んでいてはならない。そのために
は、PG及びβGの含有量の少ないものを選択するか、
或は、これらを含んだものを使用する場合は、予めフィ
ルターなどを通しPG及びβGを除去する必要がある。
【0031】この場合に使用可能なフィルターとして
は、例えばゼータポア膜(キュノ(株)社商品名)、ウル
チポア(日本ポール社商品名)、ベイオダイン(日本ポ
ール社商品名)等のナイロン66製フィルター、例えば
PTFE膜(日東電工(株)製)等のポリテトラフルオロ
エチレンフィルター等が挙げられる。また、これらフィ
ルターのポアサイズとしては特に限定されないが、例え
ば0.2〜0.65μmのものが挙げられる。
【0032】PG及びβGの除去をゼータポア膜等に通
すことにより行うのであれば、例えば上記した如きキレ
ート剤を適当な濃度の溶液とした後、ゼータポア膜を支
持体にセットし、濾過すればよい。尚、キレート剤溶液
としては、目的濃度の溶液とした後に上記の条件で濾過
処理したものでもよい。
【0033】また、上記2)の方法による場合、キレー
ト剤溶液による試料の希釈倍率としては、特に限定され
ないが、その後更に加熱処理する場合であって、試料が
血漿等の場合には、希釈倍率が低すぎると、血漿蛋白質
の変性等で試料を希釈した液の粘性が上がったり、該液
中に沈殿が生じる等の問題が生じたり、希釈倍率が高す
ぎるとPG又は/及びβGを適切に検出し得なくなる等
の問題が生じる場合があるので、通常2〜400倍、好ま
しくは40〜100倍程度である。
【0034】本発明に於いて、本発明に係るキレート剤
を含有させる溶液としては、昆虫体液由来試薬と、PG
及びβGとの反応を阻害も促進もしないものであれば特
に限定されず、例えば蒸留水、緩衝液等が挙げられる。
緩衝液を構成する緩衝剤としては、通常この分野で用い
られるものは全て使用可能であり、具体的には、例えば
リン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、トリス緩衝剤、グッドの
緩衝剤等が挙げられ、その使用濃度は、通常この分野に
於ける使用濃度範囲から適宜選択すればよい。
【0035】尚、本発明の処理方法により一旦処理を行
った試料についてPG又は/及びβGの測定を行う場合
には、昆虫体液由来試薬と試料との反応時のキレート剤
の濃度が上記した如き濃度よりも低くなっていても何ら
差し支えない。
【0036】本発明の処理方法に於いて、加熱可能な試
料について行う場合は、加熱処理を併用することにより
更に効果的にPG又は/及びβG測定時への影響を抑制
することができる。特に、血漿や血清等のように測定阻
害因子等を含む試料中のβG又は/及びPGを、昆虫体
液由来試薬を用いて測定する場合、測定阻害因子等によ
る影響を除去するための処理方法として加熱処理を併用
することが望ましい。加熱処理は、キレート剤を共存
(添加)させながら行うよりも、キレート剤を共存させ
た後に行う方が、効果が高い場合が多いので望ましい。
キレート剤の濃度は、加熱処理時に上記した如き濃度範
囲になっていればよい。尚、加熱処理に於ける加熱温度
としては、特に限定されないが、通常60〜220℃、好ま
しくは70〜100℃程度であり、加熱時間としては、特に
限定されないが、通常3〜60分間、好ましくは5〜15分
間程度である。また、加熱方法としては、上記した如き
加熱条件で試料の加熱を行える方法であればどのような
方法でもよいが、例えばインキュベーターによる加熱方
法、オートクレーブによる加熱方法等が好ましい。
【0037】本発明の処理方法によれば、希釈倍率をお
さえながら加熱処理を行うことができ、また試料中の測
定阻害因子等の影響を完全に除くことができるので、本
発明の抑制方法は極めて有効且つ経済的な方法である。
【0038】本発明の処理方法により処理した試料中の
βG又は/及びPG量を測定する場合に用いられる試薬
としては、例えば以下のようなものが挙げられる。即
ち、先ず、βG又は/及びPGを測定するための試薬と
しては、例えば昆虫の体液成分から調製されたβG又は
/及びPGと特異的に反応する試薬が挙げられる。
【0039】βGを測定するための試薬としては、例え
ば昆虫の体液成分から調製されたβGと特異的に反応す
る試薬や、例えばリムルス属(Limulus),タキプレウ
ス属(Tachypleus),或いはカルシノスコルピウス属
(Carcinoscorpius)に属するカブトガニの血球成分を
含みβGとは反応するがエンドトキシンとは反応しない
性質を有する試薬が挙げられる。尚、これら試薬は、目
視にてβGの存在を確認できる試薬(例えば合成基質を
用いる試薬等)でも良い。これら試薬は市販されている
ものを適宜使用してもよいし、また公知の方法(特開昭
63-141598号)により自製したものを使用してもよい。
【0040】PGを測定するための試薬としては、例え
ば昆虫の体液成分から調製されたPGに対して特異的な
試薬等が挙げられ、市販されているものを適宜使用して
もよいし、また公知の方法(特開昭63-141599号)によ
り自製したものを使用してもよい。
【0041】昆虫体液(ヘモリンパ、hemolymphとも言
う。)の得られる昆虫としては、特に制限はないが、な
るべく大型のもので飼育方法の確立しているものが望ま
しく、例えば、タバコスズメガ,ハチミツガ,セクロピ
ア蚕,カイコガ(Bombyx mori)等の、鱗翅類、センチ
ニクバエ,イエバエ等の双翅類、トノサマバッタ,エン
マコオロギ等の直翅類、センノキカミキリ等の甲虫類等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。入
手の容易さからいうと、例えば、錦秋鐘和等のカイコ
ガ,クワゴ,オオクワゴモドキ,カギバモドキ等のカイ
コガ科の昆虫が挙げられる。また、昆虫体液を得るに
は、成虫を用いても幼虫を用いても良いが、体液の採取
の容易さからすれば、幼虫が望ましい。尚、カイコガの
一種である錦秋鐘和の幼虫として、は5周令の幼虫(Si
lkworm)が好ましい。
【0042】上記した如き昆虫から体液を得る方法とし
ては、例えば、昆虫を氷上に置き動きを止めた後、トウ
キビ因子(サトウキビに含まれるグルコース,アミノ酸
などからなる高分子物質)を不純物として含むショ糖、
トウキビ因子そのもの、或いは例えば(p−アミジノフェ
