JP2002079695A - カラーインクジェット記録方法、およびカラーインクの割合の決定方法 - Google Patents
カラーインクジェット記録方法、およびカラーインクの割合の決定方法Info
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- JP2002079695A JP2002079695A JP2000267819A JP2000267819A JP2002079695A JP 2002079695 A JP2002079695 A JP 2002079695A JP 2000267819 A JP2000267819 A JP 2000267819A JP 2000267819 A JP2000267819 A JP 2000267819A JP 2002079695 A JP2002079695 A JP 2002079695A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カラー画像領域と黒画像領域との境界部での
滲みを防止するために黒画像領域におけるカラー画像領
域との隣接領域で黒インクと反応性カラーインクとを重
ね合わせる際に、黒インクのみで記録される黒インク記
録領域での白もやの発生を防止する。 【解決手段】 黒画像領域におけるカラーインク記録領
域1と隣接している領域は、黒インクと相互反応性を示
す反応性カラーインク4を黒インクと重ね合わせるPC
Bk(Process Color Bk)領域となっている。そのPC
Bk領域は、黒インクのみで記録された黒インク記録領
域と隣接しており、PCBk領域における黒インク記録
領域側の領域で、反応性カラーインク4の打ち込み量
を、黒インク記録領域との距離が小さくなるにしたがっ
て減少させる。これにより、黒インク記録領域のPCB
k領域側にあるインクがPCBk領域側に引き込まれる
ことが抑制される。
滲みを防止するために黒画像領域におけるカラー画像領
域との隣接領域で黒インクと反応性カラーインクとを重
ね合わせる際に、黒インクのみで記録される黒インク記
録領域での白もやの発生を防止する。 【解決手段】 黒画像領域におけるカラーインク記録領
域1と隣接している領域は、黒インクと相互反応性を示
す反応性カラーインク4を黒インクと重ね合わせるPC
Bk(Process Color Bk)領域となっている。そのPC
Bk領域は、黒インクのみで記録された黒インク記録領
域と隣接しており、PCBk領域における黒インク記録
領域側の領域で、反応性カラーインク4の打ち込み量
を、黒インク記録領域との距離が小さくなるにしたがっ
て減少させる。これにより、黒インク記録領域のPCB
k領域側にあるインクがPCBk領域側に引き込まれる
ことが抑制される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドからイ
ンクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法に
おいて、カラー画像を鮮明かつ高濃度に記録するカラー
インクジェット記録方法に関し、詳しくは、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、あるいはグリ
ーン(G)、レッド(R)、ブルー(B)等のカラーイ
ンクと、黒(Bk)インクとを用いたカラーインクジェ
ット記録方法に関するものである。
ンクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法に
おいて、カラー画像を鮮明かつ高濃度に記録するカラー
インクジェット記録方法に関し、詳しくは、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、あるいはグリ
ーン(G)、レッド(R)、ブルー(B)等のカラーイ
ンクと、黒(Bk)インクとを用いたカラーインクジェ
ット記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクを微
小な液滴として吐出口から吐出し、文字、図形などの記
録を行う手段として、騒音が少ないこと、ランニングコ
ストが低いこと、装置が小型化しやすいこと、およびカ
ラー化が容易であることなどの利点があり、それはプリ
ンタ、複写機、ファクシミリなどに利用されている。
小な液滴として吐出口から吐出し、文字、図形などの記
録を行う手段として、騒音が少ないこと、ランニングコ
ストが低いこと、装置が小型化しやすいこと、およびカ
ラー化が容易であることなどの利点があり、それはプリ
ンタ、複写機、ファクシミリなどに利用されている。
【0003】従来のカラーインクジェット記録方法によ
ってインクの滲みのない高発色のカラー画像を得るため
にはインク吸収層を有する専用紙(コート紙)を使用す
る必要があったが、近年はインクの改良によりプリンタ
や複写機などで大量に使用されている市販の上〜中質紙
および一般のPPC用紙などの「普通紙」への印字適性
を持たせた方法も実用化されている。しかしながら、
「普通紙」にカラー画像の記録をした場合に最も大きな
課題となっているのは、使用するインクの各色の間のイ
ンクの滲み防止と、黒色記録の品位、特に黒文字記録の
品位とを両立させることである。
ってインクの滲みのない高発色のカラー画像を得るため
にはインク吸収層を有する専用紙(コート紙)を使用す
る必要があったが、近年はインクの改良によりプリンタ
や複写機などで大量に使用されている市販の上〜中質紙
および一般のPPC用紙などの「普通紙」への印字適性
を持たせた方法も実用化されている。しかしながら、
「普通紙」にカラー画像の記録をした場合に最も大きな
課題となっているのは、使用するインクの各色の間のイ
ンクの滲み防止と、黒色記録の品位、特に黒文字記録の
品位とを両立させることである。
【0004】近年、インクジェット記録方法で滲みを防
止したカラー画像を普通紙上に得るために、普通紙に対
して浸透速度が速い速乾性のインクが開発されてきた。
一般に、カラーインクジェット記録方法は、シアン、マ
ゼンタ、イエローの3色のインクを使用し、また、さら
には、黒を加えた4色のインクを使用してカラー画像を
記録する。前記のような浸透性の良いインクを用いた場
合、記録された画像は各色間のインクの滲みのない高品
位なものとなるが、全体に濃度が低く、また、各色の記
録画像領域の周りは、紙の繊維にそって微少にインクが
滲んで(フェザリング)シャープさに欠ける。
止したカラー画像を普通紙上に得るために、普通紙に対
して浸透速度が速い速乾性のインクが開発されてきた。
一般に、カラーインクジェット記録方法は、シアン、マ
ゼンタ、イエローの3色のインクを使用し、また、さら
には、黒を加えた4色のインクを使用してカラー画像を
記録する。前記のような浸透性の良いインクを用いた場
合、記録された画像は各色間のインクの滲みのない高品
位なものとなるが、全体に濃度が低く、また、各色の記
録画像領域の周りは、紙の繊維にそって微少にインクが
滲んで(フェザリング)シャープさに欠ける。
【0005】フェザリングは、カラー画像領域では比較
的目立ちにくいが、黒画像領域では目立ちやすく記録品
位の劣化となる。特に、黒画像が文字の場合には、シャ
ープさが欠けた不鮮明な文字となり、その品位は貧弱な
ものになってしまう。
的目立ちにくいが、黒画像領域では目立ちやすく記録品
位の劣化となる。特に、黒画像が文字の場合には、シャ
ープさが欠けた不鮮明な文字となり、その品位は貧弱な
ものになってしまう。
【0006】そこで、フェザリングが少なくかつ濃度が
高い高品位な黒色記録を得るために、黒画像に用いる黒
インクは普通紙への浸透速度が比較的遅いタイプのイン
クを使用する必要がある。
高い高品位な黒色記録を得るために、黒画像に用いる黒
インクは普通紙への浸透速度が比較的遅いタイプのイン
クを使用する必要がある。
【0007】そこで、カラーインクとしては、紙に対し
て浸透速度が速いものを用い、一方、黒画像を形成する
黒インクとしては浸透速度の遅いインクを用いたインク
ジェット記録装置および記録方法が提案されている。し
かしながら、このように浸透速度の速いインクと浸透速
度の遅いインクを用いた場合、黒色とカラー各色の記録
画像領域の隣接境界部において、異色間のインクの滲み
が発生し、これが画像品位を著しく低下させる。
て浸透速度が速いものを用い、一方、黒画像を形成する
黒インクとしては浸透速度の遅いインクを用いたインク
ジェット記録装置および記録方法が提案されている。し
かしながら、このように浸透速度の速いインクと浸透速
度の遅いインクを用いた場合、黒色とカラー各色の記録
画像領域の隣接境界部において、異色間のインクの滲み
が発生し、これが画像品位を著しく低下させる。
【0008】このように、黒やカラー各色間のインクの
滲みを防止することと、特に黒色のフェザリングを減少
させることは両立し難く、これを両立させてカラー記録
品位を向上させることが、カラー記録の課題となってい
た。
滲みを防止することと、特に黒色のフェザリングを減少
させることは両立し難く、これを両立させてカラー記録
品位を向上させることが、カラー記録の課題となってい
た。
【0009】特開平3−146355号公報では、黒と
カラーの境界域に沿った領域は記録しない方法が提案さ
れている。しかし、この方法では、記録されるデータが
変化してしまう欠点がある。
カラーの境界域に沿った領域は記録しない方法が提案さ
れている。しかし、この方法では、記録されるデータが
変化してしまう欠点がある。
【0010】さらに、境界滲みの防止策として、黒とカ
ラーの境界域に沿った黒領域ではカラーインクを黒イン
クに重ね打ちして黒色の画像を形成することにより、黒
とカラーとの境界域での滲みを防止する方法が考えられ
ている。このようにカラーインクを用いて形成される黒
を、本明細書ではProcess Color Bk(以下PCBkと略
す)と称する。
ラーの境界域に沿った黒領域ではカラーインクを黒イン
クに重ね打ちして黒色の画像を形成することにより、黒
とカラーとの境界域での滲みを防止する方法が考えられ
ている。このようにカラーインクを用いて形成される黒
を、本明細書ではProcess Color Bk(以下PCBkと略
す)と称する。
【0011】カラーとの境界部の黒領域をPCBkに置
換する方法において、全ての黒データをY,M,CのP
CBkデータに置換するのが最も簡易な方法である。
Y,M,Cだけで構成されたPCBkは、浸透性の良い
インクで構成されているためカラーとの境界部での不当
な滲み出しは無いが、このPCBkは実際にはBkイン
クとは色相という面でかなり異なり境界部分で縁取られ
たようになってしまう。そこで色味を調整するためにB
kインクをある程度混在させることで色相のずれを少な
くすることも行われる。
換する方法において、全ての黒データをY,M,CのP
CBkデータに置換するのが最も簡易な方法である。
Y,M,Cだけで構成されたPCBkは、浸透性の良い
インクで構成されているためカラーとの境界部での不当
な滲み出しは無いが、このPCBkは実際にはBkイン
クとは色相という面でかなり異なり境界部分で縁取られ
たようになってしまう。そこで色味を調整するためにB
kインクをある程度混在させることで色相のずれを少な
くすることも行われる。
【0012】特開平7−310037号公報には、黒画
像領域におけるカラー画像領域との境界部において画像
劣化の要因であった「白もや」をなくすことを可能にす
るカラーインクジェット記録方法が記載されている。図
9は、黒画像領域におけるカラー画像領域との境界部に
おいて白もやが発生する原理について説明するための図
である。浸透性の遅いインクと浸透性の速いインクを用
いた場合、浸透性の遅いインクと浸透性の速いインクが
隣接すると新たな問題として、図9に示されるようにそ
の隣接境界部で白くぼけた感じの画像(本明細書ではこ
れを「白もや」と称する)が発生してしまい、これが画
像品位に対してかなり影響を及ぼすことになる。
像領域におけるカラー画像領域との境界部において画像
劣化の要因であった「白もや」をなくすことを可能にす
るカラーインクジェット記録方法が記載されている。図
9は、黒画像領域におけるカラー画像領域との境界部に
おいて白もやが発生する原理について説明するための図
である。浸透性の遅いインクと浸透性の速いインクを用
いた場合、浸透性の遅いインクと浸透性の速いインクが
隣接すると新たな問題として、図9に示されるようにそ
の隣接境界部で白くぼけた感じの画像(本明細書ではこ
れを「白もや」と称する)が発生してしまい、これが画
像品位に対してかなり影響を及ぼすことになる。
【0013】この「白もや」は次のようなメカニズムで
発生していると考えられ、その発生原理について図10
を参照しながら説明する。
発生していると考えられ、その発生原理について図10
を参照しながら説明する。
【0014】浸透性の良いインクは紙に対して濡れにく
いという性質を持ち、一般的に表面張力が高い。浸透性
の低いインクは紙に対して濡れ易いという性質を持ち、
一般的に界面活性剤などを添加し、紙に対して濡れ性を
改善した表面張力の低いものが使用される。このように
界面活性剤を添加して濡れ性を良くしたインクで記録し
た領域と、界面活性剤の入っていないインクで記録され
た領域が図10(a)に示すように隣接すると、界面活
性剤によってその隣接界面での界面張力が弱まり、しか
も界面活性剤の入っていないインクは表面張力が高いた
めに内部凝集力が働き球状になろうとするためにインク
の移動が起き、図10(b)に示すように界面活性剤の
入っていないインクで記録された領域にも界面活性剤が
広がっていき、このまま定着すると結果として図10
(c)に示すように染料の少ない領域が生じて白っぽく
なってしまうものと考えられる。
いという性質を持ち、一般的に表面張力が高い。浸透性
の低いインクは紙に対して濡れ易いという性質を持ち、
一般的に界面活性剤などを添加し、紙に対して濡れ性を
改善した表面張力の低いものが使用される。このように
界面活性剤を添加して濡れ性を良くしたインクで記録し
た領域と、界面活性剤の入っていないインクで記録され
た領域が図10(a)に示すように隣接すると、界面活
性剤によってその隣接界面での界面張力が弱まり、しか
も界面活性剤の入っていないインクは表面張力が高いた
めに内部凝集力が働き球状になろうとするためにインク
の移動が起き、図10(b)に示すように界面活性剤の
入っていないインクで記録された領域にも界面活性剤が
広がっていき、このまま定着すると結果として図10
(c)に示すように染料の少ない領域が生じて白っぽく
なってしまうものと考えられる。
【0015】この特開平7−310037号公報に記載
の記録方法では、黒画像領域におけるカラー画像領域と
の境界部における「白もや」をなくすために、インクの
表面張力が40dyn/cm以下で、普通紙に対する黒
インクの滲み率が2.5以下、カラーインクの滲み率が
2.5以上3.5以下であるインクを使用している。こ
こで、インクの滲み率とは、記録紙上で形成されるドッ
トの直径を、吐出したインク滴の直径で割った値であ
る。具体的には、ボンド紙(プロバーボンド紙)にイン
ク滴を吐出してドットを形成し、得られた記録紙上のド
ットをCCDカメラで取り込んで画像処理を行うことに
より、ドットの面積を計算し、それを真円に換算してそ
の真円の直径を、記録紙上で形成されるドットの直径A
とする。一方、吐出したインク滴の直径Bは、インクの
液滴を球体と見なして、その液滴量と球体直径との関係
(液滴量=4/3・π・(B/2)3 )から計算して求
め、これらの値から滲み率(A/B)を求めている。
の記録方法では、黒画像領域におけるカラー画像領域と
の境界部における「白もや」をなくすために、インクの
表面張力が40dyn/cm以下で、普通紙に対する黒
インクの滲み率が2.5以下、カラーインクの滲み率が
2.5以上3.5以下であるインクを使用している。こ
こで、インクの滲み率とは、記録紙上で形成されるドッ
トの直径を、吐出したインク滴の直径で割った値であ
る。具体的には、ボンド紙(プロバーボンド紙)にイン
ク滴を吐出してドットを形成し、得られた記録紙上のド
ットをCCDカメラで取り込んで画像処理を行うことに
より、ドットの面積を計算し、それを真円に換算してそ
の真円の直径を、記録紙上で形成されるドットの直径A
とする。一方、吐出したインク滴の直径Bは、インクの
液滴を球体と見なして、その液滴量と球体直径との関係
(液滴量=4/3・π・(B/2)3 )から計算して求
め、これらの値から滲み率(A/B)を求めている。
【0016】また、特許第3005165号および特許
第3005166号のそれぞれの明細書には、異種イン
ク、例えばカラーインクと黒インクの近接状況に拘ら
ず、混色が少なくシャープな黒画像を得るための記録方
法が記載されている。特許第3005165号の記録方
法では、境界部分で接触している黒インク、カラーイン
クの割合に応じてPCBkの成分(各色の打ち込み比
率)を制御している。特許第3005166号の記録方
法では、黒領域とカラー領域の隣接状態を、検出領域の
広さを変えた検出条件で複数の範囲で検出し、その検出
結果に応じてPCBkの成分(各色の打ち込み比率)を
制御している。
第3005166号のそれぞれの明細書には、異種イン
ク、例えばカラーインクと黒インクの近接状況に拘ら
ず、混色が少なくシャープな黒画像を得るための記録方
法が記載されている。特許第3005165号の記録方
法では、境界部分で接触している黒インク、カラーイン
クの割合に応じてPCBkの成分(各色の打ち込み比
率)を制御している。特許第3005166号の記録方
法では、黒領域とカラー領域の隣接状態を、検出領域の
広さを変えた検出条件で複数の範囲で検出し、その検出
結果に応じてPCBkの成分(各色の打ち込み比率)を
