JP2002103036A - Uo鋼管のシーム溶接方法 - Google Patents
Uo鋼管のシーム溶接方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 薄肉UO鋼管の製造時のシーム溶接方法にお
いて、仮付け溶接時に少ない溶着量で且つ良好な溶け込
み深さが得られる溶接部品質に優れたシーム溶接方法を
提供する。 【解決手段】 UO鋼管を製造する際のシーム溶接方法
において、予め開先部のルートフェイスを溝加工するこ
とにより、開先部の板厚方向に鋼板面に水平な溝断面の
平均面積が0.05〜1500mm2、かつ隣り合う各
溝の間隔が1〜500mmである貫通穴を形成するとと
もに、溶加材を用いず溶接入熱量が0.1〜1.5kJ
/mmの条件でプラズマ溶接を行うことにより開先面の
一部を加熱溶融し、その後、溶接金属の溶着量が0.0
5〜2.5g/cmの条件で消耗電極式ガスシールドア
ーク溶接を用いた仮付け溶接を行い、その後、本シーム
溶接をおこなうUO鋼管のシーム溶接方法。
いて、仮付け溶接時に少ない溶着量で且つ良好な溶け込
み深さが得られる溶接部品質に優れたシーム溶接方法を
提供する。 【解決手段】 UO鋼管を製造する際のシーム溶接方法
において、予め開先部のルートフェイスを溝加工するこ
とにより、開先部の板厚方向に鋼板面に水平な溝断面の
平均面積が0.05〜1500mm2、かつ隣り合う各
溝の間隔が1〜500mmである貫通穴を形成するとと
もに、溶加材を用いず溶接入熱量が0.1〜1.5kJ
/mmの条件でプラズマ溶接を行うことにより開先面の
一部を加熱溶融し、その後、溶接金属の溶着量が0.0
5〜2.5g/cmの条件で消耗電極式ガスシールドア
ーク溶接を用いた仮付け溶接を行い、その後、本シーム
溶接をおこなうUO鋼管のシーム溶接方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にUO鋼管の製
造時に用いられるシーム溶接に関し、詳しくは、仮付け
シーム溶接において溶接金属の溶着量が少なく、且つ十
分な溶け込み深さが得られるシーム溶接方法に関する。
造時に用いられるシーム溶接に関し、詳しくは、仮付け
シーム溶接において溶接金属の溶着量が少なく、且つ十
分な溶け込み深さが得られるシーム溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、UO鋼管の製造方法では、図1
に示すように、(1)平板1の両側端部に開先2を加工
し、その後、(2)平板1をU字型に成形加工し、その
後、さらに(3)O字型に成形加工した後、お互いに接
触した開先2を加圧等の方法で密着させながらシーム溶
接3して鋼管とする。ここで、シーム溶接を行う場合
は、通常、2図に示すように先ず開先2の一部を仮付け
溶接4を行った後、外面シーム溶接5及び内面シーム溶
接6からなる本シーム溶接を行う。また、この場合、用
いられる溶接方法は特に限定されるものではないが、一
般に、仮付け溶接にはMIG溶接やMAG溶接などの消
耗電極式アーク溶接、本シーム溶接には溶接効率が優れ
たSAW、 MIG溶接やMAG溶接等の消耗電極式ア
ーク溶接が用いられている。
に示すように、(1)平板1の両側端部に開先2を加工
し、その後、(2)平板1をU字型に成形加工し、その
後、さらに(3)O字型に成形加工した後、お互いに接
触した開先2を加圧等の方法で密着させながらシーム溶
接3して鋼管とする。ここで、シーム溶接を行う場合
は、通常、2図に示すように先ず開先2の一部を仮付け
溶接4を行った後、外面シーム溶接5及び内面シーム溶
接6からなる本シーム溶接を行う。また、この場合、用
いられる溶接方法は特に限定されるものではないが、一
般に、仮付け溶接にはMIG溶接やMAG溶接などの消
耗電極式アーク溶接、本シーム溶接には溶接効率が優れ
たSAW、 MIG溶接やMAG溶接等の消耗電極式ア
ーク溶接が用いられている。
【0003】UO鋼管のシーム溶接に関する従来技術と
しては、例えば、特開昭60−231574号公報で
は、従来から使用されている半自動MIG溶接による仮
付け溶接にかわり、レーザ溶接を仮付け溶接に用いて機
械的特性の良好な欠陥の無い高品質な溶接部を得る方法
が開示されている。しかしながら、レーザ溶接では要求
されるルートフェイス7のギャップ精度が高く、ルート
フェイスのギャップが広いとレーザビームがその隙間を
通過し溶接することは困難となる。ところが実際の生産
現場を考えると、ルートフェイスのギャップ精度を確保
することが困難である。また、レーザ装置も高価で、初
期投資が大きく、さらに、性能を維持するための定期的
な保守点検が必要であり、この点からも、コスト的に不
利である。
しては、例えば、特開昭60−231574号公報で
は、従来から使用されている半自動MIG溶接による仮
付け溶接にかわり、レーザ溶接を仮付け溶接に用いて機
械的特性の良好な欠陥の無い高品質な溶接部を得る方法
が開示されている。しかしながら、レーザ溶接では要求
されるルートフェイス7のギャップ精度が高く、ルート
フェイスのギャップが広いとレーザビームがその隙間を
通過し溶接することは困難となる。ところが実際の生産
現場を考えると、ルートフェイスのギャップ精度を確保
することが困難である。また、レーザ装置も高価で、初
期投資が大きく、さらに、性能を維持するための定期的
な保守点検が必要であり、この点からも、コスト的に不
利である。
【0004】また、特開昭60−154875号公報で
は、鋼管の本シーム溶接にTIG溶接と、MIG溶接、
プラズマ溶接あるいはSAW溶接とを組み合わせて溶接
部が高品質のUO鋼管縦シーム溶接を得ている。この場
合、TIG溶接は、鋼管の内面側の溶接と外側の溶接に
用いられ、特に外側の溶接は、 MIG溶接、プラズマ
溶接あるいはSAW溶接との組み合わせ溶接において、
シーム溶接濡の外観を整えて形状の良好なシーム溶接部
を得ることを目的としている。しかし、TIG溶接は品
質は良好であるが、溶接速度が遅く溶接能率が低く、本
溶接方法は、特別に高品質が要求されるステンレス鋼や
ニッケル基合金あるいは非鉄金属などのUO鋼管の製造
等に適用が限定され、適用範囲が狭いという問題があ
る。
は、鋼管の本シーム溶接にTIG溶接と、MIG溶接、