ニル)メタンスルホニルフルオリド(p−APMSF)、フェ
ニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、ジイソ
プロピルフルオロリン酸(DFP)、p−ニトロフェニ
ル p'−グアニジノベンゾエート(NPGB)、ジヒド
ロキシクロロメチルクマリン(DCC)等のセリンプロ
テアーゼインヒビター等を含む生理食塩水を体腔に注射
し、その後しばらく放置して、体腔より昆虫体液を集め
る方法、上記した如きセリンプロテアーゼインヒビター
等を含む昆虫体液と等張な溶液に昆虫体液を添加して採
取する方法(Ashida,M.,Insect Biochem., 11, 57-65,
1981、特開平1-14266号公報)等が挙げられる。このよ
うにして得られた昆虫体液は、通常遠心分離処理して血
球を除き、その後透析して用いられる。尚、要すれば適
当なカラムクロマトグラフィーにより更に精製して用い
てもよい。また、昆虫体液由来試薬は市販されているも
の(例えば、SLPTM試薬セット、和光純薬工業(株)
製)を使用しても良い。
【0043】また、これから、βG測定用試薬を得よう
とする場合には、上記昆虫体液中より、PGと反応して
酵素活性を発現する(或は発現を誘引する)物質を除去
すれば、これをβGと特異的に反応する試薬とすること
ができる。また、PG測定用試薬を得ようとする場合に
は、上記昆虫体液中よりβGと反応して酵素活性を発現
する(或は発現を誘引する)物質を除去すれば、これを
PGと特異的に反応する試薬とすることができる。上記
血漿中からPGと反応して酵素活性を発現する(或は発
現を誘引する)物質又はβGと反応して酵素活性を発現
する(或は発現を誘引する)物質を除去する方法として
は、一般に生化学の分野で用いられている分離精製法が
いずれも挙げられるが、PGと反応して酵素活性を発現
する(或は発現を誘引する)物質を除去する場合にはP
Gを結合させた担体を、また、βGと反応して酵素活性
を発現する(或は発現を誘引する)物質を除去する場合
にはβGを結合させた担体を用いるアフィニティークロ
マトグラフィーにより極めて容易に且つ効率よく行うこ
とができる。
【0044】尚、昆虫体液由来試薬は、通常これにβG
やPGと反応した結果活性化される酵素の基質であって
該酵素の作用により適当な色素等(蛍光性、発光性のも
のでも可。)を生じる物質(所謂合成基質を含む。)等
を添加して使用される。
【0045】これら自体公知の測定法に於いて用いられ
るその他の試薬類としては、例えば3,4−ジヒドロキ
シフェニルアラニン(ドーパ),合成基質等の測定する
酵素の基質、共役酵素、補酵素等、要すれば、発色剤、
賦活剤、安定化剤、界面活性剤等、目的とする酵素活性
の測定法として自体公知の方法に於いて使用される試薬
類が挙げられる。
【0046】本発明の測定方法に於ける反応pHとして
は、測定する酵素の種類等によって異なるが、通常pH
4〜11、好ましくはpH6〜9である。また、この反応
pHを維持するために緩衝剤を使用しても良く、緩衝剤
としては反応に影響を与えないものであれば、種類,使
用濃度ともに特に制限されず、例えばリン酸塩,ホウ酸
塩,酢酸塩,トリス緩衝剤,グッドの緩衝剤等が挙げら
れる。
【0047】また、反応温度及び反応時間については、
反応が進行する温度,時間であれば特に制限されず、反
応温度としては、通常0〜50℃、好ましくは4〜30℃、
反応時間としては、通常1秒〜20時間、好ましくは10分
〜4時間の範囲から適宜選択される。
【0048】また、本測定に於いては、0.001〜1000m
M、好ましくは1〜100mMの範囲内の2価の金属イオンC
2+が存在していることが望ましい。
【0049】本発明に係るPG又は/及びβG測定方法
は、本発明に係るキレート剤を上記した如き濃度範囲で
存在させた試料、即ち本発明の処理剤で処理した試料を
用いる以外は、自体公知のPG又は/及びβG測定法に
準じて実施すれば良く、使用するその他の試薬類もこれ
ら自体公知の測定法に準じて適宜選択すればよい。
【0050】自体公知のPG又は/及びβG測定法とし
ては、例えば試料と、昆虫体液由来試薬とを混合・反応
させ、一定時間後の反応液中の例えばN−α−ベンゾイ
ル−L−アルギニンエチルエステル分解酵素(BAEEas
e)、プロフェノールオキシダーゼ活性化酵素(PPA
E)、フェノールオキシダーゼ(PO)等の酵素の活性
を自体公知の測定法に従って測定し、予め濃度既知のP
Gの標準液を用いて同様の操作により作製した検量線か
らPG又は/及びβGの量を算出する方法(M.Tsuchiya
et al.FEMS Immunology and Medical Microbiology,15
(1996)129-134、特開平7-184690号公報等)、proP
Oが活性化されてPOとなる時間が試料中のPG又は/
及びβG濃度に依存する現象を利用して、PPO試薬と
試料とを混合した後、POによる反応生成物の量がある
一定値となるまでの時間を測定する方法(M.Tsuchiya e
t al.FEMS Immunology and Medical Microbiology, 15
(1996) 129-134等)等が挙げられる。
【0051】通常良く用いられる手法としては、例えば
試料と上記した如き昆虫由来の試薬の適当量とを混合し
て一定時間反応させた後、反応液の色調の変化の程度を
目視にて判定し、それに基づいて溶出液中のβG又は/
及びPG量を半定量する目視判定法や、例えばトキシノ
メーターMT−358(和光純薬工業(株)製)、トキシ
ノメーターET−201(和光純薬工業(株)製)、トキ
シノメーターET−251(和光純薬工業(株)製)、ト
キシノメーターET−301(和光純薬工業(株)製)、
LAL−5000[ACC(Associates of Cape Cod)社
製]、マイクロプレートリーダーTmax(モレキュラー
デバイス社製)等の専用装置を用い、試料と上記した如
き昆虫体液由来試薬の適当量とを混合して反応を開始さ
せ、その反応の結果生じる色素量を吸光度変化として
とらえ、吸光度が予め設定した閾値に達するための時間
を活性化時間として求めるか、その反応の結果生じる
色素量を透過光量の変化としてとらえ、透過光量が予め
設定した閾値に減少するまでの時間をゲル化時間として
求めるかし、当該活性化時間又はゲル化時間を指標に溶