制御している。
【0017】さらに、特許第3049683号明細書に
も、黒やカラー各色間でインクの滲みをなくすためのカ
ラーインクジェット記録方法が記載されている。その記
録方法では、所定領域内でのカラーインクのドット数
(頻度)に応じてPCBkの成分(各色の打ち込み比
率)を制御している。
も、黒やカラー各色間でインクの滲みをなくすためのカ
ラーインクジェット記録方法が記載されている。その記
録方法では、所定領域内でのカラーインクのドット数
(頻度)に応じてPCBkの成分(各色の打ち込み比
率)を制御している。
【0018】このように、従来のカラーインクジェット
記録方法においてはカラーインクと黒インクの境界部で
は黒領域をPCBkの成分を使用している。これにより
カラーインクと黒インクとの滲み(ブリード)が抑制さ
れてる。また、上記の特許第3049683号明細書に
記載の記録方法のようにカラーインクのDutyに応じてP
CBkの成分を制御することにより、黒インクとPCB
kでの色調の違いや黒文字の太りを抑制している。さら
には、黒の画像領域内においてPCBkを段階的に変化
させることにより、黒インクとPCBkでの色調の違い
を抑制している。
記録方法においてはカラーインクと黒インクの境界部で
は黒領域をPCBkの成分を使用している。これにより
カラーインクと黒インクとの滲み(ブリード)が抑制さ
れてる。また、上記の特許第3049683号明細書に
記載の記録方法のようにカラーインクのDutyに応じてP
CBkの成分を制御することにより、黒インクとPCB
kでの色調の違いや黒文字の太りを抑制している。さら
には、黒の画像領域内においてPCBkを段階的に変化
させることにより、黒インクとPCBkでの色調の違い
を抑制している。
【0019】さらに、特開平6−106841号公報、
特開平11−334101号公報、特開平11−343
441号公報、米国特許第5428383号、米国特許
第5488402号、および米国特許第5976230
号のそれぞれには、黒インクで記録された画像と、カラ
ーインクで記録された画像との境界部に生じた滲み(ブ
リード)や、黒色の画像領域内におけるカラーインクと
の境界部に発生した白い不均一な画像乱れ(白もや)を
抑制するために、黒インクと相互反応性を示す少なくと
も1つの反応性カラーインクを用いる記録方法が記載さ
れている。これらの文献には、特に、黒インクによる画
像領域と、黒インクと非反応性を示すカラーインクによ
る画像領域との境界での滲みを防止するため、黒インク
画像領域に前記反応性カラーインクの記録を行う記録方
法(アンダープリンティング方法)が開示されている。
黒インクと相互反応性を示す反応性カラーインクとして
は、具体的には、カラーインク内に、多価金属陽イオン
からなる少なくとも1つの多価金属塩からなる沈澱剤が
添加されたものが用いられている。これにより、被記録
媒体上で黒インクと反応性カラーインクが重ね合わされ
た際に黒インクが反応性カラーインクと反応することで
黒インクの凝集が促進し、被記録媒体上で黒インクが固
定化される。よって、黒色の画像領域におけるカラーイ
ンクの画像領域と隣接する領域で、黒インクと反応性カ
ラーインクを重ね合わせることにより、黒インクで記録
された画像と、カラーインクで記録された画像との境界
部でのブリードの発生や、黒色の画像領域内におけるカ
ラーインクとの境界部での白もやの発生が抑制される。
特開平11−334101号公報、特開平11−343
441号公報、米国特許第5428383号、米国特許
第5488402号、および米国特許第5976230
号のそれぞれには、黒インクで記録された画像と、カラ
ーインクで記録された画像との境界部に生じた滲み(ブ
リード)や、黒色の画像領域内におけるカラーインクと
の境界部に発生した白い不均一な画像乱れ(白もや)を
抑制するために、黒インクと相互反応性を示す少なくと
も1つの反応性カラーインクを用いる記録方法が記載さ
れている。これらの文献には、特に、黒インクによる画
像領域と、黒インクと非反応性を示すカラーインクによ
る画像領域との境界での滲みを防止するため、黒インク
画像領域に前記反応性カラーインクの記録を行う記録方
法(アンダープリンティング方法)が開示されている。
黒インクと相互反応性を示す反応性カラーインクとして
は、具体的には、カラーインク内に、多価金属陽イオン
からなる少なくとも1つの多価金属塩からなる沈澱剤が
添加されたものが用いられている。これにより、被記録
媒体上で黒インクと反応性カラーインクが重ね合わされ
た際に黒インクが反応性カラーインクと反応することで
黒インクの凝集が促進し、被記録媒体上で黒インクが固
定化される。よって、黒色の画像領域におけるカラーイ
ンクの画像領域と隣接する領域で、黒インクと反応性カ
ラーインクを重ね合わせることにより、黒インクで記録
された画像と、カラーインクで記録された画像との境界
部でのブリードの発生や、黒色の画像領域内におけるカ
ラーインクとの境界部での白もやの発生が抑制される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように黒色の画像領域におけるカラーインク画像領域と
隣接した領域で黒インクと反応性インクを重ね合わせる
ことによって、黒画像領域とカラーインク画像領域との
境界部でのブリードや、黒画像領域におけるカラーイン
ク画像領域と隣接した領域での白もやを抑制することが
できるが、黒インクと反応カラーインクを重ね合わせた
領域が、黒インクのみで記録された黒インク記録領域と
隣接していると、その黒インク記録領域で、白くぼけた
感じの不均一な画像乱れ(白もや)が発生することがあ
るという問題点がある。これは、黒インクと反応性カラ
ーインクとの重ね合わせ領域でのインクの浸透性が黒イ
ンクのみの浸透性よりも高くなったことにより、黒イン
クのみの黒インク記録領域における重ね合わせ領域と隣
接した領域のインクがその重ね合わせ領域に引き込まれ
ることで発生すると考えられる。
ように黒色の画像領域におけるカラーインク画像領域と
隣接した領域で黒インクと反応性インクを重ね合わせる
ことによって、黒画像領域とカラーインク画像領域との
境界部でのブリードや、黒画像領域におけるカラーイン
ク画像領域と隣接した領域での白もやを抑制することが
できるが、黒インクと反応カラーインクを重ね合わせた
領域が、黒インクのみで記録された黒インク記録領域と
隣接していると、その黒インク記録領域で、白くぼけた
感じの不均一な画像乱れ(白もや)が発生することがあ
るという問題点がある。これは、黒インクと反応性カラ
ーインクとの重ね合わせ領域でのインクの浸透性が黒イ
ンクのみの浸透性よりも高くなったことにより、黒イン
クのみの黒インク記録領域における重ね合わせ領域と隣
接した領域のインクがその重ね合わせ領域に引き込まれ
ることで発生すると考えられる。
【0021】図11は、黒インクと反応性カラーインク
との重ね合わせ領域に隣接している黒インク記録領域で
の白もやの発生について説明するための図である。図1
1(a)は、被記録媒体上でのカラー画像領域、PCB
k領域および黒インク領域の配置を模式的に示す図であ
り、図11(b)は、図11(a)に示される領域での
被記録媒体の断面図である。
との重ね合わせ領域に隣接している黒インク記録領域で
の白もやの発生について説明するための図である。図1
1(a)は、被記録媒体上でのカラー画像領域、PCB
k領域および黒インク領域の配置を模式的に示す図であ
り、図11(b)は、図11(a)に示される領域での
被記録媒体の断面図である。
【0022】図11(a)に示されるように、カラーイ
ンクを用いてカラー画像が記録されるカラー画像領域4
1と、黒インクのみの画像が記録される黒インク記録領
域45との間には、黒インク記録領域45とカラーイン
ク記録領域との間の境界部でのインクの滲みを抑制する
ために、PCBk領域43が設けられている。PCBk
領域43では、黒インクと相互反応性を示す反応性カラ
ーインクが黒インクと重ね合わされている。PCBk領
域43で黒インクと反応性カラーインクが反応すること
で黒インクの凝集が促進され、カラー画像領域41とP
CBk領域43の境界部でのインクの滲みが抑制されて
いる。
ンクを用いてカラー画像が記録されるカラー画像領域4
1と、黒インクのみの画像が記録される黒インク記録領
域45との間には、黒インク記録領域45とカラーイン
ク記録領域との間の境界部でのインクの滲みを抑制する
ために、PCBk領域43が設けられている。PCBk
領域43では、黒インクと相互反応性を示す反応性カラ
ーインクが黒インクと重ね合わされている。PCBk領
域43で黒インクと反応性カラーインクが反応すること
で黒インクの凝集が促進され、カラー画像領域41とP
CBk領域43の境界部でのインクの滲みが抑制されて
いる。
【0023】このような場合には、図11(b)に示さ
れるようにカラー画像領域41およびPCBk領域43
のそれぞれのインクが、カラーインクが打ち込まれてこ
とにより被記録媒体内に浸透している。よって、カラー
画像領域41およびPCBk領域43のそれぞれのイン
クが、黒インク記録領域45のインクよりも被記録媒体
内に深く浸透しており、被記録媒体の表層では、カラー
画像領域41およびPCBk領域43のそれぞれに対応
する部分が浸透領域46となっている。
れるようにカラー画像領域41およびPCBk領域43
のそれぞれのインクが、カラーインクが打ち込まれてこ
とにより被記録媒体内に浸透している。よって、カラー
画像領域41およびPCBk領域43のそれぞれのイン
クが、黒インク記録領域45のインクよりも被記録媒体
内に深く浸透しており、被記録媒体の表層では、カラー
画像領域41およびPCBk領域43のそれぞれに対応
する部分が浸透領域46となっている。
【0024】浸透領域46内では、インクを構成する
水、溶剤、界面活性剤などが被記録媒体内に浸透してい
る。このようにPCBk領域43のインクは、カラーイ
ンクが打ち込まれていることで黒インクよりも浸透性が
高くなっており、これにより、黒インク記録領域45の
黒インクは、浸透性の高い部分、すなわち浸透領域46
側へと、図11(b)の矢印A方向に被記録媒体内に浸
透しやすくなる。ここで、黒インク記録領域45のPC
Bk領域43側の部分にある黒インクが浸透領域46側
に浸透すると、黒インク記録領域45のその部分の黒イ
ンクが抜けてしまい、図11(a)に示されるように黒
インク記録領域45に白もやが発生する。すなわち、黒
インク記録領域45のPCBk領域43側の領域が、白
もやが発生する白もや発生領域45aとなってしまう。
その結果、黒画像領域で画像の乱れが生じ、被記録媒体
上の記録画像の品位が低下してしまうという問題点が発
生してしまう。
水、溶剤、界面活性剤などが被記録媒体内に浸透してい
る。このようにPCBk領域43のインクは、カラーイ
ンクが打ち込まれていることで黒インクよりも浸透性が
高くなっており、これにより、黒インク記録領域45の
黒インクは、浸透性の高い部分、すなわち浸透領域46
側へと、図11(b)の矢印A方向に被記録媒体内に浸
透しやすくなる。ここで、黒インク記録領域45のPC
Bk領域43側の部分にある黒インクが浸透領域46側
に浸透すると、黒インク記録領域45のその部分の黒イ
ンクが抜けてしまい、図11(a)に示されるように黒
インク記録領域45に白もやが発生する。すなわち、黒
インク記録領域45のPCBk領域43側の領域が、白
もやが発生する白もや発生領域45aとなってしまう。
その結果、黒画像領域で画像の乱れが生じ、被記録媒体
上の記録画像の品位が低下してしまうという問題点が発
生してしまう。
【0025】図12は、PCBk領域におけるカラーイ
ンクの打ち込み量を変化させた場合の、黒インクのみで
記録された黒インク記録領域に対するPCBk領域の影
響の変化や、ブリードの変化について説明するための図
である。PCBk領域におけるカラーインクの割合、す
なわちPCBk領域のインクの構成を変化させた場合の
白もやの発生や、ブリードの発生を実験により調べるた
めに、図12(a)に示される記録画像を、被記録媒体
である普通紙(NSK、NDK)上に記録した。図12
(a)に示される記録画像では、矩形の画像パターンが
所定のピッチで7つ、一列に並べられている。それぞれ
の画像パターンでは、中央部の矩形の領域がカラー画像
領域51であり、その周囲に、黒インクにカラーインク
を重ね合わせる領域として、外側の形状が矩形のPCB
k領域53が設けられている。カラー画像領域51がP
CBk領域53によって取り囲まれており、カラー画像
領域51の縁全体がPCBk領域53と隣接している。
そして、PCBk領域53の周囲に、黒インクのみで記
録された、外側の形状が矩形の黒インク記録領域55が
設けられている。PCBk領域53が黒インク記録領域
55によって取り囲まれており、PCBk領域53の縁
全体が黒インク記録領域55と隣接している。
ンクの打ち込み量を変化させた場合の、黒インクのみで
記録された黒インク記録領域に対するPCBk領域の影
響の変化や、ブリードの変化について説明するための図
である。PCBk領域におけるカラーインクの割合、す
なわちPCBk領域のインクの構成を変化させた場合の
白もやの発生や、ブリードの発生を実験により調べるた
めに、図12(a)に示される記録画像を、被記録媒体
である普通紙(NSK、NDK)上に記録した。図12
(a)に示される記録画像では、矩形の画像パターンが
所定のピッチで7つ、一列に並べられている。それぞれ
の画像パターンでは、中央部の矩形の領域がカラー画像
領域51であり、その周囲に、黒インクにカラーインク
を重ね合わせる領域として、外側の形状が矩形のPCB
k領域53が設けられている。カラー画像領域51がP
CBk領域53によって取り囲まれており、カラー画像
領域51の縁全体がPCBk領域53と隣接している。
そして、PCBk領域53の周囲に、黒インクのみで記
録された、外側の形状が矩形の黒インク記録領域55が
設けられている。PCBk領域53が黒インク記録領域
55によって取り囲まれており、PCBk領域53の縁
全体が黒インク記録領域55と隣接している。
【0026】図12(b)は、図12(a)に示される
7つの画像パターンのそれぞれのPCBk領域53にお
けるカラーインクの打ち込み量を示す図である。図12
(b)に示される横軸の数字1〜7は、図12(a)に
示される7つの画像パターンうち左から何番目に配置さ
れたものであるかを示している。図12(b)に示すよ
うに、図12(a)で一番左側に配置されている画像パ
ターンのPCBk領域53ではカラーインクの打ち込み
量が最も少なく、右側の画像パターンのPCBk領域5
3ほどカラーインクの打ち込み量が多くなっている。
7つの画像パターンのそれぞれのPCBk領域53にお
けるカラーインクの打ち込み量を示す図である。図12
(b)に示される横軸の数字1〜7は、図12(a)に
示される7つの画像パターンうち左から何番目に配置さ
れたものであるかを示している。図12(b)に示すよ
うに、図12(a)で一番左側に配置されている画像パ
ターンのPCBk領域53ではカラーインクの打ち込み
量が最も少なく、右側の画像パターンのPCBk領域5
3ほどカラーインクの打ち込み量が多くなっている。
【0027】図13は、図12に示したPCBk領域5
3におけるインクの構成について説明するための図であ
る。図13(a)〜図13(d)のそれぞれは、PCB
k領域53の一部を構成している縦4列、横4列(4×
4)のドットマトリスクでの各インクのドットパターン
の一例を示す図である。図13(a)がイエローインク
のドットパターンを示す図、図13(b)がマゼンタイ
ンクのドットパターンを示す図、図13(c)がシアン
インクのドットパターンを示す図、図13(d)が黒イ
ンクのドットパターンを示す図である。
3におけるインクの構成について説明するための図であ
る。図13(a)〜図13(d)のそれぞれは、PCB
k領域53の一部を構成している縦4列、横4列(4×
4)のドットマトリスクでの各インクのドットパターン
の一例を示す図である。図13(a)がイエローインク
のドットパターンを示す図、図13(b)がマゼンタイ
ンクのドットパターンを示す図、図13(c)がシアン
インクのドットパターンを示す図、図13(d)が黒イ
ンクのドットパターンを示す図である。
【0028】例えば、図13(a)に示されるように4
×4のドットマトリスクに対して、互いに離れた位置に
イエローインク31の2つのドットを打ち込み、同様の
ドットマトリスクに対して、図13(b)に示されるよ
うに互いに離れた位置にマゼンタインク32の4つのド
ットを打ち込む。そして、同様のドットマトリスクに対
して、図13(c)に示されるように縦方向および横方
向で互いに隣り合わない位置にシアンインク33の8つ
のドットを打ち込み、さらに、同様のドットマトリスク
に対して、図13(d)に示されるように全ての領域に
黒インク34のドットを打ち込む。このように図13
(a)〜図13(d)に示される各色のインクのドット
パターンを重ね合わせることにより、PCBk領域53
の黒色が構成される。実際には、図12(a)に示され
るそれぞれの画像パターンにおいて、PCBk領域53
のカラーインクの打ち込み量を、図12(b)に基づい
て説明した関係に対応して変化させた。
×4のドットマトリスクに対して、互いに離れた位置に
イエローインク31の2つのドットを打ち込み、同様の
ドットマトリスクに対して、図13(b)に示されるよ
うに互いに離れた位置にマゼンタインク32の4つのド
ットを打ち込む。そして、同様のドットマトリスクに対
して、図13(c)に示されるように縦方向および横方
向で互いに隣り合わない位置にシアンインク33の8つ
のドットを打ち込み、さらに、同様のドットマトリスク