プラズマ溶接あるいはSAW溶接とを組み合わせて溶接
部が高品質のUO鋼管縦シーム溶接を得ている。この場
合、TIG溶接は、鋼管の内面側の溶接と外側の溶接に
用いられ、特に外側の溶接は、 MIG溶接、プラズマ
溶接あるいはSAW溶接との組み合わせ溶接において、
シーム溶接濡の外観を整えて形状の良好なシーム溶接部
を得ることを目的としている。しかし、TIG溶接は品
質は良好であるが、溶接速度が遅く溶接能率が低く、本
溶接方法は、特別に高品質が要求されるステンレス鋼や
ニッケル基合金あるいは非鉄金属などのUO鋼管の製造
等に適用が限定され、適用範囲が狭いという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、UO鋼管の軽量
化・高強度化に社会的要求よりUO鋼管の肉厚の薄肉化
が進んでおり、これに伴いUO鋼管製造時の開先部をシ
ーム溶接する際の溶接金属の必要溶着量が少なくなり、
また、必要入熱量が減少する方向に進んでいる。
化・高強度化に社会的要求よりUO鋼管の肉厚の薄肉化
が進んでおり、これに伴いUO鋼管製造時の開先部をシ
ーム溶接する際の溶接金属の必要溶着量が少なくなり、
また、必要入熱量が減少する方向に進んでいる。
【0006】一般に溶接時の入熱量が低減すると、例え
ば、SAWを用いた本シーム溶接では、図3に示すよう
に溶接部の溶け込みの深さ8が浅くなり、図4に示すよ
うに先に行った仮付け溶接の溶接金属を十分に溶かすこ
とが困難となり、黒塗り部分に示す仮付け溶接金属が残
留9することになる。仮付け溶接は、溶接作業性を重視
し、本シーム溶接に比べて強度・靱性が劣る溶接材料を
使用して溶接するため、この仮付け溶接時の溶接金属が
最後まで残留すると、鋼管の溶接部の機械的特性に悪影
響をおよぼすため、仮付け溶接時の溶接金属の残留は避
けなければならない。
ば、SAWを用いた本シーム溶接では、図3に示すよう
に溶接部の溶け込みの深さ8が浅くなり、図4に示すよ
うに先に行った仮付け溶接の溶接金属を十分に溶かすこ
とが困難となり、黒塗り部分に示す仮付け溶接金属が残
留9することになる。仮付け溶接は、溶接作業性を重視
し、本シーム溶接に比べて強度・靱性が劣る溶接材料を
使用して溶接するため、この仮付け溶接時の溶接金属が
最後まで残留すると、鋼管の溶接部の機械的特性に悪影
響をおよぼすため、仮付け溶接時の溶接金属の残留は避
けなければならない。
【0007】この問題を解決するために、仮付け溶接時
の溶接金属の溶着量を極力少なくし、本シーム溶接によ
り仮付け溶接時の溶接金属を完全に溶融させ、仮付け溶
接時の溶接金属の影響を無くす方法が有効と考えられ
る。しかしながら、仮付け溶接において、仮付け溶接時
の溶接金属の溶着量を低減、つまり、仮付け溶接時の入
熱量を低減すると、図5に示すように仮付け溶接が開先
部の母材を溶融する深さである溶け込み深さ10が浅く
なり、図6に示すようなUO鋼管の本シーム溶接を管内
面と管外面からそれぞれ溶接する場合に、仮付け溶接
後、それと反対側から本シーム溶接する際に、図6
(b)に示す小溶着量仮付けでは、図6(a)に示す大
溶着量仮付けと異なり、その溶接金属が仮付け溶接時の
溶接金属と接触せずにルートフェイスの溶け残し11が
生じ、本シーム溶接時にブローホール等の溶接欠陥発生
の原因となる。この問題を防止するために開先部のルー
トフェイス長さを短くして、仮付け溶接時の溶接金属と
反対側からの本溶接時の溶接金属を容易に接触させる方
法も考えられるが、このルートフェイス長さは、UO鋼
管の製造工程上、下限がありそれによる十分な効果は期
待できない。
の溶接金属の溶着量を極力少なくし、本シーム溶接によ
り仮付け溶接時の溶接金属を完全に溶融させ、仮付け溶
接時の溶接金属の影響を無くす方法が有効と考えられ
る。しかしながら、仮付け溶接において、仮付け溶接時
の溶接金属の溶着量を低減、つまり、仮付け溶接時の入
熱量を低減すると、図5に示すように仮付け溶接が開先
部の母材を溶融する深さである溶け込み深さ10が浅く
なり、図6に示すようなUO鋼管の本シーム溶接を管内
面と管外面からそれぞれ溶接する場合に、仮付け溶接
後、それと反対側から本シーム溶接する際に、図6
(b)に示す小溶着量仮付けでは、図6(a)に示す大
溶着量仮付けと異なり、その溶接金属が仮付け溶接時の
溶接金属と接触せずにルートフェイスの溶け残し11が
生じ、本シーム溶接時にブローホール等の溶接欠陥発生
の原因となる。この問題を防止するために開先部のルー
トフェイス長さを短くして、仮付け溶接時の溶接金属と
反対側からの本溶接時の溶接金属を容易に接触させる方
法も考えられるが、このルートフェイス長さは、UO鋼
管の製造工程上、下限がありそれによる十分な効果は期
待できない。
【0008】以上の従来技術の問題に鑑みて、本発明
は、薄肉UO鋼管の製造時のシーム溶接方法において、
仮付け溶接時に少ない溶着量で且つ良好な溶け込み深さ
が得られるとともに、その後の本シーム溶接時に仮付け
溶接金属の残留や仮付け溶接金属と本シーム溶接金属と
の接合不良などを原因とする溶接部の機械的特性の劣化
やブローホール等の溶接欠陥の発生がなく、且つ高効率
な溶接可能である溶接部の品質及び溶接効率に優れたシ
ーム溶接方法を提供することを目的とする。
は、薄肉UO鋼管の製造時のシーム溶接方法において、
仮付け溶接時に少ない溶着量で且つ良好な溶け込み深さ
が得られるとともに、その後の本シーム溶接時に仮付け
溶接金属の残留や仮付け溶接金属と本シーム溶接金属と
の接合不良などを原因とする溶接部の機械的特性の劣化
やブローホール等の溶接欠陥の発生がなく、且つ高効率
な溶接可能である溶接部の品質及び溶接効率に優れたシ
ーム溶接方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するものであり、その要旨とするところは以下の通り
である。
決するものであり、その要旨とするところは以下の通り
である。
【0010】(1) UO鋼管を製造する際のシーム溶
接方法において、予め開先部のルートフェイスを溝加工
することにより、開先部の板厚方向に鋼板面に水平な溝
断面の平均面積が0.05〜1500mm2、且つ隣り
合う各溝の間隔が1〜500mmである貫通穴を形成す
るとともに、溶加材を用いず溶接入熱量が0.1〜1.
