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JP2002114135A - 交通機関用ワイパーブレード及びその製造方法 - Google Patents

交通機関用ワイパーブレード及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002114135A
JP2002114135A JP2001219455A JP2001219455A JP2002114135A JP 2002114135 A JP2002114135 A JP 2002114135A JP 2001219455 A JP2001219455 A JP 2001219455A JP 2001219455 A JP2001219455 A JP 2001219455A JP 2002114135 A JP2002114135 A JP 2002114135A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiper blade
powder
wiping
lip
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001219455A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Miyauchi
勝美 宮内
Nobuyuki Hiruma
信幸 昼間
Masahide Takahashi
昌秀 高橋
Yoshinari Shizukuda
能成 雫田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2001219455A priority Critical patent/JP2002114135A/ja
Publication of JP2002114135A publication Critical patent/JP2002114135A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水被膜を削り取る作用が弱く、撥水性被膜
の撥水効果を長持ちさせることができると共に、静粛摺
動性の向上した、改善された交通機関用ワイパーブレー
ドを提供する。 【解決手段】 基体部3と、リップ部4と、該リップ部
4及び基体部3を接続する薄肉のネック部2とを有する
ワイパーブレード1のリップ部4の先端部に、平面形状
の先端面5と両側面を有し、該先端面5を除いた両側面
に摺動性を有する払拭表層部7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交通機関用ワイパ
ーブレードに関し、更に詳しくは、ガラス面に付着した
雨水、泥水、雪、みぞれ、ほこり等を払拭して取り除
き、良好な運転視界を確保するために必要不可欠な、交
通機関用ワイパーブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、船舶、飛行機、電車等の各種交
通機関(以下、交通機関の代表として自動車を例に説明
する)のフロントウィンドーやリヤウィンドーに設置さ
れているワイパーは、ガラス面に付着した水滴やほこり
等を払拭するワイパーブレードと、これを支持するワイ
パーアームとから構成されている。このワイパーブレー
ドは、そのガラス接触部に主として天然ゴムが使用さ
れ、その他、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体)ゴム、あるいは、これらのゴムを適宜ブレンドした
ものが使用されている。
【0003】最近、雨天時にも良好な運転視界を得る方
法として、ガラス面に撥水剤を塗布し、撥水性被膜を形
成させて、付着する雨滴の接触角を90°以上にする方
法が広く利用されている。この撥水性被膜は、自動車の
停止時には雨滴がガラス面から滑り落ちやすくなり、ま
た、自動車の走行時にはガラス面上に生じる風力で雨滴
が飛散しやすくなるので、ワイパーをあまり作動させな
くてもかなり良好な視界が得られる。しかし、このよう
な表面処理をした場合でも、より安全な運転のために
は、ワイパーを作動させてガラス面に付着した異物を払
拭除去する必要性が残る。撥水剤を被覆処理した面にワ
イパーを作動させると、撥水性被膜がワイパーブレード
の繰り返し摩擦によって徐々に削り取られ、比較的短期
間に撥水効果が低下するので、ガラス面に頻繁に撥水処
理を施す必要があった。また、撥水性被膜が剥がれかけ
た状態でワイパーを作動させると、ワイパーにビビリが
生じて円滑に作動しなくなるという問題もあった。
【0004】かかる問題を解消する方法として、本発明
者らは、ワイパーアームに保持されるワイパーブレード
にシリコーン化合物を使用することにより、撥水効果が
長持ちして撥水剤塗布処理回数を大幅に低減させること
ができ、従来のものに比べて顕著に改善されたワイパー
を提供し得ることを知った(特願平10−135470
号、特願平10−337994号)。しかし、最近、自
動車の静粛性への要望がより強まりつつあり、ワイピン
グ時の静粛性と共に、更なる摺動性の向上が要求される
ようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、撥水被膜を削り取る作用が弱く、撥水性被膜の
撥水効果を長持ちさせることができると共に、静粛摺動