に対して、図13(d)に示されるように全ての領域に
黒インク34のドットを打ち込む。このように図13
(a)〜図13(d)に示される各色のインクのドット
パターンを重ね合わせることにより、PCBk領域53
の黒色が構成される。実際には、図12(a)に示され
るそれぞれの画像パターンにおいて、PCBk領域53
のカラーインクの打ち込み量を、図12(b)に基づい
て説明した関係に対応して変化させた。
【0029】図14は、図12に示したカラー画像領域
51におけるインクの構成を示す図であり、図15は、
図12に示した黒インク記録領域55におけるインクの
構成を示す図である。図14に示すようにカラー画像領
域51では、ドットパターンの全ての領域にマゼンタイ
ンク62を打ち込んでマゼンタ色のカラー画像を形成し
た。図15に示すように、黒インク記録領域55では、
ドットパターンの全ての領域に黒インク64のみを打ち
込んで黒の画像を形成した。
51におけるインクの構成を示す図であり、図15は、
図12に示した黒インク記録領域55におけるインクの
構成を示す図である。図14に示すようにカラー画像領
域51では、ドットパターンの全ての領域にマゼンタイ
ンク62を打ち込んでマゼンタ色のカラー画像を形成し
た。図15に示すように、黒インク記録領域55では、
ドットパターンの全ての領域に黒インク64のみを打ち
込んで黒の画像を形成した。
【0030】この場合、図12(a)に示されるよう
に、左側から1番目および2番目の画像パターンでは黒
インク記録領域55で白もやが発生しないが、左側から
3番目、4番目、5番目、6番目、7番目のそれぞれの
画像パターンでは、黒インク記録領域55におけるPC
Bk領域53との隣接領域で白もや57が発生してい
る。この白もや57が発生する領域は、右側の画像パタ
ーンほど大きくなっている。
に、左側から1番目および2番目の画像パターンでは黒
インク記録領域55で白もやが発生しないが、左側から
3番目、4番目、5番目、6番目、7番目のそれぞれの
画像パターンでは、黒インク記録領域55におけるPC
Bk領域53との隣接領域で白もや57が発生してい
る。この白もや57が発生する領域は、右側の画像パタ
ーンほど大きくなっている。
【0031】また、図12(a)において左から1番
目、2番目、3番目、4番目、5番目のそれぞれの画像
パターンでは、カラー画像領域51とPCBk領域53
との境界部でブリード(滲み)56が発生しているが、
左から6番目および7番目の画像パターンでは、カラー
画像領域51とPCBk領域53との境界部でブリード
56が発生しなかった。この白もや56が発生する領域
は、左側の画像パターンほど大きくなっている。したが
って、図12(a)に示した7つの画像パターンのそれ
ぞれでは、白もやとブリードの少なくともいずれか一方
が発生している。
目、2番目、3番目、4番目、5番目のそれぞれの画像
パターンでは、カラー画像領域51とPCBk領域53
との境界部でブリード(滲み)56が発生しているが、
左から6番目および7番目の画像パターンでは、カラー
画像領域51とPCBk領域53との境界部でブリード
56が発生しなかった。この白もや56が発生する領域
は、左側の画像パターンほど大きくなっている。したが
って、図12(a)に示した7つの画像パターンのそれ
ぞれでは、白もやとブリードの少なくともいずれか一方
が発生している。
【0032】このような実験として、カラー画像領域5
1と黒インク記録領域55との間に、カラーインクの打
ち込み量が均一なPCBk領域53を設けるだけでは、
黒インク記録領域55の白もやと、カラー画像領域51
とPCBk領域53との境界部でのブリードの両方を抑
制できないことが分かった。また、PCBk領域53の
構成は、16×16の256ドット(0〜255)中に
おけるそれぞれの色の割合として、Black(黒)=255/25
5であり、カラーインクではCyan(シアン)=8/255、Mag
enta(マゼンタ)=4/255、Yellow(イエロー)=2/255以
下であれば、PCBk領域の周囲の黒インク記録領域で
白もやが発生しないことが確認できた。
1と黒インク記録領域55との間に、カラーインクの打
ち込み量が均一なPCBk領域53を設けるだけでは、
黒インク記録領域55の白もやと、カラー画像領域51
とPCBk領域53との境界部でのブリードの両方を抑
制できないことが分かった。また、PCBk領域53の
構成は、16×16の256ドット(0〜255)中に
おけるそれぞれの色の割合として、Black(黒)=255/25
5であり、カラーインクではCyan(シアン)=8/255、Mag
enta(マゼンタ)=4/255、Yellow(イエロー)=2/255以
下であれば、PCBk領域の周囲の黒インク記録領域で
白もやが発生しないことが確認できた。
【0033】本発明の目的は、カラー画像領域と黒画像
領域との境界部での滲みや、黒画像領域におけるカラー
画像領域と隣接している領域における白もやを抑制する
ために、黒画像領域におけるカラー画像領域との隣接領
域で黒インクと反応性カラーインクとを重ね合わせた際
に、黒インクと反応性カラーインクとを重ね合わせた領
域が、黒インクのみで記録された黒インク記録領域と隣
接していることによる黒インク記録領域での白もやの発
生を抑制することが可能なカラーインクジェット記録方
法を提供することにある。
領域との境界部での滲みや、黒画像領域におけるカラー
画像領域と隣接している領域における白もやを抑制する
ために、黒画像領域におけるカラー画像領域との隣接領
域で黒インクと反応性カラーインクとを重ね合わせた際
に、黒インクと反応性カラーインクとを重ね合わせた領
域が、黒インクのみで記録された黒インク記録領域と隣
接していることによる黒インク記録領域での白もやの発
生を抑制することが可能なカラーインクジェット記録方
法を提供することにある。
【0034】また、本発明の他の目的は、上記のような
カラーインクジェット記録方法を実現するために、黒イ
ンクと反応性カラーインクとを重ね合わせる領域におけ
る反応性カラーインクの割合を決定することが可能な、
カラーインクの割合の決定方法を提供することにある。
カラーインクジェット記録方法を実現するために、黒イ
ンクと反応性カラーインクとを重ね合わせる領域におけ
る反応性カラーインクの割合を決定することが可能な、
カラーインクの割合の決定方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、カラーインクと、該カラーインクとは被
記録媒体への浸透性の異なる黒インクとを用い、記録デ
ータに応じて被記録媒体に所望のカラー画像を記録する
際に、前記被記録媒体上で、前記カラーインクを用いて
記録されるカラーインク記録領域と、前記黒インクのみ
で記録される黒インク記録領域との境界部における滲み
を防止するために、前記被記録媒体上で黒色の画像を構
成する黒画像領域における少なくとも前記カラーインク
記録領域に隣接する領域で、前記黒インクと相互反応性
を示す少なくとも1つの反応性カラーインクを前記黒イ
ンクと重ね合わせるカラーインクジェット記録方法にお
いて、前記被記録媒体上で前記黒インクと前記反応性カ
ラーインクとが重ね合わされる領域のうち、前記黒イン
クのみで記録される前記黒インク記録領域と接している
領域における少なくとも前記黒インク記録領域側の部分
で、前記黒インクに対する前記反応性カラーインクの割
合を、前記黒インク記録領域との距離に対応して、前記
カラーインク記録領域側から前記黒インク記録領域側に
向かう方向で減少させる。
に、本発明は、カラーインクと、該カラーインクとは被
記録媒体への浸透性の異なる黒インクとを用い、記録デ
ータに応じて被記録媒体に所望のカラー画像を記録する
際に、前記被記録媒体上で、前記カラーインクを用いて
記録されるカラーインク記録領域と、前記黒インクのみ
で記録される黒インク記録領域との境界部における滲み
を防止するために、前記被記録媒体上で黒色の画像を構
成する黒画像領域における少なくとも前記カラーインク
記録領域に隣接する領域で、前記黒インクと相互反応性
を示す少なくとも1つの反応性カラーインクを前記黒イ
ンクと重ね合わせるカラーインクジェット記録方法にお
いて、前記被記録媒体上で前記黒インクと前記反応性カ
ラーインクとが重ね合わされる領域のうち、前記黒イン
クのみで記録される前記黒インク記録領域と接している
領域における少なくとも前記黒インク記録領域側の部分
で、前記黒インクに対する前記反応性カラーインクの割
合を、前記黒インク記録領域との距離に対応して、前記
カラーインク記録領域側から前記黒インク記録領域側に
向かう方向で減少させる。
【0036】上記の発明では、被記録媒体上で黒インク
のみで記録される黒インク記録領域と、カラーインクを
用いて記録されるカラーインク記録領域との境界部にお
ける滲みを防止するために被記録媒体上で黒インクと反
応性カラーインクとが重ね合わされる領域のうち、黒イ
ンク記録領域と接している領域における少なくとも黒イ
ンク記録領域側の部分で、黒インクに対する反応性カラ
ーインクの割合を、黒インク記録領域との距離に対応し
て、カラーインク記録領域側から黒インク記録領域側に
向かう方向で減少させたことにより、カラーインクと黒
インクの浸透性の違いで黒インク記録領域の黒インクが
カラーインク記録領域側に引き込まれることが抑制され
る。これにより、黒インク記録領域での白もやの発生が
抑制され、その結果、黒画像の乱れが防止されて高品位
な黒画像の記録が可能となる。また、被記録媒体上で黒
色の画像を構成する黒画像領域における少なくともカラ
ーインク記録領域に隣接する領域で、黒インクと相互反
応性を示す少なくとも1つの反応性カラーインクが黒イ
ンクと重ね合わされているため、黒インクで記録された
画像と、カラーインクで記録された画像との境界部での
ブリードの発生が防止されている。さらに、黒画像領域
におけるカラーインク記録領域側の部分で黒インクと反
応性カラーインクが重ね合わされていることにより、そ
の部分での白もやの発生が抑制されている。その結果、
黒画像とカラー画像との境界部での画像の乱れが防止さ
れるとともに、高品位な黒画像の記録、および高品位な
カラー画像の記録の両立が実現される。
のみで記録される黒インク記録領域と、カラーインクを
用いて記録されるカラーインク記録領域との境界部にお
ける滲みを防止するために被記録媒体上で黒インクと反
応性カラーインクとが重ね合わされる領域のうち、黒イ
ンク記録領域と接している領域における少なくとも黒イ
ンク記録領域側の部分で、黒インクに対する反応性カラ
ーインクの割合を、黒インク記録領域との距離に対応し
て、カラーインク記録領域側から黒インク記録領域側に
向かう方向で減少させたことにより、カラーインクと黒
インクの浸透性の違いで黒インク記録領域の黒インクが
カラーインク記録領域側に引き込まれることが抑制され
る。これにより、黒インク記録領域での白もやの発生が
抑制され、その結果、黒画像の乱れが防止されて高品位
な黒画像の記録が可能となる。また、被記録媒体上で黒
色の画像を構成する黒画像領域における少なくともカラ
ーインク記録領域に隣接する領域で、黒インクと相互反
応性を示す少なくとも1つの反応性カラーインクが黒イ
ンクと重ね合わされているため、黒インクで記録された
画像と、カラーインクで記録された画像との境界部での
ブリードの発生が防止されている。さらに、黒画像領域
におけるカラーインク記録領域側の部分で黒インクと反
応性カラーインクが重ね合わされていることにより、そ
の部分での白もやの発生が抑制されている。その結果、
黒画像とカラー画像との境界部での画像の乱れが防止さ
れるとともに、高品位な黒画像の記録、および高品位な
カラー画像の記録の両立が実現される。
【0037】また、本発明は、カラーインクと、該カラ
ーインクとは被記録媒体への浸透性の異なる黒インクと
を用い、記録データに応じて被記録媒体に所望のカラー
画像を記録する際に、前記被記録媒体上で、前記カラー
インクを用いて記録されるカラーインク記録領域と、前
記黒インクのみで記録される黒インク記録領域との境界
部における滲みを防止するために、前記被記録媒体上で
黒色の画像を構成する黒画像領域における少なくとも前
記カラーインク記録領域に隣接する領域で、前記黒イン
クと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カラーイ
ンクを前記黒インクと重ね合わせるカラーインクジェッ
ト記録方法において、前記被記録媒体上で前記黒インク
と前記反応性カラーインクとが重ね合わされる領域内
で、前記カラーインク記録領域と接する領域における前
記反応性カラーインクの割合を、前記黒インク記録領域
と接する領域における前記反応性カラーインクの割合よ
りも相対的に大きくする。
ーインクとは被記録媒体への浸透性の異なる黒インクと
を用い、記録データに応じて被記録媒体に所望のカラー
画像を記録する際に、前記被記録媒体上で、前記カラー
インクを用いて記録されるカラーインク記録領域と、前
記黒インクのみで記録される黒インク記録領域との境界
部における滲みを防止するために、前記被記録媒体上で
黒色の画像を構成する黒画像領域における少なくとも前
記カラーインク記録領域に隣接する領域で、前記黒イン
クと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カラーイ
ンクを前記黒インクと重ね合わせるカラーインクジェッ
ト記録方法において、前記被記録媒体上で前記黒インク
と前記反応性カラーインクとが重ね合わされる領域内
で、前記カラーインク記録領域と接する領域における前
記反応性カラーインクの割合を、前記黒インク記録領域
と接する領域における前記反応性カラーインクの割合よ
りも相対的に大きくする。
【0038】上記の発明では、被記録媒体上で黒インク
のみで記録される黒インク記録領域と、カラーインクを
用いて記録されるカラーインク記録領域との境界部にお
ける滲みを防止するために被記録媒体上で黒インクと反
応性カラーインクとが重ね合わされる領域内で、カラー
インク記録領域と接する領域における反応性カラーイン
クの割合を、黒インク記録領域と接する領域における反
応性カラーインクの割合よりも相対的に大きくしたこと
により、カラーインクと黒インクの浸透性の違いで黒イ
ンク記録領域の黒インクがカラーインク記録領域側に引
き込まれることが抑制される。これにより、黒インク記
録領域での白もやの発生が抑制され、その結果、黒画像
の乱れが防止されて高品位な黒画像の記録が可能とな
る。また、被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像
領域における少なくともカラーインク記録領域に隣接す
る領域で、黒インクと相互反応性を示す少なくとも1つ
の反応性カラーインクが黒インクと重ね合わされている
ため、黒インクで記録された画像と、カラーインクで記
録された画像との境界部でのブリードの発生が防止され
ている。さらに、黒画像領域におけるカラーインク記録
領域側の部分で黒インクと反応性カラーインクが重ね合
わされていることにより、その部分での白もやの発生が
抑制されている。その結果、黒画像とカラー画像との境
界部での画像の乱れが防止されるとともに、高品位な黒
画像の記録、および高品位なカラー画像の記録の両立が
実現される。
のみで記録される黒インク記録領域と、カラーインクを
用いて記録されるカラーインク記録領域との境界部にお
ける滲みを防止するために被記録媒体上で黒インクと反
応性カラーインクとが重ね合わされる領域内で、カラー
インク記録領域と接する領域における反応性カラーイン
クの割合を、黒インク記録領域と接する領域における反
応性カラーインクの割合よりも相対的に大きくしたこと
により、カラーインクと黒インクの浸透性の違いで黒イ
ンク記録領域の黒インクがカラーインク記録領域側に引
き込まれることが抑制される。これにより、黒インク記
録領域での白もやの発生が抑制され、その結果、黒画像
の乱れが防止されて高品位な黒画像の記録が可能とな
る。また、被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像
領域における少なくともカラーインク記録領域に隣接す
る領域で、黒インクと相互反応性を示す少なくとも1つ
の反応性カラーインクが黒インクと重ね合わされている
ため、黒インクで記録された画像と、カラーインクで記
録された画像との境界部でのブリードの発生が防止され
ている。さらに、黒画像領域におけるカラーインク記録
領域側の部分で黒インクと反応性カラーインクが重ね合
わされていることにより、その部分での白もやの発生が
抑制されている。その結果、黒画像とカラー画像との境
界部での画像の乱れが防止されるとともに、高品位な黒
画像の記録、および高品位なカラー画像の記録の両立が
実現される。
【0039】また、前記被記録媒体上で前記黒インクと
前記反応性カラーインクとが重ね合わされる領域内で、
前記反応性カラーインクの割合を連続的あるいは段階的
に変化させることが好ましい。
前記反応性カラーインクとが重ね合わされる領域内で、
前記反応性カラーインクの割合を連続的あるいは段階的
に変化させることが好ましい。
【0040】さらに、本発明は、カラーインクと、該カ
ラーインクとは被記録媒体への浸透性の異なる黒インク
とを用い、記録データに応じて被記録媒体に所望のカラ
ー画像を記録する際に、前記被記録媒体上で、前記カラ
ーインクを用いて記録されるカラーインク記録領域と、
前記黒インクのみで記録される黒インク記録領域との境
界部における滲みを防止するために、前記被記録媒体上
で黒色の画像を構成する黒画像領域における少なくとも
前記カラーインク記録領域に隣接する領域で、前記黒イ
ンクと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カラー
