JP2002088251A - プロトン導電性高分子組成物 - Google Patents
プロトン導電性高分子組成物Info
- Publication number
- JP2002088251A JP2002088251A JP2000277036A JP2000277036A JP2002088251A JP 2002088251 A JP2002088251 A JP 2002088251A JP 2000277036 A JP2000277036 A JP 2000277036A JP 2000277036 A JP2000277036 A JP 2000277036A JP 2002088251 A JP2002088251 A JP 2002088251A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- solid electrolyte
- fuel cell
- electrolyte membrane
- proton
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プロトン導電性、耐久性に優れ、かつ安価に
製造できるプロトン導電性高分子組成物を提供する。 【解決手段】 スルホン酸基密度が2mg当量/g以上
のスルホン化重合体および高分子マトリクスとを含有す
るプロトン導電性高分子組成物である。前記スルホン化
重合体が、不飽和結合を有する芳香族化合物の重合体を
スルホン化したものであることが好ましい。かかるプロ
トン導電性高分子組成物からなる燃料電池用固体電解質
膜を製造することができる。この固体電解質膜はプロト
ン導電性に優れるため、これを用いた燃料電池は高出力
である。
製造できるプロトン導電性高分子組成物を提供する。 【解決手段】 スルホン酸基密度が2mg当量/g以上
のスルホン化重合体および高分子マトリクスとを含有す
るプロトン導電性高分子組成物である。前記スルホン化
重合体が、不飽和結合を有する芳香族化合物の重合体を
スルホン化したものであることが好ましい。かかるプロ
トン導電性高分子組成物からなる燃料電池用固体電解質
膜を製造することができる。この固体電解質膜はプロト
ン導電性に優れるため、これを用いた燃料電池は高出力
である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池、燃料電
池用固体電解質膜および当該固体電解質膜に適用できる
プロトン導電性高分子組成物に関する。更に詳しくは、
プロトン導電性が高く、耐久性に優れるため膜としたと
きの強度に優れ、かつ安価に合成できるプロトン導電性
高分子組成物に関するものである。
池用固体電解質膜および当該固体電解質膜に適用できる
プロトン導電性高分子組成物に関する。更に詳しくは、
プロトン導電性が高く、耐久性に優れるため膜としたと
きの強度に優れ、かつ安価に合成できるプロトン導電性
高分子組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質膜型燃料電池は、水素や、メ
タノールやエタノールなどのアルコール類、更にオクタ
ンやデカンなどの炭化水素類などを燃料として使用で
き、小型軽量電源となること、エネルギー変換効率が高
いこと、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質をほと
んど出さないことなどの特徴を有する。このためクリー
ンで高効率な発電装置として自動車その他への応用が期
待されている。
タノールやエタノールなどのアルコール類、更にオクタ
ンやデカンなどの炭化水素類などを燃料として使用で
き、小型軽量電源となること、エネルギー変換効率が高
いこと、硫黄酸化物や窒素酸化物などの有害物質をほと
んど出さないことなどの特徴を有する。このためクリー
ンで高効率な発電装置として自動車その他への応用が期
待されている。
【0003】ここに固体電解質膜型燃料電池は、イオン
交換能を有する固体電解質膜とその両側に接触して配置
される2つの電極から構成される。具体例として、水素
を燃料として酸素により燃焼させる場合を例示すると、
水素を水素極側に供給し酸素を酸素極側に供給すると、
水素は水素極において電気化学的に酸化されプロトンと
電子を生成し、この生成した電子が電池に接続された負
荷を通り酸素極に向かって移動し電流が生じる。この
際、生成したプロトンは固体電解質膜内を酸素極に向か
って移動し、酸素極では移動してきたプロトンと電子が
酸素と反応して水を生成する。
交換能を有する固体電解質膜とその両側に接触して配置
される2つの電極から構成される。具体例として、水素
を燃料として酸素により燃焼させる場合を例示すると、
水素を水素極側に供給し酸素を酸素極側に供給すると、
水素は水素極において電気化学的に酸化されプロトンと
電子を生成し、この生成した電子が電池に接続された負
荷を通り酸素極に向かって移動し電流が生じる。この
際、生成したプロトンは固体電解質膜内を酸素極に向か
って移動し、酸素極では移動してきたプロトンと電子が
酸素と反応して水を生成する。
【0004】固体電解質膜型燃料電池の性能は、水素極
及び酸素極等に用いられるガス拡散電極の性能と、固体
電解質膜の性能に特に依存する。ここに固体電解質膜に
必要な性能はプロトン導電性、即ち、水素極等の電極で
生じたプロトンをより酸素極側に流すことである。この
ためイオン交換能を与える官能基を多く固体電解質膜中
に導入することが重要と考えられる。このため、従来か
ら固体電解質膜の代表例として、デュポン社で開発され
たスルホン酸基を有するフッ素系樹脂(商品名:ナフィ
オン)やその類似体が用いられている。ここにナフィオ
ンは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエ
ーテルとの共重合体をベースとしてイオン交換基として
スルホン酸基を有するものである。
及び酸素極等に用いられるガス拡散電極の性能と、固体
電解質膜の性能に特に依存する。ここに固体電解質膜に
必要な性能はプロトン導電性、即ち、水素極等の電極で
生じたプロトンをより酸素極側に流すことである。この
ためイオン交換能を与える官能基を多く固体電解質膜中
に導入することが重要と考えられる。このため、従来か
ら固体電解質膜の代表例として、デュポン社で開発され
たスルホン酸基を有するフッ素系樹脂(商品名:ナフィ
オン)やその類似体が用いられている。ここにナフィオ
ンは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエ
ーテルとの共重合体をベースとしてイオン交換基として
スルホン酸基を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固体電
解質膜として使用しうるナフィオンのイオン交換容量
は、上限が1.1mg当量/gであり、プロトン導電性
が十分であるとはいえない。その一方、フッ素系樹脂は
非常に高価であるため燃料電池や固体電解質膜のコスト
アップにつながり、実用化の大きな妨げになっている。
解質膜として使用しうるナフィオンのイオン交換容量
は、上限が1.1mg当量/gであり、プロトン導電性
が十分であるとはいえない。その一方、フッ素系樹脂は
非常に高価であるため燃料電池や固体電解質膜のコスト
アップにつながり、実用化の大きな妨げになっている。
【0006】また、水素を燃料として水素極に供給する
と、上述のごとく水素極でプロトンを生成するが、この
生成したプロトン(H+)の水和水が同時に酸素極側に
輸送されるため、固体電解質膜の特に水素極側が乾燥す
る場合がある。しかしながら、固体電解質膜は湿潤状態
でのみプロトン導電性を示すため、乾燥状態ではプロト
ン導電性が著しく低下し、燃料電池の作動が不能となる
場合がある。かかる乾燥状態を解決すべく、極微量の白
金超微粒子触媒や酸化物超微粒子を固体電解質膜中に担
持させる方法もあるが、コストが高くなり固体電解質膜
型燃料電池の凡用化の妨げとなっている。
と、上述のごとく水素極でプロトンを生成するが、この
生成したプロトン(H+)の水和水が同時に酸素極側に
輸送されるため、固体電解質膜の特に水素極側が乾燥す
る場合がある。しかしながら、固体電解質膜は湿潤状態
でのみプロトン導電性を示すため、乾燥状態ではプロト
ン導電性が著しく低下し、燃料電池の作動が不能となる
場合がある。かかる乾燥状態を解決すべく、極微量の白
金超微粒子触媒や酸化物超微粒子を固体電解質膜中に担
持させる方法もあるが、コストが高くなり固体電解質膜
型燃料電池の凡用化の妨げとなっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、高分子マトリクス中に、スルホン化重合体
が分散または混合したプロトン導電性高分子組成物が、
プロトン導電性および耐久性に優れ、かつ固体電解質膜
としたときの強度にも優れ、加えて安価に製造できるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
重ねた結果、高分子マトリクス中に、スルホン化重合体
が分散または混合したプロトン導電性高分子組成物が、
プロトン導電性および耐久性に優れ、かつ固体電解質膜
としたときの強度にも優れ、加えて安価に製造できるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明は、下記(1)〜(11)を
提供するものである。
提供するものである。
【0009】(1) スルホン酸基密度が2mg当量/