性の向上した、改善された交通機関用ワイパーブレード
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、ワイパーアームに取り付けら
れる基体部と、ガラス面に付着した水滴やほこり等を払
拭するリップ部と、該リップ部及び前記基体部を接続す
る薄肉のネック部とを有するワイパーブレードであっ
て、前記リップ部の先端部は、平面形状の先端面と両側
面を有し、該先端面を除いた両側面に摺動性を有する払
拭表層部が形成されていることを特徴としている。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1の構成
に加えて、前記払拭表層部の高さは、前記リップ部の先
端面と同一平面上のエッジ稜線部から前記基体部側に向
かって使用時に前記リップ部の先端部の側面が払拭に関
与する長さ以上の大きさを有することを特徴としてい
る。
【0008】請求項3に記載の発明は、ワイパーブレー
ドのリップ部の先端部を相対して中央部で連結した一対
の共取りとした成形品を成形した後、該共取りとした成
形品の前記リップ部の両先端部が相対した少なくとも中
央部の両側面に、摺動性を有する粉体と該粉体を固定す
るバインダーとを付着させて払拭表層部を形成し、その
後、該払拭表層部の上から前記中央部を切断すること
で、該払拭表層部のエッジ稜線部と前記リップ部の先端
面とが同一平面を構成した2個のワイパーブレードを製
作するようにしたことを特徴としている。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3の構成
に加えて、前記リップ部に粉体を付着させた後、該粉体
を、前記バインダーを溶剤に溶かしたバインダー溶液で
被覆し、その後、熱処理して該バインダー溶液を硬化さ
せることで前記リップ部に払拭表層部を形成するように
したことを特徴としている。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項3の構成
に加えて、予め前記バインダーを溶剤に溶かしたバイン
ダー溶液中に前記粉体を分散させておき、該粉体が分散
したバインダー溶液を前記リップ部に付着し、その後、
熱処理して該バインダー溶液を硬化させることで前記リ
ップ部に前記払拭表層部を形成するようにしたことを特
徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
るために、特に交通機関用ワイパーブレードに着目して
種々の試作検討を重ねた結果、少なくとも撥水性被膜が
形成されているガラス面と接触する払拭部分をシリコー
ン系組成物にて成形したワイパーブレードとし、更に少
なくとも払拭部位に、摺動性を有する粉体を、シリコー
ン系ゴム組成物をバインダーとして固定させることで、
摺動性を顕著に向上させ、撥水性被膜を削り取る作用が
弱く、撥水効果を長持ちさせることができることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0012】なお、ここで撥水被膜について説明する。
【0013】[撥水被膜の内容]ウィンドーガラス表面
に形成する撥水被膜は、アルコキシシラン化合物、より
好ましくはトリアルコキシシラン化合物を用いたもので
ある。アルコキシ基は、一般に、メトキシ基あるいはエ
トキシ基を用いればよい。また、撥水に関与する基とし
ては、メチル基や、フルオロアルキル基からなる群より
選ばれたものが挙げられる。フルオロアルキル基として
は、一般式CF(CFCHCH −で表すこ
とができるが、より好もしくはn=0〜8のものを用い
ればよい。
【0014】また、アルコキシ基の加水分解を促進し、
ガラスとの結合を向上させるために、強酸あるいは強ア
ルカリを触媒として用いることもできる。この触媒とし
ては、塩酸、硝酸、硫酸、芳香族スルホン酸、脂肪族ス
ルホン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどから
選択すればよい。溶剤成分としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコールと
いったアルコール類を用いることが好ましい。
【0015】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て、詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明のワイパーブレードの一例
を示す模式的断面図で、図中、1はワイパーブレード
で、中間にネック部2を設けた基体部3の先端にリップ
部4、その先端に撥水性被膜を形成したウィンドーガラ
スの表面と接触する先端面5となっている。6は自動車
の撥水性被膜を形成したウィンドーガラスである。
【0017】図2は、要部を拡大して示す模式的断面図
で、リップ部4先端のエッジ部9には、本発明の摺動性
を向上させる払拭表層部7を設けてある。ワイパーブレ
ード1は、使用時にエッジ部9とエッジ部9に連続した
リップ部4の側面で払拭するので、図示のように、払拭
表層部7がエッジ稜線部8からリップ部4に適当な高さ
だけ延長して設けられることが必要となる。
【0018】払拭表層部7の形成については、ワイパー
ブレード1を、リップ部4の先端である先端面5側を一
体に合わせた2個の共取りとしたものに、塗装、ディッ
ピング等の方法を用いて表層部を形成させた後に、2個
に切断する手法を用いることが好ましい。