インクを前記黒インクと重ね合わせるカラーインクジェ
ット記録方法において、前記黒画像領域における前記カ
ラーインク記録領域に隣接している第1の領域で前記黒
インクと前記反応性カラーインクを重ね合わせ、かつ、
前記黒画像領域における前記第1の領域と前記黒インク
記録領域との間に挟まれている第2の領域で、前記黒イ
ンクに対する前記反応性カラーインクの割合を前記第1
の領域よりも小さくして前記黒インクと前記反応性カラ
ーインクを重ね合わせる。
ラーインクとは被記録媒体への浸透性の異なる黒インク
とを用い、記録データに応じて被記録媒体に所望のカラ
ー画像を記録する際に、前記被記録媒体上で、前記カラ
ーインクを用いて記録されるカラーインク記録領域と、
前記黒インクのみで記録される黒インク記録領域との境
界部における滲みを防止するために、前記被記録媒体上
で黒色の画像を構成する黒画像領域における少なくとも
前記カラーインク記録領域に隣接する領域で、前記黒イ
ンクと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カラー
インクを前記黒インクと重ね合わせるカラーインクジェ
ット記録方法において、前記黒画像領域における前記カ
ラーインク記録領域に隣接している第1の領域で前記黒
インクと前記反応性カラーインクを重ね合わせ、かつ、
前記黒画像領域における前記第1の領域と前記黒インク
記録領域との間に挟まれている第2の領域で、前記黒イ
ンクに対する前記反応性カラーインクの割合を前記第1
の領域よりも小さくして前記黒インクと前記反応性カラ
ーインクを重ね合わせる。
【0041】上記の発明では、被記録媒体上でカラーイ
ンクを用いて記録されるカラーインク記録領域と、黒イ
ンクのみで記録される黒インク記録領域との境界部にお
ける滲みを防止するために黒画像領域における前記カラ
ーインク記録領域に隣接している第1の領域で黒インク
と反応性カラーインクを重ね合わせ、かつ、前記黒画像
領域における第1の領域と黒インク記録領域との間に挟
まれている第2の領域で、黒インクに対する反応性カラ
ーインクの割合を第1の領域よりも小さくして黒インク
と反応性カラーインクを重ね合わせたことにより、カラ
ーインク記録領域と黒インク記録領域との間でインクの
浸透性が段階的に変化している。これにより、黒画像領
域における第1および第2の領域や黒インク記録領域で
の白もやの発生が抑制され、その結果、黒画像の乱れが
防止されて高品位な黒画像の記録が可能となる。また、
被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像領域におけ
る少なくともカラーインク記録領域に隣接する領域で、
黒インクと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カ
ラーインクが黒インクと重ね合わされているため、黒イ
ンクで記録された画像と、カラーインクで記録された画
像との境界部でのブリードの発生が防止されている。そ
の結果、黒画像とカラー画像との境界部での画像の乱れ
が防止されるとともに、高品位な黒画像の記録、および
高品位なカラー画像の記録の両立が実現される。
ンクを用いて記録されるカラーインク記録領域と、黒イ
ンクのみで記録される黒インク記録領域との境界部にお
ける滲みを防止するために黒画像領域における前記カラ
ーインク記録領域に隣接している第1の領域で黒インク
と反応性カラーインクを重ね合わせ、かつ、前記黒画像
領域における第1の領域と黒インク記録領域との間に挟
まれている第2の領域で、黒インクに対する反応性カラ
ーインクの割合を第1の領域よりも小さくして黒インク
と反応性カラーインクを重ね合わせたことにより、カラ
ーインク記録領域と黒インク記録領域との間でインクの
浸透性が段階的に変化している。これにより、黒画像領
域における第1および第2の領域や黒インク記録領域で
の白もやの発生が抑制され、その結果、黒画像の乱れが
防止されて高品位な黒画像の記録が可能となる。また、
被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像領域におけ
る少なくともカラーインク記録領域に隣接する領域で、
黒インクと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カ
ラーインクが黒インクと重ね合わされているため、黒イ
ンクで記録された画像と、カラーインクで記録された画
像との境界部でのブリードの発生が防止されている。そ
の結果、黒画像とカラー画像との境界部での画像の乱れ
が防止されるとともに、高品位な黒画像の記録、および
高品位なカラー画像の記録の両立が実現される。
【0042】さらに、本発明は、カラーインクと、該カ
ラーインクとは被記録媒体への浸透性の異なる黒インク
とを用い、記録データに応じて被記録媒体に所望のカラ
ー画像を記録するカラーインクジェット記録方法で、被
記録媒体上で、前記カラーインクを用いて記録されるカ
ラーインク記録領域と、前記黒インクのみで記録される
黒インク記録領域との境界部における滲みを防止するた
めに、前記被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像
領域における少なくとも前記カラーインク記録領域に隣
接する領域で、前記黒インクと相互反応性を示す少なく
とも1つの反応性カラーインクを前記黒インクと重ね合
わせる際に、前記被記録媒体における前記黒インクと前
記反応性カラーインクとの重ね合わせ領域での前記反応
性カラーインクの割合を決定する、カラーインクの割合
の決定方法であって、前記重ね合わせ領域における前記
反応性カラーインクの割合を変化させて被記録媒体に記
録画像を記録する段階と、記録された前記記録画像のう
ち、前記黒インクのみで記録された黒インク記録領域に
おける少なくとも前記重ね合わせ領域との隣接領域の画
像状態を判定する段階と、前記判定結果に基づいて前記
重ね合わせ領域における前記反応性カラーインクの割合
の分布を決定する段階とを有する。
ラーインクとは被記録媒体への浸透性の異なる黒インク
とを用い、記録データに応じて被記録媒体に所望のカラ
ー画像を記録するカラーインクジェット記録方法で、被
記録媒体上で、前記カラーインクを用いて記録されるカ
ラーインク記録領域と、前記黒インクのみで記録される
黒インク記録領域との境界部における滲みを防止するた
めに、前記被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像
領域における少なくとも前記カラーインク記録領域に隣
接する領域で、前記黒インクと相互反応性を示す少なく
とも1つの反応性カラーインクを前記黒インクと重ね合
わせる際に、前記被記録媒体における前記黒インクと前
記反応性カラーインクとの重ね合わせ領域での前記反応
性カラーインクの割合を決定する、カラーインクの割合
の決定方法であって、前記重ね合わせ領域における前記
反応性カラーインクの割合を変化させて被記録媒体に記
録画像を記録する段階と、記録された前記記録画像のう
ち、前記黒インクのみで記録された黒インク記録領域に
おける少なくとも前記重ね合わせ領域との隣接領域の画
像状態を判定する段階と、前記判定結果に基づいて前記
重ね合わせ領域における前記反応性カラーインクの割合
の分布を決定する段階とを有する。
【0043】さらに、前記黒インク記録領域における前
記重ね合わせ領域との隣接領域の画像状態を判定する段
階では、該隣接領域における前記黒インクの濃度を視覚
的に判定し、前記重ね合わせ領域における前記反応性カ
ラーインクの割合の分布を決定する段階では、前記隣接
領域における前記黒インクの濃度が所定の濃度を超える
ような条件を、前記重ね合わせ領域内における前記黒イ
ンク記録領域との隣接領域に記録する画像データとする
ことが好ましい。
記重ね合わせ領域との隣接領域の画像状態を判定する段
階では、該隣接領域における前記黒インクの濃度を視覚
的に判定し、前記重ね合わせ領域における前記反応性カ
ラーインクの割合の分布を決定する段階では、前記隣接
領域における前記黒インクの濃度が所定の濃度を超える
ような条件を、前記重ね合わせ領域内における前記黒イ
ンク記録領域との隣接領域に記録する画像データとする
ことが好ましい。
【0044】上記の通りの発明では、被記録媒体におけ
る黒インクと反応性カラーインクとの重ね合わせ領域で
の反応性カラーインクの割合を変化させて被記録媒体に
記録画像を記録し、その記録画像のうち、黒インクのみ
で記録された黒インク記録領域における少なくとも前記
重ね合わせ領域との隣接領域の画像状態を判定してか
ら、その判定結果に基づいて前記重ね合わせ領域におけ
る反応性カラーインクの割合の分布を決定することによ
り、上述したように黒インク記録領域での白もやの発生
を抑制できる最適な記録条件を求めることが可能とな
る。よって、黒画像とカラー画像との境界部での画像の
乱れを防止でき、かつ、高品位な黒画像の記録、および
高品位なカラー画像の記録の両立を実現可能な最適な記
録条件を得ることができる。
る黒インクと反応性カラーインクとの重ね合わせ領域で
の反応性カラーインクの割合を変化させて被記録媒体に
記録画像を記録し、その記録画像のうち、黒インクのみ
で記録された黒インク記録領域における少なくとも前記
重ね合わせ領域との隣接領域の画像状態を判定してか
ら、その判定結果に基づいて前記重ね合わせ領域におけ
る反応性カラーインクの割合の分布を決定することによ
り、上述したように黒インク記録領域での白もやの発生
を抑制できる最適な記録条件を求めることが可能とな
る。よって、黒画像とカラー画像との境界部での画像の
乱れを防止でき、かつ、高品位な黒画像の記録、および
高品位なカラー画像の記録の両立を実現可能な最適な記
録条件を得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
て図面を参照して説明する。
【0046】(第1の実施の形態)図1は、本発明のカ
ラーインクジェット記録方法が実施もしくは適用される
インクジェット記録装置に好適なヘッドカートリッジを
示す斜視図および分解斜視図である。図2は、図1に示
される記録ヘッドの構成を示す分解斜視図、図3は、そ
の記録ヘッドの底面側を示す斜視図である。以下、これ
らの図面を参照して各構成要素の説明を行う。
ラーインクジェット記録方法が実施もしくは適用される
インクジェット記録装置に好適なヘッドカートリッジを
示す斜視図および分解斜視図である。図2は、図1に示
される記録ヘッドの構成を示す分解斜視図、図3は、そ
の記録ヘッドの底面側を示す斜視図である。以下、これ
らの図面を参照して各構成要素の説明を行う。
【0047】本実施形態のカラーインクジェット記録方
法が適用されるインクジェット記録装置には、図1に示
される記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)H10
01が搭載される。記録ヘッドH1001は、図1
(a)および図1(b)の斜視図でわかるように、記録
ヘッドカートリッジH1000を構成する一構成要素で
あり、記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッ
ドH1001と、記録ヘッドH1001に着脱自在に設
けられたインクタンクH1900(H1901,H19
02,H1903,H1904)とから構成されてい
る。記録ヘッドH1001は、インクタンクH1900
から供給されるインク(記録液)を、記録情報に応じて
吐出口から吐出する。
法が適用されるインクジェット記録装置には、図1に示
される記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)H10
01が搭載される。記録ヘッドH1001は、図1
(a)および図1(b)の斜視図でわかるように、記録
ヘッドカートリッジH1000を構成する一構成要素で
あり、記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッ
ドH1001と、記録ヘッドH1001に着脱自在に設
けられたインクタンクH1900(H1901,H19
02,H1903,H1904)とから構成されてい
る。記録ヘッドH1001は、インクタンクH1900
から供給されるインク(記録液)を、記録情報に応じて
吐出口から吐出する。
【0048】この記録ヘッドカートリッジH1000
は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャ
リッジ(不図示)の位置決め手段および電気的接点によ
って固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱
可能となっている。インクタンクH1901はブラック
(黒)のインク用、インクタンクH1902はシアンの
インク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク
用、インクタンクH1904はイエローのインク用であ
る。このようにインクタンクH1901,H1902,
H1903,H1904のそれぞれが記録ヘッドH10
01に対して着脱自在であり、それぞれのインクタンク
が交換可能となっていることにより、インクジェット記
録装置における印刷のランニングコストが低減される。
は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャ
リッジ(不図示)の位置決め手段および電気的接点によ
って固定支持されるとともに、キャリッジに対して着脱
可能となっている。インクタンクH1901はブラック
(黒)のインク用、インクタンクH1902はシアンの
インク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク
用、インクタンクH1904はイエローのインク用であ
る。このようにインクタンクH1901,H1902,
H1903,H1904のそれぞれが記録ヘッドH10
01に対して着脱自在であり、それぞれのインクタンク
が交換可能となっていることにより、インクジェット記
録装置における印刷のランニングコストが低減される。
【0049】記録ヘッドH1001は、電気信号に応じ
て膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギ
ーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を
行うバブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ
型の記録ヘッドである。
て膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギ
ーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を
行うバブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ
型の記録ヘッドである。
【0050】記録ヘッドH1001は、図2の分解斜視
図に示すように、記録素子ユニットH1002とインク
供給ユニットH1003とタンクホルダーH2000か
ら構成されている。この図2に示した通り、記録ヘッド
H1001は、記録素子ユニットH1002をビスH2
400によりインク供給ユニットH1003に結合し、
さらにタンクホルダーH2000と結合することにより
完成する。その完成図を図3に示している。記録素子ユ
ニットH1002をインク供給ユニットH1003に結
合する際には、記録素子ユニットH1002のインク連
通口とインク供給ユニットH1003のインク連通口と
を、インクがリークしないように連通させるため、ジョ
イントシール部材H2300を介してそれぞれの部材を
圧着するようビスH2400で固定する。
図に示すように、記録素子ユニットH1002とインク
供給ユニットH1003とタンクホルダーH2000か
ら構成されている。この図2に示した通り、記録ヘッド
H1001は、記録素子ユニットH1002をビスH2
400によりインク供給ユニットH1003に結合し、
さらにタンクホルダーH2000と結合することにより
完成する。その完成図を図3に示している。記録素子ユ
ニットH1002をインク供給ユニットH1003に結
合する際には、記録素子ユニットH1002のインク連
通口とインク供給ユニットH1003のインク連通口と
を、インクがリークしないように連通させるため、ジョ
イントシール部材H2300を介してそれぞれの部材を
圧着するようビスH2400で固定する。
【0051】そして記録素子ユニットH1002の電気
コンタクト基板H2200はインク供給ユニットH10
03の一側面に、インク供給ユニットH1003の端子
位置決めピン(2ヶ所)と電気コンタクト基板H220
0の端子位置決め穴(2ヶ所)により位置決めされ、固
定される。固定方法としては、例えば、インク供給ユニ
ットH1003に設けられた端子結合ピンをかしめるこ
とにより固定されるが、その他の固定手段を用いて固定
しても良い。さらにインク供給ユニットH1003のタ
ンクホルダーとの結合穴および結合部をタンクホルダー
H2000に嵌合させ結合することにより、記録ヘッド
H1001が完成する。
コンタクト基板H2200はインク供給ユニットH10
03の一側面に、インク供給ユニットH1003の端子
位置決めピン(2ヶ所)と電気コンタクト基板H220
0の端子位置決め穴(2ヶ所)により位置決めされ、固
定される。固定方法としては、例えば、インク供給ユニ
ットH1003に設けられた端子結合ピンをかしめるこ
とにより固定されるが、その他の固定手段を用いて固定
しても良い。さらにインク供給ユニットH1003のタ