5kJ/mmの条件でプラズマ溶接を行うことにより開
先面の一部を加熱溶融し、その後、溶接金属の溶着量が
0.05〜2.5g/cmの条件で消耗電極式ガスシー
ルドアーク溶接を用いた仮付け溶接を行い、その後、本
シーム溶接をおこなうことを特徴とするUO鋼管のシー
ム溶接方法。
接方法において、予め開先部のルートフェイスを溝加工
することにより、開先部の板厚方向に鋼板面に水平な溝
断面の平均面積が0.05〜1500mm2、且つ隣り
合う各溝の間隔が1〜500mmである貫通穴を形成す
るとともに、溶加材を用いず溶接入熱量が0.1〜1.
5kJ/mmの条件でプラズマ溶接を行うことにより開
先面の一部を加熱溶融し、その後、溶接金属の溶着量が
0.05〜2.5g/cmの条件で消耗電極式ガスシー
ルドアーク溶接を用いた仮付け溶接を行い、その後、本
シーム溶接をおこなうことを特徴とするUO鋼管のシー
ム溶接方法。
【0011】(2) 前記ルートフェイスに溝深さ
(d):0.05〜2.5(mm)、溝幅(w):0.
5〜250(mm)の溝を隣り合う各溝の間隔(P):
1〜500(mm)で形成することを特徴とする上記
(1)に記載のUO鋼管のシーム溶接方法。
(d):0.05〜2.5(mm)、溝幅(w):0.
5〜250(mm)の溝を隣り合う各溝の間隔(P):
1〜500(mm)で形成することを特徴とする上記
(1)に記載のUO鋼管のシーム溶接方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について説明
する。
する。
【0013】本発明者らは、溶接部の品質及び溶接効率
に優れたシーム溶接方法を検討する上で、本シーム溶接
には、従来の溶接効率の高いSAW、MIG溶接やMA
G溶接等の消耗電極式ガスシールドアーク溶接を用い、
溶接部の機械的特性の劣化及びブローホール等の溶接欠
陥の発生を防止するために、仮付け溶接時の溶接金属の
溶着量を極力低減し本シーム溶接における仮付け溶接金
属の残留を低減するとともに、仮付け溶接金属とその反
対側からの本シーム溶接金属との接合不良を防止するた
めに仮付け溶接時の溶け込み深さを向上させる方法につ
いて鋭意検討した。
に優れたシーム溶接方法を検討する上で、本シーム溶接
には、従来の溶接効率の高いSAW、MIG溶接やMA
G溶接等の消耗電極式ガスシールドアーク溶接を用い、
溶接部の機械的特性の劣化及びブローホール等の溶接欠
陥の発生を防止するために、仮付け溶接時の溶接金属の
溶着量を極力低減し本シーム溶接における仮付け溶接金
属の残留を低減するとともに、仮付け溶接金属とその反
対側からの本シーム溶接金属との接合不良を防止するた
めに仮付け溶接時の溶け込み深さを向上させる方法につ
いて鋭意検討した。
【0014】その結果、溶加材を用いないプラズマ溶接
と消耗電極式ガスシールドアーク溶接とをそれぞれ所定
の溶接条件で組み合わせて仮付け溶接を行うことによ
り、溶着量が少なく且つ溶け込みの良好な仮付け溶接が
可能となり、その後の本シーム溶接時に仮付け溶接金属
の残留に起因した溶接部の機械的特性の劣化を防止し、
且つ仮付け溶接金属とその反対側からの本シーム溶接金
属との接合不良に起因したブローホール欠陥の発生を防
止できることが判った。
と消耗電極式ガスシールドアーク溶接とをそれぞれ所定
の溶接条件で組み合わせて仮付け溶接を行うことによ
り、溶着量が少なく且つ溶け込みの良好な仮付け溶接が
可能となり、その後の本シーム溶接時に仮付け溶接金属
の残留に起因した溶接部の機械的特性の劣化を防止し、
且つ仮付け溶接金属とその反対側からの本シーム溶接金
属との接合不良に起因したブローホール欠陥の発生を防
止できることが判った。
【0015】しかしながら、上記のプラズマ溶接と消耗
電極式ガスシールドアーク溶接を組み合わせて仮付け溶
接を行う場合、先行するプラズマ溶接の強力なプラズマ
気流により、後行の消耗電極式ガスシールドアーク溶接
のシールドガスの流れや溶融池が乱されて溶接欠陥や溶
接ビード形状の不良が生じたり、さらには、プラズマ溶
接で発生したスパッタが、プラズマ気流により運ばれて
後行の消耗電極式ガスシールドアーク溶接の溶接トーチ
等に付着して溶接作業性を低下させることがあり、特に
この問題はプラズマ溶接の溶接入熱量が高い場合に顕著
となることが判った。
電極式ガスシールドアーク溶接を組み合わせて仮付け溶
接を行う場合、先行するプラズマ溶接の強力なプラズマ
気流により、後行の消耗電極式ガスシールドアーク溶接
のシールドガスの流れや溶融池が乱されて溶接欠陥や溶
接ビード形状の不良が生じたり、さらには、プラズマ溶
接で発生したスパッタが、プラズマ気流により運ばれて
後行の消耗電極式ガスシールドアーク溶接の溶接トーチ
等に付着して溶接作業性を低下させることがあり、特に
この問題はプラズマ溶接の溶接入熱量が高い場合に顕著
となることが判った。
【0016】そこで、発明者らは、この問題を解決する