【0019】なお、ここで本発明における粉体の粒度分
布測定方法について説明する。
【0020】[粉体の粒度分布測定方法]沈降法は、流
体中を沈降する粒子の速度が粒径によって異なることを
利用して粒度分布を求めるものであり、粒度測定を行う
上で最も一般的とされている測定方法である。粒子濃度
の時間的変化を測定することによって、粒度分布を求め
ることができる。粒子濃度の測定には、深さH以上また
は以下の全濃度変化を測定する積算法や、深さHにおけ
る濃度変化を測定する増分法などがある。これを更に詳
細にみていくと、積算法には沈降天秤法、比重計法、圧
力法といった方式があり、増分法ではピペット法、比重
天秤法、光透過法、X線透過法などがある。本発明にお
ける粒度分布測定は、これらのうちで、増分法であっ
て、遠心沈降法による光透過測定法を用いている。測定
環境条件は、温度23±2℃、湿度50±10%の雰囲
気中で分散媒に蒸留水を使用して測定している。
【0021】基体部3を構成する材料は、従来ワイパー
ブレードに使われていた何れの材料も好適に使用でき
る。リップ部4と同質のシリコーン系ゴム、あるいは天
然ゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の汎用ゴム
を使用することも可能である。この基体部3の硬度は、
JIS−K6253で規定されたデュロメータ タイプ
Aで測定したときに50〜80度であることが望まし
い。リップ部4を構成する材料には、シリコーン系ゴム
組成物を用いる。所望により、補強充填剤や摺動性を付
与するための添加材等を加えることができる。勿論、シ
リコーン系ゴム組成物単独でもよい。
【0022】シリコーン系ゴム組成物として使用される
シリコーン生ゴムとしては、ジメチルシリコーン生ゴ
ム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルビ
ニルシリコーン生ゴム、フロロシリコーン生ゴム等が例
示される。これらは、必要な特性を満足できる範囲であ
れば、一種だけでなく、二種以上を混合して用いてもよ
い。リップ部4に使用されるシリコーン系ゴム組成物の
硬化後のゴム硬度は、JIS−K6253で規定される
デュロメータ・タイプAで測定したときに50〜80度
の範囲で調製されることが好ましい。ゴム硬度が50度
より低くても、80度より高くても、払拭性が悪くなる
ので好ましくない。
【0023】シリコーン系ゴム組成物の強度を向上させ
る補強充填剤としては、好ましくは補強性微粉末シリカ
が用いられる。その平均粒径は0.005〜0.03μ
mのものが好ましく、体積充填率で10〜25%になる
ように配合されることが望ましい。充填率が10%より
少ないと、十分な補強効果が得られず、25%を超える
と混練、成形等の加工が困難なものとなる。シリコーン
系ゴム組成物を硬化させるには、従来普通に行われてい
る方法で差し支えないが、中でも、縮合反応または付加
反応のいずれかによることが好ましい。縮合反応により
硬化させる場合の加硫剤としては、一般に有機過酸化物
が用いられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。付
加反応で硬化させる場合には、白金系触媒を用いた水素
基とビニル基の付加反応が挙げられる。
【0024】リップ部4の先端で撥水性被膜を形成した
ウィンドーガラスと接触する払拭部位の表面には、払拭
性と耐久性を向上させるように、払拭表層部7を形成す
る。払拭表層部7は、粉体と、粉体を払拭部位の表面に
固定させるためのバインダーとしての役をする樹脂とで
形成される。払拭表層部7は、少なくとも払拭部位の表
面にあることが必要であり、ワイパーブレード1は、使
用時にエッジ部9とエッジ部9に連続したリップ部4の
側面で払拭するので、払拭表層部7を先端面5からリッ
プ部4に適当な高さだけ延長して設けることが必要とな
る。
【0025】払拭部位の表面に付着させる粉体として
は、摺動性を従来よりも向上させる目的で使用されるも
ので、その材質は、例えば、フッ素樹脂、グラファイ
ト、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム
等が挙げられる。性能さえ満足させることができれば、
単独でも、二種以上を併用しても、かまわない。
【0026】粉体の形状は、バルク状、鱗片状、球状、
多孔質球状、中空多孔質球状等のものが好ましく、沈降
式の粒度分布測定方法による粒度分布において、球状、
多孔質球状、中空多孔質球状の形態をとるシリカ粉のよ
うな場合は、0.3〜30μm、メディアン粒径が2〜
15μmであることがより好ましいが、鱗片状の形態を
とるグラファイトのような場合は、0.3〜60μm、
メディアン粒径が2〜15μmであることがより好まし
い。球状、多孔質球状、中空多孔質球状の形態をとるシ
リカ粉のような場合には、沈降式の粒度分布測定方法に
よる粒度分布が0.3μmよりも小さいものがあると、
粒子間の凝集が顕著になって取り扱いにくくなるし、3
0μmより大きいものがあると、ワイパーブレードとし
てガラス面に設置し、実際に使用した場合、ガラス面へ
の密着状態が悪くなってガラス面上の水分を拭き取れず
に拭き残しが生じる虞がある。
【0027】また、メディアン粒径が、2μmより小さ
いと摺動性を向上させる効果が得にくくなり、15μm
より大きいと摺動性向上の効果は得られるものの、ワイ