g以上のスルホン化重合体および高分子マトリクスとを
含有するプロトン導電性高分子組成物。
g以上のスルホン化重合体および高分子マトリクスとを
含有するプロトン導電性高分子組成物。
【0010】(2) 前記スルホン化重合体が、不飽和
結合を有する芳香族化合物の重合体をスルホン化したも
のである上記(1)記載のプロトン導電性高分子組成
物。
結合を有する芳香族化合物の重合体をスルホン化したも
のである上記(1)記載のプロトン導電性高分子組成
物。
【0011】(3) 前記不飽和結合を有する芳香族化
合物重合体が、スチレンを主成分とするモノマー混合物
の重合体であることを特徴とする上記(2)記載のプロ
トン導電性高分子組成物。
合物重合体が、スチレンを主成分とするモノマー混合物
の重合体であることを特徴とする上記(2)記載のプロ
トン導電性高分子組成物。
【0012】(4) 前記スルホン化重合体が、粒子状
であることを特徴とする上記(1)記載のプロトン導電
性高分子組成物。
であることを特徴とする上記(1)記載のプロトン導電
性高分子組成物。
【0013】(5) 前記スルホン化重合体の平均粒子
径が、1〜100μmであることを特徴とする上記
(4)記載のプロトン導電性高分子組成物。
径が、1〜100μmであることを特徴とする上記
(4)記載のプロトン導電性高分子組成物。
【0014】(6) 前記スルホン化重合体のイオン交
換容量が、前記高分子マトリクスのイオン交換容量より
大きいことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか
に記載のプロトン導電性高分子組成物。
換容量が、前記高分子マトリクスのイオン交換容量より
大きいことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか
に記載のプロトン導電性高分子組成物。
【0015】(7) 前記高分子マトリクスの全部また
は一部が、フッ素樹脂、ポリイミド、変性ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンお
よびポリアミドイミドからなる群から選ばれた1種以上
である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプロトン
導電性高分子組成物。
は一部が、フッ素樹脂、ポリイミド、変性ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンお
よびポリアミドイミドからなる群から選ばれた1種以上
である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプロトン
導電性高分子組成物。
【0016】(8) 前記高分子マトリクスが、スルホ
ン酸基及び/またはカルボン酸基を有するものである上
記(1)〜(7)のいずれかに記載のプロトン導電性高
分子組成物。
ン酸基及び/またはカルボン酸基を有するものである上
記(1)〜(7)のいずれかに記載のプロトン導電性高
分子組成物。
【0017】(9) 前記スルホン化重合体と前記高分
子マトリクスとの配合割合が、後者100質量部に対し
て前者が5〜5000質量部であることを特徴とする上
記(1)〜(8)のいずれかに記載のプロトン導電性高
分子組成物。
子マトリクスとの配合割合が、後者100質量部に対し
て前者が5〜5000質量部であることを特徴とする上
記(1)〜(8)のいずれかに記載のプロトン導電性高
分子組成物。
【0018】(10) 上記(1)〜(9)のいずれか
1項に記載のプロトン導電性高分子組成物からなる燃料
電池用固体電解質膜。
1項に記載のプロトン導電性高分子組成物からなる燃料
電池用固体電解質膜。
【0019】(11) 上記(10)記載の燃料電池用
固体電解質膜を用いた燃料電池。
固体電解質膜を用いた燃料電池。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、スルホン酸基密度が2
mg当量/g以上のスルホン化重合体および高分子マト
リクスとを含有するプロトン導電性高分子組成物であ
る。従来からポリ(テトラフルオロエチレン−パーフル
オロビニルエーテル)共重合体のように、クラスター構
造を呈するパーフルオロカーボンスルホン酸基を含有す
るものがプロトン導電性に優れることから多用されてい
たが、高価でありしかもプロトン導電性も未だ十分でな
い。しかしながら、本発明で使用する組成物は、スルホ
ン酸基密度が2mg当量/g以上であるためプロトン導
電性に優れるにもかかわらず安価に製造できるのであ
る。このため従来よりもプロトン導電性に優れる組成物
を安価に提供できるのである。しかも、配合するスルホ
ン化重合体が特定サイズの粒子状であれば、高分子マト
リクスの有するガス拡散電極との密着性や化学的、物理
的強度を低下させることなく、プロトン導電性に優れる
組成物を提供しうるのである。更に、粒子表面に存在す
るスルホン酸基が親水性を有するため乾燥に強く、乾燥
によるプロトン導電性の低下を防止することができるの
である。このため、かかる組成物から固体電解質膜を調
製することができ、これを配置したプロトン導電性に優
れる燃料電池を提供し得るのである。以下、本発明を詳
細に説明する。
mg当量/g以上のスルホン化重合体および高分子マト
リクスとを含有するプロトン導電性高分子組成物であ
る。従来からポリ(テトラフルオロエチレン−パーフル
オロビニルエーテル)共重合体のように、クラスター構
造を呈するパーフルオロカーボンスルホン酸基を含有す
るものがプロトン導電性に優れることから多用されてい
たが、高価でありしかもプロトン導電性も未だ十分でな
い。しかしながら、本発明で使用する組成物は、スルホ
ン酸基密度が2mg当量/g以上であるためプロトン導
電性に優れるにもかかわらず安価に製造できるのであ
る。このため従来よりもプロトン導電性に優れる組成物
を安価に提供できるのである。しかも、配合するスルホ
ン化重合体が特定サイズの粒子状であれば、高分子マト
リクスの有するガス拡散電極との密着性や化学的、物理
的強度を低下させることなく、プロトン導電性に優れる
組成物を提供しうるのである。更に、粒子表面に存在す
るスルホン酸基が親水性を有するため乾燥に強く、乾燥
によるプロトン導電性の低下を防止することができるの
である。このため、かかる組成物から固体電解質膜を調
製することができ、これを配置したプロトン導電性に優
れる燃料電池を提供し得るのである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0021】(1)スルホン化重合体 本発明のプロトン導電性高分子組成物を構成するスルホ
ン化重合体は、スルホン酸基密度が2mg当量/g以上
であることを要する。スルホン酸基はプロトン導電性を
有するため、2mg当量/gを下回ると得られる組成物
のプロトン導電性が十分でないからである。より好まし
くは2.5〜8mg当量/g、特には、3〜6mg当量
/gである。スルホン酸基密度が8mg当量/gを超え
ると、固体電解質膜としたとき十分な強度が得られない
ことがある。その理由は、重合体中の有機部分が少なく
なり、重合体の形状を保ちにくくなるためである。
ン化重合体は、スルホン酸基密度が2mg当量/g以上
であることを要する。スルホン酸基はプロトン導電性を
有するため、2mg当量/gを下回ると得られる組成物
のプロトン導電性が十分でないからである。より好まし
くは2.5〜8mg当量/g、特には、3〜6mg当量
/gである。スルホン酸基密度が8mg当量/gを超え
ると、固体電解質膜としたとき十分な強度が得られない
ことがある。その理由は、重合体中の有機部分が少なく
なり、重合体の形状を保ちにくくなるためである。
【0022】上記スルホン化重合体は、不飽和結合を有
する芳香族化合物の重合体をスルホン化したものである
ことが好ましい。芳香族化合物の重合体を使用すること
により、単位質量当たりのスルホン酸基含有量を向上さ
せることができるからである。これにより優れたプロト
ン導電性が発揮されるのである。
する芳香族化合物の重合体をスルホン化したものである
ことが好ましい。芳香族化合物の重合体を使用すること
により、単位質量当たりのスルホン酸基含有量を向上さ
せることができるからである。これにより優れたプロト
ン導電性が発揮されるのである。
【0023】不飽和結合を有する芳香族化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレンな
どがある。本発明では、これらの1種を単独で使用する
場合のほか2種以上を混合して使用してもよい。本発明
で使用する芳香族化合物としては、これらの中でもスチ
レンを主成分とするモノマー混合物の重合体であること
が好ましい。スルホン化が容易であると共に、化学的強
度に優れるからである。更に、モノマー混合物としては
スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルベンゼンの他に、ジビニルベンゼン、トリビニルベン
ゼンなどを配合すると得られる重合体が分子内で架橋さ
れ、粒子状のスルホン化重合体が簡便に得られるために
特に好ましい。
は、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレンな
どがある。本発明では、これらの1種を単独で使用する
場合のほか2種以上を混合して使用してもよい。本発明
で使用する芳香族化合物としては、これらの中でもスチ
レンを主成分とするモノマー混合物の重合体であること