ンクホルダーとの結合穴および結合部をタンクホルダー
H2000に嵌合させ結合することにより、記録ヘッド
H1001が完成する。
【0052】記録素子ユニットH1002には、図2お
よび図3に示すように、インクタンクH1901から供
給されたブラック(黒)インクを吐出する吐出口列H1
011、インクタンクH1902から供給されたシアン
インクを吐出する吐出口列H1012、インクタンクH
1903から供給されたマゼンタインクを吐出する吐出
口列H1013、およびインクタンクH1904から供
給されたイエローインクを吐出する吐出口列H1014
が設けられている。吐出口列H1011,H1012,
H1013,H1014は、互いに平行な状態でその順
番で並んでいる。
よび図3に示すように、インクタンクH1901から供
給されたブラック(黒)インクを吐出する吐出口列H1
011、インクタンクH1902から供給されたシアン
インクを吐出する吐出口列H1012、インクタンクH
1903から供給されたマゼンタインクを吐出する吐出
口列H1013、およびインクタンクH1904から供
給されたイエローインクを吐出する吐出口列H1014
が設けられている。吐出口列H1011,H1012,
H1013,H1014は、互いに平行な状態でその順
番で並んでいる。
【0053】前述の図1(a),(b)は、記録ヘッド
カートリッジH1000を構成する記録ヘッドH100
1とインクタンクH1901、H1902、H190
3、H1904の装着を説明する図であり、インクタン
クH1901、H1902、H1903、H1904の
内部には、上述したように対応する色のインクが収納さ
れている。それぞれのインクタンクには、インクタンク
内のインクを記録ヘッドH1001に供給するためのイ
ンク連通口が形成されている。例えばインクタンク19
01Hが記録ヘッドH1001に装着されると、インク
タンクH1901のインク連通口が記録ヘッドH100
1のジョイント部に設けられたフィルターと圧接され、
インクタンクH1901内の黒インクがそのインク連通
口から記録ヘッドH1001のインク流路を介して吐出
口列H1011のそれぞれの吐出口に向けて供給され
る。
カートリッジH1000を構成する記録ヘッドH100
1とインクタンクH1901、H1902、H190
3、H1904の装着を説明する図であり、インクタン
クH1901、H1902、H1903、H1904の
内部には、上述したように対応する色のインクが収納さ
れている。それぞれのインクタンクには、インクタンク
内のインクを記録ヘッドH1001に供給するためのイ
ンク連通口が形成されている。例えばインクタンク19
01Hが記録ヘッドH1001に装着されると、インク
タンクH1901のインク連通口が記録ヘッドH100
1のジョイント部に設けられたフィルターと圧接され、
インクタンクH1901内の黒インクがそのインク連通
口から記録ヘッドH1001のインク流路を介して吐出
口列H1011のそれぞれの吐出口に向けて供給され
る。
【0054】そして、電気熱変換素子と吐出口のある発
泡室にインクが供給され、電気熱変換素子に与えられる
熱エネルギーによって被記録媒体である記録用紙に向け
てインクが吐出される。
泡室にインクが供給され、電気熱変換素子に与えられる
熱エネルギーによって被記録媒体である記録用紙に向け
てインクが吐出される。
【0055】インクタンクH1902〜H1904のそ
れぞれに収納されるシアン、マゼンタ、イエローのカラ
ーインクは、カラー画像を形成する際に色の境界でイン
クの滲みが生じないように、記録用紙への浸透速度の速
いものが用いられる。一方、インクタンクH1901に
収納されるブラックインクは、黒画像が高濃度でかつフ
ェザリングの少ない高品位なものとなるように、前記3
種類のカラーインクに比べ比較的記録用紙への浸透速度
が遅いものが用いられる。
れぞれに収納されるシアン、マゼンタ、イエローのカラ
ーインクは、カラー画像を形成する際に色の境界でイン
クの滲みが生じないように、記録用紙への浸透速度の速
いものが用いられる。一方、インクタンクH1901に
収納されるブラックインクは、黒画像が高濃度でかつフ
ェザリングの少ない高品位なものとなるように、前記3
種類のカラーインクに比べ比較的記録用紙への浸透速度
が遅いものが用いられる。
【0056】本実施形態のカラーインクジェット記録方
法では、イエロー、マゼンタ、シアンのカラーインクの
うち少なくとも1つのカラーインクとして、黒インクと
相互反応性を示す反応性カラーインクを用いる。具体的
には、黒インクの凝集を促進させるように反応性カラー
インクが黒インクと反応するように、反応性カラーイン
クとして、Mg2+等の金属イオンを添加したものを用い
た。カラーインクに金属イオンを添加する際には、多価
金属陽イオンからなる少なくとも1つの多価金属塩から
なる沈澱剤を添加すればよい。イエロー、マゼンタ、シ
アンの全てのカラーインクに金属イオンを添加して、そ
れらのカラーインクを全て反応性カラーインクにしても
よい。
法では、イエロー、マゼンタ、シアンのカラーインクの
うち少なくとも1つのカラーインクとして、黒インクと
相互反応性を示す反応性カラーインクを用いる。具体的
には、黒インクの凝集を促進させるように反応性カラー
インクが黒インクと反応するように、反応性カラーイン
クとして、Mg2+等の金属イオンを添加したものを用い
た。カラーインクに金属イオンを添加する際には、多価
金属陽イオンからなる少なくとも1つの多価金属塩から
なる沈澱剤を添加すればよい。イエロー、マゼンタ、シ
アンの全てのカラーインクに金属イオンを添加して、そ
れらのカラーインクを全て反応性カラーインクにしても
よい。
【0057】そして、被記録媒体上で黒色の画像を構成
する黒画像領域において、少なくともカラーインク記録
領域に隣接する領域では、その反応性カラーインクと黒
インクとを重ね合わせて、それらのインク同士を反応さ
せた。これにより、黒画像領域におけるカラーインク記
録領域との境界部で黒インクの凝集が促進され、被記録
媒体へのカラーインクと黒インクの浸透性の違いによる
被記録媒体上で黒画像領域とカラーインク記録領域の境
界部でのインク滲み(ブリード)が抑制される。このよ
うに、黒色の画像を構成する黒画像領域のうち黒インク
とカラーインクとを重ね合わせる領域を以下ではPCB
k(Process Color Bk)領域と称する。
する黒画像領域において、少なくともカラーインク記録
領域に隣接する領域では、その反応性カラーインクと黒
インクとを重ね合わせて、それらのインク同士を反応さ
せた。これにより、黒画像領域におけるカラーインク記
録領域との境界部で黒インクの凝集が促進され、被記録
媒体へのカラーインクと黒インクの浸透性の違いによる
被記録媒体上で黒画像領域とカラーインク記録領域の境
界部でのインク滲み(ブリード)が抑制される。このよ
うに、黒色の画像を構成する黒画像領域のうち黒インク
とカラーインクとを重ね合わせる領域を以下ではPCB
k(Process Color Bk)領域と称する。
【0058】このPCBk領域は、被記録媒体上での黒
画像とカラー画像との配置によって、黒インクのみで記
録された黒インク記録領域と隣接することもある。隣接
した際には、この黒インク記録領域におけるPCBk領
域と隣り合う部分で、白くぼけた感じの画像(本明細書
ではこれも「白もや」と称する)が発生することがあ
る。このように黒インク記録領域におけるPCBk領域
との隣接部分での「白もや」を抑制するために、本実施
形態のカラーインクジェット記録方法では後述するよう
に、PCBk領域における少なくとも黒インク記録領域
側の部分で、黒インクに対する反応性カラーインクの割
合を、PCBk領域のほぼ中央部から黒インク記録領域
に近づくにしたがって徐々に減少させている。あるい
は、従来では黒インクのみで記録されていた黒インク記
録領域内において、PCBk領域と隣り合っている領域
を、そのPCBk領域おける反応性カラーインクの割合
よりも小さい割合で黒インクに反応性カラーインクを重
ね合わせる新たなPCBk領域としている。
画像とカラー画像との配置によって、黒インクのみで記
録された黒インク記録領域と隣接することもある。隣接
した際には、この黒インク記録領域におけるPCBk領
域と隣り合う部分で、白くぼけた感じの画像(本明細書
ではこれも「白もや」と称する)が発生することがあ
る。このように黒インク記録領域におけるPCBk領域
との隣接部分での「白もや」を抑制するために、本実施
形態のカラーインクジェット記録方法では後述するよう
に、PCBk領域における少なくとも黒インク記録領域
側の部分で、黒インクに対する反応性カラーインクの割
合を、PCBk領域のほぼ中央部から黒インク記録領域
に近づくにしたがって徐々に減少させている。あるい
は、従来では黒インクのみで記録されていた黒インク記
録領域内において、PCBk領域と隣り合っている領域
を、そのPCBk領域おける反応性カラーインクの割合
よりも小さい割合で黒インクに反応性カラーインクを重
ね合わせる新たなPCBk領域としている。
【0059】図4は、本発明の第1の実施形態のカラー
インクジェット記録方法について説明するための平面図
である。図4(a)は、記録用紙上でカラーインク記録
領域に隣接しているPCBk領域と、そのPCBk領域
の近傍にある黒インク記録領域との境界領域における反
応性カラーインクの打ち込みパターンの一例を示す平面
図である。図4に示されるPCBk領域では、黒インク
に対する反応性カラーインクの打ち込み量を分かり安く
表現するために反応性カラーインクのドットが円形で模
式的に示されている。本実施形態では、画像記録用の被
記録媒体である記録用紙として、普通紙(NSK、ND
K)を用いた。
インクジェット記録方法について説明するための平面図
である。図4(a)は、記録用紙上でカラーインク記録
領域に隣接しているPCBk領域と、そのPCBk領域
の近傍にある黒インク記録領域との境界領域における反
応性カラーインクの打ち込みパターンの一例を示す平面
図である。図4に示されるPCBk領域では、黒インク
に対する反応性カラーインクの打ち込み量を分かり安く
表現するために反応性カラーインクのドットが円形で模
式的に示されている。本実施形態では、画像記録用の被
記録媒体である記録用紙として、普通紙(NSK、ND
K)を用いた。
【0060】図4(a)に示すように、カラーインクを
用いて記録用紙上に記録されたカラーインク記録領域1
には第1のPCBk(Process Color Bk)領域2aが隣
接している。この第1のPCBk領域2aには、第2の
PCBk領域2bが隣接している。この第1のPCBk
領域2aおよび第2のPCBk領域2bのそれぞれは、
黒インクとカラーインクを用いて形成された黒の画像領
域である。これら第1のPCBk領域2aおよび第2の
PCBk領域2bでは、図4には示されていないがそれ
らの領域ほぼ全体に黒インクが記録されている。その黒
インクと相互反応性を示す反応性カラーインク4が、第
1のPCBk領域2aおよび第2のPCBk領域2bの
それぞれで黒インクと重ね合わされている。反応性カラ
ーインク4としては、具体的には、カラーインク内に、
多価金属陽イオンからなる少なくとも1つの多価金属塩
からなる沈澱剤が添加されたものを用いる。
用いて記録用紙上に記録されたカラーインク記録領域1
には第1のPCBk(Process Color Bk)領域2aが隣
接している。この第1のPCBk領域2aには、第2の
PCBk領域2bが隣接している。この第1のPCBk
領域2aおよび第2のPCBk領域2bのそれぞれは、
黒インクとカラーインクを用いて形成された黒の画像領
域である。これら第1のPCBk領域2aおよび第2の
PCBk領域2bでは、図4には示されていないがそれ
らの領域ほぼ全体に黒インクが記録されている。その黒
インクと相互反応性を示す反応性カラーインク4が、第
1のPCBk領域2aおよび第2のPCBk領域2bの
それぞれで黒インクと重ね合わされている。反応性カラ
ーインク4としては、具体的には、カラーインク内に、
多価金属陽イオンからなる少なくとも1つの多価金属塩
からなる沈澱剤が添加されたものを用いる。
【0061】記録用紙上で黒インクと反応性カラーイン
ク4が重ね合わされた際に、黒インクが反応性カラーイ
ンク4と反応することで黒インクの凝集が促進し、記録
用紙上で黒インクが固定化される。これにより、黒イン
クで記録された画像と、カラーインクで記録された画像
との境界部でのブリードの発生、すなわち第1のPCB
k領域2aとカラーインク記録領域1との境界部でのブ
リードの発生が防止される。また、第1のPCBk領域
2aで黒インクと反応性カラーインク4とが重ね合わさ
れたことにより、黒色の画像領域内におけるカラーイン
クとの隣接部での白もや、すなわち第1のPCBk領域
2aにおけるカラーインク記録領域1側の部分での白も
やの発生が抑制される。これは、第1のPCBk領域2
aでの黒インクと反応性カラーインク4との重ね合わせ
により、第1のPCBk領域2aで重ね合わされたイン
クとカラーインク記録領域1との浸透性の違いの大きさ
が、カラーインクと黒インクとの浸透性の違いよりも小
さくなったためである。
ク4が重ね合わされた際に、黒インクが反応性カラーイ
ンク4と反応することで黒インクの凝集が促進し、記録
用紙上で黒インクが固定化される。これにより、黒イン
クで記録された画像と、カラーインクで記録された画像
との境界部でのブリードの発生、すなわち第1のPCB
k領域2aとカラーインク記録領域1との境界部でのブ
リードの発生が防止される。また、第1のPCBk領域
2aで黒インクと反応性カラーインク4とが重ね合わさ
れたことにより、黒色の画像領域内におけるカラーイン
クとの隣接部での白もや、すなわち第1のPCBk領域
2aにおけるカラーインク記録領域1側の部分での白も
やの発生が抑制される。これは、第1のPCBk領域2
aでの黒インクと反応性カラーインク4との重ね合わせ
により、第1のPCBk領域2aで重ね合わされたイン
クとカラーインク記録領域1との浸透性の違いの大きさ
が、カラーインクと黒インクとの浸透性の違いよりも小
さくなったためである。
【0062】そして、第2のPCBk領域2bには、黒
インクのみで記録された領域である黒インク記録領域3
aが隣接している。第2のPCBk領域2bは、黒イン
ク記録領域3aに対して比較的狭い領域であり、第1の
PCBk領域2aと黒インク記録領域3aとの間に第2
のPCBk領域2bが挟まれるように第2のPCBk領
域2bが設けられている。この第2のPCBk領域2b
では、黒インクに対する反応性カラーインク4の割合、
ここでは反応性カラーインク4自体の割合が、第1のP
CBk領域2aとの境界部から黒インク記録領域3aと
の境界部に近づくにしたがって徐々に減少している。し
たがって、記録用紙上で黒インクと反応性カラーインク
4とが重ね合わされる領域のうち、黒インク記録領域3
aと接している領域における黒インク記録領域3a側の
部分で、黒インクに対する反応性カラーインク4の割合
が、黒インク記録領域3aとの距離が小さくなるにした
がって徐々に減少している。
インクのみで記録された領域である黒インク記録領域3
aが隣接している。第2のPCBk領域2bは、黒イン
ク記録領域3aに対して比較的狭い領域であり、第1の
PCBk領域2aと黒インク記録領域3aとの間に第2
のPCBk領域2bが挟まれるように第2のPCBk領
域2bが設けられている。この第2のPCBk領域2b
では、黒インクに対する反応性カラーインク4の割合、
ここでは反応性カラーインク4自体の割合が、第1のP
CBk領域2aとの境界部から黒インク記録領域3aと
の境界部に近づくにしたがって徐々に減少している。し
たがって、記録用紙上で黒インクと反応性カラーインク
4とが重ね合わされる領域のうち、黒インク記録領域3
aと接している領域における黒インク記録領域3a側の
部分で、黒インクに対する反応性カラーインク4の割合
が、黒インク記録領域3aとの距離が小さくなるにした
がって徐々に減少している。
【0063】このような第2のPCBk領域2bが第1
のPCBk領域2aと黒インク記録領域3aとの間に設
けられたことにより、第1のPCBk領域2aと第2の
PCBk領域2bを含む全体のPCBk領域内で、カラ
ーインク記録領域1と接する領域における反応性カラー
インク4の割合が、黒インク記録領域3aと接する領域
における反応性カラーインク4の割合よりも相対的に大
きくなっている。これにより、黒インク記録領域3aに
おける第1のPCBk領域2a側の部分での白もやの発
生が抑制されている。これは、第1のPCBk領域2a
と黒インク記録領域3aとの境界部、すなわち第2のP
CBk領域2bにおいて、黒インクと反応性カラーイン
ク4とが重ね合わされたインクの浸透性が、反応性カラ
ーインク4の割合にしたがって徐々に変化していて、記
録用紙上でインクの浸透性が極端に大きく変化している
個所がないためである。これにより、黒インク記録領域
3aにおける第2のPCBk領域2b側の部分にある黒
インクが第2のPCBk領域2b側に引き込まれること
が抑制される。
のPCBk領域2aと黒インク記録領域3aとの間に設
けられたことにより、第1のPCBk領域2aと第2の
PCBk領域2bを含む全体のPCBk領域内で、カラ
ーインク記録領域1と接する領域における反応性カラー
インク4の割合が、黒インク記録領域3aと接する領域
における反応性カラーインク4の割合よりも相対的に大
きくなっている。これにより、黒インク記録領域3aに
おける第1のPCBk領域2a側の部分での白もやの発
生が抑制されている。これは、第1のPCBk領域2a
と黒インク記録領域3aとの境界部、すなわち第2のP
CBk領域2bにおいて、黒インクと反応性カラーイン
ク4とが重ね合わされたインクの浸透性が、反応性カラ