パーブレードとしてガラス面に設置し、実際に使用した
場合、ガラス面への密着状態が悪くなってガラス面上の
水分を拭き取れずに拭き残しが生じる虞がある。一方、
鱗片状の形態をとるグラファイトのような場合は、沈降
式の粒度分布測定方法による粒度分布が0.3μmより
も小さなものがあると、粒子間の凝集が顕著になって取
り扱いにくくなるし、60μmより大きいものがある
と、ワイパーブレードとしてガラス面に設置し、実際に
使用した場合、ガラス面への密着状態が悪くなってガラ
ス面上の水分を拭き取れずに拭き残しが生じる虞があ
る。ここで、先程の球状、多孔質球状、中空多孔質球状
の形態をとるシリカ粉のような場合と、粒子形状が鱗片
形状の形態をとるグラファイトのような粒子の場合とで
許容粒径が異なる理由は、粉体の形状の違いによるもの
である。
【0028】すなわち、球状の粉体の場合は、払拭表層
部7形成の際に30μmより大きい粒径のもの同士が接
触すると、粒子形状が球状ということから粒子間の接触
は点接触となる。このため両粉体間に間隙が生じること
になる。使用する粉体は粒度分布をもっているため、そ
の間隙により小さい粒径の粉体が入り、間隙を埋めてい
くが、十分に埋まらない場合も生じるため、拭き残しが
生じる虞があり、これ以上の粒径は好ましくない。
【0029】これに対して、粒子形状が鱗片状の形態を
とるグラファイトのような粉体の場合は、払拭表層部7
を形成させるときに、鱗片状の粒子が払拭表層部7の厚
み方向に魚の鱗が並ぶように積層する形態をとる。ま
た、鱗片状という形状から、球状粒子のように点接触に
よる間隙が生じない。これらの理由から、許容粒径に違
いが生じることになる。
【0030】上述の粉体を固定させるために使用するシ
リコーン系ゴム組成物は、硬化後のゴム硬度がJIS−
K6253で規定されたデュロメータ タイプAで測定
したときに40〜70度であることが好ましい。硬化後
のゴム硬度が40度より低いと、満足のいく摺動性が得
られなくなり、また70度より高いと、撥水性被膜を形
成したウィンドーガラスの表面に付着した異物で傷つき
やすく、拭きスジとなりやすい。このシリコーン系ゴム
組成物として使用されるシリコーン生ゴムとしては、ジ
メチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴ
ム、メチルフェニルビニルシリコーン生ゴム、フロロシ
リコーン生ゴム等が例示される。これらは必要な特性を
満足できる範囲であれば、一種だけでなく、二種以上を
混合して用いてもよい。
【0031】シリコーン系ゴム組成物の強度を向上させ
る補強充填剤としては、好ましくは補強用微粉末シリカ
が用いられる。その平均粒径は、0.005〜0.03
μmのものが好ましく、体積充填率で10〜20%にな
るように配合されることが望ましい。充填率が10%よ
り少ないと、十分な補強効果が得られず、20%を超え
ると混練、成形等の加工が困難になる。これを硬化させ
るには、上述のシリコーン系ゴム組成物を硬化させるの
と同様であり、縮合反応または付加反応の何れかによる
こともできる。中でも、付加反応で硬化させた方が、製
造工程上の関係から好ましい。粉体の付着量は、1〜2
0mg/cmの範囲であることが好ましい。粉体の付
着量が1mg/cmより少ないと、望まれる摺動性が
得られないし、20mg/cmより多すぎると、払拭
性が悪くなるので好ましくない。
【0032】粉体の付着量は次のようにして測定する。
すなわち、フィラーをワイパーブレード連接素体に付着
させてから、シリコーン系ゴム組成物で固定させる場合
には、フィラーを付着させる前のワイパーブレード連接
素体とフィラーを付着させた後のワイパーブレード連接
素体との各重量の差から計算により求める。実施例4の
ように、フィラーとシリコーン系ゴム組成物とを前もっ
て混合して調製した溶液をスプレー塗装する場合には、
スプレー塗装する前のワイパーブレード連接素体重量
と、スプレー塗装後熱処理を行ったワイパーブレード連
接素体重量との差から計算により求める。
【0033】同様に、上記粉体を固定するシリコーン系
ゴム組成物の付着量は、0.3〜10mg/cm2の範
囲であることが好ましい。シリコーン系ゴム組成物の付
着量が0.3mg/cm2より少ないと粉体を十分に固
定できず、逆に10mg/cmより多いと、粉体の固
定能力は十分であるが、摺動性を劣化させてしまうので
好ましくない。この払拭表層部7の厚みは5〜30μm
の範囲で調整されることが望ましい。払拭表層部7が5
μmよりも薄いと、初期の摺動性は満足しても実使用を
考えたときの耐久性が不足するために好ましくない。ま
た、払拭表層部7が30μmを超えると、払拭表層部7
にクラックが発生する危険が生じ、これが原因となって
払拭性が低下するので好ましくない。
【0034】リップ部4の先端である払拭部位に粉体を
固定させる方法としては、成形されたワイパーブレード
1に粉体を付着させておき、粉体の固定に使用されるシ
リコーン系ゴム組成物で被覆して硬化させてもよいし、
シリコーン系ゴム組成物に粉体を分散させておき、それ
を成形されたワイパーブレード1に積層してもよい。粉
体を付着させる方法としては、縦型・横型・V型・S型
といったタンブラーを用いたり、粉体塗装機を用いるこ
とができる。付着させた粉体をシリコーン系ゴム組成物
で被覆させる方法としては、スプレー塗装やディッピン
グ等の方法を挙げることができ、この場合にはシリコー