出液中のβG又は/及びPG量を定量する方法、或は昆
虫体液由来試薬が活性化したときに現れるプロテアーゼ
活性を合成基質を用いて測定する合成基質法等の昆虫体
液由来試薬を用いた常法等がある。
【0052】装置を用いて測定を行うには、例えば以下
の如き操作で行えばよい。即ち、本発明の処理剤で処理
した試料と、昆虫体液由来試薬とを混合し、一定の反応
条件で反応(例えば、0〜50℃、好ましくは4〜30℃
で、1秒〜20時間、好ましくは10分〜4時間)させ、例
えば市販のマイクロプレートリーダーThermo-Max(Mole
cular Devices社製)、トキシノメーター(和光純薬工
業(株)製)等を用いて該反応液の吸光度が予め設定した
閾値に達するまでの反応時間を測定する。得られた反応
時間の測定値と、予め既知濃度のPG又はβGを含有す
る試料を用いて同様に行って得られた、PG又は/及び
βG濃度と反応時間との関係を示す検量線から、試料中
のPG又は/及びβG含有量を算出することができる。
【0053】本発明の測定方法により測定可能な試料と
しては、試料中の微生物の有無を検出する必要があるも
のであれば特に限定されないが、例えば血漿,血清,髄
液,腹水,随液等の体液、尿等が挙げられる。中でも、
本発明は、試料中に含まれるPG又は/及びβG以外の
共存物質が測定に影響を与え易い血漿及び血清の測定に
於いて、特に有効である。
【0054】本発明に係るキレート剤を含んで成る、P
G又は/及びβG含有試料の処理剤は、上記した如き本
発明に係る1種以上のキレート剤を含有するものであ
る。
【0055】該処理剤は、溶液又は凍結乾燥品としても
よい。溶液の場合、キレート剤の濃度としては、キレー
ト剤の種類や、処理する試料により異なり、試料の加熱
処理による影響を防止し得る濃度であって、PG又は/
及びβGと、昆虫体液由来試薬との反応を促進も阻害も
しない濃度であれば特に限定されない。通常は0.01〜10
0mM、好ましくは0.1〜20mM、更に好ましくは0.2〜10mM
の範囲から適宜選択して用いられる。
【0056】また、該処理剤中には、例えば燐酸緩衝
剤,グッド緩衝剤(Good's Buffers)等の緩衝剤、反応
促進剤、安定化剤、防腐剤、その他この分野で用いられ
ているものは、共存する試薬等の安定性を阻害したり、
PG又は/及びβGの測定を阻害又は促進しないもので
あれば目的の測定に於いて通常使用されるものを含有し
ていても良。またその濃度も、通常この分野で通常用い
られる濃度範囲で用いられればよい。
【0057】該処理剤を、PG及びβGの測定に影響を
与える量のPGやβGを除去するために、前記した如き
ゼータポア膜等の処理を前記した如き条件で行ってもよ
い。
【0058】本発明に係るキレート剤を含んで成る、P
G又は/及びβG測定に於ける試料中に含有する他成分
の影響回避剤は、上記した如き本発明に係る1種以上の
キレート剤を含有するものである。
【0059】本発明に係る試料としては、例えば血漿、
血清、尿、リンパ、髄液、胸水、腹水等が挙げられるが
これらに限定されない。中でも、血漿及び血清は、PG
又は/及びβG測定時に共存物質の及ぼす影響が大きい
ため、本願発明に於いて特に有効である。
【0060】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。
【0061】
〔試薬〕
(1)PG標準液 スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aure
us)の乾燥菌体1gを、シュレイファーらの方法(Schle
ifer,K.H., and Kandler,O., Bacteriol.Rev.,36, 407-
477 (1972))に準じて処理し、トリプシン処理細胞壁
(PG) 95mgを得た。この20mgを注射用水[大塚製薬
(株)製、SLP試薬セット(和光純薬工業(株)製)により
PG又は/及びβGが検出されないことを確認済み]20
mlに加え、プロテアーゼ処理により可溶化したものをP
G標準液とした。尚、これを使用するにあたっては、必
要に応じて注射用水[大塚製薬(株)製、SLP試薬セッ
ト(和光純薬工業(株)製)によりPG及びβGが検出され
ないことを確認済み]で適宜希釈して用いた(PG溶
液)。 (2)PG又は/及びβG測定用試薬 SLP試薬は、無菌的に採取したカイコ体液を遠心分離
したカイコプラズマにCaCl2、DOPAなどを添加し0.1mlず
つ凍結乾燥したものを用いた。 (3)Bis-Tris溶液 1M Bis-Tris溶液((株)同仁化学研究所製)を蒸留水に
て作製し、これをゼータポア膜(キュノ(株)社製)で濾
過した。尚、これを使用するに当たっては、必要に応じ
て適宜蒸留水で希釈し、SLP試薬によりPG及びβG
が検出されないことを確認した後に使用した。 (4)EDDP溶液 EDDP((株)同仁化学研究所製)を蒸留水に溶解し、
ゼータポア膜濾過を行った後、Bis-Tris溶液と混合し、
更に蒸留水で希釈して所定濃度のEDDP溶液とした
(20mM Bis-Tris含有)。尚、SLP試薬によりPG及
びβGが検出されないことを確認した後に使用した。 (5)蒸留水 SLP試薬によりPG及びβGが検出されないことを確
認した自製の蒸留水を使用した。
【0062】〔操作〕 (1)試料の前処理 予め乾熱滅菌処理(250℃、2時間)したガラス製試験
管に、20mM Bis-Tris溶液(EDDP無添加)又はED
DP溶液1mlを分注し、ヘパリン処理した正常ヒト血漿
(PG及びβGは含有していない)所定量を加え、血漿
を40倍希釈、又は100倍希釈したものを試料とした(試
料中のEDDPの終濃度は1mM)。該試料を90℃で10分
間加熱処理した後、直ちに氷冷して、前処理済試料とし
た。 (2)PG濃度の測定 前処理済試料試料900μlに、試料中のPGの終濃度が
表1記載の濃度となるように、適宜希釈したPG溶液 1
00μl、又は蒸留水100μlを加えたものを測定用試料と
し、この試料中のPG濃度の測定を、トキシノメーター
MT-358(和光純薬工業(株))を用いて行った。測定操作
は常法に従って以下のように行った。PG又は/及びβ
G測定用試薬(凍結乾燥品)に測定用試料を0.2ml加
え、撹拌後、30℃保温下に、該混合液の透過光量が8%