が好ましい。スルホン化が容易であると共に、化学的強
度に優れるからである。更に、モノマー混合物としては
スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニ
ルベンゼンの他に、ジビニルベンゼン、トリビニルベン
ゼンなどを配合すると得られる重合体が分子内で架橋さ
れ、粒子状のスルホン化重合体が簡便に得られるために
特に好ましい。
【0024】上記スルホン化重合体は、粒子状であるこ
とが好ましい。この際、平均粒子径は1〜100μm、
より好ましくは1〜20μmであることが好ましい。平
均粒子径が1μm未満の場合には、スルホン化重合体が
高分子マトリクス中で移動し、水と共に酸素電極側に移
動するためプロトン導電性を低下させるからである。そ
の一方、平均粒子径が100μmを超えると固体電解質
膜としたとき十分な強度が得られない場合があり好まし
くない。
とが好ましい。この際、平均粒子径は1〜100μm、
より好ましくは1〜20μmであることが好ましい。平
均粒子径が1μm未満の場合には、スルホン化重合体が
高分子マトリクス中で移動し、水と共に酸素電極側に移
動するためプロトン導電性を低下させるからである。そ
の一方、平均粒子径が100μmを超えると固体電解質
膜としたとき十分な強度が得られない場合があり好まし
くない。
【0025】(2)スルホン化重合体の製造方法 本発明で使用するスルホン化重合体の製造方法は、特に
制限されるものではないが、芳香族化合物を重合して得
た重合体を、従来公知のスルホン化剤を用いてスルホン
化することにより得ることができる。以下、芳香族化合
物重合体をスルホン化する場合を用いて説明する。
制限されるものではないが、芳香族化合物を重合して得
た重合体を、従来公知のスルホン化剤を用いてスルホン
化することにより得ることができる。以下、芳香族化合
物重合体をスルホン化する場合を用いて説明する。
【0026】(i)芳香族重合体 芳香族重合体を得るには、芳香族化合物を懸濁重合、乳
化重合、溶液重合等の公知の重合方法によって重合する
ことができる。特に好ましくは懸濁重合である。懸濁重
合によれば容易に粒子状の芳香族重合体を得ることがで
きるからである。また、芳香族化合物の溶媒系にラジカ
ル重合開始剤を加え、40〜100℃、より好ましくは
50〜90℃で反応させることができる。重合開始剤と
しては、アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸
塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル等の過酸化物
等が挙げられる。
化重合、溶液重合等の公知の重合方法によって重合する
ことができる。特に好ましくは懸濁重合である。懸濁重
合によれば容易に粒子状の芳香族重合体を得ることがで
きるからである。また、芳香族化合物の溶媒系にラジカ
ル重合開始剤を加え、40〜100℃、より好ましくは
50〜90℃で反応させることができる。重合開始剤と
しては、アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸
塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチ
ルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル等の過酸化物
等が挙げられる。
【0027】重合溶媒としては、水が好ましい。また、
必要に応じてテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミドなどのアミド系溶剤、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、ア
セトン、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、ポリビ
ニルアルコールなどを水に添加することができる。
必要に応じてテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミドなどのアミド系溶剤、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、ア
セトン、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、ポリビ
ニルアルコールなどを水に添加することができる。
【0028】重合の反応温度は40〜100℃がよく、
特に50〜90℃が好ましい。この範囲で強度に優れる
芳香族重合体が得られるからである。
特に50〜90℃が好ましい。この範囲で強度に優れる
芳香族重合体が得られるからである。
【0029】重合反応には、乳化剤を使用することがで
きる。乳化剤としては、アニオン系、ノニオン系界面活
性剤、高分子界面活性剤のいずれを使用してもよい。
きる。乳化剤としては、アニオン系、ノニオン系界面活
性剤、高分子界面活性剤のいずれを使用してもよい。
【0030】上記アニオン界面活性剤としては、例え
ば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等
の如きアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポ
リグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホ
リシノエート;スルホン化パラフィン塩等の如きアルキ
ルスルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネ
ート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカ
リ金属サルフェート等の如きアルキルスルホネート;高
アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物、ナトリウムラウレート、トリエタ
ノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアヒエ
ート等の如き脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫
酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテル
硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン
酸塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェー
ト塩等の如き二重結合を持った反応性アニオン乳化剤等
が使用できる。
ば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等
の如きアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポ
リグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホ
リシノエート;スルホン化パラフィン塩等の如きアルキ
ルスルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネ
ート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカ
リ金属サルフェート等の如きアルキルスルホネート;高
アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物、ナトリウムラウレート、トリエタ
ノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアヒエ
ート等の如き脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫
酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンフェニルエーテル
硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン
酸塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェー
ト塩等の如き二重結合を持った反応性アニオン乳化剤等
が使用できる。
【0031】また、上記ノニオン系界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタ
ン脂肪族エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
族エステル;グリセロールのモノラウレート等の如き脂
肪族モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロ
ピレン共重合体、エチレンオキサイドと脂肪族アミン、
アミドまたは酸との縮合生成物等が使用できる。
は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタ
ン脂肪族エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
族エステル;グリセロールのモノラウレート等の如き脂
肪族モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロ
ピレン共重合体、エチレンオキサイドと脂肪族アミン、
アミドまたは酸との縮合生成物等が使用できる。
【0032】上記高分子界面活性剤としては、例えば、
ポリビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アク
リル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アク
リル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等が使
用できる。
ポリビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アク
リル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アク
リル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等が使
用できる。
【0033】更に、かかる重合反応においては、連鎖移
動剤キレート剤等の懸濁重合において使用できる公知の
化合物を使用することができる。
動剤キレート剤等の懸濁重合において使用できる公知の
化合物を使用することができる。
【0034】(ii)スルホン化 スルホン化としては、上記芳香族化合物重合体を、濃硫
酸、クロロ硫酸、発煙硫酸などのスルホン化剤を用いて
スルホン化することができる。
酸、クロロ硫酸、発煙硫酸などのスルホン化剤を用いて
スルホン化することができる。
【0035】スルホン化反応に使用するスルホン化剤の
量は、芳香族化合物重合体100質量部に対して500
質量部以上の割合で使用することが好ましい。反応は、
無溶媒下あるいは芳香族化合物重合体に対して非膨潤性
の溶剤の存在下あるいは芳香族化合物重合体に対して、
膨潤性の溶剤の存在下に行うことができる。
量は、芳香族化合物重合体100質量部に対して500
質量部以上の割合で使用することが好ましい。反応は、
無溶媒下あるいは芳香族化合物重合体に対して非膨潤性
の溶剤の存在下あるいは芳香族化合物重合体に対して、
膨潤性の溶剤の存在下に行うことができる。
【0036】芳香族化合物重合体に対して非膨潤性の溶
剤としては、芳香族化合物重合体を膨潤させず、かつス
ルホン化剤に対して不活性な溶剤であればよく、例え
ば、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン等の脂肪族
炭化水素などを挙げることができる。芳香族化合物重合
体に対して膨潤性の溶剤としては、芳香族化合物重合体
を膨潤させずかつスルホン化剤に対して不活性な溶剤で
あればよく、例えば、1,1,2,2−テトラクロロエ
タン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、四塩
化炭素などを上げることができる。これらの溶剤の使用
量は、芳香族化合物重合体100質量部に対して100
0質量部以上の割合で使用することが好ましい。
剤としては、芳香族化合物重合体を膨潤させず、かつス
ルホン化剤に対して不活性な溶剤であればよく、例え
ば、ヘキサン、シクロヘキサン、リグロイン等の脂肪族
炭化水素などを挙げることができる。芳香族化合物重合
体に対して膨潤性の溶剤としては、芳香族化合物重合体
を膨潤させずかつスルホン化剤に対して不活性な溶剤で
あればよく、例えば、1,1,2,2−テトラクロロエ
タン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、四塩
化炭素などを上げることができる。これらの溶剤の使用
量は、芳香族化合物重合体100質量部に対して100
0質量部以上の割合で使用することが好ましい。
【0037】スルホン化の反応温度は、−20〜100
℃がよく、0.3〜100時間程度行われる。好ましく
は、温度70〜100℃で、1〜24時間反応させる。
℃がよく、0.3〜100時間程度行われる。好ましく
は、温度70〜100℃で、1〜24時間反応させる。
【0038】(3)高分子マトリクス 本発明のプロトン導電性高分子組成物は、上記したスル
ホン化重合体を高分子マトリクス中に混合しまたは分散
してなるものである。
ホン化重合体を高分子マトリクス中に混合しまたは分散
してなるものである。
【0039】本発明で用いることのできる高分子マトリ
クスには特に制限はないが、スルホン基、カルボン酸
基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基などの親
水性基を有するものであることが好ましい。これらは1
種を有する場合のほかスルホン基とカルボン酸基などの
ように2種以上を有する場合であってもよい。特に、高
分子マトリクスは、スルホン酸基やカルボン酸基を有す
るものであることが好ましい。親水性基の存在により高
分子マトリクスと上記スルホン化重合体の親和性が良好
となり優れたプロトン導電性し、かつ化学的、物理的強
度に優れるプロトン導電性高分子組成物が得られるから
である。
クスには特に制限はないが、スルホン基、カルボン酸
基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基などの親
水性基を有するものであることが好ましい。これらは1
種を有する場合のほかスルホン基とカルボン酸基などの
ように2種以上を有する場合であってもよい。特に、高
分子マトリクスは、スルホン酸基やカルボン酸基を有す
るものであることが好ましい。親水性基の存在により高
分子マトリクスと上記スルホン化重合体の親和性が良好
となり優れたプロトン導電性し、かつ化学的、物理的強
度に優れるプロトン導電性高分子組成物が得られるから
である。
【0040】高分子マトリクスとしては、フッ素樹脂、
ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボ
ネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレン
スルフィド、ポリスルホン、非晶ポリアリレート、ポリ
エーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
ケトン、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、ポリウレ
タン、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニリアルコール、ポ
リスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブ
チル、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレン、スチレ
ン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩化ビニル、脂肪
酸ビニルエステル共重合体、エチレン−プロピレンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどを挙げるこ
とができる。これらの1種を単独で使用するほか2種以
上を混合して使用してもよい。本発明では高分子マトリ
クスの全部または一部が、フッ素樹脂、ポリイミド、変
性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルケトン、ポリアミドイミドであることが好まし
い。当該組成物から固体電解質膜を調製し、これを燃料
電池に使用する場合には触媒効率を向上させるために作
動温度が高い方が好ましいが、固体燃料電池使用時の耐
熱性に優れるること、および固体電解質膜を調製した際
にガス拡散電極との密着性に優れるからである。
ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボ
ネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレン
スルフィド、ポリスルホン、非晶ポリアリレート、ポリ
エーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
ケトン、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、ポリウレ
タン、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニリアルコール、ポ
リスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイソブ
チル、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソプレン、スチレ
ン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、塩化ビニル、脂肪
酸ビニルエステル共重合体、エチレン−プロピレンゴ
ム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどを挙げるこ
とができる。これらの1種を単独で使用するほか2種以
上を混合して使用してもよい。本発明では高分子マトリ
クスの全部または一部が、フッ素樹脂、ポリイミド、変
性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルケトン、ポリアミドイミドであることが好まし
い。当該組成物から固体電解質膜を調製し、これを燃料
電池に使用する場合には触媒効率を向上させるために作