ン系ゴム組成物をトルエンのような適当な溶剤を溶媒に
用いて適当な濃度に調整しておく。粉体を分散させたシ
リコーン系ゴム組成物で積層する方法としては、トルエ
ンのような適当な溶剤を溶媒に用いたシリコーン系ゴム
組成物溶液中に該粉末を分散させておき、ディッピン
グ、吹き付け(スプレー)、プレス等の方法で積層する
ことができる。
【0035】例えば、スプレー塗装により、形成された
ワイパーブレード1の表面に形成させる場合の調合の一
例を示すと、3重量%シリコーン系ゴム組成物溶液10
0部に対して摺動性フィラー(粉体)を5部添加、分散
させたものが挙げられる。粉体の付着量は、1〜20m
g/cmを目安とする。シリコーン系ゴム組成物の塗
布・付着量は、0.3〜10mg/cmを目安とす
る。このシリコーン系ゴム組成物を硬化させるには、1
50〜200℃で5〜30分の熱処理を行えばよい。本
発明のワイパーブレード1を成形するには、圧縮成型、
押出成形、射出成形等の方法から適宜選択することがで
きる。ワイパーブレード1が複数の構成材料からなる場
合は、複合圧縮成型、多層押出成形、複合射出成形等の
方法を用いることもでき、また、別個に成形して接合一
体化することもできる。
【0036】成形条件は、圧縮成型、射出成形の場合で
は、成形性及び生産性の点から、150〜190℃、好
ましくは160〜180℃の範囲で設定することが好ま
しい。押出成形の場合は、加硫槽内での滞留時間との兼
ね合いもあるが、一般的には加硫槽内温度を200〜4
00℃の範囲に設定する。また、有機過酸化物を用いる
縮合反応により加硫する場合、強制排気式のオーブンで
二次加硫を行うと、成形品中の未反応物が除去されて、
機械的強度等が向上する。二次加硫は、一般的には、1
80〜210℃の範囲で、1〜4時間行うことが好まし
い。
【0037】成形品の取り方は、単品(一個)取り、複
数の共取り等、様々な形態が可能であるが、払拭性の点
から、リップ部4の先端である先端面5側を一体に合わ
せた2個の共取りとして成形し、後から鋭利な刃物でそ
の中央部を切断する方法が、エッジ部9が鋭利にできる
ので、好ましい。この共取り成形品を切断する方法とし
ては、成形品の片側から刃物を当てて切断する方法、成
形品の切断面の上下から刃物を当てて切断する方法、引
き切り、押し切り、回転刃による切断等の方法が挙げら
れる。払拭部位は、シャープで直線的なエッジとなるよ
うにすることが特に好ましいため、切断に用いる刃物の
形状は任意ではあるが、成形品の切断面の上下から刃物
を当てて切断することが好ましい。
【0038】
【実施例】次に、本発明の実施例、比較例を挙げるが、
本発明はこれらに限られるものではない。
【0039】[実施例1]シリコーンゴムコンパウンド
「KE−571u」(商品名、信越化学工業(株)製)
100重量部に対し、加硫剤「C−8」(商品名、信越
化学工業(株)製。化合物名は2,5−ジメチル−2,
5−ビス(2−ブチルパーオキシ)ヘキサン)を2重量
部添加して二本ロールで十分混練し、適当な厚み、長さ
に分出しした。このシリコーンゴム組成物を用いて、払
拭部側を合わせた共取りの状態で、加熱圧縮成形法を利
用して(処理条件:170℃、4分)、2本1連のワイ
パーブレード連接素体を成形し、このワイパーブレード
連接素体を強制排気式オーブン中で二次加硫(処理条
件:200℃、2時間)を行った。
【0040】次いで、このワイパーブレード連接素体を
「ゴッドボールE−16C」(商品名、鈴木油脂工業
(株)製、多孔質シリカ、沈降式粒度分布測定方法によ
る粒度分布0.5〜18μm、メディアン粒径4〜6μ
m、形状は球状)と共にタンブラーに入れて攪拌し、ワ
イパーブレード連接素体表面に該粉体を平均付着量2m
g/cmで付着させた。この粉体付着ワイパーブレー
ド連接素体の所要部にメチルビニルシリコーン系ゴム組
成物(下記に示す化学式1を一般式とし、メチルビニル
シロキサン単位がランダムに含有されている直鎖状シリ
コーン系ゴム組成物で、重合度(m+n)が7000〜
8000、n/m=99.85/0.15のシリコーン
系ゴム組成物、信越化学工業(株)製)を3重量%含有
するトルエン溶液をスプレーして、シリコーン系ゴム組
成物を平均付着量0.6mg/cm 付着させ、180
℃で10分熱処理を行ってワイパーブレード連接素体を
得た。このワイパーブレード連接素体を、切断面の上下
から回転刃を当てる方法を用いて切断し、同一のシリコ
ーン系ゴム組成物で形成された2本のワイパーブレード
1を得た。リップ部4を形成するシリコーン系ゴム組成
物の硬化後の硬度は68度、粉体を固定するのに用いた
シリコーン系ゴム組成物は、硬化後の硬度が50度であ
った。
【0041】
【化1】
【0042】このワイパーブレード1に対して、後述す
る試験を行い、その評価結果を表1〜2に示した。
【0043】[実施例2]実施例1において、粉体付着
前の二次加硫を行わず、払拭表層部7形成後に二次加硫
を行ったこと以外は、実施例1と同様に行い、2本のワ
イパーブレード1を得た。リップ部4を形成するシリコ
ーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は68度、粉体を固定
するのに用いたシリコーン系ゴム組成物は、硬化後の硬
度が50度であった。このワイパーブレード1に対し
て、後述する試験を行い、その評価結果を表1〜2に示
した。
【0044】[実施例3]実施例1において、「ゴッド