ーインク4の割合にしたがって徐々に変化していて、記
録用紙上でインクの浸透性が極端に大きく変化している
個所がないためである。これにより、黒インク記録領域
3aにおける第2のPCBk領域2b側の部分にある黒
インクが第2のPCBk領域2b側に引き込まれること
が抑制される。
【0064】よって、カラーインク記録領域1と第1の
PCBk領域2aの境界部でのブリードの発生、および
第1のPCBk領域2aでの白もやの発生が防止される
上に、さらに黒インク記録領域3aでの白もやの発生が
抑制される。その結果、黒画像とカラー画像との境界部
での画像の乱れが防止されるとともに、高品位な黒画像
の記録、および高品位なカラー画像の記録の両立を実現
することができる。
PCBk領域2aの境界部でのブリードの発生、および
第1のPCBk領域2aでの白もやの発生が防止される
上に、さらに黒インク記録領域3aでの白もやの発生が
抑制される。その結果、黒画像とカラー画像との境界部
での画像の乱れが防止されるとともに、高品位な黒画像
の記録、および高品位なカラー画像の記録の両立を実現
することができる。
【0065】図4(b)は、本実施形態のカラーインク
ジェット記録方法の変形例について説明するための平面
図である。図4(b)に示すように、カラーインク記録
領域1と隣接しているPCBk領域2cにおいて、黒イ
ンクに対する反応性カラーインク4の割合を変化させて
もよい。この変形例では、PCBk領域2cに、黒イン
クのみで黒画像が記録された黒インク記録領域3bが隣
接している。そして、PCBk領域2c内の反応性カラ
ーインク4の割合が、PCBk領域2cの中央部から黒
インク記録領域3bに近づくにしたがって徐々に減少し
ている。したがって、記録用紙上で黒インクと反応性カ
ラーインク4とが重ね合わされるPCBk領域2cのう
ち、黒インク記録領域3b側の部分で、黒インクに対す
る反応性カラーインク4の割合が、黒インク記録領域3
bとの距離が小さくなるにしたがって徐々に減少してい
る。これにより、黒インク記録領域3bにおけるPCB
k領域2c側の部分にある黒インクがPCBk領域2c
側に引き込まれることが抑制され、黒インク記録領域3
bにおけるPCBk領域2c側の部分での白もやの発生
が抑制されている。
ジェット記録方法の変形例について説明するための平面
図である。図4(b)に示すように、カラーインク記録
領域1と隣接しているPCBk領域2cにおいて、黒イ
ンクに対する反応性カラーインク4の割合を変化させて
もよい。この変形例では、PCBk領域2cに、黒イン
クのみで黒画像が記録された黒インク記録領域3bが隣
接している。そして、PCBk領域2c内の反応性カラ
ーインク4の割合が、PCBk領域2cの中央部から黒
インク記録領域3bに近づくにしたがって徐々に減少し
ている。したがって、記録用紙上で黒インクと反応性カ
ラーインク4とが重ね合わされるPCBk領域2cのう
ち、黒インク記録領域3b側の部分で、黒インクに対す
る反応性カラーインク4の割合が、黒インク記録領域3
bとの距離が小さくなるにしたがって徐々に減少してい
る。これにより、黒インク記録領域3bにおけるPCB
k領域2c側の部分にある黒インクがPCBk領域2c
側に引き込まれることが抑制され、黒インク記録領域3
bにおけるPCBk領域2c側の部分での白もやの発生
が抑制されている。
【0066】このように、黒画像領域のうちカラーイン
ク記録領域と隣接する領域を、黒インクに反応性カラー
インクを重ね合わせて記録するPCBk領域にするとと
もに、そのPCBk領域内では、黒インクのみの黒イン
ク記録領域と隣接する領域で反応性カラーインク4の割
合を徐々に減少させることにより、カラーインク記録領
域1とPCBk領域2cの境界部でのブリードの発生
や、PCBk領域2cおよび黒インク記録領域3bでの
白もやの発生が抑制される。その結果、上述したように
黒画像とカラー画像との境界部で画像の乱れが防止され
るとともに、高品位な黒画像の記録、および高品位なカ
ラー画像の記録の両立が実現される。
ク記録領域と隣接する領域を、黒インクに反応性カラー
インクを重ね合わせて記録するPCBk領域にするとと
もに、そのPCBk領域内では、黒インクのみの黒イン
ク記録領域と隣接する領域で反応性カラーインク4の割
合を徐々に減少させることにより、カラーインク記録領
域1とPCBk領域2cの境界部でのブリードの発生
や、PCBk領域2cおよび黒インク記録領域3bでの
白もやの発生が抑制される。その結果、上述したように
黒画像とカラー画像との境界部で画像の乱れが防止され
るとともに、高品位な黒画像の記録、および高品位なカ
ラー画像の記録の両立が実現される。
【0067】上述したように本実施形態のカラーインク
ジェット記録方法では、PCBk領域における反応性カ
ラーインク4の割合を、黒インクのみの黒インク記録領
域に近づくにしたがって徐々に減少させているが、その
反応性カラーインク4の割合の変化は、黒インク記録領
域におけるPCBk領域側の部分での白もやを抑制する
ことができれば、連続的な変化であっても、段階的な変
化(グラデーション)であってもよい。
ジェット記録方法では、PCBk領域における反応性カ
ラーインク4の割合を、黒インクのみの黒インク記録領
域に近づくにしたがって徐々に減少させているが、その
反応性カラーインク4の割合の変化は、黒インク記録領
域におけるPCBk領域側の部分での白もやを抑制する
ことができれば、連続的な変化であっても、段階的な変
化(グラデーション)であってもよい。
【0068】図5は、本実施形態のカラーインクジェッ
ト記録方法によるPCBk領域での反応性カラーインク
の割合の変化について説明するための図である。図5
(a)は、記録用紙上でのカラー画像領域に対するPC
Bk領域および黒インク記録領域の配置を模式的に示す
図である。図5(b)は、図5(a)に示したPCBk
領域におけるカラーインクの打ち込み量の変化の例を示
すグラフであり、図5(c)は、そのカラーインクの打
ち込み量を変化させる他の例を示すグラフである。
ト記録方法によるPCBk領域での反応性カラーインク
の割合の変化について説明するための図である。図5
(a)は、記録用紙上でのカラー画像領域に対するPC
Bk領域および黒インク記録領域の配置を模式的に示す
図である。図5(b)は、図5(a)に示したPCBk
領域におけるカラーインクの打ち込み量の変化の例を示
すグラフであり、図5(c)は、そのカラーインクの打
ち込み量を変化させる他の例を示すグラフである。
【0069】図5(a)に示されるように、記録用紙上
でカラー画像を構成するカラー画像領域11と、記録用
紙上で黒色の画像を構成する黒画像領域12とが隣接し
ている。黒画像領域12は、黒インクのみが画像が記録
される黒インク記録領域15と、黒画像領域12とカラ
ー画像領域11との間の境界部でのインクの滲みを抑制
するために黒インク記録領域15とカラー画像領域11
との間に設けられたPCBk領域43とから構成されて
いる。
でカラー画像を構成するカラー画像領域11と、記録用
紙上で黒色の画像を構成する黒画像領域12とが隣接し
ている。黒画像領域12は、黒インクのみが画像が記録
される黒インク記録領域15と、黒画像領域12とカラ
ー画像領域11との間の境界部でのインクの滲みを抑制
するために黒インク記録領域15とカラー画像領域11
との間に設けられたPCBk領域43とから構成されて
いる。
【0070】このようなPCBk領域13において、図
5(b)のグラフ内に示される実線のように、反応性カ
ラーインクの打ち込み量、すなわち反応性カラーインク
の割合を、カラー画像領域11側から黒インク記録領域
15側に向かって3段階で段階的に減少させてもよい。
あるいは、PCBk領域13における反応性カラーイン
クの打ち込み量を、図5(b)のグラフ内に示される一
点鎖線あるいは二点鎖線のようにカラー画像領域11側
から黒インク記録領域15側に向かって連続的に減少さ
せてもよい。したがって、PCBk領域13における反
応性カラーインクの割合が、黒インク記録領域15との
距離に対応して、カラー画像領域11側から黒インク記
録領域15側に向かう方向で減少していればよい。
5(b)のグラフ内に示される実線のように、反応性カ
ラーインクの打ち込み量、すなわち反応性カラーインク
の割合を、カラー画像領域11側から黒インク記録領域
15側に向かって3段階で段階的に減少させてもよい。
あるいは、PCBk領域13における反応性カラーイン
クの打ち込み量を、図5(b)のグラフ内に示される一
点鎖線あるいは二点鎖線のようにカラー画像領域11側
から黒インク記録領域15側に向かって連続的に減少さ
せてもよい。したがって、PCBk領域13における反
応性カラーインクの割合が、黒インク記録領域15との
距離に対応して、カラー画像領域11側から黒インク記
録領域15側に向かう方向で減少していればよい。
【0071】よって、PCBk領域13における反応性
カラーインクの割合の変化については、黒インク記録領
域15におけるPCBk領域13側の部分での白もやを
抑制することができ、かつ、PCBk領域13とカラー
画像領域11との境界部でのインクのブリードを抑制で
きれば、どのようなものであってもよい。そのような白
もやおよびブリードを抑制するためには、図5(a)に
示されるように、PCBk領域13内で、黒インク記録
領域と接する隣接領域13aにおける反応性カラーイン
クの割合を、カラー画像領域11と接する隣接領域13
bにおける反応性カラーインクの割合よりも相対的に大
きくすればよい。
カラーインクの割合の変化については、黒インク記録領
域15におけるPCBk領域13側の部分での白もやを
抑制することができ、かつ、PCBk領域13とカラー
画像領域11との境界部でのインクのブリードを抑制で
きれば、どのようなものであってもよい。そのような白
もやおよびブリードを抑制するためには、図5(a)に
示されるように、PCBk領域13内で、黒インク記録
領域と接する隣接領域13aにおける反応性カラーイン
クの割合を、カラー画像領域11と接する隣接領域13
bにおける反応性カラーインクの割合よりも相対的に大
きくすればよい。
【0072】したがって、PCBk領域13における隣
接領域13aと13bとの間の領域では、反応性カラー
インクの割合がどのように変化していてもよい。例え
ば、図5(c)に示されるように、PCBk領域13内
で、黒インク記録領域15と接する隣接領域13aにお
ける反応性カラーインクの割合を、カラー画像領域11
と接する隣接領域13bにおける反応性カラーインクの
割合よりも相対的に大きくし、PCBk領域13内にお
ける隣接領域13aと13bとの間の領域で、反応性カ
ラーインクの割合を局部的に急激に増加させたり、局部
的に急激に減少させたりしてもよい。
接領域13aと13bとの間の領域では、反応性カラー
インクの割合がどのように変化していてもよい。例え
ば、図5(c)に示されるように、PCBk領域13内
で、黒インク記録領域15と接する隣接領域13aにお
ける反応性カラーインクの割合を、カラー画像領域11
と接する隣接領域13bにおける反応性カラーインクの
割合よりも相対的に大きくし、PCBk領域13内にお
ける隣接領域13aと13bとの間の領域で、反応性カ
ラーインクの割合を局部的に急激に増加させたり、局部
的に急激に減少させたりしてもよい。
【0073】PCBk領域における反応性カラーインク
の割合を段階的に変化させる場合には、少なくとも1段
階(1ステップ)変化させればよい。したがってその場
合には、第2の実施形態において後述するようにカラー
インク記録領域と隣接している第1のPCBk領域と、
黒インクのみの黒インク記録領域との間に、第1のPC
Bk領域における反応性カラーインクの割合よりも小さ
い割合で反応性カラーインクを黒インクに重ね合わせた
第2のPCBk領域を設ければよい。これによっても、
黒インクのみの黒インク記録領域におけるPCBk領域
側の領域での白もやの発生を抑制することが可能とな
る。
の割合を段階的に変化させる場合には、少なくとも1段
階(1ステップ)変化させればよい。したがってその場
合には、第2の実施形態において後述するようにカラー
インク記録領域と隣接している第1のPCBk領域と、
黒インクのみの黒インク記録領域との間に、第1のPC
Bk領域における反応性カラーインクの割合よりも小さ
い割合で反応性カラーインクを黒インクに重ね合わせた
第2のPCBk領域を設ければよい。これによっても、
黒インクのみの黒インク記録領域におけるPCBk領域
側の領域での白もやの発生を抑制することが可能とな
る。
【0074】さらに、本発明のカラーインクジェット記
録方法を実現するために、PCBk領域における反応性
カラーインクの割合の分布、すなわちPCBk領域にお
ける反応性カラーインクの打ち込み量の分布を実験によ
り決定することができる。その際には、まず、PCBk
領域における反応性カラーインクの割合を変化させて記
録用紙に記録画像を記録する。次に、記録された記録画
像のうち、黒インクのみで記録された黒インク記録領域
における少なくともPCBk領域との隣接領域の画像状
態を判定する。次に、その判定結果に基づいてPCBk
領域における反応性カラーインクの割合の分布を決定す
ればよい。
録方法を実現するために、PCBk領域における反応性
カラーインクの割合の分布、すなわちPCBk領域にお
ける反応性カラーインクの打ち込み量の分布を実験によ
り決定することができる。その際には、まず、PCBk
領域における反応性カラーインクの割合を変化させて記
録用紙に記録画像を記録する。次に、記録された記録画
像のうち、黒インクのみで記録された黒インク記録領域
における少なくともPCBk領域との隣接領域の画像状
態を判定する。次に、その判定結果に基づいてPCBk
領域における反応性カラーインクの割合の分布を決定す
ればよい。
【0075】具体的には、黒インク記録領域におけるP
CBk領域との隣接領域の画像状態を判定する段階で、
その隣接領域における黒インクの濃度を視覚的に判定
し、次に、その隣接領域における黒インクの濃度が所定
の濃度を超えるような条件を、PCBk領域内における
黒インク記録領域との隣接領域に記録する画像データと
すればよい。
CBk領域との隣接領域の画像状態を判定する段階で、
その隣接領域における黒インクの濃度を視覚的に判定
し、次に、その隣接領域における黒インクの濃度が所定
の濃度を超えるような条件を、PCBk領域内における
黒インク記録領域との隣接領域に記録する画像データと
すればよい。
【0076】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
形態のカラーインクジェット記録方法では、カラーイン
ク記録領域と隣接している第1のPCBk領域と、黒イ
ンクのみで黒画像が記録された黒インク記録領域との間
に、第2のPCBk領域を設けたことにより、その黒イ
ンクのみの黒インク記録領域におけるPCBk領域側の
部分での白もやを抑制している。本実施形態でも、画像
記録用の被記録媒体である記録用紙として、普通紙(N
SK、NDK)を用いた。
形態のカラーインクジェット記録方法では、カラーイン
ク記録領域と隣接している第1のPCBk領域と、黒イ
ンクのみで黒画像が記録された黒インク記録領域との間
に、第2のPCBk領域を設けたことにより、その黒イ
ンクのみの黒インク記録領域におけるPCBk領域側の
部分での白もやを抑制している。本実施形態でも、画像
記録用の被記録媒体である記録用紙として、普通紙(N
SK、NDK)を用いた。
【0077】本実施形態のカラーインクジェット記録方
法では、カラーインク記録領域と黒画像領域とのブリー
ドを抑制するために、White(R,G,B=255,255,255)とBl
ack(R,G,B=0,0,0)以外の色が含まれるラスター(記録
用紙上で記録ヘッドの走査方向と平行な方向に延びる水
平線を構成しているドットの列)、およびその上下9ラ
スター(300dpi(dpi:25.4mmあたりのドット数))の
黒画像はPCBkで記録する。その上下9ラスターのP
CBkの画素領域が第1のPCBk領域である。第1の
PCBk領域におけるPCBkの構成は、16×16の
256ドット(0〜255)中におけるそれぞれの色の
割合として、Cyan(シアン)=48/255、Magenta(マゼン
タ)=24/255、Yellow(イエロー)=12/255、Black
(黒)=255/255とする。
法では、カラーインク記録領域と黒画像領域とのブリー
ドを抑制するために、White(R,G,B=255,255,255)とBl
ack(R,G,B=0,0,0)以外の色が含まれるラスター(記録
用紙上で記録ヘッドの走査方向と平行な方向に延びる水
平線を構成しているドットの列)、およびその上下9ラ
スター(300dpi(dpi:25.4mmあたりのドット数))の
黒画像はPCBkで記録する。その上下9ラスターのP
CBkの画素領域が第1のPCBk領域である。第1の
PCBk領域におけるPCBkの構成は、16×16の
256ドット(0〜255)中におけるそれぞれの色の
割合として、Cyan(シアン)=48/255、Magenta(マゼン
タ)=24/255、Yellow(イエロー)=12/255、Black
(黒)=255/255とする。
【0078】第1のPCBk領域では、上記の4つのカ
ラーインクのいずれか1つとして第1の実施形態と同様
に反応性カラーインクを用いる。これにより、第1のP
CBk領域のインクと黒インクとで濃度差が小さくな
る。さらに、反応性カラーインクの使用によりPCBk
領域でのカラーインクの打ち込み量が少なくなるため、
PCBkでも文字太り量が小さくなる。これら第1およ
び第2のPCBk領域以外の黒画像は黒インクのみで記
録するまた、黒インクのみの黒インク記録領域における