減少するまでの時間(判定時間)を測定した。
【0063】〔結果〕血漿を40倍希釈して得られた試料
を用いた場合の結果を表1に示す。表 1
【0064】表1の結果から明らかな如く、PG濃度の
判定時間は、血漿をEDDP溶液で希釈することにより
短縮し、検出感度が高くなることが判る。例えば、ED
DP無添加の20mM Bis-Tris溶液で40倍希釈した場合
は、1pg/mlのPGを含有する測定用試料については、2
00分以内にはPG濃度を測定することができなかった
が、EDDP溶液で希釈した場合は、144分で測定する
ことができた。また、血漿を100倍希釈して得られた試
料を用いた場合の結果を表2に示す。
【0065】表 2
【0066】表2の結果から、40倍希釈試料の場合と同
様に、100倍希釈試料についても、EDDP溶液で希釈
することにより、EDDP無添加の20mM Bis-Tris緩衝
液で希釈した場合よりも判定時間が短縮し、検出感度が
高くなることが判る。
【0067】実施例2. 〔試薬〕PG標準液、PG溶液、PG又は/及びβG測
定用試薬、Bis-Tris溶液、EDDP溶液及び蒸留水は、
実施例1で用いたものと同じものを使用した。 〔操作〕 (1)試料の前処理 予め乾熱滅菌処理(250℃、2時間)したガラス製試験
管に、20mM Bis-Tris溶液(EDDP無添加)又はED
DP溶液1mlを分注し、ヘパリン処理した正常ヒト血漿
(PG及びβGは含有していない)所定量を加え、血漿
を100倍希釈したものを試料とした(試料中のEDDP
の終濃度は0〜2.0mM)。該試料を90℃で10分間加熱処理
した後、直ちに氷冷して、前処理済試料とした。 (2)PG濃度の測定 前処理済試料900μlに、試料中のPGの濃度が10pg/ml
となるように、適宜希釈したPG溶液を100μl加えたも
のを測定用試料(血漿由来の測定用試料)とし、この試
料中のPG濃度の測定を、トキシノメーターMT-358(和
光純薬工業(株))を用いて、実施例1と同様の操作で行
った。また、対照として正常ヒト血漿の代わりに蒸留水
を用いた以外は同様にして調製した測定用試料(蒸留水
由来の測定用試料)について同様の測定を行った。別
に、注射用水とPG標準液を用いて同様の測定を行い、
PG濃度と判定時間との関係を表す検量線を作成した。
【0068】〔結果〕図1に、蒸留水由来の測定用試料
を用いてPG濃度測定を行った場合(−○−)、及び血
漿由来の測定用試料を用いてPG濃度測定を行った場合
(--●--)の結果を夫々示す。図1の結果から明らかな
如く、蒸留水由来の測定用試料を用いた場合は、EDD
Pの濃度に関係なく、判定時間は一定であった。これに
対し、血漿由来の測定用試料を用いた場合、EDDP無
添加のものについての判定時間は蒸留水由来の測定用試
料を用いた場合よりも長くなり(約90分)、PG濃度の
測定が、血漿中の共存物質の影響を受けることが判る。
そして、EDDP溶液で血漿を希釈した場合には、判定
時間は約70分程度に短縮され、血漿中の共存物質の影響
が抑制されたことが判る。
【0069】次に、図1の血漿由来の測定用試料を用い
て測定を行って得られた判定時間と、作成した検量線か
らPG濃度を算出し、添加したPG10pg/mlに対する回
収率を計算した。結果を図2に示す。図2の結果から明
らかな如く、EDDP無添加の20mM Bis-Tris溶液で希
釈加熱処理を行った場合、PGの回収率は30%程度で
あったが、血漿を希釈加熱処理する際に1mM以上のED
DPを含有させることにより、回収率は約70〜80%
に増大した。
【0070】実施例3. 〔試薬〕PG標準液、PG溶液、PG又は/及びβG測
定用試薬、Bis-Tris溶液、EDDP溶液及び蒸留水は、
実施例1で用いたものと同じものを使用した。 〔操作〕 (1)試料の前処理 予め乾熱滅菌処理(250℃、2時間)したガラス製試験
管に、20mM Bis-Tris溶液(EDDP無添加)又はED
DP溶液1mlを分注し、ヘパリン処理した正常ヒト血漿
(PG及びβGは含有していない)所定量を加え、血漿
を10〜300倍希釈したものを試料とした(試料中のED
DPの終濃度は1mM)。該試料を90℃で10分間加熱処理
した後、直ちに氷冷して、前処理済試料とした。 (2)PG濃度の測定 前処理済試料900μlに、試料中のPGの濃度が10pg/ml
となるように、適宜希釈したPG溶液を100μl加えたも
のを測定用試料とし、この試料中のPG濃度の測定を、
トキシノメーターMT-358(和光純薬工業(株))を用い
て、実施例1と同様の操作で行った。また、実施例2と
同様の方法で判定時間とPG濃度との関係を表す検量線
を作成し、上記測定で得られた判定時間と作成した検量
線からPG濃度を算出し、添加したPG10pg/mlに対す
る回収率を計算した。
【0071】〔結果〕図3に、EDDP無添加の20mM B
is-Tris溶液で希釈加熱処理した測定用試料を用いてP
G濃度測定を行った場合(−○−)、EDDP溶液で希
釈加熱処理した測定用試料を用いてPG濃度測定を行っ
た場合(--●--)のPGの回収率を夫々示す。図3より
明らかな如く、EDDP無添加の20mM Bis-Tris溶液で1
00倍に希釈した場合、PGの回収率は約35%であった
が、EDDP溶液で希釈した場合には、100倍希釈した
場合であっても、65%という高い回収率が得られた。
【0072】また、前処理済試料に100pg/mlとなるよう
にPG溶液を添加したものを測定用試料とした以外は、
上記と同様に測定を行った場合の結果を、図4に示す。
図4に於いて、−○−はEDDP無添加の測定用試料を
用いてPG濃度測定を行った場合、--●--はEDDPを
含有する測定用試料を用いてPG濃度測定を行った場合
のPGの回収率を夫々示す。図4から明らかな如く、E
DDP無添加の20mM Bis-Tris溶液で血漿を100倍希釈し
た場合、PGの回収率は57%程度、200倍以上の希釈で8
0%程度の回収率でほぼ一定となったが、EDDP溶液で
希釈した場合には、100倍希釈でも80%以上の回収率が
得られた。
【0073】実施例4 〔試薬〕 (1)PG標準液 ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus)由来
のPG(和光純薬工業(株)製)20mgを注射用水[大塚製