動温度が高い方が好ましいが、固体燃料電池使用時の耐
熱性に優れるること、および固体電解質膜を調製した際
にガス拡散電極との密着性に優れるからである。
【0041】本発明で用いられる高分子マトリクスのイ
オン交換容量は、上記スルホン化重合体のイオン交換容
量より小さいことが好ましい。高分子マトリクスとして
イオン交換容量が大きな材料を用いると、得られた固体
電解質膜の強度が不足することがあるからである。その
理由は、材料の有機物質が少なくなり、材料の形状を保
ちにくくなるからである。なお、イオン交換容量は中和
滴定法により測定した値である。
オン交換容量は、上記スルホン化重合体のイオン交換容
量より小さいことが好ましい。高分子マトリクスとして
イオン交換容量が大きな材料を用いると、得られた固体
電解質膜の強度が不足することがあるからである。その
理由は、材料の有機物質が少なくなり、材料の形状を保
ちにくくなるからである。なお、イオン交換容量は中和
滴定法により測定した値である。
【0042】本発明で用いられる高分子マトリクスとし
ては、耐熱性および親水性基が導入された高分子であ
り、スルホン酸基、カルボン酸基などの親水性基が導入
されたフッ素樹脂などを挙げることができる。具体的に
は、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニ
ルエーテル)共重合体、ポリ(ビニリデンフロライ
ド)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフ
ロライド)共重合体、ポリ(パーフルオロビニルエーテ
ル−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(テトラフ
ルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポ
リ(ヘキサフルオロプロピレオキシド−ビニリデンフロ
ライド)共重合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−
テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重
合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオ
ロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ
(フルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体
などの単独体またはこれらの成分の混合体をベースとし
てスルホン酸基を導入したものが例示できる。特にポリ
(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテ
ル)共重合体のように、クラスター構造を呈するパーフ
ルオロカーボンスルホン酸基を含有するものが好まし
い。クラスター構造によりプロトンが速やかに伝達さ
れ、プロトン導電性に優れるからである。
ては、耐熱性および親水性基が導入された高分子であ
り、スルホン酸基、カルボン酸基などの親水性基が導入
されたフッ素樹脂などを挙げることができる。具体的に
は、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニ
ルエーテル)共重合体、ポリ(ビニリデンフロライ
ド)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフ
ロライド)共重合体、ポリ(パーフルオロビニルエーテ
ル−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(テトラフ
ルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポ
リ(ヘキサフルオロプロピレオキシド−ビニリデンフロ
ライド)共重合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−
テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重
合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオ
ロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ
(フルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体
などの単独体またはこれらの成分の混合体をベースとし
てスルホン酸基を導入したものが例示できる。特にポリ
(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテ
ル)共重合体のように、クラスター構造を呈するパーフ
ルオロカーボンスルホン酸基を含有するものが好まし
い。クラスター構造によりプロトンが速やかに伝達さ
れ、プロトン導電性に優れるからである。
【0043】(4)プロトン導電性高分子組成物 本発明のプロトン導電性高分子組成物においては、スル
ホン化重合体と高分子マトリクスとの配合割合が、後者
100質量部に対して前者が5〜5000質量部、更に
10〜1000質量部、特に100〜600質量部の範
囲であることが好ましい。5質量部未満の場合にはプロ
トン導電性が不十分となる場合があり、その一方500
0質量部を超えると得られた固体電解質膜の強度が不足
する場合があるからである。本発明のプロトン導電性高
分子組成物は従来から各種のものが使用されているが、
イオン交換率が未だ十分でない。従って、従来の高分子
マトリクスにイオン交換率に優れるスルホン化重合体を
配合することにより、更にイオン交換率を向上さること
ができるのである。また、安価なスルホン化重合体を配
合することにより低コスト化を図ることができるのであ
る。
ホン化重合体と高分子マトリクスとの配合割合が、後者
100質量部に対して前者が5〜5000質量部、更に
10〜1000質量部、特に100〜600質量部の範
囲であることが好ましい。5質量部未満の場合にはプロ
トン導電性が不十分となる場合があり、その一方500
0質量部を超えると得られた固体電解質膜の強度が不足
する場合があるからである。本発明のプロトン導電性高
分子組成物は従来から各種のものが使用されているが、
イオン交換率が未だ十分でない。従って、従来の高分子
マトリクスにイオン交換率に優れるスルホン化重合体を
配合することにより、更にイオン交換率を向上さること
ができるのである。また、安価なスルホン化重合体を配
合することにより低コスト化を図ることができるのであ
る。
【0044】本発明のプロトン導電性高分子組成物に
は、プロトン導電性を損なわない程度に従来から配合さ
れた他の添加物を配合することができる。この様な添加
剤しては、触媒、酸化物超微粒子、吸湿性無機多孔質、
可塑剤等がある。
は、プロトン導電性を損なわない程度に従来から配合さ
れた他の添加物を配合することができる。この様な添加
剤しては、触媒、酸化物超微粒子、吸湿性無機多孔質、
可塑剤等がある。
【0045】触媒としては、白金超微粒子触媒があり、
酸化物超微粒子としては、酸化チタンがある。また、吸
湿性無機多孔質としてはシリカゲル、合成ゼオライトな
どがある。更に、可塑剤としては、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートな
どの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、メチル
エチルカーボネート、メチルエーテルカーボネート等の
鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン、メチルテトラ
ヒドロフラン等のエーテル、γ−ブチルラクトン、プロ
ピオラクトン、酢酸メチル等のエステル、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、炭化水素等
の有機低分子化合物、シリコンオイル、オリゴエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド等の脂肪族エーテル化合物、ポリアクリロニトリ
ル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカボネートなどの
極性基含有高分子化合物を例示することができる。
酸化物超微粒子としては、酸化チタンがある。また、吸
湿性無機多孔質としてはシリカゲル、合成ゼオライトな
どがある。更に、可塑剤としては、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートな
どの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、メチル
エチルカーボネート、メチルエーテルカーボネート等の
鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン、メチルテトラ
ヒドロフラン等のエーテル、γ−ブチルラクトン、プロ
ピオラクトン、酢酸メチル等のエステル、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、炭化水素等
の有機低分子化合物、シリコンオイル、オリゴエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド等の脂肪族エーテル化合物、ポリアクリロニトリ