ためにさらに詳細な検討を行った結果、上記の仮付け溶
接におけるプラズマ溶接の問題は、予め溶接すべき開先
部のルートフェイスに所定形状の溝を加工することによ
り開先部の板厚方向に貫通穴を形成し、プラズマ溶接の
プラズマ気流の流れを制御することで解決できることが
判った。
ためにさらに詳細な検討を行った結果、上記の仮付け溶
接におけるプラズマ溶接の問題は、予め溶接すべき開先
部のルートフェイスに所定形状の溝を加工することによ
り開先部の板厚方向に貫通穴を形成し、プラズマ溶接の
プラズマ気流の流れを制御することで解決できることが
判った。
【0017】本発明は、以上の知見を基になされたもの
であり、予め溶接すべき開先部のルートフェイスに溝を
加工することにより開先部の板厚方向に貫通穴を形成す
るとともに、溶加材を用いず低入熱量の条件でプラズマ
溶接を行って開先面の一部を加熱・溶融し、その後、
溶接金属の溶着量の少ない条件でMIGやMAG溶接等
の消耗電極式ガスシールドアーク溶接を用いた溶接を行
うことを特徴とする仮付け溶接後に、溶接効率に優れた
SAW、MIG溶接やMAG溶接等の消耗電極式ガスシ
ールドアーク溶接を用いた本シーム溶接を行うUO鋼管
のシーム溶接方法である。
であり、予め溶接すべき開先部のルートフェイスに溝を
加工することにより開先部の板厚方向に貫通穴を形成す
るとともに、溶加材を用いず低入熱量の条件でプラズマ
溶接を行って開先面の一部を加熱・溶融し、その後、
溶接金属の溶着量の少ない条件でMIGやMAG溶接等
の消耗電極式ガスシールドアーク溶接を用いた溶接を行
うことを特徴とする仮付け溶接後に、溶接効率に優れた
SAW、MIG溶接やMAG溶接等の消耗電極式ガスシ
ールドアーク溶接を用いた本シーム溶接を行うUO鋼管
のシーム溶接方法である。
【0018】この仮付け溶接において、消耗電極式ガス
シールドアーク溶接時の溶着量は溶接入熱量を低く制限
することにより減少でき、 その溶接時の入熱不足に伴
う溶け込み深さの低下を、予め溶加材を用いずにプラズ
マ溶接を行うことにより開先面の一部を加熱・溶融によ
り補うことを技術思想とする。また、仮付け溶接におい
て、特にプラズマ溶接の溶接入熱量が高い場合に顕著に
問題となる、先行するプラズマ溶接のプラズマ気流によ
る後行のガスシールドアーク溶接のシールドガスの流れ
や溶融池が乱されることに起因する溶接欠陥や溶接ビー
ド形状の不良、さらには、スパッタの飛散に起因する溶
接作業性の低下を防止するために、予め溶接すべき開先
部のルートフェイスを溝加工して開先部の板厚方向に貫
通穴を形成することによりプラズマ溶接時のプラズマ気
流の流れを良好に制御することを技術思想とする。
シールドアーク溶接時の溶着量は溶接入熱量を低く制限
することにより減少でき、 その溶接時の入熱不足に伴
う溶け込み深さの低下を、予め溶加材を用いずにプラズ
マ溶接を行うことにより開先面の一部を加熱・溶融によ
り補うことを技術思想とする。また、仮付け溶接におい
て、特にプラズマ溶接の溶接入熱量が高い場合に顕著に
問題となる、先行するプラズマ溶接のプラズマ気流によ
る後行のガスシールドアーク溶接のシールドガスの流れ
や溶融池が乱されることに起因する溶接欠陥や溶接ビー
ド形状の不良、さらには、スパッタの飛散に起因する溶
接作業性の低下を防止するために、予め溶接すべき開先
部のルートフェイスを溝加工して開先部の板厚方向に貫
通穴を形成することによりプラズマ溶接時のプラズマ気
流の流れを良好に制御することを技術思想とする。
【0019】ここで、プラズマ溶接は、適正な条件の下
でそのプラズマ気流の圧力により、開先面を加熱しなが
ら溶融し適当な溝を形成することが可能であり、また、
発明者らの種々の溶接方法の検討の結果、経済的でかつ
溶接施工の簡易性の観点からも望ましいことを見いだし
た。本発明では、このプラズマ溶接と消耗電極式ガスシ
ールドアーク溶接との複合化により、 仮付け溶接時に
少ない溶着量の溶接条件での消耗電極式ガスシールドア
ーク溶接でもプラズマ溶接による開先面の一部の加熱・
溶融及び溝の形成により、十分な溶け込み深さが得ら
れ、実質的には開先のルートフェイス長さの低下と同等
な効果が得られる。
でそのプラズマ気流の圧力により、開先面を加熱しなが
ら溶融し適当な溝を形成することが可能であり、また、
発明者らの種々の溶接方法の検討の結果、経済的でかつ
溶接施工の簡易性の観点からも望ましいことを見いだし
た。本発明では、このプラズマ溶接と消耗電極式ガスシ
ールドアーク溶接との複合化により、 仮付け溶接時に
少ない溶着量の溶接条件での消耗電極式ガスシールドア
ーク溶接でもプラズマ溶接による開先面の一部の加熱・
溶融及び溝の形成により、十分な溶け込み深さが得ら
れ、実質的には開先のルートフェイス長さの低下と同等
な効果が得られる。
【0020】本発明では、仮付け溶接における消耗電極
式ガスシールドアーク溶接時の溶接金属の溶着量を0.