ボールB−25C」(商品名、鈴木油脂工業(株)製。
中空多孔質シリカ。沈降式粒度分布測定方法による粒度
分布0.5〜25μm、メディアン粒径12〜14μ
m、形状は球状)を使用し、平均付着量を2mg/cm
としたこと以外は、実施例1と同様に行い、2本のワ
イパーブレード1を得た。このときの表面に形成させた
中空多孔質シリカとシリコーン系ゴム組成物からなる被
膜の平均膜厚は20μmであった。リップ部4を形成す
るシリコーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は68度、粉
体を固定するのに用いたシリコーン系ゴム組成物は、硬
化後の硬度が50度であった。このワイパーブレード1
に対して、後述する試験を行い、その評価結果を表1〜
2に示した。
【0045】[実施例4]実施例1と同様に2本1連の
ワイパーブレード連接素体を形成し、このワイパーブレ
ード連接素体を強制排気式オーブン中で二次加硫(処理
条件:200℃、2時間)を行った。また、メチルビニ
ルシリコーン系ゴム組成物(実施例1で用いたものと同
じシリコーン系ゴム組成物)を3重量%含有するトルエ
ン溶液100重量部に、「ゴッドボールE−16C」
(前出)5重量部と顔料「K−color−BK−0
2」(商品名、信越化学工業(株)製)2重量部及び白
金触媒「CAT−PL−2−10」(商品名、信越化学
工業(株)製)0.02重量部とを加えて十分撹拌して
調製した。
【0046】この溶液を該ワイパーブレード連接素体に
スプレー塗装し、180℃、10分で熱処理を行った。
このときの塗膜の平均厚さは20μm、粉体付着量2m
g/cm、シリコーン系ゴム組成物平均付着量0.6
mg/cmであった。熱処理後のワイパーブレード連
接素体を、切断面の上下から回転刃を当てる方法で切断
して、全体が同一のシリコーン系ゴム組成物で形成され
た2本のワイパーブレード1を得た。リップ部4を形成
するシリコーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は68度、
粉体を固定するのに用いたシリコーン系ゴム組成物は、
硬化後の硬度が50度であった。このワイパーブレード
1に対して、後述する試験を行い、その評価結果を表1
〜2に示した。
【0047】[実施例5]シリコーンゴムコンパウンド
「KE−1541u」(商品名、信越化学工業(株)
製)100重量部に対し、珪藻土を35重量部添加して
加圧ニーダーにより均一に混練した。このシリコーン系
ゴム組成物100重量部に対し、加硫剤「C−8」(前
出)を2重量部添加して二本ロールで十分混練し、適当
な厚み、長さに分出しした。このシリコーン系ゴム組成
物を用いて、実施例1と同様の操作を行い、2本のワイ
パーブレード1を得た。リップ部4を形成するシリコー
ン系ゴム組成物の硬化後の硬度は72度、粉体を固定す
るのに用いたシリコーン系ゴム組成物は、硬化後の硬度
が50度であった。このワイパーブレード1に対して、
後述する試験を行った。その評価結果を表1〜2に示し
た。
【0048】[実施例6]実施例5のシリコーン系ゴム
組成物でリップ部4を、残りの部分を実施例1のシリコ
ーン系ゴム組成物で形成される、複合型のワイパーブレ
ード連接素体を多層押出成形により得た。このワイパー
ブレード連接素体を実施例1と同様に処理し、2本のワ
イパーブレード1を得た。リップ部4を形成するシリコ
ーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は72度、粉体を固定
するのに用いたシリコーン系ゴム組成物は、硬化後の硬
度が50度であった。このワイパーブレード1に対し
て、後述する試験を行い、その評価結果を表1〜2に示
した。
【0049】[実施例7]実施例1と同様に2本1連の
ワイパーブレード連接素体を形成し、このワイパーブレ
ード連接素体を強制排気式オーブン中で二次加硫(処理
条件:200℃、2時間)を行った。また、メチルビニ
ルシリコーン系ゴム組成物(実施例1で用いたものと同
じシリコーン系ゴム組成物)3重量%含有するトルエン
溶液100重量部に、天然黒鉛「BF−10A」(商品
名、(株)中越黒鉛工業所製。沈降式粒度分布測定方法
による粒度分布1〜55μm、メディアン粒径10μ
m、形状は鱗片状)5重量部と白金触媒「CAT−PL
−2−10」(商品名、信越化学工業(株)製)0.0
2重量部を加えて十分撹拌して調製した。
【0050】この溶液を該ワイパーブレード連接素体に
スプレー塗装し、180℃、10分で熱処理を行った。
このときの塗膜の平均厚さは20μm、粉体付着量2m
g/cmであった。熱処理後のワイパーブレード連接
素体を、切断面の上下から回転刃を当てる方法で切断し
て、全体が同一のシリコーン系ゴム組成物で形成された
2本のワイパーブレード1を得た。リップ部4を形成す
るシリコーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は68度、粉
体を固定するのに用いたシリコーン系ゴム組成物は、硬
化後の硬度が50度であった。このワイパーブレード1
に対して、後述する試験を行い、その評価結果を表1〜
2に示した。
【0051】[実施例8]実施例7において、天然黒鉛
として「BF−10A」に代えて「BF−5A」(商品
名、(株)中越黒鉛工業所製。沈降式粒度分布測定方法
による粒度分布1〜25μm、メディアン粒径5μm、
形状は鱗片状)を用いたこと以外は、すべて実施例7と