PCBk領域側の部分での白もやを抑制するために、そ
の黒インク記録領域と第1のPCBk領域との間に9ラ
スター(300dpi)分の第2のPCBk領域を設けた。第
2のPCBk領域におけるPCBkの構成は、16×1
6の256ドット(0〜255)中におけるそれぞれの
色の割合として、Cyan=8/255、Magenta=4/255、Yellow=
2/255、Black(黒)=255/255とする。
ラーインクのいずれか1つとして第1の実施形態と同様
に反応性カラーインクを用いる。これにより、第1のP
CBk領域のインクと黒インクとで濃度差が小さくな
る。さらに、反応性カラーインクの使用によりPCBk
領域でのカラーインクの打ち込み量が少なくなるため、
PCBkでも文字太り量が小さくなる。これら第1およ
び第2のPCBk領域以外の黒画像は黒インクのみで記
録するまた、黒インクのみの黒インク記録領域における
PCBk領域側の部分での白もやを抑制するために、そ
の黒インク記録領域と第1のPCBk領域との間に9ラ
スター(300dpi)分の第2のPCBk領域を設けた。第
2のPCBk領域におけるPCBkの構成は、16×1
6の256ドット(0〜255)中におけるそれぞれの
色の割合として、Cyan=8/255、Magenta=4/255、Yellow=
2/255、Black(黒)=255/255とする。
【0079】このように第2のPCBk領域における各
色のカラーインクの打ち込み量を第1のPCBk領域よ
りも小さくすることにより、黒インクとPCBkとで濃
度差が小さくなり、黒インク記録領域における第2のP
CBk領域側の部分での白もやが抑制される。
色のカラーインクの打ち込み量を第1のPCBk領域よ
りも小さくすることにより、黒インクとPCBkとで濃
度差が小さくなり、黒インク記録領域における第2のP
CBk領域側の部分での白もやが抑制される。
【0080】図6は、本実施形態のカラーインクジェッ
ト記録方法でのインクの使用について説明するための図
である。図6(a)は、記録用紙上での第1および第2
のPCBk領域の配置を模式的に示す図であり、図6
(b)は、図6(a)に示される黒画像領域でのカラー
インクの打ち込み量の分布を示す図である。
ト記録方法でのインクの使用について説明するための図
である。図6(a)は、記録用紙上での第1および第2
のPCBk領域の配置を模式的に示す図であり、図6
(b)は、図6(a)に示される黒画像領域でのカラー
インクの打ち込み量の分布を示す図である。
【0081】図6(a)に示されるようにカラー画像領
域21と黒画像領域22とが隣接しており、黒画像領域
22におけるカラー画像領域21側の領域が、カラー画
像領域21側から順に第1のPCBk領域23、第2の
PCBk領域24となっている。そして、第2のPCB
k領域24に黒インク記録領域25が隣接している。黒
インク記録領域25は、黒インクのみで黒画像が形成さ
れる領域である。よって、黒インク記録領域25とカラ
ー画像領域との間に、第1のPCBk領域23および第
2のPCBk領域24が設けられている。
域21と黒画像領域22とが隣接しており、黒画像領域
22におけるカラー画像領域21側の領域が、カラー画
像領域21側から順に第1のPCBk領域23、第2の
PCBk領域24となっている。そして、第2のPCB
k領域24に黒インク記録領域25が隣接している。黒
インク記録領域25は、黒インクのみで黒画像が形成さ
れる領域である。よって、黒インク記録領域25とカラ
ー画像領域との間に、第1のPCBk領域23および第
2のPCBk領域24が設けられている。
【0082】図6(b)に示されるように第2のPCB
k領域24におけるカラーインクの打ち込み量は第1の
PCBk領域23におけるカラーインクの打ち込み量よ
りも小さくなっている。すなわち、第1のPCBk領域
23と第2のPCBk領域24を含む全体のPCBk領
域内で、カラー画像領域21と接する領域における反応
性カラーインクの割合が、黒インク記録領域25と接す
る領域における反応性カラーインクの割合よりも相対的
に大きくなっている。
k領域24におけるカラーインクの打ち込み量は第1の
PCBk領域23におけるカラーインクの打ち込み量よ
りも小さくなっている。すなわち、第1のPCBk領域
23と第2のPCBk領域24を含む全体のPCBk領
域内で、カラー画像領域21と接する領域における反応
性カラーインクの割合が、黒インク記録領域25と接す
る領域における反応性カラーインクの割合よりも相対的
に大きくなっている。
【0083】第1のPCBk領域23は、カラーインク
と黒インクとのブリードを抑制するための領域である。
この領域では、黒インクで記録する領域内に、黒インク
と反応する反応性カラーインクを記録することにより、
黒インクの凝集を促進し、カラーインクと黒インク間の
ブリードを抑制する。また、この領域内に、黒インクに
対して非反応のインクを記録することによって、黒イン
ク記録領域25とこの領域との色調を合わせる必要があ
る。
と黒インクとのブリードを抑制するための領域である。
この領域では、黒インクで記録する領域内に、黒インク
と反応する反応性カラーインクを記録することにより、
黒インクの凝集を促進し、カラーインクと黒インク間の
ブリードを抑制する。また、この領域内に、黒インクに
対して非反応のインクを記録することによって、黒イン
ク記録領域25とこの領域との色調を合わせる必要があ
る。
【0084】第2のPCBk領域24は、黒インク記録
領域25における第1のPCBk23側の部分で発生す
る白もやを軽減させるための領域である。この第2のP
CBk領域24を設けることにより、少量のカラーイン
クの記録で、黒インク記録領域25におけるPCBk領
域と接する部分の黒インクの紙への浸透を抑制すること
ができ、黒インク記録領域25で黒インクの記録用紙へ
の沈み込みを減少させて、黒インク記録領域25での白
もやを抑制できる。ここで、第1のPCBk領域23と
第2のPCBk領域24はともに、浸透性の良いカラー
インクを使用する領域であるために白もやは発生しない
ので、色調の調整ためにカラーインクの量を調整する必
要がある。
領域25における第1のPCBk23側の部分で発生す
る白もやを軽減させるための領域である。この第2のP
CBk領域24を設けることにより、少量のカラーイン
クの記録で、黒インク記録領域25におけるPCBk領
域と接する部分の黒インクの紙への浸透を抑制すること
ができ、黒インク記録領域25で黒インクの記録用紙へ
の沈み込みを減少させて、黒インク記録領域25での白
もやを抑制できる。ここで、第1のPCBk領域23と
第2のPCBk領域24はともに、浸透性の良いカラー
インクを使用する領域であるために白もやは発生しない
ので、色調の調整ためにカラーインクの量を調整する必
要がある。
【0085】カラー画像領域21におけるブラック(R,
G,B=0,0,0)は、第1のPCBk領域23と同じ構成の
PCBk成分を使用する。
G,B=0,0,0)は、第1のPCBk領域23と同じ構成の
PCBk成分を使用する。
【0086】黒画像領域とカラー画像領域を判別する際
には、白(R,G,B=255,255,255)と黒(R,G,B=0,0,0)で
構成されているラスターを黒画像領域22と判断し、白
と黒以外のデータが存在する場合はカラー画像領域21
と判断する。そして、カラー画像領域21と接する黒画
像領域22であり、かつカラー画像領域21から上下1
〜9ラスター(300dpi)離れた領域を第1のPCBk領
域23と判断する。また、第1のPCBk領域23を介
してカラー画像領域21と隣り合う黒画像領域22であ
り、かつカラー画像領域21から10〜18ラスター
(300dpi)離れた領域を第2のPCBk領域24と判断
する。
には、白(R,G,B=255,255,255)と黒(R,G,B=0,0,0)で
構成されているラスターを黒画像領域22と判断し、白
と黒以外のデータが存在する場合はカラー画像領域21
と判断する。そして、カラー画像領域21と接する黒画
像領域22であり、かつカラー画像領域21から上下1
〜9ラスター(300dpi)離れた領域を第1のPCBk領
域23と判断する。また、第1のPCBk領域23を介
してカラー画像領域21と隣り合う黒画像領域22であ
り、かつカラー画像領域21から10〜18ラスター
(300dpi)離れた領域を第2のPCBk領域24と判断
する。
【0087】図7は、図6に示した第1および第2のP
CBk領域におけるインクの構成について説明するため
の図である。図7(a)〜図7(d)のそれぞれは、記
録用紙上のPCBk領域の一部を構成している縦4列、
横4列(4×4)のドットマトリスクでの各インクのド
ットパターンの一例を示す図である。図7(a)がイエ
ローインクのドットパターンを示す図、図7(b)がマ
ゼンタインクのドットパターンを示す図、図7(c)が
シアンインクのドットパターンを示す図、図7(d)が
黒インクのドットパターンを示す図である。
CBk領域におけるインクの構成について説明するため
の図である。図7(a)〜図7(d)のそれぞれは、記
録用紙上のPCBk領域の一部を構成している縦4列、
横4列(4×4)のドットマトリスクでの各インクのド
ットパターンの一例を示す図である。図7(a)がイエ
ローインクのドットパターンを示す図、図7(b)がマ
ゼンタインクのドットパターンを示す図、図7(c)が
シアンインクのドットパターンを示す図、図7(d)が
黒インクのドットパターンを示す図である。
【0088】例えば、図7(a)に示されるように4×
4のドットマトリスクに対して、互いに離れた位置にイ
エローインク31の2つのドットを打ち込み、同様のド
ットマトリスクに対して、図7(b)に示されるように
互いに離れた位置にマゼンタインク32の4つのドット
を打ち込む。そして、同様のドットマトリスクに対し
て、図7(c)に示されるように、縦方向および横方向
で互いに隣り合わない位置にシアンインク33の8つの
ドットを打ち込み、さらに、同様のドットマトリスクに
対して、図7(d)に示されるように全ての領域に黒イ
ンク34のドットを打ち込む。このように図7(a)〜
図7(d)に示される各色のインクのドットパターンを
重ね合わせることにより、PCBk領域の黒色が構成さ
れる。実際には、図6に示した第1のPCBk領域23
および第2のPCBk領域24のそれぞれにおいて、そ
れぞれの領域に対応した各色のカラーインクの割合で、
黒インクに対して各色のカラーインクを重ね合わせる。
4のドットマトリスクに対して、互いに離れた位置にイ
エローインク31の2つのドットを打ち込み、同様のド
ットマトリスクに対して、図7(b)に示されるように
互いに離れた位置にマゼンタインク32の4つのドット
を打ち込む。そして、同様のドットマトリスクに対し
て、図7(c)に示されるように、縦方向および横方向
で互いに隣り合わない位置にシアンインク33の8つの
ドットを打ち込み、さらに、同様のドットマトリスクに
対して、図7(d)に示されるように全ての領域に黒イ
ンク34のドットを打ち込む。このように図7(a)〜
図7(d)に示される各色のインクのドットパターンを
重ね合わせることにより、PCBk領域の黒色が構成さ
れる。実際には、図6に示した第1のPCBk領域23
および第2のPCBk領域24のそれぞれにおいて、そ
れぞれの領域に対応した各色のカラーインクの割合で、
黒インクに対して各色のカラーインクを重ね合わせる。
【0089】図8は、図6に基づいて説明した本実施形
態のカラーインクジェット記録方法によって得られる効
果について説明するための図である。図8(a)は、図
6(a)と同様に本実施形態の記録方法による記録用紙
上での第1および第2のPCBk領域の配置を模式的に
示す図であり、図8(b)は、図8(a)に示される領
域での記録用紙の断面図である。
態のカラーインクジェット記録方法によって得られる効
果について説明するための図である。図8(a)は、図
6(a)と同様に本実施形態の記録方法による記録用紙
上での第1および第2のPCBk領域の配置を模式的に
示す図であり、図8(b)は、図8(a)に示される領
域での記録用紙の断面図である。
【0090】図6(a)や図8(a)に示されるように
カラー画像領域21と黒インク記録領域25との間に第
1のPCBk領域23および第2のPCBk領域24が
カラー画像領域21側からこの順番で設けられている場
合には、図8(b)に示されるようにカラー画像領域2
1、第1のPCBk領域23および第2のPCBk領域
24のそれぞれのインクが、カラーインクが打ち込まれ
てことにより記録用紙内に浸透している。よって、カラ
ー画像領域21、第1のPCBk領域23および第2の
PCBk領域24のそれぞれのインクが、黒インク記録
領域25のインクよりも記録用紙内に深く浸透してお
り、記録用紙の表層では、カラー画像領域21、第1の
PCBk領域23および第2のPCBk領域24のそれ
ぞれに対応する部分が浸透領域26となっている。
カラー画像領域21と黒インク記録領域25との間に第
1のPCBk領域23および第2のPCBk領域24が
カラー画像領域21側からこの順番で設けられている場
合には、図8(b)に示されるようにカラー画像領域2
1、第1のPCBk領域23および第2のPCBk領域
24のそれぞれのインクが、カラーインクが打ち込まれ
てことにより記録用紙内に浸透している。よって、カラ
ー画像領域21、第1のPCBk領域23および第2の
PCBk領域24のそれぞれのインクが、黒インク記録
領域25のインクよりも記録用紙内に深く浸透してお
り、記録用紙の表層では、カラー画像領域21、第1の
PCBk領域23および第2のPCBk領域24のそれ
ぞれに対応する部分が浸透領域26となっている。
【0091】浸透領域26内では、インクを構成する
水、溶剤、界面活性剤などが記録用紙内に浸透してい
る。この浸透領域26における第2のPCBk領域24
側の端部領域27では、その第2のPCBk領域24に
おけるカラーインクの打ち込み量が少ないために、界面
活性剤の量も少なくなっている。このように第2のPC
Bk領域24でのカラーインクの打ち込み量が少ないた
めに、第2のPCBk領域24と黒インク記録領域25
の浸透性の差が少なく、これにより黒インク記録領域2
5の黒インクは、カラーインク側すなわち第2のPCB
k領域24側へと図8(b)の矢印A方向にあまり引き
込まれなくなる。その結果、黒インク記録領域25にお
ける第2のPCBk領域24側の部分で白もやが抑制さ
れる。
水、溶剤、界面活性剤などが記録用紙内に浸透してい
る。この浸透領域26における第2のPCBk領域24
側の端部領域27では、その第2のPCBk領域24に
おけるカラーインクの打ち込み量が少ないために、界面
活性剤の量も少なくなっている。このように第2のPC
Bk領域24でのカラーインクの打ち込み量が少ないた
めに、第2のPCBk領域24と黒インク記録領域25
の浸透性の差が少なく、これにより黒インク記録領域2
5の黒インクは、カラーインク側すなわち第2のPCB
k領域24側へと図8(b)の矢印A方向にあまり引き
込まれなくなる。その結果、黒インク記録領域25にお
ける第2のPCBk領域24側の部分で白もやが抑制さ
れる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、被記録媒
体上でカラーインク記録領域と黒インク記録領域との境
界部における滲みを防止するために被記録媒体上で黒イ
ンクと反応性カラーインクとが重ね合わされる領域のう
ち、黒インク記録領域と接している領域における少なく
とも黒インク記録領域側の部分で、黒インクに対する反
応性カラーインクの割合を、黒インク記録領域との距離
に対応して、カラーインク記録領域側から黒インク記録
領域側に向かって減少させたことにより、カラーインク
と黒インクの浸透性の違いによる黒インク記録領域での
白もやの発生が抑制され、黒画像の乱れが防止されて高
品位な黒画像の記録が可能となるという効果がある。ま
た、被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像領域に
おける少なくともカラーインク記録領域に隣接する領域
で、黒インクと相互反応性を示す少なくとも1つの反応
性カラーインクが黒インクと重ね合わされているため、
黒インクで記録された画像と、カラーインクで記録され
た画像との境界部でのブリードの発生が防止されてい
る。よって、黒画像とカラー画像との境界部での画像の
乱れが防止されるとともに、高品位な黒画像の記録、お
よび高品位なカラー画像の記録の両立が実現される。
体上でカラーインク記録領域と黒インク記録領域との境
界部における滲みを防止するために被記録媒体上で黒イ
ンクと反応性カラーインクとが重ね合わされる領域のう
ち、黒インク記録領域と接している領域における少なく
とも黒インク記録領域側の部分で、黒インクに対する反
応性カラーインクの割合を、黒インク記録領域との距離
に対応して、カラーインク記録領域側から黒インク記録
領域側に向かって減少させたことにより、カラーインク
と黒インクの浸透性の違いによる黒インク記録領域での
白もやの発生が抑制され、黒画像の乱れが防止されて高
品位な黒画像の記録が可能となるという効果がある。ま
た、被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像領域に
おける少なくともカラーインク記録領域に隣接する領域
で、黒インクと相互反応性を示す少なくとも1つの反応
性カラーインクが黒インクと重ね合わされているため、
黒インクで記録された画像と、カラーインクで記録され
た画像との境界部でのブリードの発生が防止されてい
る。よって、黒画像とカラー画像との境界部での画像の
乱れが防止されるとともに、高品位な黒画像の記録、お
よび高品位なカラー画像の記録の両立が実現される。