05〜2.5g/cmに規定する必要がある。これは、
溶接金属の溶着量が0.05g/cm未満の場合は、溶
接入熱量が過度に低くなり、プラズマ溶接による開先面
の一部の加熱・溶融を行っても仮付け溶接時に十分な溶
け込み深さが得られなくなり、本シーム溶接時に仮付け
溶接金属とその反対側からの本シーム溶接金属との接合
不良が発生しブローホール欠陥の発生原因となるためで
ある。一方、溶接金属の溶着量が2.5g/cm超では
溶着量が多すぎて、その後の本シーム溶接時に仮付け溶
接時の溶接金属を完全に溶かしきれずに、鋼管製品の溶
接部に仮付け溶接時の溶着金属が残留し、溶接部の強度
靱性等の機械的特性が劣化するからである。
式ガスシールドアーク溶接時の溶接金属の溶着量を0.
05〜2.5g/cmに規定する必要がある。これは、
溶接金属の溶着量が0.05g/cm未満の場合は、溶
接入熱量が過度に低くなり、プラズマ溶接による開先面
の一部の加熱・溶融を行っても仮付け溶接時に十分な溶
け込み深さが得られなくなり、本シーム溶接時に仮付け
溶接金属とその反対側からの本シーム溶接金属との接合
不良が発生しブローホール欠陥の発生原因となるためで
ある。一方、溶接金属の溶着量が2.5g/cm超では
溶着量が多すぎて、その後の本シーム溶接時に仮付け溶
接時の溶接金属を完全に溶かしきれずに、鋼管製品の溶
接部に仮付け溶接時の溶着金属が残留し、溶接部の強度
靱性等の機械的特性が劣化するからである。
【0021】また、本発明では、上記の消耗電極式ガス
シールドアーク溶接時の溶接金属の溶着量の規定ととも
に、それに先行して行う溶加剤を用いないプラズマ溶接
時の入熱量を0.1〜1.5kJ/mmに規定する必要
がある。これは、プラズマ溶接時の入熱量が0.1kJ
/mm未満では、入熱が少なすぎて、開先面の一部を加
熱・溶融して溝を形成する効果が得られなくなり、その
後に行われるガスシールドアーク溶接時に十分な溶け込
み深さが得られなくなくなるからである。また、1.5
kJ/mm超では、溶接すべき開先部に貫通穴を形成し
た状態でもプラズマ気流の流れを良好に制御することが
できず、後行の消耗電極式ガスシールドアーク溶接のシ
ールドガスの流れや溶融池が乱されてシール性の低下に
起因した溶接欠陥や溶融池の乱れに起因した溶接ビード
形状の不良が生じ、さらには、プラズマ溶接で発生した
スパッタが、プラズマ気流により運ばれて後行のガスシ
ールドアーク溶接トーチ等の溶接装置に付着して溶接作
業性を低下させる。
シールドアーク溶接時の溶接金属の溶着量の規定ととも
に、それに先行して行う溶加剤を用いないプラズマ溶接
時の入熱量を0.1〜1.5kJ/mmに規定する必要
がある。これは、プラズマ溶接時の入熱量が0.1kJ
/mm未満では、入熱が少なすぎて、開先面の一部を加
熱・溶融して溝を形成する効果が得られなくなり、その
後に行われるガスシールドアーク溶接時に十分な溶け込
み深さが得られなくなくなるからである。また、1.5
kJ/mm超では、溶接すべき開先部に貫通穴を形成し
た状態でもプラズマ気流の流れを良好に制御することが
できず、後行の消耗電極式ガスシールドアーク溶接のシ
ールドガスの流れや溶融池が乱されてシール性の低下に
起因した溶接欠陥や溶融池の乱れに起因した溶接ビード
形状の不良が生じ、さらには、プラズマ溶接で発生した
スパッタが、プラズマ気流により運ばれて後行のガスシ
ールドアーク溶接トーチ等の溶接装置に付着して溶接作
業性を低下させる。
【0022】また、本発明では、上記のガスシールドア
ーク溶接時の溶接金属の溶着量及びプラズマ溶接時の入
熱量の規定とともに、予め溶接すべき開先部のルートフ
ェイスを溝加工することにより開先部の板厚方向に貫通
穴を形成してプラズマ溶接時のプラズマ気流の流れを良
好に制御することを必要とする。
ーク溶接時の溶接金属の溶着量及びプラズマ溶接時の入
熱量の規定とともに、予め溶接すべき開先部のルートフ
ェイスを溝加工することにより開先部の板厚方向に貫通
穴を形成してプラズマ溶接時のプラズマ気流の流れを良
好に制御することを必要とする。
【0023】本発明では、良好なプラズマ気流の流れを
維持し、溶接欠陥、溶接ビード形状及び溶接作業性の悪
化を防止するために必要なルートフェイスの溝形状を、
UO鋼管製造用の鋼板面に水平な溝断面の平均面積
(S)と隣り合う各溝の間隔(P)により規定する必要
がある。
維持し、溶接欠陥、溶接ビード形状及び溶接作業性の悪
化を防止するために必要なルートフェイスの溝形状を、
UO鋼管製造用の鋼板面に水平な溝断面の平均面積
(S)と隣り合う各溝の間隔(P)により規定する必要
がある。
【0024】本発明においては、ルートフェイスに加工
する溝形状のUO鋼管製造用の鋼板面に水平な溝断面の
平均面積(S)を0.05〜1500mm2、隣り合う
各溝の間隔(P)を1〜500mmに規定する必要があ
る。このようにルートフェイスに加工する溝形状を規定
する理由は以下の通りである。
する溝形状のUO鋼管製造用の鋼板面に水平な溝断面の
平均面積(S)を0.05〜1500mm2、隣り合う
各溝の間隔(P)を1〜500mmに規定する必要があ
る。このようにルートフェイスに加工する溝形状を規定
する理由は以下の通りである。
【0025】平均面積(S):平均面積(S)が0.0
5mm2未満では、均一な貫通穴を安定して加工するこ
とが困難となり、開先部の突き合わせ時に不均一な接触
状態となるとともに、プラズマ気流の通気抵抗が高くな
り、プラズマ気流の均一な流れを阻害することになる。
一方、平均面積(S)が1500mm2超では、貫通穴
が大ききすぎて、プラズマ溶接に続く少溶着量の仮付け
溶接の溶接金属が貫通穴を埋めきれず、溶接欠陥が発生
する。
5mm2未満では、均一な貫通穴を安定して加工するこ
とが困難となり、開先部の突き合わせ時に不均一な接触
状態となるとともに、プラズマ気流の通気抵抗が高くな
り、プラズマ気流の均一な流れを阻害することになる。
一方、平均面積(S)が1500mm2超では、貫通穴
が大ききすぎて、プラズマ溶接に続く少溶着量の仮付け
溶接の溶接金属が貫通穴を埋めきれず、溶接欠陥が発生
する。
【0026】各溝の間隔(P):各溝の間隔(P)が1
mm未満では、各溝の間隔に対して相対的に溝幅が広く