同様の操作を行い、2本のワイパーブレード1を得た。
リップ部4を形成するシリコーン系ゴム組成物の硬化後
の硬度は68度、粉体を固定するのに用いたシリコーン
系ゴム組成物は、硬化後の硬度が50度であった。この
ワイパーブレード1に対して、後述する試験を行い、そ
の評価結果を表1〜2に示した。
【0052】[比較例1]天然ゴム製の市販ワイパーブ
レード(日本ワイパーブレード(株)製)で実施例1と
同様の試験を行った。評価結果を表1〜2に示した。
【0053】[比較例2]市販の天然ゴム製の撥水ガラ
ス用ワイパーブレード(日本ワイパーブレード(株)
製)を用いて実施例1と同様の試験を行った。評価結果
を表1〜2に示した。
【0054】[比較例3]実施例5のシリコーン系ゴム
組成物を用いて成形、二次加硫、切断の各工程を実施例
1と同様に行い、2本のワイパーブレード1を得た。た
だし、払拭表層部は形成させなかった。リップ部4を形
成するシリコーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は72度
であった。このワイパーブレード1に対して、実施例1
と同様の試験を行い、その評価結果を表1〜2に示し
た。
【0055】[比較例4]実施例1において、粉体とし
て「ゴッドボールE−2C」(商品名、鈴木油脂工業
(株)製。多孔質シリカ。沈降式粒度分布測定法による
粒度分布0.5〜3μm、メディアン径1.0μm、形
状は球状)を使用したこと以外は、実施例1と同様に行
い、2本のワイパーブレード1を得た。リップ部4を形
成するシリコーン系ゴム組成物の硬化後の硬度は68
度、粉体を固定するのに用いたシリコーン系ゴム組成物
は、硬化後の硬度が50度であった。このワイパーブレ
ード1に対して、実施例1と同様の試験を行い、その評
価結果を表1〜2に示した。
【0056】[比較例5]実施例7において、塗膜の平
均厚さを3μm、粉体付着量0.3mg/cmシリコ
ーン系ゴム組成物平均付着量0.1mg/cmで形成
した以外は実施例7と同様に行い、2本のワイパーブレ
ード1を得た。リップ部4を形成するシリコーン系ゴム
組成物の硬化後の硬度は68度、粉体を固定するのに用
いたシリコーン系ゴム組成物は、硬化後の硬度が50度
であった。このワイパーブレード1に対して、後述する
試験を行い、その評価結果を表1〜2に示した。 ここ
で、実施例および比較例における各ワイパーブレードに
対して行った試験の内容を説明する。
【0057】[試験1]JIS−D5710に規定され
る払拭性能及び払拭耐久性能を評価する際に用いる試験
装置に準拠した試験装置を使用して、この試験装置のガ
ラス面を撥水処理剤「超ガラコ」(商品名、(株)ソフ
ト99コーポレーション製。シラン化合物)で処理し、
1日放置した。その後、ワイパーブレードを取り付け、
無水の状態、及び500ミリリットル/分の水をガラス
面にほぼ均一に噴霧し、散水した状態で作動させたとき
のそれぞれの動作電流値を、市販の天然ゴム製ワイパー
ブレード(比較例1)の値を100としたときの指数で
評価した。この試験の結果を表1に示す。この試験の場
合、数値が小さい方が動作電流値が低く、摺動性がよい
ことを表す。
【0058】[試験2]試験1の試験装置を使用し、こ
の試験装置のガラス面を撥水処理剤「超ガラコ」(前
出)で処理し、1日放置した。その後、ワイパーブレー
ドを取り付け、500ミリリットル/分の水をガラス面
にほぼ均一に噴霧した状態で、ワイピング速度40回/
分で長時間作動させた。作動回数毎にその時の撥水状態
を下記の評価基準で観察した。この試験の結果を表2に
示す。
【0059】※撥水被膜の耐久性の評価基準: ○:被膜の剥がれなし/性能良い △:被膜の剥がれがワイパー作動面積中の20%以下/
性能やや落ちる ×:被膜の剥がれがワイパー作動面積中の20%より大
/性能悪い
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1および表2の試験結果から明らかなよ
うに、本発明の実施例では、払拭性能および耐久試験の
何れの結果も好ましいものであるが、比較例では、払拭
性能および耐久試験の何れか、または両方の結果が本発
明のものよりも劣っている。
【0063】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明によれば、リップ部の先端部は、平面形状の先
端面と両側面を有し、該先端面を除いた両側面に摺動性
を有する払拭表層部が形成されているので、払拭表層部
の摺動作用によりガラス面への繰り返しの払拭運動にお
いても、そのガラス表面に塗布形成させた撥水被膜を削
り取る作用が極めて弱く、撥水被膜の撥水効果を長期に
わたって安定に保持することができ、しかも摺動性によ
って静粛性が優れた交通機関用ワイパーブレードを提供
できる。
【0064】請求項2に記載の発明によれば、払拭表層
部の高さは、リップ部の先端面と同一平面上のエッジ稜
線部から基体部側に向かって作動時にリップ部の先端部
の側面が払拭に関与する長さ以上の大きさを有している
ので、作動時に撥水性被膜を形成したウインドーガラス
と接触するリップ部の先端部の全域が払拭表層部で覆わ
れることになるため、請求項1に記載の効果に加えて、
より高い摺動性が得られる。
【0065】請求項3に記載の発明によれば、ワイパー
ブレードのリップ部の先端部を相対して中央部で連結し
た一対の共取りとした成形品を成形した後、該共取りと