薬(株)製、SLP試薬セット(和光純薬工業(株)製)によ
りPG及びβGが検出されないことを確認済み]20mlに
加え、超音波処理により分散させたものをPG標準液と
した。尚、これを使用するにあたっては、必要に応じて
注射用水[大塚製薬(株)製、SLP試薬セット(和光純
薬工業(株)製)によりPG及びβGが検出されないこと
を確認済み]で適宜希釈して用いた(PG溶液)。 (2)PG又は/及びβG測定用試薬、Bis-Tris溶液及
び蒸留水は実施例1で用いたものと同じものを使用し
た。 (3)キレート剤溶液 EDTA又はEDDP((株)同仁化学研究所製)を所定
濃度となるように蒸留水に溶解したもの、並びにベンゾ
イルアセトン又は8−キノリノール(和光純薬工業(株)
製)をジメチルホルムアミドに溶解したものを、夫々所
定のキレート剤濃度となるようにBis-Tris溶液と混合
し、次いでゼータポア膜濾過を行ったものをキレート剤
溶液とした(20mM Bis-Tris含有)。尚、SLP試薬に
よりPG及びβGが検出されないことを確認した後に使
用した。
【0074】〔操作〕 (1)試料の前処理 20mM Bis-Tris溶液(キレート剤無添加のもの)又は上
記のキレート剤溶液を用いて、実施例1と同様の方法で
ヘパリン処理した正常ヒト血漿(PG及びβGは含有し
ていない)試料を40倍希釈後、加熱処理し、前処理済試
料を得た。尚、キレート剤溶液は、試料中のキレート剤
の終濃度が1mMになるものを用いた。 (2)PG濃度の測定 前処理済試料900μlに、試料中のPGの終濃度が1ng/m
l又は100pg/mlとなるように、適宜希釈したPG溶液100
μlを加えたものを測定用試料(血漿由来の測定用試
料)とし、この試料中のPG濃度の測定を、トキシノメ
ーターMT-358(和光純薬工業(株))を用いて、実施例1
と同様の操作で行った。また、対照として正常ヒト血漿
の代わりに蒸留水を用いた以外は同様にして調製した測
定用試料(蒸留水由来の測定用試料)を用いて同様の測
定を行った(標準)。別に、実施例2と同様の方法で判
定時間とPG濃度との関係を表す検量線を作成し、血漿
由来の測定用試料を用いて測定を行って得られた判定時
間と、作成した検量線からPG濃度を算出し、添加した
PG濃度に対する回収率を計算した。
【0075】〔結果〕上記測定で得られた、判定時間と
回収率を表3に併せて示す。表 3
【0076】表3の結果から明らかな如く、血漿をキレ
ート剤無添加の20mM Bis−Tris溶液で希釈した場合と比
較して、本発明に係るキレート剤溶液で希釈することに
より、回収率が高くなっていることが判る。
【0077】実施例5 〔試薬〕 (1)PG標準液、PG溶液、PG又は/及びβG測定
用試薬、Bis-Tris溶液及び蒸留水は実施例1で用いたも
のと同じものを使用した。 (2)キレート剤溶液 EDDP、EDDA及びDHEG(全て(株)同仁化学研
究所製)を、夫々所定の濃度となるようにBis-Tris溶液
に溶解し、ゼータポア膜濾過を行った後、適宜蒸留水で
希釈したものをキレート剤溶液とした(20mM Bis-Tris
含有)。尚、SLP試薬によりPG及びβGが検出され
ないことを確認した後に使用した。 〔操作〕 (1)試料の前処理 20mM Bis-Tris溶液(キレート剤無添加)又は上記のキレ
ート剤溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、ヘパリ
ン処理した正常ヒト血漿(PG及びβGは含有していな
い)を100倍希釈後、加熱処理し、前処理済試料を得
た。尚、キレート剤溶液は、試料中のキレート剤の終濃
度が1mMになるものを用いた。 (2)PG濃度の測定 前処理済試料900μlに、試料中のPGの終濃度が100pg
/ml又は10pg/mlとなるように、適宜希釈したPG溶液を
100μl加えたものを測定用試料(血漿由来の測定用試
料)とし、この試料中のPG濃度の測定を、トキシノメ
ーターMT-358(和光純薬工業(株))を用いて、実施例1
と同様の操作で行った。また、対照として正常ヒト血漿
の代わりに蒸留水を用いた以外は同様にして調製した測
定用試料(蒸留水由来測定用試料)を用いて同様の測定
を行った(標準)。別に実施例2と同様の方法で判定時
間とPG濃度との関係を表す検量線を作成し、血漿由来
の測定用試料を用いて測定を行って得られた判定時間
と、作成した検量線から、PG濃度を算出し、添加した
PG濃度に対する回収率を計算した。
【0078】〔結果〕上記測定で得られた判定時間と回
収率を表4に併せて示す。表 4
【0079】表4より明らかな如く、血漿を100倍希釈
する場合にも、本発明に係るキレート剤溶液で希釈する
ことにより、キレート剤無添加の20mM Bis-Tris溶液で
希釈した場合よりも判定時間が短縮され、回収率も高く
なることが判る。
【0080】実施例6 〔試薬〕 (1)PG標準液、PG溶液、PG又は/及びβG測定用
試薬、Bis-Tris溶液及び蒸留水は実施例1で用いたもの
と同じものを使用した。 (2)キレート剤溶液 EDDP、NTP、TTHA、DTPA、EDDPO、
EDTPO及び本発明に係るキレート剤以外のキレート
剤として、ジエチレントリアミン-N,N,N",N"-五酢酸
(DTPA)、trans-1,2-ジアミノシクロヘキサン−N,
N,N',N'-四酢酸一水和物(CyDTA)又はヒドロキシ
エチルイミノ二酢酸(HIDA)(全て(株)同仁化学研
究所製)を夫々所定濃度となるようにBis-Tris溶液に溶
解し、ゼータポア膜濾過を行った後、適宜蒸留水で希釈
したものを、キレート剤溶液とした(20mM Bis-Tris含
有)。
【0081】〔操作〕 (1)試料の前処理 20mM Bis-Tris溶液(キレート剤無添加)又は上記のキ
レート剤溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、ヘパ
リン処理した正常ヒト血漿(PG及びβGは含有してい
ない)を100倍希釈後、加熱処理し、前処理済試料を得
た。尚、キレート剤溶液は、試料中のキレート剤の終濃
度が1mMとなるものを用いた。 (2)PG濃度の測定 前処理済試料 900μlに、試料中のPGの終濃度が10pg
/mlとなるように、適宜希釈したPG溶液 100μlを加え
たものを測定用試料(血漿由来測定用試料)とし、この