なりUO鋼管成形後の突き合わせ時に挫屈しやすくな
り、開先部に形成される貫通穴が突き合わせ応力により
変形し、貫通穴の一部が互いに接触する等により適正な
貫通穴形状を維持することが困難となる。 また、50
0mm超では、開先部に形成される各貫通穴間の距離が
長すぎて、プラズマやプラズマガスを裏面に流す効果が
得られなくなり、整流効果が得られない。
mm未満では、各溝の間隔に対して相対的に溝幅が広く
なりUO鋼管成形後の突き合わせ時に挫屈しやすくな
り、開先部に形成される貫通穴が突き合わせ応力により
変形し、貫通穴の一部が互いに接触する等により適正な
貫通穴形状を維持することが困難となる。 また、50
0mm超では、開先部に形成される各貫通穴間の距離が
長すぎて、プラズマやプラズマガスを裏面に流す効果が
得られなくなり、整流効果が得られない。
【0027】図7に本発明の実施形態として、UO鋼管
製造用の鋼板両端の開先部に鋼板面に水平な断面が矩形
形状である溝を形成した場合の溝形状を示す。
製造用の鋼板両端の開先部に鋼板面に水平な断面が矩形
形状である溝を形成した場合の溝形状を示す。
【0028】本発明において、ルートフェイスに加工す
る溝形状がUO鋼管製造用鋼板面に水平な断面が矩形形
状である場合は、その溝形状の溝深さ(d)を0.05
〜2.5(mm)、溝幅(w)を0.5〜250(m
m)とし、隣り合う各溝の間隔(P)を1〜500(m
m)とする。このようにルートフェイスに加工する溝形
状を規定する理由は以下の通りである。
る溝形状がUO鋼管製造用鋼板面に水平な断面が矩形形
状である場合は、その溝形状の溝深さ(d)を0.05
〜2.5(mm)、溝幅(w)を0.5〜250(m
m)とし、隣り合う各溝の間隔(P)を1〜500(m
m)とする。このようにルートフェイスに加工する溝形
状を規定する理由は以下の通りである。
【0029】溝深さ(d):溝深さ(d)が0.05m
m未満では隙間が小さすぎ、加工精度上、均一な加工が
困難となり、開先部の突き合わせ時に不均一な接触状態
となり適正な貫通穴が形成されず、プラズマ気流の通気
抵抗が高くなり、プラズマ気流の均一な流れを阻害する
ことになる。一方、溝深さ(d)が6mm超では貫通穴
における溶接線と垂直方向の隙間が大きすぎて、同じ
く、逆にプラズマやプラズマガスの均一な流れを阻害す
る。また、後の少溶着量の溶接の際に、貫通穴における
溶接線と垂直方向の隙間が大きすぎて溶け落ち等の欠陥
が生じる。
m未満では隙間が小さすぎ、加工精度上、均一な加工が
困難となり、開先部の突き合わせ時に不均一な接触状態
となり適正な貫通穴が形成されず、プラズマ気流の通気
抵抗が高くなり、プラズマ気流の均一な流れを阻害する
ことになる。一方、溝深さ(d)が6mm超では貫通穴
における溶接線と垂直方向の隙間が大きすぎて、同じ
く、逆にプラズマやプラズマガスの均一な流れを阻害す
る。また、後の少溶着量の溶接の際に、貫通穴における
溶接線と垂直方向の隙間が大きすぎて溶け落ち等の欠陥
が生じる。
【0030】溝幅(w):溝幅(w)が0.5mm未満
では、均一な貫通穴を安定して加工することが困難とな
り、開先部の突き合わせ時に不均一な接触状態となり適
正な貫通穴が形成されず、プラズマ気流の通気抵抗が高
くなり、プラズマ気流の均一な流れを阻害することにな
る。一方、溝幅(w)が250mm超では、溝幅に対し
て相対的に隣り合う各溝の間隔が狭くなりUO鋼管成形
後の突き合わせ時に挫屈しやすくなり、開先部に形成さ
れる貫通穴が突き合わせ応力により変形し、貫通穴の一
部が互いに接触する等により適正な貫通穴形状を維持す
ることがことが発生する。その結果、貫通穴によるプラ
ズマ気流の整流効果が低下する。
では、均一な貫通穴を安定して加工することが困難とな
り、開先部の突き合わせ時に不均一な接触状態となり適
正な貫通穴が形成されず、プラズマ気流の通気抵抗が高
くなり、プラズマ気流の均一な流れを阻害することにな
る。一方、溝幅(w)が250mm超では、溝幅に対し
て相対的に隣り合う各溝の間隔が狭くなりUO鋼管成形
後の突き合わせ時に挫屈しやすくなり、開先部に形成さ
れる貫通穴が突き合わせ応力により変形し、貫通穴の一
部が互いに接触する等により適正な貫通穴形状を維持す
ることがことが発生する。その結果、貫通穴によるプラ
ズマ気流の整流効果が低下する。
【0031】各溝の間隔(P):各溝の間隔(P)が1
mm未満では、各溝の間隔に対して相対的に溝幅が広く
なりUO鋼管成形後の突き合わせ時に挫屈しやすくな
り、開先部に形成される貫通穴が突き合わせ応力により
変形し、貫通穴の一部が互いに接触する等により適正な
貫通穴形状を維持することがことが発生する。 また、
隣り合う各溝の間隔(P)が500mm超では、貫通穴
間の距離が長すぎ、プラズマやプラズマガスを裏面に流
す効果が得られなくなり、整流効果が得られない。
mm未満では、各溝の間隔に対して相対的に溝幅が広く
なりUO鋼管成形後の突き合わせ時に挫屈しやすくな
り、開先部に形成される貫通穴が突き合わせ応力により
変形し、貫通穴の一部が互いに接触する等により適正な
貫通穴形状を維持することがことが発生する。 また、
隣り合う各溝の間隔(P)が500mm超では、貫通穴
間の距離が長すぎ、プラズマやプラズマガスを裏面に流
す効果が得られなくなり、整流効果が得られない。
【0032】但し、1本のUO鋼管の開先面に形成され
る貫通穴に関わるこれらの、d、w、P及びw/Pが、
すべての貫通穴に対して同一である必要はなく、これら
の値が本発明の範囲に入っていればよい。
る貫通穴に関わるこれらの、d、w、P及びw/Pが、
すべての貫通穴に対して同一である必要はなく、これら
の値が本発明の範囲に入っていればよい。
【0033】
【実施例】表1に本発明の発明例及び比較例の溶接条件
及び結果を示す。
及び結果を示す。
【0034】発明例1から発明例4、発明例6、比較例
1から比較例4、比較例7から比較例8比較例は、プラ
ズマ溶接と単電極のMAG溶接を組み合わせて仮付け溶
接を行い、発明例5、発明例7、比較例5から比較例6
は、MAG溶接をMIG溶接に代えて同様に仮付け溶接
を行った。また、仮付け溶接は、UO鋼管の外面から溶