ル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカボネートなどの
極性基含有高分子化合物を例示することができる。
【0046】本発明のプロトン導電性高分子組成物は、
耐熱性等の物理的特性に優れる高分子マトリクスに、親
水性基を有するスルホン化重合体を配合したものである
ため、保水性にも優れ、更にガス拡散電極との密着性に
も優れる。
耐熱性等の物理的特性に優れる高分子マトリクスに、親
水性基を有するスルホン化重合体を配合したものである
ため、保水性にも優れ、更にガス拡散電極との密着性に
も優れる。
【0047】(5)燃料電池用固体電解質膜 本発明の燃料電池用固体電解質膜は、上記プロトン導電
性高分子組成物を公知の方法で製膜して調製することが
できる。例えば、上記プロトン導電性高分子組成物を溶
媒に溶解してブレンドした後、キャスティングによりフ
ィルム状に成形する方法、高分子マトリクスとスルホン
化重合体をブレンドした後に圧力をかけて成形する方法
などがある。かかる溶媒としては、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、ジメチ
ルスルホキシド、エタノールと水との混合溶液、プロパ
ノールと水との混合溶液などがある。
性高分子組成物を公知の方法で製膜して調製することが
できる。例えば、上記プロトン導電性高分子組成物を溶
媒に溶解してブレンドした後、キャスティングによりフ
ィルム状に成形する方法、高分子マトリクスとスルホン
化重合体をブレンドした後に圧力をかけて成形する方法
などがある。かかる溶媒としては、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、ジメチ
ルスルホキシド、エタノールと水との混合溶液、プロパ
ノールと水との混合溶液などがある。
【0048】樹脂成分は、溶媒中に0.5〜50質量
%、より好ましくは1〜40質量%、特には5〜30質
量%の濃度で溶解することが好ましい。樹脂濃度が50
質量%を越えると溶液の粘度が高すぎてスルホン化重合
体を均一に混合することができず、また溶液中に気泡が
混入しプロトン導電性を低下させる空孔が発生する。そ
の一方、樹脂濃度が0.5質量%を下回ると膜の形成が
困難となる場合があるからである。
%、より好ましくは1〜40質量%、特には5〜30質
量%の濃度で溶解することが好ましい。樹脂濃度が50
質量%を越えると溶液の粘度が高すぎてスルホン化重合
体を均一に混合することができず、また溶液中に気泡が
混入しプロトン導電性を低下させる空孔が発生する。そ
の一方、樹脂濃度が0.5質量%を下回ると膜の形成が
困難となる場合があるからである。
【0049】次いで、上記混合溶液をキャストした後
に、乾燥させることにより本発明の燃料電池用固体電解
質膜を得ることができる。キャスト面は特に限定されず
表面が平滑であっても凹凸があってもよい。また乾燥方
法としては、真空乾燥法を採用すると乾燥時間が短縮さ
れ、更にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂およびス
ルホン化重合体の相分離を防止することができる。本発
明の固体電解質膜を調製するプロトン導電性高分子組成
物は親水性基であるスルホン酸基を含有するため、プロ
トン導電性に優れると共に親水性に優れる。しかも高分
子マトリクスは化学的強度、物理的強度に優れる。これ
に配合されるスルホン化重合体が粒子状であると、高分
子マトリクスがガス拡散電極との密着性に優れるため、
全体としてプロトン導電性に優れる燃料電池用固体電解
質膜を得ることができるのである。スルホン化重合体の
配合により親水性が向上したため乾燥によるプロトン導
電性の低下を防止できる点でも特に優れるのである。
に、乾燥させることにより本発明の燃料電池用固体電解
質膜を得ることができる。キャスト面は特に限定されず
表面が平滑であっても凹凸があってもよい。また乾燥方
法としては、真空乾燥法を採用すると乾燥時間が短縮さ
れ、更にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂およびス
ルホン化重合体の相分離を防止することができる。本発
明の固体電解質膜を調製するプロトン導電性高分子組成
物は親水性基であるスルホン酸基を含有するため、プロ
トン導電性に優れると共に親水性に優れる。しかも高分
子マトリクスは化学的強度、物理的強度に優れる。これ
に配合されるスルホン化重合体が粒子状であると、高分
子マトリクスがガス拡散電極との密着性に優れるため、
全体としてプロトン導電性に優れる燃料電池用固体電解
質膜を得ることができるのである。スルホン化重合体の
配合により親水性が向上したため乾燥によるプロトン導
電性の低下を防止できる点でも特に優れるのである。
【0050】(6)燃料電池 本発明の燃料電池は、上記燃料電池用固体電解質膜を使
用することを特徴とする。燃料電池は、アノードとカソ
ードとの2つのガス拡散電極と、燃料電池用固体電解質
膜とを有する。ここに固体電解質膜とガス拡散電極との
接合体を得るために以下の方法で調製することができ
る。
用することを特徴とする。燃料電池は、アノードとカソ
ードとの2つのガス拡散電極と、燃料電池用固体電解質
膜とを有する。ここに固体電解質膜とガス拡散電極との
接合体を得るために以下の方法で調製することができ
る。
【0051】まず、ガス拡散電極上にプロトン導電性高
分子組成物と類似のものでプロトン導電性としてスルホ
ン酸基を含むフッ素系ポリマーをアルコール類と水との
混合溶液に溶解したものを電極の接触面に一定量塗布し
乾燥させる。このようなガス拡散電極を2枚用意して燃
料電池用固体電解質膜を間に挟み、電極の接触面を燃料
電池用固体電解質膜に向けて熱プレスにより接合する。
この熱プレスの温度は燃料電池用固体電解質膜の種類に
より異なるが、通常100℃以上であり、特に130℃
以上であることが好ましい。熱プレスにより燃料電池用
固体電解質膜の水分が蒸発し、燃料電池用固体電解質膜
の収縮が生じて均質な接合ができにくいことがあるが、
この温度では水分の蒸発による燃料電池用固体電解質膜
の乾燥を防止することができるからである。
分子組成物と類似のものでプロトン導電性としてスルホ
ン酸基を含むフッ素系ポリマーをアルコール類と水との
混合溶液に溶解したものを電極の接触面に一定量塗布し
乾燥させる。このようなガス拡散電極を2枚用意して燃
料電池用固体電解質膜を間に挟み、電極の接触面を燃料
電池用固体電解質膜に向けて熱プレスにより接合する。
この熱プレスの温度は燃料電池用固体電解質膜の種類に
より異なるが、通常100℃以上であり、特に130℃
以上であることが好ましい。熱プレスにより燃料電池用
固体電解質膜の水分が蒸発し、燃料電池用固体電解質膜
の収縮が生じて均質な接合ができにくいことがあるが、
この温度では水分の蒸発による燃料電池用固体電解質膜
の乾燥を防止することができるからである。
【0052】本発明の燃料電池は、上記により接合体と
した燃料電池用固体電解質膜とガス拡散電極とを有す
る。この接合体を集電体とガス取り入れ口と抜き出し口
を設けたグラファイト製あるいは金属製のフランジの間
に挿入し、組立、一方のガス拡散電極に燃料である水素
ガスを、他方のガス拡散電極に酸素を含むガスを供給す
ることで燃料電池とすることができる。
した燃料電池用固体電解質膜とガス拡散電極とを有す
る。この接合体を集電体とガス取り入れ口と抜き出し口
を設けたグラファイト製あるいは金属製のフランジの間
に挿入し、組立、一方のガス拡散電極に燃料である水素
ガスを、他方のガス拡散電極に酸素を含むガスを供給す
ることで燃料電池とすることができる。
【0053】燃料電池作動温度は高い方が電極の触媒活
性が上がり、電極過電圧が減少するが、燃料電池用固体
電解質膜は水分がないとプロトン導電性を発揮しないた
め水分管理が可能な温度で作動させる。このため50〜
120℃、より好ましくは60〜100℃で作動させ
る。
性が上がり、電極過電圧が減少するが、燃料電池用固体
電解質膜は水分がないとプロトン導電性を発揮しないた
め水分管理が可能な温度で作動させる。このため50〜
120℃、より好ましくは60〜100℃で作動させ
る。
【0054】用いるガスは、燃料電池として作動する温
度に近い温度の飽和水蒸気を含む酸素あるいは空気を酸
化剤のガスとして用い、燃料ガスとして同様の条件で水
蒸気が飽和されたものを用いることが好ましい。このた
め空気や低圧の酸素を用いると酸素分圧が低く、燃料電
池としての出力が低くなるが、本発明の燃料電池用固体
電解質膜は、プロトン導電性に優れるため低圧でも他の
燃料電池に比較して出力を大きくすることができるので
ある。
度に近い温度の飽和水蒸気を含む酸素あるいは空気を酸
化剤のガスとして用い、燃料ガスとして同様の条件で水
蒸気が飽和されたものを用いることが好ましい。このた
め空気や低圧の酸素を用いると酸素分圧が低く、燃料電
池としての出力が低くなるが、本発明の燃料電池用固体
電解質膜は、プロトン導電性に優れるため低圧でも他の
燃料電池に比較して出力を大きくすることができるので
ある。
【0055】ガスの供給量としては、供給量が高いと燃
料電池としての出力が高まるので効率的であるが、一方
では燃料電池用固体電解質膜を通じて水素ガスと酸素ガ
スが混合し爆発する虞れがある。このため、燃料電池用
固体電解質膜の膜厚にもよるが、膜厚が100μmの場