試料中のPG濃度の測定を、トキシノメーターMT-358
(和光純薬工業(株))を用いて、実施例1と同様の操作
で行った。また、対照として正常ヒト血漿の代わりに蒸
留水を用いた以外は同様にして調製した測定用試料(蒸
留水由来測定用試料)について同様の測定を行った(標
準)。別に、実施例2と同様の方法で判定時間とPG濃
度との関係を示す検量線を作成し、血漿由来の測定用試
料を用いて測定を行って得られた判定時間と作成した検
量線から、PG濃度を算出し、添加したPG濃度に対す
る回収率を計算した。
【0082】〔結果〕上記測定で得られた判定時間と回
収率を、表5に併せて示す。表 5
【0083】表5より明らかな如く、血漿由来の測定用
試料を用いた場合、本発明に係るキレート剤溶液で希釈
した方が、キレート剤無添加の20Mm Bis-Tris溶液で希
釈した場合よりも判定時間が短縮され、回収率も高くな
ることが判る。また、本発明に係るキレート剤以外のキ
レート剤としてDTPA又はHIDAを用いた場合に
は、判定時間、回収率共に、キレート剤無添加の20mM B
is-Tris溶液を用いた場合よりむしろ悪くなった。尚、
CyDTAについては、回収率はキレート剤無添加で希
釈した場合よりも悪いが、判定時間は短縮され、反応が
促進されている傾向が見られた。
【0084】実施例7. 〔試薬〕 (1)βG標準液 シイタケ(Lentinus edodes)由来の注射用レンチナン
(山之内製薬(株)製)を注射用水[大塚製薬(株)製、S
LP試薬セット(和光純薬工業(株)製)によりPG及びβ
Gが検出されないことを確認済み]に加え、1mg/mlと
なるように調製したものをβG標準液とした。尚、これ
を使用するにあたっては、必要に応じて注射用水[大塚
製薬(株)製、SLP試薬セット(和光純薬工業(株)製)に
よりPG及びβGが検出されないことを確認済み]で適
宜希釈して用いた(βG溶液)。 (2)PG又は/及びβG測定用試薬、Bis-Tris溶液、E
DDP溶液、及び蒸留水は、実施例1で用いたものと同
じものを用いた。
【0085】〔操作〕 (1)試料の前処理 20mM Bis-Tris溶液(EDDP無添加)又はEDDP溶
液を用いて、実施例1と同様の方法で、ヘパリン処理し
た正常ヒト血漿(PG及びβGは含有していない)を10
0倍希釈後、加熱処理し、前処理済試料を得た。尚、E
DDP溶液は、試料中のEDDPの終濃度が1mMとなる
ように加えた。 (2)βG濃度の測定 前処理済試料900μlに、試料中のβG濃度が100pg/m
l、10pg/ml、又は1pg/mlとなるように希釈したβG溶
液100μlを加えたものを測定用試料(血漿由来測定用試
料)とし、この試料中のβG濃度の測定を、トキシノメ
ーターMT-358(和光純薬工業(株))を用いて、実施例1
と同様の操作で行った。また、対照として正常ヒト血漿
の代わりに蒸留水を用いて(蒸留水由来測定用試料)同
様の測定を行った(標準)。別に、注射用水とβG標準
液を用いて同様の測定を行い、βG濃度と判定時間との
関係を表す検量線を作成し、血漿由来の測定用試料を用
いて測定を行って得られた判定時間と、作成した検量線
からβG濃度を算出し、添加したβG濃度に対する回収
率を計算した。
【0086】〔結果〕上記測定で得られた判定時間と回
収率を表6に併せて示す。表 6
【0087】表6から明らかな如く、βGの測定に於い
ても、血漿をEDDP溶液で希釈することにより判定時
間が短縮され、βGの回収率も高くなることが判る。
【0088】
【発明の効果】以上述べたことから明らかな如く、本発
明は、PG又は/及びβGの測定時に影響を及ぼす試料
中に存在する成分の影響を効率よく排除し、PG又は/
及びβGを高感度に測定し得る方法を提供するものであ
り、本発明の方法によれば、従来行われていた方法より
も確実にこのような成分の影響を抑制することができ、
良好な回収率で、且つより短時間に試料中のPG又は/
及びβGの測定を行うことができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた、各濃度のエチレンジアミ
ン二プロピオン酸(EDDP)を含有する測定用試料につい
てペプチドグリカン(PG)濃度測定を行った場合に得
られた、判定時間とEDDP濃度との関係を示すもので
ある。
【図2】実施例2で得られた、各濃度のEDDPを含有
する血漿由来の測定用試料についてPG濃度測定を行っ
た場合に得られた、PGの回収率とEDDP濃度との関
係を示すものである。
【図3】実施例3で得られた、PGを10pg/ml含有する
測定用試料のPG濃度を測定した場合に得られた、PG
の回収率と血漿希釈倍率との関係を示すものである。
【図4】実施例3で得られた、PGを100pg/ml含有する
測定用試料のPG濃度を測定した場合に得られた、PG
の回収率と血漿希釈倍率との関係を示すものである。
【符号の説明】
図1に於いて、−○−は蒸留水由来の測定用試料を用い
て得られた結果を、--●--は血漿由来の測定用試料を用
いて得られた結果を夫々示す。図3に於いて、−○−は
蒸留水で希釈加熱処理した前処理試料について得られた
結果を、--●--はEDDP溶液で希釈加熱処理した前処
理試料について得られた結果を夫々示す。図4に於い
て、−○−は蒸留水で希釈加熱処理した前処理試料につ
いて得られた結果を、--●--はEDDP溶液で希釈加熱
処理した前処理試料について得られた結果を夫々示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA13 CA25 CA26 DA44 FB01 GC10 2G054 AA07 AB01 AB05 AB07 BB10 BB13 CA21 CB02 CB10 CD01 CE01 CE02 EA02 EA03 EA04 FA09 FA36 FA37 GB04 JA02 JA06

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キレート剤を含んで成る、ペプチドグリカ
    ン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処
    理剤。
  2. 【請求項2】試料が血漿又は血清である、請求項1記載
    の処理剤。
  3. 【請求項3】キレート剤が金属配位原子として窒素原子