接を行い、本シーム溶接はSAWにより、UO鋼管の内
面、外面の順に各1層ずつ溶接を行った。これらの溶接
部断面の概略図は図2に示したものである。本発明で規
定した溶接条件で仮付け溶接を行った発明例1から発明
例7は、何れも仮付け溶接金属の残留や仮付け溶接金属
とそれと反対側の本シーム溶接金属との接合不良に起因
するブローホール欠陥の無い、健全なシーム溶接部を有
するUO鋼管が得られた。
1から比較例4、比較例7から比較例8比較例は、プラ
ズマ溶接と単電極のMAG溶接を組み合わせて仮付け溶
接を行い、発明例5、発明例7、比較例5から比較例6
は、MAG溶接をMIG溶接に代えて同様に仮付け溶接
を行った。また、仮付け溶接は、UO鋼管の外面から溶
接を行い、本シーム溶接はSAWにより、UO鋼管の内
面、外面の順に各1層ずつ溶接を行った。これらの溶接
部断面の概略図は図2に示したものである。本発明で規
定した溶接条件で仮付け溶接を行った発明例1から発明
例7は、何れも仮付け溶接金属の残留や仮付け溶接金属
とそれと反対側の本シーム溶接金属との接合不良に起因
するブローホール欠陥の無い、健全なシーム溶接部を有
するUO鋼管が得られた。
【0035】一方、比較例1〜5は、貫通穴の寸法が何
れも本発明の範囲をはずれている例、比較例6から比較
例8は仮付け溶接条件が本発明の範囲をはずれている例
である。
れも本発明の範囲をはずれている例、比較例6から比較
例8は仮付け溶接条件が本発明の範囲をはずれている例
である。
【0036】比較例1は、溝深さ(d)が本発明の範囲
より小さいため、開先部の貫通孔の水平方向の断面積が
本発明の範囲より小さくなり、プラズマ溶接時のプラズ
マやプラズマガスが良好に流れず、後方のMAG溶接時
にシールド不良に起因する溶接不良が生じた。
より小さいため、開先部の貫通孔の水平方向の断面積が
本発明の範囲より小さくなり、プラズマ溶接時のプラズ
マやプラズマガスが良好に流れず、後方のMAG溶接時
にシールド不良に起因する溶接不良が生じた。
【0037】比較例2は、溝幅(w)が本発明の範囲よ
り小さいため、やはり開先部の貫通孔の水平方向の断面
積が本発明の範囲より小さくなり、プラズマ溶接時のプ
ラズマやプラズマガスの流れが乱され、後方のMAG溶
接時にシールド不良に起因する溶接不良が生じた。
り小さいため、やはり開先部の貫通孔の水平方向の断面
積が本発明の範囲より小さくなり、プラズマ溶接時のプ
ラズマやプラズマガスの流れが乱され、後方のMAG溶
接時にシールド不良に起因する溶接不良が生じた。
【0038】比較例3は、隣り合う各溝の間隔(P)が
本発明の範囲より大きいため、プラズマ溶接時のプラズ
マやプラズマガスの流れが正常に流れないために、後方
のMAG溶接時にシールド不良が生じている。
本発明の範囲より大きいため、プラズマ溶接時のプラズ
マやプラズマガスの流れが正常に流れないために、後方
のMAG溶接時にシールド不良が生じている。
【0039】比較例4は、隣り合う各溝の間隔(P)が
本発明の範囲より小さいため、UO鋼管成形後の突き合
わせ時に挫屈し開先部の貫通孔がつぶれてしまい、プラ
ズマ溶接時のプラズマやプラズマガスの流れが乱れ、後
方のMAG溶接時にシールド不良が発生した。
本発明の範囲より小さいため、UO鋼管成形後の突き合
わせ時に挫屈し開先部の貫通孔がつぶれてしまい、プラ
ズマ溶接時のプラズマやプラズマガスの流れが乱れ、後
方のMAG溶接時にシールド不良が発生した。
【0040】比較例5は、溝深さ(d)が本発明の範囲
より大きく、且つ貫通穴の水平方向の断面積が本発明の
範囲より大きいため、プラズマ溶接時のプラズマやプラ
ズマガスの流れが乱され、後方のMIG溶接時にシール
ド不良が起こった。
より大きく、且つ貫通穴の水平方向の断面積が本発明の
範囲より大きいため、プラズマ溶接時のプラズマやプラ
ズマガスの流れが乱され、後方のMIG溶接時にシール
ド不良が起こった。
【0041】比較例6は、プラズマ溶接時の入熱量が本
発明範囲より小さいため、開先面の一部を十分に加熱・
溶融できず、後方のMIG溶接によっても十分な溶け込
み深さの仮付け溶接ができず、その後行った本シーム溶
接において、仮付け溶接金属とその反対側の本シーム溶
接金属が接合できずに開先面が残留した状態となりブロ
ーホール等の欠陥が発生した。
発明範囲より小さいため、開先面の一部を十分に加熱・
溶融できず、後方のMIG溶接によっても十分な溶け込
み深さの仮付け溶接ができず、その後行った本シーム溶
接において、仮付け溶接金属とその反対側の本シーム溶
接金属が接合できずに開先面が残留した状態となりブロ
ーホール等の欠陥が発生した。
【0042】比較例7は、仮付け溶接であるMIG溶接
時の溶着量が本発明範囲よりも少ないために、十分な溶
け込み深さの仮付け溶接ができないとともに開先部の貫
通穴を埋めきれずに、溶接欠陥が発生した。
時の溶着量が本発明範囲よりも少ないために、十分な溶
け込み深さの仮付け溶接ができないとともに開先部の貫
通穴を埋めきれずに、溶接欠陥が発生した。
【0043】比較例9は、プラズマ溶接の入熱が大きす
ぎるため、開先部の貫通穴は適正であるが、プラズマ溶
接時のプラズマやプラズマガスの気流により溶融池の溶
接金属が飛散し、後続のMAG溶接時に溶接欠陥を引き
起こしている。
ぎるため、開先部の貫通穴は適正であるが、プラズマ溶
接時のプラズマやプラズマガスの気流により溶融池の溶
接金属が飛散し、後続のMAG溶接時に溶接欠陥を引き
起こしている。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上のごとく、本発明によれば、従来に
比べて仮付け溶接時に溶接金属の溶着量を低減するとと
もに溶け込み深さ向上することができるため、その後に
行われる本シーム溶接後の仮付け溶接の溶接金属の残留
を防止し、また、仮付け溶接金属とそれと反対側からの
シーム溶接金属との接合不良に起因するブローホール欠
陥の発生も防止できる。また、本発明によれば、仮付け
溶接におけるプラズマ溶接のプラズマ気流の流れを良好
に維持することができ、プラズマ気流の乱れに起因する
溶接欠陥、溶接ビード形状不良、作業効率の低下等の問
題も防止できる。その結果、高品質で健全なシーム溶接