合には、50〜1000kpa、より好ましくは100
〜500kpaでガスを供給する。この範囲で有れば、
ガス拡散電極を通じてガスが触媒層に供給されにくいた
め燃料電池の出力が著しく損なわれることや、膜の破損
による爆発の危険がないからである。
料電池としての出力が高まるので効率的であるが、一方
では燃料電池用固体電解質膜を通じて水素ガスと酸素ガ
スが混合し爆発する虞れがある。このため、燃料電池用
固体電解質膜の膜厚にもよるが、膜厚が100μmの場
合には、50〜1000kpa、より好ましくは100
〜500kpaでガスを供給する。この範囲で有れば、
ガス拡散電極を通じてガスが触媒層に供給されにくいた
め燃料電池の出力が著しく損なわれることや、膜の破損
による爆発の危険がないからである。
【0056】本発明の固体電解質膜がプロトン導電性に
優れ、このために当該固体電解質膜を組み込んだ燃料電
池の出力が向上する理由は定かではない。しかしなが
ら、固体電解質膜を構成するプロトン導電性高分子組成
物が、スルホン酸基密度の高いスルホン化重合体を含有
すること、このスルホン酸基のプロトン導電性によりプ
ロトン導電性に優れる組成物を得ることができたものと
考えられる。スルホン酸基密度を向上するには芳香族化
合物の重合体をスルホン化して得たものを簡便に使用す
ることができるが、特にスルホン化重合体が粒子状であ
る場合には、スルホン酸基の親水性と相まってより多く
の水分子が導電体中に保持され、かかる水分子によって
イオンが水和されるためイオンが導電しやすい。また樹
脂中の狭い空間内においては、水分子同士の押し合いが
生じるので水和したイオンを押し出す力も働く。従っ
て、イオン交換基上におけるイオンの移動速度が向上
し、プロトン導電性が促進されるのである。これら相互
作用により固体電解質膜におけるプロトン導電性および
燃料電池における出力向上の結果となると考えられる。
優れ、このために当該固体電解質膜を組み込んだ燃料電
池の出力が向上する理由は定かではない。しかしなが
ら、固体電解質膜を構成するプロトン導電性高分子組成
物が、スルホン酸基密度の高いスルホン化重合体を含有
すること、このスルホン酸基のプロトン導電性によりプ
ロトン導電性に優れる組成物を得ることができたものと
考えられる。スルホン酸基密度を向上するには芳香族化
合物の重合体をスルホン化して得たものを簡便に使用す
ることができるが、特にスルホン化重合体が粒子状であ
る場合には、スルホン酸基の親水性と相まってより多く
の水分子が導電体中に保持され、かかる水分子によって
イオンが水和されるためイオンが導電しやすい。また樹
脂中の狭い空間内においては、水分子同士の押し合いが
生じるので水和したイオンを押し出す力も働く。従っ
て、イオン交換基上におけるイオンの移動速度が向上
し、プロトン導電性が促進されるのである。これら相互
作用により固体電解質膜におけるプロトン導電性および
燃料電池における出力向上の結果となると考えられる。
【0057】
【実施例】本発明のプロトン導電性高分子組成物を実施
例に基づいて更に説明する。なお、本発明はかかる実施
例に限定させるものではない。
例に基づいて更に説明する。なお、本発明はかかる実施
例に限定させるものではない。
【0058】(合成例1)攪拌機、還流冷却器および温
度計を備えた3リットルの四つ口セパラブルフラスコに
水1.2リットルを仕込み、ポリビニルアルコール
((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)1
6.0gを添加・溶解させた後、更にスチレン260g
(2.5mol)、工業用ジビニルベンゼン(和光純薬
工業(株)製、ジビニルベンゼン55質量%、エチルスチ
レン35質量%等の混合物)40g(0.31mo
l)、および過酸化ベンゾイル10gからなる混合物を
加えた。その後、分散機を用いて5000rpmの攪拌
速度でフラスコ内の内容物を分散させ、75℃で10時
間重合した。得られた固形物を濾別し、十分に洗浄した
後、熱風乾燥機を用いて80℃で10時間乾燥し、球状
の重合架橋体286gを得た。
度計を備えた3リットルの四つ口セパラブルフラスコに
水1.2リットルを仕込み、ポリビニルアルコール
((株)クラレ製、クラレポバール PVA−205)1
6.0gを添加・溶解させた後、更にスチレン260g
(2.5mol)、工業用ジビニルベンゼン(和光純薬
工業(株)製、ジビニルベンゼン55質量%、エチルスチ
レン35質量%等の混合物)40g(0.31mo
l)、および過酸化ベンゾイル10gからなる混合物を
加えた。その後、分散機を用いて5000rpmの攪拌
速度でフラスコ内の内容物を分散させ、75℃で10時
間重合した。得られた固形物を濾別し、十分に洗浄した
後、熱風乾燥機を用いて80℃で10時間乾燥し、球状
の重合架橋体286gを得た。
【0059】攪拌機、温度計および滴下ロートを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体5
0gを仕込み、氷冷した。そこに、発煙硫酸500gを
添加し、均一な分散液とした。反応混合物の温度を徐々
に80℃に上げた後、同温度で24時間加熱しつつ攪拌
しスルホン化反応を行った。その後、反応混合物を0℃
の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセトンで洗浄した。
次いで真空乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、
粒子状のスルホン化重合体95gを得た。
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体5
0gを仕込み、氷冷した。そこに、発煙硫酸500gを
添加し、均一な分散液とした。反応混合物の温度を徐々
に80℃に上げた後、同温度で24時間加熱しつつ攪拌
しスルホン化反応を行った。その後、反応混合物を0℃
の水中に注ぎ、濾別した後、水とアセトンで洗浄した。
次いで真空乾燥機を用いて、80℃で10時間乾燥し、
粒子状のスルホン化重合体95gを得た。
【0060】得られたスルホン化重合体の平均粒子径を
レーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所、SA
LD−1000)を用いて測定したところ、10μmで
あった。スルホン化重合体のイオン交換容量を中和滴定
により測定したところ、5.0mg当量/gであった。
レーザ回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所、SA
LD−1000)を用いて測定したところ、10μmで
あった。スルホン化重合体のイオン交換容量を中和滴定
により測定したところ、5.0mg当量/gであった。
【0061】(実施例1)合成例1で得られたスルホン
化重合体2gを、スルホン酸基を導入したフッ素樹脂を
5質量%で含むメタノール溶液(デュポン社製のナフィ
オンソリューションSE−5112)40g中に添加
し、十分攪拌した。混合物からメタノールの一部を留去
して得た濃厚溶液をガラス基板上に展開した後、メタノ
ールを蒸発させ、本発明の固体電解質膜(1)を膜状で
得た。
化重合体2gを、スルホン酸基を導入したフッ素樹脂を
5質量%で含むメタノール溶液(デュポン社製のナフィ
オンソリューションSE−5112)40g中に添加
し、十分攪拌した。混合物からメタノールの一部を留去
して得た濃厚溶液をガラス基板上に展開した後、メタノ
ールを蒸発させ、本発明の固体電解質膜(1)を膜状で
得た。
【0062】得られた固体電解質膜(1)の乾燥時のイ
オン交換容量は、2.5mg当量/gであった。
オン交換容量は、2.5mg当量/gであった。
【0063】
【効果】本発明によれば、燃料電池、燃料電池用固体電
解質膜および当該固体電解質膜に適用できるプロトン導
電性高分子組成物が提供される。特に、プロトン導電性
が高く耐久性に優れるため、膜としたときの強度に優
れ、かつ安価に合成できる。
解質膜および当該固体電解質膜に適用できるプロトン導
電性高分子組成物が提供される。特に、プロトン導電性
が高く耐久性に優れるため、膜としたときの強度に優
れ、かつ安価に合成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC011 AC061 AC071 AC081 BB031 BB121 BB151 BB181 BC031 BC122 BD031 BD101 BD121 BE021 BG051 BN151 CB001 CC031 CD001 CF161 CF211 CG001 CH091 CK021 CL001 CM041 CN011 CN031 CP031 FD150 GQ00 4J100 AB02P AB03Q AB15Q AB16Q BA56H CA01 CA04 DA28 HA61 HB52 JA43 5H026 AA06 BB01 BB02 CX05 EE18 EE19 HH00 HH05 HH06
Claims (5)
- 【請求項1】 スルホン酸基密度が2mg当量/g以上
のスルホン化重合体および高分子マトリクスとを含有す
るプロトン導電性高分子組成物。 - 【請求項2】 前記スルホン化重合体が、不飽和結合を
有する芳香族化合物の重合体をスルホン化したものであ
る請求項1記載のプロトン導電性高分子組成物。 - 【請求項3】 前記スルホン化重合体のイオン交換容量
が、前記高分子マトリクスのイオン交換容量より大きい