    又は酸素原子を有するものである、請求項1又は2記載
    の処理剤。
  4. 【請求項4】キレート剤が下記一般式[I] 【化1】 [式中、R1,R2,R4及びR5は夫々独立して水素原子
    又は、水酸基,カルボキシル基若しくはホスホン酸基を
    置換基として有するアルキル基(但し、R1とR2が共に
    水素原子である場合を除く。)を表し、R3はカルボキ
    シル基又は 【化2】 〔但し、R6及びR7は夫々独立して水素原子又は、又は
    カルボキシル基若しくはホスホン酸基を置換基として有
    するアルキル基を表す。〕を表す。また、mは1〜3の
    整数を表し、nは0又は1を表す。]で表される化合物
    である、請求項3記載の処理剤。
  5. 【請求項5】アルキル基が炭素数1〜6の直鎖状のもの
    である請求項4記載の処理剤。
  6. 【請求項6】水酸基、カルボキシル基若しくはホスホン
    酸基を置換基として有するアルキル基が、置換基として
    水酸基、カルボキシル基若しくはホスホン酸基をその末
    端に有する炭素数1〜6のアルキル基である請求項4記
    載の処理剤。
  7. 【請求項7】アルキル基がメチル基又はエチル基である
    請求項5〜6記載の処理剤。
  8. 【請求項8】一般式[I]で示されるキレート剤がエチレ
    ンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二プロピ
    オン酸(EDDP)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ニ
    トリロ三プロピオン酸(NTP)、エチレンジアミン-N,N-
    ビス(メチレンホスホン酸)(EDDPO)、エチレンジアミ
    ンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTPO)、N、N-ビ
    ス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(DHEG)又はトリエ
    チレンテトラミン六酢酸(TTHA)である、請求項4記載
    の処理剤。
  9. 【請求項9】キレート剤が8-キノリノール又はベンゾイ
    ルアセトンである、請求項3記載の処理剤。
  10. 【請求項10】キレート剤を含んで成る、ペプチドグリ
    カン又は/及び(1→3)β−D−グルカン測定に於け
    る、試料中に含有される他成分による影響回避剤。
  11. 【請求項11】ペプチドグリカン又は/及び(1→3)
    β−D−グルカン含有試料にキレート剤を共存させるこ
    とを特徴とする、該試料の処理方法。
  12. 【請求項12】試料にキレート剤を共存させる方法が、
    キレート剤を含む溶液と試料を混合するものである、請
    求項11記載の処理方法。
  13. 【請求項13】キレート剤を含む溶液と試料を混合した
    後、更に加熱処理する、請求項12記載の処理方法。
  14. 【請求項14】試料が血漿又は血清である請求項11〜
    13記載の処理方法。
  15. 【請求項15】キレート剤が金属配位原子として窒素原
    子又は酸素原子を有するものである、請求項11〜14
    記載の処理方法。
  16. 【請求項16】キレート剤が下記一般式[I] 【化3】 [式中、R1,R2,R4及びR5は夫々独立して水素原子
    又は、水酸基,カルボキシル基若しくはホスホン酸基を
    置換基として有するアルキル基(但し、R1とR2が共に
    水素原子である場合を除く。)を表し、R3はカルボキ
    シル基又は 【化4】 〔但し、R6及びR7は夫々独立して水素原子又は、カル
    ボキシル基若しくはホスホン酸基を置換基として有する
    アルキル基を表す。〕を表す。また、mは1〜3の整数
    を表し、nは0又は1を表す。]で表される化合物であ
    る、請求項15記載の処理方法。
  17. 【請求項17】一般式[I]で示されるキレート剤がEDT
    A、EDDP、EDDA、NTP、EDDPO、EDTPO、DHEG及びTTHAから
    選択されて成る、請求項16記載の処理方法。
  18. 【請求項18】キレート剤が8-キノリノール又はベンゾ
    イルアセトンである、請求項15記載の処理方法。
  19. 【請求項19】キレート剤の存在下に行う、試料中のペ
    プチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン
    の測定方法。
  20. 【請求項20】キレート剤の存在下に、試料を昆虫体液
    由来のペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−
    グルカン測定用試薬と反応させることを特徴とする、試
    料中に存在するペプチドグリカン又は/及び(1→3)
    β−D−グルカンの測定方法。
  21. 【請求項21】請求項11〜18の何れかの方法により
    処理した試料について行う、該試料中のペプチドグリカ
    ン又は/及び(1→3)β−D−グルカンの測定方法。
  22. 【請求項22】請求項11〜18の何れかの方法により
    処理した試料を、昆虫体液由来のペプチドグリカン又は
    /及び(1→3)β−D−グルカン測定用試薬と反応さ
    せることを特徴とする、試料中に存在するペプチドグリ
    カン又は/及び(1→3)β−D−グルカンの測定方
    法。
  23. 【請求項23】試料が血漿又は血清である、請求項22
    記載の測定方法。
  24. 【請求項24】キレート剤が金属配位原子として窒素原
    子又は酸素原子を有するものである、請求項21又は2
    2記載の測定方法。
  25. 【請求項25】キレート剤が下記一般式[I] 【化5】 [式中、R1,R2,R4及びR5は夫々独立して水素原子
    又は、水酸基,カルボキシル基若しくはホスホン酸基を
    置換基として有するアルキル基(但し、R1とR2が共に
    水素原子である場合を除く。)を表し、R3はカルボキ
    シル基又は 【化6】 〔但し、R6及びR7は夫々独立して水素原子又は、カル