部を有するUO鋼管を製造することができ、産業上きわ
めて有効である。
比べて仮付け溶接時に溶接金属の溶着量を低減するとと
もに溶け込み深さ向上することができるため、その後に
行われる本シーム溶接後の仮付け溶接の溶接金属の残留
を防止し、また、仮付け溶接金属とそれと反対側からの
シーム溶接金属との接合不良に起因するブローホール欠
陥の発生も防止できる。また、本発明によれば、仮付け
溶接におけるプラズマ溶接のプラズマ気流の流れを良好
に維持することができ、プラズマ気流の乱れに起因する
溶接欠陥、溶接ビード形状不良、作業効率の低下等の問
題も防止できる。その結果、高品質で健全なシーム溶接
部を有するUO鋼管を製造することができ、産業上きわ
めて有効である。
【図1】UO鋼管の製造方法を示す図である。
【図2】UO鋼管のシーム溶接部の断面概略図の一例を
示す図である。
示す図である。
【図3】SAW溶接部の溶け込みを示す図である。
【図4】内面溶接終了後の仮付け溶接金属の残留状況を
示す図である。
示す図である。
【図5】仮付け溶接部の溶け込みを示す図である。
【図6】ルートフェイスの残留状況を示す図である。
【図7】開先面に形成された貫通穴の形状を示す図であ
る。
る。
1 平板 2 開先 3 シーム溶接部 4 仮付け溶接 5 外面シーム溶接 6 内面シーム溶接 7 ルートフェイス 8 溶け込み深さ 9 残留した仮付け溶接金属 10 溶け込み深さ 11 ルートフェイスの溶け残し d 溝深さ w 溝幅 P 溝の間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 品田 巧一 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB08 CC03 DF05 DG02 EA02 4E081 AA03 AA06 BA37 CA08 CA09 DA11 DA47 FA03 YX08
Claims (2)
- 【請求項1】 UO鋼管を製造する際のシーム溶接方法
において、予め開先部のルートフェイスを溝加工するこ
とにより、開先部の板厚方向に鋼板面に水平な溝断面の
平均面積が0.05〜1500mm2、且つ隣り合う各
溝の間隔が1〜500mmである貫通穴を形成するとと
もに、溶加材を用いず溶接入熱量が0.1〜1.5kJ
/mmの条件でプラズマ溶接を行うことにより開先面の
一部を加熱溶融し、その後、溶接金属の溶着量が0.0
5〜2.5g/cmの条件で消耗電極式ガスシールドア
ーク溶接を用いた仮付け溶接を行い、その後、本シーム
溶接を行うことを特徴とするUO鋼管のシーム溶接方
法。 - 【請求項2】 前記ルートフェイスに溝深さ(d):
0.05〜2.5(mm)、溝幅(w):0.5〜25
0(mm)の溝を隣り合う各溝の間隔(P):1〜50
0(mm)で形成することを特徴とする請求項1に記載
のUO鋼管のシーム溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303621A JP2002103036A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | Uo鋼管のシーム溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000303621A JP2002103036A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | Uo鋼管のシーム溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002103036A true JP2002103036A (ja) | 2002-04-09 |
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ID=18784800
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000303621A Withdrawn JP2002103036A (ja) | 2000-10-03 | 2000-10-03 | Uo鋼管のシーム溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002103036A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008518784A (ja) * | 2004-11-05 | 2008-06-05 | ジーケイエヌ ドライヴライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 焼入れ可能な鋼のプラズマ・タップホール溶接 |
EP2127799A1 (de) * | 2008-05-28 | 2009-12-02 | LFK-Lenkflugkörpersysteme GmbH | Geschweisste Bauteile mit heftnahtfreiem Schweissen in den Nahtaussenbereichen |
-
2000
- 2000-10-03 JP JP2000303621A patent/JP2002103036A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008518784A (ja) * | 2004-11-05 | 2008-06-05 | ジーケイエヌ ドライヴライン インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 焼入れ可能な鋼のプラズマ・タップホール溶接 |
EP2127799A1 (de) * | 2008-05-28 | 2009-12-02 | LFK-Lenkflugkörpersysteme GmbH | Geschweisste Bauteile mit heftnahtfreiem Schweissen in den Nahtaussenbereichen |
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