【0093】また、本発明は、被記録媒体上でカラーイ
ンク記録領域と黒インク記録領域との境界部における滲
みを防止するために被記録媒体上で黒インクと反応性カ
ラーインクとが重ね合わされる領域内で、カラーインク
記録領域と接する領域における反応性カラーインクの割
合を、黒インク記録領域と接する領域における反応性カ
ラーインクの割合よりも相対的に大きくしたことによ
り、カラーインクと黒インクの浸透性の違いによる黒イ
ンク記録領域での白もやの発生が抑制され、黒画像の乱
れが防止されて高品位な黒画像の記録が可能となるとい
う効果がある。また、被記録媒体上で黒色の画像を構成
する黒画像領域における少なくともカラーインク記録領
域に隣接する領域で、黒インクと相互反応性を示す少な
くとも1つの反応性カラーインクが黒インクと重ね合わ
されているため、黒インクで記録された画像と、カラー
インクで記録された画像との境界部でのブリードの発生
が防止されている。よって、黒画像とカラー画像との境
界部での画像の乱れが防止されるとともに、高品位な黒
画像の記録、および高品位なカラー画像の記録の両立が
実現される。
ンク記録領域と黒インク記録領域との境界部における滲
みを防止するために被記録媒体上で黒インクと反応性カ
ラーインクとが重ね合わされる領域内で、カラーインク
記録領域と接する領域における反応性カラーインクの割
合を、黒インク記録領域と接する領域における反応性カ
ラーインクの割合よりも相対的に大きくしたことによ
り、カラーインクと黒インクの浸透性の違いによる黒イ
ンク記録領域での白もやの発生が抑制され、黒画像の乱
れが防止されて高品位な黒画像の記録が可能となるとい
う効果がある。また、被記録媒体上で黒色の画像を構成
する黒画像領域における少なくともカラーインク記録領
域に隣接する領域で、黒インクと相互反応性を示す少な
くとも1つの反応性カラーインクが黒インクと重ね合わ
されているため、黒インクで記録された画像と、カラー
インクで記録された画像との境界部でのブリードの発生
が防止されている。よって、黒画像とカラー画像との境
界部での画像の乱れが防止されるとともに、高品位な黒
画像の記録、および高品位なカラー画像の記録の両立が
実現される。
【0094】また、本発明は、被記録媒体上でカラーイ
ンク記録領域と黒インク記録領域との境界部における滲
みを防止するために黒画像領域における前記カラーイン
ク記録領域に隣接している第1の領域で黒インクと反応
性カラーインクを重ね合わせ、かつ、前記黒画像領域に
おける第1の領域と黒インク記録領域との間に挟まれて
いる第2の領域で、黒インクに対する反応性カラーイン
クの割合を第1の領域よりも小さくして黒インクと反応
性カラーインクを重ね合わせたことにより、黒画像領域
における第1および第2の領域や黒インク記録領域での
白もやの発生が抑制され、黒画像の乱れが防止されて高
品位な黒画像の記録が可能となるという効果がある。ま
た、被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像領域に
おけるカラーインク記録領域に隣接する領域で、黒イン
クと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カラーイ
ンクが黒インクと重ね合わされているため、黒インクで
記録された画像と、カラーインクで記録された画像との
境界部でのブリードの発生が防止されている。その結
果、黒画像とカラー画像との境界部での画像の乱れが防
止されるとともに、高品位な黒画像の記録、および高品
位なカラー画像の記録の両立が実現される。
ンク記録領域と黒インク記録領域との境界部における滲
みを防止するために黒画像領域における前記カラーイン
ク記録領域に隣接している第1の領域で黒インクと反応
性カラーインクを重ね合わせ、かつ、前記黒画像領域に
おける第1の領域と黒インク記録領域との間に挟まれて
いる第2の領域で、黒インクに対する反応性カラーイン
クの割合を第1の領域よりも小さくして黒インクと反応
性カラーインクを重ね合わせたことにより、黒画像領域
における第1および第2の領域や黒インク記録領域での
白もやの発生が抑制され、黒画像の乱れが防止されて高
品位な黒画像の記録が可能となるという効果がある。ま
た、被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画像領域に
おけるカラーインク記録領域に隣接する領域で、黒イン
クと相互反応性を示す少なくとも1つの反応性カラーイ
ンクが黒インクと重ね合わされているため、黒インクで
記録された画像と、カラーインクで記録された画像との
境界部でのブリードの発生が防止されている。その結
果、黒画像とカラー画像との境界部での画像の乱れが防
止されるとともに、高品位な黒画像の記録、および高品
位なカラー画像の記録の両立が実現される。
【0095】さらに、本発明のカラーインクの割合の決
定方法によれば、被記録媒体における黒インクと反応性
カラーインクとの重ね合わせ領域での反応性カラーイン
クの割合を変化させて被記録媒体に記録画像を記録し、
記録画像の判定結果に基づいて前記重ね合わせ領域にお
ける反応性カラーインクの割合の分布を決定するので、
黒インク記録領域での白もやの発生を抑制できる最適な
記録条件を求めることが可能となる。よって、黒画像と
カラー画像との境界部での画像の乱れを防止でき、か
つ、高品位な黒画像の記録、および高品位なカラー画像
の記録の両立を実現可能な最適な記録条件を得ることが
できる。
定方法によれば、被記録媒体における黒インクと反応性
カラーインクとの重ね合わせ領域での反応性カラーイン
クの割合を変化させて被記録媒体に記録画像を記録し、
記録画像の判定結果に基づいて前記重ね合わせ領域にお
ける反応性カラーインクの割合の分布を決定するので、
黒インク記録領域での白もやの発生を抑制できる最適な
記録条件を求めることが可能となる。よって、黒画像と
カラー画像との境界部での画像の乱れを防止でき、か
つ、高品位な黒画像の記録、および高品位なカラー画像
の記録の両立を実現可能な最適な記録条件を得ることが
できる。
【図1】(a)は、本発明のカラーインクジェット記録
方法が実施もしくは適用されるインクジェット記録装置
に好適な記録ヘッドカートリッジの斜視図、(b)はそ
の分解斜視図である。
方法が実施もしくは適用されるインクジェット記録装置
に好適な記録ヘッドカートリッジの斜視図、(b)はそ
の分解斜視図である。
【図2】図1に示す記録ヘッドの構成を示す分解斜視図
である。
である。
【図3】図1に示した記録ヘッドの底面側を示す斜視図
である。
である。
【図4】本発明の第1の実施形態のカラーインクジェッ
ト記録方法について説明するための平面図である。
ト記録方法について説明するための平面図である。
【図5】本発明のカラーインクジェット記録方法による
PCBk領域での反応性カラーインクの割合の変化につ
いて説明するための図である。
PCBk領域での反応性カラーインクの割合の変化につ
いて説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のカラーインクジェッ
ト記録方法におけるインクの使用について説明するため
の図である。
ト記録方法におけるインクの使用について説明するため
の図である。
【図7】図6に示した第1および第2のPCBk領域に
おけるインクの構成について説明するための図である。
おけるインクの構成について説明するための図である。
【図8】図6に基づいて説明したカラーインクジェット
記録方法によって得られる効果について説明するための
図である。
記録方法によって得られる効果について説明するための
図である。
【図9】カラー画像領域と黒画像領域との境界部におい
て白もやが発生する原理について説明するための図であ
る。
て白もやが発生する原理について説明するための図であ
る。
【図10】黒画像領域におけるカラー画像領域との境界
部での「白もや」の発生について説明するための図であ
る。
部での「白もや」の発生について説明するための図であ
る。
【図11】黒インクと反応性カラーインクとの重ね合わ
せ領域に隣接している黒インク記録領域での白もやの発
生について説明するための図である。
せ領域に隣接している黒インク記録領域での白もやの発
生について説明するための図である。
【図12】PCBk領域におけるカラーインクの打ち込
み量を変化させた場合の、黒インクのみで記録された領
域に対するPCBk領域の影響の変化について説明する
ための図である。
み量を変化させた場合の、黒インクのみで記録された領
域に対するPCBk領域の影響の変化について説明する
ための図である。
【図13】図12に示したPCBk領域におけるインク
の構成について説明するための図である。
の構成について説明するための図である。
【図14】図12に示したカラー画像領域におけるイン
クの構成を示す図である。
クの構成を示す図である。
【図15】図12に示した黒インク記録領域におけるイ
ンクの構成を示す図である。
ンクの構成を示す図である。
1 カラーインク記録領域 2a、23 第1のPCBk領域 2b、24 第2のPCBk領域 2c、13 PCBk領域 3a、3b、15、25 黒インク記録領域 4 反応性カラーインク 11、21 カラー画像領域 12、22 黒画像領域 13a、13b 隣接領域 26 浸透領域 27 端部領域 31 イエローインク 32 マゼンタインク 33 シアンインク 34 黒インク H1000 記録ヘッドカートリッジ H1001 記録ヘッド(インクジェット記録ヘッ
ド) H1002 記録素子ユニット H1003 インク供給ユニット H1011 ブラック(黒)インク用吐出口列 H1012 シアンインク用吐出口列 H1013 マゼンタインク用吐出口列 H1014 イエローインク用吐出口列 H1900 インクタンク H1901 ブラック(黒)インクタンク H1902 シアンインクタンク H1903 マゼンタインクタンク H1904 イエローインクタンク H2000 タンクホルダー H2200 電気コンタクト基板 H2300 ジョイントシール部材 H2400 ビス
ド) H1002 記録素子ユニット H1003 インク供給ユニット H1011 ブラック(黒)インク用吐出口列 H1012 シアンインク用吐出口列 H1013 マゼンタインク用吐出口列 H1014 イエローインク用吐出口列 H1900 インクタンク H1901 ブラック(黒)インクタンク H1902 シアンインクタンク H1903 マゼンタインクタンク H1904 イエローインクタンク H2000 タンクホルダー H2200 電気コンタクト基板 H2300 ジョイントシール部材 H2400 ビス
Claims (7)
- 【請求項1】 カラーインクと、該カラーインクとは被
記録媒体への浸透性の異なる黒インクとを用い、記録デ
ータに応じて被記録媒体に所望のカラー画像を記録する
際に、前記被記録媒体上で、前記カラーインクを用いて
記録されるカラーインク記録領域と、前記黒インクのみ
で記録される黒インク記録領域との境界部における滲み
を防止するために、前記被記録媒体上で黒色の画像を構
成する黒画像領域における少なくとも前記カラーインク
記録領域に隣接する領域で、前記黒インクと相互反応性
を示す少なくとも1つの反応性カラーインクを前記黒イ
ンクと重ね合わせるカラーインクジェット記録方法にお
いて、 前記被記録媒体上で前記黒インクと前記反応性カラーイ
ンクとが重ね合わされる領域のうち、前記黒インクのみ
で記録される前記黒インク記録領域と接している領域に
おける少なくとも前記黒インク記録領域側の部分で、前
記黒インクに対する前記反応性カラーインクの割合を、
前記黒インク記録領域との距離に対応して、前記カラー
インク記録領域側から前記黒インク記録領域側に向かう
方向で減少させることを特徴とするカラーインクジェッ
ト記録方法。 - 【請求項2】 カラーインクと、該カラーインクとは被
記録媒体への浸透性の異なる黒インクとを用い、記録デ
ータに応じて被記録媒体に所望のカラー画像を記録する
際に、前記被記録媒体上で、前記カラーインクを用いて
記録されるカラーインク記録領域と、前記黒インクのみ
で記録される黒インク記録領域との境界部における滲み
を防止するために、前記被記録媒体上で黒色の画像を構
成する黒画像領域における少なくとも前記カラーインク
記録領域に隣接する領域で、前記黒インクと相互反応性
を示す少なくとも1つの反応性カラーインクを前記黒イ
ンクと重ね合わせるカラーインクジェット記録方法にお
いて、 前記被記録媒体上で前記黒インクと前記反応性カラーイ
ンクとが重ね合わされる領域内で、前記カラーインク記
録領域と接する領域における前記反応性カラーインクの
割合を、前記黒インク記録領域と接する領域における前
記反応性カラーインクの割合よりも相対的に大きくする
ことを特徴とするカラーインクジェット記録方法。 - 【請求項3】 前記被記録媒体上で前記黒インクと前記
反応性カラーインクとが重ね合わされる領域内で、前記
反応性カラーインクの割合を連続的に変化させる請求項
1または2に記載のカラーインクジェット記録方法。 - 【請求項4】 前記被記録媒体上で前記黒インクと前記
反応性カラーインクとが重ね合わされる領域内で、前記
反応性カラーインクの割合を段階的に変化させる請求項
1または2に記載のカラーインクジェット記録方法。 - 【請求項5】 カラーインクと、該カラーインクとは被
記録媒体への浸透性の異なる黒インクとを用い、記録デ
ータに応じて被記録媒体に所望のカラー画像を記録する
際に、前記被記録媒体上で、前記カラーインクを用いて
記録されるカラーインク記録領域と、前記黒インクのみ
で記録される黒インク記録領域との境界部における滲み
を防止するために、前記被記録媒体上で黒色の画像を構
成する黒画像領域における少なくとも前記カラーインク
記録領域に隣接する領域で、前記黒インクと相互反応性
を示す少なくとも1つの反応性カラーインクを前記黒イ
ンクと重ね合わせるカラーインクジェット記録方法にお
いて、 前記黒画像領域における前記カラーインク記録領域に隣
接している第1の領域で前記黒インクと前記反応性カラ
ーインクを重ね合わせ、かつ、前記黒画像領域における
前記第1の領域と前記黒インク記録領域との間に挟まれ
ている第2の領域で、前記黒インクに対する前記反応性
カラーインクの割合を前記第1の領域よりも小さくして
前記黒インクと前記反応性カラーインクを重ね合わせる
ことを特徴とするカラーインクジェット記録方法。 - 【請求項6】 カラーインクと、該カラーインクとは被
記録媒体への浸透性の異なる黒インクとを用い、記録デ
ータに応じて被記録媒体に所望のカラー画像を記録する
カラーインクジェット記録方法で、 被記録媒体上で、前記カラーインクを用いて記録される
カラーインク記録領域と、前記黒インクのみで記録され
る黒インク記録領域との境界部における滲みを防止する
ために、前記被記録媒体上で黒色の画像を構成する黒画
像領域における少なくとも前記カラーインク記録領域に
隣接する領域で、前記黒インクと相互反応性を示す少な
くとも1つの反応性カラーインクを前記黒インクと重ね
合わせる際に、前記被記録媒体における前記黒インクと
前記反応性カラーインクとの重ね合わせ領域での前記反
応性カラーインクの割合を決定する、カラーインクの割
合の決定方法であって、 前記重ね合わせ領域における前記反応性カラーインクの
割合を変化させて被記録媒体に記録画像を記録する段階
と、 記録された前記記録画像のうち、前記黒インクのみで記
録された黒インク記録領域における少なくとも前記重ね
合わせ領域との隣接領域の画像状態を判定する段階と、 前記判定結果に基づいて前記重ね合わせ領域における前
記反応性カラーインクの割合の分布を決定する段階とを
有する、カラーインクの割合の決定方法。 - 【請求項7】 前記黒インク記録領域における前記重ね
合わせ領域との隣接領域の画像状態を判定する段階で
は、該隣接領域における前記黒インクの濃度を視覚的に
判定し、 前記重ね合わせ領域における前記反応性カラーインクの
割合を決定する段階では、前記隣接領域における前記黒
インクの濃度が所定の濃度を超えるような条件を、前記
重ね合わせ領域内における前記黒インク記録領域との隣
接領域に記録する画像データとする請求項6に記載のカ
ラーインクの割合の決定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000267819A JP2002079695A (ja) | 2000-09-04 | 2000-09-04 | カラーインクジェット記録方法、およびカラーインクの割合の決定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000267819A JP2002079695A (ja) | 2000-09-04 | 2000-09-04 | カラーインクジェット記録方法、およびカラーインクの割合の決定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002079695A true JP2002079695A (ja) | 2002-03-19 |
Family
ID=18754674
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000267819A Pending JP2002079695A (ja) | 2000-09-04 | 2000-09-04 | カラーインクジェット記録方法、およびカラーインクの割合の決定方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002079695A (ja) |
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