    ボキシル基若しくはホスホン酸基を置換基として有する
    アルキル基を表す。〕を表す。また、mは1〜3の整数
    を表し、nは0又は1を表す。]で表される化合物であ
    る、請求項24載の測定方法。
  26. 【請求項26】一般式[I]で示されるキレート剤がEDT
    A、EDDP、EDDA、NTP、EDDPO、EDTPO、DHEG、DHEG及びTT
    HAから選択されて成る、請求項25記載の測定方法。
  27. 【請求項27】キレート剤が8-キノリノール又はベンゾ
    イルアセトンである、請求項25記載の測定方法。
  28. 【請求項28】昆虫がカイコである、請求項22記載の
    測定方法。
JP2000311164A 2000-10-11 2000-10-11 ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法 Withdrawn JP2002116209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000311164A JP2002116209A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000311164A JP2002116209A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002116209A true JP2002116209A (ja) 2002-04-19

Family

ID=18790979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000311164A Withdrawn JP2002116209A (ja) 2000-10-11 2000-10-11 ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002116209A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US12015145B2 (en) 2020-01-02 2024-06-18 Ningde Amperex Technology Limited Anode, and electrochemical device comprising the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US12015145B2 (en) 2020-01-02 2024-06-18 Ningde Amperex Technology Limited Anode, and electrochemical device comprising the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
McCarty Purification and properties of desoxyribonuclease isolated from beef pancreas
Söderling Practical aspects of salivary analyses
JP5422108B2 (ja) ヘムタンパク質の安定化方法及び保存溶液
JP3934605B2 (ja) 感染症原因微生物の検出および同定のための改良された方法
EP0496680B1 (fr) Procédé et milieu d'identification de bactéries du genre Listeria
JP2008194057A (ja) 食細胞機能の評価方法およびその利用
CH647871A5 (fr) Reactif de lysat d'amibocytes de limule.
US20170089889A1 (en) Immunoassay method for pro-gastrin-releasing peptide
CN105939601B (zh) 在室温稳定全血
JPS58502082A (ja) 細菌及び菌類の検出のための方法及び試薬
EP2331702B1 (fr) Milieu de culture permettant de differencier staphylococcus aureus des staphylococcus a coagulase negative
JPH0365958B2 (ja)
SE447579B (sv) Solubiliserbar, fibrinbaserad komposition och anvendning av kompositionen vid bestemning av fibrinolysparametrar
JP2002116209A (ja) ペプチドグリカン又は/及び(1→3)β−D−グルカン含有試料の処理剤及び処理方法
JPH07506437A (ja) 内因性のアルカリ性ホスファターゼの影響を減少させるための方法及び組成物
EP2639586B1 (en) Measurement method using enzymes
EP1774327A2 (en) Methods and kits for measuring adamts13/fxi complexes
WO2007092360A2 (en) Diagnostics and methods for removal and detection of interferents
CA2237888C (en) Improved method for the determination of lipase
KR20060113662A (ko) 전구응고제 인지질의 검출 방법
KR20210139351A (ko) 치주병 원인균의 검출 방법
JP5022673B2 (ja) 生体分子の安定化方法および組成物
US5212081A (en) Stabilization of polypeptide fragments against proteolytic degradation
EP1951893B1 (en) Endotoxin analysis
JP2003000236A (ja) エステラーゼの安定化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108