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロトン導
電性高分子組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプ
ロトン導電性高分子組成物からなる燃料電池用固体電解
質膜。 - 【請求項5】 請求項4記載の燃料電池用固体電解質膜
を用いた燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000277036A JP2002088251A (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | プロトン導電性高分子組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000277036A JP2002088251A (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | プロトン導電性高分子組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002088251A true JP2002088251A (ja) | 2002-03-27 |
Family
ID=18762420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000277036A Pending JP2002088251A (ja) | 2000-09-12 | 2000-09-12 | プロトン導電性高分子組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002088251A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004235071A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | 高分子電解質膜およびその用途 |
JP2005158724A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-16 | Toray Ind Inc | 高分子電解質膜 |
JP2005336475A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-12-08 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 複合プロトン交換膜 |
JP2006236757A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Toyobo Co Ltd | 膜電極接合体用高分子電解質膜、その製造方法、膜電極接合体および燃料電池 |
JP2007106999A (ja) * | 2005-10-10 | 2007-04-26 | Samsung Sdi Co Ltd | オリゴマー固体酸、並びにそれを含む高分子電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池 |
JP2007112907A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 芳香族炭化水素系樹脂を含有する高分子電解質組成物 |
JP2008123941A (ja) * | 2006-11-15 | 2008-05-29 | Sony Corp | 高分子電解質膜、触媒電極、膜電極接合体、及びそれらの製造方法、並びに結着剤 |
-
2000
- 2000-09-12 JP JP2000277036A patent/JP2002088251A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004235071A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | 高分子電解質膜およびその用途 |
JP4696441B2 (ja) * | 2003-01-31 | 2011-06-08 | 住友化学株式会社 | 高分子電解質膜およびその用途 |
JP2005158724A (ja) * | 2003-11-05 | 2005-06-16 | Toray Ind Inc | 高分子電解質膜 |
JP2005336475A (ja) * | 2004-04-30 | 2005-12-08 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 複合プロトン交換膜 |
JP2006236757A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Toyobo Co Ltd | 膜電極接合体用高分子電解質膜、その製造方法、膜電極接合体および燃料電池 |
JP2007106999A (ja) * | 2005-10-10 | 2007-04-26 | Samsung Sdi Co Ltd | オリゴマー固体酸、並びにそれを含む高分子電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池 |
JP2007112907A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 芳香族炭化水素系樹脂を含有する高分子電解質組成物 |
JP2008123941A (ja) * | 2006-11-15 | 2008-05-29 | Sony Corp | 高分子電解質膜、触媒電極、膜電極接合体、及びそれらの製造方法、並びに結着剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Chandan et al. | High temperature (HT) polymer electrolyte membrane fuel cells (PEMFC)–A review | |
CN101589496B (zh) | 聚合物电解质膜及其制造方法以及膜电极组件及聚合物电解质燃料电池 | |
US6444343B1 (en) | Polymer electrolyte membranes for use in fuel cells | |
CA2450346C (en) | Electrode structure for solid polymer fuel cell, its production method, and solid polymer fuel cell | |
CN1986613A (zh) | 聚合物电解液膜和利用该聚合物电解液膜的燃料电池 | |
US20110091788A1 (en) | Gas diffusion electrodes comprising functionalised nanoparticles | |
JP2002088251A (ja) | プロトン導電性高分子組成物 | |
CN101517800B (zh) | 膜电极接合体及其制造方法 | |
JP4325873B2 (ja) | 水素イオン伝導性共重合体、高分子電解質膜及び燃料電池 | |
CN102005585A (zh) | 用于具有集成的水蒸汽转移区的膜电极组件中的双功能膜 | |
JP2005276602A (ja) | 膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池 | |
EP2202830A1 (en) | Membrane electrode assembly and fuel cell | |
KR20130050825A (ko) | 유무기 복합막 및 이를 포함하는 연료전지 | |
US9631105B2 (en) | PPS electrode reinforcing material/crack mitigant | |
JP2008108723A (ja) | 膜電極接合体およびその製造方法 | |
JP5478412B2 (ja) | 膜−電極接合体および燃料電池 | |
WO2005091409A1 (ja) | 電解質膜および燃料電池 | |
JP2007056155A (ja) | イオン伝導性材料、固体高分子電解質膜、及び燃料電池 | |
JP2003288903A (ja) | 膜/電極接合体、並びに、それを用いた燃料電池、オゾン発生装置及び脱酸素装置 | |
JP2004119102A (ja) | 燃料電池用電極、燃料電池の電極用電解質溶液、燃料電池用電極の製造方法 | |
JP2009187799A (ja) | 膜電極複合体および燃料電池 | |
JP2009070631A (ja) | 電解質膜、膜電極接合体および膜電極接合体を用いた燃料電池 | |
JP3675473B2 (ja) | 固体高分子電解質型燃料電池の製造方法 | |
US20110045381A1 (en) | Hydrocarbon PEM Membranes with Perfluorosulfonic Acid Groups for Automotive Fuel Cells | |
JP2004119101A (ja) | 燃料電池用電極、燃料電池電極用電解質溶液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040701 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050419 |