した成形品のリップ部の両先端部が相対した少なくとも
中央部の両側面に、摺動性を有する粉体と該粉体を固定
するバインダーとを付着させて払拭表層部を形成し、そ
の後、該払拭表層部の上から中央部を切断することで、
該払拭表層部のエッジ稜線部とリップ部の先端面とが同
一平面を構成した2個のワイパーブレードを製作するよ
うにしたので、切断面であるリップ部の先端面に払拭表
層部が存在しないため、作動時における払拭性が損なわ
れることがなく、粉体による摺動性によって静粛性に優
れた交通機関用ワイパーブレードが提供できる。
【0066】請求項4に記載の発明によれば、粉体を付
着させた後、該粉体を、バインダーを溶剤に溶かしたバ
インダー溶液で被覆し、その後、熱処理して該バインダ
ー溶液を硬化させることでリップ部に払拭表層部を形成
するようにしたので、請求項3の効果に加え、払拭表層
部を形成するに当たって、粉体をタンブラーや粉体塗装
機等で、また、バインダーをスプレー塗装やディッピン
グ等で、それぞれ容易に付着することができる。
【0067】請求項5に記載の発明によれば、予めバイ
ンダーを溶剤に溶かしたバインダー溶液中に粉体を分散
させておき、該粉体が分散したバインダー溶液をリップ
部に付着し、その後、熱処理して該バインダー溶液を硬
化させることでリップ部に払拭表層部を形成するように
したので、請求項3の効果に加えて、払拭表層部を形成
するに当たって、ディッピング、吹き付け(スプレ
ー)、プレス等の方法で粉体とバインダーとを同時にか
つ容易に付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイパーブレードの一例の模式的断面
図である。
【図2】本発明のワイパーブレードの要部を拡大して示
す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 ワイパーブレード 2 ネック部 3 基体部 4 リップ部 5 先端面 6 ウインドーガラス 7 払拭表層部 8 エッジ稜線部 9 エッジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 昌秀 埼玉県さいたま市吉野町一丁目406番1号 信越ポリマー株式会社東京工場内 (72)発明者 雫田 能成 埼玉県さいたま市吉野町一丁目406番1号 信越ポリマー株式会社東京工場内 Fターム(参考) 3D025 AE11 4F205 AC06 AH17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイパーアームに取り付けられる基体部
    と、ガラス面に付着した水滴やほこり等を払拭するリッ
    プ部と、該リップ部及び前記基体部を接続する薄肉のネ
    ック部とを有するワイパーブレードであって、前記リッ
    プ部の先端部は、平面形状の先端面と両側面を有し、該
    先端面を除いた両側面に摺動性を有する払拭表層部が形
    成されていることを特徴とする交通機関用ワイパーブレ
    ード。
  2. 【請求項2】 前記払拭表層部の高さは、前記リップ部
    の先端面と同一平面上のエッジ稜線部から前記基体部側
    に向かって作動時に前記リップ部の先端部の側面が払拭
    に関与する長さ以上の大きさを有することを特徴とする
    請求項1に記載の交通機関用ワイパーブレード。
  3. 【請求項3】 ワイパーブレードのリップ部の先端部を
    相対して中央部で連結した一対の共取りとした成形品を
    成形した後、該共取りとした成形品の前記リップ部の両
    先端部が相対した少なくとも中央部の両側面に、摺動性
    を有する粉体と該粉体を固定するバインダーとを付着さ
    せて払拭表層部を形成し、その後、該払拭表層部の上か
    ら前記中央部を切断することで、該払拭表層部のエッジ
    稜線部と前記リップ部の先端面とが同一平面を構成した
    2個のワイパーブレードを製作するようにしたことを特
    徴とする交通機関用ワイパーブレードの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記リップ部に粉体を付着させた後、該
    粉体を、前記バインダーを溶剤に溶かしたバインダー溶
    液で被覆し、その後、熱処理して該バインダー溶液を硬
    化させることで前記リップ部に払拭表層部を形成するよ
    うにしたことを特徴とする請求項3に記載の交通機関用
    ワイパーブレードの製造方法。
  5. 【請求項5】 予め前記バインダーを溶剤に溶かしたバ
    インダー溶液中に前記粉体を分散させておき、該粉体が
    分散したバインダー溶液を前記リップ部に付着し、その
    後、熱処理して該バインダー溶液を硬化させることで前
    記リップ部に前記払拭表層部を形成するようにしたこと
    を特徴とする請求項3に記載の交通機関用ワイパーブレ
    ードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010102829A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc 酸化黒鉛粒子含有液の評価方法、これを用いた酸化黒鉛粒子含有液の製造方法及び導電体の製造方法

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